説明

光ディスク装置及び情報再生方法

【課題】光ディスクからの情報再生を短時間で完了できるようにする。
【解決手段】光ディスク100に対して情報を記録する際、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をいずれも第1目標マーク位置PS1に合わせ干渉させることにより第1記録マークを形成する一方、光ディスク100から情報を再生する際、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を互いに異なる第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合わせることにより、光ディスク100の記録層101内の互いに異なる位置にある第1の記録マーク及び第2の記録マークからそれぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4を発生させて2系統の再生信号を得ることができ、これらを統合することにより2倍の再生速度でなる一つの再生信号を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク装置及び情報再生方法に関し、例えば光ディスクにホログラムを記録する光ディスク装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等、光ディスクに対して光ビームを照射し、その反射光を読み取ることにより情報を再生するようになされたものが広く普及している。
【0003】
またかかる従来の光ディスク装置では、当該光ディスクに対して光ビームを照射することにより、当該光ディスクの局所的な反射率等を変化させることにより、情報の記録を行うようになされている。
【0004】
この光ディスクに関しては、当該光ディスク上に形成される光スポットの大きさは、およそλ/NA(λ:光ビームの波長、NA:開口数)で与えられ、解像度もこの値に比例することが知られている。例えば、直径120[mm]の光ディスクにおよそ25[GB]のデータを記録し得るBDの詳細については、非特許文献1に示されている。
【0005】
ところで光ディスクには、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報が記録されるようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が要求されている。
【0006】
そこで、1枚の光ディスク内で記録層を重ねることにより、1枚の光ディスクにおける記録容量を増加させる手法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
一方、光ディスクに対する情報の記録手法として、ホログラムを用いた光ディスク装置も提案されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0008】
例えば図1に示すように、光ディスク装置1は、照射された光強度によって屈折率が変化するフォトポリマ等でなる光ディスク8中に、光学ヘッド7から一旦光ビームを集光し、その後光ディスク8の裏面側(図1では下側)に設けられた反射装置9を用いて、もう一度逆方向から光ビームを同一焦点位置に集光するようになされている。
【0009】
光ディスク装置1は、レーザ2からレーザ光でなる光ビームを出射させ、音響光学変調器3によりその光波を変調し、コリメータレンズ4により平行光に変換する。続いて光ビームは、偏光ビームスプリッタ5を透過し、1/4波長板6により直線偏光から円偏光に変換されてから、光学ヘッド7へ入射される。
【0010】
光学ヘッド7は、情報の記録及び再生を行い得るようになされており、光ビームをミラー7Aにより反射し、対物レンズ7Bにより集光して、スピンドルモータ(図示せず)により回転されている光ディスク8に照射する。
【0011】
このとき光ビームは、光ディスク8の内部で一旦合焦されてから、当該光ディスク8の裏面側に配置された反射装置9によって反射され、当該光ディスク8の裏面側から光ディスク8の内部における同一焦点に集光される。因みに反射装置9は、集光レンズ9A、シャッタ9B、集光レンズ9C及び反射ミラー9Dにより構成されている。
【0012】
この結果、図2(A)に示すように、光ビームの焦点位置に定在波が生じ、全体的に2つの円錐体を互いの底面同士で貼り合わせたような形状でなる、光スポットサイズの小さなホログラムでなる記録マークRMを形成する。かくしてこの記録マークRMが情報として記録される。
【0013】
光ディスク装置1は、光ディスク8の内部にこの記録マークRMを複数記録する際、当該光ディスク8を回転させ各記録マークRMを同心円状又は螺旋状のトラックに沿って配置することにより一つのマーク記録層を形成し、さらに光ビームの焦点位置を調整することにより、マーク記録層を複数層重ねるように各記録マークRMを記録することができる。
【0014】
これにより光ディスク8は、内部に複数のマーク記録層を有する多層構造となる。例えば光ディスク8は、図2(B)に示すように、記録マークRM間の距離(マークピッチ)p1が1.5[μm]、トラック間の距離(トラックピッチ)p2が2[μm]、層間の距離p3が22.5[μm]となっている。
【0015】
また光ディスク装置1は、記録マークRMが記録されたディスク8から情報を再生する場合、反射装置9のシャッタ9Bを閉じ、光ディスク8の裏面側から光ビームを照射しないようにする。
【0016】
このとき光ディスク装置1は、光学ヘッド7によって光ディスク8中の記録マークRMへ光ビームを照射し、当該記録マークRMから発生する再生光ビームを当該光学ヘッド7へ入射させる。この再生光ビームは、1/4波長板6により円偏光から直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ5により反射される。さらに再生光ビームは、集光レンズ10により集光され、ピンホール11を介してフォトディテクタ12へ照射される。
【0017】
光ディスク装置1は、このときフォトディテクタ12により再生光ビームの光量を検出し、その検出結果を基に情報を再生する。
【非特許文献1】Y.Kasami,Y.Kuroda, K.Seo, O.Kawakubo, S.Takagawa, M.Ono, and M.Yamada, Jpn. J. Appl.Phys., 39, 756(2000)
【非特許文献2】I.Ichimura etal, Technical Digest of ISOM’04, pp52,Oct.11-15, 2005, Jeju Korea
【非特許文献3】R. R. McLeod etal.,“Microholographicmultilayer optical disk data storage,” Appl. Opt., Vol. 44, 2005, pp3197
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで近年では、光ディスク8に記録する情報量を増加させるのみでなく、その記録速度や再生速度を向上させることにより記録や再生に要する時間を短縮したいといった要望がある。この場合、光ディスク装置1は、光ディスク8の回転速度を上昇させ、又は記録マークRMの読み出しに要する時間を短縮することが考えられる。
【0019】
しかしながら光ディスク装置1は、光ディスク8自体の強度やスピンドルモータの性能、或いはブレ等の観点から、回転速度の上昇には限界があり、また記録マークRMを読み出す際の光学的・物理的反応にある程度の時間を要することから、自ずと再生速度の上限が定められてしまう。
【0020】
このため光ディスク装置1は、情報の再生に要する時間を短縮することが困難であるという問題があった。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光ディスクからの情報再生を短時間で完了し得る光ディスク装置及び情報再生方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
かかる課題を解決するため本発明の光ディスク装置においては、ディスク状でなる体積型記録媒体の両面から第1及び第2の光を照射することにより記録された定在波を基に情報を再生する光ディスク装置において、第1の対物レンズにより第1の光が体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第1の光の光軸方向に調整する第1の焦点位置調整手段と、第2の対物レンズにより第2の光が体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第2の光の光軸方向に調整する第2の焦点位置調整手段と、体積型記録媒体に定在波を記録する際、第1の光が体積型記録媒体内で焦点を結び、且つ第2の光が第1の光の焦点と同一位置に焦点を結ぶよう第1の焦点位置調整手段及び第2の焦点位置調整手段を制御し、体積型記録媒体の定在波を基に情報を再生する際、第1の光が体積型記録媒体内で結ぶ焦点と、第2の光が体積型記録媒体内で結ぶ焦点とが互いに異なる位置となるよう第1の焦点位置調整手段及び第2の焦点位置調整手段を制御することにより互いに異なる定在波から第1及び第2の再生光をそれぞれ発生させる制御手段と、第1及び第2の再生光をそれぞれ検出する第1及び第2の検出手段と、第1及び第2の検出手段による検出結果を統合することにより再生信号を生成する再生信号生成手段とを設けるようにした。
【0023】
これにより、情報を再生する際、第1及び第2の再生光を並行して検出することができるので、双方の検出結果を統合することにより光ディスクから情報を読み出す速度を高めることができる。
【0024】
また本発明の情報再生方法においては、ディスク状でなり記録マークが複数のマーク層に渡り記録された体積型記録媒体に対し所定の光を照射することにより情報を再生する情報再生方法において、第1の光が体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第1の光の光軸方向に調整すると共に第2の光が体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第2の光の光軸方向に調整することにより、同一の対物レンズを介した第1の光及び第2の光が体積型記録媒体内で互いに異なるマーク層の互いに対応する位置にそれぞれの焦点を合わせるよう制御し、互いに異なるマーク層の記録マークを基に第1及び第2の再生光をそれぞれ発生させる焦点制御ステップと、第1及び第2の再生光をそれぞれ検出する検出ステップと、検出ステップによる検出結果を統合することにより再生信号を生成する再生信号生成ステップとを設けるようにした。
【0025】
これにより、情報を再生する際、第1及び第2の再生光を並行して検出することができるので、双方の検出結果を統合することにより光ディスクから情報を読み出す速度を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、情報を再生する際、第1及び第2の再生光を並行して検出することができるので、双方の検出結果を統合することにより光ディスクから情報を読み出す速度を高めることができ、かくして光ディスクにからの情報再生を短時間で完了し得る光ディスク装置及び情報再生方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0028】
(1)第1の実施の形態
(1−1)光ディスクの構成
まず、第1の実施の形態における体積型記録媒体としての光ディスク100について説明する。図3に外観図を示すように、光ディスク100は、全体として従来のCD、DVD及びBDと同様に直径約120[mm]の円盤状に構成されており、中央部分に孔部100Hが形成されている。
【0029】
また光ディスク100は、図4(A)に断面図を示すように、情報を記録するための記録層101を中心に有しており、基板102及び103により当該記録層101を両面から挟むように構成されている。
【0030】
因みに記録層101の厚さt1は約0.3[mm]、基板102及び103の厚さt2及びt3はいずれも約0.6[mm]となるようになされている。
【0031】
基板102及び103は、例えばポリカーボネイトやガラス等の材料により構成されており、いずれも一面から入射される光をその反対面へ高い透過率で透過させるようになされている。また基板102及び103は、ある程度の強度を有しており、記録層101を保護する役割も担うようになされている。
【0032】
因みに光ディスク100は、厚さ方向に関して記録層101を中心としたほぼ対称な構造となっており、全体として経年変化等による反りや歪み等の発生を極力抑えるようにも配慮されている。なお基板102及び103の表面については、無反射コーティングにより不要な反射が防止されるようになされていても良い。
【0033】
記録層101は、光ディスク8(図1)と同様、照射された光強度によって屈折率が変化するフォトポリマ等でなり、波長405[nm]でなる青色光ビームに反応するようになされている。図4(A)に示したように、比較的強い強度でなる2本の青色光ビームLb1及びLb2が記録層101内において干渉した場合、当該記録層101には定在波が生成されることになり、図2(A)に示したようなホログラムとしての性質を有する干渉パターンが形成される。
【0034】
さらに記録層101は、波長405[nm]でなる青色光ビームに関して、基板102及び103と同等の屈折率を呈するようになされており、記録層101と基板103との境界面等において当該青色光ビームを殆ど屈折させないようになされている。
【0035】
また光ディスク100は、記録層101と基板102との境界面に位置決め層としての反射透過膜104を有している。反射透過膜104は、誘電体多層膜等でなり、波長405[nm]でなる青色光ビームLb1、Lb2及び青色再生光ビームLb3を透過すると共に、波長660[nm]でなる赤色光ビームを約50%の割合で透過し、約50%の割合で反射するといった波長選択性を有している。
【0036】
また反射透過膜104は、トラッキングサーボ用の案内溝を形成しており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブにより螺旋状のトラックを形成している。このトラックには、所定の記録単位ごとに一連の番号でなるアドレスが付されており、情報を記録又は再生するトラックを当該アドレスにより特定し得るようになされている。
【0037】
なお反射透過膜104(すなわち記録層101と基板102との境界面)には、案内溝に代えてピット等が形成され、或いは案内溝とピット等とが組み合わされていても良い。
【0038】
この反射透過膜104は、基板102側から赤色光ビームLr1が照射された場合、その約半分を基板103側へ透過すると共に、その約半分を当該基板102側へ反射する。以下、このとき透過された光ビームを赤色透過光ビームLr2と呼び、また反射された光ビームを赤色反射光ビームLr3と呼ぶ。
【0039】
この赤色反射光ビームLr3は、例えば光ディスク装置において、目標とするトラック(以下、これを目標トラックと呼ぶ)に対して、所定の対物レンズOL1により集光された赤色光ビームLr1の焦点Frを合わせるための、当該対物レンズOL1の位置制御(すなわちフォーカス制御及びトラッキング制御)に用いられることが想定されている。
【0040】
因みに以下では、光ディスク100の基板102側の面を第1面100Aと呼び、当該光ディスク100の基板103側の面を第2面100Bと呼ぶ。
【0041】
実際上、光ディスク100に情報が記録されるとき、図4(A)に示したように、位置制御された対物レンズOL1により赤色光ビームLr1が集光され、反射透過膜104の目標トラックに合焦される。
【0042】
また、当該赤色光ビームLr1と光軸Lxを共有し当該対物レンズOL1により集光された青色光ビームLb1が、基板102及び反射透過膜104を透過し、記録層101内における当該目標トラックの裏側(すなわち基板103側)に相当する位置に合焦される。このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、対物レンズOL1を基準として、共通の光軸Lx上における焦点Frよりも遠方に位置することになる。
【0043】
さらに、青色光ビームLb1と同一波長でなり光軸Lxを共有する青色光ビームLb2が、当該青色光ビームLb1の反対側(すなわち基板103側)から、対物レンズOL1と同等の光学特性を有する対物レンズOL2により集光され、照射されるようになされている。このとき当該青色光ビームLb2の焦点Fb2は、当該対物レンズOL2が位置制御されることにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同一の位置となるようになされている。
【0044】
この結果、光ディスク100には、記録層101内における目標トラックの裏側に相当する焦点Fb1及びFb2の位置に、青色光ビームLb1及びLb2による定在波が生成され、比較的小さい干渉パターンでなる記録マークRMが記録される。
【0045】
このとき記録層101内には、いずれも収束光でなる青色光ビームLb1及びLb2が重なり、且つ所定強度以上となった部分に定在波が生じ、記録マークRMが形成される。このため記録マークRMは、図2(A)に示したように、全体的に2つの円錐体を互いの底面同士で貼り合わせたような形状となり、中央部(底面同士を貼り合わせた部分)が僅かにくびれている。
【0046】
因みに、記録マークRMに関して、中央部におけるくびれ部分の直径RMrについては、青色光ビームLb1及びLb2の波長をλ[m]、対物レンズOL1及びOL2の開口数をNAとすると、次に示す(1)式により求められる。
【0047】
【数1】

【0048】
また記録マークRMの高さRMhに関しては、対物レンズOL1及びOL2の屈折率をnとすると、次に示す(2)式により求められる。
【0049】
【数2】

【0050】
例えば、波長λを405[nm]、開口数NAを0.5、屈折率nを1.5とすると、(1)式より直径RMr=0.97[μm]、(2)式より高さRMh=9.72[μm]となる。
【0051】
さらに光ディスク100は、記録層101の厚さt1(=0.3[mm])が記録マークRMの高さRMhよりも充分に大きくなるよう設計されている。このため光ディスク100は、記録層101内における記録反射膜104からの距離(以下、これを深さと呼ぶ)が切り換えられながら記録マークRMが記録されることにより、図2(B)に示したような、複数のマーク記録層を当該光ディスク100の厚さ方向に重ねた多層記録を行い得るようになされている。
【0052】
この場合、光ディスク100の記録層101内において、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2の深さが調整されることにより、記録マークRMの深さが変更されることになる。例えば光ディスク100は、記録マークRM同士の相互干渉等を考慮してマーク記録層同士の距離p3が約15[μm]に設定されれば、記録層101内に約20層のマーク記録層を形成することができる。なお距離p3については、約15[μm]とする以外にも、記録マークRM同士の相互干渉等を考慮した上で他の種々の値としても良い。
【0053】
一方、光ディスク100は、情報が再生されるとき、図4(B)に示すように、当該情報を記録したときと同様に、対物レンズOL1により集光された赤色光ビームLr1が反射透過膜104の目標トラックに合焦されるよう、当該対物レンズOL1が位置制御されるようになされている。
【0054】
また光ディスク100は、同一の対物レンズOL1を介し基板102及び反射透過膜104を透過した青色光ビームLb1の焦点Fb1が、記録層101内における当該目標トラックの「裏側」に相当し、かつ第1の目標深さとなる位置(以下、これを第1目標マーク位置PS1と呼ぶ)に合焦されるようになされている。
【0055】
このとき第1目標マーク位置PS1に記録されている記録マークRM(以下、これを第1記録マークRM1と呼ぶ)は、ホログラムとしての性質により、青色再生光ビームLb3を発生する。この青色再生光ビームLb3は、第1記録マークRM1の記録時に照射された青色光ビームLb2と同等の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb2と同じ方向へ、すなわち記録層101内から基板102側へ発散しながら進むことになる。
【0056】
かかる構成に加えて、光ディスク100は、赤色光ビームLr1が反射透過膜104において透過されてなる赤色透過光ビームLr2を基に、対物レンズOL2が位置制御されるようになされている。
【0057】
また光ディスク100は、対物レンズOL2を介し基板103を透過した青色光ビームLb2の焦点Fb2が、記録層101内における当該目標トラックの「裏側」に相当し、かつ第1の目標深さと異なる第2の目標深さとなる位置(以下、これを第2目標マーク位置PS2と呼ぶ)に合焦されるようになされている。
【0058】
このとき第2目標マーク位置PS2に記録されている記録マークRM(以下、これを第2記録マークRM2と呼ぶ)は、第1記録マークRMと同様、ホログラムとしての性質により、青色再生光ビームLb4を発生する。この青色再生光ビームLb4は、第2記録マークRM2の記録時に照射された青色光ビームLb1と同等の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb1と同じ方向へ、すなわち記録層101内から基板103側へ発散しながら進むことになる。
【0059】
このように光ディスク100は、情報が記録される場合、位置制御用の赤色光ビームLr1、情報記録用の青色光ビームLb1及びLb2が用いられることにより、記録層101内において焦点Fb1及びFb2が重なる位置、すなわち反射透過膜104における目標トラックの裏側となり且つ目標深さとなる目標マーク位置に、当該情報として記録マークRMが形成されるようになされている。
【0060】
また光ディスク100は、記録済みの情報が再生される場合、位置制御用の赤色光ビームLr1及び赤色透過光ビームLr2並びに情報再生用の青色光ビームLb1及びLb2が用いられることにより、焦点Fb1及びFb2の位置、すなわち第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ記録されている第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2から、青色再生光ビームLb3及びLb4をそれぞれ発生させるようになされている。
【0061】
(1−2)光ディスク装置の構成
次に、上述した光ディスク100に対応した光ディスク装置20について説明する。光ディスク装置20は、図5に示すように、制御部21により全体を統括制御するようになされている。
【0062】
制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)から基本プログラムや情報記録プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAM(Random Access Memory)に展開することにより、情報記録処理等の各種処理を実行するようになされている。
【0063】
例えば制御部21は、光ディスク100が装填された状態で、図示しない外部機器等から情報記録命令、記録情報及び記録アドレス情報を受け付けると、駆動命令及び記録アドレス情報を駆動制御部22へ供給すると共に、記録情報を信号処理部23へ供給する。因みに記録アドレス情報は、光ディスク100の記録層101又は反射透過膜104に付されたアドレスのうち、記録情報を記録すべきアドレスを示す情報である。
【0064】
駆動制御部22は、駆動命令に従い、スピンドルモータ24を駆動制御することにより光ディスク100を所定の回転速度で回転させると共に、スレッドモータ25を駆動制御することにより、光ピックアップ26を移動軸25A及び25Bに沿って光ディスク100の径方向(すなわち内周方向又は外周方向)における記録アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
【0065】
信号処理部23は、供給された記録情報に対して所定の符号化処理や変調処理等の各種信号処理を施すことにより記録信号を生成し、これを光ピックアップ26へ供給する。
【0066】
光ピックアップ26は、図6に示すように、側面略コ字状に構成されており、図4(A)及び(B)に示したように、光ディスク100に対して両面から焦点を合わせて光ビームを照射し得るようになされている。
【0067】
光ピックアップ26は、駆動制御部22(図5)の制御に基づいてフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、光ディスク100の記録層101又は反射透過膜104における記録アドレス情報により示されるトラック(以下、これを目標トラックと呼ぶ)に光ビームの照射位置を合わせ、信号処理部23からの記録信号に応じた記録マークRMを記録するようになされている(詳しくは後述する)。
【0068】
また制御部21は、例えば外部機器(図示せず)から情報再生命令及び当該記録情報のアドレスを示す再生アドレス情報を受け付けると、駆動制御部22に対して駆動命令を供給すると共に、再生処理命令を信号処理部23へ供給する。
【0069】
駆動制御部22は、情報を記録する場合と同様、スピンドルモータ24を駆動制御することにより光ディスク100を所定の回転速度で回転させると共に、スレッドモータ25を駆動制御することにより光ピックアップ26を再生アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
【0070】
光ピックアップ26は、駆動制御部22(図4)の制御に基づいてフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、光ディスク100の記録層101又は反射透過膜104における再生アドレス情報により示されるトラック(すなわち目標トラック)に光ビームの照射位置を合わせ、所定光量の光ビームを照射する。このとき光ピックアップ26は、光ディスク100における記録層101の記録マークRMから発生される再生光ビームを検出し、その光量に応じた検出信号を信号処理部23へ供給するようになされている(詳しくは後述する)。
【0071】
信号処理部23は、供給された検出信号に対して所定の復調処理や復号化処理等の各種信号処理を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給する。これに応じて制御部21は、この再生情報を外部機器(図示せず)へ送出するようになされている。
【0072】
このように光ディスク装置20は、制御部21によって光ピックアップ26を制御することにより、光ディスク100の記録層101における目標トラックに情報を記録し、また当該目標トラックから情報を再生するようになされている。
【0073】
(1−3)光ピックアップの構成
次に、光ピックアップ26の構成について説明する。図7に模式的に示すように、光ピックアップ26は、多数の光学部品が設けられており、大きく分けて第1面位置制御光学系30及び第2面位置制御光学系50、並びに第1面情報光学系60及び第2面情報光学系80により構成されている。
【0074】
(1−3−1)位置制御光学系の構成
第1面位置制御光学系30及び第2面位置制御光学系50は、赤色光ビームLr1及び赤色透過光ビームLr2を基に、主に対物レンズ38及び51の位置制御を行うようになされている。
【0075】
(1−3−1−1)第1面位置制御光学系の構成
第1面位置制御光学系30は、光ディスク100の第1面100Aに対して赤色光ビームLr1を照射し、当該光ディスク100により当該赤色光ビームLr1が反射されてなる赤色反射光ビームLr3を受光するようになされている。
【0076】
図7と対応する図8において、第1面位置制御光学系30のレーザダイオード31は、波長約660[nm]の赤色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード31は、制御部21(図5)の制御に基づいて発散光でなる所定光量の赤色光ビームLr1を発射し、コリメータレンズ32へ入射させる。コリメータレンズ32は、赤色光ビームLr1を発散光から平行光に変換しスリット33を介して無偏光ビームスプリッタ34へ入射させる。
【0077】
無偏光ビームスプリッタ34は、赤色光ビームLr1を反射透過面34Aにおいて約50%の割合で透過し、補正レンズ35へ入射させる。補正レンズ35及び36は、赤色光ビームLr1を一度発散させてから収束させ、ダイクロックプリズム37へ入射させる。
【0078】
ダイクロックプリズム37の反射透過面37Sは、光ビームの波長により透過率及び反射率が異なる、いわゆる波長選択性を有しており、赤色光ビームをほぼ100%の割合で透過し、青色光ビームをほぼ100%の割合で反射するようになされている。このためダイクロックプリズム37は、当該反射透過面37Sにおいて赤色光ビームLr1を透過し、対物レンズ38へ入射させる。
【0079】
対物レンズ38は、赤色光ビームLr1を集光し、光ディスク100の第1面100Aへ向けて照射する。このとき赤色光ビームLr1は、図4(A)に示したように、基板102を透過し反射透過膜104において反射され、赤色光ビームLr1と反対方向へ向かう赤色反射光ビームLr3となる。
【0080】
因みに対物レンズ38は、青色光ビームLb1に最適化されて設計されており、赤色光ビームLr1に関しては、スリット33、補正レンズ35及び36との光学的な距離等の関係により、開口数(NA:Numerical Aperture)が0.41の集光レンズとして作用することになる。
【0081】
この後、赤色反射光ビームLr3は、対物レンズ38、ダイクロックプリズム37、補正レンズ36及び35を順次透過して平行光にされた後、無偏光ビームスプリッタ34へ入射される。
【0082】
無偏光ビームスプリッタ34は、赤色反射光ビームLr3を約50%の割合で反射することによりミラー40へ照射し、当該ミラー40により当該赤色反射光ビームLr3を再度反射させた後、集光レンズ41へ入射させる。
【0083】
集光レンズ41は、赤色反射光ビームLr3を収束させ、シリンドリカルレンズ42により非点収差を持たせた上で当該赤色反射光ビームLr3をフォトディテクタ43へ照射する。
【0084】
ところで光ディスク装置20では、回転する光ディスク100における偏心や面ブレ等が発生する可能性があるため、第1面位置制御光学系30に対する目標トラックの相対的な位置が変動する可能性がある。
【0085】
このため、第1面位置制御光学系30において赤色光ビームLr1の焦点Fr(図4(A))を目標トラックに追従させるには、当該焦点Frを光ディスク100に対する近接方向又は離隔方向であるフォーカス方向及び光ディスク100の内周側方向又は外周側方向であるトラッキング方向へ移動させる必要がある。
【0086】
そこで対物レンズ38は、2軸アクチュエータ38Aにより、フォーカス方向及びトラッキング方向の2軸方向へ駆動され得るようになされている。
【0087】
第1面位置制御光学系30(図8)では、対物レンズ38により赤色光ビームLr1が集光され光ディスク100の反射透過膜104へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ41により赤色反射光ビームLr3が集光されフォトディテクタ43に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
【0088】
フォトディテクタ43は、図9(A)に示すように、赤色反射光ビームLr3が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域43A、43B、43C及び43Dを有している。因みに矢印a1により示される方向(図中の縦方向)は、赤色光ビームLr1が反射透過膜104(図3)に照射されるときの、トラックの走行方向に対応している。
【0089】
フォトディテクタ43は、検出領域43A、43B、43C及び43Dにより赤色反射光ビームLr3の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号SDA1、SDB1、SDC1及びSDD1をそれぞれ生成して、これらを信号処理部23(図4)へ送出する。
【0090】
信号処理部23は、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされており、次に示す(3)式に従ってフォーカスエラー信号SFE1を算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
【0091】
【数3】

【0092】
このフォーカスエラー信号SFE1は、赤色光ビームLr1の焦点Frと光ディスク100の反射透過膜104とのずれ量を表すことになる。
【0093】
また信号処理部23は、いわゆるプッシュプル法によるトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(4)式に従ってトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
【0094】
【数4】

【0095】
このトラッキングエラー信号STE1は、赤色光ビームLr1の焦点Frと光ディスク100の反射透過膜104における目標トラックとのずれ量を表すことになる。
【0096】
駆動制御部22は、フォーカスエラー信号SFE1を基にフォーカス駆動信号SFD1を生成し、当該フォーカス駆動信号SFD1を2軸アクチュエータ38Aへ供給することにより、赤色光ビームLr1が光ディスク100の反射透過膜104に合焦するよう、対物レンズ38をフィードバック制御(すなわちフォーカス制御)する。
【0097】
また駆動制御部22は、トラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング駆動信号STDrを生成し、当該トラッキング駆動信号STD1を2軸アクチュエータ38Aへ供給することにより、赤色光ビームLr1が光ディスク100の反射透過膜104における目標トラックに合焦するよう、対物レンズ38をフィードバック制御(すなわちトラッキング制御)する。
【0098】
このように第1面位置制御光学系30は、赤色光ビームLr1を光ディスク100の反射透過膜104に照射し、その反射光である赤色反射光ビームLr3の受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部22は、当該赤色光ビームLr1を当該反射透過膜104の目標トラックに合焦させるよう、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(以下、これらをまとめて位置制御とも呼ぶ)を行うようになされている。
【0099】
(1−3−1−2)第2面位置制御光学系の構成
一方、第2面位置制御光学系50は、赤色光ビームLr1が光ディスク100の反射透過膜104(図4(A))を透過してなる赤色透過光ビームLr2を基に、対物レンズ51の位置制御を行うようになされている。
【0100】
因みに対物レンズ51は、2軸アクチュエータ51Aと一体に構成されており、当該2軸アクチュエータ51Aにより、対物レンズ38と同様、光ディスク100への近接方向又は離隔方向であるフォーカス方向と、光ディスク100の内周側方向又は外周側方向であるトラッキング方向との2軸方向へ駆動され得るようになされている。
【0101】
赤色透過光ビームLr2は、光ディスク100の記録層101及び基板103を透過した後、発散光となり対物レンズ51へ入射される。赤色透過光ビームLr2は、当該対物レンズ51によりほぼ平行光に変換され、ガルバノミラー52により反射された後、リレーレンズ53へ入射される。
【0102】
続いて赤色透過ビームLr2は、リレーレンズ53の固定レンズ55によりある程度収束光に変換され、ダイクロックプリズム56へ入射させる。
【0103】
ダイクロックプリズム56の反射透過面56Sは、ダイクロックプリズム37の反射透過面37Sと同様に波長選択性を有しており、赤色光ビームをほぼ100%の割合で反射し、青色光ビームをほぼ100%の割合で透過するようになされている。このためダイクロックプリズム56は、反射透過面56Sにおいて赤色透過光ビームLr2を反射し、集光レンズ57へ入射させる。
【0104】
集光レンズ57は、赤色透過光ビームLr2を収束させ、シリンドリカルレンズ58により非点収差を持たせた上でフォトディテクタ59へ照射する。
【0105】
ところで光ディスク100は、上述したように面ブレ等を生じる可能性がある。このため対物レンズ38は、上述したように、第1面位置制御光学系30及び駆動制御部22(図4)等により位置制御されるようになされている。
【0106】
このとき赤色透過光ビームLr2の光軸Lxは、対物レンズ38の移動に伴って変化することになる。ここで対物レンズ51は、仮に基準となる位置に固定されていた場合、赤色光ビームについての焦点を赤色光ビームLr1の焦点Fr1から外すことになり、図4(A)に示した青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に一致させ得なくなってしまう。
【0107】
そこで第2面位置制御光学系50では、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Fr1とのずれ量が、集光レンズ57により赤色透過光ビームLr2が集光されフォトディテクタ59へ照射されるときの照射状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
【0108】
フォトディテクタ59は、図9(B)に示すように、フォトディテクタ43と同様、赤色透過光ビームLr2が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域59A、59B、59C及び59Dを有している。因みに矢印a2により示される方向(図中の縦方向)は、赤色透過光ビームLr2が照射されるときの、反射透過膜104(図4(A))におけるトラックの走行方向に対応している。
【0109】
フォトディテクタ59は、検出領域59A、59B、59C及び59Dにより赤色透過光ビームLr2の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号SDA2、SDB2、SDC2及びSDD2をそれぞれ生成して、これらを信号処理部23(図4)へ送出する。
【0110】
信号処理部23は、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされており、次に示す(5)式に従ってフォーカスエラー信号SFE2を算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
【0111】
【数5】

【0112】
このフォーカスエラー信号SFE2は、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとの間における、フォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
【0113】
また信号処理部23は、プッシュプル信号を用いたトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(6)式に従ってトラッキングエラー信号STE2を算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
【0114】
【数6】

【0115】
このトラッキングエラー信号STE2は、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとの間における、トラッキング方向に関するずれ量を表すことになる。
【0116】
さらに信号処理部23は、タンジェンシャル制御に必要なタンジェンシャルエラー信号も生成するようになされている。このタンジェンシャル制御とは、タンジェンシャル方向(すなわちトラックの接線方向)に関する、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれを解消するための制御である。
【0117】
具体的に信号処理部23は、プッシュプル信号を用いたタンジェンシャル制御を行うようになされており、次に示す(7)式に従ってタンジェンシャルエラー信号SNE2を算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
【0118】
【数7】

【0119】
このタンジェンシャルエラー信号SNE2は、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとの間における、タンジェンシャル方向に関するずれ量を表すことになる。
【0120】
これに応じて駆動制御部22は、フォーカスエラー信号SFE2を基にフォーカス駆動信号SFD2を生成し、当該フォーカス駆動信号SFD2を2軸アクチュエータ51Aへ供給することにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれ量を減少させるよう、対物レンズ51をフォーカス制御するようになされている。
【0121】
また駆動制御部22は、トラッキングエラー信号STE2を基にトラッキング駆動信号STD2を生成し、当該トラッキング駆動信号STD2を2軸アクチュエータ51Aへ供給することにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれ量を減少させるよう、対物レンズ51をトラッキング制御するようになされている。
【0122】
さらに駆動制御部22は、タンジェンシャルエラー信号SNE2を基にタンジェンシャル駆動信号SND2を生成し、当該タンジェンシャル駆動信号SND2をガルバノミラー52へ供給することにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点と、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれ量を減少させるよう、ガルバノミラー52における反射面52Aの角度を調整する、タンジェンシャル制御を行うようになされている。
【0123】
このように第2面位置制御光学系50は、光ディスク100の第2面100Bから対物レンズ51へ入射される赤色透過光ビームLr2を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部22は、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frと一致させるよう、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御(以下、これらをまとめて位置制御と呼ぶ)を行うようになされている。
【0124】
(1−3−2)情報光学系の構成
一方、第1面情報光学系60及び第2面情報光学系80は、主に青色光ビームLb1及びLb2を光ディスク100へ照射すると共に、青色再生光ビームLb3及びLb4を検出するようになされている。
【0125】
(1−3−2−1)第1面における青色光ビームの照射
図7と対応する図10において、第1面情報光学系60のレーザダイオード61は、波長約405[nm]の青色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード61は、制御部21(図5)の制御に基づいて発散光でなる青色光ビームLb0を発射し、コリメータレンズ62へ入射させる。コリメータレンズ62は、青色光ビームLb0を発散光から平行光に変換し、1/2波長板63へ入射させる。
【0126】
このとき青色光ビームLb0は、1/2波長板64において偏光方向が所定角度回転されることにより、例えばp偏光成分とs偏光成分との比率がほぼ50%ずつとなるように調整され、アナモプリズム64により強度分布が整形された後、偏光ビームスプリッタ65の面65Aに入射される。
【0127】
偏光ビームスプリッタ65は、反射透過面65Sにおいて、光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過するようになされている。例えば反射透過面65Sは、s偏光の光ビームを反射すると共にp偏光の光ビームを透過するようになされている。
【0128】
実際上、偏光ビームスプリッタ65は、反射透過面65Sにより、青色光ビームLb0のうち約50%でなるs偏光成分を反射して青色光ビームLb1とし、面65Bから1/4波長板66へ入射させると共に、残りの50%でなるp偏光成分を透過して青色光ビームLb2とし、面65Dからシャッタ81へ入射させる。
【0129】
1/4波長板66は、青色光ビームLb1を直線偏光から円偏光に変換して可動ミラー67へ照射し、また当該可動ミラー67により反射され青色光ビームLb1を円偏光から直線偏光に変換し、再度偏光ビームスプリッタ65の面65Bへ入射させる。
【0130】
このとき青色光ビームLb1は、例えば1/4波長板66によりs偏光から左円偏光に変換され、可動ミラー67により反射された際に左円偏光から右円偏光に変換された後、再度1/4波長板66により右円偏光からp偏光に変換される。すなわち青色光ビームLb1は、面65Bから出射されたときと可動ミラー67により反射された後に当該面65Bに入射されるときとで、互いの偏光方向が異なることになる。
【0131】
偏光ビームスプリッタ65は、面65Bから入射された青色光ビームLb1の偏光方向(p偏光)に応じて、反射透過面65Sにより当該青色光ビームLb1をそのまま透過させ、面65Cから偏光ビームスプリッタ68へ入射させるようになされている。
【0132】
この結果、第1面情報光学系60は、偏光ビームスプリッタ65、1/4波長板66及び可動ミラー67により、青色光ビームLb1の光路長を引き延ばすことになる。
【0133】
偏光ビームスプリッタ68の反射透過面68Sは、例えばs偏光の光ビームを反射すると共にp偏光の光ビームを透過するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ68は、反射透過面68Sにおいて青色光ビームLb1をそのまま透過させ、1/4波長板69により直線偏光(p偏光)から円偏光(右円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ70へ入射させる。
【0134】
リレーレンズ70は、可動レンズ71により青色光ビームLb1を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該青色光ビームLb1を固定レンズ72により再度収束光に変換し、ダイクロックプリズム37へ入射させる。
【0135】
ここで可動レンズ71は、アクチュエータ71Aにより青色光ビームLb1の光軸方向に移動されるようになされている。実際上、リレーレンズ70は、制御部21(図5)の制御に基づきアクチュエータ71Aによって可動レンズ71を移動させることにより、固定レンズ72から出射される青色光ビームLb1の収束状態を変化させ得るようになされている。
【0136】
ダイクロックプリズム37は、青色光ビームLb1の波長に応じて、反射透過面37Sにより当該青色光ビームLb1を反射し、これを対物レンズ38へ入射させる。因みに青色光ビームLb1は、反射透過面37Sにおいて反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば右円偏光から左円偏光に変換される。
【0137】
対物レンズ38は、青色光ビームLb1を集光し、光ディスク100の第1面100Aへ照射する。因みに対物レンズ38は、青色光ビームLb1に関しては、リレーレンズ70との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
【0138】
このとき青色光ビームLb1は、図4(A)に示したように、基板102及び反射透過膜104を透過し、記録層101内に合焦する。ここで当該青色光ビームLb1の焦点Fb1の位置は、リレーレンズ70の固定レンズ72から出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち焦点Fb1は、可動レンズ71の位置に応じて記録層101内の第1面100A側又は第2面100B側へ移動することになる。
【0139】
具体的に第1面情報光学系60は、可動レンズ71の移動距離と青色光ビームLb1の焦点Fb1の移動距離とがほぼ比例関係となるように設計されており、例えば可動レンズ71を1[mm]移動させると、青色光ビームLb1の焦点Fb1が30[μm]移動するようになされている。
【0140】
実際上、第1面情報光学系60は、制御部21(図5)により可動レンズ71の位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における青色光ビームLb1の焦点Fb1(図3(B))の深さd1(すなわち反射透過膜104からの距離)を調整するようになされている。
【0141】
青色光ビームLb1は、焦点Fb1に収束した後に発散光となり、記録層101及び基板103を透過し、第2面100Bから出射されて、対物レンズ51へ入射される(詳しくは後述する)。
【0142】
このように第1面情報光学系60は、青色光ビームLb1を光ディスク100の第1面100A側から照射して記録層101内に当該青色光ビームLb1の焦点Fb1を位置させ、さらにリレーレンズ70における可動レンズ71の位置に応じて、当該焦点Fb1の深さd1を調整するようになされている。なお、以下では、第1面情報光学系60内を青色光ビームLb1が辿る光路を青光路1と呼ぶ。
【0143】
(1−3−2−2)第2面における青色光ビームの照射
図7において、第1面情報光学系60の偏光ビームスプリッタ65は、上述したように、反射透過面65Sにおいてp偏光でなる青色光ビームLb0を約50%の割合で透過し、これを青色光ビームLb2として面65Dからシャッタ81へ入射させる。
【0144】
図7と対応する図11において、第2面情報光学系80のシャッタ81は、制御部21(図5)の制御に基づいて青色光ビームLb2を遮断又は透過するようになされており、当該青色光ビームLb2を透過した場合、偏光ビームスプリッタ82へ入射させる。
【0145】
因みにシャッタ81としては、例えば青色光ビームLb2を遮断する遮断板を機械的に動かすことにより青色光ビームLb2を遮断又は透過する機械式シャッタや、液晶パネルに印加する電圧を変化することにより当該青色光ビームLb2を遮断又は透過する液晶シャッタ等を用いることができる。
【0146】
偏光ビームスプリッタ82の反射透過面82Sは、例えばp偏光の光ビームを約100%の割合で透過し、s偏光の光ビームを約100%の割合で反射するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ82は、p偏光でなる青色光ビームLb2をそのまま透過させ、ミラー83により反射させた後、1/4波長板84により直線偏光(p偏光)から円偏光(左円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ53へ入射させる。
【0147】
リレーレンズ53は、リレーレンズ70と同様に構成されており、可動レンズ71、アクチュエータ71A及び固定レンズ72とそれぞれ対応する可動レンズ54、アクチュエータ54A及び固定レンズ55を有している。
【0148】
リレーレンズ53は、可動レンズ54により青色光ビームLb2を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該青色光ビームLb2を固定レンズ55により再度収束光に変換し、光軸可変手段としてのガルバノミラー52へ入射させる。
【0149】
またリレーレンズ53は、リレーレンズ70と同様、制御部21(図5)の制御に基づきアクチュエータ54Aによって可動レンズ54を移動させることにより、固定レンズ55から出射される青色光ビームLb2の収束状態を変化させ得るようになされている。
【0150】
ガルバノミラー52は、青色光ビームLb2を反射し、対物レンズ51へ入射させる。因みに青色光ビームLb2は、反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
【0151】
またガルバノミラー52は、反射面52Aの角度を変化し得るようになされており、制御部21(図5)の制御に従い反射面52Aの角度を調整することにより、青色光ビームLb2の進行方向を調整し得るようになされている。
【0152】
対物レンズ51は、青色光ビームLb2を集光し、光ディスク100の第2面100Bへ照射する。この対物レンズは、対物レンズ38と同様の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb2に関して、リレーレンズ53との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
【0153】
このとき青色光ビームLb2は、図4(A)に示したように、基板103を透過して記録層101内に合焦する。ここで当該青色光ビームLb2の焦点Fb2の位置は、リレーレンズ53の固定レンズ55から出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち当該焦点Fb2は、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同様、可動レンズ54の位置に応じて記録層101内の第1面100A側又は第2面100B側へ移動することになる。
【0154】
具体的に第2面情報光学系80は、第1面情報光学系60と同様、可動レンズ54の移動距離と青色光ビームLb2の焦点Fb2の移動距離とがほぼ比例関係となるように設計されており、例えば可動レンズ54を1[mm]移動させると、青色光ビームLb2の焦点Fb2が30[μm]移動するようになされている。
【0155】
実際上、第2面情報光学系80は、制御部21(図5)によってリレーレンズ70における可動レンズ54の位置と共にリレーレンズ53における可動レンズ54の位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における青色光ビームLb2の焦点Fb2(図4(A))の深さd2を調整するようになされている。
【0156】
このとき光ディスク装置20では、上述した第2面位置制御光学系50(図8)の位置制御により、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点が赤色光ビームLr1の焦点Fr、すなわち目標トラックを追従するようになされている。
【0157】
このとき対物レンズ51から照射される青色光ビームLb2の光軸Lxは、対物レンズ38から照射される赤色光ビームLr1及び青色光ビームLb1の光軸Lxと一致することになる。
【0158】
すなわち第2面情報光学系80は、青色光ビームLb2の焦点Fb2が記録層101内における目標トラックと対応する位置(すなわち裏側)に合焦するよう、当該青色光ビームLb2を照射することができる。
【0159】
ここで第2面情報光学系80は、リレーレンズ53の可動レンズ54がリレーレンズ70の可動レンズ71と相補的に位置制御されていた場合、青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に合わせることができる。
【0160】
なお青色光ビームLb2は、焦点Fb2において合焦した後、発散しながら記録層101、反射透過膜104及び基板102を透過し、第1面100Aから出射されて、対物レンズ38へ入射されるようになされている。
【0161】
このように第2面情報光学系80は、青色光ビームLb2を光ディスク100の第2面100B側から照射して記録層101内に当該青色光ビームLb2の焦点Fb2を位置させ、さらにリレーレンズ53における可動レンズ54の位置に応じて、当該焦点Fb2の深さd2を調整するようになされている。なお、以下では、第2面情報光学系80内を青色光ビームLb2が辿る光路を青光路2と呼ぶ。
【0162】
(1−3−2−3)第1面における青色光ビームの受光
ところで光ディスク100は、第2面情報光学系80の対物レンズ51から第2面100Bへ照射される青色光ビームLb2を透過し、第1面100Aから発散光として出射するようになされている(詳しくは後述する)。因みに青色光ビームLb2は、円偏光(例えば右円偏光)となる。
【0163】
このとき第1面情報光学系60では、図11に示すように、青色光ビームLb2が対物レンズ38によりある程度収束された後、ダイクロックプリズム37により反射され、リレーレンズ70へ入射される。因みに青色光ビームLb2は、反射透過面37Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば右円偏光から左円偏光に変換される。
【0164】
続いて青色光ビームLb2は、リレーレンズ70の固定レンズ72及び可動レンズ71によって平行光に変換され、さらに1/4波長板69により円偏光(左円偏光)から直線偏光(p偏光)に変換された上で、偏光ビームスプリッタ68へ入射される。
【0165】
偏光ビームスプリッタ68は、青色光ビームLb2の偏光方向に応じて反射透過面68Sにより当該青色光ビームLb2を反射し、集光レンズ73へ入射させる。集光レンズ73は、青色光ビームLb2を集光し、ピンホール板74を介してフォトディテクタ75へ照射させる。
【0166】
ここで図12(A)に示すように、ピンホール板74は、孔部74Hが集光レンズ73(図10)により集光される青色再生光ビームLb3の焦点から離隔されるよう配置されているため、当該青色光ビームLb2をほぼ遮断することになる。この結果、フォトディテクタ75は、青色光ビームLb2の光量を殆ど検出することがない。
【0167】
一方、光ディスク100は、記録層101に第1記録マークRM1が記録されていた場合、上述したように、青色光ビームLb1の焦点Fb1が当該第1記録マークRM1に合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該第1記録マークRM1から青色再生光ビームLb3を発生することになる。
【0168】
この青色再生光ビームLb3は、ホログラムの原理上、当該第1記録マークRM1が記録された際に青色光ビームLb1の他に照射されていた光ビーム、すなわち青色光ビームLb2を再現したものとなる。従って青色再生光ビームLb3は、第1面情報光学系60内において青色光ビームLb2と同様の光路を経ることにより、最終的にフォトディテクタ75へ照射される。
【0169】
この場合、図12(A)に示したように、ピンホール板74は、集光レンズ73(図10)により集光される青色再生光ビームLb3の焦点を孔部74H内に位置させるよう配置されているため、当該青色再生光ビームLb3をそのまま通過させることになる。
【0170】
この結果、フォトディテクタ75は、青色光ビームLb2の影響を受けることなく、青色再生光ビームLb3の光量に応じた検出信号SD3を生成し、これを信号処理部23(図5)へ供給するようになされている。
【0171】
この場合、再生検出信号SD3は、光ディスク100に記録マークRMとして記録されている情報を表すものとなる。このため信号処理部23は、再生検出信号SD3に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給するようになされている。
【0172】
このように第1面情報光学系60は、光ディスク100の第1面100Aから対物レンズ38へ入射される青色再生光ビームLb3を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。なお、以下では、第1面情報光学系60内を青色再生光ビームLb3が辿る光路を青光路3と呼ぶ。
【0173】
(1−3−2−4)第2面における青色光ビームの受光
ところで第1面情報光学系60(図10)の対物レンズ38から照射された青色光ビームLb1は、上述したように、光ディスク100の記録層101内において一度収束した後、発散光となり対物レンズ51へ入射される。
【0174】
このとき第2面情報光学系80では、青色光ビームLb1が対物レンズ51によりある程度収束された後、ガルバノミラー52により反射されて、リレーレンズ53へ入射される。因みに青色光ビームLb1は、反射面78Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
【0175】
続いて青色光ビームLb1は、リレーレンズ53の固定レンズ55を介してダイクロックプリズム56の面56Aに入射される。ここでダイクロックプリズム56は、反射透過面56Sの波長選択性により、青色光ビームLb1を透過し、面54Cから出射させて可動レンズ54へ入射させる。
【0176】
その後青色光ビームLb1は、可動レンズ54によって平行光に変換され、さらに1/4波長板84により円偏光(右円偏光)から直線偏光(s偏光)に変換された後、ミラー83により反射されてから、偏光ビームスプリッタ82へ入射される。
【0177】
偏光ビームスプリッタ82は、青色光ビームLb1の偏光方向に応じて当該青色光ビームLb1を反射し、集光レンズ85へ入射させる。集光レンズ85は、青色光ビームLb1を収束させ、ピンホール板86を介してフォトディテクタ87へ照射する。
【0178】
ここで図12(B)に示すように、ピンホール板86は、孔部86Hが集光レンズ85(図11)により集光される再生光ビームLb1の焦点から離隔されるよう配置されているため、当該青色光ビームLb1をほぼ遮断することになる。この結果、フォトディテクタ87は、青色光ビームLb1の光量を殆ど検出することがない。
【0179】
一方、光ディスク100は、記録層101に第2記録マークRM2が記録されていた場合、上述したように、青色光ビームLb2の焦点Fb2が当該第2記録マークRM2に合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該第2記録マークRM2から青色再生光ビームLb4を発生することになる。
【0180】
この青色再生光ビームLb4は、ホログラムの原理上、当該第2記録マークRM2が記録された際に青色光ビームLb2の他に照射されていた光ビーム、すなわち青色光ビームLb1を再現したものとなる。従って青色再生光ビームLb4は、第2面情報光学系80内において青色光ビームLb1と同様の光路を経ることにより、最終的にフォトディテクタ87へ照射される。
【0181】
この場合、図12(B)に示したように、ピンホール板86は、集光レンズ85(図11)により集光される青色再生光ビームLb4の焦点を孔部86H内に位置させるよう配置されているため、当該青色再生光ビームLb4をそのまま通過させることになる。
【0182】
この結果、フォトディテクタ87は、フォトディテクタ75の場合と同様、青色光ビームLb1の影響を受けることなく、青色再生光ビームLb4の光量に応じた検出信号SD4を生成し、これを信号処理部23(図5)へ供給するようになされている。
【0183】
この場合、再生検出信号SD4は、光ディスク100に記録マークRMとして記録されている情報を表すものとなる。このため信号処理部23は、再生検出信号SD4に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給するようになされている。
【0184】
このように第2面情報光学系80は、光ディスク100の第2面100Bから対物レンズ51へ入射される青色再生光ビームLb4を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。なお、以下では、第2面情報光学系80内を青色再生光ビームLb2が辿る光路を青光路4と呼ぶ。
【0185】
(1−3−3)光路長の調整
ところで光ディスク装置20の光ピックアップ26は、情報を記録する際、上述したように、偏光ビームスプリッタ65(図9)により、青色光ビームLb0から青色光ビームLb1及びLb2を分離し、光ディスク100の記録層101内で当該青色光ビームLb1及びLb2を互いに干渉させることにより、当該記録層101内の目標マーク位置に記録マークRMを記録させるようになされている。
【0186】
この青色光ビームLb0を出射するレーザダイオード61は、一般的なホログラムの形成条件に従い、光ディスク100の記録層101にホログラムとしての記録マークRMが正しく記録されるために、当該青色光ビームLb0のコヒーレント長をホログラムサイズ(すなわち記録マークRMの高さRMh)以上とする必要がある。
【0187】
実際上レーザダイオード61では、一般的なレーザダイオードと同様、このコヒーレント長が、当該レーザダイオード61内に設けられた共振器(図示せず)の長さに当該共振器の屈折率を乗じた値にほぼ相当するため、およそ100[μm]から1[mm]程度であると考えられる。
【0188】
一方、光ピックアップ26では、青色光ビームLb1が第1面情報光学系60(図10)内の光路を通り、光ディスク100の第1面100A側から照射されると共に、青色光ビームLb2が第2面情報光学系80(図11)内の光路を通り、光ディスク100の第2面100B側から照射される。すなわち光ピックアップ26では、青色光ビームLb1及びLb2の光路が互いに異なっているため、その光路長(すなわちレーザダイオード61から目標マーク位置までの光路の長さ)に差が生じることになる。
【0189】
さらに光ピックアップ26では、上述したように、リレーレンズ70及び53における可動レンズ71及び54の位置を調整することにより、光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置の深さ(目標深さ)を変更するようになされている。このとき光ピックアップ26は、目標マーク位置の深さを変更することにより、結果的に青色光ビームLb1及びLb2の光路長をそれぞれ変化させることになる。
【0190】
しかしながら、光ピックアップ26において干渉パターンが形成されるには、一般的なホログラムの形成条件により、当該青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差がコヒーレント長(すなわちおよそ100[μm]から1[mm])以下となる必要がある。
【0191】
そこで制御部21(図5)は、可動ミラー67の位置を制御することにより、青色光ビームLb1の光路長を調整するようになされている。この場合、制御部21は、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置と第1目標マーク位置の深さとの関係を利用し、当該可動レンズ71の位置に応じて可動ミラー67を移動させることにより、当該青色光ビームLb1の光路長を変化させるようになされている。
【0192】
この結果、光ピックアップ26では、青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑えることができ、記録層101内の第1目標マーク位置PS1に良好なホログラムでなる第1記録マークRM1を記録することができる。
【0193】
このように光ディスク装置20の制御部21は、可動ミラー67の位置を制御することにより、光ピックアップ26内の青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑え、この結果として光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置に良好な記録マークRMを記録し得るようになされている。
【0194】
(1−4)情報の記録及び再生
(1−4−1)光ディスクに対する情報の記録
光ディスク100に情報を記録する場合、光ディスク装置20の制御部21(図5)は、上述したように、外部機器(図示せず)等から情報記録命令、記録情報及び記録アドレス情報を受け付けると、駆動命令及び記録アドレス情報を駆動制御部22へ供給すると共に、記録情報を信号処理部23へ供給する。
【0195】
このとき駆動制御部22は、光ピックアップ26の第1面位置制御光学系30(図8)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の第1面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr3の検出結果を基に、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行うことにより、赤色光ビームLr1の焦点Frを記録アドレス情報に対応した目標トラックに追従させる。
【0196】
このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、位置制御された対物レンズ38によって集光されることにより、目標トラックの裏側に位置することになる。
【0197】
さらに制御部21は、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置を調整することにより、当該焦点Fb1(図4(A))の深さd1を目標深さに調整する。この結果、青色光ビームLb1の焦点Fb1は、第1目標マーク位置PS1に合わされる。
【0198】
一方、制御部21は、第2面情報光学系80(図11)のシャッタ81を制御して青色光ビームLb2を透過させ、当該青色光ビームLb2を光ディスク100の第2面100B側から照射させる。
【0199】
また制御部21は、第2面位置制御光学系50(図8)により光ディスク100の第1面100A側から出射される赤色透過光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御を行うことにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frと一致させる。
【0200】
このとき青色光ビームLb2の焦点Fb2は、位置制御された対物レンズ51によって集光されることにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同様、目標トラックの裏側に位置することになる。
【0201】
また制御部21は、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置に合わせてリレーレンズ53における可動レンズ54の位置を調整することにより、青色光ビームLb2(図4(A))の深さd2を調整する。この結果、青色光ビームLb2の焦点Fb2は、第2目標マーク位置PS2に合わされる。
【0202】
ここで制御部21は、リレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54の位置を互いに相補的な位置に調整することにより、青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1における焦点Fb1に合わせる。
【0203】
そのうえ制御部21は、リレーレンズ70における可動レンズ54の位置に応じて可動ミラー67の位置を調整し、青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑える。
【0204】
かくして光ディスク装置20の制御部21は、光ディスク100の記録層101内の第1目標マーク位置PS1に対して、青色光ビームLb1及びLb2の干渉による第1記録マークRM1を良好に形成させることができる。
【0205】
ここで信号処理部23(図4)は、外部機器(図示せず)等から供給される記録情報を基に、例えば値「0」又は「1」のバイナリデータを表す記録信号を生成する。これに応じてレーザダイオード61は、例えば記録信号が値「1」である時に青色光ビームLb0を出射し、記録信号が値「0」である時に青色光ビームLb0を出射しないようになされている。
【0206】
これにより光ディスク装置20では、記録信号が値「1」のときには光ディスク100の記録層101内の第1目標マーク位置PS1に第1記録マークRM1を形成し、当該記録信号が値「0」のときには当該第1目標マーク位置PS1に当該第1記録マークRMRM1を形成しないことになるため、当該第1記録マークRM1の有無により当該第1目標マーク位置PS1に記録信号の値「1」又は「0」を記録することができ、結果的に記録情報を光ディスク100の記録層101に記録することができる。
【0207】
(1−4−2)光ディスクからの情報の再生
光ディスク100から情報を再生する場合、光ディスク装置20の制御部21(図5)は、情報の記録時と同様に、光ピックアップ26の第1面位置制御光学系30(図8)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の第1面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr3の検出結果を基に、駆動制御部22により対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行わせる。
【0208】
また制御部21は、第2面位置制御光学系50(図8)により光ディスク100の第1面100A側から出射される赤色透過光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御を行うことにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Fr1と一致させる。
【0209】
さらに制御部21は、第1面情報光学系60(図10)により青色光ビームLb1を光ディスク100の第1面100A側から照射させる。このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、位置制御された対物レンズ38によって集光されることにより、目標トラックの裏側に位置することになる。
【0210】
さらに制御部21は、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置を調整することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1を第1目標マーク位置PS1に合わせる。
【0211】
因みに制御部21は、再生時におけるレーザダイオード61の出射パワーを抑えることにより、青色光ビームLb1による記録マークRMの誤消去を防止するようになされている。
【0212】
そのうえ制御部21は、第2面情報光学系80(図10)により青色光ビームLb2を光ディスク100の第2面100B側から照射させる。このとき青色光ビームLb2の焦点Fb2は、位置制御された対物レンズ51によって集光されることにより、目標トラックの裏側に位置することになる。
【0213】
さらに制御部21は、リレーレンズ53における可動レンズ54の位置をリレーレンズ70における可動レンズ71の位置と独立に調整することにより、青色光ビームLb2の焦点Fb2を第1目標マーク位置PS1と異なる第2目標マーク位置PS2に合わせる。
【0214】
すなわち光ピックアップ26は、光ディスク100の記録層101内における第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2に対して、いわゆる参照光としての青色光ビームLb1及びLb2を両面から照射する。これに応じて、第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2に第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2がそれぞれ記録されていた場合、ホログラムとしての作用により、青色再生光ビームLb3及びLb4を第1面100A側及び第2面100B側へそれぞれ発生させる。
【0215】
このとき光ディスク装置20は、第1面情報光学系60及び第2面情報光学系80によって青色再生光ビームLb3及び青色再生光ビームLb4の光量をそれぞれ検出することにより、検出信号SD3及びSD4をそれぞれ生成する。
【0216】
一方光ディスク装置20は、第1目標マーク位置PS1に第1記録マークRM1が記録されていなかった場合、当該第1目標マーク位置PS1からは青色再生光ビームLb3が発生しないため、第1面情報光学系60により、当該青色再生光ビームLb3を受光しなかったことを示す検出信号SD3を生成することになる。
【0217】
同様に光ディスク装置20は、第2目標マーク位置PS2に第2記録マークRM2が記録されていなかった場合、当該第2目標マーク位置PS2からは青色再生光ビームLb4が発生しないため、第2面情報光学系80により、当該青色再生光ビームLb4を受光しなかったことを示す検出信号SD4を生成することになる。
【0218】
その後信号処理部23は、検出信号SD3及びSD4に対してそれぞれ上述した復調処理や復号化処理等の各種信号処理を施すことによりそれぞれ再生情報を生成し、これら再生情報を制御部21へ供給する。
【0219】
制御部21は、所定の情報統合処理によって複数の再生情報を一つの再生情報に統合した上で外部機器(図示せず)へ送出するようになされている。この結果、光ディスク装置20は、青色再生光ビームLb3及びLb4によりそれぞれ通常の再生速度で再生するだけで、見かけ上、2倍の再生速度を得ることができる。
【0220】
なお光ディスク装置20は、例えば液晶パネル81を制御して青色光ビームLb2を遮断することにより、敢えて青色光ビームLb1および青色再生光ビームLb3により得られる1系統の再生情報のみを基に情報を再生するようにしても良い。
【0221】
(1−5)動作及び効果
以上の構成において第1の実施の形態による光ディスク装置20の制御部21は、光ディスク100に情報を記録する際及び当該光ディスク100から情報を再生する際、光ピックアップ26の第1面位置制御光学系30(図8)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の第1面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr3の検出結果を基に、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行うことにより、赤色光ビームLr1の焦点Frを記録アドレス情報に対応した目標トラックに追従させる。
【0222】
また制御部21は、第2面位置制御光学系50(図8)により、光ディスク100の第1面100A側から出射される赤色透過光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御を行うことにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frと一致させる。
【0223】
さらに制御部21は、光ディスク100に対して情報を記録する際、2本の青色光ビームLb1(図10)及びLb2(図11)を用い、リレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54の位置を相補的に制御し、当該青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をいずれも第1目標マーク位置PS1に合わせることにより(図4(A))、光ディスク100の記録層101内に第1記録マークRM1を形成する。
【0224】
一方、制御部21は、光ディスク100から情報を再生する際、リレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54の位置を互いに独立して制御し、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を互いに異なる第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合わせることにより(図4(B))、光ディスク100の記録層101内において深さd1及びd2に位置する第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2からそれぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4を発生させる。
【0225】
このとき制御部21は、フォトディテクタ75及び87によりそれぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4の光量を検出し、所定の信号処理を施して得られた2系統の再生信号を統合することにより、2倍の再生速度でなる一つの再生信号を生成する。
【0226】
従って光ディスク装置20の制御部21は、情報の記録時には、ホログラムを利用した情報記録の原理的な制約により同時に一つの記録マークRMしか記録し得ないものの、情報の再生時には、同時に2つの記録マーク、すなわち第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2からそれぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4を発生させて2系統の再生信号を並行して得ることができ、これらを統合して2倍速の再生信号を得ることができる。
【0227】
このとき制御部21は、情報の記録時に互いに相補的となるよう位置制御するリレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54を、情報の再生時にそれぞれ互いに独立して位置制御するだけで、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をそれぞれ所望の第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2に合焦させることができるため、当該焦点Fb1及びFb2を互いに独立して調整するための光学部品等を追加せずに済む。
【0228】
これにより光ディスク装置20は、光ディスク100の物理的な強度や高速回転時における面ブレ等により、光ディスク100の回転速度に上限があり情報の再生速度の上限が必然的に定められてしまうような場合であっても、2系統の情報を同時に読み出し統合することにより、見かけ上の再生速度を約2倍に向上させることができる。
【0229】
本来、光ディスク装置20は、光ディスク100に対して記録マークRMを記録する際、原理的に2系統の青色光ビームLb1及びLb2が必要となるため、予め青光路1及び青光路2のように2系統の光学系を有している。このため光ディスク装置20は、2系統同時再生を行うために、改めて光学系を増設する必要が無く、一方の光学系のみを用いて情報を再生する場合に使用していなかった他方の光学系を有効活用することができる。
【0230】
因みに光ディスク装置20の制御部21は、例えば情報の記録時に、記録すべき情報を2系統に分解しておき、同一の目標トラックにおける異なる深さとなる目標マーク位置に、分解後の互いに対応する情報をそれぞれ記録しておくことにより、再生時に得られる2系統の情報を統合して元の情報を得ることができる。
【0231】
さらに光ディスク100は、トラックが形成されている反射透過膜104が波長選択性を有するため、赤色光ビームLr1を約半分の割合で反射すると共に約半分の割合で透過させることができ、さらに青色光ビームLb1及びLb2並びに青色再生光ビームLb3及びLb4を高い透過率で透過させることができる。
【0232】
これに応じて光ディスク装置20は、第1面位置制御光学系30及び第2面位置制御光学系50(図8)により赤色反射光ビームLr3及び赤色透過光ビームLr2をそれぞれ受光することができ、赤色光ビームLr1の焦点Fr及び対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点をいずれも目標トラックに追従させるよう、対物レンズ38及び51を位置制御することができる。
【0233】
ところで、本願発明と同一発明者及び同一出願人による特許出願(特願2006−249804)のように、光ディスク100を透過した後の青色光ビームLb1を受光して対物レンズ51の位置制御を行う場合、例えば記録すべき符号が値「0」であり記録マークRMを形成しないときには青色光ビームLb1が照射されないために、一時的に対物レンズ51の位置制御を行い得なくなってしまう。特に値「0」が暫く連続するような場合には、対物レンズ51の位置制御を長期間行い得ないために、当該対物レンズ51が理想的な位置から大きく外れてしまう可能性もあった。
【0234】
これに対して本願発明の光ディスク装置20は、所定光量で照射される位置制御専用の赤色光ビームLr1に基づく赤色透過光ビームLr2を用いて対物レンズ51の位置制御を行うため、記録する符号等の影響を受けることなく、常時安定的な位置制御を行うことができる。
【0235】
以上の構成によれば、第1の実施の形態による光ディスク装置20の制御部21は、光ディスク100に対して情報を記録する際、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をいずれも第1目標マーク位置PS1に合わせ干渉させることにより第1記録マークRM1を形成する一方、光ディスク100から情報を再生する際、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を互いに異なる第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合わせることにより、光ディスク100の記録層101内の互いに異なる位置にある第1の記録マークRM1及び第2の記録マークRM2からそれぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4を発生させて2系統の再生信号を得ることができ、これらを統合することにより2倍の再生速度でなる一つの再生信号を生成することができる。
【0236】
(2)第2の実施の形態
(2−1)光ディスクの構成
第2の実施の形態では、第1の実施の形態における光ディスク100(図3及び図4)をそのまま用いるものの、記録マークRMの記録方式が第1の実施の形態と異なっている。
【0237】
すなわち第2の実施の形態では、事前のフォーマット処理として、第1面100A側及び第2面100B側の双方から波長405[nm]でなる青色光ビームLb1及びLb2が全体的に照射されることにより、図13(A)に模式的に示すように、記録層101内には、ほぼ全体に渡って一様にホログラムが形成されるようになされている。
【0238】
この記録層101に対して、所定の強度でなる青色光ビームLb1を集光して照射した場合、図13(B)に模式的に示すように、当該青色光ビームLb1の焦点Fb1近傍におけるホログラムが破壊され、ホログラムが破壊された部分でなる記録マークRMが形成される。
【0239】
この結果、図13(C)に模式的に示すように、記録媒体101のうち記録マークRMが形成されていない箇所に対して、フォーマット時と同波長の青色光ビームLb1が照射された場合、ホログラムとしての性質により、当該青色光ビームLb1の照射箇所から再生光ビームLb3が発生する。
【0240】
一方、記録マークRMが記録された箇所は、ホログラムが破壊されていることから、青色光ビームLb1が照射されても、ホログラムとしての性質を呈さないこととなり、青色再生光ビームLb3は発生しない。
【0241】
そこで、例えば情報を2進数表示したときの値「0」及び「1」を、それぞれ「記録マークRMなし(すなわちホログラム未破壊)」及び「記録マークRMあり(すなわちホログラム破壊済み)」に割り当てることにより、記録媒体Mに対して情報を記録し、また再生することが可能となる。因みにこの場合、第1の実施の形態と比較して、ホログラムの有無、すなわち青色再生光ビームの有無に対して、値「0」又は「1」が反対に対応付けられている。
【0242】
このようにホログラムを利用した情報の記録及び再生では、予めフォーマットされることにより全体的にホログラムが形成された上で、情報の記録及び再生のいずれにおいても、青色光ビームLb1のように1本の光ビームが用いられるようになされている。
【0243】
(2−2)光ディスク装置の構成
次に、本実施の形態における光ディスク装置120について説明する。光ディスク装置120は、図6に示した第1の実施の形態における光ディスク装置20と比較して、制御部21に代えて制御部121を有し、光ピックアップ26に代えて光ピックアップ126を有している点が異なるものの、他はほぼ同様に構成されている。
【0244】
制御部121は、制御部21と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMから基本プログラムや情報記録プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAMに展開することにより、情報記録処理等の各種処理を実行するようになされている。
【0245】
また光ディスク装置120は、第1の実施の形態における光ディスク装置20と同様、制御部121によって光ピックアップ126を制御することにより、光ディスク200の記録層101における目標トラックに対応する位置に情報を記録し、また当該目標トラックに対応する位置から情報を再生するようになされている。
【0246】
(2−3)光ピックアップの構成
次に、光ピックアップ126の構成について説明する。光ピックアップ126は、図7との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、光ピックアップ26におけるレーザダイオード61と同等のレーザダイオード181が追加されている点が大きく異なっている。
【0247】
すなわち光ピックアップ126は、光ピックアップ26(図7)と比較して、第1面位置制御光学系30及び第2面位置制御光学系50については同様であるものの、第1面情報光学系60及び第2面情報光学系80に代えて、第1面情報光学系160及び第2面情報光学系180を有している。
【0248】
(2−3−1)第1面における青色光ビームの照射
第1の実施の形態と同様、第1面情報光学系60のレーザダイオード61は、波長約405[nm]の青色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード61は、図14と対応する図15に示すように、制御部21(図5)の制御に基づいて発散光でなる青色光ビームLb1を発射し、コリメータレンズ62へ入射させる。
【0249】
青色光ビームLb1は、コリメータレンズ62により発散光から平行光に変換され、1/2波長板63により偏光方向が所定角度回転されて例えばs偏光とされた後、アナモプリズム64により強度分布が整形された上で、偏光ビームスプリッタ68の面68Cに入射される。
【0250】
偏光ビームスプリッタ68は、反射透過面68Sにおいて、光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過するようになされている。例えば反射透過面68Sは、s偏光の光ビームを反射すると共にp偏光の光ビームを透過するようになされている。
【0251】
実際上、偏光ビームスプリッタ68は、反射透過面68Sによりs偏光でなる青色光ビームLb1を反射し、1/4波長板69へ入射させる。1/4波長板69は、青色光ビームLb1を直線偏光(s偏光)から円偏光(右円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ70へ入射させる。
【0252】
その後青色光ビームLb1は、第1の実施の形態と同様の光路を経て対物レンズ38から光ディスク100の第1面100Aへ照射される。
【0253】
(2−3−2)第2面における青色光ビームの照射
第2面情報光学系180は、レーザダイオード61、コリメータレンズ62、1/2波長板63、アナモプリズム64及び偏光ビームスプリッタ68とそれぞれ対応するレーザダイオード181、コリメータレンズ182、1/2波長板183、アナモプリズム184及び偏光ビームスプリッタ185を有している。
【0254】
図14と対応する図16に示すように、レーザダイオード181は、青色光ビームLb2を出射し、コリメータレンズ182、1/2波長板183及びアナモプリズム184を順次介して偏光ビームスプリッタ185へ入射させる。このとき青色光ビームLb2は、1/2波長板183により、例えばp偏光とされる。
【0255】
偏光ビームスプリッタ185は、反射透過面185Sにおいて、第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタ82の反射透過面82Sと同様に、光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過するようになされている。例えば反射透過面185Sは、s偏光の光ビームを反射すると共にp偏光の光ビームを透過するようになされている。
【0256】
実際上、偏光ビームスプリッタ185は、反射透過面185Sによりp偏光でなる青色光ビームLb2を透過し、1/4波長板84へ入射させる。1/4波長板84は、青色光ビームLb2を直線偏光(p偏光)から円偏光(左円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ53へ入射させる。
【0257】
その後青色光ビームLb2は、第1の実施の形態と同様の光路を経て対物レンズ51から光ディスク100の第2面100Bへ照射される。因みに青色光ビームLb2は、第1の実施の形態と同様、円偏光(例えば右円偏光)となる。
【0258】
(2−3−3)第1面における青色光ビームの受光
光ディスク100は、記録層101に第1記録マークRM1が記録されておらずホログラムが残されている場合、上述したように、青色光ビームLb1の焦点Fb1が第1目標マーク位置PS1に合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該第1目標マーク位置PS1から青色再生光ビームLb3を発生することになる。
【0259】
この青色再生光ビームLb3は、最終的にフォトディテクタ75へ照射される。フォトディテクタ75は、青色再生光ビームLb3の光量に応じた検出信号SD3を生成し、信号処理部23(図5)へ供給する。信号処理部23は、再生検出信号SD3に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給するようになされている。
【0260】
(2−3−4)第2面における青色光ビームの受光
一方、光ディスク100は、記録層101に第2記録マークRM2が記録されておらずホログラムが残されている場合、上述したように、青色光ビームLb2の焦点Fb2が第2目標マーク位置PS2に合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該第2目標マーク位置PS2から青色再生光ビームLb4を発生することになる。
【0261】
この青色再生光ビームLb4は、最終的にフォトディテクタ87へ照射される。フォトディテクタ87は、青色再生光ビームLb4の光量に応じた検出信号SD4を生成し、信号処理部23(図5)へ供給する。信号処理部23は、再生検出信号SD4に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給するようになされている。
【0262】
(2−4)情報の記録及び再生
(2−4−1)光ディスクに対する情報の記録
光ディスク100に情報を記録する場合、光ディスク装置120の制御部121(図5)は、上述したように、外部機器(図示せず)等から情報記録命令、記録情報及び記録アドレス情報を受け付けると、駆動命令及び記録アドレス情報を駆動制御部22へ供給すると共に、記録情報を信号処理部23へ供給する。
【0263】
このとき駆動制御部22は、第1の実施の形態と同様、光ピックアップ126の第1面位置制御光学系30(図8)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の第1面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr3の検出結果を基に、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行うことにより、赤色光ビームLr1の焦点Frを記録アドレス情報に対応した目標トラックに追従させる。
【0264】
このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、位置制御された対物レンズ38によって集光されることにより、目標トラックの裏側に位置することになる。
【0265】
さらに制御部121は、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置を調整することにより、当該焦点Fb1(図4(A))の深さd1を目標深さに調整する。この結果、青色光ビームLb1の焦点Fb1は、第1目標マーク位置PS1に合わされる。
【0266】
また制御部121は、第2面位置制御光学系50(図8)により光ディスク100の第1面100A側から出射される赤色透過光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御を行うことにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frと一致させる。
【0267】
このとき青色光ビームLb2の焦点Fb2は、位置制御された対物レンズ51によって集光されることにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同様、目標トラックの裏側に位置することになる。
【0268】
また制御部121は、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置と独立してリレーレンズ53における可動レンズ54の位置を調整することにより、青色光ビームLb2(図4(A))の深さd2を調整する。この結果、青色光ビームLb2の焦点Fb2は、第2目標マーク位置PS2に合わされる。
【0269】
この第2の実施の形態では、制御部121は、情報の記録時においてもリレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54の位置を互いに独立して調整するようになされている。
【0270】
この結果、光ディスク装置120の制御部121は、光ディスク100の記録層101内において、青色光ビームLb1により第1目標マーク位置PS1に第1記録マークRM1を形成させることができると共に、これと並行して青色光ビームLb2により第2目標マーク位置PS2に第2記録マークRM2を形成させることができる。
【0271】
ところで信号処理部23は、所定のデータ分割処理により記録情報を第1分割記録情報及び第2分割記録情報に分割し、各分割記録情報を構成するバイナリデータ(すなわち値「0」又は「1」)に対応する記録信号をそれぞれ生成して、レーザダイオード61及び181へそれぞれ供給するようになされている。
【0272】
すなわちレーザダイオード61は、第1分割記録情報が値「0」である時には青色光ビームLb1を出射せず、第1分割記録情報が値「1」である時には青色光ビームLb1を出射する。同様にレーザダイオード181は、第2分割記録情報が値「0」である時には青色光ビームLb2を出射せず、第2分割記録情報が値「1」である時には青色光ビームLb2を出射する。
【0273】
これにより光ディスク装置120は、光ディスク100の記録層101内における第1目標マーク位置PS1に対し、第1分割記録情報が値「0」である時には何ら記録せずホログラムを残し、第1分割記録情報が値「1」のときには第1記録マークRM1を記録することができ、これと並行して、第2目標マーク位置PS2に対し、第2分割記録情報が値「0」である時には何ら記録せずホログラムを残し、第2分割記録情報が値「1」のときには第2記録マークRM2を記録することができる。
【0274】
因みに制御部121は、例えば光ディスク100のTOC(Table of Contents)等に、情報を2つの記録マーク層に分割して記録していること(以下、これを分割記録と呼ぶ)及びマーク記録層の対応に関する情報等を管理情報として記録しておくようになされている。
【0275】
このように光ディスク装置120は、光ディスク100の記録層101内において目標トラックに対応する2箇所の位置、すなわち第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2に対し、記録情報を分割した2系統の分割記録情報として、互いに独立した第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2を同時に記録し得るようになされている。
【0276】
(2−4−2)光ディスクからの情報の再生
光ディスク装置120の制御部121(図5)は、光ディスク100から情報を再生する場合、情報の記録時と同様に、第1面位置制御光学系30(図14)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の第1面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr3の検出結果を基に、駆動制御部22により対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行わせる。
【0277】
また制御部121は、第2面位置制御光学系50(図14)により光ディスク100の第1面100A側から出射される赤色透過光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御を行うことにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Fr1と一致させる。
【0278】
ここで第1面情報光学系160及び第2面情報光学系180(図15及び図16)は、第1の実施の形態における情報光学系60と同様、リレーレンズ70における可動レンズ71の位置を調整することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1を第1目標マーク位置PS1に合わせ、同時にリレーレンズ53における可動レンズ54の位置をリレーレンズ70における可動レンズ71の位置と独立に調整して青色光ビームL21の焦点Fb2を第2目標マーク位置PS2に合わせることにより、当該第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2から、第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2の有無に応じて、それぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4を同時に発生させる。
【0279】
また第1面情報光学系160及び第2面情報光学系180は、フォトディテクタ75及び87により青色再生光ビームLb3及びLb4の光量をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号SD3及びSD4をそれぞれ生成し、これらを信号処理部23(図6)へ供給する。
【0280】
このように光ピックアップ126は、いわゆる参照光としての青色光ビームLb1及びLb2を、光ディスク100の記録層101内における第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合焦させることにより、第1記録マークRM1又は第2記録マークRM2が記録されていない場合に青色再生光ビームLb3及びLb4をそれぞれ発生させ、フォトディテクタ75及び87によりそれぞれの光量を検出し、検出信号SD3及びSD4を生成し得るようになされている。
【0281】
これにより光ディスク装置120では、光ディスク100の記録層101内の第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2に第1記録マークRM1又は第2記録マークRM2が記録されているか否かに応じて、それぞれ情報として値「1」又は「0」のいずれが記録されているかを独立して認識することができる。
【0282】
また制御部121は、光ディスク100に情報の分割記録が行われていた場合、第1の実施の形態と同様、所定の情報統合処理によって2種類の再生情報を一つの再生情報に統合した上で外部機器(図示せず)へ送出するようになされている。この結果、光ディスク装置120は、第1の実施の形態と同様、青色再生光ビームLb3及びLb4によりそれぞれ通常の再生速度で再生するだけで、見かけ上、2倍の再生速度を得ることができる。
【0283】
なお光ディスク装置120は、例えば制御部121の制御により、レーザダイオード71から青色光ビームLb2を出射させないことにより、敢えて青色光ビームLb1および青色再生光ビームLb3により得られる1系統の再生情報のみを基に情報を再生するようにしても良い。
【0284】
(2−5)動作及び効果
以上の構成において、第2の実施の形態による光ディスク装置120の制御部121は、光ディスク100に情報を記録する際及び当該光ディスク100から情報を再生する際、光ピックアップ126の第1面位置制御光学系30(図14)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の第1面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr3の検出結果を基に、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行うことにより、赤色光ビームLr1の焦点Frを記録アドレス情報に対応した目標トラックに追従させる。
【0285】
また制御部121は、第2面位置制御光学系50(図14)により、光ディスク100の第1面100A側から出射される赤色透過光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ51のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー52によるタンジェンシャル制御を行うことにより、対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点を、反射透過膜104における赤色光ビームLr1の焦点Frと一致させる。
【0286】
さらに制御部121は、光ディスク100に対して情報を記録する際、2本の青色光ビームLb1(図15)及びLb2(図16)を用い、リレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54の位置を互いに独立して制御し、当該青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をそれぞれ第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2に合わせることにより(図4(B))、光ディスク100の記録層101内に第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2を並行して形成する。
【0287】
また制御部121は、光ディスク100から情報を再生する際、リレーレンズ70及び53の可動レンズ71及び54の位置を互いに独立して制御し、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を互いに異なる第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合わせることにより(図4(B))、光ディスク100の記録層101内において深さd1及びd2に位置する第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2からそれぞれ青色再生光ビームLb3及びLb4を発生させる。
【0288】
従って光ディスク装置120の制御部121は、情報の記録時および再生時の双方において、光ディスク100の目標トラックに対応し深さが互いに異なる2箇所の目標マーク位置に対して、互いに独立した2つの記録マークを同時に記録できると共に、当該2箇所の目標マーク位置から互いに独立した2系統の再生信号を得ることができる。
【0289】
このとき制御部121は、情報の記録時に記録情報を第1分割記録情報及び第2分割記録情報に分割してそれぞれ第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2に記録し、また情報の再生時に第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2からそれぞれ得られた検出信号SD3及びSD4を統合し、2倍の再生速度でなる一つの再生信号を生成することにより、見かけ上、2倍の記録速度及び2倍の再生速度を得ることができる。
【0290】
これにより光ディスク装置20は、光ディスク100の物理的な強度や高速回転時における面ブレ等により光ディスク100の回転速度に上限があり、また光学的制約や物理的制約等により記録マークRMの形成や読み出しに最小限必要な時間が必然的に定められてしまうような場合であっても、情報を2系統に分割して記録し、また2系統の情報を同時に読み出し統合することにより、見かけ上の記録速度及び再生速度を約2倍に向上させることができる。
【0291】
また光ディスク100は、トラックが形成されている反射透過膜104が波長選択性を有するため、赤色光ビームLr1を約半分の割合で反射すると共に約半分の割合で透過させることができ、さらに青色光ビームLb1及びLb2並びに青色再生光ビームLb3及びLb4を高い透過率で透過させることができる。
【0292】
これに応じて光ディスク装置120は、第1面位置制御光学系30及び第2面位置制御光学系50(図14)により赤色反射光ビームLr3及び赤色透過光ビームLr2をそれぞれ受光することができ、赤色光ビームLr1の焦点Fr及び対物レンズ51の赤色光ビームに関する焦点をいずれも目標トラックに追従させるよう、対物レンズ38及び51を位置制御することができる。
【0293】
さらに光ディスク装置120は、第1の実施の形態における光ディスク装置20と同様、赤色透過光ビームLr2を用いて対物レンズ51の位置制御を行うため、青色光ビームLb1を用いる場合のように記録する符号等の影響を受けることなく、常時安定的な位置制御を行うことができる。
【0294】
以上の構成によれば、第2の実施の形態による光ディスク装置120の制御部121は、光ディスク100に対して情報を記録する際、記録情報を分割し、各分割記録情報に基づいた青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を互いに異なる第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合わせて第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2を互いに独立して形成し、光ディスク100から情報を再生する際、2本の青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を互いに異なる第1目標マーク位置PS1及び第2目標マーク位置PS2にそれぞれ合わせ、第1記録マークRM1及び第2記録マークRM2の有無に応じて発生する青色再生光ビームLb3及びLb4を元に得られる再生信号を統合することにより、記録速度及び再生速度をいずれも高速化することができる。
【0295】
(3)他の実施の形態
なお上述した第2の実施の形態においては、光ディスク100に対してフォーマットとして予めホログラムを全面に形成しておき、記録マークRMを記録して当該ホログラムを破壊することにより情報の記録を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図17(A)に示すように、一様な屈折率を持つフォトポリマでなる記録層に対して光ビームを集光することによりその屈折率又は反射率が変化して記録マークRMを形成し、図17(B)に示すように、光ビームの屈折率又は反射率の変化を基に記録マークRMの有無を検出し得る光ディスク等、1本の光ビームにより記録マークRMの記録及び再生を行い得るとともに記録層内に複数のマーク記録層を重ねて形成し得る種々の光ディスクを用いるようにしても良い。
【0296】
この場合、光ディスクに照射する光ビームは、光ディスクの種類や記録方式等に合わせて適宜光量や照射時間等が調整されていれば良い。
【0297】
また上述した第2の実施の形態においては、2系統の青光路を介して2本の青色再生光ビームLb3及びLb4を発生させ、このとき得られた2系統の再生信号を統合して2倍の再生速度でなる一つの再生信号を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば3系統や4系統以上の青光路を設けるようにし、3本又は4本以上の青色再生光ビームを発生させて得られる3系統又は4系統以上の再生信号を統合して3倍や4倍以上の再生速度を得られるようにしても良い。
【0298】
この場合、各青光路にエキスパンダを設けて光ディスク100へ照射する青色光ビームLbの焦点Fbがそれぞれ異なる位置(深さ)となるように調整し得るようにし、またフォトディテクタの直前に設けたピンホール板により所望の青色再生光ビームのみの光量を検出し得るようにすれば良い。
【0299】
さらに上述した第1及び第2実施の形態においては、異なるマーク記録層に異なる情報を記録するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図18に示すように、記録層101内において、対応する2つのマーク記録層、すなわちマスタレイヤYS1、YS2、…及びミラーレイヤYR1、YR2、…にそれぞれ同一の情報を記録しておき、再生時に対応するマスタレイヤYS及びミラーレイヤYRから情報を順次読み出し、制御部21及び121等において比較訂正処理を行うようにしても良い。
【0300】
これにより、例えばマスタレイヤYS又はミラーレイヤYRのいずれか一方におけるホログラム(すなわちフォーマットされた状態)や記録マークRM等が何らかの要因により破壊され、或いはディスク100のディフェクト等の存在により、検出信号SD3又はSD4が異常な再生情報を表すものであったとしても、比較訂正処理において正しい情報に訂正できる可能性を高めることができる。
【0301】
さらに上述した第1及び第2実施の形態においては、リレーレンズ70及び53により、光ディスク100内における目標マーク位置の深さ(すなわち反射透過膜104からの距離)を調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば単一の集光レンズを移動させることにより当該目標マーク位置の深さを変更し、或いは対物レンズ38及び51のフォーカス制御を行うことにより当該目標マーク位置の深さを変更するなど、他の手法により当該目標マーク位置の深さを変更するようにしても良い。
【0302】
さらに上述した第1及び第2実施の形態においては、赤色光ビームLr1と青色光ビームLb1との光軸を一致させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば赤色光ビームLr1と青色光ビームLb1との光軸を所定角度傾け、光ディスク100の第1面100A又は第2面100Bから見て目標トラックと目標マーク位置とを意図的に一致させない(すなわちオフセットを設ける)ようにしても良い。
【0303】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、第1面位置制御光学系30(図7及び図14)において、非点収差法によりフォーカスエラー信号を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばナイフエッジ法やフーコー法等の他の手法によってフォーカスエラー信号を生成するようにしても良い。第2面位置制御光学系50(図7及び図14)におけるフォーカスエラー信号の生成についても同様である。
【0304】
また当該第1面位置制御光学系30におけるトラッキングエラー信号の生成についても、プッシュプル法に限らず、3ビーム法や差動プッシュプル法等の他の手法により当該トラッキングエラー信号を生成するようにしても良い。また第2面位置制御光学系60についても同様である。
【0305】
これらの場合、各エラー信号の生成手法に応じて、シリンドリカルレンズ42及び58に代えて回折格子等の光学素子が設けられれば良く、またフォトディテクタ43及び59については、各エラー信号の生成手法に対応した分割パターンで検出領域が分割されていれば良く、さらに信号処理部23は、各エラー信号の生成手法に対応した演算処理を行うことにより各エラー信号を生成すれば良い。
【0306】
さらに上述した第1及び第2実施の形態においては、第1面位置制御光学系30において、無偏光ビームスプリッタ34により赤色光ビームLr1を透過させ赤色反射光ビームLr3を反射させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば偏光ビームスプリッタを用い、1/2波長板、1/4波長板等の組み合わせにより光ビームの偏光方向を適宜変化させた上で、当該赤色光ビームLr1を透過させ当該赤色反射光ビームLr3を反射させるようにしても良い。第2面位置制御光学系50についても同様である。
【0307】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、光ディスク100において反射透過膜104を記録層101と基板102との間に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば当該反射透過膜104を記録層101と基板103との間や、基板102の内部又は記録層101の内部等のような他の箇所に設けるようにしても良い。
【0308】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、対物レンズ38及び51の位置制御を行うための光ビーム(これを位置制御光ビームと呼ぶ)を波長約660[nm]の赤色光ビームとし、記録マークRMを形成するための光ビーム(これを記録光ビームと呼ぶ)を波長約405[nm]の青色光ビームとするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、位置制御光ビーム及び記録光ビームをそれぞれ任意の波長としても良い。
【0309】
この場合、反射透過膜104としては、位置制御光ビームをその波長に応じて約半分ずつの割合で反射及び透過し、記録光ビームをその波長に応じて透過する性質を有していればよい。また記録層101は、記録光ビームの波長に反応する材料であれば良い。
【0310】
因みに記録光ビームの波長を変更した場合、上述した(1)式及び(2)式に示したように、記録マークRMのサイズが変化するため、記録マークRM間の距離p1、トラック間の距離p2及びマーク記録層同士の距離p3についても適宜変更することが好ましい。
【0311】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、反射透過膜104が波長選択性を有することにより、波長約660[nm]でなる位置制御光ビームを反射すると共に波長約405[nm]でなる記録光ビームを透過するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば反射透過膜104が偏光選択性を有するようにし、位置制御光ビームの偏光方向と記録光ビームの偏光方向とを相違させることにより、位置制御光ビームを反射し記録光ビームを透過するようにしても良い。
【0312】
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100の直径を約120[mm]、記録層101の厚さt1を約0.3[mm]、基板102及び103の厚さt2及びt3を約0.6[mm]とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、それぞれ他の値であっても良い。この場合、記録層101並びに基板102及び103の厚さと各材料の屈折率等を考慮した上で、青色光ビームLb1及びLb2の焦点が目標マーク位置に合わされるよう、各光学部品の光学特性や配置等が設定されていれば良い。
【0313】
さらに上述した実施の形態においては、第1の焦点位置調整手段としてのエキスパンダ70及び制御部21と、第2の焦点位置調整手段としてのエキスパンダ53及び制御部21と、制御手段としての制御部21と、第1及び第2の検出手段としてのフォトディテクタ75及び87と、再生信号生成手段としての制御部21及び信号処理部23とによって
光ディスク装置としての光ディスク装置20を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる第1の焦点位置調整手段と、第2の焦点位置調整手段と、制御手段と、第1及び第2の検出手段と、再生信号生成手段とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0314】
本発明は、記録媒体としての光ディスクに音楽コンテンツや映像コンテンツ或いは各種データ等を大量に記録する光ディスク装置において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0315】
【図1】従来の定在波記録型光ディスク装置の構成を示す略線図である。
【図2】ホログラムの形成の様子を示す略線図である。
【図3】本発明の一実施形態による光ディスクの外観構成を示す略線図である。
【図4】第1の実施の形態による光ディスクの内部構成を示す略線図である。
【図5】本発明の一実施形態による光ディスク装置の構成を示す略線図である。
【図6】光ピックアップの外観構成を示す略線図である。
【図7】第1の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図8】第1の実施の形態による赤色光ビームの光路を示す略線図である。
【図9】フォトディテクタにおける検出領域の構成を示す略線図である。
【図10】第1の実施の形態による青色光ビームの光路(1)を示す略線図である。
【図11】第1の実施の形態による青色光ビームの光路(2)を示す略線図である。
【図12】ピンホールによる光ビームの選別の説明に供する略線図である。
【図13】第2の実施の形態による情報の記録再生原理を示す略線図である。
【図14】第2の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図15】第2の実施の形態による青色光ビームの光路(1)を示す略線図である。
【図16】第2の実施の形態による青色光ビームの光路(2)を示す略線図である。
【図17】他の実施の形態による情報の記録再生原理を示す略線図である。
【図18】ミラーリング記録におけるマーク記録層の構成を示す略線図である。
【符号の説明】
【0316】
20、120……光ディスク装置、21、121……制御部、22……駆動制御部、23……信号処理部、26、126……光ピックアップ、30……第1面位置制御光学系、31、61、181……レーザダイオード、34……無偏光ビームスプリッタ、37、56……ダイクロックプリズム、38、51……対物レンズ、38A、51A、54A、71A……アクチュエータ、43、59、75、87……フォトディテクタ、50……第2面位置制御光学系、52……ガルバノミラー、53、70……リレーレンズ、54、71……可動レンズ、60……第1面情報光学系、65、68、82、185……偏光ビームスプリッタ、66……1/4波長板、67……可動ミラー、74、86……ピンホール板、80……第2面情報光学系、81……シャッタ、100……光ディスク、101……記録層、102、103……基板、104……反射透過膜、Lr1……赤色光ビーム、Lr2……赤色透過光ビーム、Lr3……赤色反射光ビーム、Lb0、Lb1、Lb2……青色光ビーム、Lb3、Lb4……青色再生光ビーム、Fr、Fb1、Fb2……焦点、RM、RM1、RM2……記録マーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状でなる体積型記録媒体の両面から第1及び第2の光を照射することにより記録された定在波を基に情報を再生する光ディスク装置において、
第1の対物レンズにより上記第1の光が上記体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第1の光の光軸方向に調整する第1の焦点位置調整手段と、
第2の対物レンズにより上記第2の光が上記体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第2の光の光軸方向に調整する第2の焦点位置調整手段と、
上記体積型記録媒体に上記定在波を記録する際、上記第1の光が上記体積型記録媒体内で焦点を結び、且つ上記第2の光が上記第1の光の焦点と同一位置に焦点を結ぶよう上記第1の焦点位置調整手段及び第2の焦点位置調整手段を制御し、上記体積型記録媒体の上記定在波を基に情報を再生する際、上記第1の光が上記体積型記録媒体内で結ぶ焦点と、上記第2の光が上記体積型記録媒体内で結ぶ焦点とが互いに異なる位置となるよう上記第1の焦点位置調整手段及び第2の焦点位置調整手段を制御することにより互いに異なる定在波から第1及び第2の再生光をそれぞれ発生させる制御手段と、
上記第1及び第2の再生光をそれぞれ検出する第1及び第2の検出手段と、
上記第1及び第2の検出手段による検出結果を統合することにより再生信号を生成する再生信号生成手段と
を具えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
上記体積型記録媒体は、
上記情報が上記記録マークとして記録される際、上記情報が所定の記録単位ごとに分割され上記第1の光及び上記第2の光により上記互いに異なるマーク層の互いに対応する位置に分配して記録され、
上記再生信号生成手段は、
上記第1及び第2の検出手段による検出結果を結合することにより上記分割前の情報に相当する上記再生信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
上記体積型記録媒体は、
上記記録マークが記録される際、上記第1の光及び上記第2の光により上記互いに異なるマーク層の互いに対応する位置に同一の情報が記録され、
上記再生信号生成手段は、
上記第1及び第2の検出手段による検出結果に対して所定の誤り訂正処理を施すことにより上記再生信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
上記第1及び第2の検出手段は、
上記第1及び第2の再生光が混合された混合再生光を収束させ、上記第1又は第2の再生光の合焦位置に合わせて設けられたピンホールにより当該上記第1又は第2の再生光のうち一方を選別して検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
所定の第3の光を上記第1の光と光軸を合わせ上記第1の対物レンズを介して上記体積型記録媒体へ照射し、上記体積型記録媒体に設けられた位置決め層からの戻り光を基に上記第1の対物レンズを位置制御する第1の位置制御手段
を具えることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
上記位置決め層は、上記記録マークの記録位置を表すトラックが形成され、
上記第1の位置制御手段は、上記戻り光を基に上記トラックを認識した上で上記対物レンズを位置制御する
ことを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
上記第3の光は、上記第1及び第2の光と異なる波長でなり、
上記位置決め層は、波長選択性により上記第1及び第2の光を透過し、且つ上記第3の光を所定の割合で反射すると共に残りの割合で透過する
ことを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
上記第3の光が上記位置決め層において透過された透過光を基に上記第2の対物レンズを位置制御する第2の位置制御手段
を具えることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
上記体積型記録媒体は、予めホログラムが形成された上で当該ホログラムが局所的に破壊されることにより上記記録マークが形成され、
上記第1及び第2の検出手段は、上記第1及び第2の再生光を検出しなかったときに上記記録マークが記録されていることを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
上記体積型記録媒体は、一様に所定の反射率を有すると共に当該体積型記録媒体が局所的に変質され上記反射率が変化されることにより上記記録マークが形成され、
上記第1及び第2の検出手段は、上記反射率の変化に伴い変化する上記第1及び第2の再生光を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項11】
上記体積型記録媒体の上記記録層は、一様に所定の屈折率を有すると共に当該体積型記録媒体が局所的に変質され上記屈折率が変化されることにより上記記録マークが形成され、
上記第1及び第2の検出手段は、上記屈折率の変化に伴い変化する上記第1及び第2の再生光を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項12】
ディスク状でなり記録マークが複数のマーク層に渡り記録された体積型記録媒体に対し所定の光を照射することにより情報を再生する情報再生方法において、
第1の光が上記体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第1の光の光軸方向に調整すると共に第2の光が上記体積型記録媒体内で結ぶ焦点の位置を当該第2の光の光軸方向に調整することにより、同一の対物レンズを介した上記第1の光及び上記第2の光が上記体積型記録媒体内で互いに異なるマーク層の互いに対応する位置にそれぞれの焦点を合わせるよう制御し、上記互いに異なるマーク層の上記記録マークを基に第1及び第2の再生光をそれぞれ発生させる焦点制御ステップと、
上記第1及び第2の再生光をそれぞれ検出する検出ステップと、
上記検出ステップによる検出結果を統合することにより再生信号を生成する再生信号生成ステップと
を具えることを特徴とする情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−251132(P2008−251132A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94820(P2007−94820)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】