説明

不揮発性半導体記憶装置

【課題】電圧−電流特性を改善した整流素子を用いたメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置は、第1の配線と、前記第1の配線に交差する第2の配線と、前記第1及び第2の配線に設けられ、抵抗状態の変化に応じてデータを記憶するメモリ素子及び非オーミック素子を直列接続してなるメモリセルとを備え、前記非オーミック素子は、メタル層と、前記メタル層に接合された真性半導体層と、前記真性半導体層に接合された第1の不純物を含む不純物半導体層とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不揮発性半導体記憶装置として、電気的に書き換え可能な可変抵抗素子であるReRAM、PRAM、PCRAM等がフラッシュメモリの後継メモリとして注目されている。
【0003】
ReRAMとしての可変抵抗素子は、電極/金属酸化物(二元系や三元系)等の可変抵抗材料/電極によって構成されている。この可変抵抗素子の動作方法としては、印加電圧の極性を変えることによって高抵抗状態と低抵抗状態とを切り換えるバイポーラ動作と、印加電圧の極性を変えずに電圧と印加時間の制御によって高抵抗状態と低抵抗状態とを切り換えるユニポーラ動作がある。
【0004】
バイポーラ動作の場合、従来のPINダイオード等の整流素子は、逆バイアスのオン領域において必要な逆方向電流を十分に得られない上、オフ領域においてオフ電流を十分に抑制できない。そのため、バイポーラ動作のメモリセルに用いた場合、良好な動作特性を確保することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−344349号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態は、電圧−電流特性を改善した整流素子を用いたメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1の配線と、前記第1の配線に交差する第2の配線と、前記第1及び第2の配線に設けられ、抵抗状態の変化に応じてデータを記憶するメモリ素子及び非オーミック素子を直列接続してなるメモリセルとを備え、前記非オーミック素子は、メタル層と、前記メタル層に接合された真性半導体層と、前記真性半導体層に接合された第1の不純物を含む不純物半導体層とを有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。
【図2】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのメモリ素子と整流素子の配置の組み合わせを説明する図である。
【図3】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の選択メモリセルと非選択メモリセルに流れる電流の様子を示す図である。
【図4】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置をユニポーラ動作させた場合のバイアス状態を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置をバイポーラ動作させた場合のバイアス状態を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置をバイポーラ動作させる場合に望ましい整流素子の電圧−電流特性の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す図である。
【図8】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの平衡状態におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図9】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの順バイアス印加時におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図10】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの逆バイアス印加時におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図11】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの電圧−電流特性を示す図である。
【図12】第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す図である。
【図13】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの平衡状態におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図14】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの順バイアス印加時におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図15】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードのショットキー障壁高さ(SBH)を変化させた場合の電圧−電流特性を示す図である。
【図16】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの逆バイアス印加時におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図17】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図18】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図19】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図20】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図21】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図22】第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す図である。
【図23】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す図である。
【図24】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図25】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図26】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図27】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を示す図である。
【図28】第1〜第3の実施形態に係る不揮発性半導体装置のPIMダイオードのストレス電圧印加によって生じる電圧−電流特性の変化を示す図である。
【図29】図28に示すPIMダイオードの電圧−電流特性の変化の原因を説明する図である。
【図30】図28に示すPIMダイオードの電圧−電流特性の変化の原因を説明する図である。
【図31】第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す図である。
【図32】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの機能を説明する参考データである。
【図33】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの機能を説明する他の参考データである。
【図34】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオードの機能を説明する他の参考データである。
【図35】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図36】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図37】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図38】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図39】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図40】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図41】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図42】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図43】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図44】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図45】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図46】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図47】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図48】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図49】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図50】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図51】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図52】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図53】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図54】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図55】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図56】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図57】本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの他の構造を説明する図である。
【図58】比較例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す図である。
【図59】図58に示すPINダイオードの順バイアス印加時におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図60】図58に示すPINダイオードの逆バイアス印加時におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。
【図61】図58に示すPINダイオードの電圧−電流特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
<全体システム>
図1は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。
【0011】
この不揮発性半導体記憶装置は、複数のワード線WL(第1の配線)と、このワード線WLに交差する複数のビット線BL(第2の配線)と、これらワード線WL及びビット線BLの各交差部に設けられた複数のメモリセルMCとを有するメモリセルアレイ1を備える。メモリセルアレイ1のビット線BL方向に隣接する位置には、メモリセルアレイ1のビット線BLを制御し、メモリセルMCのデータ消去、メモリセルMCへのデータ書き込み、及びメモリセルMCからのデータ読み出しを行うカラム制御回路2が設けられている。また、メモリセルアレイ1のワード線WL方向に隣接する位置には、メモリセルアレイ1のワード線WLを選択し、メモリセルMCのデータ消去、メモリセルMCへのデータ書き込み、及びメモリセルMCからのデータ読み出しに必要な電圧を印加するロウ制御回路3が設けられている。
【0012】
データ入出力バッファ4は、図示しない外部のホストにI/O線を介して接続され、書き込みデータの受け取り、消去命令の受け取り、読み出しデータの出力、アドレスデータやコマンドデータの受け取りを行う。データ入出力バッファ4は、受け取った書き込みデータをカラム制御回路2に送り、カラム制御回路2から読み出したデータを受け取って外部に出力する。外部からデータ入出力バッファ4に供給されたアドレスは、アドレスレジスタ5を介してカラム制御回路2及びロウ制御回路3に送られる。また、ホストからデータ入出力バッファ4に供給されたコマンドは、コマンド・インタフェース6に送られる。コマンド・インタフェース6は、ホストからの外部制御信号を受け、データ入出力バッファ4に入力されたデータが書き込みデータかコマンドかアドレスかを判断し、コマンドであれば受け取りコマンド信号としてステートマシン7に転送する。ステートマシン7は、この不揮発性半導体記憶装置全体の管理を行うもので、ホストからのコマンドを受け付け、読み出し、書き込み、消去、データの入出力管理等を行う。
【0013】
また、ホストからデータ入出力バッファ4に入力されたデータはエンコード・デコード回路8に転送され、その出力信号が書き込み電圧生成回路であるパルスジェネレータ9に入力される。この入力信号によってパルスジェネレータ9は所定の電圧、所定のタイミングの書き込みパルスを出力する。パルスジェネレータ9で生成出力されたパルスが、カラム制御回路2及びロウ制御回路3で選択された任意の配線へ転送される。
【0014】
<メモリセル>
次に、前述した本実施形態に用いるメモリセルMCについて説明する。
【0015】
本実施形態のメモリセルMCは、ワード線WL及びビット線BLの交差部に直列接続されたメモリ素子と非オーミック素子からなる。
【0016】
本実施形態のメモリ素子には、可変抵抗素子又は相変化素子を用いる。可変抵抗素子とは、電圧、電流、熱などによって抵抗値が変化する材料からなる素子のことである。相変化素子とは、相変化によって抵抗値や容量などの物性が変化する材料からなる素子のことである。
【0017】
ここで、相変化(相転移)とは以下に列挙する態様を含むものである。
【0018】
(1) 金属−半導体転移、金属−絶縁体転移、金属−金属転移、絶縁体−絶縁体転移、絶縁体−半導体転移、絶縁体−金属転移、半導体−半導体転移、半導体−金属転移、又は半導体−絶縁体転移
(2) 金属−超伝導体転移などの量子状態の相変化
(3) 常磁性体−強磁性体転移、反強磁性体−強磁性体転移、強磁性体−強磁性体転移、フェリ磁性体−強磁性体転移、又はこれらの転移の組み合わせからなる転移
(4) 常誘電体−強誘電体転移、常誘電体−焦電体転移、常誘電体−圧電体転移、強誘電体−強誘電体転移、反強誘電体−強誘電体転移、又はこれらの転移の組み合わせからなる転移
(5) 上記(1)〜(4)の転移の組み合わせからなる転移であり、例えば、金属、絶縁体、半導体、強誘電体、常誘電体、焦電体、圧電体、強磁性体、フェリ磁性体、螺旋磁性体、常磁性体、又は反強磁性体から、強誘電強磁性体への転移、又はその逆の転移
この定義によれば、相変化素子は可変抵抗素子に含まれる事になるが、本実施形態では、可変抵抗素子としては、主として、金属酸化物、金属化合物、有機物薄膜、カーボン、カーボンナノチューブ等からなる素子を意味するものとする。
【0019】
また、本実施形態では、可変抵抗素子をメモリ素子とするReRAMや、相変化素子をメモリ素子とするPCRAMなどの抵抗変化メモリを対象とする。これらの抵抗変化メモリは、メモリセルアレイ1がクロスポイント型であり、三次元集積化により大きなメモリ容量を実現できると共に、DRAM並みの高速動作が可能になるためである。
【0020】
以下では、主にメモリ素子をReRAM等の可変抵抗素子、非オーミック素子を整流素子であるダイオードとして説明する。
【0021】
メモリセルアレイ1を三次元構造化させた場合、各層毎にメモリセルMCの可変抵抗素子及びダイオードの位置関係、ダイオードの向きの組み合わせは様々に選択することができる。
【0022】
図2は、図2中aに示すように、下層のメモリセルアレイ1に属するメモリセルMC0と上層のメモリセルアレイ1に属するメモリセルMC1とで、ワード線WL0を共有化させた場合のメモリセルMC0、MC1の組み合わせのパターンを説明する図である。図2中b〜qに示すように、メモリセルMC0とメモリセルMC1とで、可変抵抗素子VRとダイオードDiとの配置関係を逆転させたり、ダイオードDiの向きを逆転させるなどの16通りのパターンが考えられる。これらパターンの選択については、動作特性、動作方式、製造工程などを勘案して選択することが可能である。
【0023】
次に、メモリセルMCに対するデータ書き込み/消去動作について説明する。以下において、可変抵抗素子VRを高抵抗状態から低抵抗状態に遷移させる書き込み動作を「セット動作」、低抵抗状態から高抵抗状態に遷移させる消去動作を「リセット動作」と呼ぶ。なお、以下の説明で出てくる電流値、電圧値等に関しては一例であって、可変抵抗素子VRやダイオードDiの材料、サイズ等によって異なるものである。
【0024】
図3は、メモリセルアレイ1の一部を示す模式図である。図3の場合、下層のメモリセルMC0は、ビット線BL0及びワード線WL0の交差部に設けられている。上層のメモリセルMC1は、ワード線WL0、ビット線BL1の交差部に設けられている。ワード線WL0は、メモリセルMC0及びMC1で共有されている。
【0025】
また、メモリセルMC0、MC1の配置の組み合わせは、図2中bのパターンとなっている。つまり、メモリセルMC0は、ビット線BL0からワード線WL0にかけて、ダイオードDi、可変抵抗素子VRの順に積層されている。ダイオードDiは、ワード線WL0からビット線BL0への方向を順方向とする向きに配置されている。一方、メモリセルMC1は、ワード線WL0からビット線BL1にかけて、ダイオードDi、可変抵抗素子VRの順に積層されている。ダイオードDiは、ビット線BL1からワード線WL0への方向を順方向とする向きに配置されている。
【0026】
ここでは、ビット線BL0<1>とワード線WL0<1>の交差部に設けられたメモリセルMC0<1,1>を選択メモリセルとした場合のセット動作/リセット動作について考える。
【0027】
メモリセルMCに対するセット動作/リセット動作については、セット動作及びリセット動作を同一極性のバイアス印加によって実現するユニポーラ動作と、セット動作及びリセット動作を異なるバイアス印加によって実現するバイポーラ動作の2つの方法がある。
【0028】
始めに、ユニポーラ動作について説明する。
【0029】
セット動作では、電流密度にして1×10〜1×10A/cmの電流、又は、1〜2Vの電圧を可変抵抗素子VRに印加しなければいけない。したがって、メモリセルMCにセット動作させる場合、このような所定の電流或いは電圧が印加されるようにダイオードDiに順方向電流を流す必要がある。
【0030】
リセット動作には、電流密度にして1×10〜1×10A/cmの電流、又は、1〜3Vの電圧を可変抵抗素子VRに印加しなければいけない。したがって、メモリセルMCにリセット動作させる場合、このような所定の電流或いは電圧が印加されるようにダイオードDiに順方向電流を流す必要がある。
【0031】
図3の場合、メモリセルMC0<1,1>に接続されたワード線WL0<1>、ビット線BL0<1>にそれぞれ3V、0Vを印加することで、メモリセルMC0<1,1>のリセット動作を実現することができる。
【0032】
ところが、メモリセルMCは、図3に示すように、通常、1つのワード線WL或いはビット線BLに複数のメモリセルMCが接続されている。この場合、選択メモリセルMCに所定の電流或いは電圧を印加する必要があると同時に、その他の非選択メモリセルMCがセット動作/リセット動作しないようにする必要がある。
【0033】
図3の場合、ビット線BL0<0>、BL0<2>にもビット線BL0<1>と同様に0Vを印加した場合、非選択メモリセルMC0<1,0>、MC0<1,2>にも順方向電流I0が流れてしまい、リセット動作してしまう。また、ビット線BL1<0>〜<2>に0Vを印加した場合、非選択メモリセルMC1<1,0>〜MC1<1,2>には逆バイアスが印加されるため、オフ電流I1が流れないように抑制する必要がある。
【0034】
そこで、ユニポーラ動作させる場合、例えば、メモリセルアレイ1に対して図4のようなバイアスを印加すれば良い。
【0035】
つまり、選択ワード線WL0<1>に所定の電圧V(例えば、3V)、その他のワード線WL0<0>、WL0<2>に0Vを印加する。また、選択ビット線BL0<1>に0V、その他のビット線BL0<0>、BL0<2>に電圧Vを供給する。
【0036】
その結果、選択メモリセルMC0<1,1>には電圧Vが印加される。非選択ワード線WL0<0>、WL0<2>及び非選択ビット線BL0<0>、<2>に接続された非選択メモリセルMC0<0,0>、MC0<0,2>、MC0<2,0>、MC0<2,2>には、電圧−Vが印加される。その他のメモリセルMC0、つまり、選択ワード線WL0<1>、選択ビット線BL0<1>のいずれかにのみ接続されている非選択メモリセル(以下、「半選択メモリセル」と呼ぶ)MC0<1,0>、MC0<1,2>、MC0<0,1>、MC0<2,1>には、0Vが印加される。
【0037】
この場合、逆バイアスに対しては−Vまで電流が流れず、順バイアスに対しては急峻に電流が流れる電圧−電流特性を持った素子が必要となる。このような素子をメモリセルMCに用いることで、選択メモリセルMC0<1,1>にのみセット動作/リセット動作させることができる。
【0038】
続いて、バイポーラ動作について説明する。
【0039】
バイポーラ動作の場合、基本的に(1)ユニポーラ動作の場合と異なりメモリセルMCの双方向に電流を流す点、(2)動作速度、動作電流、動作電圧がユニポーラ動作の値から変化する点、(3)半選択メモリセルMCにバイアスが印加される点を考慮しなければいけない。
【0040】
図5は、上記(3)を説明する図であり、バイポーラ動作時のメモリセルアレイ1に対するバイアスの印加の様子を示す図である。図5の場合、選択ワード線WL0<1>に所定の電圧V(例えば、3V)、その他のワード線WL0<0>、WL0<2>にV/2を供給する。また、選択ビット線BL0<1>に0V、その他のビット線BL0<0>、BL0<2>にV/2を印加する。
【0041】
この場合、半選択メモリセルMC0<1,0>、MC0<1,2>、MC0<0,1>、MC0<2,1>に2/Vが印加される。したがって、バイポーラ動作には、V/2以下において電流が流れない整流素子が必要となる。
【0042】
図6は、バイポーラ動作に望ましい整流素子の電圧−電流特性の例である。図6はVを2Vとした場合の電圧−電流特性である。この場合、−V/2に当たる−1V付近のオフ領域では、オフ電流が抑制され、−Vに当たる−2V付近のオン領域では、セット動作/リセット動作に必要な動作電流領域の範囲内の逆方向電流が流れる。
【0043】
以上、ユニポーラ動作時、バイポーラ動作時のバイアス印加状態を説明したが、前述の通り、これら動作に用いる整流素子には、オフ電流が小さいことが求められる。
【0044】
しかし、オフ電流を抑制するためには整流素子の膜厚を厚くすることが望ましいが、この場合、メモリセルMC加工時のアスペクト比の関係で、メモリセルMCの微細化が困難になる。このように、メモリセルMCの微細化と電圧−電流特性の改善は相反する性格の問題であり、このことは、ユニポーラ動作、バイポーラ動作いずれの場合であっても共通の課題となっている。
【0045】
以上から、可変抵抗素子等を用いた不揮発性半導体記憶装置を実現するためには、以下のような条件を具備する整流素子が必要となる。つまり、(1)メモリセルの薄膜化、微細化が容易であり、メモリセル特性のばらつきが少ない事、(2)高電圧印加時の破壊耐性が高く、何回もの動作に耐えられる事、(3)オン領域内での十分な電流が取れる一方、オフ領域内でのオフ電流を抑制することができる事、が条件となる。
【0046】
この中でも特に必要とされるのは、微細加工の点からメモリセルMCを薄膜化しつつ、オフ領域でのオフ電流を如何に抑制できるかという点である。
【0047】
仮に、オフ電流が抑えられないと、選択されていないメモリセルMCの誤セット動作等を招くばかりでなく、読み出し動作ができなかったり、低消費電力化ができなかったりするためである。また、オフ電流増大による電力効率の悪化によって、同時活性化できるベイ(BAY)の数が制限され、パフォーマンスの低下を招く恐れがある。更に、配線抵抗を考慮すると、メモリセルアレイ1の分割サイズを小さくせざるを得ず、チップサイズの増大につながるといった点が懸念される。
【0048】
<整流素子>
そこで、第1の実施形態では、メモリセルMCに電流のオン/オフ比を改善させた整流素子を用いる。
【0049】
先ず、本実施形態に係る整流素子について説明するが、その前提として、比較例のPINダイオードについて説明する。
【0050】
図58は、PINダイオードを用いたメモリセルMC´の構造を示す図である。図58の場合、メモリセルMC´は、下からワード線WL或いはビット線BLに接続される厚さ10nm前後の電極メタル、厚さ5〜15nmのN型半導体層であるN+Si層、厚さ60〜75nmの真性半導体層であるIntrinsic Si層、厚さ5〜15nmのP型半導体層であるP+Si層、シリサイド層、ReRAM層となる。このうち、N型半導体層からP型半導体層までが整流素子であるPINダイオードであり、厚さは世代によって異なるが、例えば、70〜105nmである。
【0051】
図59は、図58に示す構造のPINダイオードに順バイアスを印加した場合のエネルギーバンドの様子を示す図である。PINダイオードに順バイアスを印加した場合、N+Si層の電子に対するエネルギーが上昇する。この場合、P+Si層の伝導帯下端のエネルギーよりも高いエネルギーを持つN+Si層中の電子の密度が大きくなり、図59に示すように、N+Si層の伝導帯からP+Si層の伝導帯に電子が拡散すると同時に、P+Si層からホールが拡散する。印加電圧によっては、再結合電流や拡散電流など、状態の違いはあるが、基本的には上記のようにP+Si層からN+Si層に向けて順方向電流が流れる。
【0052】
図60は、図58に示す構造のPINダイオードに対して逆バイアスを印加した場合のエネルギーバンドの様子を示す図である。PINダイオードに逆バイアスを印加した場合、N+Si層の電子に対するエネルギーが低下する。この場合、P+Si層の伝導帯下端のエネルギーよりも高いエネルギーを持つN+Si層の電子の密度が小さくなるため、順バイアス印加時のようなN+Si層からP+Si層への電子の拡散は見られない。しかし、逆バイアスが高くなってくると、エネルギーバンドが縦になってくるため、P+Si層の価電子帯の電子が禁制帯をトンネルし易くなる。これによって、逆方向電流が流れ始める。
【0053】
図61は、PINダイオードの電圧−電流特性を示す図である。図61には、オフ領域におけるオフ電流の目標値Ioff(約5A/cm以下)と、オン領域における逆方向電流の目標値Ion(約1×10A/cm以上)とを例示している。
【0054】
図61から、順バイアスを印加した場合、図61中aに示すように0V付近から電流値が急激に上昇することが解る。例えば、順バイアスとして1V印加した場合、およそ5×10A/cm流れる。一方、逆バイアスを印加した場合、電流値は、指数関数的に緩やかに上昇していく。その結果、例えば、オフ領域となる−3V付近では、十分にオフ電流を抑えられない一方、オン領域となる−5V付近では、必要な逆方向電流を得られないことが分かる。更に大きな逆バイアスを印加して逆方向電流を取ることも考えられるが、このような大きなバイアスを取ることは、メモリセルアレイ1の周辺回路を構成するCMOS等に悪影響を及ぼす結果となる。
【0055】
前述のように、メモリセルMCにバイポーラ動作させるためには、例えば、PINダイオードにおけるオフ電流を抑制しながらも、オン領域では十分な電流が流れる電圧−電流特性を持つ整流素子が必要となる。
【0056】
そこで、本実施形態では、図7に示すような整流素子を用いる。図7は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルMCの構造を示す図である。
【0057】
本実施形態のメモリセルMCは、下から厚さ10nm前後のメタル層である電極メタル、厚さ60〜75nmの真性半導体層であるIntrinsic Si層、厚さ5〜15nmのP型半導体層であるP+Si層或いはN型半導体層であるN+Si層、シリサイド層、及びメモリ素子であるReRAM層が順次積層されている。このうち、P+Si層或いはN+Si層から電極メタルまでが整流素子を形成する。ここで、このような構造を持つ本実施形態に係る整流素子を「PIMダイオード」或いは「NIMダイオード」と呼ぶ。以下では、PIMダイオードを中心に説明する。
【0058】
なお、本実施形態でいう真性半導体層とは、不純物が全くない半導体層という厳密な意味ではなく、不純物が極めて低濃度(例えば、1×1019個/cm以下)な半導体層をも含む意味で用いている。これについては、以下で説明する他の実施形態においても同様である。
【0059】
PIMダイオードの場合、図58に示すPINダイオードに対して、実質的に、N+Si層を除いた構造と考えることができる。したがって、PINダイオードを用いたメモリセルMCよりも、図7中aで示すように、N+Si層の膜厚の分(5〜15nm)だけ、メモリセルMCを薄膜化することができる。その結果、メモリセルMCのアスペクト比が低減し、PINダイオードを用いたメモリセルMC´に比べて、メモリセルの微細化が容易になる。
【0060】
次に、PIMダイオードの動作について説明する。ここでは、電極メタルとしてTiNを用いたPIMダイオードについて説明する。
【0061】
図8は、PIMダイオードの平衡状態におけるエネルギーバンドの様子を示す図である。PIMダイオードの場合、図8に示すように、Intrinsic Si層と電極メタル(TiN)との間にショットキー障壁ができる。
【0062】
ここで、PIMダイオードに順バイアスを印加すると、図9に示すように、P+Si層の伝導帯下端のレベルが下がるため、電極メタル(TiN)のフェルミ準位に対する実効的な障壁が小さくなりトンネルし易くなる。これによって、電極メタル(TiN)の伝導帯にある電子は、P+Si層側のIntrinsic Si層の伝導帯に拡散する。その結果、順方向電流が流れる。
【0063】
PIMダイオードに逆バイアスを印加すると、図10に示すように、電極メタル(TiN)のフェルミ準位に対して、P+Si層の価電子帯上端が上昇する。これによって、P+Si層側のIntrinsic Si層の価電子帯にある電子が電極メタルTiNの伝導帯にトンネルする。しかも、比較例のPINダイオードの場合に比べて、Intrinsic Si層の価電子帯と電極メタル(TiN)とのエネルギーの差が狭くなるため、トンネル効果を得やすくなる。つまり、PINダイオードに比べて、オフ領域ではオフ電流が抑えられつつも、逆方向電圧の印加時により大きな逆方向電流を流すことができる。更に、電極メタルの材料であるTiNの仕事関数が低い分、数Vの低いバイアスによって所望の逆方向電流が得られる。
【0064】
図11は、PIMダイオードの電圧−電流特性を示す図である。比較のためPINダイオードの電圧−電流特性についても示している。
【0065】
図11から分かるように、PIMダイオードを用いた場合、所望の逆方向電流が流れ始める逆バイアスの値が大幅に改善されていることが分かる。例えば、逆方向電流の目標値Ionを1×10A/cm以上とした場合、PINダイオードだと、−7V程度の逆バイアスを印加する必要があったが、PIMダイオードだと、−5V程度で足りる。さらに、オフ電流については、PINダイオードと同程度に抑制されている。
【0066】
N+Si層や、Intrinsic Si層の膜厚を薄膜化することでPINダイオードの場合でも電圧−電流特性が改善できるとも考えられるが、この場合、エネルギーバンドの傾きが大きくなるだけであり、PIMダイオードのような電圧−電流特性を得られるものではない。実際に、PINダイオードでは、逆方向側で電流を取るためにIntrinsic Si層の幅を小さくした場合、電流は取れるようになるが、オフ電流も1桁以上の大幅な劣化が起こる。それ故に、メモリセルMCの誤動作の抑制、消費電力の抑制ができなくなる等の様々な問題が起こる。
【0067】
以上の説明では、電極メタルの材料としてTiNを用いたが、仕事関数が低く、且つ、フェルミ準位がN+Si層のフェルミ準位と同程度かそれ以上の金属であれば良い。特に、仕事関数が小さいErSi、HfSi、YSi、TaC、TaN、TiN、TiC、TiB、LaB、La、LaNなどを使用することで、PIMダイオードの整流性を高めることができる。
【0068】
以上、本実施形態によれば、PINダイオードを用いた場合に比べ、N型半導体層分だけメモリセルMCを薄膜化することができる。その結果、微細加工に伴うアスペクト比の増加に対応することができ、不揮発性半導体記憶装置の加工可能性を大幅に改善させることができる。また、これと同時に、PINダイオードを用いた場合に比べ、逆方向電流をより多く得ることができる。その結果、消費電力の改善、読み出し動作の改善、チップ面積の縮小、セット動作/リセット動作の特性の向上を図ることができる。
【0069】
[第2の実施形態]
第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、メモリセルMCの整流素子として、最も簡素なPIMダイオードについて説明した。
【0070】
しかし、第1の実施形態で用いるPIMダイオードのように、単純にN型半導体層を除いて、真性半導体層とメタル層を接合させた場合、前述のように、真性半導体層とメタル層の間にショットキー障壁が生じる。その結果、図11中bで示すように、PINダイオードに比べて順方向電流が幾分か損なわれる。
【0071】
そこで、第2の実施形態では、メモリセルMCの整流素子として、真性半導体層とメタル層の接合部におけるショットキー障壁高さ(以下、「SBH」と呼ぶ)を低減させたPIMダイオードを用いる。
【0072】
図12は、第2の実施形態に係るメモリセルMCの構造を示す図である。
【0073】
本実施形態の場合、PIMダイオード或いはNIMダイオードの真性半導体層のうち、メタル層である電極メタルの界面近傍に、真性半導体層よりも禁制帯の幅の小さな材料を添加させた第1の領域を形成する。
【0074】
この添加材としては、図12のように真性半導体層にSiを材料として形成した場合、GeやSn等を用いることができる。
【0075】
例えば、真性半導体層であるIntrinsic Si層にGeを添加した場合のPIMダイオードの平衡状態におけるエネルギーバンドは図13のようになる。
【0076】
図13から分かるように、Intrinsic Si層の電極メタル(TiN)との界面近傍にGeを添加することで、この部分には、図13中破線で示したようにIntrinsic Si層の他の領域よりも禁制帯が細いSiGe領域が形成される。
【0077】
その結果、図14に示すように、PIMダイオードに順バイアスを印加した場合に順方向電流を流しにくくしていたショットキー障壁が低くなるため、順方向電流を、よりPINダイオードと同程度に流すことができる。
【0078】
図15は、ショットキー障壁高さ(以下、「SBH」と呼ぶ)φを変化させたときのPIMダイオードの電圧−電流特性を示す図である。図16中実線は、総膜厚60nmのPIMダイオードの特性であり、図16中破線は、同じく、総膜厚60nmのPINダイオードの特性である。
【0079】
図15に示すように、順バイアス側では、SBHφを低くするにつれ、順方向電流が大きくなっていくことが分かる。例えば、順方向電流の目標値Ionを1×10A/cmとした場合、SBHφが0.1eV以下であれば、目標値を十分達成することができる。
【0080】
一方、図16に示すように、PIMダイオードに逆バイアスを印加した場合にも、Intrinsic Si層の価電子帯上端がSiGe領域においてより上方にえぐれたことによって、電極メタルTiNの伝導帯下端とIntrinsic Si層の価電子帯上端とのバンドギャップが狭くなる。これによって、逆方向電流はより小さい逆バイアスで流れ始める。
【0081】
さらに、図15に示すように、PINダイオードに比べて逆バイアスを印加時のオフ電流が大幅に低減されており(図中a)、オフ電流の目標値Ioffを1〜10A/cm程度以下にした場合、オフ領域である−3V付近までこの目標値以下に抑制されていることがわかる。
【0082】
つまり、本実施形態のPIMダイオードを用いることで、PINダイオードと同程度の膜厚によって、オフ電流をより低減することができるばかりでなく、第1の実施形態の場合よりも大きな順方向電流を流すことができる。
【0083】
以上、本実施形態によれば、低消費電力を維持しつつ、セット動作/リセット動作の動作速度向上、読み出し動作特性の向上を図ることができる。
【0084】
本実施形態に係るメモリセルMCの構造としては、図12に示す構造の他、図17〜図21のような構造も考えられる。
【0085】
図17は、Intrinsic Si層全体にGeを添加し、真性半導体層全体がSiGe領域であるIntrinsic SiGe層を持つPIMダイオードを用いた例である。
【0086】
図18は、真性半導体層をIntrinsic SiGe層とし、更に、P+Si層全体にGeを添加し、P型半導体層をP+SiGe層としたPIMダイオードを用いた例である。
【0087】
図17、図18に示す構造の場合、禁制帯が細くなるためリーク電流は増えるものの、製造プロセスにおけるSiGeからSiへの切り替えステップを省略することができる。
【0088】
図19〜図21は、NIMダイオードの例である。
【0089】
図19は、図12と同様、Intrinsic Si層の電極メタル(TiN)との界面近傍にGeを添加させたSiGe領域を持つNIMダイオードを用いた例である。この場合も、図12の場合と同様、SBHを低くすることができるため、第1の実施形態に比べてオフ電流を低減しつつ順方向電流を増大させることができる。
【0090】
図20は、Intrinsic Si層全体にGeを添加し、真性半導体層全体がSiGe領域であるIntrinsic SiGe層を持つNIMダイオードを用いた例である。
【0091】
図21は、真性半導体層をIntrinsic SiGe層とし、更に、N+Si層全体にGeを添加し、N型半導体層をN+SiGe層としたNIMダイオードの例である。
【0092】
図20、図21に示す構造の場合、製造プロセスにおけるSiGeからSiへの切り替えステップを省略することができる。
【0093】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様、ショットキー障壁の影響を低減させたPIMダイオードを用いた不揮発性半導体記憶装置である。
【0094】
図22は、第3の実施形態に係るメモリセルMCの構造である。
【0095】
このメモリセルMCのPIMダイオードは、図12に示すPIMダイオードの真性半導体層であるIntrinsic Si層のSiGe領域と、金属メタル(TiN)の境界面に、第2の領域としてドナー不純物を偏析させた不純物偏析領域が形成された構造となっている。
【0096】
ここで、不純物偏析領域とは、例えば、Intrinsic Si層に対して1×1017〜1×1020/cm程度のAsやPなどの不純物をドープさせた領域である。この不純物偏析領域の形成によってSBHの実効的な低減(不純物の存在で界面のバンド曲がりが起こり、障壁の幅を実効的に小さくできる事)が可能となるため、第2の実施形態のPIMダイオードよりも、順方向電流を大きく取ることができる。
【0097】
ここで、注意するべき点は、PIMダイオードを用いることのメリットを維持しつつ、SBHの実効的な低減(障壁幅を調整しトンネリングを容易にする事)を実現するためには、不純物偏析領域を空乏化させなければいけないという点である。そのため、例えば、厚みを0.5nmや1nm程度で形成する必要がある。この点において、図58に示すように通常5〜15nm程度の膜厚で形成されるPINダイオードのN型半導体層とは本質的に異なるものである。つまり、図22の不純物偏析領域は、あくまでも、真性半導体層とメタル層との界面抵抗低減のために形成されたものであり、キャリアである電子は、メタル層から供給される。
【0098】
本実施形態に係るメモリセルMCの構造としては、図22に示す構造の他、図23〜図27のような構造も考えられる。
【0099】
図23、図24は、それぞれ図17、図18に示す第2の実施形態で用いるPIMダイオードに不純物偏析領域が形成されたメモリセルMCの例である。
【0100】
図25〜図27は、それぞれ図19〜図21に示す第2の実施形態で用いるNIMダイオードに不純物偏析領域が形成されたメモリセルMCの例である。なお、NIMダイオードの場合、偏析させる不純物はB(ボロン)などのアクセプタ不純物となる。
【0101】
図23〜図27に示すPIMダイオード、NIMダイオードによれば、真性半導体層に不純物偏析領域を持たない同種の構造のPIMダイオード、PINダイオードに比べて、大きな順方向電流を得ることができる。
【0102】
[第4の実施形態]
前述の通り、バイポーラ動作させるためには、メモリセルMCの整流素子として、例えば、オフ電流を抑制しながら、オン電流の取れる素子が必要となる。更に、−2〜−4V程度の領域を過ぎると、逆方向電流が1×10〜1×10A/cm程度にまで指数関数的に増加する必要がある。その点、第1〜第3の実施形態に係るPIMダイオードは、上記要件を具備していると言える。
【0103】
しかし、第1〜第3の実施形態に係るPIMダイオードの場合、電気的ストレスとなるバイアスを繰り返し印加することで、電圧−電流特性が劣化する場合がる。
【0104】
図28は、PIMダイオードに直流のストレス電圧を印加した場合の電圧−電流特性の変化を示す一例である。図28に示す実線が1回目のストレス電圧印加時の電圧−電流特性曲線であり、破線が2回目のストレス電圧印加時の電圧−電流特性曲線である。図28中aで示すように、2回目のストレス電圧印加時では、1回目のストレス電圧印加時に比べて、0〜−3Vあたりのオフ電流の抑制効果が劣化している。
【0105】
これは、逆バイアス印加時に発生する熱や、電流によって、図29に示すように、P型半導体層(P+Si)を介して、シリサイド層からの凝集体やTiが拡散される結果、図30のように準位生成が生じ、逆バイアスにおけるオフ電流の抑制作用が劣化したものと考えられる。なお、図29、図30は、PINダイオードの場合ではあるが、PIMダイオードであっても同じである。
【0106】
そこで、第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のPIMダイオード或いはNIMダイオードは、第1〜第3の実施形態のPIMダイオード或いはNIMダイオードに対し、更に、P型半導体層或いはN型半導体層にメタルの拡散を防止する拡散防止領域を設けて構成する。
【0107】
図31は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルMCの構造を示す図である。
【0108】
本実施形態に係るメモリセルMCのPIMダイオードは、図12に示すP+Si層に、Intrinsic Si層との界面近傍に第3の領域である拡散防止領域が形成されて構成されている。
【0109】
ここで、拡散防止領域は、酸化膜(SiO)、窒化膜(SiN)、炭化膜(SiC)、アモルファス、又はグレインバウンダリによって形成された領域である。
【0110】
次に、本実施形態のPIMダイオードの効果について、図32〜図34に示す参考データを用いて説明する。
【0111】
図32の参考データは、P+Si層とN+Si層との境界に、図32中の実線で囲まれた拡散防止領域が設けられた例である。図32中の破線で示すように、拡散防止領域によって、Ti等のメタルの拡散が抑えられていることがわかる。
【0112】
図33は、PINダイオードの例であり、P+Si層側から見た深さ方向と、Si及びTiの濃度を示す図である。図33から、シリサイド層から拡散してきたTiの濃度は、P+Si層、NO層と深くなるにつれて指数関数的に低下しており、特に、P+Si層とNO層との境界において、Tiの濃度の低下率が大きくなっていることが分かる。
【0113】
図34は、Si層/メタル層/絶縁層/Si層からなるポリシリコンダイオードの例であり、B(ボロン)の濃度を示すグラフである。実線がSi層中にCを添加してSiC層を形成させた場合のB(ボロン)の濃度であり、破線がSiC層が形成されない場合のB(ボロン)の濃度である。このグラフから、SiC層が形成されていない場合、図34中aに示すように、B(ボロン)の濃度の減少が緩やかである一方、SiC層が形成されている場合、図34中bに示すようにSiC層の働きによって、B(ボロン)の濃度の減少が急峻であることが分かる。この参考データは、Ti等のメタルの拡散を扱ったものではないが、Tiであっても同様の効果を得られると考えられる。なお、拡散防止領域に絶縁膜を形成した場合、オン電流の減少が懸念されるが、図34に示すように、Cを添加した炭化膜にすることで、オン電流の減少を低減できるものと考えられる。
【0114】
図32〜図34の参考データは、いずれもPIMダイオードに関するデータではないが、拡散防止領域の効果についてはPIMダイオードでも同様に得られるものと考えられる。
【0115】
以上、本実施形態によれば、PIMダイオードのP型半導体層のシリサイド層との界面近傍、中間部、或いは真性半導体層との界面近傍に拡散防止領域を設けることで、セット動作等の繰り返しによるPIMダイオードの劣化を抑制することができる。その結果、セット動作等を繰り返しても、低消費電力を維持しつつ、セット動作などの動作時の選択メモリセルMC以外の誤セット動作等を抑制することができる。
【0116】
本実施形態に係るメモリセルMCの構造としては、図31に示す構造の他、図35〜58のような構造も考えられる。
【0117】
図35及び図36は、図12に示す第2の実施形態で用いるPIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図35は、拡散防止領域がP+Si層の中間に形成されている例であり、図36は、拡散防止領域がP+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0118】
図37〜図39は、図17に示す第2の実施形態で用いるPIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図37は、拡散防止領域がP+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図38は、拡散防止領域がP+Si層の中間に形成されている例である。また、図39は、拡散防止領域がP+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0119】
図40〜図42は、図18に示す第2の実施形態で用いるPIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図40は、拡散防止領域がP+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図41は、拡散防止領域がP+Si層の中間に形成されている例である。また、図42は、拡散防止領域がP+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0120】
図43〜図45は、図19に示す第2の実施形態で用いるNIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図43は、拡散防止領域がN+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図44は、拡散防止領域がN+Si層の中間に形成されている例である。また、図45は、拡散防止領域がN+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0121】
図46〜図48は、図20に示す第2の実施形態で用いるNIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図46は、拡散防止領域がN+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図47は、拡散防止領域がN+Si層の中間に形成されている例である。また、図48は、拡散防止領域がN+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0122】
図49〜図51は、図21に示す第2の実施形態で用いるNIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図49は、拡散防止領域がN+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図50は、拡散防止領域がN+Si層の中間に形成されている例である。また、図51は、拡散防止領域がN+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0123】
図52〜図54は、図22に示す第3の実施形態で用いるPIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図52は、拡散防止領域がP+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図53は、拡散防止領域がP+Si層の中間に形成されている例である。また、図54は、拡散防止領域がP+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0124】
図55〜図57は、図25に示す第3の実施形態で用いるNIMダイオードに拡散防止領域が形成されたメモリセルMCの例である。図55は、拡散防止領域がN+Si層の真性半導体層との界面近傍に形成されている例であり、図56は、拡散防止領域がN+Si層の中間に形成されている例である。また、図57は、拡散防止領域がN+Si層のシリサイド層との界面近傍に形成されている例である。
【0125】
図35〜図58に示すPIMダイオード、NIMダイオードによれば、真性半導体層に不純物偏析領域を持たない同種の構造のPIMダイオード、NIMダイオードと同様の効果が得られるばかりでなく、それらPIMダイオード、NIMダイオードに比べて、繰り返し動作によるメタル拡散や不純物拡散を抑制でき、メモリセルMCの動作特性劣化を抑制することができる。
【0126】
[メモリセルアレイの材料]
最後に、第1〜第4の実施形態に係るメモリセルアレイに用いる材料について以下にまとめる。なお、x、yは、任意の組成比を表している。
【0127】
<P型半導体層、N型半導体層>
PIMダイオードのP型半導体層、NIMダイオードに用いるN型半導体層には、Si、SiGe、SiC、Ge、C、GaAs等のIII−V族半導体、ZnSe等のII−VI族半導体、酸化物半導体、窒化物半導体、炭化物半導体、及び硫化物半導体のグループから選択することができる。
【0128】
特に、P型半導体層の材料は、p+Si、TiO、ZrO、InZnO、ITO、Sbを含むSnO、Alを含むZnO、AgSbO、InGaZnO、ZnO、SnOのうちの一又は複数個の組み合わせであるのが好ましい。
【0129】
また、N型半導体層の材料は、n+Si、NiO、ZnO、Rh、Nを含むZnO、LaCuOのうちの一又は複数個の組み合わせであるのが好ましい。
【0130】
<整流素子>
メモリセルMCの整流素子中の絶縁膜を構成する絶縁層は、例えば、以下の材料から選択される。
【0131】
(1) 酸化物
・ SiO、Al、Y、La、Gd、Ce、CeO、Ta、HfO、ZrO、TiO、HfSiO、HfAlO、ZrSiO、ZrAlO、AlSiO
・ AM
但し、A及びMは、同じ又は異なる元素で、且つ、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Geのうちの一つである。
【0132】
AMには、例えば、Fe、FeAl、Mn1+xAl2−x4+y、Co1+xAl2−x4+y、MnO等がある。
【0133】
・ AMO
但し、A及びMは、同じ又は異なる元素で、且つ、Al、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Snのうちの一つである。
【0134】
AMOには、例えば、LaAlO、SrHfO、SrZrO、SrTiO等がある。
【0135】
(2) 酸窒化物
・ SiON、AlON、YON、LaON、GdON、CeON、TaON、HfON、ZrON、TiON、LaAlON、SrHfON、SrZrON、SrTiON、HfSiON、HfAlON、ZrSiON、ZrAlON、AlSiON
・ 上記(1)に示す酸化物の酸素元素の一部を窒素元素で置換した材料
特に、整流素子を構成する絶縁層は、それぞれ、SiO、SiN、 Si、Al、SiON、HfO、HfSiON、Ta、TiO、SrTiOのグループから選択されるのが好ましい。
【0136】
なお、SIO、SiN、SiONなどのSi系の絶縁膜に関しては、酸素元素、窒素元素の濃度がそれぞれ1×1018atoms/cm以上であるものを含む。
【0137】
但し、複数の絶縁層のバリアハイトは、互いに異なる。
【0138】
また、絶縁層には、欠陥準位を形成する不純物原子、又は、半導体/メタルドット(量子ドット)を含む材料も含まれる。
【0139】
<メモリ素子(可変抵抗素子)>
メモリセルMCの可変抵抗素子、或いは、整流素子内にメモリ機能を組み込んだ場合のメモリ層には、例えば、以下の材料が用いられる。
【0140】
(1) 酸化物
・ SiO、Al、Y、La、Gd、Ce、CeO、Ta、HfO、ZrO、TiO、HfSiO、HfAlO、ZrSiO、ZrAlO、AlSiO
・ AM
但し、A及びMは、同じ又は異なる元素で、且つ、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Geのうちの一つまたは複数個の組み合わせである。
【0141】
AMには、例えば、Fe、FeAl、Mn1+xAl2−x4+y、Co1+xAl2−x4+y、MnO等がある。
【0142】
・ AMO
但し、A及びMは、同じ又は異なる元素で、且つ、Al、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Snのうちの一つまたは複数個の組み合わせである。
【0143】
AMOには、例えば、LaAlO、SrHfO、SrZrO、SrTiO等がある。
【0144】
(2) 酸窒化物
・ SiON、AlON、YON、LaON、GdON、CeON、TaON、HfON、ZrON、TiON、LaAlON、SrHfON、SrZrON、SrTiON、HfSiON、HfAlON、ZrSiON、ZrAlON、AlSiON
メモリ素子は、例えば、二元系又は三元系の金属酸化物や有機物(単層膜やナノチューブを含む)等から構成される。例えば、カーボンであれば単層膜、ナノチューブ、グラフェン、フラーレン等の2次元構造を含む。金属酸化物は、上記(1)に示す酸化物や(2)に示す酸窒化物を含む。
【0145】
<電極層>
メモリセルMCに用いられる電極層には、金属元素単体または複数の混合物、シリサイドや酸化物、窒化物などが挙げられる。
【0146】
具体的には、Pt、Au、Ag、TiAlN、SrRuO、Ru、RuN、Ir、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、TiN、TaN、LaNiO、Al、PtIrO、PtRhO、Rh、TaAlN、SiTiO、WSi、TaSi、PdSi、PtSi、IrSi、ErSi、YSi、HfSi、NiSi、CoSi、TiSi、VSi、CrSi、MnSi、FeSi等から構成される。
【0147】
電極層は、バリアメタル層、又は接着層としての機能を同時に有していてもよい。
【0148】
<ワード線、ビット線>
メモリセルアレイ1のワード線WL、ビット線BLとして機能する導電線は、W、WN、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、TiN、WSi、TaSi、PdSi、ErSi、YSi、PtSi、HfSi、NiSi、CoSi、TiSi、VSi、CrSi、MnSi、FeSi等から構成される。
【0149】
[その他]
以上、発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
【0150】
メモリセルに関しては、図2に示すように、メモリ素子及び非オーミック素子の配置を上下逆転させたもの、非オーミック素子のみ上下逆転させたものの他、電極や配線を含めた様々な配置を組み合わせが可能であり、電極やバリア層とメモリ素子を併用化させたものなど、整流性を失わない範囲において、メモリ素子をメモリセル内のいずれの位置にも配置させることができる。また、トラップやイオンの移動、フィラメント、相転移等による絶縁特性や電気伝導、誘電特性の変化を利用したメモリ機能を絶縁膜に併用させても良い。
【0151】
また、上記では、第1の配線をワード線、第2の配線をビット線として説明したが、第1の配線をビット線、第2の配線をワード線としても良い。
【符号の説明】
【0152】
1・・・メモリセルアレイ、2・・・カラム制御回路、3・・・ロウ制御回路、4・・・データ入出力バッファ、5・・・アドレスレジスタ、6・・・コマンド・インタフェース、7・・・ステートマシン、8・・・エンコード・デコード回路、9・・・パルスジェネレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、
前記第1の配線に交差する第2の配線と、
前記第1及び第2の配線に設けられ、抵抗状態の変化に応じてデータを記憶するメモリ素子及び非オーミック素子を直列接続してなるメモリセルと
を備え、
前記非オーミック素子は、
メタル層と、
前記メタル層に接合された真性半導体層と、
前記真性半導体層に接合された第1の不純物を含む不純物半導体層と
を有する
ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記非オーミック素子の真性半導体層は、前記メタル層との界面近傍に前記真性半導体層の禁制帯よりも禁制帯の小さい材料が添加された第1の領域を有する
ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記非オーミック素子の真性半導体層は、前記メタル層との境界面に第2の不純物が偏析された第2の領域を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2の領域の不純物の濃度は、1×1017〜1×1020/cmである
ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記非オーミック素子の不純物半導体層は、前記不純物半導体層とはバンドギャップが異なる半導体、前記不純物半導体層とは結晶構造が異なる半導体、絶縁体、又はグレインバウンダリからなる第3の領域を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記非オーミック素子の不純物半導体層の第3の領域は、前記不純物半導体層の上端である他の層との界面近傍、前記不純物半導体層の下端である前記真性半導体層との界面近傍、又は、前記不純物半導体層の中間のいずれかに配置されている
ことを特徴とする請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−43896(P2012−43896A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182403(P2010−182403)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】