説明

中央装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム

【課題】複数工場に配置された繊維機械の複数の動作情報を記憶でき、また工場別の繊維機械の複数の動作情報及び異常情報を含む報告情報を生成することが可能な中央装置等を提供する。
【解決手段】クライアントコンピュータ2は、工場識別情報、機械識別情報、及び、ユニット識別情報と、繊維機械3及びユニット4の動作状況に関する複数の動作情報をサーバコンピュータ1へ送信する。サーバコンピュータ1は受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて記憶部に記憶する。サーバコンピュータ1は記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に異常と判断する。また、工場識別情報別に、各繊維機械3及び該繊維機械3のユニット4の動作情報と、異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告書を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される中央装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維機械の機台情報のうち、運転状態、運転設定、及び、生産量の情報を視覚的に把握することが可能なシステムが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−87703号公報
【特許文献2】特開2004−183139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムはいずれも繊維機械に接続されるコンピュータの管理下で繊維機械の監視を行うものであり、各地に設けられる数多くの繊維機械の情報を適切に把握することが困難という問題があった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、複数の工場に配置された繊維機械の複数の動作情報を記憶でき、また工場別の繊維機械の複数の動作情報及び異常情報を含む報告情報を生成することが可能な中央装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する中央装置は、複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される中央装置において、工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械を構成する複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを受信する受信部と、該受信部により受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて記憶部に記憶する記憶処理部と、前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に異常と判断する異常判断部と、工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を生成する生成部とを備える。
【0007】
本願に開示する中央装置は、前記記憶部に記憶した複数の動作情報に基づき各工場の繊維機械毎の評価値を算出する算出部を備え、前記生成部は、前記算出部により算出した評価値を含む報告情報を生成する。
【0008】
本願に開示する中央装置は、前記算出部は、記憶部に記憶した定数から、糸継ぎの成功率または失敗率に関する動作情報に予め記憶部に記憶した係数を乗じた値と、前記動作情報とは異なる動作情報に係数を乗じた値とを減じる。
【0009】
本願に開示する中央装置は、前記算出部により算出した各工場の繊維機械毎の評価値に基づき、各工場の繊維機械全体に係る平均評価値を算出する平均算出部を備え、前記生成部は、前記平均算出部により算出した平均評価値を含む報告情報を生成する。
【0010】
本願に開示する中央装置は、前記平均算出部により算出した平均評価値の値順に工場別にソートするソート部と、該ソート部により順位が記憶部に記憶した順位以下の工場の工場識別情報を抽出する抽出部とを備える。
【0011】
本願に開示する中央装置は、評価値に対応づけて複数の第1対策情報を記憶した記憶部を参照し、複数の第1対策情報を読み出す読み出し部を備え、前記生成部は、前記読み出し部により読み出した複数の第1対策情報及び前記抽出した工場の工場識別情報を含む報告情報を生成する。
【0012】
本願に開示する中央装置は、前記記憶部から複数の動作情報を読み出し、各工場の繊維機械全体に係る動作情報毎の平均値を算出する動作平均算出部を備える。
【0013】
本願に開示する中央装置は、前記動作平均算出部により算出した各動作情報に係る平均値の値順に工場別にソートする動作ソート部と、該動作ソート部により順位が記憶部に記憶した順位以下の工場識別情報を抽出する動作抽出部とを備える。
【0014】
本願に開示する中央装置は、複数の第2対策情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の第2対策情報を読み出す第2対策読み出し部を備え、前記生成部は、前記第2対策読み出し部により読み出した第2対策情報と、前記動作抽出部により抽出した工場識別情報とを含む報告情報を生成する。
【0015】
本願に開示する中央装置は、動作情報に対応づけて部品情報を記憶した記憶部を参照し、前記異常判断部により、動作情報が異常と判断した場合に、前記動作情報に対応する部品情報を抽出する部品情報抽出部を備え、前記生成部は、異常情報及び前記部品情報抽出部により抽出した部品情報を含む報告情報を生成する。
【0016】
本願に開示する中央装置は、前記報告情報を工場識別情報に対応するアドレス宛へ送信する送信部を備える。
【0017】
本願に開示する中央装置は、複数の第1対策情報から選択された第1対策情報を特定する第1対策情報識別情報を受信する第1受信部と、該第1受信部により受信した第1対策情報識別情報の数を計数する計数部と、該計数部により計数した第1対策情報識別情報の数に基づき、統計情報を算出する統計算出部とを備え、前記生成部は、複数の第1対策情報及び前記統計算出部により算出した統計情報を含む報告情報を生成する。
【0018】
本願に開示する中央装置は、動作情報に対応する複数の第2対策情報から選択された第2対策情報を特定する第2対策情報識別情報を受信する第2受信部と、該第2受信部により受信した動作情報に対応する第2対策情報識別情報の数を計数する計数部と、該計数部により計数した動作情報に対応する第2対策情報識別情報の数に基づき、動作情報毎の統計情報を算出する統計算出部とを備え、前記生成部は、動作情報に対応する複数の第2対策情報及び前記統計算出部により算出した統計情報を含む報告情報を生成する。
【0019】
本願に開示する中央装置は、前記算出部により算出した各工場の繊維機械毎の評価値に基づき、各工場の繊維機械全体に係る分散を算出する分散算出部を備え、前記生成部は、前記分散算出部により算出した前記分散を含む報告情報を生成する。
【0020】
本願に開示する情報処理システムは、複数の工場に設置された端末装置及び中央装置が通信網を介して接続された情報処理システムにおいて、前記端末装置は、工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械に制御される複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを送信する送信部を備え、前記中央装置は、前記送信部により送信された工場識別情報、機械識別情報、及び、ユニット識別情報と、複数の動作情報を受信する受信部と、該受信部により受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて記憶部に記憶する記憶処理部と、前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に異常と判断する異常判断部と、工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を生成する生成部とを備える。
【0021】
本願に開示する情報処理方法は、複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される制御部を有する中央装置を用いた情報処理方法において、工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械に制御される複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを前記制御部により受信する受信ステップと、該受信ステップにより受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて前記制御部により記憶部に記憶する記憶処理ステップと、前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に前記制御部により異常と判断する異常判断ステップと、工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を前記制御部により生成する生成ステップとを含む。
【0022】
本願に開示するプログラムは、複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される制御部を有するコンピュータに用いられるプログラムにおいて、前記コンピュータに、工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械を構成する複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを前記制御部により受信する受信ステップと、該受信ステップにより受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて前記制御部により記憶部に記憶する記憶処理ステップと、前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に前記制御部により異常と判断する異常判断ステップと、工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を前記制御部により生成する生成ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本願の一観点によれば、複数の工場に配置された繊維機械の複数の動作情報を記憶でき、また工場別の繊維機械の複数の動作情報及び異常情報を含む報告情報を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】情報処理システムの概要を示す説明図である。
【図2】繊維機械の概要を示す模式図である。
【図3】クライアントコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】動作情報ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図5】サーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図6】工場別ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図7】アドレスファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図8】報告書のイメージを示す説明図である。
【図9】閾値ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図10】ユニットの動作情報の報告書イメージを示す説明図である。
【図11】評価値を示すグラフである。
【図12】動作情報の受信処理手順を示すフローチャートである。
【図13】報告書生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】報告書生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】報告書生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態2に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図17】評価値ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図18】評価値対策ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図19A】報告書のイメージを示す説明図である。
【図19B】報告書のイメージを示す説明図である。
【図20】対策が記述された報告書のイメージを示す説明図である。
【図21】順位表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】順位表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態3に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図24】統計ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図25】報告書のイメージを示す説明図である。
【図26】選択率を記述する処理手順を示すフローチャートである。
【図27】実施の形態4に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図28】動作情報ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図29】動作対策ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図30A】報告書のイメージを示す説明図である。
【図30B】報告書のイメージを示す説明図である。
【図31】対策が記述された報告書のイメージを示す説明図である。
【図32】平均AMISの算出処理手順を示すフローチャートである。
【図33】動作情報に基づく対策記述処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】動作情報に基づく対策記述処理の手順を示すフローチャートである。
【図35】実施の形態5に係る統計ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図36】報告書のイメージを示す説明図である。
【図37】選択率を記述する処理手順を示すフローチャートである。
【図38】実施の形態6に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図39】対策部品ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図40】対策情報のイメージを示す説明図である。
【図41】部品情報のイメージを示す説明図である。
【図42】対策及び部品情報の記述処理手順を示すフローチャートである。
【図43】対策及び部品情報の記述処理手順を示すフローチャートである。
【図44】実施の形態7に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図45】分散ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図46】分散対策ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図47】報告書のイメージを示す説明図である。
【図48】分散算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図49】分散及び対応情報の記述処理手順を示すフローチャートである。
【図50】上述した形態のサーバコンピュータの動作を示す機能ブロック図である。
【図51】実施の形態8に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図52】実施の形態9に係る閾値ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図53】閾値の読み出し処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態1
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は情報処理システムの概要を示す説明図である。情報処理システムは中央装置1、端末装置2、繊維機械3、制御装置30、ユニット4、及び情報処理装置20等を含む。中央装置1、端末装置2、制御装置30及び情報処理装置20等はインターネット、LAN(Local Area Network)または携帯電話網等の通信網Nにより相互に接続されている。中央装置1はサーバコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等である。以下中央装置1をサーバコンピュータ1であるものとして説明する。サーバコンピュータ1は各工場に配置された端末装置2(以下、クライアントコンピュータ2という)に通信網Nを介して接続されており、繊維機械3及びユニット4の動作状況に関する複数の動作情報を受信する。なお、端末装置2はパーソナルコンピュータの他、繊維機械3制御用の専用の装置であっても良い。また、本実施形態では工場A〜Cの3つを例としてあげるが、複数であればこれに限るものではない。また紙面の都合上繊維機械3の数は3つとしているが複数であればよくこれに限るものではない。同様にユニット4も複数であれば良い。さらに、本実施形態では工場A、工場B及び工場Cがそれぞれ異なる企業が所有する工場である例を挙げて説明するがこれに限るものではない。一の企業が複数の工場を所有していても良い。例えば、一の企業が工場A及び工場Bを所有し、他の企業が工場Cのみを所有していても良い。
【0026】
繊維機械3は複数のユニット4により構成される装置であり、例えば自動ワインダー、粗紡機、精紡機、織機、編み機、紡糸巻取機、延伸仮撚機、または、空気式紡績機等である。本実施形態では一例として繊維機械3が、精紡ボビンをパッケージに巻き取る巻き取りユニット4が複数設けられた自動ワインダーであるものとして説明する。繊維機械3には各ユニット4を制御する制御装置30が設けられている。制御装置30は各ユニット4及び繊維機械3全体の動作状況に関する複数の動作情報をクライアントコンピュータ2へ出力する。この動作情報は例えば、繊維機械3の稼働時間に基づく稼働率、糸継ぎの失敗回数に基づく失敗率、警告を示す発光部の点灯率、糸継ぎ目の割合等である。繊維機械3は各ユニット4から出力される複数のデータに基づきユニット4毎の動作情報、及び、繊維機械3についての動作情報を算出する。各工場のクライアントコンピュータ2は複数の動作情報をサーバコンピュータ1へ送信する。
【0027】
サーバコンピュータ1は複数の動作情報に基づき、工場別の報告情報を生成する。報告情報は例えば、テキスト、画像、音声、動画、表またはグラフ等のデータである。その他報告情報は、テキスト、画像、音声、動画、表またはグラフ等のデータを適宜組み合わせたものであっても良い。本実施形態では、テキスト、画像、表及びグラフを組み合わせたPDF(登録商標:Portable Document Format)ファイルを、報告情報(以下、報告書という)の一例であるものとして説明する。サーバコンピュータ1は報告書をクライアントコンピュータ2または対応する情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は例えば携帯電話機、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistance)またはブックリーダ等である。以下では情報処理装置20をパーソナルコンピュータ20であるものとして説明する。各工場のユーザはパーソナルコンピュータ20等を通じて繊維機械3の状態を把握することが可能となる。以下詳細を説明する。
【0028】
図2は繊維機械3の概要を示す模式図である。繊維機械3は制御装置30、複数の連設されたユニット4、玉揚装置41、支持部42及び供給装置43等を含む。また各ユニット4は精紡ボビン44、スプライサー45、クリアラ49、パッケージ46、ユニット制御部47及び発光部48等を含む。供給装置43は各ユニット4に精紡ボビン44を供給する。ユニット4に供給された精紡ボビン44の糸はパッケージ46に巻き取られる。精紡ボビン44とパッケージ46との間にはスプライサー45とクリアラ49とが設けられる。
【0029】
スプライサー45は糸の張力の高まり、または、糸の欠陥により切断された精紡ボビン44側の糸端とパッケージ46側の糸端とを繋ぐ。クリアラ49は、精紡ボビン44とパッケージ46との間を走行する糸を監視し、太さが異常な部分または異物が混入している部分等の糸の欠陥を検出する。クリアラ49には図示しないカッタが付設されており、糸の欠陥を検出した場合、欠陥を有する糸を除去する。発光部48は例えばLED(Light-Emitting Diode)であり、ユニット4が巻き取り動作を停止した場合に発光する。なおユニット4内部の詳細な構造については省略する。ユニット4の上部にはレール等の支持部42が、各ユニット4の連設方向に架設されている。玉揚装置41は支持部42上を移動し、ユニット4上にて糸を巻き終えたパッケージを取り外す。続いて玉揚装置41は、当該ユニット4上で糸の巻かれていないパッケージ(紙管)をセットする。
【0030】
ユニット制御部47は上述したユニット4の各ハードウェアの制御を行い、各ハードウェアの動作情報及びユニット4それぞれを特定するための固有のユニット識別情報(以下、ユニットIDという)を制御装置30へ出力する。制御装置30へ出力される情報(以下、ユニット情報)は、例えば糸継ぎを試行した回数(以下、糸継ぎ試行回数)、糸継ぎに成功した回数(以下、糸継ぎ成功回数)、パッケージ46側の糸端をつかむことができなかった回数(以下、上糸口出し失敗回数)である。その他、ユニット情報には、パッケージ46側の糸端を2重に引き出した回数(以下、上糸レインカット失敗回数)、精紡ボビン44の糸端をつかむことができなかった回数(以下、下糸口出し失敗回数)がある。
【0031】
またユニット情報には、スプライサー45の動作不良により糸継ぎに失敗した回数(以下、スプライサー失敗回数)、図示しないスプライサーモニタにより、糸の継ぎ目が不良と判断され糸継ぎに失敗した回数(以下、モニターカット回数)がある。その他、ユニット情報には発光部48の点灯回数、パッケージ46の巻き取り時間、糸継ぎ回数、及び高い張力により糸が切れたことに起因する糸継ぎ回数(以下、テンション切れ回数)がユニット4から制御装置30へユニットIDと共に出力される。その他ユニット情報には、ユニット4の動作時間及び、ユニット4の動作中にてパッケージ46による糸の巻き取り時間がある。制御装置30はユニットID及びユニット情報に基づき各ユニット4の動作情報を算出する。なお、以上述べたユニット情報の例は一例でありこれらに限るものではない。
【0032】
制御装置30は図示しないCPU(Central Processing Unit)及びメモリを備え、所定時間毎に(例えば6時間毎に)、ユニット4から送信された糸継ぎ試行回数及び糸継ぎ成功回数に基づき、糸継ぎに失敗した割合(以下MIS: Mis-splicingという)を算出する。具体的には制御装置30は糸継ぎ試行回数から糸継ぎ成功回数を減じた値を、糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることでMISを算出する。制御装置30は算出したMISをユニットIDに対応づけて記憶する。なお、反対に糸継ぎ成功回数を動作情報としても良いことはもちろんである。
【0033】
また制御装置30は糸継ぎ試行回数及び上糸口出し失敗回数に基づき、上糸口出し失敗率(以下MUP:Ratio of Mis-splicing By Upper Yarnという)を算出する。具体的には制御装置30は、上糸口出し失敗回数を糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることでMUPを算出する。制御装置30は算出したMUPをユニットIDに対応づけて記憶する。制御装置30は上糸レインカット失敗回数及び糸継ぎ試行回数に基づき上糸レインカット率(以下、MLC:Ratio of Mis-splicing By Lay-in Cutという)を算出する。具体的には制御装置30は上糸レインカット失敗回数を糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることでMLCを算出する。制御装置30は算出したMLCをユニットIDに対応づけて記憶する。
【0034】
制御装置30は下糸口出し失敗回数及び糸継ぎ試行回数に基づき下糸口出し失敗率(以下、MLW:Ratio of Mis-splicing By No Lower Yarnという)を算出する。具体的には制御装置30は下糸口出し失敗回数を糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることでMLWを算出する。制御装置30は算出したMLWをユニットIDに対応づけて記憶する。制御装置30はスプライサー失敗回数及び糸継ぎ試行回数に基づき、スプライサー失敗率(以下、MSL:Ratio of Mis-splicing By Splicerという)を算出する。具体的には、スプライサー失敗回数を糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることでMSLを算出する。制御装置30は算出したMSLをユニットIDに対応づけて記憶する。
【0035】
制御装置30はモニターカット回数及び糸継ぎ試行回数に基づきモニターカット率(以下、MSM:Ratio of Mis-splicing By Splice Monitor Cutという)を算出する。具体的には、制御装置30はモニターカット回数を糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることでMSMを算出する。制御装置30は算出したMSMをユニットIDに対応づけて記憶する。制御装置30は糸継ぎ試行回数から糸継ぎ成功回数を減じ、減じた値を糸継ぎ試行回数で除し、100を乗ずることで糸継ぎ失敗率(以下、MIS:Mis-splicing Ratioという)を算出する。制御装置30はユニットIDに対応づけてMISを記憶する。制御装置30はユニット4の巻き取り時間を動作時間で除し、100を乗ずることで各ユニット4の稼働率を算出する。制御装置30はユニットIDに対応づけて稼働率を記憶する。なお、本実施形態では制御装置30がMIS、MUP、MLC、MLW、MSL、MSM及び稼働率等の各ユニット4の動作情報を算出する例を挙げたがこれに限るものではない。各ユニット4のユニット制御部47、または、後述するクライアントコンピュータ2のCPUが一部または全てを算出しても良い。
【0036】
続いて制御装置30は繊維機械3の動作状況に関する動作情報を算出する。制御装置30は図示しない時計部により繊維機械3の稼働時間及び供給装置43の停止時間を記憶している。制御装置30は各ユニット4から出力された巻き取り時間の平均巻き取り時間を算出する。制御装置30は平均巻き取り時間を、稼働時間から供給装置43の停止時間を減じた値で除し、100を乗ずることで機械効率(以下、SEF:Spindle Efficiencyという)を算出する。また制御装置30は各ユニット4のMISの平均値から平均糸継ぎミス率(以下、AMISという)を算出する。なお、上述したとおり、制御装置30は、各ユニット4の糸継ぎ成功率の平均値をAMISに代えて用いても良い。制御装置30は各ユニット4から出力された糸継ぎ成功回数の合計値を算出する。また制御装置30は各ユニット4から出力された発光部48の発光回数の合計値を算出する。制御装置30は発光回数の合計値を糸継ぎ成功回数の合計値で除し、100を乗ずることで点灯率(以下、YLW:Ratio of Yellow Lightという)を算出する。
【0037】
制御装置30は各ユニット4から出力された糸継ぎ回数の合計値を算出する。制御装置30は各ユニット4から出力されたテンション切れ回数の合計値を算出する。制御装置30は供給装置43が精紡ボビン44を交換した回数を、計数する。制御装置30はテンション切れ回数の合計値を、精紡ボビン44の交換回数とテンション切れ回数とクリアラが糸の欠陥を除去した回数の合計値とを加算した値で除し、100を乗ずることでテンション切れ率(以下、STBという)を算出する。制御装置30は複数の繊維機械3それぞれを特定するための繊維機械識別情報(以下機械IDという)に対応づけて、STB、YLW、SEF及びAMIS等の繊維機械3の動作情報を、クライアントコンピュータ2へ送信する。なお、本実施形態ではSTB、YLW、SEF及びAMIS等の繊維機械3の動作情報を制御装置30で算出する例を挙げたがこれに限るものではない。STB、YLW、SEF及びAMIS等の繊維機械3の動作情報の一部または全てをクライアントコンピュータ2のCPU11に算出させても良い。
【0038】
また制御装置30は機械ID及びユニットIDに対応づけて、MIS、MUP、MLC、MLW、MSL及びMSM等の各ユニット4の動作情報をクライアントコンピュータ2へ送信する。
【0039】
図3はクライアントコンピュータ2のハードウェア構成を示すブロック図である。クライアントコンピュータ2は制御部としてのCPU21、RAM(Random Access Memory)22、入力部23、表示部24、記憶部25、通信部26及び時計部28等を含む。CPU21は、バス27を介してハードウェア各部と接続されている。CPU21は記憶部25に記憶された制御プログラム25Pに従いハードウェア各部を制御する。RAM22は例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、フラッシュメモリ等である。RAM22は、記憶部としても機能し、CPU21による各種プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
【0040】
入力部23はマウス、キーボード、またはタッチパネル等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報をCPU21へ出力する。表示部24は液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、CPU21の指示に従い各種情報を表示する。通信部26は例えばLANカード等であり、サーバコンピュータ1及び制御装置30等との間で情報の送受信を行う。時計部28は現在時刻、または、任意の時点を起点とした経過時間をCPU21へ出力する。記憶部25は例えば、ハードディスクまたは大容量フラッシュメモリ等であり、制御プログラム25P及び動作情報ファイル251等を格納する。
【0041】
図4は動作情報ファイル251のレコードレイアウトを示す説明図である。動作情報ファイル251は、機械IDフィールド、ユニットIDフィールド、及び動作情報フィールド等を含む。機械IDフィールドには機械IDが記憶される。ユニットIDフィールドには、機械IDに対応づけてユニットIDが記憶されている。動作情報フィールドには、ユニットIDに対応づけて各ユニット4の動作情報が記憶されている。CPU21は制御装置30から受信した、機械ID及びユニットIDに対応づけてMIS、MUP、MLC、MLW、MSL、MSM及び稼働率等のユニット4の動作情報を動作情報ファイル251に記憶する。例えば機械IDが1、ユニットIDが2の、MUPは3.2%と記憶されている。
【0042】
また動作情報フィールドには、機械IDに対応づけて繊維機械3の動作情報が記憶されている。CPU21は制御装置30から送信された機械ID及びSEF、YLW、STB及びAMIS等の繊維機械3の動作状況を受信し、動作情報ファイル251に記憶する。例えば、機械IDが2のAMISは3.5%と記憶されている。CPU21は予め記憶部15に記憶した企業の工場を特定するための工場識別情報(以下、工場IDという)を読み出す。工場識別情報は工場を一意に特定することができる情報であり、例えば工場IDを「A」とすれば良い。なお、工場を所有する企業を特定するための識別情報(以下、企業IDという)を工場ID内に含めても良い。企業名Xの企業IDを例えば「X」とした場合、上述した例では、工場IDは、「XA」となる。
【0043】
CPU21は記憶部15に記憶した時間毎(例えば6時間毎)に、工場IDの他、動作情報ファイル251に記憶した機械ID、ユニットID及び動作情報を、送信部としての通信部26を介してサーバコンピュータ1へ送信する。なお、本実施形態では説明を容易にするために工場IDと機械IDとを分けて説明したが、各工場及び各繊維機械3を特定できるのであれば一体化しても良い。例えば機械IDをA01とした場合は、アルファベットが工場IDであり、数字が機械IDであり、工場IDが内包されている。
【0044】
この例では、機械IDがB02の場合、Bが工場IDであり、02が機械IDである。なお、図4に示す動作情報ファイル251のレコードレイアウトは一例であり、これに限るものではない。データ間の関係が維持されていれば、複数のファイルに分散して記憶させても良い。またクライアントコンピュータ2以外のデータベースサーバに記憶させても良い。また、本実施形態ではクライアントコンピュータ2が複数の制御装置30から収集した情報をサーバコンピュータ1に送信する形態を挙げたがこれに限るものではない。例えば、クライアントコンピュータ2を用いることなく、繊維機械3の制御装置30を端末装置としても良い。この場合、各制御装置30が工場ID、機械ID、ユニットID及び動作情報をサーバコンピュータ1へ直接送信するようにすればよい。
【0045】
図5はサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。サーバコンピュータ1は制御部としてのCPU11、RAM12、入力部13、表示部14、記憶部15、通信部16及び時計部18等を含む。CPU11は、バス17を介してハードウェア各部と接続されている。CPU11は記憶部15に記憶された制御プログラム15Pに従いハードウェア各部を制御する。RAM12は例えばSRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。RAM12は、記憶部としても機能し、CPU11による各種プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
【0046】
入力部13はマウス、キーボード、またはタッチパネル等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報をCPU11へ出力する。表示部14は液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、CPU11の指示に従い各種情報を表示する。通信部16は例えばLANカード等であり、クライアントコンピュータ2及びパーソナルコンピュータ20等との間で、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等により情報の送受信を行う。時計部18は現在時刻、または、任意の時点を起点とした経過時間をCPU11へ出力する。記憶部15は例えば、ハードディスクまたは大容量フラッシュメモリ等であり、制御プログラム15P及び工場別ファイル151、アドレスファイル152及び閾値ファイル153等を格納する。
【0047】
図6は工場別ファイル151のレコードレイアウトを示す説明図である。工場別ファイル151は工場毎に機械ID、ユニットID及び動作情報が記憶されている。図6の例では工場A〜Cの内、工場Aの機械ID、ユニットID及び動作情報が記憶されている。工場別ファイル151は機械IDフィールド、ユニットIDフィールド、動作情報フィールド及び評価値フィールド等を含む。なお、機械IDフィールド、ユニットIDフィールド、及び動作情報フィールドの記憶内容は動作情報ファイル251と同様であるので詳細な説明は省略する。CPU11はクライアントコンピュータ2から、工場ID、機械ID、ユニットID及び動作情報を、通信部16を介して受信する。CPU11は工場ID、機械ID及びユニットIDを参照し、ユニット4に係る動作情報を工場別ファイル151に記憶する。またCPU11は工場ID及び機械IDを参照し、繊維機械3に係る動作情報を工場別ファイル151に記憶する。
【0048】
これにより、各工場に設置された複数の繊維機械3及び各繊維機械3に設けられた複数のユニット4の動作情報がサーバコンピュータ1に蓄積される。なお、本実施形態で述べた工場別ファイル151のレコードレイアウトは一例であり、これに限るものではない。データ間の関係が維持されていれば、複数のファイルに分散して記憶させても良い。また通信網Nを介して接続されるデータベースサーバ(図示せず)に工場別ファイル151の一部または全部を記憶させても良い。この場合CPU11はSQL(Structured Query Language)を用いて、データベースサーバに対し、必要な情報の読み書きを行う。評価値フィールドには、工場ID及び機械IDに対応づけて、複数の動作情報に基づき算出される評価値が記憶されている。
【0049】
CPU11は複数の動作情報の内、少なくとも、糸継ぎの失敗率(または成功率)を示すAMISと、AMISとは異なる他の動作情報とに基づき、評価値を算出する。本実施形態では一例として、AMIS、YLM、STB及び稼働率の4つを用いて評価値を算出する例を説明する。CPU11は工場ID及び機械IDに基づき、AMIS、YLW、STBを工場別ファイル151から読み出す。また、稼働率が0%以外のユニット数を計数する。以下稼働率が0%以外のユニット数を稼働ユニット数という。CPU11は記憶部15に記憶した評価値算出式を読み出す。評価値算出式は式(1)で示される。
評価値=第1定数-{MIS×第2定数+YLW×第3定数+STB×第4定数+稼働ユニット数×第5定数} ・・(1)
なお、第1定数は、例えば300、第2係数〜第5定数は例えば10以下の自然数とすれば良い。
【0050】
この場合、評価値の数値が高いほど評価が高いこととなる。なお、本実施形態においては、第1定数から、複数の動作情報に基づく値を減じることで評価値を算出しているがこれに限るものではない。単に、複数の動作情報に係数を乗じた値を評価値としても良い。この場合、値が小さいほど高い評価となる。CPU11は、算出した評価値を工場ID、機械IDに対応づけて工場別ファイル151に記憶する。例えば工場Aの機械IDが1の評価値は200と記憶される。
【0051】
図7はアドレスファイル152のレコードレイアウトを示す説明図である。アドレスファイル152は工場名フィールド、工場IDフィールド、ユーザIDフィールド、パスワードフィールド及び電子メールアドレスフィールド等を含む。工場名には、繊維機械3を導入した工場の工場名が記憶されている。工場IDフィールドには工場名に対応づけて、工場IDが記憶されている。ユーザIDフィールドには工場IDに対応づけて予め登録されたユーザを特定するための識別情報(以下、ユーザIDという)が記憶されている。パスワードフィールドには、ユーザIDに対応づけて報告書をダウンロードする際に必要とされるパスワードが記憶されている。電子メールアドレスフィールドには、ユーザIDフィールドに対応づけて電子メールアドレスが記憶されている。
【0052】
図8は報告書のイメージを示す説明図である。CPU11は工場別ファイル151を参照し、報告書を生成する。CPU11は記憶部15に記憶された報告書のテンプレートを読み出す。以下、工場Aに対する報告書作成例を説明する。CPU11は工場IDに対応する工場名をアドレスファイル152から読み出す。CPU11は工場名を報告書に記述する。CPU11は工場ID及び機械IDに基づき、繊維機械3の動作情報を工場別ファイル151から読み出す。CPU11は機械ID及び機械IDに対応する動作情報を報告書に記述する。図8の例では、機械IDが1のAMISが12.3、SEFが83.4、YLWが0.22、STBが20と記述される。
【0053】
図9は閾値ファイル153のレコードレイアウトを示す説明図である。閾値ファイル153には、繊維機械3の動作情報に対する第1閾値及び第2閾値が記憶されている。また、閾値ファイル153には各ユニット4の動作情報に対する第3閾値が記憶されている。CPU11は記憶部15から読み出した動作情報が、閾値ファイル153に記憶した第1閾値を超えるか否かを判断する。CPU11は閾値を超えると判断した場合、当該超える動作情報に異常を示す第1異常情報を記述する。例えば、CPU11は機械IDが1のAMIS12.3と、第1閾値10とを比較する。この場合、機械IDが1のAMISは10を超える12.3であるので、異常と判断する。
【0054】
CPU11は報告書に記載された機械ID及び動作情報に対応する数字に第1異常情報を記述する。第1記述情報は例えば、図8に示す如くハッチングを行う、着色処理を行う、点滅処理を行う、四角で囲む、!マークを付すマーカにより着色する等である。またCPU11は機械IDが1のSEF(値が高い方が良い)は83.4であり、第1閾値は70であるので、第1閾値を超えないことから(70以下ではない)、第1異常情報を記述しない。なお、SEFは数値が高い方が好ましいため、第1閾値を超えるか否かの判断は、動作情報が第1閾値以下であるか否かにより判断する。なお、本実施形態では説明を容易にするために動作情報が閾値以上の場合に、閾値を超え異常が存在するとして説明する。
【0055】
CPU11は、第1異常情報が記述されていない機械IDに係るAMISに対し以下の処理を行う。CPU11は工場ID、機械IDに基づき工場別ファイル151のMISフィールドを参照し、MISが第2閾値を超えるユニット4が存在するか否かを判断する。CPU11は、MISが第2閾値を超えるユニット4が存在すると判断した場合、機械ID及びAMISに対応する数字に第2異常情報を記述する。第2異常情報は第1異常情報と同じく、ハッチングを行う、着色処理を行う、点滅処理を行う、四角で囲む、!マークを付す、マーカにより着色等すればよい。なお、CPU11は第1異常情報と第2異常情報とが相互に識別して表示する。本実施形態では第2異常情報に対しては四角で数字を囲っている。
【0056】
図10はユニット4の動作情報の報告書イメージを示す説明図である。CPU11は工場ID、機械ID及びユニットIDを参照し、工場別ファイル151からユニット4の動作情報を読み出し、報告書に記述する。続いて、CPU11はユニット4の各動作情報に対応する第3閾値を閾値ファイル153から読み出す。本実施形態では説明を容易にするために全ての第3閾値を5.0としている。CPU11は読み出したユニット4の各動作情報が閾値を超えるか否かを判断する。CPU11は閾値を超えると判断した場合、対応する機械ID、ユニットID及び動作情報の数字に第3異常情報を記述する。第3異常情報は第1異常情報及び第2異常情報と同様の形態で行えばよい。ただし、同一の頁に第1異常情報〜第3情報を記述する場合、相互に表示形態を相違させればよい。図10の例では、数字を丸印で囲っている。その他CPU11は、第1異常情報を赤色、第2異常情報を黄色、第3異常情報を青色等で着色処理すればよい。
【0057】
図11は評価値を示すグラフである。横軸は機械ID、縦軸は評価値を示す。CPU11は工場別ファイル151に記憶した工場ID,機械ID及び評価値を読み出す。CPU11は、記憶部15に記憶した表計算ソフトウェアを起動する。CPU11は、読み出した機械ID及び評価値に基づき、グラフを作成する。図11に示すように、機械ID別に、評価値がプロットされている。また、CPU11は機械ID及び評価値をグラフ近辺に記述する。CPU11は報告書に作成したグラフ、機械ID及び評価値を貼り付ける。CPU11は以上の処理により生成した報告書を送信する。なお、CPU11は記憶部15に記憶したアプリケーションを起動し、報告書をPDF化する。CPU11は工場IDを参照し、アドレスファイル152から電子メールアドレスを読み出す。CPU11は読み出した電子メールアドレス宛に、報告書を添付した電子メールを送信する。
【0058】
パーソナルコンピュータ20を有する工場のユーザは電子メールを受信し、報告書を閲覧することが可能となる。なお、本実施形態では電子メールにより、報告書を送信する形態を挙げたがこれに限るものではない。ユーザはパーソナルコンピュータ20から、サーバコンピュータ1へアクセスし、ユーザID、パスワード及び報告書の取得要求を送信する。サーバコンピュータ1のCPU11は送信されたユーザID及びパスワードが、アドレスファイル152に記憶したユーザID及びパスワードに一致すると判断した場合、報告書をパーソナルコンピュータ20へ送信する。一方、一致しない場合、パーソナルコンピュータ20へ報告書を送信しない。なお、報告書はPDF形態とする以外に、文書ソフトウェア(例えばマイクロソフト社のワード(登録商標))、表計算ソフトウェア(例えば同社のエクセル(登録商標)、またはHTML(HyperText Markup Language)形式により記述しても良い。その他、プレゼンテーションソフトウェア(例えば、マイクロソフト社のパワーポイント(登録商標))等を報告書としても良い。
【0059】
以上のハードウェア群において、ソフトウェア処理を、フローチャートを用いて説明する。図12は動作情報の受信処理手順を示すフローチャートである。クライアントコンピュータ2のCPU21は制御装置30から機械ID、ユニットID及び各ユニット4の動作情報を、通信部26を介して受信する(ステップS111)。なお、ユニット4の動作情報は、上述したとおり、MUP、MLC、MLW、MSL、MIS及び稼働率である。CPU21は機械ID及び繊維機械3の動作情報を受信する(ステップS112)。なお繊維機械3の動作情報は上述したとおり、SEF、YLW、STB及びAMISである。
【0060】
CPU21は工場IDを記憶部25から読み出す(ステップS113)。CPU21は制御装置30から動作情報を受信する度に、または、適宜のタイミングで(例えば6時間毎)に、動作情報をサーバコンピュータ1へ送信する。CPU21は工場ID、機械ID、ユニットID及び各ユニット4の動作情報を、通信部26を介してサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS114)。CPU21は工場ID、機械ID、ユニットID及び繊維機械3の動作情報を、通信部26を介してサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS115)。サーバコンピュータ1のCPU11は工場ID、機械ID、ユニットID及び各ユニット4の動作情報を、通信部16を介して受信する(ステップS116)。CPU11は工場ID、機械ID、ユニットID及び繊維機械3の動作情報を、通信部16を介して受信する(ステップS117)。
【0061】
サーバコンピュータ1のCPU11は工場ID、機械ID及びユニットIDに対応づけて各ユニット4の動作情報を、工場別ファイル151に記憶する(ステップS118)。CPU11は工場ID及び機械IDに対応づけて各繊維機械3の動作情報を、工場別ファイル151に記憶する(ステップS119)。これにより、各工場の動作情報が工場別ファイル151に蓄積される。
【0062】
図13から図15は報告書生成処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は記憶部15から報告書のテンプレートを読み出す(ステップS121)。なお、報告書は例えばテキスト形式のテンプレートを用意しておけばよい。CPU11は報告書作成対象の工場IDに対応する工場名をアドレスファイル152から読み出す(ステップS122)。CPU11は報告書に読み出した工場名を記述する(ステップS123)。CPU11は工場別ファイル151から工場IDに対応する機械ID及び繊維機械3の動作情報を読み出す(ステップS124)。CPU11は機械ID及び繊維機械3の動作情報を報告書に記述する(ステップS125)。
【0063】
CPU11は工場別ファイル151から工場IDに対応する機械ID及びユニットID及びユニット4の動作情報を読み出す(ステップS126)。CPU11は機械ID、ユニットID、及びユニット4の動作情報を報告書に記述する(ステップS127)。CPU11は繊維機械3の動作情報に対応する第1閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS128)。CPU11は繊維機械3の動作情報が読み出した第1閾値を超えるか否かを判断する(ステップS129)。CPU11は超えると判断した場合(ステップS129でYES)、図8の如く、報告書の機械IDに対応する繊維機械3の動作情報に第1異常情報を記述する(ステップS131)。CPU11は繊維機械3の動作情報が第1閾値を超えないと判断した場合(ステップS129でNO)、ステップS131の処理をスキップする。
【0064】
CPU11は全ての繊維機械3の動作情報についてステップS129の処理を終了したか否かを判断する(ステップS132)。CPU11は全ての繊維機械3の動作情報について処理を終了していないと判断した場合(ステップS132でNO)、処理をステップS128に戻す。CPU11は未だ処理が行われていない動作情報について処理を行う。例えば図8の例で、AMISについて処理を終えた場合、未処理のSEFについて処理を行う。CPU11は全ての繊維機械3の動作情報について処理を終えたと判断した場合(ステップS132でYES)、処理をステップS133へ移行させる。
【0065】
CPU11はユニット4の動作情報に対応する第2閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS133)。CPU11は機械IDに対応する各ユニット4のMISを読み出す(ステップS134)。CPU11は当該機械IDのMISに対応するAMISがステップS131により、第1異常情報を記述されたか否かを判断する(ステップS1340)。なお、CPU11は対応するAMISが第1閾値を超えるか否かにより判断しても良い。CPU11は第1異常情報が記述されていないと判断した場合(ステップS1340でNO)、処理をステップS135へ移行させる。
【0066】
CPU11は第2閾値を超えるMISが存在するか否かを判断する(ステップS135)。CPU11は第2閾値を超えるMISが存在すると判断した場合(ステップS135でYES)、処理をステップS136へ移行させる。CPU11は報告書の機械IDに対応するAMISの数字に第2異常情報を記述する(ステップS136)。CPU11は第2閾値を超えるMISが存在しないと判断した場合(ステップS135でNO)、ステップS136の処理をスキップする。またステップS1340において、CPU11は対応するAMISに第1異常情報が記述されたと判断した場合(ステップS1340でYES)、処理をステップS137に移行させる。
【0067】
CPU11は機械ID及びユニットIDに対応するユニット4の動作情報を工場別ファイル151から読み出す(ステップS137)。CPU11はユニット4の動作情報に対応する第3閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS138)。CPU11はユニット4の動作情報は第3閾値を超えるか否かを判断する(ステップS139)。CPU11はユニット4の動作情報が第3閾値を超えると判断した場合(ステップS139でYES)、ステップS141へ移行する。CPU11は報告書の機械ID、ユニットID
及びユニット4の動作情報の数字に第3異常情報を記述する(ステップS141)。
【0068】
CPU11はユニット4の動作情報は第3閾値を超えないと判断した場合(ステップS139でNO)、ステップS141の処理をスキップする。CPU11は全てのユニット4の動作情報について処理を終了したか否かを判断する(ステップS142)。CPU11は全てのユニット4の動作情報について処理を終了していないと判断した場合(ステップS142でNO)、処理をステップS138に戻す。例えば、図10においてMUPのみ処理が終了している場合、続いてMLCに対する処理が実行される。
【0069】
CPU11は全てのユニット4の動作情報について処理を終了したと判断した場合(ステップS142でYES)、処理をステップS143へ移行させる。CPU11は記憶部15から評価値算出式を読み出す(ステップS143)。CPU11は機械IDに対応するAMIS、YLW、STBを工場別ファイル151から読み出す(ステップS144)。CPU11は機械ID及び工場別ファイル151を参照し、一の機械ID内に稼働率が0でないユニット4の数を計数する(ステップS145)。CPU11は評価値算出式にステップS144で読み出した値及びステップS145で計数した値を代入し、評価値を算出する(ステップS146)。
【0070】
CPU11は機械IDに対応づけて工場別ファイル151に評価値を記憶する(ステップS147)。CPU11は全ての機械IDについて、ステップS147の処理を終了したか否かを判断する(ステップS148)。CPU11は全ての機械IDについて、処理を終了していないと判断した場合(ステップS148でNO)、処理をステップS144へ戻す。これにより、全ての機械IDに対する評価値が工場別ファイル151に記憶される。CPU11は全ての機械IDに対する処理を終了したと判断した場合(ステップS148でYES)、処理をステップS149へ移行させる。
【0071】
CPU11は算出した機械ID及び評価値を報告書に記述する(ステップS149)。CPU11は機械ID及び評価値に基づき、グラフを作成する(ステップS1410)。CPU11はグラフを報告書に貼り付けることで、報告書を生成する(ステップS1411)。CPU11は工場IDに対応する電子メールアドレスをアドレスファイル152から読み出す(ステップS1412)。CPU11は読み出した電子メールアドレス宛に、報告書を電子メールに添付して送信する(ステップS1413)。なお、電子メール本文にHTML形式により報告書を直接記入しても良い。これにより、各工場の担当者はユニット4及び繊維機械3の複数の動作情報及び評価値に基づき、状況を適切に判断することが可能となる。
【0072】
実施の形態2
実施の形態2は相対評価を行う形態に関する。図16は実施の形態2に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15に新に評価値ファイル154及び評価値対策ファイル155が設けられている。図17は評価値ファイル154のレコードレイアウトを示す説明図である。評価値ファイル154は工場IDフィールド、地域IDフィールド及び平均評価値フィールドを含む。地域IDフィールドには、繊維機械3が設置された工場の地域を特定するための地域識別情報(以下、地域IDという)が工場IDに対応づけて記憶されている。地域IDは例えば、国内を分割した際に付与されるID、国(日本、中国、アメリカ、ドイツ、ブラジル等)を特定する国のID、または、東南アジア地域、北米地域、南米地域等、世界を数カ所に分けた際に付与されるID等が該当する。
【0073】
平均評価値フィールドには、工場IDに対応づけて評価値の平均値が記憶されている。CPU11は工場別ファイル151に記憶した評価値を工場ID別に読み出す。CPU11は工場ID別に評価値の合計値を算出し、機械ID数で除すことで、平均評価値を算出する。CPU11は工場IDに対応づけて平均評価値を記憶する。
【0074】
図18は評価値対策ファイル155のレコードレイアウトを示す説明図である。評価値対策ファイル155は地域IDフィールド及び対策フィールド等を含む。対策フィールドには、地域IDに対応づけて複数の対策(対策情報)が記憶されている。具体的には、評価値の値が芳しくない場合にユーザが取り得る複数の対策が記憶されている。例えば対策は、テキストデータ、テキストデータと画像、テキストデータと動画等により構成される。なお、本実施形態では説明を容易にするために、4つの対策をテキストデータにより提供する例を挙げて説明するがこれに限るものではない。対策は複数存在すればよい。また本実施形態では地域IDに対応づけて相互に異なる対策を評価値対策ファイル155に記憶する例を挙げたが、これに限るものではない。全地域に対し、同一の複数の対策を評価値対策ファイル155に記憶するようにしても良い。
【0075】
CPU11は報告書に工場IDに対応する工場名、平均評価値及び順位を記述する。図19A及び図19Bは報告書のイメージを示す説明図である。図19Aは全工場に対する位置づけを、グラフを用いて示している。横軸は工場、縦軸は平均評価値である。CPU11は評価値ファイル154を参照し、平均評価値の高いもの順にソートし、工場ID別に順位を付与する。CPU11はソートした順に従い工場の平均評価値をグラフにプロットする。なお、本実施形態では棒グラフとしているが、折れ線グラフであっても良い。またCPU11は、報告対象となる工場名、工場IDに対応する順位及び平均評価値を報告書に記述する。図19Aの例では、横軸に工場IDに対応する順位、縦軸に平均評価値を記載すると共に、工場IDに対応するグラフの系列を他の工場IDに係る系列とは相違するよう表示している。図19Aの例では、工場Aについての報告書が示されており、工場Aの平均評価値は250であり、順位は280位であることが理解できる。
【0076】
図19Bは地域別の位置づけを、グラフを用いて示している。CPU11は評価値ファイル154を参照し、報告対象となる工場IDの地域IDと同一の地域IDを有する工場ID及び平均評価値を抽出する。CPU11は抽出した工場ID及び平均評価値に基づき、平均評価値の高いもの順にソートし、工場ID別に地域内の順位を付与する。CPU11はソートした順に従い工場の平均評価値をグラフにプロットする。またCPU11は報告対象となる工場名、工場IDに対応する順位、地域ID、及び、平均評価値を報告書に記述する。図19Bの例では、工場Aについての地域内での報告書が示されており、平均評価値は250であり、順位は地域内で20位であることが理解できる。
【0077】
CPU11は記憶部15から閾順位を読み出す。この閾順位は例えば、250と記憶されている。なお、CPU11は全工場数に所定値(例えば0.95)を乗じた数を閾順位としても良い。図20は対策が記述された報告書のイメージを示す説明図である。CPU11は報告対象の工場の順位が閾順位以下の場合、評価値対策ファイル155及び工場の地域IDを参照し、対応する対策を読み出す。CPU11は報告書に複数の対策を記述する。
【0078】
図21及び図22は順位表示処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は工場別ファイル151から工場ID別に評価値を読み出す(ステップS211)。CPU11は評価値の合計値及び機械ID数に基づき平均評価値を算出する(ステップS212)。具体的には、CPU11は工場IDに係る評価値の合計値を求め、合計値を機械ID数で除すことで平均評価値を算出する。CPU11は報告書の生成対象となる工場(以下、場合により対象工場という)の地域IDを記憶部15から読み出す(ステップS213)。CPU11は工場IDに対応づけて読み出した地域ID及び平均評価値を評価値ファイル154に記憶する(ステップS214)。
【0079】
CPU11は評価値ファイル154について、平均評価値を高い順にソートする(ステップS215)。CPU11は工場IDに対応づけて工場名をアドレスファイル152から読み出す(ステップS216)。CPU11は対象工場名、工場IDに対応する平均評価値及び全体順位を報告書に記述する(ステップS217)。さらにCPU11は全ての工場IDの平均評価値を読み出し、平均評価値の順位に従い、グラフを作成すると共に、作成したグラフを報告書に貼り付ける(ステップS218)。CPU11は対象工場の工場IDに対応する系列(平均評価値)を着色処理する(ステップS219)。具体的には他の工場IDに対応する系列とは相違することが視認できるよう着色処理する。
【0080】
CPU11は対象工場の工場IDに対応する地域IDを評価値ファイル154から抽出する(ステップS221)。CPU11は抽出した地域ID以外の相違する地域IDに係るレコードを評価値ファイル154から消去する(ステップS222)。CPU11は消去後の評価値ファイル154について、平均評価値を高い順にソートする(ステップS223)。CPU11は対象工場名、工場IDに対応する平均評価値及び地域の順位を報告書に記述する(ステップS224)。さらにCPU11は評価値ファイル154に記憶された同地域内の工場IDの平均評価値を読み出し、平均評価値の順位に従い、グラフを作成すると共に、作成したグラフを報告書に貼り付ける(ステップS225)。CPU11は対象工場の工場IDに対応する系列(平均評価値)を着色処理する(ステップS226)。
【0081】
CPU11は記憶部15から閾順位を読み出す(ステップS227)。CPU11はステップS217で記述した対象工場の全体順位は閾順位以下か否かを判断する(ステップS228)。なお、本実施形態では全体順位が閾順位以下であることを条件としたがこれに限るものではない。CPU11はステップS225で記述した対象工場の地域順位が閾順位以下か否かを判断しても良い。CPU11は全体順位が閾順位以下でないと判断した場合(ステップS228でNO)、処理を終了する。
【0082】
CPU11は全体順位が閾順位以下であると判断した場合(ステップS228でYES)、処理をステップS229へ移行させる。CPU11は閾順位以下であると判断した工場IDを抽出する(ステップS229)。CPU11はアドレスファイル152を参照し、工場IDに対応する工場名を読み出す(ステップS2291)。CPU11は評価値ファイル154を参照し、工場IDに対応する地域IDを読み出す。CPU11は対象工場の地域IDに対応する複数の対策(第1対策情報)を評価値対策ファイル155から読み出す(ステップS2292)。CPU11は読み出した対策及び工場名(工場IDでもよい)を報告書に記述する(ステップS2293)。これにより、報告書が生成される。なお、報告書の送信処理については実施の形態1で述べたとおりであるので説明は省略する。これにより各企業は自社工場に導入した繊維機械3の相対的な評価を把握することが可能となる。また、順位が低い場合は複数の対策を提示することで、より適切に繊維機械3を使用することが可能となる。また地域により、湿度、温度、使用する糸の品質が相違するところ、地域に応じた順位及び対策を提供することで、より適切な繊維機械3の使用方法をユーザに提供することが可能となる。
【0083】
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0084】
実施の形態3
実施の形態3は選択された対策の統計を利用する形態に関する。図23は実施の形態3に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15に新に統計ファイル156が格納されている。図24は統計ファイル156のレコードレイアウトを示す説明図である。統計ファイル156は地域IDフィールド、対策フィールド、選択数フィールド、及び選択率フィールド等を含む。地域IDフィールド及び対策フィールドは上述したとおりである。対策フィールドには、地域IDに対応づけて複数の対策(第1対策情報)が記憶されている。具体的には、各対策を特定するための対策識別情報(以下、対策ID)に対応づけて、評価値が低い場合に採用すべき対策が記憶されている。
【0085】
選択数フィールド及び選択率フィールドには、統計情報としての選択数及び選択率が記憶されている。選択数フィールドには地域ID及び対策に対応づけて、パーソナルコンピュータ20から送信された対策ID(第1対策情報識別情報)の数が記憶されている。すなわち、パーソナルコンピュータ20に複数の対策が送信され、パーソナルコンピュータ20から選択された一の対策を特定するための対策IDの数が記憶されている。図24の例では、対策1〜対策4までが送信され、対策1が選択された選択数は250、対策2が選択された選択数は35と記憶されている。この選択数は、選択された対策IDが送信される度にインクリメントされる。
【0086】
地域IDがSの対策1に係る対策IDが送信された場合、地域IDがS、対策1に対応する選択数をインクリメントする。選択率フィールドには、地域ID内における全選択数の内、一の対策が選択された数の割合が記憶されている。CPU11は選択数がインクリメントされた場合、各対策についての選択数を、選択数の合計値で除し、100を乗じることで選択率を算出する。具体的には、CPU11は選択数がインクリメントされた場合、各対策IDに対応する選択数を読み出し、合計値を算出する。CPU11は一の対策IDに係る選択数を、合計値で除し、100を乗じて選択率を算出する。CPU11は同様の処理を他の対策IDについても繰り返し実行する。CPU11は算出した選択率を地域ID、対策、及び選択数に対応づけて統計ファイル156に記憶する。
【0087】
図25は報告書のイメージを示す説明図である。本実施形態において報告書はHTML形式により作成した例を挙げて説明する。CPU11は各対策近傍に対策を選択するためのチェックボックス251Aを対策ID及び対策に対応づけて記述する。CPU11は対策ID及び対策に対応する選択率を、統計ファイル156から読み出し、対策に対応づけて記述する。なお、本実施形態では送信された対策ID数に基づき算出される選択率を、統計情報として、記述する例を挙げたがこれに限るものではない。CPU11は選択率に代えて、送信された対策ID数、つまり選択数を統計情報としても良い。また、CPU11は送信された対策ID数に基づき算出される選択率及び選択数を統計情報としても良い。また、CPU11は対策IDを送信するためのレポートするボタン252を報告書に記述する。CPU11はレポートするボタン252を記述する。CPU11はレポートするボタン252のクリックによりサーバコンピュータ1へ選択された対策IDを送信するプログラムを報告書に記述する。サーバコンピュータ1のCPU11は対策IDが送信された場合、統計ファイル156の対策IDに対応する選択数をインクリメントする。
【0088】
図26は選択率を記述する処理手順を示すフローチャートである。ステップS2291の処理後以下の処理を行う。なお、説明を容易にするために地域IDがSであることを前提に、また、パーソナルコンピュータ20から送信されたID及びパスワードについての認証が完了しており、対象工場に係るパーソナルコンピュータ20とサーバコンピュータ1との間でセッションが既に確立しているものとして説明する。サーバコンピュータ1のCPU11は複数の対策ID、複数の対策、レポートするボタン252を報告書に記述する(ステップS261)。CPU11はチェックボックス251Aを対策ID及び対策に対応づけて報告書に記述する(ステップS262)。CPU11は対策ID及び対策に対応する選択率を統計ファイル156から読み出す(ステップS263)。
【0089】
CPU11は対策に対応づけて読み出した選択率を報告書に記述する(ステップS264)。CPU11は以上の処理により生成された報告書をパーソナルコンピュータ20へ送信する(ステップS265)。パーソナルコンピュータ20は報告書を受信し(ステップS266)、図示しないディスプレイに表示する(ステップS267)。パーソナルコンピュータ20は図示しない入力部から受け付けた対策IDをサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS268)。具体的にはパーソナルコンピュータ20は図示しない入力部から、チェックボックス251Aを介して選択された対策IDを、レポートするボタン252のクリックをトリガに、サーバコンピュータ1へ送信する。
【0090】
サーバコンピュータ1のCPU11はパーソナルコンピュータ20から送信された対策IDを、通信部16を介して受信する(ステップS269)。CPU11は統計ファイル156を参照し、対策IDに対応する選択数をインクリメントする(ステップS2611)。CPU11は地域ID内における選択数の合計値を算出する(ステップS2612)。CPU11は選択数を選択数の合計値で除すことで、選択率を算出する(ステップS2613)。CPU11は地域ID内における全ての選択数について選択率を算出する。CPU11は算出後の選択率を対策IDに対応づけて更新する(ステップS2614)。これにより、工場におけるユーザの様々な経験に基づき、問題時における対策のノウハウが蓄積される。
【0091】
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0092】
実施の形態4
実施の形態4は動作情報に基づく対策を提供する形態に関する。図27は実施の形態4に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15に新に動作情報ファイル157及び動作対策ファイル158が設けられている。図28は動作情報ファイル157のレコードレイアウトを示す説明図である。動作情報ファイル157は工場IDフィールド、地域IDフィールド、平均AMISフィールド、平均YLWフィールド及び平均STBフィールドを含む。工場IDフィールド及び地域IDフィールドは上述したとおりであるので詳細な説明は省略する。
【0093】
平均AMISフィールドには、工場ID及び地域IDに対応づけて工場内の繊維機械3のAMISの平均値が記憶されている。CPU11は工場別ファイル151を参照し、工場ID毎にAMISの平均値を算出する。具体的には、CPU11は工場IDに係るAMISの合計値を機械ID数で除すことでAMISの平均値(以下平均AMISという)を算出する。CPU11は工場IDに対応づけて平均AMISを動作情報ファイル157に記憶する。
【0094】
平均YLWフィールドには、工場ID及び地域IDに対応づけて工場内の繊維機械3のYLWの平均値が記憶されている。CPU11は工場別ファイル151を参照し、工場ID毎にYLWの平均値を算出する。具体的には、CPU11は工場IDに係るYLWの合計値を機械ID数で除すことでYLWの平均値(以下平均YLWという)を算出する。CPU11は工場IDに対応づけて平均YLWを動作情報ファイル157に記憶する。平均STBフィールドには、工場ID及び地域IDに対応づけて工場内の繊維機械3のSTBの平均値が記憶されている。CPU11は工場別ファイル151を参照し、工場ID毎にSTBの平均値を算出する。具体的には、CPU11は工場IDに係るSTBの合計値を機械ID数で除すことでSTBの平均値(以下平均STBという)を算出する。CPU11は工場IDに対応づけて平均STBを動作情報ファイル157に記憶する。なお、本実施形態では説明を容易にするために、SEFの記載は省略している。
【0095】
図29は動作対策ファイル158のレコードレイアウトを示す説明図である。動作対策ファイル158は地域IDフィールド、平均AMIS対策フィールド、平均YLW対策フィールド及び平均STB対策フィールド等を含む。平均AMIS対策フィールドには、地域IDに対応づけて、MISを低減するための複数の対策(第2対策情報)が、対策ID(第2対策情報識別情報)と共に記憶されている。例えば対策ID1として、「レバーの設定位置を確認して下さい。・・・」等のテキスト及び図面が記憶されている。同様に平均YLW対策フィールドには地域IDに対応づけてYLWを低減するための複数の対策(第2対策情報)が、対策IDと共に記憶されている。また平均STB対策フィールドにはSTBを低減するための複数の対策(第2対策情報)が、対策ID共に、記憶されている。なお、平均AMIS対策、平均YLM対策及び平均STB対策は相互に異ならせるほか、一部共通のものとしても良い。また本実施形態では地域別に記憶しているが、共通としても良い。本実施形態では地域IDがTの場合、対策IDが11の対策は平均AMISに関し、「詰まっている糸くず・・」となる。
【0096】
CPU11は平均評価値の全体順位は閾順位を超えるが、平均評価値を算出する際に用いる複数の動作情報の工場全体平均値に係る順位が閾順位以下の場合には、閾順位以下の動作情報及び対策を以下のとおり報告書に含める。本実施形態では平均評価値を算出する際に用いる複数の動作情報として、AMIS、YLW及びSTBの3つであるものとし、また平均AMISの順位が閾順位以下であった例を挙げて説明する。
【0097】
CPU11は報告書に工場IDに対応する工場名、平均AMIS及び順位を記述する。図30A及びBは報告書のイメージを示す説明図である。図30Aは全工場に対する、位置づけグラフで示す。横軸は工場、縦軸は平均AMISである。CPU11は動作情報ファイル157を参照し、平均AMISの低いもの順にソートし、工場ID別に順位を付与する。CPU11はソートした順に従い工場の平均AMISをグラフにプロットする。またCPU11は工場IDに対応する順位及び平均AMISを報告書に記述する。図30の例では、横軸に工場IDに対応する順位、縦軸に平均AMISを記載すると共に、工場IDに対応するグラフの系列を他の工場IDに係る系列とは相違するよう表示している。図30Aの例では、平均AMISは15であり、順位は280位であることが理解できる。
【0098】
図30Bは地域別の位置づけを、グラフで示す。CPU11は動作情報ファイル157を参照し、報告対象となる工場IDの地域IDと同一の地域IDを有する工場ID及び平均AMISとを抽出する。CPU11は抽出した工場ID及び平均AMISに基づき、平均AMISの低いもの順にソートし、工場ID別に順位を付与する。CPU11はソートした順に従い工場の平均AMISをグラフにプロットする。またCPU11は工場IDに対応する順位、地域ID、及び、平均AMISを報告書に記述する。図30Bの例では、平均AMISは15であり、順位は地域内で20位であることが理解できる。
【0099】
図31は対策が記述された報告書のイメージを示す説明図である。CPU11は工場IDに係る地域IDに対応する平均AMIS対策を読み出す。CPU11は報告書に読み出した複数の対策を記述する。
【0100】
図32は平均AMISの算出処理手順を示すフローチャートである。CPU11は工場別ファイル151を参照し、一の工場内の各機械IDに対応するAMISの合計値を算出する(ステップS311)。CPU11はAMISの合計値を機械ID数で除算し、平均AMISを算出する(ステップS312)。CPU11は工場ID及び地域IDに対応づけて平均AMISを動作情報ファイル157に記憶する(ステップS313)。CPU11は全ての工場IDについて以上の処理を終了したか否かを判断する(ステップS314)。
【0101】
CPU11は全ての工場IDについて処理を終了していないと判断した場合(ステップS314でNO)、処理をステップS311へ戻す。これにより、全ての工場IDに対する平均AMISが算出される。CPU11は全ての工場IDについて処理を終了したと判断した場合(ステップS314でYES)、処理を終了する。なお、以上の処理は他の動作情報である、YLW及びSTBについても同様に実行すればよい。
【0102】
図33及び図34は動作情報に基づく対策記述処理の手順を示すフローチャートである。CPU11はステップS228でNOの場合、すなわち、平均評価値は閾順位よりも高い場合に以下の処理を行う。なお、本実施形態ではステップS228でNOの場合に処理を行う例を挙げて説明するが、ステップS228でYESの場合にも並行して実行しても良い。CPU11は報告書の作成対象となる対象工場の平均AMISを動作情報ファイル157から読み出す(ステップS321)。CPU11は動作情報ファイル157から全ての工場ID及び平均AMISを読み出す(ステップS322)。
【0103】
CPU11は平均AMISの低い順にソートし、工場IDに順位を設定する(ステップS323)。CPU11は記憶部15から閾順位を読み出す。なお、本実施形態で読み出す順位と、ステップS227で読み出す順位は異ならせても良い。CPU11は対象工場の順位は閾順位以下であるか否かを判断する(ステップS324)。CPU11は対象工場の順位が閾順位以下でないと判断した場合(ステップS324でNO)、処理を終了する。CPU11は閾順位以下であると判断した場合(ステップS324でYES)、処理をステップS325へ移行させる。
【0104】
CPU11は工場IDに対応する対象工場名をアドレスファイル152から読み出す(ステップS325)。CPU11は対象工場名、工場IDに対応する平均AMIS及び全体順位を報告書に記述する(ステップS326)。さらにCPU11は全ての工場IDの平均AMISを読み出し、平均AMISの順位に従い、グラフを作成すると共に、作成したグラフを報告書に貼り付ける(ステップS327)。CPU11は対象工場の工場IDに対応する系列(平均AMIS)を着色処理する(ステップS328)。具体的には他の工場IDに対応する系列とは相違することが視認できるよう着色処理する。
【0105】
CPU11は対象工場の工場IDに対応する地域IDを評価値ファイル154から抽出する(ステップS329)。CPU11は抽出した地域ID以外の相違する地域IDに係るレコードを動作情報ファイル157から消去する(ステップS331)。CPU11は消去後の動作情報ファイル157について、平均AMISの低い順にソートする(ステップS332)。CPU11は対象工場名、工場IDに対応する平均AMIS及び地域の順位を報告書に記述する(ステップS333)。さらにCPU11は動作情報ファイル157に記憶された同地域内の工場IDの平均AMISを読み出し、平均AMISの順位に従い、グラフを作成すると共に、作成したグラフを報告書に貼り付ける(ステップS334)。CPU11は対象工場の工場IDに対応する系列(平均AMIS)を着色処理する(ステップS335)。
【0106】
CPU11は地域IDに対応する複数の平均AMIS対策を動作対策ファイル158から読み出す(ステップS336)。CPU11は報告書に複数の平均AMIS対策を記述する(ステップS337)。なお、以上の処理は他の動作情報である、YLW及びSTBについても同様に実行すればよい。これにより、平均評価値に基づく順位が高くとも、平均評価値を構成するいずれかの動作情報に基づく順位が低い場合に、適切に状況及び対策をユーザに提供することが可能となる。
【0107】
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1から3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0108】
実施の形態5
実施の形態5は動作情報に基づく対策の統計を提供する形態に関する。図35は実施の形態5に係る統計ファイル156のレコードレイアウトを示す説明図である。統計ファイル156は、平均評価値、平均AMIS、平均YLW、平均STB毎に、地域IDフィールド、対策フィールド、選択数フィールド、及び選択率フィールド等を含む。各レコードの内容は実施の形態3で説明したとおりであるので詳細な説明は省略する。図35では平均AMISに関する選択数及び選択率(統計情報)が示されている。平均AMISの対策として4つの対策IDに対応づけて4つの対策が記憶されている。以下では平均AMISを例に挙げて説明する。
【0109】
図36は報告書のイメージを示す説明図である。本実施形態において報告書はHTML形式により作成した例を挙げて説明する。CPU11は各対策近傍に対策(第2対策情報)を選択するためのチェックボックス251Aを対策に対応づけて記述する。CPU11は対策に対応する選択率を、統計ファイル156から読み出し、対策に対応づけて記述する。なお、本実施形態では選択率を記述する例を挙げたがこれに限るものではない。選択率に代えて、選択数を記述しても良い。また、選択率と共に、選択数を記述しても良い。CPU11は対策IDを送信するためのレポートするボタン252を報告書に記述する。CPU11はレポートするボタン252を記述する。CPU11はレポートするボタン252のクリックによりサーバコンピュータ1へ選択された対策IDを送信するプログラムを報告書に記述する。サーバコンピュータ1のCPU11は対策IDが送信された場合、統計ファイル156の対策IDに対応する選択数をインクリメントする。
【0110】
図37は選択率を記述する処理手順を示すフローチャートである。ステップS337の処理後以下の処理を行う。サーバコンピュータ1のCPU11は複数の対策ID、複数の対策、レポートするボタン252を報告書に記述する(ステップS371)。CPU11はチェックボックス251Aを対策に対応づけて報告書に記述する(ステップS372)。CPU11は対策ID、及び、対策に対応する選択率を統計ファイル156から読み出す(ステップS373)。
【0111】
CPU11は対策に対応づけて読み出した選択率を報告書に記述する(ステップS374)。CPU11は以上の処理により生成された報告書をパーソナルコンピュータ20へ送信する(ステップS375)。パーソナルコンピュータ20は報告書を受信し(ステップS376)、図示しないディスプレイに表示する(ステップS377)。パーソナルコンピュータ20は図示しない入力部から受け付けた対策IDをサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS378)。具体的にはパーソナルコンピュータ20は図示しない入力部から、チェックボックス251Aを介して選択された対策IDを、レポートするボタン252のクリックをトリガに、サーバコンピュータ1へ送信する。
【0112】
サーバコンピュータ1のCPU11はパーソナルコンピュータ20から送信された対策IDを、通信部16を介して受信する(ステップS379)。CPU11は統計ファイル156を参照し、対策IDに対応する選択数をインクリメントする(ステップS3711)。CPU11は地域ID内における選択数の合計値を算出する(ステップS3712)。CPU11は選択数を選択数の合計値で除すことで、選択率を算出する(ステップS3713)。CPU11は地域ID内における全ての選択数について選択率を算出する。CPU11は算出後の選択率を対策IDに対応づけて更新する(ステップS3714)。これにより、動作情報に対しても工場におけるユーザの様々な経験に基づき、問題時における対策のノウハウが蓄積される。
【0113】
本実施の形態5は以上の如きであり、その他は実施の形態1から4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0114】
実施の形態6
実施の形態6は部品情報を提供する形態に関する。図38は実施の形態6に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。新に対策部品ファイル159が設けられている。なお上述したとおり、記憶部15に記憶したファイルの構成及び各ファイルのデータレイアウトは一例でありこれに限るものではない。また各ファイルの一部または全部を他の記録媒体または通信網Nを介して接続されるデータベースサーバに記憶しても良い。
【0115】
図39は対策部品ファイル159のレコードレイアウトを示す説明図である。対策部品ファイル159は各動作情報に対応づけて、対策情報及び部品情報が記憶されている。CPU11は各動作情報に関し、異常と判断した場合に、対応する動作情報に係る問題を解決するための対策情報を対策部品ファイル159から読み出す。図40は対策情報のイメージを示す説明図である。例えばCPU11はMUPの値が異常と判断した場合、複数の対策を例えばテキスト、テキストと画像、またはテキストと動画等を含む情報を読み出し、報告書に記述する。
【0116】
またCPU11は各動作情報に関し、異常と判断した場合に、対応する動作情報に対応する部品情報を対策部品ファイル159から読み出す。図41は部品情報のイメージを示す説明図である。例えばCPU11はMUPの値が異常と判断した場合、交換の必要性が高い部品の情報及び配置を含むテキストと画像、またはテキストと動画等を含む情報を読み出し、報告書に記述する。なお、部品情報の内容は一例でありこれに限るものではない。CPU11は単に交換が必要な部品を特定するための情報を、テキスト文を用いて、報告書に記述しても良い。
【0117】
図42及び図43は対策及び部品情報の記述処理手順を示すフローチャートである。ステップS127以降以下の処理を実行する。CPU11は繊維機械3の動作情報に対応する第1閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS421)。CPU11は繊維機械3の動作情報が読み出した第1閾値を超えるか否かを判断する(ステップS422)。CPU11は超えると判断した場合(ステップS422でYES)、図8の如く、報告書の機械IDに対応する繊維機械3の動作情報に第1異常情報を記述する(ステップS423)。CPU11は動作情報に対応する対策情報及び部品情報を対策部品ファイル159から読み出す(ステップS424)。CPU11は読み出した対策情報及び部品情報を報告書に記述する(ステップS425)。CPU11は繊維機械3の動作情報が第1閾値を超えないと判断した場合(ステップS422でNO)、ステップS423〜S425の処理をスキップする。
【0118】
CPU11は全ての繊維機械3の動作情報についてステップS422の処理を終了したか否かを判断する(ステップS426)。CPU11は全ての繊維機械3の動作情報について処理を終了していないと判断した場合(ステップS426でNO)、処理をステップS421に戻す。CPU11は未だ処理が行われていない動作情報について処理を行う。例えば図8の例で、AMISについて処理を終えた場合、未処理のSEFについて処理を行う。CPU11は全ての繊維機械3の動作情報について処理を終えたと判断した場合(ステップS426でYES)、処理をステップS427へ移行させる。
【0119】
CPU11はユニット4の動作情報に対応する第2閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS427)。CPU11は機械IDに対応する各ユニット4のMISを読み出す(ステップS428)。CPU11は当該機械IDのMISに対応するAMISがステップS423により、第1異常情報を記述されたか否かを判断する(ステップS429)。CPU11は第1異常情報が記述されていないと判断した場合(ステップS429でNO)、処理をステップS431へ移行させる。
【0120】
CPU11は第2閾値を超えるMISが存在するか否かを判断する(ステップS431)。CPU11は第2閾値を超えるMISが存在すると判断した場合(ステップS431でYES)、処理をステップS432へ移行させる。CPU11は報告書の機械IDに対応するAMISの数字に第2異常情報を記述する(ステップS432)。CPU11はMISに対応する対策情報及び部品情報を対策部品ファイル159から読み出す(ステップS433)。CPU11は読み出した対策情報及び部品情報を報告書に記述する(ステップS434)。
【0121】
CPU11は第2閾値を超えるMISが存在しないと判断した場合(ステップS431でNO)、ステップS432〜S434の処理をスキップする。またステップS429において、CPU11は対応するAMISに第1異常情報が記述されたと判断した場合(ステップS429でYES)、処理をステップS435に移行させる。
【0122】
CPU11は機械ID及びユニットIDに対応するユニット4の動作情報を工場別ファイル151から読み出す(ステップS435)。CPU11はユニット4の動作情報に対応する第3閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS436)。CPU11はユニット4の動作情報は第3閾値を超えるか否かを判断する(ステップS437)。CPU11はユニット4の動作情報が第3閾値を超えると判断した場合(ステップS437でYES)、ステップS438へ移行する。CPU11は報告書の機械ID、ユニットID
及びユニット4の動作情報の数字に第3異常情報を記述する(ステップS438)。CPU11は動作情報に対応する対策情報及び部品情報を対策部品ファイル159から読み出す(ステップS439)。CPU11は読み出した対策情報及び部品情報を報告書に記述する(ステップS4310)。
【0123】
CPU11はユニット4の動作情報は第3閾値を超えないと判断した場合(ステップS437でNO)、ステップS438〜S4310の処理をスキップする。CPU11は全てのユニット4の動作情報について処理を終了したか否かを判断する(ステップS4311)。CPU11は全てのユニット4の動作情報について処理を終了していないと判断した場合(ステップS4311でNO)、処理をステップS436に戻す。例えば、図10においてMUPのみ処理が終了している場合、続いてMLCに対する処理が実行される。
【0124】
CPU11は全てのユニット4の動作情報について処理を終了したと判断した場合(ステップS4311でYES)、処理をステップS143へ移行させる。以降の処理は実施の形態1で述べたとおりであるので詳細な説明は省略する。これにより、ユーザは報告書を参照し、異常に対応する対策及び交換に必要な部品を早期に知ることが可能となる。
【0125】
本実施の形態6は以上の如きであり、その他は実施の形態1から5と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0126】
実施の形態7
実施の形態7は分散値を用いる形態に関する。図44は実施の形態7に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15に分散ファイル1510及び分散対策ファイル1511が記憶されている。図45は分散ファイル1510のレコードレイアウトを示す説明図である。分散ファイル1510は工場IDフィールド、地域IDフィールド及び分散フィールドを含む。分散フィールドには工場毎に評価値の分散が記憶されている。CPU11は工場別ファイル151から対象工場の機械IDに係る全ての評価値を読み出す。CPU11は各機械IDに係る評価値と平均評価値との差分の2乗を求め、全ての機械IDに係る2乗値の総和の平方根を分散として算出する。なお、総和を分散として用いても良い。CPU11は分散ファイル1510に工場IDに対応づけて分散を記憶する。
【0127】
図46は分散対策ファイル1511のレコードレイアウトを示す説明図である。分散対策ファイル1511は地域IDフィールド及び対策フィールド等を含む。地域IDに対応づけて分散を低減するための複数の対策が、対策IDに対応づけて記憶されている。なお、これら対策は上述した実施形態と同じくテキスト、テキスト及び画像、テキスト及び動画、またはテキスト及び音声とすればよい。CPU11は分散の小さい順に工場名をソートする。CPU11は閾順位以下の工場名を抽出する。図47は報告書のイメージを示す説明図である。CPU11は抽出した工場名の報告書に分散対策ファイル1511に記憶した複数の対策を記述する。
【0128】
図48は分散算出処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は対象工場の各機械IDに対応する評価値を工場別ファイル151から読み出す(ステップS481)。CPU11は全ての機械IDに係る評価値を加算し、機械ID数で除すことで、評価値の平均値を算出する(ステップS482)。CPU11は各機械IDに係る評価値と平均値との差分の2乗の総和を算出する(ステップS483)。CPU11は総和の平方根により分散を算出する(ステップS484)。CPU11は工場IDに対応づけて分散を分散ファイル1510に記憶する(ステップS485)。CPU11は以上の処理を全ての工場IDについて繰り返し行う。
【0129】
図49は分散及び対応情報の記述処理手順を示すフローチャートである。CPU11は分散ファイル1510を参照し、分散の小さい順にソートし、工場IDに順位を設定する(ステップS491)。具体的にはCPU11は工場IDと順位とを対応づけてRAM12に記憶する、CPU11はアドレスファイル152、分散ファイル1510を参照し、生成する報告書の対象工場の工場名、工場ID、地域ID及び分散を読み出す(ステップS492)。CPU11はステップS492で読み出した工場IDの順位をRAM12から取得する(ステップS493)。CPU11は記憶部15から閾順位(例えば100位)を読み出す(ステップS494)。CPU11は工場IDの順位が閾順位以下であるか否かを判断する(ステップS495)。
【0130】
CPU11は閾順位以下でないと判断した場合(ステップS495でNO)、処理を終了する。CPU11は閾値以下であると判断した場合(ステップS495でYES)、ステップS496へ移行する。CPU11はステップS492で読み出した地域IDに対応する対策情報を分散対策ファイル1511から読み出す(ステップS496)。CPU11は報告書にステップS492で読み出した分散、ステップS493で取得した順位及びステップS496で読み出した対策情報を記述する(ステップS497)。これにより、繊維機械3間で評価値にばらつきがあることをユーザに通知でき、また適切な対策を提供することが可能となる。
【0131】
本実施の形態7は以上の如きであり、その他は実施の形態1から6と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0132】
実施の形態8
図50は上述した形態のサーバコンピュータ1の動作を示す機能ブロック図である。CPU11が制御プログラム15P等を実行することにより、サーバコンピュータ1は以下のように動作する。なお、記憶部15に記憶した各種ファイルの記載は省略している。CPU11は制御プログラム15Pのモジュールに係る受信部51、記憶処理部52、異常判断部53、生成部54、算出部55、平均算出部56、ソート部57、抽出部58、読み出し部59及び動作平均算出部60をRAM12に展開する。CPU11は制御プログラム15Pのモジュールに係る動作ソート部61、動作抽出部62、第2対策読み出し部63、部品情報抽出部64、送信部65、第1受信部66、計数部67、統計算出部68、第2受信部69及び分散算出部70をRAM12に展開する。
【0133】
受信部51は工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械3を特定するための機械識別情報、及び、繊維機械3に制御される複数のユニット4を特定するユニット識別情報と、繊維機械3及びユニット4の動作状況に関する複数の動作情報を受信する。記憶処理部52は受信部51により受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて記憶部15に記憶する。異常判断部53は記憶部15に記憶した動作情報が閾値を超える場合に異常と判断する。生成部54は工場識別情報別に、各繊維機械3及び該繊維機械3のユニット4の動作情報と、異常判断部53により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を生成する。
【0134】
算出部55は、記憶部15に記憶した複数の動作情報に基づき各工場の繊維機械3毎の評価値を算出する。平均算出部56は、算出部55により算出した各工場の繊維機械3毎の評価値に基づき、各工場の繊維機械3全体に係る平均評価値を算出する。ソート部57は平均算出部56により算出した平均評価値の値順に工場別にソートする。抽出部58はソート部57により順位が記憶部15に記憶した順位以下の工場の工場識別情報を抽出する。読み出し部59は評価値に対応づけて複数の第1対策情報を記憶した記憶部15を参照し、複数の第1対策情報を読み出す。動作平均算出部60は記憶部15から複数の動作情報を読み出し、各工場の繊維機械3全体に係る動作情報毎の平均値を算出する。
【0135】
動作ソート部61は動作平均算出部60により算出した各動作情報に係る平均値の値順に工場別にソートする。動作抽出部62は動作ソート部61により順位が記憶部15に記憶した順位以下の工場識別情報を抽出する。第2対策読み出し部63は複数の動作情報別に複数の対策情報を記憶した記憶部15を参照し、前記抽出部により抽出した動作情報に対応する複数の第2対策情報を読み出す。部品情報抽出部64は、動作情報に対応づけて部品情報を記憶した記憶部15を参照し、前記異常判断部53により、動作情報が異常と判断した場合に、前記動作情報に対応する部品情報を抽出する。
【0136】
送信部65は、報告情報を工場識別情報に対応するアドレスへ送信する。第1受信部66は、複数の第1対策情報から選択された第1対策情報を特定する第1対策情報識別情報を受信する。計数部67は第1受信部66により受信した第1対策情報識別情報の数を計数する。統計算出部68は計数部67により計数した第1対策情報識別情報の数に基づき、統計情報を算出する。第2受信部69は、動作情報に対応する複数の第2対策情報から選択された第2対策情報を特定する第2対策情報識別情報を受信する。分散算出部70は算出部55により算出した各工場の繊維機械3毎の評価値に基づき、各工場の繊維機械3全体に係る分散を算出する。
【0137】
図51は実施の形態8に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。サーバコンピュータ1を動作させるためのプログラムは、ディスクドライブ等の読み取り部10AにCD-ROM、DVD(DigitalVersatile Disc)ディスクまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体1Aを読み取らせて記憶部15に記憶しても良い。また当該プログラムを記憶したフラッシュメモリ等の半導体メモリ1Bを情報処理装置1内に実装しても良い。さらに、当該プログラムは、インターネット等の通信網Nを介して接続される他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードすることも可能である。以下に、その内容を説明する。
【0138】
図51に示すサーバコンピュータ1は、上述した各種ソフトウェア処理を実行するプログラムを、可搬型記録媒体1Aまたは半導体メモリ1Bから読み取り、或いは、通信網Nを介して他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードする。当該プログラムは、制御プログラム15Pとしてインストールされ、RAM12にロードして実行される。これにより、上述したサーバコンピュータ1として機能する。
【0139】
本実施の形態8は以上の如きであり、その他は実施の形態1から7と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0140】
実施の形態9
実施の形態9は閾値を変更する形態に関する。CPU11は工場内の全機械に係る動作情報の平均値に基づいて、閾値を変更させる。図52は実施の形態9に係る閾値ファイル153のレコードレイアウトを示す説明図である。閾値ファイル153には動作情報の平均値の幅に応じて閾値が記憶されている。例えば、平均AMISについては、平均AMISが0以上5未満の場合、第1閾値は8、平均AMISが5以上10未満の場合、第1閾値は12、平均AMISが11以上の場合、第1閾値は15と記憶されている。すなわち、閾値ファイル153には、工場内の全機械の動作情報の平均値の増減に応じて、閾値が増減するよう値が記憶されている。
【0141】
また、平均AMISについては、平均MUPが0以上1未満の場合、第3閾値は3、平均MUPが1以上3未満の場合、第3閾値は5、平均MUPが3以上の場合、第3閾値は7と記憶されている。なお、他の動作情報についても同様に工場内の全機械の動作情報の平均値の増減応じて増減する閾値を記憶しておけばよい。すなわち、平均SEF、平均YLW、平均STBの値の増減に応じて増減する第1閾値及び第2閾値を閾値ファイル153に記憶しておく。同様に、平均MLC、平均MLW、平均MSL、平均MSM及び平均MISの値の増減に応じて増減する第3閾値を閾値ファイル153に記憶する。
【0142】
また本実施形態では予め閾値ファイル153に全機械の動作情報の平均値に対応する閾値を記憶しておく例を示したがこれに限るものではない。平均値の増減にあわせて増減する係数を基準となる閾値に乗算、若しくは、加算または減算しても良い。例えば平均AMISが5以上10未満の場合基準となる閾値12を用いる。平均AMISが増加し11以上となった場合、基準となる閾値に1.1を乗じる。または基準となる閾値に3を加算する。また、平均AMISが減少し0以上5未満の場合基準となった場合、基準となる閾値に0.9を乗じる。または基準となる閾値から3を加算する。
【0143】
図53は閾値の読み出し処理手順を示すフローチャートである。ステップS128、S133、または、S138の第1閾値、第2閾値、または第3閾値の読み出しに際しては、以下の処理を実行しても良い。CPU11は工場別ファイル151から全機械の動作情報を読み出す(ステップS531)。CPU11は読み出した全機械の動作情報の平均値を算出する(ステップS532)。CPU11は動作情報の平均値に対応する第1閾値、第2閾値または第3閾値を閾値ファイル153から読み出す(ステップS533)。これにより、工場内における繊維機械3の実績に応じて閾値が変更されるため、異常を報告する際の精度を向上させることが可能となる。
【0144】
本実施の形態9は以上の如きであり、その他は実施の形態1から8と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0145】
1 サーバコンピュータ
1A 可搬型記録媒体
1B 半導体メモリ
2 クライアントコンピュータ
3 繊維機械
4 ユニット
10A 読み取り部
11 CPU
12 RAM
13 入力部
14 表示部
15 記憶部
15P 制御プログラム
16 通信部
18 時計部
20 パーソナルコンピュータ
21 CPU
22 RAM
23 入力部
24 表示部
25 記憶部
25P 制御プログラム
26 通信部
28 時計部
30 制御装置
41 玉揚装置
42 支持部
43 供給装置
44 精紡ボビン
45 スプライサー
46 パッケージ
47 ユニット制御部
48 発光部
49 クリアラ
51 受信部
52 記憶処理部
53 異常判断部
54 生成部
55 算出部
56 平均算出部
57 ソート部
58 抽出部
59 読み出し部
60 動作平均算出部
61 動作ソート部
62 動作抽出部
63 第2対策読み出し部
64 部品情報抽出部
65 送信部
66 第1受信部
67 計数部
68 統計算出部
69 第2受信部
70 分散算出部
151 工場別ファイル
152 アドレスファイル
153 閾値ファイル
154 評価値ファイル
155 評価値対策ファイル
156 統計ファイル
157 動作情報ファイル
158 動作対策ファイル
159 対策部品ファイル
1510 分散ファイル
1511 分散対策ファイル
251 動作情報ファイル
251A チェックボックス
252 レポートするボタン
N 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される中央装置において、
工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械を構成する複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを受信する受信部と、
該受信部により受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて記憶部に記憶する記憶処理部と、
前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に異常と判断する異常判断部と、
工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を生成する生成部と
を備える中央装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶した複数の動作情報に基づき各工場の繊維機械毎の評価値を算出する算出部を備え、
前記生成部は、前記算出部により算出した評価値を含む報告情報を生成する
請求項1に記載の中央装置。
【請求項3】
前記算出部は、
記憶部に記憶した定数から、糸継ぎの成功率または失敗率に関する動作情報に予め記憶部に記憶した係数を乗じた値と、前記動作情報とは異なる動作情報に係数を乗じた値とを減じる
請求項2に記載の中央装置。
【請求項4】
前記算出部により算出した各工場の繊維機械毎の評価値に基づき、各工場の繊維機械全体に係る平均評価値を算出する平均算出部を備え、
前記生成部は、前記平均算出部により算出した平均評価値を含む報告情報を生成する
請求項2または3に記載の中央装置。
【請求項5】
前記平均算出部により算出した平均評価値の値順に工場別にソートするソート部と、
該ソート部により順位が記憶部に記憶した順位以下の工場の工場識別情報を抽出する抽出部と
を備える請求項4に記載の中央装置。
【請求項6】
評価値に対応づけて複数の第1対策情報を記憶した記憶部を参照し、複数の第1対策情報を読み出す読み出し部を備え、
前記生成部は、前記読み出し部により読み出した複数の第1対策情報及び前記抽出した工場の工場識別情報を含む報告情報を生成する
請求項5に記載の中央装置。
【請求項7】
前記記憶部から複数の動作情報を読み出し、各工場の繊維機械全体に係る動作情報毎の平均値を算出する動作平均算出部
を備える
請求項5または6に記載の中央装置。
【請求項8】
前記動作平均算出部により算出した各動作情報に係る平均値の値順に工場別にソートする動作ソート部と、
該動作ソート部により順位が記憶部に記憶した順位以下の工場識別情報を抽出する動作抽出部と
を備える請求項7に記載の中央装置。
【請求項9】
複数の第2対策情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の第2対策情報を読み出す第2対策読み出し部を備え、
前記生成部は、前記第2対策読み出し部により読み出した第2対策情報と、前記動作抽出部により抽出した工場識別情報とを含む報告情報を生成する
請求項8に記載の中央装置。
【請求項10】
動作情報に対応づけて部品情報を記憶した記憶部を参照し、前記異常判断部により、動作情報が異常と判断した場合に、前記動作情報に対応する部品情報を抽出する部品情報抽出部を備え、
前記生成部は、異常情報及び前記部品情報抽出部により抽出した部品情報を含む報告情報を生成する
請求項1から9のいずれか一つに記載の中央装置。
【請求項11】
前記報告情報を工場識別情報に対応するアドレス宛へ送信する送信部
を備える請求項1から10にいずれか一つ記載の中央装置。
【請求項12】
複数の第1対策情報から選択された第1対策情報を特定する第1対策情報識別情報を受信する第1受信部と、
該第1受信部により受信した第1対策情報識別情報の数を計数する計数部と、
該計数部により計数した第1対策情報識別情報の数に基づき、統計情報を算出する統計算出部とを備え、
前記生成部は、複数の第1対策情報及び前記統計算出部により算出した統計情報を含む報告情報を生成する
請求項11に記載の中央装置。
【請求項13】
動作情報に対応する複数の第2対策情報から選択された第2対策情報を特定する第2対策情報識別情報を受信する第2受信部と、
該第2受信部により受信した動作情報に対応する第2対策情報識別情報の数を計数する計数部と、
該計数部により計数した動作情報に対応する第2対策情報識別情報の数に基づき、動作情報毎の統計情報を算出する統計算出部とを備え、
前記生成部は、動作情報に対応する複数の第2対策情報及び前記統計算出部により算出した統計情報を含む報告情報を生成する
請求項11に記載の中央装置。
【請求項14】
前記算出部により算出した各工場の繊維機械毎の評価値に基づき、各工場の繊維機械全体に係る分散を算出する分散算出部を備え、
前記生成部は、前記分散算出部により算出した前記分散を含む報告情報を生成する
請求項2から4のいずれか一つに記載の中央装置。
【請求項15】
複数の工場に設置された端末装置及び中央装置が通信網を介して接続された情報処理システムにおいて、
前記端末装置は、
工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械に制御される複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを送信する送信部を備え、
前記中央装置は、
前記送信部により送信された工場識別情報、機械識別情報、及び、ユニット識別情報と、複数の動作情報を受信する受信部と、
該受信部により受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて記憶部に記憶する記憶処理部と、
前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に異常と判断する異常判断部と、
工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を生成する生成部と
を備える情報処理システム。
【請求項16】
複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される制御部を有する中央装置を用いた情報処理方法において、
工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械に制御される複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを前記制御部により受信する受信ステップと、
該受信ステップにより受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて前記制御部により記憶部に記憶する記憶処理ステップと、
前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に前記制御部により異常と判断する異常判断ステップと、
工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を前記制御部により生成する生成ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項17】
複数の工場に設置された端末装置に通信網を介して接続される制御部を有するコンピュータに用いられるプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
工場を特定するための工場識別情報、端末装置に接続される複数の繊維機械それぞれを特定するための機械識別情報、及び、繊維機械を構成する複数のユニットそれぞれを特定するユニット識別情報と、繊維機械及びユニットの動作状況に関する複数の動作情報とを前記制御部により受信する受信ステップと、
該受信ステップにより受信した複数の動作情報を、工場識別情報、機械識別情報及びユニット識別情報に対応付けて前記制御部により記憶部に記憶する記憶処理ステップと、
前記記憶部に記憶した動作情報が閾値を超える場合に前記制御部により異常と判断する異常判断ステップと、
工場識別情報別に、各繊維機械及びユニットの動作情報と、前記異常判断部により異常と判断された動作情報を特定する異常情報とを含む報告情報を前記制御部により生成する生成ステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2013−69001(P2013−69001A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205303(P2011−205303)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】