説明

位置測定システム、無線通信装置及び位置測定方法

【課題】屋内などのエリアに配置された物品の位置管理を少ない消費電力で実現する。
【解決手段】RFID及び無線通信機を含む端末と、RFIDと通信する読み取り装置と、無線通信機と無線によって通信する基地局と、を備え、所定のエリアにおける端末の位置を測定する位置測定システムで、読み取り装置は、所定のエリアに端末が入った場合には、端末に含まれるRFIDに、端末が所定のエリアに入ったことを示す第1の信号を送信し、RFIDは、第1の信号を受信すると、無線通信機を起動させ、基地局は、無線通信機と通信することによって、端末の位置情報を取得し、読み取り装置は、所定のエリアから端末が出た場合には、端末に含まれるRFIDに、端末が所定のエリアから出たことを示す第2の信号を送信し、RFIDは、第2の信号を受信すると、無線通信機を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のエリア内に配置された物品の位置を測定する技術に関し、特に屋内に配置された物品の位置を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency IDentification)を用いた様々なサービスが提供されている。例えば、特許文献1には、人がRFIDを持ち、建物の出入口近傍に入退出管理装置を設けることで、人がどの建物に入室したかを管理するシステムが開示されている。また、IDタグのID照合結果によりデータ回路の電源をオン/オフすることで、大容量のデータを少ない消費電力で送受信するRFIDシステムが知られている(特許文献2)。
【0003】
また、物の位置を測定するシステムとしては、GPS(Global Positioning System)が知られている。特許文献3には、GPSとRFIDを組み合わせ、屋外ではGPSを用いて端末の位置を測定し、建物の入り口にゲートを設けて端末に建物の情報を通知するシステムが開示されている。さらに、特許文献4には、測定範囲内の電波環境による影響を抑えてRFIDの添付された物品の位置を測定可能な物品位置検出システムが開示されている。また、アクティブなタグを用いたシステムとして、UWB(Ultra WideBand)を用いて位置を測定するシステムが知られており、例えば、特許文献5には、二つの無線機間でのパケット送信及びその応答手続きを利用して測距・測位をする測距・測位システムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−334546号公報
【特許文献2】特開2007−193566号公報
【特許文献3】特開2006−292618号公報
【特許文献4】特開2007−121014号公報
【特許文献5】特開2004−258009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFIDシステムは、物流・流通用途で使用されることが多く、例えば、フォークリフトに積載された物品のパレット、ケース又はダンボール箱等に貼り付けられたRFIDをリーダライタで読み書きするアプリケーションが考えられている。このようなアプリケーションにおいて、例えば、物品が倉庫内のどこに置かれたか、といった位置情報は、物品を探す場合、及び倉庫から物品を出し入れする場合に有益な情報となる。
【0005】
RFIDを用いて物品の位置を測定するシステムの一例として、特許文献5に開示された技術が知られている。物品にRFIDを添付し、位置測定をするエリアにリーダライタ(R/W)を設置し、RFIDを認識したリーダライタの情報に基づいて物品の位置を測定する技術である。しかしながら、このようなRFIDを用いた位置測定システムでは、高い精度の位置情報を得るためには、リーダライタを多数設置する必要があるため、設置コストが大きくなってしまう。
【0006】
位置情報を取得するための他の方法として、電池を搭載したアクティブタグを利用したシステムが知られており、特にUWB無線などを用いることによって、屋内においても高い精度で位置情報を取得することができる。しかしながら、アクティブタグには電池が必要であるため、電池交換が必要となり、運用コストが増大してしまう。
【0007】
また、GPSを用いたシステムでは人工衛星からの電波を利用するため、屋内での位置測定には適さない。
【0008】
そこで、本発明では、倉庫又は店舗などの屋内に配置された物品の位置管理を少ない消費電力で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な一形態によれば、RFID及び無線通信機を含む端末と、前記RFIDと通信する読み取り装置(リーダライタ)と、前記無線通信機と無線によって通信する基地局と、を備え、所定のエリアにおける前記端末の位置を測定する位置測定システムであって、前記読み取り装置は、前記所定のエリアに前記端末が入った場合には、前記端末に含まれるRFIDに、前記端末が前記所定のエリアに入ったことを示す第1の信号を送信し、前記RFIDは、前記第1の信号を受信すると、前記無線通信機を起動させ、前記基地局は、前記無線通信機と通信することによって、前記端末の位置情報を取得し、前記読み取り装置は、前記所定のエリアから前記端末が出た場合には、前記端末に含まれるRFIDに、前記端末が前記所定のエリアから出たことを示す第2の信号を送信し、前記RFIDは、前記第2の信号を受信すると、前記無線通信機を停止させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一形態によれば、所定のエリア内(屋内)に配置された物品の位置管理を少ない消費電力で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態を詳細に説明する前に、まず、本発明の概要を説明する。本発明の位置測定システムでは、所定のエリア内、特に屋内に配置された物品の位置を管理する。例えば、倉庫に格納された物品の位置を管理する。この場合、RFIDを利用して物品の位置を管理しようとすると、前述したように、多数のリーダライタが必要となる。また、アクティブタグを利用すると、アクティブタグによって電力が消費されるため、電池交換が必要となる。
【0012】
本発明では、RFIDによってアクティブタグを制御し、位置を測定するエリアに物品が入った場合にアクティブタグを起動する。一方、位置を測定するエリアから物品が出た場合にはアクティブタグを停止させる。アクティブタグを起動及び停止は、例えば、電源を制御すればよい。したがって、本発明では位置測定エリア内に物品が配置されている場合にのみアクティブタグが動作するため、消費電力を低減させることができる。
【0013】
本発明の実施の形態では、物品又は物品を格納する容器などにRFID及びアクティブタグを含む端末を取り付けることによって物品の位置を特定する。具体的には、倉庫に格納された物品の位置管理に利用することが可能である。さらに、ショッピングセンター内のカートに端末を取り付けることによって、顧客の移動した経路(動線)を特定することも可能である。
【0014】
以下、本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び位置測定システムの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、本発明に係る位置測定システムを倉庫に物品を保管する場合に適用する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態の位置測定システムの構成の一例を示す図である。
【0017】
本発明の第1の実施の形態の位置測定システムでは、位置を測定するエリア(AREA)109に配置された物品(OBJ)101の位置を測定する。位置測定エリア109は、倉庫内の空間に対応する。
【0018】
本発明の第1の実施の形態の位置測定システムは、端末(NOD)102、リーダライタ(R/W)108、基地局(AP)105、ネットワーク(NWK)106、及びサーバ(SRV)107を含む。
【0019】
端末102は、基地局105によって実際に位置を測定されるデバイスである。端末102が物品101に取り付けられることによって、当該物品101の位置が測定される。第1の実施の形態では、物品101又は物品101を格納する容器に1対1に対応するように端末102が取り付けられている。端末102の構成の概要を図2に示す。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施の形態の端末102の構成の概要を示す図である。
【0021】
端末102は、RFID103及びアクティブタグ104を含む。端末102は、RFID103によって位置測定エリア109に入門したことを検知すると、アクティブタグ104の電源を投入し、基地局105と通信可能な状態にする。また、位置測定エリア109から出門したことを検知すると、アクティブタグ104の電源を遮断する。
【0022】
なお、端末102の詳細な構成については、図3にて後述する。また、入門時及び出門時における端末102の状態遷移及び処理手順については、図9及び図10にて説明する。
【0023】
基地局105は、位置測定エリア109内に複数設置され、端末102と通信することによって位置情報を取得する。図1では、4つの基地局105A、105B、105C及び105Dが位置測定エリア109に設置されている。以降、基地局に共通する事項について符号を105とし、個別の基地局については105A〜105Dの各符号を付与した形式で説明する。
【0024】
リーダライタ108は、位置測定エリア109の出入口に設置されている。リーダライタ108は、物品101が出入口を通過する際に端末102に含まれるRFID103と通信することによって、入門又は出門を判定し、物品101が位置測定エリア109の内部又は外部に位置していることを判定する。
【0025】
ネットワーク106は、基地局105及びサーバ107に接続される。サーバ107は、基地局105によって取得された物品101の位置情報を、ネットワーク106を介して収集する。さらに、基地局105から収集された位置情報に基づいて物品101の位置を特定したり、物品101の位置情報を管理したりする。
【0026】
以上、本発明の第1の実施の形態の位置測定システムの全体概要について説明した。続いて、本発明の第1の実施の形態の位置測定システムに含まれる各構成の詳細を図3から図8までの図面を参照しながら説明する。
【0027】
図3は、本発明の第1の実施の形態の端末102の構成の一例を示す図である。
【0028】
端末102は、RFID103、RFID用のアンテナ701、及びアクティブタグ104を含む。
【0029】
RFID103は、RFID用のアンテナ701を介してリーダライタ108と通信する。RFID103は、リーダライタ108から発信された信号を受信して起動するパッシブタイプである。また、RFID103は、リーダライタ108から電源の供給を受け付ける。例えば、リーダライタ108から発信された電波によって、電磁誘導を発生させて起動する。なお、RFID103は、通信距離を伸ばすため、又は、アクティブタグ104の電源を切り替えるための回路を動作させるための電源を搭載するセミパッシブタイプであってもよい。
【0030】
また、RFID103は、前述のように、リーダライタ108から入門又は出門の信号を受信すると、アクティブタグ104の電源を切り替える。本発明の第1の実施の形態では、アクティブタグ104の電源を切り替えるための回路は、RFID103に内蔵されている。
【0031】
アクティブタグ104は、マイクロコントローラユニット(MCU)703、無線通信機(COM)704、無線通信機704用のアンテナ702、及び電源(VDD)を含む。電源は、例えば、アクティブタグ104に内蔵されたバッテリから供給される。
【0032】
アクティブタグ104は、無線通信機704用のアンテナ702を介して自ら電波を発信することによって、基地局105と通信する。アクティブタグ104は、RFID103よりも通信距離が長くなるが自ら電波を発信するため、電源の供給が途絶えると通信することができなくなる。
【0033】
RFID103は、マイクロコントローラユニット703に接続されている。RFID103は、物品101が入門又は出門されたことを検知すると、マイクロコントローラユニット703に通知する。マイクロコントローラユニット703は、入門又は出門を通知されると、アクティブタグ104の状態を切り替える。
【0034】
図4は、本発明の第1の実施の形態のアクティブタグ104の状態の遷移を示す図である。
【0035】
アクティブタグ104は、位置測定エリア109の外部に位置している場合には、スタンバイ状態801となる。一方、位置測定エリア109の内部に位置している場合、すなわち、倉庫に格納されている場合にはアクティブ状態802となる。
【0036】
スタンバイ状態801とは、アクティブタグ104から電波が発信されていない状態であって、電源から電力が供給されていない状態を含む。アクティブ状態802とは、電源から電力が供給され、基地局105と通信可能な状態である。スタンバイ状態801は、アクティブ状態と比較して消費電力が少ない。
【0037】
RFID103は、物品101が位置測定エリア109(倉庫)内に搬入され、リーダライタ108によって物品101の入門が検知されると、マイクロコントローラユニット703に物品101の入門を通知する。マイクロコントローラユニット703は、物品101の入門が通知されると、アクティブタグ104の状態をスタンバイ状態801からアクティブ状態802に遷移させる。一方、マイクロコントローラユニット703は、物品101の出門が通知されると、アクティブタグ104の状態をアクティブ状態802からスタンバイ状態801に遷移させる。
【0038】
アクティブ状態802では、マイクロコントローラユニット703が無線通信機704を制御することによって、定期的に基地局105とデータを送受信する。
【0039】
図5は、本発明の第1の実施の形態のアクティブタグ104のアクティブ状態802における処理の手順を示すフローチャートである。
【0040】
アクティブタグ104は、まず、基地局105に対して位置情報などを含むデータを送信する(S901)。そして、基地局105から応答信号(ACK)を受信し(S902)、所定の時間、待機する(S903)。待機する時間は、物品101の位置情報を取得する時間間隔に設定する。すなわち、設定した待機時間間隔で物品101の位置を測定する。アクティブタグ104がアクティブ状態802である間、S901からS903までの処理が繰り返し実行される。
【0041】
基地局105は、アクティブタグ104から送信されたデータに基づいて、端末102の位置を測定する。また、マイクロコントローラユニット703は、RFID103から物品101の出門を通知されると、アクティブタグ104を消費電力が少ない状態であるスタンバイ状態801に遷移させる。
【0042】
図6は、本発明の第1の実施の形態の基地局105の構成の一例を示す図である。
【0043】
基地局105は、アンテナ(ANT)2001、無線通信機(COM)2002、中央演算処理装置(CPU)2003、揮発性メモリ(RAM)2004、不揮発性メモリ(ROM)2005、及びネットワークインタフェース(NWKIF)2006を含む。
【0044】
基地局105は、無線通信機2002によって、端末102と無線で通信する。さらに、端末102の位置を測定するためのデータ、すなわち、電波強度及び受信時刻などを測定する。通信されたデータ及び位置を測定するためのデータは、必要に応じて中央演算処理装置2003によって処理され、ネットワークインタフェース2006を介してサーバ107に送信される。
【0045】
揮発性メモリ2004は、端末102などとデータをやりとりするための情報及び中央演算処理装置2003による処理に必要な情報を一時的に格納する。また、不揮発性メモリ2005には、基地局105の中央演算処理装置2003によって実行されるプログラムなどが記憶され、必要に応じて揮発性メモリに2004読み出される。
【0046】
図7は、本発明の第1の実施の形態のリーダライタ108の構成の一例を示す図である。
【0047】
リーダライタ108は、アンテナ(ANT)2101、RFID通信機(RF)2102、中央演算処理装置(CPU)2103、揮発性メモリ(RAM)2104、不揮発性メモリ(ROM)2105、及びネットワークインタフェース(NWKIF)2106を含む。
【0048】
リーダライタ108は、RFID通信機2102によって、端末102に含まれるRFID103に対し、アンテナ2101を介して通信する。このとき、リーダライタ108は、RFID103に記録されたデータを読み書きする。RFID103に読み書きされる情報は、必要に応じて中央演算処理装置2103によって処理される。また、RFID103に読み取られた情報は、必要に応じてネットワークインタフェース2106を介してサーバ107に送信される。
【0049】
また、揮発性メモリ2104には、RFID103に読み書きされる情報などが一時的に格納される。また、不揮発性メモリ2105には、リーダライタ108の動作プログラムなどの情報が格納される。不揮発性メモリ2105に格納されたプログラムは、実行時に一時的に揮発性メモリ2104に読み出され、中央演算処理装置2103によって実行される。
【0050】
図8は、本発明の第1の実施の形態のサーバ107の構成の一例を示す図である。
【0051】
サーバ107は、ネットワークインタフェース(NWKIF)2201、中央演算処理装置(CPU)2202、メモリ(MEM)2203、ハードディスク(HDD)2204を含む。
【0052】
サーバ107は、基地局105及びリーダライタ108によって取得されたデータを収集する。収集されたデータは、中央演算処理装置2202によって必要に応じて処理される。例えば、各基地局105によって取得された端末102の位置情報である電波強度及び受信時刻などのデータに基づいて、端末102の位置を計算する。
【0053】
メモリ2203には、プログラム及びデータが記憶され、例えば、端末102の位置を計算するプログラム及び基地局105から収集されたデータが記憶される。ハードディスク2204には、端末102の位置の計算結果などが蓄積される。蓄積されるデータは、具体的には、端末102の位置情報、識別情報及び時刻情報などである。
【0054】
以上、本発明の第1の実施の形態の位置測定システムに含まれる各構成の詳細について説明した。続いて、図9及び図10を参照しながら本発明の第1の実施の形態による処理の手順について説明する。
【0055】
図9は、本発明の第1の実施の形態の入出門時にアクティブタグ104の電源を切り替える手順を示すフローチャートである。
【0056】
まず、端末102が取り付けられた物品101が倉庫(位置測定エリア109)に入門すると(S201)、倉庫の出入口に設置されたリーダライタ108によって、端末102に含まれるRFID103が認識される(S202)。
【0057】
リーダライタ108は、物品101の倉庫への入門が確認されると、RFID103に物品101が入門したことを示す情報を送信する(S203)。
【0058】
RFID103は、リーダライタ108から物品101が入門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を起動する(S204)。入出門時には、ある程度の時間を必要とするため、リーダライタ108は、RFID103へ応答信号を送信した後、所定の時間待機することによって、同じ物品101に対して入出門を複数回検知することを防止する。
【0059】
基地局105は、アクティブタグ104が起動されると、アクティブタグ104を含む端末102が取り付けられた物品101の位置情報を測定する(S205)。基地局105は、物品101の位置情報をサーバ107にネットワーク106を介して送信する。サーバ107は、受信した位置情報に基づいて物品107の位置を計算し、計算結果を蓄積する。なお、具体的な位置測定の方法については既存の技術を利用すればよい。また、基地局105で物品101の位置を計算し、計算結果をサーバ107に送信するようにしてもよい。
【0060】
端末102が取り付けられた物品101が位置測定エリア109から出門する場合には(S206)、入門時と同様に、リーダライタ108によってRFID103が認識される(S207)。さらに、リーダライタ108は、物品101が倉庫から出門したことを示す情報をRFID103に送信する(S208)。
【0061】
RFID103は、リーダライタ108から出門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を停止する(S209)。
【0062】
図10は、本発明の第1の実施の形態の入出門時にアクティブタグ104の電源を切り替える手順を示すシーケンス図である。
【0063】
リーダライタ108は、物品101が倉庫(位置測定エリア109)に入門する際に、物品101に取り付けられた端末102に所定のコマンドを送信する(S301)。端末102に含まれるRFID103は、受信したコマンドに対し、応答信号を送信する(S302)。このとき、リーダライタ108は、応答信号に含まれる識別情報によって物品101を識別することができる。
【0064】
リーダライタ108は、RFID103から送信された応答信号を受信すると、RFID103に物品101が入門したことを示す情報を送信する(S303)。RFID103は、物品101が入門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を起動する(S304)。
【0065】
アクティブタグ104は、起動後、基地局105との通信を開始する(S305)。基地局105は、アクティブタグ104との通信によって取得された情報をサーバ107に送信する(S306)。
【0066】
サーバ107は、基地局105から受信した情報に基づいて、物品101の位置を計算する。また、必要に応じてサーバ107から基地局105に情報を送信し(S307)、基地局105からアクティブタグ104(端末102)に情報を送信する(S308)。
【0067】
出門時には、入門時と同様に、リーダライタ108がRFID103との間で信号を送受信することによって、物品101の出門を検知する。さらに、リーダライタ108は、出門される物品101の識別情報を認識し、その後、RFID103に物品101が出門したことを示す情報を送信する(S309)。RFID103は、リーダライタ108から物品101が出門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104に停止指示を含む信号を送信する(S310)。その後、アクティブタグ104は停止される。
【0068】
以上のように処理することによって、本発明の第1の実施の形態では、RFID103を利用してアクティブタグ104を制御することによって、位置測定エリア109内のみでアクティブタグ104を動作させることができる。
【0069】
本発明の第1の実施の形態によれば、アクティブタグ104を常時動作させている場合と比較して、アクティブタグ104の消費電力を大幅に削減することが可能となる。したがって、アクティブタグ104に搭載された電池の寿命を長くすることができ、電池の交換などために必要な運用コストを低減することが可能となる。
【0070】
また、本発明の第1の実施の形態によれば、位置測定にアクティブタグ104と基地局105との間の無線通信を利用するため、RFIDを利用した位置測定方式のようにリーダライタを多数配置する必要がない。
【0071】
なお、アクティブタグ104と基地局105との間で使用される無線通信方式としては、無線LAN、ZigBee、ウルトラワイドバンド(UWB)などがある。また、前述した通信方式の中でも、より高い位置測定精度を得るためには、ウルトラワイドバンド(UWB)通信を用いた方式が適している。
【0072】
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、物品101に1対1に対応するように端末102が取り付けられていたが、第2の実施の形態では、複数の物品101に1つの端末102を対応させる。具体的には、容器(例えば、段ボール箱)に格納された物品101が運搬部材(例えば、パレット)に複数載せられ、当該運搬部材に端末102が取り付けられている場合について説明する。なお、第1の実施の形態と共通する内容については適宜説明を省略する。また、特に断らない限り、物品101は段ボール箱に入った状態を含み、段ボール箱といった場合には物品101が格納されている状態を含む。
【0073】
図11は、本発明の第2の実施の形態の位置測定システムの構成の一例を示す図である。
【0074】
本発明の第2の実施の形態の位置測定システムでは、第1の実施の形態と同様に、倉庫に対応する位置測定エリア109に配置された物品101の位置を測定する。
【0075】
物品(段ボール箱)101(102A、102B、・・・)には、RFID402(402A、402B、・・・)がそれぞれ取り付けられる。さらに、物品(段ボール箱)101は、パレット(PLT)401に載せられる。パレット401には、端末102が取り付けられている。端末102の構成及び機能は第1の実施の形態と同様である。
【0076】
さらに、本発明の第2の実施の形態の位置測定システムには、第1の実施の形態と同様に、リーダライタ108、基地局105、ネットワーク106及びサーバ107が含まれる。リーダライタ108、基地局105、ネットワーク106及びサーバ107の機能及び構成は、第1の実施の形態と同様である。また、ネットワーク106には、基地局105及びサーバ107に加え、リーダライタ108が接続されている。
【0077】
以下、図12及び図13を参照しながら本発明の第2の実施の形態の処理手順について説明する。
【0078】
図12は、本発明の第2の実施の形態の入出門時にアクティブタグ104の電源を切り替える手順を示すフローチャートである。
【0079】
リーダライタ108は、パレット401及びパレット401に載せられた物品101が位置測定エリア109のゲートを入門すると(S501)、物品101に取り付けられたRFID402の識別情報を取得する(S502)。さらに、パレット401に取り付けられたRFID103の識別情報を取得する(S503)。
【0080】
リーダライタ108は、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103に入門したことを示す情報を送信する(S504)。RFID103は、入門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を起動する(S505)。
【0081】
リーダライタ108は、S502の処理で取得された物品101に取り付けられたRFID402の識別情報と、S503の処理で取得されたパレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103の識別情報とを対応付ける(S506)。物品101の識別情報とパレット401の識別情報とを対応付けることによって、物品101に対応するパレット401を特定することができる。
【0082】
基地局105は、アクティブタグ104が起動されると、パレット401の位置情報を測定する(S507)。また、リーダライタ108は、物品101の識別情報とパレット401の識別情報との対応情報をサーバ107に送信する。さらに、基地局105は、測定されたパレット401の位置情報をサーバ107にネットワーク106を介して送信する。サーバ107は、受信した位置情報に基づいてパレット401の位置を計算し、計算結果を蓄積する。
【0083】
以上の手順によれば、すべての物品101の位置を測定及び計算する必要がなく、パレット401の位置を測定及び計算することによって、多数の物品の位置管理をすることが可能となる。
【0084】
また、端末102が取り付けられたパレット401が位置測定エリア109から出門する場合には、リーダライタ108は、まず、物品(段ボール箱)101に取り付けられたRFID402の識別情報を取得する(S509)。さらに、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103の識別情報を取得する(S510)。
【0085】
リーダライタ108は、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103に、出門したことを示す情報を送信する(S511)。RFID103は、リーダライタ108から出門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を停止させる(S512)。
【0086】
図13は、本発明の第2の実施の形態の入出門時にアクティブタグ104の電源を切り替える手順を示すシーケンス図である。
【0087】
リーダライタ108は、物品101が位置測定エリア109内に入門する際に、物品101に取り付けられたRFID402にコマンドを送信する(S601)。物品101に取り付けられたRFID402は、受信したコマンドに対し、応答信号を送信する(S602)。
【0088】
リーダライタ108は、同様に、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103にコマンドを送信する(S603)。パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103は、応答信号を送信する(S604)。以上の手順によって、リーダライタ108は、物品101に取り付けられたRFID402及びパレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103を認識する。
【0089】
リーダライタ108は、RFID103から送信された応答信号を受信すると、入門したことを示す情報をRFID103に送信する(S605)。RFID103は、入門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を起動する(S606)。
【0090】
アクティブタグ104は、起動されると、基地局105との通信を開始する(S607)。基地局105は、アクティブタグ104と通信することによって取得された位置情報をサーバ107に送信する(S608)。
【0091】
サーバ107は、基地局105から受信した位置情報に基づいて、パレット401の位置を計算する。また、必要に応じてサーバ107から基地局105に情報を送信し(S609)、基地局105からアクティブタグ104に情報を送信する(S610)。
【0092】
また、リーダライタ108は、物品101に取り付けられたRFID402の識別情報と、パレット401に取り付けられたRFID103の識別情報とを対応付け、サーバ107に送信する。物品101とパレット401との対応情報は、サーバ107に蓄積される。
【0093】
さらに、パレット401は、当該パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103によって識別される。RFID103とアクティブタグ104とは、端末102の内部で接続されているため、RFID103の識別情報と位置計算結果とを対応付けることができる。したがって、アクティブタグ104を利用して計算された位置情報は、パレット401の位置情報である。さらに、パレット401の位置を当該パレット401に載せられた物品101の位置とすれば、物品101とパレット401との対応情報によって、物品101の位置を特定することができる。
【0094】
すなわち、パレット401に端末102を取り付け、かつ、入門時に物品101のRFID402と、パレット401の端末102のRFID103とを対応付けることによって、物品101の位置を測定することができる。ここで、RFID103の識別情報とアクティブタグ104の識別情報は同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合には、別途、対応情報を保持しておく必要がある。
【0095】
出門時には、入門時と同様に、リーダライタ108とRFID103との間で信号を送受信することによって、出門される物品101の識別情報を認識し、その後、リーダライタ108からRFID103に出門したことを示す情報を送信する。RFID103は、リーダライタ108から出門したことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104に停止指示を含む信号を送信する。その後、アクティブタグ104は停止される。
【0096】
本発明の第2の実施の形態によれば、位置測定エリア109に物品101が入門した場合に、複数の物品101と当該物品101を載せる運搬部材(パレット401)との対応付け、運搬部材の位置を測定することによって、物品101の位置を容易に管理することが可能となる。
【0097】
なお、本発明の第2の実施の形態では、ダンボール箱に格納された物品とパレットの位置管理を例として示したが、位置管理の対象はこの組合せに限定されるものではない。RFID及び端末が取り付けられた物品及び運搬部材であれば、ダンボール箱又はパレットと異なるものであった場合でも位置管理が可能である。
【0098】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した端末102よりも、消費電力が少ない端末102の構成について説明する。本発明の第3の実施の形態に示す端末は、前述した第1実施の形態及び第2の実施の形態のいずれにも利用可能である。
【0099】
図14は、本発明の第3の実施の形態の端末102の構成の一例を示す図である。
【0100】
端末102は、RFID103、RFID103用のアンテナ701、及びアクティブタグ104を備える。アクティブタグ104は、論理回路(LGC)1002、マイクロコントローラユニット703、無線通信機704、無線通信機用のアンテナ702、電源VDD、及びスイッチ(SW)1001を備える。なお、第1の実施の形態と共通する構成には、同一の符号を割り当てており、同一の符号が割り当てられている構成は同じ機能を有する。
【0101】
RFID103は、リーダライタ108から物品101が入門又は出門したことを示す情報を受信した場合には、論理回路1002にその旨通知する。論理回路1002は、入門又は出門の通知に基づいて、端末102が位置測定エリア109の内部に存在するか、外部に存在するかを判定し、スイッチ1001を制御する。
【0102】
図15は、本発明の第3の実施の形態の端末102のスイッチ1001の状態を示す図である。図15には、端末102が位置測定エリア109の内部に存在する場合及び外部に存在する場合のスイッチ1001の状態を示している。
【0103】
スイッチ1001は、マイクロコントローラユニット703及び無線通信機704の電源スイッチである。スイッチ1001は、端末102が位置測定エリア109の内部に存在する場合には、スイッチ1001を「ON」に、位置測定エリア109の外部に存在する場合には、スイッチ1001を「OFF」に設定される。
【0104】
したがって、位置測定エリア109の外部では、マイクロコントローラユニット703及び無線通信機704の電源を完全に遮断することができる。RFID103には、リーダライタ108と通信している間しか電源が供給されないため、論理回路1002によってRFID103からのデータを保持し、スイッチ1001を制御する。論理回路1002には、データを保持するため、常に電源を供給する。
【0105】
本発明の第3の実施の形態によれば、位置測定エリア109の外部では、マイクロコントローラユニット703及び無線通信機704の電源を完全に遮断することが可能となる。しがたって、リーク電流も遮断することが可能となり、第1の実施の形態でシタした端末102よりもさらに消費電力を低減させることができる。
【0106】
(第4の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、物品101が位置測定エリア109に入門する場合、リーダライタ108が1回だけ読み出されることを前提に説明していたが、入門にはある程度の時間を要する。図5のS903の処理に示したように、所定の時間待機するように制御されるが、実際には、入門に要する時間はばらつきがある。したがって、リーダライタ108がRFID103の識別情報を、複数回、読み出してしまう可能性がある。例えば、位置測定システムに保持される物品101の位置情報(位置測定エリア109の内部又は外部にいるかを示す情報)が、入出門のたびに「内部」又は「外部」に切り替えるように実装されている場合、リーダライタ108によって、端末102に含まれるRFID103が複数回検知されると、正しい状態を保持できなくなる可能性がある。本発明の第4の実施の形態では、このような場合にも正しい位置情報を保持することができるようにする。
【0107】
図16は、本発明の第4の実施の形態の入門時にアクティブタグ104の電源を切り替える手順を示すシーケンス図である。
【0108】
リーダライタ108は、RFID103の識別情報を読み取るためのコマンドを送信する(S301)。RFID103は、入門時にリーダライタ108から送信されたコマンドに応答する(S302)。リーダライタ108は、RFID103から応答を受け付けると、物品101が入門したことを示す情報を送信する(S303)。ここまでの処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0109】
リーダライタ108は、この後も他の端末102に含まれるRFID103を認識するために、継続してコマンドを送信している。このため、入門に時間を要している場合などには、一度識別情報が読み取られたRFID103の識別情報が再度読み取られる可能性がある。
【0110】
そこで、リーダライタ108は、連続的にRFID103の識別情報を読み取った場合には、入門されたことを示す情報を送信しないように制御する。すなわち、一度入門したことを示す情報を送信したRFID103に対しては、一定時間、入門したことを示す情報を発行しないようにする。
【0111】
リーダライタ108は、RFID103の識別情報が読み取れなくなった時点で、端末102の入門が完了したと判定することができる。また、RFID103は、リーダライタ108と通信ができなくなった時点で、入門を完了したと判定することができる。入門が完了した後の処理は、図10に示した第1の実施の形態の処理手順と同様である。
【0112】
なお、出門の場合も同様であり、一度出門したことを示す情報が送信され、応答信号をリーダライタ108が受信すると、当該RFID103に対して、一定時間、出門されたことを示す情報を送信しないようにする。
【0113】
本発明の第4の実施の形態によれば、物品101の入出門に時間を要した場合であっても物品101の入出門を的確に判定することができ、端末102に含まれるアクティブタグ104の電源を的確に制御することができる。
【0114】
(第5の実施の形態)
本発明の第1から第4の実施の形態では、リーダライタ108によってRFID103の識別情報の読み取りが可能な場合について説明した。しかしながら、周囲の環境又は条件などによっては、RFID103の識別情報の読み取りが失敗する場合もある。
【0115】
そこで、本発明第5の実施の形態では、リーダライタ108によってRFID103の識別情報の読み取りが失敗した場合の処理について説明する。特に、第2の実施の形態の位置測定システムにおいてパレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103の読み取りが失敗した場合について説明する。
【0116】
物品101の位置管理では、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103を読み取ることがもっとも重要である。例えば、パレット401とパレット401に載せられた物品101との対応関係は、入門時に対応付けなくても別のタイミングで対応付ければよく、パレット401の位置を測定することができれば物品101の位置を特定することは可能である。したがって、本発明の第5の実施の形態では、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103の読み取りに失敗した場合について説明する。
【0117】
図17は、本発明の第5の実施の形態の物品101の入門時にRFIDの読み取りに失敗した場合の手順を示すシーケンス図である。
【0118】
リーダライタ108は、第2の実施の形態と同様に、物品101が位置測定エリア109内に入門する際に、物品(段ボール箱)101に取り付けられた端末102にコマンドを送信する(S601)。物品101に取り付けられたRFID402は、受信したコマンドに対し、応答信号を送信する(S602)。ここで、物品101のRFID402の識別情報が取得できたにも関わらず、パレット401に取り付けられた端末102に含まれるRFID103の識別情報を取得できなかった場合には、RFID103の読み取りが失敗したことになる。
【0119】
本発明の第5の実施の形態では、RFID103の読み取りが失敗した場合には、RFID103の再読み取りを行うように制御する。RFID103の再読み取りは、所定の回数実行されるようにあらかじめ設定しておく。このようにリーダライタ108による読み取りエラーを検出し、再読み取りを実行することによって、読み取り精度を向上させることができる。
【0120】
再読み取りによって、パレット401に取り付けられたRFID103の読み取りに成功すると、RFID103からリーダライタ108に応答信号が送信される(S604)。リーダライタ108は、RFID103から送信された応答信号を受信すると、RFID103に入門したことを示す情報を送信する(S605)。以降の処理は、第2の実施の形態と同様である。
【0121】
一方、再読み取りを所定の回数繰り返しても、RFID103の読み取りに失敗する場合には、端末102又はRFID103の異常である可能性があるため、必要に応じて、作業者などに通知する。
【0122】
本発明の第5の実施の形態によれば、RFID103の読み取りに失敗した場合に、再読み取りを実行することによって、物品101の位置管理をおこなうことができなくなる状況を少なくすることできる。
【0123】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態では、端末102の消費電力をさらに削減するための構成について説明する。第6の実施の形態では、端末102にセンサを備える。センサは、例えば、加速度センサである。以下、詳細について説明する。
【0124】
図18は、本発明の第6の実施の形態の端末102の構成の一例を示す図である。
【0125】
端末102は、RFID103、RFID103用のアンテナ701、及びアクティブタグ104を備える。アクティブタグ104は、論理回路1002、マイクロコントローラユニット703、無線通信機704、無線通信機用のアンテナ702、電源VDD、スイッチ1001、及びセンサ(SENS)1301を備える。なお、第1及び第3の実施の形態と共通する構成には、同一の符号を割り当てており、同一の符号が割り当てられている構成は同じ機能を有している。
【0126】
RFID103は、リーダライタ108から物品101が入門又は出門したことを示す情報を受信した場合には、論理回路1002にその旨を通知する。論理回路1002は、入門又は出門の通知に基づいて、端末102が位置測定エリア109の内部に位置するか否かを判定し、スイッチ1001を制御する。
【0127】
スイッチ1001は、端末102が位置測定エリア109の内部に存在する場合には、スイッチ1001を「ON」に、位置測定エリア109の外部に存在する場合には、スイッチ1001を「OFF」に設定する。したがって、位置測定エリア109の外部では、マイクロコントローラユニット703、無線通信機704及びセンサ1301の電源を完全に遮断することによって端末102の消費電力を削減することが可能となる。
【0128】
さらに、本発明の第6の実施の形態の端末102には、前述したように、センサ1301を有している。センサ1301は、周囲の環境又は物品の状態を測定し、測定結果に応じてアクティブタグ104の動作状態を変更する。以下、前述した加速度センサをセンサ1301の一例としてさらに説明する。
【0129】
アクティブタグ104は、加速度センサが備えられていると、端末102が静止しているか否かを判定することが可能となる。例えば、物品101が保管されている状態では、物品101が静止していることを加速度センサによって検知することができる。そして、センサ1301による測定結果をマイクロコントローラユニット703に通知することによって、アクティブタグ104の動作状態を変更する。
【0130】
具体的には、物品101が静止している場合には、物品の位置は変更されないため、当該物品101の位置を測定する必要はない。したがって、物品101の静止中にはアクティブタグ104の電源を遮断又は省電力状態にすることなどが可能である。物品101の移動を検知した場合には、アクティブタグ104の電源を投入し、位置測定を再開すればよい。
【0131】
図19は、本発明の第6の実施の形態のアクティブタグ104の状態の遷移を示す図である。
【0132】
アクティブタグ104は、位置測定エリア109の外部に位置している場合には、スイッチ1001が「OFF」となっている電源遮断状態1401となっている。
【0133】
物品101が倉庫内に搬入され、リーダライタ108によってRFID103を介して物品101の入門が検知されると、RFID103は、マイクロコントローラユニット703に物品101の入門を通知する。マイクロコントローラユニット703は、物品101の入門が通知されると、アクティブタグ104の状態を電源遮断状態1401からアクティブ状態1402に遷移させる。
【0134】
アクティブ状態1402では、無線通信機704と基地局105との間で通信することによって、端末102の位置を定期的に測定する。端末102が、例えば、倉庫内に物品101が保管されている場合のように、物品101が静止している場合には、センサ1301が静止状態を検知し、マイクロコントローラユニット703に通知することによって、スタンバイ状態1403に遷移させる。このとき、位置測定は不要であるため、マイクロコントローラユニット703及び無線通信機704を停止させる。
【0135】
静止していた物品の移動が開始された場合には、センサ1301によって移動状態を検知し、マイクロコントローラユニット703を起動させる。マイクロコントローラユニット703は、無線通信機704を起動し、アクティブタグ104をアクティブ状態1402に遷移させる。アクティブ状態1402に移行すると、端末102の位置の測定を再開する。
【0136】
以上のように端末102を構成し、センサ1301によって端末102を制御することによって、物品101が静止状態の場合には位置を測定せずにスタンバイ状態に遷移させることができ、端末102の消費電力を削減することが可能となる。
【0137】
なお、本発明の第6の実施の形態では、センサ1301が加速度センサである場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、照度センサを用いることによって、保管場所が明るい場合にのみ物品101の位置を測定するようにしてもよい。また、音声マイクを取り付けることによって、周囲に一定以上の音量が検知された場合にのみ物品101の位置を測定するようにしてもよい。
【0138】
また、センサ1301のみによって動作又は停止を判定するのではなく、サーバ107から受信する位置情報と組み合わせて、位置を測定するか否かを判定してもよい。さらに、端末102でなくサーバ107が位置を測定するか否かを判定してもよい。具体的には、加速度データをサーバ107に送信し、サーバ107において加速度データ及び位置データに基づいて位置測定を停止するか否かを判定するようにしてもよい。
【0139】
また、リーダライタ108が作業者に所持されている場合又はフォークリフトに取り付けられている場合などには、リーダライタ108がRFID103に近づいた場合にRFID103がアクティブタグ104を起動し、位置測定を再開するようにしてもよい。さらに、アクティブタグ104が起動し、一定時間経過した後に、アクティブタグ104をスタンバイ状態に遷移させてもよい。
【0140】
本発明の第6の実施の形態によれば、端末102にセンサ1301を搭載することによって、位置測定エリア109の内部においても、必要のない位置測定を停止させることが可能となり、端末102の消費電力をさらに低減させることができる。
【0141】
(第7の実施の形態)
パレット401又は物品101が出入口付近を通過すると、物品101の入門又は出門が誤判定されてしまう可能性がある。本発明の第7の実施の形態では、このような誤判定を防ぐ方法について説明する。
【0142】
図20は、本発明の第7の実施の形態の物品101が位置測定エリア109から出門されたことを示す信号をRFID103がリーダライタ108から受信した際の処理の手順を示すフローチャートである。
【0143】
端末102は、取り付けられた物品101が位置測定エリア109から出門したと判定された場合には、基地局105にデータを送信し(S1401)、基地局105から応答信号(ACK)を受信したか否かを判定する(S1402)。なお、基地局105から送信された応答信号には、端末102の位置情報が含まれている。
【0144】
端末102は、基地局105から応答信号(ACK)を受信できなかった場合には(S1402の結果が「No」)、物品101が位置測定エリア109の外部に位置していると判定し、アクティブタグ104を停止させる(S1403)。
【0145】
一方、端末102は、応答信号を受信した場合には(S1402の結果が「Yes」)、基地局105と通信可能であるため、位置測定エリア109の内部に物品101が存在している可能性がある。
【0146】
そこで、端末102は、基地局105から受信した応答信号に含まれる位置情報に基づいて、物品101が位置測定エリア109の内部にあるか否かを判定する(S1404)。端末102が位置測定エリア109の内部に位置しない場合、すなわち、外部に位置する場合には(S1404の結果が「No」)、アクティブタグ104を停止させる(S1405)。一方、端末102が位置測定エリア109の内部に位置する場合には(S1404の結果が「Yes」)、出門を誤認識と判定し(S1406)、位置測定を継続する(S1407)。
【0147】
本発明の第7の実施の形態によれば、物品101が出入口付近を通過した場合などに、出門したと誤判定された場合であっても、物品101が位置測定エリア109の内部に位置するか否かを再確認し、誤判定を防ぐことが可能となる。
【0148】
また、物品101が位置測定エリア109に入門していない場合に、入門したと誤判定した場合も同様に、基地局105から応答信号(ACK)が送信されない、又は位置計算結果が位置測定エリア109の外部となるため、入門の誤認識を判定することが可能となる。
【0149】
(第8の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態から第7の実施の形態では、主に倉庫内などにおける物品の位置管理を想定していたが、本発明は流通・物流分野以外の分野に適用することも可能である。本発明の第8の実施の形態では、ショッピングセンターなどの店舗内における顧客の動線を把握する場合に本発明を適用する。
【0150】
図21は、本発明の第8の実施の形態の位置測定システムの構成の一例を示す図である。
【0151】
本発明の第8の実施の形態では、店舗が位置測定エリア1601に対応する。また、店舗の入口にはリーダライタ108Aが取り付けられ、店舗の出口にはリーダライタ108Bが取り付けられている。さらに、店舗内には複数の基地局105(105A、105B、・・・)が設置される。また、基地局105は、図示しないネットワークを介してサーバに接続される。
【0152】
顧客は、ショッピングカート(CRT)1602を店舗内で使用する。ショッピングカート1602は、位置測定エリア1601の外部に位置するカート置き場に置かれている。ショッピングカート1602には、図22に示すように、端末102が取り付けられている。ショッピングカート1602の詳細については、図22にて後述する。
【0153】
本発明の第8の実施の形態では、ショッピングカート1602に取り付けられた端末102によって位置測定エリア1601である店舗内における顧客の移動経路(動線)を測定し、サーバに記録する。
【0154】
図22は、本発明の第8の実施の形態の位置測定システムにおける端末102を備えるショッピングカート1602の構成の一例を示す図である。
【0155】
ショッピングカート1602には、端末102が取り付けられている。端末102は、倉庫内における物品の位置管理の場合と同様に、基地局105と通信することによって店舗内における位置が測定される。端末102の構成は、第1から第7の実施の形態において説明した構成と同じである。
【0156】
図23は、本発明の第8の実施の形態の端末102が店舗の出入口を通過する場合にアクティブタグ104の電源を切り替える手順を示すフローチャートである。
【0157】
顧客がショッピングカート1602とともに、位置測定エリア(店舗)1601の入口を通過すると(S1701)、入口に設置されたリーダライタ108Aによって、端末102に含まれるRFID103が認識される(S1702)。
【0158】
リーダライタ108Aは、ショッピングカート1602が店舗に入店したことを示す情報をRFID103に通知する(S1703)。RFID103は、リーダライタ108Aから入店の通知を受信すると、アクティブタグ104を起動する(S1704)。
【0159】
基地局105は、当該アクティブタグ104を含む端末102が取り付けられたショッピングカート1602の位置情報を測定する(S1705)。さらに、基地局105は、測定されたショッピングカート1602の位置情報をサーバに送信する。サーバ107は、受信した位置情報に基づいてショッピングカート1602の位置を計算し、計算結果を蓄積する。
【0160】
顧客の動線を示す情報は、ショッピングカート1602の位置を時系列順に集約することによって取得することができる。顧客動線は、店舗の経営者にとって、マーケティングに重要な情報となる。例えば、顧客動線を分析し、店舗のレイアウト及び商品の棚配置などに活用することができる。
【0161】
また、顧客が位置測定エリア(店舗)1601から出る場合には(S1706)、リーダライタ108Bによってショッピングカート1602に取り付けられた端末102に含まれるRFID103が認識される(S1707)。さらに、リーダライタ108Bは、RFID103に店舗から出たことを示す情報を送信する(S1708)。RFID103は、リーダライタ108Bから店舗から出たことを示す情報を受信すると、アクティブタグ104を停止させる(S1709)。
【0162】
本発明の第8の実施の形態によれば、店舗の出入口にリーダライタ108を設置し、店舗内では位置を測定し、カート置き場などの店舗外では位置の測定を停止させることによって、端末102の消費電力を低減させることができる。したがって、端末102の電池交換等の運用コストを削減することが可能となる。
【0163】
なお、第8の実施の形態では、店舗内でショッピングカートの位置を測定する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、ショッピングカートではなく、買い物かごに端末を取り付けてもよいし、顧客が端末102を所持するようにしても同様に動線を測定することが可能である。
【0164】
(第9の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態の位置測定システムを拡張すると、様々なサービスが可能となる。第9の実施の形態では、第8の実施の形態の位置測定システムを拡張したシステムについて説明する。
【0165】
図24は、本発明の第9の実施の形態の位置測定システムにおける端末102を備えるショッピングカート1602及びリーダライタ108を備えたゲート1802の一例を示す図である。
【0166】
本発明の第9の実施の形態の位置測定システムのショッピングカート1602には、端末102とともにLCDパネル(LCD)1801が取り付けられている。
【0167】
LCDパネル1801は、位置情報を活用したサービスを顧客に提供する。例えば、位置情報を利用した店舗内のナビゲーションシステム、又は位置に対応した広告を表示させるなどの用途に使用することが可能である。
【0168】
また、本発明の第9の実施の形態では、商品1803にRFID1804が添付されている。したがって、ショッピングカート1602がゲート1802を通過した際に、ショッピングカート1602に入れられている商品1803を認識することによって、購入商品の価格の合計を算出することが可能である。具体的には、ゲート1802に設置されたリーダライタ108によって、商品1803に添付されたRFID1804に記録されている価格情報を読み出して、読み出された価格を合計する。
【0169】
図25は、本発明の第9の実施の形態の顧客が店舗に入ってから購入した商品の支払いが終了するまでの手順を示すフローチャートである。
【0170】
顧客は、まず、ショッピングカート1602とともに、位置測定エリア(店舗)1601の入口を通過する(S1901)。このとき、入口に設置されたリーダライタ108によって、端末102に含まれるRFID103が認識され、アクティブタグ104の電源が投入される。アクティブタグ104の起動までの手順は、図23の第8の実施の形態における手順と同様である。また、アクティブタグ104を起動する手順と同様に、ショッピングカート1602に取り付けられたLCDパネル1801の電源が投入される。
【0171】
入店後、顧客が購入する商品1803をショッピングカート1602に入れ、ショッピングカート1602とともにゲート1802を通過すると、ゲート1802に取り付けられたリーダライタ108によってショッピングカート1602に入れられた商品1803に添付されたRFID1804が読み取られる(S1902)。このとき、各商品の価格などの情報も同時に読み取られる。読み取られた商品情報は、ネットワークを介してサーバに送信される。
【0172】
さらに、リーダライタ108によってショッピングカート1602に取り付けられた端末102のRFID103が認識される(S1903)。認識された端末102の情報は、ネットワークを介してサーバに送信される。
【0173】
サーバは、商品情報及びショッピングカート1602の情報を受信すると、商品情報に基づいて、精算金額を計算する(S1904)。さらに、購入する商品情報及び精算金額をショッピングカート1602のLCDパネル1801に送信する。LCDパネル1801は、サーバから送信された情報を表示する(S1905)。
【0174】
端末102は、顧客によって商品代金が精算されると(S1906)、LCDパネル1801及びアクティブタグ104の電源を遮断する(S1907)。
【0175】
また、商品1803にRFID1804を添付することによって、顧客動線と購入した商品との対応付けが可能となる。具体的には、ショッピングカート1602とともに顧客がリーダライタ108を設置したゲート1802を通過する際に、商品1803に添付されたRFID1804の識別情報と、ショッピングカート1602のRFID103の識別情報とを取得する。ショッピングカート1602の動線情報、すなわち、顧客の動線情報はサーバに格納されており、顧客の動線情報と購入した商品1803とを対応付けることができる。収集されたデータは、例えば、顧客の移動経路に対する商品購入率を算出することなどによって店舗レイアウトの変更などに活用するなど、店舗側に有益な情報となる。
【0176】
本発明の第9の実施の形態によれば、第8の実施の形態の効果と同様に、店舗内のみで動線を取得することによって、端末102の消費電力を低減させることができ、電池交換等の運用コストを削減することが可能となる。さらに、サービスに付随する設備(LCDパネル1801)の電源を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の第1の実施の形態の位置測定システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の端末の構成の概要を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の端末の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のアクティブタグの状態の遷移を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のアクティブタグのアクティブ状態における処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態の基地局の構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態のリーダライタの構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態のサーバの構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の入出門時にアクティブタグの電源を切り替える手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態の入出門時にアクティブタグの電源を切り替える手順を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の位置測定システムの構成の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の入出門時にアクティブタグの電源を切り替える手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態の入出門時にアクティブタグの電源を切り替える手順を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の端末の構成の一例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態の端末のスイッチの状態を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態の入門時にアクティブタグの電源を切り替える手順を示すシーケンス図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態の物品の入門時にRFIDの読み取りに失敗した場合の手順を示すシーケンス図である。
【図18】本発明の第6の実施の形態の端末の構成の一例を示す図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態のアクティブタグの状態の遷移を示す図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態の物品が位置測定エリアから出門されたことを示す信号をRFIDがリーダライタから受信した際の処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第8の実施の形態の位置測定システムの構成の一例を示す図である。
【図22】本発明の第8の実施の形態の位置測定システムにおける端末を備えるショッピングカートの構成の一例を示す図である。
【図23】本発明の第8の実施の形態の端末が店舗の出入口を通過する場合にアクティブタグの電源を切り替える手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第9の実施の形態の位置測定システムにおける端末を備えるショッピングカート及びリーダライタを備えたゲートの一例を示す図である。
【図25】本発明の第9の実施の形態の顧客が店舗に入ってから購入した商品の支払いが終了するまでの手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0178】
101 物品
102 端末
103 RFID
104 アクティブタグ
105 基地局
106 ネットワーク
108 リーダライタ
109 位置測定エリア
401 パレット
402 RFID
701、702 アンテナ
703 マイクロコントローラユニット
704 無線通信機
1001 スイッチ
1002 論理回路
1301 センサ
1601 位置測定エリア
1602 ショッピングカート
1801 LCDパネル
1802 ゲート
1803 商品
1804 RFID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID及び無線通信機を含む端末と、前記RFIDと通信する読み取り装置と、前記無線通信機と無線によって通信する基地局と、を備え、所定のエリアにおける前記端末の位置を測定する位置測定システムであって、
前記読み取り装置は、前記所定のエリアに前記端末が入った場合には、前記端末に含まれるRFIDに、前記端末が前記所定のエリアに入ったことを示す第1の信号を送信し、
前記RFIDは、前記第1の信号を受信すると、前記無線通信機を起動させ、
前記基地局は、前記無線通信機と通信することによって、前記端末の位置情報を取得し、
前記読み取り装置は、前記所定のエリアから前記端末が出た場合には、前記端末に含まれるRFIDに、前記端末が前記所定のエリアから出たことを示す第2の信号を送信し、
前記RFIDは、前記第2の信号を受信すると、前記無線通信機を停止させることを特徴とする位置測定システム。
【請求項2】
前記位置測定システムは、前記所定のエリアに配置された物品の位置を測定するシステムであって、
前記物品には、当該物品の識別情報が記録されたRFIDが添付され、
前記物品は、複数の前記物品を運搬可能な運搬部材によって、前記所定のエリアに運搬され、
前記運搬部材には、前記端末が取り付けられ、
前記読み取り装置は、
前記端末に含まれるRFIDの識別情報及び前記物品に添付されたRFIDの識別情報を取得し、
前記端末に含まれるRFIDの識別情報と、前記物品に添付されたRFIDの識別情報とを対応付け、
前記運搬部材に取り付けられた端末の位置を測定することによって、前記物品の位置を測定することを特徴とする請求項1に記載の位置測定システム。
【請求項3】
前記読み取り装置は、前記物品に添付されたRFIDとの通信に成功し、かつ、前記端末に含まれるRFIDとの通信に失敗した場合には、前記端末に含まれるRFIDとの通信を再度実行することを特徴とする請求項2に記載の位置測定システム。
【請求項4】
前記端末は、
前記RFIDが前記第2の信号を受信した後、前記無線通信機が前記基地局と通信することによって前記端末の位置情報を取得し、
前記取得された端末の位置情報に基づいて、前記端末が前記所定のエリアの外部に位置するか否かを判定し、
前記端末が前記所定のエリアの外部に位置すると判定された場合には、前記無線通信機を停止させることを特徴とする請求項1に記載の位置測定システム。
【請求項5】
前記端末は、前記端末が前記所定のエリアの内部に位置すると判定された場合には、前記端末の位置測定を継続することを特徴とする請求項4に記載の位置測定システム。
【請求項6】
前記読み取り装置は、前記第1の信号を前記RFIDに送信し、所定の期間待機した後、前記第1の信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の位置計測システム。
【請求項7】
前記無線通信機と前記基地局との無線通信方式は、ウルトラワイドバンド方式であることを特徴とする請求項1に記載の位置計測システム。
【請求項8】
前記位置測定システムは、前記基地局に接続されるサーバをさらに備え、
前記サーバは、前記端末の位置情報及び前記端末の位置を測定した時刻を記録することによって、前記端末が移動した経路を蓄積することを特徴とする請求項1に記載の位置測定システム。
【請求項9】
前記物品は、前記物品を収納可能な容器に格納され、
前記運搬部材は、前記容器を積載可能であり、
前記物品に添付されたRFIDは、前記容器に添付されることを特徴とする請求項2に記載の位置測定システム。
【請求項10】
前記運搬部材は、前記運搬部材の前記所定のエリアにおける位置を表示する表示装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の位置計測システム。
【請求項11】
前記所定のエリアは、商品を販売する店舗であり、
前記物品は、前記店舗において販売される商品であり、
前記運搬部材は、前記商品を運搬するカートであることを特徴とする請求項2に記載の位置測定システム。
【請求項12】
前記商品に添付されたRFIDには、当該商品の価格情報が含まれ、
前記読み取り装置は、前記商品に添付されたRFIDから価格情報を取得することによって、前記商品の精算を行うことを特徴とする請求項11に記載の位置測定システム。
【請求項13】
基地局と無線によって通信することによって、所定のエリアにおける位置が測定される無線通信装置であって、
前記所定のエリアに設置された読み取り装置と通信するRFIDと、前記基地局と通信する無線通信機と、を備え、
前記RFIDは、
前記読み取り装置から前記所定のエリアに入ったことを示す第1の信号を受信した場合には、前記無線通信機を起動させ、
前記読み取り装置から前記所定のエリアから出たことを示す第2の信号を受信した場合には、前記無線通信機を停止させることを特徴とする無線通信装置
【請求項14】
前記無線通信装置は、
前記RFIDに接続される論理回路と、
前記論理回路及び前記無線通信機に電力を供給する与える電源と、
前記無線通信機に対する電力の供給を切り替えるためのスイッチと、をさらに備え、
前記論理回路は、
前記読み取り装置から前記RFIDに送信された情報を保持し、
前記RFIDが前記第1の信号を受信した場合には、前記スイッチを制御することによって、前記無線通信機に電力を供給し、
前記RFIDが前記第2の信号を受信した場合には、前記スイッチを制御することによって、前記無線通信機に対する電力の供給を遮断することを特徴とする請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記無線通信装置は、
前記無線通信機を制御するマイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラに接続されたセンサと、をさらに備え、
前記マイクロコントローラは、
前記センサによって、前記無線通信装置が静止しているか否かを判定し、
前記端末が静止していると判定された場合には、前記無線通信機を停止させることを特徴とする請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記無線通信装置は、
前記無線通信機を制御するマイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラに接続され、前記所定のエリアの明るさを測定する照度センサと、をさらに備え、
前記マイクロコントローラは、前記照度センサによって測定された前記所定のエリアの照度が、所定の閾値よりも小さい場合には、前記無線通信機を停止させることを特徴とする請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項17】
RFID及び無線通信機を含む端末と、前記RFIDと通信する読み取り装置と、前記無線通信機と無線によって通信する基地局と、を備える位置測定システムにおいて、所定のエリアにおける前記端末の位置を測定する位置測定方法であって、
前記所定のエリアに前記端末が入った場合には、前記端末に含まれるRFIDに、前記端末が前記所定のエリアに入ったことを示す第1の信号を送信し、
前記RFIDが前記第1の信号を受信すると、前記無線通信機を起動させ、
前記基地局が前記無線通信機と通信することによって、前記端末の位置情報を取得し、
前記所定のエリアから前記端末が出た場合には、前記端末に含まれるRFIDに、前記端末が前記所定のエリアから出たことを示す第2の信号を送信し、
前記RFIDが前記第2の信号を受信すると、前記無線通信機を停止させることを特徴とする位置測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−33457(P2010−33457A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196898(P2008−196898)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】