説明

保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物

【課題】 皮膚外用剤、機能性経口組成物などの分野に幅広く応用が可能な保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤を提供する。
【解決手段】 保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用に優れた成分を見出すために、天然由来の種々の成分について検討を行なった結果、ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物抽出物を有効成分として配合することにより、保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤を提供することができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然由来成分を有効成分とする保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物に関する。さらに詳しくは、ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物またはその抽出物を含有する保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢、疾患、ストレス、紫外線などによるシワ、シミ、皮膚の弾力低下といった皮膚症状の要因として、乾燥、細胞機能機能低下、紫外線によるメラニン産生や色素沈着、真皮マトリックス成分の減少や変性、紫外線等による細胞の酸化障害などが挙げられる。このような皮膚症状を防止・改善するために、様々な有効成分の検索及び配合検討がなされてきた。特に天然由来成分は、様々な薬理作用や美容効果を有することが知られ、これまでにも数多くの植物や菌類などの抽出物の皮膚外用剤、経口組成物への応用が検討されてきた。
【0003】
例えば、保湿効果と安全性に優れた保湿剤としてユリアニア科植物の抽出物(特許文献1参照)、アブラナ科ピディウム属植物の抽出物(特許文献2参照)、キク科ハマグルマ属植物の抽出物(特許文献3参照)、カエデ属植物の抽出物(特許文献4参照)、ヒソップ植物の抽出物(特許文献5参照)、ノボタン科植物の抽出物(特許文献6参照)、ハリブキ属植物の抽出物(特許文献7参照)が開示されている。皮膚の老化防止、改善作用を有する皮膚外用剤を得るために、真皮線維芽細胞の賦活あるいは増殖促進作用を有する成分としてポンカンのエッセンス(特許文献8参照)、ツリガネニンジン属植物の抽出物(特許文献9参照)、クロレラ抽出物(特許文献10参照)、ビワ抽出物(特許文献11参照)、抗酸化剤としてはサルオガセ科サルオガセ属植物の抽出物(特許文献12参照)が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−209223号公報
【特許文献2】特開2001−39854号公報
【特許文献3】特開2002−20262号公報
【特許文献4】特開2003−113068号公報
【特許文献5】特開2004−262862号公報
【特許文献6】特開2006−69939号公報
【特許文献7】特開2007−77072号公報
【特許文献8】特開2001−131045号公報
【特許文献9】特開2000−178198号公報
【特許文献10】特開平11−335293号公報
【特許文献11】特公平5−17206号公報
【特許文献12】特開平10−182413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、これまでに様々な天然由来成分が応用されている。しかし、天然由来成分の中には、未だその効果が知られていないものも数多く存在し、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用などを有する有効成分の開発が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、天然由来の種々の成分について検討を行った結果、従来はその効果が知られていなかったユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物またはその抽出物に優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用が存在することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤に関する。
【0008】
別の発明は、ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤に関する。
【0009】
さらに別の発明は、ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を含有することを特徴とする機能性経口組成物に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とすることにより、優れた効果を有する保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤を提供することができる。
【0011】
これらの保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤を皮膚外用剤および経口組成物に配合することにより、シワ、タルミ、皮膚の弾力低下、シミ、くすみいった種々の皮膚症状の発現防止や改善に優れた効果を発揮する、様々な組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物としては、白い花弁が発達し、岩手県を南限とし、北海道全域からサハリン、千島列島、カムチャツカ半島に分布するオオバナノエンレイソウ(Trillium kamtschaticum)、花弁を欠き、地下茎が太く日本全土に分布するエンレイソウ(Trillium smallii)、花は白から桃色で観賞用として庭園に栽植され北米東部に分布するヨウシュエンレイソウ(Trillium grandiflorum)、白い花弁が発達し、日本全土に分布するシロバナエンレイソウ(Trillium tschonoskii)等が知られている。
【0013】
これらの植物は、単独で用いられるほか、2種を組み合わせて使用することもできる。
本発明は、ユリ科エンレイソウ属植物であれば特に限定されないが、入手が比較的容易などの理由から、適当なものとして、オオバナノエンレイソウ(Trillium kamtschaticum)が挙げられる。
【0014】
これらユリ科エンレイソウ属植物を使用する際は、その使用部位には特に制限はなく、根、茎、葉、花などの任意の部分を使用することができる。複数の部位を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
それらはそのまま粉砕して使用することもできるが、それらの部位からの抽出物を用いることが好ましい。
【0016】
抽出には、ユリ科エンレイソウ属植物のいずれの部位を用いても構わないが、簡便に利用するには、全草、葉、茎などを用いるとよい。その際、複数の部位を用いて抽出物を得るようにしてもよい。また、異なる溶媒を用いて抽出された抽出物を2種以上混合して用いてもよい。
【0017】
抽出の際は、植物を生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。
【0018】
抽出は、任意の抽出溶媒に所定時間浸漬して行うことができる。抽出溶媒は、必要に応じて加熱してもよい。あるいは、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌したり抽出溶媒中でホモジナイズしたりしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0019】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができる。これらは、単独で用いられるほか、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界液体や亜臨界液体を用いてもよい。
【0020】
ユリ科エンレイソウ属植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、一定期間そのまま放置して熟成させて用いてもよいし、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもできる。或いは、これらの生理作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理や、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。ユリ科エンレイソウ属植物の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0021】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物は、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用を有し、保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤として利用することができる。
【0022】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物を有効成分とする保湿剤は、優れた保湿作用、ヒアルロン酸産生促進作用、アルギナーゼ活性促進作用を有し皮膚や毛髪等に優れた保湿効果を与えることができる。
【0023】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物を有効成分とする抗老化剤は、優れたヒト真皮線維芽細胞の細胞賦活効果、ヒト真皮線維芽細胞1型コラーゲン産生促進効果を有し、老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0024】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物を有効成分とする抗酸化剤は、優れたラジカル消去効果、スーパーオキサイドアニオン消去効果を有し、優れた抗酸化作用を発揮する。
【0025】
これらの各剤は、皮膚外用剤または機能性経口組成物に配合して、様々な形態の組成物を提供することができるほか、そのまま外用あるいは経口用として使用することができる。
【0026】
これらの各剤は、ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物を有効成分として含む限り、その形態およびその他成分の配合の有無等については、何ら制限されない。形態については、液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等の任意の形態を、その用途等に応じて選択でき、その形態とするために必要なビヒクル(賦形剤)、溶剤、その他の一般的な添加剤(酸化防止剤、着色剤、分散剤等)を任意に含むことができる。
【0027】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物は、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用を有し、これを配合することにより、こうした優れた効果を有する皮膚外用剤、または機能性経口組成物を提供することができる。
【0028】
ここで、皮膚外用剤とは、化粧料、医薬部外品、外用医薬品等の、皮膚または毛髪に外用される全ての外用組成物を意味している。機能性経口組成物についても、医薬品、食品、飲料等の種類を問わず、経口により摂取される全ての組成物を意味する。この経口組成物の機能は、保湿、抗老化または抗酸化のいずれかであることが好ましい。
【0029】
皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することもできる。
【0030】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。
【0031】
機能性経口組成物の形態も任意であり、特に限定されることはない。具体的には、飲料を含む一般食品;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の健康食品(サプリメント)または機能性食品;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エキス等の経口医薬品などが例示できる。
【0032】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物を、化粧品、外用医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤に配合することにより、シワ、タルミ、シミ、くすみ、乾燥、小じわ等の様々な皮膚症状の防止・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤を得ることができる。したがって、たとえば、保湿用皮膚外用剤、老化防止用皮膚外用剤として好ましく使用することができる。
【0033】
皮膚外用剤または機能性経口組成物には、ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物の他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料及び洗浄料等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、アルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤あるいはユリ科エンレイソウ属植物以外の植物またはその抽出物との併用も可能である。
【0034】
飲食品等の経口組成物の場合も、経口用として通常用いられる各種成分との組み合わせにおいて、特に限定されるものはない。
【0035】
ユリ科エンレイソウ属植物またはその抽出物の皮膚外用剤または機能性経口組成物への配合量は、種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して、固形分換算で、0.0001〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.01〜5質量%であり、一層好ましくは0.1〜5質量%である。
【実施例】
【0036】
以下にユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物抽出物の調製例、保湿効果、抗老化効果、抗酸化効果を評価するための試験方法、皮膚外用剤、機能性健康経口組成物としての処方例についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0037】
[調製方法1]
オオバナノエンレイソウ(Trillium kamtschaticum)の全草の乾燥粉砕物100gに、50質量%エタノール水溶液を2.0Kg加え、撹拌しながら室温にて3時間抽出した。抽出液をろ過して回収し、減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を得た。
【0038】
[調製方法2]
オオバナノエンレイソウの全草の乾燥粉砕物5gに精製水を100g加え、オートクレーブ(120℃、20分間)を使って抽出した。抽出液をろ過して回収し、凍結乾燥を行い、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を得た。
【0039】
[調製方法3]
超臨界抽出装置にオオバナノエンレイソウ全草の乾燥粉砕物100gを投入し、40℃において15Mpaの大気圧下で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。抽出物を回収し、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を得た。
【0040】
上記抽出物を用いて、保湿効果、抗老化効果、抗酸化効果の評価を行った。なお各評価結果に記載した*及び**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)を*で、有意確率1%未満(P<0.01)を**でそれぞれ表したものである。
【0041】
<保湿効果の評価1>
ユリ科エンレイソウ属植物抽出物の保湿効果の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1、調製方法2により調製したユリ科エンレイソウ属植物抽出物を用いた。
【0042】
蒸留水により1質量%ユリ科エンレイソウ属植物抽出物水溶液を調製し実施例1(調製方法1)、実施例2(調製方法2)とした。実施例を前腕部、3×4cm の範囲に24μL塗布し、塗布前、塗布後15、30、60、120、180分の角質水分量を測定した。角質水分量は、SKICON−200(アイ・ビイ・エス株式会社製)を用い、各塗布部位から5ポイント測定した。5ポイントの測定値の平均値を角質水分量とし、塗布前の角質水分量1とした相対値で表1に示した。なおコントロールとして蒸留水を同量塗布し、同様に角質水分量を測定した。
【0043】
【表1】

【0044】
表1の結果より明らかなように、実施例1、2のユリ科エンレイソウ属植物抽出物には有意な保湿効果が認められた。このことより、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れた保湿作用を有することがわかった。
【0045】
<保湿効果(ヒアルロン酸産生促進作用)の評価2>
ユリ科エンレイソウ属植物抽出物のヒアルロン酸産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科エンレイソウ属植物抽出物を用いた。
【0046】
正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり2.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレート播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表2に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した0.5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに5日間培養した。培養上清中に分泌されたヒアルロン酸の定量には、プロテオグリカンを用いた間接ELISA法を用い、最後は標識されたペルオキシダーゼに対し2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)及び過酸化水素を添加し反応させた後、マイクロプレートリーダーにて405nmの吸光度を測定した。PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにて各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのヒアルロン酸産生量を求めた。評価結果を試料無添加のコントロールにおける単位タンパク量当りのヒアルロン酸産生量を100とした相対値にて表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
表2より明らかなように、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を添加した培地では、有意なヒアルロン酸産生促進効果が認められた。このことから、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有することが明らかとなった。
【0049】
<保湿効果(アルギナーゼ活性促進作用)の評価3>
ユリ科エンレイソウ属植物抽出物のアルギナーゼ活性促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科エンレイソウ属植物抽出物を用いた。
【0050】
ヒト表皮角化細胞HaCaTを1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地を用いた。24時間培養後、表3示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した1.2mMCaClを含む5質量%FBS添加分化誘導培地に交換し、さらに9日間培養した。培地交換は3日に1回のペースで行った。培養上清中に分泌された尿素の定量には、尿素窒素B−テストワコー(和光純薬)を用いた。アルギナーゼはアルギニンを加水分解し、オルニチン、尿素を生成する。尿素はウレアーゼによってアンモニアに分解され、アンモニアはペンタシアノニトロリル鉄(3)酸ナトリウムニ水和物存在下でサリチル酸、次亜塩素酸と反応しインドフェノールとなる。アルカリ性条件下、マイクロプレートリーダーでインドフェノールに由来する570nmの吸光度を測定し、尿素濃度を求め、アルギナーゼ活性の定量を行った。PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにてタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのアルギナーゼ活性を求めた。
【0051】
評価結果を、試料無添加のコントロールにおける単位タンパク量当りのアルギナーゼ活性を100とした時の相対値として、表3に示す。
【0052】
【表3】

【0053】
表3より明らかなように、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を添加した培地では、有意なアルギナーゼ活性促進効果が認められた。このことから、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れたアルギナーゼ活性促進作用を有することが明らかとなった。
【0054】
以上から、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れた保湿作用を有することが明らかとなった。
【0055】
<抗老化作用(ヒト真皮線維芽細胞賦活作用)の評価1>
ユリ科エンレイソウ属植物の細胞賦活作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科エンレイソウ属植物抽出物を用いた。
【0056】
クラボウ社(倉敷紡績株式会社)製正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり2.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレート播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表4に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。上清を除いた後、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して約2時間培養した。その後、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に、濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価では、試料を含む培地の他に、コントロールとして1質量%FBS添加DMEM培地を用いた。
【0057】
評価結果を、コントロールにおける細胞賦活作用を100とした場合の相対値として表4に示す。
【0058】
【表4】

【0059】
表4より明らかなように、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を添加した培地では、有意な細胞賦活効果が認められた。このことから、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れた細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
【0060】
<抗老化作用(ヒト真皮線維芽細胞1型コラーゲン産生促進作用)の評価2>
ユリ科エンレイソウ属植物抽出物の1型コラーゲン産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科エンレイソウ属植物抽出物用いた。
【0061】
クラボウ社(倉敷紡績株式会社)製正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり2.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレート播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表5に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した0.5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに24時間培養した。培養上清中に分泌されたタイプ1型コラーゲン量はELISA法を用い、最後は標識されたペルオキシダーゼに対し2,2´−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)及び過酸化水素を添加し反応させた後、マイクロプレートリーダーにて405nmの吸光度を測定した。評価ではサンプル培養液の他にコントロールとして0.5%FBS添加DMEM培地をを用いた。PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにてタンパク量を測定し単位タンパク量当たりのコラーゲン産生量を求めた。評価結果を、ネガティブコントロールの単位当りコラーゲン産生量を100とした場合の相対値として表5に示す。
【0062】
【表5】

【0063】
表5より明らかなように、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物を添加した培地では、有意な1型コラーゲン産生促進効果が認められた。このことから、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れた1型コラーゲン産生促進作用を有することが明らかとなった。
【0064】
以上から、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れた抗老化作用を有することが明らかとなった。
【0065】
<抗酸化作用(ラジカル消去作用)の評価1>
ユリ科エンレイソウ属植物抽出物のラジカル消去作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科エンレイソウ属植物抽出物を用いた。
【0066】
各試料を、50質量%エタノールを用いて濃度調整して試料溶液とし、表6に示す濃度となるように96穴マイクロプレートに100μLずつ添加した。そこへ、0.2mMの1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジカル(DPPH)エタノール溶液を100μLずつ添加し、良く混合後、室温、暗所にて24時間静置した。その後、DPPHラジカルに由来する516nmの吸光度を測定した。試料を添加しなかった場合のコントロールの吸光度を(A)、試料を添加した場合の吸光度を(B)としたとき、DPPHラジカル
の消去率を式(1)に導入して求めた。測定結果を表6に示す。
【0067】
式(1):ラジカル消去率={1−(B)/(A)}×100(%)
【0068】
【表6】

【0069】
表6より明らかなように、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物には優れたDPPHラジカルの消去効果が認められた。このことより、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れたラジカルの消去作用を有することがわかった。
【0070】
<抗酸化作用(スーパーオキサイドアニオン消去作用)の評価2>
ユリ科エンレイソウ属植物抽出物のスーパーオキサイドアニオン消去作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
【0071】
0.25mM WST−1及び1mM Hypoxanthineを含むHanks(+)溶液75μLに、表7に示す濃度となるようにHanks(+)溶液で希釈した試料25μLを添加し、Xanthine Oxidase25μL(0.0075Units)を加え、37℃で15分間反応後、450nmの吸光度を測定した。試料が無添加のコントロールの吸光度を(A)、試料を添加したときの吸光度を(B)としたとき、式(2)の値をスーパーオキサイドアニオン消去率とした。評価結果を表7に示した。
【0072】
式(2):消去率={1−(B)/(A)}×100(%)
【0073】
【表7】

【0074】
表7より明らかなように、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物には有意なスーパーオキサイドアニオンの消去効果が認められた。このことより、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れたスーパーオキサイドアニオンの消去作用を有することがわかった。
【0075】
以上のことから、ユリ科エンレイソウ属植物抽出物は、優れた抗酸化作用を有することが明らかとなった。
【0076】
続いて、上記各調製方法で得られたユリ科エンレイソウ属植物抽出物を配合した皮膚外用剤および機能性経口組成物の処方例を示す。
【0077】
[実施例3]乳液
(1) スクワラン 10.0(質量%)
(2) メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3) 水素添加パーム核油 0.5
(4) 水素添加大豆リン脂質 0.1
(5) モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6) モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7) グリセリン 4.0
(8) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9) カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法1] 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0078】
[実施例4]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法1] 1.0
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0079】
[実施例5]クリーム
(1) スクワラン 10.0(質量%)
(2) ステアリン酸 2.0
(3) 水素添加パーム核油 0.5
(4) 水素添加大豆リン脂質 0.1
(5) セタノール 3.6
(6) 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7) グリセリン 10.0
(8) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9) アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法1] 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0080】
[実施例6]美容液
(1) 精製水 100とする残部(質量%)
(2) グリセリン 10.0
(3) ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4) カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5) アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6) モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7) マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8) N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9) 硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10重量%水溶液) 2.0
(16)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 3.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)を加え、均一に混合する。
【0081】
[実施例7]水性ジェル
(1) カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2) 精製水 100とする残部
(3) 水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4) エタノール 10.0
(5) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6) 香料 0.1
(7) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 2.0
(8) ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
【0082】
[実施例8]クレンジング料
(1) スクワラン 81.0(質量%)
(2) イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3) 精製水 100とする残部
(4) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法3] 2.0
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)と(4)を順次加え、均一に混合する。
【0083】
[実施例9]洗顔フォーム
(1) ステアリン酸 16.0(質量%)
(2) ミリスチン酸 16.0
(3) 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4) グリセリン 25.0
(5) 水酸化ナトリウム 7.5
(6) ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7) 精製水 100とする残部
(8) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法3] 1.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0084】
[実施例10]メイクアップベースクリーム
(1) スクワラン 10.2(質量%)
(2) セタノール 2.0
(3) グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4) 親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5) プロピレングリコール 11.0
(6) ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7) 精製水 100とする残部
(8) 酸化チタン 1.0
(9) ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 3.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0085】
[実施例11]乳液状ファンデーション
(1) メチルポリシロキサン 2.0(質量%)
(2) スクワラン 5.0
(3) ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4) セタノール 1.0
(5) ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.3
(6) モノステアリン酸ソルビタン 0.7
(7) 1,3−ブチレングリコール 8.0
(8) キサンタンガム 0.1
(9) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 100とする残部
(11)酸化チタン 9.0
(12)タルク 7.4
(13)ベンガラ 0.5
(14)黄酸化鉄 1.1
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)香料 0.1
(17)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法1] 2.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0086】
[実施例12]油中水型エモリエントクリーム
(1) 流動パラフィン 34.0(質量%)
(2) マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3) ワセリン 5.0
(4) ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5) 塩化ナトリウム 1.3
(6) 塩化カリウム 0.1
(7) プロピレングリコール 3.0
(8) 1,3−ブチレングリコール 5.0
(9) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法3] 3.0
(11)精製水 100とする残部
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0087】
[実施例13]パック
(1) 精製水 100とする残部(質量%)
(2) ポリビニルアルコール 12.0
(3) エタノール 17.0
(4) グリセリン 9.0
(5) ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 1.0
(7) 香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0088】
[実施例14]入浴剤
(1) 香料 0.3(質量%)
(2) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 3.0
(3) 炭酸水素ナトリウム 50.0
(4) 硫酸ナトリウム 46.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0089】
[実施例15]ヘアーワックス
(1) ステアリン酸 3.0(質量%)
(2) マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3) セチルアルコール 3.0
(4) 高重合メチルポリシロキサン 2.0
(5) メチルポリシロキサン 5.0
(6) ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
(7) パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8) 1,3−ブチレングリコール 7.5
(9) アルギニン 0.7
(10)精製水 100とする残部
(11)ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法1] 2.0
(12)香料 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0090】
[実施例16]ヘアートニック
(1) エタノール 50.0(質量%)
(2) 精製水 100とする残部
(3) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法1] 3.0
(4) 香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合、均一化する。
【0091】
[実施例17]錠剤
(1) コーンスターチ 44.0(質量%)
(2) 結晶セルロース 100とする残部
(3) カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0
(4) 無水ケイ酸 0.5
(5) ステアリン酸マグネシウム 0.5
(6) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法3] 5.0
製法:(1)〜(6)を均一に混合し、打錠機にて圧縮成型して、1錠200mgの錠剤を得る。
【0092】
[実施例18]散剤
(1) ケイ酸アルミン酸マグネシウム 95.3(質量%)
(2) カルボキシメチルセルロースカルシウム 100とする残部
(3) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法3] 4.0
製法:(1)〜(3)の粉体を混合後、粉砕機にて粉砕し、均一に分散する。
【0093】
[実施例19]キャンデー
(1) 白糖 60.0(質量%)
(2) 水飴 100とする残部
(3) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 5.0
(4) 香料 微量
製法:(1)と(2)を加熱混合・均一化した後冷却し、70℃で成分(3)と(4)を添加し、混合均一化した後成型する。
【0094】
[実施例20]ドリンク剤
(1) アミノエチルスルホン酸 1000mg
(2) 硝酸チアミン 10mg
(3) リン酸リボフラビンナトリウム 5mg
(4) 塩酸ピリドキシン 10mg
(5) 無水カフェイン 50mg
(6) クエン酸 250mg
(7) D−ソルビトール液 8mg
(8) ユリ科エンレイソウ属植物抽出物[調製方法2] 1000mg
(9) 香料 微量
(10)精製水 100mLとする残部
製法:(1)〜(9)を順次(10)に添加し、均一化する。
【0095】
実施例3〜16の皮膚外用剤は、保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用を有する組成物であった。
【0096】
実施例17〜20の機能性経口組成物は保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用を有する組成物であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする保湿剤。
【請求項2】
ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする抗老化剤。
【請求項3】
ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項4】
ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項5】
ユリ科(Liliaceae)エンレイソウ属(Trillium)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を含有することを特徴とする機能性経口組成物。

【公開番号】特開2009−256243(P2009−256243A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107483(P2008−107483)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】