説明

保管庫

【課題】被保管物管理に対する信頼性が高い保管庫を提供すること。
【解決手段】カード読取り手段21と、該カード読取り手段21が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段72と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段14とを備える保管庫において、個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段28と、被保管物の有無を検出する被保管物有無検出手段105と、ICチップデータ読取り手段28が検出している被保管物と、被保管物有無検出手段105が検出している被保管物とが一致しないときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段73とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBメモリ、CD−ROM、ファイル、鍵などの被保管物を収納する保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
保管庫には、例えば、USBメモリ、CD−ROM、ファイル、ノートパソコン、鍵などの被保管物が保管される。近年、セキュリティ保護の観点から、被保管物の入出庫などを自動管理するニーズが高くなっている。例えば特許文献1に記載された保管庫は、物品に取り付けられた記憶部材群から、無線回線を経由して情報を読み出す読み出し装置を備え、物品を保管庫に入出庫するときに、読み出し装置が記憶部材からデータを読み出して物品を識別し、当該物品の入庫時刻、出庫時刻などを管理する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−60085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の保管庫には、以下の問題があった。
従来の保管庫は、記憶部材として例えば非接触式ICチップを用いる。例えば、保管庫に収容する物品がケース入りCD−ROMである場合には、読み出し装置がケースに取り付けられた非接触式ICチップから情報を読み取り、CD−ROMの入出庫を自動管理する。CD−ROMケースは、一般的に厚さが5mm程度であり、収納効率を鑑みて、隣りのCD−ROMケースと近接した状態で保管庫に収容される。このようにケース同士が近接する場合、非接触式ICチップ同士も近づき、非接触式ICチップの電波が干渉するため、読み出し装置が特定の非接触式ICチップから電波を受信して情報を読み取ることができない。従って、従来の保管庫では実質的にCD−ROMを管理することができなかった。
【0005】
一方、ICチップには、読み出し装置が2つの端子に接触して情報を取得する接触式ICチップがある。接触式ICチップをCD−ROMケースに取り付け、CD−ROMの入出庫時に読み出し装置が接触式ICチップに設けられた2つの端子に接触して接触式ICチップに記憶された情報を取得するようにすれば、電波干渉の問題を解消して、CD−ROMを自動管理できるようになるとも考えられる。しかし、読み出し装置は、接触式ICチップに設けられた2つの端子に適切に接触しないと、接触式ICチップの情報を取得できない。そのため、例えば、ユーザがCD−ROMを保管庫に返却した場合でも、読み出し装置が接触式ICチップに設けられた2つの端子に適切に接触せず、接触式ICチップの情報を読みとれないと、読み出し装置が返却されたCD−ROMを認識できず、未返却であると誤認識する。従って、接触式ICチップの読み取り不良は、被保管物管理の信頼性に大きな影響を及ぼす。この読み取り不良に対する対策を講じた保管庫は、従来存在しなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、被保管物管理に対する信頼性が高い保管庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る保管庫は以下の構成を有する。
【0008】
(1)被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、前記被保管物の有無を検出する被保管物有無検出手段と、前記ICチップデータ読取り手段が検出している被保管物と、前記被保管物有無検出手段が検出している被保管物とが一致しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする。
【0009】
(2)被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、保管庫に保管されている全ての被保管物を記憶する被保管物記憶手段と、前記保管庫開閉手段が、保管庫の扉を閉じているときに、前記ICチップデータ読取り手段が、前記全ての被保管物の各々の接触式ICチップを読み取り、前記被保管物記憶手段が記憶しているデータに変化があったときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする。
【0010】
(3)被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、前記被保管物の数を検出する被保管物数検出手段と、前記ICチップデータ読取り手段が検出している被保管物の数と、前記被保管物数検出手段が検出している被保管物の数とが一致しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする。
【0011】
(4)被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、保管庫に保管されている全ての被保管物を記憶する被保管物記憶手段と、被保管物を収納したときに操作する収納スイッチと、被保管物を取り出した
ときに操作する取出スイッチとを備える操作パネルと、前記収納スイッチが操作されたときに、前記被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が増加しない場合、または、前記取出スイッチが操作されたときに、前記被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が減少しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする。
【0012】
(5)被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備え、LANによりサーバを介して複数のパソコンに接続される保管庫において、前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、保管庫に保管されている全ての被保管物を記憶する被保管物記憶手段と、前記保管開閉手段が開閉された後、前記被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が変化しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断して、前記保管庫開閉を行った前記カードに対応する前記パソコンに対して、被保管物の数が変化しなかったことを、前記LANを介して通知するICチップデータ読取り不良通知手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成を有する保管庫は、何れも、被保管物に取り付けられた接触式ICチップを、ICチップデータ読取り手段によって読み取り、被保管物を管理する。そのため、本発明の保管庫は、被保管物を近接させた状態で収容して収納効率を高める場合でも、ICチップデータ読取り手段が特定の接触式ICチップに接触してデータを個別に読み込むことができ、被保管物を管理することができる。
【0014】
ところで、接触式ICチップのデータを読み取って被保管物を管理する保管庫では、被保管物の入出庫時に、接触式ICチップがICチップデータ読取り手段に適切に接触しないと、ICチップデータ読取り手段が接触式ICチップのデータを取得できず被保管物の入出庫を誤認識する恐れがある。
【0015】
この不具合を防ぐために、本発明の保管庫は、ICチップデータ読取り不良検出手段によって接触式ICチップの読み取り不良を検出している。
【0016】
すなわち、本発明の保管庫によれば、被保管物有無検出手段が被保管物の有無を検出しており、ICチップデータ読取り手段が検出している被保管物と、被保管物有無検出手段が検出している被保管物とが一致しないときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断
するので、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0017】
また、本発明の保管庫によれば、保管庫に保管されている全ての被保管物を被保管物記憶手段に記憶しておき、保管庫開閉手段が、保管庫の扉を閉じているときに、ICチップデータ読取り手段が、被保管物の各々に取り付けられた接触式ICチップを読み取り、被保管物記憶手段が記憶しているデータに変化があったときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断するので、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0018】
また、本発明の保管庫によれば、被保管物数検出手段が被保管物の数を検出しており、ICチップデータ読取り手段が検出している被保管物の数と、被保管物数検出手段が検出している被保管物の数とが一致しないときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断するので、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0019】
また、本発明の保管庫によれば、保管庫に保管されている全ての被保管物を被保管物記憶手段に記憶しており、操作パネルの収納スイッチが操作されたときに、被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が増加しない場合、または、操作パネルの取出スイッチが操作されたときに、被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が減少しないときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断するので、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0020】
また、本発明の保管庫によれば、保管庫に保管されている全ての被保管物を被保管物記憶手段に記憶しており、保管開閉手段が開閉された後、被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が変化しないときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断して、保管庫開閉を行ったカードに対応するパソコンに対して、被保管物の数が変化しなかったことを、LANを介して通知するので、ユーザが被保管物を入出庫して保管庫から離れた場合でも、被保管物が適切に入出庫されなかったことをユーザに知らせることができ、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明に係る保管庫の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
<保管庫ネットワークシステム>
図1は、保管庫ネットワークシステム1の概略構成図である。
保管庫ネットワークシステム1は、複数の保管庫10がLAN2を介してサーバ3やパソコン4に通信可能に接続されている。保管庫10は、被保管物に取り付けられた接触式ICチップ90からデータを取得して被保管物を管理するよう構成されている。保管庫10は、「ICチップ接触不良検出手段」又は「ICチップデータ読取り不良通知手段」の一例であるICチップ接触不良検出プログラム73が制御装置17(図10参照。)に格納され、接触式ICチップ90の読み取り不良を検出する点に特徴を有する。
【0023】
<保管庫の概略構成>
図2は、図1に示す保管庫10の一例を示す外観斜視図であって、扉12を閉じた状態を示す。
保管庫10には、一方に開口する筐体11に一対の扉12,12が回動可能に保持されている。扉12には後述する操作パネル13が取り付けられている。筐体11には、「保管庫開閉手段」の一例である電子錠14が取り付けられ、扉12の開閉状態が制御される。但し、停電などの非常時には電子錠14を制御できないため、扉12には非常開錠鍵15が設けられている。筐体11と扉12は、耐火性や耐震性などを確保するために金属で形成されている。
【0024】
図3は、図2に示す保管庫10の外観斜視図であって、扉12を開いた状態を示す。
保管庫10は内部が複数の棚16で区画されている。本実施形態では、鍵112を収容する第1の棚16Aと、ファイルを収納する第2の棚16Bと、CD−ROM102を収容する第3の棚16Cと、パソコンを収容する第4の棚16Dに保管庫10が区画されている。尚、以下の説明では、棚を区別する必要がないときには「棚16」と総称する。棚16は剛性を確保するために金属で形成され、被保管物の収納状態を知らせるためのLED98(後述)が被保管物の収納位置に対応して各々設けられている。筐体11の天板には、制御装置17がねじなどで固定されている。制御装置17は、筐体11の配線孔11aから取り出された配線(図示せず)を介してLAN2(図1参照。)に接続されている。
【0025】
<操作パネル>
次に、上述した操作パネル13の構成について図4を参照して説明する。図4は、図2に示す操作パネル13の正面図である。
操作パネル13は、「カード読取り手段」の一例であるカード読取り部21と、入力スイッチ22と、収納スイッチ23と、取出スイッチ24と、終了スイッチ25と、表示部26と、スピーカ27とを備える。
【0026】
カード読取り部21はICカード80と無線通信してデータを読み取るものである。
入力スイッチ22は、データを入力するものである。
収納スイッチ23は、ユーザが被保管物の入庫時に操作するものである。
取出スイッチ24は、ユーザが被保管物の出庫時に操作するものである。
終了スイッチ25は、ユーザが被保管物の入出庫終了時に操作するものである。
表示部26は情報を視覚的に出力するものである。本実施形態では、液晶ディスプレイによって表示部26が構成されている。
スピーカ27は情報を聴覚的に出力するものである。
【0027】
<接触式ICチップの取付例>
ところで、保管庫10に収容される被保管物には、被保管物を識別するために接触式ICチップ90が取り付けられている。接触式ICチップ90は、被保管物に直接的に取り付けられてもよいし、保持媒体を介して被保管物に取り付けられてもよい。接触式ICチップ90の取付例を図5及び図7に示す。図5は、CD−ROM102のケース101に接触式ICチップ90を取り付けた例を示す図である。図7は、鍵112に接触式ICチップ90を取り付けた例を示す図である。
【0028】
図5に示すように、接触式ICチップ90は、CD−ROM102のケース101に取り付けられる。接触式ICチップ90は、保持媒体の一例である装着シート103に接着固定され、装着シート103をケース101の蓋に挿し入れることによりケース101に取り付けられる。つまり、接触式ICチップ90は、装着シート103を介してケース101に間接的に取り付けられている。ケース101には、蓋を開きやすくするために、切欠部101aが底面の2箇所に形成されている。接触式ICチップ90は、切欠部101a,101aから外部に露出するように第1接点96と第2接点97が装着シート103に固定されている。このように装着シート103を用いることにより、接触式ICチップ90を既存のケース101に簡単に着脱することができる。尚、本実施形態では、CD−ROM102とケース101とにより「被保管物」が構成される。また、本実施形態では、第1接点96と第2接点97が、「接触式ICチップに設けられた2つの端子」を構成する。
【0029】
図7に示すように、接触式ICチップ90は、ホルダ111を介して鍵112に取り付
けられる。ホルダ111は樹脂成形品であり、接触式ICチップ90は、インサート成形によってホルダ111に埋め込まれた状態で一体化され、脱落を防止されている。つまり、接触式ICチップ90はホルダ111に直接的に取り付けられている。ホルダ111の両側面には、ガイドレール111a,111bが形成され、ガイドレール111aとガイドレール111b上に第1接点96と第2接点97が露出している。ガイドレール111a,111bには、汚れを除去するためのクリーンテープ113が貼付されている。また、ホルダ111の図中上側にはノッチ111cが形成されている。尚、本実施形態では、ホルダ111と鍵112とにより「被保管物」が構成される。
【0030】
<棚の構造>
次に、被保管物を収容する棚16の構造について、図6、図8、図9を例に挙げて説明する。
棚16には、「ICチップデータ読み取り手段」の一例である電極28、「被保管物有無検出手段」又は「被保管物数検出手段」の一例であるリミットスイッチ105、入出庫制限装置106、LED98などが設けられている。
【0031】
図6は、CD−ROM102を収容する第3の棚16Cの構造例を示す図である。
第3の棚16Cには、ケース101に設けた第1接点96と第2接点97に対応する位置に、孔が開設されている。電極28C,28Cは、電極板を折り曲げてそれ自体に弾性力を持たせたものであり、頂部が第3の棚16Cに開設された孔から突き出すように、第3の棚16Cに変形可能に取り付けられている。
【0032】
第3の棚16Cには、電極28C,28Cに対向するように付勢部材109,109が配設されている。付勢部材109には、スプリング110の弾性力が電極28C,28Cに向かって作用し、付勢部材109の先端部がケース101の進路上に突き出している。付勢部材109,109の先端部は半球状に形成されている。
【0033】
第3の棚16Cの収容口には、入出庫制限装置106Cが配設されている。入出庫制限装置106Cは、L字型のリンク108が第3の棚16Cに回動可能に軸支されている。リンク108は、一端がケース101の進路上に突出し、他端がソレノイド107に連結されている。このような入出庫制限装置106Cは、ソレノイド107を非通電にすることにより、ソレノイド107がリンク108の他端を押し下げてリンク108の一端をケース101の進路上に突き出す一方、ソレノイド107に通電することにより、ソレノイド107がリンク108の他端を引き上げてリンク108を図中時計回りに回転させ、リンク108の一端をケース101の進路上から退避させる。
【0034】
更に、第3の棚16Cの背面側には、リミットスイッチ105Cが取り付けられ、ケース101によってリミットスイッチ105Cがオン・オフされるようになっている。リミットスイッチ105Cには、接続線99を介してLED98が1対1の関係で接続されている。LED98は、棚16Cの外部に露出している。
【0035】
図8は、鍵112を収容する第1の棚16Aの構造例である。図9は、図8に示す電極28A,28Aの取付例を示す図である。
図8及び図9に示すように、第1の棚16Aには、ホルダ111を収容するための収容凹部120が設けられている。収容凹部120の対向する側面には、電極28Aを装着するための孔が設けられている。図9に示すように、電極28A,28Aは、電極板を折り曲げてそれ自身に弾性力を持たせたものであり、収容凹部120の孔から頂部が突き出すように、第1の棚16Aに変形可能に取り付けられている。ここで、電極28A,28Aの頂部の間隔は、ホルダ11の幅より狭く設定されている。
【0036】
図8に示すように、収容凹部120の上方には入出庫制限装置106Aが配設されている。入出庫制限装置106Aは、リンク118が第1の棚16Aに回動可能に軸支されている。リンク118は、先端部118aがホルダ111の進路上に突出するように配設され、後端部が回転自在に軸支されている。リンク118の略中央部には、ソレノイド117が連結している。ソレノイド117は、リンク118との間にスプリング116が縮設され、リンク118を図中反時計回りに付勢している。そのため、入出庫制限装置106Aは、ソレノイド117を非通電にすることにより、リンク118がスプリング116に付勢されて図中反時計回りに回転し、先端部118aをホルダ111の進路上に突き出す一方、ソレノイド117に通電することにより、スプリング116の弾性力に抗してリンク118が図中時計回りに回転し、先端部118aがホルダ111の進路上から退避する。
【0037】
また、図8に示すように、第1の棚16Aの図中下側面には、リミットスイッチ105Aが取り付けられ、ホルダ111によってリミットスイッチ105Aがオン・オフされるようになっている。リミットスイッチ105Aには、図示しない接続線を介してLED98が1対1の関係で接続されている。LED98は、棚16Aの外部に露出している。
【0038】
<制御装置の制御ブロック>
次に、制御装置17の制御構成について説明する。図10は、制御装置17の電気ブロック図である。
制御装置17は、コンピュータ機能を有するものであり、CPU61を中心に構成される。CPU61には、ROM62、RAM63、ハードディスクドライブ(以下「HDD」と略記する。)64、LANインターフェース(以下「LANIF」と略記する。)65、入出力インターフェース(以下「入出力IF」と略記する。)66が接続されている。
【0039】
LANIF65にはLAN2(図1参照。)が接続されている。
入出力IF66には、カード読取り部21、電子錠14、入力スイッチ22、収納スイッチ23、取出スイッチ24、終了スイッチ25、表示部26、スピーカ27、電極28、リミットスイッチ105、LED98などが接続されている。
【0040】
HDD64には、ユーザ情報記憶手段71と、「開閉許可手段」の一例である開閉許可プログラム72と、ICチップデータ読取り不良検出プログラム73と、被保管物記憶手段74と、被保管物利用履歴記憶手段75が記憶されている。
【0041】
ユーザ情報記憶手段71は、保管庫10の使用権限を有するユーザのユーザ情報を記憶するものである。ユーザ情報は、サーバ3からLAN2を介して制御装置17に配布してユーザ情報記憶手段71に予め記憶させておいてもよいし、ユーザがカード読取り部21にICカード80をかざしたときに、制御装置17がサーバ3に問い合わせてユーザ情報を取得してユーザ情報記憶手段71に記憶させてもよい。
開閉許可プログラム72は図14に示す処理を行うものである。ICチップデータ読取り不良検出プログラム73は図15に示す処理を行うものである。開閉許可プログラム72とICチップデータ読取り不良検出プログラム73については後述する。
被保管物記憶手段74は、電極28が読み取った接触式ICチップ90のデータに基づいて保管庫10に収容されている被保管物の名称、配置、種別等を記憶するものである。
被保管物利用履歴記憶手段75は、被保管物の利用履歴を記憶するものであり、例えば図10に示すように、ユーザ識別番号、ユーザ名、利用開始日時、返却日時、利用被保管物を蓄積して記憶する。
【0042】
<ICカードの制御ブロック>
図12は、ICカード80の電気ブロック図である。
ICカード80は、周知の非接触式ICチップを搭載するカードである。ICカード80は、CPU81、ROM82、RAM83、EEPROM84、アンテナ86などを備え、コンピュータ機能を有する。EEPROM84には、使用権限識別情報記憶手段85が設けられ、ユーザの識別番号、ユーザ名など保管庫10の使用権限を有するユーザを識別するための使用権限識別情報が記憶されている。
【0043】
<接触式ICチップの制御ブロック>
図13は、接触式ICチップ90の電気ブロック図である。
接触式ICチップ90は、コンピュータ機能を有する周知のものであり、CPU91を中心に構成されている。CPU91には、ROM92、RAM93、EEPROM94、第1接点96、第2接点97が接続している。接点が第1接点96と第2接点97の2個あるのは、2点検出を行うことにより被保管物の位置検出誤差を防ぐためである。EEPROM94には、被保管物識別情報記憶手段95が設けられ、被保管物の識別番号、名称、種別、収納場所など被保管物を識別するための被保管物識別情報が記憶されている。
【0044】
<保管庫の動作について>
続いて、保管庫10の動作について説明する。
保管庫10は、電極28が第1接点96と第2接点97に接触して接触式ICチップ90から被保管物のデータを取得することにより、被保管物を管理している。
【0045】
<CD−ROMの収納>
例えば図6に示すように、CD−ROM102を第3の棚16Cに収容する場合には、ソレノイド107に通電することによりリンク108の一端をケース101の進路上から退避させ、第3の棚16Cの収容口を開放する。ケース101を第3の棚16Cの収容口に挿入すると、ケース101の上端角部が付勢部材109に突き当たり、またケース101の下端角部が電極28C,28Cに突き当たる。
【0046】
付勢部材109は先端部が半球状にされているため、ケース101の移動に伴ってスプリング110の弾性力に抗して図中上向きに移動し、ケース101の進路を広げる。また、電極28C,28Cは変形可能に第3の棚16Cに取り付けられているため、電極28C,28Cの反発力に抗してケース101を第3の棚16Cに押し込むと、電極28C,28Cがケース101に頂部を押圧されて変形し、ケース101の進路を広げる。従って、ケース101は、第3の棚16Cの収容口から付勢部材109と電極28Cとの間を介して第3の棚16Cの奥側まで挿入される。ケース101が第3の棚16Cの背面に突き当たるまで挿入されると、リミットスイッチ105Cがオフ状態からオン状態に切り換えられ、CD−ROM102が第3の棚16Cに収容されたことを確認する。
【0047】
ここで、ケース101が第3の棚16Cに押し込まれるときに、電極28C,28Cが変形して弾性力を発生し、第1接点96と第2接点97側に頂部を押し出す。そのため、電極28C,28Cが第1接点96と第2接点97に擦り合わされる。また同時に、付勢部材109がスプリング110の弾性力によってケース101を電極28C,28C側に向かって付勢し、第1接点96と第2接点97を電極28C,28Cに押し付ける。電極28C,28Cは、付勢部材90に付勢された状態で第1接点96と第2接点97に擦れ合って接触するときに、接触式ICチップ90のデータを読み取る。読み取られたデータは被保管物記憶手段74と被保管物利用履歴記憶手段75に記憶される。
【0048】
上記のようにしてCD−ROM102を第3の棚16Cに収容し、リミットスイッチ105Cがオフ状態からオン状態に切り換えられると、ソレノイド107を非通電にすることによりリンク108の一端をケース101の進路上に突き出し、第3の棚16Cの収容
口を塞ぐ。これにより、保管庫10に収容したCD−ROM102が第3の棚16Cから取り出せなくなる。また、リミットスイッチ105Cの切替と同時に、収納されたCD−ROM102に対応するLED98が点灯し、特定のCD−ROM102が保管庫10に有ることを外部に報知する。
【0049】
<CD−ROMの取り出し>
CD−ROM102を第3の棚16Cから取り出す場合には、ソレノイド107に通電して第3の棚16Cの収容口を開放し、ケース101を第3の棚16Cから取り出す。このときにも、付勢部材109がスプリング110の弾性力によってケース101を電極28C、28C側に付勢し、第1接点96と第2接点97を電極28C,28Cに押し付けるとともに、電極28C,28Cがそれ自身の弾性力で頂部を電極28C,28Cに押し付ける。そのため、ケース101の取出時にも、電極28C,28Cが第1接点96と第2接点97に擦れ合い、接触式ICチップ90のデータを読み取ることができる。読み取られたデータは、被保管物記憶手段74から削除される一方、被保管物利用履歴記憶手段75に記憶される。ケース101を取り出した後、ソレノイド107を非通電にして第3の棚16Cの収容口を塞ぎ、ケース101の収容を制限する。なおこのときには、リミットスイッチ105Cがオン状態からオフ状態に切り換えられ、CD−ROM102の取り出しを確認できる。また、リミットスイッチ105Cの切替と同時に、取り出されたCD−ROM102に対応するLED98が消灯し、取り出されたCD−ROM102が保管庫10に無いことを外部に報知する。
【0050】
<鍵の収納>
また例えば、図8に示すように、鍵112を第1の棚16Aに収容する場合には、ソレノイド117に通電してリンク118の先端部118aをホルダ111の進路上から退避させ、第1の棚16Aの収容口を開放する。ホルダ111を収容凹部120に挿入すると、ホルダ111が電極28A,28Aに突き当たる。
【0051】
電極28A,28Aは変形可能に第1の棚16Aに取り付けられているため、電極28A,28Aの反発力に抗してホルダ111を収容凹部120に押し込むと、電極28A,28Aがホルダ111に頂部を押圧されて変形し、ケース101の進路を広げる。さらにホルダ111を収容凹部120に押し込むと、電極28A,28Aがガイドレール111a,111bに嵌合して電極自身の弾性力によってクリーンテープ113に擦り合わされ、酸化膜等の汚れを除去される。そして更に、ホルダ111を収容凹部120に押し込むと、電極28A,28Aが第1接点96と第2接点97に到達する。このとき、電極28A,28Aは、電極自身の弾性力で第1,第2接点96,97にそれぞれ押し付けられて擦り合わされ、接触式ICチップ90のデータを読み取る。読み取られたデータは、被保管物記憶手段74と被保管物利用履歴記憶手段75に記憶される。
【0052】
このように、収容凹部120の開口部から電極28A,28Aの間を介して収容凹部120の奥側までホルダ111を挿入することにより、リミットスイッチ105Aがオフ状態からオン状態に切り換えられ、鍵112が収容凹部120に収容されたことを確認する。
【0053】
リミットスイッチ105Aがオフ状態からオン状態に切り換えられると、ソレノイド117を非通電に切り換えてリンク118の先端部1118aをホルダ111の進路上に突出させ、ノッチ111cに係合させる。これにより、保管庫10に収容した鍵112が第1の棚16Aから取り出せなくなる。また、リミットスイッチ105Aの切替と同時に、収納された鍵112に対応するLED98が点灯し、特定の鍵112が保管庫10に有ることを外部に報知する。
【0054】
<鍵の取り出し>
鍵112を第1の棚16Aから取り出す場合には、ソレノイド117に通電してリンク118の先端部118aをホルダ111の進路上から退避させ、先端部118aとノッチ111cの係合を解除した後、ホルダ111を収容凹部120から取り出す。このときにも、電極28A,28Aがそれ自身の弾性力で頂部を電極28A,28Aに押し付ける。そのため、鍵112の取出時にも、電極28A,28Aが第1接点96と第2接点97に擦れ合い、接触式ICチップ90のデータを読み取ることができる。読み取られたデータは、被保管物記憶手段74から削除される一方、被保管物利用履歴記憶手段75に記憶される。ケース101を取り出した後、ソレノイド117を非通電にしてリンク118の先端部118aをホルダ111の進路上に突き出させ、鍵112の収容を制限する。なおこのときには、リミットスイッチ105Aがオン状態からオフ状態に切り換えられ、鍵112の取り出しを確認できる。また、リミットスイッチ105Aの切替と同時に、取り出した鍵112に対応するLED98が消灯し、特定の鍵112が保管庫10に無いことを外部に報知する。
【0055】
<接触式ICチップ接触不良検出>
保管庫10は、被保管物の入出庫時に接触式ICチップ90の読み取り不良を検出する。図14は、図10に示す開閉許可プログラム72を示すフロー図である。図15は、ICチップデータ読取り不良検出プログラム73のフロー図である。
【0056】
保管庫10の制御装置17は、ICカード80をユーザがかざしたことをトリガとして、図14に示す開閉許可プログラム72を実行し、使用権限を認証した上で、扉12の開閉を制御する。
【0057】
図14に示すように、制御装置17は、先ずステップ1(以下「S1」と略記する。)において、ICカード80がカード読取り部21にかざされ、使用権限識別情報を取得したか否かを判断する。使用権限情報識別情報を取得するまで待機する(S1:NO)。
使用権限識別情報を取得したら(S1:YES)、S2において、操作パネル13の表示部26にID入力画面を表示し、ユーザにID入力を促す。ユーザが入力スイッチ22を用いてIDを入力するまで待機する(S2:NO)。ユーザがIDを入力すると(S2:YES)、S3において本人認証を行う。使用権限識別情報がユーザ情報に合致せず、或いは、IDが正当でない場合には、正当権限を認証できないと判断し(S4:NO)、S1に戻る。つまり、扉12の開放を許可しない。
【0058】
一方、ICカードの使用権限識別情報がユーザ情報に合致し、且つ、IDが正当である場合には、正当権限を認証できると判断し(S4:YES)、収納スイッチ23又は取出スイッチ24を押すことを促すメッセージを操作パネル13の表示部26に表示し、或いは、スピーカ27から音声出力する。このようにスイッチ23,24の押下を促すのは、被保管物の入出庫の意図を制御装置17に認識させるためである。収納スイッチ23又は取出スイッチ24が押されるまで待機する(S5:NO)。
【0059】
ユーザが収納スイッチ23又は取出スイッチ24を押すと(S5:YES)、電子錠14が開錠される。つまり、扉12の開放を許可する。その後、ユーザが扉12を開くまで待機する(S7:NO)。ユーザが扉12を開くと(S7:YES)、タイマが起動し、S8において一定時間が経過したか否かを判断する。一定時間が経過するまでは(S8:NO)、S10において扉12が閉じられたか否かを監視しながら待機する。扉12を開いたまま一定時間が経過すると(S7:YES、S8:YES)、S9において、操作パネル13の表示部26又はスピーカ27に閉め忘れ警報を出力する。
【0060】
一定時間が経過する前に(S8:NO)、或いは、閉め忘れ警報を出力した後に(S9
)、ユーザが扉12を閉じると、終了スイッチ25を押すことを促すメッセージを操作パネル13の表示部26に表示、或いは、スピーカ27から音声出力する。終了スイッチ25の操作を促すのは、ユーザが被保管物の入出庫を完了したことを制御装置17に認識させるためである。ユーザが終了スイッチ25を押すまでは待機する(S11:NO、S8、S9、S10)。
【0061】
ユーザが終了スイッチ25を押すと(S11:YES)、S12において、電極28が読み取った接触式ICチップ90のデータを被保管物記憶手段74に記憶し、被保管物の数(有無)を管理する。また、電極28が読み取った非接触式ICチップ90のデータを、使用権限が正当であると認証したユーザのユーザ情報に関連付け、例えば図10に示すように、ユーザ識別情報(ユーザ名)毎に被保管物の利用を開始した利用開始日時、被保管物を返却した返却日時、利用した被保管物を被保管物利用履歴記憶手段75に記憶する。被保管物利用履歴を記憶しておくことにより、被保管物の利用履歴を辿って被保管物の所在等を突き止めることが可能である。
【0062】
そして、S13において、ICチップデータ読取り不良検出処理を実行する。S13の処理については後述する。ICチップデータ読取り不良検出処理が完了したら、S14において、電子錠14を駆動して扉12を施錠し、扉12の開放を許可しなくなる。
【0063】
次に、ICチップデータ読取り不良検出処理(図14のS13参照。)について説明する。
ICチップデータ読取り不良検出処理は、図15に示すICチップデータ読取り不良検出プログラム73を実行して行われる。ICチップデータ読取り不良検出処理は、図15のS1201において、扉12の開閉後に、電極28が接触式ICチップ90に接触して検出している被保管物の数(有無)が変化したか否かを、被保管物記憶手段74に記憶されている被保管物の数(有無)を確認することによって判断する。ユーザは、通常、被保管物の入出庫を前提に保管庫10を開閉する。そのため、扉12の開閉後に、被保管物の数(有無)が変化しない場合には、接触式ICチップ90の接触不良が生じている可能性が高い。具体的には、例えば、ユーザが鍵112を第1の棚16Aに戻したときに、鍵112を収容凹部120に十分に差し込まなかった場合には、電極28Aが第1接点96と第2接点97に適切に接触せず、接触式ICチップ90のデータを読み取ることができないことがある。この場合には、ユーザが鍵112を保管庫10に返却しても、電極28が検出する被保管物の数(有無)が変化せず、鍵112が未返却と誤認識される。そこで、扉12の開閉後に被保管物の数(有無)が変化しない場合には(S1201:NO)、後述するS1207へ進む。
【0064】
一方、扉12の開閉後に被保管物の数(有無)が変化した場合には(S1201:YES)、S1202において、電極28が接触式ICチップ90に接触して検出している被保管物の数(有無)と、リミットスイッチ105がオン状態にされて検出している被保管物の数(有無)とが一致するか否かを判断する。なぜなら、ユーザが被保管物を棚16に適切に入出庫すれば、リミットスイッチ105が検出する被保管物の数(有無)と、電極28が検出する被保管物の数(有無)が一致するはずだからである。
【0065】
しかし、例えば、CD−ROM102を第3の棚16Cに返却したときに、電極28C,28Cの表面に酸化膜が付着していると、電極28が第1接点96と第2接点97に接触しても接触式ICチップ90からデータを取得できないことがある。この場合には、リミットスイッチ105Cがオフ状態からオン状態に切り換えられて被保管物の数が増加しても、電極28は入庫された被保管物を検出することができず、被保管物記憶手段74に記憶されている被保管物の数(有無)が変化しないため、リミットスイッチ105がカウントする被保管物の数(有無)と被保管物記憶手段74に記憶されている被保管物の数(
有無)とが一致しない。このように、電極28が接触式ICチップ90に接触して検出している被保管物の数(有無)と、リミットスイッチ105が検出する被保管物の数(有無)とが一致しない場合には(S1202:NO)、後述するS1207へ進む。
【0066】
一方、電極28が接触式ICチップ90に接触して検出している被保管物の数(有無)と、リミットスイッチ105が検出する被保管物の数(有無)とが一致する場合には(S1202:YES)、S1203において、収納スイッチ23が押されたか否かを判断する。
【0067】
ユーザが収納スイッチ23を押していた場合には(S1203:YES)、S1204において、被保管物記憶手段74に記憶されている被保管物の数が増加したか否かを判断する。なぜなら、ユーザが収納スイッチ23を押した場合には、ユーザが被保管物を保管庫10に収納する意図があり、扉12の開閉後には被保管物の数が増加するはずだからである。よって、被保管物の数が増加すれば(S1204:YES)、電極28が第1接点96と第2接点97に適切に接触して接触式ICチップ90のデータを読み取ることができていると考えられるので、そのまま処理を終了し、図14のS14へ進む。
【0068】
これに対して、収納スイッチ23が押されたものの(S1203:YES)、被保管物の数が増加しなかった場合には(S1204:NO)、被保管物の収納時に、電極28が第1接点96と第2接点97に接触して接触式ICチップ90のデータを適切に取得できなかった恐れがある。具体的には、例えば、ユーザがケース101を収納するときに、ケース101が隣のケースなどに引っ掛かり、ケース101を電極28C,28C上で何回か往復移動させた場合には、その移動に従って電極28Cが接触式ICチップ90のデータを取得できないことがある。この場合には、電極28Cが接触式ICチップ90のデータを取得する回数によっては、被保管物記憶手段74に記憶される被保管物の数が減少し、当該被保管物が収納されずに取り出されたと誤認識する恐れがある。そこで、後述するS1207へ進む。
【0069】
一方、ユーザが収納スイッチ23ではなく、取出スイッチ24を押した場合には(S1203:NO、S1205:YES)、被保管物検出手段74が記憶する被保管物の数が減少したか否かを判断する。なぜなら、ユーザが取出スイッチ24を押した場合には、被保管物を保管庫10から取り出す意図があり、扉12の開閉後には被保管物の数が減少するはずだからである。よって、扉12の開閉後に被保管物の数が減少していれば(S1206:YES)、電極28が第1接点96と第2接点97に適切に接触して接触式ICチップ90のデータを読み取ることができていると判断し、図14のS14へ進む。
【0070】
これに対して、取出スイッチ24が押されたものの(S1203:NO、S1205:YES)、被保管物の数が減少しなかった場合には(S1206:NO)、被保管物の収納時に、電極28が第1接点96と第2接点97に接触して接触式ICチップ90のデータを適切に取得できなかった恐れがある。具体的には、例えば、ユーザがケース101を取り出すときに、ケース101が隣のケースなどに引っ掛かり、ケース101を電極28C,28C上で何回か往復移動させた場合には、その移動に従って電極28Cが接触式ICチップ90のデータを過剰に取得することがある。この場合には、被保管物記憶手段74に記憶される被保管物の数が増加し、当該被保管物が取り出されずに収納されたと誤認識する恐れがある。そこで、S1207へ進む。
【0071】
S1207においては、接触式ICチップ90の接触不良に関する警告メッセージを操作パネル13の表示部26に表示したり、接触式ICチップ90の接触不良に関する警報音や警告メッセージをスピーカ27から音声出力する。これにより、ユーザは、接触式ICチップの読取り不良に気付き、入出庫した被保管物を保管庫10に出し入れし直す。
【0072】
そして、S1208において、接触式ICチップ90の接触不良に関する警報をユーザ情報とともにサーバ3にLAN2を介して出力する。サーバ3は、ユーザ情報をもとにメール宛先を特定し、当該ユーザが所有するパソコン4に警告メールを送信する。ユーザが保管庫10の警報に気づかずに保管庫10からパソコン4に戻った場合でも、パソコン4に送られてきた警告メールの内容を見て、接触式ICチップ90の読取り不良が生じたことを知る。これにより、ユーザは、保管庫10へ戻り、被保管物を保管庫10に出し入れし直す。
【0073】
そして、S1209において、被保管物記憶手段74と被保管物利用履歴記憶手段75のデータを修正した後、図14のS14に進む。
【0074】
<保管庫の作用効果>
上記構成を有する保管庫10は、何れも、被保管物に取り付けられた接触式ICチップ90を電極28によって読み取り、被保管物を管理する(図6、図8、図9参照。)。そのため、保管庫10は、CD−ROM102や鍵112などの被保管物を近接させた状態で収容して収納効率を高める場合でも、電極28が特定の接触式ICチップ90に接触してデータを個別に読み込むことができ、被保管物を管理することができる。
【0075】
ところで、保管庫10では、被保管物の入出庫時に、接触式ICチップ90に設けられた第1接点96と第2接点97とが電極28に適切に接触しないと、電極28が接触式ICチップ90のデータを取得できず被保管物の入出庫を誤認識する恐れがある。この不具合を防ぐために、保管庫10は、図14に示すICチップデータ読取り不良検出プログラム73によって接触式ICチップの読み取り不良を検出している。
【0076】
すなわち、本実施形態の保管庫10によれば、リミットスイッチ105が被保管物の有無を検出しており、電極28が検出している被保管物と、リミットスイッチ105が検出している被保管物とが一致しないときに、接触式ICチップの読み取り不良を判断するので(図15のS1202:NO、S1207、S1208参照。)、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0077】
また、本実施形態の保管庫10によれば、リミットスイッチ105が被保管物の数を検出しており、電極28が検出している被保管物の数と、リミットスイッチ105が検出している被保管物の数とが一致しないときに、接触式ICチップ90の読み取り不良を判断するので(図15のS1202:NO、S1207、S1208参照。)、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0078】
また、本実施形態の保管庫10によれば、保管庫10に保管されている全ての被保管物を被保管物記憶手段74に記憶しており、操作パネル13の収納スイッチ23が操作されたときに、被保管物記憶手段74が記憶する被保管物の数が増加しない場合、または、操作パネル13の取出スイッチ24が操作されたときに、被保管物記憶手段74が記憶する被保管物の数が減少しないときに、接触式ICチップ90の読み取り不良を判断するので(図15のS1203:YES、S1204:NO、S1205:YES、S1206:NO、S1207、S1208参照。)、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0079】
また、本実施形態の保管庫10によれば、保管庫10に保管されている全ての被保管物を被保管物記憶手段74に記憶しており、電子錠14が開閉された後、被保管物記憶手段74が記憶する被保管物の数が変化しないときに、接触式ICチップ90の読み取り不良を判断して、保管庫10の使用権限の認証を行ったICカード80に対応するパソコン4
に対して、被保管物の数が変化しなかったことを、LANなどのLAN2を介して通知するので(図15のS1201:NO、S1208参照。)、ユーザが被保管物を入出庫して保管庫10から離れた場合でも、被保管物が適切に入出庫されなかったことをユーザに知らせることができ、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0080】
また、保管庫10は、接触式ICチップ90の接触不良を防止する機械的構造を備える。
【0081】
すなわち、本実施形態の保管庫10は、例えば、接触式ICチップ90を電極28Cに押し付けるようにケース101を押圧し、接触式ICチップ90を電極28C側に付勢する付勢部材109を有しており、電極28Cが接触式ICチップ90に確実に接触してデータを取得するので(図6参照。)、被保管物管理に対する信頼性を高めることができる。
【0082】
また、本実施形態の保管庫10は、電極28が折り曲げられて付勢力を発生しており、例えば、CD−ROM102や鍵112を保管庫10に収納するときに、電極28が自身の付勢力で第1接点96と第2接点97に擦れ、接触式ICチップ90に確実に接触してデータを取得するので(図6、図9参照。)、被保管物管理に対する信頼性を高めることができる。
【0083】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。図16は、制御装置1017の電気ブロック図である。
本実施形態の保管庫は、扉12の開閉状態を検出して接触式ICチップ90の接触不良を検出する点で第1実施形態と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点については第1実施形態と同一符号を図面に付して説明を適宜省略する。
【0084】
図16に示すように、制御装置1017は、入出力IF66が開閉状態検出用リミットスイッチ1201に接続されている。開閉状態検出用リミットスイッチ1201は、筐体11に固設され、扉12を閉じたときにオン状態にされ、扉12を開いたときにオフ状態にされる。また、制御装置1017は、HDD64に接触式ICチップデータ接触不良検出用プログラム1073が格納されている。
【0085】
次に、被保管物の管理動作について図17を参照しながら説明する。図17は、図16に示すICチップデータ読取り不良検出プログラム1073を示すフロー図である。
「ICチップデータ接触不良検出手段」の一例であるICチップデータ読取り不良検出プログラム1073は、「保管庫開閉手段」の一例である開閉状態検出用リミットスイッチ1201から入力する信号に基づいて、扉12が閉状態であるか否かを判断する。扉12が閉じられている間は、ユーザが被保管物を保管庫に入出庫できず、被保管物の数が変化するはずがない。そこで、S1221において、保管庫10の扉12が閉じられているときに、被保管物記憶手段74が記憶しているデータに変化があったか否かを判断する。データに変化がないと判断したときには、電極28が第1接点96と第2接点97に接触して接触式ICチップ90からデータを取得できているので、そのまま処理を終了し、図14のS14へ進む。
【0086】
一方、被保管物記憶手段74が記憶しているデータに変化があった場合には、電極28が接触式ICチップ90の第1接点96と第2接点97に適切に接触しなくなったと考えられる。例えば、ユーザがホルダ111を収容凹部120に押し込んでリミットスイッチ105Aをオン状態にした後、扉12を閉じたときに、ホルダ111の押し込みが浅いと
、扉12を閉じた振動やリミットスイッチ105Aの反発力などにより、ホルダ111が位置ずれすることががある。この場合、制御装置1017は、電極28が第1接点96と第2接点97に接触しなくなり、被保管物が減少したと誤認識する恐れがある。そこで、S1207以降の処理を実行し、警報を出力する。S1207以降の処理については上述したので説明を割愛する。
【0087】
従って、本実施形態の保管庫10によれば、保管庫10に保管されている全ての被保管物を被保管物記憶手段74に記憶しておき、保管庫10の扉12を閉じているときに、電極28が、全ての被保管物の各々に取り付けられた接触式ICチップ90を読み取って被保管物記憶手段74に記憶しているが、例えば、電極28がある被保管物に取り付けた第1接点96と第2接点97に接触しなくなり、被保管物記憶手段74が記憶しているデータが書き換えられて変化すると、接触式ICチップ90の読み取り不良を判断するので(図17のS1221、S1207、S1208参照。)、被保管物管理に対する信頼性を高くすることができる。
【0088】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の保管庫は、コストを安価にできる点で、本発明のベストモードと言える。本実施形態の保管庫は、「ICチップデータ読取り手段」の一例である接触電極130が接触式ICチップ135のIC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138に接触したときに、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138との間に流れる電流を利用してLED136を点灯させることにより、接触式ICチップ135のデータ読み取り状態を確認する点が第1実施形態と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点については第1実施形態と同一符号を図面に付して説明を適宜省略する。
【0089】
<ハード構成>
図18は、接触状態検出システムの概略構成図である。図18は保管庫の棚145だけを取り出して記載している。
保管庫の棚145は、底壁145bに背壁145aが垂直に固定され、底壁145bに仕切板145cが位置調節可能に設けられている。背壁145aには、接触電極130が固定されている。接触電極130は、水平方向に長く敷設され、複数のファイル134に設けられた接触式ICチップ135が接触するようになっている。尚、棚145には、第1実施形態のようにリミットスイッチ105やLED98が設けられていない。一方、棚145には、ファイル134の入出庫を制限するための入出庫制限装置106が設けられているが、ここでは説明を省略する。
【0090】
ファイル134は、取付シート142が貼り付けられている。取付シート142には、接触式ICチップ135とIC側プラス電極端子137(後述)とIC側マイナス電極端子138(後述)とが接着剤などで固定され、既存のファイル134に接触式ICチップ135を後付けできるようにされている。接触式ICチップ135は、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138に接続線140を介して接続されている。また、接続線140は、ファイル134の背表紙に接着剤などで固定されたLED136にも接続している。尚、本実施形態では、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138とが、特許請求の範囲に記載する「接触式ICチップに設けられた2つの端子」を構成する。
【0091】
図19は、図18のA部拡大断面図であり、接触式ICチップ135と接触電極130との接触状態を示す。
接触電極130は、背壁145aから突き出している。接触電極130は、絶縁部13
1を挟んでプラス電極端子132とマイナス電極端子133を設けたサンドイッチ構造をなす。プラス電極端子132の先端部とマイナス電極端子133の先端部は、肉厚にされ、断面が外向きに張り出す半円状をなすストッパ132a、133aが設けられている。
【0092】
IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138は絶縁部139を挟んだサンドイッチ構造をなす。IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138は、端部を折り曲げられ、互いに近接する方向に向かってバネ性がもたせられている。以下の説明では、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が最も近接し、接触電極130に接触する部位を第1接点137aと第2接点138aという。IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が弾性変形していない復帰状態では、第1接点137aと第2接点138aは接触電極130の厚さより小さい隙間を空け、不意な電流を接触式ICチップ135に流さないようにしている。IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138は、第1接点137aと第2接点138aの先端部を外向きに折り曲げ、ガイド部137bとガイド部138bがそれぞれ設けられている。
【0093】
図20は、図18に示す被保管物に設けられた電気回路を示す図である。
IC側プラス電極端子137は、抵抗141、LED136を介してIC側マイナス電極端子138に接続している。接触式ICチップ135は、LED136と並列に設けられている。
【0094】
<ファイルの返却動作>
ユーザがファイル134を棚145に押し入れると、IC側プラス電極端子137のガイド部137bとIC側マイナス電極端子138のガイド部138bとの間に接触電極130が挿入される。ガイド部137b,138bがストッパ部132a、133aにそれぞれ突き当たると、ファイル134に抵抗が生じる。ユーザがその抵抗に抗してファイル134を棚145に押し込むと、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138は、第1接点137aと第2接点138aをストッパ部132a,133aによって押し広げられ、外向きに弾性変形する。更にファイル134を棚145に押し込むと、第1接点137aと第2接点138aがストッパ部132a,133aを乗り越え、プラス電極端子132とマイナス電極端子133に各々接触する。このとき、ストッパ部132a、133aが半円状をなすため、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が第1接点137aと第2接点138aとに少しずつ外向きの力を加えられ、円滑に変形する。
【0095】
IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138は、復帰状態における第1接点137aと第2接点138aの離間距離が接触電極130の厚さより小さい。そのため、ファイル134を返却する際には、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が互いに近づく方向の弾性力を発生する。その弾性力によって第1接点137aと第2接点138aが接触電極130に押し付けられ、接触電極130のプラス電極端子132とマイナス電極端子133に確実に擦れ合って接触する。なお、このとき、ストッパ132a,133aが外向きに張り出し、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138を引っ掛けており、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が接触電極130から外れにくい。
【0096】
IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が接触電極130のプラス電極端子132とマイナス電極端子133に接触すると、接触電極130を流れる電流が、接触電極130のプラス電極端子132からファイル134のIC側プラス電極端子137、接触式ICチップ135、IC側マイナス電極端子138を介して接触電極130のマイナス電極端子133へと流れるようになる。この電流により接触式ICチップ1
35が駆動する。接触式ICチップ135は、接触電極130からファイル134の有無を問い合わせるシリアル信号を受信すると応答信号を接触電極130に出力する。制御装置17は、接触電極130から応答信号を入力し、ファイル134が棚145に返却されたことを認識する。
【0097】
図20に示すように接触式ICチップ135とLED136は並列に設けられているため、IC側プラス電極端子137に供給された電流はLED136側にも流れる。よって、LED136は、接触式ICチップ135の駆動とほぼ同時に点灯する。
【0098】
一方、ファイル134を棚145に十分に押し込んでおらず、第1接点137aと第2接点138aが接触電極130に接触しない場合には、接触電極130から接触式ICチップ135に電流が流れない。そのため制御装置17が接触電極130にファイル134を確認するためのシリアル信号を出力していても、接触式ICチップ135が応答信号を接触電極130に出力しない。言い換えれば、接触電極130が接触式ICチップ135からデータを読み取れない。この場合には、ユーザが借りたファイル134を棚145に返却したつもりでも、制御装置17はファイル134を検出せず、当該ファイル134の返却を認識しない。
【0099】
このとき、LED136にも電流が流れないため、LED136は消灯したままである。ユーザがファイル134の返却時にLED136の消灯状態を見て、LED136を点灯させるまでファイル134を棚145に押し込み直すと、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が接触電極130に接触し、接触式ICチップ135が駆動するようになる。これにより、接触電極130が接触式ICチップ135からシリアル信号に対する応答信号を入力し、制御装置17が接触式ICチップ135の応答信号に基づいてファイル134の返却を認識することができる。
【0100】
<ファイルの貸出動作>
ユーザが棚145に収納されるファイル134を取出方向に引っ張ると、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が第1接点137aと第2接点138aを接触電極130のストッパ部132a,133aによって外向きに押圧されて外向きに弾性変形する。第1接点137aと第2接点138aがストッパ部132a、133aを乗り越えて接触電極130に接触しなくなると、接触電極130から接触式ICチップ135に電流が流れなくなる。これに伴って、LED136にも電流が流れなくなり、LED136が消灯する。
【0101】
<LEDの故障に対する対応>
ところで、LED136が故障している場合には、ユーザがファイル134を棚145に強く押し込み、接触式ICチップ135を駆動させたとしても、LED136が消灯したままである。接触式ICチップ135には、LED136の点灯状態を検出する点灯状態検出手段が備えられ、接触式ICチップ135の駆動中にLED136が点灯しないことを検出すると、LED136が故障したことを知らせる警告信号を接触電極130に出力する。制御装置17は警告信号を接触電極130から入力すると、その旨をサーバ3に通知し、サーバ3から保管庫管理者にLED136の故障を知らせる。
【0102】
通知を受けた保管庫管理者は、保管庫へ行って棚145のファイル134を確認し、LED136の交換等の対応を行う。これにより、長期に渡ってLED136の故障状態が続かず、接触式ICチップ135の接触状態を確認する信頼性を確保できる。
【0103】
<作用効果>
従って、本実施形態の保管庫は、接触電極130のプラス電極端子132とマイナス電
極端子133が、接触式ICチップ135の第1接点137aと第2接点138aに接触すると(図19参照)、プラス電極端子132からIC側プラス電極端子137、接触式ICチップ135、IC側マイナス電極端子138を介してマイナス電極端子133へと電流が流れる。その電流によって接触式ICチップ135が駆動し、接触電極130が接触式ICチップ135から応答信号などのデータを読み取ることができるようになる。このとき、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138との間に流れる電流を利用してLED136が点灯する。そのため、ユーザがLED136の点灯を目安にファイル134を保管庫に収納することによって、接触電極130が接触式ICチップ135の第1接点137aと第2接点138aに確実に接触して接触式ICチップ135のデータを確実に読み取るようになり、ファイル134の入出庫を誤認識することなく被保管物を管理することが可能である。よって、本実施形態の保管庫によれば、ファイル管理(被保管物管理)に対する信頼性を高くすることができる。
【0104】
特に、本実施形態の保管庫は、他の実施形態のように、被保管物の有無検出や保管庫に保管されている被保管物の記憶、被保管物の数検出、扉12の開閉検出などに要する装置やプログラムが不要である。よって、本実施形態の保管庫は、第1実施形態の保管庫に比べて構造を簡素化し、コストダウンを図ることができる。
【0105】
更に、本実施形態の保管庫は、LED136をファイル134の各々に設けているので、LED136を発光させるための電気回路構成を簡単にすることができる(図20参照)。しかも、返却するファイル134自身にLED136が設けられているので、LED136とファイル134との対応関係をいちいち確認する必要がなく、使い勝手が良い。
更に付け加えると、本実施形態の保管庫は、複数のファイル134が接触電極130を共有し、シリアル制御によって個々のファイル134を管理するようにしたので、ファイル134の返却位置が固定されず、使い勝手が良い。
【0106】
(第4実施形態)
続いて、本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の保管庫は、複数のクリアファイル151を1つの収納箱152に入れて保管庫で管理する点で第3実施形態と相違する。よって、ここでは、第3実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点については第1実施形態と同一符号を図面に付して説明を適宜省略する。
【0107】
図21は、接触状態検出システムの概略構成図である。
収納箱152は、一方に開口する箱状をなし、外側面に取付シート142を介して接触式ICチップ135とIC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138と接続線140とが取り付けられている。また、収納箱152の外側面には、接続線140に接続するLED136が取り付けられている。収納箱152には10〜20枚のクリアファイル151が収納される。収納箱152の上端縁には、接触電極153が上向きに突き出すように設けられ、クリアファイル151に設けたIC側プラス電極端子159(後述)とIC側マイナス電極端子160(後述)とに接触するようになっている。
【0108】
クリアファイル151は、取付シート157が貼り付けられている。取付シート157は、接触式ICチップ158とIC側プラス電極端子159(後述)とIC側マイナス電極端子160(後述)とが接着剤などで固定されている。接触式ICチップ158は、IC側プラス電極端子159(後述)とIC側マイナス電極端子160(後述)とに接続線162を介して接続している。接続線162には、LED163が接続されている。LED163は、クリアファイル151が収納箱152から露出してユーザに見える位置に取り付けられている。
尚、接触式ICチップ158とIC側プラス電極端子159とIC側マイナス電極端子
160とLED163の回路構成は、図20に示す回路構成と同様であるので説明を省略する。
【0109】
図22は、図21のB部拡大断面図である。
接触電極153は、絶縁部154を挟んでプラス側電極155とマイナス側電極156が設けられたサンドイッチ構造をなす。プラス側電極155とマイナス側電極156の先端部は、肉厚にされ、断面が外向きに張り出す半円状になるストッパ部155a、156aが設けられている。
【0110】
IC側プラス電極端子159とIC側マイナス電極端子160は絶縁部161を介して設けられ、サンドイッチ構造をなす。IC側プラス電極端子159は、クリアファイル151の縁に沿って配設できるように直角に折り曲げられている。これに対して、IC側マイナス電極端子160は略コの字型に折り曲げられ、開放端をIC側プラス電極端子159に近づけるように折り曲げられ、IC側プラス電極端子159に近づく方向のバネ力を備える。以下の説明では、接触電極153が接触するIC側プラス電極端子159の内側面を第1接点159aといい、IC側マイナス電極端子160の接触電極153に接触する部分を第2接点160aということにする。IC側プラス電極端子159とIC側マイナス電極端子160とが弾性変形しない復帰状態では、第1接点159aと第2接点160aとの間隔が接触電極153の厚さより小さくされている。IC側マイナス電極端子160は、第2接点160aより先端側が外向きに折り曲げられ、ガイド部160bが設けられている。
【0111】
尚、本実施形態では、接触電極130及び接触電極153が、特許請求の範囲の「ICチップデータ読取り手段」をそれぞれ構成するものとする。
【0112】
<クリアファイルの返却動作>
ユーザが借りていたクリアファイル151を保管庫の棚145に戻す場合には、棚145から収納箱152を取り出し、IC側プラス電極端子159とIC側マイナス電極端子160の間に接触電極153を挿入するようにクリアファイル151を収納箱152に入れる。そして、収納箱152を棚145に戻す。
【0113】
収納箱152のIC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が接触電極130のプラス電極端子132とマイナス電極端子133に接触すると、接触電極130を流れる電流が、接触電極130のプラス電極端子132から収納箱152のIC側プラス電極端子137、接触式ICチップ135、IC側マイナス電極端子138を介して接触電極130のマイナス電極端子133へと流れる。これにより、接触式ICチップ135が駆動する。また、収納箱152のIC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138との間に流れる電流は、収納箱152に設けられた接触電極153のプラス電極端子155からクリアファイル151のIC側プラス電極端子159、接触式ICチップ158、IC側マイナス電極端子160を介して接触電極153のマイナス電極端子156へも流れる。これにより、接触式ICチップ158が駆動する。
【0114】
収納箱152の接触式ICチップ135は、駆動後に、クリアファイル151の接触式ICチップ158から接触電極153を介してクリアファイル151に関するデータを取得し、RAM153に記憶しておく。そして、ファイル151の有無を問い合わせるシリアル信号を接触電極130から入力したときに、収納箱152に関するデータとともに、RAM153に取得したクリアファイルに関するデータを接触電極130に出力する。制御装置17は接触電極130からデータを入力すると、収納箱152を出し入れする前後のデータを比較し、返却されたクリアファイル151のデータが増加したことを認識する。これにより、制御装置17は、貸し出されたクリアファイル151が返却されたことを
認識する。
【0115】
接触式ICチップ135、158の駆動時には、LED136とLED163が電流を供給され、点灯する。
【0116】
ところが、例えば、IC側プラス電極端子159とIC側マイナス電極端子160がLED136側にくるようにユーザがクリアファイル151を収納箱152に入れた場合には、LED136が点灯するように収納箱152を棚145に戻しても、LED163が点灯しない。ユーザは、LED163が点灯しない状況を見て、クリアファイル151に設けた接触式ICチップ158の読み取り不良に気付き、クリアファイル151の収納状態を再確認する。この時点で、ユーザがクリアファイル151の収納方向が間違っていたことに気付き、クリアファイル151を収納箱152に正しく入れ直して収納箱を棚145に戻す。これにより、LED163が点灯し、ユーザはIC側プラス電極端子159及びIC側マイナス電極端子160と接触電極153との接触が良好になったことを確認できる。
【0117】
<クリアファイルの貸出動作>
ユーザが収納箱152を棚145から取出方向に引っ張ると、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138が接触電極130から外れ、第1接点137aと第2接点138aがプラス電極端子132とマイナス電極端子133に接触しなくなる。これにより、IC側プラス電極端子137とIC側マイナス電極端子138との間に電流が流れなくなり、接触式ICチップ135が駆動しなくなる。
【0118】
これに伴って、収納箱152の接触電極153からクリアファイル151の接触式ICチップ158に電流が流れなくなり、接触式ICチップ158が駆動しなくなる。
【0119】
このように接触式ICチップ135,158が駆動しなくなると、接触電極153が接触式ICチップ135,138のデータを読み取らなくなる。このとき、収納箱152のLED136とクリアファイル151のLED163に電流が流れず、収納箱152のLED136とクリアファイル151のLED163が消灯する。
【0120】
ユーザが必要なクリアファイル151を収納箱152から取り出し、収納箱152を棚145に戻すと、収納箱152の接触式ICチップ135が電流を供給されて駆動する。また、収納箱152に収納されているクリアファイル151の接触式ICチップ158にも電流が流れ、接触式ICチップ158が駆動する。収納箱152の接触式ICチップ135は、クリアファイル151の接触式ICチップ158から接触電極153を介してデータを取得し、接触電極130から入力したシリアル信号に応じてクリアファイル151の接触式ICチップ158から取得したデータを接触電極130に出力する。制御装置17は、接触電極130からデータを取得し、収納箱152に収納されているクリアファイル151を認識する。
【0121】
このとき、収納箱152から取り出して貸し出されたクリアファイル151については、収納箱152の接触式ICチップ135がデータを取得していない。そのため、貸し出したクリアファイル151のデータは制御装置17に認識されない。制御装置17は、収納箱152の出し入れ前後のデータ変化に基づいて、データ認識できなくなったクリアファイル151を特定し、特定したクリアファイル151が貸し出されたことを認識する。
【0122】
<LEDの故障>
このようにクリアファイル151を入れ直してもLED163が点灯しない場合には、LED163が故障している恐れがある。この場合には、クリアファイル151の接触式
ICチップ158がLED163の故障を検出して収納箱152の接触式ICチップ135に第1LED異常信号を出力する。第1異常信号には、故障したLED163が取り付けられたクリアファイル151を特定する情報が含まれる。
【0123】
第1LED異常信号は接触式ICチップ135に入力される。接触式ICチップ135は、第1LED異常信号に、収納箱152を識別する情報を含む第2LED異常信号を付加し、第1,第2LED異常信号を接触電極130に出力する。
【0124】
制御装置17は、接触電極130から第1,第2LED異常信号を入力すると、その第1,第2LED異常信号に、故障したクリアファイル151を入れられた収納箱152を収納する棚145の位置、及び、保管庫の位置を識別する第3LED異常信号を付加し、第1〜第3LED異常信号をサーバ3に出力する。
【0125】
サーバ3は、第1〜第3LED異常信号を入力して解析し、保管庫管理者に、故障したLED163を備えるクリアファイル151、そのクリアファイル151を収納する収納箱152の位置、その収納箱152を収納する棚145及び保管庫の位置などを特定した故障通知を作成する。そして、作成した故障通知を保管庫管理者のパソコン宛に送信する。故障通知を見た保管庫管理者は、故障通知の内容から故障したLED163がある保管庫、棚145、収納箱152、クリアファイル151の位置を簡単に特定し、故障したLED163の交換作業を行うことが可能である。
【0126】
<作用効果>
従って、本実施形態の保管庫は、接触電極130のプラス電極端子132とマイナス電極端子133がIC側プラス電極端子137の第1接点137aとIC側マイナス電極端子138の第2接点138aに接触すると、接触電極130からIC側プラス電極端子137、接触式ICチップ135、IC側マイナス電極端子138を介してマイナス電極端子133へ電流が供給される。この電流により接触式ICチップ135が駆動する。このとき、収納箱52のLED136が棚145の接触電極130から供給された電流によって点灯する。
【0127】
また、保管庫の接触電極130から供給された電流は、収納箱152に設けられた接触電極153のプラス電極端子155からクリアファイル151のIC側プラス電極端子159、接触式ICチップ158、IC側マイナス電極端子160を介して収納箱152に設けられた接触電極153のマイナス電極端子156に流れる。この電流により接触式ICチップ158が駆動する。このとき、クリアファイル151のLED163が棚145の接触電極130から収納箱152の接触電極153を介して供給される電流によって点灯する。
【0128】
そのため、ユーザがLED136の点灯を目安に収納箱152を保管庫の棚145に収納する他、LED163の点灯を目安にクリアファイル151を収納箱152に入れることによって、接触電極130が接触式ICチップ135のデータと接触式ICチップ158のデータを確実に読み取るようになり、クリアファイル151の入出庫を誤認識することなくクリアファイル151を管理することが可能である。よって、本実施形態の保管庫によれば、クリアファイル管理(被保管物管理)に対する信頼性を高くすることができる。特に、クリアファイル151のようにそれ自身では棚145に収納しにくいものであっても、収納箱152にまとめて入れて管理できる。
【0129】
また、本実施形態の保管庫によれば、個々のクリアファイル151にLED163を設けているので、接触不良を生じているクリアファイル151をひと目で判別することができ、便利である。
【0130】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0131】
例えば、上記実施形態では、ICカード80を読み取って本人認証をしたが、指紋認証、顔認証、静脈認証など本人を識別できるものであれば本人認証の手段を問わない。
【0132】
例えば、上記実施形態では、図8に示すようにホルダ111の下端面でリミットスイッチ105Aを押すようにした。これに対して、図23に示すように、リンク1118の後端部でリミットスイッチ105を押すようにしてもよい。この場合にも、図23に示すように、スプリング1116を圧縮した状態でソレノイド1117をリンク1118に連結し、ソレノイド1117の駆動力を利用してリンク1118を図中時計方向及び反時計方向に回転させるように、入出庫制限装置1106を構成してもよい。
【0133】
例えば、上記実施形態では、第1接点96と第2接点97が装着シート103に接着され、ケース101の切欠部101a,101aから露出するようにした。これに対して、図24に示すように、板状の第1接点1096と第2接点1097を弓なりに撓らせた状態でケース101に装着してもよい。そして、棚16に板状の電極1028を取り付け、第1接点1096と第2接点1097がもつ弾性力によって第1接点1096と第2接点1097が電極1028に擦れ合うようにしてもよい。
【0134】
例えば、上記実施形態では、リミットスイッチ105により被保管物の有無(数)を検出した。これに対して、図25に示すように、保管庫10の背面に光学センサ1105を取り付け、光学センサ1105から被保管物101に向かって検出光を照射し、その反射光を検出することにより被保管物の数(有無)を検出するようにしてもよい。
【0135】
例えば、上記実施形態では、入出庫制限手段106を被保管物毎に設けたが、棚16に収容される被保管物を全体として或いはグループ毎にまとめて入出庫を制限するように入出庫制限手段106を設けてもよい。
【0136】
例えば、上記実施形態において、表示パネル26に保管庫10に収容されている被保管物の位置若しくはリストを表示して、ユーザに被保管物の管理状況をユーザに知らせるようにしてもよい。
【0137】
例えば、上記実施形態では、1個の保管庫10に1個の制御装置17を取り付けた。これに対して、図26に示すように、複数(ここでは4個)の保管庫10を1個の制御装置1017で制御するようにしてもよい。この場合、制御装置1017には、1個の操作パネル1013を取り付けるとよい。そして、図27に示すように、保管庫10A,10B,10C,10Dを特定する特定スイッチ10221,1022B,1022C,1022Dを操作パネル1013に設け、ユーザが押した特定スイッチ1022に対応する保管庫10を開閉許可するようにしてもよい。尚、図27に示す操作パネル1013は、表示部26やスピーカ27がなく、安価に構成されている。この場合、ユーザが被保管物を入出庫したときに接触式ICチップ135の接触不良が生じても、その場で警報を発することができない。しかし、制御装置1017がサーバ3に警報を出力し、サーバ3からパソコン4に警告メールを送信するようにすれば、接触式ICチップ90の接触不良をユーザに知らせることができる。
【0138】
例えば、上記第3,第4実施形態では、接触式ICチップ接触時に流れる電流を利用して発光するLEDを被保管物側に設けたが、保管庫側にLEDを設けるようにしてもよい。
例えば、上記第3,第4実施形態では、複数の被保管物が共有するように保管庫に接触
電極130を設け、被保管物をシリアル制御したが、個々の被保管物に対応して接触電極130を設け、被保管物をパラレル制御してもよい。
例えば、上記第3,第4実施形態ではファイル134、収納箱152、クリアファイル151を被保管物の例に挙げたが、CD−ROM、USBメモリ、パソコンなどを被保管物とし、接触式ICチップに流れる電流を利用して点灯するLEDを取り付けるようにしてもよい。
【0139】
例えば、上記第4実施形態では、接触式ICチップ135が接触式ICチップ158からデータを取得して、それを接触電極130に出力するようにした。これに対して、接触電極130が接触電極153を介して接触式ICチップ158に直接問い合わせ、接触式ICチップ158から接触電極153を介して接触電極130に応答信号を出力するようにしてもよい。この場合、接触式ICチップ135には、収納箱152に関するデータのみを接触電極153に出力する機能を持たせるだけでよくなり、プログラムの内容を単純にできる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の第1実施形態に係る保管庫を含む保管庫ネットワークシステムの概略構成図である。
【図2】図1に示す保管庫の一例を示す外観斜視図であって、扉を閉じた状態を示す。
【図3】図2に示す保管庫の外観斜視図であって、扉を開いた状態を示す。
【図4】図2に示す操作パネルの正面図である。
【図5】CD−ROMのケースに接触式ICチップを取り付けた例を示す図である。
【図6】CD−ROMを収容する棚の構造例を示す図である。
【図7】鍵に接触式ICチップを取り付けた例を示す図である。
【図8】鍵を収容する棚の構造例である。
【図9】図8に示す電極の取付例を示す図である。
【図10】図2に示す保管庫に取り付けられた制御装置の電気ブロック図である。
【図11】図10に示す被保管物利用履歴記憶手段のデータ構造を示す図である。
【図12】ICカードの電気ブロック図である。
【図13】接触式ICチップの電気ブロック図である。
【図14】図10に示す開閉許可プログラムのフロー図である。
【図15】図10に示すICチップデータ読取り不良検出プログラムのフロー図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る保管庫に取り付けられた制御装置の電気ブロックを示す図である。
【図17】図16に示すICチップ読取り不良検出プログラムを示すフロー図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係る保管庫に設けられた接触状態検出システムの概略構成図である。
【図19】図18のA部拡大断面図である。
【図20】図18に示す被保管物に設けられた電気回路を示す図である。
【図21】本発明の第4実施形態に係る保管庫に設けられた接触状態検出システムの概略構成図である。
【図22】図21のB部拡大断面図である。
【図23】入出庫制限制限装置の変形例を示す図である。
【図24】接触式ICチップの取付変形例を示す図である。
【図25】被保管物検出手段の変形例を示す図である。
【図26】保管庫ネットワークシステムの変形例を示す図である。
【図27】図26に示すシステムで使用される操作パネルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1 保管庫
2 LAN
3 サーバ
4 パソコン
13 操作パネル
14 電子錠(保管庫開閉手段)
21 カード読取り部(カード読取り手段)
23 収納スイッチ
24 取出スイッチ
28 電極(ICチップデータ読取り手段)
72 開閉許可プログラム(開閉許可手段)
73,1073 ICチップデータ読取り不良検出プログラム(ICチップデータ読取り不良検出手段、ICチップデータ読取り不良通知手段)
90 接触式ICチップ
102 CD−ROM(被保管物)
105 リミットスイッチ(被保管物有無検出手段、被保管物数検出手段)
112 鍵(被保管物)
130 接触端子(ICチップデータ読取り手段)
135 接触式ICチップ
136 LED
137 ICチップ側プラス電極端子(端子)
138 ICチップ側マイナス電極端子(端子)
153 接触端子(ICチップデータ読取り手段)
158 接触式ICチップ
159 ICチップ側プラス電極端子(端子)
160 ICチップ側マイナス電極端子(端子)
163 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、
前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、
前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、
前記被保管物の有無を検出する被保管物有無検出手段と、
前記ICチップデータ読取り手段が検出している被保管物と、前記被保管物有無検出手段が検出している被保管物とが一致しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする保管庫。
【請求項2】
被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、
前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、
前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、
保管庫に保管されている全ての被保管物を記憶する被保管物記憶手段と、
前記保管庫開閉手段が、保管庫の扉を閉じているときに、前記ICチップデータ読取り手段が、前記全ての被保管物の各々の接触式ICチップを読み取り、前記被保管物記憶手段が記憶しているデータに変化があったときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする保管庫。
【請求項3】
被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、
前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、
前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、
前記被保管物の数を検出する被保管物数検出手段と、
前記ICチップデータ読取り手段が検出している被保管物の数と、前記被保管物数検出手段が検出している被保管物の数とが一致しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有すること特徴とする保管庫。
【請求項4】
被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取っ
たカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備える保管庫において、
前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、
前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、
保管庫に保管されている全ての被保管物を記憶する被保管物記憶手段と、
被保管物を収納したときに操作する収納スイッチと、被保管物を取り出したときに操作する取出スイッチとを備える操作パネルと、
前記収納スイッチが操作されたときに、前記被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が増加しない場合、または、前記取出スイッチが操作されたときに、前記被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が減少しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断するICチップデータ読取り不良検出手段とを有することを特徴とする保管庫。
【請求項5】
被保管物を収納するものであって、カード読取り手段と、該カード読取り手段が読取ったカードが開閉許可を有するものか否かを判断する開閉許可手段と、該開閉許可手段の許可を受けて、保管庫の扉を開放状態とする保管庫開閉手段とを備え、LANによりサーバを介して複数のパソコンに接続される保管庫において、
前記個々の被保管物に接触式ICチップが取り付けられ、
前記接触式ICチップに設けられた2つの端子と接触することにより、前記接触式ICチップのデータを読み込むICチップデータ読取り手段と、
保管庫に保管されている全ての被保管物を記憶する被保管物記憶手段と、
前記保管開閉手段が開閉された後、前記被保管物記憶手段が記憶する被保管物の数が変化しないときに、前記接触式ICチップの読み取り不良を判断して、前記保管庫開閉を行った前記カードに対応する前記パソコンに対して、被保管物の数が変化しなかったことを、前記LANを介して通知するICチップデータ読取り不良通知手段とを有することを特徴とする保管庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−314348(P2007−314348A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150168(P2007−150168)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【分割の表示】特願2006−123955(P2006−123955)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】