説明

充電制御装置および方法、充電装置、並びに、プログラム

【課題】より適切に低圧バッテリの充電制御を行う。
【解決手段】低圧バッテリ12は、車両の動力源である高圧バッテリ18の電力を、DCDCコンバータ11により電圧を変換した電力により充電されるとともに、ACC負荷2、IG負荷3および+B負荷4からなる低圧系負荷に電力を供給する。CPU51は、出力電流検出回路33からの信号に示されるDCDCコンバータ11の出力電流、および、電流センサ回路14からの信号に示される低圧系負荷への負荷電流に基づいて、低圧バッテリ12の充電電流を算出し、充電電流が規定の電流を超えないように、DCDCコンバータ11の出力電圧を制御する。本発明は、例えば、電動車両の電気系統に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置および方法、充電装置、並びに、プログラムに関し、特に、電動車両の低圧系のバッテリを充電する場合に用いて好適な充電制御装置および方法、充電装置、並びに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle、電気自動車)、HEV(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、プラグインハイブリッドカー)などの電動車両には、通常、例えば、DC158V〜334Vの高圧バッテリと、例えば、DC12Vの低圧バッテリの2種類のバッテリが設けられる。高圧バッテリは、主に主動力モータ、A/C(エアコン)コンプレッサモータなどの大電力負荷(以下、高圧系負荷と称する)用の電源として使用される。また、低圧バッテリは、主に各種のECU(Electronic Control Unit)、パワーウインドウ用のモータ、照明ランプなどの中小電力負荷(以下、低圧系負荷と称する)用の電源として使用される。
【0003】
この低圧バッテリの充電は、高圧バッテリの電圧をDCDCコンバータにより降圧して供給することにより行われる。
【0004】
ところで、充電開始時の突入電流などにより低圧バッテリに過大な充電電流が流れ込むと、水素ガスが発生し、低圧バッテリの損傷や寿命の低下を招く恐れがある。そのため、低圧バッテリに過大な充電電流が流れないようにすることが、重要な課題となっている。
【0005】
また、従来のガソリン車では、低圧バッテリの充電電流を、例えば、特許文献1に示されるように、オルタネータの出力部の電流を計測することにより得ていた。同様に、従来の電動車両では、低圧バッテリの充電電流を、DCDCコンバータの出力部の電流を計測することによりに得ていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−15963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、DCDCコンバータの出力電流は、低圧バッテリだけでなく、低圧系負荷にも供給される。そのため、DCDCコンバータの出力部の電流を計測するだけでは、正確な充電電流を得ることができず、その結果、充電制御を適切に行えない場合がある。
【0008】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、より適切に低圧バッテリの充電制御を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面の充電制御装置は、車両の動力源である第1のバッテリの電力を電圧変換部により電圧を変換した電力により充電される、車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリの充電を制御する充電制御装置において、電圧変換部の出力電流および電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流を算出する充電電流算出手段と、充電電流が規定値を超えないように電圧変換部の出力電圧を制御する充電制御手段とを含む。
【0010】
本発明の第1の側面の充電制御装置においては、電圧変換部の出力電流および電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流が算出され、充電電流が規定の電流を超えないように電圧変換部の出力電圧が制御される。
【0011】
従って、より適切に第2のバッテリの充電制御を行うことができる。具体的には、第2のバッテリの充電電流をより正確に求めることができるとともに、第2のバッテリに過大な充電電流が流れ込むことが防止される。
【0012】
この電圧変換部は、例えば、DCDCコンバータにより構成される。この充電電流算出手段、充電制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
【0013】
電圧変換部の出力停止時の出力側の電圧、および、電圧変換部と第2のバッテリの間の既知の降下電圧に基づいて、第2のバッテリの電圧を推定するバッテリ電圧推定手段をさらに設け、充電制御手段には、推定された第2のバッテリの電圧から規定の電圧まで、電圧変換部の出力電圧を所定の値ずつ上昇させることができる。
【0014】
これにより、より適切に第2のバッテリの充電制御を行うことができる。具体的には、充電時に第2のバッテリに突入電流が流れ込むことを防止できる。
【0015】
このバッテリ電圧推定手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
【0016】
この充電制御手段には、第2のバッテリの温度変化率が規定値を超えた場合、第2のバッテリの温度が所定の温度以下になるまで電圧変換部の出力を停止させることができる。
【0017】
これにより、より適切に第2のバッテリの充電制御を行うことができる。具体的には、第2のバッテリの内部抵抗の上昇に伴う電力損失の増大による充電効率の悪化を防止することができる。
【0018】
本発明の第1の側面の充電制御方法は、車両の動力源である第1のバッテリの電力を電圧変換部により電圧を変換した電力により充電される、車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリの充電を制御する充電制御装置が、電圧変換部の出力電流および電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流を算出し、充電電流が規定の電流を超えないように電圧変換部の出力電圧を制御するステップを含む。
【0019】
本発明の第1の側面のプログラムは、車両の動力源である第1のバッテリの電力を電圧変換部により電圧を変換した電力により充電される、車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリの充電を制御するコンピュータに、電圧変換部の出力電流および電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流を算出し、充電電流が規定の電流を超えないように電圧変換部の出力電圧を制御するステップを含む処理を実行させる。
【0020】
本発明の第1の側面の充電制御方法、または、プログラムを実行するコンピュータにおいては、電圧変換部の出力電流および電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流が算出され、充電電流が規定の電流を超えないように電圧変換部の出力電圧が制御される。
【0021】
従って、より適切に第2のバッテリの充電制御を行うことができる。具体的には、第2のバッテリの充電電流をより正確に求めることができるとともに、第2のバッテリに過大な充電電流が流れ込むことが防止される。
【0022】
この充電制御装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。このコンピュータは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。この電圧変換部は、例えば、DCDCコンバータにより構成される。
【0023】
本発明の第2の側面の充電装置は、車両の動力源である第1のバッテリの電力を用いて、車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリを充電する充電装置であって、第1のバッテリの電圧を変換して第2のバッテリに供給する電圧変換手段と、電圧変換手段の出力電流を検出する出力電流検出手段と、出力電流検出手段により検出された電圧変換手段の出力電流、および、電気部品への負荷電流を検出する負荷電流検出部により検出された電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流を算出する充電電流算出手段と、充電電流が規定の電流を超えないように電圧変換手段の出力電圧を制御する充電制御手段とを含む。
【0024】
本発明の第2の側面の充電装置においては、第1のバッテリの電圧が変換されて第2のバッテリに供給され、電圧変換手段の出力電流が検出され、検出された電圧変換手段の出力電流、および、電気部品への負荷電流を検出する負荷電流検出部により検出された電気部品への負荷電流に基づいて、第2のバッテリの充電電流が算出され、充電電流が規定の電流を超えないように電圧変換手段の出力電圧が制御される。
【0025】
従って、より適切に第2のバッテリの充電制御を行うことができる。具体的には、第2のバッテリの充電電流をより正確に求めることができるとともに、第2のバッテリに過大な充電電流が流れ込むことが防止される。
【0026】
この電圧変換手段は、例えば、DCDCコンバータにより構成される。この出力電流検出手段は、例えば、電流センサにより構成される。この負荷電流検出部は、例えば、電流センサにより構成される。この充電電流算出手段、充電制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の第1の側面または第2の側面によれば、電動車両に設けられている電気部品に電力を供給するバッテリを充電することができる。特に、本発明の第1の側面または第2の側面によれば、電動車両に設けられている電気部品に電力を供給するバッテリの充電制御をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用した電動車両の電気系統の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】DCDCコンバータのCPUにより実現される機能の構成の例の一部を示すブロック図である。
【図3】低圧バッテリ充電制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明を適用した車両の電気系統の一実施の形態を示すブロック図である。図1の電気系統1は、EV(Electric Vehicle、電気自動車),HEV(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、プラグインハイブリッドカー)など、バッテリに蓄えられた電力を用いて走行する電動車両に設けられる電気系統のうち、主に低圧(例えば、12V)の電気部品(以下、低圧系負荷と称する)への電力の供給に関わる部分を示している。なお、低圧系負荷は、例えば、各種のECU(Electronic Control Unit)、パワーウインドウ用のモータ、照明ランプなどを含み、図1に示されるように、ACC(アクセサリ)負荷2、IG(イグニッション)負荷3、および、+B負荷4の3系統に分類される。また、以下、電気系統1が設けられている車両を自車と称する。
【0031】
電気系統1は、DCDCコンバータ11、低圧バッテリ12、温度センサ13、電流センサ回路14、低圧系J/B(Junction Box)15、低圧系電源ECU(Electronic Control Unit)16、スイッチ17、高圧バッテリ18、高圧系J/B(Junction Box)19、BMU(Battery Management Unit)20、および、車両ECU(Electronic Control Unit)21を含むように構成される。
【0032】
DCDCコンバータ11は、電圧変換部31、出力電圧検出回路32、出力電流検出回路33、加熱保護温度センサ34、制御用自立電源回路35、および、制御部36を含むように構成される。
【0033】
電圧変換部31は、制御部36の制御の基に、高圧系J/B19を介して高圧バッテリ18から供給される電力の電圧を変換し、低圧バッテリ12および低圧系J/B15に供給する。電圧変換部31は、フィルタ回路41、パワー素子フルブリッジ回路42、絶縁トランス43、および、整流平滑回路44を含むように構成される。
【0034】
フィルタ回路41は、高圧系J/B19を介して高圧バッテリ18から供給される電圧のノイズを除去し、パワー素子フルブリッジ回路42に供給する。
【0035】
パワー素子フルブリッジ回路42は、例えば、トランジスタ、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、IPM(Intelligent Power Module)などの電力用半導体スイッチング素子を用いたフルブリッジ回路により構成される。パワー素子フルブリッジ回路42は、制御部36のパルストランス回路54から供給されるスイッチング信号に基づいて、高圧系J/B19を介して高圧バッテリ18から供給される直流電圧を交流電圧に変換し、絶縁トランス43に供給する。
【0036】
絶縁トランス43は、DCDCコンバータ11の入力と出力を絶縁するとともに、パワー素子フルブリッジ回路42から供給される交流電圧を所定の変圧比で変圧し、整流平滑回路44に供給する。
【0037】
整流平滑回路44の2つの出力端子のうち一方は、低圧バッテリ12の+端子、および、低圧系J/B15に接続され、他方は接地されている。整流平滑回路44は、絶縁トランス43から供給される交流電圧を直流電圧に整流および平滑化し、低圧バッテリ12および低圧系J/B15に供給する。
【0038】
出力電圧検出回路32は、DCDCコンバータ11の出力電圧を検出し、検出値を示す信号を制御部36のCPU51およびエラーアンプ52に供給する。
【0039】
出力電流検出回路33は、DCDCコンバータ11の出力電流を検出し、検出値を示す信号を制御部36のCPU51およびPWM IC53に供給する。
【0040】
加熱保護温度センサ34は、DCDCコンバータ11の温度を検出し、検出値を示す信号を制御部36のCPU51に供給する。
【0041】
制御用自立電源回路35は、高圧系J/B19を介して高圧バッテリ18から供給される電力から、制御部36の駆動電力を生成し、制御部36に供給する。
【0042】
制御部36は、CPU51、エラーアンプ52、PWM IC53、および、パルストランス回路54を含むように構成される。
【0043】
CPU51は、温度センサ13から低圧バッテリ12の温度の検出値を示す信号を取得する。また、CPU51は、電流センサ回路14により検出される低圧系負荷への負荷電流の検出値を示す信号を取得する。CPU51は、DCDCコンバータ11の出力電圧、出力電流および温度、低圧バッテリ12の温度、並びに、自車の低圧系負荷への負荷電流に基づいて、DCDCコンバータ11の出力の開始および停止を制御したり、DCDCコンバータ11の出力電圧の目標値(以下、目標電圧と称する)を設定したりする。CPU51は、DCDCコンバータ11の目標電圧を示す信号をエラーアンプ52に供給する。
【0044】
エラーアンプ52は、出力電圧検出回路32からの信号の値とCPU51からの信号の値の差分、すなわち、DCDCコンバータ11の出力電圧と目標電圧の差分を増幅し、PWM IC53に供給する。
【0045】
PWM IC53は、エラーアンプ52から供給される信号に基づいて、DCDCコンバータ11の出力電圧が目標電圧となるように、パルストランス回路54に供給するPWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティ比を制御するとともに、パルストランス回路54の出力の開始および停止を制御する。
【0046】
パルストランス回路54は、PWM IC53からのPWM信号に基づくスイッチング信号をパワー素子フルブリッジ回路42に供給し、パワー素子フルブリッジ回路42のスイッチングを制御することにより、DCDCコンバータ11の出力電圧を制御する。
【0047】
低圧バッテリ12は、高圧系J/B19およびDCDCコンバータ11を介して高圧バッテリ18から供給される電力により充電されるとともに、低圧系J/B15を介して、ACC負荷2、IG負荷3、および、+B4負荷に電力を供給する。なお、低圧バッテリ12の−端子は接地されている。
【0048】
温度センサ13は、例えば、低圧バッテリ12のセルもしくは端子、または、低圧バッテリ12の近傍に設けられ、低圧バッテリ12の温度を検出する。温度センサ13は、低圧バッテリ12の温度の検出値を示す信号を、CAN(Controller Area Network)を介して、CPU51に供給する。
【0049】
電流センサ回路14は、低圧バッテリ12と低圧系J/B15の間に設けられ、低圧系J/B15を介して、DCDCコンバータ11または低圧バッテリ12から低圧系負荷に供給される負荷電流を検出する。電流センサ回路14は、負荷電流の検出値を示す信号を、CANを介して、CPU51、車両ECU21およびBMU20に供給する。
【0050】
低圧系J/B15は、例えば、コンタクタ、リレーなどを内蔵し、低圧系電源ECU16の制御の基に、ACC負荷2、IG負荷3、および、+B負荷4への電力の供給の有無を切替える。
【0051】
スイッチ17は、例えば、イグニッションキースイッチもしくはスタータスイッチ、または、その両方により構成される。
【0052】
例えば、走行用または高圧バッテリ18の充電用のエンジンを搭載するHEVまたはPHEVにより自車が構成される場合、スイッチ17は、例えば、LOCKまたはOFF(以下、OFFに統一する)、ACC(アクセサリ)、IG(イグニッション)またはON(以下、ONに統一する)、STARTの4つの位置に設定可能とされる。
【0053】
この場合、スイッチ17の位置がOFFに設定されたとき、自車は、エンジンおよび主動力モータを稼動することができず、走行できない状態となる。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、低圧系負荷のうち+B負荷4にのみ給電可能な状態となる。
【0054】
また、スイッチ17の位置がACCに設定されたとき、OFFに設定されたときと同様に、自車は、エンジンおよび主動力モータを稼動することができず、走行できない状態となる。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、低圧系負荷のうち+B負荷4およびACC負荷2に給電可能な状態となる。
【0055】
さらに、スイッチ17の位置がONに設定されたとき、自車は、エンジンおよび主動力モータを稼動することができ、走行可能な状態となる。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、+B負荷4、ACC負荷2およびIG負荷3の全ての低圧系負荷に給電可能な状態となる。
【0056】
また、スイッチ17の位置がSTARTに設定されたとき、自車のエンジンが点火し、始動する。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、+B負荷4、ACC負荷2およびIG負荷3の全ての低圧系負荷に給電可能な状態となる。なお、車両の種類によっては、スイッチ17の位置がSTARTに設定された場合、セルフスタータモータを始動させるために、ACC負荷2への給電が停止される場合もある。
【0057】
このように、自車がHEVまたはPHEVにより構成される場合、電気系統1は、スイッチ17の設定位置に関わらず、+B負荷4に常時給電可能であり、スイッチ17の位置がACC、ONまたはSTARTに設定されたとき、ACC負荷2に給電可能となり、スイッチ17の位置がONまたはSTARTに設定されたとき、IG負荷3に給電可能となる。
【0058】
また、例えば、エンジンを搭載しないEVにより自車が構成される場合、スイッチ17は、例えば、LOCKまたはOFF(以下、OFFに統一する)、ACC(アクセサリ)、STARTまたはON(以下、ONに統一する)の3つの位置に設定可能とされる。
【0059】
この場合、スイッチ17の位置がOFFに設定されたとき、自車は、エンジンおよび主動力モータを稼動することができず、走行できない状態となる。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、低圧系負荷のうち+B負荷4にのみ給電可能な状態となる。
【0060】
また、スイッチ17の位置がACCに設定されたとき、OFFに設定されたときと同様に、自車は、エンジンおよび主動力モータを稼動することができず、走行できない状態となる。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、低圧系負荷のうち+B負荷4およびACC負荷2に給電可能な状態となる。
【0061】
さらに、スイッチ17の位置がONに設定されたとき、自車は、エンジンおよび主動力モータを稼動することができ、走行可能な状態となる。また、自車は、低圧系電源ECU16の制御の基に、+B負荷4、ACC負荷2およびIG負荷3の全ての低圧系負荷に給電可能な状態となる。
【0062】
このように、自車がEVにより構成される場合、電気系統1は、スイッチ17の設定位置に関わらず、+B負荷4に常時給電可能であり、スイッチ17の位置がACCまたはONに設定されたとき、ACC負荷2に給電可能となり、スイッチ17の位置がONに設定されたとき、IG負荷3に給電可能となる。
【0063】
なお、IG負荷3に給電可能な状態において、低圧系J/B15からDCDCコンバータ11のCPU51に制御信号および電力の供給を行うことが可能である。DCDCコンバータ11は、この制御信号をトリガにして、低圧系J/Bから供給される電力を用いて起動し、出力を開始することが可能である。
【0064】
そして、スイッチ17は、スイッチ17の設定位置を示す信号を、CANを介して、低圧系電源ECU16および車両ECU21に供給する。
【0065】
高圧バッテリ18は、自車の動力源として用いられる。具体的には、高圧バッテリ18に蓄えられている電力は、高圧系J/B19を介して、図示せぬ走行系インバータに供給され、直流電力から交流電力に変換される。そして、その交流電力が図示せぬ主動力モータに供給され、主動力モータが駆動されることにより、自車が走行する。また、高圧バッテリ18は、高圧系J/B19を介して、主動力モータ以外の自車の高圧系負荷にも電力を供給する。
【0066】
高圧系J/B19は、例えば、コンタクタ、リレーなどを内蔵し、図示せぬECUの制御の基に、DCDCコンバータ11、および、自車の高圧系負荷への電力の供給の有無を切替える。
【0067】
BMU20は、高圧バッテリ18の管理を行う。例えば、BMU20は、高圧バッテリ18の状態(例えば、電圧、電流、温度など)を監視し、監視結果を示す情報を、CANを介して、CPU51および車両ECU21に供給する。
【0068】
車両ECU21は、図示せぬ走行系インバータなどの制御を行う。また、CPU51と車両ECU21とは、CANを介して通信し、各種の制御情報の送受信を行う。
【0069】
図2は、DCDCコンバータ11のCPU51が所定の制御プログラムを実行することにより実現される機能の構成の例の一部を示すブロック図である。CPU51が所定の制御プログラムを実行することにより、バッテリ電圧推定部101、充電電流算出部102、および、充電制御部103を含む機能が実現される。
【0070】
バッテリ電圧推定部101は、図3を参照して後述するように、出力電圧検出回路32からの信号に示される電圧に基づいて、低圧バッテリ12の電圧(例えば、+端子と−端子間の電圧)を推定する。バッテリ電圧推定部101は、推定した低圧バッテリ12の電圧を示す情報を充電制御部103に供給する。
【0071】
充電電流算出部102は、図3を参照して後述するように、出力電流検出回路33からの信号に示されるDCDCコンバータ11の出力電流、および、電流センサ回路14からの信号に示される低圧系負荷の負荷電流に基づいて、低圧バッテリ12の充電電流を算出する。充電電流算出部102は、算出した充電電流を示す情報を充電制御部103に供給する。
【0072】
充電制御部103は、図3を参照して後述するように、温度センサ13からの信号により示される低圧バッテリ12の温度に基づいて、DCDCコンバータ11の出力の開始および停止を制御する。さらに、充電制御部103は、図3を参照して後述するように、バッテリ電圧推定部101により推定された低圧バッテリ12の電圧、および、充電電流算出部102により算出された低圧バッテリ12の充電電流に基づいて、DCDCコンバータ11の目標電圧を設定し、設定した目標電圧を示す信号をエラーアンプ52に供給する。
【0073】
次に、図3のフローチャートを参照して、自車の電気系統1により実行される低圧バッテリ充電制御処理について説明する。なお、この処理は、例えば、スイッチ17がイグニッションキースイッチにより構成される場合、スイッチ17の位置がLOCK以外の位置に設定されたとき開始され、LOCKに設定されたとき終了する。または、この処理は、例えば、スイッチ17がスタータスイッチにより構成される場合、スイッチ17の位置が、OFF以外の位置に設定されたとき開始され、OFFに設定されたとき終了する。
【0074】
ステップS1において、DCDCコンバータ11が起動する。具体的には、高圧系J/B19は、スイッチ17の位置がLOCKまたはOFF以外の位置に設定されたのに伴い、図示せぬECUの制御の基に、DCDCコンバータ11への高圧バッテリ18の電力の供給を開始する。これにより、制御用自立電源回路35から制御部36への電力の供給が開始され、DCDCコンバータ11が起動する。
【0075】
ステップS2において、バッテリ電圧推定部101は、低圧バッテリ12の電圧を推定する。具体的には、バッテリ電圧推定部101は、出力電圧検出回路32からの信号に示される現在の電圧、すなわち、出力停止時のDCDCコンバータ11の出力側の電圧から、DCDCコンバータ11と低圧バッテリ12との間の降下電圧を差し引くことにより、低圧バッテリ12の電圧を推定する。なお、DCDCコンバータ11と低圧バッテリ12との間の降下電圧は、DCDCコンバータ11と低圧バッテリ12との間の回路抵抗などに基づいて、予め求められている。バッテリ電圧推定部101は、推定した低圧バッテリ12の電圧を示す情報を充電制御部103に供給する。
【0076】
ステップS3において、制御部36は、DCDCコンバータ11の出力電圧を現在の低圧バッテリ12の電圧に設定する。具体的には、充電制御部103は、バッテリ電圧推定部101により推定された低圧バッテリ12の電圧と同じ値にDCDCコンバータ11の目標電圧を設定する。充電制御部103は、設定した目標電圧を示す信号のエラーアンプ52への供給を開始する。PWM IC53は、パルストランス回路54へのPWM信号の供給を開始するとともに、エラーアンプ52から供給される信号に基づいて、DCDCコンバータ11の出力電圧が目標電圧となるようにPWM信号のデューティ比を制御する。
【0077】
ステップS4において、制御部36は、DCDCコンバータ11の出力を開始させる。具体的には、パルストランス回路54は、PWM IC53の制御の基に、PWM IC53からのPWM信号に基づくスイッチング信号のパワー素子フルブリッジ回路42への供給を開始する。これにより、パワー素子フルブリッジ回路42が起動し、DCDCコンバータ11の出力が開始され、DCDCコンバータ11から低圧バッテリ12への充電電流の供給が開始される。
【0078】
なお、このとき、DCDCコンバータ11の出力電圧は、バッテリ電圧推定部101により推定された低圧バッテリ12の電圧と等しくなるように制御される。従って、DCDCコンバータ11の出力開始時に、DCDCコンバータ11から低圧バッテリ12に過大な突入電流が流れることが防止される。
【0079】
ステップS5において、制御部36は、DCDCコンバータ11の出力電圧をΔV(例えば、0.1V)だけ上昇させる。具体的には、充電制御部103は、出力電圧検出回路32からの信号に示される現在のDCDCコンバータ11の出力電圧にΔVを加算した値に、目標電圧を変更する。充電制御部103は、変更した目標電圧を示す信号のエラーアンプ52への供給を開始する。これにより、DCDCコンバータ11の出力電圧が、現在の出力電圧からΔVだけ上昇するように制御される。
【0080】
なお、ΔVは、DCDCコンバータ11から低圧バッテリ12に供給される充電電流が、所定の規定値(例えば、低圧バッテリ12の5時間放電率の電流(5時間率電流))を超えないように、DCDCコンバータ11の出力電圧を徐変制御するために、予め設定される値である。
【0081】
ステップS6において、充電制御部103は、出力電圧検出回路32からの信号に基づいて、DCDCコンバータ11の出力電圧が充電終了電圧(例えば、14V)に達したか否かを判定する。DCDCコンバータ11の出力電圧が、まだ充電終了電圧に達していないと判定された場合、処理はステップS7に進む。なお、充電終了電圧は、例えば、低圧バッテリ12の充電終止電圧に、DCDCコンバータ11と低圧バッテリ12との間の降下電圧を加算した値に設定される。
【0082】
ステップS7において、充電制御部103は、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えたか否かを判定する。具体的には、充電制御部103は、温度センサ13からの信号に示される現在の低圧バッテリ12の温度と、所定の時間Δt前(例えば、1分前)の低圧バッテリ12の温度との差分を求める。充電制御部103は、求めた差分値が所定の規定値を超えていない場合、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えていないと判定し、処理はステップS8に進む。
【0083】
ステップS8において、充電制御部103は、充電電流が既定値に達しか否かを判定する。具体的には、充電電流算出部102は、出力電流検出回路33からの信号に示される現在のDCDCコンバータ11の出力電流から、電流センサ回路14からの信号に示される現在の低圧系負荷の負荷電流を差し引くことにより、現在の低圧バッテリ12の充電電流を算出する。これにより、DCDCコンバータ11の出力電流のみを検出する場合と比較して、低圧バッテリ12の充電電流をより正確に検出することができる。充電電流算出部102は、算出した低圧バッテリ12の充電電流を示す信号を充電制御部103に供給する。充電制御部103が、充電電流算出部102により算出された充電電流が、規定値(例えば、上述した低圧バッテリ12の5時間率電流)に達していないと判定した場合、処理はステップS5に戻る。
【0084】
その後、ステップS6において、DCDCコンバータ11の出力電圧が充電終了電圧に達したと判定されるか、ステップS7において、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えたと判定されるか、ステップS8において、充電電流が規定値に達したと判定されるまで、ステップS5乃至S8の処理が繰り返し実行される。
【0085】
一方、ステップS8において、充電電流が規定値に達したと判定された場合、処理はステップS9に進む。
【0086】
ステップS9において、制御部36は、DCDCコンバータ11の出力電圧を充電電流が規定値に達したときの値に固定する。具体的には、充電制御部103は、出力電圧検出回路32からの信号に示される現在のDCDCコンバータ11の出力電圧、すなわち、充電電流が規定値に達したときの出力電圧に、DCDCコンバータ11の目標電圧を変更する。充電制御部103は、変更した目標電圧を示す信号のエラーアンプ52への供給を開始する。これにより、DCDCコンバータ11の出力電圧が、ステップS8において充電電流が規定値に達したと判定されたときの電圧に固定されるように制御される。そして、DCDCコンバータ11の出力電圧が固定されることにより、低圧バッテリ12の電圧が上昇するにつれて、低圧バッテリ12の充電電流が徐々に低下していく。
【0087】
ステップS10において、充電制御部103は、充電電流が所定の閾値未満になったか否かを判定する。具体的には、充電電流算出部102は、ステップS8と同様の処理により、低圧バッテリ12の充電電流を算出し、算出した充電電流を示す情報を充電制御部103に供給する。充電制御部103が、充電電流算出部102により算出された充電電流が所定の閾値未満になっていないと判定した場合、処理はステップS11に進む。なお、この閾値は、例えば、上述した充電電流の規定値より所定の値だけ低い電流に設定される。
【0088】
ステップS11において、ステップS7の処理と同様に、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えたか否かが判定される。低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えていないと判定された場合、処理はステップS10に戻る。
【0089】
その後、ステップS10において、充電電流が所定の閾値未満になったと判定されるか、ステップS11において、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えたと判定されるまで、ステップS10およびS11の処理が繰り返し実行される。
【0090】
一方、ステップS10において、充電電流が所定の閾値未満になったと判定された場合、処理はステップS5に戻る。その後、ステップS6において、DCDCコンバータ11の出力電圧が充電終了電圧に達したと判定されるか、ステップS7またはステップS11において、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えたと判定されるまで、ステップS5乃至S11の処理が繰り返し実行される。
【0091】
一方、ステップS7またはステップS11において、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えたと判定された場合、処理はステップS12に進む。
【0092】
ステップS12において、制御部36は、DCDCコンバータ11の出力を停止させる。具体的には、充電制御部103は、目標電圧を示す信号のエラーアンプ52への供給を停止する。これにより、PWM IC53からパルストランス回路54へのPWM信号の供給が停止され、DCDCコンバータ11の出力が停止する。
【0093】
ステップS13において、充電制御部103は、低圧バッテリ12の温度が規定温度以下になったか否かを判定する。充電制御部103は、所定の間隔で、温度センサ13からの信号に基づいて、低圧バッテリ12の温度が規定温度以下になったか否かを判定し、低圧バッテリ12の温度が規定温度以下になるまで待機する。そして、低圧バッテリ12の温度が規定温度以下になったとき、処理はステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が実行される。すなわち、低圧バッテリ12の充電が再開される。
【0094】
これにより、充放電や低圧バッテリ12の周囲の温度などの要因により、低圧バッテリ12の内部抵抗が上昇し、充電電力の損失が大きくなっているときに低圧バッテリ12の充電を継続して、充電効率が悪化することが防止される。
【0095】
一方、ステップS6において、DCDCコンバータ11の出力電圧が充電終了電圧に達したと判定された場合、処理はステップS14に進む。
【0096】
ステップS14において、ステップS12の処理と同様に、DCDCコンバータ11の出力が停止される。
【0097】
ステップS15において、ステップS2の処理と同様に、低圧バッテリ12の電圧が推定される。
【0098】
ステップS16において、充電制御部103は、ステップS15の処理の結果に基づいて、低圧バッテリ12の電圧が充電開始電圧以下であるか否かが判定される。低圧バッテリ12の電圧が充電開始電圧以下でないと判定された場合、処理はステップS15に戻る。その後、ステップS16において、低圧バッテリ12の電圧が充電開始電圧以下であると判定されるまで、ステップS15およびS16の処理が繰り返し実行される。
【0099】
一方、ステップS16において、低圧バッテリ12の電圧が充電開始電圧以下であると判定された場合、処理はステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が実行される。すなわち、低圧バッテリ12の電圧が充電開始電圧以下になったとき、低圧バッテリ12の充電が開始される。なお、充電開始電圧は、例えば、低圧バッテリ12の放電終止電圧、または、低圧系負荷の駆動電圧の最小値付近の電圧に設定される。
【0100】
なお、スイッチ17の位置がLOCKまたはOFF以外の位置に設定されたとき、高圧系J/B19は、図示せぬECUの制御の基に、DCDCコンバータ11への高圧バッテリ18の電力の供給を停止し、DCDCコンバータ11が停止し、低圧バッテリ充電制御処理は終了する。
【0101】
以上のようにして、充電電流が規定値を超えたり、充電電流が不足したりしないように、DCDCコンバータ11の出力電圧が、充電開始時の低圧バッテリ12の電圧から充電終了電圧までΔVずつ上昇されるとともに、低圧バッテリ12の温度に基づいて充電効率が低下することが防止され、適切に低圧バッテリ12が充電される。
【0102】
なお、以上の説明では、DCDCコンバータ11内に制御部36を設ける例を示したが、制御部36とDCDCコンバータ11を分離して設けるようにしてもよい。あるいは、例えば、CPU51だけDCDCコンバータ11から分離して設けるようにしてもよい。
【0103】
また、低圧バッテリ12の電圧の測定方法として、例えば、充電電流が0AになるようにDCDCコンバータ11の出力電圧を制御し、そのときの出力電圧を、低圧バッテリの電圧として測定するようにしてもよい。
【0104】
さらに、以上の説明では、低圧バッテリ12の温度変化率が規定値を超えた場合に、DCDCコンバータ11の出力を停止するようにしたが、DCDCコンバータ11の出力電流、すなわち、低圧バッテリ12の充電電流を下げるようにしてもよい。
【0105】
また、上述した一連のCPU51の処理は、ハードウエアにより実行するようにすることも可能である。
【0106】
さらに、CPU51が実行する制御プログラムは、例えば、予めDCDCコンバータ11の図示せぬ記録媒体にインストールしておくことも可能であるし、または、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディアに記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供し、インストールすることも可能である。
【0107】
また、CPU51が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0108】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 電気系統
2 ACC負荷
3 IG負荷
4 +B負荷
11 DCDCコンバータ
12 低圧バッテリ
13 温度センサ
14 電流センサ回路
18 高圧バッテリ
31 電圧変換部
32 出力電圧検出回路
33 出力電流検出回路
36 制御部
41 フィルタ回路
42 パワー素子フルブリッジ回路
43 絶縁トランス
44 整流平滑回路
51 CPU
52 エラーアンプ
53 PWM IC
54 パルストランス回路
101 バッテリ電圧推定部
102 充電電流算出部
103 充電制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の動力源である第1のバッテリの電力を電圧変換部により電圧を変換した電力により充電される、前記車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリの充電を制御する充電制御装置において、
前記電圧変換部の出力電流および前記電気部品への負荷電流に基づいて、前記第2のバッテリの充電電流を算出する充電電流算出手段と、
前記充電電流が規定の電流を超えないように前記電圧変換部の出力電圧を制御する充電制御手段と
を含む充電制御装置。
【請求項2】
前記電圧変換部の出力停止時の出力側の電圧、および、前記電圧変換部と前記第2のバッテリの間の既知の降下電圧に基づいて、前記第2のバッテリの電圧を推定するバッテリ電圧推定手段を
さらに含み、
前記充電制御手段は、推定された前記第2のバッテリの電圧から規定の電圧まで、前記電圧変換部の出力電圧を所定の値ずつ上昇させる
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記充電制御手段は、前記第2のバッテリの温度変化率が規定値を超えた場合、前記第2のバッテリの温度が所定の温度以下になるまで前記電圧変換部の出力を停止させる
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項4】
車両の動力源である第1のバッテリの電力を電圧変換部により電圧を変換した電力により充電される、前記車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリの充電を制御する充電制御装置が、
前記電圧変換部の出力電流および前記電気部品への負荷電流に基づいて、前記第2のバッテリの充電電流を算出し、
前記充電電流が規定の電流を超えないように前記電圧変換部の出力電圧を制御する
ステップを含む充電制御装置。
【請求項5】
車両の動力源である第1のバッテリの電力を電圧変換部により電圧を変換した電力により充電される、前記車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリの充電を制御するコンピュータに、
前記電圧変換部の出力電流および前記電気部品への負荷電流に基づいて、前記第2のバッテリの充電電流を算出し、
前記充電電流が規定の電流を超えないように前記電圧変換部の出力電圧を制御する
ステップを含む処理を実行させるプログラム。
【請求項6】
車両の動力源である第1のバッテリの電力を用いて、前記車両に設けられている電気部品に電力を供給する第2のバッテリを充電する充電装置において、
前記第1のバッテリの電圧を変換して前記第2のバッテリに供給する電圧変換手段と、
前記電圧変換手段の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記出力電流検出手段により検出された前記電圧変換手段の出力電流、および、前記電気部品への負荷電流を検出する負荷電流検出部により検出された前記電気部品への負荷電流に基づいて、前記第2のバッテリの充電電流を算出する充電電流算出手段と、
前記充電電流が規定の電流を超えないように前記電圧変換手段の出力電圧を制御する充電制御手段と
を含む充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−200529(P2010−200529A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43959(P2009−43959)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】