説明

レーザー用画像形成材、及びパターンめっき用画像形成方法

【課題】
微細パターン化が進行するプリント基板、パッケージ基板の製造において、レーザー光において安定的にレジスト解像性を得られ、かつ、レジストの矩形性が良く、滑らかなレジスト側壁が得られるような手法を提供する。
【解決手段】
表面導電性基板に画像形成材料がレーザー感光性組成物層側で積層されてなるレーザー用画像形成材であって、該感光性組成物層が(A)バインダー用樹脂、(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物、(C)光重合開始剤、(D)増感色素を含有し、且つ、該表面導電性基板の表面粗度Raが360nm以下であることを特徴とするレーザー用画像形成材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー用画像形成材、及びパターンめっき用画像形成方法に関し、詳しくはプリント回路板、リードフレーム、半導体パッケ−ジやWL−CSP(ウェハーレベル−チップサイズパッケージ)の再配線層等の形成において、レーザー光による直接描画によって、特にめっきレジストのためのレジスト画像を形成するに有用なレーザー用画像形成材、及びパターンめっき用画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント回路板、リードフレーム、半導体パッケージ製造用のレジストとして、支持層と感光性組成物層から成る、いわゆるドライフィルムレジスト等の画像形成材料が用いられている。画像形成材料は、一般に支持フィルム上に感光性樹脂組成物を積層し、多くの場合、さらに感光性組成物層上に保護フィルムを積層することにより調製される。ここで用いられる感光性組成物としては、現在、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型が一般的である。画像形成材料を用いてプリント回路板を作製するには、例えば以下の方法が用いられる。
【0003】
即ち、i)まず画像形成材料の保護フィルムを剥離した後、銅張積層板等の永久回路作成用の表面導電性基板上に、ラミネータ−等を用いて、画像形成材料を積層することにより画像形成材が作製される。配線パタ−ンマスクフィルム等を通し露光を行う。ii)次に、支持フィルムを剥離し、現像液により未露光部分の感光性組成物を溶解、もしくは分散除去して現像し、基板上に所望のレジストパターンを形成させる。iii)形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の金属表面をエッチング、又はめっきによる処理を行い、次いでレジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ水溶液などを用いて剥離して、プリント配線板等を加工処理する。
【0004】
近年、プリント配線板上の導体パターン微細化が更に進み、30μm以下の配線形成が要求されるようになり、従来通りのエッチング工法では銅箔のサイドエッチングが大きな問題となってきた。銅箔を薄くすることによりサイドエッチングの問題はある程度回避されるが、十分な導体厚さをかせぐことが出来なくなるため、微細化の妨げとなっていた。
この問題の解決策として、いわゆるセミアディティブ工法が脚光を浴びている。これは、以下の方法により導体パターンを形成する手法である。即ち、i)基材の表面に無電解めっき等で薄い導体層を形成し、その上にレジストパターンを形成する。ii)次に、電解めっきにより所望厚さの導体層をパターンめっきした後、該レジストパターンを剥離し、露出した下地の薄い導体層をクイックエッチング等の方法により除去する。
【0005】
このセミアディティブ工法の特徴としては、エッチング処理が極めて短時間で済むことから、サイドエッチングの影響がほとんど無く、回路幅を細くしても矩形性の良い導体層を得ることが出来ることにある。ここで必要とされるレジストパターンとしては、レジスト剥離残りを防止する点から側壁形状が滑らかであることが好ましく、また特に、高周波回路においては導体表面粗さが信号品質の劣化原因となるため、めっきレジストの側壁を平滑に仕上げることが重要である(非特許文献1、2)。
【0006】
一方、露光システムにおいても、各種レーザー光を用いたレーザー直描システムが開発されており、露光用マスクを必要とせずに直接に微細パターンを描画可能であることから、新たな露光システムとして期待されている。また、レーザー直描システム(LDI)では、走査露光方式となることから、露光処理時間の増加を抑えるためにも、DFRの高感度化が不可欠であり、各種レーザー波長に応じた高感度品が開発されつつある。
【非特許文献1】「新しいレジスト材料とナノテクノロジー」シーエムシー出版 第58頁〜第59頁
【非特許文献2】「表面技術」Vol.55,No.12,2004 第919頁〜第921頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の表面粗度(Ra)が比較的大きい表面導電性基板を用いると、露光時において基板からの反射光が散乱し、パターン側壁を構成する部位の露光量が一定にならず、その結果、めっきレジストの側壁を平滑に仕上げることができない。
このために、表面導電性基板のRaを小さくする必要があるが、従来の画像形成材料ではRaの小さい基板に対する解像性、密着性等の画像形成性において十分満足のいくものは得られなかった。
【0008】
さらに、従来の画像形成材料は、近年のレーザー露光に対する感度、現像性において、依然として改良の余地を残すものであると共に、基板に対する密着性等も不十分であった。特に青紫色半導体レーザーに対応する感光性組成物の感度が不十分であった。
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、微細パターン化が進行するプリント基板、パッケージ基板の製造において、レーザー光において安定的にレジスト解像性を得られ、かつ、レジストの矩形性が良く、滑らかなレジスト側壁が得られるような手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、表面導電性基板の表面粗度(Ra)とレーザー光の波長(λ)が特定の関係を満たす画像形成材及び画像形成方法が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は以下に示す複数の発明に存する。
(1) 表面導電性基板に画像形成材料がレーザー感光性組成物層側で積層されてなるレーザー用画像形成材であって、該感光性組成物層が(A)バインダー用樹脂、(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物、(C)光重合開始剤、(D)増感色素を含有し、且つ、該表面導電性基板の表面粗度Raが360nm以下であることを特徴とするレーザー用画像形成材。
(3)表面導電性基板に画像形成材料をレーザー感光性組成物層側で積層させた画像形成材に、レーザー露光することによりパターンめっき用画像を形成する方法であって、該表面導電性基板の表面粗度(Ra)と該レーザー光の波長(λ)が下記式(1)で表されることを特徴とするパターンめっき用画像形成方法。
【0010】
Ra≦λ/1.2 (1)
【発明の効果】
【0011】
本発明のレーザー用画像形成材、及びパターンめっき用画像形成方法によれば、微細パターン化が進行するプリント基板、パッケージ基板の製造において、レーザー光において安定的にレジスト解像性を得られ、かつ、レジストの矩形性が良く、滑らかなレジスト側壁が得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に記載する本発明の構成要件は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容には特定されない。
[1]レーザー用画像形成材
本発明は表面導電性基板に画像形成材料がレーザー感光性組成物層側で積層されてなるレーザー用画像形成材であって、該感光性組成物層が(A)バインダー用樹脂、(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物、(C)光重合開始剤、(D)増感色素を含有し、且つ、該表面導電性基板の表面粗度Raが360nm以下であることを特徴とする。
【0013】
[1−1]画像形成材料
本発明に係る画像形成材料は、仮支持フィルム上に感光性組成物層が形成されてなる。
その感光性組成物層は、構成要素として、(A)バインダー用樹脂、(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物、(C)光重合開始剤、(D)増感色素を含有することを必須とする。また、要すれば、更に前記以外の成分を含有していても良い。
【0014】
[1−1−1](A)バインダー用樹脂
本発明に関わる(A)バインダー用樹脂は、その構成成分として(a)カルボキシル基を有する重合性モノマー、(b)スチレン系モノマー、(c)アルコール性−OH基を有する(メタ)アクリルレートを含有することが好ましい。
【0015】
[1−1−1−1](a)カルボキシル基を有する重合性モノマー
(a)カルボキシル基を有する重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられるが、(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。カルボキシル基を有する重合性モノマーのバインダー用樹脂中の構成成分中における構成量としては10〜50重量%であることが好ましく、15〜27重量%であることがさらに好ましく、17〜24重量%であることが特に好ましい。これらカルボキシル基を有する重合性モノマーの構成量が少なすぎると充分な現像性が確保されず、又テンティング膜強度が低下し、エッジフュ−ズも著しくなる。一方構成量が多すぎると接着性の悪化が認められ、本発明の表面導電性基板上に線幅15μm以下の画像形成をすることが困難となる。
【0016】
[1−1−1−2](b)スチレン系モノマー
(b)スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられるが、特にスチレンが好ましい。これらスチレン系モノマーのバインダー用樹脂中の構成成分中における構成量は1〜40重量%が好ましく、5〜15重量%であることが特に好ましい。構成量が少なすぎると画像強度が弱くなり本発明の表面導電性基板上に画像を形成させた場合、画像部に現像によるダメージが発生し易くなる。また、構成量が多すぎると充分な現像性が確保されない。
【0017】
[1−1−1−3](c)アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート
(c)アルコール性−OH基を有する(メタ)アクリルレートとしては例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、1-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に2−ヒドロキシメタアクリレートが好ましい。これらアルコール性−OH基を有する(メタ)アクリルレートのバインダー用樹脂中の構成成分中における構成量は1〜30重量%が好ましく、5〜20重量%であることが特に好ましい。構成量が少なすぎると本発明の表面導電性基板との充分な接着性が確保されにくいため、線幅15μm以下の画像形成をすることが困難となり、構成量が多すぎると現像時にダメージを受け易くなる。
【0018】
尚、本発明の画像形成材料に用いるバインダー用樹脂には、上記の(a)カルボキシル基を有する重合性モノマー、(b)スチレン系モノマー、(c)アルコール性−OH基を有する(メタ)アクリルレートの他、それらと共重合可能な各種構成成分を含有してもよく、中でもアルキル(メタ)アクリレート類を含有することが好ましく、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はi−プロピル(メタ)アクリレート、n−又はi−又はt−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
前記アルキル(メタ)アクリレート類の構成成分中における構成量は、通常10〜80重量%である。構成量が少なすぎると感光性組成物をドライフィルムレジスト材として用いる場合においてタック性が不足しドライフィルムレジスト材としての製造上及び取扱い上の不都合を生じる傾向となる。構成量が多すぎると他構成繰返し単位の導入が量的に制限されることとなってカルボキシル基含有共重合体として諸性能のバランスをとることが困難な傾向となる。
【0020】
本発明に用いるバインダー用樹脂の重量平均分子量は2万〜30万であることが好ましく、2万未満ではテンティング膜強度が低下し、エッジフュ−ズが著しくなり、30万を超えると現像性が低下したり、本発明の表面導電性基板上での画像の充分な接着性の確保が困難となる。本発明の効果をさらに良く発揮するためには、バインダー樹脂の分子量は、3万〜15万が好ましい。
【0021】
又、本発明に用いるバインダ−用樹脂の感光性組成物全体に対する割合は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは30〜70質量%である。バインダー用樹脂の割合が、20質量%未満である場合及び90質量%を超える場合には、露光、現像によって形成されるレジストパターンが、レジストとしての特性、例えば、テンティング、エッチング及び各種めっき工程において十分な耐性等を有しない。
【0022】
[1−1−2](B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物
本発明に用いられる(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(C)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0023】
エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物(以下、エチレン性不飽和化合物)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0024】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0025】
そのエステル類としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0026】
更に、そのエステル類として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物やグリシジル基含有化合物付加物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔トリオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔ペンタオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔ヘキサオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0027】
又、そのウレタン(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0028】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0029】
以上の(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物として、本発明においては、エステル(メタ)アクリレート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、エステル(メタ)アクリレート類が特に好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、或いはビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加物等のポリオキシアルキレン基を有し、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するエステル(メタ)アクリレート類が殊更好ましい。
【0030】
本発明に用いられる(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物の感光性組成物中全体における割合は、3〜70質量%の範囲である。この割合が、3質量%未満では感度の点で充分ではなく、70質量%を越えると保存時の光重合性層のはみ出しが著しくなるため好ましくない。好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜55質量%である。
【0031】
[1−1−3](C)光重合開始剤
本発明の感光性組成物を構成する(C)成分の光重合開始剤は、後述する(D)成分の増感色素との共存下で光照射されたときに、増感色素の光励起エネルギーを受け取って活性ラジカルを発生し、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物を重合に到らしめるラジカル発生剤である。
【0032】
本発明に用いられる(C)光重合開始剤としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、チタノセン系化合物、ハロメチル化s−トリアジン誘導体、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体、ジアリールヨードニウム塩、有機硼素酸塩、及び有機過酸化物等が挙げられる。中で、感光性組成物としての感度、基板に対する密着性、及び保存安定性等の面から、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、及びチタノセン系化合物が好ましく、セーフライト性の点でヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。
【0033】
そのヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられる。中で、ヘキサフェニルビイミダゾール化合物が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが更に好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位に結合したベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。
【0034】
本発明に用いられる(C)光重合開始剤の感光性組成物中全体における割合は、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。10質量%を超えると現像不良や解像性の悪化により本発明の特徴であるファイン画像の再現が難しくなると同時に、析出や現像液のスラッジといった問題が起きしやすくなる。逆に、0.1質量%未満では充分な感度が得られない。
【0035】
[1−1−4](D)増感色素
本発明の感光性組成物を構成する(D)増感色素は、露光に用いるレーザー光源の波長域に吸収を有するものであって、該波長域の光を効率的に吸収すると共に、その光励起エネルギーを前記(C)成分の光重合開始剤に伝え、該光重合開始剤を分解させ、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する光吸収色素である。
【0036】
本発明の画像形成材料の露光用レーザーは、特に限定されるものではなく、増感色素も使用するレーザー光の波長を効率的に吸収し、増感効果を示すものであれば特に限定されるものではない。しかしながら、解像性・安定性・コストに有利な青紫レーザーを用いることが本発明の効果を達成するためにはより効果的であり、この青紫レーザーを用いる場合は、増感色素の吸収波長は355〜430nmの波長域に吸収極大を有するものが好ましい。尚、ここで、吸収極大波長は、増感色素をテトラヒドロフランに溶解し、吸収波長を測定した際の極大値を示す波長であり、355〜430nmの波長域にある吸収極大波長が、極大波長の最長波長であるのが好ましい。
【0037】
その増感色素としては、例えば、(i) 特開2000−10277号公報、特願2002−362326号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするジアミノベンゾフェノン系化合物、(ii)特願2002−362326号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするアミノフェニル−ベンゾイミダゾール/ベンゾオキサゾール/ベンゾチアゾール系化合物、(iii) 特願2003−17559号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするスルホニルイミノ系化合物、(iv)特願2002−365470号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするアミノカルボスチリル系化合物、(v) 特開2002−169282号公報、特願2002−344555号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするメロシアニン系化合物、(vi)特開2002−268239号公報等に記載の下記式を基本骨格とするチアゾリデンケトン系化合物、(vii) 特願2003−291606号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするイミド系化合物、(viii)下記式を基本骨格とするベンゾイミダゾール/ベンゾオキサゾール/ベンゾチアゾール系化合物、(ix)下記式を基本骨格とするトリアゾール系化合物、(x) 下記式を基本骨格とするシアノスチリル系化合物、(xi)下記式を基本骨格とするスチルベン系化合物、(xii) 下記式を基本骨格とするオキサジアゾール/チアジアゾール系化合物、(xiii)下記式を基本骨格とするピラゾリン系化合物、(xiv) 下記式を基本骨格とするクマリン系化合物、(xv)特願2003−317021号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするトリフェニルアミン系化合物、(xvi) 下記式を基本骨格とするアクリドン系化合物等、(xvii)特願2003−435312号明細書等に記載の下記式を基本骨格とするカルバゾール系化合物等が挙げられる。
【0038】
尚、下記式において、X及びZは各々独立して、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はC−Rを表し、Yは任意の連結基を表し、nは1以上の整数である。又、基本骨格を示す下記式の化合物はそれぞれ、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カーバメート基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホン酸エステル基、飽和若しくは不飽和の複素環基等の置換基を有していてもよく、これらの置換基は更に置換基を有していてもよく、又、複数の置換基同士が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0039】
【化1】

【0040】
これらの中で、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、及びトリフェニルアミン系化合物が好ましく、特に、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物、カルボスチリル骨格を形成したジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0041】
そのジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(I) で表されるものが好ましい。
【0042】
【化2】

【0043】
〔式(I) 中、R1 、R2 、R5 、及びR6 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R3 、R4 、R7 、及びR8 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 、R5 とR6 、R1 とR3 、R2 とR4 、R5 とR7 、及びR6 とR8 とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
ここで、式(I) 中のR1 、R2 、R5 、及びR6 のアルキル基の炭素数、並びに、R3 、R4 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましい。又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、R1 とR3 、R2 とR4 、R5 とR7 、又はR6 とR8 が6員環のテトラヒドロキノリン環を形成しているのが好ましく、R1 とR2 とR3 とR4 、又は/及び、R5 とR6 とR7 とR8 がジュロリジン環を形成しているのが特に好ましい。更に、2位にアルキル基を置換基として有するテトラヒドロキノリン環、或いは該テトラヒドロキノリン環を含むジュロリジン環が殊更好ましい。
前記一般式(I) で表される化合物の具体例としては、例えば下記構造の化合物が挙げられる。
【0044】
【化3】

【0045】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物における複素環基としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む5又は6員環のものが好ましく、縮合ベンゼン環を有する5員環が特に好ましく、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0046】
【化4】

【0047】
〔式(II)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 、R1 とR3 、及びR2 とR4 とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよく、Xは、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
ここで、式(II)中のR1 及びR2 のアルキル基の炭素数、並びに、R3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、R1 とR3 、R2 とR4 、R5 とR7 、又はR6 とR8 が6員環のテトラヒドロキノリン環を形成しているのが好ましく、R1 とR2 とR3 とR4 、又は/及び、R5 とR6 とR7 とR8 がジュロリジン環を形成しているのが特に好ましい。更に、2位にアルキル基を置換基として有するテトラヒドロキノリン環、或いは該テトラヒドロキノリン環を含むジュロリジン環が殊更好ましい。又、Xがジアルキルメチレン基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、アルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0048】
【化5】

【0049】
又、前記一般式(II)で表される化合物以外の、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
【0050】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0051】
【化6】

【0052】
〔式(III) 中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 、R1 とR3 及びR2 とR4 とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよく、R9 は1価基、又は水素原子を示し、R10は1価基を示す。〕
ここで、式(III) 中のR1 及びR2 のアルキル基の炭素数、並びに、R3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましいが、R3 及びR4 は水素原子であるのが好ましい。又、R9 及びR10の1価基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルケニル基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルバモイル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、イミノ基、シアノ基、及び複素環基等が挙げられる。これらの中で、R9 としては水素原子が、又、R10としてはアリール基が好ましい。
【0053】
又、カルボスチリル骨格を形成したジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0054】
【化7】

【0055】
〔式(IV)中、R1 、R2 、及びR11は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 、R1 とR3 及びR2 とR4 とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよく、R12は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示す。〕
ここで、式(IV)中のR1 、R2 、及びR11のアルキル基の炭素数、並びに、R3 、R4 、及びR12がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましいが、R3 及びR4 は水素原子であるのが好ましい。又、R12としてはフェニル基であるのが好ましい。
【0056】
又、トリフェニルアミン系化合物としては、トリフェニルアミンを基本骨格とし、3個のベンゼン環は、炭化水素環、複素環による縮合環を有していてもよく、又、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルケニル基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルバモイル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、スルホン酸基、スルホンエステル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、及び複素環基等の置換基を有していてもよく、それらの置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
【0057】
又、アクリドン系化合物としては、アクリドン環を基本骨格とし、2個のベンゼン環は、炭化水素環、複素環による縮合環を有していてもよく、又、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルケニル基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルバモイル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、スルホン酸基、スルホンエステル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、及び複素環基等の置換基を有していてもよく、それらの置換基は、さらに置換基を有していてもよい。又、イミノ基における水素原子は、アルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。
【0058】
又、カルバゾール系化合物としては、カルバゾール環を基本骨格とし、2個のベンゼン環は、炭化水素環、複素環による縮合環を有していてもよく、又、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルケニル基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルバモイル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、スルホン酸基、スルホンエステル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、及び複素環基等の置換基を有していてもよく、それらの置換基は、さらに置換基を有していてもよい。又、イミノ基における水素原子は、アルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。
以上の(d)成分の増感色素として、本発明においては、前記一般式(I) で表されるジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、前記一般式(III) で表される、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物、前記一般式(IV)で表される、カルボスチリル骨格を形成したジアルキルアミノベンゼン系化合物、及びトリフェニルアミン系化合物が特に好ましい。
【0059】
本発明に用いられる(D)増感色素の感光性組成物中全体における割合は、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.02〜2重量%である。10質量%を超えると光透過性を悪化させることで、パターン形状や密着性が悪化し、逆に、0.01質量%未満では充分な感度が得られず、いずれの方向でも本発明で求めるファインなパターンが得られない。
【0060】
[1−1−5]その他成分
尚、本発明のレーザー用画像形成材料に用いる感光性組成物には、前記(A)〜(D)成分の外に、光重合開始能力の向上等を目的としての水素供与性化合物、感光性組成物の熱的或いは経時的な重合を防止するための重合禁止剤、感光性組成物層としての膜物性をコントロールするための可塑剤、形成される像を可視化するための色素、変色剤、形成される像の被加工基板への密着性を付与するための密着付与剤、及び、酸化防止剤、表面張力改質剤、安定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤等を、必要に応じて含有していてもよい。
【0061】
その重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、β−ナフトール、ナフチルアミン、ニトロベンゼン、ピクリン酸、p−トルイジン、クロラニル、フェノチアジン、塩化第一銅等が、又、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート等のグリコールエステル類、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル類、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類、グリセリントリアセチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類等が、それぞれ挙げられる。
【0062】
又、色素としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン〔ロイコクリスタルバイオレット〕、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ロイコマカライトグリーン、ロイコアニリン、ロイコメチルバイオレット、ブリリアントグリーン、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチオカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー♯603〔オリエント化学工業社製〕、ビクトリアピュアブルーBOH、スピロンブルーGN〔保土ヶ谷化学工業社製〕、ローダミン6G等挙げられ、中で、ロイコクリスタルバイオレット等のロイコ染料を感光性組成物の全量に対して0.01〜1.5重量%、特には0.05〜0.8重量%含有し、更に、クリスタルバイオレット、マカライトグリーン、ブリリアントグリーン等を0.01〜0.5重量%、特には0.01〜0.2重量%含有するのが好ましい。
【0063】
[1−2]画像形成材料の製造方法
本発明に係る画像形成材料は、仮支持フィルム上に、前述の感光性組成物の層が形成されてなる。その製造方法としては特に限定はないが、例えば以下の方法を用いることが出来る。
【0064】
[1−2−1]仮支持フィルム
本発明に係るレーザー用画像形成材料に用いられる仮支持フィルムとしては、活性光を透過する透明なものが望ましい。活性光を透過する仮支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらの仮支持フィルムは、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
【0065】
また、仮支持フィルムのヘーズは5.0以下であるものが好ましい。厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10〜30μmのものが一般的である。
仮支持フィルムと積層した感光性組成物層の反対側の表面に、必要に応じて保護フィルムを積層する。支持フィルムよりも保護フィルムの方が感光性組成物層との密着力が充分小さく、容易に剥離できることがこの保護フィルムとしての重要な特性である。このような保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0066】
[1−2−2]感光性組成物層の塗工方法
仮支持フィルム上への感光性組成物層の塗工は、感光性組成物を適当な溶媒に溶解させた上で、公知の塗工方式を用いることにより行われる。その塗工方式としては、例えばスリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターリバースコーター等が挙げられる。また、塗工方式は塗工液の粘度や感光性組成物層の厚み等に応じて適宜選択される。
【0067】
感光性組成物層の厚みは、用途において異なるが、プリント回路板作製用には5〜100μm、好ましくは10〜50μmであり、より好ましくは10〜25μmである。感光性組成物層が薄いほど解像力は向上する。また、感光性組成物層が厚いほど膜強度が向上する。
【0068】
[1−3]表面導電性基板
本発明で用いられる表面導電性基板(以下、単に「基板」と称することがある。)としては、プリント基板で使用されるような絶縁性基板の上に、電気めっきの通電に必要な表面導電性層を設けたものを用いることができる。絶縁性基板の材質としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド(PPO)樹脂、シアネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂などが用いられ、リジッド基板、あるいはフレキシブル基板として用いられる。基板の表面導電性は、電気めっきに必要な導電性を有する金属、カーボン、導電性ポリマーなどの薄膜形成で付与してもよいが、特に、銅、ニッケル、クロム、あるいは、それらの合金の薄膜を、厚み2μm以下、好ましくは1.5μm以下で、スパッタリング、真空蒸着、あるいは無電解めっきによって形成させるのがよく、基板下地の種類に応じて密着性の良い材料・形成法を選んで用いられる。
【0069】
また、基板表面の表面粗度(Ra)は、360nm以下、好ましくは290nm以下、更に好ましくは240nm以下、特に好ましくは220nm以下である。これは、露光用レーザーを紫外〜青紫レーザーとした場合に、該レーザー波長(λ)に対してλ/1.2以下、好ましくはλ/1.5以下、更に好ましくはλ/1.8以下、特に好ましくはλ/2以下であるという技術思想に基づくものである。Raの値が大きすぎると、露光時のレーザー光が基板表面で散乱されやすくなり、レジストの裾引き(矩形性の劣化)発生、レジスト側壁の平滑性低下が起こりやすくなる(基板にビア穴がある場合は、ビアの無い平坦な部分のRa値で規定する)。通常、基板の表面粗度を下げることによりアンカー効果によるレジスト密着性は低下するが、Raを露光用レーザー波長の上記範囲とすることにより、基板表面の光散乱が抑えられ、レジスト裾引きを伴わずに露光量を上げることが可能となる。そのため、レジスト重合度を稼ぐことにより密着性を保つことが出来る。
【0070】
基板の表面粗度(Ra)は、JIS−B0601に記載の方法等の公知の測定法により求められるが、例えばアルパック社製「DEKTAK・IIA」を用いることにより求めることができる。
本発明のレーザー用画像形成材は、上記基板の表面に、前述の画像形成材料をラミネートすることにより得られる。ラミネートは画像形成材料に保護フィルムが積層してある場合には、保護フィルムを剥がした上で、感光性組成物層を該基板表面に押し当てて行われる。ラミネート手法としては、熱ロールラミネート、真空ラミネート等が用いられる。また仮支持フィルムは、通常露光後現像前に剥がすが、露光前に剥離してもよい。
【0071】
露光用レーザーとしては、UVレーザー、青紫色レーザー等、各種波長の光源が開発されているが、集光スポット径を小さくできること、取り扱い性、レーザー寿命、消費電力などの点で、青紫半導体レーザーが好ましく用いられる。露光波長は上記基板のRaの2倍以上の波長であれば特に限定はないが、通常330〜430nm、好ましくは350〜440nm、更に好ましくは390〜420nmである。例えば青紫半導体レーザーであれば発光波長は405nmのものが用いられる。
【0072】
レーザー露光量は通常3〜100mJ/cm、好ましくは5〜50mJ/cm、更に好ましくは5〜30mJ/cmである。
また、露光方法としては、ポリゴンミラーやDMD等の2次元表示素子を用いた走査露光方式等が挙げられる。中でも2次元表示素子を用いた走査露光方式が好ましい。
【0073】
[2]パターンめっき用画像形成方法
本発明のパターンめっき用画像形成方法は、表面導電性基板に画像形成材料をレーザー感光性組成物層側で積層させた画像形成材に、レーザー露光することによりパターンめっき用画像を形成する方法であって、該表面導電性基板の表面粗度(Ra)と該レーザー光の波長(λ)が下記式(1)で表されることが特徴である。
【0074】
Ra≦λ/1.2 (1)
【0075】
[2−1]画像形成材及び画像形成材料
本発明のパターンめっき用画像形成方法に係る上記画像形成材、画像形成材料については特に限定はないが、特に[1]章に記載のレーザー用画像形成材及び[1−1]章に記載のレーザー用画像形成材料が好ましく用いられる。
【0076】
[2−2]表面導電性基板の表面粗度(Ra)と該レーザー光の波長(λ)
本発明のパターンめっき用画像形成方法は、上記表面導電性基板の表面粗度(Ra)と上記レーザー光の波長(λ)が下記式(1)で表されることが特徴である。
【0077】
Ra≦λ/1.2 (1)
【0078】
表面導電性基板の表面粗度(Ra)と上記レーザー光の波長(λ)の関係は、好ましくは下記式(2)で表され、更に好ましくは下記式(3)で表され、特に好ましくは下記式(4)で表される。
Ra≦λ/1.5 (2)
Ra≦λ/1.8 (3)
Ra≦λ/2 (4)
Raの値が大きすぎると、露光時のレーザー光が基板表面で散乱されやすくなり、レジストの裾引き(矩形性の劣化)発生、レジスト側壁の平滑性低下が起こりやすくなる。Raは[1−3]章に記載の方法により測定することが出来る。
【実施例】
【0079】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
[1]実施例1
表1の処方Aに示す成分を混合して均一に溶解し、感光性樹脂組成物の溶液を調整し、厚さ19μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルムにバ−コ−タ−を用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分乾燥した。この時の感光性樹脂層の厚さは20μmであった。次いで、感光性樹脂層上に厚さ23μmのポリエチレンフィルムを張り合わせ積層フィルムを得た。感度及び解像度を評価するために、上記で得た感光性樹脂積層体を用いて、次に示す工程によってレジストパターンを作成した。
【0080】
表面平滑なポリイミド基板上にスパッタリングにより厚さ10nmの銅薄膜を成膜し、表面導電性基板を作成した。粗さ計アルバックDEKTAK・IIAを用いて表面粗さRaを測ったところ170nmであった。この基板の上に、感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥しながら感光性樹脂層をホットロ−ルラミネ−タ−により105℃でラミネ−トした。この感光性樹脂層を有する積層体に青紫レーザー露光装置DI−μ10(ペンタックス社製)を用いて、16mJ/cmで感光性樹脂層を露光した。15分間放置後、引き続いてポリエチレンテレフタレ−ト支持層を剥離した後、30℃の0.7質量%の炭酸ナトリウム水溶液を20秒間スプレ−し、未露光部分を溶解除去し、現像した。得られた現像サンプルに対して以下の(1)から(3)の評価を行い、結果を表2にまとめた。
【0081】
(1)解像度:ラインとスペ−スが1:1である露光パターンを露光・現像し、得られた硬化パターンの分離し得る最小線幅を解像度とした。
(2)レジスト矩形性
SEMによりライン/スペース=20μm/20μmの集合線の端部の形状を観察(1000倍)して、以下のようにランク付け評価した。
○:レジストのライン幅で、トップとボトムの幅が同じで裾引きが無い。
△:レジストのライン幅で、トップとボトムの幅が同じだが、わずかに裾引きが有る。
▽:レジストのボトムが細って、台形となっている。
×:レジストのボトムが太って、逆台形となっている。
【0082】
(3)レジストの側壁平滑性
SEMによりライン/スペース=20μm/20μmの集合線の側壁の状態を観察(1000倍)して、以下のようにランク付け評価した。
○:レジスト側壁が平滑で縦スジがほとんど無い。
△:レジスト側壁に縦スジが有り(連なっていない)。
×:レジスト側壁に縦スジが多数連なって発生している。
【0083】
[2]実施例2
ポリイミド基板上にスパッタリングにより厚さ10nmのニッケルを成膜(表面粗さRaは、200nm)したこと以外は実施例1と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
[3]実施例3
表1の処方Bに示す感光性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
【0084】
[4]比較例1
基板としてバフ研磨(#1000)したガラスエポキシ銅張積層板(表面粗さRaは、800nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
[5]比較例2
基板として過酸化水素/硫酸系エッチャントにより粗面化したガラスエポキシ銅張積層板(表面粗さRaは、400nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
[6]比較例3
基板として過酸化水素/硫酸系エッチャントにより粗面化したガラスエポキシ銅張積層板(表面粗さRaは、400nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
【0085】
[7]比較例4
露光量を11mJとした以外は比較例1と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
[8]比較例5
露光量を11mJとした以外は比較例2と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
[9]比較例6
露光量を11mJとした以外は比較例3と同様にして評価を行い、結果を表2にまとめた。
[10]比較例7
露光にガラスマスクを用い、かつ露光光源に高圧水銀灯を用いフィルターによってh線(405nm)のみを透過させて、実施例1と同様のパターンを露光(16mJ)をしたこと以外は実施例1と同様に評価を行い、結果を表2にまとめた。
【0086】
【表1】

【0087】
<バインダー用樹脂>
(A1)メタクリル酸/メチルメタクリレート/t−ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレン共重合体(重量%=20/30/15/10/15/10、重量平均分子量50,000)
(A2)メタクリル酸/メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレン共重合体(重量%=25/30/10/10/15/10、重量平均分子量70,000)
【0088】
<エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物>
(B1)下記の化合物
(B2)下記の化合物
【0089】
【化9】

【0090】
<光重合開始剤>
(C1)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
<増感剤>
(D1)下記の化合物
【0091】
【化10】

【0092】
<着色剤等>
(X1)ロイコクリスタルバイオレット
(X2)クリスタルバイオレット
<溶剤>
(Y1)メチルエチルケトン
(Y2)イソプロピルアルコール
【0093】
【表2】

【0094】
表2の結果より、本発明の画像形成材は、レーザー露光と組み合わせることにより、高解像で、矩形性が良く、レジスト側壁の平滑性に優れるレジスト・パターンを形成でき、セミアディティブ工法などを適用することにより、高密度で高周波特性に優れたプリント基板、パッケージ基板、WL−CSPの製造に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面導電性基板に画像形成材料がレーザー感光性組成物層側で積層されてなるレーザー用画像形成材であって、該感光性組成物層が(A)バインダー用樹脂、(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物、(C)光重合開始剤、(D)増感色素を含有し、且つ、該表面導電性基板の表面粗度Raが360nm以下であることを特徴とするレーザー用画像形成材。
【請求項2】
(A)バインダー樹脂が、その構成成分として(a)カルボキシル基を有する重合性モノマー、(b)スチレン系モノマー、(c)アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレートを含有する請求項1に記載のレーザー用画像形成材。
【請求項3】
(A)バインダー用樹脂中の構成成分中における(a)、(b)、(c)各成分の構成量がそれぞれ10〜50重量%、1〜40重量%、1〜30重量%である請求項2に記載のレーザー用画像形成材。
【請求項4】
(B)エチレン性不飽和結合を有する付加重合可能な化合物が、エチレン性不飽和結合を2個以上有し、該不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物である請求項1乃至3の何れか1項に記載のレーザー用画像形成材。
【請求項5】
(C)光重合開始剤がヘキサアリールビスイミダゾール化合物を含有する請求項1乃至4の何れか1項に記載のレーザー用画像形成材。
【請求項6】
表面導電性基板が、銅、ニッケル、クロム、及び/又はそれらの合金のうち少なくとも1以上によって形成された薄膜を含む請求項1乃至5の何れか1項に記載のレーザー用画像形成材。
【請求項7】
表面導電性基板に画像形成材料をレーザー感光性組成物層側で積層させた画像形成材に、レーザー露光することによりパターンめっき用画像を形成する方法であって、該表面導電性基板の表面粗度(Ra)と該レーザー光の波長(λ)が下記式(1)で表されることを特徴とするパターンめっき用画像形成方法。
Ra≦λ/1.2 (1)
【請求項8】
レーザー光の波長(λ)が330〜430nmである請求項7に記載のパターンめっき用画像形成方法。
【請求項9】
パターンめっき用画像が、最小線幅15μm以下の画像である請求項7又は8に記載のパターンめっき用画像形成方法。
【請求項10】
表面導電性基板が、銅、ニッケル、クロム、及び/又はそれらの合金のうち少なくとも1以上によって形成された薄膜を含む請求項7乃至9の何れか1項に記載のパターンめっき用画像形成方法。

【公開番号】特開2007−102117(P2007−102117A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295500(P2005−295500)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000004101)日本合成化学工業株式会社 (572)
【Fターム(参考)】