説明

位相同期回路におけるループフィルタ

【課題】C/Nを改善することができる位相同期回路におけるループフィルタを提供する。
【解決手段】本発明の位相同期回路におけるループフィルタ1は、増幅回路2、第1のローパスフィルタ3、第2のローパスフィルタ4、電圧供給回路17、スイッチング素子5を備える。第2のローパスフィルタ4は、増幅回路2の出力端子2aと第1のローパスフィルタ3との間に接続され、バイアス電圧を供給する電圧供給回路17にも接続される。スイッチング素子5は、第2のローパスフィルタ4の接続状態を制御し、増幅回路2から出力された制御電圧が所定の電圧以下に降下したときに自動的にオンとなるように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相同期回路におけるループフィルタに係り、特に、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信チューナに好適に利用できる位相同期回路におけるループフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、地上波デジタルテレビジョン放送やケーブルデジタルテレビジョン放送などのデジタルテレビジョン放送受信機や携帯電話機にはPLL(Phase−locked loop)と称される位相同期回路が内蔵されており、その位相同期回路には位相比較器とVCO(電圧制御発振回路)との間に介在するループフィルタが用いられている。
【0003】
従来の位相同期回路におけるループフィルタ101は、図4に示すように、前段に配置された帰還型増幅回路102とその後段に配置されたローパスフィルタ103とを備えている。
【0004】
増幅回路102の前段に接続された図示しない位相比較器からの信号がその増幅回路102に入力されると、増幅回路102は制御電圧としてのチューニング電圧をローパスフィルタ103に出力する。チューニング電圧が入力信号として入力されたローパスフィルタ103は、チューニング電圧において高周波数側の周波数成分を減衰させて図示しないVCOにチューニング電圧を供給するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−307422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、VCOのQ値が低下する周波数帯においては、オフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性が劣化し、地上波デジタルテレビジョン放送やケーブルデジタルテレビジョン放送の受信特性に悪影響を及ぼすため、C/N(キャリア対ノイズ比)が悪化するという問題があった。これは、オフセット周波数10KHz以上のフェーズノイズ特性が重要になるケーブルデジタルテレビジョン放送受信時にその影響が顕著に現れる。特に、地上波デジタルテレビジョン放送の周波数帯域の信号よりも低い周波数帯域(370MHz〜474MHz)の信号を利用するときはVCOのQ値が下がり、ケーブルデジタルテレビジョン放送の受信特性に大きく影響する。
【0007】
なお、オフセット周波数10KHz以上のフェーズノイズ特性の向上だけを考慮すれば、従来からループフィルタ101の設計変更により対処することも可能であった。しかし、その代償として、オフセット周波数1kHz近傍のフェーズノイズ特性が劣化し、前述と同様、C/Nが悪化するため、地上波デジタルテレビジョン放送やケーブルデジタルテレビジョン放送の受信特性に影響してしまう。これは、オフセット周波数1kHz近傍のフェーズノイズ特性が重要になる地上波デジタルテレビジョン放送受信時において、その悪影響が顕著に現れることになる。つまり、従来のループフィルタ101においては、オフセット周波数1kHz近傍のフェーズノイズ特性を劣化させずに、VCOのQ値が低下する低い周波数帯域(370MHz〜474MHz)でのオフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性を向上させることが困難であった。
【0008】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、C/Nを改善することができる位相同期回路におけるループフィルタを提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明の位相同期回路におけるループフィルタは、その第1の態様として、電圧制御発振回路の発振周波数を制御する制御電圧を出力端子から出力する増幅回路と、増幅回路の出力端子と電圧制御発振回路との間に接続されている第1のローパスフィルタと、増幅回路の出力端子に接続されているスイッチング素子と、スイッチング素子にバイアス電圧を供給する電圧供給回路と、電圧供給回路とスイッチング素子とに接続されている第2のローパスフィルタとを備え、制御電圧が所定の電圧以下に降下したとき、スイッチング素子がオンすることにより増幅回路の出力端子と第1のローパスフィルタとを接続する接続点に第2のローパスフィルタが接続されるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第1の態様の位相同期回路におけるループフィルタによれば、制御電圧が所定の電圧以下に降下したときのみ、スイッチング素子がオンとなり、第2のローパスフィルタが第1のローパスフィルタに接続され、ループフィルタの特性を変更することができるため、制御電圧が所定の電圧以下に降下したとき即ちVCOの発振周波数が低いときのオフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性を改善することができる。
【0011】
本発明の第2の態様の位相同期回路におけるループフィルタは、第1の態様の位相同期回路におけるループフィルタにおいて、第2のローパスフィルタは、スイッチング素子に直列接続されている抵抗器と、スイッチング素子または抵抗器のいずれか一方の回路素子と接地電極との間に接続されているコンデンサとを有していることを特徴としている。
【0012】
本発明の第2の態様の位相同期回路におけるループフィルタによれば、抵抗器およびコンデンサの値を適切に設定することにより、オフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性を改善することができる。(第2のローパスフィルタをRCフィルタで構成したことによる適切な作用に修正をお願いします。)
本発明の第3の態様の位相同期回路におけるループフィルタは、第2の態様の位相同期回路におけるループフィルタにおいて、電圧供給回路は、定電圧を供給するバイアス電源端子と、バイアス電源端子とコンデンサにおいて接地電極が接続されていない端子との間に接続されているとともに定電圧をバイアス電圧に分圧する分圧回路と有していることを特徴としている。
【0013】
本発明の第3の態様の位相同期回路におけるループフィルタによれば、バイアス電源端子から供給される定電圧を分圧回路によりバイアス電圧に変換し、スイッチング素子に供給するので、バイアス電圧が適切な電圧値になるよう分圧回路を設定することによりVCOのQ値が低下する低い周波数帯域(370MHz〜474MHz)においてスイッチング素子をオンし、第2のローパスフィルタを第1のローパスフィルタに接続することができるため、ループフィルタの特性を改善することができる。
【0014】
本発明の第4の態様の位相同期回路におけるループフィルタは、第3の態様の位相同期回路におけるループフィルタにおいて、スイッチング素子は、第1のローパスフィルタに接続された一端をカソードとし、分圧回路に接続された他端をアノードとして接続されたダイオードであることを特徴としている。
【0015】
本発明の第4の態様の位相同期回路におけるループフィルタによれば、制御電圧が所定の電圧よりも降下したときに、スイッチング素子であるダイオードの両端に掛かる電圧がダイオードのオン電圧以上になるため、ダイオードを自動的にオンすることができる。
【0016】
本発明の第5の態様の位相同期回路におけるループフィルタは、第1から第4のいずれか1の態様の位相同期回路におけるループフィルタにおいて、制御電圧は、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送受信時の電圧制御発振回路の発振周波数を制御するチューニング電圧であり、バイアス電圧は、ケーブルデジタルテレビジョン放送の所定の周波数帯域の信号受信時にスイッチング素子が第2のローパスフィルタを接続するように設定されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の第5の態様の位相同期回路におけるループフィルタによれば、ループフィルタ特性が劣化しやすいケーブルデジタルテレビジョン放送の周波数帯域の信号受信時についてのみスイッチング素子をオンし、第2のローパスフィルタを第1のローパスフィルタに接続するため、ループフィルタの特性が変化し10kHz以上のフェーズノイズ特性を改善することができる。
【0018】
本発明の第6の態様の位相同期回路におけるループフィルタは、第5の態様の位相同期回路におけるループフィルタにおいて、所定の周波数帯域の信号は、地上波デジタルテレビジョン放送の周波数帯域の信号における最低周波数よりも低い周波数帯域の信号であることを特徴としている。
【0019】
本発明の第6の態様の位相同期回路におけるループフィルタによれば、ループフィルタ特性が劣化しやすいケーブルデジタルテレビジョン放送の低周波数側の信号についてのみスイッチング素子をオンにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の位相同期回路におけるループフィルタによれば、フェーズノイズ特性の劣化が生じる低い周波数帯域においてスイッチング素子をオンし、第2のローパスフィルタを第1のローパスフィルタに接続することができるため、オフセット周波数10KHz以上のフェーズノイズ特性が向上し、C/Nを改善することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の位相同期回路におけるループフィルタをその一実施形態により説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の位相同期回路におけるループフィルタ1を示す回路図である。本実施形態の位相同期回路におけるループフィルタ1は、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送を受信するデジタルテレビジョン放送受信機に内蔵されており、図1に示すように、増幅回路2と、第1のローパスフィルタ3と、第2のローパスフィルタ4と、電圧供給回路17と、スイッチング素子5とを備えている。
【0023】
本実施形態の増幅回路2は、図示しない位相比較器から入力端子6に入力された電圧を出力端子2aから制御電圧として出力するように形成されている。本実施形態においては、負帰還型増幅回路が増幅回路2として選択されている。また、本実施形態の増幅回路2は、前述のデジタルテレビジョン放送受信機に内蔵されているため、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送の受信時に図示しない電圧制御発振回路の発振周波数を制御するチューニング電圧が本実施形態の制御電圧となっている。
【0024】
第1のローパスフィルタ3は、増幅回路2の出力端子2aとループフィルタ1の出力端子7との間に接続されている。本実施形態の第1のローパスフィルタ3は、直列接続された第1の抵抗器10と、一端が接地されて並列接続された第1のコンデンサとによって形成されている。なお、出力端子7は、図示しない電圧制御発振回路(VCO)に接続される。
【0025】
第2のローパスフィルタ4は、電圧供給回路17からダイオード5に印加されるバイアス電圧が供給されるとともに、増幅回路2の出力端子2aと第1のローパスフィルタ3とを接続する接続点Pに接続されている。この第2のローパスフィルタ4は、第2の抵抗器12および第2のコンデンサ13からなるRCフィルタである。第2の抵抗器12は、前述の接続点Pとスイッチング素子5の一端との間に接続されている。また、第2のコンデンサ13は、スイッチング素子5の他端と接地電極との間に接続されている。
【0026】
電圧供給回路17は、第2のローパスフィルタ4に接続されている。本実施形態の電圧供給回路17は、バイアス電源端子8および分圧回路14を有している。バイアス電源端子8は、バイアス電圧を生成するための定電圧を供給する端子であり、例えば、定電圧5.0Vを出力するポートがバイアス電源端子8として設けられている。分圧回路14は、スイッチング素子5の他端とバイアス電源端子8の間に接続されている。本実施形態の分圧回路14は、直接接続された第3の抵抗器15と、一端が接地されて並列接続された第4の抵抗器16とによって形成されている。第3の抵抗器15および第4の抵抗器16の抵抗値は、分圧回路14から出力されるバイアス電圧が定電圧5.0Vから例えば4.2V程度に分圧されるように設定されている。
【0027】
スイッチング素子5は、制御電圧となるチューニング電圧が例えば3.5V程度の「所定の電圧」以下に降下したとき、その両端に印加される電圧、すなわちチューニング電圧の「所定の電圧」とバイアス電圧との差の電圧がスイッチング素子5のオン電圧以上になることにより、自動的にオンとなる回路素子である。本実施形態のスイッチング素子5としては、スイッチングダイオードが選択されている。このダイオードのカソードは、第2の抵抗器12を介して第1のローパスフィルタ3に接続されており、そのアノードは第2のコンデンサ13や分圧回路14に接続されている。
【0028】
ここで、本実施形態のループフィルタ1は、前述の通り、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送の受信に用いられる。そのため、前述のバイアス電圧は、ケーブルデジタルテレビジョン放送の「所定の周波数帯域の信号」の受信時にスイッチング素子5が第2のローパスフィルタ4を接続するように設定されていることが好ましい。また、前述の「所定の周波数帯域の信号」は、地上波デジタルテレビジョン放送の周波数帯域の信号における最低周波数(474MHz)よりも低い周波数帯域(370MHz〜474MHz)の信号であることが好ましい。
【0029】
なお、スイッチング素子5に前述のダイオードを用いない場合、チューニング電圧の所定の電圧とバイアス電圧との差の電圧をしきい値としてスイッチング素子5をオン・オフさせるためのスイッチング制御回路によってスイッチング素子5を制御するようにスイッチング素子5が形成されていても良い。
【0030】
次に、本実施形態の位相同期回路におけるループフィルタ1の作用を説明する。
【0031】
図2は、オフセット周波数10Hzから1MHzまでのフェーズノイズ特性を示している。地上波デジタルテレビジョン放送の周波数帯域は、474MHz〜858MHzであり、ケーブルデジタルテレビジョン放送の周波数帯域は、370MHz〜858MHzである。そのため、受信周波数帯域の高周波数側の信号(どちらも858MHz)と低周波数側の信号(474MHzまたは370MHz)とによってチューニング電圧に高低差が生じる。高周波数側の信号のチューニング電圧は、低周波数側の信号のチューニング電圧よりも高いため、高周波数側の信号においては増幅回路2のQ値が低下せず、10kHz以上のフェーズノイズ特性が劣化しない。
【0032】
それに対し、低周波数側の信号のチューニング電圧は著しく低くなる。例えば、受信した474MHzの信号のチューニング電圧が3.5Vなのに対し、370MHzの信号のチューニング電圧は0.9Vまで降下してしまう。そのため、図2の実線に示すように、低周波数側の信号においては本実施形態のループフィルタ1の後段に接続される電圧制御発振回路のQ値が低下し、オフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性が劣化する原因となる。
【0033】
そこで、本実施形態の位相同期回路におけるループフィルタ1においては、図1に示すように、増幅回路2と第1のローパスフィルタ3との間の接続点Pに第2のローパスフィルタ4およびスイッチング素子5が接続されており、第2のローパスフィルタ4に接続された電圧供給回路17が生成したバイアス電圧がスイッチング素子5に供給されている。これにより、制御電圧としてのチューニング電圧がフェーズノイズ特性の劣化を生じる所定の電圧以下にまで降下したときのみ、スイッチング素子5の両端に掛かる電圧がオン電圧以上になるため、スイッチング素子5を自動的にオンにすることができる。スイッチング素子5がオンになると、第2のローパスフィルタ4が第1のローパスフィルタ3に接続されることによりループフィルタ1の特性を変更させるので、オフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態のスイッチング素子5としては、ダイオードが選択されている。このダイオードのカソードは増幅回路2の出力端子2a側に接続されているので、増幅回路2の出力端子2aに出力されているチューニング電圧が、そのアノードが接続された電圧供給回路17のバイアス電圧よりも高い場合、ダイオードには逆電圧が印加されるため、スイッチング素子5はオフのままである。それに対し、バイアス電圧がチューニング電圧よりも高く、その差分がダイオードの順方向電圧以上になった場合、例えば、バイアス電圧が4.2V、ダイオードの順方向電圧が0.7Vであって、チューニング電圧が3.5V以下に降下した場合を考える。この場合、ダイオードに対して順方向に電流が流れるため、スイッチング素子5は自動的にオンになる。
【0035】
つまり、スイッチング素子5としてダイオードを選択すれば、スイッチング制御回路などの制御機構を設けずとも、スイッチング素子5の制御を自動的に行なうことができるので、制御電圧としてのチューニング電圧がバイアス電圧からダイオードの順方向電圧を除いた電圧よりも降下したときにスイッチング素子5を自動的にオンすることができる。
【0036】
また、第2のローパスフィルタ4は、第2の抵抗器12および第2のコンデンサ13から形成されている。これら第2の抵抗器12および第2のコンデンサ13の両値を適切に設定することにより、第1のローパスフィルタと第2のローパスフィルタとが合成されたフィルタの特性を改善することができるため、オフセット周波数10kHz以上のフェーズノイズ特性をより一層改善することができる。
【0037】
さらに、本実施形態のループフィルタ1は、前述の通り、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送の受信に用いられることに鑑み、ケーブルデジタルテレビジョン放送の特定の周波数帯域の信号についてのみスイッチング素子5をオンさせるとよい。このようにすることにより、VCOのQ値が劣化しやすいケーブルデジタルテレビジョン放送の特定の周波数帯域の信号についてのみループフィルタ特性を変化させ、フェーズノイズ特性を向上させることができる。
【0038】
特に、ケーブルデジタルテレビジョン放送の低周波数側(370MHz〜474MHz)の信号についてのみスイッチング素子5をオンさせるように設定しておけば、その低周波数側以外の信号については従来のループフィルタ特性を変化させることなく、その低周波数側の信号についてのみループフィルタ特性を変化させることができる。
【0039】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0040】
例えば、本実施形態の第2のローパスフィルタ4は、接続点Pから接地電極に向けて、第2の抵抗器12、スイッチング素子5、第2のコンデンサ13の順に接続されているが、他の実施形態においては、図3に示すように、接続点Pから接地電極に向けて、スイッチング素子5、第2の抵抗器12、第2のコンデンサ13の順に接続されており、第2の抵抗器12と第2のコンデンサ13との間に電圧供給回路17が接続されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態のループフィルタを示す等価回路図
【図2】高周波数側の信号および低周波数側の信号が入力された場合のループフィルタ特性を示すグラフ
【図3】他の実施形態の第2のローパスフィルタを示す等価回路図
【図4】従来のループフィルタの一例を示す等価回路図
【符号の説明】
【0042】
1 ループフィルタ
2 増幅回路
2a 増幅回路の出力端子
3 第1のローパスフィルタ
4 第2のローパスフィルタ
5 スイッチング素子
8 バイアス電源端子
12 第2の抵抗器
13 第2のコンデンサ
14 分圧回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御発振回路の発振周波数を制御する制御電圧を出力端子から出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力端子と前記電圧制御発振回路との間に接続されている第1のローパスフィルタと、
前記増幅回路の出力端子に接続されているスイッチング素子と、
前記スイッチング素子にバイアス電圧を供給する電圧供給回路と、
前記電圧供給回路と前記スイッチング素子とに接続されている第2のローパスフィルタとを備え、
前記制御電圧が所定の電圧以下に降下したとき、前記スイッチング素子がオンすることにより前記増幅回路の出力端子と前記第1のローパスフィルタとを接続する接続点に前記第2のローパスフィルタが接続されるように形成されている
ことを特徴とする位相同期回路におけるループフィルタ。
【請求項2】
前記第2のローパスフィルタは、前記スイッチング素子に直列接続されている抵抗器と、前記スイッチング素子または前記抵抗器のいずれか一方の回路素子と接地電極との間に接続されているコンデンサとを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期回路におけるループフィルタ。
【請求項3】
前記電圧供給回路は、定電圧を供給するバイアス電源端子と、前記バイアス電源端子と前記コンデンサにおいて接地電極が接続されていない端子との間に接続されているとともに前記定電圧をバイアス電圧に分圧する分圧回路とを有している
ことを特徴とする請求項2に記載の位相同期回路におけるループフィルタ。
【請求項4】
前記スイッチング素子は、前記第1のローパスフィルタに接続された一端をカソードとし、前記分圧回路に接続された他端をアノードとして接続されたダイオードである
ことを特徴とする請求項3に記載の位相同期回路におけるループフィルタ。
【請求項5】
前記制御電圧は、地上波デジタルテレビジョン放送およびケーブルデジタルテレビジョン放送受信時の前記電圧制御発振回路の発振周波数を制御するチューニング電圧であり、
前記バイアス電圧は、前記ケーブルデジタルテレビジョン放送の所定の周波数帯域の信号受信時に前記スイッチング素子が前記第2のローパスフィルタを接続するように設定されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位相同期回路におけるループフィルタ。
【請求項6】
前記所定の周波数帯域の信号は、前記地上波デジタルテレビジョン放送の周波数帯域の信号における最低周波数よりも低い周波数帯域の信号である
ことを特徴とする請求項5に記載の位相同期回路におけるループフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−147643(P2010−147643A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320815(P2008−320815)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】