説明

作業車両

【課題】変速レバーを操作しながらでも変速レバー以外の走行制御スイッチ群を操作できる作業車両を提供すること。
【解決手段】トラニオン軸92の回動角度を調整して出力するHST34と該HST34の出力を決める変速レバー20と、該変速レバー20のグリップ部20bにエンジン回転数を規定回転数にセット又はリセットする少なくとも1個のアクセルメモリのスイッチ101又は102と車速増速スイッチ103と減速スイッチ104と前記スイッチ101又は102でセットした回転数を増減するメモリ回転調整スイッチ105、106を設けた作業車両であり、HST34を変速レバー20で操作することで車両の走行速度を減速操作しても車速は減速できるが、高速での作業の場合にはスイッチ101又は102により一気にエンジン回転数を変更する方が車速差が大きく、ぎりぎりまで規定エンジン回転数での規定車速作業ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静油圧式無段変速装置と噛合式変速装置からなる変速装置を有する農業用、建築用、運搬用等のトラクタなどの走行車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、作業機上昇時にアクセル設定回転数に対してエンジン回転数を低減させる制御を特定の低速設定スイッチをオンすることで行う等の作業車両の走行制御を、変速レバー以外の、操縦席周りに設けたスイッチで行う構成が特開平8−246911号公報などで知られている。
【特許文献1】特開平8−246911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載のスイッチを用いる走行制御装置は、スイッチ操作を変速レバーの操作とは別個に行う必要があった。そのため変速レバーを操作しながらのスイッチ操作ができないという欠点があった。
本発明の課題は、変速レバーを操作しながらでも変速レバー以外の走行制御スイッチ群を操作できる作業車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(5)の動力をトラニオン軸(92)の回動角度を調整して出力する静油圧式無段変速装置(34)と該静油圧式無段変速装置(34)の出力を複数の変速段に変更して出力する噛合式変速装置(38)を含む変速装置と、静油圧式無段変速装置(34)のトラニオン軸(92)の回動角度を決めるトラニオン軸回動用油圧シリンダ(93)と、トラニオン軸回動用油圧シリンダ(93)の作動量を設定する変速レバー(20)と、該変速レバー(20)のグリップ部(20b)にエンジン回転数を規定回転数にセット又はリセットする少なくとも1個のアクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101又は102)と車速増速スイッチ(103)と減速スイッチ(104)と前記セット/リセットスイッチ(101又は102)でセットする回転数を増減するメモリ回転調整スイッチ(105、106)を設けた作業車両である。
【0005】
請求項2記載の発明は、静油圧式無段変速装置(34)の出力を車両の前進方向、中立又は後進方向に出力させるための前後進レバー(10)と、該前後進レバー(10)のグリップ部(10c)にエンジン回転数を規定回転数にセット又はリセットする少なくとも1個のアクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101’又は102’)を配置した請求項1記載の作業車両である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、静油圧式無段変速装置(34)を変速レバー(20)で操作することで車両の走行速度を減速操作しても車速は減速できるが、高速での作業の場合にはアクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101又は102)により一気にエンジン回転数を変更する方が車速差が大きく、ぎりぎりまで規定エンジン回転数での規定車速作業ができる。また、エンジン回転数を簡単に落とせることで、省エネルギー作業にもなる。
【0007】
増速スイッチ(103)と減速スイッチ(104)のスイッチ操作により最大車速を増減速して最高車速を自由に設定できる。
【0008】
また、メモリ回転調整スイッチ(105,106)は、アクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101又は102)でセットしたエンジン回転数を増減調整できるので、作業中など、車速変更による負荷変動に対する対応したり、又はエンジン回転数の調整により負荷変動に対する対応した操作を手を前記変速レバー(20)のグリップ部(20b)から離すことなく行うことができ、作業に合わせて、或いはオペレータの意図に合わせ、容易に選択できるので車両の操作性が良い。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前後進レバー(10)を操作しながら、アクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101’又は102’)でエンジン回転数を規定の回転数にセット/リセットできるので操作性が向上するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本明細書において作業車両の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後ろという。
作業車両の一例としてトラクタを例に以下説明する。図1に全体側面図、図2に図1のトラクタの平面図、図3は図1のトラクタの変速装置の動力線図、図4は該変速装置の制御ブロック図を示す。
【0011】
図1、図2に示すトラクタは機体の前後部に前輪2、2と後輪3、3を備え、機体の前部に搭載したエンジン5(図3)の回転動力を伝動ケース内の変速装置によって適宜減速して、これらの前輪2、2と後輪3、3に伝えるように構成している。
【0012】
機体の中央のハンドルポスト6にはステアリングハンドル7が支持され、その後方には操縦席9が設けられている。ステアリングハンドル7の下方には機体の進行方向を前後方向に切換える前後進レバー10が設けられている。この前後進レバー10を前側に移動させると機体は前進し、後方へ移動させると後進する。またハンドルポスト6を挟んで前後進レバー10の反対側にはアクセルレバー11が設けられ、またステップフロア13の右コーナ部にはアクセルペタル15と左右のブレーキペタル16,17が配置され、ステップフロア13の左コーナ部にはクラッチペダル19が配置されている。
【0013】
また、1速から8速まで変速段を選択可能な変速レバー20は操縦席9の左前方部にあり、低速、中速、高速及び中立のいずれかの位置を選択できる副変速レバー21はその後方にあり、さらにその後方に1〜3速と中立位置を選択できるPTO変速レバー23が設けられている。さらに操縦席9の右側には作業機(図示せず)の高さを設定するポジションレバー24と圃場の耕耘深さを自動的に設定する自動耕深レバー25、これらのレバー24,25の後ろに作業機の右上げスイッチ27と右下げスイッチ28が配置され、更にその後ろに自動水平スイッチ29(オンでトラクタの絶対水平位置(圃場面に対する水平でなく、地球の水平面に対して水平を保つ)とバックアップスイッチ30(オンで前後進レバー10が後進位置にあるとき作業機上げ用リンク31が作業機を上昇させる)が配置されている。また、機体の後方には作業機(図示せず)を連結する前記リンク31が設けられている。
【0014】
図3は、本実施例の静油圧式無段変速装置34を有するトラクタの走行伝動系を表した線図である。エンジン5の回転動力はペダル操作式のクラッチペダル19の踏み込みで作動するメインクラッチ32に伝えられた後、静油圧式無段変速装置入力軸33から静油圧式無段変速装置34に伝達される。静油圧式無段変速装置34は容量可変式の油圧ポンプ34aと定容量式の油圧モータ34bを備えた油圧閉回路34cを備えており、静油圧式無段変速装置入力軸33から導入された動力により油圧ポンプ34aを作動させて、油圧ポンプ34aに設けられた斜板34dの傾斜角度に応じた圧油を油圧閉回路34cから油圧モータ34bに供給し、該油圧モータ34bにより走行出力軸36を駆動させて噛合式の変速装置38へ動力を伝達させる。
【0015】
噛合式の変速装置38の副変速クラッチ39は図3の左右にスライド可能であり、図示する位置にあるときは走行出力軸36からの動力がギア41を介して高速段ギア42から副変速クラッチ39へ、該副変速クラッチ39から変速軸43のギア45に伝達され、変速軸43の回動がデフ装置46を介して後輪3が副変速高速段の走行速度で駆動される。
【0016】
また、副変速クラッチ39を図3に示す位置から右側に移動して、副変速クラッチ39が変速軸43のギア45と中速段ギア47に係止すると、走行出力軸36からの動力がギア41を介してギア49からギア50、ギア51及びギア47を順次経由して副変速クラッチ39へ伝達され、さらに該副変速クラッチ39から変速軸43のギア45に伝達され、変速軸43の回動がデフ装置46を介して後輪3が副変速中速段の走行速度で駆動する。
【0017】
副変速クラッチ39がさらに右側に移動して変速軸43のギア45と低速ギア55に係止すると、走行出力軸36からの動力がギア41を介してギア49からギア56へ、さらにギア56からギア57へ伝達され、ギア57と同軸のギア55から副変速クラッチ39へ、さらに該副変速クラッチ39から変速軸43のギア45に伝達され、変速軸43の回動がデフ装置46を介して後輪3が副変速低速段の走行速度で駆動される。
【0018】
また、副変速クラッチ39のスライド位置が左右いずれの側にあっても、変速軸43からの出力がギア53、59、60等を順次経由して前輪出力軸61に伝達される。このとき油圧クラッチ63が接続していると、デフ装置65を介して前輪2が後輪3と共に駆動する四輪駆動となり、また油圧クラッチ64が接続していると、前輪増速の四輪駆動となる。油圧クラッチ63と油圧クラッチ64が同時に接続することはなく、また油圧クラッチ63と油圧クラッチ64が共に接続していないと後輪3のみが駆動する二輪駆動となる。
【0019】
一方、静油圧式無段変速装置入力軸33から容量可変式の油圧ポンプ34aに入力された動力はポンプ出力軸66からPTO用の駆動系に伝達される。PTO用の駆動系にはPTO正逆クラッチ67とPTO副変速クラッチ68があり、トラクタが路上走行時は前記クラッチ67,68のいずれか一方または両方が非接続状態であり、作業機を駆動させるPTO駆動系は駆動されない。
【0020】
圃場内での作業機を用いる作業時は、アクセルレバー11を操縦者側(手前)に引いてエンジン回転数を定格回転数、または定格回転数以上から最大回転数の一定回転にしているので静油圧式無段変速装置入力軸33とポンプ出力軸66が同じ回転数で一定回転する。図3に示す状態は中立状態であり、ポンプ出力軸66と直結しているPTO軸69が共に回転する。
【0021】
PTO正逆クラッチ67を図示左方向にスライドさせるとPTO正逆クラッチ67がPTO軸69のギア70とギア71に噛合するので、PTO軸69の動力はギア70,PTO正逆クラッチ67,ギア71,ギア71a,ギア72,ギア74,ギア78,ギア77,ギア76を順次介してPTO伝達軸75を駆動させる(PTO逆転)。また、PTO正逆クラッチ67を図示右方向にスライドさせると、PTO軸69の動力はギア70,PTO正逆クラッチ67,ギア73,ギア77,ギア76を順次介してPTO伝達軸75を駆動させる(PTO正転)。
【0022】
ギア72と一体のギア74の駆動に連動するギア78からの動力もPTO伝達軸75に伝達され、PTO副変速クラッチ68が図示位置より最も左方向に移動した位置にあると、ギア79とギア80を介してギアドック81がPTO副変速クラッチ68に設けられたギアドック83と噛合してPTO駆動軸84によりPTO1速が得られる。またPTO副変速クラッチ68が図示位置から左または右方向に移動すると、それぞれの場合に噛合するPTO副変速低速段ギア85またはPTO副変速高速段ギア86に動力が伝達され、ギア85,ギア68a,PTO駆動軸84へ順次動力が伝達されるとPTO2速が得られ、また、ギア86,ギア68b,PTO駆動軸84へ順次動力が伝達されるとPTO3速が得られる。
【0023】
上記構成のトラクタは路上走行時にはクラッチペダル19を踏み込み、副変速レバー21を路上走行に適した位置(基本は高速位置であり、中速位置または低速位置にする場合もある)に設定する。次いで変速レバー20を任意の位置に移動する。変速レバー20は最低速1速から最高速8速まで選択可能であるが、路上走行時の基本は8速である。
【0024】
次いで前後進レバー10を前進側または後進側に移動し、クラッチペダル19をゆっくり離しながら(メインクラッチ32を接続して)アクセルペダル15を踏んでエンジン回転数を上げていく。このときアクセルペダル15を最大限に踏み込んでも、最大速度は変速レバー20の最大速度段(8速)の位置に規制される。
【0025】
また、圃場内での作業時はクラッチペダル19を踏み込んだ後、副変速レバー21を適宜の位置(基本は低速または中速位置)に設定する。次いで変速レバー20を任意の位置(作業の種類に応じて1速から8速まで選択可能)に移動し、前後進レバー10を前進位置に移動させる。アクセルレバー11を操縦者側(手前)に移動してエンジン回転数を定格回転数または定格回転数以上の最大回転数までの間に設定する。次いでクラッチペダル19を離しながら(メインクラッチ32を接続して)前進させる。このときエンジン回転数は定格回転数または定格回転数以上の最大回転数までの間に設定されるが、作業速度は変速レバー20の位置で規制される。
【0026】
上記のように、圃場内で作業機を使用する作業時にはアクセルペダル15は使用しないで、アクセルレバー11を用いる。また路上走行時にはアクセルペダル15を使用し、アクセルレバー11は使用しない。路上走行時はアクセルペダル15を操作することで自動車操縦時と同じ感覚で操縦でき、また圃場内での作業時はエンジン回転を一定に保持しなくてはならないため、アクセルペダル15では操縦が難しい。そこで前記作業時にはアクセルレバー11を操作し、かつ前記作業時にはアクセルレバー11から手を離しても元に戻らないので、操縦したアクセル位置に保持して一定エンジン回転数を保つことができる。
【0027】
図5にはハンドルポスト6と操縦席9付近の機体と変速レバー20のみの左側面図を示す。また図6には変速レバー20の基部付近の拡大図を示す。変速レバー20は1〜8速まで速度段を変更可能であり、各速度段に対応するポジション位置を検出できるポジションセンサ20aが該レバー20の基部に設けられている。前記ポジションセンサ20aの検出値はコントローラ90(図4)に出力される。
【0028】
また図7、図8には変速装置ケース91の平面図(図7(a)、図8(a))と該変速装置ケース91内に収納されている静油圧式無段変速装置34の平面図(図7(b)、図8(b))を示す。また図9には図8(a)の矢印A方向から見た変速装置ケース91の側面図を示す。図5〜図9に示すように静油圧式無段変速装置34のトラニオン軸92を回動させる油圧シリンダ93と変速装置ケース91の外部に突出した部分のトラニオン軸92を連結するリンク機構95を変速装置ケース91の外壁部分に取り付けている。
【0029】
油圧シリンダ93のピストンロッド93aの先端部に回動自在に一端を接続したアーム95aの他端を変速装置ケース91の外壁に回動自在に支持させ、さらに該アーム95aのもう一方の端部には該アーム95aの長手方向に直交する方向に設けたロッド95bの一端が回動自在に設けられ、さらにこのロッド95bの他端には回動自在な短いアーム95cを介してアーム95aと略平行な方向に長さ調節可能なロッド95dの端部を回動自在に連結する。該長さ調節可能なロッド95dの他端は回動自在に短いアーム95eの一端に連結し、該短いアーム95eの他端にはボス95fが固定している。
【0030】
ボス95fは、ボルト95pで軸95qに固定されている。軸95qは変速装置ケース91に対して回転自在に支持されており、軸95qの一端にはプレート95gが固着している。プレート95gの他端はリンクアーム95hにピン95rを介して回動自在に連結し、リンクアーム95hはトラニオン軸92と一体のカム95jに回動自在に連結している。ここで、カム95jはボス95sに固着し、ボス95sはボルト95tによりトラニオン軸92に固定されている。
【0031】
また、プレート95gとリンクアーム95hはピン95rにより連結されているが、該ピン95rによる連結部は軸95qを回動支点として変速装置ケース91に固定された扇状部材95kの円弧状の長穴95k1内を摺動自在になっており、またピン95rが長穴95k1内だけを摺動可能なためにカム95jの回動範囲もピン95rの摺動に連動する範囲内に規制される。
【0032】
上記リンク機構95により油圧シリンダ93の作動が前記アーム95aやロッド95dなどに連動してカム95jがトラニオン軸92と共に回動することになる。また、カム95jの側面が変速装置ケース91に支持されたローラ95mの側面に当接しながら油圧シリンダ93によりカム95jが回動する。
【0033】
図7に示す状態はトラニオン軸92が静油圧式無段変速装置34の油圧ポンプ34aの斜板34dを車両前進側に向けた状態を示しており、図8の変速装置ケース91の平面図(図8(a))と該変速装置ケース91内に収納されている静油圧式無段変速装置34の平面図(図8(b))に示す状態は静油圧式無段変速装置34の油圧ポンプ34aの斜板34dを中立位置に向けた状態を示しており、カム95jの凹部95j1に対してローラ95mが嵌り込む位置がトラニオン軸92の中立位置である。なお、ローラ95mは図8(b)のx方向からバネで押されている。また図10の変速装置ケース91の平面図(図10(a))と該変速装置ケース91内に収納されている静油圧式無段変速装置34の平面図(図10(b))を示す状態は静油圧式無段変速装置34の油圧ポンプ34aの斜板34dを後進側に向けて配置した状態を示している。
【0034】
図11は前後進レバー10の基部に設けたシフトスイッチ10a,10bの配置とその作動態様を示す図である。図11(a)と図11(c)には前後進レバー10が前進位置と後進位置にある場合の前後進レバー10の基部に設けた前進シフトスイッチ10aと後進シフトスイッチ10bが作動する配置図をそれぞれ示し、図11(b)には前後進レバー10が中立位置にある場合に前進シフトスイッチ10aと後進シフトスイッチ10bのいずれにも当接しない場合の配置図を示す。
【0035】
上記前後進レバー10の前進シフトスイッチ10aが作動するように前後進レバー10を中立位置から前進側に倒すと前進方向に動かす準備ができ、前後進レバー10の後進シフトスイッチ10bが作動するように前後進レバー10を中立位置から後進側に倒すと後進方向に動かす準備ができる。なお、車両の前進方向と後進方向への加速はあくまで変速レバー20で行う。
【0036】
また、図5に示す変速レバー20のポジションセンサ20aの検出値などを記憶するためのEEPROM90aをコントローラ90に配置しているので、まず、変速レバー20の現在位置に対応するポジションセンサ20aの出力値(T)とポジションセンサ20aの最低車速指示位置の値(A)と最高車速指示位置の値(B)をEEPROM90aに記憶させる。
【0037】
次いで、コントローラ90では次式(1)により、第一の値をトラニオン軸92の回動角度に対応したトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の全ストローク量に対する該油圧シリンダ93への出力割合として演算する。
油圧シリンダへの出力割合=(T−A)/(A−B) (1)
【0038】
こうして、上記式(1)で得られた第一の値に応じて油圧シリンダ93を作動させるが、そのとき得られるトラニオン軸ポジションセンサ92aの検出値の大きさは、トラニオン軸ポジションセンサ92aの全検出範囲、例えば0〜5ボルトの間のいずれかの電圧値に対応している。そこで、トラニオン軸ポジションセンサ92aの検出値はコントローラ90へ送信され、コントローラ90はトラニオン軸ポジションセンサ92aの前記検出値の大きさをトラニオン軸ポジションセンサ92aの全検出範囲の大きさに対する比率として求めて、これを第二の値とする。そして得られた第二の値が前記第一の値と等しくなるようにコントローラ90が制御し、第一の値と第二の値が等しくなるとトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の電磁バルブ(図示せず)への出力を停止する(シリンダ93内のオイルは漏れ出ることなく、出力停止した位置にシリンダピストンが保持される。)。
【0039】
一般に、変速レバー20のポジションセンサ20aの取付位置のバラツキと静油圧式無段変速装置34のトラニオン軸92の回動角度を関連付けるリンク機構95の組み付け時の誤差等によるバラツキが作業車両毎にある。
【0040】
しかし、本実施例により、変速レバー20の作動量に応じて決まるトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の作動量とトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の作動量で応じて決まるトラニオン軸92の回動角度の関係に関連部材の組み付け誤差等によるバラツキが生じても、このバラツキを吸収することができる。これを全ての作業車両で実施することで、精度の高い走行制御装置が得られる。
ただし、トラニオン軸ポジションセンサ92aからの信号が所定時間経過しても式(1)で算出した値にならないときは油圧シリンダ93への出力を停止して、警報を発する。
【0041】
トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の作動によるトラニオン軸92の回動位置を検出するポジションセンサ92a(図7)は回動軸93dの回動度合いを検出する構成である。ポジションセンサ92aはロッド95dの先端部のアーム95eの接続部とは反対側に回動自在に一端が設けられたアーム93cの他端に連結されている。これにより、ポジションセンサ92aはトラニオン軸92の動き(位置)を検出することになる。トラニオン軸92のポジションセンサ92aはトラニオン軸回動用油圧シリンダ93のピストンロッド93aの前進側の最大伸張設定位置に設けたストッパ93eと後進側の最少短縮設定位置に設けたストッパ93f(図9)の各設定位置をそれぞれトラニオン軸92の回動可能な範囲とする基準値とする。またカム95jの凹部95j1にローラ95mが嵌り込む位置をトラニオン軸92の中立位置とし、これも基準値とする。これらポジションセンサ92aで検出する各設定位置を基準位置としてコントローラ90のメモリ(EEPROM)90aに記憶させておく。
【0042】
また、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93のピストンロッド93aの前進側の最大伸張設定位置に設けたストッパ93eと後進側の最少短縮設定位置に設けたストッパ93fに接当するトラニオン軸ポジションセンサ92aの検出位置を基準位置としてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の回動範囲を制御することができるので、静油圧式無段変速装置34のトラニオン軸92の回動角度を関連付けるリンク機構95の組み付け時の寸法誤差等を吸収することができる。
【0043】
また、変速レバーポジションセンサ20aと前後進レバーシフトスイッチ10a,10bの状態に応じて、油圧シリンダ93を伸縮制御して車両を前後進させるが、アクセルレバー11の基部にスロットルセンサ11a(図4)を設け、スロットルセンサ11aの位置に応じてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の動作速度(パルスオンタイムの変更による)を変更する構成としても良い。
【0044】
図12(a)に示すように本実施例の変速レバー20のグリップ部20bにはエンジン回転数を規定回転数にセット又はリセットする操作部としてアクセルメモリAのセット/リセットスイッチ101とアクセルメモリBのセット/リセットスイッチ102、車速増速スイッチ103と減速スイッチ104と、アクセルメモリAのセット/リセットスイッチ101とアクセルメモリBのセット/リセットスイッチ102でセットするエンジン回転数を変更調整する変速側メモリ回転調整スイッチ105と減速側メモリ回転調整スイッチ106を設けた。
静油圧式無段変速装置34を用いると、変速レバー20により車速の増減速を自由に行える。圃場などでの作業中に作業負荷に合わせ微妙な車速操作をしながら、旋回操作時は安全に車速を落として作業することが望まれている。
【0045】
ここで、無段変速無段変速装置34を変速レバー20で操作することで車両の走行速度を減速操作すれば、車速は減速できるが、高速での作業の場合には一気にエンジン回転数を変更する方が車速差が大きく、ぎりぎりまで規定エンジン回転数での規定車速作業ができる。また、エンジン回転数を簡単に落とせることで、省エネルギー作業にもなる。
【0046】
ここで、前記アクセルメモリAのセット/リセットスイッチ101は、前記エンジン回転数を所定値Aにセットするため及び一旦セットされたエンジン回転数の所定値Aから通常(アクセルレバー11などで調整されている)のエンジン回転数に戻すためにリセットするスイッチである。
【0047】
同様にアクセルメモリBのセット/リセットスイッチ102は、前記エンジン回転数を所定値Bにセットするため及び、一旦セットされたエンジン回転数の所定値Bから通常(アクセルレバー11などで調整されている)のエンジン回転数に戻すためにリセットするスイッチである。
また、車速増速スイッチ103と減速スイッチ104、及び一対のメモリ回転調整スイッチ105,106の使用法については後述する。
【0048】
また前後進レバー10は、車両の前後方向に操作して走行速度を増速又は減速させる機能と、非操作位置では現在の走行速度を保持する(「中立」という)ための機能を備えた操作レバーであるが、その前後進レバー10のグリップ部10cに前記変速レバー20のグリップ部20bに設けたものと同様のアクセルメモリAのセット/リセットスイッチ101’と前記アクセルメモリBのセット/リセットスイッチ102’を配置する構成を採用しても良い(図12(b)参照)。
【0049】
このように変速レバー20及び/又は前後進レバー10のグリップ部20b,10cに走行制御用のスイッチ101、101’、102、102’を設けると、圃場などでの作業中は変速レバー20で車速を微調整しながら、旋回時などには簡単に車速変更を行うことができる。また前後進レバー10の前後進操作中にも車速の微調整を容易に行うことができる。
【0050】
また、変速レバー20のグリップ部20bに2系統のエンジン回転数のアクセルメモリA、Bのセット/リセットスイッチ101,102を設けているので、圃場などでの作業中又は旋回中のエンジン回転数をセットしておけば、規定の作業車速を決めた上で必要に応じて別の作業車速に変更でき、圃場内での作業中及び旋回中のエンジン回転数の変更調整を安全で効率的に行うことができ、作業能率も良くなる。
【0051】
また、メモリ回転調整スイッチ105,106は、アクセルメモリA,Bのセット/リセットスイッチ101,102でセットしたエンジン回転数を増減調整可能なスイッチであり、作業中など、車速変更による負荷変動に対する対応したり、又はエンジン回転数の調整により負荷変動に対する対応した操作を手を前記変速レバー20のグリップ部20bから離すことなく行うことができ、作業に合わせて、或いはオペレータの意図に合わせ、容易に選択できるので車両の操作性が良い。
【0052】
また、図12(a)に示す変速レバー20の操作用のガイド溝108として、2系統以上の平行に配置したガイド溝108a,108bに沿って操作できるように構成し、各々のガイド溝108a,108bで変速レバー20の最大操作時の車速が異なるように構成した。例えば、ガイド溝108a,108bの一方の系統では3km/h程度の低速とし、他方の系統では35km/h程度の最大車速のように構成しておけば、圃場内での作業中又は圃場間の路上走行中等において簡単な操作で車速制御ができる。
各々の変速レバー20の操作位置毎に最大車速を設定又は変更可能にすると、作業内容に合わせ最適な最大車速が設定されたガイド溝108を利用して変速レバー20を操作できる。
【0053】
また、図12(a)に示す変速レバー20の操作用のガイド溝108の一つにアクセル操作に応じて車速を変速できるガイド溝108cを設けてもよい。即ち、変速レバー20をガイド溝108の領域(イ)に移動させ、その後レバー20をガイド溝108c内を前側にしていくと、エンジン回転が上がると共に車速も速くなる。
【0054】
このようにガイド溝108cを利用すると、路上走行時に簡単な操作でアクセル変速が可能になる。
変速レバー20のグリップ部20bに増速スイッチ103と減速スイッチ104を設け、それらのスイッチ操作により最大車速を増減速して最高車速を自由に設定できる。
【0055】
また、変速レバー20のグリップ部20bの側面に設けた増速スイッチ103と減速スイッチ104を変速レバー20がレバーガイド溝108a又は108bの中間位置にある時に操作すると、そのとき設定していた最大車速位置が変更され、それに伴い変速レバー20の現在のレバーガイド溝108a又は108bの中間位置におけるレバー20の操作位置の割合分だけ車速が増減速する構成にしても良い。
【0056】
例えば、図13のように変速レバー20の操作位置が図示のレバーガイド溝108aの中間位置にある場合に、当該中間位置で車速を「4」から「3」へ減速スイッチ104を押して設定した場合にはそのガイド溝108aにおける最大車速が前記「4」に対応した「8」であったのを、「7」に変更する構成である。
この様な設定で、増速スイッチ103と減速スイッチ104を通常作業中の増減速微調整ボタンとしても利用できることになり、操作が簡単である。
【0057】
また、図12(b)に示すように前後進レバー10にもアクセルメモリA、Bのセット/リセットスイッチ101’、102’を設けているので、トラクタ作業の場合、頻繁に前後進レバー10を用いて行われる前後進操作を利用して、エンジン回転数の変更も可能にしておく。
【0058】
これは変速レバー20だけでの前進から後退までの幅広い操作では、ストローク幅が大きく過ぎて使いずらい場合とオペレータが感じた場合に場合には、良く使われる前後進レバー10も利用することで広範囲の走行速度制御を2つのレバー10,20で操作できるようになる。
【0059】
図14に示す実施例は、図7〜図10に示す静油圧式無段変速装置(HST)のトラニオン軸92の操作用の構成とは異なり、変速レバー20とトラニオン軸92をリンク機構で接続する場合の構成である。そして、少なくとも2つの歯車装置を使用した変速レバー20を操作できる構成にした。すなわち、変速レバー20によりトラニオン軸92を介して静油圧式無段変速装置(HST)34の斜板34d(図3)の傾斜角度を調節するが、変速レバー20と斜板34dを回動させるトラ二オン軸92に固定されたHSTアーム109の間に少なくとも、2つのギア111,112を設け、該一対のギア111,112の歯の組み合わせにより斜板34dの傾斜角度が調節される構成にした。
【0060】
従来の変速レバー20と斜板34dに固定されたHSTアーム109の間の連動機構(リンク機構)の構造は複雑で加工精度が厳しく、コスト高になってたが、上記構成ではギア111,112を使用しているため伝達効率が高く、粗い加工でも、操作が極めてスムーズに行え、さらにギア111,112の組み合わせにより容易に変速レバー20により斜板傾斜角度の調節が行える。
【0061】
変速レバー20と駆動ギヤ113は一体に固定され、駆動ギヤ113は中間ギア112に噛合し、中間ギア112をHSTギヤ111に噛合しており、HSTギヤ111がHSTアーム109とはロッド115により連結されている。
HSTギヤ111と噛合する中間ギヤ112はハウジングに軸支されている。そして変速レバー20を前後方向に操作すると、駆動ギヤ113、中間ギヤ112及びHSTギヤ111を順に介してHSTアーム109が正・逆回転して斜板34dの傾斜角度を調節することができる。
【0062】
また、図15(a)、図15(b)に示すように、駆動ギヤ113、中間ギヤ112及びHSTギヤ111の中の少なくとも2つの歯車を楕円形状とした構成にしても良い。この構成でも歯車装置を使用しているため伝達効率が高く、粗い加工でも、変速レバー20の操作が極めてスムーズに行え、さらにギア111,112,113の組み合わせにより容易に変速レバー20により斜板傾斜角度の調節が行える。
【0063】
前記少なくとも2つの歯車を楕円形状とすることにより、変速レバー20に対する中間ギヤ112とHSTギヤ111の半径を変更することができ、操作荷重を所望するレバー荷重に設定できる。これにより、軽すぎず、重すぎない操作荷重で、操作者に合ったユニバーサルデザインの変速レバー20の操作のための装置が得られる。
【0064】
また、図15(a)、図15(b)に示すように、駆動ギヤ113、中間ギヤ112及びHSTギヤ111の中の少なくとも2つの歯車を非円形形状とした構成にしても良い。この構成でも歯車装置を使用しているため伝達効率が高く、粗い加工でも、操作が極めてスムーズに行え、さらに歯車の組み合わせにより容易に変速レバー20により斜板傾斜角度の調節が行える。
この場合にも非円形ギヤ対を使用することにより、減速比を自由に変える事ができるので、操作者が所望する操作力(軽い方がよい、やや重い方がよい)を調節でき、かつ操作力をほぼ一定にすることが可能なレバー操作となる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明は、農業用、建築用、運搬用等のトラクタなどの作業車両の走行制御装置として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例のトラクタの左側面図である。
【図2】図1のトラクタの平面図である。
【図3】図1のトラクタの変速装置の動力線図である。
【図4】図1のトラクタの変速装置の制御ブロック図である。
【図5】図1のトラクタのハンドルポストと操縦席付近の機体と変速レバーのみの左側面図である。
【図6】図4の変速レバーの基部の拡大図である。
【図7】図1の前進時のトラクタの変速装置ケースの平面図(図7(a))と該変速装置ケース内に収納されている静油圧式無段変速装置の平面図(図7(b))である。
【図8】図1の中立時のトラクタの変速装置ケースの平面図(図8(a))と該変速装置ケース内に収納されている静油圧式無段変速装置の平面図(図8(b))である。
【図9】図8(a)の矢印A方向から見た変速装置ケースの側面図である。
【図10】図1の後進時のトラクタの変速装置ケースの平面図(図10(a))と該変速装置ケース内に収納されている静油圧式無段変速装置の平面図(図10(b))である。
【図11】図1のトラクタの前後進レバーが前進位置(図11(a))、中立位置(図11(b))及び後進位置(図11(c))のいずれの位置にあるのか前後進レバーの基部に設けたシフトスイッチの配置とその作動態様を示す図である。
【図12】本発明の一実施例の変速レバーの構成図(図12(a))と前後進レバーの構成図(図12(b))ある。
【図13】図12の変速レバーが変速レバーレバーガイド溝の中間位置にある構成図である。
【図14】本発明の一実施例の少なくとも2つの円形形状の歯車装置を使用した変速レバーの構成図である。
【図15】本発明の一実施例の少なくとも2つの非円形形状の歯車装置を使用した変速レバーの構成図(図15(a)、図15(b))である。
【符号の説明】
【0067】
2 前輪 3 後輪
5 エンジン 6 ハンドルポスト
7 ステアリングハンドル 9 操縦席
10 前後進レバー 10a 前進シフトスイッチ
10b 後進シフトスイッチ 10c グリップ部
11 アクセルレバー 11a スロットルセンサ
13 ステップフロア 15 アクセルペタル
16,17 ブレーキペタル 19 クラッチペダル
20 変速レバー 20a ポジションセンサ
20b グリップ部 21 副変速レバー
23 PTO変速レバー 24 ポジションレバー
25 自動耕深レバー 27 右上げスイッチ
28 右下げスイッチ 29 自動水平スイッチ
30 バックアップスイッチ 31 作業機上げ用リンク
32 メインクラッチ 33 静油圧式無段変速装置入力軸
34 静油圧式無段変速装置 34a 油圧ポンプ
34b 油圧モータ 34c 油圧閉回路
34d 斜板 36 走行出力軸
38 噛合式変速装置 39 副変速クラッチ
41 ギア 42 高速段ギア
43 変速軸 45 ギア
46 デフ装置 47 中速段ギア
49、50、51、53 ギア 55 低速ギア
56、57、59、60 ギア 61 前輪出力軸
63 油圧クラッチ 64 油圧クラッチ
65 デフ装置 66 ポンプ出力軸
67 PTO正逆クラッチ 68 PTO副変速クラッチ
68a、68b ギア 69 PTO軸
70、71、71a、72、73、74 ギア
75 PTO伝達軸 76、77、78、79、80 ギア
81、83 ギアドック 84 PTO駆動軸
85 PTO副変速低速段ギア 86 PTO副変速高速段ギア
90 コントローラ 90a EEPROM
91 変速装置ケース 92 トラニオン軸
92a ポジションセンサ 93 トラニオン軸回動用油圧シリンダ
93a ピストンロッド 93c アーム
93d 回動軸 93e、93f ストッパ
95 リンク機構 95a アーム
95b ロッド 95c アーム
95d ロッド 95e 短いアーム
95f ボス 95g プレート
95h リンクアーム 95j カム
95j1 凹部 95k 扇状部材
95k1 長穴 95m ローラ
95p ボルト 95q 軸
95r ピン 95s ボス
95t ボルト
101 アクセルメモリAのセット/リセットスイッチ
102 アクセルメモリBのセット/リセットスイッチ
103 車速増速スイッチ 104 車速減速スイッチ
105,106 メモリ回転調整スイッチ
108,108a,108b,108c ガイド溝
109 HSTアーム 111 HSTギア
112 中間ギア 113 駆動ギヤ
115 ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(5)の動力をトラニオン軸(92)の回動角度を調整して出力する静油圧式無段変速装置(34)と該静油圧式無段変速装置(34)の出力を複数の変速段に変更して出力する噛合式変速装置(38)を含む変速装置と、
静油圧式無段変速装置(34)のトラニオン軸(92)の回動角度を決めるトラニオン軸回動用油圧シリンダ(93)と、
トラニオン軸回動用油圧シリンダ(93)の作動量を設定する変速レバー(20)と、
該変速レバー(20)のグリップ部(20b)にエンジン回転数を規定回転数にセット又はリセットする少なくとも1個のアクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101又は102)と車速増速スイッチ(103)と減速スイッチ(104)と前記セット/リセットスイッチ(101又は102)でセットする回転数を増減するメモリ回転調整スイッチ(105、106)を設けたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
静油圧式無段変速装置(34)の出力を車両の前進方向、中立又は後進方向に出力させるための前後進レバー(10)と、該前後進レバー(10)のグリップ部(10c)にエンジン回転数を規定回転数にセット又はリセットする少なくとも1個のアクセルメモリのセット/リセットスイッチ(101’又は102’)を配置したことを特徴とする請求項1記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−223865(P2008−223865A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62247(P2007−62247)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】