説明

低ノイズ基準電圧回路

低ノイズ基準電圧回路が記述される。基準回路はバンドギャップ基準要素を使用し、出力に対する高ノイズ及び低ノイズの影響を減らすための、電流シャントとフィルタのうちの少なくとも1つを含む。更なる変更のために曲率矯正要素を含めても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンドギャップベース基準電圧回路に関し、とりわけ非常に低いノイズを持つ基準電圧に関する。
【背景技術】
【0002】
基準電圧は、特にアナログ回路のような電気信号が環境条件によらず安定した標準電圧と比較されなければならない電気回路に広く利用される。チップ上の回路にとって最も不都合な環境要因は温度である。バンドギャップ原理に基づいた基準電圧は、温度に対して逆変動を持つ2つの電圧の総和から成る。一つ目の電圧は、約2.2mV/℃の降下を伴う変化があるCTAT(Complimentary to Absolute Temperature)を持つ、順バイアスpn接合に対応するものである。PTAT電圧は、異なるコレクタ電流密度で動作する二つのバイポーラトランジスタのベース−エミッタ間の電位差を増幅することにより生成される。一次のオーダーの温度影響を無くした電圧は、二つの温度依存の係数が相殺するようにCTAT電圧をPTAT電圧に加えることによって生成される。PTAT(Proportional to Absolute Temperature)およびCTATの均衡がきちんと取れた場合、残りの全ては二次曲率効果であり、それは追加回路を含めることにより補える。
【0003】
このような回路が温度の影響を受けにくい電圧を提供する一方、これらは基準電圧に乗る電圧ノイズによりいくらかの影響を被る。当該者により知られているように、基準電圧に乗る電圧ノイズは2つの要素を持つ。一つ目の要素は、低バンドノイズもしくは1/fノイズもしくは一般的に0.1Hzから10Hzの範囲で影響があるフリッカーノイズと呼ばれる。二つ目の要素は、高バンドノイズもしくは10Hz以上で影響があるホワイトノイズと呼ばれる。バイポーラトランジスタを基にしたバンドギャップ電圧における低バンドノイズ、これは釣り合いを取るのが容易でないが、の主な源は、バイポーラベース電流によって生成され、このノイズを減らすためにはベース電流を減らさなければならない。ベース電流および関連する1/fノイズを減らす一つの解決策は、バイポーラトランジスタを高利得で利用することであり、そのコレクタ電流とベース電流の比率は一般的に係数“ベータ”と呼ばれる。コスト性もしくは効率性の観点から、回路は係数ベータが一般的な100のオーダーになるような普通の工程を利用して設計するのが好ましい。そのようなベータ係数は、低バンドノイズを補うのには一般的に十分ではない。
【0004】
高バンドノイズは、コレクタ電流から生じ、コレクタ電流が高ければ高いほど、それだけ一層高バンドノイズは低くなる。高バンドノイズを減らすために、コレクタ(およびベース)電流は増やされなければならない。結果として、低バンドノイズおよび高バンドノイズを最小限に抑えるために必要な操作条件はお互いに正反対のものとなる。これは、これらのノイズの影響を同時に最小限にする回路を実現することを難しくする。
したがって、ノイズの影響が低い基準電圧を生成することに関係するいくつかの問題点がある。
【発明の概要】
【0005】
これらおよびその他の問題は、本発明の教示に従って、ノイズの影響を減らしたバンドギャップ基準出力を提供する回路によって対処できる。本発明の教示によって、基準電圧出力への低バンドおよび高バンドノイズの影響の内一つもしくは両方を最小限に抑えることが可能になる。このような教示は、バンドギャップ基準の形成をおこない、および増幅器のための事前増幅段階の構成をも複合的に行うバイポーラトランジスタの第一の組によって提供される高インピーダンス入力に、その入力が接続される増幅器を含む電圧基準回路を提供することによって実現される。
【0006】
本発明は、非常に低い1/fノイズおよび/もしくは非常に低い高バンドノイズを持つ改良された基準電圧を提供する。1/f電圧ノイズを減らすために、プリアンプとして動作する2つのバイポーラトランジスタは、プリアンプから2つのバイポーラトランジスタに流れるコレクタおよびベース電流が適宜に減らされるように、大きなエミッタ面積を伴う2つの同様のトランジスタにより短絡される。基準電圧から高バンドノイズを減らすために、プリアンプの共通コレクタノードと接地との間にキャパシタが接続される。
本発明のこれらおよび他の技術事項は、本発明の教示を理解するのに有用な典型的な実施態様を参照しながらここに説明されるが、添付の請求項に基づいて必要とされるもの以外のいかなるものに限定しようとする意図をも有するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の教示に従ったバンドギャップ基準電圧の実施態様を示した図である。
【図2】図2は、本発明の教示に従った曲率補正要素を含む、図1の回路を改良した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるように、バンドギャップ基準電圧回路100は、本発明の教示に従って、第一および第二入力110、115を含み、その出力120を基準電圧に提供する第一増幅器105を含む。第一および第二入力に接続されるものは、それぞれ第一組のトランジスタ125および第二組のトランジスタ130である。
第一組のトランジスタ125は、回路中の第一バイポーラトランジスタQP1および第二バイポーラトランジスタという2つのpnp型バイポーラトランジスタを含む。第一および第二トランジスタの各ベースは連結され、第一トランジスタはさらにそのコレクタノードを介して増幅器の入力に、そして抵抗R5を介して増幅器の出力120に接続される。第二トランジスタは、そのベースおよびエミッタを普通に連結させるダイオード接続で提供される。第二入力115に接続される第二組のトランジスタ130は、回路上の第三トランジスタQN1および第四トランジスタQN2ならびにレジスタR1を取り込む2つのnpnトランジスタを含む。第四トランジスタQN2もダイオード接続に提供され、QN2のベース−コレクタ連結とQP2のベース−コレクタ連結をつなぐ抵抗R1を取り込む。QN1およびQN2は連結され抵抗R2を介してグランドに接続される。
【0009】
QN1のベースは、QP1およびQP2のベースの連結および増幅器の第二入力に接続され、よって第一組および第二組のトランジスタをつなぎ、ベースの電流を3つのすべてのトランジスタに供給し、増幅器は、動作中に第一トランジスタのベースおよびコレクタを同電圧に保持する。
QN2およびQP1のエミッタ面積は、QN1およびQP2のそれのn倍の大きさである。この尺度の結果、2つのベース−エミッタ間の電位差が、R1両端間におよびR5両端間にそれぞれ発生展される。これら2つの電圧は、PTAT(proportional to absolute temperature)の形式である。2つの分岐(R5, QP1, QN1およびQP2,R1,QN2)からの電流はPTAT電流で、これらはR2両端間にPTAT電圧を生成するために組み合わされる。一次の温度不感電圧は、この電圧の温度勾配がQN1プラスQP2のベース−エミッタ電圧の温度勾配により補償された場合に生成される。
当然のことながら、この回路は固有のベース電流補償を持ち、QP1のベース電流がQN1のベース電流としてこれらの均衡が取れた場合に利用され、ベース電流による誤差は最小限に抑えられる。第二に、QP1およびQN1は、増幅器Aの操作上の使用条件が緩和されるような増幅器として動作する。第三に、増幅器は事前増幅段階の後に接続されるので、そのオフセット電圧およびノイズは、基準電圧に殆ど影響を与えない。増幅器の非反転入力は高インピーダンス入力であることがわかるであろう。図1の抵抗R1の主な役割は、基準電圧に対するQN1およびQP1によるノイズの影響を減らすことである。特に、高精度なディジタル/アナログおよびアナログ/ディジタルコンバータのための低ノイズ基準電圧を生成するために、図1の回路は利用される。
【0010】
当然のことながら、これまでバンドギャップセルを形成するものとして説明された要素は、一方で低ノイズ出力を提供するのであるが、なお基準電圧出力に低バンドおよび高バンドノイズの影響を与えるものである。これらの影響は、本発明の教示に従った追加の回路要素を利用することで、お互いに独立して最小限に抑えられる。
最初に高バンドノイズに対処するために、本発明の教示では、共通に繋がれたQP1およびQN1のコレクタに接続されるキャパシタC1を用意する。先述のように、これら2つのトランジスタは、増幅器Aのためのプリアンプを効果的に形成し、キャパシタC1はプリアンプおよび増幅器入力間のノードに接続される。このような増幅器の入力に提供されるキャパシタは、外部キャパシタとして提供され、高バンドノイズをフィルターする役目を果たす。C1ならびにQP1およびQN1の出力インピーダンスによる遮断周波数は
【数1】

ここでr01およびr02は、QP1およびQN1の出力抵抗である。当業者により理解されているように、ワイドバンドノイズの最低限は通常10Hzのオーダーである。このようなレベルで、および抵抗r01およびr02が2MΩのオーダーとなるような標準値の製品をを利用するならば、必要な遮断周波数を提供するためには、8nFのオーダーのキャパシタが要求されるであろうということが推定される。このようなキャパシタをシリコンに実装するためには、このキャパシタはオフチップ要素として用意されることが要求される。しかしながら、約800Hz以上の遮断周波数でよいとするのならば、10-100pFのオーダーのキャパシタを利用するだけで十分である。そのようなキャパシタは、シリコン基板を用いてオンチップで提供可能である。増幅器に対する高インピーダンス入力を有することによって、増幅器の入力である非反転入力は、このキャパシタを提供することが可能である。このことは出力にキャパシタを設けると増幅器の動作に関して安定性についての問題を生じさせることを考えると、有利なことである。本発明の教示に従って、入力に設けたキャパシタとすれば、これらの問題が生じることは無いからである。
【0011】
キャパシタを提供することが高バンドノイズに対処することに役立つ一方で、回路はまた、1/fもしくは低バンドノイズに対処できるように改良されることができる。1/f電圧ノイズを減らすために、図1のプリアンプとして動作する2つのバイポーラトランジスタQP1およびQN1は、プリアンプからの2つのバイポーラトランジスタのコレクタおよびベース電流を減らすように、大きなエミッタ面積を伴う2つの類似のトランジスタによってシャントされる。
この実施態様に従ったシャント回路は、2つのnpnトランジスタQN7,QN6および一つのpnpトランジスタQP6を含む。バイポーラトランジスタのエミッタ面積は、QN1が基本単位面積のエミッタ面積、QN2が基本単位面積エミッタ面積のn1倍、QP2が基本単位面積エミッタ面積、QP1が基本単位面積エミッタ面積のn2倍、QP6が基本単位面積エミッタ面積のn3倍、QN6が基本単位面積エミッタ面積のn4倍、QN7が基本単位面積エミッタ面積のn5倍になるように選定される。QP6、QN6およびQN7の役割は、QP1およびQN1のコレクタおよびベース電流を減らすこと、および結果として低バンドノイズを減らすことである。
R1を通した電流はまたQP2およびQN2のエミッタ電流でもあり、QN1およびQN2のベース−エミッタ電位差から来る。R5を通る電流はQP1のエミッタ電流、QP6のエミッタ電流およびQN7のコレクタ電流の和である。ここで、すべてのバイポーラトランジスタにおいて、ベース電流は対応するエミッタおよびコレクタ電流と比較して無視できると仮定する。
各バイポーラトランジスタのベース−エミッタ間電圧Vbeは
【数2】

ここで:
Kはボルツマン定数
Tは実際の絶対温度
qは電子電荷
Icはコレクタ電流
Isはエミッタ面積に比例する飽和電流
異なったコレクタ電流および異なったエミッタ面積に起因する、QN1からQN2のベース−エミッタ電位差はR1に反映され:
【数3】

同様に、QP1からQP2のベース−エミッタ電位差はR5に反映され:
【数4】

式3および式4から:
【数5】

式5から、R1およびR2に渡る電圧降下の和は、特定の温度に対して一定である。R1およびR2が与えられた場合、一方の電流が増加する時、他方の電流は減少する。
【0012】
QP1およびQN1をまとめた面積と比較してより大きなまとめた面積を有するQP6およびQN6にとっては、電流I4はQP1およびQN1のエミッタおよびコレクタからそらされる。結果として、QP1とQN1のコレクタおよびベース電流は減らされ、これらのトランジスタによるフリッカーノイズもそれに伴い減らされる。
QP1のエミッタからQN1のエミッタまでの電位差は
【数6】

式6から
【数7】

QN7, Ic(QN7)のコレクタ電流は
【数8】

電流I3およびI4
【数9】

【0013】
図1の回路には、4つの支配的なフリッカーノイズ源QP1、QN1、QP2およびQN2がある。ある供給される電流に対して、(5)に従って2つの電流I1およびI2は相互に作用するので、好ましい妥協点は、これら4個のノイズ源が最小限のフリッカーノイズを生成するように均衡が取れるまで、抵抗比率R1/R5および面積比率n1からn5を正確に調整して電流I2を減らすことである。
フィルターおよび電流シャントをバンドギャップ基準電圧セルに組み合わせることにより、低および高バンドノイズを減らすことが可能である。実例となる、例として好ましい改良結果の数値として、本発明の教示に基づいた回路を使うことによって、そのようなフリッカーもしくは分岐のない回路より3倍小さいフリッカーノイズおよび約5倍少ないワイドバンドノイズの生成という値がある。
キャパシタC1はシャント回路とは独立して利用され、同様にこのシャント回路は提供されたキャパシタと独立して利用されてもよいが、両方を共に利用することにより高および低バンドノイズを同時に減らすことができる。同様にキャパシタC1は一つ以上の要素に提供される。さらに、シャント回路が含まれる場合、QP1およびQN1を通る電流は大きく減るので、増幅器の非反転ノードに大きな出力インピーダンスがあることになる。シャント回路とキャパシタを共に使用する結果、キャパシタのみを分離して使用する場合に比べて高バンドノイズのより効率的な低減が達成される。
【0014】
図1の回路は、ノイズの影響を減らした一次温度不感応バンドギャップ基準回路を提供することができるから有利である一方、回路が二次曲線効果としてのノイズ減少効果を含むように改良することもできる。適切な改良の例が図2に示され、それは3つのpnpバイポーラトランジスタQP3、QP4、QP5、3つのnpnバイポーラトランジスタQN3、QN4、QN5、および2つの抵抗R3およびR4を含む。これらの回路要素を含むことで、ある実施態様では、バンドギャップセルから生成された基準電圧に固有のTlogTの電圧曲率の補償が提供される。このために、TlogTの信号の反対符号を、生成された固有のTlogT信号に提供することが必要である。この構成では、このTlogTの生成のために、絶対温度電流を補うことおよびこの電流を第三抵抗R3と組み合わせて利用することを提供する。
CTAT電流は外部で生成されるか、もしくは図2に示されるように、バイポーラトランジスタQP5を介してCTAT電流を生成およびミラーリングするために増幅器の出力および抵抗R4の間に直列にトランジスタQP4を提供することにより提供される。生成されたCTAT電流はダイオード接続されたトランジスタQN5を介してもう一つのnpnトランジスタQN4にミラーリングされ、QN4のコレクタに反映されたCTAT電流は、2つのバイポーラトランジスタを介して、基準ノードVrefから引き出される。QP3は、QP2と類似のベース/エミッタ電圧を持ち、およびQN3はQN1と類似のベース/エミッタ電圧を持つ。抵抗R3は、QN4のコレクタおよびQN3のエミッタ連結とQN1のエミッタをつなぐように提供される。結果として、TlogTの形式の電圧曲率がR3の両端間に作られる。R3およびR2の比率を正確に設定することにより、電圧曲率はゼロに減らされる。
【0015】
この追加回路は、“曲率”誤差と呼ばれる余剰誤差を補償し、基準電圧を要求された値に変える役割を持つ。増幅器Aは、QP1およびQN1のベース−コレクタ電圧を実質的にゼロレベルに保つことで、ノードREFにおける基準電圧を強制的に維持する。反対符号の2つのTlogT電圧の組み合わせは、増幅器の出力における二次特性が補正された基準電圧を提供する。二次基準電圧という呼び名は、曲率要素は二次の効果であるという事実を反映している。
同様に、本発明は、反転および非反転入力を有する増幅器を用いて、その出力に基準電圧を提供する、バンドギャップ基準電圧回路を提供するものであることが理解できる。第一および第二組のトランジスタが提供され、各組は増幅器の入力を画定する位置に接続される。NPNバイポーラとPNPバイポーラトランジスタのベースが結合した状態で提供することによって、二つのペアを接続することが可能となる。これは、増幅器の一段目と同等の増幅機能を提供する可能性のあるこれらのトランジスタを含む複数の長所を提供する。“二つ目”の増幅器を提供することで、実際の増幅器の構造の複雑さおよび増幅器の入力での誤差を減らすことが可能になる。さらに、増幅器もしくは増幅器の一段目を提供することは、高バンドノイズをフィルタリングするように入力とグラウンド間に接続されたキャパシタと組み合わされて利用される増幅器に、高インピーダンス入力を提供することになる。フィードバックループからいくつかの電流を迂回させるシャント回路を組み合わせることで、バンドギャップセルを形成するトランジスタのコレクタ、エミッタ、ベース電流を減らすことができ、したがって、さもなければ本質的に発生する1/fノイズを減らす。このシャント回路は、エミッタ/コレクタ電流を低くすることで、第一トランジスタのエミッタ電流のいくつかを迂回する役目を果たし、前記1/fノイズの主要な源であるバイポーラトランジスタのベース電流を減らすことが可能である。
【0016】
本発明はバイポーラトランジスタの特定のPNPおよびNPN構成により説明されたが、これらの詳細は本発明の典型的な実施態様であり、本発明の応用が、説明された構成のどれかに限定されることを意図していない。構成における多くの変更および変化は、本発明の精神および領域から外れない別の実施態様として考えられるかもしくは実現される。特定の要素、特徴および値は、回路を詳細に説明するために利用されたが、添付された請求項の認識で必要と考えられることを除いては、本発明がどのような方法でも制限されることを意図していない。上記に説明された回路のいくつかの要素は通常の表現が示すとおりのものであり、例えば増幅器の内部機構および機能記述は記載を省略したということも、さらに理解されるであろう。このような機構は、当該者によく知られていて、要求されるさらなる詳細は数ある標準的なテキストの一つで見つけることができる。
同様に、詳細説明で使用された、含む/含んでいるという言葉は、既定された特徴の存在、整数もしくは要素を特定するために利用されるが、一つ以上の追加の特徴、整数、ステップ、要素もしくはその集合の存在もしくは追加を排除するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反転および非反転入力を持ち基準電圧をその出力に提供する増幅器を含むバンドギャップ基準回路であって、:
a. 増幅器の非反転入力に接続される第一組のトランジスタであって、第一組は回路の第一および第二のトランジスタを含み、第一および第二トランジスタのベースは互いに接続され、第一トランジスタはフィードバック抵抗を介して増幅器の出力にさらに接続され、第二トランジスタはダイオード接続で提供される、前記第一組のトランジスタ;
b. 第二組のトランジスタであって、回路の第三および第四のトランジスタを含み、第三トランジスタは増幅器の反転入力に接続され、第三および第四トランジスタのエミッタは基準抵抗を介してグラウンドに接続され、第四トランジスタはダイオード構成で提供され結合抵抗を介して第二トランジスタに接続される、前記第二組のトランジスタを含み;
第三トランジスタのベースは第一および第二トランジスタの連結に接続され、第三トランジスタのコレクタは、第一および第三トランジスタが増幅器に対する事前増幅を形成するように第一トランジスタのコレクタに接続され、さらに第一および第四トランジスタのエミッタ面積は第二および第三トランジスタのエミッタ面積より大きくなるような縮尺で設計され、2つのベース−エミッタ電位差が、PTAT(proportional to absolute temperature)電圧に比例する態様で、結合およびフィードバック抵抗のそれぞれの両端間に生成され、結果として得られるPTAT電流は基準抵抗両端間にPTAT電圧を生成し、該PTAT電圧は第二および第三トランジスタ結合のベースエミッタ電圧と組み合わされて、一次温度不感応電圧として増幅器の出力に反映され、該温度不感応電圧に対する高バンドノイズの影響を最小限にするための非反転入力およびグラウンドの間に提供されるフィルターをさらに含む、前記回路。
【請求項2】
第一および第三トランジスタのコレクタおよびベース電流を減らすように第一トランジスタからのフィードバック電流の少なくとも一部をシャントし、それにより温度不感応電圧における低バンドノイズを減らすように提供された電流シャントを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
電流シャントが第一および第三トランジスタのコレクタ電流を減らし、結果として第一および第三トランジスタのベース電流を減らすように構成される、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
電流シャントが、2つのnpnトランジスタおよび1つのpnpトランジスタを含み、該pnpトランジスタが回路の第五トランジスタを形成し、2つのnpnトランジスタが回路の第六および第七トランジスタを形成する、請求項3に記載の回路。
【請求項5】
トランジスタのエミッタ面積が、第二および第三トランジスタが第一のエミッタ面積nを持つように、第四トランジスタが第二のエミッタ面積n1を持つように、第一トランジスタが第三のエミッタ面積n2を持つように、第五トランジスタが第四のエミッタ面積n3を持つように、第六トランジスタが第五のエミッタ面積n4を持つように、そして第七トランジスタが第六のエミッタ面積n5を持つように、トランジスタのエミッタ面積が選定され、エミッタ面積がn5>n4>n3>n2>n1 >nとなるように設計される、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
フィルターがキャパシタを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
キャパシタが1000pFより小さい値を持つ、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
キャパシタが200pFより小さいの値を持つ、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
キャパシタが約100pFの値を持つ、請求項9に記載の回路。
【請求項10】
回路が曲率補正要素を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項11】
曲率補正要素が、極性が反対のTlogT型の補正電圧を第一基準電圧出力に提供し、補正電圧が一次基準電圧出力と組み合わされて曲率補正基準電圧を生成するように構成される、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
反転および非反転入力を持ち基準電圧をその出力に提供する増幅器を含むバンドギャップ基準回路であって、:
a. 増幅器の非反転入力に接続される第一組のトランジスタであって、第一組は回路の第一および第二のトランジスタを含み、第一および第二トランジスタのベースは互いに接続され、第一トランジスタはフィードバック抵抗を介して増幅器の出力にさらに接続され、第二トランジスタはダイオード接続で提供される、前記第一組のトランジスタ;
b. 第二組のトランジスタであって、回路の第三および第四のトランジスタを含み、第三トランジスタは増幅器の反転入力に接続され、第三および第四トランジスタのエミッタは基準抵抗を介してグラウンドに接続され、第四トランジスタはダイオード構成で提供され結合抵抗を介して第二トランジスタに接続される、前記第二組のトランジスタを含み;
第三トランジスタのベースは第一および第二トランジスタの連結に接続され、第三トランジスタのコレクタは、第一および第三トランジスタが増幅器に対する事前増幅を形成するように第一トランジスタのコレクタに接続され、さらに第一および第四トランジスタのエミッタ面積は第二および第三トランジスタのエミッタ面積より大きくなるような縮尺で設計され、2つのベース−エミッタ電位差が、PTAT(proportional to absolute temperature)電圧に比例する態様で、結合およびフィードバック抵抗のそれぞれの両端間に生成され、結果として得られるPTAT電流は基準抵抗両端間にPTAT電圧を生成し、該PTAT電圧は第二および第三トランジスタ結合のベースエミッタ電圧と組み合わされて、一次温度不感応電圧として増幅器の出力に反映され、第一および第三トランジスタのコレクタおよびベース電流を減らすように第一トランジスタからのフィードバック電流の少なくとも一部をシャントし該温度不感応電圧に対する低バンドノイズを減らすように提供された電流シャントをさらに含む、前記回路。
【請求項13】
電流シャントが第一および第三トランジスタのコレクタ電流を減らし、結果として第一および第三トランジスタのベース電流を減らすように構成される、請求項12に記載の回路。
【請求項14】
電流シャントが、2つのnpnトランジスタおよび1つのpnpトランジスタを含み、そのpnpトランジスタが回路の第四トランジスタを形成し、2つのnpnトランジスタが回路の第六および第七トランジスタを形成する、請求項13に記載の回路。
【請求項15】
トランジスタのエミッタ面積が、第二および第三トランジスタが第一のエミッタ面積nを持つように、第四トランジスタが第二のエミッタ面積n1を持つように、第一トランジスタが第三のエミッタ面積n2を持つように、第五トランジスタが第四のエミッタ面積n3を持つように、第六トランジスタが第五のエミッタ面積n4を持つように、そして第七トランジスタが第六のエミッタ面積n5を持つように、トランジスタのエミッタ面積が選定され、エミッタ面積がn5>n4>n3>n2>n1 >nとなるように設計される、請求項14に記載の回路。
【請求項16】
前記温度不感応電圧に対する高バンドノイズの影響を最小限にするために、非反転入力およびグラウンドの間に提供されるフィルターを含む、請求項12に記載の回路。
【請求項17】
フィルターがキャパシタを含む、請求項16に記載の回路。
【請求項18】
キャパシタが1000pFより小さいの値を持つ、請求項17に記載の回路。
【請求項19】
キャパシタが200pFより小さいの値を持つ、請求項17に記載の回路。
【請求項20】
キャパシタが約100pFの値を持つ、請求項19に記載の回路。
【請求項21】
回路が曲率補正要素を含む、請求項12に記載の回路。
【請求項22】
曲率補正要素が、極性が反対のTlogT型の補正電圧を第一基準電圧出力に提供し、補正電圧が一次基準電圧出力と組み合わされて曲率補正基準電圧を生成するように構成される、請求項21に記載の回路。
【請求項23】
反転および非反転入力を持ち基準電圧をその出力に提供する増幅器を含むバンドギャップ基準回路であって、:
a. 増幅器の非反転入力に接続される第一組のトランジスタであって、第一組は回路の第一および第二のトランジスタを含み、第一および第二トランジスタのベースは互いに接続され、第一トランジスタはフィードバック抵抗を介して増幅器の出力にさらに接続され、第二トランジスタはダイオード接続で提供される、前記第一組のトランジスタ;
b. 第二組のトランジスタであって、回路の第三および第四のトランジスタを含み、第三トランジスタは増幅器の反転入力に接続され、第三および第四トランジスタのエミッタは基準抵抗を介してグラウンドに接続され、第四トランジスタはダイオード構成で提供され結合抵抗を介して第二トランジスタに接続される、前記第二組のトランジスタを含み;
第三トランジスタのベースは第一および第二トランジスタの連結に接続され、第三トランジスタのコレクタは、第一および第三トランジスタが増幅器に対する事前増幅を形成するように第一トランジスタのコレクタに接続され、さらに第一および第四トランジスタのエミッタ面積は第二および第三トランジスタのエミッタ面積より大きくなるような縮尺で設計され、2つのベース−エミッタ電位差が、PTAT(proportional to absolute temperature)電圧に比例する態様で、結合およびフィードバック抵抗のそれぞれの両端間に生成され、結果として得られるPTAT電流は基準抵抗両端間にPTAT電圧を生成し、該PTAT電圧は第二および第三トランジスタ結合のベースエミッタ電圧と組み合わされて、一次温度不感応電圧として増幅器の出力に反映され、;
温度不感応電圧に対する高バンドノイズの影響を最小限にするために非反転入力およびグラウンドの間に提供されるフィルター;および
第一および第三トランジスタのコレクタおよびベース電流を減らすように第一トランジスタからのフィードバック電流の少なくとも一部をシャントし、よってこのオーダーの温度不感応電圧に対する低バンドノイズを減らすように構成された電流シャントをさらに含む、前記回路。
【請求項24】
電流シャントが第一および第三トランジスタのコレクタ電流を減らし、結果として第一および第三トランジスタのベース電流を減らすように構成される、請求項23に記載の回路。
【請求項25】
電流シャントが、2つのnpnトランジスタおよび1つのpnpトランジスタを含み、pnpトランジスタが回路の第五トランジスタを形成し、2つのnpnトランジスタが回路の第六および第七トランジスタを形成する、請求項24に記載の回路。
【請求項26】
トランジスタのエミッタ面積が、第二および第三トランジスタが第一のエミッタ面積nを持つように、第四トランジスタが第二のエミッタ面積n1を持つように、第一トランジスタが第三のエミッタ面積n2を持つように、第五トランジスタが第四のエミッタ面積n3を持つように、第六トランジスタが第五のエミッタ面積n4を持つように、そして第七トランジスタが第六のエミッタ面積n5を持つように、トランジスタのエミッタ面積が選定され、エミッタ面積がn5>n4>n3>n2>n1 >nとなるように設計される、請求項25に記載の回路。
【請求項27】
フィルターがキャパシタを含む、請求項23に記載の回路。
【請求項28】
キャパシタが1000pFより小さい値を持つ、請求項27に記載の回路。
【請求項29】
キャパシタが200pFより小さい値を持つ、請求項27に記載の回路。
【請求項30】
キャパシタが約100pFの値を持つ、請求項29に記載の回路。
【請求項31】
回路が曲率補正要素を含む、請求項23に記載の回路。
【請求項32】
曲率補正要素が、極性が反対のTlogT型の補正電圧を第一基準電圧出力に提供し、補正電圧が一次基準電圧出力と組み合わされて曲率補正基準電圧を生成するように構成される、請求項31に記載の回路。
【請求項33】
キャパシタがオンチップで提供される、請求項27に記載の回路。
【請求項34】
反転および非反転入力を持ち基準電圧をその出力に提供する増幅器を含むバンドギャップ基準回路であって、非反転入力は増幅器への高インピーダンス入力となっており、増幅器の入力での高バンドノイズをフィルターするために該高インピーダンス入力とグラウンドとの間に接続されたフィルターを含む、前記回路。
【請求項35】
バンドギャップセル内に設けられ、反転および非反転入力を持ち基準電圧をその出力に提供する増幅器に接続された複数のトランジスタを含むバンドギャップ基準回路であって、バンドギャップセルを形成する増幅器出力とトランジスタとの間にフィードバックループを含み、さらにバンドギャップセルを形成するトランジスタのコレクタエミッタ電流を減らし、その結果トランジスタのベース電流を減らすようにフィードバックループからの電流の少なくとも一部をシャントするシャント回路を含む、前記回路。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−521029(P2010−521029A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553091(P2009−553091)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051161
【国際公開番号】WO2008/110410
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(501144003)アナログ・デバイシズ・インコーポレーテッド (51)
【Fターム(参考)】