説明

光コネクタおよび光伝送モジュール

【課題】光の伝送路同士を好適に接続できる光コネクタを提供する。
【解決手段】光コネクタ3は、プラグ15と、第2保持部材(基板17および台座部27)と、台座部27に支持されており、プラグ15に係合する接続部材29とを有する。接続部材29は、延在部29aと、該延在部29aから突出し、プラグ15の被係合部15fに対して第1接続部15d側から第2接続部17cc側への方向へ係合可能な第1係合部29baと、延在部29aの第1係合部29baよりも第2接続部17cc側に位置し、プラグ15に対して第1係合部29baが突出する側へ当接可能な当接部29cとを有する。第1係合部29baの係合前における第2接続部17ccから第1係合部29baまでのx方向における距離Sが、第1接続部15dから被係合部15fまでのx方向における距離Sよりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の伝送路同士を接続する光コネクタおよび該光コネクタを有する光伝送モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ等によって構成された光伝送路同士を接続する光コネクタが知られている。特許文献1では、光モジュールと、光ファイバケーブルの一端に設けられ、光モジュールと接続されるフェルールとを有する光コネクタを開示している。この光コネクタでは、光モジュールの、光伝送路の一端面が露出する端面と、フェルールの、光伝送路の一端面が露出する端面とを当接させ、その当接方向において光モジュールおよびフェルールにガイドピンを挿通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−84147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、ガイドピンによって光モジュールとフェルールとの光伝送路に直交する方向の移動を規制していることから、種々の不都合が生じる。例えば、ガイドピンの分だけ部材点数が増加する。また、例えば、ガイドピンが光モジュールやフェルールとは独立して存在することになり、部品管理および接続作業の煩雑化を招く。また、例えば、ガイドピンと該ガイドピンが挿通されるピン孔との嵌合ガタに応じて光伝送路同士の接続中において光伝送路同士の位置が変動する。
【0005】
本発明の目的は、ガイドピンを用いずに、光の伝送路同士を安定的に接続することが可能な光コネクタおよび光伝送モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光コネクタは、第1光伝送路の一端面が露出する第1接続部を有する第1保持部材と、第2光伝送路の一端面が露出する第2接続部を有する第2保持部材と、該第2保持部材に支持されており、所定の接続方向に前記第1接続部と前記第2接続部とを当接させて前記第1光伝送路と前記第2光伝送路とを接続したときに前記第1保持部材に対して係合する接続部材と、を有し、該接続部材は、前記第2接続部側から前記第1接続部側へ延び、前記第2接続部側部分が前記接続方向に移動不可能に前記第2保持部材に支持された延在部と、該延在部の前記第1接続部側部分において前記接続方向に交差する方向へ突出し、前記第1保持部材の所定の被係合部に対して前記第1接続部側から前記第2接続部側への方向へ係合可能な第1係合部と、前記延在部の前記第1係合部よりも前記第2接続部側に位置し、前記第1保持部材に対して前記第1係合部が突出する側へ当接可能な当接部と、を有し、前記第1係合部の係合前における前記第2接続部から前記第1係合部までの前記接続方向における距離が、前記第1接続部から前記被係合部までの前記接続方向における距離よりも短い。
【0007】
好適には、前記接続部材は、前記当接部よりも前記第1係合部側において前記延在部に支持され、前記第1保持部材に対して前記第1係合部が突出する側とは反対側へ係合可能な第2係合部をさらに有する。
【0008】
好適には、前記第2保持部材は、前記第2接続部を有する基体と、該基体に連結され、前記接続部材を支持する台座部と、を有する。
【0009】
好適には、前記基体および前記台座部の一方は、前記第1係合部が突出する側もしくはその反対側へ突出する突部を有し、前記基体および前記台座部の他方は、前記接続方向に直交しかつ前記突部の突出方向に直交する方向に移動不可能に前記突部が挿入された穴部を有する。
【0010】
好適には、前記穴部の前記接続方向における内径は、前記突部の前記接続方向における外径よりも大きい。
【0011】
好適には、前記基体は、前記第1保持部材の前記当接部とは反対側から前記第1保持部材を支持可能な支持部分を有する。
【0012】
好適には、前記第1係合部が係合した状態において、前記当接部の当接方向に見た平面透視において前記当接部と前記支持部分とが重なっている。
【0013】
好適には、前記第1接続部においては、複数本の前記第1光伝送路の端面が前記接続方向に直交しかつ前記当接部の当接方向に直交する幅方向において配列されて露出し、前記第2接続部においては、複数本の前記第2光伝送路の端面が前記幅方向において配列されて露出し、前記当接部は、前記幅方向に延びている。
【0014】
好適には、前記第1保持部材は、前記当接部が、前記接続方向に直交する方向に対して前記第1接続部側から前記第2接続部側に傾斜した方向へ当接する被当接部を有する。
【0015】
好適には、前記第1光伝送路は、前記第2光伝送路と接続される側とは反対側が前記第1保持部材から延出しており、前記第1保持部材および前記第2保持部材の少なくとも一方は、前記接続部材の前記当接部よりも前記第1係合部側に位置し、該第1係合部の端部に対して前記第1光伝送路の延出部分を挟んで対向する規制部を有する。
【0016】
本発明の一態様に係る光伝送モジュールは、上述の光コネクタと、前記第2光伝送路と、前記第2光伝送路に光を入力する発光素子および前記第2光伝送路から出力される光を受光する受光素子の少なくとも一方と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
上記の構成によれば、光の伝送路同士を好適に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係る光コネクタを非接続状態で示す斜視図である。
【図2】図2は図1の光コネクタを接続状態で示す斜視図である。
【図3】図3は図1の光コネクタの基板および台座部を示す斜視図である。
【図4】図4(a)は図1の光コネクタの基板を示す斜視図、図4(b)は図1の光コネクタの台座部を示す斜視図、図4(c)は基板および台座部の位置決め部を示す平面図である。
【図5】図5は図1の光コネクタの接続部材を示す斜視図である。
【図6】図6は図2のVI−VI線における断面図である。
【図7】図7(a)乃至図7(c)は図1の光コネクタの作用を説明する断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る光コネクタを示す断面図である。
【図9】第3の実施形態に係る光コネクタを示す断面図である。
【図10】第4の実施形態に係る光コネクタを示す断面図である。
【図11】第5の実施形態に係る光コネクタを示す断面図である。
【図12】第6の実施形態に係る光コネクタを示す断面図である。
【図13】図13(a)は図12の領域XIIaの拡大図であり、図13(b)および図13(c)は第6の実施形態の第1および第2の変形例に係る光コネクタの要部を示す拡大断面図である。
【図14】図14(a)は第7の実施形態に係る光コネクタを示す斜視図であり、図14(b)は図14(a)のXIVb−XIVb線における断面図であり、図14(c)は図14(a)のXIVc−XIVc線における断面図である。
【図15】第8の実施形態に係る光コネクタの接続部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る光コネクタについて、図面を参照して説明する。なお、第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同様もしくは類似する構成については、既に説明された実施形態の構成と同様の符号を付し、また、説明を省略することがある。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光コネクタ3および該光コネクタ3を含む光伝送モジュール1を非接続状態で示す斜視図である。また、図2は、光コネクタ3を接続状態で示す斜視図である。
【0021】
なお、光コネクタ3は、いずれの方向が上方または下方とされて使用されてもよいものであるが、以下の説明では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面もしくは下面の語を用いるものとする。
【0022】
光伝送モジュール1は、プラグアセンブリ5と、該プラグアセンブリ5と接続されるレセプタクルアセンブリ7とを有している。なお、光コネクタ3はプラグアセンブリ5の一部およびレセプタクルアセンブリ7の一部によって構成されている。
【0023】
また、光伝送モジュール1は、図1に示すように、プラグアセンブリ5に接続された発光素子9Aおよび受光素子11Aと、レセプタクルアセンブリ7に接続された発光素子9Bおよび受光素子11Bとを有している。
【0024】
発光素子9Aにおいて生成された光は、接続状態のプラグアセンブリ5およびレセプタクルアセンブリ7を介して受光素子11Bによって受光される。また、発光素子9Bにおいて生成された光は、接続状態のレセプタクルアセンブリ7およびプラグアセンブリ5を介して受光素子11Aによって受光される。なお、発光素子9Bおよび受光素子11Bは、基板17に実装されていてもよいし、基板17とは別個に設けられていてもよい。
【0025】
プラグアセンブリ5は、一端側が発光素子9Aおよび受光素子11Aに接続された光ケーブル13と、光ケーブル13の他端側に設けられたプラグ15とを有している。
【0026】
レセプタクルアセンブリ7は、基板17と、基板17に設けられ、一端側が発光素子9Bおよび受光素子11Bに接続された光導波路帯19と、光導波路帯19の他端側に設けられたレセプタクル21とを有している。
【0027】
光ケーブル13は、図1において透視して示すように、複数の光ファイバ23を有している。各光ファイバ23は、周知のように、不図示のコアおよびクラッド(および被覆)を有している。なお、複数の光ファイバ23は、シースによって覆われて束ねられていてもよいし、束ねられていなくてもよいが、本実施形態では束ねられている場合を例示している。複数の光ファイバ23は、例えば、少なくともプラグ15の内部において径方向に一列に配列されている。
【0028】
プラグ15は、光ケーブル13の一端が挿通されることによって光ケーブル13を保持している。なお、プラグ15は、一体形成された一部材によって構成されていてもよいし、光ケーブル13を挟み込むように互いに固定される2部材を含んで構成されていてもよい。プラグ15は、例えば、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料によって形成されている。
【0029】
プラグ15は、例えば、概ね直方体状に形成されており、上面15a、下面15b、2つの側面15c、前面(第1接続部15d)および後面15eを有している。光ケーブル13は、プラグ15に対して後面15eから第1接続部15dへの方向へ挿通されており、複数の光ファイバ23の端面は、第1接続部15dにおいて露出している(図6参照)。
【0030】
基板17は、例えば、リジッド式のプリント配線基板によって構成されている。基板17は、例えば、平板状に形成されており、第1主面17aと、その背面の第2主面(符号省略)と、これら主面の外周側に面する外周面(符号省略)とを有している。外周面のうち一部は、プラグ15側に面する対向面17cとなっている。対向面17cは、例えば、基板17の平面視において、レセプタクル21の配置範囲に亘って直線状に形成されている(対向面17cは平面状に形成されている)。
【0031】
光導波路帯19は、基板17の第1主面17aに設けられ、図1において透視して示すように、複数の光導波路25を有している。
【0032】
各光導波路25は、周知のように、光ファイバと同様の構成を有し、コアおよびクラッドを有している。なお、光導波路25は、スラブ型、埋め込み型、半埋め込み型等の適宜な方式のものとされてよい。光導波路25の端面は、対向面17cにおいて露出している(図6参照)。複数の光導波路25は、少なくとも対向面17cから露出する端面側において、対向面17cに沿う方向(y方向)において一列に配列されている。
【0033】
レセプタクル21は、基板17に取り付けられた台座部27と、台座部27に支持され、接続状態においてプラグ15に係合する接続部材29とを有している。台座部27は、例えば、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料によって形成されている。接続部材29は、弾性変形可能な材料、例えば、樹脂もしくは金属によって形成されている。
【0034】
図3は、接続部材29を取り外した状態のレセプタクルアセンブリ7を示す斜視図である。
【0035】
台座部27は、例えば、主として台座部27の基板17への取り付けに寄与する取付部27aと、主としてプラグ15の案内および保持に寄与する収容部27bとを有している。
【0036】
取付部27aは、例えば、概ね板状に形成されており、基板17の第1主面17a(光導波路帯19)に重ねられている。取付部27aと基板17との固定は、例えば、ネジ、はんだなどの固定部材、または無機材料若しくは有機材料などを含む接着材等の適宜な手段によりなされる。
【0037】
収容部27bは、例えば、概ね断面矩形の溝部を構成する形状に形成されており、底面部27baおよび2つの側面部27bbを有している。収容部27bは、プラグ15が概ね嵌合する大きさおよび形状とされている。このように収容部27bとプラグ15とが嵌合する大きさおよび形状に設定されていることから、プラグ15がy方向に動くことを抑制することができる。収容部27bのy方向の寸法は、例えば光導波路25のy方向のコア径と光ファイバ23のy方向のコア径との関係によって設計すればよい。すなわち、光導波路25と光ファイバ23との間でどれくらいの光の漏れを許容することができるかによって、収容部27bのy方向の寸法を決めればよい。
【0038】
取付部27aと収容部27bとの間には、基板17の対向面17cの一部(第2接続部17cc)を露出させるための開口27cが形成されている。第2接続部17ccにおいては、複数の光導波路25の端面が露出している(図6参照)。
【0039】
プラグ15が収容部27bの底面部27baおよび側面部27bbに案内されてレセプタクル21に挿入されると、プラグ15の第1接続部15dは第2接続部17ccに当接する。これにより、第1接続部15dにおいて露出する複数の光ファイバ23の端面と、第2接続部17ccにおいて露出する複数の光導波路25の端面とが互いに対向し、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とが接続される(図6参照)。
【0040】
図4(a)は、図3の構成から台座部27を取り外して示す斜視図である。図4(b)は、台座部27を下方側から見た斜視図である。
【0041】
図4(a)に示すように、基板17の第1主面17aには、第1主面17aから突出する突部31が設けられている。突部31は、例えば、複数の光導波路25の両側に設けられている。突部31の平面形状は矩形や円形等の適宜な形状とされてよい(本実施形態では円形)。突部31は、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料により形成すればよい。また、突部31は、はんだや接着剤により第1主面17aに固定されたり、基板17に埋め込まれたり、基板17の一部により構成されたりするなど、適宜に基板17に固定されてよい。突部31を複数形成してもよく、突部31を複数形成した場合、それぞれを同じ形状および同じ大きさで作っても、それぞれの形状および大きさを異ならせて作ってもよい。複数の突部31をそれぞれが異なる形状および大きさで作った場合、基板17に対して穴部33の誤載置を防止することができる。
【0042】
一方、図4(b)に示すように、レセプタクル21の取付部27aには、突部31が挿入される穴部33が形成されている。穴部33は、例えば、x方向(第1接続部15dと第2接続部17ccとの当接方向)に長い長尺状に形成されている。なお、穴部33は、底面を有する凹部であってもよいし、貫通穴であってもよい(本実施形態では凹部)。
【0043】
図4(c)は、突部31および穴部33の平面図である。
【0044】
穴部33のy方向の内径は、突部31のy方向の外径と同一である。従って、突部31は、穴部33に挿入されると、穴部33に対するy方向(第1接続部15dと第2接続部17ccとの当接方向に直交しかつ突部31の突出方向に直交する方向)の移動が規制される。すなわち、レセプタクル21の基板17に対するy方向の移動は規制される。
【0045】
一方、穴部33のx方向(第1接続部15dと第2接続部17ccとの当接方向)の内径は、突部31のx方向の外径よりも大きい。従って、組立工程中(台座部27が基板17にはんだ等により固定される前)において、突部31は、x方向に関して穴部33内を移動可能である。すなわち、レセプタクル21の基板17に対するx方向の位置は調整可能である。
【0046】
図5は、接続部材29を下方から見た斜視図である。
【0047】
接続部材29は、台座部27に支持される延在部29aと、延在部29aに支持され、プラグ15に係合する係合機能部29bと、延在部29aに設けられ、プラグ15に当接する当接部29cとを有している。
【0048】
延在部29aは、例えば、概ね矩形の板状に形成されており、x方向(第1接続部15dおよび第2接続部17ccの当接方向)へ延びるとともに、y方向(複数の光導波路25の配列方向)に広がっている。延在部29aは、例えば、x方向の正側(第1接続部15dに対する第2接続部17cc側)の端部において、ねじ、はんだなどの固定部材、または無機材料若しくは有機材料などを含む接着材等により構成された支持部35(図6参照)により台座部27に対して固定され、x方向、y方向およびz方向における平行移動、ならびにx軸回り、y軸回りおよびz軸回りの回転移動が規制される。すなわち、延在部29aは、片持ち梁のように、一端が固定支点により支持され、他端が自由端とされている。
【0049】
係合機能部29bは、例えば、延在部29aのx方向の負側(第2接続部17ccに対する第1接続部15d側)の端部に設けられており、プラグ15の後面15eの上面15a側に形成された被係合部15f(図1)に対して係合する(図2)。係合機能部29bおよび被係合部15fは、例えば、複数の光ファイバ23の配置領域の両側となる位置に設けられている。
【0050】
当接部29cは、延在部29aのz方向の負側の面(係合機能部29bが突出する側の面)から突出しており、プラグ15の上面15aに対してz方向の負側へ当接可能である。当接部29cは、例えば、複数の光ファイバ23および複数の光導波路25の配列方向(y方向)に延びている。なお、当接部29cのy方向に直交する断面形状は適宜な形状とされてよい。
【0051】
図6は、図2のVI−VI線における断面図である。ただし、台座部27の収容部27b(底面部27ba)等の一部については図示を省略している。
【0052】
係合機能部29bは、延在部29aの先端から下方(第1接続部15dおよび第2接続部17ccの当接方向に交差する方向)に突出する第1係合部29baと、第1係合部29baの先端からx方向の正側(第1接続部15d側から第2接続部17cc側への方向)へ突出する第2係合部29bbとを有している。一方、被係合部15fは、プラグ15の後面15eからx方向の負側へ突出している。そして、第1係合部29baは被係合部15fに対してx方向の正側へ係合し、第2係合部29bbは被係合部15fに対して上方へ係合している。
【0053】
図7(a)および図7(b)は、光コネクタ3に係る寸法を説明する断面図であり、図7(c)は、光コネクタ3の作用を説明する断面図である。
【0054】
図7(a)に示すように、基板17の第2接続部17ccからレセプタクル21の第1係合部29ba(厳密には第1係合部29baの被係合部15fに対する作用点)までの距離をSとする。また、図7(b)に示すように、プラグ15において、第1接続部15dから被係合部15f(厳密には被係合部15fの第1係合部29baに対する作用点)までの距離をSとする。このとき、S>Sが満たされるように、レセプタクル21は基板17に対して取り付けられている。
【0055】
従って、第1係合部29baを被係合部15fに係合させると、図7(c)に示すように、第1係合部29baは、被係合部15fから矢印y1で示す力を受け、接続部材29の弾性変形によって点線L1で示すように変位した状態となる。そして、第1係合部29baは、矢印y3で示すように、接続部材29の復元力によって生じる、x方向の正側への力を被係合部15fに対して付与する。これにより、第1接続部15dは第2接続部17ccに押し付けられた状態となる。
【0056】
また、第1係合部29baは、その根元部分(点P1)の第2接続部17cc(基板17)に対するx方向の負側への移動が延在部29a、台座部27および支持部35によって規制されているから、矢印y1で示す力は、矢印y5で示す点P1回りのモーメントを生じる。このモーメントは、延在部29aを点線L3で示すように撓ませようとするモーメントとして延在部29aに伝達される。換言すれば、当接部29cをz方向の負側へ変位させようとする力が生じる。その結果、当接部29cは、矢印y7で示す力をプラグ15の上面15aに付与する。
【0057】
矢印y7で示す力が付与されたプラグ15は、当該力に対する反力を第2係合部29bbから得る。また、プラグ15は、第1接続部15dと第2接続部17ccとの間の摩擦力によっても、反力を得ることができる。そして、プラグ15は、矢印y7で示す力によって押圧が維持されることにより、接続後における基板17に対するz方向の変動が抑制される。プラグ15が押圧される力は、例えば4N以上20N以下となるように設定することができる。プラグ15が押圧される力を調整する方法としては、例えば、接続部材29の材料、接続部材29の第1係合部29baの形状およびプラグ15の被係合部15fの形状、ならびにSとSの関係などを調整する方法などがある。
【0058】
なお、延在部29aは、当該延在部29aをz方向の正側を凹として撓ませようとするモーメントが加えられればよいのであり、係合前に比較して実際に撓む必要はない(撓まない状態で当接部29cがプラグ15に当接してもよい。)。ただし、延在部29aは、係合前に比較して実際にz方向の正側を凹として撓んでもよいし、係合前においてz方向の負側を凹として曲がっており、係合後にその曲がりが矯正されてもよい。
【0059】
プラグ15のy方向の位置は、例えば、台座部27の収容部27bの側面部27bbによって位置決めされる。プラグ15のz方向の位置は、上述のように接続部材29および第2接続部17ccによって位置決めされるから、収容部27bの底面部27baは、プラグ15の下面15bに当接していてもよいし、当接していなくてもよい。収容部27bの底面部27baとプラグ15の下面15bとが当接していた場合には、プラグ15が上下方向(z方向)に移動すること抑制することができ、光導波路25と光ファイバ23との接続を良好に保つことができる。
【0060】
以上の実施形態では、光コネクタ3は、光ファイバ23の一端面が露出する第1接続部15dを有するプラグ15と、光導波路25の一端面が露出する第2接続部17ccを有する第2保持部材(基板17および台座部27)と、該第2保持部材に支持されており、所定の接続方向(x方向)に第1接続部15dと第2接続部17ccとを当接させて光ファイバ23と光導波路25とを接続したときにプラグ15に対して係合する接続部材29と、を有する。接続部材29は、第2接続部17cc側から第1接続部15d側へ延び、第2接続部17cc側部分がx方向に移動不可能に第2保持部材に支持された延在部29aと、該延在部29aの第1接続部15d側部分においてx方向に交差する方向(z方向)へ突出し、プラグ15の被係合部15fに対して第1接続部15d側から第2接続部17cc側への方向(x方向の正側)へ係合可能な第1係合部29baと、延在部29aの第1係合部29baよりも第2接続部17cc側に位置し、プラグ15に対して第1係合部29baが突出する側へ当接可能な当接部29cと、を有する。第1係合部29baの係合前における第2接続部17ccから第1係合部29baまでのx方向における距離Sが、第1接続部15dから被係合部15fまでのx方向における距離Sよりも短い。
【0061】
従って、図7(c)を参照して説明したように、当接部29cによってプラグ15をz方向負側に押圧して、プラグ15のz方向の正側への位置ずれを抑制することができる。その結果、ガイドピンが不要であり、部材点数の削減が図られる。また、接続部材29の復元力によって押圧が維持されることから、ガイドピンによる位置決めにおけるような嵌合ガタに起因するずれを生じにくくすることができる。また、当接部29cによるz方向の位置決めには、x方向の位置決めのための接続部材29が兼用されることから、構成が簡素化されるとともに、接続作業も容易化される。その結果、プラグ15の挿抜動作の作業性が向上するとともに、高い位置精度で光導波路25と光ファイバ23とを位置合わせすることができ、光導波路25と光ファイバ23との接続を安定して行なうことができる。
【0062】
接続部材29は、当接部29cよりも第1係合部29ba側において延在部29aに支持され、プラグ15に対して第1係合部29baが突出する側とは反対側(z方向の正側)へ係合可能な第2係合部29bbをさらに有する。
【0063】
従って、矢印y1(図7(c))で示す力が支持部35回りに接続部材29を回転させるモーメントを生じ、第1係合部29baの係合が解除されてしまうことが抑制される。そして、矢印y1で示す力は、効率的に当接部29cをプラグ15側へ押し下げる力に利用される。
【0064】
第2保持部材は、第2接続部17ccを有する基板17と、該基板17に連結され、接続部材29を支持する台座部27と、を有する。
【0065】
従って、例えば、光モジュールが、光導波路25が設けられた基板17を含む場合において、基板17にレセプタクル21を取り付けることにより、その基板17を光コネクタ3の一部として利用して、基板17の光導波路25を直接的に光ファイバ23に接続できる。別の観点では、レセプタクル21は、光ファイバもしくは光導波路を含んでいる必要はない。従って、部材点数の削減および光コネクタ3の簡素化が図られる。
【0066】
基板17および台座部27の一方(本実施形態では基板17)は、第1係合部29baが突出する側もしくはその反対側(本実施形態では反対側)へ突出する突部31を有する。基板17および台座部27の他方(本実施形態では台座部27)は、接続方向(x方向)に直交しかつ突部31の突出方向に直交する方向(y方向)に移動不可能に突部31が挿入された穴部33を有する。
【0067】
従って、y方向においてレセプタクル21を基板17に対して正確に位置決めして、光ファイバ23と光導波路25との接続を好適に行うことができる。
【0068】
穴部33の接続方向(x方向)の内径は、突部31のx方向の外径よりも大きい(図4(c))。
【0069】
従って、台座部27の基板17に対するx方向の位置を調整することにより、台座部27に支持されている接続部材29の第1係合部29baと、基板17の第2接続部17ccとの距離Sを調整することができる。従って、種々の距離Sのプラグ15に対して、S<Sの関係を実現し、図7(c)を参照して説明した作用を得ることができる。すなわち、レセプタクル21の汎用性が高くなる。なお、当該調整は、光コネクタ3の製造時(レセプタクル21の基板17への取り付け時)において行われてもよいし、台座部27および基板17の固定手段を、台座部27および基板17の一方に形成されたx方向に延びる長孔に挿通されて他方に螺合されるねじとすることなどにより、製造後の任意の時期に行われてもよい。
【0070】
第1接続部15dにおいては、複数本の光ファイバ23の端面が接続方向(x方向)に直交しかつ当接部29cの当接方向(z方向)に直交する幅方向(y方向)において配列されて露出する。第2接続部17ccにおいては、複数本の光導波路25の端面がy方向において配列されて露出する。当接部29cは、y方向に延びている。
【0071】
従って、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とのz方向の位置決めを容易に行うことができる。その結果、例えば、大容量の光通信を行う光モジュールに対する光コネクタ3の利用も促進される。
【0072】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る光コネクタ203を示す図6と同様の断面図である。
【0073】
光コネクタ203においては、基板217は、プラグ15に対して当接部29cとは反対側からプラグ15を支持可能な支持部分217fを有している。
【0074】
従って、当接部29cによってプラグ15を支持部分217fに押し付けて、プラグ15のz方向の位置決めを正確に行うことができる。第1の実施形態において述べたように、プラグ15の底面側からの支持は、台座部27の収容部27bの底面部27ba(図3)によって行うことも可能である。しかし、光導波路25が設けられている基板17に直接に支持部分217fを形成することにより、光導波路25に対するプラグ15(光ファイバ23)の位置決めをより正確に行うことができる。なお、支持部分217fは、セラミック等の弾性変形が生じにくい材料により形成されていてもよい。支持部分217fをセラミック材料で形成する場合、基板17と一体的に形成されたものを用いてもよい。
【0075】
なお、支持部分217fは、第1係合部29baがプラグ15に係合した状態で、かつ当接部29cの当接方向(z方向)に見た平面透視において、当接部29cと重なっている。このように支持部分217fが形成されることにより、プラグ15に対して不測のモーメントが生じることが抑制される。
【0076】
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係る光コネクタ303を示す図6と同様の断面図である。
【0077】
光コネクタ303においては、基板317は、第2の実施形態と同様に、プラグ315に対して当接部29cとは反対側からプラグ315を支持可能な支持部分217fを有している。
【0078】
ただし、第2の実施形態においては、支持部分217fは、基板217の第1主面217a側かつ第2接続部217cc側が切り欠かれて形成されていたのに対して、支持部分317fは、基板317の第1主面317a側かつ第2接続部317cc側が切り欠かれることなく形成されている。また、光コネクタ303においては、プラグ315は、底面315b側かつ第1接続部315d側が切り欠かれている。そして、第1主面317aは、光ファイバ23に対して下方側から当接し、光ファイバ23を支持するとともに光ファイバ23を介してプラグ15を支持している。
【0079】
従って、第2の実施形態と同様の効果が奏されるとともに、プラグの寸法の誤差および基板の切り欠きの寸法の誤差が光ファイバ23と光導波路25との接続に及ぼす影響が抑制される。
【0080】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る光コネクタ403を示す図6と同様の断面図である。
【0081】
光コネクタ403は、接続部材29が台座部27に対して支持部435によってy軸回りに回転可能に支持されている点のみが第1の実施形態の光コネクタ3と相違する。本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。
【0082】
本実施形態では、接続部材29を上方へ移動させた状態でプラグ15を台座部27の収容部27bに嵌合させ、接続部材29を下方へ移動させることによって、接続を行うことができる。従って、例えば、プラグ15をx方向へ抜き差しするスペースを確保することが困難な場合などに有用である。
【0083】
(第5の実施形態)
図11は、第5の実施形態に係る光コネクタ503を示す図6と同様の断面図である。
【0084】
光コネクタ503は、接続部材529を台座部27に固定する支持部35の位置のみが第1の実施形態と相違する。具体的には、支持部35は、z方向の位置が、第1係合部529baの被係合部15fに対する当接位置と同等とされている。
【0085】
本実施形態によれば、x方向においてプラグ15を効率的に押圧して位置決めできるとともに、接続部材529を支持部35回りに回転させようとするモーメントの発生が抑制される。
【0086】
(第6の実施形態)
図12は、第6の実施形態に係る光コネクタ603を示す図6と同様の断面図である。
【0087】
光コネクタ603は、プラグ615の上面615aの形状のみが第1の実施形態と相違する。具体的には、上面615aは、被係合部615f側の第1面615aaと、第1面615aaよりも高くなった第2面615abとを有している。そして、当接部29cは、第1面615aaと第2面615abとの段差に位置している。
【0088】
図13(a)は、図12の領域XIIaの拡大図である。
【0089】
第1面615aaと第2面615abとの段差には傾斜面615acが形成されている。傾斜面615acは、第1接続部615dおよび第2接続部17ccの接続方向(x方向)に対して第2接続部17cc側(第2面615ab側)が接続部材29側に近づくように傾斜している。そして、当接部29cは、第1面615aaに対して当接するとともに傾斜面615acに対して当接している。
【0090】
第1面615aaにおける当接部29cの作用は、第1の実施形態と同様である。すなわち、第1係合部29baが被係合部615fに係合すると、当接部29cは矢印y9で示すz方向の負側への力を第1面615aaに付与する。
【0091】
傾斜面615acにおける当接部29cの作用は以下のとおりである。第1係合部29baが被係合部615fに係合すると、第1の実施形態と同様に、当接部29cはz方向の負側へ移動しようとする。一方、傾斜面615acはz方向の負側への移動が第2係合部29bb等により規制されているとともに、z方向に対して傾斜して当接部29cに当接している。従って、当接部29cは、傾斜面615acを摺動しつつ傾斜面615acをx方向の正側へ押し退けようとする。すなわち、当接部29cは、矢印y13で示す力を傾斜面615acに付与する。
【0092】
別の観点では、傾斜面615acの摩擦抵抗を無視して考えると、当接部29cは矢印y11で示す傾斜面615acに直交する力を傾斜面615acに付与する。この力は、矢印y13で示すx方向の正側への分力と矢印y15で示すy方向の負側への分力とに分解できる。矢印y13で示す分力はプラグ615をx方向の正側へ付勢することに寄与し、矢印y15で示す分力は、矢印y9で示す力とともにプラグ615をz方向の負側へ付勢することに寄与する。
【0093】
第6の実施形態によれば、第1係合部29baだけでなく、当接部29cによっても第1接続部615dを第2接続部17ccに押し付ける力(矢印y13で示す力)を得ることができることから、第1接続部615dおよび第2接続部17ccの接続がより確実になされる。また、当接部29cは、傾斜面615acに対して第1接続部615d側から第2接続部17cc側への方向へ係合していることになるから、プラグ615のレセプタクル21からの抜けも抑制される。
【0094】
なお、本実施形態では、当接部29cが第1面615aaに当接することによってz方向の負側への力をプラグ615に付与しているが、傾斜面615acのx方向に対する傾斜角を緩やかにしたりおよび/または傾斜面615acと当接部29cとの間の摩擦係数を大きくしたりすることによって、当接部29cを第1面615aaに当接させることなく、z方向の負側への力をプラグ615(傾斜面615ac)に付与してもよい。
【0095】
(第6の実施形態の変形例)
図13(b)は、第6の実施形態の第1の変形例を示す図13(a)に相当する断面図である。
【0096】
この変形例では、プラグの上面615a′に断面V字状の溝615avが形成されることにより、傾斜面615acが形成されている。このようにして形成された傾斜面615acにおいても、上述した第6の実施形態と同様の作用が奏される。なお、当接部29cは、傾斜面615acを摺動することによって傾斜面615acとは反対側の傾斜面615adに相対的に弱い力で当接してもよいし、当接しなくてもよい。また、溝615avは、当接部29cと嵌合するような形状で形成されていてもよい。このように溝615abが形成されていた場合、プラグ615がレセプタクルアッセンブリ7に挿入された際に、プラグ615の溝615avと接続部材29の当接部29cとが嵌合される。そのため、プラグ615の挿抜を繰り返したとしても、プラグ615が基板17の対向面17cに押圧される力が変動することを抑制することができる。
【0097】
図13(c)は、第6の実施形態の第2の変形例を示す図13(a)に相当する断面図である。
【0098】
この変形例では、プラグの上面615a″に突部615aeが形成されている。そして、突部615aeの角部は当接部29cの曲面(傾斜面)に当接している。このような構成であっても、上述した第6の実施形態と同様の作用が奏される。
【0099】
なお、この変形例から理解されるように、傾斜面は、平面である必要はない。また、傾斜面は、プラグ615側および当接部29c側のいずれに設けられてもよいし、双方に設けられてもよい。総じて言えば、当接部29cが、接続方向に直交する方向(z方向)に対して第1接続部615d側から第2接続部17cc側に傾斜した方向へ当接する部分がプラグ615に設けられていればよい。
【0100】
(第7の実施形態)
図14(a)は、第7の実施形態に係る光コネクタ703を示す図2と同様の斜視図である。図14(b)は、図14(a)のXIVb−XIVb線における断面図である。図14(c)は、図14(a)のXIVc−XIVc線における断面図である。
【0101】
光コネクタ703は、概して言うと、第1の実施形態の光コネクタ3に対して光ケーブル13の振れを規制する機能を追加したものである。具体的には、以下のとおりである。
【0102】
レセプタクル721の接続部材729において、係合機能部729bの第1係合部729baは、延在部729aから台座部727の底面部727baまで広がる板状に形成され、また、光ケーブル13が挿通される切り欠き部729bcが形成されている。第1係合部729baは、その根元側において、プラグ715の上面側に形成された被係合部715fに対してx方向の正側へ係合している。
【0103】
また、第2係合部729bbは、第1係合部729baの、切り欠き部729bcの両側部分の先端に形成されており、プラグ715の下面側に形成された切り欠き部に係合している。
【0104】
台座部727は、底面部727baから突出し、切り欠き部729bc内に位置する規制部727fを有している。規制部727fの先端は、接続部材729の当接部(不図示)よりも第1係合部729ba側に位置し、該第1係合部の端部(切り欠き部729bcの上方側縁部)と、光ケーブル13を挟んで対向している。
【0105】
なお、接続部材729は、第4の実施形態と同様に、y方向に平行な回転軸回りに回転可能に支持されており、プラグ715は、接続部材729が持ち上げられた状態で、台座部727に収容され、その後、接続部材729が降ろされることによって、レセプタクル721内に固定される。
【0106】
以上の実施形態では、矢印y21で示すように光ケーブル13が振られても、接続部材729および規制部727fによってその振れを抑制することができる。その結果、振れが接続に及ぼす影響が軽減される。また、接続部材729がそのような振れ抑制に寄与することから、構造の簡素化が図られる。さらに、当接部よりも第1係合部729ba側の端部が振れの規制に寄与していることから、当該部分を光ケーブル13がz方向の正側へ付勢する力が、延在部729aを撓ませて当接部をプラグ715に押し付ける力に変換されることも期待される。
【0107】
さらに、第1係合部729baおよび規制部727fによってレセプタクル721の光ケーブル13側の開口が塞がれることから、光コネクタ703の内部へ異物が入り込むことが抑制される。
【0108】
なお、接続部材729と光ケーブル13を挟んで対向する規制部は、プラグ715に形成されてもよいし、台座部727およびプラグ715の双方に形成されてもよい。
【0109】
(第8の実施形態)
図15は、第8の実施形態に係る光コネクタの接続部材829を示す図5と同様の斜視図である。
【0110】
接続部材829では、係合機能部829bは、当接部829cと同様に、延在部829aの幅に亘って延びている。なお、特に図示しないが、係合機能部829bに係合するプラグの被係合部も係合機能部829bと同様にプラグの幅方向(y方向)に延びている。この接続部材829では、第1の実施形態に比較して、光ケーブル13のz方向の振れを抑制することができる。
【0111】
なお、以上の実施形態において、光ファイバ23は本発明の第1光伝送路の一例であり、プラグ15、315、615および715はそれぞれ本発明の第1保持部材の一例であり、光導波路25は本発明の第2光伝送路の一例であり、基板17、217もしくは317と台座部27もしくは727との組み合わせは本発明の第2保持部材の一例であり、基板17、217および317それぞれは本発明の基体の一例であり、傾斜面615acおよび突部615aeそれぞれは本発明の被当接部の一例である。
【0112】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0113】
上述の実施形態は適宜に組み合わされてよい。例えば、第2もしくは第3の実施形態の支持部分は、第4乃至第8の実施形態において設けられてもよいし、第4の実施形態の回転支点は、第5、第6および第8の実施形態において設けられてもよいし、第5の実施形態の支点位置は、第6乃至第8の実施形態に適用されてもよいし、第6の実施形態の傾斜面は第7および第8の実施形態に設けられてもよい。
【0114】
光コネクタは、光ケーブルと基板を含む光モジュールとを接続するものに限定されず、例えば、光ケーブル同士を接続するものであってもよい。別の観点では、基体(基板)は、光モジュールの一部であってもよいし、光コネクタのみに用いられるものであってもよい。
【0115】
第2保持部材は、第2光伝送路を保持する基体と、接続部材を支持する台座部とによって構成されるものに限定されない。例えば、第2保持部材は、一体的に形成された一部材によって形成されてもよい。また、第2保持部材が基体および台座部とによって構成される場合において、基体は、基板に限定されず、円筒状等の適宜な形状の部材により構成されてよい。
【0116】
光伝送路は、光ファイバもしくは光導波路によって構成されるものに限定されない。例えば、光伝送路は、光ファイバとレンズとを含んで構成されてもよい。また、第1光伝送路は光ファイバに限定されず、例えば、光導波路であってもよい。同様に、第1光伝送路は光導波路に限定されず、例えば、光ファイバ(光ケーブル)であってもよい。
【0117】
接続部材の延在部は、第1接続部および第2接続部の当接方向(接続方向)に平行に延びている必要はなく、当該当接方向に対して斜めに延びていてもよい。
【0118】
接続部材の第1係合部は、接続方向に直交する方向に突出する必要ななく、接続方向に斜めに交差する方向に突出してもよい。また、接続部材の先端において突出する必要もなく、接続部材の適宜な位置から突出してよい。
【0119】
接続部材の第2係合部は、第1係合部の先端から突出する必要はない。当接部よりも第1係合部側の適宜な位置において延在部から突出してよい。
【0120】
接続部材の当接部は、突部によって構成される必要はない。例えば、実施形態の延在部29aのプラグ15側の平面の一部が当接部としてプラグ15に当接してもよい。なお、この場合において、図13(c)に例示したように、プラグ15に延在部29aに当接する突部が設けられてもよい。
【0121】
光伝送モジュールにおいて、第1光伝送路側および第2光伝送路側の双方に受光素子および発光素子が設けられている必要はない。すなわち、光伝送モジュールは、第1光伝送路側には受光素子および発光素子の一方が、第2光伝送路側には受光素子および発光素子の他方が設けられればよい。
【符号の説明】
【0122】
3…光コネクタ、15…プラグ(第1保持部材)、15d…第1接続部、15f…被係合部、17…基板(基体、第2保持部材の一部)、17cc…第2接続部、23…光ファイバ(第1光伝送路)、25…光導波路(第2光伝送路)、27…台座部(第2保持部材の一部)、29…接続部材、29a…延在部、29ba…第1係合部、29c…当接部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光伝送路の一端面が露出する第1接続部を有する第1保持部材と、
第2光伝送路の一端面が露出する第2接続部を有する第2保持部材と、
該第2保持部材に支持されており、所定の接続方向に前記第1接続部と前記第2接続部とを当接させて前記第1光伝送路と前記第2光伝送路とを接続したときに前記第1保持部材に対して係合する接続部材と、
を有し、
該接続部材は、
前記第2接続部側から前記第1接続部側へ延び、前記第2接続部側部分が前記接続方向に移動不可能に前記第2保持部材に支持された延在部と、
該延在部の前記第1接続部側部分において前記接続方向に交差する方向へ突出し、前記第1保持部材の所定の被係合部に対して前記第1接続部側から前記第2接続部側への方向へ係合可能な第1係合部と、
前記延在部の前記第1係合部よりも前記第2接続部側に位置し、前記第1保持部材に対して前記第1係合部が突出する側へ当接可能な当接部と、
を有し、
前記第1係合部の係合前における前記第2接続部から前記第1係合部までの前記接続方向における距離が、前記第1接続部から前記被係合部までの前記接続方向における距離よりも短い
光コネクタ。
【請求項2】
前記接続部材は、前記当接部よりも前記第1係合部側において前記延在部に支持され、前記第1保持部材に対して前記第1係合部が突出する側とは反対側へ係合可能な第2係合部をさらに有する
請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第2保持部材は、
前記第2接続部を有する基体と、
該基体に連結され、前記接続部材を支持する台座部と、
を有する
請求項1または2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記基体および前記台座部の一方は、前記第1係合部が突出する側またはその反対側へ突出する突部を有し、
前記基体および前記台座部の他方は、前記接続方向に直交しかつ前記突部の突出方向に直交する方向に移動不可能に前記突部が挿入された穴部を有する
請求項3に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記穴部の前記接続方向における内径は、前記突部の前記接続方向における外径よりも大きい
請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記基体は、前記第1保持部材の前記当接部とは反対側から前記第1保持部材を支持可能な支持部分を有する
請求項3〜5のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記第1係合部が係合した状態において、前記当接部の当接方向に見た平面透視において前記当接部と前記支持部分とが重なっている
請求項6に記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記第1接続部においては、複数本の前記第1光伝送路の端面が前記接続方向に直交しかつ前記当接部の当接方向に直交する幅方向において配列されて露出し、
前記第2接続部においては、複数本の前記第2光伝送路の端面が前記幅方向において配列されて露出し、
前記当接部は、前記幅方向に延びている
請求項1〜7のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項9】
前記第1保持部材は、前記当接部が前記接続方向に直交する方向に対して前記第1接続部側から前記第2接続部側に傾斜した方向へ当接する被当接部を有する
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項10】
前記第1光伝送路は、前記第2光伝送路に接続される側とは反対側が前記第1保持部材から延出しており、
前記第1保持部材および前記第2保持部材の少なくとも一方は、前記接続部材の前記当接部よりも前記第1係合部側に位置し、該第1係合部の端部に対して前記第1光伝送路の延出部分を挟んで対向する規制部を有する
請求項1〜9のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の光コネクタと、
前記第2光伝送路と、
前記第2光伝送路に光を入力する発光素子および前記第2光伝送路から出力される光を受光する受光素子の少なくとも一方と、
を有する光伝送モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−29624(P2013−29624A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164912(P2011−164912)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【出願人】(000128407)京セラコネクタプロダクツ株式会社 (77)
【Fターム(参考)】