説明

中空長尺体湾曲測定装置

【課題】簡易な装置で電柱等の中空長尺体の湾曲度合いを測定でき、また、大がかりな設備の設置を必要とせず、中空長尺体の設置場所に拘わらず湾曲度合いを容易に測定することが可能な中空長尺体湾曲測定装置を提供する。
【解決手段】電柱1の頂部内側又は電柱内部の頂部近傍から自重にて下方に垂れ下がる垂下線状部材5を設け、この垂下線状部材5が電柱1の内周壁に当接した際に電柱1の頂部1aから垂下線状部材5の当接部位までの距離hを検知し、この距離から電柱1の湾曲度合いを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱やポールなどの中空長尺体の湾曲度合いを検出することが可能な中空長尺体湾曲測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中空構造の中空長尺体としては、配電線や通信線を支える例えば鉄筋コンクリート製の電柱が知られている。このような電柱は、一般に、鉄筋材を埋設するようにコンクリートが円筒状に打設されているもので、頂部及び下端部が別体又は一体に形成されたキャップ又は蓋体にて閉塞された構造となっている。
【0003】
ところで、電柱は、地上に立設されて電力線や通信線(電話線、光通信ケーブル等)が架設されるが、架線の張力等により荷重が不均衡に加わると胴体部分が湾曲した状態となる。工事基準で定める使用であれば、特に問題となることは少ないが、一旦応力疲労等により微細なひび割れが生じると、雨水等が浸入して鉄筋の腐食等による強度低下を招き、突発的な荷重により電柱の一部が破損したり電柱が倒壊する等の危険がある。
【0004】
このため、電柱の湾曲程度を把握することは、ひび割れの早期発見や、電柱の健全度を把握する上において非常に重要であることから、従来においては、下記特許文献1に示される電柱の湾曲程度を測定する装置等が考えられている。
これは、電柱を地上から非破壊で測定することで、湾曲程度を定量的に把握しようとするもので、電柱の全体像を外側から撮影機で撮影し、画像処理により電柱輪郭線を求め、その電柱輪郭線に対し、最も重なり度合いの大きい折れ線と、それぞれの線に掛かる電柱輪郭線の画素の濃度値の加算値の最大値を求め、この両者の重なり度合を比較することにより、電柱の湾曲を数学的幾何学的に演算し、評価するものである。
【0005】
また、長尺体の湾曲を測定する装置として、被測定物の近傍に被測定物の長尺方向に沿って任意の間隔で複数のレーザ光学センサを配置し、それぞれのレーザ光学センサにより被測定物にレーザ光を照射して反射させ、その反射時間により複数のレーザ光学センサと被測定物間の距離を演算して被測定物の曲りを測定する装置や(特許文献2)、長尺材の長手方向と略直角方向に複数の位置検出器(レーザ距離計)を配設するとともに、これらの位置検出器を昇降させる昇降機構を搬送装置の下方に設けた測定装置(特許文献3)等が知られている。
【特許文献1】特開平6−94442号公報
【特許文献2】特開平8−189821号公報
【特許文献3】特開2000−131038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したいずれの構成も、長尺体(電柱)を外側から非破壊的に測定する構成であるので、電柱のような大きな長尺体にあっては、装置が大型化し、また、装置の設置作業が大掛かりとなる不都合がある。
特に、立設した長尺体の湾曲度合いを測定する場合において、側方から測定しようとすると、被測定物を自身の長手方向の軸回りに回転させるか測定機器を被測定物を中心として回転させなければ、長尺体の湾曲方向を特定することができず、装置が複雑となる。
さらに、従来の湾曲測定装置においては、長尺体が設置されている場所によっては、測定装置の設置場所や設置角度等に制限が生じ、湾曲度合いを的確に測定できない不都合もある。
【0007】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、簡易な装置で電柱等の中空長尺体の湾曲度合いを測定でき、また、大がかりな設備の設置を必要とせず、中空長尺体の設置場所に拘わらず湾曲度合いを容易に測定することが可能な中空長尺体湾曲測定装置を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に中空長尺体湾湾曲測定装置は、立設された中空長尺体の湾曲度合いを検出する装置であって、前記中空長尺体の頂部内側又は前記中空長尺体内部の頂部近傍から自重にて下方に垂れ下がる垂下線状部材と、前記垂下線状部材が前記中空長尺体の内周壁に当接した際に前記中空長尺体の頂部から前記垂下線状部材が当接した部位までの距離を検知する検知手段とを具備することを特徴としている。
【0009】
したがって、立設した中空長尺体の頂部内側又は中空長尺体内部の頂部近傍から自重によって垂れ下っている垂下線状部材が中空長尺体の内周壁に当接すると、検知手段により中空長尺体の頂部から垂下線状部材が当接した部位までの距離が検知されるので、その距離から中空長尺体の湾曲度合いを検知することが可能となり、中空長尺体の外側から湾曲度合いを測定する大掛かりな設備が不要となる。
【0010】
ここで、垂下線状部材を光ファイバで構成し、検知手段を、光ファイバの上端に投受光センサを設けて、この投受光センサにより光ファイバ内に投射した光の反射光を検出することで前記距離を検知する構成としても、垂下線状部材を導電線で構成し、検知手段を、中空長尺体の内周壁に導電体を設けて、前記導電線が接触した際に形成される電気回路にて前記中空長尺体の頂部から前記垂下線状部材が当接した部位までの抵抗値を検出することで前記距離を検知する構成としてもよい。
【0011】
さらに、測定精度を高めるために、上述の構成に加えて、前記中空長尺体の頂部内側又は前記中空長尺体内部の頂部近傍に当該中空長尺体の頂部における軸心に沿った下方向での湾曲状態を非接触にて検知する湾曲状態検知手段をさらに設けても、又は、前記中空長尺体の頂部内側又は前記中空長尺体内部の頂部近傍に設けられた当該中空長尺体の下方向へ照射する発光素子と、前記中空長尺体の内周壁に設けられた多数の受光素子と、前記受光素子で受ける前記発光素子からの受光強度に基づき前記中空長尺体の湾曲状態を検知する湾曲状態検知手段とをさらに設けてもよい。
【0012】
尚、上述の構成は、前記中空長尺体として、中空さい頭円すい状又は中空円筒状の電柱に利用する場合等に特に有用である。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本発明によれば、立設した中空長尺体の頂部内側又は中空長尺体内部の頂部近傍から自重にて下方に垂れ下がる垂下線状部材を設け、この垂下線状部材が中空長尺体の内周壁に当接した場合に中空長尺体の頂部から垂下線状部材が当接した部位までの距離を検知する手段を設けたので、検知される距離に応じて中空長尺体の湾曲度合いを検知することが可能となる。
このため、中空長尺体の外側から湾曲を測定する大掛かりな設備が不要となり、中空長尺体の外側に測定機器を設置するための場所を確保する必要がなく、また、中空長尺体の設置場所に拘わらず湾曲度合いを容易に測定することが可能となる。
【0014】
また、垂下線状部材や、この垂下線状部材が中空長尺体の内周壁に当接した場合に中空長尺体の頂部から垂下線状部材が当接した部位までの距離を検知する構成部材は、中空長尺体の内部に設けられているので、中空長尺体の外側の環境(天候、紫外線等)や飛来する異物からこれらを保護することが可能となる。
【0015】
さらに、上述の構成に加え、中空長尺体の頂部内側又は中空長尺体内部の頂部近傍に当該中空長尺体の頂部における軸心に沿った下方向での湾曲状態を非接触にて検知する湾曲状態検知手段をさらに設けことで、或いは、中空長尺体の頂部内側又は中空長尺体内部の頂部近傍に設けられた当該中空長尺体の下方向へ照射する発光素子と、中空長尺体の内周壁に設けられた多数の受光素子と、受光素子で受ける発光素子からの受光強度に基づき中空長尺体の湾曲状態を検知する湾曲状態検知手段とをさらに設けることで、中空長尺体の頂部から垂下線状部材が当接した部位までの距離を検知する手段と、湾曲状態検知手段との両方から中空長尺体の湾曲度合いを把握することが可能となり、湾曲度合いの測定精度を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1において、立設された中空長尺体として、一般的に利用されているコンクリート柱からなる電柱1を用いた例が示されている。
この電柱1は、円筒状に編まれた図示しない鉄筋材を埋設するようにコンクリートを打設することによって筒状本体2を形成しているもので、この例においては、所定のテーパをもつ中空さい頭円錐体に形成されている。
【0018】
筒状本体2の下端開口部は、モルタル等によって形成された底蓋3によって閉塞され、また、上端開口部は、ポリエチレン等の樹脂材によって形成されたキャップ4を装着することによって閉塞されるか、筒状本体2と一体に形成された蓋体にて閉塞されている(この例においては、キャップ4によって閉塞されている場合を示す)。
【0019】
キャップ4の内側(電柱頂部の内側)の中央には、電柱1の頂部1aから自重にて下方に垂れ下がる垂下線状部材5が取り付けられている。この垂下線状部材5は、この例において光ファイバで構成され、その上端部に投光部と受光部とを一体化した投受光センサ6を設け、この投受光センサ6の投光部から投射された光を光ファイバ(垂下線状部材5)に通し、この光ファイバ(垂下線状部材5)が電柱1の内周壁に接触した場合に、その接触部位からの反射光を受光部で受光することで、投射してから受光するまでの時間差から、電柱1の頂部1a(投受光センサ6)と垂下線状部材5の接触部位までの距離hを測定するようにしている。
【0020】
投受光センサ6に接続されるリード線7は、電柱内周壁に沿って引き下げられ、接地線を引き出す電柱側面に形成された設置線引出口8から引き出され、電柱1の外側において測定器10が接続可能な接続コネクタ9に接続されている。
【0021】
測定器10は、投受光センサ6の動作条件や動作のオンオフを設定する操作部11と、投受光センサ6による測定結果やそれに基づく演算結果等を表示させる表示部12と、操作部11の操作に応じて投受光センサ6を動作制御させると共に投受光センサ6で受光した結果を受けて前記測定結果や演算結果を表示部12に表示させる制御ユニット13とを有し、前記接続コネクタ9にプラグ14を介して着脱自在に接続されるようになっている。
【0022】
以上の構成において、電柱1に側方から荷重が加わると、電柱1の筒状本体2が湾曲し、電柱頂部1aが電柱1の径方向にずれ、頂部1aにおける軸心αが基部1bの軸心βに対して傾くことになる。すると、垂下線状部材5は、自身の自重により常に鉛直を保とうとするため、電柱1の内周壁に近接し、ある程度の電柱の傾きが生じると内周壁に接触することとなる。
【0023】
図1(b)は、その状態を誇張して表したものであるが、このように頂部1aにおける軸心αが基部1bの軸心βに対して傾斜して垂下線状部材5が電柱1の内周壁に接触した状態において、測定器10のプラグ14をリード線7のコネクタ9に接続し、操作部11を操作して投受光センサ6から光を投射すると、投射された光は光ファイバ(垂下線状部材5)を通り、接触した部位で一部が反射することとなる。このため、投受光センサ6の発光部から光を投射して受光部で受光するまでの時間を測定することで、電柱1の頂部1a(投受光センサ6)から垂下線状部材5が電柱1の内周壁に接触した部位までの距離hが演算され、その演算結果が表示部12に表示されると共に、その時に電柱に加わっている荷重が演算されて表示される。
【0024】
例えば、電柱頂部に荷重Fが加わって電柱1が湾曲し、電柱1の頂部1aの中心が電柱1の基部1bの軸心βに対してLだけずれている場合においては、L=αF(αは定数)の関係となるが、電柱1の湾曲率は、電柱仕様により固有であるため、投受光センサ6で測定した距離hは、Lと相関があり、
h=H−β*Lで表わされる(ここで、Hは電柱1の丈尺を表わす)。
よって、F=a*(H−h) a=1/αβ:電柱固有値となる。
このため、hを測定することで、電柱頂部に加わる荷重Fが算出されることとなる。
【0025】
したがって、上述の構成によれば、電柱1の頂部内側に垂下線状部材5が垂れ下がっており、電柱が湾曲して垂下線状部材5が電柱の内周壁に接触すると、電柱頂部からその接触した部位までの距離を測定することにより電柱1の湾曲状態を検知するようにしたので、電柱1の外側から湾曲状態を測定する大掛かりな設備が不要となる。
【0026】
このため、電柱1の外側に大掛かりな測定機器を設置するための場所を確保する必要がなく、また、電柱1の設置場所に拘わらず湾曲度合いを容易に測定することが可能となる。
【0027】
また、垂下線状部材5や投受光センサ6は、電柱1の内側に設置されているので、電柱外側の環境(天候、紫外線等)や飛来する異物から保護することが可能となり、また、常に同じ個所からの測定が確保されているので、作業者の能力に依存することがなく正確に湾曲度合いを測定することが可能となる。
【0028】
尚、上述の構成いおいては、投受光センサ6及び垂下線状部材5をキャップ4の内側に設けた場合を示したが、キャップ近傍の筒状本体2の内側(電柱内部の頂部近傍)に設けるようにしてもよい。例えば、投受光センサ6及び垂下線状部材5をキャップ4から離して電柱内部の頂部近傍にリブ等により保持固定し、垂下線状部材5を鉛直下向に垂れ下げるようにしてもよい。
【0029】
また、上述の構成においては、垂下線状部材5が電柱1の内周壁に当接した際に電柱1の頂部1aから垂下線状部材5が当接した部位までの距離を検知する検出手段として、垂下線状部材5を光ファイバで構成し、その上端に光ファバ内に投光可能な投受光センサ6を設けた例を示したが、垂下線状部材5を導電線で構成し、電柱1の内周壁に所定の電気抵抗を有する導電体20を設けて導電線(垂下線状部材5)が接触した際に形成される電気回路にて電柱1の頂部1aから導電線(垂下線状部材5)が当接した部位までの抵抗値を検出することで、これらの間の距離hを検知するようにしてもよい。
【0030】
例えば、導電体20の電柱頂部近傍に接続されたリード線21と、導電線(垂下線状部材5)に接続されたリード線22との間に電源23及び電流計24を接続し、導電線(垂下線状部材5)が、図2(b)に示されるように、電柱1の内周壁に設けられた所定の電気抵抗を有する導電体20に接触することで、同図(c)に示される等価回路を形成し、この回路に流れる電流を電流計24で測定することで、抵抗値を算出し、その抵抗値から電柱1の頂部1aから垂下線状部材5が電柱1の内周壁と当接する部位までの距離hを算出し、さらに、その距離hから電柱1の湾曲度い合いを算出する構成にするとよい。
このような構成においても、図1で示す構成と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0031】
さらに、上述した垂下線状部材5を有する構成に対して、電柱1の頂部内側又は電柱内部の頂部近傍に当該電柱の頂部における軸心に沿った下方向での湾曲状態を非接触にて検知する湾曲状態検知手段をさらに付加するようにしてもよい。
【0032】
このような構成としては、例えば、図3に示されるように、キャップ4の内側(電柱頂部の内側)の中央又はその近傍に、電柱1の頂部1aにおける軸心に沿った下方向の距離を測定する測距センサ30を設け、この測距センサ30から照射したレーザパルス光γが電柱の内周壁に当たって反射して戻ってくるまでの時間により電柱頂部とレーザパルス光が当たった電柱の内周壁の部位との距離を測定し、この距離から電柱1の湾曲状態を検知する構成や、前記測距センサ30の代わりに、電柱1の頂部1aにおける軸心に沿った下方向を撮影するカメラを設け、このカメラのオートフォーカス機能や撮影画像から電柱1の湾曲状態を非接触にて検知する構成が考えられる。
尚、電柱1の内周壁には、測距センサ30から照射されたレーザパルス光が反射しやすいように、ディンプルを形成しておくとよい。
【0033】
また、上述した垂下線状部材5を有する構成に対して、図4に示されるように、電柱の頂部内側又は電柱内部の頂部近傍に電柱の下方向へ照射する発光素子40を設け、これに対して電柱1の内周壁に多数の受光素子41を設け、受光素子41で受ける発光素子40からの受光強度に基づき電柱1の湾曲状態を検知する構成を付加するようにしてもよい。
【0034】
このような構成においては、受光素子41を、鉛直方向に所定の間隔で、且つ、円周方向に所定の間隔で多数配設される構成が好ましく、電柱1の各部位の内径に合わせて異なる径の円状に配設された受光素子41を多数用意しておき、電柱1を立設する前に、基端開口部からこの受光素子を挿入して頂部に向って引っ張ることで、指定の内周壁部位に設置するようにしても、電柱に取り付けられる足場ボルトの先端に受光素子41を設けておき、足場ボルトの取付けにより受光素子41を電柱1の内側に突設される構成としてもよい。
【0035】
以上の図3及び図4で示される構成によれば、電柱1の湾曲度合いを垂下線状部材5による湾曲状態の検知と、前記測距センサ30やカメラ、又は、発光素子40と受光素子41による湾曲状態の検知との両方から把握することが可能となるので、湾曲度合いの測定精度を高めることが可能となる。
【0036】
尚、上述の構成においては、電柱1として中空さい頭円すい状のコンクリート柱を用いた場合について示したが、電柱径が均一である中空円筒状の電柱であっても、中空状の鋼管柱であってもよい。
また、上述の構成においては、中空長尺体の例として電柱1を用いた場合を示したが、立設された中空状のポール等の他の中空長尺体において、同様の構成を採用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明に係る中空長尺体湾曲測定装置の構成例を示す図であり、(a)は電柱に対して側方からの荷重がない場合の状態を示す図であり、(b)は電柱に対して側方からの加重を受けた場合の状態を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係る中空長尺体湾曲測定装置の他の構成例を示す図であり、(a)は電柱に対して側方からの荷重がない場合の状態を示す図であり、(b)は電柱に対して側方からの加重を受けた場合の状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る中空長尺体湾曲測定装置の更に他の構成例を示す図であり、(a)は電柱に対して側方からの荷重がない場合の状態を示す図であり、(b)は電柱に対して側方からの加重を受けた場合の状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る中空長尺体湾曲測定装置の更に他の構成例を示す図であり、(a)は電柱に対して側方からの荷重がない場合の状態を示す図であり、(b)は電柱に対して側方からの加重を受けた場合の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 電柱
1a 頂部
5 垂下線状部材
6 投受光センサ
20 導電体
30 測距センサ
40 発光素子
41 受光素子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設された中空長尺体の湾曲度合いを検出する中空長尺体湾曲測定装置であって、
前記中空長尺体の頂部内側又は前記中空長尺体内部の頂部近傍から自重にて下方に垂れ下がる垂下線状部材と、
前記垂下線状部材が前記中空長尺体の内周壁に当接した際に前記中空長尺体の頂部から前記垂下線状部材が当接した部位までの距離を検知する検知手段と
を具備することを特徴とする中空長尺体湾曲測定装置。
【請求項2】
前記垂下線状部材は、光ファイバであり、前記検知手段は、前記光ファイバの上端に投受光センサを設け、この投受光センサにより前記光ファイバ内に投射した光の反射光を検出することで前記距離を検知するものであることを特徴とする請求項1記載の中空長尺体湾曲測定装置。
【請求項3】
前記垂下線状部材は、導電線であり、前記検知手段は、前記中空長尺体の内周壁に導電体を設け、前記導電線が接触した際に形成される電気回路にて前記中空長尺体の頂部から前記垂下線状部材が当接した部位までの抵抗値を検出することで前記距離を検知するものであることを特徴とする請求項1記載の中空長尺体湾曲測定装置。
【請求項4】
前記中空長尺体の頂部内側又は前記中空長尺体内部の頂部近傍に当該中空長尺体の頂部における軸心に沿った下方向での湾曲状態を非接触にて検知する湾曲状態検知手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中空長尺体湾曲測定装置。
【請求項5】
前記中空長尺体の頂部内側又は前記中空長尺体内部の頂部近傍に設けられた当該中空長尺体の下方向へ照射する発光素子と、
前記中空長尺体の内周壁に設けられた多数の受光素子と、
前記受光素子で受ける前記発光素子からの受光強度に基づき前記中空長尺体の湾曲状態を検知する湾曲状態検知手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中空長尺体湾曲測定装置。
【請求項6】
前記中空長尺体は、中空さい頭円すい状又は中空円筒状の電柱であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の中空長尺体湾曲測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−112906(P2010−112906A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287294(P2008−287294)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】