説明

光コネクタ

【課題】本発明は、光ファイバに対して、光ファイバの軸線に垂直な方向の力が加えられた場合でも、光出力の低下が抑制された光コネクタを提供する。
【解決手段】光コネクタ10は、ハウジング12と、ハウジング12内に収容されると共に光電変換素子27が実装された光電変換回路基板13と、光電変換回路基板13の板面に光電変換素子27を覆うように取り付けられると共に光透過性の合成樹脂材からなり、且つ光ファイバ18の端末に装着されたフェルール19が嵌合されるスリーブ34を備えた樹脂部材と、を備え、スリーブ34は、スリーブ34の軸線方向が光電回路基板の板面に対して実質的に垂直に形成されており、樹脂部材には、スリーブ34の軸線上であって光電変換素子27と対向する位置に、レンズ39が一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバと光電変換素子とを光学的に結合させるための光コネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。この光コネクタは、ハウジングと、ハウジング内に収容された光モジュールと、を備えてなる。
【0003】
光モジュールは、光透過性の合成樹脂材からなり、光ファイバの端末に装着されたフェルールが取り付けられる樹脂部材(ホルダ)を備える。樹脂部材には、フェルールが嵌合される筒状をなすスリーブが形成されている。また、樹脂部材の光電素子取付部には光電変換素子が配置されている。樹脂部材には、光ファイバーと光電変換素子との間に位置する光路中にレンズが一体に形成されている。
【0004】
光電素子取付部には、スリーブの軸線方向と直交する直線上に光電変換素子が取り付けられている。このため、樹脂部材には、光ファイバから発せられる光を光電変換素子に反射させるため、又は、光電変換素子から発せられる光を光ファイバに反射させるための光反射手段が形成されている。光ファイバから発せられた光は、樹脂部材の内部を、スリーブの軸線方向に沿って進んだ後、光反射手段に反射されて、スリーブの軸線方向と直交する方向に進み、光電変換素子に達する。一方、光電変換素子から発せられた光は逆の経路を通って光ファイバへと達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−171427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記の構成によれば、例えば、光ファイバから発せられた光は、樹脂部材の内部をスリーブの軸線方向に沿って進んだ後、光反射手段に反射されて、更に樹脂部材の内部をスリーブの軸線方向と直交する方向に進む。このため、樹脂部材を透過する光の光路長が比較的に長くなってしまう。同様に、光電変換素子から発せられる光が樹脂部材の内部を進んで光ファイバに到達する場合も、光路長は比較的に長くなる。
【0007】
この結果、光ファイバに対して、光ファイバの軸線に垂直な方向の力が加えられた場合において、その力が樹脂部材へと伝達されて樹脂部材が変形すると、樹脂部材の内部を透過する光が減衰したり、光電変換素子又は光ファイバへと正確に到達できなくなったりすることが懸念される。上述したように従来技術においては、樹脂部材の内部を透過する光の光路長が比較的に長くなっているので、特に問題となる。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光ファイバに対して、光ファイバの軸線に垂直な方向の力が加えられた場合でも、光出力の低下が抑制された光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光コネクタであって、ハウジングと、前記ハウジング内に収容されると共に光電変換素子が実装された光電変換回路基板と、前記光電変換回路基板の板面に前記光電変換素子を覆うように取り付けられると共に光透過性の合成樹脂材からなり、且つ光ファイバの端末に装着されたフェルールが嵌合されるスリーブを備えた樹脂部材と、を備え、前記スリーブは、前記スリーブの軸線方向が前記光電回路基板の板面に対して実質的に垂直に形成されており、前記樹脂部材には、前記スリーブの軸線上であって前記光電変換素子と対向する位置に、レンズが一体に形成されている。
【0010】
本発明によれば、スリーブ内に嵌合された光ファイバから発せられた光出力は、樹脂部材の内部をスリーブの軸線方向に沿って進み、レンズによって集光されて、レンズから出射される。レンズから出射された光出力は、レンズに対向する位置に配された光電変換素子に照射される。一方、光電変換素子から発せられた光出力は、光電変換素子と対向する位置に配されたレンズに達し、レンズによって集光されて樹脂部材の内部をスリーブの軸線方向に沿って進み、スリーブ内に嵌合された光ファイバへと達する。このように本発明によれば、樹脂部材の内部において、光はスリーブの軸線上を進行するので、樹脂部材の内部における光路長を比較的に短くすることができる。この結果、光ファイバに対して、光ファイバの軸線に垂直な方向の力が加えられた場合でも、樹脂部材の内部を透過する光出力が低下することを抑制できる。
【0011】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記ハウジングは、前記スリーブの軸線方向と平行に配された外部基板に接続されるようになっており、前記ハウジングの内部には更に、前記光電変換回路基板に対して前記樹脂部材とは反対側の領域に、前記光電変換回路基板の板面と交差する姿勢で内部基板が収容されており、前記内部基板と前記光電変換回路基板とは中継部材で電気的に接続されており、前記内部基板には端子金具の一方の端部が接続されており、前記端子金具の他方の端部は前記ハウジングの外部に導出されて、前記外部基板に接続されていることが好ましい。
【0012】
光電変換回路基板は、スリーブの軸線方向と実質的に垂直に配されている。また、外部基板は、スリーブの軸線方向と平行に配されている。このため、光電変換回路基板は、外部基板の板面に対して実質的に垂直な姿勢で配されることになる。光電変換回路基板に形成される回路数が増大した場合には、光電変換回路基板が大型化し、外部基板の板面に垂直な方向について光コネクタが大型化することが懸念される。そこで上記の態様においては、光電変換回路と電気的に接続された内部基板を、光電変換回路基板の板面と交差する姿勢で配する構成とした。これにより、1つの光電変換回路基板上に全ての回路を形成する場合に比べて、外部基板の板面に垂直な方向について光コネクタを小型化できる。
【0013】
前記中継部材はフレキシブル基板であることが好ましい。
【0014】
光電変換回路基板は、光ファイバの光軸に対して位置決めされる必要がある。一方、内部基板は、端子金具を介して外部基板に対して位置決めされる必要がある。このように、光電変換回路基板と、内部基板とは、それぞれ異なる基準に対して位置決めされる必要がある。上記の点に鑑み、本態様においては、光電変換回路基板と内部基板を電気的に接続する中継部材はフレキシブル基板とされる。これにより、光電変換回路基板及び内部基板は相対的に変位可能となっている。この結果、光電変換回路基板を光ファイバの光軸に対して位置決めし、且つ、内部基板を外部基板に対して位置決めした場合でも、光電変換回路基板及び内部基板に対して、中継部材を介して応力が加わることを抑制することができる。
【0015】
前記フレキシブル基板は、前記光電変換回路基板のうち前記光電変換素子が実装された面と反対側の面全体を覆うように積層されており、前記フレキシブル基板の内部には、前記フレキシブル基板の全面に亘ってシールド層が形成されていることが好ましい。
【0016】
上記の態様によれば、光電変換回路基板のうち光電変換素子が実装された面と反対側の面は、この面全体を覆うように積層されたフレキシブル基板のシールド層によって電磁的にシールドされる。
【0017】
前記樹脂部材の外面には、前記スリーブの径方向に突出又は陥没する係合部が形成されており、前記ハウジングの内面には、前記係合部と対応する位置に、前記係合部と係合する係合受け部が突出又は陥没して形成されており、前記係合部と前記係合受け部とは、少なくとも前記スリーブに対して前記スリーブの軸線方向の力を加えられたときに、前記スリーブの軸線方向について互いに当接することが好ましい。
【0018】
光コネクタに対して光コネクタの軸線方向の力が加えられると、この力は光コネクタに装着されたスリーブに伝達される。この力により、スリーブがその軸線方向について移動すると、スリーブと、光電変換回路基板との接続部分に力が加わることが懸念される。上記の態様によれば、スリーブに対して、スリーブの軸線方向の力が加えられたときに、スリーブに形成された係合部と、ハウジングに形成された係合受け部とは、スリーブの軸線方向について互いに当接する。これにより、スリーブがその軸線方向について移動することが規制される。この結果、光コネクタに対して、光コネクタの軸線方向の力が加えられた場合でも、スリーブと光電変換回路基板との接続部分に力が加わることを抑制できる。
【0019】
前記ハウジングは、開口部を有するハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられて前記開口部を塞ぐ蓋部と、を備え、前記ハウジング本体の底壁には前記スリーブに向かって突出すると共に前記スリーブの外面と当接する第1スリーブ保持リブが形成されており、前記蓋部の内面には前記スリーブに向かって突出すると共に前記スリーブの外面と当接する第2スリーブ保持リブが形成されており、前記スリーブは前記第1スリーブ保持リブ及び前記第2スリーブ保持リブによって、前記スリーブの軸線と交差する方向から挟持されていることが好ましい。
【0020】
上記の態様によれば、スリーブは、第1スリーブ保持リブ及び第2スリーブ保持リブによって、スリーブの軸線と交差する方向から挟持されることで、スリーブの軸線と交差する方向への移動が規制されている。これによりスリーブの軸線方向と交差する力がスリーブに加えられた場合でも、スリーブがその軸線方向に移動することを抑制できる。
【0021】
前記樹脂部材には、前記光電変換回路基板と対向する面に、金属製の内部シールドが配設されており、前記内部シールドは前記光電変換素子を覆うように配されており、前記内部シールドには前記レンズと前記光電変換素子との間の光路に対応する位置に、前記内部シールドを貫通する窓部が形成されていることが好ましい。
【0022】
上記の態様によれば、光電変換素子のうち、樹脂部材と対向する面は、内部シールドによってシールドされる。
【0023】
前記光電変換素子は、受光素子と発光素子とからなり、前記光電変換回路基板は、前記受光素子が実装された受光回路基板と、前記受光回路基板とは別体であると共に前記発光素子が実装された発光回路基板とからなり、前記樹脂部材は、前記受光回路基板に取り付けられる受光用樹脂部材と、前記発光回路基板に取り付けられる発光用樹脂部材とからなることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、受光回路基板には受光素子が実装されると共に受光用樹脂部材が取り付けられている。一方、この受光回路基板とは別体である発光回路基板には、発光素子が実装されると共に発光用樹脂部材が取り付けられている。これにより、受光素子と受光用樹脂部材との光軸調整と、発光素子と発光用樹脂部材との光軸調整を、個別に行うことができるので、それぞれの光軸調整を精密に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、光ファイバに対して、光ファイバの軸線に垂直な方向の力が加えられた場合でも、光出力の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る光コネクタを示す全体斜視図
【図2】光コネクタを示す分解斜視図
【図3】光コネクタを示す底面図
【図4】樹脂部材の光軸を含む平面で切断された光コネクタの断面図
【図5】端子金具がハウジング本体に圧入された状態を示す光コネクタの断面図
【図6】光電変換回路基板と内部基板との接続構造を示す要部拡大断面図
【図7】フレキシブル基板の構成を示す要部拡大断面図
【図8】樹脂部材、光電変換回路基板、及び内部基板を示す正面図
【図9】樹脂部材、光電変換回路基板、及び内部基板を示す側面図
【図10】受光用樹脂部材を示す斜視図
【図11】受光用樹脂部材を示す側面図
【図12】受光用樹脂部材を示す背面図
【図13】内部シールドを示す側面図
【図14】内部シールドを示す斜視図
【図15】受光回路基板及び発光回路基板を示す正面図
【図16】ハウジング本体を示す正面図
【図17】ハウジング本体を示す平面図
【図18】蓋部を示す斜視図
【図19】蓋部を示す正面図
【図20】ハウジング本体に、光電変換回路基板及び内部基板を収容した状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態を図1ないし図20を参照しつつ説明する。本実施形態に係る光コネクタ10は、プリント配線技術により導電路(図示せず)が形成された外部基板11に取り付けられる。光コネクタ10は、合成樹脂製のハウジング12と、ハウジング12の内部に収容された光電変換回路基板13と、を備える。以下の説明においては、図4における上方を上方とし、下方を下方として説明する。また、図4における左方を前方とし、右方を後方として説明する。
【0028】
(ハウジング12)
図4に示すように、ハウジング12は、上方に開口する開口部14を有するハウジング本体15と、ハウジング本体15に組み付けられて開口部14を塞ぐ蓋部16と、を備える。ハウジング本体15は、前方(図4における左方)に開口すると共に、相手側コネクタ(図示せず)が前方から嵌合されるフード部17を備える。相手側コネクタには光ファイバ18が取り付けられており、この光ファイバ18の端部にはフェルール19が外嵌されている。
【0029】
図1及び図2に示すように、ハウジング12には、フード部17を除く領域に、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる外部シールド20が外嵌されている。外部シールド20は前面及び下面が開口されており、この外部シールド20により、ハウジング12の前面と下面とを除く面が電磁的にシールドされる。図3に示すように、外部シールド20の下端縁には爪部21が突出して形成されており、この爪部21がハウジング12の下面側に折り返されることにより、外部シールド20がハウジング12に組み付けられるようになっている。また、外部シールド20の下端縁には、下方に突出する複数の接続脚部22が形成されている。この接続脚部22は、外部基板11に貫通されて、はんだ付け等の公知の手法により外部基板11の導電路に接続される。
【0030】
(内部基板23)
図4に示すように、ハウジング本体15の内部には、内部基板23が収容されている。本実施形態においては、内部基板23は、フレキシブル基板26(Flexible Printed Circuit Board)の上面及び下面の双方に、絶縁基板の表面にプリント配線技術により導電路が形成された回路基板が積層されてなる。詳細には図示しないが、本実施形態に係る回路基板においては、4層の絶縁基板が積層されてなる。フレキシブル基板26の上面に積層されたの上面、及びフレキシブル基板26の下面に積層された回路基板の下面には、電子部品が実装されている。
【0031】
図5に示すように、内部基板23の後端部寄りの位置には、棒状をなす複数の端子金具24の一方の端部が内部基板23に貫通された状態で、内部基板23に形成された導電路に接続されている。端子金具24の他方の端部は、ハウジング本体15の底壁に形成された端子挿通孔25内に圧入されて、ハウジング本体15の底壁から下方に突出している。端子金具24の他方の端部は、外部基板11を貫通した状態で外部基板11に形成された導電路に、はんだ付け等の公知の手法により接続されている。
【0032】
(フレキシブル基板26)
図2及び図6に示すように、内部基板23の前端縁からは、二股に分かれたフレキシブル基板26が前方に延出されている。図6に示すように、二股に分かれたフレキシブル基板26はそれぞれ下方に略直角に屈曲されている。下方に屈曲された各フレキシブル基板26の前面には、光電変換素子27が実装された光電変換回路基板13が積層されている。このようにフレキシブル基板26は、内部基板23と、光電変換回路基板13とを電気的に接続する中継部材とされる。また、下方に屈曲された各フレキシブル基板26の後面には、副基板28が積層されている。副基板28の後面には、詳細には図示しないが、電子部品が実装されている。
【0033】
図7に示すように、上記の光電変換回路基板13の前面には光電変換素子27が実装されている。フレキシブル基板26は、光電変換回路基板13の後面(光電変換素子27が実装された面と反対側の面)全体を覆うように積層されている。フレキシブル基板26には、2層の導電路29,29が、絶縁フィルム48によって互いに絶縁された状態で形成されている。この導電路の1つの導電路29は、フレキシブル基板26の全面に亘って形成されたシールド層30とされる。本実施形態においては、フレキシブル基板26の後ろ側に形成された導電路29がシールド層30とされている。このシールド層30により、光電変換素子27の後方が電磁的にシールドされる。なお、フレキシブル基板26の前側に形成された導電路29をシールド層30としてもよい。
【0034】
(光電変換回路基板13)
本実施形態においては、光電変換素子27は、受光素子27Aと、発光素子27Bとからなる。受光素子27Aとしてはフォトダイオードが用いられており、発光素子27BとしてはVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)が用いられている。また、光電変換回路基板13は、受光素子27Aが実装された受光回路基板13Aと、発光素子27Bが実装された発光回路基板13Bとからなる。受光回路基板13Aと発光回路基板13Bとは別体に形成されている。図8に示すように、本実施形態においては、図8の右側は受光回路基板13Aとされ、左側は発光回路基板13Bとされる。本実施形態における発光素子27BはVCSELなので、発光素子27Bから発せられる光出力は、発光回路基板13Bの板面と交差する方向に出射されるようになっている。
【0035】
(受光回路基板13A)
図15に示すように、受光回路基板13Aの前面には、受光素子27Aが実装されていると共に、この受光素子27Aに電気的に接続されるトランスインピーダンスアンプ31が実装されている。また、受光回路基板13Aの前側の板面には、受光素子27Aを覆うように、光透過性の合成樹脂(PEI,PC,PMMA等)からなる受光用樹脂部材32(特許請求の範囲に記載の樹脂部材に相当)が取り付けられている。
【0036】
図10に示すように、受光用樹脂部材32は、受光回路基板13Aに取り付けられた基部33と、この基部33から前方に突出して形成されると共に略円筒形状をなすスリーブ34と、を備える。基部33は、スリーブ34の径方向外方に突出して形成されており、概ね直方体形状をなしている。図6に示すように、基部33には、受光回路基板13Aと対向する面が陥没されており、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる内部シールド35が配設されている。本実施形態においては、受光用樹脂部材32は内部シールド35を合成樹脂材でインサート成形することにより形成される。
【0037】
図13に示すように、内部シールド35は、天板36と、天板36の側縁から受光回路基板13A側に延出された側板37と、を備える。側板37のうち受光回路基板13A側の端縁は、受光回路基板13Aの前面に前方から当接するようになっている(図9参照)。また、側板37のうち受光回路基板13A側の端縁からは、基板接続部38が突出されており、この基板接続部38が受光回路基板13Aに貫通された状態で、受光回路基板13Aに形成された導電路47とはんだ付け等の公知の手法により接続されている(図6参照)。この内部シールド35により、受光素子27Aの前面が電磁的にシールドされる。本実施形態においては、更に、トランスインピーダンスアンプ31の前面も、内部シールド35により電磁的にシールドされる。
【0038】
図4に示すように、受光用樹脂部材32のスリーブ34は、前方に延びて形成されている。換言するとスリーブ34の軸線方向は前方に延びて形成されている。そして、光ファイバ18の端末に装着されたフェルール19は、前方(図4に記載された矢線の方向)からスリーブ34内に嵌合されるようになっている。受光回路基板13Aは、受光回路基板13Aの板面がスリーブ34の軸線方向と実質的に垂直な姿勢で、ハウジング12内に収容されている。換言すると、スリーブ34の軸線方向は、受光回路基板13Aの板面に対して実質的に垂直に配されている。なお、実質的に垂直とは、スリーブ34の軸線方向と受光回路基板13Aの板面とが垂直な場合を含み、且つ、垂直でない場合でも実質的に垂直と認められる場合を含む。一方、外部基板11の板面は、スリーブ34の軸線方向と平行に配されている。
【0039】
図6に示すように、受光用樹脂部材32には、スリーブ34の軸線上であって、且つ受光素子27Aと対向する位置に、レンズ39が一体に形成されている。レンズ39は、受光用樹脂部材32のうち、受光素子27Aと対向する面に、受光素子27Aに向かって凸状に膨出して形成されている。このレンズ39は、光ファイバ18から発せられた光出力を受光素子27Aに集光させるようになっている。受光素子27Aは、スリーブ34の軸線上に配置されていてもよく、また、レンズ39と対向する位置に配されていれば、スリーブ34の軸線からずれた位置に配置されてもよい。
【0040】
また、内部シールド35には、レンズ39と、受光素子27Aとの間に位置する光路に対応する位置に、内部シールド35を貫通する窓部40が形成されている。本実施形態においては、窓部40は円形状をなしている(図14参照)。また、スリーブ34の底部には、フェルール19の外径よりも小さな有底孔が形成されており、光ファイバ18の端面との干渉を避ける逃がし孔41とされる。
【0041】
図11に示すように、スリーブ34の外面には、スリーブ34の径方向の外方に突出する係合リブ42が形成されている。一方、図16及び図17に示すように、ハウジング本体15の底壁には、係合リブ42と対応する位置に、上方に突出する第1スリーブ保持リブ43が形成されている。第1スリーブ保持リブ43の上面は、スリーブ34の外面と当接するようになっており、半円形状に形成されている。また、図18及び図19に示すように、蓋部16の内面には、係合リブ42と対応すると共に第1スリーブ保持リブ43に整合する位置に、下方に突出する第2スリーブ保持リブ44が形成されている。第2スリーブ保持リブ44の下面は、スリーブ34の外面と当接するようになっており、半円形状に形成されている。
【0042】
図5に示すように、ハウジング本体15の内部に受光用樹脂部材32が正規位置に収容された状態で、蓋部16がハウジング本体15に取り付けられると、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44は、受光用樹脂部材32に形成された係合リブ42と、基部33との間に挿入される。第1スリーブ保持リブ43の上面と、第2スリーブ保持リブ44の下面との間に囲まれた空間は断面が円形状をなすようになっており、円筒形状をなす受光用樹脂部材32のスリーブ34の外面に倣った形状になっている。そして、第1スリーブ保持リブ43の上面と、第2スリーブ保持リブ44の下面とは、受光用樹脂部材32のスリーブ34の外面と当接するようになっている。
【0043】
また、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44は、受光用樹脂部材32に対してスリーブ34の軸線方向の力が加えられたときに、スリーブ34の係合リブ42及び基部33と、スリーブ34の軸線方向について互いに当接するようになっている。本実施形態においては、スリーブ34の係合リブ42及び基部33が、特許請求の範囲に記載の係合部の一例であり、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44が、特許請求の範囲に記載の係合受け部の一例となっている。
【0044】
(発光回路基板13B)
図15に示すように、発光回路基板13Bの前面には、発光素子27Bが実装されていると共に、この発光塑性に電気的に接続されるドライバ45が実装されている。また、発光回路基板13Bの前側の板面には、発光素子27Bを覆うように、光透過性の合成樹脂(PEI,PC,PMMA等)からなる発光用樹脂部材46(特許請求の範囲に記載の樹脂部材に相当)が取り付けられている。
【0045】
図2に示すように、発光用樹脂部材46は、発光回路基板13Bに取り付けられた基部33と、この基部33から前方に突出して形成されると略円筒形状をなすスリーブ34と、を備える。基部33は、スリーブ34の径方向外方に突出して形成されており、概ね直方体形状をなしている。基部33には、発光回路基板13Bと対向する面が陥没されており、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる内部シールド35が配設されている。本実施形態においては、発光用樹脂部材46は内部シールド35を合成樹脂材でインサート成形することにより形成される。
【0046】
本実施形態においては、発光用樹脂部材46に配設された内部シールド35によって、発光素子27B、及びドライバ45の前面が電磁的にシールドされる。なお、内部シールド35は、発光素子27Bのみを電磁的にシールドする構成としてもよい。
【0047】
発光用樹脂部材46のスリーブ34は、前方に延びて形成されている。換言すると、スリーブ34の軸線方向は前方に延びて形成されている。そして、光ファイバ18の端末に装着されたフェルール19は前方からスリーブ34内に嵌合されるようになっている。発光回路基板13Bは、発光回路基板13Bの板面がスリーブ34の軸線方向と実質的に垂直な姿勢で、ハウジング12内に収容されている。換言すると、スリーブ34の軸線方向は、発光回路基板13Bの板面に対して実質的に垂直に配されている。なお、外部基板11の板面は、スリーブ34の軸線方向と平行に配されている。
【0048】
発光用樹脂部材46には、スリーブ34の軸線上であって、且つ発光素子27Bと対向する位置に、レンズ39が一体に形成されている。レンズ39は、発光用樹脂部材46のうち、発光素子27Bと対向する面に、発光素子27Bに向かって凸状に膨出して形成されている。このレンズ39は、発光素子27Bから発せられた光出力を光ファイバ18の端面に集光させるようになっている。発光素子27Bは、スリーブ34の軸線上に配置されていてもよく、また、レンズ39と対向する位置に配されていれば、スリーブ34の軸線からずれた位置に配置されてもよい。
【0049】
スリーブ34の外面には、スリーブ34の径方向の外方に突出する係合リブ42が形成されている。一方、ハウジング本体15の底壁には、係合リブ42と対応する位置に、上方に突出する第1スリーブ保持リブ43が形成されている。第1スリーブ保持リブ43の上面は、スリーブ34の外面と当接するようになっており、半円形状に形成されている。また、蓋部16の内面には、係合リブ42と対応すると共に第1スリーブ保持リブ43に整合する位置に、下方に突出する第2スリーブ保持リブ44が形成されている。第2スリーブ保持リブ44の下面は、スリーブ34の外面と当接するようになっており、半円形状に形成されている。
【0050】
ハウジング本体15の内部に発光用樹脂部材46が正規位置に収容された状態で、蓋部16がハウジング本体15に取り付けられると、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44は、発光用樹脂部材46に形成された係合リブ42と、基部33との間に挿入される。第1スリーブ保持リブ43の上面と、第2スリーブ保持リブ44の下面との間に囲まれた空間は断面が円形状をなすようになっており、円筒形状をなす発光用樹脂部材46のスリーブ34の外面に倣った形状になっている。そして、第1スリーブ保持リブ43の上面と、第2スリーブ保持リブ44の下面とは、発光用樹脂部材46のスリーブ34の外面と当接するようになっている。
【0051】
また、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44は、発光用樹脂部材46に対してスリーブ34の軸線方向の力が加えられたときに、スリーブ34の係合リブ42及び基部33と、スリーブ34の軸線方向について互いに当接するようになっている。本実施形態においては、スリーブ34の係合リブ42及び基部33が、特許請求の範囲に記載の係合部の一例であり、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44が、特許請求の範囲に記載の係合受け部の一例となっている。
【0052】
なお、発光用樹脂部材46は、図8に示した仮想的な対称軸Aに対して、受光用樹脂部材32と、図8における左右方向に概ね対称に形成されている。このため、発光用樹脂部材46及び受光用樹脂部材32に共通する部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0053】
(光電変換回路基板13と内部基板23との配置)
図4に示すように、ハウジング12の内部には、光電変換回路基板13(受光回路基板13A及び発光回路基板13B)の後方の領域に、上記した内部基板23が収容されている。換言すると、内部基板23は、ハウジング12の内部において、光電変換回路基板13(受光回路基板13A及び発光回路基板13B)に対して、樹脂部材(受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46)と反対側の領域に収容されている。内部基板23は、受光回路基板13A及び発光回路基板13Bの板面と交差する姿勢でハウジング12の内部に配されている。本実施形態においては、内部基板23の板面は、受光回路基板13A及び発光回路基板13Bの板面と実質的に垂直に配されている。また、内部基板23の板面は、外部基板11の板面と略平行に配されている。
【0054】
(製造工程)
続いて、本実施形態に係る光コネクタ10の製造工程の一例について説明する。まず、所定の形状にプレス加工された内部シールド35部材を光透過性の合成樹脂材でインサート成形することにより、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46を形成する。
【0055】
また、受光回路基板13Aに受光素子27A等をリフロー半田付け等により実装すると共に、発光回路基板13Bに発光素子27B等をリフロー半田付け等により実装する。
【0056】
続いて、受光回路基板13Aに実装された受光素子27Aと、受光用樹脂部材32との光軸調整を行い、受光回路基板13Aの板面に受光用樹脂部材32を取り付ける。詳細には、受光用樹脂部材32に配設された内部シールド35の基板接続部38と、受光回路基板13Aの導電路47とをフロー半田付けする。一方、発光回路基板13Bに実装された発光素子27Bと、発光用樹脂部材46との光軸調整を行い、発光回路基板13Bの板面に発光用樹脂部材46を取り付ける。詳細には、発光用樹脂部材46に配設された内部シールド35の基板接続部38と、発光回路基板13Bの導電路47とをフロー半田付けする。フロー半田付けする。
【0057】
その後、受光回路基板13A及び発光回路基板13Bとフレキシブル基板26を介して接続された内部基板23には、端子金具24の一方の端部をフロー半田付けする。
【0058】
続いて、図20に示すように、ハウジング本体15の開口部14内に、受光回路基板13A、発光回路基板13B、及び内部基板23を収容する。このとき、内部基板23に接続された端子金具24の他方の端部は、ハウジング本体15の端子挿通孔25内に圧入される。また、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46のスリーブ34は、第1スリーブ保持リブ43の上面に載置される。
【0059】
続いて、ハウジング本体15に蓋部16を組み付ける。これにより、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46のスリーブ34は、第1スリーブ保持リブ43と第2スリーブ保持リブ44との間に挟持される。また、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44は、係合リブ42と基部33との間に挿入される。
【0060】
所定の形状にプレス加工された外部シールド20をハウジング12に外嵌し、爪部21をハウジング12の下面側に折ることで外部シールド20とハウジング12とを組み付ける。これにより、光コネクタ10が完成する。光コネクタ10は、外部シールド20の接続脚部22を外部基板11にフロー半田付けすることにより接続される。
【0061】
(作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態によれば、スリーブ34内に嵌合された光ファイバ18から発せられた光出力は、受光用樹脂部材32の内部をスリーブ34の軸線方向に沿って進み、レンズ39によって集光されて、レンズ39から出射される。レンズ39から出射された光出力は、レンズ39に対向する位置に配された光電変換素子27に照射される。
【0062】
一方、光電変換素子27から発せられた光出力は、光電変換素子27と対向する位置に配されたレンズ39に達し、レンズ39によって集光されて発光用樹脂部材46の内部をスリーブ34の軸線方向に沿って進み、スリーブ34内に嵌合された光ファイバ18へと達する。
【0063】
このように本実施形態によれば、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46の内部において、光はスリーブ34の軸線上を進行するので、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46の内部における光路長を比較的に短くすることができる。この結果、光ファイバ18に対して、光ファイバ18の軸線に垂直な方向の力が加えられた場合でも、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46の内部を透過する光出力が低下することを抑制できる。
【0064】
また、本実施形態によれば、光電変換回路基板13は、スリーブ34の軸線方向と実質的に垂直に配されている。また、外部基板11は、スリーブ34の軸線方向と平行に配されている。このため、光電変換回路基板13は、外部基板11の板面に対して実質的に垂直な姿勢で配されることになる。光電変換回路基板13に形成される回路数が増大した場合には、光電変換回路基板13が大型化し、外部基板11の板面に垂直な方向について光コネクタ10が大型化することが懸念される。そこで上記の態様においては、光電変換回路基板13と電気的に接続された内部基板23を、光電変換回路基板13の板面と交差する姿勢で配する構成とした。これにより、1つの光電変換回路基板13上に全ての回路を形成する場合に比べて、外部基板11の板面に垂直な方向について光コネクタ10を小型化できる。
【0065】
また、光電変換回路基板13は、光ファイバ18の光軸に対して位置決めされる必要がある。一方、内部基板23は、端子金具24を介して外部基板11に対して位置決めされる必要がある。このように、光電変換回路基板13と、内部基板23とは、それぞれ異なる基準に対して位置決めされる必要がある。上記の点に鑑み、本実施形態においては、光電変換回路基板13と内部基板23を電気的に接続する中継部材はフレキシブル基板26とされる。これにより、光電変換回路基板13及び内部基板23は相対的に変位可能となっている。この結果、光電変換回路基板13を光ファイバ18の光軸に対して位置決めし、且つ、内部基板23を外部基板11に対して位置決めした場合でも、光電変換回路基板13及び内部基板23に対して、フレキシブル基板26を介して応力が加わることを抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、フレキシブル基板26は、光電変換回路基板13のうち光電変換素子27が実装された面と反対側の面全体を覆うように積層されており、フレキシブル基板26の内部には、フレキシブル基板26の全面に亘ってシールド層30が形成されている。これにより、光電変換回路基板13のうち光電変換素子27が実装された面と反対側の面は、この面全体を覆うように積層されたフレキシブル基板26のシールド層30によって電磁的にシールドされる。
【0067】
また、光コネクタ10に対して光コネクタ10の軸線方向の力が加えられると、この力は光コネクタ10に装着されたスリーブ34に伝達される。この力により、スリーブ34がその軸線方向について移動すると、スリーブ34と、光電変換回路基板13との接続部分に力が加わることが懸念される。本実施形態によれば、スリーブ34に対して、スリーブ34の軸線方向の力が加えられたときに、スリーブ34に形成された係合リブ42及び基部33と、ハウジング12に形成された第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44とは、スリーブ34の軸線方向について互いに当接する。これにより、スリーブ34がその軸線方向について移動することが規制される。この結果、光コネクタ10に対して、光コネクタ10の軸線方向の力が加えられた場合でも、スリーブ34と光電変換回路基板13との接続部分に力が加わることを抑制できる。
【0068】
また、本実施形態によれば、スリーブ34は、第1スリーブ保持リブ43及び第2スリーブ保持リブ44によって、スリーブ34の軸線と交差する方向から挟持されることで、スリーブ34の軸線と交差する方向への移動が規制されている。これによりスリーブ34の軸線方向と交差する力がスリーブ34に加えられた場合でも、スリーブ34がその軸線方向に移動することを抑制できる。
【0069】
また、本実施形態によれば、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46には、光電変換回路基板13と対向する面に、金属製の内部シールド35が配設されており、この内部シールド35は光電変換素子27を覆うように配されている。更に、内部シールド35にはレンズ39と光電変換素子27との間の光路に対応する位置に、内部シールド35を貫通する窓部40が形成されている。これにより、光電変換素子27のうち、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46と対向する面は、内部シールド35によってシールドされる。
【0070】
また、本実施形態によれば、受光回路基板13Aには受光素子27Aが実装されると共に受光用樹脂部材32が取り付けられている。一方、この受光回路基板13Aとは別体である発光回路基板13Bには、発光素子27Bが実装されると共に発光用樹脂部材46が取り付けられている。これにより、受光素子27Aと受光用樹脂部材32との光軸調整と、発光素子27Bと発光用樹脂部材46との光軸調整を、個別に行うことができるので、それぞれの光軸調整を精密に行うことができる。
【0071】
また、本実施形態においては、受光用樹脂部材32及び発光用樹脂部材46には、それぞれ、レンズ39が一体に形成されているので、受光用樹脂部材32とレンズ39とが別部品とされる場合、及び、発光用樹脂部材46とレンズ39とが別部品とされる場合に比べて部品点数を減少させることができる。これにより光コネクタ10の製造コストを削減することができる。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、ハウジング12内に、受光回路基板13Aと、発光回路基板13Bと、内部基板23とが収容される構成としたが、これに限られず、ハウジング12内に1つの光電変換回路基板13が収容され、この光電変換回路基板13に受光素子27A及び発光素子27Bが実装され、且つ、光電変換回路基板13に端子金具24の一方の端部が接続されると共に他方の端部がハウジング12を貫通して外部回路基板に接続される構成としてもよい。
(2)本実施形態においては、フレキシブル基板26を中継部材とする構成としたが、これに限られず、中継部材は、棒状の端子金具をL字状に曲げ加工し、この端子金具の一方の端部を光電変換回路基板13に接続すると共に、他方の端部を内部基板23に接続する構成としてもよい。
(3)スリーブ34の外面にスリーブ34の径方向に突出する係合部を形成し、ハウジング12の内面に係合受け部を陥没して形成する構成としてもよい。
(4)本実施形態においては、光電変換回路基板13のうち、光電変換素子27が実装された面と反対側の面については、フレキシブル基板26に形成されたシールド層30でシールドする構成としたが、これに限られず、光電変換回路基板13のうち光電変換素子27が実装された面と反対側の面全体にプリント配線技術により導電路を形成し、光電変換素子27をシールドする構成としてもよい。この場合には、フレキシブル基板26のシールド層30を省略できる。
(5)本実施形態においては、受光素子27Aは受光用樹脂部材32に配設された内部シールド35で電磁的にシールドされ、発光素子27Bは発光用樹脂部材47に配設された内部シールド35で電磁的にシールドされる構成としたが、これに限られず、受光素子27A及び発光素子27Bを一括して覆うシールド部材によって、受光素子27A及び発光素子27Bを電磁的にシールドする構成としてもよい。
(6)本実施形態においては、1つのハウジング12内に、受光素子27Aが実装された受光回路基板13Aと、発光素子27Bが実装された発光回路基板13Bとが収容される構成としたが、これに限られず、1つのハウジング12内に受光回路基板13Aのみが収容される構成としてもよく、また、1つのハウジング12内に発光回路基板13Bのみが収容される構成としてもよい。
(7)本実施形態においては、スリーブ34は、第1スリーブ保持リブ43と第2スリーブ保持リブ44との間に挟持される構成としたが、これに限られず、ハウジング本体15の底壁に形成された溝内にスリーブ34を嵌合させることで、スリーブ34をハウジング本体15に取り付ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…光コネクタ
11…外部基板
12…ハウジング
13…光電変換回路基板
13A…受光回路基板(光電変換回路基板)
13B…発光回路基板(光電変換回路基板)
15…ハウジング本体(ハウジング)
16…蓋部(ハウジング)
18…光ファイバ
19…フェルール
23…内部基板
24…端子金具
26…フレキシブル基板(中継部材)
27…光電変換素子
27A…受光素子(光電変換素子)
27B…発光素子(光電変換素子)
30…シールド層
32…受光用樹脂部材(樹脂部材)
33…基部(係合部)
34…スリーブ
35…内部シールド
39…レンズ
40…窓部
42…係合リブ(係合部)
43…第1スリーブ保持リブ(係合受け部)
44…第2スリーブ保持リブ(係合受け部)
46…発光用樹脂部材(樹脂部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に収容されると共に光電変換素子が実装された光電変換回路基板と、前記光電変換回路基板の板面に前記光電変換素子を覆うように取り付けられると共に光透過性の合成樹脂材からなり、且つ光ファイバの端末に装着されたフェルールが嵌合されるスリーブを備えた樹脂部材と、を備え、
前記スリーブは、前記スリーブの軸線方向が前記光電回路基板の板面に対して実質的に垂直に形成されており、前記樹脂部材には、前記スリーブの軸線上であって前記光電変換素子と対向する位置に、レンズが一体に形成されている光コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記スリーブの軸線方向と平行に配された外部基板に接続されるようになっており、
前記ハウジングの内部には更に、前記光電変換回路基板に対して前記樹脂部材とは反対側の領域に、前記光電変換回路基板の板面と交差する姿勢で内部基板が収容されており、前記内部基板と前記光電変換回路基板とは中継部材で電気的に接続されており、前記内部基板には端子金具の一方の端部が接続されており、前記端子金具の他方の端部は前記ハウジングの外部に導出されて、前記外部基板に接続されている請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記中継部材はフレキシブル基板である請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記フレキシブル基板は、前記光電変換回路基板のうち前記光電変換素子が実装された面と反対側の面全体を覆うように積層されており、前記フレキシブル基板の内部には、前記フレキシブル基板の全面に亘ってシールド層が形成されている請求項3に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記樹脂部材の外面には、前記スリーブの径方向に突出又は陥没する係合部が形成されており、前記ハウジングの内面には、前記係合部と対応する位置に、前記係合部と係合する係合受け部が突出又は陥没して形成されており、前記係合部と前記係合受け部とは、少なくとも前記スリーブに対して前記スリーブの軸線方向の力を加えられたときに、前記スリーブの軸線方向について互いに当接する請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記ハウジングは、開口部を有するハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられて前記開口部を塞ぐ蓋部と、を備え、
前記ハウジング本体の底壁には前記スリーブに向かって突出すると共に前記スリーブの外面と当接する第1スリーブ保持リブが形成されており、前記蓋部の内面には前記スリーブに向かって突出すると共に前記スリーブの外面と当接する第2スリーブ保持リブが形成されており、前記スリーブは前記第1スリーブ保持リブ及び前記第2スリーブ保持リブによって、前記スリーブの軸線と交差する方向から挟持されている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記樹脂部材には、前記光電変換回路基板と対向する面に、金属製の内部シールドが配設されており、前記内部シールドは前記光電変換素子を覆うように配されており、前記内部シールドには前記レンズと前記光電変換素子との間の光路に対応する位置に、前記内部シールドを貫通する窓部が形成されている請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記光電変換素子は、受光素子と発光素子とからなり、
前記光電変換回路基板は、前記受光素子が実装された受光回路基板と、前記受光回路基板とは別体であると共に前記発光素子が実装された発光回路基板とからなり、
前記樹脂部材は、前記受光回路基板に取り付けられる受光用樹脂部材と、前記発光回路基板に取り付けられる発光用樹脂部材とからなる請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の光コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−137537(P2012−137537A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288334(P2010−288334)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】