説明

ロッキング・キャッシュを用いる直接的保存

【課題】 データをメイン・メモリにも書き込むことなく、キャッシュの一部又は他の高速メモリに記憶すること。
【解決手段】 本発明は、I/O装置、ネットワーク、又はディスクから転送されたデータを、メイン・メモリにも書き込むことなく、キャッシュの一部又は他の高速メモリに記憶する方法を提供する。さらに、データは、使用のためにロードされるまでキャッシュ又は他の高速メモリに「ロック」される。データは、ソフトウェアの制御下で明確に上書きされるまで、ロッキング・キャッシュ内に残る。本発明の実施形態においては、プロセッサは、データを、メイン・メモリにも書き込むことなく、キャッシュ又は他の高速メモリに書き込むことができる。キャッシュの一部又は他の高速メモリを、付加的なシステム・メモリとして用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、Michael Norman Day、Charles Ray Johns、及び、Thuong Quang Truongの名前で、本出願と同時出願された「Method for Processor to Use Locking Cache as Part of System Memory」(ドケット番号AUS920040324US1)という表題の同時係属中の米国特許出願に関連する。
本発明は、一般に、メモリ管理に関し、より具体的には、キャッシュの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリへの書き込み及びメモリからの読み取りの両方に対するメモリ・アクセスの待ち時間(待ちに費やされる時間)は、多くの場合、ソフトウェア・プログラムにとって問題となる。現行のコンピュータでは、プロセッサのサイクルは、メモリ・アクセスのための時間よりもかなり短い。さらに、この問題はさらに厳しくなりつつある。プロセッサ速度は急激に増加しているが、メモリ・アクセスは徐々に増加しているに過ぎない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メモリ・アクセスの待ち時間問題に対する1つの部分的な対策は、メモリ階層である。メイン・メモリは大きい容量を有し、最も低速である。この上には、連続する、より小さく、より高速のメモリ又はキャッシュのいくつかの層がある。
現行のキャッシュの使用は、問題を提示する。キャッシュからの読み取りは、そのキャッシュが所望のデータを含まない場合には、失敗することとなる。次いで、データは低速のメイン・メモリからアクセスされねばならない。データを排他的にキャッシュに書き込む試みは可能ではない。I/O装置から、ネットワークから、又はディスクからのデータの転送は、データが排他的にメイン・メモリに、又は、さらにローカル・メモリ或いはキャッシュにも書き込まれることを要求されることがある。何れの場合においても、低速のメイン・メモリに書き込む際に待ち時間がある。さらに、データにアクセスする際にも待ち時間があることになる。第1の場合には、プロセッサは、メイン・メモリからデータにアクセスして処理せねばならず、結果としてアクセスの待ち時間が生じる。第2の場合には、キャッシュに書き込まれたデータは、そのデータがアクセスされる前に、他のデータで置き換えられることがある。これが生じる場合には、置き換えられたデータはメイン・メモリに書き込まれる。次いで、このデータを使用するためには、プロセッサはメイン・メモリから該データにアクセスしなければならない。
【0004】
従って、メイン・メモリにも記憶させることなく、プロセッサ、I/O装置、ネットワーク又はディスクから、データをキャッシュ又は他の高速メモリに記憶するための方法に対する必要性が存在する。さらに、この方法は、データが用いられるまで、該データがキャッシュ又は他の高速メモリに残ることを保証しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、I/O装置、ネットワーク、又はディスクから転送されたデータを、メイン・メモリにも書き込むことなく、キャッシュ又は他の高速メモリに記憶する方法を提供する。さらに、データは、使用のためにロードされるまで、キャッシュ又は他の高速メモリに「ロック」される。データは、ソフトウェアの制御下で明確に上書きされるまで、ロッキング・キャッシュに残る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ここで、本発明及びその利点のより完全な理解のために、添付の図面と併せてなされる以下の説明を参照する。
【0007】
以下の説明では、本発明の完全な理解を与えるために幾多の特定の詳細が述べられる。しかし、当業者であれば、本発明をそのような特定の詳細なしで実行することができることが明らかであろう。他の例においては、不要な詳細で本発明を不明瞭にしないように、周知の要素は、概略図又はブロック図の形態で示される。
【0008】
さらに、特に指示のない限り、ここに説明される全ての機能をハードウェア或いはソフトウェア、又はそれの何らかの組み合わせにより実行することができることがわかる。しかし、好ましい実施形態においては、特に指示のない限り、それらの機能は、そのような機能を実行するようにコード化されたコンピュータ・プログラム・コードといったコード、ソフトウェア、及び/又は、集積回路に従って、コンピュータといったプロセッサ又は電子データ・プロセッサによって実行される。
【0009】
図1は、I/Oサブシステムから転送されたデータをロッキング・キャッシュに記憶するためのシステムのブロック図を示す。プロセッサ102は、キャッシュ110、キャッシュ・コントローラ106、及び、アドレス範囲レジスタ104の第1のセットに結合される。置き換え管理テーブル(RMT,replacement management table)108は、アドレス範囲レジスタ・セット104及びキャッシュ・コントローラ106に結合される。キャッシュ・コントローラ106及びキャッシュ110は、システム・バス112に結合される。第2のアドレス範囲レジスタ・セット116は、システム・バス112及びRMT108に結合される。システム・バス112は、さらに、入力/出力(I/O)サブシステム114に結合される。本発明の実施形態においては、ロッキング・キャッシュは、セット又は複数のセットを含むが、多数のセット連想(set−associative)キャッシュ110のセットすべてを含むものではない。残りのセットは、通常のキャッシュに用いられる。キャッシュ110を、通常のキャッシュ及びロッキング・キャッシュとして使用するために非結合セットに分離することは、ロッキング・キャッシュに書き込まれたデータが、その通常の使用においてキャッシュに書き込まれたデータによって上書きされることを防ぐ。
【0010】
プロセッサ102及びI/Oサブシステム114の両方に対して、ロックされたキャッシュにおけるスペースは、付加的なシステム・メモリとして現れ、そのアドレス範囲は実際のメインシステム・メモリ・アドレス範囲より高い。本発明の実施形態においては、レジスタの2つのセット、すなわち、プロセッサ102に対する第1のアドレス範囲レジスタ・セット104、及び、I/O装置に対する第2のアドレス範囲レジスタ・セット116が、ロックされたキャッシュに対するアクセスを判断する。これらのセットは2つのアドレス範囲レジスタ及びマスク・レジスタを含む。ロード命令即ち記憶命令/バス・コマンドのアクセス用アドレスが、アドレス範囲レジスタのコンテンツと比較される。次に、class_idが索引として置き換え管理テーブル(RMT)108に与えられる。RMT108は、キャッシュ110のどのセットがロード命令即ち記憶命令/バス・コマンドに使用可能であるかを示す。アクセス用アドレスが特定の範囲内にあるトランザクションは、ロッキング・キャッシュへのアクセスを有する。他のトランザクションは、キャッシュ110の他のセット又はウェイ(way)に書き込まれる。
【0011】
ロッキング・キャッシュに対するアクセスは、ソフトウェアの制御下にある。プロセッサ102又はI/Oサブシステム114が、データをキャッシュ110のロックされた部分に書き込むのを完了した場合には、データが使用可能であるという信号を発行することができる。一旦、通知されると、そのデータを用いるプロセッサ102又はI/Oサブシステム114は、キャッシュ110のロックされた部分からデータを獲得し、データが読み取られたという信号を発行する。次いで、データを保持するスペースは、さらなる書き込みのために使用可能になる。データの有効性を保証するために、1つの装置によってデータが書き込まれつつあるロックされたキャッシュの領域が、別の装置によって同時に読み取られ、或いは、書き込まれることはない。
【0012】
図1のシステムの結果として、プロセッサ102及びI/Oサブシステム114の両方は、はるかに低速のメイン・メモリにではなく、メモリの高速形態であるロッキング・キャッシュに、新規に生成されたデータを書き込むことができる。さらに、プロセッサ102及びI/Oサブシステム114の両方は、ロッキング・キャッシュからデータをロードして、データをメイン・メモリからロードする際の待ち時間を避けることができる。データは、最初にロッキング・キャッシュに書き込まれ、これがアクセスされるまでは、キャッシュ110にロックされる。
【0013】
キャッシュのロックされた部分においては、データは有効で及び変更済みであるとマークされる。IOコントローラ又は他の装置がこのデータにアクセスする場合には、該データのロードを行っているこのIOコントローラ又は他の装置は、要求を変更する目的なしでロードを発行する。キャッシュは要求をスヌープする。データの状態が与えられると、キャッシュ・コントローラ106は要求を満たすために介入する。ロックされたキャッシュのアドレス範囲のデータがプロセッサによってロードされる場合には、キャッシュ・コントローラ106は、該データをキャッシュ・ヒットとして該プロセッサに戻す。
【0014】
データがシステム・バス112から記憶される場合には、キャッシュ・コントローラ106はアドレス範囲情報を用いることによってトランザクションを検出する。アドレスが、ロックされたキャッシュにアクセスするアドレス範囲内にある場合には、キャッシュ・コントローラ106は、キャッシュの状態を変更することなく、ロックされたセットにおけるキャッシュ110を新規のデータにより更新する。このアドレス範囲内のデータは、「有効で変更済み」のキャッシュの状態のため、バス・トランザクションを必要とすることなくプロセッサ102から記憶される。
【0015】
図2は、データをロッキング・キャッシュ内に記憶するI/Oサブシステム114を例示するフロー図を示す。ステップ202では、I/Oサブシステム114が記憶要求をシステム・バス112に送信する。ステップ204では、キャッシュ・コントローラ106が、アドレス範囲レジスタ・セット116の一対のアドレス範囲レジスタを用いて、要求のアドレス範囲を検査する。本発明の実施形態においては、キャッシュ・コントローラは、マスキング・レジスタを用いることもできる。ステップ205では、要求のアドレスが範囲内にあるかどうかが判断される。アドレスがロッキング・キャッシュの範囲内にある場合には、次いでステップ206で、データが該ロッキング・キャッシュに書き込まれる。アドレスが範囲内にない場合には、次いでステップ208で、データがキャッシュの非ロッキング部分又はシステム・メモリに書き込まれる。本発明の実施形態においては、ステップ208で、データがシステム・メモリに書き込まれる。本発明の別の実施形態においては、ステップ208で、データはシステム・メモリ及びキャッシュ110の両方に書き込まれるが、ロッキング・キャッシュに用いられるキャッシュの部分には書き込まれない。本発明のさらに別の実施形態においては、ステップ208で、データはキャッシュ110に書き込まれるが、ロッキング・キャッシュに使用される部分には書き込まれない。
【0016】
図3はプロセッサがデータを記憶する場合のアドレス範囲の検査を例示するフロー図を示す。ステップ302では、プロセッサ102は記憶要求を発行する。ステップ304では、アドレス範囲レジスタ・セット104の一対のアドレス範囲レジスタが、要求のアドレス範囲を検査する。本発明の実施形態においては、アドレス範囲レジスタ・セット104はマスキング・レジスタも含むことができる。ステップ305では、要求のアドレスが範囲内にあるかどうかが判断される。アドレスがロッキング・キャッシュの範囲内にある場合には、次いで、ステップ306で、データが該ロッキング・キャッシュに書き込まれる。アドレスが範囲内にない場合には、次いで、ステップ308で、データがキャッシュの非ロッキング部分又はシステム・メモリに書き込まれる。本発明の3つの異なる実施形態においては、ステップ308で、データは、それぞれ、システム・メモリに書き込まれるか、システム・メモリ及びキャッシュ110に書き込まれるがロッキング・キャッシュに用いられるキャッシュの部分には書き込まれないか、又は、キャッシュ110に書き込まれるがロッキング・キャッシュに用いられる部分には書き込まれない。
【0017】
図4は、I/Oサブシステムの観点からのメモリのレイアウトを示す図である。ロッキング・キャッシュは、アドレス範囲がメインシステム・メモリのアドレス範囲より上にある付加的なシステム・メモリのように見える。図4では、メイン・メモリは、アドレス0×60000(16進法)で終了し、ロッキング・キャッシュは、アドレス0×60001(16進法)から0×60FFF(16進法)までを含む。図4に示されるロッキング・キャッシュは4kbを含む。ロッキング・キャッシュのサイズは実装依存である。図4においては、メイン・メモリ及びロッキング・キャッシュのアドレス・スペースは連続しているが、他の実施形態においては、アドレス・スペースが連続している必要はない。
【0018】
図5は、各々がバイナリ数00、01、10及び11によって索引付けされた4つの入力項目の行、502、504、506及び508を有する置き換え管理テーブル(RMT)500を示す。RMT500の行における入力項目は、キャッシュにおけるどのセットがトランザクションに使用可能であるかを示す。列は、キャッシュ110のウェイ又はセットに対応する。列内の1ビットは、対応するウェイがトランザクションに対して使用可能であることを示し、0ビットは、対応するウェイが使用可能ではないことを示す。ロックされたキャッシュ404を含むトランザクションには、ロックされたキャッシュからなるセットが1であり、他のセットが0である列に対する索引を与えるclass_idが定められる。ロックされたキャッシュを含まないトランザクションには、ロックされたキャッシュからなるセットが0であり、キャッシュ内のロックされたキャッシュを含まない少なくとも1つのセットが1である列に対する索引を与えるclass_idが定められる。図5におけるRMTに対応するキャッシュは8つのセット又はウェイを有する。第1のセットがロッキング・キャッシュとして用いられ、残りのセットが通常のキャッシュに用いられる。RMTに対して4つの行が存在する。第2の行504に対応する索引01が、ロッキング・キャッシュにアクセスするトランザクションに用いられる。行504の第1の列の「1」は、ロッキング・キャッシュに用いられる第1のセットが、トランザクションに使用可能であることを示す。行504の残りの列における「0」は、キャッシュ内の他のセットがトランザクションに使用可能ではないことを示す。他の行502、506、及び508は、ロッキング・キャッシュに用いられるセットは使用可能ではないが、通常のキャッシュを含むセットは使用可能であることを示す。
【0019】
他の実施形態においては、多数のセットをロッキング・キャッシュに用いることができる。これらの実施形態においては、ソフトウェアが、特定のデータを記憶するセットを選択する。ソフトウェアは、ロッキング・キャッシュの第1のセットに書き込みを開始することができる。そのセットが満たされた場合には、ソフトウェアは、ロッキング・キャッシュの第2のセットに書き込みを開始することができる。
【0020】
図6は、ロッキング・キャッシュを4つの区画又はセグメントに区画化したものを示す。プロセッサ102は、最初の2つのセグメントにデータを記憶することができ、I/Oサブシステム114は、残りの2つのセグメントにデータを記憶することができる。結果として、プロセッサは、I/Oサブシステム114が第1のセグメント602に書き込まれたデータにアクセスするのを待っている間、データを第2のセグメント604に書き込むことができる。同様に、I/Oサブシステム114は、プロセッサ102が第4のセグメント608に書き込まれたデータにアクセスするのを待っている間、データを第3のセグメント606に書き込むことができる。このように、プロセッサ102及びI/Oサブシステム114の両方が、データがアクセスされるのを待って他のデータを記憶することによる待ち時間を避けることができる。
【0021】
このように、本発明の特定の好ましい実施形態を参照することにより本発明を説明してきたが、開示された実施形態は、本質的に、制限するものではなく、例示的なものであり、広範囲の変形物、修正物、変更物、及び代替物が上記の開示において想定され、場合によっては、本発明のいくつかの特徴を、対応する他の特徴を用いることなく採用できることがわかる。このような多くの変形物及び修正物は、好ましい実施形態の上記の説明の再検討に基づいて当業者によって望ましいと考えることができる。従って、添付の特許請求の範囲は、広く及び本発明の範囲と一致する方法により解釈されることが適切である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】I/Oサブシステムから転送されたデータをロッキング・キャッシュ内に記憶するためのシステムのブロック図を示す。
【図2】データをロッキング・キャッシュ内に記憶するI/Oサブシステムを例示するフロー図を示す。
【図3】プロセッサがデータを記憶する場合のアドレス範囲の検査を例示するフロー図を示す。
【図4】I/Oサブシステムの観点からのメモリのレイアウトを示す図である。
【図5】置き換え管理テーブルを示す。
【図6】ロッキング・キャッシュの区画化を示す。
【符号の説明】
【0023】
102:プロセッサ
104:アドレス範囲レジスタ・セット
106:キャッシュ・コントローラ
108:RMT
110:キャッシュ
112:システム・バス
114:I/Oサブシステム
116:アドレス範囲レジスタ・セット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを直接キャッシュに転送し、このデータが使用のためにアクセスされるまで、そこに保持するコンピュータ・システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたロッキング・キャッシュと、
前記ロッキング・キャッシュに接続されたシステム・バスと、
前記システム・バスに接続されたI/Oサブシステムと、
を備え、
前記I/Oサブシステムは、データをシステム・メモリにも転送することなく、前記ロッキング・キャッシュに転送するように少なくとも構成されており、
前記ロッキング・キャッシュは、前記データが使用のためにアクセスされるまで該データを保持するように、少なくとも構成された、
コンピュータ・システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、データをシステム・メモリにも書き込むことなく、前記ロッキング・キャッシュに書き込むように、少なくとも構成されており、
前記ロッキング・キャッシュが、さらに、使用のために前記I/Oサブシステムによりアクセスされるまで、前記プロセッサにより該ロッキング・キャッシュ内に書き込まれたデータを保持するように構成された、
請求項1に記載のコンピュータ・システム。
【請求項3】
さらに、前記I/Oサブシステムにより生成された特定のアドレス範囲をもつバス・コマンドが、前記ロッキング・キャッシュにアクセスするように構成された、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
【請求項4】
さらに、1つ又は2つのアドレス範囲レジスタを含み、前記1つ又は2つのアドレス範囲レジスタは、前記I/Oサブシステムにより生成されたバス・コマンド上のアドレスが、前記バス・コマンドが前記ロッキング・キャッシュにアクセスするための前記特定のアドレス範囲内にあるかどうかを判断するように、少なくとも構成された、請求項3に記載のコンピュータ・システム。
【請求項5】
さらに、多数のセット連想キャッシュを備え、前記キャッシュが、複数のセット又はウェイを含み、前記ロッキング・キャッシュが、該キャッシュの1つ又はそれ以上のセット又はウェイを含むが、セット又はウェイのすべてを含むものではない、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
【請求項6】
さらに、置き換え管理テーブル(RMT)を備え、前記RMTにおける入力項目が、キャッシュにおけるどのセットがトランザクションに使用可能であるかを示す、請求項5に記載のコンピュータ・システム。
【請求項7】
コンピュータ・システムのI/Oサブシステムから、データを直接ロッキング・キャッシュに転送し、前記データが使用のためにロードされるまで、前記ロッキング・キャッシュ内に保持するための方法であって、
前記ロッキング・キャッシュに書き込まれたデータが、オペレーティング・システムにより命令されない限りはアプリケーションによって上書きされないように、該ロッキング・キャッシュを構成するステップと、
データを前記I/Oサブシステムから前記ロッキング・キャッシュに転送するステップと、
前記データを使用のためにロードするステップと、
を含む方法。
【請求項8】
データが前記ロッキング・キャッシュに転送された場合に、信号を発行するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
データが使用のためにロードされた場合に、信号を発行するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記コンピュータ・システムのプロセッサが、データを前記ロッキング・キャッシュに直接書き込むようにする請求項7に記載した方法であって、さらに、
前記コンピュータ・システムのプロセッサにより、データを前記ロッキング・キャッシュに書き込むステップと、
前記データを使用のためにロードするステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記ロッキング・キャッシュを区画化するステップと、
前記区画のすべてではないが、1つ又はそれ以上を前記I/Oサブシステムに割り当てるステップと、
前記I/Oサブシステムに割り当てられなかった前記区画の1つ又はそれ以上を、前記コンピュータ・システムの前記プロセッサに割り当てるステップと、
をさらに含み、
前記I/Oシステムから前記ロッキング・キャッシュに転送されたデータは、該I/Oシステムに割り当てられた該ロッキング・キャッシュの区画にのみ書き込まれ、前記プロセッサにより該ロッキング・キャッシュに書き込まれたデータは、該プロセッサに割り当てられた該ロッキング・キャッシュの区画にのみ書き込まれる、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
複数の区画が前記I/Oサブシステムに割り当てられるステップが、さらに、
前記I/Oサブシステムによる第1の区画へのデータの転送が完了した後、該I/Oサブシステムから第2の区画にデータを転送するステップ、
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ロッキング・キャッシュが、多数のセット連想キャッシュの1つ又はそれ以上のセット又はウェイを含むが、セット又はウェイのすべてを含むものではない請求項7に記載の方法。
【請求項14】
RMTが、前記キャッシュのどのセットがトランザクションにアクセス可能であるかを示すのに用いられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ロッキング・キャッシュを構成する前記ステップが、さらに、該ロッキング・キャッシュ内のデータを「有効で変更済み」としてマーキングするステップをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項16】
データを使用のためにロードする前記ステップが、
変更する目的なしでロード要求を発行するステップと、
前記要求をスヌープするステップと、
前記データをシステム・バス上で前記キャッシュから伝送することに介入するステップと、
からなる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
キャッシュを付加的なシステム・メモリとして使用する方法であって、
ロッキング・キャッシュに書き込まれたデータが、オペレーティング・システムにより命令されない限りはアプリケーションによって書き込まれないように、前記ロッキング・キャッシュを構成するステップと、
データを前記ロッキング・キャッシュに書き込むステップと、
前記データを使用のためにロードするステップと、
を含む方法。
【請求項18】
特定のアドレス範囲をもつバス・コマンドが前記ロッキング・キャッシュにアクセスし、前記特定のアドレス範囲が、システム・メモリのアドレス範囲から非結合される、請求項17の方法。
【請求項19】
特定のアドレス範囲をもつ命令が前記ロッキング・キャッシュにアクセスし、前記特定のアドレス範囲が、システム・メモリのアドレス範囲から非結合される、請求項17の方法。
【請求項20】
記憶命令の前記アドレスが、特定のアドレス範囲内にあるかどうかを判断するステップと、
前記アドレスが、前記特定のアドレス範囲内にある場合には、前記ロッキング・キャッシュに書き込むステップと、
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータ・プログラムが具現化された媒体を有しており、コンピュータ・システムのI/Oサブシステムから、データをロッキング・キャッシュに、直接、転送し、使用のためにロードされるまで、前記データを前記ロッキング・キャッシュ内に保持するコンピュータ・プログラムであって、該コンピュータ・プログラムが、前記コンピュータ・システムを、
前記ロッキング・キャッシュに書き込まれたデータが、オペレーティング・システムにより命令されない限りはアプリケーションによって上書きされないように、該ロッキング・キャッシュを構成する手段、
前記I/Oサブシステムからデータを前記ロッキング・キャッシュに転送する手段、
前記データを使用のためにロードする手段、
として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
【請求項22】
前記コンピュータ・システムのプロセッサが、データを前記ロッキング・キャッシュに直接書き込むようにされた請求項21に記載したコンピュータ・プログラムであって、さらに、前記コンピュータ・システムを、
前記コンピュータ・システムのプロセッサにより、データを前記ロッキング・キャッシュに書き込むための手段、
前記データを使用のためにロードするための手段、
として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
【請求項23】
前記ロッキング・キャッシュが、多数のセット連想キャッシュの1つ又はそれ以上のセット又はウェイを含むが、セット又はウェイのすべてを含むものではない、請求項21に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項24】
RMTが、前記キャッシュのどのセットがトランザクションにアクセス可能であるかを示すのに用いられる、請求項23に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項25】
キャッシュを付加的なシステム・メモリとして用いるコンピュータ・プログラムであって、コンピュータを、
ロッキング・キャッシュに書き込まれたデータが、オペレーティング・システムにより命令されない限りはアプリケーションによって上書きされないように、前記ロッキング・キャッシュを構成するための手段、
データを前記ロッキング・キャッシュに書き込むための手段、
前記データを使用のためにロードするための手段、
として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
【請求項26】
特定のアドレス範囲をもつ命令が前記ロッキング・キャッシュにアクセスし、前記特定のアドレス範囲が、システム・メモリのアドレス範囲から非結合される、請求項25に記載のコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−134324(P2006−134324A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313388(P2005−313388)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】