説明

位置検索システム

【課題】 氏名、住所、電話番号などの個人情報を使用することなく当該人員を特定し、現在位置を検索することを可能とし、前記当該人員と行き違いになることなく合流することを可能とする位置検索システムを提供する。
【解決手段】 固有識別情報を有するICタグ内蔵体と、ICタグ内蔵体携帯者を一時的な識別情報により関係付け、前記固有識別情報と前記一時的な識別情報を併用することにより、個人情報を開示することなく、所定領域内でのICタグ内蔵体携帯者の位置を検索し、検索対象となっていることを前記ICタグ内蔵体携帯者に通知することにより、検索者との行き違いを防止することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定領域内の人員の位置を特定する位置検索システムに関し、特に、展示会、ショー、セミナーなどの各種イベント会場及びテーマパークなどの遊戯施設において、たとえば利用者の現在位置を特定するのに好適な位置検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
展示会、ショー、セミナーなどの各種イベント会場やテーマパークなど多くの人が集まる会場においては、グループで来場した利用者同士がしばしば互いの位置を見失うことがある。一度互いを見失うと、会場の広さ、利用者の数にもよるが、自力で互いを発見することは困難である。
【0003】
このような場合、会場内に設置された案内所を利用することになる。案内所では捜索対象利用者の個人情報から、放送による呼びかけや、係員が会場内を捜索するなどして対象利用者の発見を行っていた。
【0004】
以上のような利用者の発見方法は、対象利用者発見までに多大な時間と労力を要するものであった。
【0005】
このような人的労力を要する利用者の発見方法を改善するために、近年、ICタグを利用した個別識別の方法が用いられている。ICタグは内部に固有のIDデータやその他のデータを保持することができ、電波を利用して内部に保持するデータを送信することができる。このようなICタグを利用者に所持させ、いざ利用者の位置がわからなくなった場合には、前記ICタグの保持するデータを読み取り利用者の位置を特定する方法がある。
【0006】
従来のICタグを用いた位置検索システムについて、図9および図10を用いて説明する。図9は、従来のICタグを用いた位置検索システムの概念図である。図10は従来の位置検索システムのフローチャートである。ICタグ32を所持したICタグ所持者31はICタグ検知装置34a、34b、34cが設置された会場に入場する。ICタグ32には、図示しない入力装置を使用して、氏名、引率者名、住所、電話番号などのICタグ所持者31の個人情報を固有識別データとして入場前に入力しておく。ICタグ所持者31の現在位置が不明になった場合、会場内に設置されたICタグ所持者検索装置35にICタグ32に入力したICタグ所持者31の固有識別データを入力すると、ICタグ検知装置34a、34b、34cにより入力した識別情報を保持するICタグ32が検出され、ICタグ所持者検索装置35にICタグ32を所持したICタグ所持者31の現在位置が表示される。このような位置検索システムは例えば、特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−233893号公報
【0008】
上述した従来の位置検索システムでは、氏名、住所、電話番号など、ICタグ所持者31の個人情報をICタグ32に入力する必要があり、意図しない第三者によりICタグ32内の個人情報が読み取られる虞があった。また、個人情報によりICタグ所持者31の現在位置を検索するため、意図しない第三者にICタグ所持者31の現在位置を把握される虞もあった。
【0009】
さらに従来の位置検索システムでは、検索を行った時点でのICタグ所持者31の位置しか把握できず、ICタグ所持者31に合流しようと移動している間にICタグ所持者31が検索された位置から移動してしまい、行き違いになる可能性があるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の技術的課題は、氏名、住所、電話番号などの個人情報を使用することなく当該人員を特定し、現在位置を検索することを可能とする位置検索システムを提供することである。
【0011】
また、本発明の他の課題は、上述のように行き違いになることを回避することを可能とする位置検索システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、あらかじめ固有識別情報を有してなる複数のICタグ内蔵体と、前記ICタグ内蔵体の情報読み取り装置を備えた入退出口を有する1以上の閉領域と、前記固有識別情報と前記ICタグ内蔵体携帯者とを一時的な識別情報で関連付ける登録装置と、前記固有識別情報と前記一時的な識別情報の組み合わせおよび前記情報読み取り装置によって得られた前記ICタグ内蔵体携帯者の前記入退出口通過時刻から得られる入退出情報を用いて前記ICタグ内蔵体携帯者の位置を検索する位置検索装置とからなり、前記読み取り装置、前記登録装置および前記位置検索装置は、ネットワーク接続されてなることを特徴とする位置検索システムが得られる。
【0013】
本発明によれば、前記登録装置は、複数の前記ICタグ内蔵体携帯者を1集団として認識し、前記位置検索装置は、前記1集団内においてのみ位置検索を行うことを特徴とする位置検索システムを得られる。
【0014】
本発明によれば、前記入退出口は前記位置検索装置の検索結果に応じて、位置検索対象者である前記ICタグ内蔵体携帯者に位置検索対象となっていることを通知する手段を有することを特徴とする位置検索システムを得られる。
【0015】
本発明におけるICタグ内蔵体とは、内部に固有識別情報を有したICタグを有する識別体であり、その形状は例えば、チケット状やリストバンド状である。前記ICタグの有する固有識別情報は、該ICタグを特定することのできる各ICタグ固有の識別情報であり、例えばICタグの有するIDデータなどである。
【0016】
本発明における一時的な識別情報とは、前記ICタグ内蔵体携帯者の集団の中で各内蔵体携帯者を特定可能な情報であり、例えば該集団内における各々の称呼である。
【0017】
本発明における閉領域とは、該領域からの入退出を管理可能な領域である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の位置検索システムを用いることにより、ICタグ内蔵体携帯者の固有情報を使用することなく、当該ICタグ内蔵体携帯者の位置検索が可能となる。さらに、位置検索を行ったICタグ内蔵体携帯者に対し、呼び出しがかかっていることを通知することで、行き違いを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の位置検索システムは、たとえばICタグを内蔵した電子チケットが本来有する固有識別番号と、利用者が利用形態にあわせて、その都度設定する一時的な識別情報を併用することにより、個人情報を開示することなく、所定領域内での利用者の位置を検索するものである。上記、一時的な識別情報は、例えばイベント会場来場時に、利用者で構成する少人数の団体内で独自に呼称を設定し、万一、迷子のような現在位置不明者が発生した場合は、上記一時的な識別情報から当該現在位置不明者の所持する電子チケットの固有識別情報を特定し、該固有識別情報を有する電子チケット保持者の現在位置を、ネットワークを介して検索し、当該団体員にネットワークを通じて連絡する。
【0020】
図1は、本発明の位置検索システムの概念図である。ICタグを内蔵した電子チケット2a、2bを利用するイベント会場であって、入場ゲート11a、11b、11c及び退場ゲート12a、12b、12cにより入退場が管理される各イベントブース13a、13b、13cと、複数のグループ登録用端末3a、3bと、複数の利用者検索用端末4a、4b、4cと、管理サーバ14から構成される。
【0021】
電子チケット2a、2bに内蔵されるICタグは、それぞれ固有データを保持し、この固有データを電子チケット2a、2bのIDとして扱う。各入場ゲート11a、11b、11c、退場ゲート12a、12b、12c、グループ登録用端末3a、3b、利用者検索用端末4a、4b、4cには電子チケット2a、2bのID読み取り装置が内蔵されている。またグループ登録用端末3a、3b、及び利用者検索用端末4a、4b、4cには情報表示用のディスプレイが具備されている。
【0022】
管理サーバ14はネットワーク15により各入場ゲート11a、11b、11c、退場ゲート12a、12b、12c、グループ登録用端末3a、3b、利用者検索用端末4a、4b、4cとは接続され、データの通信を行うことができる。
【0023】
図2は、本発明の位置検索システムのフローチャートである。イベント会場に入場した利用者1aおよび1bは、グループ登録端末3aで、2人が1グループとして、この会場での称呼を登録し、入場する。このイベント会場には、図1に示したように3つのイベントブースがあり、利用者1aおよび1bの入退場に応じて、2人の位置情報が更新される。万一、2人がはぐれた場合は、一方が利用者検索用端末4a、4b、4cのいずれかにIDを入力して、検索すると同一グループを構成するメンバーすなわちこの場合は2人の称呼が表示されて、他方の位置を検索することができる。
【0024】
図3は、本発明のグループ登録のフローチャートである。友人同士の利用者1a、1b(以下、図1も参照)は入り口でそれぞれ電子チケット2a、2bを購入しイベント会場に入場する。利用者1a、1bは、まず入り口付近に設置されたグループ登録用端末3aを利用して、2人でひとつのグループを構成し、グループ登録を行う。
【0025】
まず利用者1aの電子チケット2aのIDをグループ登録用端末3aに読み取らせる。読み取られたIDはディスプレイに表示される。次にIDに関連付けるこの会場内における各々の称呼(以下、ニックネームと表記)を入力する。ニックネームは登録するグループ内で識別できるものであれば何でもよい。利用者1aニックネーム「やまだ」の入力を終了したら、今度は利用者1bが同様の操作を行い、電子チケット2bのIDの読み取りとニックネーム「たろう」の入力を行う。以上の操作を登録したいグループの人数分、すなわちこの場合は2人分行う。グループの人数分の操作を終了したらディスプレイに表示される「登録」キーをタッチしてグループの登録操作を行う。
【0026】
登録操作が行われると、グループ登録用端末3aは読み取った電子チケット2a、2bのIDと、入力されたニックネームを、ネットワーク15を介して管理サーバ14に送信する。管理サーバ14はデータベースとして、図4に示す本発明のグループ情報テーブルを有する。
【0027】
続いて、管理サーバは、グループ登録用端末3aから受信した電子チケット2a、2bのIDとニックネームに、管理サーバ14が生成したグループ番号を付加してデータベースに登録する。データベースの登録が完了すると、管理サーバ14はグループ登録用端末3aに登録操作の完了信号を送信する。管理サーバ14から登録操作の完了信号を受信したグループ登録用端末3aはディスプレイに登録完了のメッセージを表示し、グループ登録が完了した旨を利用者1a、1bに通知する。以上により利用者1a、1bのグループ登録は完了する。
【0028】
図5は、本発明の位置情報更新のフローチャートである。各イベントブース13a、13b、13cには、電子チケット2a、2bに内蔵されたICタグの読み取り装置を備えた入場ゲート11a、11b、11c、退場ゲート12a、12b、12cが設けられており、利用者1aは入退場の際に各ゲートに所持する電子チケット2aをかざしてゲートに電子チケット2aのIDを読み取らせる。電子チケット2aのIDを読み取った入場ゲート11a、11b、11cまたは退場ゲート12a、12b、12cはネットワーク15を介して管理サーバ14へ読み取ったID、設置されているブース番号、入退の情報を送信する。
【0029】
入場ゲート11a、11b、11cまたは退場ゲート12a、12b、12cから電子チケット2a、2bのID、入退場の情報を受信した管理サーバ14は、前記情報の送信元から、イベントブースの位置と、入退場の状態を特定し、図6に示す本発明の位置情報テーブルを新規作成または更新する。また、入退場の時刻は、管理サーバ14が保持する現在時刻により特定する。
【0030】
以上の動作は、利用者1a、1bのイベントブース13a、13b、13cの入退場の都度行われる。
【0031】
図7は、本発明の位置検索のフローチャートである。利用者1aとはぐれた利用者1bは最寄りの利用者検索用端末4aに所持している電子チケット2aのIDを読み取らせる。利用者検索用端末4aは読み取った利用者1bのIDを、ネットワーク15を介して管理サーバ14に送信する。
【0032】
利用者検索用端末4aからIDを受信した管理サーバ14は、図4に示した本発明のグループ情報テーブルから、受信した利用者1bのIDのグループ番号を検索し、同一のグループに属する利用者1a、1bのリストを、利用者検索用端末4aに返信する。利用者検索用端末4aは管理サーバ14から利用者1bと同一グループに属する利用者1aのリストを受信し、受信したリストからグループの利用者1aのニックネームをディスプレイに表示する。
【0033】
利用者1bはディスプレイに表示されたニックネームのリストの中から、位置検索を行いたい利用者1aのニックネーム「やまだ」を選択する。利用者検索用端末4aは選択されたニックネームに関連付けられたIDの現在位置を管理サーバ14に問い合わせる。管理サーバ14は利用者検索用端末4aからの問い合わせに対し、図6に示した本発明の位置情報テーブルから問い合わせのあった利用者1aのIDの現在位置を取得し、取得した現在位置を利用者検索用端末4aに返信する。利用者検索用端末4aは管理サーバ14から問い合わせに対する返信を受信し、受信した現在位置を利用者1aの位置検索結果としてディスプレイに表示され、利用者1bは利用者1aの現在位置をしることができる。
【0034】
以上のように利用者1a、1bの固有情報を使用することなく、ニックネームと電子チケット2a、2bのIDのみで利用者1a、1bの管理を行うため、利用者1a、1bの固有情報の第三者への漏洩を防止が可能となる。また、登録された同一グループ内の利用者1a、1bに対してのみ位置情報の検索を行うことができるため、第三者に利用者の位置情報を把握される恐れも回避可能となる。
【0035】
前述の位置検索後、利用者1bは位置検索対象である利用者1aに対し呼び出しをかけることが可能である。利用者検索用端末4aは利用者1aの現在位置と共に呼び出しボタンをディスプレイに表示する。利用者1bは利用者1aに対して呼び出しをかけたい場合、ディスプレイに表示された呼び出しボタンを押し、呼び出しを実行する。
【0036】
呼び出しが実行されると、利用者検索用端末4aは管理サーバ14に対し利用者1aのIDを送信し呼び出しを要求する。利用者検索用端末4aから利用者1aの呼び出し要求を受けた管理サーバ14は、図6に示した本発明の位置情報テーブルから要求のあったIDの現在位置を取得し、現在位置のイベントブースの退場ゲート12bにネットワーク15を介して利用者1aのIDを送信する。各イベントブース13a、13b、13cの退場ゲート12a、12b、12cはIDを保持する記憶領域を備え、管理サーバ14から配信された呼び出しIDを前記記憶領域に保持する。
【0037】
呼び出しIDを保持している退場ゲート12bは、利用者1aの退場時に電子チケット2aのIDを読み取り、読み取ったIDと記憶領域に保持しているIDとの比較を行い、記憶領域に保持しているIDと読み取ったIDが同一であることを確認した場合、そのIDの所持者利用者1aあるいは係員に対し、呼び出しがかけられていることを通知する。通知の方法としては、ゲートを閉める、ブザーを鳴らす、ランプを点灯するなどの方法を用いることが可能である。なお、一般的な通知の方法であれば、前述に限定されるわけではない。
【0038】
以上により利用者1aは利用者1bが自分の現在位置を把握していることを知ることができ、利用者1bを探し回ることで発生する行き違いを回避することができる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて具体的に説明する。
【0040】
図8は本発明の実施例を示す説明図である。利用者同士で位置の検索が行えるように、グループ登録用端末3a、3bと、利用者検索用端末4a〜4eと、管理サーバ14を展示会会場に設置した。グループ登録用端末3a、3b及び利用者検索用端末4a〜4eと、管理サーバはLANケーブル18により接続した。展示会会場の各展示ブース16a〜16eの出入り口にはICタグ読み取り装置を内蔵した入場ゲート11a〜11e及び退場ゲート12a〜12eを設置した。入場ゲート11a〜11e及び退場ゲート12a〜12eともに管理サーバ14にLANケーブル18によって接続した。また退場ゲート12a〜12eには利用者に呼び出しがかかっていることを通知する呼び出し通知ランプを取り付けた。
【0041】
ICタグを内蔵した電子チケットを、受付17にて利用者に配布し、利用者が電子チケットのIDを使用して、グループ登録及びグループメンバーの位置情報を検索可能とした。電子チケットに内蔵したICタグは、データの送信に13.56MHzの周波数の電波を使用し、ICタグの読み取り機か装置からの電波により、動作に必要な電力を生成するタイプのものである。
【0042】
利用者1aとはぐれた利用者1bは、最寄りの利用者検索用端末4bより上述の手順で検索を実行したところ、利用者検索用端末4bのディスプレイに利用者1aのニックネーム「やまだ」が表示され、利用者1aが展示ブース16bにいることを容易に把握することができた。
【0043】
また、利用者1bは、前記利用者1aの位置検索実行時に、利用者1aに対し呼び出しボタンを押して、呼び出しをかけたので、利用者1aが展示ブース16bから退場しようとした際に、退場ゲート12bの呼び出し通知ランプが点灯し、利用者1aは呼び出しがかかっていることを知り、展示ブース16bにて利用者1bを待った。この結果、10分後に利用者1aと利用者1bは行き違いになることなく合流した。位置検索及び呼び出しにはあらかじめ登録したグループ番号とニックネームのみで行ったため固有情報が漏洩することはなかった。
【0044】
比較例として、従来のシステムで同様の位置検索を実行した。図11は従来のシステムを示す説明図である。展示会会場にICタグ発行機39a、39bと、ICタグ登録装置40a、40bと、ICタグ所持者検索装置38a〜38eと、ICタグ検知装置37a〜37eと、位置検索機能を備えるサーバ41を設置し、それぞれをLANケーブ18により接続した。
【0045】
利用者1bはICタグ発行機39aからICタグ32を購入し、利用者1aの固有情報を、ICタグ登録装置40bを使用してICタグ32に入力し、固有情報の入力されたICタグ32を利用者1aに所持させた。利用者1aとはぐれてしまった利用者1bは最寄りのICタグ所持者検索装置38bを使用して利用者1aの固有情報を入力したが、誤った個人情報を入力したために、ほかの利用者の位置情報を個人情報と共に入手し、再度、検索をやり直した結果、固有情報に関連付けられたICタグ32を所持した利用者1aの位置を検索することができた。
【0046】
利用者1bは、はぐれた利用者1aの位置情報を検索することは可能であったが、利用者1bが検索した位置に到着した時に利用者1aはその位置から既に移動しており、行き違いとなったため、同様の手順で、再度位置検索を行い、30分後にようやく合流した。
【0047】
なお、本実施例では、ICタグ内蔵体にICタグを内蔵した電子チケットを用いたが、ICタグを内蔵するものであれば、電子チケットの他に、リストバンド、カードなどのいずれを用いても同様の効果が得られた。
【0048】
また、本実施例では、データの送信に13.56MHzの周波数の電波を使用するICタグを用いたが、ICタグの使用する電波の周波数は特に13.56MHzに限るものではなく、950MHz、2.45GHzの電波を使用するICタグでも同様の効果が得られた。
【0049】
また、本実施例では、読み取り装置から放射される電波から動作に必要な電力を生成するICタグを用いたが、内蔵した電池により動作に必要な電力を供給するICタグをでも同様の効果が得られた。
【0050】
また、本実施例では、位置検索を行った利用者に対する呼び出しの通知にはランプを用いたが、利用者に呼び出しを通知できるものであれば、ランプの点灯の他に、ブザー、ゲートの開閉、ディスプレイなどのいずれかを単独あるいは併用しても同様の効果を得られた。利用者へ呼び出しの通知を確実に行うために、ゲートの開閉を用いることがより好ましい。
【0051】
また、本発明で用いる一時的な識別情報は、文字、数字、記号などの任意の組み合わせで入力可能であるが、必要に応じて情報長や使用可能な文字等を制限してもよい。
【0052】
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明を用いることにより、展示会などの各種イベントやテーマパーク等に適用可能な、固有情報の保護に優れる多様な形態の位置検索システムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の位置検索システムの概念図。
【図2】本発明の位置検索システムのフローチャート。
【図3】利用者のグループ登録のフローチャート。
【図4】本発明のグループ情報テーブルを示す図。
【図5】本発明の位置情報更新のフローチャート。
【図6】本発明の位置情報テーブル。
【図7】本発明の位置検索のフローチャート。
【図8】本発明の実施例を示す説明図。
【図9】従来のICタグを用いた位置検索システムの概念図。
【図10】従来の位置検索システムのフローチャート。
【図11】従来のシステムを示す説明図。
【符号の説明】
【0055】
1a、1b 利用者
2a、2b 電子チケット
3a、3b グループ登録用端末
4a〜4e 利用者検索用端末
11a〜11e 入場ゲート
12a〜12e 退場ゲート
13a〜13c イベントブース
14 管理サーバ
15 ネットワーク
16a〜16e 展示ブース
17 受付
18 LANケーブル
31 ICタグ所持者
32 ICタグ
33 位置検索装置
34a〜34c、37a〜37e ICタグ検知装置
35、38a〜38e ICタグ所持者検索装置
36 検索者
39a、39b ICタグ発行機
40a、40b ICタグ登録装置
41 位置検索機能を備えるサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ固有識別情報を有してなる複数のICタグ内蔵体と、前記ICタグ内蔵体の情報読み取り装置を備えた入退出口を有する1以上の閉領域と、前記固有識別情報と前記ICタグ内蔵体携帯者とを一時的な識別情報で関連付ける登録装置と、前記固有識別情報と前記一時的な識別情報の組み合わせおよび前記情報読み取り装置によって得られた前記ICタグ内蔵体携帯者の前記入退出口通過時刻から得られる入退出情報を用いて前記ICタグ内蔵体携帯者の位置を検索する位置検索装置とからなり、前記読み取り装置、前記登録装置および前記位置検索装置は、ネットワーク接続されてなることを特徴とする位置検索システム。
【請求項2】
前記登録装置は、複数の前記ICタグ内蔵体携帯者を1集団として認識し、前記位置検索装置は、前記1集団内においてのみ位置検索を行うことを特徴とする請求項1記載の位置検索システム。
【請求項3】
前記入退出口は、前記位置検索装置の検索結果に応じて、位置検索対象者である前記ICタグ内蔵体携帯者に、位置検索対象となっていることを通知する手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の位置検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−141054(P2007−141054A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335718(P2005−335718)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】