説明

ロボットシステム

【課題】ワークを搬送しつつ、各工程でワークに対して作業を行うロボットシステムにおいて、設備の取り外しや追加の手間を減らす。
【解決手段】ロボットシステム20Aは、ワークWをシステム20Fから受け取るとともに、ワークWをシステム20Bへ引き渡す載置台22Aを備える。システム20Aは、システム20Aの載置台22Aからシステム20Bの載置台22BへワークWを受け渡すロボット30Aと、載置台22AにおいてワークWに対して作業を行う作業装置21Aとを備える。システム20Aは、ロボット30Aに設けられたRFIDタグ33Aと、ロボット30FがワークWを載置台22Aへ受け渡す際に、RFIDタグ33Fの情報を無線で読み込むリーダライタヘッド25Aと、ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、RFIDタグ33Aに情報を無線で書き込むリーダライタヘッド25Aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送しつつ、各工程でワークに対して加工や部品の組み付けを行うロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のロボットシステムは、複数の工作装置やロボットを備えており、各工程において工作装置やロボットによりワークに対して加工や部品の組み付けが行われる。
【0003】
各工程では、自工程の作業を行うにあたり、前工程の情報を参照している。一般的には、各工程の設備間を信号線で接続し、ワークの移動に連動させてPLC(Program Logic Controller)やPCにより情報を送信している。すなわち、全工程の設備を信号線で接続して、ワークの情報を共有している。
【0004】
例えば、複数のロボットを備え、ワークに対して互いに協力して作業を行うロボットシステムにおいて、ワークの位置に関する補正データを、通信用ケーブルにより1台のロボットから他のロボットに通信するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−24765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、多品種少量生産が主流になりつつある現在では、加工内容や工程順序の変更に伴って、工作装置やロボット等の設備が製造ラインから取り外されたり、追加されたりすることが頻繁に発生する。その度に、各工程の設備間を接続する信号線を外したり接続したりする必要があるため、その作業に多くの手間が掛かり、製品の生産効率を低下させるおそれがある。
【0007】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、ワークを搬送しつつ、各工程でワークに対して作業を行うロボットシステムにおいて、設備の取り外しや追加の手間を減らすことを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0009】
第1の発明は、ワークを搬送しつつ、各工程で前記ワークに対して作業を行うロボットシステムであって、前記ワークを前工程から受け取るとともにそのワークを後工程へ引き渡す受渡し部と、前記受渡し部から後工程へ前記ワークを引き渡すロボットと、前記受渡し部において前記ワークに対して作業を行う作業装置と、前記ロボットに設けられ無線で情報を読み書き可能な記憶媒体と、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込む読込み部と、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込む書込み部と、前記読込み部により読み込まれた情報に対して必要な情報を付加し、それを前記書込み部により前記記憶媒体に書き込ませる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、ロボットシステムでは、ワークが搬送されつつ、各工程でワークに対して作業が行われる。このとき、ロボットにより前工程から受渡し部へワークが受け渡され、受渡し部において作業装置によりワークに対して作業が行われる。そして、受渡し部では、ロボットにより後工程へワークが引き渡される。このため、前工程からワークを受取り、加工や部品の組み付け等の作業を行った上で、後工程にワークを引き渡すことができる。
【0011】
ここで、無線で情報を読み書き可能な記憶媒体が前工程のロボットに設けられており、前工程のロボットがワークを受渡し部へ受け渡す際に、読込み部により記憶媒体に記憶されている情報が無線で読み込まれる。このため、ワークと共に記憶媒体に記憶されている情報(ワークに関する情報)を、前工程から自工程へ無線で受け渡すことができる。また、無線で情報を読み書き可能な記憶媒体が自工程のロボットに設けられており、自工程のロボットがワークを引渡し部から引き渡す際に、書込み部により記憶媒体に情報が無線で書き込まれる。このため、ワークと共に記憶媒体に記憶されている情報を、自工程から後工程へ無線で引き渡すことができる。
【0012】
このとき、読込み部により前工程の記憶媒体から読み込まれた情報に対して必要な情報が付加され、それが書込み部により自工程の記憶媒体に書き込まれる。このため、前工程の記憶媒体、読込み部、制御部、書込み部、自工程の記憶媒体の順で、前工程から自工程、そして後工程へ情報を移動させることができる。したがって、各工程間で、ワークと共に情報を無線で移動させることができるため、各工程間を信号線で接続する必要がない。その結果、各工程の設備の取り外しや追加を行う際に、信号線を外したり接続したりする必要がなく、作業の手間を減らすことができる。
【0013】
なお、上記読込み部と上記書込み部とが、それら双方の機能を有する1つの読み書き部により構成されていてもよい。
【0014】
第2の発明では、第1の発明において、前記ロボットは、前記ワークを把持及び開放するハンド部を備え、前記記憶媒体は、前記ハンド部に設けられ、前記読込み部及び前記書込み部は、前記受渡し部近傍に設けられていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、ロボットにおいて、ワークを把持及び開放するハンド部に記憶媒体が設けられている。このため、ロボットのハンド部がワークを把持して移動させる際に、ワークの動きと記憶媒体の動きとを一致させることができる。したがって、ワークと共に情報を移動させることが容易となり、ワークとワークに関する情報との一体性を高めることができる。その結果、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0016】
さらに、上記読込み部及び上記書込み部は、受渡し部近傍に設けられている。このため、ロボットのハンド部がワークを把持して受渡し部に受け渡す際に、ワークと共に記憶媒体が受渡し部に接近させられることとなる。そして、受渡し部近傍に設けられた読込み部により、そのまま記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことができる。また、ロボットのハンド部がワークを把持して受渡し部から引き渡す際に、ワークと共に記憶媒体が引渡し部に接近させられることとなる。そして、引渡し部近傍に設けられた書込み部により、そのまま記憶媒体に情報を無線で書き込むことができる。したがって、ロボットの受渡し動作及び引渡し動作と情報の読込み及び書込みとの連動性を更に高めることができ、情報を読み書きする効率を更に向上させることができる。要するに、ロボットシステムにおける基本動作として、ロボットにより受渡し部に対してワークを移動させる動作により、信号線による情報伝達と同様の機能を果たすことができる。
【0017】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記受渡し部に前記ワークが存在することを検出するワーク検出センサを備え、前記読込み部は、前記受渡し部に前記ワークが存在することが前記ワーク検出センサにより検出されたことを条件として、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、受渡し部にワークが存在することが、ワーク検出センサにより検出される。そして、受渡し部にワークが存在することが検出されたことを条件として、前工程のロボットがワークを受渡し部へ受け渡す際に、記憶媒体に記憶されている情報が無線で読み込まれる。このため、受渡し部にワークが存在することが検出されない場合には、ロボットがワークを受渡し部へ受け渡す動作を行ったとしても、記憶媒体に記憶されている情報が読み込まれない。したがって、受渡し部へワークが実際に受け渡された場合にのみ、記憶媒体に記憶されている情報が読み込まれることとなり、前工程から自工程へ情報のみが受け渡されることを抑制することができる。その結果、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0019】
第4の発明では、第1〜第3のいずれかの発明において、前記受渡し部に前記ワークが存在することを検出するワーク検出センサを備え、前記書込み部は、前記受渡し部に前記ワークが存在することが前記ワーク検出センサにより検出されたことを条件として、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、受渡し部にワークが存在することが、ワーク検出センサにより検出される。そして、受渡し部にワークが存在することが検出されたことを条件として、ロボットがワークを受渡し部から引き渡す際に、記憶媒体に情報が無線で書き込まれる。このため、受渡し部にワークが存在することが検出されない場合には、ロボットがワークを受渡し部から引き渡す動作を行ったとしても、記憶媒体に情報が書き込まれない。したがって、受渡し部からワークが実際に引き渡された場合にのみ、記憶媒体に情報が書き込まれることとなり、自工程から後工程へ情報のみが引き渡されることを抑制することができる。その結果、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0021】
第5の発明では、第1〜第4のいずれかの発明において、前記受渡し部へ前工程の前記ロボットが接近したことを検出するロボット検出センサを備え、
前記読込み部は、前記受渡し部へ前工程の前記ロボットが接近したことが前記ロボット検出センサにより検出されたことを条件として、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、受渡し部へ前工程のロボットが接近したことが、ロボット検出センサにより検出される。そして、受渡し部へ前工程のロボットが接近したことが検出されたことを条件として、前工程のロボットがワークを受渡し部へ受け渡す際に、記憶媒体に記憶されている情報が無線で読み込まれる。このため、受渡し部へ前工程のロボットが接近したことが検出されない場合には、記憶媒体に記憶されている情報が読み込まれない。したがって、受渡し部へ前工程のロボットが実際に接近した場合にのみ、記憶媒体に記憶されている情報が読み込まれることとなり、読込み部による読込みの精度を向上させることができる。その結果、記憶媒体に記憶されている情報の読み込みの失敗により工程が中断されることや、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0023】
第6の発明では、第1〜第5のいずれかの発明において、前記受渡し部へ前記ロボットが接近したことを検出するロボット検出センサを備え、前記書込み部は、前記受渡し部へ前記ロボットが接近したことが前記ロボット検出センサにより検出されたことを条件として、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、受渡し部へロボットが接近したことが、ロボット検出センサにより検出される。そして、受渡し部へロボットが接近したことが検出されたことを条件として、ロボットがワークを受渡し部から引き渡す際に、記憶媒体に情報が無線で書き込まれる。このため、受渡し部へロボットが接近したことが検出されない場合には、記憶媒体に情報が書き込まれない。したがって、受渡し部へロボットが実際に接近した場合にのみ、記憶媒体に情報が書き込まれることとなり、書込み部による書き込みの精度を向上させることができる。その結果、記憶媒体への情報の書き込みの失敗により工程が中断されることや、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0025】
第7の発明では、第1〜第6のいずれかの発明において、前記読込み部は、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことの後にその記憶媒体に記憶されている情報を無線で無効化することを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、前工程のロボットがワークを受渡し部へ受け渡す際に、読込み部によって、前工程の記憶媒体に記憶されている情報が無線で読み込まれた後に、その記憶媒体に記憶されている情報が無線で無効化される。このため、次に前工程の記憶媒体に情報を書き込むことが失敗した場合に、その記憶媒体に残っていた情報がワークに関する情報として受け渡されることを抑制することができる。その結果、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0027】
第8の発明では、第1〜第7のいずれかの発明において、前記書込み部は、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことに先立って前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で無効化することを特徴とする。
【0028】
上記構成によれば、ロボットがワークを受渡し部から引き渡す際に、書込み部によって、記憶媒体に情報が無線で書き込まれる前に、記憶媒体に記憶されている情報が無線で無効化される。このため、次に記憶媒体に情報を書き込むことが失敗した場合に、その記憶媒体に残っていた情報がワークに関する情報として引き渡されることを抑制することができる。その結果、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0029】
第9の発明では、第1〜第7のいずれかの発明において、前記書込み部は、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことに先立って前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込み、その読み込まれた情報が無効であることを条件として前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、ロボットがワークを受渡し部から引き渡す際に、書込み部によって、記憶媒体に情報が無線で書き込まれる前に、記憶媒体に記憶されている情報が無線で読み込まれる。そして、その読み込まれた情報が無効であることを条件として、記憶媒体に情報が無線で書き込まれる。このため、記憶媒体に記憶されている情報が未だ無効化されていない、すなわち有効である場合には、ロボットがワークを受渡し部から引き渡す動作を行ったとしても、記憶媒体に情報が書き込まれない。したがって、記憶媒体に記憶されている情報が無効である場合にのみ、記憶媒体に情報が書き込まれることとなる。よって、記憶媒体に情報を書き込むことが失敗した場合に、その記憶媒体に残っていた情報がワークに関する情報として引き渡されることを抑制することができる。その結果、ワークとワークに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】複数のロボットシステムを備える組立ラインの平面図。
【図2】ワークの載置台及びその周辺構成を示す拡大側面図。
【図3】ロボットシステムの制御系の電気的構成を示すブロック図。
【図4】ロボット制御、書込み制御及び読込み制御の処理手順を示すフローチャート。
【図5】ワークの引渡し態様を示す平面図。
【図6】RFIDタグへの情報の書込み態様を示す拡大側面図。
【図7】ワークの受渡し態様を示す平面図。
【図8】RFIDタグからの情報の読込み態様を示す拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、ワークに対して加工や部品の組み付けを行う組立ラインに具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1は、複数のロボットシステムを備える組立ラインの平面図である。同図に示すように、組立ライン10は、複数のロボットシステム、すなわちロボットシステム20F,20A,20Bを備えている。これらのロボットシステム20F,20A,20Bは、所定間隔をおいて直列に配置されており、この順序でワークWの流れに沿って上流側から配置されている。
【0034】
ロボットシステム20Fは、作業装置21F、リーダライタヘッド25F(コントローラ24F)、載置台22F、及びロボット30Fを備えている。作業装置21Fは、パレット上に積み上げられたワークWを、1つずつ取り上げて載置台22Fの上に載置する。載置台22F(受渡し部)は、水平に配置された載置面を有しており、この載置面はワークWを載置可能な寸法に形成されている。作業装置21Fの動作は、所定のプログラムに従って制御され、例えば載置台22F上のワークWがロボットシステム20A(後工程設備)に受け渡されると、次のワークWをパレットから取り上げて載置台22Fの載置面上に載置する。また、リーダライタヘッド25Fは、載置台22Fの近傍に設けられており、具体的には載置台22Fの側方で、ワークWの積み上げられた上記パレットと載置台22Fとの間に設けられている。
【0035】
ロボットシステム20A,20Bは、基本的に同一の構成を有しているため、ここではロボットシステム20Aを例として説明する。なお、ロボットシステム20Bにおいて、ロボットシステム20Aと対応する構成には、添え字「A」に代えて添え字「B」を付している。また、ロボットシステム20Fのロボット30Fも、ロボットシステム20Aのロボット30Aと同一の構成を有している。
【0036】
ロボットシステム20Aは、作業装置21A、載置台22A、リーダライタヘッド25A(コントローラ24A)、プログラムロジックコントローラ(PLC)50A、及びロボット30A(ロボットコントローラ)を備えている。
【0037】
載置台22A(受渡し部)は、ロボットシステム20Fの上記載置台22Fと同一の構成を有している。載置台22Aは、ロボットシステム20Aにおいて側方寄りに配置されている。載置台22Aは、ロボットシステム20F(前工程設備)からワークWを受け取る受取り位置であるとともに、ロボットシステム20B(後工程設備)へワークWを引き渡す引渡し位置である。さらに、載置台22Aは、ロボットシステム20A(自工程設備)において、ワークWに対して作業を行う作業台となっている。
【0038】
作業装置21Aは、載置台22Aにおいて、ワークWに対して機械加工や部品の組付け等の作業を行う。作業装置21Aは、機械加工を行う加工部や、部品の積み上げられたパレット、部品の供給を行う供給部、部品の組付けを行うロボット部等を備えている。そして、載置台22A上に載置されたワークWに対して、自工程の作業として機械加工や部品の組付けを行う。
【0039】
リーダライタヘッド25Aは、載置台22Aの近傍に設けられている。具体的には、リーダライタヘッド25Aは、載置台22Aの側方において、載置台22Aを挟んで、ロボット30Aと反対側に設けられている。リーダライタヘッド25Aは、コントローラ24Aに接続されており、無線タグとの間で被接触通信を行う部分である。リーダライタヘッド25Aは、送信側の回路として、キャリア発信器、増幅器、送信部フィルタ、符号化部、変調部、整合回路等を備えている。また、受信側の回路として、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複合化部等を備えている。
【0040】
ロボット30Aは、ロボットシステム20Aにおいて、上記載置台22A寄りの側部に設けられている。ロボット30Aは、多関節型ロボットであり、ワークWをチャック(把持)及びアンチャック(解放)するハンド部31Aを備えている。そして、ロボット30Aは、ロボットシステム20Aの載置台22A(受渡し部)に載置されたワークWを取り上げ、ロボットシステム20Bの載置台22B(受渡し部)に載置する。すなわち、ロボット30Aは、ロボットシステム20A(自工程設備)の受渡し部から、ロボットシステム20B(後工程設備)の受渡し部へワークWを受け渡す。なお、上述したように、ロボットシステム20Bは、基本的にロボットシステム20Aと同一の構成を備えている。そして、ロボット30Bは、ロボットシステム20B(自工程設備)の受渡し部から、後工程設備の受取り部へワークWを受け渡す。
【0041】
ロボット30F,30A,30Bは、図示しないロボットコントローラにより制御される。ロボットコントローラは、CPU、ROM、RAM、制御回路、通信インターフェース等を備えている。ロボットコントローラがロボット30F,30A,30Bを動作させるタイミングは、それぞれPLC50F,50A,50Bにより制御される。
【0042】
こうした構成において、PLC50Aは、載置台22Aの載置面にワークWが載置されると、それに連動させて、作業装置21AによりワークWに対して作業を行わせる。その後、PLC50Aは、ロボット30Aを動作させてロボットシステム20BにワークWを引き渡させる。同様にして、ロボットシステム20Bにおいても、ワークWに対して作業が行われ、ワークWが後工程設備へ引き渡される。
【0043】
図2は、ワークの載置台及びその周辺構成を示す拡大側面図である。ここでは、ロボットシステム20Aの立場から、それらの構成とロボット30Aとの関係について説明する。
【0044】
同図に示すように、載置台22Aには、ワーク確認センサ42A(ワーク検出センサ)が設けられている。センサ42Aは、可視光線・赤外線などを投光部から信号光として発射し、検出物体によって反射する光を受光部で検出する光電センサや、電磁誘導,静電容量の変化等を利用した近接センサにより構成されている。センサ42Aは、載置台22A上にワークWが載置されたことを検出する。
【0045】
載置台22Aの近傍には、チャック確認センサ44A(ロボット検出センサ)が設けられている。具体的には、ロボット30Fが載置台22A上にワークWを載置する際、及びロボット30Aが載置台22A上からワークWを取り上げる際に、ロボット30F,30Aのハンド部31F,31Aを検出可能な位置にセンサ44Aが設けられている。センサ44Aは、上記ワーク確認センサ42Aと同様に、光電センサや近接センサにより構成されている。センサ44Aは、ロボット30F,30Aのハンド部31F,31Aが、載置台22Aに接近したことを検出する。
【0046】
上述したように、載置台22Aの近傍には、リーダライタヘッド25A(読込み部,書込み部)が設けられている。具体的には、ロボット30Fが載置台22A上にワークWを載置する際、及びロボット30Aが載置台22A上からワークWを取り上げる際に、ロボット30F,30Aのハンド部31F,31Aと対向する位置に、リーダライタヘッド25Aが設けられている。リーダライタヘッド25Aは、コントローラ24Aのハウジングにより支持されている。
【0047】
ロボット30Aのハンド部31Aにおいて、ロボット30Aが載置台22A上からワークWを取り上げる際に、リーダライタヘッド25Aと対向する部分には、RFID(Radio Frequency Identification)タグ33Aが設けられている。RFIDタグ33A(記憶媒体)は、アンテナとICチップとを備えている。ICチップは、電源作成部、復調部、変調部、メモリ部、制御部等を備えている。RFIDタグ33Aは、ハンド部31Aの側面に設けられており、ロボット30Aが載置台22A上からワークWを取り上げる際に、リーダライタヘッド25Aと略同一の高さ位置となる。このとき、RFIDタグ33Aとリーダライタヘッド25Aとは、無線によりデータ通信可能な距離となる。
【0048】
ロボットシステム20F,20Bにおいても、ワークの載置台及びその周辺構成は、ロボットシステム20Aと同様の構成となっている。
【0049】
図3は、ロボットシステム20Aの制御系の電気的構成を示すブロック図である。ロボットシステム20A,20Bは、基本的に同一の構成を有しているため、ここではロボットシステム20Aを例として説明する。ロボットシステム20F,20A,20Bの制御系は、互いに接続されておらず、それぞれ独立した構成となっている。
【0050】
同図に示すように、リーダライタヘッド25Aは、コントローラ24Aに接続されている。コントローラ24Aは、制御部、データバッファ、メモリ、データ処理部等を備えている。コントローラ24Aは、リーダライタヘッド25AによりRFIDタグ33F,33Aに対して、データ読込み及び書込みを行わせる。
【0051】
PLC50Aは、CPU51A、メモリ52A、通信インターフェース(I/O)53A等を備えている。I/O53Aには、コントローラ24A、チャック確認センサ44A、ワーク確認センサ42A、及びロボットコントローラ34Aが接続されている。そして、PLC50A(制御部)は、これらのコントローラ24A、チャック確認センサ44A、及びワーク確認センサ42Aから入力される信号に基づいて、コントローラ24Aを通じてリーダライタヘッド25Aによるデータ読込み及び書込みを制御する。また、PLC50Aは、それらの信号に基づいて、ロボットコントローラ34Aを通じてロボット30Aを制御する。
【0052】
本実施形態では、PLC50Aは、ロボットシステム20Fのロボット30FがワークWを載置台22Aへ受け渡す際に、RFIDタグ33Fに記録されている情報をリーダライタヘッド25A(読込み部)により無線で読み込むとともに、ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、リーダライタヘッド25A(書込み部)によりRFIDタグ33Aに情報を無線で書き込む。RFIDタグ33Aには、製品番号、シリアルNo、完了工程情報、良否等が記録される。なお、ロボットシステム20Bにおいても、PLC50Bにより同様の処理が実行される。
【0053】
図4は、ロボット制御、書込み制御及び読込み制御の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、ロボット制御と書込み制御とが並列に実行された後、ロボット制御と読込み制御とが並列に実行される。ロボットシステム20F,20A,20Bは、基本的に同様の構成を有しているため、ここでは、ロボットシステム20A,20Bの間でのワークWの受渡しを例として説明する。ロボット制御はロボット30Aのロボットコントローラ34Aにより実行され、書込み制御はロボットシステム20A(自工程設備)のPLC50Aにより実行され、読込み制御はロボットシステム20B(後工程設備)のPLC50Bにより実行される。なお、ロボットシステム20F,20Aの間においても、同様の処理が実行される。
【0054】
まず、ロボットコントローラ34Aは、PLC50Aからの開始信号に基づいて、ロボット30Aのハンド部31Aを、ロボットシステム20Aのリーダライタヘッド25Aへ移動させ始め(S11)、ハンド部31Aをリーダライタヘッド25Aに到着させる(S12)。
【0055】
これと並列に、PLC50Aは、ロボット30Aのハンド部31Aが、載置台22A上のワークWをチャックする状態にあることを確認する(S51)。具体的には、チャック確認センサ44Aの検出信号に基づいて、ハンド部31Aが載置台22Aに接近したことを検出するとともに、ワーク確認センサ42Aの検出信号に基づいて、ワークWが載置台22A上に載置されていることを検出する。
【0056】
そして、ハンド部31AがワークWをチャックする状態にあることを確認できたら、PLC50Aは、コントローラ24Aを通じて、リーダライタヘッド25AからRFIDタグ33Aへ、情報の開示命令を出力させる(S52)。換言すれば、ハンド部31AがワークWをチャックする状態にあることが確認できない場合、すなわちハンド部31Aが載置台22Aに接近したことが検出されない場合、又はワークWが載置台22Aに載置されていることが検出されない場合には、PLC50Aは、リーダライタヘッド25AからRFIDタグ33Aへ情報の開示命令を出力させず、その後のRFIDタグ33Aへの情報書込み処理を実行しない。
【0057】
これと並列に、ロボットコントローラ34Aは、ロボット30Aのハンド部31AによりワークWをチャックさせ(S13)、チャック動作が安定するまでの時間を計測するタイマーを作動させる(S14)。タイマーの作動中は、ロボット30Aにおいてチャック動作を安定させるための制御が実行される。このとき、ハンド部31Aに設けられたRFIDタグ33Aは、リーダライタヘッド25Aに対向した状態となっている。このタイマーの作動中において、RFIDタグ33Aとリーダライタヘッド25Aとの間で、データ通信が実行される。具体的には、リーダライタヘッド25Aからの上記情報の開示命令に応じて、RFIDタグ33Aは記録されている情報を開示する(S15)。
【0058】
続いて、このRFIDタグ33Aからの情報の開示に応じて、PLC50Aは、コントローラ24Aを通じて、RFIDタグ33Aに記録されている情報を読み込む(S53)。そして、PLC50Aは、RFIDタグ33Aに不要な情報が残っていないか否か判定する(S54)。具体的には、RFIDタグ33Aから読み込まれた情報が無効であるか否か、すなわちRFIDタグ33Aで不要な情報が無効化されているか否か判定する。詳しくは、RFIDタグ33Aから読み込まれた情報に、製品番号、シリアルNo、完了工程情報、良否等が含まれている場合には、不要な情報が未だ無効化されていないと判定し、読み込まれた情報が存在しない又は特定のコードである場合には、不要な情報が無効化されていると判定する。
【0059】
上記判定において、RFIDタグ33Aに不要な情報が残っていると判定した場合には(S54:NO)、PLC50Aは、作業装置21A及びロボット30Aを停止し、その旨を報知する(S58)。一方、RFIDタグ33Aに不要な情報が残っていないと判定した場合には(S54:YES)、PLC50Aは、コントローラ24Aを通じて、リーダライタヘッド25Aにより、RFIDタグ33Aへ情報の書き込み及び確認を実行させる(S55)。具体的には、ロボットシステム20Aでの作業が終了したワークWに対応する情報を、リーダライタヘッド25AによりRFIDタグ33Aへ書き込ませる。なお、この情報は、ロボットシステム20Fでの作業が終了したワークWに対応する情報に、ロボットシステム20Aでの作業に関する情報を付加した情報である。
【0060】
このとき、ロボットコントローラではタイマーの作動中であり、リーダライタヘッド25Aに対向したRFIDタグ33Aに対して、リーダライタヘッド25Aにより上記情報の書込みが行われる(S16)。そして、このデータ通信において、リーダライタヘッド25Aから情報の開示命令が送信され、RFIDタグ33Aは書き込まれた情報を開示する(S17)。
【0061】
続いて、このRFIDタグ33Aからの情報の開示に応じて、PLC50Aは、コントローラ24Aを通じて、RFIDタグ33Aに記録されている情報を読み込み、その読み込まれた情報を確認する(S55)。具体的には、コントローラ24Aは、読み込まれた情報を記憶する。
【0062】
このようにRFIDタグ33Aに情報が書き込まれて確認された後に、ロボットコントローラ34Aでは、タイマーの計測時間が経過してタイマーが停止される(S18)。すなわち、ロボット30Aにおいてチャック動作を安定させるための制御が終了する。続いて、ロボットコントローラ34Aは、ロボット30Aのハンド部31Aを、ロボットシステム20Bのリーダライタヘッド25Bへ移動させ始める(S19)。
【0063】
これと並列に、PLC50Aは、ロボット30Aのハンド部31Aが、載置台22A上のワークWを取り上げたことを確認する(S56)。具体的には、チャック確認センサ44Aの検出信号に基づいて、ハンド部31Aが載置台22Aに接近した状態であることを検出するとともに、ワーク確認センサ42Aの検出信号に基づいて、ワークWが載置台22Aに載置されていないことを検出する。
【0064】
そして、ハンド部31AがワークWを取り上げたことを確認できたら、PLC50Aは、RFIDタグ33Aに書き込まれた情報が正常であるか否か判定する(S57)。換言すれば、ハンド部31AがワークWを取り上げたことが確認できない場合、すなわちハンド部31Aが載置台22Aに接近した状態であることが検出されない場合、又はワークWが載置台22Aに載置されていないことが検出されない場合には、PLC50Aは、以後の処理を実行しない。
【0065】
上記判定において、RFIDタグ33Aに書き込まれた情報が正常でないと判定した場合には(S57:NO)、PLC50Aは、作業装置21A及びロボット30Aを停止し、その旨を報知する(S58)。一方、RFIDタグ33Aに書き込まれた情報が正常であると判定した場合には(S57:YES)、PLC50Aは、この一連の書込み制御を終了する。
【0066】
次に、ロボットコントローラ34Aによるロボット制御と、ロボットシステム20BのPLC50Bによる読込み制御とが並列に実行される。
【0067】
ロボットコントローラ34Aは、ロボット30Aのハンド部31Aを、ロボットシステム20Bのリーダライタヘッド25Bへ移動させ始めた後、ハンド部31Aをリーダライタヘッド25Bに到着させる(S21)。
【0068】
これと並列に、PLC50Bは、ロボット30Aのハンド部31Aが、載置台22B上にワークWを載置したことを確認する(S61)。具体的には、チャック確認センサ44Bの検出信号に基づいて、ハンド部31Aが載置台22Bに接近したことを検出するとともに、ワーク確認センサ42Bの検出信号に基づいて、ワークWが載置台22B上に載置されていることを検出する。
【0069】
そして、ハンド部31AがワークWを載置したことを確認できたら、PLC50Bは、コントローラ24Bを通じて、リーダライタヘッド25BからRFIDタグ33Aへ、情報の開示命令を出力させる(S62)。換言すれば、ハンド部31AがワークWを載置したことが確認できない場合、すなわちハンド部31Aが載置台22Bに接近したことが検出されない場合、又はワークWが載置台22Bに載置されていることが検出されない場合には、PLC50Bは、リーダライタヘッド25BからRFIDタグ33Aへ情報の開示命令を出力させず、その後のRFIDタグ33Aからの情報読込み処理を実行しない。
【0070】
これと並列に、ロボットコントローラ34Aは、ロボット30Aのハンド部31AによりワークWをアンチャックさせ(S22)、アンチャック動作が安定するまでの時間を計測するタイマーを作動させる(S23)。タイマーの作動中は、ロボット30Aにおいてアンチャック動作を安定させるための制御が実行される。このとき、ハンド部31Aに設けられたRFIDタグ33Aは、リーダライタヘッド25Bに対向した状態となっている。このタイマーの作動中において、RFIDタグ33Aとリーダライタヘッド25Bとの間で、データ通信が実行される。具体的には、リーダライタヘッド25Bからの上記情報の開示命令に応じて、RFIDタグ33Aは記録されている情報を開示する(S24)。
【0071】
続いて、このRFIDタグ33Aからの情報の開示に応じて、PLC50Bは、コントローラ24Bを通じて、RFIDタグ33Aに記録されている情報を読み込む(S63)。具体的には、RFIDタグ33Aに記録されている製品番号、シリアルNo、完了工程情報、良否等の情報を読み込む。
【0072】
続いて、PLC50Bは、コントローラ24Bを通じて、リーダライタヘッド25Bにより、RFIDタグ33Aの情報のクリア及び確認を実行させる(S64)。具体的には、リーダライタヘッド25Bにより、RFIDタグ33Aに記録されている情報をクリア(消去)させる。すなわち、RFIDタグ33Aに記録されている製品番号、シリアルNo、完了工程情報、良否等の情報を無効化する。
【0073】
このとき、ロボットコントローラ34Aではタイマーの作動中であり、リーダライタヘッド25Bに対向したRFIDタグ33Aに対して、リーダライタヘッド25Bにより上記情報のクリアが行われる(S25)。そして、このデータ通信において、リーダライタヘッド25Bから情報の開示命令が送信され、RFIDタグ33Aはクリア後の情報を開示する(S26)。
【0074】
続いて、このRFIDタグ33Aからの情報の開示に応じて、PLC50Bは、コントローラ24Bを通じて、RFIDタグ33Aに記録されている情報を読み込み、その読み込まれた情報を確認する(S64)。具体的には、コントローラ24Bは、読み込まれた情報を記憶する。
【0075】
このようにRFIDタグ33Aの情報がクリアされて確認された後に、ロボットコントローラ34Aでは、タイマーの計測時間が経過してタイマーが停止される(S27)。すなわち、ロボット30Aにおいてアンチャック動作を安定させるための制御が終了する。続いて、ロボットコントローラ34Aは、ロボット30Aのハンド部31Aを、ロボットシステム20Aの載置台22Aとロボットシステム20Bの載置台22Bとの間の待機位置へ移動させる(S28)。そして、ロボットコントローラ34Aは、この一連のロボット制御を終了する。
【0076】
これと並列に、PLC50Bは、ロボット30Aのハンド部31Aが、載置台22B上にワークWを受け渡したことを確認する(S65)。具体的には、チャック確認センサ44Bの検出信号に基づいて、ハンド部31Aが載置台22Bに接近した状態でないことを検出するとともに、ワーク確認センサ42Bの検出信号に基づいて、ワークWが載置台22B上に載置されていることを検出する。
【0077】
そして、ハンド部31AがワークWを受け渡したことを確認したら、PLC50Bは、RFIDタグ33Aから読み込まれた情報及びクリアされた情報が正常であるか否か判定する(S66)。
【0078】
上記判定において、RFIDタグ33Aから読み込まれた情報が正常でない、又はクリアされた情報が正常でないと判定した場合には(S66:NO)、PLC50Bは、作業装置21B及びロボット30Bを停止し、その旨を報知する(S67)。一方、RFIDタグ33Aから読み込まれた情報及びクリアされた情報が正常であると判定した場合には(S66:YES)、PLC50Bは、この一連の読込み制御を終了する。
【0079】
図5は、ワークの引渡し態様を示す平面図である。ロボットシステム20F,20A,20Bは、基本的に同様の構成を有しているため、ここではロボットシステム20A,20Bの間でのワークWの引渡しを例として説明する。
【0080】
同図に示すように、載置台22A上において、ロボットシステム20Aの作業装置21AによりワークWに対して作業が行われる。ロボット30Aは、PLC50Aからの開始信号に基づいて、この載置台22Aまでハンド部31Aを移動させ、ワークWを取り上げる。このとき、ハンド部31Aに設けられたRFIDタグ33Aが、リーダライタヘッド25Aに通信可能な距離まで接近し、ハンド部31AがワークWをチャックする動作中に、RFIDタグ33AにワークWに関する情報が書き込まれる。その後、RFIDタグ33Aに書き込まれた情報は、ワークWと共にロボットシステム20Bの載置台22Bまで搬送される。
【0081】
図6は、RFIDタグへの情報の書込み態様を示す拡大側面図である。ここでは、ロボットシステム20Aの載置台22AからワークWを引き渡す場合を例として説明する。
【0082】
図6(a)に示すように、載置台22A上に載置されたワークWは、ワーク確認センサ42Aにより検出される。そして、載置台22Aまでハンド部31Aが移動すると、チャック確認センサ44Aによりハンド部31Aが検出される。この状態において、ハンド部31AによりワークWがチャックされ、タイマーが作動されるとともに、チャック動作を安定させるための制御が実行される。
【0083】
このタイマーの作動中において、ハンド部31AがワークWをチャックする状態にあることが確認できると、リーダライタヘッド25Aとこれに対向するRFIDタグ33Aとの間で、データ通信が行われる。すなわち、ハンド部31AがワークWをチャックする動作中に、そのままRFIDタグ33AにワークWに関する情報が書き込まれる。
【0084】
図6(b)に示すように、続いて、タイマーの動作が停止され、ハンド部31Aにより載置台22A上からワークWが取り上げられる。この状態では、ワーク確認センサ42AによりワークWが検出されず、チャック確認センサ44Aによりハンド部31Aが検出される。そして、ハンド部31Aにより載置台22A上からワークWが取り上げられたことが確認できると、リーダライタヘッド25AとRFIDタグ33Aとが対向しているうちに、これらの間でデータ通信が行われる。すなわち、RFIDタグ33Aに書き込まれた情報が正常であるか否か判定され、正常でない場合には作業装置21A及びロボット30Aが停止され、正常である場合には書込み制御が終了される。
【0085】
図7は、ワークの受取り態様を示す平面図である。ロボットシステム20F,20A,20B,20Cは、基本的に同様の構成を有しているため、ここではロボットシステム20A,20Bの間でのワークWの受け取りを例として説明する。
【0086】
同図に示すように、ロボット30Aにより、ロボットシステム20Aの載置台22Aからロボットシステム20Bの載置台22Bまで、ワークWが搬送される。ロボット30Aは、この載置台22Bまでハンド部31Aを移動させ、ワークWを載置する。このとき、ハンド部31Aに設けられたRFIDタグ33Aが、リーダライタヘッド25Bに通信可能な距離まで接近し、ハンド部31AがワークWをアンチャックする動作中に、RFIDタグ33AからワークWに関する情報が読み込まれる。その後、ワークWに対して作業装置21Bにより作業が行われる。
【0087】
図8は、RFIDタグからの情報の読込み態様を示す拡大側面図である。ここでは、ロボットシステム20Bの載置台22BにワークWを受け渡す場合を例として説明する。
【0088】
図8(a)に示すように、載置台22B上に載置されたワークWは、ワーク確認センサ42Bにより検出される。そして、載置台22Bまでハンド部31Aが移動すると、チャック確認センサ44Bによりハンド部31Aが検出される。この状態において、ハンド部31AによりワークWがアンチャックされ、タイマーが作動されるとともに、アンチャック動作を安定させるための制御が実行される。
【0089】
このタイマーの作動中において、ハンド部31AがワークWをアンチャックする状態にあることが確認できると、リーダライタヘッド25Bとこれに対向するRFIDタグ33Aとの間で、データ通信が行われる。すなわち、ハンド部31AがワークWをアンチャックする動作中に、そのままRFIDタグ33AからワークWに関する情報が読み込まれる。
【0090】
図8(b)に示すように、続いて、タイマーの動作が停止され、ハンド部31Aにより載置台22B上にワークWが載置される。この状態では、ワーク確認センサ42BによりワークWが検出され、チャック確認センサ44Bによりハンド部31Aが検出されない。そして、ハンド部31Aにより載置台22B上にワークWが載置されたことが確認できると、リーダライタヘッド25BとRFIDタグ33Aとが対向しているうちに、これらの間でデータ通信が行われる。すなわち、RFIDタグ33Aに記録されている情報が読み込まれた後、この記録されている情報がクリアされる。その後、読み込まれた情報及びクリアされた情報が正常であるか否か判定され、正常でない場合には作業装置21B及びロボット30Bが停止され、正常である場合には読込み制御が終了される。
【0091】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
【0092】
・無線で情報を読み書き可能なRFIDタグ33Fがロボットシステム20Fのロボット30Fに設けられており、ロボットシステム20Fのロボット30FがワークWをロボットシステム20Aの載置台22Aへ受け渡す際に、リーダライタヘッド25AによりRFIDタグ33Fに記憶されている情報が無線で読み込まれる。このため、ワークWと共にRFIDタグ33Fに記憶されている情報を、ロボットシステム20Fからロボットシステム20Aへ無線で受け渡すことができる。また、無線で情報を読み書き可能なRFIDタグ33Aがロボットシステム20Aのロボット30Aに設けられており、ロボットシステム20Aのロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、リーダライタヘッド25AによりRFIDタグ33Aに情報が無線で書き込まれる。このため、ワークWと共にRFIDタグ33Aに記憶されている情報を、ロボットシステム20Aからロボットシステム20Bへ無線で引き渡すことができる。
【0093】
このとき、リーダライタヘッド25Aによりロボットシステム20FのRFIDタグ33Fから読み込まれた情報に対して必要な情報が付加され、それがリーダライタヘッド25Aによりロボットシステム20AのRFIDタグ33Aに書き込まれる。このため、ロボットシステム20FのRFIDタグ33F、リーダライタヘッド25A、PLC50A、ロボットシステム20AのRFIDタグ33Aの順で、ロボットシステム20Fからロボットシステム20A、そしてロボットシステム20Bへ情報を移動させることができる。したがって、各ロボットシステム間で、ワークWと共に情報を無線で移動させることができるため、各ロボットシステム間を信号線で接続する必要がない。その結果、各ロボットシステムの取り外しや追加を行う際に、信号線を外したり接続したりする必要がなく、作業の手間を減らすことができる。
【0094】
・上記構成によれば、ロボット30Aにおいて、ワークWをチャック及びアンチャックするハンド部31AにRFIDタグ33Aが設けられている。このため、ロボット30Aのハンド部31AがワークWをチャックして移動させる際に、ワークWの動きとRFIDタグ33Aの動きとを一致させることができる。したがって、ワークWと共に情報を移動させることが容易となり、ワークWとワークWに関する情報との一体性を高めることができる。その結果、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0095】
さらに、上記リーダライタヘッド25A,25Bは、それぞれ載置台22A,22B近傍に設けられている。このため、ロボット30Aのハンド部31AがワークWをチャックして載置台22Bに受け渡す際に、ワークWと共にRFIDタグ33Aが載置台22Bに接近させられることとなる。そして、載置台22B近傍に設けられたリーダライタヘッド25Bにより、そのままRFIDタグ33Aに記憶されている情報を無線で読み込むことができる。また、ロボット30Aのハンド部31AがワークWを把持して載置台22Aから引き渡す際に、ワークWと共にRFIDタグ33Aが載置台22Aに接近させられることとなる。そして、載置台22A近傍に設けられたリーダライタヘッド25Aにより、そのままRFIDタグ33Aに情報を無線で書き込むことができる。したがって、ロボット30Aの受渡し動作及び引渡し動作と情報の読込み及び書込みとの連動性を更に高めることができ、情報を読み書きする効率を更に向上させることができる。要するに、ロボットシステム20A,20Bにおける基本動作として、ロボット30A,30Bにより載置台22A,22Bに対してワークWを移動させる動作により、信号線による情報伝達と同様の機能を果たすことができる。
【0096】
・載置台22BにワークWが存在することが、ワーク確認センサ42Bにより検出される。そして、載置台22BにワークWが存在することが検出されたことを条件として、ロボットシステム20Aのロボット30AがワークWを載置台22Bへ受け渡す際に、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が無線で読み込まれる。このため、載置台22BにワークWが存在することが検出されない場合には、ロボット30AがワークWを載置台22Bへ受け渡す動作を行ったとしても、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が読み込まれない。したがって、載置台22BへワークWが実際に受け渡された場合にのみ、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が読み込まれることとなり、ロボットシステム20Aからロボットシステム20Bへ情報のみが受け渡されることを抑制することができる。その結果、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0097】
・載置台22AにワークWが存在することが、ワーク確認センサ42Aにより検出される。そして、載置台22AにワークWが存在することが検出されたことを条件として、ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、RFIDタグ33Aに情報が無線で書き込まれる。このため、載置台22AにワークWが存在することが検出されない場合には、ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す動作を行ったとしても、RFIDタグ33Aに情報が書き込まれない。したがって、載置台22AからワークWが実際に引き渡された場合にのみ、RFIDタグ33Aに情報が書き込まれることとなり、ロボットシステム20Aからロボットシステム20Bへ情報のみが引き渡されることを抑制することができる。その結果、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0098】
・載置台22Bへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことが、チャック確認センサ44Bにより検出される。そして、載置台22Bへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことが検出されたことを条件として、ロボット30Aのハンド部31AがワークWを載置台22Bへ受け渡す際に、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が無線で読み込まれる。このため、載置台22Bへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことが検出されない場合には、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が読み込まれない。したがって、載置台22Bへロボット30Aのハンド部31Aが実際に接近した場合にのみ、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が読み込まれることとなり、リーダライタヘッド25Bによる読込みの精度を向上させることができる。その結果、RFIDタグ33Aに記憶されている情報の読み込みの失敗により工程が中断されることや、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0099】
・載置台22Aへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことが、チャック確認センサ44Aにより検出される。そして、載置台22Bへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことが検出されたことを条件として、ロボット30Aのハンド部31AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、RFIDタグ33Aに情報が無線で書き込まれる。このため、載置台22Aへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことが検出されない場合には、RFIDタグ33Aに情報が書き込まれない。したがって、載置台22Aへロボット30Aのハンド部31Aが実際に接近した場合にのみ、RFIDタグ33Aに情報が書き込まれることとなり、リーダライタヘッド25Aによる書き込みの精度を向上させることができる。その結果、RFIDタグ33Aへの情報の書き込みの失敗により工程が中断されることや、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0100】
・ロボットシステム20Aのロボット30AがワークWを載置台22Bへ受け渡す際に、リーダライタヘッド25Bによって、ロボットシステム20AのRFIDタグ33Aに記憶されている情報が無線で読み込まれた後に、そのRFIDタグ33Aに記憶されている情報が無線で無効化される。このため、次にロボットシステム20AのRFIDタグ33Aに情報を書き込むことが失敗した場合に、そのRFIDタグ33Aに残っていた情報がワークWに関する情報として受け渡されることを抑制することができる。その結果、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0101】
・ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、リーダライタヘッド25Aによって、RFIDタグ33Aに情報が無線で書き込まれる前に、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が無線で読み込まれる。そして、その読み込まれた情報が無効であることを条件として、RFIDタグ33Aに情報が無線で書き込まれる。このため、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が未だ無効化されていない、すなわち有効である場合には、ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す動作を行ったとしても、RFIDタグ33Aに情報が書き込まれない。したがって、RFIDタグ33Aに記憶されている情報が無効である場合にのみ、RFIDタグ33Aに情報が書き込まれることとなる。よって、RFIDタグ33Aに情報を書き込むことが失敗した場合に、そのRFIDタグ33Aに残っていた情報がワークWに関する情報として引き渡されることを抑制することができる。その結果、ワークWとワークWに関する情報との対応にずれが生じることを抑制することができる。
【0102】
上記の実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。なお、1つのロボットシステムを例として説明した構成は、他のロボットシステムに対しても適用することができる。
【0103】
・RFIDタグ33Aに、製品番号、シリアルNoのみを記録し、完了工程情報、良否等を記録しない場合には、ロボットシステム20Aにおいて、RFIDタグ33Fから読み込まれた情報に新たな情報を付加せず、読み込まれた情報をそのままRFIDタグ33Aに書き込むようにしてもよい。
【0104】
・情報が正常にクリアされていない場合に、リーダライタヘッド25BとRFIDタグ33Aとが対向しているうちに、再度情報のクリア及び確認を行ってもよい。同様にして、書込み後に読込んだ情報が正常でない場合に、リーダライタヘッド25AとRFIDタグ33Aとが対向しているうちに、再度情報の書込み及び確認を行ってもよい。
【0105】
・上記実施形態では、情報の書込みに先立って記録されている情報を読込み、その読み込まれた情報が無効化されていることを条件として情報を書き込むようにしたが、この条件を省略することもできる。その場合であっても、書き込み後に読み込んだ情報が正常であるか否か判定することにより、情報の正確さが低下することを抑制することができる。
【0106】
・上記実施形態では、情報の読込み後にRFIDタグ33Aに記録されている情報を無効化するようにしたが、ワークWの引渡しの際に情報の書込みに先立って、RFIDタグ33Aに記録されている情報を無効化してもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。また、それらの無効化処理を双方実行するようにしてもよい。
【0107】
・上記実施形態では、載置台22Aへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことがチャック確認センサ44Aにより検出されたことを条件として、RFIDタグ33Aに情報を書き込むようにした。また、上記実施形態では、載置台22A上にワークWが載置されていることがワーク確認センサ42Aにより検出されたことを条件として、RFIDタグ33Aに情報を書き込むようにした。しかしながら、リーダライタヘッド25AとRFIDタグ33Aとの通信が可能になったことを条件として、RFIDタグ33Aに情報を書き込むようにしてもよい。
【0108】
・上記実施形態では、載置台22Bへロボット30Aのハンド部31Aが接近したことがチャック確認センサ44Bにより検出されたことを条件として、RFIDタグ33Aに記録されている情報を読み込むようにした。また、上記実施形態では、載置台22B上にワークWが載置されていることがワーク確認センサ42Bにより検出されたことを条件として、RFIDタグ33Aに記録されている情報を読み込むようにした。しかしながら、リーダライタヘッド25BとRFIDタグ33Aとの通信が可能になったことを条件として、RFIDタグ33Aから情報を読み込むようにしてもよい。
【0109】
・ロボット30Aのアームにおいて、RFIDタグ33Aをハンド部31A以外の部分に設けた場合には、載置台22A及び載置台22BでワークWをそれぞれチャック及びアンチャックする動作に加えて、RFIDタグ33Aをそれぞれリーダライタヘッド25A,25Bにかざす動作を行わせるとよい。そして、その動作中に、RFIDタグ33Aに対して情報の書込み及び読込みを実行することができる。こうした構成であっても、ロボット30AがワークWを載置台22Aから引き渡す際に、リーダライタヘッド25AによりRFIDタグ33Aに情報を書き込むことができるとともに、ロボット30AがワークWを載置台22Bに受け渡す際に、リーダライタヘッド25BによりRFIDタグ33Aから情報を読み込むことができる。
【0110】
・リーダライタヘッド25A,25Bと無線でデータ通信可能な記憶媒体として、RFIDタグ33Aに限らず、非接触ICカード等、その他の無線で情報を読み書きする記憶媒体を採用することもできる。
【0111】
・ロボットシステム20Aにおいて、1つの作業装置21Aを備える構成に限らず、複数の作業装置を備える構成を採用することもできる。
【0112】
・ロボットシステム20Aにおいて、1つの載置台22Aを備える構成に限らず、複数の載置台22Aを備える構成を採用することもできる。その場合には、それぞれの載置台22Aにリーダライタヘッド25Aを設けるとともに、ロボット30Aがそれらの載置台22Aの間でワークWを搬送するようにすればよい。
【0113】
・ロボット30Aは、ワークWをチャック及びアンチャックして搬送可能なものであればよく、垂直多関節型のロボットや、水平多関節型のロボット等、任意の型式のロボットを採用することができる。
【符号の説明】
【0114】
10…組立ライン、20A,20B,20F…ロボットシステム、21A,21B,21F…作業装置、22A,22B,22F…載置台(受渡し部)、25A,25B,25F…リーダライタヘッド(読込み部、書込み部)、30A,30B,30F…ロボット、31A,31B,31F…ハンド部、33A,33B,33F…RFIDタグ、42A,42B,42F…ワーク確認センサ(ワーク検出センサ)、44A,44B,44F…チャック確認センサ(ロボット検出センサ)、50A,50B,50F…PLC(制御部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを搬送しつつ、各工程で前記ワークに対して作業を行うロボットシステムであって、
前記ワークを前工程から受け取るとともにそのワークを後工程へ引き渡す受渡し部と、
前記受渡し部から後工程へ前記ワークを引き渡すロボットと、
前記受渡し部において前記ワークに対して作業を行う作業装置と、
前記ロボットに設けられ無線で情報を読み書き可能な記憶媒体と、
前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込む読込み部と、
前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込む書込み部と、
前記読込み部により読み込まれた情報に対して必要な情報を付加し、それを前記書込み部により前記記憶媒体に書き込ませる制御部と、
を備えることを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボットは、前記ワークを把持及び開放するハンド部を備え、
前記記憶媒体は、前記ハンド部に設けられ、
前記読込み部及び前記書込み部は、前記受渡し部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記受渡し部に前記ワークが存在することを検出するワーク検出センサを備え、
前記読込み部は、前記受渡し部に前記ワークが存在することが前記ワーク検出センサにより検出されたことを条件として、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記受渡し部に前記ワークが存在することを検出するワーク検出センサを備え、
前記書込み部は、前記受渡し部に前記ワークが存在することが前記ワーク検出センサにより検出されたことを条件として、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記受渡し部へ前工程の前記ロボットが接近したことを検出するロボット検出センサを備え、
前記読込み部は、前記受渡し部へ前工程の前記ロボットが接近したことが前記ロボット検出センサにより検出されたことを条件として、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記受渡し部へ前記ロボットが接近したことを検出するロボット検出センサを備え、
前記書込み部は、前記受渡し部へ前記ロボットが接近したことが前記ロボット検出センサにより検出されたことを条件として、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記読込み部は、前工程の前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部へ受け渡す際に、前工程の前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込むことの後にその記憶媒体に記憶されている情報を無線で無効化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記書込み部は、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことに先立って前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で無効化することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記書込み部は、前記ロボットが前記ワークを前記受渡し部から引き渡す際に、前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことに先立って前記記憶媒体に記憶されている情報を無線で読み込み、その読み込まれた情報が無効であることを条件として前記記憶媒体に情報を無線で書き込むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のロボットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−59119(P2012−59119A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203108(P2010−203108)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】