説明

一回操作による複製・移動機能を有するカメラ

【課題】転送対象である動画や静止画等のデータ群を、一回の操作により、容量の少ない記録媒体へ複製あるいは移動可能なカメラ装置およびデータ転送方法を提供する。
【解決手段】この発明のカメラ装置1は、脱着可能もしくは予め内蔵されたHDD122を有し、HDDよりも少ない記録容量を有し、脱着可能または予め内蔵されたSD記録媒体または外部に接続された記録装置に用意された記録媒体の記録容量に対応する記録容量の新たな記録領域122−1(2〜n)をHDDの記録領域内に設け、SD記録媒体または外部に接続された記録装置の新たな記録領域の記録容量を上限として、設定された新たな記録領域に格納されたデータ群を、その領域に格納されたデータ群を単位としてSD記録媒体または外部に接続された記録装置に用意された記録媒体に、一回の操作により転送可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静止画や動画を記録可能なカメラ装置において、撮像された画像を、任意の記録装置あるいは記録媒体に転送する方法、ならびにその転送が可能なカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ装置は、半導体メモリ(メモリカード)やハードディスク装置(HDD)等の記録媒体に、静止画や動画を記録可能である。
【0003】
撮像済み画像は、ユーザによるカメラ装置の操作や、カメラ装置が接続される管理装置(パーソナルコンピュータ)や外部記録装置等からの転送リクエストにより、例えば管理装置内の(あるいは管理装置を介して)容量の大きなHDDや光ディスクもしくはメモリカード等に代表される記録媒体に転送(記録)可能である。
【0004】
なお、特許文献1には、デジタルスチルカメラにおいて、インターネット経由で画像を転送可能なデジタルカメラ装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−165852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示された画像転送方法では、転送対象である(転送すべき)動画や静止画等のデータ群は、ユーザによる目視等の確認、および取捨選択が必要である。
【0006】
本発明の目的は、転送対象である(転送すべき)動画や静止画等のデータ群を、ユーザにより予め設定された条件およびサイズに基づいて、一回の操作によって、容量の少ない記録媒体へ複製あるいは移動可能なカメラ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、光学像を電気信号に変換する撮影手段と、前記撮影手段によって得られた画像を表示可能な表示手段と、第1の記録容量を有し、脱着可能または予め内蔵された第1の記録媒体と、前記第1の記録媒体と同じか、少ない第2の記録容量を有し、脱着可能または予め内蔵された第2の記録媒体と、前記第1の記録媒体の記録領域内に、前記第2の記録媒体の前記第2の記録容量を上限とする第3の記録容量の第3の記録領域を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記第3の記録領域に格納されたデータ群を、前記第3の記録領域に格納されたデータ群を単位として前記第2の記録媒体に転送する転送制御手段と、を有することを特徴とするカメラ装置、を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカメラ装置は、画像データの記録時に、カメラ装置側の記録媒体(第1の記録媒体)に、転送先である第1の記録媒体よりも容量の少ない第2の記録媒体の容量分を、物理的あるいは仮想的に第1の記録媒体上に確保し、その容量内で第1の記録媒体に画像データを記録することを特徴とする。また、第1の記録媒体に記録された画像データが第2の記録媒体の容量に達した場合、もしくは第2の記録媒体の容量に達することが予測できる場合には、ユーザに対し、その旨を報知でき、第2の記録媒体あるいはカメラ装置に設けられる補助記録媒体へのデータ群の複製または移動を、転送先記録媒体の容量毎に、一回の操作で、複製または移動が可能となる。
【0009】
従って、カメラ装置からの画像データを、転送先記録媒体の容量に合わせ、簡単な操作で転送可能であり、カメラ装置の操作性が向上される。特に、転送先の記録媒体がカメラ装置から分離された特定の規格の記録媒体を再生可能の再生専用機による再生を考慮したデータ群である場合、再生専用機のみを保有するユーザに要求される再生までの手順も、簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1(a)および図1(b)は、本発明が適用可能な動画および静止画ならびに音声等が記録可能なカメラ装置の概略を示す。
【0012】
図1(a)は、電子カメラ装置(撮影装置)1を撮影レンズ側から見た状態を示す。
【0013】
電子カメラ装置1は、撮像レンズ11、フラッシュ12、(静止画撮影用)シャッターボタン13およびリモコン受信部14等を有する。電子カメラ装置1はまた、パーソナルコンピュータや、外部電源装置(ACアダプタ)等との接続に利用されるアダプタ接続部(接続端子)15を有する。
【0014】
図1(b)は、電子カメラ装置1を、撮像レンズ11と逆の側から見た状態を示す。
【0015】
カメラ装置1はまた、主電源スイッチを兼ねるフレーム21に一体に組み込まれた液晶モニタ(LCDパネル)22およびスピーカ23を有する。電子カメラ装置1はさらに、フレーム21が閉じられる(電子カメラ装置本体の所定の位置に収容される)位置でオフされる所定の位置に、主電源スイッチ24を有する。
【0016】
また、カメラ装置1の所定の位置には、動画の記録(録画)の開始および停止(終了)の指示(制御コマンド)を入力可能な録画ボタン25、動作モードやさまざまな条件の入力および決定の指示を選択する指示(制御コマンド)を入力可能なジョグ(JOG)ダイアル26、ジョグダイアル26により選択(ガイド)される指示を確定(実行)するための指示(制御コマンド)を入力可能な決定(OK)ボタン27等が設けられている。なお、OK(決定)ボタン27は、例えばジョグダイアル26の回転中心に同軸(同心)状に位置される。
【0017】
なお、カメラ装置1は、アダプタ接続部15と接続される詳述しない拡張接続装置(クレードル)201を経由して接続される任意台数/複数種類の外部記録装置、例えばDVD−RディスクやCD−Rディスクを記録媒体Mとする専用の書き込み機器211やパーソナルコンピュータ(PC)221と有線もしくは無線によって接続され、カメラ装置1からの転送指示により、カメラ装置1に保持されている画像データ(データ群)が転送可能である(図2参照)。また、後段に詳述するが、カメラ装置1には、カメラ装置1からの転送指示によるカメラ装置1に保持されている画像データ(データ群)を、1回の操作により転送可能とする転送指示装置(「一発転送機構」)が設けられている。
【0018】
図3は、図1に概要を示したカメラ装置の制御系の一例を示す。
【0019】
撮像レンズ11から取り込まれた被写体像は、例えばCCDセンサである撮像素子31の結像面に結像され、アナログ信号(撮像画像データ)に変換される。被写体像は、撮像素子(CCDセンサ)31により、光の明暗に基づいて電気信号に変換され、アナログ−デジタル(A/D)変換部101によりデジタル信号に変換され、(カメラ)信号処理部102に入力される。
【0020】
信号処理部102では、A/D変換部101によりデジタル信号に変換された撮像画像データに、例えばガンマ補正、色信号分離、あるいはホワイトバランス調整等の処理が施される。
【0021】
カメラ信号処理部102から出力された撮像画像データは、メモリコントローラ103を経由して画像表示処理部104に供給される。画像表示処理部104は、ビデオインタフェース(Video I/F)/OSD(On Screen Display)処理部105およびビデオデコーダ(Video Decoder)106等を含み、表示出力のための画像信号すなわちビデオ信号を生成する。
【0022】
ビデオインタフェースおよびOSD処理部105では、フレーム21にマウントされているLCDパネル(以下、単にLCDと呼称する)22(図1(b)参照)に対し、図2に概略的に示したような「一発転送」を可能とする信号の入力に利用される『一発転送』アイコン(ボタン)22−201に対応する表示が作成され、合成される。
【0023】
ビデオデコーダ106の出力は、液晶パネル駆動回路(LCD Driver)107に入力され、液晶パネル駆動回路107により、LCDパネル22に、表示される。
【0024】
カメラ信号処理部102から出力された撮像画像データは、記録時においては、圧縮/伸長部108で圧縮され、主制御装置(CPU)111の制御の下で、記録メディアコントローラ121を経由して、主記録媒体、例えばハードディスク装置(以下HDDと略称する)122、あるいは付随する取り出し可能な(脱着式の)記録媒体、例えば不揮発性メモリであるメモリカード123に記録される。なお、メモリカード123は、例えばSDカード(登録商標)や、mini−SD(登録商標)と呼ばれる半導体メモリ(SD記録媒体)が利用可能である。もちろん、HDD122に換えて、例えば光ディスクが用いられてもよいことはいうまでもない。また、圧縮/伸長部108においては、静止画は、例えばJPEG規格等の、動画(非静止画)は、MPEG規格等の、周知の圧縮方式により圧縮される。
【0025】
なお、HDD122の容量は、例えば広く普及しているDVD規格の一回書込型(DVD−R)ディスクの容量に比較して10倍程度である。従って、SD記録媒体123の記録容量は、HDD122の容量よりも、現在のところ少ない。
【0026】
HDD122またはメモリカード123に既に記録されている画像を再生する際には、HDD122あるいはメモリカード123から読み出された画像が圧縮/伸長部108において伸長され、メモリコントローラ103を通じて、上述の画像表示処理部104に供給され、LCD22に表示される。
【0027】
画像表示処理部104においては、詳述しないが、メモリコントローラ103に接続されたメインメモリ(メモリ回路例えばSDRAM)109およびバッファ(ワーク)メモリ110により、画像データの縮小(サムネイル画像の作成)や詳述しないが編集モードにおける編集、画像ファイルの順番の入れ替え等が実行される。
【0028】
また、バッファメモリ110は、1画面分の画像データあるいは複数画面分の画像データを保存することができる。なお、バッファメモリ110に保存されている画像データはメモリコントローラ103を介して画像表示処理部104に入力されるので、LCD22において、逐次再生(モニタ)可能である(画像編集時の状態を確認できる)。
【0029】
カメラ装置1においてはまた、編集時あるいは撮影時には、音声入出力処理部131に接続されたマイク132あるいはオーディオ入力端(Audio In)により、音声/オーディオデータを取り込むことができる。音声データは、撮影された画像データと関連付けられて、HDD122またはメモリカード123の所定の領域に記録される。
【0030】
記録された音声データは、映像(画像)の再生時において、撮像した画像データと同時にHDD122またはメモリカード123から読み出され、音声出力として、スピーカ133またはオーディオ出力端(Audio Out)に出力される。もちろん、再生時において、スピーカ133から出力される音声は、消音(出力レベルを「0」と)することも可能である。
【0031】
ところで、記録媒体であるHDD122においては、その容量から、静止画を記録可能な画像数および動画を記録する際の記録時間(タイトル数)は、数100〜数1000にも及ぶ。このため、記録画像やタイトルの送りや戻しには、高速性が要求される。
【0032】
従って、ジョグダイアル26とOKボタン27により、多くの画像やタイトルの選択やさまざまなモードの設定が、ストレスなく処理可能である(多くの画像やタイトルを連続してサーチして特定する際に、ジョグダイアル26のような操作性の高いスイッチが有益である)。また、ジョグダイアル26により入力される内容(ユーザによる操作)、あるいはカメラ装置1の動作状態、もしくはメニューボタン29によるメニュー画面の表示等は、上述したCPU111、メモリ回路109、画像表示処理部104、ビデオインタフェースおよびOSD処理部105等を介して合成され、LCD22に表示される。
【0033】
なお、OK(決定)ボタン27は、CPU111に、ボタン27が押された(オン/オフ信号が入力された)情報を与える。CPU111は、その情報(ボタン27)から入力されるオン/オフ信号に基づいて、ジョグダイアル26により選択されている画像やタイトルあるいはモードを確定し、再生あるいはモードの設定等の処理を実行する。
【0034】
ジョグダイアル26は、CPU(主制御装置)111に、その回転角と回転スピードの情報を与える。CPU111は、それらの情報から(次の)画像の表示スピード等を制御することが可能である。
【0035】
また、OK(決定)ボタン27は、ジョグダイアル26の回転中心に同軸(同心)状に位置される。なお、OK(決定)ボタン27は、概ね中心(軸方向)に向けて力がかけられた(押された)場合は、上述のオン信号を入力可能で、円周上の円周を概ね4等分した4方向(一般に、「上下左右」と呼称される)のいずれかに力が加えられることで、例えばLCD22に表示されている画像を、力が加えられている方向にスクロールさせる制御コマンド(指示)を入力させることができる。
【0036】
次に本発明のカメラ装置における特徴的な構成及び画像データ処理方法を説明する。
【0037】
図4は、カメラ装置1のHDD122のデータ記録領域を模式的に示している。
【0038】
例えば、カメラ装置1においては、予め「DVD−R」ディスク向けの『4.7Gバイト』のデータを記録可能な容量に、記録領域122−1が区分(DIM)されている。もちろん、転送先として想定される記録媒体が、カメラ装置1に着脱可能なメモリカード123である場合には、記録領域122−1の容量は、ユーザにより用意されたメモリカード123と同容量、例えば『256Mバイト』等に、規定される。また、記録領域122−1の容量は、「CD−R」ディスク向けの場合には『650Mバイト』に、現在実用化に達した「HD DVD」ディスク向けの場合には『15Gバイト』に、それぞれ、設定される。もちろん、記録領域122−1を、例えば「DVD−R」ディスク向けとし、記録領域122−1に加えて、例えばメモリカード123向けに、第2の記録領域122−2(もしくはさらに異なる容量の記録媒体向けに、第3以降の記録領域122−3〜n)を確保することも可能である。
【0039】
なお、例えば、カメラ装置1においては、図5に概略的に示すように、HDD122の記録領域を、想定される記録媒体に合わせて領域分割することなく、仮想的に複製または移動先の記録媒体(106,M,MはDVD−規格やCD−R規格の光ディスクを含む)の容量に合わせて確保することも可能である。
【0040】
すなわち、HDD122の記録領域内に、データベースファイル122−Dを設け、HDD122に記録されるデータ群から、複製あるいは移動の対象となるデータ群をデータベースファイル122−Dに記録する。合わせて、既に記録されているデータ群のデータサイズを記録する。
【0041】
一方で、複製または移動先の記録媒体に合わせた、仮想的に確保すべき容量(サイズ)を記録し、データ群がデータベースファイル122−Dに追加されるたびに、容量を計算して、仮想的に確保した容量と比較する。
【0042】
このように、データベースファイル122−DをHDD122に用意することで、仮想的に、「一発転送」可能なサイズのデータ領域を確保することができる。
【0043】
カメラ装置1により撮影(撮像)された画像(動画あるいは静止画)の画像データは、HDD122の記録領域122−1に、所定の規則に従って格納される。なお、記録領域122−1には、予め任意の条件の画像データを区分して保持可能に規定された「画像ファイル(フォルダ)」や「アルバム(フォルダの管理単位)」が形成されてもよい。その場合、撮影された画像は、撮影に先だって指定された「フォルダ」や「アルバム」に格納される。
【0044】
なお、カメラ装置1により撮影(撮像)された画像の合計のサイズが、図4および図5に示したような、カメラ装置1(のHDD122)から別の記録媒体への画像データ群の転送を想定して用意されたサイズの記録領域のサイズと等しいか、その残り容量が所定の割合よりも少なくなった場合には、ビデオインタフェース/OSD105を通じてカメラ装置1のLCD22に、例えば『一発転送領域の記録容量が足りません』または『一発転送領域の画像データを一発転送により移動してください』等のメッセージが表示される。
【0045】
また、図4および図5に示した記録領域のサイズは、詳述しないが、カメラ装置1における「メニュー画面(さまざまな設定の入力に用いられる)」から、ユーザにより任意に設定される。
【0046】
詳細には、図6を用いて以下に説明するフローに従って、「一発転送」が可能となる。
【0047】
図6において、管理装置(パーソナルコンピュータ、以下、PCと示す(図2参照))221とカメラ装置1とが、クレードル201が介在された状態で、有線もしくは無線により接続され(もしくは既に接続されている状態でクレードル201の操作によりカメラ装置1とPC221との接続が選択され)ることで、PC221に予めインストールされているアプリケーションソフトであるデバイスディテクタ(Device Detector)が起動される。なお、PC221とカメラ装置1との接続は、例えばUSBによる接続であれば、カメラ装置1のアダプタ接続部15とUSBケーブルとの接続による接続も可能である。また、PC221は、広く普及しているDVD−R規格の光ディスクMに対して情報を記録可能なディスクドライブユニットを保持しているものとする(S601)。
【0048】
ステップS601により、PC221において、カメラ装置1が接続されたことが検出される(S602)。
【0049】
ステップS602により、カメラ装置1がPC221に接続されたことが検出されるとPC221のモニタ装置(表示装置)に、ランチャー画面221−1が表示される。
【0050】
同時に(または、ステップS602により、カメラ装置1とPC221との接続が完了した時点で)、カメラ装置1のLCD22には、図2に示したような『一発転送』ボタン22−201が表示される(S603)。
【0051】
以下、カメラ装置1のOKボタン27(図1(b)参照)が操作され、(LCD22に表示されている)『一発転送』ボタン22−201が「反転表示」され、OKボタン27がオンされることで、カメラ装置1のHDD122に記録されている画像データ(データ群(予め任意の条件の画像データを区分して保持可能に規定された「画像ファイル(フォルダ)」や「アルバム(フォルダの管理単位)」を含む)のサイズが、PC221または専用書き込み機211に出力される。なお、ここでは、PC221へのデータ群の転送について説明する(S604)。
【0052】
ステップS604において、転送対象(転送されようとしている)データ群のサイズが出力されることで、PC221において、そのサイズがディスクドライブユニットに用意されている光ディスク(DVD−RまたはCD−RもしくはHD DVD)Mの残り記録容量と比較される(S605)。
【0053】
ステップS605において比較された光ディスクMの残り記録容量と(カメラ装置1において)転送されようとしているデータ群のサイズが記録可能なサイズである場合(S605−Yes)、カメラ装置1のHDD122に保持されているデータ群がPC221に転送され、PC221に組み込まれているディスクドライブユニットに用意されている光ディスクMに記録される(書き込まれる)。もちろん、総てのデータ群が1回に転送または書き込まれる必要はなく、PC221により規定された単位でPC221の詳述しないキャッシュメモリに転送され、PC221に組み込まれているディスクドライブユニットへの転送レートにより転送されて、光ディスクMに書き込まれる(S606)。
【0054】
これに対し、ステップS605において、カメラ装置1から転送されようとしているデータ群のサイズが予め指定されている種類の1枚の光ディスクMに記録可能であるが、現在ディスクドライブユニットにセットされている光ディスクMの残り記録容量よりも大きい場合(S605−No)、例えば『光ディスクMの記録容量が不足しています』等の、光ディスクMの交換を要求するメッセージが、ビデオインタフェース/OSD105を通じて、カメラ装置1のLCD22に表示される(S607)。
【0055】
この場合、例えばPC221側のディスクドライブユニットの図示しないイジェクトスイッチの操作あるいはディスクトレイの開閉等がモニタされ、光ディスクMが交換されたか否かが検知され(S608)、光ディスクMが交換または再セットされたと判断された場合(S608−Yes)、再びディスクドライブユニットにセットされた光ディスクMの残り記録容量がチェックされる(S605)。
【0056】
ステップS608において、光ディスクMが交換されたか否かが識別できない場合(S608−No)、例えば所定時間経過後に「一発転送」が(強制的に)終了される。もちろん、終了に先立って、例えば『転送先の光ディスクの記録容量が不足しているため転送を終了します』等のメッセージが、カメラ装置1のLCD22に、OSD105を介して表示されてもよいことはいうまでもない(S609)。
【0057】
なお、転送には、HDD122の記録領域122−1(122−2〜n)において保持されているデータ群を、転送先に転送したのち、記録領域122−1(122−2〜n)において保持されているデータ群を消去する「移動」と記録領域122−1(122−2〜n)において保持されているデータ群を、そのまま保持する「複製」とが規定されている。この「移動」と「複製」は、詳述しないが、カメラ装置1における「メニュー画面」から、(ユーザが)任意に設定可能である。
【0058】
また、HDD122(カメラ装置1内)に「一発転送」のために確保された領域の容量が、メモリカード(SD記録媒体)123(カメラ装置1内)のサイズである場合には、上述したPC221との接続が必要なく、所定のタイミングでカメラ装置1のLCD22に表示される『一発転送』ボタン22−201に対するOKボタン27の操作からの転送指示(OKボタン27のオン)により、カメラ装置1に予め用意されているSD記録媒体123に、転送対象のデータ群が転送される。
【0059】
例えば、図7に示すように、ビデオインタフェース/OSD処理部105により、表示パネル(LCD)22にバックアップボタン(アイコン)22−701が表示された状態あるいは詳述しないメニュー画面からバックアップが指示される(S701)と、カメラ装置1にSDカード123が用意されているか否かが判断される(S702)。
【0060】
ステップS702において、SDカードが用意されていることが検知できた場合(S702−Yes)、カメラ装置1内で、HDD122に記録されている画像データ(データ群)のリストファイルが作成される(S703)。
【0061】
次に、HDD122から転送されようとしている(転送対象の)データ(データ群)が読み出され、メインメモリ109(またはバッファメモリ110)に一時的にストアされる(S704)。
【0062】
続いて、SDカード123の残りの記録可能な容量と、転送対象のデータのサイズとが比較され(S705)、残り記録容量が十分である(不足していない)場合(S705−No)、一時的にストアされているHDD122からSDカード123に、転送対象のデータ(データ群)が転送される。なお、ステップS704において、バッファメモリ110またはメインメモリ109に、転送対象のデータが一時的にバッファリングされる必要のない(例えば転送対象のデータサイズが大きくない)場合には、必ずしもバッファリングが必要ないことはいうまでもない(S706)。
【0063】
以下、転送が終了すると(S707)、LCD22に、例えば『転送が終了しました』等のメッセージが表示される(S708)。
【0064】
続いて、(カメラ装置1の設定により必ずしも同様のフローである必要はないものの)例えば『転送済みデータをハードディスクから消去(削除)しますか?』等のメッセージが、カメラ装置1のLCD22に表示され(S709)、ユーザから『消去(削除)』が指示された場合には(S710−Yes)、転送済みデータがHDD122から削除される(S711)。
【0065】
なお、ステップS702において、SDカードが用意されていない場合(S702−No)においては、例えば『SDカードを挿入してください』等のメッセージがLCD22に表示される(S712)。また、ステップS705において、SDカードの残り記録容量が不足している場合(S705−Yes)においては、例えば『SDカードの容量が足りません』等のメッセージがLCD22に表示される(S713)。
【0066】
また、HDD122(カメラ装置1内)に「一発転送」のために確保された領域の容量が、カメラ装置1に接続可能な専用の書き込み機器211に用意された記録媒体の容量に合わせられている場合においても、実質的に、図6に示したフローに従って、一発転送可能であることはいうまでもない。
【0067】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形もしくは変更が可能である。また、個々の実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合、組み合わせによる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の実施の形態が適用可能な動画および静止画ならびに音声等が記録可能なカメラ装置の一例を示す概略図。
【図2】図1に示したカメラ装置と接続される外部記録装置の接続例を説明する概略図。
【図3】図1に示したカメラ装置の制御系の一例を説明する概略ブロック図。
【図4】図1および図3に示したカメラ装置の記録領域の構成の一例を示す概略図。
【図5】図1および図3に示したカメラ装置の記録領域の構成の一例を示す概略図。
【図6】図4または図5に示した記録領域に記録されたデータ群の転送方法の一例を説明するフローチャート。
【図7】図4または図5に示した記録領域に記録されたデータ群の転送方法の別の一例を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0069】
1…カメラ装置、11…レンズ、22…LCD(表示手段)、26…ジョグダイアル、27…決定ボタン、31…CCDセンサ(撮像手段)、101…アナログ−デジタル変換部、102…カメラ信号処理回路、103…メモリコントローラ、104…画像表示処理部、105…ビデオインタフェースおよびOSD処理部、106…ビデオデコーダ、107…液晶パネル駆動回路、108…圧縮/伸長部、109…メモリ回路、110…バッファ(ワーク)メモリ、111…CPU(設定手段、転送制御手段)、121…記録メディアコントローラ、122…HDD(ハードディスク装置、第1の記録媒体、第3の記録領域)、123…メモリカード(SD記録媒体、第2の記録媒体)、22−201…「一発転送」ボタン(表示)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学像を電気信号に変換する撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた画像を表示可能な表示手段と、
第1の記録容量を有し、脱着可能または予め内蔵された第1の記録媒体と、
前記第1の記録媒体と同じか、少ない第2の記録容量を有し、脱着可能または予め内蔵された第2の記録媒体と、
前記第1の記録媒体の記録領域内に、前記第2の記録媒体の前記第2の記録容量を上限とする第3の記録容量の第3の記録領域を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記第3の記録領域に格納されたデータ群を、前記第3の記録領域に格納されたデータ群を単位として前記第2の記録媒体に転送する転送制御手段と、
を有することを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記第3の記録領域の前記第3の記録容量は、前記設定手段により、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記第3の記録領域に保持されたデータ群は、1回の操作で前記第2の記録媒体に転送されることを特徴とする請求項1または2記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記第3の記録領域に保持されたデータ群を、1回の操作で前記第2の記録媒体に転送するための制御信号を出力する専用ボタンが規定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラ装置。
【請求項5】
前記第2の記録媒体は、ネットワークまたはシリアルバスにより接続された外部記録装置を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカメラ装置。
【請求項6】
前記第1の記録媒体の前記第3の記録領域に記録されたデータ群のサイズをモニタし、前記第3の記録媒体の残り容量が前記第2の記録領域の容量に等しいか、所定の割合に達したことを報知可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラ装置。
【請求項7】
前記ボタンにより前記第2の記録媒体に転送されたデータを前記第1の記録媒体から削除するか否かを任意に選択可能であることを特徴とする請求項4記載のカメラ装置。
【請求項8】
カメラ装置が保持する記録装置内に所定のサイズの転送のための記録領域を確保し、
撮影された画像のデータ群を転送のための記録領域に順に格納し、
転送のための記録領域に格納されたデータ群を、その記録領域内のデータ群を単位として転送可能な転送コマンドにより、一括して転送可能、
としたことを特徴とするデータ転送方法。
【請求項9】
転送コマンドを出力するための専用のコマンド入力が可能であることを特徴とする請求項8記載のデータ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−311368(P2006−311368A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133401(P2005−133401)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】