説明

不正駐車警報システム

【課題】タイヤ空気圧検出装置の車輪位置検出で用いられる通信機能を応用することで、後付け製品として容易に装備・利用可能な態様にて不正駐車警報システムを実現する。
【解決手段】不正駐車警報システム1a,1bは、駐車スペース近傍に設置されるトリガ送信機20,60と、車両100の各車輪200に取り付けられる送信機10と、制御装置40とを備える。送信機10は、トリガ送信機20,60から送信されたトリガ信号に対する応答として、自送信機10の識別情報(ID)を含む応答信号を送信する。制御装置40は、各送信機10からの応答信号を受信し、この受信した応答信号に含まれるIDが予め登録された許可IDと合致するか否かを判定する。そして、受信したIDが許可IDに合致しない場合、警報機50あるいは警報機付のトリガ送信機60に警報を報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ空気圧検出装置の車輪位置検出機能を応用する技術に関するものであり、特に、不正な駐車車両に対する警報を報知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤ空気圧検出装置(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)の1つとして、ダイレクト式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このタイプのタイヤ空気圧検出装置では、タイヤが取り付けられた車輪側に圧力センサが備えられた送信機が直接取り付けられている。また、車体側には受信機が設けられており、圧力センサからの検出信号が車輪側の送信機から送信されると、車体側の受信機にその検出信号が受信され、タイヤ空気圧の検出が行われるようになっている。
【0003】
このようなダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置では、各送信機がどの位置の車輪についているものなのかを判別するために、電界強度の検出により送受信者間の距離を推定することで車輪位置の特定を行っている。より具体的には、特許文献1に記載のように、各車輪に取り付けられた送信機にて、車体側に設けられたトリガ機からのトリガ信号の受信時における電界強度(以下、受信強度)を取得し、この取得した受信強度を示すデータを受信機へ送信する。さらに、送信機からは個々の送信機を識別するための識別情報(ID)が併せて受信機へ通知される。受信機側では、この受信強度からトリガ機と各送信機との距離を特定し、さらにIDによって個々の送信機を判別することで、各送信機がどの位置の車輪についているものなのかを判別している。
【特許文献1】特開2007−15491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなタイヤ空気圧検出装置の車輪位置検出で用いられる通信機能を応用した種々の追加機能をタイヤ空気圧検出装置に付加することで、更なる普及拡大を狙うことができると考えられる。
【0005】
そこで、駐車スペースに本来駐車してはならない不正な車両が駐車しようとすることに対して、当該車両又は駐車場の管理者に対して警報を報知することができる不正駐車警報システムへの応用を検討した。従来、不正な駐車を防止するためには、不正な駐車車両を排除するために、例えば専用のゲート設備や車両認証システム等の大掛かりな設備を必要としてきた。しかしながら、これらの装備を後付け製品として装備することは実現しにくく、このことが不正駐車警報システムの更なる普及拡大への問題点となっていた。よって、タイヤ空気圧検出装置の車輪位置検出で用いられる通信機能を応用することで、タイヤ空気圧検出装置の追加機能としての不正駐車警報システムが実現すれば、より付加価値の高い製品として更なる普及拡大が見込まれる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、タイヤ空気圧検出装置の車輪位置検出で用いられる通信機能を応用することで、後付け製品として容易に装備・利用可能な態様にて不正駐車警報システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の不正駐車警報システムは、駐車スペースを自身の通信圏内に含む程度に当該駐車スペース近傍に設置されるトリガ送信機と、トリガ送信機から送信されたトリガ信号に対する応答として、自身を識別するための識別情報を含む応答信号を送信する車載送信機と、不正な駐車である旨を警告するための警報を報知する警報手段と、受信した応答信号に含まれる識別情報が、予め登録されている許可識別情報に合致するか否かを判定し、合致しないと判定された場合、警報手段に警報を報知させる警報制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
このように構成された不正駐車警報システムによれば、トリガ送信機からのトリガ信号に対する応答信号を送信する車載送信機を車両側に備えるだけで、駐車場の利用者は不正駐車警報システム利用することができる。よって、後付け製品として容易に装備・利用可能な態様にて不正駐車警報システムを実現できる。また、本発明におけるトリガ送信機、車載送信機及び応答受信手段間の通信は、上述のタイヤ空気圧検出装置の車輪位置検出で用いられる通信機能から応用可能なものである。よって、請求項9に記載のように、本発明の車載送信機を、タイヤの空気圧を測定する空気圧測定手段を備えたタイヤ空気圧測定装置の送信機として兼用することで、タイヤ空気圧検出装置の追加機能としての不正駐車警報システムが実現し、より付加価値の高い製品として更なる普及拡大が見込まれる。
【0009】
また、駐車場側の設備として、トリガ送信機を、例えば駐車スペースの境界線上や壁際等といった駐車スペース近傍に適宜配置することで、駐車スペースの形状に応じた必要な箇所について、不正駐車に対する監視を行うことができる。このような構成にすることで、トリガ送信機を必要箇所に配置すること自体は後付け施工でも容易に行える。特に、請求項8に記載のように、駐車可能範囲の形状応じて任意の箇所に任意の個数で配置可能なユニットで構成することで、駐車場側の設備についても後付け製品として容易に装備・利用可能な態様にて不正駐車警報システムを構築できる。
【0010】
さらに、請求項2に記載のように、駐車スペースへの車両の進入を検知する検知手段を備え、この検知手段によって駐車スペースへの車両の進入が検知された状態で、トリガ送信機から送信されたトリガ信号に対する応答信号が受信されない場合にも警報を報知するように構成するとよい。このようにすることで、受信した識別情報が許可識別情報と適合しない場合だけでなく、車両が入庫しようとしているのに識別情報が送信されてこない場合にも警報を報知することができる。つまり、車載送信機の識別情報が許可識別情報に合致しないどころか、車載送信機自体を装備していない不正な駐車車両に対しても警報を報知することができるようになり、より実効的なシステムを構築できる。
【0011】
ところで、駐車可能な車両を識別するための許可識別情報を予め登録する方法としては、請求項3に記載のように、許可識別情報を登録するための登録モードを選択的に実行可能に構成し、この登録モード実行時においては、まず、トリガ送信機からトリガ信号を送信し、この送信したトリガ信号に対する応答として車載送信機から送信されてきた応答信号に含まれる識別情報を許可識別情報として記憶するとよい。なお、登録モードの実行を選択するには、例えば、登録したい車両の運転者や駐車場の管理者等が、警報制御手段に対して何らかの指示を入力する方法等が考えられる。
【0012】
このように構成された不正駐車警報システムによれば、トリガ送信機、車載送信機及び応答受信手段間の通信を利用して、自動的に許可識別情報を登録することが可能になり、正規の駐車車両として登録された車両が当該駐車場をスムーズに利用することができる。
【0013】
つぎに、請求項4に記載の不正駐車警報システムは以下のような特徴を有する。警報制御手段は、各トリガ送信機に所定の順序で順次トリガ信号を送信させ、この送信順と各車載送信機からの応答信号の受信順とに基づく個々のトリガ送信機と各応答信号との対応関係から該当のトリガ送信機の箇所を特定する。そして、この特定した該当箇所のトリガ送信機を対象とする警報を警報手段に報知させることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、トリガ信号の送信順とそのトリガ信号に対する応答信号の受信順との対応から、受信した応答信号がどのトリガ送信機から送信されたトリガ信号に対応するものかを特定することができる。よって、複数設置されたトリガ送信機に対して、個別に許可識別情報との適合を判定することが可能になり、不正な識別情報の送信元である車載送信機にトリガ信号を送信したトリガ送信機を対象とする警報を個別に報知でき、不正駐車に対する監視を効果的に行える。
【0015】
なお、警報の対象となるトリガ送信機を明示する態様にて警報を報知する方法としては、請求項5に記載のように、1箇所で集中して報知する方法が挙げられる。具体的には、例えば駐車スペース近傍の車両の運転者から見やすい位置、あるいは駐車場の管理者が駐在する場所に、表示装置や音声出力装置を配置し、警報の対象となる箇所を表示したり、音声によって通知することが考えられる。
【0016】
あるいは、請求項6に記載のように、警報手段を個々のトリガ送信機にそれぞれ一体に設け、個々のトリガ送信機を対象とする警報について個別に警報を報知可能に構成することが考えられる。具体的には、例えば個々のトリガ送信機に表示灯や音声出力装置を設け、ある箇所に配置されたトリガ送信機を送信元とするトリガ信号に対して不正な識別情報を応答として受信した場合、当該箇所の表示灯や音声出力装置のみを作動させることが考えられる。このようにすることで、どこで不正駐車が行われようとしているかが一目瞭然となり、不正駐車に対する警戒を効果的に行える。
【0017】
つぎに、請求項7に記載の不正駐車警報システムは、以下のような特徴を有する。トリガ送信機は、トリガ送信機から送信されたトリガ信号に対する応答として、識別情報に加え、更に当該トリガ信号の受信強度を示す受信強度情報を含む応答信号を送信する。これに対して警報制御手段は、受信した応答信号に含まれる受信強度情報に基づいてトリガ送信機と車載送信機との距離を特定する。そして、識別情報が許可識別情報に合致しないと判定された場合、当該識別情報と同じ応答信号に含まれる受信強度情報から特定された距離が所定の警報範囲内であれば警報手段に警報を報知させ、所定の警報範囲内でなければ警報の報知を行わない。
【0018】
このように構成された不正駐車警報システムによれば、警戒範囲を例えば警戒対象の駐車スペースのみをカバーするように設定することで、駐車スペース外から送信されてきた応答信号に対しては、たとえ識別情報が合致しない場合であっても警報を報知しないようにするといった具合に、トリガ送信機がカバーする警報範囲を制御可能になり、複数のトリガ送信機を設置する場合において互いの警報範囲が重複しないようにすることが可能である。また、例えば、駐車スペース付近を単に通過しただけの車両や、警戒対象の駐車スペースとは別の隣の駐車スペースにいる車両等、本来警報の対象とすべきではない車両に対する誤警報を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中に同一符号を付してある。
【0020】
[1.不正駐車警報システムの構成の説明]
図1(a)は、本発明の第1実施形態である不正駐車警報システム(集中警報型)1aの概略構成を示すブロック図である。
【0021】
不正駐車警報システム(集中警報型)1aは、図1(a)に示すように、車両100に取り付けられる送信機10a〜10d、車両が駐車する各駐車スペース近傍にそれぞれ設置されるトリガ送信機20a,20b及び入庫センサ30a,30b、制御装置40、及び警報機50を備える。
【0022】
送信機10a〜10dは、車両100に搭載されるタイヤ空気圧測定装置(例えば、特許文献1参照)の送信機として機能するものであり、車両100の各車輪200にそれぞれ取り付けられ、各車輪に取り付けられたタイヤの空気圧を検出し、その検出結果を示すデータを車両100に搭載された受信機(図示なし)へ送信する。なお、タイヤ空気圧測定装置の構成については本発明の本質ではないため、詳しい説明は省略する。
【0023】
さらに、送信機10a〜10dは、本発明の特徴的な構成として次のような機能を有する。まず、LF(Low Frequency)電波によるトリガ信号を受信し、その受信強度を計測する。そして、受信したトリガ信号に対する応答として、この計測した受信強度を示すデータと、自送信機を識別するための識別情報(ID)とを含む応答信号をRF(Radio Frequency)電波によって外部へ送信する。なお、以下の説明において、個々の送信機10a〜10dを特に区別しない場合、単に送信機10と表記する。
【0024】
トリガ送信機20a,20bは、制御装置40から送信されてくる制御信号に従って所定の電界強度のトリガ信号(LF電波)を出力するものである。このトリガ送信機20a,20bは、例えば、可搬式の自立型ユニットや壁掛型ユニットとして構成され、駐車スペースの形状に応じて適宜配置されるものである。配置箇所としては、駐車スペースの境界線上や壁際等といった駐車スペース近傍が挙げられる。図1(a)に示す事例では、車両2台分の駐車スペースのそれぞれの入口側の端部に1つずつ配置されている。なお、以下の説明において、個々のトリガ送信機20a,20bを特に区別しない場合、単にトリガ送信機20と表記する。
【0025】
入庫センサ30a,30bは、例えば赤外線センサ等によって構成され、駐車スペースへの車両100の進入を検知し、その検知結果を制御装置40へ入力するものである。図1(a)に示す事例では、入庫センサ30a,30bは、車両2台分の駐車スペースのそれぞれの入口側の端部に1つずつ配置されている。なお、以下の説明において、個々の入庫センサ30a,30bを特に区別しない場合、単に入庫センサ30と表記する。
【0026】
制御装置40は、駐車場側の設備として設置されるものであり、各トリガ送信機20a,20bからのトリガ信号の送信タイミングを制御し、送信されたトリガ信号に対する応答として各送信機10a〜10dから送信されてくる応答信号(RF電波)を受信する。そして、応答信号に含まれるIDが、予め登録されている許可IDに適合するか否かを判定し、適合しない場合、警報機50を介して警報を報知する。
【0027】
警報機50は、例えば、駐車をしようとする車両100の運転者から見える位置で駐車スペース近傍に配置されるか、あるいは駐車場の管理者が駐在する場所等に配置され、不正な駐車である旨を警告する旨の警報を、警報の対象なる箇所を明示しつつ報知するものである。ここで、警報の対象となる箇所とは、各トリガ送信機20から送信されたトリガ信号に対する応答として、許可IDに適合しない不正なIDを含む応答信号を送信機10から受信した際の、当該トリガ信号の発信元であるトリガ送信機20が配置されている箇所のことである。警報機50は、これらの各箇所を対象とする警報を1箇所にて集中して報知可能に構成されている。警報機50の具体的な構成としては、例えば、警報及びこの警報の対象となる箇所を表示する表示装置や、警告ランプ、警報及びこの警報の対象となる箇所を音声により出力する音声出力装置、あるいはそれらを組み合わせたユニットとして構成したものが挙げられる。
【0028】
つぎに、図1(b)は、本発明の第2実施形態である不正駐車警報システム(個別警報型)1bの概略構成を示すブロック図である。
第2実施形態の不正駐車警報システム(個別警報型)1bは、上記第1実施形態の不正駐車警報システム(集中警報型)1aにおける警報機50及び各トリガ送信機20a,20bの代わりに、個々のトリガ送信機に警報機を一体に組み込んだトリガ送信機(警報機付)60a,60bが駐車スペースの境界線近傍に設置されている点が異なる。送信機10a〜10d、入庫センサ30a,30b及び制御装置40については、上記第1実施形態における構成と同一もしくは均等であるので詳しい説明は省略する。
【0029】
トリガ送信機60a,60bは、制御装置40から送信されてくる制御信号に従って所定の電界強度のトリガ信号(LF電波)を出力する機能に加え、不正な駐車である旨を警告する旨の警報を報知する機能を有する。そして、制御装置40は、各トリガ送信機60a,60bのうち、不正駐車に対する警報の対象となる箇所において個別に警報を報知させることで、この警報の対象となる箇所を明示できる。なお、以下の説明において、個々のトリガ送信機60a,60bを特に区別しない場合、単にトリガ送信機60と表記する。
【0030】
つぎに、図2の(a)は、送信機10の概略構成を示すブロック図(第1,2実施形態共通)であり、(b)は、第1実施形態におけるトリガ送信機20の概略構成を示すブロック図であり、(c)は、第2実施形態におけるトリガ送信機(警報機付)60の概略構成を示すブロック図であり、(d)は、制御装置40の概略構成を示すブロック図(第1,2実施形態共通)である。
【0031】
送信機10は、図2(a)に示すように、LF受信部11と、RF送信部12と、制御部13と、空気圧センサ14と、アンテナ15,16とを備える。
LF受信部11は、アンテナ15を介してトリガ送信機20,60からのトリガ信号(LF電波)を受信し、この受信したトリガ信号を制御部13へ送るためのものである。RF送信部12は、制御部13から送られてきた応答信号を、アンテナ16を介して外部の制御装置40へRF電波によって送信するためのものである。なお、LF受信部11及びRF送信部12は、送信機10が車両100に搭載されるタイヤ空気圧測定装置の送信機として機能する場合には、図示しない車両100側のトリガ送信機及び受信機との間で各種信号の送受信を行う。
【0032】
制御部13は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM内に記憶されたプログラムに従って、実施形態の不正駐車警報システム1a,1bやタイヤ空気圧測定装置に係る所定の処理を実行する。
【0033】
制御部13は、実施形態の不正駐車警報システム1a,1bに係る処理として、次のような処理を実行する。まず、LF受信部11を介して受信したトリガ信号の受信強度を計測する。そして、この計測した受信強度を示すデータと、制御部13に記憶されている自身の識別情報(ID)とを含む応答信号を生成し、この生成した応答信号を、RF送信部12を介して外部の制御装置40へ送信する。
【0034】
空気圧センサ14は、例えばダイアフラム式の圧力センサを備え、タイヤの空気圧に応じた検出信号を制御部13へ出力する。この空気圧センサ14による検出結果は、制御部13によってRF送信部12を通じてタイヤ空気圧測定装置の受信機へ送信される。
【0035】
第1実施形態のトリガ送信機20は、図2(b)に示すように、LF送信部21と、アンテナ22とを備える。
LF送信部21は制御装置40と通信可能に接続されており、制御装置40から所定のタイミングで送信されてくる制御信号に従い、アンテナ22を介してトリガ信号を所定の電界強度で送信する。
【0036】
第2実施形態のトリガ送信機60は、図2(c)に示すように、LF送信部61と、アンテナ62と、警報出力部63とを備える。
LF送信部61とアンテナ62については、第1実施形態のトリガ送信機20におけるLF送信部21とアンテナ22と同等のものであるので説明は省略する。警報出力部63は、制御装置40と通信可能に接続されており、制御装置40からの制御信号に従って警報を報知する。この警報出力部63の具体的な構成としては、例えば、不正な駐車に対する警告をする旨の警報を表示する表示装置や、警告ランプ、前記警報を音声により出力する音声出力装置、あるいはそれらを組み合わせたものが挙げられる。
【0037】
制御装置40は、図2(d)に示すように、RF受信部41と、制御部42と、アンテナ43とを備える。
RF受信部41は、アンテナ43を介して各トリガ送信機20,60からの応答信号(RF電波)を受信し、この受信した応答信号を制御部42へ送るためのものである。
【0038】
制御部42は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。なお、第1実施形態においては、制御部42には各トリガ送信機20a,20b、入庫センサ30,30b及び警報機50が接続される。一方、第2実施形態においては、各トリガ送信機(警報機付)60a,60b及び入庫センサ30a,30bが接続される。なお、制御部42は、複数のトリガ送信機20,60を同時に接続可能な接続インタフェースを備え、接続するトリガ送信機20,60の個数を1から所定の最大数までの間で任意の個数にすることができるように構成されている。
【0039】
制御部42は、各トリガ送信機20,60に対してトリガ信号を出力させるための制御信号を出力し、その後、各送信機10から送信されてきた応答信号をRF受信部41を介して受信する。そして、各応答信号に含まれる各送信機10のIDについて、制御部42に予め記憶されている許可IDに合致するか否かを判断する。また、応答信号に含まれる受信強度を示すデータに基づいて、当該応答信号に係るトリガ信号の送信元のトリガ送信機20,60と当該応答信号の送信元の送信機10との距離を特定する機能を有する。そして、ある応答信号に含まれる送信機10のIDが許可IDに合致しないと判定され、かつ、その応答信号に係るトリガ信号の送信元のトリガ送信機20,60と、当該応答信号の送信元の送信機10との距離が所定の警報範囲内であった場合、当該トリガ送信機20,60を警報の対象として、第1実施形態であれば警報機50に、第2実施形態であれば該当するトリガ送信機60に警報を報知させる。以下、制御部42による上記一連の処理を「警報処理」と称する。また、制御部42は、上記許可IDを登録するための「登録モード処理」を実行する。なお、制御部42による上記の「警報処理」及び「登録モード処理」の各処理については後に詳細に説明する。
【0040】
つぎに、図3は、トリガ送信機20,60の駐車スペースへの配置方法のバリエーションを示す図である。
各実施形態の不正駐車警報システム1a,1bにおいては、駐車スペースの形状に応じて、トリガ送信機20,60の配置箇所や配置数を任意にアレンジすることができる。例えば、図3(a)に示すように、2台の車両を縦列に駐車可能な駐車スペースに対して、それぞれの駐車スペースの入り口側にトリガ送信機20,60を1つずつ、計2台を配置し、車両2台分の駐車スペースに対する不正駐車をそれぞれ警戒可能な構成とすることもできる。また、図3(b)に示すように、4台の車両を駐車可能な駐車スペースであれば、それぞれの駐車スペースに対してトリガ送信機20,60を1つずつ、計4台を配置し、車両4台分の駐車スペースに対する不正駐車をそれぞれ警戒可能な構成とすることもできる。
【0041】
以上、各実施形態の不正駐車警報システム1a,1bの構成について説明したが、実施形態における不正駐車警報システム1a,1bの構成と、特許請求の範囲に記載した構成との対応は次のとおりである。実施形態における送信機10が特許請求の範囲における車載送信機に相当する。このうち、LF受信部11がトリガ受信手段に相当し、RF送信部12及び制御部13が送信手段に相当し、制御部13が受信強度取得手段に相当する。また、入庫センサ30が検知手段に相当する。また、制御装置40におけるRF受信部41が応答受信手段に相当し、制御部42が警報制御手段及びトリガ制御手段に相当する。また、警報機50又はトリガ送信機60における警報出力部63が警報手段に相当する。
【0042】
[2.制御装置40による処理の説明]
つぎに、制御装置40の制御部42で実行される上述の「登録モード処理」及び「警報処理」の各処理について、図4〜6を参照しながら説明する。
【0043】
[2−1.登録モード処理の説明]
図4は、制御装置40の制御部42が実行する「登録モード処理」の手順を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートに示す手順は第1実施形態と第2実施形態とで共通のものであるので、以下においては両実施形態について一括して説明することとし、細かい相違点については、その都度説明する。
【0044】
登録モードによるIDの登録は、利用したい駐車スペースに対して送信機10のIDを登録しようとする車両が、当該駐車スペースに設置されたトリガ送信機20,60との通信圏内へ進入し、そこで制御装置40に対して登録モードの開始を指示する操作入力が行われることで、不正駐車を監視する通常のモードから登録モードへ移行して行われる。
【0045】
制御部42は、まず、入庫センサ30により駐車スペースへ進入する車両の検出を行う(S100)。そして、入庫センサ30により車両の進入が検出された後、登録モードを開始するための利用者からの操作入力を受け付ける(S110)。具体的には、例えば駐車スペースの入り口付近に、登録モードを開始するための指示を入力するためのスイッチ(図示なし)を設けておき、このスイッチに対して所定の操作を行うことで登録モードへ移行する構成にすることが考えられる。なお、正規の利用者でない者によるIDの不正な登録を防ぐため、登録モードへ移行するための操作は、正規の利用者のみ知りえる操作手順や正規の利用者のみが持つ鍵による操作等を採用することが望ましく、正規の利用者からの事前の申請によって操作手順や鍵が付与される等といった運用が考えられる。
【0046】
S110で登録モードへ移行するための操作入力を受け付けると、つぎに、各トリガ送信機20,60に対して、所定の電界強度でトリガ信号を送信させるための制御信号を送信し(S120)、この制御信号に応じて各トリガ送信機20,60から送信されたトリガ信号に対する各送信機10からの応答信号を受信する(S130)。
【0047】
そして、各送信機10からの応答信号に含まれているIDが、予め定められている規格に適合する正常なものであるか否かを判定する(S140)。ここで、受信した全てのIDが正常であると判定した場合(S140:YES)、受信したIDを許可IDとしてメモリ内に登録する(S150)。そして、第1実施形態であれば警報機50に、第2実施形態であればトリガ送信機60の警報出力部63に、IDの登録が完了した旨のメッセージを表示させる(S160)。
【0048】
一方、S140において、受信したIDの何れかが正常でないと判定した場合(S140:NO)、最初にトリガ信号を送信した時点から所定時間が経過(タイムアウト)したか否かを判定する(S170)。ここで、タイムアウトしていないと判定した場合(S170:NO)、S120の処理へ戻り、再度トリガ信号の送信を行う。
【0049】
一方、S170においてタイムアウトしたと判定した場合(S170:YES)、第1実施形態であれば警報機50に、第2実施形態であればトリガ送信機60の警報出力部63にエラーを示すメッセージを表示させ(S180)、登録モードを解除する(S190)。
【0050】
[2−2.警報処理の説明]
図5は、制御装置40の制御部42が実行する「警報処理」の手順を示すフローチャートである。なお、図5のフローチャートに示す手順は第1実施形態と第2実施形態とで共通のものであるので、以下においては両実施形態について一括して説明することとし、細かい相違点については、その都度説明する。
【0051】
制御部42は、まず、入庫センサ30により駐車スペースへ進入する車両の検出を行う(S200)。そして、入庫センサ30からの検出信号に基づき、車両を検出したか否かを判定する(S210)。ここで、入庫センサ30が車両を検出していない判定した場合(S210:NO)、S200の処理へ戻る。
【0052】
一方、入庫センサ30が車両を検出したと判定した場合(S210:YES)、各トリガ送信機20,60に対して、所定の電界強度でトリガ信号を送信させるための制御信号を所定のタイミングで順次送信し(S220)、この制御信号に応じて各トリガ送信機20,60から送信されたトリガ信号に対する各送信機10からの応答信号を一定時間受け付ける(S230)。
【0053】
ここで、個々のトリガ送信機20,60からトリガ信号を送信させるタイミングについて、図6に基づいて説明する。ここでは、制御装置40に接続されているトリガ送信機20,60が3つの場合を想定しており、それぞれをトリガ送信機A,B,Cと称することにする。
【0054】
図6に示すように、制御部42は、プログラムで定められた順序に従って、まずトリガ送信機Aにトリガ信号を送信させる。すなわち、トリガ送信機Aに対して制御信号を送信する。そして、トリガ送信機Aから送信されたトリガ信号に対する各送信機10からの応答信号を受信するために必要な所定の間隔を空けた後に、トリガ送信機Bにトリガ信号を送信させる。すなわち、トリガ送信機Bに対して制御信号を送信する。そして、トリガ送信機Bから送信されたトリガ信号に対する各送信機10からの応答信号を受信するために必要な所定の間隔を空けた後に、トリガ送信機Cにトリガ信号を送信させる。すなわち、トリガ送信機Cに対して制御信号を送信する。
【0055】
このように、予め決められた順序及び間隔で各トリガ送信機20,60からトリガ信号を順次送信させることで、トリガ信号の送信順と応答信号の受信順との対応が明らかになる。これにより、制御部42は、受信した応答信号がどのトリガ送信機20,60から送信されたトリガ信号に対するものであるかを対応付ける。
【0056】
図5の説明に戻る。S230にて各送信機10から応答信号を一定時間受け付けた後、応答信号を受信したか否かを判定する(S240)。ここで、応答信号を受信したと判定した場合(S240:YES)、この受信した全て応答信号に含まれるIDが予め登録されている許可IDと合致するか否かを判定する(S250)。全てのIDが許可IDと合致すると判定した場合(S250:YES)、「警報処理」を終了する。
【0057】
一方、S250で何れかのIDが許可IDと合致しないと判定した場合(S250:NO)、この合致しないIDと同じ応答信号に含まれる受信強度を示すデータに基づいて、当該応答信号に対応するトリガ信号の送信元であるトリガ送信機20,60と、当該応答信号の送信元である送信機10との距離を特定する(S270)。
【0058】
ここで、トリガ信号の送信に用いられるLF電波の電界強度は、距離に応じて減衰することが知られている。このLF電波の特性を利用することで、制御部42は、送信機10から送信されてくる受信強度のデータからLF電波の減衰度合を判定し、トリガ送信機20,60と送信機10との距離を推定する。
【0059】
つぎに、S270にて特定した距離が、所定の警戒範囲内であるか否かを判定する(S280)。ここで、所定の警戒範囲とは、予め制御部42のメモリ等に登録しておくものであり、トリガ送信機20,60の位置を基準として、各トリガ送信機20,60による監視対象の駐車スペースをカバーしつつ、各トリガ送信機20,60による警戒範囲が重複しないような距離に設定することが望ましい。
【0060】
S280において警戒範囲内ではないと判定した場合(S280:NO)、S310の処理へ移行する。一方、警戒範囲内であると判定した場合(S280:YES)、該当するトリガ送信機20,60を警報の対象として特定する(S290)。
【0061】
そして、第1実施形態の不正駐車警報システム1aの場合は警報機50に対して、あるいは、第2実施形態の不正駐車警報システム1bの場合は、複数のトリガ送信機60のうち、警報の対象であるトリガ送信機60の警報出力部63のみに対して、警報を出力させる(S300)。
【0062】
これに対して、第1実施形態の不正駐車警報システム1aにおける警報機50は、不正な駐車に対する警告をする旨の警報や、この警報の対象となる箇所を示す情報を画面に表示したり、音声によって出力する。また、警告ランプを点滅させたり警報音を出力してもよい。一方、第2実施形態の不正駐車警報システム1bにおける警報出力部63は、不正な駐車に対する警告をする旨の警報を画面に表示したり、音声によって出力する。また、第1実施形態の警報機50と同様に、警告ランプを点滅させたり警報音を出力してもよい。
【0063】
一方、S240において、送信機10からの応答信号を受信していないと判定した場合(S240:NO)、トリガ信号を送信した時点から所定時間が経過(タイムアウト)したか否かを判定する(S260)。ここで、タイムアウトしていないと判定した場合(S260:NO)、S230の処理へ戻り、再度送信機10からの応答信号を受け付ける。
【0064】
一方、S260においてタイムアウトしたと判定した場合(S260:YES)、第1実施形態であれば警報機50に、第2実施形態であれば該当する各トリガ送信機60の警報出力部63に、応答信号を送信してこない(送信機10を搭載していない)不正な車両が進入したことを警告する旨の警報を出力させる(S300)。
【0065】
つぎに、S310では、入庫センサ30からの検出信号に基づいて、車両の入庫状態が継続しているか否かを判定する。ここで、車両の入庫状態が継続していると判定した場合(S310:YES)、S220の処理へ戻る。一方、入庫センサ30により車両が検出されなくなった場合(S310:NO)、「警報処理」を終了する。
【0066】
[3.効果]
上記実施形態の不正駐車警報システム1a,1bによれば、以下のような効果を奏する。
【0067】
(1)トリガ送信機20,60からのトリガ信号に対する応答信号を送信する送信機10を車両100に備えるだけで、駐車場の利用者は不正駐車警報システム利用することができる。よって、後付け製品として容易に装備・利用可能な態様にて不正駐車警報システムを実現できる。
【0068】
(2)送信機10を、タイヤの空気圧を測定する空気圧センサ14を備えたタイヤ空気圧測定装置の送信機として兼用することで、タイヤ空気圧検出装置の追加機能としての不正駐車警報システムが実現し、より付加価値の高い製品として更なる普及拡大が見込まれる。
【0069】
(3)トリガ送信機20,60を駐車スペースの境界線上や壁際等といった駐車スペース近傍に適宜配置することで、駐車スペースの形状に応じた必要な箇所について、不正駐車に対する監視を行うことができる。また、トリガ送信機20,60を可搬式の自立型ユニットや壁掛型ユニットで構成し、駐車可能範囲の形状に応じて任意の箇所に任意の個数で配置可能とすることで、駐車場側の設備についても後付け製品として容易に装備・利用可能な不正駐車警報システムを提供できる。
【0070】
(4)トリガ送信機20,40、送信機10及び制御装置40間の通信を利用して自動的に許可IDを登録可能な登録モードによって、正規の駐車車両として登録された車両が当該駐車場をスムーズに利用することができる。
【0071】
(5)各トリガ送信機20,60に所定の順序で順次トリガ信号を送信させ、その送信順とトリガ信号に対する応答信号の受信順との対応から、受信した応答信号がどのトリガ送信機20,60に対応するものかを特定できる。よって、複数設置されたトリガ送信機20,60のうち、警報の対象となるトリガ送信機20,60のみについて個別に警報を報知でき、不正駐車に対する実効的な警告を行える。
【0072】
(6)トリガ送信機20,60と送信機10との接近度合に応じて警報を行うか否かを判断することにより、トリガ送信機20,60がカバーする警報範囲を制御可能になり、複数のトリガ送信機20,60を設置する場合において互いの警報範囲が重複しないようにすることが可能である。また、例えば、駐車スペース付近を単に通過しただけの車両や、警戒対象の駐車スペースとは別の隣の駐車スペースにいる車両等、本来警報の対象とすべきではない車両に対する誤警報を防止できる。
【0073】
[4.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
【0074】
例えば、上記各実施形態の不正駐車警報システム1a,1bにおいては、車両100に取り付けられる送信機10がタイヤ空気圧測定装置の送信機として兼用される構成となっている。これに対して、送信機10を不正駐車警報システム専用の送信機とするような構成であってもよい。この場合、上記各実施形態の不正駐車警報システム1a,1bにおける送信機10の構成(図2(a)参照)から空気圧センサ14を省略できる。また、各送信機を必ずしも車輪に取り付ける必要はなく、車両の車体各所に適宜取り付け可能である。具体的な取り付け箇所としては、車体の前端部及び後端部にそれぞれ取り付けたり、前端部及び後端部のそれぞれ左右両端に取り付けるといった具合に、車体の外縁に沿って取り付けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は、第1実施形態の不正駐車警報システム1aの概略構成を示すブロック図であり、(b)は、第2実施形態の不正駐車警報システム1bの概略構成を示すブロック図である。
【図2】送信機10、トリガ送信機20,60及び制御装置40の概略構成を示すブロック図である。
【図3】トリガ送信機20,60の駐車スペースへの配置方法のバリエーションを示す図である。
【図4】「登録モード処理」の手順を示すフローチャートである。
【図5】「警報処理」の手順を示すフローチャートである。
【図6】トリガ送信機20,60からのトリガ信号の送信タイミング及び、各トリガ信号に対する各送信機10からの応答信号の受信順を模式的に示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1a…不正駐車警報システム(集中警報型)、1b…不正駐車警報システム(個別警報型)
10…送信機、11…LF受信部、12…RF送信部、13…制御部、14…空気圧センサ、15,16…アンテナ
20…トリガ送信機、21…LF送信部、22…アンテナ、60…トリガ送信機(警報機付)、61…LF送信部、62…アンテナ、63…警報出力部
30a,30b…入庫センサ
40…制御装置、41…RF受信部、42…制御部、43…アンテナ
50…警報機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースを自身の通信圏内に含む程度に当該駐車スペース近傍の1又は複数箇所にそれぞれ設置され、トリガ信号を送信するトリガ送信機と、
車両の複数箇所にそれぞれ取り付けられ、前記トリガ送信機から送信されたトリガ信号を受信するトリガ受信手段と、前記トリガ受信手段により受信されトリガ信号に対する応答として、自身を識別するための識別情報を含む応答信号を外部へ送信する送信手段とを備える車載送信機と、
不正な駐車である旨を警告するための警報を報知する警報手段と、
前記車載送信機から送信された応答信号を受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段によって受信された応答信号に含まれる識別情報が、予め登録されている許可識別情報に合致するか否かを判定し、合致しないと判定された場合、前記警報手段に警報を報知させる警報制御手段とを備えること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記駐車スペースへの車両の進入を検知する検知手段を更に備え、
前記警報制御手段は、前記検知手段によって前記駐車スペースへの車両の進入が検知された状態で、前記識別情報が前記許可識別情報に合致しないと判定した場合、又は、前記車両の進入が検知された状態で、前記トリガ送信機から送信されたトリガ信号に対する前記応答信号が前記応答受信手段において受信されない場合、前記警報手段に警報を報知させること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記許可識別情報を登録するための登録モードを選択的に実行可能に構成されており、前記登録モード実行時は、まず、前記トリガ送信機から前記トリガ信号を送信し、この送信したトリガ信号に対する応答として前記車載送信機から送信されてきた前記応答信号に含まれる識別情報を、前記許可識別情報として記憶すること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記警報手段は、警報の対象となる前記トリガ送信機を明示する態様にて警報を報知可能に構成されており、
前記警報制御手段は、前記トリガ送信機が複数設置されている場合、前記各トリガ送信機に所定の順序で順次トリガ信号を送信させるトリガ制御手段を更に備え、前記識別情報が前記許可識別情報に合致しないと判定した場合、前記トリガ制御手段による前記トリガ信号の送信順と各車載送信機からの応答信号の受信順とに基づく個々の前記トリガ送信機と前記各応答信号との対応関係から該当の前記トリガ送信機の箇所を特定し、当該箇所の前記トリガ送信機を対象とする警報を前記警報手段に報知させること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項5】
請求項4に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記警報手段は、個々の前記トリガ送信機を対象とする警報について、1箇所で集中して報知可能に構成されていること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項6】
請求項4に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記警報手段は、個々の前記トリガ送信機にそれぞれ一体に設けられており、個々の前記トリガ送信機を対象とする警報について個別に警報を報知可能に構成されていること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記車載送信機は、前記トリガ受信手段により受信されたトリガ信号の受信強度を取得する受信強度取得手段を備えており、
前記車載送信機が備える送信手段は、前記受信されたトリガ信号に対する応答として、前記識別情報に加え前記受信強度取得手段によって取得された当該トリガ信号の受信強度を示す受信強度情報を含む応答信号を送信し、
前記警報制御手段は、前記応答受信手段により受信された応答信号に含まれる受信強度情報に基づいて前記トリガ送信機と前記車載送信機との距離を特定し、前記識別情報が前記許可識別情報に合致しないと判定された場合、当該識別情報と同じ前記応答信号に含まれる受信強度情報から特定された距離が、所定の警報範囲内であれば前記警報手段に警報を報知させ、前記所定の警報範囲内でなければ警報の報知を行わないこと
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記トリガ送信機は、駐車可能範囲の形状に応じて任意の箇所に任意の個数で配置可能なユニットで構成されていること
を特徴とする不正駐車警報システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の不正駐車警報システムにおいて、
前記車載送信機は、複数のタイヤ付き車輪にそれぞれ設置され、前記タイヤの空気圧を測定する空気圧測定手段を更に備えており、前記空気圧測定手段により測定されたタイヤの空気圧を示す空気圧信号を、前記送信手段を介してタイヤ空気圧測定装置を構成する受信機へ送信するタイヤ空気圧測定装置の送信機として兼用されること
を特徴とする不正駐車警報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−54108(P2009−54108A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222801(P2007−222801)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】