説明

一層以上の滞留層と一層以上の分離層とを有する構造化充填材の利用

【課題】ある物質を含む混合物中からその物質を蒸留により分離する方法を提供する。
【解決手段】一層以上の滞留層1中でフラッディング点以上となるに比表面積が選ばれた一層以上の滞留層と、フラッディング点未満となるように比表面積が選ばれた一層以上の分離層2とを有する構造化充填材を、選択性溶媒を添加する抽出蒸留を使用して、ある物質を含む混合物中からその物質を蒸留により分離する方法を実施するために、蒸留塔中における分離効果を有する充填物として利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一層以上の滞留層と一層以上の分離層とを有する構造化充填材の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
EP−A1074296には、塔内の液体とガスとの間の熱交換および質量移動に用いられる、少なくとも一種の充填材層を有する構造化充填材が開示されている。この構造化充填材は、その高さ全体にわたって変化する内部構造を有しており、好適に液体量やガス量を調整することで、ほぼ分散状の気相を有する沸騰層が、第一の充填材層、特にその充填材層の下部領域に狙い通りに形成され、同時にほぼ連続的な気相を有する液体薄膜流が、第二の充填材層、特にその充填材層の上部領域に狙い通りに形成されるようになっている。
【0003】
このような充填材は、ほぼ分散状の液相を有する充填塔と、ほぼ連続的な液相を有するトレイ塔の中間の形状を持つものであり、トレイ塔の優れた性質、特に沸騰層における高い質量移動性能と、充填塔の優れた性質、特に液滴飛沫同伴防止と充填材表面での高い質量移動の性質とを有している。
【0004】
特にこのような充填材を備えた塔では、その分離効率は、従来の構造化充填材を備えた塔と比べると、実質的に最大で60%高い。塔の分離効率は、通常、メートル当たり理論段数(nth/m)で、あるいは理論段相当高さ(hetp)で定義される。
【0005】
液体の性状が極めて似ている成分を含む物質混合物の蒸留分離に、選択性溶媒を用いる抽出蒸留がしばしば行われる。これは、除去しようとする物質より高い沸点を有する物質又は物質の混合物である。抽出蒸留により分離すべき物質混合物中にこの選択性溶媒を添加物として用いると、選択性溶媒を加えない場合の従来の蒸留での段効率約70〜80%に較べて、抽出蒸留の段効率は低下して約15〜60%となる。
【0006】
したがって、抽出蒸留による物質の分離のためには、大きな充填材高とそれに対応する蒸留等が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の目的は、抽出蒸留用の蒸留塔の分離効率を向上させること、即ち同一の分離性能において抽出蒸留の蒸留塔の高さを低下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、フラッディング点に以上となるように比表面積が選ばれた一層以上の滞留層とフラッディング点未満となるように比表面積が選ばれた一層以上の分離層とを有する構造化充填材を、選択性溶媒を添加して行う抽出蒸留によってある物質を含む混合物中からその物質を蒸留により分離する方法を実施するための蒸留塔中において分離効果を有する充填材として利用することにより達成される。
【0009】
高沸点溶媒を添加して行う抽出蒸留の方法において構造化充填材の使用が危険であることは、蒸留分離機能に関するプロセス工学の技術者によく知られている。これは、一旦汚染されると洗浄が困難であり、また構造化充填材が常に特注品であるため交換品の調達に時間がかかるためである。
【0010】
特にC留分、即ち大部分が分子内に4個の炭素原子をもつ炭化水素類を含む炭化水素混合物の蒸留分離の場合は、特に共役二重結合または三重結合を持つ成分が重合しやすいため、汚染の危険が高い。また、抽出蒸留に用いられる多くの選択性溶媒が汚れを引起すこともある。
【0011】
これ対して、驚くべきことに、高さ全体にわたり内部構造が変化する、フラッディング点以上の一種の滞留層とフラッディング点未満の少なくとも一種の分離層とを有する特異的な構造化充填材を使用することで、一層以上の滞留層内で十分に高い乱流を形成することができ、抽出蒸留中の、特にC留分の抽出蒸留中での汚染の危険がコントロールすることができることが明らかとなった。本説明は、気液相における大きな乱流の洗浄効果にある。
【0012】
本発明によれば、 EP−A1074296に記載の構造化充填材が、即ち少なくとも一種の充填材層を第一の低部末端と第二の上部末端とに有する充填材であって、液体量とガス量とを適当に調節することでほぼ分散状の気相を有する沸騰層が、第一の充填材層、特にその充填材層の下部領域に狙い通り形成され、同時にほぼ連続的な気相を有する液体の薄膜流が第二の充填材層、特にその充填材層の上部領域に狙い通り形成されるように、その充填材層の内部構造がその高さ全体にわたって変化している構造化充填材が用いられる。
【0013】
構造化充填材は、複数の充填材部品の層から、例えば金属シートや展伸金網や金網などの充填剤部品の層からなり、これらの層は、規則正しい構造で相互に垂直に配置され、通常、締め付け手段により、例えば金属線、細い金属棒、または薄板板により組み立てられている。一般に、これらの充填材部品は、ある幾何学的な構造、例えば屈曲した形状または直径が約4〜6mmの円孔の形状をしている。その空隙は投入可能な充填材の量を増加させるためのものであり、塔への高い投入量が可能となる。
【0014】
充填材層の高さに対して流動抵抗を変化させることで、上述の流体力学的な作動状態が達成される。充填材層の第一領域、場合によっては下部領域の流動抵抗が、充填材層の第二領域、場合によっては上部領域の流動抵抗より大きいことが好ましい。
【0015】
この充填材層の第一領域が充填材層の下部領域に存在し、充填材層の第二領域が充填材層の上部領域に存在することが好ましい。本発明の目的においては、充填材層の第一領域、場合によれば下部領域と、第二領域、場合によれば上部領域が、充填材層の全断面上に広がっていることが好ましい。充填材層の第一領域、場合によれば下部領域は充填材層の底に直接隣接していてもよく、また充填材層の第二領域、場合によれば上部領域は、充填材層の頂上に直接隣接していてもよい。ある好ましい実施様態においては、この充填材層の第一領域、場合によれば下部領域は、第二領域、場合によれば上部領域に直接隣接していてもよい。
【0016】
これらの構造化充填材は、流路横断型構造(クロスチャンネル構造)を有する、金属平板または網状層(fabric layer)からなる薄板または網状充填材であることが好ましい。
【0017】
特に、この流路横断型構造を形成する金属平板または網状層は、一層以上の分離層中において、水平に対して<60°の角度、好ましくは45°の角度をなす屈曲を有していてもよい。
【0018】
薄板または網状充填材は、好ましくは流路横断型構造を有し、一層の分離層の高さ中に、2〜10個の、好ましくは2〜4個の屈曲交点が存在するようにすることが好ましい。
【0019】
これらの一層以上の分離層の高さは、いずれの場合も5〜50cmであり、好ましくはいずれの場合も10〜20cmである。
【0020】
本発明の利用のためには、混合物の他成分と較べて、分離すべき物質(即ち、目的物)の比揮発度を増加させる一種以上の物質が、選択性溶媒として用いられる。原則として、これらは、高沸点物質、即ち分離すべき混合物と較べて沸点が高い物質である。高沸点極性の高い物質が、特にN−メチルピロリドンとジメチルホルムアミドとアセトニトリルから選ばれる物質またはこれらの混合物が、選択性溶媒として、特に好ましく用いられる。
【0021】
好ましくは、一種以上の添加物、特に水及び/又は一種以上のC〜C−アルコール類を、この選択性溶媒に添加することができる。モノヒドロキシアルコール類またはジオール類を、C〜C−アルコールとして使用することもできる。メタノールとN−プロパノールまたはイソプロパノールが好ましい。
【0022】
好ましくは、一種以上の分離すべき物質よりも沸点が高い安定剤の存在下で抽出蒸留を行い、重合の可能性を更に低下させることができる。
【0023】
本発明はまた、一層以上の滞留層と一層以上の分離層とを有する構造化充填材の、抽出蒸留による混合物の選別方法での利用に関するもので、その際の分離される混合物はC留分である。
【0024】
抽出蒸留によるC留分からの1,3−ブタジエンの分離方法及び/又はC留分からのブタン類とブテン類の分離方法での利用が好ましい。
【0025】
本発明は、C留分からの具体的な1,3−ブタジエン分離方法については、制限がない。
【0026】
本発明によれば、構造化充填材は、DE10105660に記載のような抽出蒸留により1,3−ブタジエンを分離する塔で使用することが好ましい。なお、この方法では、仕切壁塔の頂点まで続く仕切壁を有する仕切壁塔とこの仕切壁塔の上流にある抽出洗浄塔中で、C留分の分離が行われる。
【0027】
この高さ全体において内部形状が変化する構造化充填材を、DE10322655に記載のようなC留分からの1,3−ブタジエンの分離方法に使用することがより好ましい。
【0028】
この特許によれば、第一の部分領域、第二の部分領域、下部共通塔領域と仕切壁が設けられ、塔の頂上まで続いている仕切壁塔で、さらに上流の抽出洗浄塔に連結されたものが抽出蒸留に用いられる。
【0029】
好ましくは、
・C留分を、仕切壁塔の第一の部分領域、好ましくはその中央の領域に供給する。
・仕切壁塔の第一の部分領域からの頂流を抽出洗浄塔の下部領域に導く。
・この抽出洗浄塔中で、抽出洗浄塔の上部領域中の選択性溶媒の第一の部分流での処理で向流型抽出を行う。
・選択性溶媒中への溶解性が1,3−ブタジエンより低いC留分中の成分は抽出洗浄塔の頂上から抜き出される。
・抽出洗浄塔からの塔底流は、仕切壁塔の第一の部分領域の上部領域に返送される。
・選択性溶媒の第二の部分流を、仕切壁塔の第二の部分領域の上部領域にあるに導く。
【0030】
塔頂の製品は、仕切壁塔の第二の部分領域(B)からの粗製1,3−ブタジエンとして抜き出す。
【0031】
精製溶媒からなる塔底流は、本方法に還流させるものであり、仕切壁塔の下方共通塔領域から抜き出す。
【0032】
したがって好ましくは、分離するC留分は、仕切壁塔の第一の部分領域へ、特に好ましくは中央の領域へ導かれ、仕切壁塔の第一の部分領域からの塔頂流は、上流にある抽出洗浄塔の下部領域に導かれ、抽出洗浄塔の上部領域中の選択性溶媒の第一の部分流よる処理により向流型抽出が抽出洗浄塔で行われる。選択性溶媒への溶解性が1,3−ブタジエンより低いC留分の成分は、抽出洗浄塔の塔頂から取り出され、特に好ましくは抽出洗浄塔の塔頂の凝縮器中で凝縮され、一部は抽出洗浄塔への還流として戻され、残りは、主にブタン類やブテン類を含む副産物として、しばしばラフィネート1と呼ばれる副産物として取り出される。
【0033】
この抽出洗浄塔の塔底流を、即ち選択性溶媒に加えて、1,3−ブタジエンとブタン類、ブテン類、選択性溶媒中への溶解性が1,3−ブタジエンより大きなC留分の成分とを含む液流を、仕切壁塔の第一の部分領域の上部領域に供給することで、仕切壁塔の第一の部分領域の上部領域における、この液流と蒸気状態で添加されるC留分との間の質量移動により、向流型抽出と選択性溶媒に対する溶解性が1,3−ブタジエンより小さな成分の除去が、仕切壁塔の第一の部分領域の頂上で行われる。
【0034】
仕切壁の下方末端では、1,3−ブタジエンに加えて、選択性溶媒中への溶解性が1,3−ブタジエンより大きなC留分の成分を含む、特にC−アセチレン類を含む蒸気流が得られる。これらは、仕切壁塔の第二の部分領域の上部領域に添加される選択性溶媒の第二の部分流とともに向流に流れる上昇蒸気流から洗い流される。仕切壁塔の第二の部分領域からの塔頂留分は取り除かれ、好ましくは塔頂の凝縮器中で凝縮され、凝縮した塔頂流の一部は還流として仕切壁塔の部分領域Bへ戻され、その他の凝縮塔頂流は、粗製1,3−ブタジエンとして抜き出される。
【0035】
低部共通塔領域では、溶媒の完全な脱ガスが行われ、抽出蒸留塔の塔底で精製された溶媒が得られる。
【0036】
本目的のための抽出蒸留塔塔底の蒸発器へのエネルギー投入量を決めるためには、プロセス工学の技術者は、いずれのいかなる場合でも、選択性溶媒として用いられる物質または物質混合物の熱的な負荷容量を考慮することが必要となる。
【0037】
他の好ましい実施様態においては、C留分からの1,3−ブタジエンの分離のための抽出蒸留は、塔の上端にまで続く仕切壁を有する仕切壁塔を有する抽出蒸留とその上流に連結された抽出洗浄塔とを有するプラントで行うこともできるが、上述の実施様態とは異なり、分離すべきC留分を、仕切壁塔の第一の部分領域ではなく、上流にある抽出洗浄塔の下部領域に供給する。
【0038】
抽出蒸留塔から分離された上流抽出洗浄塔において、ブタン類とブテンとを含む副産物、いわゆるラフィネート1を回収することが必須というわけではない。この方法に対する具体的な限界条件、特に分離すべきC留分の組成やラフィネート1の規格を考慮したうえで、仕切壁塔の第一部分領域の理論段数を増やすことが技術的にも経済的にも適度に可能なら、この抽出洗浄塔を、抽出蒸留塔として用いる仕切壁塔の第一の部分領域と一体化させることも可能である。
【0039】
本発明によれば、滞留層を構造化充填材の用途は、選択性溶媒を用いる抽出蒸留によるC留分の分離方法であり、この方法によりいずれの場合も、1,3−ブタジエンとブテン類とブタン類とがそれぞれ別の液流としてえられる。
【0040】
本発明は、C留分から1,3−ブタジエンとブタン類とブテン類への具体的な分離方法について、特に制限を受けるわけではない。
【0041】
好ましい用途はWO2004/011406に記載の方法であり、この方法によれば、抽出蒸留が長手方向に配置された塔の上方末端まで続く仕切壁を持ち、第一の上部部分領域と第二の上部部分領域と低部共通塔領域を有する塔で行われ、ブタン類を含む塔頂流が第一の上部部分領域から抜き出され、ブテン類を含む塔頂流が第二の上部部分領域から抜き出され、C留分からの選択性溶媒に対する溶解性がブタン類やブテン類より高い炭化水素類を含む液流が下部共通塔領域から抜き出される。
【0042】
好ましくは、完全に上方末端にまで続く仕切壁を有する仕切壁塔から抜き出される、選択性溶媒に対する溶解性がブタン類やブテン類よい高い炭化水素類を含む液流を、第一の蒸留塔に供給することができ、この塔内で、これは、1,3−ブタジエンとプロピンと場合によれば更に低沸点物と水とを含む塔頂流と、1,3−ブタジエンと1、2−ブタジエン、アセチレン類、さらに他の高沸点物を含む塔底流に分けられる。なお、第一の蒸留塔の塔底流中のブタジエンの比率は、少なくとも自然分解の危険のある領域の外側までアセチレンが希釈できるように、また第一の蒸留塔の塔頂液が第二の蒸留塔に供給されて、そこでプロピンとさらに他の低沸点物と水を含む塔頂液と純粋な1,3−ブタジエンを含む塔底流に分けることができるように、十分高く制御されている。
【0043】
本発明は、また、抽出蒸留による混合物の分離方法であって、抽出蒸留で分離すべき物質がイソプレンである方法での、一層以上の滞留層と一層以上の分離層とを有する構造化充填材の利用に関する。
【0044】
以下、図面を参照しながら本発明を更に詳細に説明する。
具体的には:
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明に用いる構造化充填材のある実施様態の充填材層を示す。
【図2】図2は、本発明に用いる構造化充填材の他の実施様態の充填材層の、交互に並べられ充填材部品を示す。
【図3】図3は、本発明に用いる構造化充填材のさらに他の実施様態の充填材層の、交互に並べられ充填材部品を示す。
【0046】
図1は、本発明に用いる構造化充填材の一実施様態の充填材層を示す。充填材層1は、第一の下方末端と第二の上方末端を有している。その高さHは、例えば0.2 mである。この充填材は、屈曲(図示せず)した金属平板3を含む接触型平面状充填材部品4である。付番4は、充填材の長軸を示す。この充填材は円形断面をもつ。この充填材の内部形状は、その高さにおいて異なる(図示せず)。この充填材は、第一の下方滞留層1を有し、その内部形状は、第二の上方分離層2とは異なる。この滞留層1の流動抵抗は、分離層2より大きい。液体量とガス量とを適当に調整することで、ほぼ分散した気相を有する沸騰層が滞留層1に形成され、同時にほぼ連続的な気相を有する液体の薄膜流が分離層2に形成される。この滞留層1と分離層2が、充填材の断面全体に広がっている。
【0047】
図2と図3は、いずれの場合も交互に並べられた、本発明で用いる構造化充填材の異なる実施様態の金属平板3を模式的に示す。実線は、第1、第3、第5...の金属平板3の屈曲方向を示し、破線は、第2、第4、第6...の金属平板3の屈曲方向を示す。
【符号の説明】
【0048】
1:第一の下方滞留層
2:第二の上方分離層
3:金属平板
4:充填材の長軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一層以上の滞留層(1)中でフラッディング点以上となるように比表面積が選ばれた一層以上の滞留層(1)と、フラッディング点未満となるように比表面積が選ばれた一層以上の分離層(2)とを有する構造化充填材を、選択性溶媒を添加する抽出蒸留を使用して、ある物質を含む混合物中からその物質を蒸留により分離する方法を実施するために、蒸留塔中における分離効果を有する充填物として使用する方法。
【請求項2】
前記一層以上の滞留層(1)の比表面積が、一層以上の滞留層(1)中においてフラッディング点が10〜100%、好ましくは20〜50%超えられるように選ばれ、及び前記一層以上の分離層(2)の比表面積が、一層以上の分離層(2)においてフラッディング点が20〜80%、好ましくは30〜50%未達であるように選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造化充填材が、流路横断型構造の金属平板(3)または網状層から形成された薄板または網状充填材である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
一層以上の分離層(1)において、前記流路横断型構造を有する金属平板または網状層が、水平に対して<60°の角度、好ましくは45°の角度の屈曲部を有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記薄板または網状充填材が、いずれの場合も分離層(1)の全高にわたって、2〜10個の、好ましくは2〜4個の屈曲部交点が形成されるように、流路横断型の構造で形成されている請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記一層以上の分離層の高さが、いずれの場合も、5〜50cm、好ましくはいずれの場合も10〜20cmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抽出蒸留が、分離すべき物質より沸点が高い一種以上の安定剤の存在下で行われる請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
分離すべき物質に較べて高沸点である一種以上の高極性物質で、好ましくはN−メチルピロリドンとジメチルホルムアミドとアセトニトリルから選ばれるもの、またはこれらの混合物で、水の添加あるいは無添加のものが、前記選択性溶媒として用いられる請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記選択性溶媒に添加物が添加されている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記の添加された添加物が、水及び/又はC〜C−アルコールである請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記のC〜C−アルコールが、エタノール、N−プロパノールまたはイソプロパノールである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
抽出蒸留で分離される混合物がC留分である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
抽出蒸留で分離除去される物質が1,3−ブタジエンである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
主にブタンを含む留分と主にブテンを含む留分が抽出蒸留により分離される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
抽出蒸留により分離される物質がイソプレンである請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−284645(P2010−284645A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−131648(P2010−131648)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】