説明

信号選択回路

【課題】接続される外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減し得る信号選択回路を提供する。
【解決手段】信号選択回路10では、選択する1の信号ラインSL2に隣接して配置される非選択の信号ラインSL1,SL3の電位を非選択の信号ラインSL1,SL3の電気信号の電圧に保持可能なサンプルホールド回路12,16を備え、選択した信号ラインSL2から電気信号を出力端子Vout に出力する期間中、サンプルホールド回路12,16は、非選択の信号ラインSL1,SL3の電位をその電気信号の電圧に保持する。これにより、信号ラインSL1,SL3に送出する外部回路等にとっては自己の電気信号の電圧で維持されたままを保つので、電気的な影響を与えることがなく、また信号ラインSL2の両側に隣接して位置する信号ラインSL1,SL3のインピーダンスの低下によりこれら信号ライン間の結合容量の形成を抑制しクロストークを低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入力端子に接続された信号線から1の信号線を選択し、この選択された信号線の電気信号を出力端子に出力する信号選択回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の入力端子に接続された信号線から1の信号線を選択し、この選択された信号線の電気信号を出力端子に出力する信号選択回路として、例えば、下記特許文献1に開示される「信号入力選択切換回路」がある。この回路では、高密度実装下において隣接して配置された入力端子間や信号線間のクロストークを低減するため、選択された信号線以外をバイアス電源に接続可能な構成を採る。これにより、選択された信号線のインピーダンスよりも、それに隣接する他の信号線のインピーダンスを低下させることで、線間の結合容量を介してインピーダンスの高い信号線の影響を与え得るクロストークの発生を防止可能にしている。
【特許文献1】特開平8−56146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示される「信号入力選択切換回路」によると、選択された信号線以外をバイアス電源に接続することによって、これらの信号線の低インピーダンス化は可能になるものの、このようなバイアス源による電圧を信号線に印加すれば、当該信号線を介して信号源に電流が流れ込んでしまう。このため、バイアス源と信号源との間に予定された電圧レベルの設定がなされていない場合には、当該信号線が選択されていない期間中、常にバイアス源の電圧を受けることになるので、このような電圧によるストレスによって当該信号源の故障を招き得るという問題がある。
【0004】
また、このようなバイアス源による電圧を受けることを予定して、信号源側に保護回路等を設ける構成を採った場合には、当該信号入力選択切換回路に接続される可能性のある信号源のすべてについて、このような保護回路等が必要となる。この場合には、信号源の回路構成の複雑化を招くばかりか、部品点数の増加からコストの上昇にもつながるという新たな問題を招来する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、接続される外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減し得る信号選択回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の信号選択回路では、複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3[またはVin2,Vin3,Vin4])に接続された信号線(SL1,SL2,SL3[またはSL2,SL3,SL4])から1の信号線(例えばSL2[またはSL3])を選択し、この選択された信号線(SL2[またはSL3])の電気信号を出力端子(Vout)に出力する信号選択回路であって、選択する1の信号線(SL2[またはSL3])に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電位を、この非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電気信号の電圧に保持可能な電圧保持手段(12,16[または32,36])を備え、前記1の信号線(SL2[またはSL3])から電気信号を出力端子(Vout)に出力する期間中、前記電圧保持手段(12,16[または32,36])は、前記非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電位をその電気信号の電圧に保持することを技術的特徴とする。なお、( )または[ ]内の数字等は、[発明を実施するための最良の形態]の欄で説明する符号に対応し得るものである(以下同じ)。
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項2の信号選択回路では、複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3)に接続された信号線(SL1,SL2,SL3)から1の信号線(例えばSL2)を選択し、この選択された信号線(SL2)の電気信号を出力端子(Vout)に出力する信号選択回路であって、前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3)にそれぞれの入力が接続される複数のサンプルホールド回路(12,14,16)と、前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)の個々の入出力間を短絡および開放可能に設けられる複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)と、前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)のそれぞれの出力にそれぞれの入力が接続され、それぞれの出力がまとめられて前記出力端子(Vout)に接続される複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)と、前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)のサンプリング/ホールドの制御、前記複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)のオンオフ制御および前記複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)のオンオフ制御をそれぞれ可能な制御回路(18)と、を備え、
前記制御回路(18)は、
(1) 複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)および複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)をすべてオフ状態、前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)をすべてサンプリング状態に制御した状態から(サンプリング前状態;図4)、
(2) 選択する1の信号線(SL2)に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3)に接続されるサンプルホールド回路(12,16)をホールド状態、このサンプルホールド回路(12,16)に接続される第1スイッチ(SA11,SA13)をオン状態に制御した後(サンプリング状態;図5)、
(3) 前記1の信号線(SL2)の前記サンプルホールド回路(14)をホールド状態、このサンプルホールド回路(14)の前記第2スイッチ(SA22)をオン状態に制御する(ホールド状態;図6)ことを技術的特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項3の信号選択回路では、複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)に接続された信号線(SL1,SL2,SL3,SL4,SL5,…)から1の信号線(例えばSL3)を選択し、この選択された信号線(SL3)の電気信号を出力端子(Vout)に出力する信号選択回路であって、前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)にそれぞれの入力が接続される複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)と、前記複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)のそれぞれの出力に共通に接続される第1共通線(CL1)と、前記第1共通線(CL1)に入力が接続される第1サンプルホールド回路(32)と、前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)にそれぞれの入力が接続される複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)と、前記複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)のそれぞれの出力に共通に接続される第2共通線(CL2)と、前記第2共通線(CL2)に入力が接続されて出力が前記出力端子(Vout)に接続される第2サンプルホールド回路(34)と、前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)にそれぞれの入力が接続される複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)と、前記複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のそれぞれの出力に共通に接続される第3共通線(CL3)と、前記第3共通線(CL3)に入力が接続される第3サンプルホールド回路(36)と、前記第1サンプルホールド回路(32)の入出力間を短絡および開放可能に設けられる第4スイッチ(SB41)と、前記第3サンプルホールド回路(36)の入出力間を短絡および開放可能に設けられる第5スイッチ(SB51)と、前記複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)、前記複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)および前記複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のそれぞれのオンオフ制御ならびに前記第1サンプルホールド回路(32)、前記第2サンプルホールド回路(34)および前記第3サンプルホールド回路(36)のそれぞれのサンプリング/ホールドの制御が可能な制御回路(38)と、を備え、前記制御回路(38)は、
(1) 「前記複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第1スイッチ(SB12)をオン状態、この1の信号線(SL3)に接続される第1スイッチ(SB13)をオフ状態、この1の信号線に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第1スイッチ(SB14)をオフ状態」、「前記複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第2スイッチ(SB22)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に接続される第2スイッチ(SB23)をオン状態、この1の信号線(SL3)に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第2スイッチ(SB24)をオフ状態」、「前記複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第3スイッチ(SB32)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に接続される第3スイッチ(SB33)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第3スイッチ(SB34)をオン状態」、「前記第4スイッチ(SB41)および前記第5スイッチ(SB51)をオフ状態」、「前記第1サンプルホールド回路(32)、前記第2サンプルホールド回路(34)および第3サンプルホールド回路(36)をすべてサンプリング状態」、にそれぞれ制御した状態から(サンプリング準備状態;図9)、
(2) 前記第1サンプルホールド回路(32)および第3サンプルホールド回路(36)をホールド状態、前記第4スイッチ(SB41)および前記第5スイッチ(SB51)をオン状態に制御した後(サンプリング状態;図10)、
(3) 前記第2サンプルホールド回路(34)をホールド状態、前記1の信号線(SL3)に接続される第2スイッチ(SB23)をオフ状態に制御する(ホールド状態;図11)ことを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、選択する1の信号線(SL2[またはSL3])に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電位を、この非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電気信号の電圧に保持可能な電圧保持手段(12,16[または32,36])を備える。そして、1の信号線(SL2[またはSL3])から電気信号を出力端子(Vout)に出力する期間中、電圧保持手段(12,16[または32,36])は、非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電位をその電気信号の電圧に保持する。これにより、選択する1の信号線(SL2[またはSL3])の電気信号が出力端子(Vout)から出力される期間中は、この1の信号線(SL2[またはSL3])に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])の電位をその電気信号の電圧に保持することから、当該非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])を低インピーダンスにすることができる。つまり、当該信号選択回路(10[または30])に接続される外部回路にとっては、自己の電気信号の電圧で保持されたままを保つので、当該外部回路に電気的な影響を与えることなく、非選択の信号線(SL1,SL3[またはSL2,SL4])のインピーダンスを低下させることが可能となる。したがって、接続される外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができる。
【0010】
請求項2の発明では、複数のサンプルホールド回路(12,14,16)、複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)、複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)および制御回路(18)を備える。そして、制御回路(18)は、サンプリング前状態(図4)として、(1) 複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)および複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)をすべてオフ状態、複数のサンプルホールド回路(12,14,16)をすべてサンプリング状態に制御した状態から、サンプリング状態(図5)として、(2) 選択する1の信号線(SL2)に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3)に接続されるサンプルホールド回路(12,16)をホールド状態、このサンプルホールド回路(12,16)に接続される第1スイッチ(SA11,SA13)をオン状態に制御するので、選択する1の信号線(SL2)に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3)は、それに接続されるサンプルホールド回路(12,16)によって、このときの電気信号の電位を維持した状態で保持される。このため、この後に、ホールド状態(図6)として、(3) 1の信号線(SL2)のサンプルホールド回路(14)をホールド状態、このサンプルホールド回路(14)の第2スイッチ(SA22)をオン状態に制御することによって、当該選択する1の信号線(SL2)の電気信号は、オン状態の第2スイッチ(SA22)を介して出力端子(Vout)に出力される。
【0011】
これにより、当該選択する1の信号線(SL2)の電気信号が出力端子(Vout)から出力される場合には、この1の信号線(SL2)に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3)の電位を電気信号の電圧に維持することから、当該非選択の信号線(SL1,SL3)を低インピーダンスにすることができる。つまり、当該信号選択回路(10)に接続される外部回路にとっては、自己の電気信号の電圧で維持されたままを保つので、当該外部回路に電気的な影響を与えることなく、非選択の信号線のインピーダンスを低下させることが可能となる。したがって、接続される外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができる。
【0012】
請求項3の発明では、複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)、複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)、複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)、第4スイッチ(SB41)、第5スイッチ(SB51)、第1共通線(CL1)、第2共通線(CL2)、第3共通線(CL3)、第1サンプルホールド回路(32)、第2サンプルホールド回路(34)、第3サンプルホールド回路(36)および制御回路(38)を備える。そして、制御回路(38)は、サンプリング準備状態(図9)として、(1) 「複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第1スイッチ(SB12)をオン状態、この1の信号線(SL3)に接続される第1スイッチ(SB13)をオフ状態、この1の信号線に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第1スイッチ(SB14)をオフ状態」、「複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第2スイッチ(SB22)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に接続される第2スイッチ(SB23)をオン状態、この1の信号線(SL3)に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第2スイッチ(SB24)をオフ状態」、「複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第3スイッチ(SB32)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に接続される第3スイッチ(SB33)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第3スイッチ(SB34)をオン状態」、「第4スイッチ(SB41)および第5スイッチ(SB51)をオフ状態」、「第1サンプルホールド回路(32)、第2サンプルホールド回路(34)および第3サンプルホールド回路(36)をすべてサンプリング状態」、にそれぞれ制御した状態から、サンプリング状態(図10)として、(2) 第1サンプルホールド回路(32)および第3サンプルホールド回路(36)をホールド状態、第4スイッチ(SB41)および第5スイッチ(SB51)をオン状態に制御するので、選択する1の信号線(SL3)に隣接して配置される非選択の信号線(SL2,SL4)は、それに接続されるサンプルホールド回路(32,36)によって、このときの電気信号の電位を維持した状態で保持される。このため、この後に、ホールド状態(図11)として、(3) 第2サンプルホールド回路(34)をホールド状態、1の信号線(SL3)に接続される第2スイッチ(SB23)をオフ状態に制御することによって、当該選択する1の信号線(SL3)の電気信号は出力端子(Vout)に出力される。
【0013】
これにより、当該選択する1の信号線(SL3)の電気信号が出力端子(Vout)から出力される場合には、この1の信号線(SL3)に隣接して配置される非選択の信号線(SL2,SL4)の電位を電気信号の電圧に維持することから、当該非選択の信号線(SL2,SL4)を低インピーダンスにすることができる。つまり、当該信号選択回路(30)に接続される外部回路にとっては、自己の電気信号の電圧で維持されたままを保つので、当該外部回路に電気的な影響を与えることなく、非選択の信号線のインピーダンスを低下させることが可能となる。また、信号線(SL1,SL2,SL3,…)の数にかかわらず、サンプルホールド回路は、第1サンプルホールド回路(32)、第2サンプルホールド回路(34)および第3サンプルホールド回路(36)の3つで足りるので、各入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,…)ごとにサンプルホールド回路を設ける場合に比べて部品点数の削減が可能となり、また回路規模の小型化が可能となる。したがって、接続される外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができ、さらに装置の軽量小型化および装置コストの低減化を可能することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の信号選択回路の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図6に基づいて第1実施形態に係る信号選択回路10を説明する。
図1に示すように、本第1実施形態に係る信号選択回路10は、選択端子SELから入力された選択情報#Nに従って、複数の入力端子Vin1,Vin2,Vin3,…(以下「入力端子Vin1等」)に接続された複数の信号ラインSL1,SL2,SL3,…(以下「信号ラインSL1等」)から1の信号ライン、例えばSL2を選択し、この選択された信号ラインSL2を伝送される電気信号を出力端子Voutに出力する機能を有するもので、主に、複数の入力端子Vin1等、複数のサンプルホールド回路12,14,16,…(以下「サンプルホールド回路12等」)、複数のスイッチSA11,SA12,SA13,…(以下「スイッチSA11等」)、複数のスイッチSA21,SA22,SA23,…(以下「スイッチSA21等」)、制御回路18、出力端子Vout、選択端子SELから構成されている。なお、出力端子Voutには、例えばA/Dコンバータを接続され、また選択端子SELには、当該1の信号ラインを選択ための情報(選択情報)を出力する外部回路が接続される。
【0015】
サンプルホールド回路12等は、入力INに入力された電気信号(主にアナログ信号)をサンプリングした後、ホールドする機能を有するもので、それぞれの入力INは、対応する入力端子Vin1等に接続されている。例えば、サンプルホールド回路12の入力INは入力端子Vin1に、またサンプルホールド回路14の入力INは入力端子Vin2に、さらにサンプルホールド回路16の入力INは入力端子Vin3に、というようにそれぞれの入力端子Vin1等に対応してそれぞれのサンプルホールド回路12等が接続されている。入力端子Vin1等の数(チャネル数)分のサンプルホールド回路が用意されている。
【0016】
このようなサンプルホールド回路12等は、本実施形態では、例えば、図2(A) に示す回路により構成されている。ここで、図2を参照してサンプルホールド回路12等の構成を説明する。図2(A) に示すように、サンプルホールド回路12等は、非反転入力がアース電位に接続され出力が当該回路の出力OUTに接続されるオペアンプOPaと、一端側がこのオペアンプOPaの反転入力に接続されるコンデンサCaと、このコンデンサCaの他端側と当該回路の入力INとの間に接続されるスイッチSWa1と、オペアンプOPaの反転入力とオペアンプOPaの出力との間に接続されるスイッチSWa2と、コンデンサCaの他端側とオペアンプOPaの出力との間に接続されるスイッチSWa3と、により構成されている。
【0017】
これらのスイッチSWa1,SWa2,SWa3は、例えば、MOSトランジスタにより構成されており、外部から印加される制御信号の電圧レベルに応じてオン状態およびオフ状態を切り替え得る半導体スイッチング素子からなるもので、本実施形態の場合、スイッチSWa1とSWa2は、Nチャネル型のトランジスタ、スイッチSWa3はPチャネル型のトランジスタで、それぞれ構成されている。これにより、所定の制御電圧が外部より印加されると、スイッチSWa1,SWa2がオン状態、スイッチSWa3がオフ状態、あるいはスイッチSWa1,SWa2がオフ状態、スイッチSWa3がオン状態、に制御される。つまり、スイッチSWa1,SWa2とスイッチSWa3とは、排他的に状態を制御される。
【0018】
このようにスイッチSWa1,SWa2,SWa3は、それぞれ単一のMOSトランジスタにより構成することが可能ではあるが、この構成では入力INによる入力電圧との関係においてオン状態にできないことがある。例えば、スイッチSWa1,SWa2をNチャネル型のトランジスタ(しきい値電圧Vth=1V)で構成する場合、入力INの電圧が0Vのときには、ゲート−ソース間電圧Vgsは5V−0V=5V>Vth(=1V)となるため当該トランジスタはオン状態となる。これに対し、入力INの電圧が5Vのときには、ゲート−ソース間電圧Vgsは5V−5V=0V<Vth(=1V)になるため当該トランジスタはオフ状態となりオン状態にはならない。Pチャネル型のトランジスタは極性が逆になるため、入力INの電圧が0Vのときにオン状態にできないことが生じ得る。つまり、スイッチSWa1,SWa2,SWa3をそれぞれ単一のMOSトランジスタにより構成すると、入力INの電圧範囲が狭くなってしまう。
【0019】
このため、本実施形態の改変例として、スイッチSWa1,SWa2,SWa3に、例えば、図3に示すように、Nチャネル型のトランジスタとPチャネル型のトランジスタとを並列に接続しいずれか一方のゲートにインバータを介在させて構成される、いわゆるCMOSスイッチを用いる構成を採る。これにより、当該入力INの電圧がトランジスタのしきい値電圧Vthよりも低い場合には、Nチャネル型のトランジスタがオン状態(Pチャネル型のトランジスタがオフ状態)となり、また当該入力INの電圧がトランジスタのしきい値電圧Vthよりも高い場合には、Pチャネル型のトランジスタがオン状態(Nチャネル型のトランジスタがオフ状態)となる以外に、当該入力INの電圧がこれらの中間電圧の場合には、Nチャネル型およびPチャネル型のいずれのトランジスタもオン状態にすることができる。したがって、スイッチSWa1,SWa2,SWa3として、単一のMOSトランジスタを用いる場合に比べて、このような入力INの電圧の許容範囲を広く確保することが可能となる。
【0020】
このようにサンプルホールド回路12等が構成されることによって、スイッチSWa1,SWa2がオン状態、スイッチSWa3がオフ状態、にそれぞれ制御される場合には、入力INとアース電位とのコンデンサCaが接続されるので、入力された電気信号が当該コンデンサCaに充電、つまりサンプリングされる(サンプリング状態)。これに対し、スイッチSWa1,SWa2がオフ状態、スイッチSWa3がオン状態、にそれぞれ制御される場合には、入力INとコンデンサCaとの間が遮断される代わりに、コンデンサCaと出力OUTとの間が導通するので、当該コンデンサCaに充電された電気信号が保持、つまりホールドされる(ホールド状態)。これによりサンプルホールド回路12等が実現される。
【0021】
図2(B) に示すものは、最も基本的なサンプルホールド回路で、電圧フォロア接続され出力が出力OUTに接続されるオペアンプOPbと、入力INとこのオペアンプOPbの非反転入力と間に接続されるスイッチSWbと、このオペアンプOPbの非反転入力とアース電位との間に接続されるコンデンサCbと、により構成されている。
【0022】
このスイッチSWbも、図2(A) に示すサンプルホールド回路のスイッチSWa1と同様に、外部からオンオフ制御可能な半導体スイッチング素子で、例えば、Nチャネル型のMOSトランジスタ、あるいは図3に示すCMOSスイッチにより構成されている。このサンプルホールド回路の場合、このスイッチSWbがオフ状態のときにサンプリング状態、スイッチSWbがオン状態のときにホールド状態にそれぞれ制御される。このため、一つのスイッチSWbのオンオフ制御でサンプリング状態およびホールド状態を切換可能である点において、図2(A) に示すものよりも外部制御が簡素化されるメリットがあるが、出力される電気信号がオペアンプOPbのオフセット電圧の影響を受け易いところにデメリットがある。
【0023】
即ち、図2(A) に示すサンプルホールド回路の場合には、オペアンプOPaのオフセット電圧がコンデンサCaの充電によって吸収されるため、オフセット電圧分の電圧誤差がそのまま出力されることがない。これに対し、図2(B) に示すサンプルホールド回路の場合には、オペアンプOPbのオフセット電圧がコンデンサCbに直列に加わるため、オフセット電圧分の電圧誤差がそのまま出力されることとなる。このため、図2(B) に示すサンプルホールド回路は、外部制御は簡素化されるものの、ホールドした電気信号の電圧精度を低下させ得るという問題を抱えている。
【0024】
したがって、本実施形態では、サンプルホールド回路12等により出力される電気信号の電圧精度を重視する観点から、図2(A) に示すサンプルホールド回路を採用するが、電圧精度よりも外部からサンプリング/ホールドの状態制御の簡素化に重点を置く場合には、図2(B) に示すサンプルホールド回路が採用される。
【0025】
このように構成されるサンプルホールド回路12等は、図1に示すように、その出力OUTにはスイッチSA21等が接続されており、これらのスイッチSA21等を介してそれぞれの出力OUTを出力端子Voutに出力し得るように構成されている。本実施形態では、当該出力端子Vout に信号ラインSL0が接続されている。また、サンプルホールド回路12等には、制御回路18(前述した「外部」に相当)から出力される制御電圧をスイッチSWa1等に印加可能に制御線が接続されている(図1に示す一点鎖線)。
【0026】
図1に示すように、サンプルホールド回路12等には、それらの入出力間を短絡および開放可能にするスイッチSA11等が接続されている。これらのスイッチSA11等は、前述したサンプルホールド回路12等のスイッチSWa1等と同様に、例えば、Nチャネル型のMOSトランジスタにより構成される半導体スイッチング素子で、後述する制御回路18から印加される制御電圧によりオンオフ制御可能に構成されている(図1に示す破線)。
【0027】
サンプルホールド回路12等のそれぞれの出力OUTに接続されるスイッチSA21等も、スイッチSA11等と同様に、Nチャネル型のMOSトランジスタ等の半導体スイッチング素子で、制御回路18から印加される制御電圧によってオンオフ制御可能に構成されている(図1に示す破線)。これらのSA21等は、その出力がまとめられて出力端子Voutに接続されており、制御回路18によりオン状態に制御されたスイッチに接続されるサンプルホールド回路の出力OUTを出力端子Voutに出力し得るように構成されている。
【0028】
制御回路18は、選択端子SELから入力される選択情報#Nに従って、前述したスイッチSA11等やSA21等をオンオフ制御し得る機能を有するもので、例えば、所定のロジック回路またはマイクロコンピュータにより構成されている。本実施形態の場合、例えば、複数の入力端子Vin1等が7チャネル構成(Vin1〜Vin7)であれば、3ビットデータで入力される選択情報#N(#0〜#7)に基づいて各入力端子Vin1〜Vin7に接続された信号ラインSL1(#1)〜SL7(#7)を選択し得るように、制御回路18が構成されている(#0は信号ラインの選択なし)。
【0029】
また、この制御回路18は、前述したように、サンプルホールド回路12等を構成するスイッチSWa1等、スイッチSA11等やスイッチSA21等のオンオフ制御し得る制御電圧を印加可能にするため、サンプルホールド回路12等やスイッチSA11等との間に制御線が接続されている(図1に示す一点鎖線や破線)。
【0030】
このように構成される信号選択回路10では、一般に、入力端子Vin1等が、Vin1、Vin2、Vin3、…の順番に配置されており、例えば、入力端子Vin2の一方側には入力端子Vin1が、また入力端子Vin2の他方側には入力端子Vin3が、それぞれ隣接して配置されている。また、これらの入力端子Vin1等に接続されるサンプルホールド回路12等やその周辺に配置されるスイッチSA11等、SA21等も、いずれも高密度実装下においては、半導体基板上あるいはプリント配線板上で互いに接近して配置されている。
【0031】
このため、例えば、入力端子Vin2からサンプルホールド回路14まで配線パターンとこれに隣接して配置される入力端子Vin1からサンプルホールド回路12まで配線パターンとの間、あるいは入力端子Vin2からサンプルホールド回路14まで配線パターンとこれに隣接して配置される入力端子Vin3からサンプルホールド回路16まで配線パターンとの間、においては、互いに浮遊容量や線間容量等の結合容量を介して電気的に容量結合し得ることから、いわゆるクロストークが生じ易い。
【0032】
また、このような信号選択回路10に接続されるまでの信号ラインSL1等においても、例えば、これらの複数の信号ラインSL1等が多極のフラットケーブルや多芯のPVCケーブル等で構成される場合には、信号ラインSL2とSL1との間や信号ラインSL2とSL3との間等が隣接して配置されていることから、これらの間においても互いに結合容量を介してクロストークが生じ得る。
【0033】
そこで、本実施形態に係る信号選択回路10では、上述した構成を採るとともに、次に図4〜図6を参照して説明するようなサンプルホールド回路12等やスイッチSA11等、SA21等に対する制御を制御回路18により行うことで、このようなクロストークの発生を抑制可能にしている。なお、図4〜図6においては、サンプルホールド回路12等のサンプリング/ホールド状態やスイッチSA11等のオンオフ状態の把握を容易にするため、制御回路18や制御回路18からこれらへの制御線は図示していない。
【0034】
図4〜図6に示すように、信号選択回路10は、サンプルホールド回路12等やスイッチSA11等、SA21等の制御状態として、(1) サンプリング前状態(図4)、(2) サンプリング状態(図5)および(3) ホールド状態(図6)の3つの状態を持つ。このため、以下、それぞれの状態を順に説明する。
【0035】
図4に示すように、まず、信号選択回路10による電気信号のサンプリングが行われる前の状態、つまりサンプリング前状態(待機状態)では、制御回路18は、全てのサンプルホールド回路12等をサンプリング状態(図4に示す「Samp」)、全てのスイッチSA11等やスイッチSA21等をオフ状態、にそれぞれ制御するとともに、選択端子SELから選択情報#Nが入力されるのを待つ。なお、この選択情報#Nは、選択端子SELに接続される外部回路から入力され、この状態では、例えば「選択なし」を意味する#0が入力される。
【0036】
選択端子SELから選択情報#Nが入力されると、信号選択回路10による電気信号のサンプリングが行われる状態、つまりサンプリング状態に移行する。例えば、図5に示すように、入力端子Vin1等から入力端子Vin2を選択する場合には、制御回路18は、選択された入力端子Vin2に接続されるサンプルホールド回路14をサンプリング状態に維持したまま(図5に示す「Samp」)、この入力端子Vin2に隣接して配置されて選択されていない(非選択の)入力端子Vin1に接続されるサンプルホールド回路12および同様に隣接して配置されて選択されていない(非選択の)入力端子Vin3に接続されるサンプルホールド回路16をそれぞれサンプリング状態からホールド状態に切替制御する(図5に示す「Hold」)。さらにこれらのサンプルホールド回路12、14の入出力を短絡し得るスイッチSA11、SA13をオフ状態からオン状態に切替制御する。
【0037】
これにより、入力端子Vin1に接続される信号ラインSL1の電位は、サンプルホールド回路12がホールド状態に移行したときの電気信号の電圧に維持、つまりサンプルホールド電圧によりバイアス電圧がかかることから、当該信号ラインSL1のインピーダンスを低くすることが可能となる。同様に、入力端子Vin3に接続される信号ラインSL3の電位も、サンプルホールド回路14がホールド状態に移行したことでサンプルホールド電圧によりバイアス電圧がかかることから、当該信号ラインSL3のインピーダンスを低くすることが可能となる。
【0038】
このような制御の後、図6に示すように、制御回路18は、選択された入力端子Vin2に接続されるサンプルホールド回路12をサンプリング状態からホールド状態(図6に示す「Hold」)に切替制御し、さらにスイッチSA22をオフ状態からオン状態に切替制御する。これにより、サンプルホールド回路14によるサンプルホールド電圧、つまり入力端子Vin2に接続される信号ラインSL2の電気信号の電圧がスイッチSA22を介して出力端子Voutに出力されるので、当該出力端子Voutに接続されたA/Dコンバータは目的とする信号ラインSL2の電気信号を得ることが可能となる。
【0039】
このように本実施形態に係る信号選択回路10では、選択する1の信号ラインSL2に隣接して配置される非選択の信号ラインSL1,SL3の電位を、この非選択の信号ラインSL1,SL3の電気信号の電圧に保持可能なサンプルホールド回路12,16を備える。そして、選択した信号ラインSL2から電気信号を出力端子Voutに出力する期間中、サンプルホールド回路12,16は、非選択の信号ラインSL1,SL3の電位をその電気信号の電圧に保持する。このため、このような電気信号を信号ラインSL1、SL3に送出する外部回路等にとっては自己の電気信号の電圧で維持されたままを保つので、当該外部回路に電気的な影響を与えることがない。
【0040】
また、選択された入力端子Vin2に接続される信号ラインSL2は、その両側に隣接して位置する信号ラインSL1、SL3のインピーダンスの低下によって、選択した信号ラインSL2と信号ラインSL1との間および選択した信号ラインSL2と信号ラインSL3との間、における結合容量の形成を抑制するとともに、低インピーダンス化した信号ラインSL1、SL3の存在により電気的、電磁波的なシールド効果が得られる。したがって、入力端子Vin1、Vin3に接続される信号ラインSL1、SL3に電気信号を送出する外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができる。
【0041】
なお、以上説明した実施形態では、選択する1の信号ライン(信号線)として、SL2が選択される場合を例示して説明したが、選択する1の信号ラインはSL1,SL3,…等のいずれであっても良く、このような場合でも前述と同様の作用・効果が得られる。
【0042】
また、本実施形態では、選択する1の信号ラインSL2(信号線)の両側に隣接する非選択の信号ラインSL1,SL3が存在する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限られることはなく、選択する1の信号線の片側にしか隣接する非選択の信号線が存在しない場合にも適用できる。
【0043】
例えば、図1において、信号ラインSL1(信号線)を選択する場合、それに隣接する非選択の信号ラインはSL2となり、信号ラインSL1の片側にしか非選択の信号ラインが存在しないが、このような場合には、非選択の信号ラインSL2に接続されるサンプルホールド回路14をホールド状態、スイッチSA12をオン状態、スイッチSA22をオフ状態にそれぞれ制御し、非選択の信号ラインSL2を低インピーダンスに設定した後、選択した信号ラインSL1のサンプルホールド回路12をサンプリング状態からホールド状態に切替制御してスイッチSA21をオン状態に制御する。
【0044】
これにより、選択した信号ラインSL1の片側だけではあるが、隣接する信号ラインSL2のインピーダンスを低くするので、選択した信号ラインSL1とこの信号ラインSL2との間における結合容量の形成を抑制するとともに、低インピーダンス化した信号ラインSL2の存在により電気的、電磁波的なシールド効果が得られる。したがって、入力端子Vin1に接続される信号ラインSL1に電気信号を送出する外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、図7〜図11に基づいて第2実施形態に係る信号選択回路30を説明する。
図7に示すように、本第2実施形態に係る信号選択回路30では、複数の入力端子Vin1等にスイッチSB11,SB21,SB31等を介して接続し得る3本の共通ラインCL1,CL2,CL3を設けることによって、各入力端子Vin1等ごとにサンプルホールド回路を設けることなく、3つのサンプルホールド回路32、34、36を常時使用し得る構成を採る。なお、出力端子Voutには、例えばA/Dコンバータが接続される。
【0046】
前述した第1実施形態の信号選択回路10では、例えば複数の入力端子Vin1等に対応してサンプルホールド回路12等を必要、つまりチャネル数だけサンプルホールド回路12等を必要としたが、本実施形態に係る信号選択回路30では、接続される信号ラインSL1等の本数、つまりチャネル数にかかわらず、サンプルホールド回路は3つのサンプルホールド回路32、34、36で足りる点で、第1実施形態と異なる。
【0047】
具体的には、各入力端子Vin1等ごとに、3つのスイッチSB1n,SB2n,SB3n(nは入力端子の番号で、1以上の整数)のそれぞれの一端側が接続されており、スイッチSB1nの他端側は共通ラインCL1に、スイッチSB2nの他端側は共通ラインCL2に、スイッチSB3nの他端側は共通ラインCL3に、それぞれ接続されている。例えば、入力端子Vin1と共通ラインCL1との間にはスイッチSB11が、また入力端子Vin1と共通ラインCL2との間にはスイッチSB21が、さらに入力端子Vin1と共通ラインCL3との間にはスイッチSB31が、それぞれ接続されている。同様に、入力端子Vin2と共通ラインCL1,CL2,CL3との間には、スイッチSB12,SB22,SB32がそれぞれ接続され、また入力端子Vin3と共通ラインCL1,CL2,CL3との間には、スイッチSB13,SB23,SB33がそれぞれ接続されている。これらのスイッチSB11等は、前述した第1実施形態のスイッチSA11等と同様に、外部からの制御電圧の印加によりオン状態またはオフ状態に移行可能な半導体スイッチ素子である。
【0048】
このようなスイッチSB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…が接続される共通ラインCL1には、サンプルホールド回路32の入力INが接続されている。このサンプルホールド回路32は、前述した信号選択回路10のサンプルホールド回路12等と同様に、入力INに入力された電気信号(主にアナログ信号)をサンプリングした後、ホールドする機能を有するもので、出力OUTはスイッチSB41を介して自己の入力INに接続可能に構成されている。
【0049】
同様に、スイッチSB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…が接続される共通ラインCL3には、サンプルホールド回路36の入力INが接続されており、このサンプルホールド回路32も、前述のサンプルホールド回路12等と同様に、入力INに入力された電気信号(主にアナログ信号)をサンプリングした後、ホールドする機能を有する。そして、この出力OUTはスイッチSB51を介して自己の入力INに接続可能に構成されている。
【0050】
一方、スイッチSB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…が接続される共通ラインCL2には、前述のサンプルホールド回路12等と同様のサンプルホールド回路34の入力INが接続されるが、このサンプルホールド回路34の出力OUTには、出力端子Voutが接続されている。即ち、このサンプルホールド回路34は、後述するように、制御回路38により選択された入力端子Vin1等が接続される、出力専用のサンプルホールド回路で、この出力OUTには出力端子Voutが常に接続されている。
【0051】
これに対し、スイッチSB41やSB51を介して自己の入力INに接続可能に構成されているサンプルホールド回路32、36は、後述するように制御回路38により選択された入力端子Vin1等の両側に隣接して位置する非選択の入力端子Vin1等が接続される、いわばシールド用のサンプルホールド回路である。これらの出力OUTには出力端子Voutが接続されることはない。
【0052】
制御回路38は、前述した第1実施形態の制御回路18と同様に、例えば、所定のロジック回路またはマイクロコンピュータにより構成されるもので、選択端子SELから入力される選択情報#Nに従って、前述したスイッチSB1n,SB2n,SB3nやSB41,SB51をオンオフ制御し得る機能や、サンプルホールド回路32,34,36を構成するスイッチSWa1等(図2参照)をオンオフ制御し得る機能を有する。このため、制御回路18と同様に、これらに制御電圧を印加可能に制御線が、サンプルホールド回路32等やスイッチSB11等との間に接続されている(図7に示す一点鎖線、破線や制御バスCB)。
【0053】
このように構成される信号選択回路30では、制御回路38により図8〜図11に示すように制御される。即ち、信号選択回路30は、サンプルホールド回路32等やスイッチSB11等の制御状態として、(1) サンプリング前状態(図8)、(2) サンプリング状態1(図9)、(3) サンプリング状態2(図10)および(4) ホールド状態(図11)の4つの状態を持つ。このため、以下、それぞれの状態を順に説明する。
【0054】
図8に示すように、まず、信号選択回路30による電気信号のサンプリングが行われる前の状態、つまりサンプリング前状態(待機状態)では、制御回路38は、サンプルホールド回路32,34,36を全てサンプリング状態(図8に示す「Samp」)、全てのスイッチSB11等やスイッチSB41,SB51をオフ状態、にそれぞれ制御するとともに、選択端子SELから選択情報#Nが入力されるのを待つ。なお、この選択情報#Nは、選択端子SELに接続される外部回路から入力され、この状態では、例えば「選択なし」を意味する#0が入力される。
【0055】
選択端子SELから選択情報#Nが入力されると、信号選択回路30により、電気信号のサンプリング経路が確立されるサンプリング準備状態に移行する。例えば、図9に示すように、入力端子Vin1等から入力端子Vin3を選択する場合には、制御回路38は、選択された入力端子Vin3に接続されるスイッチSB23をオン状態、またこの入力端子Vin3に隣接して配置されて選択されていない(非選択の)一方側の入力端子Vin2に接続されるスイッチで共通ラインCL1に接続されるスイッチSB12をオン状態、さらに同他方側の入力端子Vin4に接続されるスイッチで共通ラインCL3に接続されるスイッチSB34をオン状態、にそれぞれ制御する。この状態では、各サンプルホールド回路32等は、いずれもサンプリング状態を維持している。
【0056】
これにより、選択された入力端子Vin3はサンプルホールド回路34の入力INに接続され、またこの両側の非選択の入力端子Vin2はサンプルホールド回路32の入力INに、同非選択の入力端子Vin4はサンプルホールド回路36の入力INに、それぞれ接続されることから、選択された入力端子Vin3に接続される信号ラインSL3からの電気信号を出力専用のサンプルホールド回路34によりサンプリング可能となり、また非選択の入力端子Vin2,Vin4に接続される信号ラインSL2,SL4をサンプルホールド回路32,36によりシールド可能にする。
【0057】
このようなサンプリング準備が完了すると、次に図10に示すサンプリング状態に移行する。即ち、選択された入力端子Vin3に接続されるサンプルホールド回路34により信号ラインSL3からの電気信号をサンプリングするとともに、非選択の入力端子Vin2,Vin4に接続されるサンプルホールド回路32,36をそれぞれサンプリング状態からホールド状態に切替制御する(図10に示す「Hold」)。なお、サンプルホールド回路34は、このサンプリング状態において、サンプルホールド可能であれば、先のサンプリング前状態やサンプリング準備状態では、サンプリング状態でなくても良い。
【0058】
これにより、入力端子Vin2に接続される信号ラインSL2の電位は、サンプルホールド回路32がホールド状態に移行したときの電気信号の電圧に維持、つまりサンプルホールド電圧によりバイアス電圧がかかることから、当該信号ラインSL2のインピーダンスを低くすることが可能となる。同様に、入力端子Vin4に接続される信号ラインSL4の電位も、サンプルホールド回路36がホールド状態に移行したことでサンプルホールド電圧によりバイアス電圧がかかることから、当該信号ラインSL4のインピーダンスを低くすることが可能となる。
【0059】
このような制御の後、図11に示すように、制御回路38は、選択された入力端子Vin3に接続されるサンプルホールド回路34をサンプリング状態からホールド状態(図11に示す「Hold」)に切替制御し、さらにスイッチSB23をオン状態からオフ状態に切替制御する。これにより、サンプルホールド回路34によるサンプルホールド電圧、つまり入力端子Vin3に接続される信号ラインSL3の電気信号の電圧が出力端子Voutに出力されるので、当該出力端子Voutに接続されたA/Dコンバータは目的とする信号ラインSL3の電気信号を得ることが可能となる。
【0060】
このように本実施形態に係る信号選択回路30では、選択する1の信号ラインSL3に隣接して配置される非選択の信号ラインSL2,SL4の電位を、この非選択の信号ラインSL2,SL4の電気信号の電圧に保持可能なサンプルホールド回路32,36を備える。そして、選択した信号ラインSL3から電気信号を出力端子Voutに出力する期間中、サンプルホールド回路32,36は、非選択の信号ラインSL2,SL4の電位をその電気信号の電圧に保持する。このため、このような電気信号を信号ラインSL2、SL4に送出する外部回路等にとっては自己の電気信号の電圧で維持されたままを保つので、当該外部回路に電気的な影響を与えることがない。
【0061】
また、選択された入力端子Vin3に接続される信号ラインSL3は、その両側に隣接して位置する信号ラインSL2、SL4のインピーダンスの低下によって、選択した信号ラインSL3と信号ラインSL2との間および選択した信号ラインSL3と信号ラインSL4との間、における結合容量の形成を抑制するとともに、低インピーダンス化した信号ラインSL2、SL4の存在により電気的、電磁波的なシールド効果が得られる。したがって、入力端子Vin2、Vin4に接続される信号ラインSL2、SL4に電気信号を送出する外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができる。
【0062】
さらに、本実施形態に係る信号選択回路30では、信号ラインSL1,SL2,SL3,…の数にかかわらず、必要となるサンプルホールド回路は、出力専用のサンプルホールド回路34とシールド用のサンプルホールド回路32,36の3つで足りるので、各入力端子Vin1,Vin2,Vin3,…ごとにサンプルホールド回路を設けた第1実施形態の信号選択回路10に比べて部品点数の削減が可能となり、また回路規模の小型化が可能となる。したがって、接続される外部回路に影響を与えることなく、クロストークを低減することができ、さらに装置の軽量小型化および装置コストの低減化を可能することができる。
【0063】
なお、以上説明した実施形態では、選択する1の信号ライン(信号線)として、SL3が選択される場合を例示して説明したが、選択する1の信号ラインはSL1,SL2,…等のいずれであっても良く、このような場合でも前述と同様の作用・効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態に係る信号選択回路の構成例を示す回路図である。
【図2】サンプルホールド回路の例を示す回路図で、図2(A) は本実施形態に適用するもの、図2(B) は他の回路例である。
【図3】CMOSスイッチの構成例を示す回路図である。
【図4】第1実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、サンプリング前状態を示すものである。
【図5】第1実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、サンプリング状態を示すものである。
【図6】第1実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、ホールド状態を示すものである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る信号選択回路の構成例を示す回路図である。
【図8】第2実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、サンプリング前状態を示すものである。
【図9】第2実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、サンプリング準備状態を示すものである。
【図10】第2実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、サンプリング状態を示すものである。
【図11】第2実施形態に係る信号選択回路の動作例を示す説明図で、ホールド状態を示すものである。
【符号の説明】
【0065】
10、30…信号選択回路
12、16…サンプルホールド回路(電圧保持手段)
14…サンプルホールド回路
18、38…制御回路
32…サンプルホールド回路(電圧保持手段、第1サンプルホールド回路)
34…サンプルホールド回路(第2サンプルホールド回路)
36…サンプルホールド回路(電圧保持手段、第3サンプルホールド回路)
CL1…共通ライン(第1共通線)
CL2…共通ライン(第2共通線)
CL3…共通ライン(第3共通線)
SA11、SA12、SA13…スイッチ(第1スイッチ)
SA21、SA22、SA23…スイッチ(第2スイッチ)
SB11、SB12、SB13、SB14、SB15…スイッチ(第1スイッチ)
SB21、SB22、SB23、SB24、SB25…スイッチ(第2スイッチ)
SB31、SB32、SB33、SB34、SB35…スイッチ(第3スイッチ)
SB41…スイッチ(第4スイッチ)
SB51…スイッチ(第5スイッチ)
SL0、SL1、SL2、SL3、SL4、SL5…信号ライン(信号線)
Vin1、Vin2、Vin3、Vin4、Vin5…入力端子
Vout …出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力端子に接続された信号線から1の信号線を選択し、この選択された信号線の電気信号を出力端子に出力する信号選択回路であって、
選択する1の信号線に隣接して配置される非選択の信号線の電位を、この非選択の信号線の電気信号の電圧に保持可能な電圧保持手段を備え、
前記1の信号線から電気信号を出力端子に出力する期間中、前記電圧保持手段は、前記非選択の信号線の電位をその電気信号の電圧に保持することを特徴とする信号選択回路。
【請求項2】
複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3)に接続された信号線(SL1,SL2,SL3)から1の信号線(例えばSL2)を選択し、この選択された信号線(SL2)の電気信号を出力端子(Vout)に出力する信号選択回路であって、
前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3)にそれぞれの入力が接続される複数のサンプルホールド回路(12,14,16)と、
前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)の個々の入出力間を短絡および開放可能に設けられる複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)と、
前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)のそれぞれの出力にそれぞれの入力が接続され、それぞれの出力がまとめられて前記出力端子(Vout)に接続される複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)と、
前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)のサンプリング/ホールドの制御、前記複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)のオンオフ制御および前記複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)のオンオフ制御をそれぞれ可能な制御回路(18)と、
を備え、前記制御回路(18)は、
(1) 複数の第1スイッチ(SA11,SA12,SA13)および複数の第2スイッチ(SA21,SA22,SA23)をすべてオフ状態、前記複数のサンプルホールド回路(12,14,16)をすべてサンプリング状態に制御した状態から、
(2) 選択する1の信号線(SL2)に隣接して配置される非選択の信号線(SL1,SL3)に接続されるサンプルホールド回路(12,16)をホールド状態、このサンプルホールド回路(12,16)に接続される第1スイッチ(SA11,SA13)をオン状態に制御した後、
(3) 前記1の信号線(SL2)の前記サンプルホールド回路(14)をホールド状態、このサンプルホールド回路(14)の前記第2スイッチ(SA22)をオン状態に制御することを特徴とする信号選択回路。
【請求項3】
複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)に接続された信号線(SL1,SL2,SL3,SL4,SL5,…)から1の信号線(例えばSL3)を選択し、この選択された信号線(SL3)の電気信号を出力端子(Vout)に出力する信号選択回路であって、
前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)にそれぞれの入力が接続される複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)と、
前記複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)のそれぞれの出力に共通に接続される第1共通線(CL1)と、
前記第1共通線(CL1)に入力が接続される第1サンプルホールド回路(32)と、
前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)にそれぞれの入力が接続される複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)と、
前記複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)のそれぞれの出力に共通に接続される第2共通線(CL2)と、
前記第2共通線(CL2)に入力が接続されて出力が前記出力端子(Vout)に接続される第2サンプルホールド回路(34)と、
前記複数の入力端子(Vin1,Vin2,Vin3,Vin4,Vin5,…)にそれぞれの入力が接続される複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)と、
前記複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のそれぞれの出力に共通に接続される第3共通線(CL3)と、
前記第3共通線(CL3)に入力が接続される第3サンプルホールド回路(36)と、
前記第1サンプルホールド回路(32)の入出力間を短絡および開放可能に設けられる第4スイッチ(SB41)と、
前記第3サンプルホールド回路(36)の入出力間を短絡および開放可能に設けられる第5スイッチ(SB51)と、
前記複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)、前記複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)および前記複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のそれぞれのオンオフ制御ならびに前記第1サンプルホールド回路(32)、前記第2サンプルホールド回路(34)および前記第3サンプルホールド回路(36)のそれぞれのサンプリング/ホールドの制御が可能な制御回路(38)と、
を備え、前記制御回路(38)は、
(1) 「前記複数の第1スイッチ(SB11,SB12,SB13,SB14,SB15,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第1スイッチ(SB12)をオン状態、この1の信号線(SL3)に接続される第1スイッチ(SB13)をオフ状態、この1の信号線に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第1スイッチ(SB14)をオフ状態」、「前記複数の第2スイッチ(SB21,SB22,SB23,SB24,SB25,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第2スイッチ(SB22)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に接続される第2スイッチ(SB23)をオン状態、この1の信号線(SL3)に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第2スイッチ(SB24)をオフ状態」、「前記複数の第3スイッチ(SB31,SB32,SB33,SB34,SB35,…)のうち、選択する1の信号線(SL3)に隣接して一方側に配置される非選択の信号線(SL2)に接続される第3スイッチ(SB32)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に接続される第3スイッチ(SB33)をオフ状態、この1の信号線(SL3)に隣接して他方側に配置される非選択の信号線(SL4)に接続される第3スイッチ(SB34)をオン状態」、「前記第4スイッチ(SB41)および前記第5スイッチ(SB51)をオフ状態」、「前記第1サンプルホールド回路(32)、前記第2サンプルホールド回路(34)および第3サンプルホールド回路(36)をすべてサンプリング状態」、にそれぞれ制御した状態から、
(2) 前記第1サンプルホールド回路(32)および第3サンプルホールド回路(36)をホールド状態、前記第4スイッチ(SB41)および前記第5スイッチ(SB51)をオン状態に制御した後、
(3) 前記第2サンプルホールド回路(34)をホールド状態、前記1の信号線(SL3)に接続される第2スイッチ(SB23)をオフ状態に制御することを特徴とする信号選択回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−306462(P2007−306462A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134966(P2006−134966)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】