説明

中空半球粒子を含むクレンジング組成物

【課題】本発明の目的は、良好な発泡性特性を示し、特に細かく柔軟な泡を与える組成物を得ることである。
【解決手段】本発明は、(1)少なくとも1つの発泡性界面活性剤、および(2) 特に中空球体の一部の形態での、シリコーン材料の凹型または環状粒子を含む、皮膚または毛髪をクレンジングするための組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、発泡性界面活性剤およびシリコーン材料の凹型または環状粒子を含む局所塗布用組成物、ならびに、特に皮膚および毛髪などのケラチン物質のクレンジングのための、化粧品領域における前記組成物の使用である。
【背景技術】
【0002】
日常的に使用する化粧品製品およびメイクアップ製品に由来する、過剰な皮脂などの脂肪残留物は、皮膚のしわに蓄積し、皮膚の毛穴をブロックし、結果的にシミの外観をもたらしてしまうので、皮膚のクレンジングは、顔のケアのために非常に重要であり、できる限り有効なものとしなければならない。皮膚を完全にクレンジングするための1つの方法は、発泡性クレンジング製品を使用することである。その目的は、一般的には、多量の泡をもたらし、良好なクレンジング有効性の兆候をもたらす利用可能な製品を得ることである。
【0003】
皮膚のためのクレンジング製品としては、発泡性ゲルの使用が知られている。これらの製品は、その洗浄特性のために使用される発泡性界面活性剤の溶液であり、これらの溶液は、ポリマーによって増粘されている。これらのゲルは、また、泡の質、特に、ハンドリングを容易にするための保持力、そして、突っ張ったまたは乾燥した感触を残さない快適な製品を使用すること望むユーザーにとっての皮膚のケアおよび皮膚への敬意と同じ意味である柔軟性をも改善することができる添加剤を加えることができる。しかしながら、これらの添加剤は、たびたび皮膜形成性であり、不完全なクレンジングの印象を付与することとなってしまう。
【特許文献1】JP-2003-128788
【特許文献2】JP-A-2000-191789
【特許文献3】US-A-2006/0089478
【特許文献4】EP-A-566 438
【特許文献5】FR-2 739 556
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、ゲルの形態で、同時に良好な発泡特性を有し快適である化粧品および/または皮膚科学的クレンジング組成物のための需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願人は、驚くべきことに、発泡性クレンジングゲルにおける、マイクロメーターサイズの中空の半球粒子の使用が、泡の質、特に保持力および柔軟性を改善することができることを見出した。
【0006】
本発明の対象は、(1)組成物が発泡効果を有するのに十分な量の少なくとも1つの発泡性界面活性剤、(2)シリコーン材料の凹型または環状粒子、特に中空球体の一部の形態の粒子、および(3)組成物の全重量に対して少なくとも20重量%の水を含む、局所塗布用の水性組成物である。
【0007】
組成物としては、局所塗布を意図し、生理学的に許容可能な媒体を含む。用語「生理学的に許容可能な媒体」とは、本明細書においては、皮膚、粘膜、爪、頭皮、毛髪および/または目に適合可能な媒体を意味すると理解されよう。好ましくは、化粧品的および/または皮膚科学的に許容可能な媒体、すなわち、更には、好ましい色、好ましい香りおよび好ましい感触を示し、消費者にこの組成物の使用を断念させやすい許容できない不快さ(ヒリヒリする、引き締まる、赤い斑点)をもたらさない媒体である。本発明の組成物は、特に化粧品または皮膚科学的組成物を構成することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施態様によれば、組成物は、油を欠いている。用語「油」とは、室温(20〜25℃)で液体である任意の親油性化合物を意味すると理解され、用語「油を欠いている」とは、組成物が、2重量%未満の油、好ましくは0%の油を含むことを意味すると理解されよう。
【0009】
本発明による組成物は、溶液、乳液、クレームまたはゲルの形態で提供することができる。組成物の粘度は、Rheomat 180装置を用いて200rpm25℃で測定した場合、例えば、0.5〜1000Pa・s、好ましくは0.8〜500Pa・sの範囲とすることができる。Rheomat 180は、粘度に依存して異なるスピンドルを、例えば、0.2〜4Pa・sの粘度の範囲ではスピンドル3を、2Pa・sより大きな粘度の範囲ではスピンドル4を備えている。粘度は、好ましくは、スピンドルを回転させてから10分後に測定する。
【0010】
本発明の水性組成物は、水性媒体を含む。用語「水性媒体」は、水および場合によっては1つもしくは複数の水溶性有機溶媒を含む媒体と定義する。この水性媒体においては、水の量は、組成物の全重量に対して少なくとも20重量%である。本発明による組成物は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも30重量%の、より適切には少なくとも40重量%の水、好ましくは少なくとも50重量%の水を含むことができる。組成物は、例えば、組成物の全重量に基づいて、20〜90重量%の、好ましくは30〜85重量%の、より好ましくは40〜80重量%含む。
【0011】
有利には、水性媒体のpHは、ケラチン物質、特に皮膚に適合する。このpHは、好ましくは、3〜8.5の、好ましくは3.5〜8の、より好ましくは4〜8の範囲である。
【0012】
シリコーン材料の凹型または環状粒子の存在により、本発明による組成物によって得られる泡に、改善された保持力および改善された柔軟性を付与することができ、それ故、快適な感触特性を付与することができる。
【0013】
本発明のもう1つの対象は、少なくとも1つの発泡性界面活性剤を含む局所塗布用組成物によって得られる泡の保持力および柔軟性を改善する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(シリコーン材料の凹型または環状粒子)
本発明による組成物中に存在する凹型または環状粒子は、シリコーン粒子であり、特にシリコーン材料からなる中空球体の一部分構造をもつ粒子である。
【0015】
上記粒子は、10μm以下、特に0.1μm〜8μmの範囲、好ましくは0.2〜7μm、より好ましくは0.5〜6μmの範囲、好ましくは0.5〜4μmの範囲の平均粒径を好ましくは有する。
【0016】
用語「平均粒径」は、粒子の最大の寸法を意味すると理解される。
【0017】
有利には、これらの粒子は、1より大きい密度を有する。
【0018】
本発明による組成物中で使用される中空球体の一部分は、中央キャビティとつながった一個の開口部を有し、馬蹄形またはアーチ形状の横断面を有する、先端を切断した中空球体の形状を有することができる。
【0019】
シリコーン材料は、三次元構造の架橋ポリシロキサンである;好ましくは、式(I)の単位:SiO2と、式(II)の単位:R1SiO1.5(式中、R1はケイ素原子に直接結合した炭素原子を有する有機基を表わす)を含むか、あるいは実際にはこれらの単位からなる。
【0020】
有機基R1は、反応性有機基とすることができる;R1は、より特には、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル、アミノアルキル、またはハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基またはシアノ基、そして好ましくは、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルケニル基またはメルカプトアルキルまたはアミノアルキル基であることができる。これらの基は、一般に、2〜6個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を含む。
【0021】
有機基R1は、また、非反応性有機基とすることができる;R1は、より特には、C1〜C4アルキル基、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチル基、またはフェニル基であることができ、好ましくはメチル基である。
【0022】
エポキシ基として、2-グリシドオキシエチル基、3-グリシドオキシプロピル基または2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル基が挙げられる。
【0023】
(メタ)アクリロイルオキシ基として、3-メタクリロイルオキシプロピル基または3-アクリロイルオキシプロピル基が挙げられる
【0024】
アルケニル基として、ビニル、アリルまたはイソプロペニル基が挙げられる。
【0025】
メルカプトアルキル基として、メルカプトプロピルまたはメルカプトエチル基が挙げられる。
【0026】
アミノアルキル基として、3-[(2-アミノエチル)アミノ]プロピル基、3-アミノプロピル基またはN,N-ジメチルアミノプロピル基が挙げられる。
【0027】
ハロアルキル基として、3-クロロプロピル基またはトリフルオロプロピル基が挙げられる。
【0028】
グリセロキシ基として、3-グリセロキシプロピル基または2-グリセロキシエチル基が挙げられる。
【0029】
ウレイド基として、2-ウレイドエチル基が挙げられる。
【0030】
シアノ基として、シアノプロピルまたはシアノエチル基が挙げられる。
【0031】
好ましくは、式(II)の単位において、R1はメチル基を表わす。
【0032】
有利には、シリコーン材料は、単位(I)/単位(II)分子比にしたがって、30/70〜50/50の範囲、好ましくは35/65〜45/55の範囲の単位(I)と(II)を含む。
【0033】
シリコーン材料の粒子は、特に、以下を含む方法にしたがって得ることが可能である:(a) 少なくとも1つの加水分解触媒と場合により少なくとも1つの界面活性剤の存在下で、式SiX4の化合物(III)と式RSiY3の化合物(IV)を水性媒体に導入すること(式中、XとYは互いから独立して、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4アルコキシ基を含むアルコキシエトキシ基、C2〜C4アシルオキシ基、C1〜C4アルキル基を含むN,N-ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、Rはケイ素原子に直接結合した炭素原子を含む有機基を表わす);および
(b) 工程(a)から得られる混合物を、少なくとも1つの重合触媒と場合によりに少なくとも1つの界面活性剤を含む水溶液と、30と85℃の間の温度で少なくとも2時間接触させる操作を行うこと。
【0034】
工程(a)は加水分解反応に相当し、工程(b)は縮合反応に相当する。
【0035】
工程(a)では、化合物(III)と化合物(IV)の分子比は、一般に、30/70〜50/50、有利には35/65〜45/55、優先的に40/60の範囲にある。水と、化合物(III)および(IV)の総量との重量比は、好ましくは10/90〜70/30の範囲にある。化合物(III)と(IV)の導入の順序は、一般に加水分解のそれらの比に左右される。加水分解反応の温度は、一般に、0〜40℃の範囲にあり、化合物の早期縮合を防ぐためには通常30℃を超えない。
【0036】
化合物(III)と(IV)のXおよびY基について:
C1〜C4アルコキシ基として、メトキシ基またはエトキシ基が挙げられる;
C1〜C4アルコキシ基を含むアルコキシエトキシ基として、メトキシエトキシ基またはブトキシエトキシの基が挙げられる;
C2〜C4アシルオキシ基として、アセトキシ基またはプロピオニルオキシ基が挙げられる;
C1〜C4アルキル基を含むN,N-ジアルキルアミノ基として、ジメチルアミノ基またはジエチルアミノ基が挙げられる;
ハロゲン原子として、塩素原子または臭素原子が挙げられる。
【0037】
式(III)の化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシエトキシシラン、トリブトキシエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラ(ジメチルアミノ)シラン、テトラ(ジエチルアミノ)シラン、シランテトラオール、クロロシラントリオール、ジクロロジシラノール、テトラクロロシラン、またはクロロトリヒドロシランが挙げられる。好ましくは、式(III)の化合物は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシランおよびそれらの混合物から選択される。
【0038】
式(III)の化合物は、重合反応後、式(I)の単位の形成で生成する。
【0039】
式(IV)の化合物は、重合反応後、式(II)の単位の形成で生成する。
【0040】
式(IV)の化合物のR基は、式(II)の化合物のR1基について記載される意味を有する。
【0041】
非反応性有機基Rを含む式(IV)の化合物の例として、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリブトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリ(ジメチルアミノ)シラン、メチルトリ(ジエチルアミノ)シラン、メチルシラントリオール、メチルクロロジシラノール、メチルトリクロロシラン、またはメチルトリヒドロシランが挙げられる。
【0042】
反応性有機基Rを含む式(IV)の化合物の例として、次のものが挙げられる。
- エポキシ基を有するシラン、例えば(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(2-グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、または(2-グリシドキシエチル)ジメチルメトキシシラン;
- (メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン、例えば(3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、または(3-アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン;
- アルケニル基を有するシラン、例えばビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、またはイソプロペニルトリメトキシシラン;
- メルカプト基を有するシラン、例えばメルカプトプロピルトリメトキシシラン、またはメルカプトエチルトリメトキシシラン;
- アミノアルキル基を有するシラン、例えば(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-[(2-アミノエチル)アミノ]プロピル)トリメトキシシラン、(N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、または(N,N-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン;
- ハロアルキル基を有するシラン、例えば(3-クロロプロピル)トリメトキシシラン、またはトリフルオロプロピルトリメトキシシラン;
- グリセロキシ基を有するシラン、例えば(3-グリセロキシプロピル)トリメトキシシラン、またはジ(3-グリセロキシプロピル)ジメトキシシラン;
- ウレイド基を有するシラン、例えば(3-ウレイドプロピル)トリメトキシシラン、(3-ウレイドプロピル)メチルジメトキシシラン、または(3-ウレイドプロピル)ジメチルメトキシシラン;
- シアノ基を有するシラン、例えばシアノプロピルトリメトキシシラン、シアノプロピルメチルジメトキシシラン、またはシアノプロピルジメチルメトキシシラン。
【0043】
好ましくは、反応性有機基Rを含む式(IV)の化合物は、エポキシ基を有するシラン、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン、アルケニル基を有するシラン、メルカプト基を有するシラン、またはアミノアルキル基を有するシランから選択される。
【0044】
この発明の実施に好ましい化合物(III)と(IV)の例は、それぞれテトラエトキシシランとメチルトリメトキシシランである。
【0045】
加水分解および重合触媒として、塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアもしくはアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミンまたはテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、または有機酸などの酸性触媒、例えばクエン酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、またはドデシルスルホン酸、または無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸を独立して使用してもよい。
【0046】
界面活性剤が存在する場合、使用される界面活性剤は、好ましくは非イオン性または陰イオン性界面活性剤、または2種類の混合物である。ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートは、陰イオン性界面活性剤として使用することができる。加水分解の終了は、非水溶性である製品(III)と(IV)の消失と均質な液体層の生成により特徴付けられる。
【0047】
縮合工程(b)は、加水分解工程と同じ触媒または上記に挙げられたものから選択される別の触媒を使用することができる。
【0048】
この方法の結論においては、良質なオルガノシリコーン粒子の水懸濁液が得られ、粒子は、次いで任意にその媒体から分離することができる。したがって、上記に記載した方法は、例えばメンブレンフィルターで、工程(b)から得られた製品を濾過する追加工程、次いで任意に、液体媒体から粒子を分離する意図で濾液を遠心分離する工程、次いで粒子を乾燥する工程を含むことができる。別の分離方法を当然使用することができる。
【0049】
上記方法にしたがって得られた中空球体の一部分構造の形状とその寸法は、特に工程(b)で製品を接触させるために使用される方法に左右される。
【0050】
やや塩基性のpHで、工程(a)から得られた混合物に低温条件下で重合触媒を導入すると、丸底「ボウル」形状の中空球体の一部分構造を生成する。しかし、やや酸性のpHで、高温で重合触媒に工程(a)から得られた混合物を滴下して導入すると、「馬蹄形」形状の横断面を有する中空球体の一部分構造を生成する。
【0051】
本発明の好ましい実施形態によれば、「ボウル」形状の中空球体の一部分構造を使用する。これらは、出願JP-2003-128788に開示されるように得ることができる。
【0052】
馬蹄形形状の中空球体の一部分構造もまた、出願JP-A-2000-191789に開示されている。
【0053】
ボウル形状を有する球体の一部の形態の凹型粒子は、添付した図1の横断面図に記載されている。幅W2は粒子の直径に相当する。
【0054】
この図から明らかなように、これらの凹型粒子は、(中空球体の一部分により定められた開口部の平面に垂直な横断面において)小さな内側円弧(11)、大きな外側円弧(21)、およびそれぞれの円弧の終端を結ぶ部分(31)で形成され、小さな内側円弧(11)の2つの終端間の幅(W1)が、平均で0.01〜8μm、好ましくは0.02〜6μmの範囲にあり、大きな外側円弧(21)の2つの終端間の幅(W2)が、平均で0.05〜10μm、好ましくは0.06〜8μmの範囲にあり、かつ大きな外側円弧(21)の高さ(H)が平均で0.015〜8μm、好ましくは0.03〜6μmの範囲にある。
【0055】
上記で述べられた寸法は、走査電子顕微鏡で得られた画像で選択した100個の粒子の寸法の平均を計算して得られる。
【0056】
本発明にしたがって使用することができる球体の一部分の形態の凹型粒子として、例えば、以下のものを挙げることができる:
- Takemoto Oil & Fat製架橋オルガノシリコーンTAK-110(架橋メチルシラノール/シリケート ポリマー)からなる粒子、ボウル形状、幅2.5μm、高さ1.2μm、厚さ150nm(Takemoto Oil & FatよりNLK-506の名称で販売されている粒子);
- Takemoto Oil & Fat製架橋オルガノシリコーンTAK-110(架橋メチルシラノール/シリケート ポリマー)からなる粒子、ボウル形状、幅0.8μm、高さ0.4μm、厚さ130nm(Takemoto Oil & FatよりNLK-515の名称で販売されている粒子);
- Takemoto Oil & Fat製架橋オルガノシリコーンTAK-110(架橋メチルシラノール/シリケート ポリマー)からなる粒子、ボウル形状、幅7μm、高さ3.5μm、厚さ200nm(Takemoto Oil & FatよりNLK-510の名称で販売されている粒子)。
【0057】
これらの粒子は、INCI名:メチルシラノール/シリケート架橋ポリマーである。
【0058】
有利には、凹型シリコーン粒子は、5μm以下、特に0.1μm〜5μmの範囲、好ましくは0.2〜5μmの範囲、より好ましくは0.5〜4μmの範囲、好ましくは0.5〜3μmの範囲の平均粒径を有する。
【0059】
これらの粒子により、粘着性の感触の減少、更には粘着性の感触の除去に加えて、本発明の組成物の滑り、塗布および快適な特性の最適化が可能となる。
【0060】
環状の形のシリコーン粒子は、好ましくは、特許出願US-A-2006/0089478で開示され合成された粒子から選択される。この粒子は、平均外径0.05〜15μmおよび平均内径0.01〜10μmを有し、平均外径と平均内径との間の差は、0.04〜5μmである。
【0061】
この粒子は、以下の式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)のシロキサン単位を含むポリシロキサンネットワークを表す:
SiO4/2 (1)
Si(OH)3/2 (2)
R1SiO3/2 (3)
R2SiO3/2 (4)
R3(SiOH)2/2 (5)
R4(SiOH)2/2 (6)
(式中、
- R1およびR3は、非反応性炭化水素基、特にはアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアラルキル基、好ましくはC1-C3アルキル基、特にはメチル、エチルまたはプロピル基、好ましくはメチル基を表し、
- R2およびR4は、それぞれ、アクリロイルオキシ、メタクロイルオキシ、ビニルまたはメルカプト基から選択される炭化水素基を表し、
式(1)のシロキサン単位/式(2)、(3)、(4)、(5)および(6)のシロキサン単位の分子比が、20/80〜50/50であり、
式(2)、(3)および(4)のシロキサン単位/式(5)および(6)のシロキサン単位の分子比が、50/50〜75/25であり、
式(3)および(5)のシロキサン単位/式(4)および(6)のシロキサン単位の分子比が、20/80〜60/40である)。
【0062】
アクリロイルオキシ基として、2-メタクロイルオキシエチル基または3-アクリロイルオキシプロピル基が挙げられる。
【0063】
(メタ)アクリロイルオキシ基として、3-メタクロイルオキシプロピル基または3-アクリロイルオキシプロピル基が挙げられる。
【0064】
メルカプトアルキル基として、メルカプトプロピル基またはメルカプトエチル基が挙げられる。
【0065】
ビニル基として、アリル、イソプロピルまたは2-メチルアリル基が挙げられる。
【0066】
凹型または環状シリコーン粒子は、本発明による組成物中に、組成物の総重量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0067】
(発泡性界面活性剤)
本発明によるクレンジング組成物は、組成物にクレンジング特性をもたらす1つまたは複数の発泡性界面活性剤を含む。このまたはこれらの発泡性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオンおよび双性イオン性界面活性剤、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0068】
発泡性界面活性剤は、洗剤であり、分子の親水性部分と親油性部分との比率であるHLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)値において、乳化用界面活性剤とは異なる。用語「HLB」は、当業者に良く知られており、例えば、「The HLB system. A time-saving guide to Emulsifier Selection”(ICI Americas Inc; 1984によって出版)において開示されている。
【0069】
乳化用界面活性剤に関して、HLBは、一般的に、油中水型(W/O)エマルジョンの調製については、3〜8の範囲であり、水中油型(O/W)エマルジョンの調製については、8〜18の範囲であり、一方で、発泡性界面活性剤は、一般に、18より大きいHLBを、好ましくは20より大きいHLBを有する。
【0070】
発泡性界面活性剤は、組成物が発泡効果を有するのに十分な量で存在しなければならない。本発明による組成物中での発泡性界面活性剤の(活性成分としての)量は、組成物の総重量に対して、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、特には2〜35重量%、より特には5〜30重量%、更には5〜25重量%の範囲とすることができる。
【0071】
a) 非イオン性界面活性剤は、例えば、アルキルポリグルコシド(APG)、マルトースエステル、ポリグリセロール化脂肪アルコール、グルカミン誘導体、例えば2-エチルヘキシルオキシカルボニル-N-メチルグルカミン、およびこれらの混合物から選択することができる。
【0072】
好ましくは、アルキルポリグルコシドとして、6〜30の炭素原子、好ましくは8〜16の炭素原子を含むアルキル基を含み、親水性(グルコシド)基を含み、好ましくは1、2または3のグルコシド単位を含むアルキルポリグルコシドを使用する。アルキルポリグルコシドとして、例えば、デシルグルコシド(アルキルC9/C11ポリグルコシド(1.4))、例えば名称Mydol 10(登録商標)でKao Chemicalsによって販売されている製品、名称Plantaren 2000 UP(登録商標)でCognisによって販売されている製品、および名称Oramic NS 10(登録商標)でSeppicによって販売されている製品、カプリリル/カプリルグルコシド、例えば名称Oramix CG 110(登録商標)でSeppicによって販売されている製品、ラウリルグルコシド、例えば名称Plantaren 1200 N(登録商標)およびPlantacare 1200(登録商標)でCognisによって販売されている製品、ココグルコシド、例えば名称Plantacare 818/UP(登録商標)でCognisによって販売されている製品、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0073】
マルトース誘導体は、例えば、文献EP-A-566 438に開示されている誘導体、例えば6'-(O-オクタノイル)-D-マルトース、または代替的には、FR-2 739 556に開示されている6'-(O-ドデカノイル)-D-マルトースである。
【0074】
ポリグリセロール化脂肪アルコールとして、ポリグリセロール化ドデカンジオール(3.5molのグリセロール)、名称Chimexane NF(登録商標)でChimexによって販売されている製品を挙げることができる。
【0075】
b) 陰イオン性界面活性剤は、例えば、石鹸(脂肪酸の塩)、カルボキシレート、アシルアミノ酸、アミドエーテルカルボキシレート、アルキルポリアミノカルボキシレート、アルキルエーテルスルフェート、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルフォネート、イセチオネート、アルキルメチルタウレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート(モノ-またはジアルキルホスフェート)、これらの塩、およびこれらの混合物から選択することができる。
【0076】
石鹸は、塩基性剤により部分的または完全にけん化(中和化)した脂肪酸から得られる。これらは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、または有機塩基の石鹸である。脂肪酸として、飽和、直鎖もしくは分枝鎖の、8〜30の炭素原子を含み、好ましくは8〜22の炭素原子を含む脂肪酸を挙げることができる。この脂肪酸は、特に、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸およびこれらの混合物から選択することができる。
【0077】
塩基性剤として、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム)、水酸化アルカリ土類金属(例えば、水酸化マグネシウム)、水酸化アンモニウム、または有機塩基、例えばトリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、リジンおよびアルギニンを挙げることができる。
【0078】
石鹸は、特に、塩基性剤が水酸化アルカリ金属、好ましくは水酸化カリウム(KOH)である脂肪酸のアルカリ塩とすることができる。
【0079】
塩基性剤の量は、脂肪酸が少なくとも部分的に中和するのに十分な量でなければならない。
【0080】
特に、カルボキシレートとして、アルキルグリコールカルボン酸(または2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸)およびその塩、例えば、名称Beaulight SHAA(登録商標)またはBeaulight LCA-25N(登録商標)でSanyoによって販売されているラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム(CTFA名:Sodium Lauryl Glycol Carboxylate)、または、名称Beaulight SHAA(Acid Form)(登録商標)でSanyoによって販売されている、その対応する酸形態を挙げることができる。
【0081】
アシルアミノ酸として、例えば、名称Amilite GCS 12でAjinomotoによって販売されているココグリシン酸ナトリウム、名称Amisoft LS11でAjinomotoによって販売されているラウロイルグルタミン酸ナトリウム、名称Oramix L 30でSeppicによって販売されているラウロイルスクシン酸ナトリウムを挙げることができる。
【0082】
アルキルスルフェートとして、例えば、名称MAP 20でKaoによって販売されているラウリルホスフェートを挙げることができる。
【0083】
c) 両性および双性イオン発泡性界面活性剤は、例えば、アミドプロピルベタインを含むベタイン誘導体、アンホアセテートおよびアンホジアセテート、ヒドロキシスルタインおよびこれらの混合物から選択することができる。
【0084】
ベタイン誘導体として、例えば、ココベタイン、例えば、名称Dehyton AB-30(登録商標)でCognisによって販売されている製品、ラウリルベタイン、名称Genagen KB(登録商標)でClariantによって販売されている製品、オキシエチレン化ラウリルベタイン(10 OE)、例えば名称Lauryl Ether(10 OE) Betain(登録商標)でShin Nihon Ricaによって販売されている製品、オキシエチレン化ステアリルベタイン(10 OE)、例えばStearyl Ether(10 OE) Betaine(登録商標)でShin Nihon Ricaによって販売されている製品、コカミドプロピルベタイン、例えば名称Velvetex BK 35(登録商標)でCognisによって販売されている製品、ウンデシルエナミドプロピルベタイン、例えば名称Amphoram U(登録商標)でCecaによって販売されている製品、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0085】
アンホアセテートおよびアンホジアセテートとして、例えば、N-二ナトリウムN-ココイル-N-カルボキシメトキシエチル-N-(カルボキシメチル)エチレンジアミン(CTFA名:disodium cocoamphodiacetate)、例えば名称Miranol C2M Concentrate NP(登録商標)でRhodia Chimieによって販売されている製品、N-ナトリウムN-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N-(カルボキシメチル)エチレンジアミン(CTFA名:sodium cocoamphoacetate)、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0086】
本発明の1つの実施態様によれば、本発明に適した界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、ベタイン誘導体、アルキルグリコールカルボン酸およびその塩、石鹸、アルキルエーテルスルフェート、アルキルホスフェート、アンホジアセテート、アンホアセテート、アルキルグリシネート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、およびこれらの混合物から選択することができる。
【0087】
本発明の具体的な実施態様によれば、発泡性界面活性剤は、特に、デシルグルコシド、ココイルグルコシド、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ココイルベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウルアミドプロピルベタイン、ラウリルグリコールカルボキシレート、ココアンホ(ジ)アセテート、ラウロアンホ(ジ)アセテート、ラウリルリン酸カリウム、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、およびこれらの混合物から選択することができる。
【0088】
(補助剤)
既知の方法で、本発明の組成物は、また、化粧品または皮膚科学の分野で一般的に使用されている補助剤および活性成分を含むことができる。例えば、水溶性もしくは脂溶性補助剤、例えば増粘、分散もしくはコンディショニング、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性もしくは両性および双性イオン、もしくは親油性ポリマー、防腐剤、金属イオン封鎖剤(EDTA)、抗酸化剤、芳香剤、着色物質、例えば可溶性色素またはカプセル封入もしくは非カプセル封入顔料、真珠光沢剤、マッティング、引き締め、ホワイトニングもしくは剥離効果を有するフィラー、日焼け止め剤、親水性もしくは親油性の化粧品もしくは皮膚科学的活性成分、例えば水溶性または脂溶性ビタミン、殺菌剤、抗脂漏症剤(antiseborrhoeic)、抗菌剤、例えば過酸化ベンゾイル、サリチル酸、トリクロサン、アゼライン酸もしくはナイアシン(vit. PP)、減量薬、例えばカフェイン、および蛍光増白剤、電解液、皮膚の美的特性を改善する効果を有する剤、または多孔性もしくは非多孔性の、球状もしくは非球状の、任意の大きさの固体粒子を挙げることができる。
【0089】
これら様々な補助剤の量は、例えば、組成物の総重量の0.01〜20%の、検討中の分野で一般的に使用されている補助剤である。
【0090】
これらの補助剤は、その特性に依存して、脂肪相または水相に導入することができる。
【0091】
当然のことながら、本質的に本発明の組成物が有する有利な特性に対して、予期する添加によって悪影響を及ぼさない、または実質的には悪影響を及ぼさないように、当業者は、本発明による組成物に加える1つまたは複数の任意の補助剤、およびその量を選択するように注意するであろう。
【0092】
組成物は、剥離フィラーとして、無機、植物または有機起源の剥離または洗浄粒子を含むことができる。それ故、例えば、ポリエチレンビーズまたは粉末、ナイロン粉末、ポリ(塩化ビニル)粉末、軽石、杏仁または胡桃の殻に由来する粉末物質、おがくず、ガラスビーズ、アルミナ、およびこれらの混合物を含むことができる。これらの粒子は、例えば、組成物の全重量に対して、0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%の範囲の量で存在することができる。組成物が、剥離粒子を含む場合、特に顔または身体の皮膚を洗浄するための組成物を構成することができる。
【0093】
本発明による組成物は、特に、ケラチン物質(具体的には皮膚および毛髪)をクレンジングするための化粧品組成物、具体的には、特に皮膚または毛髪への塗布後に濯ぎ落とすことができる発泡性化粧品組成物を構成することができる。
【0094】
本発明の他の対象は、ケラチン物質、特には皮膚および毛髪、より特には皮膚をクレンジングするための、前記の組成物の美容的使用である。
【0095】
本発明の他の対象は、皮膚に前記の組成物を塗布し、皮膚を濯ぐことからなる、皮膚をクレンジングする美容方法である。
【0096】
以下の実施例は、本発明を例示するために使用するが、限定する特性を呈することはない。量は、開始物質の重量による割合として表す。本発明による組成物の化合物は、場合によっては、化学名で、またはINCI(International Cosmetic Ingredient)名で表す。
【実施例】
【0097】
(本発明による実施例1および比較例1)
【0098】
【表1】

【0099】
(感覚特性)
生じた泡の質を、以下の方法に従って評価した。
【0100】
製品の使用の前に、手を家庭用石鹸で洗浄し、その後、適切に濯ぎ、乾燥させた。その後に使用した方法を以下に示す:
1- 流水下に手を通すことによって、手を濡らし、三回手を振って大雑把に乾かす、
2- 1gの製品を、一方の手のくぼみに置く、
3- 製品を10秒間、両掌の間で塗布する、
4- 2mlの水を加え、製品を再度10秒間塗布する、
5- 2mlの水を加え、製品を再度10秒間塗布する、
6- 泡の質を、定義した基準に従って評価する、
7- 手を水で濯ぐ、
8- 手を拭いて乾燥させる。
【0101】
泡の質の基準(工程6)を、0から10でランク付けする:
- 泡の量:量が増加するほど、ランクも大きくなる。
- 泡に含まれる気泡の大きさ:気泡がより大きくなるほど、ランクも大きくなる。
- 泡の保持力:泡がより弾力的であるほど、ランクも大きくなる。
- 泡の柔軟性:泡がより良く滑り柔らかいほど、ランクも大きくなる。
【0102】
評価のパネルは、3人の訓練を受けたエキスパートからなり、3人のランクの平均をとった。この基準によって組成物を比較することが可能となる。
【0103】
【表2】

【0104】
上記の表により、中空オルガノシリコーン球体を含む本発明による実施例が、優れた泡の質を示し、特に、より濃く、より柔らかく、わずかに細かく(気泡の大きさがより小さい)、より多量の泡を示すことが実証された。
【0105】
(本発明による実施例2:クリーム石鹸)
【0106】
【表3】

【0107】
(本発明による実施例3および4:顔用の発泡性ゲル)
【0108】
【表4】

【0109】
(本発明による実施例5:シャンプー)
【0110】
【表5】

【0111】
(本発明による実施例6および比較例2および3)
【0112】
【表6】

【0113】
上記の表により、中空オルガノシリコーン球体を含む本発明による実施例が、中空オルガノシリコーン球体を含まない組成物(比較例3)およびシリカを含む組成物(比較例2)よりも良好な泡の質を示し、特に、より濃く、より柔らかく、より細かく(気泡の大きさがより小さい)、より多量の泡を示すことが実証された。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、ボウル形状を有する球体の一部の形態の凹型粒子を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)組成物が発泡効果を有するのに十分な量の少なくとも1つの発泡性界面活性剤、(2)シリコーン材料の凹型または環状粒子、特に中空球体の一部の形態の粒子、および(3)組成物の全重量に対して少なくとも20重量%の水を含む、局所塗布用の水性組成物。
【請求項2】
前記シリコーン材料の凹型粒子が、10μm以下の平均直径を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シリコーン材料の凹型粒子が、0.1μm〜8μmの範囲の平均直径を有することを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記シリコーン材料の凹型粒子が、馬蹄形またはアーチ形状の横断面を有する中空球体の一部の形態であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記シリコーン材料が、式(I)の単位:SiO2と、式(II)の単位:R1SiO1.5(式中、R1はケイ素原子に直接結合した炭素原子を有する有機基を表わす)を含むか、あるいはこれらの単位から構成される三次元構造の架橋ポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記R1が、C1〜C4アルキル基またはフェニル基であることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記R1が、メチル基であることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記R1が、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基またはシアノ基から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
前記シリコーン材料が、30/70〜50/50の範囲、好ましくは35/65〜45/55の範囲の単位(I)/単位(II)分子比にしたがって、単位(I)と(II)を含むことを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記シリコーン材料の凹型粒子が:
(a) 少なくとも1つの加水分解触媒と場合により少なくとも1つの界面活性剤との存在下で、式SiX4の化合物(III)と式RSiY3の化合物(IV)とを水性媒体に導入すること(式中、XとYは互いから独立して、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4アルコキシ基を含むアルコキシエトキシ基、C2〜C4アシルオキシ基、C1〜C4アルキル基を含むN,N-ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、Rはケイ素原子に直接結合した炭素原子を含む有機基を表わす);および
(b) 工程(a)から得られる混合物を、少なくとも1つの重合触媒と場合によりに少なくとも1つの界面活性剤とを含む水溶液と、30と85℃の間の温度で少なくとも2時間接触させる操作を行うこと、
を含む方法にしたがって得ることが可能であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記工程(a)において、化合物(III)と化合物(IV)の分子比が、30/70〜50/50の範囲にあることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記工程(a)において、水と、化合物(III)および(IV)の総量との重量比が、10/90〜70/30の範囲にあることを特徴とする、請求項10または11に記載の組成物。
【請求項13】
前記Rが、C1〜C4アルキル基またはフェニル基であることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記Rが、メチル基であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記Rが、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基またはシアノ基から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
前記凹型粒子が、小さな内側円弧(11)、大きな外側円弧(21)、およびそれぞれの円弧の終端を結ぶ部分(31)で形成され、小さな内側円弧(11)の2つの終端間の幅(W1)が、平均で0.01〜8μm、好ましくは0.02〜6μmの範囲にあり、大きな外側円弧(21)の2つの終端間の幅(W2)が、平均で0.05〜10μm、好ましくは0.06〜8μmの範囲にあり、かつ大きな外側円弧(21)の高さ(H)が平均で0.015〜8μm、好ましくは0.03〜6μmの範囲にあることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記環状形状の粒子が、0.05〜15μmの平均外径、および0.01〜10μmの平均内径を有し、平均外径と平均内径との間の差が、0.04〜5μmであるであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
以下の式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6):
SiO4/2 (1)
Si(OH)3/2 (2)
R1SiO3/2 (3)
R2SiO3/2 (4)
R3SiO3/2 (5)
R4SiO3/2 (6)
(式中、R1およびR3は、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアラルキル基を表し、R2およびR4は、それぞれ、アクリロイルオキシ、メタクロイルオキシ、ビニルまたはメルカプト基から選択される炭化水素基を表し、
式(1)のシロキサン単位/式(2)、(3)、(4)、(5)および(6)のシロキサン単位の分子比が、20/80〜50/50であり、
式(2)、(3)および(4)のシロキサン単位/式(5)および(6)のシロキサン単位の分子比が、50/50〜75/25であり、
式(3)および(5)のシロキサン単位/式(4)および(6)のシロキサン単位の分子比が、20/80〜60/40である)
のシロキサン単位を含むポリシロキサンネットワークを表す、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記凹型または環状粒子が、組成物の総重量に対して、0.1〜15重量%の範囲の含量で存在することを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記発泡性界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオンおよび双性イオン性界面活性剤、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記発泡性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド、ベタイン誘導体、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または有機塩基の石鹸、アルキルグリコールカルボン酸およびその塩、アルキルエーテルスルフェート、アルキルホスフェート、アンホジアセテート、アンホアセテート、アルキルグリシネート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記発泡性界面活性剤の量が、組成物の総重量に対して、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
組成物の総重量に対して、少なくとも20重量%の水を含むことを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
ケラチン物質をクレンジングするための、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物の美容的使用。
【請求項25】
皮膚に、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物を塗布し、皮膚を濯ぐことからなる、皮膚をクレンジングする美容方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−94840(P2008−94840A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−259998(P2007−259998)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】