説明

供給搬出システム

【課題】
トラバーサ台車の移動時間を短縮し、物品の供給搬出回数を増す。
【構成】
カセット内に収納された複数の物品を、1物品ずつ処理装置へ供給搬出する。一列に配置された複数のカセット載置台にカセットを載置し、カセット載置台と処理装置のステーションとの間に渡って、直線経路上をトラバーサ台車を移動させる。さらにトラバーサ台車上を移動自在なスライドコンベヤを設け、コントローラによりトラバーサ台車とスライドコンベヤとを同時に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は供給搬出システムに関し、特に物品を供給搬出する速度の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイの基板、プラズマパネルディスプレイの基板、太陽電池の基板等の物品を、処理装置に1枚ずつ供給搬出するシステムが知られている(特許文献1:JP2004-168483A)。特許文献1では、カセットと処理装置のステーションとの間に、スカラアーム等の移載装置を搭載した台車を配置し、台車をカセットとステーションとの間で走行させ、移載装置により物品を移載する。しかしながら基板の大形化に伴い供給搬出速度が低下し、処理装置側での処理に追随できない場合がある。そこで発明者は、より短時間で物品を供給搬出できるようにすることを検討し、この発明に到った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】JP2004-168483A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、供給搬出システムでの物品の移動時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、カセット内に収納された複数の物品を、1物品ずつ処理装置へ供給搬出する供給搬出システムであって、
一列に配置された複数のカセット載置台と、
処理装置のステーションと、
前記複数のカセット載置台と処理装置のステーションとの間に渡って、直線経路上を移動するトラバーサ台車と、
物品の移載装置を備え、前記トラバーサ台車に搭載されると共に、トラバーサ台車上を前記直線経路と平行に移動するスライドコンベヤと、
前記トラバーサ台車と前記スライドコンベヤとを同時に移動させるように制御する、コントローラとを備えたことを特徴とする。
【0006】
この発明では、トラバーサ台車の移動とスライドコンベヤの移動とを同時に行うことにより、物品の移動時間を短縮する。スライドコンベヤに搭載する移載装置の種類は、実施例のローラコンベヤの他に、空気圧を利用した浮上搬送装置、スカラアーム、スライドフォーク等がある。
【0007】
好ましくは、コントローラは少なくとも今回の目的地と次回の目的地とを把握し、次回の移動開始前に、次回の目的地に応じてスライドコンベヤの位置を変化させる。例えば、今回のストローク(移動距離)が長く、次回の移動距離が短い場合、次回の移動でスライドコンベヤのストロークが占める割合を大きく、トラバーサ台車のストロークが占める割合を小さくする。スライドコンベヤは短い距離を短時間で移動するのに適しているので、距離が短い移動にスライドコンベヤのストロークを優先的に割り当てると、今回と次回の合計移動時間を短縮できる。さらにストロークの長い今回の移動でスライドコンベヤを逆向きに移動させると、次回の移動でのスライドコンベヤのストロークを長くできる。これは今回の移動距離が長く、次回の移動距離が短い際に有効である。またステーションで物品の搬出を待つなどの待機時間に、トラバーサ台車を次回の目的地側へ移動させ、これと同じ距離だけスライドコンベヤを逆向きに移動させておくと、今回の移動でスライドコンベヤのストロークを長くできる。すると次回の移動での、トラバーサ台車のストロークを短縮でき、移動時間を短くできる。
【0008】
また好ましくは、カセット載置台を、物品供給カセット用と、物品排出カセット用と、予備のカセット用との間で切替自在に、少なくとも3個設ける。予備のカセットは次の物品供給カセットあるいは次の物品排出カセットとなり、また物品供給カセットは空になると次の物品排出カセットになる。このようにすると、常時物品の供給カセットと排出カセットとを使用でき、新たなカセットの到着待ちで待機する時間が生じない。
【0009】
さらに好ましくは、コントローラは、今回の移動方向と次回の移動方向が逆向きの場合、今回の移動時間を最短にするように、トラバーサ台車とスライドコンベヤとを制御する。今回の移動方向と次回の移動方向が逆向きの場合、今回の移動を最短時間で行うようにスライドコンベヤとトラバーサ台車とを移動させると、結果的に次回の移動でスライドコンベヤのストロークも確保される。従って次回の移動も最短時間で実行できる。なお最短時間とは、ストロークの調整のために、トラバーサ台車あるいはスライドコンベヤの速度を制限する場合に比べて、最短時間との意味である。
【0010】
また今回の移動方向と次回の移動方向が同じ向きの場合、ストロークが短い方の移動に、スライドコンベヤのストロークを優先的に割り当てることが好ましい。一般に、スライドコンベヤは加減速度は大きいが上限速度は小さく、移動可能なストロークに制限がある。一方、トラバーサ台車はストロークに制限が無く、加減速度は低いが、上限速度は大きい。なお各移動での最高の速度を「最高速度」とし、「最高速度」の制限値を上限速度とする。ストロークが短いと、トラバーサ台車は上限速度に達せず、低速で走行するトラバーサ台車のストロークをスライドコンベヤに割り振ることにより、移動時間を短縮できる。そこでトラバーサ台車の最高速度が低い側の移動、通常の場合、ストロークが短い側の移動に、スライドコンベヤが移動可能なストロークを優先的に割り当てることが好ましい。なお今回のストロークが長く、次回の移動距離が短い場合に、今回の移動でスライドコンベヤを逆向きに移動させる例を説明した。これは、今回の移動でのスライドコンベヤのストロークを負にし、次回の移動でスライドコンベヤに優先的にストロークを割り当てる例である。

【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例の供給搬出システムの要部ブロック図
【図2】実施例でのトラバーサ台車の側面方向断面図
【図3】実施例でのカセットステーションの要部正面図
【図4】実施例での台車コントローラのブロック図
【図5】実施例で、トラバーサ台車とスライドコンベヤとの速度パターンを生成するアルゴリズムを示すフローチャート
【図6】変形例でのトラバーサ台車の移動を示す図で、1)はステーションAでの停止状態を、2)はステーションBでの停止状態、3)はステーションCでの停止状態を示す
【図7】第2の変形例でのトラバーサ台車の移動を示す図で、1)でステーションへ物品を搬入し、2)で待機時にトラバーサ台車を前進させ、3)でステーションから物品を搬出し、4)で次の目的地へ移動する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
【実施例】
【0013】
図1〜図7に、実施例とその変形とを示す。図において、2は供給搬出システムで、処理装置4のステーション5とカセットステーション20との間で、液晶ディスプレイの基板などの物品を1物品ずつ供給搬出する。またこれ以外にカセットステーション20間でも、1物品ずつ供給搬出し、処理装置4はステーション5を1個あるいは複数個備えている。図1の鎖線で、供給搬出システム2の範囲を示す。6はスタッカークレーンで、走行レール7に沿って走行し、マスト9に沿って昇降する昇降台8に移載装置10を設けて、液晶ディスプレイ基板のカセット21などを、カセットステーション20との間で移載する。12は生産管理コントローラで処理装置4などを管理する。14は搬送コントローラで、スタッカークレーンコントローラ16を介して、スタッカークレーン6を制御すると共に、供給搬出システムコントローラ18を介して、供給搬出システム2を制御する。
【0014】
供給搬出システム2には、例えば4個あるいは3個などのカセットステーション20が1直線上に並べられ、カセットステーション20とステーション5との間にトラバーサ台車22の走行レール23が一直線状に配置してある。トラバーサ台車22はスライドコンベヤ24を搭載し、25はネジ軸で、スライドコンベヤ24を走行レール23と平行に、トラバーサ台車22に対して移動させる。26は機上レールで、スライドコンベヤ24は図2の車輪34により機上レール26に沿って移動し、28は移動モータで、ネジ軸25を回転させる。30は機上コントローラで、供給搬出システムコントローラ18と通信し、トラバーサ台車22とスライドコンベヤ24の走行並びに移載制御を行う。
【0015】
図2にトラバーサ台車22の構造を示し、32は走行モータで、台車の走行車輪33を駆動し、スライドコンベヤ24は走行車輪34を備えて、機上レール26に沿って移動する。35はナットで、スライドコンベヤ24に取り付けられ、ネジ軸25と組み合わされている。36は、液晶ディスプレイ,プラズマパネルディスプレイ,太陽電池などの基板で、基板の種類は任意である。スライドコンベヤ24はローラ37から成るローラコンベヤを備えて、基板36をカセット21とステーション5との間で1枚ずつ移載する。なおローラコンベヤに代えて、浮上搬送装置あるいはスカラアームなどをスライドコンベヤ24に搭載してもよい。またカセット21とステーション5との間で基板36の向きを反転させるために、スライドコンベヤ24にターンテーブルを設けてもよい。
【0016】
図3はカセットステーション20の構造を示し、40は支持部で、カセット21を支持し、ガイド41に沿って昇降する。42はローラで、カセット21からの基板36の搬出入を行い、カセット21を支持部40で上昇させることにより、スタッカークレーン6との間で移載が可能になる。カセット21を支持部40で基板36の1枚分ずつ昇降させることにより、ローラ42により基板36を1枚ずつ搬出入することが可能になる。なおカセットステーション20の構造、特に移載装置の種類自体は任意である。
【0017】
図4に、トラバーサ台車22とスライドコンベヤ24の制御とを示す。供給搬出システムコントローラ18は、受信バッファ50を備え、搬送コントローラ14からの搬送指令を記憶する。なお搬送指令の単位は、例えば台車22の1回の移動とそれに伴う物品の搬出入とする。ストロークテーブル51には、台車22が移動する出発地と目的地との組み合わせ毎に、台車22の目標ストローク(ストロークの理想値)と、スライドコンベヤ24の目標ストロークとが記載されている。ここで目標ストロークは、目的地と出発地との間の距離をこのストロークに従って台車22とコンベヤ24とに分配すると、最短時間で移動できるストロークである。台車22の出発地と目的地は、カセットステーション20と処理装置のステーション5とに限られ、例えばこれらの組み合わせ毎に目標ストロークをテーブル51に記載する。なおストロークテーブル51ではステーションAからBへの移動と、逆のステーションBからAへの移動とを同じデータとして記憶してもよい。また移動距離が等しいものは、同じデータとして記憶してもよい。
【0018】
台車状態テーブル52は、トラバーサ台車22の現在位置、即ちトラバーサ台車22の車体長方向の中心位置と、スライドコンベヤ24の現在位置、即ちトラバーサ台車22に対するスライドコンベヤ24の現在位置とを記憶する。これ以外に例えばスライドコンベヤ24が移動可能なコンベヤストロークを記憶してもよいが、スライドコンベヤの位置が判明するとこのストロークが判明するので、コンベヤストロークを省略してもよい。
【0019】
カセットステーションテーブル53は4個のカセットステーション20の割り当てを記憶する。例えば図4では1番目のカセットステーションが供給用、2番目のカセットステーションが良品の搬出用、3番目のカセットステーションが不良品の搬出用、4番目のカセットステーションが予備で、次に基板を供給するカセットが載置されている。カセット管理部56は、基板の搬送指令の実行結果から、各カセット内の基板枚数を記憶し、例えば供給用のカセットが空になると、これを良品もしくは不良品の搬出用のカセットに切り替え、予備のカセットを供給用のカセットに切り替える。例えば空になったカセットを良品の搬出用に割り当てると、カセット管理部56は、現在の良品搬出用のカセットを搬出し、予備のカセットと置き換えることを、スタッカークレーンコントローラ16へ依頼する。上記の例では、カセット21は予備の物品供給用カセットとして載置され、次いで供給用カセットに割り当てられ、その後に良品もしくは不良品の搬出用カセットとして割り当てられる。しかしながら空のカセットを予備のカセットとして搬入し、良品もしくは不良品の搬出に利用してもよい。
【0020】
実施例では、供給用のカセットからステーション5へ基板を搬送し、処理装置4内で基板の検査と処理とを行い、基板を良品と不良品とに判別する。また処理装置4を経由せずに、供給用のカセットから、予め良/不良を判別済みの基板を、良品用のカセットと不良品用のカセットとに供給する。このため搬出用のカセットが良品用と不良品用の2個であるが、良品と不良品との判別を行わない場合等は、予備,供給,搬出の3個のカセットステーションでよい。
【0021】
ストローク制御部54は、今回の移動での目的地と次回の移動での目的地とを考慮し、今回の移動でのトラバーサ台車22とスライドコンベヤ24とのそれぞれのストロークを決定する。速度パターン作成部55は、決定されたストロークに従い、トラバーサ台車とスライドコンベヤの速度パターンを作成し、例えば機上コントローラ30内のサーボ系58,59に速度パターンを引き渡す。なお図4のコントローラ18の各機能を機上コントローラ30に移してもよい。
【0022】
図5〜図7に実施例の動作を示す。供給搬出システムコントローラ18は次の2回分の目的地を受信バッファ50などから読み出し、2回の移動での移動方向が同じか逆かを判別する。移動方向が逆の場合、それぞれの移動を最短時間で実行するように、トラバーサ台車22とスライドコンベヤ24とを制御する。移動の出発地から目的地までのストロークを、トラバーサ台車とコンベヤとにどのように配分すると最短時間で移動できるかが、ストロークテーブル51に記載されている。最短時間で移動するためのストロークが目標ストロークである。
【0023】
今回と次回の移動方向が逆として、今回の移動ではコンベヤが目標ストローク分移動できないことがある。この場合、移動可能なストロークを越える分を、トラバーサ台車のストロークへ割り当てる。なお2回目の移動でも、スライドコンベヤが移動可能なストロークが目標ストロークに達しない場合、同様に不足分をトラバーサ台車のストロークへ割り当てる。そして速度パターン作成部55で、最初の移動についてスライドコンベヤとトラバーサ台車のそれぞれに対し速度パターンを作成し、待機等が終了し、移動の開始が可能になった時点で、サーボ系へ速度パターンを入力する。なお待機は、ステーション5とカセットステーション20などとの間での基板の受け渡しが終わるのを待つこと等である。
【0024】
2回の移動方向が逆の場合、最初の移動でスライドコンベヤを移動させることにより、次の移動でのスライドコンベヤのストロークを長く取れる。これに対して2回の移動での移動方向が同じ場合、スライドコンベヤのストロークを第1回の移動と第2回の移動にどのように割り当てるかが問題となる。移動方向が同じ場合、次の2回の移動での台車とコンベヤとの目標ストロークをストロークテーブル51から読み出し、2回の移動での台車の最高速度の差が所定値以下か、一方が他方より所定値以上大きいかどうかを判別する。台車の最高速度の差が所定値以下の場合、スライドコンベヤのストロークを例えば移動距離の比に応じて分配する。
【0025】
2回の移動で台車の最高速度の差が所定値以上であるのは、ストローク(移動距離)が異なり、一方のストロークが長く、他方のストロークが短い場合である。最高速度が異なる場合、ストロークが短いため台車が最高速度が低い側に、即ちスライドコンベヤを用いることが有効な側に、スライドコンベヤのストロークを優先的に割り当てる。そしてスライドテーブルに記載の目標ストロークを割り当てると、最短時間で走行できる。このため次の移動では、スライドコンベヤの残りのストロークを割り当てることになる。以上の処理の後に、結合子Aから移動方向が逆の場合の処理に移行する。
【0026】
図6,図7は図5のアルゴリズムに対する変形を示している。図5のアルゴリズムでは、移動方向が同じ場合、スライドコンベヤが移動可能なストロークを次の2回の移動に分配した。ここで極端な場合、最初の移動でのスライドコンベヤのストロークを負にしてもよい。これは最初の移動での移動距離が充分長く、次の移動での移動距離が短い場合に適している。このような例を図6に示す。1)でトラバーサ台車22はステーションAとの移載位置で停止している。2)で次のステーションBへ向かって移動し、移動方向は図の左から右側とする。このとき、スライドコンベヤ24は逆走し、次回の移動でのストロークを確保する。そして3)で次のステーションCとの移載位置で停止し、ステーションBへの移動の間にスライドコンベヤ24を逆走させることによって得たストロークを利用し、ステーションBからステーションCへの移動時間を短縮する。これはステーションA,B間の距離が長く、ステーションB,C間の距離が短い場合に適している。
【0027】
図7はステーションでの停止時に、トラバーサ台車22とスライドコンベヤ24とに待機時間がある場合の処理を示す。図7の1)で、処理装置4のステーション5へスライドコンベヤ24から基板を搬入する。次にステーション5から基板を受け取るのを待つ間に、例えばトラバーサ台車22とスライドコンベヤ24とを逆方向に同じ距離だけ移動させ、2)のように位置を調整する。3)でステーション5から基板の搬出を受け、4)で次の目的地ステーションへ向けて走行する。2)の段階でスライドコンベヤ24が移動可能なストロークを長くしたので、4)の移動時間を短縮できる。
【0028】
実施例では以下の効果が得られる。
(1) トラバーサ台車とスライドコンベヤとを同時に移動させることにより、移動時間を短縮できる。このため基板の大形化に対応でき、ステーション5の付近で基板を移動させるルートが多数生じた場合に、移動距離の長いルートにも対応できる。
(2) 今回の目的地と次回の目的地とを把握し、次回の目的地に応じて事前にスライドコンベヤの位置を変化させると、スライドコンベヤのストロークを長くとることができ、移動時間をさらに短縮できる。
(3) 今回の移動方向と次回の移動方向が逆向きの場合、それぞれの移動を最短時間で実行するように制御すると、簡単な制御で高速で移動できる。
(4) 今回の移動と次回の移動とで移動方向が同じ場合、ストロークが短くトラバーサ台車の最高速度が低い側の移動に、スライドコンベヤのストロークを優先的に割り当てる。するとストロークが短いため、台車が低速でしか移動できない区間を、高速で移動できる。
(5) 台車が移動する区間毎に、ストロークの割り当ての最適値を記載したテーブルを設けると、処理が簡単になる。
(6) 2回続けて同じ方向に移動し、最初のストロークが長い際に、トラバーサ台車を最初の移動で逆方向に移動させると、次回の移動でトラバーサ台車をより有効に活用でき、移動時間を短縮できる。
(7) トラバーサ台車の待機時に、次回の移動に合わせスライドコンベヤの位置を調整すると、次回の移動時間を短縮できる。

【符号の説明】
【0029】
2 供給搬出システム
4 処理装置
5 ステーション
6 スタッカークレーン
7 走行レール
8 昇降台
9 マスト
10 移載装置
12 生産管理コントローラ
14 搬送コントローラ
16 スタッカークレーンコントローラ
18 供給搬出システムコントローラ
20 カセットステーション
21 カセット
22 トラバーサ台車
23 走行レール
24 スライドコンベヤ
25 ネジ軸
26 機上レール
28 移動モータ
30 機上コントローラ
32 走行モータ
33,34 走行車輪
35 ナット
36 基板
37 ローラ
40 支持部
41 ガイド
42 ローラ
50 受信バッファ
51 ストロークテーブル
52 台車状態テーブル
53 カセットステーションテーブル
54 ストローク制御部
55 速度パターン作成部
56 カセット管理部
58,59 サーボ系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセット内に収納された複数の物品を、1物品ずつ処理装置へ供給搬出する供給搬出システムであって、
一列に配置された複数のカセット載置台と、
処理装置のステーションと、
前記複数のカセット載置台と処理装置のステーションとの間に渡って、直線経路上を移動するトラバーサ台車と、
物品の移載装置を備え、前記トラバーサ台車に搭載されると共に、トラバーサ台車上を前記直線経路と平行に移動するスライドコンベヤと、
前記トラバーサ台車と前記スライドコンベヤとを同時に移動させるように制御する、コントローラとを備えることを特徴とする、供給搬出システム。
【請求項2】
前記コントローラは、少なくとも今回の目的地と次回の目的地とを把握し、次回の移動開始前に、次回の目的地に応じてスライドコンベヤの位置を変化させることを特徴とする、請求項1の供給搬出システム。
【請求項3】
前記カセット載置台を、物品供給カセット用と、物品排出カセット用と、予備のカセット用との間で切替自在に、少なくとも3個備えていることを特徴とする、請求項1または2の供給搬出システム。
【請求項4】
前記コントローラは、今回の移動方向と次回の移動方向が逆向きの場合、今回の移動時間を最短にするように、トラバーサ台車とスライドコンベヤとを制御し、今回の移動方向と次回の移動方向が同じ向きの場合、ストロークが短い方の移動に、スライドコンベヤが移動可能なストロークを優先的に割り当てることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの供給搬出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−38832(P2012−38832A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175933(P2010−175933)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(309031466)ムラテックオートメーション株式会社 (52)
【Fターム(参考)】