作業車両のフレーム構造
【課題】容易な構成により作業車両のフレームの剛性を向上させるとともに、作業車両の部品点数を削減して、製造にかかるコストを低減する。
【解決手段】作業車両1のフレーム9の構造において、フレーム9の前端を接続する正面板61にタイダウン用の孔61bを設け、フレーム62の外側に張り出したマスト部64の底面にフレーム62と接続する板体64bを設けて、作業車両1に装着されるタンク90・91を吊設し、マスト部64に配設されるリフトアーム取付けボス80を両持ち構造とし、該マスト部64のマスト仕切り板64fの上面と左右ボス80・80とを接続するU字状の補強81を設ける。
【解決手段】作業車両1のフレーム9の構造において、フレーム9の前端を接続する正面板61にタイダウン用の孔61bを設け、フレーム62の外側に張り出したマスト部64の底面にフレーム62と接続する板体64bを設けて、作業車両1に装着されるタンク90・91を吊設し、マスト部64に配設されるリフトアーム取付けボス80を両持ち構造とし、該マスト部64のマスト仕切り板64fの上面と左右ボス80・80とを接続するU字状の補強81を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両のフレーム構造の技術に関し、より詳しくは軽量かつ高剛性の作業車両フレームを容易かつ安価に構成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両のフレームとしては、角パイプやI字型鋼を組み合わせたものが知られている。作業車両フレームはI字型鋼などを用いて構成し、フレームに各種の装置を必要に応じて取付けていく。(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−1769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
主に角パイプやI字型鋼を用いたフレームは、加工が困難であり、組立に多くの労力を必要とする。また、製造に高いコストが必要となる。そこで、容易な構成により作業車両フレームの剛性を向上させるとともに、製造にかかるコストを低減することを課題とする。
また、各部品ごとにステーを配設して装着を行うと、部品点数が増えて、組立作業性が低下するとともに、多くの部材装着による重量の増大も問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するべく、次のような手段をとる。
請求項1に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシ内側の前後中央に左右両側に設けるマスト部からミッション部まで前後方向に貫通するパイプを配設する。
【0005】
請求項2に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシ下面にトランスミッション取付け部からエンジンマウントまで貫通する補強材を設ける。
【0006】
請求項3に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、フレームの外側に張り出したマスト部の底面とフレーム側面とを接続する板体を設ける。
【0007】
請求項4に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシのサイドフレームの下面折り曲げ部にミッション取付け板から、エンジンとミッション部を仕切るクロスメンバ部にまで側面視略三角形状であって、断面視逆L字形状の補強部材を溶接し箱断面を形成する。
【0008】
請求項5に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、リフトアーム取付けボスを両持ちとし、マスト仕切り板上面と左右ボスをつなぐU字状の補強部材を溶接固定する。
【0009】
請求項6に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシ外側に張り出したマストの内側面と、サイドフレームの上部側面を繋ぐ補強プレートを設ける。
【0010】
請求項7に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシの左右のローダマストを上部でつなぐ部材と、ラジエータのマウントの上部をつなぐ部材とを接続する部材を設ける。
【0011】
請求項8に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、上記部材にエンジンボンネットのステーのスライドガイドを一体的に構成する。
【0012】
請求項9に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シートマウントのベースを左右のサイドフレームの上面に繋がるように装着することによりクロスメンバとする。
【0013】
請求項10に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシフレームの中途部に平面視コの字形状の部材を装着し、該コの字形状部材の上部および下部に板体を装着し、該下部の板体にリアアクスルを固定する。
【0014】
請求項11に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシフレーム側部から正面視L字状の板体をミッションの下面又は側面に延出し、該板体を介してトランスミッションを固定する。
【0015】
請求項12に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、アクスルケースにより構成される走行輪駆動部を持ち平面視門形形状に構成されるトランスミッションを含む駆動力伝達機構の該走行輪駆動部の端部とシャシフレーム側面とを、板状部材を介して接続する。
【0016】
請求項13に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、フレームに取付けられるレバースタンドがリアフェンダのステーを兼ねる。
【0017】
請求項14に記載のごとく、前記レバースタンドに、該レバースタンドに配設されるレバーに接続した油圧バルブとともに、主要電装部品を集中的に取付け、一体化した。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。剛性の必要となる部位を効率的に補強できる。
【0019】
請求項2に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。簡便な構成で、効率的なフレームの補強を行うことができる。
【0020】
請求項3に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、マスト部の剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。
【0021】
請求項4に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。作業車両フレームの後部にバックホー等の作業機を装着した場合においても、十分に耐える剛性を得ることが出来る。
【0022】
請求項5に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。必要個所の補強を効率的に行い、フロントローダを支持するマスト部を軽量かつ耐加重性能の高いものとすることができる。
【0023】
請求項6に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。三角形状の補強板を、シャシを構成するサイドフレームつけ、シャシの外側に張り出したマストの内側側面とサイドフレームの上面を繋ぐ補強プレートを設けるので、作業車両のフレームにおいて、マストの内側を円弧形状とし応力緩和できる。
【0024】
請求項7に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。ラジエータマウントの支持剛性が向上し、エンジンルームの静粛性が増す。
【0025】
請求項8に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、低コスト化を実現できる。エンジンルーム内の省スペース化を実現できる。
【0026】
請求項9に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。フレーム後部の強度を向上できる。
【0027】
請求項10に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、リアアクスル取付け用のボルトを容易に締め付け可能となるので、作業車両の組立性が向上する。
【0028】
請求項11に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、リアアクスルの取付けが容易となり、板体の変形によりリアアクスルや作業車両のフレームへの過剰な負荷を抑制できる。
【0029】
請求項12に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、トランスミッションの取付けが容易となり、板体の変形により作業車両のフレームへの過剰な負荷を抑制できる。
【0030】
請求項13に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、作業車両の部品点数削減を実現でき、組立工程における作業性を向上できる。
【0031】
請求項14に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、作業車両の部品点数削減を実現でき、組立工程における作業性を向上できる。そして、電装部品の点検および取付けが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、作業車両のフレームにおいて補強部材を用いることにより軽量かつ高剛性のフレームが可能となる。
【実施例1】
【0033】
[全体構成]
本発明の実施の一形態である作業車について説明する。
図1は作業車両の全体側面図。
図1に示す作業車両1はトラクターローダーバックホーであり、ローダー2および掘削装置3が装着されている。作業車両1の中央には操縦部4が設けられており、操縦部4の前方にローダー2が、後方に掘削装置3が配設されている。そして、作業車両1には、前輪8・8および後輪7・7が装着されており、ローダー2および掘削装置3を装着した状態で走行可能に構成されている。
操縦部4には、ステアリングハンドル5および操縦席6が配設されており、座席6の側方には走行操作装置およびローダー2の操作装置が配設されている。これにより、操縦部4において、作業車両1の操向操作およびローダー2の操作を可能としている。
積み込み装置であるローダー2は、作業車両1の側部に接続して前方に延出されており、先端にバケットが装着されている。作業車両1のシャシであるフレーム9の前部にはエンジンが配設されており、フレーム9上に配設したボンネット30がこれを覆っている。ローダー2はボンネット30の外側に配設されている。
掘削装置3は作業車両1の後部に着脱自在に装着され、掘削装置3の操作は操縦席6の後方に配設された操作装置により行われる。
操縦部4の側方には、作動油タンク90が配設されており、作動油タンク90は操縦部4のへの乗降時の階段を兼ねるものであり、操縦部4の反対側には、燃料タンクにより構成される階段が設けられている。
【0034】
[フレーム構成]
次に、作業車両1のフレーム構成について説明する。
図2は作業車両のフレームを示す平面図。
図3は同じく側面図。
図4は同じく正面図。
図5は作業車両フレームの上斜め前方よりの斜視図。
図6は作業車両フレームの下斜め後方よりの斜視図。
作業車両のフレーム9は、主に、前後方向に左右平行に配設されたサイドフレーム62・62と、サイドフレーム62の前部に接続するフロントフレーム63・63、フロントフレーム63・63の前部を接続するフロントプレート61とにより構成されている。そして、フロントフレーム63の外側面には、マスト部64が構成され、フロントフレーム63・63間はリブ65により接続されている。
サイドフレーム62・62間には接続部材である中間仕切り74が配設され、フレーム9をラダー構造としている。中間仕切り74は、サイドフレーム62・62間において、エンジン配設部とトランスミッション配設部とを仕切るクロスメンバ部材であり、フレーム9の略中央部に配設されている。
そして、サイドフレーム62には、外側方に向けてビーム62bが延出されている。ビーム62bは左右方向に延出されており、サイドフレーム62に対してほぼ直角に構成されている。ビーム62bは断面形状がC字状に構成されており、操縦部4の床部を支持する。
【0035】
フロントフレーム63はフレーム9の前下部から後斜め上方に向けて延出されている。そして、サイドフレーム62との接続部より上方に延出されており、上方に延出された部分にマスト部64が取付けられている。フロントフレーム63・63間にはエンジンが配設され、ボンネット30が配設される。そして、マスト部64にはローダー2の昇降機構が接続され、このマスト部64によりローダー2を支持する。
マスト部64の下部であるマスト下部64bは側方に突出した部材により構成されている。マスト下部64bは、板体を屈曲して構成しており、側面形状が略L字を寝かせた形状の部材もしくは側面視略コ字状の板により構成されており、マスト部64にかかる上下方向の力を受ける構成となっている。マスト下部64bは、作業車両1のシャシであるフレーム9において、外側に張り出し、マスト底面とフレーム側面とをつなぐ。すなわち、マスト部64の底面に接続し、フロントフレーム63の外側面に接続している。
作業車両1において、マスト下部64bおよびビーム62bにより、燃料タンクおよび作動油タンク90が吊り下げ状態で取付けられる。燃料タンクおよび作動油タンク90は、それぞれ、作業車両1の側部において同一側に配設されたマスト下部64bおよびビーム62bの側部に接続して支持される。これにより、燃料タンクおよび作動油タンク90の支持構造を簡便にでき部品点数を低減できる。そして、タンク上部の接続部が同一であれば、容量の異なるタンクでも容易に取付けることが出来る。さらに、剛性の高いフレームを利用して支持することができる。また、ローダー2の昇降機構が接続するマストの底部を構成するマスト下部64bの底面にタンクを取付けるので、マストにより突出した部位の下方を有効に利用することができ、作業車両1をコンパクトに構成できる。
【0036】
フロントプレート61はフロントフレーム63・63の前部を接続し、作業車両1のシャシであるフレーム9の前面を構成する。フロントプレート61の左右の下部には、タイダウン用の孔61b・61bが設けられている。タイダウン用の孔61bは、作業車両1を搬送する場合に、固定用のローブなどを取付ける孔である。この孔61bをフロントプレート61の左右に孔を設けることにより構成するので、耐久性の高いタイダウン用の孔を構成できる。そして、タイダウン用の孔61bが前後方向に向けて開けられており、孔にかけたロープにねじれなどが生じにくい。そしてフロントプレート61に他の部材を溶接することなくタイダウン用の孔を設けるので、フロントプレート61において突起物を構成することがなく、作業車両1の前面の美観が向上する。
そして、フロントプレート63の中央上部には切欠き部が構成されており、ボンネット30の保持機構の組み付け作業を容易にしている。
そして、フロントプレート63の側部は、フロントフレーム63の側面形状に沿って構成されており、正面視において下方に向かうほど左右の幅が狭くなるように構成されている。
【0037】
作業車両1のフレーム構造において、シートマウントベース6bを左右のサイドフレーム62・62の上面に繋がるように装着することによりシートマウントベース6bをクロスメンバとしている。作業車両のフレーム9の後部上面には、左右方向に配設されるシートマウントベース6bが接続される。シートマウントベース6bはフレーム9のクロスメンバを構成するものであり、フレーム9の後部における剛性向上に寄与する。これにより、シートを支持するシートマウントベース6bを利用してフレーム9の剛性を向上することができ、部品点数を低減できる。
【0038】
[前部の補強]
次に、フレーム9の構成についてより詳しく説明する。
図7はフロントフレームとサイドフレームの接続構成を示す側面一部断面図。
図8は作業車両フロント部分の構成を示す斜視一部断面図。
図9はフレーム左側前部の構成を示す斜視図。
図10はフレーム前下部の構成を示す斜視図。
図11は同じく底面図。
作業車両1のシャシであるフレーム9は主に平板および曲がった板体を接合することにより構成されている。そして、フレーム9の各所に補強を行うことにより、作業車両1のフレームを容易にかつ製造にかかるコストの低減を図っている。曲がった板部材は曲げ加工などにより容易に構成可能であり、フレームにI字型鋼などを使う場合に比べて、作業車両1の製造コストを低減でき、加工も容易となる。
フレーム9は下部が舟形に構成されており、正面視において下部がだんだん狭くなる構成となっている。すなわち、フレーム9の下部の両側面がそれぞれ内側に傾斜した構成となっている。このように、フレーム9を構成することにより、前輪8近傍の空間を十分に確保することができ、前輪8の操舵角を大きくとることができる。
フレーム9においては、サイドフレーム62の下部が内側に曲がった形状に構成されており、上下端部は内側水平方向に曲がっている。サイドフレーム62を内側に曲げることにより、サイドフレーム62の正面方向における有効断面積を増大させ、サイドフレーム62の剛性を向上できる。これにより、フレーム9の剛性を向上させながら、操向輪とフレーム9との干渉を避けることが出来る。
【0039】
フロントフレーム63も下部において、サイドフレーム62と同様に内側に曲がった形状となっている。フロントフレーム63は内側面をサイドフレーム62の外側面に接合しており、フレーム9の前部を構成する。フロントフレーム63は後上部にマスト部64を接続し、前下部にフロントアクスルの左右方向に配設される取付け板75・76を接続している。取付け板75の上面には、板体77・77が接続しており、板体77・77は前後に、平行に配設されている。板体77の上面にはサイドフレーム62が接続し、下面には取付け板75が接続し、前面にはフロントプレート61が接続する。板体77・77はフロントフレーム63・63間に配設されている。
取付け板75は、板体77、フロントフレーム63にそれぞれ接続されており、板体76はフロントプレート61、フロントフレーム63に接続されている。これにより、フロントアクスル取付け部であるフレーム9の前下部の剛性が向上する。フレーム9の前下部において、板体77・77と取付け板75・76とを「井」字状に組み付け、フロントプレート61、フロントフレーム63・63、サイドフレーム62・62に接続し、箱形状の部位を構成するので、簡便な構成でフレーム9の前部の剛性を向上できる。
フロントアクスルを取付ける取付け板75・76は、フロントアクスルのオシレートストッパを兼ねるものであり、フロントアクスルの揺動量を当接により規制するものである。これにより、フロントアクスル周りの部材点数を減少できる。
【0040】
フロントフレーム63は上部においてローダー2を支持するマストの一部を構成するとともに、下部においてフロントアクスルを支持する部材の一部を構成している。このように、マスト支持部材とフロントアクスル支持部材とをフロントフレーム63により一体的に構成することにより、負荷がかかった場合の応力を分散してフレームの耐荷重性能を向上できる。
【0041】
フロントフレーム63とサイドフレーム62とは、図7に示すように、交差した状態で接合される。フロントフレーム63とサイドフレーム62とは横T字状もしくは横「イ」字状に接続するものであり、フロントフレーム63の内側にサイドフレーム62が装着される。サイドフレーム62には開口部62c・62dが設けられており、開口部62c・62dの縁においてフロントフレーム63と溶接を行う。すなわち、フロントフレーム63とサイドフレーム62とは重ねた状態でプラグ溶接される。これにより、フロントフレーム63とサイドフレーム62とを容易に接続するとともに、接合による横幅の増大を回避できる。
【0042】
フロントフレーム63とサイドフレーム62との接合部は、配管経路としても利用することができる。図8に示すように、サイレンサ12に接続する尾管12bが開口部63cをとおりフレーム外に延出されている。図9に示すように、サイドフレーム62の開口部62cとフロントフレーム63の開口部63cとが一致しており、フレームの内側と外側とを連通する孔が構成される。作業車両1の前部において、フレーム9上にボンネット30が配設されている。ボンネット30は樹脂で中空構造となっている。ボンネット30はフレーム9上に配設されるエンジンを被装する。ボンネット30内には、エンジンとともに、ラジエータ、マフラー12、エアクリナ34などのエンジンの付属機器も配設されている。ボンネット30はフレーム9に対して開閉自在に構成されており、ボンネット30の前部を上方に回動することにより開く構成となっている。ボンネット30とフレーム9間にはリブ65に装着されたシール33・32が配設される。そして、作業車両1の前部には、カバー36が配設され、フロントプレート61の切欠き部を覆う構成となっている。
機体左側のフロントフレーム63には開口部63cが設けられており、開口部63cの位置はサイドフレーム62の開口部62cに一致しており、開口部63cと開口部62cとの縁部においてプラグ溶接が行われ、サイドフレーム62とフロントフレーム63とが接続される。開口部63cには、作業車両1のマフラー12に接続する尾管12bが通されており、ボンネット30外にエンジンの排気を行う構成となっている。フレーム9のプラグ溶接部を利用して、配管用に用いるので、フレーム9への影響を与えることなく配管用の空間を確保することができる。
【0043】
そして、フレーム9の構造において、シャシ外側に張り出したマスト部64の内側側面と、サイドフレーム62の上面を繋ぐ補強プレートであるリブ65を設けることにより、フレーム9の前部の剛性を向上できる。
そして、左右のマスト部64を上部でつなぐ部材であるリブ65と、ラジエータのマウント65cの上部を、ボンネット30のスライドガイド65bにより接続している。スライドガイド65bの一端はリブ65に固定されており、他端はラジエータマウント65cに固設されている。これにより、ラジエータマウント65cの支持剛性を向上でき、エンジンルームの静粛性およびエンジンルーム内における空気の流れを制御しやすくなる。
そして、ラジエータマウント65cの支持部材が、スライドガイドを兼ねるので、コストを低減しながら、エンジンルームにおける支持剛性を向上し、エンジンルーム内の省スペース化を実現できる。
【0044】
[中央部および後部の補強]
次に、機体中央部におけるフレーム9の補強構成について説明する。
図12はサイドフレームの構成を示す側面図。
図13は図12におけるB−B線断面図。
図14はフレーム後部の構成を示す斜視図。
サイドフレーム62は正面視において、縦長のC字形状に構成されている。サイドフレーム62には補強材が装着されており、上部にパイプ66が、後部に後部補強部材68が、後下部には側面視略三角形状の補強材67が取付けられている。そして、サイドフレーム62の中央下面にはサイドフレーム62の延出方向に沿って、下部補強部材69が取付けられている。
サイドフレーム62の上部には、パイプ66が取付けられている。パイプ66は断面視四角形状に構成されており、エンジン配置部からトランスミッション取付け部に渡り構成されている。パイプ66はサイドフレーム62の上部の折り返し部内側面に取付けられており、サイドフレーム62の上部前端から後部補強部材68までサイドフレーム62に装着されている。そして、サイドフレーム62の中央部に配設される中間仕切り74を貫通した状態で配設される。これにより、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強できる。角パイプを用いて補強を行うので、長い範囲にわたる取付けも容易に行うことができる。
【0045】
サイドフレーム62の後部には後部補強部材68が装着されており、後部補強部材68の下方においてリアアクスルが固定される。そして、サイドフレーム62において、後部補強部材68を配設する部位には開口部が設けらており、サイドフレーム62の外側よりリアアクスルの取付け作業が可能となっている。
そして、後部補強部材68と中間仕切り板74との間には補強材67が装着されており、補強材67は後部補強部材68と中間仕切り板74とに接続している。補強材67は断面形状が逆L字形状に構成されている。補強材67はサイドフレーム62の下部折り曲げ部および内側面に接続しており、開口側をサイドフレーム62に向けて装着されている。そして、補強材67装着部において、サイドフレーム62とにより断面形状が四角の部位が構成される。これにより、サイドフレーム62の駆動力の反動や、ヒッチにかかる荷重を受ける部位の剛性を向上できる。そして、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強できる。
【0046】
下部補強部材69は正面視において逆L字形状に構成されており、下方への延出部が機体内側(サイドフレーム62の開口側)に位置している。下部補強部材69は作業車両においてエンジン配置部からトランスミッション取付け部に渡り配設される。サイドフレーム62の下面に下部補強部材69を取付けることにより、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強でき、組立容易な構成であって、剛性の高いフレームを効率的に構成できる。
【0047】
[トランスミッション取付け構成]
次に、作業車両1のフレーム9へのトランスミッション10の取付け構成について説明する。
図15はトランスミッションのフレームへの取付け構成を示す模式図。
図16はリアアクスルの取付け構成を示す模式図。
トランスミッション10は、サイドフレーム62の後部に固設された後延出部72のステー73を介して取付けられている。トランスミッション10はリアアクスル以外に、側部フレーム62から延出された正面視L字形状のステー73によりトランスミッション10の下面もしくは側面を固定される。図15に示す実施例においては、ステー73の下端がトランスミッション10の下面に接続している。ステー73は板体を屈曲することにより構成されるものであり、シャシを構成するサイドフレーム62の外側面より下方に延出された後に機体内側に延出され、トランスミッション10の下面に接続している。ここにおいて、ステー73をトランスミッション10の側面に接続することも可能となっている。
ステー73を介してトランスミッション10をサイドフレーム62に固定するので、装着可能なトランスミッションのバリエーションを広げることが出来、車両フレームに汎用性を持たせることが出来る。そして、ステー73がトランスミッション10より受ける力の一部を変形などにより吸収することができる。また、トランスミッション10より過剰な負荷がかかる場合においても、ステー73が弾性変形し、力を分散してサイドフレーム62とトランスミッション10、リアアクスルケース11、伝導ケース10bが保護される。
【0048】
図16に示すトランスミッション10は、平面視において走行輪駆動部であるリアアクスルケース11を含める駆動力の伝導経路、すなわち、駆動力伝達機構が門形に構成されている。後輪7の車軸に接続されるリアアクスルケース11の前部に左右方向に配設される伝導ケース10bの外側端が接続され、伝導ケース10bの内側端がトランスミッション10に接続している。これが左右対称に構成されており、平面視において門形を形成している。そして、リアアクスルケース11が変速機構のファイナルとり、このリアアクスルケース11にステー71を介してサイドフレーム62が接続する。ステー71の上端はサイドフレーム62の外側面に固定されており、下端はリアアクスルケース11の後部に固定される。
このようにリアアクスルケース11を支持することにより、ステー71によるバネ効果があるので、シャシに過剰な負荷がかかるのを防ぐことができ、シャシのフレーム9にダメージを与えることがない。また、ボルトに無理な荷重がかからないため、ボルトの緩みが抑制される。そして、リアアクスルケース11の支持剛性をステー71として選択する部材の特性により変更することができる。また、ステー71を板体により構成することにより、ステー71にかかるコストを抑えることが出来る。
【0049】
リアアクスルケース11の伝導ケース10bは補強部材68に固定される。補強部材68は平面視においてコの字状の部材により構成されており、サイドフレーム62の内側に開口側を向けて装着される。そして、補強部材68の上面には、サイドフレーム62の上折り曲げ部を介して、厚板68cが取付けられ、下面には厚板68bが取付けられる。そして、サイドフレーム62の補強部材68の装着部には、開口部が設けられており、この開口部より厚板68bと伝導ケース10bとをボルト締めにより固定する。このように作業車両1のフレーム9を構成することにより、リアアクスルケース11の取付けが容易となり、作業車両1の組立性が向上する。
【0050】
[タンク取付け構成]
次に、作業車両1に配設されるタンクの構成について説明する。
図17はタンクの取付け構成を示す斜視図。
図18は同じく側面図。
作業車両1の操縦部4の側方には、作動油タンク90と燃料タンク91とが配設されている。作動油タンク90と燃料タンク91とは、フレーム9の側方において、フレーム9より側方に突出した部材に吊設される。本実施例においては、側方に突出した部材として、マスト下部64bとビーム62bとを用いるものであり、これらの下面に作動油タンク90、燃料タンク91が装着される。
マスト下部64bとビーム62bとは、ともにフレーム9を構成するサイドフレーム62より側方に突出した構成となっている。マスト下部64bはサイドフレーム62およびマスト部64に接続しており、マスト部64の剛性向上に寄与している。
作動油タンク90および燃料タンク91の上面には、螺孔を有する接続部96・96が設けられており、タンクの接続部に、マスト下部64bの底面およびビーム62bの底面を介して、ボルトを螺装することにより、タンクがマスト下部64bの底面およびビーム62bの底面に締結される構成となっている。接続部96は作動油タンク90および燃料タンク91の上面において左右方向に配設されており、一つの接続部に対して複数のボルトを螺装する構成となっている。接続部96がタンク上面において左右方向に配設されるので、タンクの外側端部に力がかかる場合においても、高い剛性を示すと共に、操縦者の乗降に対しても、タンクの耐久性を維持できる。
本実施例では、作業車両1のフレーム9の右側部に作動油タンク90が、左側部に燃料タンク91がそれぞれ配設されている。作動油タンク90と燃料タンク91とは、正面視階段状(L字状)に構成されており、下部が上部よりも側方(機体外側)に突出した形状となっている。これにより、高さが低くても十分なタンク容量を確保することができ、操縦部4の近傍において燃料タンク91および作動油タンク90をコンパクトに構成できる。
そして、操縦部4への乗降においてタンクの階段面をステップとして利用できる。また、作動油タンク90と燃料タンク91との角部には、それぞれ滑り止め94が装着され、乗降時の安定性を確保している。
【0051】
また、燃料タンク91は、注入口93を斜め外側上方に向けて凸設することも可能である。このような構成において、注入口93は燃料タンク91の上部91aと下部92bとの間に設けられている。そして、燃料タンク91外側部の直角に形成した部位に配設されている。燃料タンク91の上面にはバッテリ98が配設されている。バッテリ98はマスト下部64bとビーム62bとの間に配設されている。
このように、作動油タンク90および燃料タンク91を配設することにより、操縦部4への乗降時において、作動油タンク90および燃料タンク91を乗降用の階段として利用することができる。また、乗降時に作動油タンク90もしくは燃料タンク91を踏んで乗降するので、踏みつけた時の音により、作動油もしくは燃料量の変化を聴覚により認識することができる。そして、フレーム9の隙間を利用して、バッテリ98を配設することができ、フレーム9側方の空間を有効に利用することができる。
なお、燃料タンク91上に配設されるバッテリ98は作業車両1に装着されるカバーにより被装され、雨水や土砂より保護できる。
【0052】
[マスト部の配管]
次に、マスト部64の構成について説明する。
図19はマスト部の内部構成を示す側面一部断面図。
マスト部64は平面視L字形状に構成されており、フロントフレーム63の外側面に接続するとともに、マスト下部64bの上面に接続している。そして、マスト部64とフロントフレーム63との間に仕切り板64fが配設されている。仕切り板64fはマスト部64の内側において、マスト部64との間に空間を構成しており、マスト部64の剛性を向上させる構成となっている。そして、この空間を利用して配管79を配設する。
マスト部64の内側面とフロントフレーム63の外側面とにはそれぞれ対応する位置にボス80・80・80が配設されており、ローダー2の昇降装置を両持ちにより支持する構成となっている。仕切り板64fはボス80に沿って取付けられており、ボス80の支持剛性向上に寄与する構成となっている。仕切り板64fの上部には開口部64gが構成されており、マスト下部64bの上面には開口部64hが構成されている。仕切り板64fとマスト部64とで囲まれる空間を通る配管は、開口部64gおよび開口部64gから取り出されている。両持ちのマスト構造の間に仕切り板64fを設け、下面から配管をいれてマスト仕切り板64fの裏側面に配管を通し、仕切り板64f正面に開口部64gを設け、配管79を通すので、配管79の保護およびマスト部64近傍の空間を有効に利用でき、作業車両をコンパクトに構成できる。
【0053】
[マストの補強]
次に、マストの補強構造について説明する。
図20はマストの組立構成を示す図。
作業車両1のフレーム9において、マストはマスト部64と仕切り板64f、マスト下部64b、ボス80・80・・・により構成されており、作業車両1のシャシであるフレーム9の外側に張り出した構成となっている。
サイドフレーム62と一体的に構成されるフロントフレーム63の外側面に、マスト部64と仕切り板64fが接続されている。そして、内側のボス80はフロントフレーム63の外側面と仕切り板64fの内側部分とに接続し、外側のボス80はマスト部64の内側面と仕切り板64fの外側部分とに接続している。仕切り板64fは、マスト部64の内側面と、フロントフレーム63の上部側面とに接続しており、マストの補強プレートを兼ねる構成となっている。マスト下部64bは上面にマスト部64および仕切り板64fの下部を接続し、側面においてフロントフレーム63に接続している。
仕切り板64fはマストの十分な強度を確保すべく厚板により構成されており、側面視において、三角形状に構成されている。仕切り板64fはマスト部64と一体的に構成されるので、マスト部64の受ける応力をフロントフレーム63に伝達でき、マストの耐荷重性能を向上できる。
【0054】
[ボスの補強]
次に、ボス80の補強構成について説明する。
図21はボスの補強構成を示す図。図21(a)はボスの補強構成を示す斜視図、図21(b)はボスの補強構成を示す正面図。
ボス80はなだらかな山形状となっており、すそ部において左右のボス80・80を補強部材81により接続する。補強部材81はボス80の下側部分に接続するものであり、正面視において略U字状に構成されている。ボス80と補強部材81とは溶接により接続されるものであり、ボス80・80と補強部材91とが一体的に構成されている。また、ボス80を、補強部材81を接続した形状で、予め一体的に構成することも可能である。補強部材81はマスト部64の仕切り板64fの前面に取付けられ、左右のボス80・80にも接続する構成となっている。補強部材81は、中央のボス80・80以外に上下に配設したボス80に取付けることも可能である。
このように、ボス80に補強部材81を接続することにより、容易にボス80およびマスト部64の補強を行うことができる。
【0055】
[レバースタンドの取付け構成]
次に、作業車両1に配設されるレバースタンド85の構成について説明する。
図22はレバースタンドの取付け構成を示す斜め前方斜視図。
図23は同じく後方斜視図。
図24はレバースタンドとリアフェンダの取付け構成を示す図。
図25はレバースタンドの取付け構成を示す模式図。
図26はレバースタンドの組立構成を示す模式図。
図27はレバースタンドの正面図。
レバースタンド85は作業車両のフレーム9に取付けられ、操縦部4に配設される。レバースタンド85にはフロントローダ2などを操作する操作レバーが配設されており、これらのレバーはレバースタンド85に取付けられた油圧バルブユニット85bに接続している。油圧バルブユニット85bはレバースタンド85に固定され一体的に構成され、レバースタンド85をフレーム9に取付けた後に油圧配管を油圧バルブユニット85bに接続することにより、油圧機器のレバーによる操作が可能となる。
【0056】
レバースタンド85のレバー配設部位から後方に延出された部位にはメーターなどの電子部品アッセンブリ85cが装着されている。レバースタンド85には油圧操作レバーおよび油圧バルブユニット85b、それに電子部品アッセンブリ85cが一体化している。このため、丁寧な取り扱いが要求される部材をレバースタンド85に集約し、作業車両1の組立工程における作業性を向上でき、部品管理を容易に行うことができる。
電子部品アッセンブリ85cは、レバースタンド85の後方に延出された部位において、機体内側の面に配設されている。
レバースタンド85において、油圧バルブユニット85bの配管接続部および電子部品アッセンブリ85cの配設部が、機体内側に配設されるので、油圧バルブユニット85bおよび電子部品アッセンブリ85cのメンテナンスが容易となるとともに、組み付け時の配線や配管の作業が容易となる。
【0057】
レバースタンド85は下前部をサイドフレーム62より外側に延出されるビーム62bの上面に接続しており、下中央部および下後部をサイドフレーム62の上部に接続している。そして、電子部品アッセンブリ85c配設部位の近傍には、サイドフレーム62の上部より上後方に向けて延出されたステー62rが接続し、レバースタンド85の中央部を支持する構成となっている。
レバースタンド85の近傍には、後輪7を覆うリアフェンダ86が装着される。リアフェンダ86はビーム62bの後面およびレバースタンド85の後部に接続して、支持される。リアフェンダ86の前下部には接続部86bが設けられており、ビーム62bの後面に締結により固定される。そして、リアフェンダ86の上部にはステー86cが設けられており、レバースタンド85の後方に延出された部位に、プレート100を介して接続することにより、複数の部品との接続のズレを吸収し、組立性にも考慮した構成となっている。ステー86cはリアフェンダ86の上面より上方に延出された構成となっている。接続部材100は、下部をステー86cに接続した状態で、リアフェンダ86より作業車両機体内側方向に延出される形状となっている。そして、接続部材100の機体内側に向けて延出される部位が、レバースタンド85の後部に接続される。
フェンダ86は前端部においてビーム62bに固定され、中央部もしくは後部においてレバースタンド85を介してフレーム62に固定される。レバースタンド85がフェンダ86のステーを兼ねるので、作業車両1の後輪7付近の構成を簡便にすることができる。さらに、薄物板金部品であるリアフェンダ86の剛性も向上する。
すなわち、レバースタンド85がリアフェンダ86の支持部材を兼ねた構成となっており、作業車両1の構成部品点数を減少できる。そして、作業車両1のフレーム9においてステーの取付け数を減少できるので、製造工程における労力を軽減でき、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】作業車両の全体側面図。
【図2】作業車両のフレームを示す平面図。
【図3】同じく側面図。
【図4】同じく正面図。
【図5】作業車両フレームの上斜め前方よりの斜視図。
【図6】作業車両フレームの下斜め後方よりの斜視図。
【図7】フロントフレームとサイドフレームの接続構成を示す側面一部断面図。
【図8】作業車両フロント部分の構成を示す斜視一部断面図。
【図9】フレーム左側前部の構成を示す斜視図。
【図10】フレーム前下部の構成を示す斜視図。
【図11】同じく底面図。
【図12】サイドフレームの構成を示す側面図。
【図13】図12におけるB−B線断面図。
【図14】フレーム後部の構成を示す斜視図。
【図15】トランスミッションのフレームへの取付け構成を示す模式図。
【図16】リアアクスルの取付け構成を示す模式図。
【図17】タンクの取付け構成を示す斜視図。
【図18】同じく側面図。
【図19】マスト部の内部構成を示す側面一部断面図。
【図20】マストの組立構成を示す図。
【図21】ボスの補強構成を示す図。
【図22】レバースタンドの取付け構成を示す斜め前方斜視図。
【図23】同じく後方斜視図。
【図24】レバースタンドとリアフェンダの取付け構成を示す図。
【図25】レバースタンドの取付け構成を示す模式図。
【図26】レバースタンドの組立構成を示す模式図。
【図27】レバースタンドの正面図。
【符号の説明】
【0059】
1 作業車両
9 フレーム
62 サイドフレーム
62b ビーム
63 フロントフレーム
64 マスト部
64b マスト下部
66 パイプ
67 補強部材
68 後部補強材
69 下部補強材
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両のフレーム構造の技術に関し、より詳しくは軽量かつ高剛性の作業車両フレームを容易かつ安価に構成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両のフレームとしては、角パイプやI字型鋼を組み合わせたものが知られている。作業車両フレームはI字型鋼などを用いて構成し、フレームに各種の装置を必要に応じて取付けていく。(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−1769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
主に角パイプやI字型鋼を用いたフレームは、加工が困難であり、組立に多くの労力を必要とする。また、製造に高いコストが必要となる。そこで、容易な構成により作業車両フレームの剛性を向上させるとともに、製造にかかるコストを低減することを課題とする。
また、各部品ごとにステーを配設して装着を行うと、部品点数が増えて、組立作業性が低下するとともに、多くの部材装着による重量の増大も問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するべく、次のような手段をとる。
請求項1に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシ内側の前後中央に左右両側に設けるマスト部からミッション部まで前後方向に貫通するパイプを配設する。
【0005】
請求項2に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシ下面にトランスミッション取付け部からエンジンマウントまで貫通する補強材を設ける。
【0006】
請求項3に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、フレームの外側に張り出したマスト部の底面とフレーム側面とを接続する板体を設ける。
【0007】
請求項4に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシのサイドフレームの下面折り曲げ部にミッション取付け板から、エンジンとミッション部を仕切るクロスメンバ部にまで側面視略三角形状であって、断面視逆L字形状の補強部材を溶接し箱断面を形成する。
【0008】
請求項5に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、リフトアーム取付けボスを両持ちとし、マスト仕切り板上面と左右ボスをつなぐU字状の補強部材を溶接固定する。
【0009】
請求項6に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシ外側に張り出したマストの内側面と、サイドフレームの上部側面を繋ぐ補強プレートを設ける。
【0010】
請求項7に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシの左右のローダマストを上部でつなぐ部材と、ラジエータのマウントの上部をつなぐ部材とを接続する部材を設ける。
【0011】
請求項8に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、上記部材にエンジンボンネットのステーのスライドガイドを一体的に構成する。
【0012】
請求項9に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シートマウントのベースを左右のサイドフレームの上面に繋がるように装着することによりクロスメンバとする。
【0013】
請求項10に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシフレームの中途部に平面視コの字形状の部材を装着し、該コの字形状部材の上部および下部に板体を装着し、該下部の板体にリアアクスルを固定する。
【0014】
請求項11に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、シャシフレーム側部から正面視L字状の板体をミッションの下面又は側面に延出し、該板体を介してトランスミッションを固定する。
【0015】
請求項12に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、アクスルケースにより構成される走行輪駆動部を持ち平面視門形形状に構成されるトランスミッションを含む駆動力伝達機構の該走行輪駆動部の端部とシャシフレーム側面とを、板状部材を介して接続する。
【0016】
請求項13に記載のごとく、作業車両のフレーム構造において、フレームに取付けられるレバースタンドがリアフェンダのステーを兼ねる。
【0017】
請求項14に記載のごとく、前記レバースタンドに、該レバースタンドに配設されるレバーに接続した油圧バルブとともに、主要電装部品を集中的に取付け、一体化した。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。剛性の必要となる部位を効率的に補強できる。
【0019】
請求項2に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。簡便な構成で、効率的なフレームの補強を行うことができる。
【0020】
請求項3に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、マスト部の剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。
【0021】
請求項4に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。作業車両フレームの後部にバックホー等の作業機を装着した場合においても、十分に耐える剛性を得ることが出来る。
【0022】
請求項5に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。必要個所の補強を効率的に行い、フロントローダを支持するマスト部を軽量かつ耐加重性能の高いものとすることができる。
【0023】
請求項6に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。三角形状の補強板を、シャシを構成するサイドフレームつけ、シャシの外側に張り出したマストの内側側面とサイドフレームの上面を繋ぐ補強プレートを設けるので、作業車両のフレームにおいて、マストの内側を円弧形状とし応力緩和できる。
【0024】
請求項7に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。ラジエータマウントの支持剛性が向上し、エンジンルームの静粛性が増す。
【0025】
請求項8に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、低コスト化を実現できる。エンジンルーム内の省スペース化を実現できる。
【0026】
請求項9に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、フレームの剛性が向上し、作業車両フレームの強度が向上する。フレーム後部の強度を向上できる。
【0027】
請求項10に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、リアアクスル取付け用のボルトを容易に締め付け可能となるので、作業車両の組立性が向上する。
【0028】
請求項11に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、リアアクスルの取付けが容易となり、板体の変形によりリアアクスルや作業車両のフレームへの過剰な負荷を抑制できる。
【0029】
請求項12に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、トランスミッションの取付けが容易となり、板体の変形により作業車両のフレームへの過剰な負荷を抑制できる。
【0030】
請求項13に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、作業車両の部品点数削減を実現でき、組立工程における作業性を向上できる。
【0031】
請求項14に記載のごとく、作業車両のフレーム構造をとるので、作業車両の部品点数削減を実現でき、組立工程における作業性を向上できる。そして、電装部品の点検および取付けが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、作業車両のフレームにおいて補強部材を用いることにより軽量かつ高剛性のフレームが可能となる。
【実施例1】
【0033】
[全体構成]
本発明の実施の一形態である作業車について説明する。
図1は作業車両の全体側面図。
図1に示す作業車両1はトラクターローダーバックホーであり、ローダー2および掘削装置3が装着されている。作業車両1の中央には操縦部4が設けられており、操縦部4の前方にローダー2が、後方に掘削装置3が配設されている。そして、作業車両1には、前輪8・8および後輪7・7が装着されており、ローダー2および掘削装置3を装着した状態で走行可能に構成されている。
操縦部4には、ステアリングハンドル5および操縦席6が配設されており、座席6の側方には走行操作装置およびローダー2の操作装置が配設されている。これにより、操縦部4において、作業車両1の操向操作およびローダー2の操作を可能としている。
積み込み装置であるローダー2は、作業車両1の側部に接続して前方に延出されており、先端にバケットが装着されている。作業車両1のシャシであるフレーム9の前部にはエンジンが配設されており、フレーム9上に配設したボンネット30がこれを覆っている。ローダー2はボンネット30の外側に配設されている。
掘削装置3は作業車両1の後部に着脱自在に装着され、掘削装置3の操作は操縦席6の後方に配設された操作装置により行われる。
操縦部4の側方には、作動油タンク90が配設されており、作動油タンク90は操縦部4のへの乗降時の階段を兼ねるものであり、操縦部4の反対側には、燃料タンクにより構成される階段が設けられている。
【0034】
[フレーム構成]
次に、作業車両1のフレーム構成について説明する。
図2は作業車両のフレームを示す平面図。
図3は同じく側面図。
図4は同じく正面図。
図5は作業車両フレームの上斜め前方よりの斜視図。
図6は作業車両フレームの下斜め後方よりの斜視図。
作業車両のフレーム9は、主に、前後方向に左右平行に配設されたサイドフレーム62・62と、サイドフレーム62の前部に接続するフロントフレーム63・63、フロントフレーム63・63の前部を接続するフロントプレート61とにより構成されている。そして、フロントフレーム63の外側面には、マスト部64が構成され、フロントフレーム63・63間はリブ65により接続されている。
サイドフレーム62・62間には接続部材である中間仕切り74が配設され、フレーム9をラダー構造としている。中間仕切り74は、サイドフレーム62・62間において、エンジン配設部とトランスミッション配設部とを仕切るクロスメンバ部材であり、フレーム9の略中央部に配設されている。
そして、サイドフレーム62には、外側方に向けてビーム62bが延出されている。ビーム62bは左右方向に延出されており、サイドフレーム62に対してほぼ直角に構成されている。ビーム62bは断面形状がC字状に構成されており、操縦部4の床部を支持する。
【0035】
フロントフレーム63はフレーム9の前下部から後斜め上方に向けて延出されている。そして、サイドフレーム62との接続部より上方に延出されており、上方に延出された部分にマスト部64が取付けられている。フロントフレーム63・63間にはエンジンが配設され、ボンネット30が配設される。そして、マスト部64にはローダー2の昇降機構が接続され、このマスト部64によりローダー2を支持する。
マスト部64の下部であるマスト下部64bは側方に突出した部材により構成されている。マスト下部64bは、板体を屈曲して構成しており、側面形状が略L字を寝かせた形状の部材もしくは側面視略コ字状の板により構成されており、マスト部64にかかる上下方向の力を受ける構成となっている。マスト下部64bは、作業車両1のシャシであるフレーム9において、外側に張り出し、マスト底面とフレーム側面とをつなぐ。すなわち、マスト部64の底面に接続し、フロントフレーム63の外側面に接続している。
作業車両1において、マスト下部64bおよびビーム62bにより、燃料タンクおよび作動油タンク90が吊り下げ状態で取付けられる。燃料タンクおよび作動油タンク90は、それぞれ、作業車両1の側部において同一側に配設されたマスト下部64bおよびビーム62bの側部に接続して支持される。これにより、燃料タンクおよび作動油タンク90の支持構造を簡便にでき部品点数を低減できる。そして、タンク上部の接続部が同一であれば、容量の異なるタンクでも容易に取付けることが出来る。さらに、剛性の高いフレームを利用して支持することができる。また、ローダー2の昇降機構が接続するマストの底部を構成するマスト下部64bの底面にタンクを取付けるので、マストにより突出した部位の下方を有効に利用することができ、作業車両1をコンパクトに構成できる。
【0036】
フロントプレート61はフロントフレーム63・63の前部を接続し、作業車両1のシャシであるフレーム9の前面を構成する。フロントプレート61の左右の下部には、タイダウン用の孔61b・61bが設けられている。タイダウン用の孔61bは、作業車両1を搬送する場合に、固定用のローブなどを取付ける孔である。この孔61bをフロントプレート61の左右に孔を設けることにより構成するので、耐久性の高いタイダウン用の孔を構成できる。そして、タイダウン用の孔61bが前後方向に向けて開けられており、孔にかけたロープにねじれなどが生じにくい。そしてフロントプレート61に他の部材を溶接することなくタイダウン用の孔を設けるので、フロントプレート61において突起物を構成することがなく、作業車両1の前面の美観が向上する。
そして、フロントプレート63の中央上部には切欠き部が構成されており、ボンネット30の保持機構の組み付け作業を容易にしている。
そして、フロントプレート63の側部は、フロントフレーム63の側面形状に沿って構成されており、正面視において下方に向かうほど左右の幅が狭くなるように構成されている。
【0037】
作業車両1のフレーム構造において、シートマウントベース6bを左右のサイドフレーム62・62の上面に繋がるように装着することによりシートマウントベース6bをクロスメンバとしている。作業車両のフレーム9の後部上面には、左右方向に配設されるシートマウントベース6bが接続される。シートマウントベース6bはフレーム9のクロスメンバを構成するものであり、フレーム9の後部における剛性向上に寄与する。これにより、シートを支持するシートマウントベース6bを利用してフレーム9の剛性を向上することができ、部品点数を低減できる。
【0038】
[前部の補強]
次に、フレーム9の構成についてより詳しく説明する。
図7はフロントフレームとサイドフレームの接続構成を示す側面一部断面図。
図8は作業車両フロント部分の構成を示す斜視一部断面図。
図9はフレーム左側前部の構成を示す斜視図。
図10はフレーム前下部の構成を示す斜視図。
図11は同じく底面図。
作業車両1のシャシであるフレーム9は主に平板および曲がった板体を接合することにより構成されている。そして、フレーム9の各所に補強を行うことにより、作業車両1のフレームを容易にかつ製造にかかるコストの低減を図っている。曲がった板部材は曲げ加工などにより容易に構成可能であり、フレームにI字型鋼などを使う場合に比べて、作業車両1の製造コストを低減でき、加工も容易となる。
フレーム9は下部が舟形に構成されており、正面視において下部がだんだん狭くなる構成となっている。すなわち、フレーム9の下部の両側面がそれぞれ内側に傾斜した構成となっている。このように、フレーム9を構成することにより、前輪8近傍の空間を十分に確保することができ、前輪8の操舵角を大きくとることができる。
フレーム9においては、サイドフレーム62の下部が内側に曲がった形状に構成されており、上下端部は内側水平方向に曲がっている。サイドフレーム62を内側に曲げることにより、サイドフレーム62の正面方向における有効断面積を増大させ、サイドフレーム62の剛性を向上できる。これにより、フレーム9の剛性を向上させながら、操向輪とフレーム9との干渉を避けることが出来る。
【0039】
フロントフレーム63も下部において、サイドフレーム62と同様に内側に曲がった形状となっている。フロントフレーム63は内側面をサイドフレーム62の外側面に接合しており、フレーム9の前部を構成する。フロントフレーム63は後上部にマスト部64を接続し、前下部にフロントアクスルの左右方向に配設される取付け板75・76を接続している。取付け板75の上面には、板体77・77が接続しており、板体77・77は前後に、平行に配設されている。板体77の上面にはサイドフレーム62が接続し、下面には取付け板75が接続し、前面にはフロントプレート61が接続する。板体77・77はフロントフレーム63・63間に配設されている。
取付け板75は、板体77、フロントフレーム63にそれぞれ接続されており、板体76はフロントプレート61、フロントフレーム63に接続されている。これにより、フロントアクスル取付け部であるフレーム9の前下部の剛性が向上する。フレーム9の前下部において、板体77・77と取付け板75・76とを「井」字状に組み付け、フロントプレート61、フロントフレーム63・63、サイドフレーム62・62に接続し、箱形状の部位を構成するので、簡便な構成でフレーム9の前部の剛性を向上できる。
フロントアクスルを取付ける取付け板75・76は、フロントアクスルのオシレートストッパを兼ねるものであり、フロントアクスルの揺動量を当接により規制するものである。これにより、フロントアクスル周りの部材点数を減少できる。
【0040】
フロントフレーム63は上部においてローダー2を支持するマストの一部を構成するとともに、下部においてフロントアクスルを支持する部材の一部を構成している。このように、マスト支持部材とフロントアクスル支持部材とをフロントフレーム63により一体的に構成することにより、負荷がかかった場合の応力を分散してフレームの耐荷重性能を向上できる。
【0041】
フロントフレーム63とサイドフレーム62とは、図7に示すように、交差した状態で接合される。フロントフレーム63とサイドフレーム62とは横T字状もしくは横「イ」字状に接続するものであり、フロントフレーム63の内側にサイドフレーム62が装着される。サイドフレーム62には開口部62c・62dが設けられており、開口部62c・62dの縁においてフロントフレーム63と溶接を行う。すなわち、フロントフレーム63とサイドフレーム62とは重ねた状態でプラグ溶接される。これにより、フロントフレーム63とサイドフレーム62とを容易に接続するとともに、接合による横幅の増大を回避できる。
【0042】
フロントフレーム63とサイドフレーム62との接合部は、配管経路としても利用することができる。図8に示すように、サイレンサ12に接続する尾管12bが開口部63cをとおりフレーム外に延出されている。図9に示すように、サイドフレーム62の開口部62cとフロントフレーム63の開口部63cとが一致しており、フレームの内側と外側とを連通する孔が構成される。作業車両1の前部において、フレーム9上にボンネット30が配設されている。ボンネット30は樹脂で中空構造となっている。ボンネット30はフレーム9上に配設されるエンジンを被装する。ボンネット30内には、エンジンとともに、ラジエータ、マフラー12、エアクリナ34などのエンジンの付属機器も配設されている。ボンネット30はフレーム9に対して開閉自在に構成されており、ボンネット30の前部を上方に回動することにより開く構成となっている。ボンネット30とフレーム9間にはリブ65に装着されたシール33・32が配設される。そして、作業車両1の前部には、カバー36が配設され、フロントプレート61の切欠き部を覆う構成となっている。
機体左側のフロントフレーム63には開口部63cが設けられており、開口部63cの位置はサイドフレーム62の開口部62cに一致しており、開口部63cと開口部62cとの縁部においてプラグ溶接が行われ、サイドフレーム62とフロントフレーム63とが接続される。開口部63cには、作業車両1のマフラー12に接続する尾管12bが通されており、ボンネット30外にエンジンの排気を行う構成となっている。フレーム9のプラグ溶接部を利用して、配管用に用いるので、フレーム9への影響を与えることなく配管用の空間を確保することができる。
【0043】
そして、フレーム9の構造において、シャシ外側に張り出したマスト部64の内側側面と、サイドフレーム62の上面を繋ぐ補強プレートであるリブ65を設けることにより、フレーム9の前部の剛性を向上できる。
そして、左右のマスト部64を上部でつなぐ部材であるリブ65と、ラジエータのマウント65cの上部を、ボンネット30のスライドガイド65bにより接続している。スライドガイド65bの一端はリブ65に固定されており、他端はラジエータマウント65cに固設されている。これにより、ラジエータマウント65cの支持剛性を向上でき、エンジンルームの静粛性およびエンジンルーム内における空気の流れを制御しやすくなる。
そして、ラジエータマウント65cの支持部材が、スライドガイドを兼ねるので、コストを低減しながら、エンジンルームにおける支持剛性を向上し、エンジンルーム内の省スペース化を実現できる。
【0044】
[中央部および後部の補強]
次に、機体中央部におけるフレーム9の補強構成について説明する。
図12はサイドフレームの構成を示す側面図。
図13は図12におけるB−B線断面図。
図14はフレーム後部の構成を示す斜視図。
サイドフレーム62は正面視において、縦長のC字形状に構成されている。サイドフレーム62には補強材が装着されており、上部にパイプ66が、後部に後部補強部材68が、後下部には側面視略三角形状の補強材67が取付けられている。そして、サイドフレーム62の中央下面にはサイドフレーム62の延出方向に沿って、下部補強部材69が取付けられている。
サイドフレーム62の上部には、パイプ66が取付けられている。パイプ66は断面視四角形状に構成されており、エンジン配置部からトランスミッション取付け部に渡り構成されている。パイプ66はサイドフレーム62の上部の折り返し部内側面に取付けられており、サイドフレーム62の上部前端から後部補強部材68までサイドフレーム62に装着されている。そして、サイドフレーム62の中央部に配設される中間仕切り74を貫通した状態で配設される。これにより、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強できる。角パイプを用いて補強を行うので、長い範囲にわたる取付けも容易に行うことができる。
【0045】
サイドフレーム62の後部には後部補強部材68が装着されており、後部補強部材68の下方においてリアアクスルが固定される。そして、サイドフレーム62において、後部補強部材68を配設する部位には開口部が設けらており、サイドフレーム62の外側よりリアアクスルの取付け作業が可能となっている。
そして、後部補強部材68と中間仕切り板74との間には補強材67が装着されており、補強材67は後部補強部材68と中間仕切り板74とに接続している。補強材67は断面形状が逆L字形状に構成されている。補強材67はサイドフレーム62の下部折り曲げ部および内側面に接続しており、開口側をサイドフレーム62に向けて装着されている。そして、補強材67装着部において、サイドフレーム62とにより断面形状が四角の部位が構成される。これにより、サイドフレーム62の駆動力の反動や、ヒッチにかかる荷重を受ける部位の剛性を向上できる。そして、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強できる。
【0046】
下部補強部材69は正面視において逆L字形状に構成されており、下方への延出部が機体内側(サイドフレーム62の開口側)に位置している。下部補強部材69は作業車両においてエンジン配置部からトランスミッション取付け部に渡り配設される。サイドフレーム62の下面に下部補強部材69を取付けることにより、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強でき、組立容易な構成であって、剛性の高いフレームを効率的に構成できる。
【0047】
[トランスミッション取付け構成]
次に、作業車両1のフレーム9へのトランスミッション10の取付け構成について説明する。
図15はトランスミッションのフレームへの取付け構成を示す模式図。
図16はリアアクスルの取付け構成を示す模式図。
トランスミッション10は、サイドフレーム62の後部に固設された後延出部72のステー73を介して取付けられている。トランスミッション10はリアアクスル以外に、側部フレーム62から延出された正面視L字形状のステー73によりトランスミッション10の下面もしくは側面を固定される。図15に示す実施例においては、ステー73の下端がトランスミッション10の下面に接続している。ステー73は板体を屈曲することにより構成されるものであり、シャシを構成するサイドフレーム62の外側面より下方に延出された後に機体内側に延出され、トランスミッション10の下面に接続している。ここにおいて、ステー73をトランスミッション10の側面に接続することも可能となっている。
ステー73を介してトランスミッション10をサイドフレーム62に固定するので、装着可能なトランスミッションのバリエーションを広げることが出来、車両フレームに汎用性を持たせることが出来る。そして、ステー73がトランスミッション10より受ける力の一部を変形などにより吸収することができる。また、トランスミッション10より過剰な負荷がかかる場合においても、ステー73が弾性変形し、力を分散してサイドフレーム62とトランスミッション10、リアアクスルケース11、伝導ケース10bが保護される。
【0048】
図16に示すトランスミッション10は、平面視において走行輪駆動部であるリアアクスルケース11を含める駆動力の伝導経路、すなわち、駆動力伝達機構が門形に構成されている。後輪7の車軸に接続されるリアアクスルケース11の前部に左右方向に配設される伝導ケース10bの外側端が接続され、伝導ケース10bの内側端がトランスミッション10に接続している。これが左右対称に構成されており、平面視において門形を形成している。そして、リアアクスルケース11が変速機構のファイナルとり、このリアアクスルケース11にステー71を介してサイドフレーム62が接続する。ステー71の上端はサイドフレーム62の外側面に固定されており、下端はリアアクスルケース11の後部に固定される。
このようにリアアクスルケース11を支持することにより、ステー71によるバネ効果があるので、シャシに過剰な負荷がかかるのを防ぐことができ、シャシのフレーム9にダメージを与えることがない。また、ボルトに無理な荷重がかからないため、ボルトの緩みが抑制される。そして、リアアクスルケース11の支持剛性をステー71として選択する部材の特性により変更することができる。また、ステー71を板体により構成することにより、ステー71にかかるコストを抑えることが出来る。
【0049】
リアアクスルケース11の伝導ケース10bは補強部材68に固定される。補強部材68は平面視においてコの字状の部材により構成されており、サイドフレーム62の内側に開口側を向けて装着される。そして、補強部材68の上面には、サイドフレーム62の上折り曲げ部を介して、厚板68cが取付けられ、下面には厚板68bが取付けられる。そして、サイドフレーム62の補強部材68の装着部には、開口部が設けられており、この開口部より厚板68bと伝導ケース10bとをボルト締めにより固定する。このように作業車両1のフレーム9を構成することにより、リアアクスルケース11の取付けが容易となり、作業車両1の組立性が向上する。
【0050】
[タンク取付け構成]
次に、作業車両1に配設されるタンクの構成について説明する。
図17はタンクの取付け構成を示す斜視図。
図18は同じく側面図。
作業車両1の操縦部4の側方には、作動油タンク90と燃料タンク91とが配設されている。作動油タンク90と燃料タンク91とは、フレーム9の側方において、フレーム9より側方に突出した部材に吊設される。本実施例においては、側方に突出した部材として、マスト下部64bとビーム62bとを用いるものであり、これらの下面に作動油タンク90、燃料タンク91が装着される。
マスト下部64bとビーム62bとは、ともにフレーム9を構成するサイドフレーム62より側方に突出した構成となっている。マスト下部64bはサイドフレーム62およびマスト部64に接続しており、マスト部64の剛性向上に寄与している。
作動油タンク90および燃料タンク91の上面には、螺孔を有する接続部96・96が設けられており、タンクの接続部に、マスト下部64bの底面およびビーム62bの底面を介して、ボルトを螺装することにより、タンクがマスト下部64bの底面およびビーム62bの底面に締結される構成となっている。接続部96は作動油タンク90および燃料タンク91の上面において左右方向に配設されており、一つの接続部に対して複数のボルトを螺装する構成となっている。接続部96がタンク上面において左右方向に配設されるので、タンクの外側端部に力がかかる場合においても、高い剛性を示すと共に、操縦者の乗降に対しても、タンクの耐久性を維持できる。
本実施例では、作業車両1のフレーム9の右側部に作動油タンク90が、左側部に燃料タンク91がそれぞれ配設されている。作動油タンク90と燃料タンク91とは、正面視階段状(L字状)に構成されており、下部が上部よりも側方(機体外側)に突出した形状となっている。これにより、高さが低くても十分なタンク容量を確保することができ、操縦部4の近傍において燃料タンク91および作動油タンク90をコンパクトに構成できる。
そして、操縦部4への乗降においてタンクの階段面をステップとして利用できる。また、作動油タンク90と燃料タンク91との角部には、それぞれ滑り止め94が装着され、乗降時の安定性を確保している。
【0051】
また、燃料タンク91は、注入口93を斜め外側上方に向けて凸設することも可能である。このような構成において、注入口93は燃料タンク91の上部91aと下部92bとの間に設けられている。そして、燃料タンク91外側部の直角に形成した部位に配設されている。燃料タンク91の上面にはバッテリ98が配設されている。バッテリ98はマスト下部64bとビーム62bとの間に配設されている。
このように、作動油タンク90および燃料タンク91を配設することにより、操縦部4への乗降時において、作動油タンク90および燃料タンク91を乗降用の階段として利用することができる。また、乗降時に作動油タンク90もしくは燃料タンク91を踏んで乗降するので、踏みつけた時の音により、作動油もしくは燃料量の変化を聴覚により認識することができる。そして、フレーム9の隙間を利用して、バッテリ98を配設することができ、フレーム9側方の空間を有効に利用することができる。
なお、燃料タンク91上に配設されるバッテリ98は作業車両1に装着されるカバーにより被装され、雨水や土砂より保護できる。
【0052】
[マスト部の配管]
次に、マスト部64の構成について説明する。
図19はマスト部の内部構成を示す側面一部断面図。
マスト部64は平面視L字形状に構成されており、フロントフレーム63の外側面に接続するとともに、マスト下部64bの上面に接続している。そして、マスト部64とフロントフレーム63との間に仕切り板64fが配設されている。仕切り板64fはマスト部64の内側において、マスト部64との間に空間を構成しており、マスト部64の剛性を向上させる構成となっている。そして、この空間を利用して配管79を配設する。
マスト部64の内側面とフロントフレーム63の外側面とにはそれぞれ対応する位置にボス80・80・80が配設されており、ローダー2の昇降装置を両持ちにより支持する構成となっている。仕切り板64fはボス80に沿って取付けられており、ボス80の支持剛性向上に寄与する構成となっている。仕切り板64fの上部には開口部64gが構成されており、マスト下部64bの上面には開口部64hが構成されている。仕切り板64fとマスト部64とで囲まれる空間を通る配管は、開口部64gおよび開口部64gから取り出されている。両持ちのマスト構造の間に仕切り板64fを設け、下面から配管をいれてマスト仕切り板64fの裏側面に配管を通し、仕切り板64f正面に開口部64gを設け、配管79を通すので、配管79の保護およびマスト部64近傍の空間を有効に利用でき、作業車両をコンパクトに構成できる。
【0053】
[マストの補強]
次に、マストの補強構造について説明する。
図20はマストの組立構成を示す図。
作業車両1のフレーム9において、マストはマスト部64と仕切り板64f、マスト下部64b、ボス80・80・・・により構成されており、作業車両1のシャシであるフレーム9の外側に張り出した構成となっている。
サイドフレーム62と一体的に構成されるフロントフレーム63の外側面に、マスト部64と仕切り板64fが接続されている。そして、内側のボス80はフロントフレーム63の外側面と仕切り板64fの内側部分とに接続し、外側のボス80はマスト部64の内側面と仕切り板64fの外側部分とに接続している。仕切り板64fは、マスト部64の内側面と、フロントフレーム63の上部側面とに接続しており、マストの補強プレートを兼ねる構成となっている。マスト下部64bは上面にマスト部64および仕切り板64fの下部を接続し、側面においてフロントフレーム63に接続している。
仕切り板64fはマストの十分な強度を確保すべく厚板により構成されており、側面視において、三角形状に構成されている。仕切り板64fはマスト部64と一体的に構成されるので、マスト部64の受ける応力をフロントフレーム63に伝達でき、マストの耐荷重性能を向上できる。
【0054】
[ボスの補強]
次に、ボス80の補強構成について説明する。
図21はボスの補強構成を示す図。図21(a)はボスの補強構成を示す斜視図、図21(b)はボスの補強構成を示す正面図。
ボス80はなだらかな山形状となっており、すそ部において左右のボス80・80を補強部材81により接続する。補強部材81はボス80の下側部分に接続するものであり、正面視において略U字状に構成されている。ボス80と補強部材81とは溶接により接続されるものであり、ボス80・80と補強部材91とが一体的に構成されている。また、ボス80を、補強部材81を接続した形状で、予め一体的に構成することも可能である。補強部材81はマスト部64の仕切り板64fの前面に取付けられ、左右のボス80・80にも接続する構成となっている。補強部材81は、中央のボス80・80以外に上下に配設したボス80に取付けることも可能である。
このように、ボス80に補強部材81を接続することにより、容易にボス80およびマスト部64の補強を行うことができる。
【0055】
[レバースタンドの取付け構成]
次に、作業車両1に配設されるレバースタンド85の構成について説明する。
図22はレバースタンドの取付け構成を示す斜め前方斜視図。
図23は同じく後方斜視図。
図24はレバースタンドとリアフェンダの取付け構成を示す図。
図25はレバースタンドの取付け構成を示す模式図。
図26はレバースタンドの組立構成を示す模式図。
図27はレバースタンドの正面図。
レバースタンド85は作業車両のフレーム9に取付けられ、操縦部4に配設される。レバースタンド85にはフロントローダ2などを操作する操作レバーが配設されており、これらのレバーはレバースタンド85に取付けられた油圧バルブユニット85bに接続している。油圧バルブユニット85bはレバースタンド85に固定され一体的に構成され、レバースタンド85をフレーム9に取付けた後に油圧配管を油圧バルブユニット85bに接続することにより、油圧機器のレバーによる操作が可能となる。
【0056】
レバースタンド85のレバー配設部位から後方に延出された部位にはメーターなどの電子部品アッセンブリ85cが装着されている。レバースタンド85には油圧操作レバーおよび油圧バルブユニット85b、それに電子部品アッセンブリ85cが一体化している。このため、丁寧な取り扱いが要求される部材をレバースタンド85に集約し、作業車両1の組立工程における作業性を向上でき、部品管理を容易に行うことができる。
電子部品アッセンブリ85cは、レバースタンド85の後方に延出された部位において、機体内側の面に配設されている。
レバースタンド85において、油圧バルブユニット85bの配管接続部および電子部品アッセンブリ85cの配設部が、機体内側に配設されるので、油圧バルブユニット85bおよび電子部品アッセンブリ85cのメンテナンスが容易となるとともに、組み付け時の配線や配管の作業が容易となる。
【0057】
レバースタンド85は下前部をサイドフレーム62より外側に延出されるビーム62bの上面に接続しており、下中央部および下後部をサイドフレーム62の上部に接続している。そして、電子部品アッセンブリ85c配設部位の近傍には、サイドフレーム62の上部より上後方に向けて延出されたステー62rが接続し、レバースタンド85の中央部を支持する構成となっている。
レバースタンド85の近傍には、後輪7を覆うリアフェンダ86が装着される。リアフェンダ86はビーム62bの後面およびレバースタンド85の後部に接続して、支持される。リアフェンダ86の前下部には接続部86bが設けられており、ビーム62bの後面に締結により固定される。そして、リアフェンダ86の上部にはステー86cが設けられており、レバースタンド85の後方に延出された部位に、プレート100を介して接続することにより、複数の部品との接続のズレを吸収し、組立性にも考慮した構成となっている。ステー86cはリアフェンダ86の上面より上方に延出された構成となっている。接続部材100は、下部をステー86cに接続した状態で、リアフェンダ86より作業車両機体内側方向に延出される形状となっている。そして、接続部材100の機体内側に向けて延出される部位が、レバースタンド85の後部に接続される。
フェンダ86は前端部においてビーム62bに固定され、中央部もしくは後部においてレバースタンド85を介してフレーム62に固定される。レバースタンド85がフェンダ86のステーを兼ねるので、作業車両1の後輪7付近の構成を簡便にすることができる。さらに、薄物板金部品であるリアフェンダ86の剛性も向上する。
すなわち、レバースタンド85がリアフェンダ86の支持部材を兼ねた構成となっており、作業車両1の構成部品点数を減少できる。そして、作業車両1のフレーム9においてステーの取付け数を減少できるので、製造工程における労力を軽減でき、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】作業車両の全体側面図。
【図2】作業車両のフレームを示す平面図。
【図3】同じく側面図。
【図4】同じく正面図。
【図5】作業車両フレームの上斜め前方よりの斜視図。
【図6】作業車両フレームの下斜め後方よりの斜視図。
【図7】フロントフレームとサイドフレームの接続構成を示す側面一部断面図。
【図8】作業車両フロント部分の構成を示す斜視一部断面図。
【図9】フレーム左側前部の構成を示す斜視図。
【図10】フレーム前下部の構成を示す斜視図。
【図11】同じく底面図。
【図12】サイドフレームの構成を示す側面図。
【図13】図12におけるB−B線断面図。
【図14】フレーム後部の構成を示す斜視図。
【図15】トランスミッションのフレームへの取付け構成を示す模式図。
【図16】リアアクスルの取付け構成を示す模式図。
【図17】タンクの取付け構成を示す斜視図。
【図18】同じく側面図。
【図19】マスト部の内部構成を示す側面一部断面図。
【図20】マストの組立構成を示す図。
【図21】ボスの補強構成を示す図。
【図22】レバースタンドの取付け構成を示す斜め前方斜視図。
【図23】同じく後方斜視図。
【図24】レバースタンドとリアフェンダの取付け構成を示す図。
【図25】レバースタンドの取付け構成を示す模式図。
【図26】レバースタンドの組立構成を示す模式図。
【図27】レバースタンドの正面図。
【符号の説明】
【0059】
1 作業車両
9 フレーム
62 サイドフレーム
62b ビーム
63 フロントフレーム
64 マスト部
64b マスト下部
66 パイプ
67 補強部材
68 後部補強材
69 下部補強材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のフレーム構造において、シャシ内側の前後方向中央に左右両側に設けるマスト部からミッション部まで前後方向に貫通するパイプを配設することを特徴とすることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項2】
作業車両のフレーム構造において、シャシ下面にトランスミッション取付け部からエンジンマウントまで貫通する補強材を設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項3】
作業車両のフレーム構造において、フレームの外側に張り出したマスト部の底面とフレーム側面とを接続する板体を設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項4】
作業車両のフレーム構造において、シャシのサイドフレームの下面折り曲げ部にミッション取付け板から、エンジンとミッション部を仕切るクロスメンバ部にまで側面視略三角形状であって、断面視逆L字形状の補強部材を溶接し箱断面を形成することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項5】
作業車両のフレーム構造において、リフトアーム取付けボスを両持ちとし、マスト仕切り板上面と左右ボスをつなぐU字状の補強部材を溶接固定することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項6】
作業車両のフレーム構造において、シャシ外側に張り出したマストの内側面と、サイドフレームの上部側面を繋ぐ補強プレートを設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項7】
作業車両のフレーム構造において、シャシの左右のローダマストを上部でつなぐ部材と、ラジエータのマウントの上部をつなぐ部材とを接続する部材を設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項8】
作業車両のフレーム構造において、上記部材にエンジンボンネットのステーのスライドガイドを一体的に構成することを特徴とする請求項7に記載の作業車両のフレーム構造。
【請求項9】
作業車両のフレーム構造において、シートマウントのベースを左右のサイドフレームの上面に繋がるように装着することによりクロスメンバとすることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項10】
作業車両のフレーム構造において、シャシフレームの中途部に平面視コの字形状の部材を装着し、該コの字形状部材の上部および下部に板体を装着し、該下部の板体にリアアクスルを固定することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項11】
作業車両のフレーム構造において、シャシフレーム側部から正面視L字状の板体をミッションの下面又は側面に延出し、該板体を介してトランスミッションを固定することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項12】
作業車両のフレーム構造において、アクスルケースにより構成される走行輪駆動部を持ち平面視門形形状に構成されるトランスミッションを含む駆動力伝達機構の該走行輪駆動部の端部とシャシフレーム側面とを、板状部材を介して接続することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項13】
作業車両のフレーム構造において、フレームに取付けられるレバースタンドがリアフェンダのステーを兼ねていることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項14】
前記レバースタンドに、該レバースタンドに配設されるレバーに接続した油圧バルブとともに、主要電装部品を集中的に取付け、一体化したことを特徴とする請求項13に記載の作業車両のフレーム構造。
【請求項1】
作業車両のフレーム構造において、シャシ内側の前後方向中央に左右両側に設けるマスト部からミッション部まで前後方向に貫通するパイプを配設することを特徴とすることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項2】
作業車両のフレーム構造において、シャシ下面にトランスミッション取付け部からエンジンマウントまで貫通する補強材を設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項3】
作業車両のフレーム構造において、フレームの外側に張り出したマスト部の底面とフレーム側面とを接続する板体を設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項4】
作業車両のフレーム構造において、シャシのサイドフレームの下面折り曲げ部にミッション取付け板から、エンジンとミッション部を仕切るクロスメンバ部にまで側面視略三角形状であって、断面視逆L字形状の補強部材を溶接し箱断面を形成することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項5】
作業車両のフレーム構造において、リフトアーム取付けボスを両持ちとし、マスト仕切り板上面と左右ボスをつなぐU字状の補強部材を溶接固定することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項6】
作業車両のフレーム構造において、シャシ外側に張り出したマストの内側面と、サイドフレームの上部側面を繋ぐ補強プレートを設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項7】
作業車両のフレーム構造において、シャシの左右のローダマストを上部でつなぐ部材と、ラジエータのマウントの上部をつなぐ部材とを接続する部材を設けることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項8】
作業車両のフレーム構造において、上記部材にエンジンボンネットのステーのスライドガイドを一体的に構成することを特徴とする請求項7に記載の作業車両のフレーム構造。
【請求項9】
作業車両のフレーム構造において、シートマウントのベースを左右のサイドフレームの上面に繋がるように装着することによりクロスメンバとすることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項10】
作業車両のフレーム構造において、シャシフレームの中途部に平面視コの字形状の部材を装着し、該コの字形状部材の上部および下部に板体を装着し、該下部の板体にリアアクスルを固定することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項11】
作業車両のフレーム構造において、シャシフレーム側部から正面視L字状の板体をミッションの下面又は側面に延出し、該板体を介してトランスミッションを固定することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項12】
作業車両のフレーム構造において、アクスルケースにより構成される走行輪駆動部を持ち平面視門形形状に構成されるトランスミッションを含む駆動力伝達機構の該走行輪駆動部の端部とシャシフレーム側面とを、板状部材を介して接続することを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項13】
作業車両のフレーム構造において、フレームに取付けられるレバースタンドがリアフェンダのステーを兼ねていることを特徴とする作業車両のフレーム構造。
【請求項14】
前記レバースタンドに、該レバースタンドに配設されるレバーに接続した油圧バルブとともに、主要電装部品を集中的に取付け、一体化したことを特徴とする請求項13に記載の作業車両のフレーム構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2007−112264(P2007−112264A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305075(P2005−305075)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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