説明

丸太製防護柵の連結構造

【課題】 横架材の傾斜連動を防ぎ、傾斜地に対応して支柱材に横架材を自由に傾斜させて連結できる丸太製防護柵の連結構造を提供する。
【解決手段】 支柱材1と該支柱材1の芯々間に架け渡した横架材2とを板状の連結金具を介して連結した防護柵であり、支柱材1のボルト孔15がある位置の切り込み4内に、一側方からは横架材2に固定用ボルト孔11、12でボルト止めした平面状連結金具6を差し込んで枢着用ボルト孔10を支柱材1のボルト孔15に合わせ、また他方からは横架材2に固定用ボルト孔8、9でボルト固定した屈曲状連結金具5を平面状連結金具6に屈曲内面側が接するように差し込み、各枢着用ボルト孔10、7を支柱材のボルト孔15に合わせて支柱材1の一方側から各ボルト孔15、10、7に枢着用ボルト13を貫挿してナット13aを螺着し、該枢着用ボルト13を支点に横架材2を上下方向に角度を調節して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園の遊歩道などの周囲に設置する丸太製防護柵の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
横架材を支柱材の芯々間に架け渡しタイプの丸太製防護柵の施工においては、通常直立した丸太製の支柱材の側面に丸太径の差込穴を開け、その穴に丸太製の横架材の先端を差し込み、その差し込んだ部分が抜けないように、ビスや釘を斜めに打ち込んで固定したり、止め孔付きのL字型金具をあてがって止め孔にビスや釘を打ち込んで固定している。
そのような連結方法では、傾斜地の場合には傾斜程度に応じて支柱材の側面に斜めに差込穴を加工しなければならず、これには大変手間がかかり、また設置後に横架材を交換する場合、固定されている支柱材に横架材の両端を同時に嵌め込むのが大変困難であることから、これを改善するために特許文献1及び特許文献2に開示されている金属板製の連結部材を用いた連結構造の技術の提案がなされている。
上記特許文献1の技術においては、支柱材に縦の切り込みを入れて連結用の金属板を挟み込み、その金属板の突出部分の両側に先端に切り込みを設けた横架材を差し込んでボルト止めして連結する構造となっている。
また特許文献2の技術と関連して、上記特許文献1の難点である、支柱材を挟んで一方の横架材が動くと他方の横架材はつられて連動する傾動現象を、ボルト止め部分に座金を用いて固定することによって防止しょうとした技術の提案がなされている。
【特許文献1】特開2002−356821
【特許文献2】特開2003−269435
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、持たれ掛かったり乗ったりして人が横架材に体重を掛けると、図10の矢印に示すように、一枚の連結用の金属板が支柱材のボルト止め部分を支点にして支柱材の両側の横架材がシーソーのように傾斜連動する所謂傾動現象が起こり、その動きが不安感を与えたり、思わぬ動きで事故を起こす危険性があった。
また、支柱材の両側の横架材の芯同士を一直線に通すことができる利点がある反面、両者を芯をずらして支柱材に固定することができない難点があった。
なお特許文献2の技術では、座金の締め付けである程度の傾動が防げるが基本構造は特許文献1と同じなので、使用素材が強度的に強固ではない自然の木材なので程度の差はあれ所謂傾動現象の発生の根本的な解決には至っていなかった。
そこで、本発明は上記問題を解決し、横架材の支柱材を挟んだ傾斜連動を完全に防ぐことが可能で且つ設置場所の傾斜地にも対応して支柱材に横架材を自由に傾斜させて連結できる丸太製防護柵の連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の丸太製防護柵の連結構造は、請求項1にあっては、丸太製の直立した支柱材と該支柱材の芯々間に架け渡した横架材とを丸太径より細幅な板状の連結金具を介して結合した防護柵であって、前記連結金具は、板面の先端寄り部位と基端寄り部位にボルト孔を設けた平面状連結金具と、板面の支柱材内に隠れる中間部位を板厚分の段差に屈曲させ、その屈曲部位よりも先端寄り部位と基端寄り部位にそれぞれボルト孔を設けた屈曲状連結金具とを一組とする。
前記横架材には、端部から前記連結金具が差し込める幅の切り込みを形成して該切り込み部に前記連結金具のボルト孔の位置に合致するボルト孔を貫設する。
前記支柱材には、上端部から下方へ前記連結金具2枚を挟める幅の縦の切り込みを形成して該縦の切り込み部の前記横架材の段数に応じて設定した各取付け高さ部位にボルト孔を貫設する。
端部に前記平面状連結金具の基端部をボルト止めした一方の横架材と、端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした他方の横架材とを、前記支柱材の両側から前記両連結金具の先端を前記縦の切り込み内に前記平面状連結金具に前記屈曲状連結金具の屈曲内面側が接するように差し込んで、前記支柱材のボルト孔に前記両連結金具の先端部のボルト孔を合致させてボルト止めして成る。
そして、該ボルトを支点に両側の横架材がそれぞれ上下方向に角度を自由に調節して固定できるようにしたことを特徴とする。
【0005】
請求項2にあっては、丸太製の直立した支柱材と該支柱材の芯々間に架け渡した横架材とを丸太径より細幅な板状の連結金具を介して結合した防護柵であって、前記連結金具は、前記支柱材の周面に添って湾曲した円周の約1/4の長さの周面接触部を備えるとともに、該周面接触部の両端に周円の放射方向に屈曲させた連結部と、前記周面接触部の中央と前記両連結部の先端寄りにボルト孔を設けたコーナー連結金具と、中間を板厚分の段差に屈曲させ、その屈曲部位よりも板面の先端寄り部位と基端寄り部位にそれぞれボルト孔を設けた屈曲状連結金具とを一組とする。
前記横架材には、端部から前記連結金具が差し込める幅の切り込みを形成して該切り込み部に前記連結金具のボルト孔の位置に合致するボルト孔を貫設する。
前記支柱材には、前記横架材の段数に応じて設定した各取付け高さ部位にボルト孔を貫設する。
前記支柱材のボルト孔にコーナー連結金具の周面接触部をボルト止めして端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした両横架材の切り込み部に前記コーナー連結金具の連結部を前記屈曲状連結金具の屈曲内面側に接するよう差し込んで、前記横架材のボルト孔に前記コーナー連結金具の連結部と前記屈曲状連結金具のボルト孔を合致させてそれぞれボルト止めして成る。
そして、該ボルトを支点に両側の横架材がそれぞれ上下方向に角度を自由に調節して固定できるようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項3にあっては、丸太製の直立した支柱材と該支柱材の芯々間に架け渡した横架材とを丸太径より細幅な板状の連結金具を介して結合した防護柵であって、
前記横架材の一方側には、請求項1に記載の支柱材及び連結金具を用い、他方側には請求項2に記載の支柱材及び連結金具を用い、
前記横架材の一方側の横架材と支柱材は、端部に前記平面状連結金具の基端部をボルト止めした一方の横架材と、端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした他方の横架材とを、前記支柱材の両側から前記両連結金具の先端を前記縦の切り込み内に前記平面状連結金具に前記屈曲状連結金具の屈曲内面側が接するように差し込んで、前記支柱材のボルト孔に前記両連結金具の先端部のボルト孔を合致させてボルト止めして成り、
前記横架材の他方側の横架材と支柱材は、前記支柱材のボルト孔にコーナー連結金具の周面接触部をボルト止めして端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした両横架材の切り込み部に前記コーナー連結金具の連結部を前記屈曲状連結金具の屈曲内面側に接するよう差し込んで、前記横架材のボルト孔に前記コーナー連結金具の連結部と前記屈曲状連結金具のボルト孔を合致させてそれぞれボルト止めして成り、
前記ボルトを支点に両側の横架材がそれぞれ上下方向に角度を自由に調節して固定できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項4にあっては、上記発明の構成において、前記支柱材の縦の切り込みを、前記支柱材の両側から差し込まれた各連結金具が重なる部分では前記連結金具2枚の幅とし、前記平面状連結金具のみとなる部分では前記連結金具1枚の幅に形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項5にあっては、上記発明の構成において、横架材に差し込む平面状連結金具又は屈曲状連結金具の基端寄り部位に設けたボルト孔が複数であることを特徴とする。
【0009】
請求項6にあっては、上記発明の構成において、支柱材又は横架材のボルト孔の開口部をボルト頭及びナットが埋没可能な深さに形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項7にあっては、上記発明の構成において、支柱材又は横架材の開口部に開口部と同形に嵌る蓋を被着したことを特徴とする。
【0011】
請求項8にあっては、上記発明の構成において、横架材の端部を、上下方向に角度を自由に調節したときに支柱材に接触しない程度の取付傾斜角に応じた傾斜形状の面取りをしたことを特徴とする。
【0012】
請求項9にあっては、上記発明の構成において、支柱材の上端部にキャップを被着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の丸太製防護柵の連結構造は上記構成であり、設置に場所の傾斜に応じて、横架材を該横架材と支柱材とを連結する連結金具に枢着したボルトを支点に、傾斜角度を上下方向自由に調節して固定することが可能となる。
その際に、横架材を支柱材に連結した各連結金具は、前記枢着用のボルトを支点に、それぞれが独立して角度を変えられるので、それぞれの横架材は他の横架材の角度変化に影響されずに固定できる。
このため、横架材間の傾斜連動を完全に防ぐことが可能となり、人が横架材にもたれかかったりして体重をかけたときの安定性と安全性を高めることが可能となった。
前記請求項2の形態では、支柱材両側の横架材の横方向の開き角度が連結金具の屈曲部の弾性又は塑性変形によって調節することが可能であり、横方向に90度の開き角度を中心に数10度の範囲で屈曲した柵の列に対応して設けることが可能となった。
また、請求項3の形態では、横架材を直列させて設置することと併せて水平方向に屈折させて設置することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の丸太製防護柵の連結構造を実施するための最良の形態を以下の実施例により説明する。
本発明は、コンクリート基礎Kに直立した支柱材1と該支柱材1の芯々間に架け渡した横架材2とを板状の連結金具を介して連結した防護柵であり、この連結構造は、図2に示すような直列の構造(以下直列タイプと呼ぶ)と、図5に示すような折れ曲がった構造(以下屈折タイプと呼ぶ)と、図1に示すように、横架材2の両側に直列タイプと屈折タイプとの異なったタイプを繋ぐ構造とがある。
【0015】
まず、直列タイプについて説明する。
この形態では、図1の右下部及び図8に示すように、丸太製の直立した支柱材1と該支柱材1の芯々間に架け渡した横架材2とを、図2に示すように、丸太表面から食み出さないように、丸太径より細幅に形成した板状の中間を屈曲させた屈曲状の連結金具5とフラットな平面状の連結金具6の2種類の連結金具5、6を一組とし、その1組の連結金具5、6を介して結合させる。
【0016】
前記平面状連結金具6は、板面の先端部6a寄り部位には1つの支柱材1に対する枢着用のボルト孔10を設け、基端部6b寄り部位とその部位からさらに中央寄り部位に横架材2に対する固定用のボルト孔12、11を設ける。
前記屈曲状連結金具5は、板面の支柱材1内に隠れる中間部位(より具体的には図4に示すように、板面の前記平面状連結金具6の前記枢着用のボルト孔10から板面の先端間の距離より長く且つ支柱材1の半径よりも短い部位)、を板厚分の段差で前記枢着用のボルト孔10側の板面と前記固定用のボルト孔8、9側の板面が平行な段差面となるように屈曲させ、この屈曲部17よりも板面の先端部5a寄り部位には1つの支柱材1に対する枢着用のボルト孔7を設け、基端部5b寄り部位とその部位からさらに中央寄り部位に、横架材2に対する固定用のボルト孔9、8を設ける。
【0017】
前記横架材2は、図1に示すように、円柱加工した丸太材を一定長さで両端部2aを切り揃え、図3及び図4に示すように、その端部2aから前記平面状連結金具6と屈曲状連結金具5が同時に差し込める板2枚分の板厚程度の幅とし、前記連結金具6、5の固定用のボルト孔11、12、8、9が全部納まる長さよりも深い切り込み3を形成して該切り込み3部に、該横架材2の丸太材の芯部に合致するように差し込んだときの前記連結金具6、5の各ボルト孔11、12、8、9の位置に合致するようにボルト孔16を、丸太材の割られた周面の中央両側から貫通するように設ける。
【0018】
前記支柱材1は、図8に示すように、円柱加工した丸太材を一定高さで上端部1aを切り揃え、図2に示すように、この上端部1aの丸太の直径線から下向きに前記連結金具の2枚を挟めるように2枚分の板厚と略同幅の縦の切り込み4を前記横架材2の取付け位置に応じた深さの端部4bまで形成して、該縦の切り込み4部の前記横架材2の段数に応じて設定した各取付け高さ部位に丸太材の割られた周面の中央両側から貫通するボルト孔15を設ける。
【0019】
そして、図2及び図4に示すように、前記横架材2の端部2aに前記平面状連結金具6の基端部6aをボルト14で固定した一方の横架材2と、端部に前記屈曲状連結金具5の基端部5aをボルト14で固定した他方の横架材2とを、前記支柱材1の両側から両連結金具5、6の先端部5a、6aを縦の切り込み4内の前記ボルト孔15がある位置に前記平面状連結金具6に前記屈曲状連結金具6の屈曲内面側が接するように差し込んで、前記支柱材1のボルト孔15に両連結金具の先端部5a、6aのボルト孔7、10を合致させて前記支柱材1の一方側から前記各ボルト孔15、10、7に枢着ボルト13を貫挿して他方側からナット13aを螺着する。
すると図3に示すように、該ボルト13を支点に両側の横架材2、2をそれぞれ上下方向に角度(図3中の角度αに示す)を自由に調節して固定できるようになる。
【0020】
また、図2及び図4に示すように、前記支柱材の縦の切り込み4を、両連結金具5、6が重なる部分では前記連結金具2枚の幅とし、前記平面状連結金具6のみとなる部分では前記連結金具1枚の幅となるように段差に形成することが可能であり、その幅段差部18の両側には前記平面状連結金具6部分の余分な隙間がなくなり、該横架材2の横振れが防止できるようになる。
【0021】
次ぎに、屈折タイプについて説明する。
この形態では、この形態では、図1の左上に示すように、丸太製の直立した支柱材20と該支柱材20の芯々間に架け渡した横架材2とを、図5及び図6に示すように、丸太径より細幅とした板状のコーナー連結金具22と連結金具23の2種類を一組とした両連結金具22、23を介して結合させる。
【0022】
そのうち一つのコーナー連結金具22は、図5に示すように、前記支柱材20の周面に添って湾曲した円周の約1/4の長さの周面接触部22aを有し且つその周面接触部22aの両端に周円の放射方向に屈曲させた連結部22bを形成する。
前記周面接触部22aの中央に前記支柱材20に対するボルト孔24を設け、前記両連結部22bの先端寄りに1つの枢着用のボルト孔29を設ける。
もう一つの連結金具23は、中間を先端側の板面と基端側の板面が平行な段差面となるように板厚分の段差に屈曲させ、屈曲部23aの両側板面の先端寄り部位に1つの枢着用のボルト孔27を設け、基端寄り部位には固定用のボルト孔28を設ける。
【0023】
前記横架材2は、図1に示すように、円柱加工した丸太材を一定長さで両端部2aを切り揃え、図4及び図5に示すように、一方の端部2aから前記連結金具23が差し込めるように前記連結金具2枚分の板厚と略同幅の幅で、前記屈曲状連結金具23が全部納まる長さよりも深い切り込み21を形成して、該切り込み21部に前記屈曲状連結金具23を丸太材内に差し込んだときにそのボルト孔27、28が丸太材の芯部に合致する位置に合わせて丸太材の割られた周面の中央両側から貫通するボルト孔30、31を設ける。
【0024】
前記支柱材20は、円柱加工した丸太材を一定高さで上端部20aを切り揃え、前記横架材2の段数に応じて設定した各取付け高さ部位に丸太材の周面の中央両側から貫通するボルト孔25を設ける。
【0025】
そして、図4及び図5に示すように、前記支柱材20のボルト孔25にコーナー連結金具22の周面接触部22aをボルト26で固定し、端部2aに前記屈曲状連結金具23の基端部をボルト33止めした両横架材2、2の切り込み21部に前記コーナー連結金具22の連結部22bを前記屈曲状連結金具23の屈曲内面側に接するよう差し込んで、前記横架材2のボルト孔30に前記コーナー連結金具22の連結部22bと前記屈曲状連結金具23のボルト孔29、27を合致させてボルト32を貫挿してナット32aを螺着する。
そして、支柱材20の該ボルト32を支点に支柱材20の両側の横架材2、2をそれぞれ上下方向に角度(図5中の角度αに示す)を自由に調節して固定できるようにする。
【0026】
この屈折タイプの形態にあっては、支柱材20両側の横架材2の横方向の開き角度が連結金具の屈曲部の弾性又は塑性変形によって調節することが可能であり、横方向に90度の開き角度を中心に数10度の範囲で自由に屈曲(図6中の角度βに示す)させて設置することが可能となる。
【0027】
上記直列タイプと屈折タイプのいずれの形態においても、直列タイプの前記平面状連結金具6、屈曲状連結金具5及び屈折タイプの前記屈曲状連結金具23の前記横架材2に差し込む基端寄り部位に設けたボルト孔16、31は、図1では、直列タイプでは二個、屈折タイプでは1個設けた態様を示しているが、さらに強固に固定するために、さらにそれぞれ数個設けることも可能である。
【0028】
また、図1に示すように、横架材2の両側に、上記直列タイプと上記屈折タイプとの異なったタイプを繋ぐ構造が可能である。
従って、本発明では、上記直列タイプと、上記屈折タイプと、上記直列タイプ及び屈折タイプの組合せとを設置する土地の地形に合わせて適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0029】
さらに、図4及び図6に示すように、支柱材1、20及び横架材2の表面に現れるボルト孔15、16、25、30、31の各開口部はボルト頭及びナットが埋没可能な深さのボルト頭陥没孔15a、16a、25a、30a、31aに形成することができ、このようにすれば、表面からボルト頭及びナットなどが隠れ、接触したとき衣類や身体を傷つけるおそれがなくなり安全である。
【0030】
そして、図5及び図7に示すように、支柱材1、20又は横架材2のボルト孔の各開口部には、その開口部と同形に嵌る蓋35を被着すとさらに表面からその孔を隠せるので見栄えがよくなる。
【0031】
さらに、図5及び図7に示すように、横架材2の端部2aを、上下方向に角度を自由に調節する際に、大きな傾斜角度となった時に、支柱材1に横架材2の端部2aのコーナー部が当たって調節が阻害されるのを防ぐために、前記支柱材1に接触しない程度の取付傾斜角に応じた傾斜形状の面取り34をすると良い。
【0032】
また、図1及び図2に示すように、支柱材1、20の上端部には金属製又はプラスチック製のキャップ19を被着すれば、上記直列タイプでは、支柱材の縦の切り込み4の開口部4aが覆われるので、雨水による内部金具の腐蝕を防ぐととものにゴミを詰めるなどの悪戯などに対する防護にもなる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は丸太防護柵の構造であるが、丸太を用いる各種手摺などに用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の直列タイプと屈折タイプとを備えた全体の斜視図である。
【図2】請求項1の直列タイプの形態における部分断面斜視図である。
【図3】図2の形態における横架材が傾斜した状態を示す要部の部分断面斜視図である。
【図4】図2の形態における要部の水平断面図である。
【図5】請求項3の屈折タイプの形態における要部の部分断面斜視図である。
【図6】図5の形態における要部の水平断面図である。
【図7】請求項6及び請求項7の形態における斜視図である。
【図8】直列タイプの斜視図である。
【図9】請求項7の形態における要部の縦断側面図である。
【図10】従来の連結部における要部の縦断側面である。
【符号の説明】
【0035】
1 支柱材
1a 支柱材の上端部
1b 支柱材の下部
2 横架材
2a 横架材の端部
3 切り込み
3a 横架材の切り込み開口部
3b 横架材の切り込み端部
4 支柱材の切り込み
4a 支柱材の切り込み開口部
4b 支柱材の切り込み端部
5 屈曲状連結金具
5a 屈曲状連結金具の先端部
5b 屈曲状連結金具の基端部
6 平面状連結金具
6a 平面状連結金具の先端部
6b 平面状連結金具の基端部
7 枢着用ボルト孔
8 固定用ボルト孔
9 固定用ボルト孔
10 枢着用ボルト孔
11 固定用ボルト孔
12 固定用ボルト孔
13 枢着用ボルト
13a ナット
14 固定用ボルト
14a ナット
15 支柱材のボルト軸孔
15a ボルト陥没孔頭孔
16 横架材のボルト軸孔
16a ボルト陥没孔頭孔
17 屈曲部
18 幅段差部
19 キャップ
20 支柱材
20a 支柱材の上端部
20b 支柱材の下部
21 横架材の切り込み
21a 横架材の切り込み開口部
21b 横架材の切り込み端部
22 コーナー連結金具
22a コーナー連結金具の周面接触部
22b コーナー連結金具の連結部
23 連結金具
24 コーナー連結金具のボルト孔
25 支柱材のボルト孔
25a ボルト頭陥没孔
26 固定用ボルト
26a ナット
27 連結金具の枢着用ボルト孔
28 連結金具の固定用ボルト孔
29 コーナー連結金具の枢着用のボルト孔
30 横架材の枢着用ボルト軸孔
30a ボルト頭陥没孔孔
31 横架材の固定用ボルト軸孔
31a ボルト頭陥没孔
32 枢着用ボルト
32a ナット
33 固定用ボルト
33a ナット
34 面取り
35 蓋
K コンクリート基礎







【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸太製の直立した支柱材と該支柱材の芯々間に架け渡した横架材とを丸太径より細幅な板状の連結金具を介して結合した防護柵であって、
前記連結金具は、板面の先端寄り部位と基端寄り部位にボルト孔を設けた平面状連結金具と、板面の支柱材内に隠れる中間部位を板厚分の段差に屈曲させ、その屈曲部位よりも先端寄り部位と基端寄り部位にそれぞれボルト孔を設けた屈曲状連結金具とを一組とし、
前記横架材には、端部から前記連結金具が差し込める幅の切り込みを形成して該切り込み部に前記連結金具のボルト孔の位置に合致するボルト孔を貫設し、
前記支柱材には、上端部から下方へ前記連結金具2枚を挟める幅の縦の切り込みを形成して該縦の切り込み部の前記横架材の段数に応じて設定した各取付け高さ部位にボルト孔を貫設し、
端部に前記平面状連結金具の基端部をボルト止めした一方の横架材と、端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした他方の横架材とを、前記支柱材の両側から前記両連結金具の先端を前記縦の切り込み内に前記平面状連結金具に前記屈曲状連結金具の屈曲内面側が接するように差し込んで、前記支柱材のボルト孔に前記両連結金具の先端部のボルト孔を合致させてボルト止めして成り、
該ボルトを支点に両側の横架材がそれぞれ上下方向に角度を自由に調節して固定できるようにしたことを特徴とする丸太製防護柵の連結構造。
【請求項2】
丸太製の直立した支柱材と該支柱材の芯々間に架け渡した横架材とを丸太径より細幅な板状の連結金具を介して結合した防護柵であって、
前記連結金具は、前記支柱材の周面に添って湾曲した円周の約1/4の長さの周面接触部を備えるとともに、該周面接触部の両端に周円の放射方向に屈曲させた連結部と、前記周面接触部の中央と前記両連結部の先端寄りにボルト孔を設けたコーナー連結金具と、中間を板厚分の段差に屈曲させ、その屈曲部位よりも板面の先端寄り部位と基端寄り部位にそれぞれボルト孔を設けた屈曲状連結金具とを一組とし、
前記横架材には、端部から前記連結金具が差し込める幅の切り込みを形成して該切り込み部に前記連結金具のボルト孔の位置に合致するボルト孔を貫設し、
前記支柱材には、前記横架材の段数に応じて設定した各取付け高さ部位にボルト孔を貫設し、
前記支柱材のボルト孔にコーナー連結金具の周面接触部をボルト止めして端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした両横架材の切り込み部に前記コーナー連結金具の連結部を前記屈曲状連結金具の屈曲内面側に接するよう差し込んで、前記横架材のボルト孔に前記コーナー連結金具の連結部と前記屈曲状連結金具のボルト孔を合致させてそれぞれボルト止めして成り、
該ボルトを支点に両側の横架材がそれぞれ上下方向に角度を自由に調節して固定できるようにしたことを特徴とする丸太製防護柵の連結構造。
【請求項3】
丸太製の直立した支柱材と該支柱材の芯々間に架け渡した横架材とを丸太径より細幅な板状の連結金具を介して結合した防護柵であって、
前記横架材の一方側には、請求項1に記載の支柱材及び連結金具を用い、他方側には請求項2に記載の支柱材及び連結金具を用い、
前記横架材の一方側の横架材と支柱材は、端部に前記平面状連結金具の基端部をボルト止めした一方の横架材と、端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした他方の横架材とを、前記支柱材の両側から前記両連結金具の先端を前記縦の切り込み内に前記平面状連結金具に前記屈曲状連結金具の屈曲内面側が接するように差し込んで、前記支柱材のボルト孔に前記両連結金具の先端部のボルト孔を合致させてボルト止めして成り、
前記横架材の他方側の横架材と支柱材は、前記支柱材のボルト孔にコーナー連結金具の周面接触部をボルト止めして端部に前記屈曲状連結金具の基端部をボルト止めした両横架材の切り込み部に前記コーナー連結金具の連結部を前記屈曲状連結金具の屈曲内面側に接するよう差し込んで、前記横架材のボルト孔に前記コーナー連結金具の連結部と前記屈曲状連結金具のボルト孔を合致させてそれぞれボルト止めして成り、
前記ボルトを支点に両側の横架材がそれぞれ上下方向に角度を自由に調節して固定できるようにしたことを特徴とする丸太製防護柵の連結構造。
【請求項4】
前記支柱材の縦の切り込みを、前記支柱材の両側から差し込まれた各連結金具が重なる部分では前記連結金具2枚の幅とし、前記平面状連結金具のみとなる部分では前記連結金具1枚の幅に形成したことを特徴とする請求項1又は3に記載の丸太製防護柵の連結構造。
【請求項5】
横架材に差し込む平面状連結金具又は屈曲状連結金具の基端寄り部位に設けたボルト孔が複数であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載の丸太製防護柵の連結構造。
【請求項6】
支柱材又は横架材のボルト孔の開口部をボルト頭及びナットが埋没可能な深さに形成したことを特徴とする請求項1から5のうちいずれかに記載の丸太製防護柵の連結構造。
【請求項7】
支柱材又は横架材の開口部に開口部と同形に嵌る蓋を被着したことを特徴とする請求項1から6のうちいずれかに記載の丸太製防護柵の連結構造。
【請求項8】
横架材の端部を、上下方向に角度を自由に調節したときに支柱材に接触しない程度の取付傾斜角に応じた傾斜形状の面取りをしたことを特徴とする請求項1から7のうちいずれかに記載の丸太製防護柵の連結構造。
【請求項9】
支柱材の上端部にキャップを被着したことを特徴とする請求項1から8のうちいずれかに記載の丸太製防護柵の連結構造。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−186901(P2007−186901A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5721(P2006−5721)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(593043598)東武イマリン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】