説明

交通情報通信装置

【課題】簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる交通情報通信装置を提供する。
【解決手段】車車間通信により他車両Cmが有する交通情報又は道路情報を取得する交通情報通信装置であって、自車両Cnに近接する方向に移動する他車両Cmを通信対象として選択し、選択された通信対象の他車両Cmに対して交通情報又は道路情報の送信を要求する交通情報処理部21と、他車両Cmから送信された交通情報又は道路情報を受信する車車間通信制御部20と、を備えることにより、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報を通信する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交通情報を通信する装置として、車車間通信するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置は、経路誘導路上にいる他車両から車車間通信で渋滞情報を取得するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−64031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置にあっては、自車両の進行方向と同一方向に走行する他車両に対して渋滞情報を要求するリクエスト信号を送信するため、送信範囲が広範囲となり通信トラフィックが混雑するおそれがある。また、リクエスト信号を遠距離まで送信する必要があるため、自車両の通信装置に高い通信能力が要求される。
【0005】
そこで、本発明はこのような技術課題を解決するためになされたものであって、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる交通情報通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る交通情報通信装置は、車車間通信により他車両が有する交通情報又は道路情報を取得する交通情報通信装置であって、自車両に対して近接する方向に移動する前記他車両を通信対象の前記他車両として選択する通信対象選択手段と、前記通信対象選択手段により選択された通信対象の前記他車両に対して前記交通情報又は前記道路情報の送信を要求する送信要求手段と、前記他車両から送信された前記交通情報又は前記道路情報を受信する受信手段とを備えることを特徴として構成される。
【0007】
本発明に係る交通情報通信装置では、通信対象選択手段により、自車両に対して近接する方向に移動する他車両が通信対象として選択され、送信要求手段により、通信対象の他車両に対して交通情報又は道路情報の送信が要求され、受信手段により他車両から送信された交通情報又は道路情報が受信される。このため、例えば、自車両の走行していない範囲の交通情報又は道路情報を保有する可能性のある他車両のみを通信対象の他車両として選択して通信することができるので、通信トラフィックを軽減することが可能となる。よって、車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。また、例えば、自車両に近づくように走行する他車両のみを通信対象の他車両として選択して通信することが可能となるので、比較的狭い通信範囲で車車間通信をすることができる。このため、高い通信能力を必要とせず、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【0008】
ここで、前記通信対象選択手段は、前記自車両の走行経路を逆方向に進行する前記他車両を通信対象の前記他車両として選択することが好適である。
【0009】
このように構成することで、自車両進行方向における最新の交通情報又は道路情報を取得することができる。また、通信対象を反対車線の他車両に限定するため、例えば近距離で確実な車車間通信を実現することが可能となる。よって、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【0010】
また、前記通信対象選択手段は、前記自車両が交差点に進入する場合に、前記交差点に進入する前記他車両を通信対象の前記他車両として選択することが好適である。
【0011】
このように構成することで、自車両進行方向の交差点に接続される道路の最新の交通情報又は道路情報を取得することができる。また、通信対象を交差点に進入する他車両に限定するため、例えば近距離で確実な車車間通信を実現することが可能となる。よって、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【0012】
さらに、自車両の車両状態情報及び通信対象の前記他車両の車両状態情報に基づいて自車両の車両制御の要否を判断する制御判断手段を備え、前記送信要求手段は、前記制御判断手段により自車両の車両制御が必要と判断した場合には、前記交通情報又は前記道路情報の送信を要求しないことが好適である。
【0013】
このように構成することで、制御判断手段により、自車両の車両状態情報及び通信対象の他車両の車両状態情報に基づいて自車両の車両制御の要否が判断され、車両制御が必要な場合には送信要求手段による要求が行われず、車両制御処理が優先的に処理される。このため、車車間通信により車両制御処理が遅延することを回避できるとともに、処理優先順位が低い車車間通信を実行しないことで通信トラフィックの軽減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る交通情報通信装置を備える車両が走行する場面を説明する概要図である。
【図2】実施形態に係る交通情報通信装置を備える車両の構成を説明するブロック図である。
【図3】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態に係る交通情報通信装置の動作を説明するための概要図である。
【図10】他の交通情報通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
本実施形態に係る交通情報通信装置は、例えば、車車間通信を行う車両に好適に採用されるものである。
【0018】
最初に、本実施形態に係る交通情報通信装置を備える車両が走行する場面を説明する。図1は、本実施形態に係る交通情報通信装置を備える車両Cn(n:整数)が走行する場面を示す概要図である。図1に示すように、複数の車両C1〜C7が交差点や道路を走行している。各車両C1〜C7は、車車間通信機能を有しており、保有するデータを互いに送受信することが可能に構成されている。また、各車両C1〜C7は、道路情報や交通情報を一元管理する中央管理センターと通信可能に構成されていてもよい。
【0019】
次に、車両Cnの構成の詳細を説明する。図2は、車両Cnの構成概要を示すブロック図である。図2に示すように、車両Cnは、ECU(Electronic Control Unit)10、ミクロ交通情報管理部11、地図DB12及びインターネット通信部30を備えている。ECUは、電子制御する自動車デバイスのコンピュータであり、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、及び入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。
【0020】
ECU10は、車車間通信制御部(受信手段)20、交通情報処理部(通信対象選択手段、送信要求手段)21、ロケーション推定部22、ルート探索処理部23、ルート案内処理部24、UI(User Interface)部25及び制御判断部(制御判断手段)26を備えている。
【0021】
車車間通信制御部20は、他車両と車車間通信をする機能を有している。車車間通信制御部20は、例えば、電磁波等を用いた無線機器に接続されており、ブロードキャスト通信による他車両の探索、ユニキャスト通信による1対1通信の接続、1対1通信の切断等を実行する機能を有している。また、車車間通信制御部20は、受信した情報を交通情報処理部21へ出力する機能を有している。
【0022】
ロケーション推定部22は、自車両Cnの位置情報を推定する機能を有している。また、ロケーション推定部22は、例えば、GPS(Global Positioning System)車載器や各種センサに接続されており、これらを利用して自車両Cnの現在位置情報を推定する機能を有している。GPSは、衛星を用いた計測システムのことであり、自車両Cnの現在位置の把握に好適に用いられるものである。また、ロケーション推定部22は、現在走行中の道路のリンク情報管理や、取得されたリンクIDの照会を実行する機能を有している。また、ロケーション推定部22は、自車両Cnの位置情報、走行中のリンク情報、取得されたリンクIDの照会結果等を交通情報処理部21へ出力する機能を有している。
【0023】
ルート探索処理部23は、自車両Cnの走行ルートを探索する機能を有している。例えば、ルート探索処理部23は、出発地、目的地、及び交通情報等に基づいて走行ルートを探索する機能を有している。また、ルート探索処理部23は、探索した走行ルートを、交通情報処理部21へ出力する機能を有している。
【0024】
ルート案内処理部24は、自車両Cnの走行ルートを案内する機能を有している。例えば、ルート案内処理部24は、ルート探索処理部23により探索された走行ルートを、交通情報処理部21を介して入力する機能を有している。また、ルート案内処理部24は、UI部25に接続されており、UI部25を動作させて運転者に対してルート案内を行う機能を有している。
【0025】
UI部25は、運転者等に報知するユーザインターフェイスであり、例えばディスプレイやスピーカ等が用いられる。UI部25は、交通情報処理部21及びルート案内処理部24に接続されており、動作命令に基づいて走行ルートの表示や交通情報の表示を行う機能を有している。
【0026】
ミクロ交通情報管理部11は、交通情報や道路情報を管理する機能を有するデータベースである。交通情報には、従来のVICS(登録商標)やインターネットプローブで取得可能な広域の交通情報であるマクロ交通情報と、例えば局所的だが高精度かつ高鮮度な交通情報であるミクロ交通情報とが存在する。ミクロ交通情報管理部11が有する交通情報は、局所的なミクロ交通情報である。例えば、ミクロ交通情報管理部11は、道路リンクIDごとの交通情報や道路情報を管理対象とする機能を有している。道路リンクIDは、道路を識別するためにデジタル地図に付与されたIDである。道路リンクIDとしては、ユニークなIDが用いられたり、地域メッシュと呼ばれる地域IDと合わせて一意に識別可能なIDが用いられたりする。また、交通情報は、例えばリンク渋滞度が含まれている。リンク渋滞度は、例えば、道路リンクIDが示す道路での渋滞の度合いを示すものである。渋滞の度合いは、例えば、渋滞状態・混雑状態・平常状態の3段階で示される。また、リンク渋滞度は、例えば、道路リンクIDが示す道路を通過する所要時間(リンク旅行時間)や、事故、工事、左右折待ち等の遅延要素に基づいて設定される。また、リンク渋滞度とともに、渋滞の原因やリンク渋滞度の信頼性、取得時間等を付与してリンク渋滞情報とし、リンク渋滞情報を交通情報として管理してもよい。また、道路情報は、道路線形情報、車線情報、速度規制情報等が用いられる。ミクロ交通情報管理部11は、交通情報処理部21と接続されており、読み出し要求に応じて格納されているリンク情報(道路リンクIDに関連付けされたミクロ交通情報又は道路情報)を交通情報処理部21へ出力する機能を有している。また、ミクロ交通情報管理部11は、他車両から受信した情報に基づいて格納されている交通情報や道路情報を更新する機能を有している。
【0027】
地図DB12は、道路リンクIDを格納するデータベースである。地図DB12は、交通情報処理部21から参照可能に構成されている。
【0028】
交通情報処理部21は、上述した車車間通信制御部20、交通情報処理部21、ロケーション推定部22、ルート探索処理部23、ルート案内処理部24、UI部25、ミクロ交通情報管理部11及び地図DB12に接続されており、車車間通信の主要処理を実行する機能を有している。交通情報処理部21は、上記制御部等の各機能を連動させて車車間通信によりミクロ交通情報を取得する機能を有している。交通情報処理部21は、例えば、車車間通信制御部20により取得された情報又は車両Cnが有するセンサ情報等に基づいて、自車両Cnと他車両との相対位置や、自車両Cn及び他車両の進行方向を取得し、取得した情報に基づいて、自車両Cnに近接する方向に移動する他車両を通信対象として選択する通信対象選択機能(通信対象選択手段)を備えている。例えば、交通情報処理部21は、自車両Cnの走行経路を逆方向に進行する他車両(対向車両)を通信対象の他車両として選択する機能を有している。また、自車両Cnが交差点に進入する場合に、交差点に進入する他車両を通信対象の他車両として選択する機能を有している。また、交通情報処理部21は、通信対象選択機能により選択された通信対象の他車両に対して交通情報又は道路情報の送信を要求する機能(送信要求手段)を有している。さらに、交通情報処理部21は、後述する制御判断部26の判断結果に基づいて、交通情報又は道路情報の送信を要求しない機能を有している。
【0029】
制御判断部26は、自車両Cnの車両状態情報及び通信対象の他車両の車両状態情報に基づいて自車両Cnの車両制御の要否を判断する機能を有している。制御判断部26は、例えば、自車両Cn及び他車両のTTI(Time To Intersection)に基づいて、交差点において自車両と他車両との出会い頭衝突を回避するための制御を実行するか否かを判断する機能を有している。TTIは、交差点に向かっている車両が交差点に進入するまでの時間であって、例えば車速及び交差点中心までの距離に基づいて算出される。
【0030】
インターネット通信部30は、自車両Cnが保有する交通情報又は道路情報を交通情報処理部21から取得し、インターネットを介して中央管理センターへ送信(アップロード)可能に構成されている。また、インターネット通信部30は、要求されるセキュリティのレベルや仕様等に応じて、インターネットへのゲートウェイとなる通信機器を有する他車両を介して、中央管理センターへアップロード可能に構成されている。
【0031】
上述した車車間通信制御部20、交通情報処理部21、ロケーション推定部22、ルート探索処理部23、ルート案内処理部24、UI部25、制御判断部26、ミクロ交通情報管理部11及び地図DB12を備えて交通情報通信装置1が構成される。なお、制御判断部26は、車両Cnに要求される性能に応じて備えればよい。また、車両Cnにおいて、インターネット通信部30は、要求される性能に応じて備えればよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る交通情報通信装置1の動作について説明する。図3〜図8は、本実施形態に係る交通情報通信装置1の動作を示すフローチャートである。図3に示す制御処理は、例えば、イグニッションONされたタイミングから所定の間隔で繰り返し実行される。なお、説明理解の容易性を考慮して、車両Cnの周辺車両が車両Cm(m:整数、m≠n)である場合を説明する。また、車両Cmは車両Cnと同一構成であるものとする。
【0033】
図3に示す制御処理が開始されると、交通情報通信装置1は、進行ルート予測処理から開始する(S10)。S10の処理は、交通情報処理部21が実行し、走行予定の道路リンクIDを予測する処理である。交通情報処理部21は、既にルート探索処理部23により案内ルートが設定されている場合には、当該案内ルートの道路リンクIDを取得する。また、交通情報処理部21は、案内ルートが設定されていない場合には、例えば車両Cnが有するセンサ等から取得可能な進行方向や車線位置、走行している道路の種別やECU10のメモリに格納された運転者情報(頻繁に立ち寄る場所や自宅)に基づいて走行予定の道路リンクIDを予測する。S10の処理が終了すると、ミクロ交通情報読出処理へ移行する(S12)。
【0034】
S12の処理は、交通情報処理部21が実行し、S10の処理で予測した道路リンクIDに関連したミクロ交通情報を読み出す処理である。交通情報処理部21は、例えば、ミクロ交通情報管理部11に対して、S10の処理で予測した道路リンクIDのリンク情報(ミクロ交通情報等)が既に記録されているか否かを問い合わせる。S12の処理が終了するとリンク情報判定処理へ移行する(S14)。
【0035】
S14の処理は、交通情報処理部21が実行し、S10の処理で予測した道路リンクIDに関連したミクロ交通情報が記録されていたか否かを判定する処理である。例えば、交通情報処理部21は、S12の処理でリンク情報の読出しに成功したか否かを判定して、S10の処理で予測した道路リンクIDに関連したミクロ交通情報が記録されていたか否かを判定する。S14の処理において、ミクロ交通情報が記録されていると判定した場合には、走行完了判定処理へ移行する(S20)。
【0036】
S20の処理は、交通情報処理部21が実行し、案内ルート内の道路リンクIDで示される道路を走行したか否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、ロケーション推定部22が推定した車両Cnの位置に基づいて、道路リンクの終端まで走行完了したか否かを判定する。S20の処理において、道路リンクの終端まで走行完了していないと判定した場合には図3に示す制御処理を終了する。一方、S20の処理において、道路リンクの終端まで走行完了したと判定した場合には、リンク旅行時間算出処理へ移行する(S22)。
【0037】
S22の処理は、交通情報処理部21が実行し、S20の処理で走行したと判断した道路の旅行時間を算出する処理である。交通情報処理部21は、S20の処理で得られた道路リンクIDと、当該リンクIDが示す道路を通過するまでの所要時間に基づいて、当該道路リンクIDのリンク旅行時間を算出する。S22の処理が終了すると、渋滞度算出処理へ移行する(S24)。
【0038】
S24の処理は、交通情報処理部21が実行し、S22の処理で算出したリンク旅行時間に基づいて、当該道路リンクIDの渋滞度を算出する処理である。例えば、交通情報処理部21は、道路リンクIDが示す道路の規制速度に基づいて平均旅行時間を算出し、平均旅行時間±所定値を第1の閾値とする。そして、交通情報処理部21は、S22の処理で算出したリンク旅行時間が、例えば、第1の閾値未満の範囲に含まれる場合には平常状態、第1の閾値以上であって、第1の閾値より大きい第2の閾値未満の範囲に含まれる場合には混雑状態、第2の閾値以上に含まれる場合には渋滞状態と判定する。第1の閾値及び第2の閾値は、規制速度の大きさや、事故、工事、左右折待ち等の遅延要素に基づいて重み付けして変更してもよい。また、平均旅行時間からの偏差を渋滞度として算出してもよい。S24の処理が終了すると、交通情報更新処理へ移行する(S26)。
【0039】
S26の処理は、交通情報処理部21が実行し、S24の処理で算出した交通情報(渋滞度)に基づいてミクロ交通情報管理部11に対して当該道路リンクIDの交通情報を更新させる処理である。この処理によって、当該道路リンクIDのミクロ交通情報が最新のミクロ交通情報に更新される。S26の処理が終了すると、画像表示処理へ移行する(S28)。
【0040】
S28の処理は、交通情報処理部21が実行し、ミクロ交通情報管理部11に対して必要な交通情報を要求し、UI部25に交通情報を表示させる処理である。S28の処理が終了すると、アップロード処理へ移行する(S30)。
【0041】
S30の処理は、交通情報処理部21が実行し、ミクロ交通情報の更新処理があった場合には、インターネット通信部30に対して更新箇所を中央管理センターへ送信させる処理である。この処理によって、中央管理センターで管理する交通情報が最新の情報に更新される。S30の処理が終了すると、図3に示す制御処理を終了する。
【0042】
上記で説明した処理を実行することで、走行ルート上のリンク情報が存在する場合には、車両Cnの走行結果を反映させることで車両Cnが有する交通情報の最新化を図ることが可能となる。
【0043】
一方、S14の処理において、S14の処理において、ミクロ交通情報が記録されていないと判定した場合には、周辺車両探索処理へ移行する(S16)。この処理について、図4を用いて詳細に説明する。図4は、周辺車両探索処理の動作を示すフローチャートであり、問い合わせ車両(周辺車両探索処理の実行車両)と応答車両とで処理内容が異なる。図3に示す処理を実行していた車両が問い合わせ車両であり、問い合わせ車両から問い合わせを受ける周辺の車両が応答車両となる。すなわち、車両Cn、車両Cmはそれぞれで図3に示す制御処理を実行する問い合わせ車両であるとともに、車両Cmにとって車両Cnは応答車両であり、車両Cnにとって車両Cmは応答車両である。ここでは図3の制御処理を車両Cnが実行しているため、車両Cmを応答車両として説明する。
【0044】
まず、問い合わせ車両Cn側の処理を説明する。図4に示すように、周辺車両の探索処理から処理を開始する(S161)。S161の処理は、交通情報処理部21及び車車間通信制御部20が実行し、探索パケットをブロードキャスト送信する処理である。交通情報処理部21は、車両Cnが必要としている情報(走行ルートのリンク情報)を保有している車両が周辺に存在するかを検出するために、ブロードキャスト送信を実行する。ここで、交通情報処理部21は、有効な情報交換を行える可能性の高い車両からのみ応答されるように、所定の情報を付与した探索パケットを送信する。例えば、現在走行道路リンク情報(リンクIDのバージョン)、現在地情報(緯度経度情報、道路リンクID)、現在車速、進行方向(案内ルートが設定されている場合はその案内ルートを反映した進行方向)等を付与した探索パケットを送信する。S161の処理が終了すると、応答受信処理へ移行する(S162)。
【0045】
S162の処理は、交通情報処理部21及び車車間通信制御部20が実行し、周辺車両から応答を受信する処理である。交通情報処理部21は、所定期間において、周囲の車両Cmから応答が送信された場合には、応答を受信して図4に示す周辺車両探索処理を終了する。また、交通情報処理部21は、所定期間を経過した後は、応答が無いものとして図4に示す周辺車両探索処理を終了する。
【0046】
次に、応答車両Cm側の処理を説明する。図4に示すように、応答車両Cmは、周辺車両の探索検知処理から開始する(S60)。S60の処理は、応答車両Cmの交通情報処理部21が実行し、周辺車両(ここでは車両Cn)からブロードキャスト送信を受信したか否かを判定する処理である。車両Cmの交通情報処理部21は、例えば、周辺車両から探索パケットを受信したか否かを判定する。S60の処理において、探索パケットを受信しない場合には、応答せずに画面表示処理へ移行する(図3のS28)。一方、S60の処理において、探索パケットを受信した場合には、応答判定処理へ移行する(S62)。
【0047】
S62の処理は、応答車両Cmの制御判断部26が実行し、応答車両Cmが応答可能か否かを判定する処理である。応答車両Cmの制御判断部26は、例えば、応答車両Cmが情報提供する余裕があるか否かを判定することで応答の可否を判定する。例えば、応答車両Cmの制御判断部26は、既に他の処理を実行中であったり、交差点出会い頭衝突回避等、先に優先すべき処理が存在したりする場合には余裕が無いと判定する。例えば、予め定めた処理の優先順位を参照して優先すべき処理を判定する。S62の処理において、応答不可能であると判定した場合には、応答せずに画面表示処理へ移行する(図3のS28)。一方、S62の処理において、応答可能であると判定した場合には、情報保有判定処理へ移行する(S64)。
【0048】
S64の処理は、応答車両Cmの交通情報処理部21が実行し、車両Cnが要求する情報を保有しているか否かを判定する処理である。応答車両Cmの交通情報処理部21は、例えば、車両Cnの探索パケットの内容を解析して、応答車両Cmが車両Cnの要求する情報を保有しているか否かを判定する。例えば、交通情報処理部21は、応答車両Cmの道路リンクIDの付番バージョンと車両Cnの道路リンクIDの付番バージョンとが一致するか否かを判定し、一致しない場合には有効な情報交換が出来ない可能性が高いため、応答車両Cmが車両Cnの要求する情報を保有していないと判定する。また、例えば、車両Cnの位置情報、速度情報及び進行方向に基づいて、車両Cnが走行する道路の道路リンクIDと応答車両Cmが走行する道路の道路リンクIDとに関連性が無いと判断した場合や、保有する情報を既に車両Cnが取得している可能性が高い場合には、応答車両Cmが車両Cnの要求する情報を保有していないと判定する。例えば、車両Cnが走行する道路の道路リンクIDと応答車両Cmが走行する道路の道路リンクIDとが接続しない場合には応答車両Cmが車両Cnの要求する情報を保有していないと判定する。例えば、車両Cnが自専道の高架を走行し、応答車両Cmが地上の一般道路を走行する場合には、応答車両Cmが車両Cnの要求する情報を保有していないと判定する。S64の処理において、車両Cnの要求する情報を保有していないと判定した場合には、応答せずに画面表示処理へ移行する(図3のS28)。一方、S64の処理において、車両Cnの要求する情報を保有していると判定した場合には、応答処理へ移行する(S66)。
【0049】
S66の処理は、応答車両Cmの交通情報処理部21が実行し、車両Cnの探索パケットに応答する処理である。応答車両Cmの交通情報処理部21は、車両Cnへ応答するように車車間通信制御部20を動作させる。これにより、S161の処理で車両Cnが送信した探索パケットに対して、S66の処理で車両Cmが応答する。そして、S162の処理で車両Cnが車両Cmからの応答を受信する。S66の処理が終了すると、接続確立判定処理へ移行する(S68)。
【0050】
S68の処理は、応答車両Cmの交通情報処理部21が実行し、接続が確立したか否かを判定する。車両間の接続の要否は問い合わせ車両側で判断するため、応答車両Cmは、車両Cnからの接続が所定期間無いと判定した場合には、接続が確立していないとして、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。一方、S68の処理において接続が確立したと判定した場合には、情報通信処理へ移行する(S70)。
【0051】
S70の処理は、応答車両Cmの交通情報処理部21が実行し、接続先の問い合わせ車両Cnの要求に従って実行される処理である。S70の処理の詳細は後述する。S70の処理が終了すると、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。
【0052】
図4に示す制御処理を車両Cmが実行することで、車両Cnにとって有効な情報を保有する場合のみ応答処理が行われる。このため、車両Cnの探索パケットに対して全ての車両が応答して通信に輻輳が発生することを回避できる。よって、リアルタイムな通信を阻害することを防止できる。
【0053】
図4に示すS162の処理が終了すると、図3に戻り、応答判定処理へ移行する(S18)。S18の処理は、交通情報処理部21が実行し、周辺車両から応答があったか否かを判定する処理である。S18の処理において、応答が無かったと判定した場合には、走行完了判定処理へ移行する(S20)。一方、S18の処理において、応答が有ったと判定した場合には、相対位置計算処理へ移行する(図5のS32)。
【0054】
S32の処理は、交通情報処理部21が実行し、応答のあった車両Cmと自車両Cnとの相対位置を算出する処理である。交通情報処理部21は、例えば車両Cm応答時に送信されたパケット内の情報に基づいて、相対位置を算出する。あるいは、交通情報処理部21は、例えば車両Cnに備わるセンサ情報等に基づいて相対位置を算出してもよい。また、交通情報処理部21は、相対位置の時間変化を算出し、相対位置の変化(車両Cnと車両Cmとが近づいている、離れている、変化なし等)及び相対速度を取得する。S32の処理が終了すると、接続判定処理へ移行する(S34)。
【0055】
S34の処理は、交通情報処理部21が実行し、S32の処理で算出した相対位置に基づいて応答車両Cmと接続するか否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、例えば、相対位置が所定値を越える場合には応答車両Cmと接続不可能と判定する。この場合、応答車両Cmとは接続を確立せずに、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。一方、応答車両Cmとの相対位置の変化に基づいて車両間が近づいていると判定する場合であって、相対位置が所定値以下の至近距離となる場合には応答車両Cmと接続可能と判定する。この場合、車車間通信確立処理へ移行する(S36)。
【0056】
S36の処理は、交通情報処理部21が実行し、他車両Cmと車車間通信を確立する処理である。車両Cnの車車間通信制御部20に対して、車両Cmの車車間通信制御部20とユニキャスト通信により1対1で接続するように動作させる。S36の処理が終了すると、交差点判定処理へ移行する(S38)。
【0057】
S38の処理は、交通情報処理部21が実行し、自車両Cnの位置が交差点付近であるか否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、ロケーション推定部22が出力した情報等に基づいて、自車両Cnが交差点付近に位置するか否かを判定する。S38の処理において、自車両Cnが交差点付近に位置すると判定した場合には、TTI算出処理へ移行する(S46)。
【0058】
S46の処理は、交通情報処理部21が実行し、自車両Cn及び他車両CmのTTIを算出する処理である。交通情報処理部21は、例えば、各車両の車両状態(車速、加速度)及び交差点中心までの距離に基づいてTTIを算出する。S46の処理が終了すると、衝突判定処理へ移行する(S48)。
【0059】
S48の処理は、制御判断部26が実行し、S46の処理で算出したTTIに基づいて自車両Cnと他車両Cmとの衝突可能性があるか否かを判定する処理である。例えば、自車両Cnと他車両CmとのTTIの差が所定値より小さい場合には衝突可能性があると判定する。S48の処理において、衝突可能性があると判定した場合には、衝突回避処理へ移行する(S50)。
【0060】
S50の処理は、ECU10が実行し、車両の衝突回避処理を実行する処理である。ECU10は、例えば、運転者への警告や減速等の車両制御を実行する。S50の処理が終了すると、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。このため、衝突可能性がある場合には、自車両Cnと他車両Cmとの間で車車間通信による情報共有を実行しないため、安全を確保する処理を最優先で実行することができる。
【0061】
一方、S38の処理において、自車両Cnが交差点付近に位置しないと判定した場合には、すれ違い判定処理へ移行する(S40)。S40の処理は、交通情報処理部21が実行し、車両Cnと他車両Cmとがすれ違い位置となるか否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、車車間通信またはセンサ類から取得した他車両Cmの位置情報及び進行情報と、ロケーション推定部22またはセンサ類から取得した自車両Cnの位置情報及び進行方向とに基づいて、自車両Cnと他車両Cmとがすれ違い位置にあるか否か、すなわち、他車両Cmが自車両Cnの対向車両となるか否かを判定する。S40の処理において、自車両Cnと他車両Cmとがすれ違い位置にあると判定した場合には、対向クライアント処理へ移行する(S42)。
【0062】
S42の処理は、交通情報処理部21が実行し、他車両Cmと相互に交通情報を共有する処理である。この処理について、図6を用いて詳細に説明する。図6は、交差点付近以外ですれ違う車両の動作を示すものであり、対向クライアント処理及び対向サーバ処理を説明するフローチャートである。ここでは、自車両Cnは対向クライアント処理を実行し、他車両Cmは対向サーバ処理を実行する。
【0063】
最初に、対向クライアント処理を説明する。自車両Cnの交通情報処理部21は、ミクロ交通情報の読出し処理から開始する(S80)。S80の処理は、交通情報処理部21が実行し、自車両Cnが有する交通情報を入力する処理である。交通情報処理部21は、例えば、ミクロ交通情報管理部11に対して交通情報(リンク渋滞度)を出力するように要求する。S80の処理が終了すると、渋滞度送信処理へ移行する(S82)。
【0064】
S82の処理は、交通情報処理部21が実行し、S80の処理で入力した交通情報に基づいて、他車両Cmにリンク渋滞度を送信する処理である。交通情報処理部21は、S80の処理で入力したリンク渋滞度のうち、他車両Cmの進行方向のリンク渋滞度を他車両Cmへ送信する。また、交通情報処理部21は、自車両Cnが必要としているリンク渋滞度と関連した道路リンクIDを、要求情報として他車両Cmへ送信する。S82の処理が終了すると、渋滞情報受信処理へ移行する(S84)。
【0065】
S84の処理は、交通情報処理部21が実行し、他車両Cmが送信したリンク渋滞情報を取得する処理である。S84の処理が終了すると、情報更新処理へ移行する(S86)。
【0066】
S86の処理は、交通情報処理部21が実行し、S84の処理で受信したリンク渋滞情報に基づいて自車両Cnが有する交通情報を更新する処理である。交通情報処理部21は、例えば、ミクロ交通情報管理部11に対して、現在格納されているリンク渋滞情報をS84の処理で受信したリンク渋滞情報で置き換える動作をさせる。S86の処理が終了すると通信切断処理へ移行する(S88)。
【0067】
S88の処理は、交通情報処理部21が実行し、車車間通信制御部20に対して、他車両Cmとの通信接続を切断させる処理である。S88の処理が終了すると、対向クライアント処理を終了する。
【0068】
次に、対向サーバ処理を説明する。この処理は、車両Cnの周辺車両である車両Cmが実行する処理であって、図4のS70の処理に該当する処理である。まず、他車両Cmの交通情報処理部21は、渋滞度情報受信処理から開始する(S90)。S90の処理は、他車両Cmの交通情報処理部21が実行し、S82の処理において車両Cnから送信されたリンク渋滞度情報及び要求情報を受信する処理である。S90の処理が終了すると、情報選定処理へ移行する(S92)。
【0069】
S92の処理は、交通情報処理部21が実行し、S90の処理で受信したリンク渋滞度情報と、車両Cmが保有する交通情報とが重複する情報であるか否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、保有する交通情報と重複しないリンク渋滞度情報、又は重複しても高鮮度なリンク渋滞度情報を選定する。S92の処理が終了すると、交通情報更新処理へ移行する(S94)。
【0070】
S94の処理は、交通情報処理部21が実行し、S92の処理で選定したリンク渋滞情報に基づいて車両Cmが有する交通情報を更新する処理である。交通情報処理部21は、例えば、ミクロ交通情報管理部11に対して、現在格納されているリンク渋滞情報をS92の処理で選定したリンク渋滞情報で置き換える動作をさせる。S94の処理が終了すると情報読出し処理へ移行する(S96)。
【0071】
S96の処理は、交通情報処理部21が実行し、車両Cmが有する交通情報を入力する処理である。交通情報処理部21は、例えば、S90の処理で受信した要求情報に基づいて、ミクロ交通情報管理部11に対して、車両Cnが要求する交通情報(リンク渋滞度)を出力するように要求する。S96の処理が終了すると、渋滞度送信処理へ移行する(S98)。
【0072】
S98の処理は、交通情報処理部21が実行し、S96の処理で入力した交通情報に基づいて、車両Cnにリンク渋滞度を送信する処理である。なお、車両Cmが要求する情報を保有していない場合には、当該データを保有していない旨を送信する。S98の処理が終了すると、通信切断処理へ移行する(S100)。
【0073】
S100の処理は、交通情報処理部21が実行し、車車間通信制御部20に対して、車両Cnとの通信接続を切断させる処理である。S100の処理が終了すると、対向サーバ処理を終了する。
【0074】
以上で図6に示す対向クライアント処理及び対向サーバ処理を終了する。図6に示す対向クライアント処理及び対向サーバ処理を実行することにより、同じ道路を対向するように走行する車両間で効率的に情報共有することが可能となる。例えば、図9(a)に示すように、車両C2及び車両C5が同一道路を反対に走行しているとする。車両C2は、道路リンクIDがL1の道路を走行しているため、完走したL0のリンク渋滞情報を保有している。また、車両C5は、道路リンクIDがL8の道路を走行しているため、完走したL7のリンク渋滞情報を保有している。この場合、車両C2は、すれ違う車両C5に対して進行方向L1のリンク渋滞情報を保持しているか問い合わせる(直接情報の問い合わせ)。そして、車両C2は車両C5に対してL0のリンク渋滞情報を送信し、車両C5は車両C2に対してL7のリンク渋滞情報を送信する(間接情報の共有)。これにより、交通情報を、同じ道路を対向するように走行する車両同士、すなわち同一経路を逆方向に走行する車両同士で通信することで効率的に取得・伝播することが可能となる。また、図6に示す対向クライアント処理及び対向サーバ処理は、同じ道路を走行する車両が、対向クライアント処理と対向サーバ処理とを順次切り替えて繰り返し実行される。このため、同じ道路を対向するように走行する車両は、所有する交通情報が次第に等しくされる。図6に示す制御処理が終了すると、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。
【0075】
一方、図5のS40の処理に戻り、S40の処理において、自車両Cnと他車両Cmとがすれ違い位置にないと判定した場合には、先行クライアント処理へ移行する(S44)。
【0076】
S44の処理は、交通情報処理部21が実行し、他車両Cmと相互に交通情報を共有する処理である。この処理について、図7を用いて詳細に説明する。図7は、交差点付近以外で同一の方向に進行する車両の動作を示すものであり、先行クライアント処理及び後続サーバ処理を説明するフローチャートである。ここでは、自車両Cnは先行クライアント処理を実行し、他車両Cmは後続サーバ処理を実行する。
【0077】
最初に、先行クライアント処理を説明する。自車両Cnの交通情報処理部21は、ミクロ交通情報の読出し処理から開始する(S110)。S110の処理は、図6のS80の処理と同様であり、交通情報処理部21が実行し、自車両Cnが有する交通情報を入力する処理である。S110の処理が終了すると、渋滞度送信処理へ移行する(S112)。
【0078】
S112の処理は、交通情報処理部21が実行し、S110の処理で入力した交通情報に基づいて、他車両Cmにリンク渋滞度を送信する処理である。交通情報処理部21は、S110の処理で入力したリンク渋滞度のうち、他車両Cmの進行方向のリンク渋滞度を他車両Cmへ送信する。S112の処理が終了すると、通信切断処理へ移行する(S114)。
【0079】
S114の処理は、交通情報処理部21が実行し、車車間通信制御部20に対して、他車両Cmとの通信接続を切断させる処理である。S114の処理が終了すると、先行クライアント処理を終了する。
【0080】
次に、後続サーバ処理を説明する。この処理は、車両Cnの周辺車両である車両Cmが実行する処理であって、図4のS70の処理に該当する処理である。まず、他車両Cmの交通情報処理部21は、渋滞度情報受信処理から開始する(S116)。S116の処理は、図6のS90の処理と同様であり、他車両Cmの交通情報処理部21が実行し、S82の処理において車両Cnから送信されたリンク渋滞度情報及び要求情報を受信する処理である。S116の処理が終了すると、情報選定処理へ移行する(S118)。
【0081】
S118の処理は、図6のS92の処理と同様であり、交通情報処理部21が実行し、S116の処理で受信したリンク渋滞度情報と、車両Cmが保有する交通情報とが重複する情報であるか否かを判定する処理である。S116の処理が終了すると、通信切断処理へ移行する(S120)。
【0082】
S120の処理は、図6のS100の処理と同様であり、交通情報処理部21が実行し、車車間通信制御部20に対して、車両Cnとの通信接続を切断させる処理である。S120の処理が終了すると、後続サーバ処理を終了する。
【0083】
以上で図7に示す先行クライアント処理及び後続サーバ処理を終了する。図7に示す先行クライアント処理及び後続サーバ処理を実行することにより、同じ道路を同一方向へ走行する車両間で効率的に情報共有することが可能となる。例えば、図9(c)に示すように、車両C1〜C8が同一道路を同一方向に走行しているとする。車両C1は、周辺車両C8、C9より先行して走行しているため、車両C8、9よりも早く対向車両等からリンク渋滞情報を取得することができる。この場合、車両C1は取得したリンク渋滞情報を後続の車両C8、C9へ送信する(情報の拡散)。進行方向が同一であるため、相対速度や障害物の影響が少なく通信も容易にできる。これにより、必要な進行方向の交通情報を、同じ道路を先行して走行する車両と通信することで効率的に取得・伝播することが可能となる。また、図7に示す先行クライアント処理及び後続サーバ処理は、同じ道路を走行する車両が順次対向クライアント処理と対向サーバ処理とを切り替えて繰り返し実行される。このため、同じ道路を同一方向に進行するように走行する車両は、所有する交通情報が次第に等しくされる。図7に示す制御処理が終了すると、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。
【0084】
一方、図5のS48の処理に戻り、S48の処理において、衝突可能性がないと判定した場合には、TTI判定処理へ移行する(S52)。S52の処理は、交通情報処理部21が実行し、S46の処理で算出した自車両CnのTTIが他車両CmのTTIより大きいか否かを判定する処理である。S52の処理において、自車両CnのTTIが他車両CmのTTIより大きいと判定した場合には、自車両Cnの方が先に交差点に到達することとなるので、交差点クライアント処理へ移行する(S54)。一方、S52の処理において、自車両CnのTTIが他車両CmのTTIより大きくないと判定した場合には、自車両Cnの方が後に交差点に到達することとなるので、交差点サーバ処理へ移行する(S56)。このようにTTIは、2車両間でどちらが情報提供側(サーバ側)になるべきかを判定する1つの基準とされる。そして、S52の判定処理を実行することで、TTIが小さい車両ほど、すなわち到達順序が早い車両ほど先に情報取得を行う権利を有することとなる。
【0085】
S54及びS56の処理について図8を用いて詳細に説明する。図8は、同一の交差点に進行する車両の動作を示すものであり、交差点クライアント処理及び交差点サーバ処理を説明するフローチャートである。自車両Cnが交差点クライアント処理を実行する場合がS54の処理であり、自車両Cnが交差点サーバ処理を実行する場合がS56の処理である。ここでは説明理解の容易性を考慮して、自車両Cnが交差点クライアント処理を実行し、他車両Cmが交差点サーバ処理を実行する場合を説明する。
【0086】
最初に、交差点クライアント処理を説明する。自車両Cnの交通情報処理部21は、道路リンクID抽出処理から開始する(S130)。S130の処理は、交通情報処理部21が実行し、想定される全ての進行方向の道路リンクIDを地図DB12から取得する処理である。例えば単純な十字路であれば、交通情報処理部21は、3方向の道路リンクIDを取得する。また、交通情報処理部21は、道路リンクIDごとに優先度を設定する。この優先度は例えば値が大きいほど処理の優先順位が高いことを示すものである。交通情報処理部21は、例えば、ルート探索処理部23により既に案内すべき走行ルートが探索されている場合には、当該走行ルートに沿った道路リンクIDの優先度を大きく設定する。S130の処理が終了すると、要求送信処理へ移行する(S132)。
【0087】
S132の処理は、交通情報処理部21が実行し、S130の処理で入力した道路リンクID及び設定した優先度に基づいて、他車両Cmにリンク渋滞度の送信を要求する処理である。交通情報処理部21は、S130の処理で入力した道路リンクIDのリンク渋滞情報を要求する信号を他車両Cmへ送信する。交通情報処理部21は、S130の処理で設定した優先度の大きい道路リンクIDのリンク渋滞情報を優先的に要求する。例えば、優先度の大きい道路リンクIDほど送信順位を早くしたり、ある一定の優先度以上の道路リンクIDのみリンク渋滞情報を要求したりする。S132の処理が終了すると、渋滞情報受信処理へ移行する(S134)。
【0088】
S134の処理は、交通情報処理部21が実行し、他車両Cmが送信したリンク渋滞情報を取得する処理である。S134の処理が終了すると、情報更新処理へ移行する(S136)。
【0089】
S136の処理は、図6のS86の処理と同様であり、交通情報処理部21が実行し、S134の処理で受信したリンク渋滞情報に基づいて自車両Cnが有する交通情報を更新する処理である。S136の処理が終了すると表示処理へ移行する(S138)。
【0090】
S138の処理は、交通情報処理部21が実行し、更新された交通情報に基づいて交通情報を画面表示させる処理である。交通情報処理部21は、UI部25に対して、例えば、リンク渋滞情報に基づいて道路の渋滞状況を色分けさせた交通案内を実行させる。S138の処理が終了すると、ルート案内判定処理へ移行する(S140)。
【0091】
S140の処理は、交通情報処理部21が実行し、S134の処理で情報受信ができ、かつルート案内処理部24がルート案内を実行中であるか否かを判定する処理である。S140の処理において、S134の処理で情報受信し、かつルート案内を実行中であると判定した場合には、コスト計算処理へ移行する(S142)。
【0092】
S142の処理は、交通情報処理部21が実行し、ルート案内処理部24により案内される走行ルートのコスト計算を実行する処理である。交通情報処理部21は、ルート案内処理部24により案内される走行ルートに関して、例えば、道路リンクIDの距離コスト、渋滞コスト、右左折コスト等に基づいて総合的にコストを算出する。算出したコストが小さいほど効率的な走行が可能となり、旅行時間が短くなることを示す。また、交通情報処理部21は、S130の処理で取得した道路リンクIDに基づいて設定される他の走行ルートのコスト計算を同様に実行する。S142の処理が終了すると、ルート変更判定処理へ移行する(S144)。
【0093】
S144の処理は、交通情報処理部21が実行し、コストの観点からみて走行ルートを変更すべきか否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、S142の処理で算出した案内中の走行ルートのコストと、他の走行ルートのコストとを比較して、どちらが効率的な走行ルートであるかを判定する。S144の処理において、他の走行ルートの方が効率的な走行ルートであると判定した場合には、安全判定処理へ移行する(S146)。
【0094】
S146の処理は、交通情報処理部21が実行し、ルート変更通知に関して安全か否かを判定する処理である。交通情報処理部21は、例えば、車速、加速度、走行レーン、交差点までの残距離、アクセル開度等に基づいて、総合的に安全性を判定する。例えば、走行シーンごとの過去の走行記録、想定走行状態、推奨走行状態、推奨報知タイミング等に対して、検出された車速等の走行状態や報知タイミングが著しく異なることがない場合には安全であると判定する。S146の処理において、安全であると判定した場合には、リルート画面表示処理へ移行する(S148)。
【0095】
S148の処理は、交通情報処理部21及びルート案内処理部24が実行し、S144の処理で効率的であると判定した他の走行ルートを案内する走行ルートとして画面表示させる処理である。ルート案内処理部24は、例えば、UI部25に対して、新たなルートを画面表示させる。S148の処理が終了すると、通信切断処理へ移行する(S150)。
【0096】
S150の処理は、交通情報処理部21が実行し、車車間通信制御部20に対して、他車両Cmとの通信接続を切断させる処理である。S150の処理が終了すると、交差点クライアント処理を終了する。
【0097】
一方、S140の処理において、S134の処理で情報受信していない場合、又はルート案内を実行中でないと判定した場合には、ルート案内を変更する必要性がないため、通信切断処理へ移行する(S150)。また、S144の処理において、他の走行ルートの方が効率的な走行ルートでないと判定した場合には、ルート案内を変更する必要性がないため、通信切断処理へ移行する(S150)。さらに、S146の処理において、安全でないと判定した場合には、ルート案内を変更する必要性がないため、通信切断処理へ移行する(S150)。
【0098】
次に、交差点サーバ処理を説明する。この処理は、車両Cnの周辺車両である車両Cmが実行する処理であって、図4のS70の処理に該当する処理である。まず、他車両Cmの交通情報処理部21は、送信要求を受信する処理から開始する(S152)。S152の処理は、他車両Cmの交通情報処理部21が実行し、S132の処理において車両Cnから送信されたリンク渋滞情報の要求情報を受信する処理である。S132の処理が終了すると、情報読出し処理へ移行する(S134)。
【0099】
S134の処理は、S96の処理と同様であり、交通情報処理部21が実行し、車両Cmが有する交通情報を入力する処理である。交通情報処理部21は、例えば、S152の処理で受信した要求情報に基づいて、ミクロ交通情報管理部11に対して、車両Cnが要求する交通情報(リンク渋滞度)を出力するように要求する。また、要求された道路リンクIDの道路に直接接続された道路リンクIDや、間接接続された道路リンクIDに関する交通情報を保有している場合には、併せて出力するように要求する。S154の処理が終了すると、渋滞度送信処理へ移行する(S156)。
【0100】
S156の処理は、S98の処理と同様であり、交通情報処理部21が実行し、S154の処理で入力した交通情報に基づいて、車両Cnにリンク渋滞度を送信する処理である。S156の処理が終了すると、通信切断処理へ移行する(S1158)。
【0101】
S158の処理は、交通情報処理部21が実行し、車車間通信制御部20に対して、車両Cnとの通信接続を切断させる処理である。S158の処理が終了すると、交差点サーバ処理を終了する。
【0102】
以上で図8に示す交差点クライアント処理及び交差点サーバ処理を終了する。図8に示す交差点クライアント処理及び交差点サーバ処理を実行することにより、同一交差点に進入する車両間で効率的に情報共有することが可能となる。例えば、図9(b)に示すように、車両C1、C2が同一交差点に進入しようとしているとする。また、車両C1の方が車両C2に比べて先に交差点に到達するものとする。また、車両C2は、例えば図9(a)に示す対向クライアント処理によってL8の交通情報を取得しているものとする。この場合、車両C1が車両C2に対して進行方向のリンク渋滞情報を要求する(直接情報の問い合わせ)。例えば、車両C1は、案内する走行ルートが設定されていなければ、車両C2に対して、道路リンクIDがL2、L4、L8のリンク渋滞情報を問い合わせる。案内する走行ルートが設定されていれば、車両C2に対して、走行ルートの道路リンクIDのリンク渋滞情報を問い合わせる。車両C2は、L8のリンク渋滞情報を車両C1へ提供する。これにより、必要な進行方向の交通情報を、同一交差点に進入する車両と通信することで効率的に取得・伝播することが可能となる。図8に示す制御処理が終了すると、画面表示処理へ移行する(図3のS28)。
【0103】
以上で図3〜図8に示す交通情報通信装置1の動作を終了する。図3〜図8に示す処理を実行することで、例えば、図1に示す走行場面において、車両C5の走行する道路のリンク渋滞情報が車両C5と車両C2のすれ違いの際に車両C5から車両C2へ送信され、車両C6の走行する道路のリンク渋滞情報が車両C6と車両C3のすれ違いの際に車両C6から車両C3へ送信され、車両C7の走行する道路のリンク渋滞情報が車両C7と車両C4のすれ違いの際に車両C7から車両C4へ送信される。そして、車両C1が交差点に進入する際に、車両C1の進行方向のリンク渋滞情報が車両C2、C3、C4から車両C1へ送信される。このため、車両C1は、中央管理センター等を介することなく、進行方向のリンク渋滞情報を取得することができるので、最適な案内経路を設定することも可能となる。また、通信タイミング及び通信対象の情報を限定することで、各車両にて使用可能な通信帯域、記憶容量、CPUリソースを効率的に使用することができる。さらに、通信タイミングを近距離での通信に限定することで、車車間通信装置が遠距離まで電磁波等を出射する必要がないため、通信装置の低コスト化を図ることができる。また、各車両の情報共有を路車間通信で行う場合、鮮度の良い情報(リアルタイム情報)を得ることが困難であるとともに、インフラ環境の構築や運用に多大な費用が必要となるが、図9(a)〜(c)で説明した動作を適宜実行することにより、各車両は中央管理センターを介することなく、交通情報を低コストで効率的に共有することができる。
【0104】
上述したように、本実施形態に係る交通情報通信装置1によれば、交通情報処理部21により、自車両Cnに対して近接する方向に移動する他車両Cmが通信対象として選択され、通信対象の他車両Cmに対して交通情報又は道路情報の送信が要求され、車車間通信制御部20により他車両Cmから送信された交通情報又は道路情報が受信される。このため、例えば、自車両Cnの走行していない範囲の交通情報又は道路情報を保有している可能性のある他車両Cmのみを通信対象の他車両として選択して通信することができるので、通信トラフィックを軽減することが可能となる。よって、車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。また、例えば、自車両Cnに近づくように走行する他車両Cmのみを通信対象の他車両として選択して通信することが可能となるので、比較的狭い通信範囲で車車間通信をすることができる。このため、高い通信能力を必要とせず、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【0105】
また、本実施形態に係る交通情報通信装置1によれば、自車両Cnの進行方向における最新の交通情報又は道路情報を取得することができる。また、通信対象を反対車線の他車両Cmに限定するため、例えば近距離で確実な車車間通信を実現することが可能となる。よって、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【0106】
また、本実施形態に係る交通情報通信装置1によれば、自車両Cnの進行方向の交差点に接続される道路の最新の交通情報又は道路情報を取得することができる。また、通信対象を交差点に進入する他車両に限定するため、例えば近距離で確実な車車間通信を実現することが可能となる。よって、簡易な構成で車車間通信に関する処理の効率化を図ることができる。
【0107】
さらに、本実施形態に係る交通情報通信装置1によれば、制御判断部26により、自車両Cnの車両状態情報及び通信対象の他車両Cmの車両状態情報に基づいて自車両Cnの車両制御の要否が判断され、車両制御が必要な場合には交通情報処理部21による要求が行われず、車両制御処理が優先的に処理される。このため、車車間通信により車両制御処理が遅延することを回避できるとともに、処理優先順位が低い車車間通信を実行しないことで通信トラフィックの軽減を図ることが可能となる。
【0108】
なお、上述した実施形態は本発明に係る交通情報通信装置の一例を示すものである。本発明に係る交通情報通信装置は、実施形態に係る交通情報通信装置1に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る交通情報通信装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0109】
例えば、上述した実施形態では、インターネットを介して中央管理センターへアップロードする処理(図3のS30)を実行する例を説明したが、図3のS30の処理は実行しなくてもよい。また、図9(a)〜図9(c)で説明した情報共有動作は、順序立てされて実行されるわけではなく、それぞれが独立して実行されうるものである。
【0110】
また、他の実施形態として、通信装置の処理性能や記憶容量に十分な余裕のある車両であれば、図10に示す制御処理を実行して交通情報の共有が可能である。図10(a)、(b)に示す処理は例えばイグニッションONされたタイミングから所定の間隔で繰り返し実行される。図10(a)に示すように、車両は保有する交通情報(例えば道路リンクIDやリンク渋滞情報)を送信パケットに格納して、通信可能な車両に対してブロードキャスト送信する(S170)。また、図10(b)に示すように、車両は他車両が送信した送信パケットを受信して(S172)、保有する交通情報を更新する(S174)。このように、各車両のリソースに余裕がある場合には、図10に示す送信処理、受信処理を繰り返し実行して、周辺情報の網羅性の向上を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…交通情報通信装置、10…ECU、20…車車間通信制御部(受信手段)、21…交通情報処理部(通信対象選択手段、送信要求手段)、26…制御判断部(制御判断手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車車間通信により他車両が有する交通情報又は道路情報を取得する交通情報通信装置であって、
自車両に対して近接する方向に移動する前記他車両を通信対象の前記他車両として選択する通信対象選択手段と、
前記通信対象選択手段により選択された通信対象の前記他車両に対して前記交通情報又は前記道路情報の送信を要求する送信要求手段と、
前記他車両から送信された前記交通情報又は前記道路情報を受信する受信手段と、
を備えることを特徴とする交通情報通信装置。
【請求項2】
前記通信対象選択手段は、前記自車両の走行経路を逆方向に進行する前記他車両を通信対象の前記他車両として選択する請求項1に記載の交通情報通信装置。
【請求項3】
前記通信対象選択手段は、前記自車両が交差点に進入する場合に、前記交差点に進入する前記他車両を通信対象の前記他車両として選択する請求項1又は2に記載の交通情報通信装置。
【請求項4】
自車両の車両状態情報及び通信対象の前記他車両の車両状態情報に基づいて自車両の車両制御の要否を判断する制御判断手段を備え、
前記送信要求手段は、前記制御判断手段により自車両の車両制御が必要と判断した場合には、前記交通情報又は前記道路情報の送信を要求しない請求項1〜3の何れか一項に記載の交通情報通信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−244290(P2010−244290A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92177(P2009−92177)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】