説明

信号ライン方法および装置

【課題】放射線画像を記録する放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号のうち、欠陥ラインに近接する異常ラインから読み出された放射線画像信号に対し補正を施す信号ライン方法において、放射線画像の情報の損失を低減する。
【解決手段】放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号に基づいて、信号量が所定の閾値以下である欠陥線状電極を検出し、その欠陥線状電極に近接する線状電極を異常線状電極として設定するとともに、欠陥線状電極に近接するとともに信号量が正常な線状電極を参照線状電極として設定し、異常線状電極により読み出された信号と参照線状電極により読み出された信号との差を補正量として算出し、その算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、その算出した低周波成分補正量を異常線状電極により読み出された信号に加算して補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号に対し、信号ラインを施す信号ライン方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射により被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器が各種提案、実用化されている。
【0003】
上記放射線画像検出器としては、たとえば、放射線の照射により電荷を発生するアモルファスセレンを利用した放射線画像検出器があり、そのような放射線画像検出器として、いわゆる光読取方式のものやTFT読取方式のものが提案されている。
【0004】
光読取方式の放射線画像検出器としては、たとえば、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層、第1の電極層を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および読取光を透過する透明線状電極と読取光を遮光する遮光線状電極とからなる第2の電極層をこの順に積層してなるものが提案されている。
【0005】
一方、TFT読取方式の放射線画像検出器としては、たとえば、電圧が印加される上部電極と、放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体層と、半導体層において発生した電荷を蓄積する蓄積容量と蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチとを有する画素が2次元状に多数配列され、TFTスイッチをON/OFFするための制御信号が流される走査配線と蓄積容量からTFTスイッチを介して読み出された電荷信号が流れ出すデータ配線とが格子状に設けられたアクティブマトリクス基板とが積層されたものが提案されている。
【0006】
ここで、上記のような放射線画像検出器においては、読み出した電荷信号が流れ出す線状電極やデータ配線(以下これらを「信号ライン」という)に断線などの欠陥が生じる場合がある。そして、このような欠陥が生じた場合、その信号ラインに近接する信号ラインにより読み出される信号の強度が応答遅れにより変化する問題を生じていた。また、上記のように欠陥が生じた信号ラインからその信号ラインに近接する信号ラインに電荷が漏れ出して正常な信号強度とならない問題を生じていた。
【0007】
また、上記のような放射線画像検出器の信号ラインは、その信号ラインに流れ出す信号を検出するチャージアンプなどを備えた読取回路に接続される。そして、読取回路において、マルチプレクサによりチャージアンプの出力を順次切り替えて後段のA/D変換器に接続することによって、各信号ラインに対応する放射線画像信号が順次読み出される。
【0008】
しかしながら、読取回路の最初の読取対象の信号ラインにより読み出される信号の強度についても、やはり応答遅れにより変化するという問題を生じていた。
【0009】
そして、従来、上記のような信号ライン欠陥が生じた場合、たとえば、特許文献1に示されるように、欠陥信号ラインに近接する正常な信号ラインから読み出された信号を用いて補間することによって欠陥信号ラインに近接する異常信号ラインの信号の補正を行なっていた。
【特許文献1】特開2006−180099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記のように欠陥信号ラインに近接する正常な信号ラインから読み出された信号を用いて補間したのでは、異常信号ラインにより読み出された信号の情報は完全に失われてしまう。そして、実際には、異常信号ラインより読み出された信号は、濃度つまり低周波成分が異常なだけで高周波成分は正常である。
【0011】
また、読取回路の最初の読取対象の信号ラインにより読み出される信号についても、近接する信号ラインの信号を用いて補間したのでは、上記と同様の問題を生じる。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑み、放射線画像の情報の損失を低減することができる信号ライン補正方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の信号ライン方法は、放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、その電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、その多数の信号ラインにより上記電荷に応じた放射線画像信号が読み出される放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号に基づいて、信号量の閾値判定により欠陥信号ラインを検出し、その欠陥信号ラインに近接する信号ラインを異常信号ラインとして設定するとともに、欠陥信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定し、異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出し、その算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、その算出した低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正することを特徴とする。
【0014】
また、上記本発明の信号ライン方法においては、上記補正を欠陥信号ラインにより読み出された信号の補正前に行なうようにすることができる。
【0015】
本発明の第2の信号ライン方法は、放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、その電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、その多数の信号ラインに流れ出した上記電荷に応じた信号が読取回路によって放射線画像信号として読み出される放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号のうち、異常信号ラインから読み出された放射線画像信号に対し補正を施す信号ライン方法において、
読取回路の最初の読取対象となる読取開始信号ラインを異常信号ラインとして設定するとともに、異常信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定し、異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出し、その算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、その算出した低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正することを特徴とする。
【0016】
また、上記第1および第2の信号ライン方法においては、上記補正の後、その補正された信号に対し、信号ラインに並行な方向に延びるスジムラを除去する処理を施すようにすることができる。
【0017】
本発明の第1の信号ライン装置は、放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、その電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、その多数の信号ラインにより上記電荷に応じた放射線画像信号が読み出される放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号に基づいて、信号量の閾値判定により欠陥信号ラインを検出する欠陥信号ライン検出部と、欠陥信号ライン検出部により検出された欠陥信号ラインに近接する信号ラインを異常信号ラインとして設定する異常信号ライン設定部と、欠陥信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定する参照信号ライン設定部と、異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出する補正量算出部と、補正量算出部により算出された補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出する低周波成分補正量算出部と、低周波成分補正量算出部より算出された低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正する補正部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、上記本発明の第1の信号ライン装置は、補正部を、上記補正を欠陥信号ラインにより読み出された信号の補正前に行なうものとすることができる。
【0019】
本発明の第2の信号ライン装置は、放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、その電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、その多数の信号ラインに流れ出した上記電荷に応じた信号が読取回路によって放射線画像信号として読み出される放射線画像検出器から読み出された放射線画像信号のうち、異常信号ラインから読み出された放射線画像信号に対し補正を施す信号ライン装置において、読取回路の最初の読取対象となる読取開始信号ラインを異常信号ラインとして設定する異常信号ライン設定部と、異常信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定する参照信号ライン設定部と、異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出する補正量算出部と、補正量算出部により算出された補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出する低周波成分補正量算出部と、低周波成分補正量算出部により算出された低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正する補正部とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、上記第1および第2の信号ライン装置においては、補正部を、上記補正の後、その補正された信号に対し、信号ラインに並行な方向に延びるスジムラを除去する処理を施すものとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の信号ライン方法および装置によれば、信号量の閾値判定により欠陥信号ラインを検出し、その欠陥信号ラインに近接する信号ラインを異常信号ラインとして設定するとともに、欠陥信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定し、異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出し、その算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、その算出した低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正するようにしたので、放射線画像の高周波成分の情報を損失することなく異常信号ラインに読み出された信号の補正を行なうことができる。
【0022】
また、上記本発明の信号ライン方法および装置において、異常信号ラインの補正を行う前に、欠陥信号ラインの補正を行おうとすると、異常信号ラインよりもさらに欠陥信号ラインから離れた位置にある信号ラインの信号を用いなければならないが、位置が欠陥信号ラインから離れることでアーティファクトが生じてしまう。そこで、異常信号ラインの信号の補正を欠陥信号ラインにより読み出された信号の補正前に行なうようにした場合には、欠陥信号ラインの補正を補正後の異常信号ラインの信号を用いて行うことができ、上記のようなアーティファクトが生じるのを回避することができる。
【0023】
本発明の第2の信号ライン方法および装置によれば、読取回路の最初の読取対象となる読取開始信号ラインを異常信号ラインとして設定するとともに、異常信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定し、異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出し、その算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、その算出した低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正するようにしたので、放射線画像の高周波成分の情報を損失することなく異常信号ラインに読み出された信号の補正を行なうことができる。
【0024】
また、上記第1および第2の信号ライン方法および装置において、上記補正の後、その補正された信号に対し、信号ラインに並行な方向に延びるスジムラを除去する処理を施すようにした場合には、さらに補正残差を除去することができるので、放射線画像の情報をより適切に表わす放射線画像信号を取得することができる。なお、上記補正残差とは、参照信号ラインと異常信号ラインとの位置の相違に起因する放射線画像信号の差のことをいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の信号ライン装置の第1の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムについて説明する。本乳房画像撮影表示システムは、本システムが有する放射線画像検出器における線状電極の欠陥補正の方法に特徴を有するものであるが、まずは、そのシステム全体の概略構成について説明する。図1は、本乳房画像撮影表示システムの概略構成を示す図である。
【0026】
本乳房画像撮影表示システムは、乳房の放射線画像を撮影する乳房画像撮影装置10と、乳房画像撮影装置10により撮影された乳房の放射線画像を表わす放射線画像信号に基づいて乳房の放射線画像を表示する乳房画像表示装置20とを備えている。
【0027】
乳房画像撮影装置10は、内部に放射線源1を収納する放射線照射部2と、被写体である乳房Mが設置される撮影台3と、放射線照射部2と撮影台3とが対向するように端部に取り付けられ、軸Cで回転可能に基台5に取り付けられたアーム4とを備えている。そして、アーム4には、撮影台3上に設置された乳房Mを圧迫する圧迫板6が取り付けられている。
【0028】
撮影台3内には、放射線画像検出器30をケースに収納したカセッテ15が内部に設置される。また、カセッテ15内には、放射線画像検出器30とともに、後述する読取光を放射線画像検出器30に照射する読取光源と読取光源を移動させる移動機構とが設けられている。
【0029】
放射線画像検出器30としては、たとえば、記録方式の観点からは、いわゆる直接変換方式または間接変換方式のどちらの方式のものを利用してもよく、また、読取方式の観点からは、いわゆる光読取方式またはTFT読取方式のどちらの方式のものを利用してもよいが、本実施形態においては、直接変換方式および光読取方式の放射線画像検出器を利用するものとする。図3は、本実施形態のおける放射線画像検出器30の斜視図、図4は図3に示す放射線画像検出器の4−4線断面図である。
【0030】
放射線画像検出器30は、図3および図4に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層31、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層32、記録用光導電層32において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層33、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層34、および読取光を透過する複数の透明線状電極37と読取光を遮光する複数の遮光線状電極38とが所定の間隔を空けて交互に平行に配列された第2の電極層35をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層32と電荷輸送層33との界面近傍には、記録用光導電層32内で発生した電荷を蓄積する蓄電部36が形成される。なお、上記各層は、ガラス基板上に第2の電極層35から順に形成されるものであるが、図3および図4においては、ガラス基板を省略している。また、各層の材料などについては、公知の材料を使用することができるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0031】
また、図5に、放射線画像検出器30を第2の電極層35側から見た図を示す。なお、図5においては、透明線状電極37は図示省略している。図5に示すように、放射線画像検出器30の端部には、放射線画像検出器30の遮光線状電極38に流れ出した信号を読み出す多数の読取回路60が配設されている。各読取回路60には、放射線画像検出器30の遮光線状電極38が、256本ずつまとめられてそれぞれ接続されている。
【0032】
そして、読取回路60は、図6に示すように、遮光線状電極38に流れ出した信号を検出する多数のチャージアンプ50、マルチプレクサ60aおよびA/D変換器60bを備えたICであり、各遮光線状電極38に流れ出した信号を各遮光線状電極38に接続された各チャージアンプ50により検出し、マルチプレクサ60aによりチャージアンプ50の出力を順次切り替えて後段のA/D変換器60bに接続することによって、各遮光線状電極38に対応する放射線画像信号を順次読み出していくものである。
【0033】
ここで、放射線画像検出器30への放射線画像の記録および読取りの作用について説明する。
【0034】
まず、図7(A)に示すように、高圧電源40によって放射線画像検出器30の第1の電極層31に負の電圧を印加した状態において、被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器30の第1の電極層31側から照射される。
【0035】
そして、放射線画像検出器30に照射された放射線は、第1の電極層31を透過し、記録用光導電層32に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層32において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層31に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として記録用光導電層32と電荷輸送層33との界面に形成される蓄電部36に蓄積されて放射線画像が記録される(図7(B)参照)。
【0036】
そして、次に、図8に示すように、第1の電極層31が接地された状態において、線状の読取光源(図示省略)が走査されて第2の電極層35側から線状の読取光L1が照射され、読取光L1は透明線状電極37を透過して読取用光導電層34に照射される。読取光L1の照射により読取用光導電層34において発生した正の電荷が蓄電部36における潜像電荷と結合するとともに、負の電荷が、遮光線状電極38に接続されたチャージアンプ50を介して遮光線状電極38に帯電した正の電荷と結合する。
【0037】
そして、読取用光導電層34において発生した負の電荷と遮光線状電極38に帯電した正の電荷との結合によって、チャージアンプ50に電流が流れ、この電流が積分されて放射線画像信号として検出される。
【0038】
そして、読取回路60において、マルチプレクサ60aによりチャージアンプ50の出力を順次切り替えて後段のA/D変換器60bに接続することによって、各遮光線状電極38に対応する放射線画像信号が順次読み出される。
【0039】
乳房画像表示装置20は、図2に示すように、乳房画像撮影装置10における放射線画像検出器30から読み出された放射線画像信号を取得する放射線画像信号取得部21と、放射線画像信号取得部21により取得された放射線画像信号に基づいて、欠陥信号ライン(以下、隣接する1本ずつの透明線状電極37と遮光線状電極38とが対になったものを信号ラインという)を検出する欠陥信号ライン検出部22と、欠陥信号ライン検出部22により検出された欠陥信号ラインに近接する信号ラインを異常信号ラインとして設定する異常信号ライン設定部23と、欠陥信号ライン検出部22により検出された欠陥信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定する参照信号ライン設定部24と、異常信号ライン設定部23により設定された異常信号ラインにより読み出された信号と参照信号ライン設定部24により設定された参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出する補正量算出部25と、補正量算出部25により算出された補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出する低周波成分補正量算出部26と、低周波成分補正量算出部26より算出された低周波成分補正量を異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正する補正部27と、補正部27において補正された放射線画像信号に基づいて放射線画像を表示する表示部28とを備えている。なお、図示省略したが、乳房画像撮影装置10および上記各部に制御信号を出力してシステム全体の制御を行なう制御部も備えている。
【0040】
放射線画像信号取得部12は、放射線画像信号を記憶するメモリを有し、入力された放射線画像信号を上記メモリに記憶するとともに、メモリに記憶された放射線画像信号を欠陥信号ライン検出部22や補正部27などに出力するものである。
【0041】
欠陥信号ライン検出部22は、入力された放射線画像信号を解析し、読み出された信号量の閾値判定により所定の信号ラインを欠陥信号ラインとして設定するものである。なお、上述したように本実施形態では、1対の透明線状電極と遮光線状電極を1つの信号ラインとして呼んでいるが、欠陥信号ライン検出部22は、その一対の透明線状電極37の遮光線状電極38の少なくとも一方に欠陥がある場合に、その線状電極を含む信号ラインを欠陥信号ラインとして設定するものである。また、閾値判定は、信号量が所定の閾値以下の信号ラインを欠陥信号ラインとしてもよいし、信号量が所定の閾値以上の信号ラインを欠陥信号ラインとしてもよいし、もしくは信号量が所定の範囲外の信号ラインを欠陥信号ラインとしてもよい。
【0042】
異常信号ライン設定部23は、欠陥信号ライン検出部22により設定された欠陥信号ラインの両側にそれぞれ最近接する各2組の信号ラインすなわち合計4組の信号ラインを異常信号ラインとして設定するものである。
【0043】
参照信号ライン設定部24は、入力された放射線画像信号を解析し、欠陥信号ライン検出部22により検出された欠陥信号ラインに近接する信号ラインのうち、読み出された信号量が所定の閾値以上の信号ラインを参照信号ラインとして設定するものである。
【0044】
低周波成分補正量算出部26は、補正量算出部25により算出された補正量に対し、メディアンフィルタ処理などを施して補正量に含まれる周波数成分のうち高周波成分を取り除き、低周波成分を含む低周波成分補正量を算出するものである。
【0045】
表示部28は、モニタを有し、乳房の放射線画像を含む放射線画像全体をそのモニタにより表示するものである。
【0046】
次に、本乳房画像撮影表示システムの作用について、図1〜図8と図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
まず、被検者が乳房画像撮影装置10の横に立つと、撮影台3が被検者の身長に応じた高さに移動するとともに、アーム4が被検者の乳房の大きさや形状に応じて回転する。そして、撮影台3の上に被検者の乳房が設置された後、乳房が撮影に適した厚さとなるように圧迫板6が移動する。
【0048】
そして、乳房の圧迫が完了すると、放射線照射部2の放射線源1から放射線が射出され、乳房に放射線が照射される。そして、被検者の乳房を透過した放射線が撮影台3内のカセッテ15に照射され、カセッテ15内の放射線画像検出器30に乳房の放射線画像が記録されて放射線画像の撮影が行なわれる(S10)。
【0049】
次に、カセッテ15内の放射線画像検出器30に記録された乳房の放射線画像を表す放射線画像信号が読み取られ、その放射線画像信号が乳房画像表示装置20に出力され、放射線画像信号取得部21によって取得され、放射線画像信号取得部21のメモリに記憶される(S12)。
【0050】
そして、放射線画像信号取得部21により取得された放射線画像信号は欠陥信号ライン検出部22に出力される。そして、欠陥信号ライン検出部22は、入力された放射線画像信号を解析し、読み出された信号量が所定の閾値以下である信号ラインを欠陥信号ラインとして設定する(S14)。
【0051】
そして、欠陥信号ライン検出部22において検出された欠陥信号ラインの情報が異常信号ライン設定部23に出力される。異常信号ライン設定部23は、欠陥信号ライン検出部22により設定された欠陥信号ラインの両側にそれぞれ最近接する各2組の信号ライン、すなわち合計4組の信号ラインを異常信号ラインとして設定する(S16)。一方、欠陥信号ライン検出部22において検出された欠陥信号ラインの情報は参照信号ライン設定部24にも出力される。参照信号ライン設定部24は、入力された放射線画像信号を解析し、欠陥信号ライン検出部22により検出された欠陥信号ラインに近接する信号ラインのうち、読み出された信号量が所定の閾値以上の信号ラインを参照信号ラインとして設定する(S16)。なお、本実施形態においては、欠陥信号ラインの両側にそれぞれ最近接する各2組の信号ラインを異常信号ラインとして設定しているので、この異常信号ラインを除く信号ラインのうち、読み出された信号量が所定の閾値以上の信号ラインが参照信号ラインとして設定される。また、本実施形態では、上記のように読み出された信号量が所定の閾値以上の信号ラインを参照信号ラインとしたが、欠陥信号ラインの影響を受けていないと考えられる程度に十分な信号ライン数以上欠陥ラインから離れている信号ラインを参照信号ラインとして設定するようにしてもよい。
【0052】
そして、異常信号ライン設定部23と参照信号ライン設定部24には適宜放射線画像信号が入力され、異常信号ライン設定部23は、異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号を取得し、補正量算出部25に出力する。一方、参照信号ライン設定部24は、参照信号ラインにより読み出された放射線画像信号を取得し、補正量算出部25に出力する。
【0053】
そして、補正量算出部25は、異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号と参照信号ラインにより読み出された放射線画像信号との差を補正量として算出する(S18)。なお、補正量は、各異常信号ライン毎に算出される。
【0054】
そして、補正量算出部25において算出された補正量は、低周波成分補正量算出部26に出力され、低周波成分補正量算出部26は、入力された各補正量に対し、メディアンフィルタ処理などを施して各補正量に含まれる周波数成分のうち高周波成分を取り除き、低周波成分を含む低周波成分補正量をそれぞれ算出する(S20)。
【0055】
そして、低周波成分補正量算出部26において算出された各低周波成分補正量は、補正部27に出力される。そして、補正部27は、入力された放射線画像信号のうち、各異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号に対し、各異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号に対応する低周波成分補正量を加算することによって、各異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号を補正する(S40)。そして、さらに、欠陥信号ラインに対応する放射線画像信号を、近接する参照信号ラインにより読み出された放射線画像信号、もしくは異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号に低周波成分補正量を加算した信号を用いて補正する(S22)。
【0056】
そして、補正部27において補正された放射線画像信号は表示部28に出力され、表示部28は、入力された補正済放射線画像信号に基づいてモニタに放射線画像を表示する(S24)。
【0057】
次に、本発明の信号ライン装置の第2の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムについて説明する。本乳房画像撮影表示システムは、そのシステム全体の概略構成は、第1の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムと同様である。
【0058】
第2の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムは、第1の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムとは、異常信号ラインと参照信号ラインの設定方法が異なる。以下、第1の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムと異なる構成について説明する。
【0059】
本乳房画像撮影表示システムにおける乳房画像表示装置20aの概略構成を図10に示す。図10に示すように、乳房画像表示装置20aは、第1の実施形態の乳房画像表示装置20のように欠陥信号ライン検出部22を備えていない。
【0060】
そして、第2の実施形態の乳房画像表示装置20aの異常信号ライン設定部23aは、図5に示す各読取回路60の最初の読取対象となる信号ライン38aを異常信号ラインとして設定するものである。ここで、各読取回路60の最初の読取対象となる信号ライン38aとは、各読取回路60に接続される256本の信号ラインのうち、各読取回路60においてマルチプレクサ60aにより最初にA/D変換器60bに繋がれるチャージアンプ50に接続される信号ラインのことである。
【0061】
また、第2の実施形態の乳房画像表示装置20aの参照信号ライン設定部24aは、異常信号ライン設定部23aにおいて設定された異常信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定するものである。
【0062】
次に、本乳房画像撮影表示システムの作用について、図10および図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
まず、放射線画像の撮影が行なわれ、放射線画像検出器30に記録された乳房の放射線画像を表す放射線画像信号が読み取られ、その放射線画像信号が乳房画像表示装置20に出力され、放射線画像信号取得部21によって取得される。放射線画像信号取得部21のメモリに記憶される(S30、S32)。S30とS32における詳細な作用については、上記第1の実施形態の乳房画像撮影表示システムと同様である。
【0064】
一方、異常線状電極設定部23aには、各読取回路60の最初の読取対象となる信号ライン38aの情報が入力され、異常信号ライン設定部23aは、この情報に基づいて異常信号ラインを設定する。そして、異常信号ライン設定部23aにおいて設定された異常信号ラインの情報が参照信号ライン設定部24aに出力される。そして、参照信号ライン設定部24aは、適宜入力された放射線画像信号と異常信号ラインの情報とに基づいて、異常信号ラインに近接する信号ラインのうち、読み出された信号量が所定の閾値以上の信号ラインを参照信号ラインとして設定する(S34)。なお、本実施形態においては、各読取回路60の最初の読取対象となる信号ライン38aを異常信号ラインとして設定しているので、この異常信号ラインを除く信号ラインのうち、読み出された信号量が所定の閾値以上の信号ラインが参照信号ラインとして設定される(S34)。そして、異常信号ライン設定部23aにも適宜放射線画像信号が入力され、異常信号ライン設定部23aは、異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号を取得し、補正量算出部25に出力する。一方、参照信号ライン設定部24は、参照信号ラインにより読み出された放射線画像信号を取得し、補正量算出部25に出力する。
【0065】
そして、補正量算出部25は、異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号と参照信号ラインにより読み出された放射線画像信号との差を補正量として算出する(S36)。なお、補正量は、各異常信号ライン毎に算出される。
【0066】
そして、補正量算出部25において算出された補正量は、低周波成分補正量算出部26に出力され、低周波成分補正量算出部26は、入力された各補正量に対し、メディアンフィルタ処理などを施して各補正量に含まれる周波数成分のうち高周波成分を取り除き、低周波成分を含む低周波成分補正量をそれぞれ算出する(S38)。
【0067】
そして、低周波成分補正量算出部26において算出された各低周波成分補正量は、補正部27に出力される。そして、補正部27は、入力された放射線画像信号のうち、各異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号に対し、各異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号に対応する低周波成分補正量を加算することによって、各異常信号ラインにより読み出された放射線画像信号を補正する(S40)。
【0068】
そして、補正部27において補正された放射線画像信号は表示部28に出力され、表示部28は、入力された補正済放射線画像信号に基づいてモニタに放射線画像を表示する(S42)。
【0069】
また、上記第1および第2の実施形態の乳房画像撮影表示システムにおいて、補正部27において上記補正を行なった後、さらに、その補正された信号に対し、信号ラインに並行な方向に延びるスジムラを除去する処理を施すようにしてもよい。スジムラを除去する処理の方法としては、たとえば、特開2005−84902号公報に記載の方法を採用すればよい。
【0070】
なお、上記第1および第2の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムにおいては、光読取方式の放射線画像検出器を用いるようにしたが、TFT読取方式の放射線画像検出器を用いてもよく、その場合には、TFTスイッチをONすることによって読み出された電荷が流れ出すデータ線が、上記光読取方式の放射線画像検出器における信号ラインに相当することになる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の信号ライン装置の第1および第2の実施形態を適用した乳房画像撮影表示システムの概略構成を示す図
【図2】図1の示す乳房画像撮影表示システムにおける乳房画像表示装置の概略構成を示すブロック図
【図3】図1に示す乳房画像撮影表示システムにおける放射線画像検出器の概略構成を示す斜視図
【図4】図3に示す放射線画像検出器の4−4線断面図
【図5】図3に示す放射線画像検出器の第2の電極層における遮光線状電極と読取回路を示す図
【図6】図5に示す読取回路の概略構成を示す図
【図7】図3に示す放射線画像検出器への放射線画像の記録の作用を説明するための図
【図8】図3に示す放射線画像検出器からの放射線画像の読取りの作用を説明するための図
【図9】図1に示す乳房画像撮影表示システムの作用を説明するためのフローチャート
【図10】本発明の信号ライン装置の第2の実施形態を適用した乳房画像撮影表示システムにおける乳房画像表示装置の概略構成を示すブロック図
【図11】本発明の信号ライン装置の第2の実施形態を適用した乳房画像撮影表示システムの作用を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
【0072】
1 放射線源
2 放射線照射部
3 撮影台
4 アーム
5 基台
6 圧迫板
10 乳房画像撮影装置
12 放射線画像信号取得部
15 カセッテ
20 乳房画像表示装置
20a 乳房画像表示装置
21 放射線画像信号取得部
22 欠陥信号ライン検出部
23 異常信号ライン設定部
23a 異常信号ライン設定部
24 参照信号ライン設定部
24a 参照信号ライン設定部
25 補正量算出部
26 低周波成分補正量算出部
27 補正部
28 表示部
30 放射線画像検出器
31 電極層
32 記録用光導電層
33 電荷輸送層
34 読取用光導電層
35 電極層
36 蓄電部
37 透明線状電極
38 遮光線状電極
40 高圧電源
50 チャージアンプ
60a マルチプレクサ
60 読取回路
60b A/D変換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、該電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、該多数の信号ラインにより前記電荷に応じた放射線画像信号が読み出される放射線画像検出器から読み出された前記放射線画像信号に基づいて、信号量の閾値判定により欠陥信号ラインを検出し、
該欠陥信号ラインに近接する信号ラインを異常信号ラインとして設定するとともに、前記欠陥信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定し、
前記異常信号ラインにより読み出された信号と前記参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出し、
該算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、
該算出した低周波成分補正量を前記異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正することを特徴とする信号ライン補正方法。
【請求項2】
前記補正を前記欠陥信号ラインにより読み出された信号の補正前に行なうことを特徴とする請求項1記載の信号ライン補正方法。
【請求項3】
放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、該電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、該多数の信号ラインに流れ出した前記電荷に応じた信号が読取回路によって放射線画像信号として読み出される放射線画像検出器から読み出された前記放射線画像信号のうち、異常信号ラインから読み出された放射線画像信号に対し補正を施すライン補正方法において、
前記読取回路の最初の読取対象となる読取開始信号ラインを前記異常信号ラインとして設定するとともに、前記異常信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定し、
前記異常信号ラインにより読み出された信号と前記参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出し、
該算出した補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出し、
該算出した低周波成分補正量を前記異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正することを特徴とする信号ライン補正方法。
【請求項4】
前記補正の後、該補正された信号に対し、前記信号ラインに並行な方向に延びるスジムラを除去する処理を施すことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の信号ライン補正方法。
【請求項5】
放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、該電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、該多数の信号ラインにより前記電荷に応じた放射線画像信号が読み出される放射線画像検出器から読み出された前記放射線画像信号に基づいて、信号量の閾値判定により欠陥信号ラインを検出する欠陥信号ライン検出部と、
該欠陥信号ライン検出部により検出された欠陥信号ラインに近接する信号ラインを異常信号ラインとして設定する異常信号ライン設定部と、
前記欠陥信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定する参照信号ライン設定部と、
前記異常信号ラインにより読み出された信号と前記参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出する補正量算出部と、
該補正量算出部により算出された補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出する低周波成分補正量算出部と、
該低周波成分補正量算出部より算出された低周波成分補正量を前記異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正する補正部とを備えたことを特徴とする信号ライン装置。
【請求項6】
前記補正部が、前記補正を前記欠陥信号ラインにより読み出された信号の補正前に行なうことを特徴とする請求項5記載の信号ライン装置。
【請求項7】
放射線の照射を受けることによって電荷を発生し、該電荷を蓄積することによって放射線画像を記録するとともに、多数の信号ラインを有し、該多数の信号ラインに流れ出した前記電荷に応じた信号が読取回路によって放射線画像信号として読み出される放射線画像検出器から読み出された前記放射線画像信号のうち、異常信号ラインから読み出された放射線画像信号に対し補正を施す信号ライン装置において、
前記読取回路の最初の読取対象となる読取開始信号ラインを前記異常信号ラインとして設定する異常信号ライン設定部と、
前記異常信号ラインに近接するとともに信号量が正常な信号ラインを参照信号ラインとして設定する参照信号ライン設定部と、
前記異常信号ラインにより読み出された信号と前記参照信号ラインにより読み出された信号との差を補正量として算出する補正量算出部と、
該補正量算出部により算出された補正量から高周波成分を取り除いて低周波成分補正量を算出する低周波成分補正量算出部と、
該低周波成分補正量算出部により算出された低周波成分補正量を前記異常信号ラインにより読み出された信号に加算して補正する補正部とを備えたことを特徴とする信号ライン装置。
【請求項8】
前記補正部が、前記補正の後、該補正された信号に対し、前記信号ラインに並行な方向に延びるスジムラを除去する処理を施すものであることを特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の信号ライン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−22562(P2010−22562A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186907(P2008−186907)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
【Fターム(参考)】