説明

二段階又は多段階硬化のための生体適合性ポリマー組成物

本発明は、基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性ポリマー組成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の少なくとも一つの官能基と反応性である官能基を有し、基本分子の前記の少なくとも二つの官能基の第一の官能基は、連結剤分子との反応により前記ポリマー組成物の第一の硬化段階を実施可能にし、基本分子の第二の及び存在する場合は更なる官能基は、前記ポリマー組成物の第二の及び更なる硬化段階を実施可能にし、前記の第一の、第二の及び存在する場合は更なる硬化段階は、必要に応じて同時に又は各々独立して活性化が可能である、生体適合性ポリマー組成物を提供する。本発明は更に、組織工学、ドライデリバリーのような生物医学的用途における、創傷治癒における生体接着剤としての、骨代用物又は骨格としての、歯用途及び歯周用途におけるセメントとしての、並びに粘着防止物又は保護遮断層としての、本発明のポリマー組成物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同じ又は異なる特徴を有し、そして、同時に、直列的(tandem)に又は段階的(step wise)に行われ、必要に応じて2以上の段階で硬化することが可能な、生物医学的用途における使用のための生体適合性ポリマー組成物に関する。本組成物は、生分解性又は生安定性であり、それ自体、創傷治癒における生体接着剤として、骨代用物又は骨格として、歯用途及び歯周用途におけるセメントとして、及び粘着防止バリヤ層又は保護バリヤ層として、組織工学、ドラッグデリバリーのような生物医学的用途において使用され得る。
【背景技術】
【0002】
生物医学的用途において用いられる合成ポリマーの性質及び化学は、その用途によって変わる。一般的に、それらの合成ポリマーは、どのような形状にでも加工されることができるという他の物質より優れた利点、及びそれらの機械的性質に関する限り、すぐ使えるようにその用途に合うように製造される能力を有する必要がある。そのようなポリマーは、又、それらが置かれる環境にそれらを統合させる種々の官能基を有するように製造され得る。例えば、いくつかの移植可能なポリマーは生分解性であり、体自体の望ましくない副生成物を清浄化するために、体が用いる代謝経路を通して容易に再吸収され得る断片に分解される。
【0003】
合成の生物医学的ポリマーは、非生分解性ポリマーと生分解性ポリマーに大きく分類され得る。非生分解性であるポリマーは、医療器具が無期限に、又はその器具がもはや必要でないと決定されるときまで定位置に存在する必要があり、そして安全に取り除かれ得る場合、すなわち、常置の固定器具において、広く用いられる。それらのポリマーは、それらが置かれる環境において完全に非生分解性であるか又は最小の分解性しか有せず、そして、例えば、乳房インプラントのような領域において、骨固定器具のような整形外科用途において、そして、より最近では心臓弁のような重要な組織を置き換えるために、広範に用いられる。
【0004】
ポリシロキサン類、ポリウレタン類及び/又はそれらのコポリマーは、そのような用途に広範に用いられる。
【0005】
研究されている大多数の生分解性ポリマーは、ポリエステル族に属している。それらのなかで、過去における長い間、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)のようなポリ(α−ヒドロキシ酸)及びある範囲のそれらのコポリマーが、生分解性ポリエステルにおいて公表された物質の大部分を構成しており、多くの臨床的用途における合成の生分解性物質として長い使用歴がある。それらの用途のなかで、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)及びそれらのコポリマー、ポリ(p−ジオキサノン)、並びにトリメチレンカーボネートとグリコリドのコポリマーが最も広範に用いられてきた。それらの主な用途には、再吸収性縫合糸、ドラッグデリバリーシステム、並びにピン、ロッド及びねじのような整形外科用固定器具が含まれる。合成ポリマーの族のなかで、ポリエステル類は、そのエステル結合の加水分解による分解の容易さ、いくつかの場合において、それらの分解生成物が代謝経路により再吸収されるという事実、及び分解速度を変えるために、その構造に関して合うように製造される可能性のために、それらの用途における使用にとって好ましい。
【0006】
生分解性及び生安定性の両方のそれらのポリマーのほとんどすべては、適用の前に予備製造又は予備硬化され、そして成形される。少数の場合に、2つ又は多くの異なる反応性種が使用の直前に一緒に混合され、それによって、ユーザーは、そのポリマーが硬化し始めて加工が困難になる前に特定の時間帯をもつ。骨の固定器具において、混合の後に、しかし、欠損部を支持する硬質の物質に硬化する前に、特定の部位に2部分の混合物が用いられ得るか又は注入され得る。セラミックのような無機物質とポリマーの混合物である他のハイブリッド物質が整形外科的修復のために広範に研究されている。それらのポリマー系も、最終の硬化された固体物質を得るために2部分系を混合することによる、制御されていない硬化の使用に頼っている。それらは予備加工された細孔サイズ及び優れた機械的強さの利点を有するが、それらは、所望の外面的形態に形づくられることができないという欠点を有する。
【0007】
表面被覆剤及び接着剤のような用途のために設計される、複数の硬化方法及び硬化工程により硬化できるポリマー組成物は文献に報告されている。しかし、そのような組成物は、種々の製品の要件に合致させるために組み込まれる多くの化合物の存在から生じる非常に複雑な性質のゆえに生物医学的用途に合わない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
容易に使用可能であるように、その硬化プロセスが制御され得て、特定の用途に合うように、その設計が調整され得る、生物医学的用途における使用のための多官能性ポリマー組成物を提供することが、本発明の一つの目的である。それらのポリマーは、望ましくは、細胞、成長因子、並びにナノ粒子状のハイドロキシアパタイト、燐酸カルシウム、又は選ばれる用途における添加剤であり得る他の粒子のような他の成分のような生物学的成分を組み込むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
このために、基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性ポリマー組成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の前記官能基の少なくとも一つと反応性である官能基を有し、基本分子の少なくとも二つの官能基の第一の官能基は、連結剤分子の官能基との反応により前記ポリマー組成物の第一の硬化段階を実施可能にし、基本分子の第二の及び存在する場合は更なる官能基は、前記ポリマー組成物の第二の及び任意の更なる硬化段階を実施可能にし、前記の第一の、第二の及び存在する場合は更なる硬化段階は、必要に応じて同時に又は各々独立して活性化が可能である、生体適合性ポリマー組成物が提供される。
【0010】
本発明は、又、基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物の反応生成物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性プレポリマー組成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の前記官能基の少なくとも一つと反応性である官能基を有し、前記反応生成物は、基本分子の少なくとも二つの官能基の第一の官能基が連結剤分子の官能基と反応し、前記プレポリマー組成物を生成する第一の硬化段階の結果である、生体適合性プレポリマー組成物を提供する。
【0011】
好ましくは、生体適合性プレポリマー組成物は流動可能であり注入可能である。
【0012】
本明細書を通して、「プレポリマー」という用語は、基本分子と連結剤分子の組み合わせによる第一の硬化段階において生成され、第二の又は更なる硬化段階において、更になお硬化されるポリマー組成物を意味するために用いられる。
【0013】
本発明は、又、基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物の反応生成物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の前記官能基の少なくとも一つと反応性である官能基を有し、前記最終生成物は、基本分子の少なくとも二つの官能基の第一の官能基が連結剤分子の官能基と反応する第一の硬化段階、並びに開始剤化合物が活性化され、基本分子の少なくとも前記の第二の官能基の遊離基重合に影響を与える第二の更なる硬化段階及び任意の更なる硬化段階の結果である、生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物を提供する。
【0014】
本発明による組成物は、2つ以上の独立した干渉しない硬化方法が望ましい用途において特に有用であることが見出された。例えば、骨及び軟骨又は組織工学用途において、硬化の一つの様式はインプラントにおいて本質的な多孔性を生じるために用いられ得て、一方、もう一つの様式は、易流動性の、注入できる物質を、デリバリー時に架橋させるために用いられ得る。更に、硬化の最初の様式は、例えば、その物質が望ましい形状及び形態に形づくられ得るか又は成形され得るようにその組成物の粘度を増大させるために用いられ得て、硬化の二番目の様式は、最終形状を固定するために用いられ得る。本発明による組成物は又、選択的な官能基の存在下で硬化させるために操作され得て、支持体に強力な共有結合をもたらすか、又は必要に応じて同時に及び/又は直列的に及び/又は段階的に架橋することにより硬質の空間充填物質に硬化され得る。本組成物は生体適合性及び生分解性、又は常置の取付具のために生安定性であるように操作され、必要に応じて生体内で又は生体外で、そして水性環境又は有機環境のいずれかで硬化されるという選択肢を有する。それらは流動性に製造され、従って注入可能であり得て、非侵襲性外科的修復用途に使用可能である。本組成物中に水が存在する場合、硬化された最終物質は、組織工学操作された生成物及び治療において細胞の成長を助けるために、細胞又は成長因子のような生物学的成分のデリバリー及び栄養素の供給を可能にする多孔質である。更に、ナノ粒子状ハイドロキシアパタイト、燐酸カルシウム及び他の粒子のような他の成分が組み込まれ得る。本発明の組成物は、1乃至2分の照射を用いて、硬質の、そして任意に多孔質の物質に必要に応じて典型的には硬化され得ることが見出された。従って、本発明によるポリマー組成物、プレポリマー組成物及び硬化された最終生成物には又、歯の及び歯周の修復における、外科的接着剤としての、非接着性バリヤ層としての、保護バリヤ層としての、例えば潰瘍の保護における保護バリヤ層としての使用を含む創傷修復における、並びに骨格の製造における用途が見出される。
【0015】
好ましくは、基本分子及び連結剤分子は、各々、独立して、単一の有機分子であり得るか、又は2つ以上の基幹モノマーから生成されるオリゴマーであることができる。基本分子又は連結剤分子がオリゴマーである場合、好ましくは、2,000未満の、より好ましくは1,000未満の、より好ましくは500未満の分子量を有する。
【0016】
本発明の組成物は又、プレポリマー組成物(基本分子と連結剤分子の組み合わせにより生成される)の、貯蔵中の早過ぎる重合を防ぐためのラジカル阻害剤、及び/又は前記の第二の及び/又は更なる硬化工程の活性化における補助をするための増感剤又は促進剤を含有し得る。
【0017】
更に、より好ましくは、本発明の組成物は又、例えば、水のような、しかし水に限定されない分散剤又はポロゲン(porogen);細胞、成長因子のような生物学的成分;生物薬剤及び医薬品を含む生体活性分子、又はナノ粒子状ハイドロキシアパタイト、燐酸カルシウムもしくは他の粒子のような他の成分も含有し得る。
【0018】
ポロゲンとして、好ましくは、水は本発明の組成物中に、本組成物の総重量の40%までの量で存在する。本組成物中に乳化剤も存在する場合、より多含量の水が組み込まれ得る。そのような場合には、80%までの量における水が組み込まれ得る。乳化剤の添加は、細孔サイズ及び分布を制御することも補助する。いずれの乳化剤も用いられ得るが、生物医学的用途にはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー(BASFから入手可能なPluronic)、ポリシロキサンとポリエチレングリコールのブロックコポリマーのような乳化剤が好ましい。適し得る市販の乳化剤には、Symperonic PEF127及びSymperonic PEL101(Uniqema)が含まれる。
【0019】
本明細書を通して、「開始剤化合物」という用語は、第二の及び/又は更なる硬化工程において、エネルギー源により活性化されたときに、前記組成物の遊離基重合をもたらす分子又は分子の混合物を意味すると解釈される。第二の及び/又は更なる硬化工程では、好ましくは、例えば特別な波長の光による照射(光開始)、熱開始又はレドックス開始のような、本組成物の外部の手段により活性化され、その結果、ポリマー組成物を硬化させるように遊離基重合が生じる。用語「二段階硬化」、「多段階硬化」及び「必要に応じて硬化」は互換的に用いられ、一段階より多い段階で、適する開始剤刺激の適用により、ユーザーが選択するタイミングにおいてポリマーが硬化され得ることを示すのに用いられる。
【0020】
光開始重合において、開始の速度を増大させるために増感剤が添加され得る。重合が生じる波長を変えるために他の有機添加剤が組み込まれ得る。増感剤は、前記ポリマー組成物が特定の環境条件下で第二の又は次に続く硬化工程を実施しやすくするための化学的性質を有する別の分子であることができる。従って、本明細書を通して、用語「増感剤」は、活性化を補助し、第二又は次に続く硬化工程の光開始の速度を増大するいずれかの分子を意味すると解釈される。
【0021】
同様に、熱により開始される重合において、開始の速度を促進させる及び/又は望ましい温度において重合を開始させるために促進剤が添加され得る。
【0022】
硬化プロセスにおいて補助をするために触媒も本発明の組成物に添加され得る。得られる生成物の特徴を改変するために界面活性剤も存在し得る。
【0023】
本発明による生体適合性ポリマー組成物、生体適合性プレポリマー組成物又は生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、生物医学的インプラントの製造における使用も提供される。
【0024】
更に、本発明による生体適合性ポリマー組成物、生体適合性プレポリマー組成物又は生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、生体接着剤の製造における使用も提供される。
【0025】
更に、本発明による生体適合性ポリマー組成物、生体適合性プレポリマー組成物又は生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、歯用又は歯周用セメントの製造における使用も提供される。
【0026】
更に、本発明による生体適合性ポリマー組成物、生体適合性プレポリマー組成物又は生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、ドライデリバリービヒクルの製造における使用も提供される。
【0027】
更に、本発明による生体適合性ポリマー組成物の、細胞、成長因子、並びに生物薬剤及び医薬品を含む生体活性分子のデリバリーのための水性エマルジョンの製造における使用も提供される。
【0028】
本明細書を通して、用語「含む」又はその文法的変形体は、記載された特徴、整数、工程又は成分の存在を特定すると解釈されるが、特定して記載されていない一つ以上の他の特徴、整数、工程、成分又はそれらの群の存在又は付加を除外しない。
【0029】
発明の詳細な記載
本発明による組成物において、基本分子及び連結剤分子は、好ましくは質量により2つの主要な成分であり、一般的にいずれか又は両方が、単一の有機化合物又は適切に低い分子量を有するオリゴマーであり得て、混合された及び/又は反応されたときに、プレポリマー組成物を製造し、そのプレポリマー組成物は、形作られることができ、好ましくは使用の領域に注入可能であり、外部的方法により第二の又は更なる硬化工程が活性化されるときまで固体にならない。基本分子及び連結剤分子は望ましくは各々が、もう一方の分子の官能基に結合することができる少なくとも一つの官能基を有し、好ましくはイオン結合、より好ましくは共有結合を用いて、第二の又は更なる硬化工程が行われるときまで、置かれる環境において望ましい物理的形態において本組成物を維持するように十分な結合特徴を有する。同様に、開始剤分子、増感剤分子及び促進剤分子もそのような官能基を有し得る。しかし、開始剤分子、増感剤分子又は促進剤分子が、本組成物に必要に応じた硬化特徴を持たせるためにはそのような性質を有することは必須でない。
【0030】
基本分子の好ましい一般的な構造は、一般式I又はIIにより表されて、式IIは樹脂状構造を示す。
【0031】
【化1】

【0032】
式Iにより表される基本分子において、ZはH、C、O、N、Si、Sであることができる。残りの変数は、下記の表により定義され得る:
【表1】

【0033】
式IIにより表される基本分子において、Z’はH、C、O、N、Si、Sであることができる。残りの変数は、表1に及び下記の表において定義される通りである:
【表2】

【0034】
官能基A及びBは、用いられる方法及び開始剤のタイプに依存して、独立してラジカル重合性である不飽和部分であることができる。官能基Aは、好ましくは、重合が引き起こされ得る仕方においてBの官能基とは異なる。官能基Aは、例えば、光分解開始剤及び/又は熱開始剤により、重合の成長が開始され得るアクリレート二重結合であることができる。官能基Bは、例えば、特定のフリーラジカル開始条件下で、しかし光化学的手段によってではなく、専ら重合が開始され得るアリル部分であることができる。代わりとして、官能基Bは、開始剤の異なる組み合わせにより、専ら重合が引き起こされ得るものであってもよい。
【0035】
官能基Bは、エチレン性不飽和部分ではないかもしれない。しかし、官能基Bは、不飽和二重結合の重合の開始が引き起こされ得るいずれかの他の有機部分であることができる。
【0036】
連結剤分子は単一の有機分子であるか、又は代わりとして2つ以上の基幹分子から生成されるオリゴマーである。連結剤分子における官能基は、基本分子におけるX又はY官能基と反応性であるように、基本分子におけるX又はY官能基に依存して選ばれ得る。例えば、基本分子がイソシアナトエチルメタクリレートである場合、連結剤分子は、いずれかのポリオール又はポリアミンであることができる。例には、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリエーテル類、ポリシロキサン類等に基づいたジ又はより高級のヒドロキシ又はアミン官能性オリゴマーが含まれる。同様に、基本分子におけるX又はY官能基がヒドロキシ又はアミンである場合、連結剤分子は、前記ポリオール類をジイソシアネートと反応させることによりイソシアネート官能基を有するように設計され得る。
【0037】
従って、基本分子と連結剤分子との間の典型的な反応機構は以下の通りである:
【化2】

【0038】
上記の反応機構において、基本分子はA、B及びX官能基を有し、それらの官能基の例は、それぞれ、アクリル基、アリル基及びヒドロキシル基である。連結剤分子は官能基Yを有し、官能基Yの例は、イソシアネート及びチオイソシアネートである。基本分子及び連結剤分子は、X官能基及びY官能基の反応により共有結合される。
【0039】
基本分子又は連結剤分子における官能基X(又はY)は、いくつかの目的のために使用され得る。第一に、共有手段またはイオン手段により連結剤分子に結合するために用いられ得る。例えば、X(又はY)はヒドロキシ、イソシアネート、カルボキシ、ハロ又はいずれかの他の適する官能基であることができる。そのような場合、連結剤における官能基Y(又はX)は、それぞれ、イソシアネート、ヒドロキシ又はメルカプト、ハロ、カルボキシ又はいずれかの他の適する官能基であることができる。より特定すると、使用する環境に適用される前に、プレポリマー組成物の粘稠度を達成するように、ヒドロキシル、アミノ又はチオール官能基とのイソシアネートのような、互いに非常に反応性である基を有することが望ましい。第二に、その官能基は、その反応の後に残存する官能基の大部分を巧みに操作することにより、周囲の環境との統合を増大するのに用いられ得る。例えば、Xがヒドロキシである場合、水素結合により、残存する基は、水性環境、又は本組成物における成分として水との混合を促進することができ、より大きな統合を高めることができる。従って、用途によって存在する、残存する基の数の範囲は変わる。第三に、基Xは、望ましい場合に多孔性を生じさせるために用いられ得る。例えば、必要な場合、イソシアネートは水との反応において二酸化炭素を生成し、その二酸化炭素は発泡剤として用いられ得て、硬化の直前にポリマー中に空隙及び/又は溝を形成し、多孔質ポリマーが得られる。
【0040】
基本分子及び連結剤分子は、予備混合され得て硬化性一成分プレポリマー系を提供するか、又は使用の直前に配合され得る。
【0041】
第一段階で基本分子と連結剤分子の重合により生成されるプレポリマーの構造は線状であり得るか、又は例えば星型ポリマーもしくは樹脂状のように規則的に分岐され得るか、又は例えば超分岐されたように不規則的に分岐され得る。
【0042】
触媒は、エチルヘキサン酸第一錫(II)、オレイン酸第一錫、塩化第一錫、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジオキシド、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキサノエートのような錫触媒;トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン(TMBDA)、ジメチルエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、ヒドロキシグアニン、テトラメチルグアニジン、N−エチルモルホリン、リボフラビンのような第三アミン触媒;チタンエタノールアミン、Tyzor−チタネート(Tyzor 131)、Tyzor有機チタネート類、チタンブトキシドのようなチタン触媒;Tyzor LA(水性チタンラクテートキレート)、Tyzor 131(水性チタンキレート)、Tyzor 217(水性ジルコニウムラクテート)、Tyzor 218(水性ジルコニウムグリコレート)のような水中で安定であるチタン水性キレート;並びに燐酸カルシウム、オボアルブミン、酢酸ナトリウム及びトリブチルホスフィンのような他の触媒から選ばれ得るが、それらに限定されない。
【0043】
フリーラジカル硬化を引き起こす目的のために本組成物中に存在する開始剤の選択は、選ばれる開始の方法によって変わる。開始は、熱によるか、光分解によるか又は成分のレドックス系に基づいていることができ、好ましくは外部供給源による。例えば、カンファーキノン;(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシドのようなホスフィンオキシド系開始剤が適しており、過硫酸アンモニウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムのようなレドックス開始剤も適している。生体内用途では、光分解開始剤又はレドックスに基づいた系が好ましい。より好ましいのは、電磁線のUV又は可視領域にある波長を用いて、ポリマー組成物を硬化する系である。その2つのなかで、生物医学的用途において可視光開始がより望ましい。本発明の一つの態様では、450プラスマイナス30nmの最大波長を有する可視光源が用いられる。光開始剤の例には、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(Irgacure 651)、ヒドロキシアルキルフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(Irgacure 184)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(Irgacure 907)、2−ヒドロキシ−1−[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン(Darocur 2959)、Darocur 4265、Darocur TPO、Darocur 1173、Irgacure 500、784、907、2959、819、2020、1000、369、651、1300、819/819W、Irgacure 2005及びIrgacure 2010W及びIrgacure 2020、ポリシラン類、Esacure KP150(ヒドロキシアルキルフェニルケトン)、カンファーキノン、ローズベンガル、エチル−4−N,N−ジメチルアミノベンゾエート(4EDMAB)/トリエタノールアミン、α−アルコキシデオキシベンゾイン類、α,α−ジアルコキシアセトフェノン(DEAP)、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン)、ジベンゾイルジスルフィド、S−フェニルチオベンゾエート、アシルホスフィンオキシド、ジベンゾイルメタン類、O−アシル−α−オキシイミノケトン類、フェニルアゾ−4−ジフェニルスルホン、ベンゾフェノン類、フルオレノン類、キサントン類、チオキサントン類、ベンジル類、ケタール類(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン DMP)、α−ケトクマリン類、アントラキノン及びテレフタロフェノン類が含まれるが、それらに限定されない。
【0044】
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールはラジカル阻害剤として本組成物中に含有され得て、プレポリマー組成物の貯蔵中の早過ぎる第二段階の重合を防止するのを助ける。
【0045】
水のような分散剤が本組成物中に用いられ得て、硬化プロセス中に得られた硬化されたポリマーの望ましい物理的性質を生じさせる又は望ましい物理的性質に調整する目的で用いられ得る。例えば、残存イソシアネート基を有する組成物中の分散剤としての水の使用は、硬化中に二酸化炭素を発生し、一方、硬化のもう一つの機構は、その物質を硬質の物質に架橋する。そのような二様式硬化により、ポリマー内に空隙及び/又は溝の発生を可能にし、多孔質ポリマーの製造を可能にする。捕捉された水又は栄養素媒体を有するそのような多孔質ポリマー物質は、生体内生物医学的用途において有用である。多孔性が望ましくない場合に、代わりとして、二酸化炭素を発生しない分散剤が添加され得る。
【0046】
増感剤には、ビス−(N,N’−テトラエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、イソプロピルチオキサントン(Quantacure ITX)、エチル−p−ジアミノベンゾエート、トリエタノールアミン、第三アミン(N,N−ジエチルアミノメタクリレート)及びミヒラーのケトンが含まれるが、それらに限定されない。
【0047】
硬化された最終ポリマー組成物の化学的及び物理的特徴を決めるために、本組成物中の各成分の変量が用いられ得る。例えば、アクリレート基のパーセンテージを低減させることは、最終物質を、より軟質に調整するという利点を有し、一方、増大はそうでなくする。そのことは、プレポリマーの製造においてアクリレート基を組み込む化合物を過剰に添加することにより行われ得る。従って、その物質の望ましい機械的性質をその用途にすぐ使えるように適合させ得る。分散剤の量を増加させることは、本組成物の粘度を変え、そのことにより、本組成物をその用途にすぐ使えるように適合させるという効果が与えられ得る。
【0048】
好ましい組成は、NCO官能基:アクリレート官能基の比が1.0−3.0:0.5−3.0の範囲である組成である。
【0049】
開始剤の濃度の変量により、ポリマーが軟質物質又は硬質物質に硬化され得て、又、硬化機構における効果を有する時間枠が制御され得る。例えば、迅速な硬化(高濃度の開始剤を用いて)は、二様式のイソシアネート/水硬化及びラジカル架橋系における二酸化炭素の発生による多孔の発生中に本ポリマー組成物の膨潤を制限する。
【0050】
本発明の組成物は、その用途にすぐ使えるように適合させるために、水性環境もしくは有機環境において硬化されるように、そして、注入できる粘度を有するように、又は生体外又は生体内で固体として形成されるように操作され得る。
【0051】
開示される一つの態様では、基本分子はモノマー又はオリゴマーであり、プレポリマーに組み込まれるときに遊離基重合により硬化され得る。基本分子は、アミノ、ヒドロキシル及びチオールのような、しかし、それらに限定されない一つ又は多数のイソシアネート反応性官能基、並びに適切に活性化された二重結合基を有し得る。より好ましくは、一つ以上の遊離基重合性アクリレート官能基、及びイソシアネートに反応性の一つのヒドロキシ基を有する、グリセロールジメチルアクリレートのようなモノマー基本分子が用いられる。
【0052】
開示される他の態様では、基本分子はモノマー又はオリゴマーであり、アクリレート官能基及びイソシアネート官能基を有する。例えば、基本分子、イソシアナトエチルメタクリレート(IEM)は、ヒドロキシ官能基又はアミン官能基を有する連結剤分子と反応し、第二段階において硬化され得るプレポリマー組成物を生成する。一つの好ましい態様では、プレポリマー組成物は、好ましくはポリウレタン/尿素構造、より好ましくは、分解性ポリエステル類のような、しかしそれらに限定されない、線状又は複数アームの2つ以上の官能基を有するコア分子と、イソシアネート基、より好ましくはジイソシアネートを有する有機分子との反応生成物である基本分子を含有する。続いて、望ましい物質の化学的及び物理的特徴を操作するように、得られるプレポリマーが末端イソシアネート末端基、及びアクリレートのような遊離基重合性オレフィン性基を有するように、連結剤分子を基本分子と反応させる。
【0053】
生体適合性であり生分解性の硬化された最終生成物を製造するのに好ましいプレポリマー組成物は、ポリカプロラクトンジオール、トリオール、ポリ(乳酸)ジオール、トリオール、ポリ(グリコール酸)ジオール、トリオール、並びに乳酸とグリコール酸のコポリマージオール類及びトリオール類のような分解性ポリエステルに基づいている。それらのポリオール類のある範囲の構造体は市販されており、線状、分岐状から星型タイプまで変わり得て、特定の用途に対する、それらの適合性は、すぐ用いられる用途の要件にのみ依存する。他のポリオール類は文献において報告された操作に基づいて合成され得る。
【0054】
生体適合性であり生安定性の組成物では、連結剤分子としての使用のために好ましいオリゴマーは、ポリエ−テルポリオール類、ポリシロキサンポリオール類、炭化水素ポリオール類、又はそれらの混合物を、4,4−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)のようなジイソシアネート類と反応させることにより製造される。ポリエーテルポリオールの例には、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ポリ(ヘキサメチレン)オキシド、ポリ(オクタメチレンオキシド)及びポリ(デカメチレンオキシド)が含まれる。α,ω−ビス(6−ヒドロキシ−エトキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン(信越化学工業、日本、から入手可能)のようなシロキサン系マクロジオールが、生体適合性であり生安定性の物質のために特に好ましい。
【0055】
好ましいポリマー組成物は、ポリカプロラクトンジオール(400−2,000)、ポリカプロラクトントリオール、ポリ(乳酸)ジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、グリセロールの一つ以上と、エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(エチルリジンジイソシアネート)、4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(メチルリジンジイソシアネート)、ヘキサンジイソシアネート、ブタンジイソシアネートの一つ以上との組み合わせに基づいた組成物である。イソシアナトメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールジメタクリレート又はイソシアナトエチルメタクリレートの一つ以上の使用によりオレフィン性官能基が導入される。
【0056】
特に適する連結剤分子は、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリエーテル類、ポリシロキサン類等に基づくジ−又はより高級−ヒドロキシ又はアミン官能性オリゴマーをジイソシアネート又はポリイソシアネートと反応させることにより製造され得る。生分解性ポリマー組成物用には、ポリエステルポリオール類(α−ヒドロキシ酸系)が好ましく、一方、生安定性ポリマー組成物用には、ポリシロキサン、ポリカーボネート及びポリエーテル系ポリオール類が好ましい。
【0057】
特に適した基本分子は、下記から成る、しかし、それらに限定されない群から選ばれ得る:
【化3】

【0058】
他の好ましい態様は下記に示される。下記の説明は、例としてのみの意味を有し、記載された構造、官能基、又は成分の結合される及び硬化される仕方に本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0059】
一つの好ましい態様では、連結剤分子は、エチルリジンジイソシアネート及びポリ(カプロラクトンジオール)から生成され得る。
【0060】
【化4】

【0061】
本ポリマー組成物は、以下に記載したように第一段階において硬化する:
【化5】

【0062】
この例における基本分子は、連結剤分子の末端をキャップするのに用いられる市販のグリセロールジメタクリレートである。本連結剤は、適する割合の、約400の分子量のポリカプロラクトンジオールとエチルリジンジイソシアネートを混合することにより容易に製造され、その割合は最終生成物に必要な性質を決めるために選ばれる。最終生成物の親水性は、前記アクリレートと前記ポリオールの割合を変えることにより、望ましい用途によって調整され得る。この場合において、触媒は必須ではないが、オクチル酸第一錫の存在により、イソシアネートとヒドロキシル基との反応の速度が増大される。本組成物は、流動可能であり、18ゲージの針で注入可能であり、適するラジカル開始剤の存在下で単色可視光線で硬化され得る。
【0063】
代替的な好ましい態様は、ポリオールである連結剤とともに、グリセロールジメタクリレート及びエチルリジンジイソシアネートから製造される基本分子に基づいている。
【0064】
【化6】

【0065】
この場合において、200乃至約2,000の範囲における適する分子量及び線状又は分岐状のいずれかの構造を有するポリオール又はアミノ官能性分子が本組成物中の連結剤として用いられ得る。
【0066】
上記例において、一般的に4:1のモル比の連結剤:基本分子が存在する。先の好ましい態様では水は分散剤であることができる。好ましくは、40重量%までの水が、安定なエマルジョン様の混合物を得るために混合され得る。そのような場合、残存するイソシアネート基は水と反応し、二酸化炭素を生成し、発泡剤として機能し、多孔性を生じる。結果としてのアミノ基の生成により、硬化されたポリマーの表面の親水性が増大される。界面活性剤も、細孔サイズ及び分布を制御するために本組成物に添加され得る。親水性/疎水性比を変え、それによりそのポリマー組成物を使用の環境に調整する相溶化剤として作用できる、付加的な成分としてのラジカル重合性モノマーを本組成物における付加的な成分として含有させることにより、、親水性の更なる増大が行われ得る。
【0067】
他の代替的に好ましい態様は、ポリオールである連結剤とともに、ペンタエリトリトールトリアクリレート及びエチルリジンジイソシアネートから製造される基本分子に基づいている。
【0068】
【化7】

【0069】
この場合において、200乃至約2,000の範囲における適する分子量及び線状又は分岐状のいずれかの構造を有するいずれかのポリオール又はアミノ官能性分子が本組成物中の連結剤として用いられ得る。
【0070】
他の好ましい態様では、二段階硬化ポリマー組成物は又、連結剤としてカプロラクトントリオール、及び基剤として、メチルリジンジイソシアネートのオリゴマー及びイソシアナトエチルメタクリレートを用いて製造され得る:
【化8】

【0071】
先に記載した組成物は、従来の光分解又は照射により引き起こされる開始剤、及びいずれかの照射頻度の、適合する単色光により硬化され得る。遊離基重合をもたらすように開始剤ラジカルを生成する一つ又は複数のいずれかの開始剤化合物が適している。生物医学的用途では、可視光が好ましい。先の例では、硬化は第三アミン(例えばジメチルアミノエチルアクリレート)とともにカンファーキノン及びおよそ450nmに中央を有する可視光を用いて行われ得る。完全硬化は、開始剤の含量に依存して、非常に短い時間内に達成され得る。完全硬化のためには、0.1%の開始剤では、1,000mW/cmにおける青色光の20−60秒の照射で十分である。
【0072】
基本分子対連結剤分子の割合は、硬化された物質の性質を変えるために変えられ得る。例えば、ポリ(カプロラクトンジオール)のような軟質であると考えられる連結剤を過剰に用いると、より少ない架橋を有し、最終生成物が高い伸びを有して、より軟質であることを可能にする。代わりに、増大された架橋は、より低い伸びを有する、より硬質の物質の製造をさせる。
【0073】
下記の例は、本発明の範囲を例示し、再生成及び比較を可能にすることを意図している。それらは、本開示の範囲をいかようにも限定することを意図しない。
【実施例】
【0074】
下記の例は、適切な第二の及び更なる硬化段階のためのプレポリマー組成物の製造を示している。例1乃至5は、本発明の組成物における使用のための連結剤分子の製造を示している。
【0075】
例1
物質:Mn400の分子量を有するポリカプロラクトンジオール(PCLD 400)(Era Polymers又はAldrich)を、使用の前に、残存する水を除去するために、減圧下(40mmHg)で90℃において少なくとも2時間、予備乾燥させた。エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(ELDI)(協和発酵工業株式会社)は供給先から受け取ったままで用いた。
【0076】
操作:予備乾燥させたPCL400(6.0g、15ミリモル)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した丸底フラスコに入れた。攪拌しながら、ELDI(8.48g、37.5ミリモル)をそのフラスコに入れ、窒素下で70℃において2時間加熱した。加熱浴を取り除き、その混合物を室温において一晩攪拌した。得られた生成物を脱気し、フリーザー中に窒素雰囲気下で貯蔵した。反応を促進させるために触媒として2−エチルヘキサン酸第一錫(総質量の0.1%)を用い得る。
【0077】
例2
物質:Mn1,000の分子量を有するポリカプロラクトンジオール(PCLD1000)(Era Polymers又はAldrich)を、使用の前に、残存する水を除去するために、減圧下(40mmHg)で90℃において少なくとも2時間、予備乾燥させた。エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(ELDI)(協和発酵工業株式会社)は供給先から受け取ったままで用いた。
【0078】
操作:先に記載した予備乾燥させたPCL1000(15.00g、15ミリモル)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した丸底フラスコに入れた。40℃において迅速な攪拌をしながら、エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(8.48g、37.50ミリモル)をそのジオールに迅速に添加し、70℃において2時間加熱した。加熱浴を取り除き、その混合物を窒素雰囲気下で室温において一晩攪拌した。その混合物は、ジオールとジイソシアネートとの反応時に増粘化した。その混合物を脱気し、フリーザー中に窒素上で貯蔵した。反応を促進させるために触媒として2−エチルヘキサン酸第一錫(総質量の0.1%)を用い得る。
【0079】
例3
物質:Mn2,000の分子量を有するポリカプロラクトンジオール(PCLD2000)(Era Polymers又はAldrich)を、使用の前に、残存する水を除去するために、減圧下(40mmHg)で90℃において少なくとも2時間、予備乾燥させた。エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(ELDI)(協和発酵工業株式会社)は供給先から受け取ったままで用いた。
【0080】
操作:先に記載した予備乾燥させたPCL2000(7.50g、3.75ミリモル)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した丸底フラスコに入れた。40℃において迅速な攪拌をしながら、エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(2.11g、9.38ミリモル)をそのジオールに迅速に添加し、70℃において2時間加熱した。加熱浴を取り除き、その混合物を窒素雰囲気下で室温において一晩攪拌した。その混合物は、ジオールとジイソシアネートとの反応時に増粘化した。その混合物を脱気し、フリーザー中に窒素上で貯蔵した。周囲温度において、その混合物は固体であるが、70℃において融解する。
【0081】
例4
物質:Mn417の分子量を有するポリ(乳酸)ジオール(PLA400)を、使用の前に、残存する水を除去するために、減圧下(40mmHg)で90℃において少なくとも2時間、予備乾燥させた。エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(ELDI)(協和発酵工業株式会社)は供給先から受け取ったままで用いた。
【0082】
操作:先に記載した予備乾燥させたPLA400(3.12g、7.5ミリモル)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した丸底フラスコ中に入れた。40℃において迅速な攪拌をしながら、エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(4.24g、18.75ミリモル)をそのジオールに迅速に添加し、70℃において2時間加熱した。加熱浴を取り除き、その混合物を窒素雰囲気下で室温において一晩攪拌した。ジオールとジイソシアネートとの反応時に増粘化したその混合物を脱気し、フリーザー中に窒素上で貯蔵した。反応を促進させるために触媒としてジブチル錫オクトノエート(総質量の0.1%)を用い得る。
【0083】
例5
物質:Mn1000の分子量を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG1000)(Aldrich)を、使用の前に、残存する水を除去するために、減圧下(40mmHg)で90℃において少なくとも2時間、予備乾燥させた。4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)(Aldrich)は供給先から受け取ったままで用いた。
【0084】
操作:先に記載した予備乾燥させたPTMEG1000(10.35g、10.30ミリモル)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した丸底フラスコに入れた。80℃において迅速な攪拌をしながら、MDI(6.52g、26ミリモル)をそのジオールに迅速に添加し、80℃において2時間加熱した。加熱浴を取り除き、その混合物を窒素雰囲気下で室温において一晩攪拌した。ジオールとジイソシアネートとの反応時に増粘化したその混合物を脱気し、フリーザー中に窒素上で貯蔵した。その操作は、ウエブから入手できる“DuPont Terathane”の技術公報から採用した。
【0085】
例6乃至9は、本発明による基本分子としての使用のためのプレポリマーの製造を示す。
【0086】
例6
モル比:NCO:アクリレート(2:1)
物質:ポリカプロラクトントリオール(MW300、Aldrich)を減圧下(0.1トル)で80℃において一晩乾燥させた。メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI、協和油化株式会社、日本)及びイソシアナトエチルメタクリレート及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールは受け取ったままで用いた。用いるガラス製品をすべて、使用の前に完全に清浄にし、オーブン内で105℃において一晩乾燥させた。
【0087】
操作:予備乾燥させたポリカプロラクトントリオール(4.0g)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した乾燥三つ口フラスコに入れた。次に、窒素下で、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI)(5.65g)をそのフラスコに入れ、続いてイソシアナトエチルメタクリレート(IEM)(2.06g)、続いて2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.002g、IEMの0.1重量%)を入れた。その反応混合物を攪拌し、暗所において窒素雰囲気下で、70℃に2時間加熱した。その均質なポリマー混合物を減圧下(0.1トル)で50℃において脱気し、その後に、窒素雰囲気下でバイアルに移し、冷蔵庫内で貯蔵した。そのプレポリマーの分子量及び粘度をゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定し、数平均分子量及び多分散性がそれぞれ2116及び1.21であることが示された。
【0088】
GPCは、示差屈折計及び4つのμ−Styragelカラム(10、10、10及び100オングストローム)を装備したWater Associates Liquid Chromatographシステム(Waters 717)で行った。移動相は、1ml/分の流量におけるテトラヒドロフラン(THF)であった。プレポリマーをTHF中にその溶液を50℃において1時間、温めることにより溶解し、0.45ミクロン濾過器で濾過し、その後に分析した。装置を狭分散ポリスチレン標準物質で較正し、分子量は、ポリスチレン同等物であると報告された。粘度を、23℃においてBohlin Rheometer(CSR10)を用いて測定した。
【0089】
例7
モル比:NCO:アクリレート(2.5:0.5)
物質:ポリカプロラクトントリオール(MW300、Aldrich)を減圧下(0.1トル)で80℃において一晩乾燥させた。メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI、協和油化株式会社、日本)及びイソシアナトエチルメタクリレート及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールは受け取ったままで用いた。用いるガラス製品すべてを、使用の前に完全に清浄にし、オーブン内で105℃において一晩乾燥させた。
【0090】
操作:予備乾燥させたポリカプロラクトントリオール(4.0g)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した乾燥三つ口フラスコに入れた。次に、窒素下で、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI)(7.07g)をそのフラスコに入れ、続いてイソシアナトエチルメタクリレート(IEM)(1.03g)、続いて2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.001g、IEMの0.1重量%)を入れた。その反応混合物を攪拌し、暗所において窒素雰囲気下で、70℃に2時間加熱した。その均質なポリマー混合物を減圧下(0.1トル)で50℃において脱気し、その後に、窒素雰囲気下でバイアルに移し、冷蔵庫内で貯蔵した。
【0091】
例8
基本プレポリマーに共有結合した開始剤、2−ヒドロキシ−1−[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン(Irgacure 2959)を用いるプレポリマーの製造
モル比:NCO:アクリレート(1.8:1.0)
物質:ポリカプロラクトントリオール(MW300、Aldrich)を減圧下(0.1トル)で80℃において一晩乾燥させた。メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI、協和油化株式会社、日本)及びイソシアナトエチルメタクリレート及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(Aldrich)及びIrgacure 2959(Ciba)は受け取ったままで用いた。用いるガラス製品すべてを、使用の前に完全に清浄にし、オーブン内で105℃において一晩乾燥させた。
【0092】
操作:予備乾燥させたポリカプロラクトントリオール(5.0g)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した乾燥三つ口フラスコに入れた。次に、窒素下で、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI)(6.36g)をそのフラスコに入れ、続いてイソシアナトエチルメタクリレート(IEM)(2.56g)、続いて2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.002g、IEMの0.1重量%)及びIrgacure 2959(0.786g)を入れた。その反応混合物を攪拌し、暗所において窒素雰囲気下で、70℃に2乃至2.5時間加熱した。その均質なポリマー混合物を減圧下(0.1トル)で50℃において脱気し、その後に、窒素雰囲気下でバイアルに移し、冷蔵庫内で貯蔵した。
【0093】
例9
グリセロール系プレポリマーの製造
NCO:アクリレート(1:3)
物質:グリセロール(Aldrich)を減圧下(0.1トル)で80℃において一晩乾燥させた。メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI、協和油化株式会社、日本)及びイソシアナトエチルメタクリレート及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールは受け取ったままで用いた。用いるガラス製品すべてを、使用の前に完全に清浄にし、オーブン内で105℃において一晩乾燥させた。
【0094】
操作:グリセロール(2.50g)を計量し、磁性攪拌機、窒素入口及び乾燥管を装備した乾燥三つ口フラスコに入れた。次に、窒素下で、イソシアナトエチルメタクリレート(IEM)(12.6g)をそのフラスコに入れ、続いて2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.0012g、IEMの0.1重量%)を入れた。その反応混合物を攪拌し、暗所において窒素雰囲気下で、70℃に22時間加熱した。その均質な混合物を減圧下(0.1トル)で70℃において脱気し、その後に、窒素雰囲気下でバイアルに移し、冷蔵庫内で貯蔵した。プレポリマーの数平均分子量及び多分散性は、GPC分析に基づいて、それぞれ607及び1.02であった。
【0095】
例15を除く例10乃至17は、可視光又はUV光を用いるプレポリマーの光硬化を示す。下記は、用いた操作の簡単な説明である。
【0096】
可視光硬化では、用いられる光源はスリーエム工業株式会社により供給された。用いたモデルはESPE Elipa Freelight 2であり、それは、430−480nmの範囲で1,000mW/cmの強度において放射する。本実験は、片側から硬化するTeflonウェル中で行った。
【0097】
操作:脱気したプレポリマーを計量し、ガラスの試料バイアルに入れた。カンファーキノン(0.1%)及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(0.2%)(又はいずれか他の増感剤)を添加し、プレポリマーと混合した。水(ゼラチンビーズとともに又はゼラチンビーズなしで)を(望ましい場合)質量の40%まで、添加し、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その混合物をシリンジ中に入れた。カンファーキノンを含有する組成物は、天然光が硬化プロセスを引き起こすので暗い環境に保つことが必要である。そのポリマー混合物を、円筒形のテフロン(登録商標)キャビティに注ぎ、ブルーランプを用いて1乃至2分間照射し、その間に硬化が起こる。1乃至2分間の硬化により、そのポリマー混合物が硬質の固体に変わった直後に型からソリッドプラグを取り出し得る。
【0098】
例10
例1で製造したMLDIとのポリカプロラクトントリオールの脱気したプレポリマー(1.00g)を計量し、テフロン(登録商標)ブロックで作られたキャビティ(20×20×10mm)に入れた。分子量(MW300、0.1819g)の、脱気し、乾燥させたポリカプロラクトントリオール、カンファーキノン(0.1重量%、0.0018g)及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(0.003g)を一緒に混合し、プレポリマーに添加した。その混合物を暗所で数分間攪拌し、次にゼラチンビーズ(10乃至50重量%)を添加し、更に5分間攪拌した。粘性で注入可能な液体である、その混合物を2.5mlのシリンジ中に入れ、マルチキャビティテフロン(登録商標)型における各円筒形キャビティ(6mm D×12mm L)中に0.29gを分与し、密封し、青色光(430−460nm)で10秒間硬化させ、円筒形多孔質ポリマー試験片を生成した。
【0099】
下記の例は、UV(光)硬化を示す。
【0100】
例11
標識したUV開始剤(Irgacure 2959)
例8で製造した、PCLT及びIEM及びMLDIの脱気したプレポリマー(0.35g)を計量し、ポリプロピレンの型に入れた。N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(0.015g)及びゼラチンビーズ(0.1g)をプレポリマーに添加した。その混合物を数分間よく混合し、次にUV光(365nm、1MW/cm@8cm、Spectraline)で硬化し、多孔質ポリマーの試験片を生成した。
【0101】
例12
グリセロールジメタクリレート(91mg、0.40ミリモル)を、例5で製造した組成物(100mg、0.10ミリモル)及び1mgの2−エチルヘキサン酸第一錫とガラスのバイアル中で混合した。その混合物を暗所において窒素下で4時間放置し、CIBA UV開始剤Darocur(5mg)を添加した。その混合物をUVランプ(365nm、1MW/cm@8cm、Spectraline)下に1時間置き、そのとき、その混合物は、ガラスに良好な粘着を有して固体に硬化した。ラジカル開始剤を用いない対照実験は、架橋しないままであった。
【0102】
例13
グリセロールジメタクリレート(45.60mg、0.20ミリモル)を、例1の組成物(170mg、0.20ミリモル)及び0.5mgのCIBA UV開始剤Darocurとガラスのバイアル中で混合した。その混合物を暗所において窒素下で4時間放置し、UV光(365nm、1MW/cm@8cm、Spectraline)に1時間当て、そのとき、その混合物は、ガラスに良好な粘着を有して硬質な固体に硬化した。ラジカル開始剤を用いない対照実験は、架橋しないままであった。
【0103】
下記の例は多孔質物質を生成するための水の使用を示す。
【0104】
例14
グリセロールジメタクリレート(45.60mg、0.20ミリモル)を、例1によるプレポリマー(170mg、0.20ミリモル)及び0.5mgのCIBA UV開始剤Darocurとガラスのバイアル中で混合した。その混合物を暗所において窒素下で4時間放置し、100mgの水を添加した。その混合物をクリーム状の組成物に至るまで混合し、UV光(365nm、1MW/cm@8cm、Spectraline)に1時間当て、そのとき、その混合物は、硬質の多孔質の固体に硬化した。ラジカル開始剤を用いない対照実験は、架橋しないままであった。
【0105】
下記の例は、第二硬化段階におけるレドックス開始剤の使用を示す。
【0106】
例15
例9で製造した脱気したプレポリマー(0.02g)を計量し、テフロン(登録商標)ブロックで作られたキャビティ(20×20×10mm)に入れた。過硫酸アンモニウム(0.04g/ml)(20マイクロリットル)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(0.04g/ml)(20マイクロリットル)の溶液並びにN,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン(増感剤)0.1重量%をプレポリマーに添加した。その混合物を数分間攪拌し、ガラスプレートで覆われたキャビティテフロン(登録商標)型における各円筒形キャビティ(6mm D×12mm L)中に0.29gを分与し、37℃で硬化し、円筒形多孔質ポリマー試験片を生成した。
【0107】
例16
例6で製造したMLDIとのポリカプロラクトントリオールの脱気したプレポリマー(1.00g)を計量し、テフロン(登録商標)ブロックで作られたキャビティ(20×20×10mm)に入れた。分子量(MW300、0.1819g)の脱気し乾燥させたポリカプロラクトントリオール、開始剤カンファーキノン(0.1重量%、0.0018g)及びN,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(0.003g)を一緒に混合し、プレポリマーに添加した。その混合物を暗所で数分間攪拌し、次にゼラチンビーズ(10乃至50重量%)を添加し、更に5分間攪拌した。粘性で注入可能な液体であるその混合物を2.5mlのシリンジ中に入れ、マルチキャビティテフロン(登録商標)型における各円筒形キャビティ(6mm D×12mm L)中に0.29gを分与し、密封し、青色光(430−460nm)で10秒間硬化し、円筒形多孔質ポリマー試験片を生成した。
【0108】
先に製造したプレポリマーもUV開始剤Irgacure 2959を用いてUV光(365nm)で硬化し、多孔質ポリマー試験片を生成した。
【0109】
例17
ELDI(40.14g)を丸底フラスコ中の4アームポリ(D/L乳酸)(39.47g、Mn889)に添加した。2−エチルヘキサン酸第一錫(40mg、0.05%)を添加し、その混合物を12時間攪拌した。
【0110】
上記反応混合物の一部(24.96g)を丸底フラスコに入れ、ペンタエリトリトールトリアクリレート(16.6g)及びMEHQ(32.5mg)を添加した。その混合物(プレポリマー)を使用前に12時間攪拌した。
【0111】
充填剤なし:そのプレポリマー(6.040g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(20mg)及びDMAEMA(40mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。得られた構造体の機械的性質を表1に記載する。
【0112】
TCP−20:前記プレポリマー(5.478g)及びβ−リン酸三カルシウム(TCP)(1.096g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(19.7mg)及びDMAEMA(40mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。その試料片を周囲温度で10日間、状態調節し、その後に機械的性質について試験をした。その機械的性質の詳細を表1に記載する。
【0113】
HA−20:前記プレポリマー(5.731g)及びハイドロキシアパタイト(1.146g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(20mg)及びDMAEMA(40mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。得られた構造体の機械的性質を表1に記載する。
【0114】
例18
ELDI(20.85g)を丸底フラスコ中の4アームポリ(D/L乳酸)(20.85g、Mn889)に添加した。その混合物を12時間攪拌した。上記反応混合物の一部(10.76g)を丸底フラスコに入れ、グリセロールジアクリレート(5.47g)及びBHT(38mg)を添加した。その混合物を使用前に12時間攪拌した。
【0115】
充填剤なし:そのプレポリマー(4.40g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(4.4mg)及びDMAEMA(20mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間、脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。得られた試料の機械的性質を表1に記載する。
【0116】
HA−10:前記プレポリマー(4.40g)及びハイドロキシアパタイト(0.44g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(5mg)及びDMAEMA(10mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。得られた試料の機械的性質を表1に記載する。
【0117】
例19
ELDI(4.52g)を4アーム(D/L乳酸−グリコール酸)コポリマー(20g、Mn4,000)のジクロロメタン(20ml)中溶液に添加した。その混合物を12時間攪拌した。
【0118】
ジクロロメタン(5ml)中のグリセロールジアクリレート(4.56g)とBHT(35mg)を添加した。使用前に、その混合物を12時間攪拌し、高減圧下で溶媒を除去した。
【0119】
充填剤なし:そのプレポリマー(3.34g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(10mg)及びDMAEMA(100mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間、照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。得られた構造体の機械的性質を表1に記載する。
【0120】
例20
ELDI(4.70g)を4アーム−(D/L乳酸−グリコール酸、3:1)コポリマー(6.18g、Mn1,228)のジクロロメタン(2ml)中溶液に添加した。その混合物を12時間攪拌した。
【0121】
ペンタエリトリトールトリアクリレート(5.98g)及びBHT(6mg)を添加した。使用前に、その混合物を12時間攪拌し、高減圧下で溶媒を低減させた。
【0122】
TCP−20:そのプレポリマー(5.079g)及びβ−リン酸三カルシウム(TCP)(1.015g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(約15mg)及びDMAEMA(約30mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。その試料片を周囲温度で7日間、状態調節し、その後に機械的性質について試験をした。その機械的性質を表1に記載する。
【0123】
例21
ELDI(4.74g)を4アーム−(D/L乳酸−グリコール酸)コポリマー(6.576g、Mn1,228)のジクロロメタン(2ml)中溶液に添加した。その混合物を12時間攪拌した。
【0124】
ペンタエリトリトールトリアクリレート(6.20g)及びBHT(6mg)を添加した。使用前に、その混合物を12時間攪拌し、高減圧下で溶媒を低減させた。
【0125】
TCP−20:そのプレポリマー(5.043g)及びβ−リン酸三カルシウム(TCP)(1.008g)を計量し、小さなビーカーに入れ、クリーム状の粘稠度に至るまで混合し、その後にCQ(約15mg)及びDMAEMA(約30mg)を添加した。その混合物を中度の減圧(70mmHg)下で短時間脱気して気泡を除去し、その試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm×12mmのウェルプレートに入れた。2つのガラスプレートをテフロン(登録商標)ブロックの両側に置き、締め付け、ウェル中のポリマー試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。その試料片を周囲温度で7日間、状態調節し、その後に機械的性質について試験をした。その機械的性質を表3に記載する。
【0126】
【表3】

【0127】
例22
本例は、本発明によるポリマー組成物の生体適合性及び生分解性を示す。
【0128】
ポリマーの製造:ELDI(12.43g)を丸底フラスコ中の線状ポリ(グリコール酸)(10.3g、Mn411)に添加した。2−エチルヘキサン酸第一錫(22mg、0.1%)を添加し、その混合物を24時間攪拌した。
【0129】
上記反応混合物の一部(10.37g)をビーカーに入れ、グリセロールジアクリレート(1.37g)、カンファーキノン(23.5mg、0.2%)、DMAEMA(47mg、0.4%)、及び水中に分散させたゼラチンビーズ(2.4g、20%)を添加し、そしてBHT(38mg)を添加した。その組成物を硬化前に完全に混合した。試料をテフロン(登録商標)で作られた6mm (D)×12mm (H)のウェルプレートに入れ、ガラスプレートを両側に置き、締め付け、その試料を青色光で2乃至3分間照射した。照射の完了時に、試料を型の中に24時間放置した。
【0130】
その型から試料を取り出し、青色光を用いて更に硬化し、完全な硬化を確保した。
【0131】
移植操作及び結果:予備成形されたポリマーの生体内の生体適合性及び生分解性を標準法を用いてメスのラットにおいて行った。その操作は下記の通りである:8週年令のメスのSprague Dawleyラットをケタミン/キシラジン混合物を用いて麻酔をした。麻酔がかかったらすぐに、ラットの背中に皮下ポケットをつくった。2つの6mm D×10mm Hの滅菌した予備成形されたポリマーをそのポケットに、一つは初めの切り込みの左に、もう一つは右に挿入した。挿入したら、その傷を9mmの縫合クリップで閉じた。最初の6時間は2時間毎に、最初の3日間は12時間毎に動物をモニターした。その動物の体重を測定すること、手術部位の視覚によるモニタリング、及び分解を評価するためのディジタルカリパスでそのポリマーの測定(長さ及び幅)を含んだ集中的なモニタリングを2週間毎に行った。
【0132】
所定の時点で、動物をNembutal(ペントバルビトンナトリウム)で殺し、血清を回収し、周囲の組織を有するポリマーを摘出した。そのポリマーをホルマリン中に固定し、組織構造分析のために処理した。すべての主要な臓器を取り出す前に、肉眼で見える病理の徴候を判断した。取り出したら、それらの臓器の重さを測定し、断片を組織学のために処理した。
【0133】
生体内における1ヶ月後及び3ヵ月後に、すべてのラットは疾病の徴候を示さず、対照のラットと同様に体重が増加し、腫れ、又はポリマーの存在に対する有害な反応はなかった。いずれの主要な臓器にも肉眼による病理は見られなかった。4ヵ月後に、小さな軟質の被膜がポリマーの周りに形成された。石灰化は示されなかった。1ヶ月及び3ヶ月における、ヘマトキシリンとエオシンにより染色された部位の分析により、正常の外観の真皮が示された。偶発的な好中球が示されたが、その存在はポリマーのいくらかの動きによりひき起こされた機械的剪断によるものだった。図1、2及び3は、それぞれ、細胞侵入及びポリマー破断を示す、1ヶ月後、3ヶ月後及び6ヶ月後のエクスプラントの代表的な顕微鏡写真を示す。
【0134】
例23
本明細書に記載された、いずれかの他のイソシアネート類の代わりの又はそれらに加えたメチル又はエチルリジンジイソシアネートの硫黄類似体の使用は、先に記載した例によるポリマー組成物を生成することが予測される。可能な類似体は、
【化9】


である。
【0135】
例えば、ペンタエリトリトールトリアクリレートがエチルリジンジチオジイソシアネートに添加される場合、ペンタエリトリトールトリアクリレートは下記の基本分子のチオ変形体を生成することが予測される。いずれかの連結剤ポリオールへの、この基本分子の添加時に、結合がチオウレタン官能基を生成することが予測される。
【0136】
【化10】

【0137】
設計したプレポリマーは、体の廃棄物処理経路により容易に除去される生体再吸収可能な又は生体適合性の低分子量化合物である生成物に生体分解できる。
【0138】
最も好ましい態様における本発明の組成物は、プレポリマーに結合されたエチレン性不飽和末端基の遊離基重合を用い、架橋された網状構造を形成する。短時間の、可視(青色光 約440nm)及びUV域の両方における電磁線の適用の結果として多孔質の及び非多孔質のポリマーが生成された。製造された架橋されていないプレポリマーは、18ゲージ針により注入可能な低分子量の液体であり、湿った条件下で必要により架橋され得る。本発明の生体適合性のプレポリマー、ポリマー及び硬化された最終ポリマー生成物は、それらの二段階又は多段階の硬化によって、及びそれらの製造のプロセスを通しての操作可能性により、生物医学的用途において独特の利点を提供することが認識される。又、本発明は、提供された特定の例に限定されず、本明細書において具体的に示されていない、本発明の精神の範囲内にある、他の生体適合性のプレポリマー、ポリマー及び硬化された最終生成物が製造され得ることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】1ヶ月後のエクスプラントの、細胞侵入及びポリマー破断を示す代表的な顕微鏡写真を示す。推定されたポリマー破断は約30−50%の範囲であった。
【図2】3ヶ月後のエクスプラントの、細胞侵入及びポリマー破断を示す代表的な顕微鏡写真を示す。
【図3】6ヶ月後のエクスプラントの、広範囲の細胞侵入及びポリマー破断を示す代表的な顕微鏡写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性ポリマー組成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の前記官能基の少なくとも一つと反応性である官能基を有し、基本分子の少なくとも二つの官能基の第一の官能基は、連結剤分子の官能基との反応により前記ポリマー組成物の第一の硬化段階を実施可能にし、基本分子の第二の及び存在する場合は更なる官能基は、前記ポリマー組成物の第二の及び任意の更なる硬化段階を実施可能にし、前記の第一の、第二の及び存在する場合は更なる硬化段階は、必要に応じて同時に又は各々独立して活性化が可能である、生体適合性ポリマー組成物。
【請求項2】
生分解性である、請求項1に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項3】
生体安定性である、請求項1に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項4】
基本分子及び連結剤分子が互いに独立して単一の有機分子である、請求項1乃至3のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項5】
基本分子及び連結剤分子が互いに独立して、2つ以上の基幹モノマーから生成されるオリゴマーである、請求項1乃至3のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項6】
基本分子及び連結剤分子が互いに独立して、2,000未満の、好ましくは1,000未満の、より好ましくは500未満の分子量を有する、請求項5に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項7】
基本分子が式I:
【化1】


(式中、
【化2】


は一つ以上の反復単位であり、n及びmは整数であり、A及びBは不飽和部分であり、ZはH、C、O、N、Si又はSであり、残りの変数は以下:
【表1】


のように定義される)
を有する、請求項1乃至6のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項8】
基本分子が式II:
【化3】


(式中、
【化4】


は一つ以上の反復単位であり、n、m、n’及びm’は整数であり、A及びBは不飽和部分であり、ZはH、C、O、N、Si又はSであり、Z’はH、C、O、N、Si又はSであり、残りの変数は以下:
【表2】


のように定義される)
を有する、請求項1乃至6のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項9】
ラジカル阻害剤、増感剤、促進剤、分散剤、ポロゲン、触媒、生物学的成分、生体活性分子、ハイドロキシアパタイト、燐酸カルシウム及び界面活性剤から成る群の一つ以上を付加的に含有する、請求項1乃至8のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物。
【請求項10】
基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物の反応生成物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性プレポリマー組成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の前記官能基の少なくとも一つと反応性である官能基を有し、前記反応生成物は、基本分子の少なくとも二つの官能基の第一の官能基が連結剤分子の官能基と反応し前記プレポリマー組成物を生成する第一の硬化段階の結果である、生体適合性プレポリマー組成物。
【請求項11】
基本分子、連結剤分子及び少なくとも一つの開始剤化合物の反応生成物を含有する、生物医学的用途における使用のための生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物であり、基本分子は少なくとも二つの異なる官能基を有し、連結剤分子は基本分子の前記官能基の少なくとも一つと反応性である官能基を有し、前記最終生成物は、基本分子の少なくとも二つの官能基の第一の官能基が連結剤分子の官能基と反応する第一の硬化段階、並びに開始剤化合物が活性化され、基本分子の少なくとも第二の官能基の遊離基重合に影響を与える第二の更なる硬化段階及び任意の更なる硬化段階の結果である、生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物の、請求項10に記載の生体適合性プレポリマー組成物の、又は請求項11に記載の生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、生物医学的インプラントの製造における使用。
【請求項13】
請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物の、請求項10に記載の生体適合性プレポリマー組成物の、又は請求項11に記載の生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、生体接着剤の製造における使用。
【請求項14】
請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物の、請求項10に記載の生体適合性プレポリマー組成物の、又は請求項11に記載の生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、歯用又は歯周用セメントの製造における使用。
【請求項15】
請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物の、請求項10に記載の生体適合性プレポリマー組成物の、又は請求項11に記載の生体適合性の硬化された最終ポリマー生成物の、ドライデリバリービヒクルの製造における使用。
【請求項16】
請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の生体適合性ポリマー組成物の、請求項10に記載の生体適合性プレポリマー組成物の、細胞、成長因子、又は生物薬剤及び医薬品を含む生体活性分子のデリバリーのための水性エマルジョンの製造における使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−526942(P2007−526942A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501064(P2007−501064)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000305
【国際公開番号】WO2005/085312
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(500053399)コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション (8)
【Fターム(参考)】