説明

光学位置合せ検出装置

【課題】位置合せを知る及び/または誤った位置合せを訂正する装置を提供する。
【解決手段】光学位置合せ検出装置は、第1の対象物2に対して固定された1つまたは複数の光散乱素子7aと、第2の対象物3に沿って異なる位置に固定された、複数の列状光源5aと、散乱された光プロファイルを検出するための1つまたは複数の検出器6aと、光源のいずれかが、前記光散乱素子と交差する光ビームを提供し、そして前記光散乱素子のいずれとも交差しない光ビームを提供したかを識別するために前記検出器に結合された制御装置9と、を備え、制御器は、識別に基づいて、識別された光源の位置を現在の位置合せ位置に相関させることによって、第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを決定する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、「サイトメトリー用光学検出装置(OPTICAL DETECTION SYSTEM FOR CYTOMETRY)」の名称で2000年8月2日に出願された同時係属の米国特許出願第09/630,927号の一部継続出願である。
(政府支援)
本発明はDARPA契約番号____の下で、政府の支援を受けて行った。政府は、本発明において一定の権利を有することができる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、全体として位置合せ装置に関し、より詳細には光学位置合せ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
今日の多くの装置では、第1の対象物と第2の対象物を位置合せすることが望ましい。多くの場合、装置の適切なかつ/または効率的な動作のために適切な位置合せが必要である。例えば、印刷機の応用において、取外し可能な印刷カートリッジは、装置が適切に印刷するために、印刷機組立体にしばしば位置合せしなければならない。他の例では、テープカートリッジは、確実にテープを読み取り、かつ/またはテープの摩損を低減するために、テープリーダ等にしばしば位置合せしなければならない。多くの他の取外し可能な媒体の形には同様の位置合せ問題がある。光ファイバー位置合せ、構成要素位置合せ、ならびに多くの他の応用例および装置は、2種またはそれ以上の対象物を適切に位置合せすることを必要とする。
【0004】
多くの場合、2つの対象物の位置合せは、ある種の機械的結合によって達成される。例えば、多くの場合、第1の対象物は、ピン、タブなどの鍵、または他の機械的特徴を含み、第2の対象物は対応する孔、スロット、窪みまたは他の対応する構成を含む。第1の対象物が第2の対象物と嵌合されると、機械的位置合せ特徴が第1の対象物を第2の対象物と位置合せされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この手法の制約は位置合せの精度が機械的結合特性の機械的公差によって制限されることである。したがって、高い精度の位置合せを提供するには、機械的結合特性の公差もまた厳しく管理しなければならない。しかし、これは第1の対象物および第2の対象物の製造のコストと複雑さを大きく増加させる。他の制約は、第1の対象物が1つまたは他の理由で第2の対象物に対して誤って位置合せされている場合、しばしば誤った位置合せを知る方法及び/または誤った位置合せを訂正する方法はない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを検出するための光学位置合せ検出装置を提供する。本発明は、1つまたは複数の光源および1つまたは複数の光検出器を使用することが好ましく、第1の対象物上の1つまたは複数の光散乱素子の位置を検出するために、その一方または両方とも第2の対象物に対して固定される。一例示の実施形態では、光源のアレイおよびさらに1つの光検出器が使用される。第2の対象物上の1つまたは複数の光散乱素子を通して、所定の光散乱プロファイルを形成する光源の位置を識別することによって、第2の対象物に対する第1の対象物の位置を決定することができる。光源および/または光検出器は互いに比較的近接して間隔をおくことができるので、第1の対象物と第2の対象物の間の位置合せは比較的正確に決定することができる。ある実施形態では、第2の対象物の相対場所が求められると、検査または測定領域に対応する光源アレイ中の他の光源を識別して、測定等を行うのに用いることができる。他の実施形態では、光検出器アレイを用いて第2の対象物の相対場所を求めることができる。さらに他の実施形態では、アクチュエータを使用して、第2の対象物を第1の対象物に対して動かして、第1の対象物と第2の対象物を適切な位置合せにすることができる。
【0007】
ある実施形態では、光源の各々は光ビームを提供するようにされる。光源は第1および第2の対象物が所定の範囲内に位置合せされる限り、1つまたは複数の光ビームが少なくとも1つの光散乱素子と交差し、次いで散乱光プロファイルを生成するように配置することができる。1つまたは複数の検出器は少なくとも1つの検出器が散乱光プロファイルを検出するように配置されることが好ましい。制御装置を使用して、どの光源が実際に散乱光プロファイルを生成したかを識別し、識別した光源の位置を第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せ位置に相関させることができる。
【0008】
一例示の実施形態では、動作中に、光源の各々または光源のサブセットは逐次的に作動される。第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せに応じて、特定の光源または複数の光源は光散乱素子と交差する光ビームを生成するであろう。光散乱素子と交差する光ビームを生成する光源または複数の光源は、対応する検出器の出力を監視することによって識別することができる。所与の時間で1つの光源または1つの副光源だけを作動することによって、光散乱素子と交差する光ビームを生成した光源または複数の光源はさらに容易に識別することができる。どの光源または複数の光源が光散乱素子と交差する光ビームを生成したか、およびその位置を知ることによって、第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを決定することができる。
【0009】
ある実施形態では、相対的な位置合せが求まると、本発明は、例えばオフセットを計算して、検査などの他の領域または第1の対象物の測定領域に隣接する位置にある1つまたは複数の光源を識別することができる。識別されると、光源は、例えば第1の対象物および/または第2の対象物の1つまたは複数のパラメータおよび/または特性を検出するのに用いることができる。1つまたは複数のパラメータまたは特性は、例えば、1つまたは複数の光学特性、1つまたは複数の電気的または磁気的特性、1つまたは複数の物理特性、または任意の他の必要な特性を含むことができる。このようにして、本発明は第1の対象物および第2の対象物の間の位置合せを検出し、次いで適切な光源および/または検出器を選択することによって、いかなる位置合せずれも補償することができる。
【0010】
ある実施形態では、光散乱素子と交差する光ビームを生成しない1つまたは複数の光源は、例えば、第1の対象物の1つまたは複数の特性などの他のパラメータを求めるのに用いられる。一例示の実施形態では、第1の対象物と第2の対象物の間の位置合せ不良が所定の範囲内であるとき、光源は、1つまたは複数の光散乱素子を含む領域に及ぶ線形または他の種類のアレイで構成される。また、線形または他の種類のアレイは、第1の対象物の検査または測定領域に及ぶことができる。動作中に、選択された線形または他の種類のアレイの光源を用いて、1つまたは複数の光散乱素子の位置を識別することによって、第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを求めることができる。次いで、オフセットを計算することによって、例えば、第1の対象物の検査または測定領域に隣接する、選択された線形または他の種類のアレイの光源を識別することができる。識別された光源は、次いで選択された検査領域中の第1の対象物の特性または性質を求めるのに用いることができる。一例示の実施形態では、検査領域はフローチャネルを含むことができる。
【0011】
ある実施形態では、全ての選択された光源からの光ビームはビーム形成器等を通過することができる。光源がアレイ軸に沿って拡張する線形アレイにあるとき、ビーム形成器は、例えば、各光源のスポット寸法を軸方向に拡大し、ある場合にはビームスポット寸法を軸に垂直な方向に縮小するが、これは必要ではない。ある実施形態では、ビーム形成器は、各光源の光出力が隣接する光源の光出力と少なくとも部分的に重なり合うように、ビームスポット寸法を軸方向に拡大することができる。これは、1つまたは複数の光散乱素子および/または検査領域を含むことを期待されている領域など、拡大された面積に、比較的一定の光照明を生成するのを助ける。ある実施形態では、必要であれば、ビーム形成器は1つまたは複数の円筒レンズを含むことができる。
【0012】
本発明の他の目的および本発明に付随する多くの利点は、付属の図面と一緒に考察するとき、以下の詳細な説明を参照することによって、これらをより良く理解されることが容易に理解されよう。図中、同じ参照数字は図全体を通して同じ部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一例示の実施形態を示す概要図である。
【図2】本発明による例示の携帯型サイトメーターを示す透視図である。
【図3】図2の例示的携帯型サイトメーターの概要図である。
【図4】まだ押し下げていないカバーを持つ携帯型サイトメーターを示すさらに詳細な概要図である。
【図5】カバーを押し下げた図3の携帯型サイトメーターを示すさらに詳細な概要図である。
【図6】図4の流体力学的集束ブロック88によるフローストリームの形成を示す概要図である。
【図7】本発明の一例示の実施形態を示す概要図である。
【図8】図7の光源を作動する例示の方法を示すタイミング図である。
【図9】各々、図6のフローストリームの中心フロー軸に対して異なる光源軸に沿って配置された、3つの分離した光源アレイおよび検出器を示す概要図である。
【図10】機械的アクチュエータを用いて、第2の対象物に対して第1の対象物を位置合せする、本発明の他の例示の実施形態を示す概要図である。
【図11】機械的アクチュエータを用いて、第2の対象物に対して光源および/または光検出器を位置合せする、本発明の他の例示の実施形態を示す概要図である。
【図12】例示のビーム形成器によって提供される、重なり伸張されたビームスポットを示す概要図である。
【図13】各々、ガウスピーク光強度を有するビームスポットを生成する、間隔をおく2つのレーザ源の光照明強度を示すグラフである。
【図14】本発明によるビーム形成器によって光が提供された後の、間隔をおく2つのレーザ源の光照明強度を示すグラフである。
【図15】単一光源と共に使用する例示のビーム形成器を示す概要図である。
【図16】光源の線形アレイと共に使用する例示のビーム形成器を示す概要図である。
【図17】ベースおよび/またはカバーに対するカートリッジの位置合せを検出するための多数の例示のモデルを示す概要図である。
【図18】フローチャネル中のコアフローの位置合せを検出し、散乱測定を行うための例示の方法を示す概要図である。
【図19】フローチャネル502および1つまたは複数の光遮蔽層もしくは領域を有する積層カートリッジを示す概要図である。
【図20】図19のカートリッジの側断面図である。
【図21】その上またはその中に光散乱素子を有する例示の対象物の概要図である。
【図22】図21の光散乱素子の側断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明の一例示の実施形態を示す概要図である。例示の実施形態は、第1の対象物2および第2の対象物3を含み、第2の対象物3は第1の対象物2を受容するスロット4を含む。この実施形態ではスロット4が使用されるが、スロットは必要とされず、いくつかの実施形態はスロットを含まない可能性がある。図1に示した第2の対象物3は、光源5aの線形アレイおよび光検出器6aの線形アレイを含む。この実施形態では線形アレイが使用されるが、任意の適切なアレイまたは形態を使用することができる。各光源はプラス記号(+)で表され、各検出器はボックスで表される。光源5aは、例えば、垂直面発光レーザ(VCSEL)、発光ダイオード(LED)、または任意の他の適切な光源を含むことができる。光検出器6aは、例えば、光ダイオードまたは任意の他の適切な光検出器を含むことができる。検出器6aは、必要に応じて四角、円、環状、または任意の他の適切な形状とすることができる。さらに、検出器6aは、広範囲の位置からの光を検出する単一のまたは少数の検出器とすることができる。ある場合には、図16について以下でさらに説明するように、光学系を使用して広範囲の位置からの光を単一または少数の検出器へ導くことができる。
【0015】
例示の実施形態では、光源5aの線形アレイは第2の対象物3のスロット4の一方の側(例えば上側)に搭載され、光検出器6aの線形アレイは第2の対象物3のスロット4の反対側(例えば下側)に搭載される。しかし、ある実施形態では、光源5aおよび光検出器6aは、光散乱素子が反射式であるときなど、スロット4の同じ側に搭載することができる。光源5aおよび光検出器6aの線形アレイのピッチおよび/または間隔は、必要に応じて、所望の位置合せ検出精度を達成するように設定することができる。
【0016】
図1において、第1の対象物2が第2の対象物3のスロット4に挿入されるとき、第1の対象物2は、光源5aおよび光検出器6aの線形アレイに垂直に実質的に拡張する、伸張された光散乱素子7aを含む。本明細書に使用される用語「光散乱素子」は、光ビームを迂回させ、変化させ、反射させ、屈折させ、吸収し、またはさもなければ変更する、任意の光学素子を含むことができる。1つまたは複数の光散乱素子7aは、例えば、さらに1つのレンズ、縁部または段差、回折格子、吸収フィルター、反射器、フローチャネル、または任意の他の種類の光散乱素子を含むことができる。第1の対象物2の他の部分は必要に応じて透明、不透明、または実質上非透過性とすることができる。
【0017】
図1に示した例示の実施形態では、各光源5aは、スロット4および対応する検出器6aに向けられた光ビームを提供するようにされる。光源5aの線形アレイは、第1の対象物2および第2の対象物3が予め定められた範囲8内に位置合せされる限り、1つまたは複数の光ビームが少なくとも1つの光散乱素子7aと交差し、次いで散乱された光プロファイルを1つまたは複数の対応する検出器6aに生成するように、スロット4に対して配置することができる。検出器6aは、少なくとも1つの検出器6aが散乱された光プフロファイルを検出するように、配置することができる。制御装置9を使用して、どの光源が実際に検出された散乱光プロファイルを生成したかを識別することができ、識別された光源の位置を、第2の対象物3に対する第1の対象物2の位置合せ位置に相関させることができる。
【0018】
動作中に、例示の実施形態では、各光源5aまたはサブセットの光源は制御装置9によって逐次的に作動することができる。第2の対象物3に対する第1の対象物2の位置合せに応じて、特定の光源5aは光散乱素子7aと交差する光ビームを生成することができる。光散乱素子7aと交差する光ビームを生成する光源5aまたは複数の光源は、対応する検出器6aの出力を監視することによって識別することができる。所与の時間で1つの光源または1つの副光源だけを作動することによって、光散乱素子と交差する光ビームを生成した光源または複数の光源はさらに容易に識別することができる。しかし、全ての光源は同時に作動でき、本発明の範囲内であることが意図されている。いずれにしても、どの光源5aまたは複数の光源が光散乱素子7aと交差する光ビームを生成したか、およびその位置を知ることによって、第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを求めることができる。
【0019】
光散乱素子7aがその長さに沿ってX方向(例えば左右方向)に均一であれば、光源5aおよび検出器6aの線形アレイを用いて、第2の対象物3に対する第1の対象物2のY方向(例えば図1の上下方向)の位置合せ位置を求めることができる。しかし、光散乱素子7aがその長さに沿って均一でなく、光が光散乱素子7aをその長さに沿って照射する場所に応じて異なる光散乱プロファイルを生成するようにされていれば、光源5aおよび検出器6aの線形アレイを用いて、第2の対象物3に対する第1の対象物2のXおよびY方向の位置合せ位置を求めることができる。この実施形態では、制御装置9はどの光源が実際に検出された散乱光プロファイルを生成したかを識別して、上述のように、Y位置を求めることができるだけでなく、検出される特定の光散乱プロファイルをX位置に相関させることができる。
【0020】
代わりに、または追加で、第2の伸張された光散乱素子7bを第1の対象物2に固定することができる。第2の伸張された光散乱素子7bは、Y方向に拡張することができ、光源5bおよび検出器6bの第2の線形アレイは、実質上第2の伸張された光散乱素子7bに垂直に拡張することができる。次いで、光源5bおよび検出器6bの第2の線形アレイを第2の伸張された光散乱素子7bと共に用いて、第2の対象物3に対する第1の対象物のX位置を求めることができる。ある実施形態では、第2の伸張された光散乱素子7bをその長さに沿って非均一性とし、必要ならば、第2の対象物3に対して第1の対象物のY位置を識別する助けとすることができる。第1の光散乱素子7aおよび第2の光散乱素子7bのいずれかまたは両方がその長さに沿って非均一性であれば、光学的位置合せ検出装置にいくつかのレベルまたは冗長性を提供することができる。
【0021】
第1の対象物2および第2の対象物3は任意の種類の対象物とすることができることが意図されている。一実施形態では、第1の対象物2は、取外し可能な印刷カートリッジなどの取外し可能な媒体要素、取外し可能なテープカートリッジまたは取外し可能なフラッシュメモリーなどの取外し可能な記憶カートリッジ、取外し可能なバイオ分析カートリッジもしくはスライド、または任意の他の形の取外し可能な対象物とすることができる。次いで、第2の対象物は、取外し可能な媒体を受容することができる。取外し可能な媒体応用以外に、光ファイバー位置合せ応用、構成要素位置合せ応用、ならびに多くの他の応用も本発明の範囲内である。
【0022】
図2は、取外し可能なバイオ分析カートリッジを含む本発明の一例示の実施形態を示す。図2は例示の携帯型サイトメーター10の透視図であり、ハウジング12および取外し可能な、または交換可能なカートリッジ14を含む。例示的なハウジング12は、ベース16、カバー18、およびベース16をカバー18に取り付けるための蝶番20を含む。ベース16は、光源22のアレイ、付随する光学系、およびサイトメーターを動作するのに必要な電子装置を含む。カバー12は手動加圧要素、制御マイクロ弁を備える圧力チャンバ、および付随する光学系を備える光検出器24のアレイを含む。
【0023】
取外し可能なカートリッジ14はサンプル収集ポート32を経由してサンプル流体を受容することが好ましい。取外し可能なカートリッジ14が使用されないとき、キャップ38を用いてサンプル収集ポート32を保護することができる。取外し可能なカートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学に焦点を当てることが好ましい。取外し可能なカートリッジ14は、Micronics Technologiesから入手可能な流体回路に類似して作製することができ、そのいくつかはエッチングされたチャネルを備える積層構造を用いて作製される。
【0024】
取外し可能なカートリッジ14は、カバー18が開放位置の時にハウジングの中に挿入される。取外し可能なカートリッジ14は、ベース16中の位置決めピン28aおよび28bを受容するための孔26aおよび26bを含み、構造体の異なる部品間の位置合せおよび結合を提供することを助ける。ある実施形態では、孔26aと26bおよび位置決めピン28aと28bは、必要ではなく、あるいは望ましくなく、本明細書に述べた位置合せ検出装置を使用して、ベース16およびカバー18に対して取外し可能なカートリッジ14を位置合せを検出することができる。また、取外し可能なカートリッジ14は、光源22および光検出器24のアレイ、および1つまたは複数の光散乱素子(図示せず)に位置合せされた、透明なフローストリーム窓30を含むことができる。カバーを閉じた位置に動かすとき、および装置が加圧されるとき、カバー18は、それぞれ加圧ポート36a、36b、36cを経由して、取外し可能なカートリッジ14中の受圧ポート34a、34b、34cに制御された圧力を提供する。
【0025】
試験を開始するには、カバー18を持ち上げ、新しいカートリッジ14をベース16に置いて位置決めする。血液サンプルはサンプル収集器32に導入される。カバー18を閉じ、装置を手動で加圧する。加圧されると、装置は白血球サイトメトリー測定を行う。取外し可能なカートリッジ14は血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学に焦点を当てる。光源22、光検出器24、および付随する制御および処理電子装置は、カートリッジ14のソリッドステートの位置合せ検出および特定の位置の補正、ならびに光散乱信号に基づく白血球細胞の弁別および計数を行う。ハウジング12用に蝶番構造を用いるのではなく、滑りカートリッジスロットまたは任意の他の適切な構造を使用できることが意図されている。
【0026】
図3は図2の例示の携帯型サイトメーターの概要図である。上述のように、ベース16は光源22、付随する光学系、およびサイトメーターを動作するのに必要な制御および処理電子装置40を含むことができる。また、ベース16は、サイトメーターを駆動するためのバッテリー42も含むことができる。カバー12は手動加圧要素44、制御マイクロ弁を備える圧力チャンバ46a、46b、46c、および付随する光学系を備える光検出器24を有して示されている。
【0027】
取外し可能なカートリッジ14は、サンプル収集ポート32を経由してサンプル流体を受容することができる。カバー18によって加圧されるとき、取外し可能なカートリッジ14は、好ましい実施形態では、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学に焦点を当てる。形成されると、コアはフローストリーム通路50の下方へ提供され、図2のフローストリーム窓30を通過する。ベースの光源22のアレイおよび付随する光学系は、フローストリーム窓30を経由して、コアストリームを通過する光を提供する。検出器および付随する光学系は、フローストリーム窓30も経由して、コアから散乱した、および散乱しない光を受ける。制御装置または処理装置40は、検出器から出力信号を受容し、コアストリームに存在する選択された白血球を弁別し計数する。
【0028】
取外し可能なカートリッジ14は、流体の各々の速度制御を支援する流体制御ブロック48を含むことが意図されている。例示の実施形態において、流体制御ブロックは様々な流体の速度を検知するセンサを含み、速度を制御装置または処理装置40へ報告する。次いで、制御装置または処理装置40は、圧力チャンバ46a、46b、46cに付随するマイクロ弁を調節して必要な圧力を達成し、したがってサイトメーターの適切な動作に必要な流体速度を達成する。
【0029】
血液および他の生物的廃棄物は疾病を広げることがあるので、取外し可能なカートリッジ14は、フローストリーム窓30の下流に廃棄物貯蔵器52を有することが好ましい。廃棄物貯蔵器52は、フローストリームの流体を取外し可能なカートリッジ14の中に受容し貯蔵する。試験が完了するとき、取外し可能なカートリッジは取り外すことができ、好ましくは生物廃棄物に適合性のある容器に廃棄される。
【0030】
図4は図3の携帯型サイトメーターを示すさらに詳細な概要図であり、カバー18はまだ押し下げていない。図5は、図3の携帯型サイトメーターを示すさらに詳細な概要図であり、カバーは押し下げられている。カバー18は、手動加圧要素44、圧力チャンバ46a、46b、46c、および60で全体的に示されている制御マイクロ弁を有して示されている。光源および検出器のアレイはこれらの図には示していない。
【0031】
各流体が加圧される3つの圧力チャンバ46a、46b、46cがある。例示の実施形態では、圧力チャンバ46aは血液貯蔵器62に圧力を与え、圧力チャンバ46bは溶血剤貯蔵器64に圧力を与え、圧力チャンバ46cはシース貯蔵器66に圧力を与える。各圧力チャンバ46a、46b、46cの寸法および形状は、必要な圧力特性を対応する流体に提供するように調整することができる。
【0032】
圧力チャンバ46aは、第1の圧力チャンバ70および第2の圧力チャンバ72を含む。第1の圧力チャンバ70中の圧力を第2圧力チャンバ72へ制御可能に放出するため、第1の圧力チャンバ70と第2の圧力チャンバ72の間に第1の弁74が設けられる。第2の圧力チャンバ72と流体接続している第2の弁76は、第2圧力チャンバ72中の圧力を制御可能に排出する。各弁は静電気駆動マイクロ弁のアレイであり、個別に到達および制御可能であることが好ましい。圧力チャンバ46bおよび46cは、溶血剤貯蔵器64およびシース貯蔵器66にそれぞれ加えられた圧力を制御するための類似の弁を含む。代わりに、各弁は静電気的に駆動されるマイクロ弁のアレイとすることができ、制御された「効率的な」フローまたは洩れ速度を達成するため、制御可能なデューティサイクルでパルス変調される。
【0033】
取外し可能なカートリッジ14は、カバー18からの制御された圧力を受容する受圧ポート34a、34b、34cを有する。制御された圧力は、示したように血液貯蔵器62、溶血剤貯蔵器64、およびシース貯蔵器66へ提供される。血液貯蔵器62はサンプル収集ポート32から充填されるが、溶血剤貯蔵器64およびシース貯蔵器66は、取外し可能なカートリッジ14を使用のため出荷する前に充填するのが好ましい。血液サンプルはサンプル収集ポート32に提供することができ、血液サンプルは毛細管作用によって血液貯蔵器62へ吸引される。血液サンプルが血液貯蔵器62の中にあると、カバー18を閉めることができ、装置を加圧することができる。
【0034】
流体力学に照準する前に、各流体と一列でフローセンサが提供される。各フローセンサ80、100、102は対応する流体の速度を測定する。フローセンサは熱流体速度計式フローセンサであることが好ましく、より好ましくはマイクロブリッジ式フローセンサである。各フローセンサ80、100、102からの出力信号は制御装置または処理装置40へ提供される。
【0035】
制御装置または処理装置40は、血液サンプルの速度が第1の所定の値以下に降下すると第1弁74を開き、血液サンプルの速度が第2の所定の値以上に増加すると第2弁76を開く。弁84、86、94、96は同じように動作して溶血およびシース流体の速度を制御する。
【0036】
動作の間に、装置を加圧するために手動加圧要素44が押し下げられる。例示した実施形態では、手動加圧要素44は3つのプランジャーを含み、各プランジャーは対応する第1圧力チャンバの1つ内に受容される。プランジャーは第1の圧力チャンバの中に比較的高く正確ではない圧力を形成する。より低い、制御された圧力は、第1の弁70、84、94を開けることによって、第2のチャンバ内に形成され、第2チャンバの中へ制御可能な漏れを形成する。第2チャンバ中にあまり高い圧力が形成されると、対応する排出弁76、86、96が開いて圧力を逃がす。
【0037】
カバー18を閉めるとき、通常第1弁74、84、94を閉め、排出弁76、86、96を開く。所定の圧力Pが第1の圧力チャンバ中に達成されると、排出弁76、86、96を閉じ、第1の弁74、84、94を開いて、第2圧力チャンバ中により低い圧力P’を形成する。第2の圧力チャンバ中の制御された圧力は、血液、溶血剤およびシースの流体フローを形成するのに必要な圧力を、取外し可能なカートリッジ14の流体回路に提供する。次いで、流体フローの速度は下流のフローセンサ80、100、102によって測定される。各フローセンサは、対応する第1弁および排出弁の動作を制御するための、制御装置または処理装置40に使用される出力信号を提供し、各流体に必要な一定のフロー速度を提供する。
【0038】
110で全体的に示される下流の弁も提供される。制御装置または処理装置40装置が加圧されるまで下流弁110を閉じることができる。これは、回路が加圧される前に血液、溶血剤、シースが流体回路に流れ込むことを防止する助けになる。他の実施形態において、下流弁110は、カバーが閉じられるとき機械的動作で開かれる。
【0039】
図6は、図4の流体力学集中ブロック88によるフローストリームおよびコアの形成を示す概要図である。流体力学集中ブロック88は、流体駆動装置から制御された速度で血液、溶血剤、シースを受容する。血液は溶血剤と混合され、赤血球が除去される。これはしばしば赤血球溶解と呼ばれる。残る白血球は下流の中央ルーメン150に提供され、シース流体で取り囲まれてフローストリーム50を形成する。フローストリーム50はシース流体152で囲まれたコアストリーム160を含む。チャネルの寸法は示すように減少するので、白血球154および156は一列になる。シース流体の速度はコアストリーム160の約9倍の速度であることが好ましい。しかし、シース流体およびコアストリーム160の速度は、フローチャンネル中で層流を維持するように十分な低さに留まることが好ましい。
【0040】
発光器22および付随する光学系は、フローストリーム50の一方の側に隣接して提供されることが好ましい。1つまたは複数の光検出器24および付随する光学系は、発光器22からの光をフローストリーム50を経由して受容するためにフローストリーム50の他の側に提供される。光検出器24からの出力信号は制御装置または処理装置40に提供され、それらは解析されてコアストリーム160中の選択された白血球を識別および/または計数する。
【0041】
図7は、図6のコアストリームを解析するための、およびベース16および/またはカバー18(例えば図2参照)に対するカートリッジ14の相対位置合せ位置を識別するための、光源のアレイおよび光検出器のアレイを示す概要図である。光源はプラス(+)記号で示されており、検出器は箱で示されている。示した実施形態では、光源のアレイはベース16の中または上などのフローストリーム50の一方の側に隣接して提供され、光検出器のアレイは、カバー18の中または上などのフローストリームの反対側に隣接して提供される。各光検出器は光源の1つに対応することが好ましい。ある実施形態では、光源のアレイに相当する面積など、比較的大面積からの光を検出可能な、1つまたは少数の光検出器だけが提供される。示した実施形態では、光源のアレイおよび光検出器のアレイは、フローストリーム50の軸と実質上直交する光源軸200に沿って配置される。しかし、光源のアレイおよび光検出器のアレイは、フローストリーム50の軸に対して任意の角度に偏った光源軸に沿って配置できることも意図されている。光源のアレイおよび光検出器のアレイは線形アレイとして示されているが、任意の適切な配置を用いることができる。
【0042】
光源のアレイは、共通の基板上に作製された垂直面発光レーザ(VCSEL)などのレーザのアレイであることが好ましい。それらの垂直発光のため、VCSELは携帯型サイトメーターなどの小型装置に実装するのに理想的に適している。VCSELは従来の850nmよりも短い波長で動作する、「赤色」VCSELであることが好ましく、さらに好ましくは670nm〜780nmの範囲であるが、これは必要ではない。赤色VCSELは散乱測定に理想的に適した波長、出力、偏光特性を有することができる。しかし、発光ダイオード(LED)または他の適切な光源を使用できることが意図されている。例えば、光検出器はフォトダイオードまたは任意の他の適切な光検出器とすることができる。検出器は、四角、円形、環状、または必要に応じて任意の他の適切な形状とすることができる。
【0043】
ある実施形態では、光源の各々は光ビームを提供するようにされる。例えば、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14(図2参照)の相対位置合せ位置を識別するために、光源のアレイは、1つまたは複数の光ビームがカートリッジ14の少なくとも1つの光散乱素子と交差する、十分な範囲に拡張することができる。例示の実施形態において、カートリッジ14は、例えばカートリッジ縁部210、フローチャネル縁部212、およびエンボス加工された光散乱素子214を含んで、多数の光散乱素子を含む。光源の各々は散乱光プロファイルを生成することができる。
【0044】
検出器は、少なくとも1つの検出器が少なくとも1つの光散乱素子の散乱光プロファイルを検出するように配置することができる。制御装置を用いて、どの光源が実際に検出された散乱光プロファイルを生成したかを識別し、かつ識別された光源の位置をベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せ位置に相関させることができる。
【0045】
ある例示の実施形態では、動作中に、光源または光源のサブセットの各々を逐次的に作動することができる。ベース16および/またはカバー18へのカートリッジ14の位置合せに応じて、特定の光源または複数の光源は、光散乱素子214などの光散乱素子と交差する光ビームを生成することができる。光散乱素子214と交差する光ビームを生成する光源または複数の光源は、対応する検出器の出力を監視することによって識別することができる。任意の所与の時間で1つの光源または1つの副光源だけを作動することによって、光散乱素子214と交差する光ビームを生成した光源または複数の光源はさらに容易に識別することができる。どの光源または複数の光源が光散乱素子214と交差する光ビームを生成したか、また、その位置を知ることによって、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せを求めることができる。
【0046】
図8は、図7の光源を作動する例示的方法を示すタイミング図である。例示の実施形態では、図7に示した光源のアレイの底に配置された光源220から始めて、光源の各々は逐次的に作動される。光源の逐次的作動は全体的に218で示され、記号V1、V2等は図7のVCSEL1の220a、VCSEL1の220b等の作動に相当する。対応する検出器の応答は全体的に224で示されている。
【0047】
光源220aが作動されるとき、図7で示したように、カートリッジ14は光源220aと対応する検出器の間に位置しないので、対応する検出器では散乱光プロファイルは検出されない。図7は各光源に対して3つの光検出器を示しているが、ある実施形態では、左と右の検出器だけが散乱光プロファイルの検出に使用することができる。光源220bが次いで作動される。これが作動すると、対応する検出器は散乱光プロファイル222を検出する。散乱光プロファイル222の特性はカートリッジ縁部210として光散乱素子を識別することができる。
【0048】
第3および第4の光源が作動されると、対応する検出器では散乱光プロファイルは検出されない。第5の光源220cが作動されると、対応する検出器は散乱光プロファイル224を検出する。散乱光プロファイル224の特性はエンボス加工した光散乱素子214として光散乱素子を識別することができる。この実施形態を継続して、光源220Nが作動されると、対応する検出器は散乱光プロファイル226を検出する。散乱光プロファイル226は流体チャネルの縁部212として光散乱素子を識別する。説明のために、光散乱プロファイル222、224、226は異なる大きさを有するように示している。しかし、必要に応じて、光散乱プロファイルの間を弁別するため、任意の適切なパラメータまたは特性を使用できることが意図されている。代わりに、光散乱素子の位置だけを識別し、光散乱素子の間の弁別を行わない。ある実施形態では、エンボス加工した光散乱素子214の光散乱プロファイル224だけを識別することができ、他の光散乱素子の検出を無視することができる。
【0049】
カートリッジ14のこの相対位置合せが求められると、本発明は1つまたは複数の光源または光検出器のいずれがフローストリーム50に隣接した位置を有するかを識別することができる。例えば、図7の例示の実施形態において、本発明は、フローストリーム50に隣接する位置を有するものとして、光源220x、220y、220zを識別することができる。カートリッジ14とベース16および/またはカバー18の相対位置合せに応じて、異なる光源および/または光検出器を使用することができる。例えば、光源220bがエンボス加工された光散乱素子214の上に位置するように、カートリッジ14が持ち上げられると、光源220cの真上の3つの光源はフローストリーム50に隣接する位置を有し、選択されるであろう。光源が識別され選択されると、選択された光源および/または光検出器は、例えば、フローストリームの1つまたは複数のパラメータおよび/または特性を検出するのに使用することができる。
【0050】
図9は本発明の他の例示の実施形態を示す。この実施形態は、3つの分離した光源および光検出器のアレイを含む。3つのアレイが示されているが、応用例に応じて任意の適切な数を使用できることが理解される。例示の実施形態では、光源および光検出器の各アレイは、フローストリームの中央フロー軸に対して異なる光源軸に沿って配置される。
【0051】
光源および光検出器の第1のアレイが300で示される。示した例示の実施形態では、第1のアレイ300の光源および光検出器は、第1の光源軸に沿って線形アレイで配置される。光検出器のアレイは、光源の線形アレイと一列で配置される。第1のアレイ300の光源および光検出器は、例えば、フローストリーム50中の細胞の横方向の位置合せ、粒子サイズ、およびある場合には、粒子の速度の測定に使用することができる。代わりに、または追加で、光源および光検出器の第1のアレイ300は、光散乱素子312などの光散乱素子の位置を検出するために使用して、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せを求める助けにすることができる。例えば、光散乱素子312は1つまたは複数の対応する検出器で検出することのできる光散乱プロファイルを生成することができる。光散乱素子312の場所が識別されると、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せを求めることができる。
【0052】
光源および光検出器の第2のアレイが302で示されている。光源の第2のアレイはフローストリーム50のフロー軸に対する第2光源軸に沿って線形アレイで配置することができる。例示の実施形態では、第2アレイ302の光源は、光源の3つの線形アレイを含む。光検出器の1つの線形アレイは光源の線形アレイと一列で配置される。光検出器の他の2つの線形アレイは、光検出器のインラインアレイのどの側にも配置される。光源および光検出器の第2のアレイ302は、図7に関して示し、述べたものと類似している。図7で詳細に示したように、光源および光検出器の第2のアレイ302は、例えば、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せを求める助けにすることができる。
【0053】
カートリッジ14の相対位置合せが求まると、フローストリーム50に隣接して配置された1つまたは複数の光源および/または光検出器要素を識別することができる。これらの光源が識別され選択されると、選択された光源および対応する光検出器は、例えば、フローストリームの1つまたは複数のパラメータおよび/または特性を検出するのに使用することができる。一例示の実施形態では、第2のアレイ302の選択された光源および光検出器は、フローストリーム50中の選択された粒子によって生成される小さな角度の散乱(SALS)を測定するのに使用することができる。この場合、外側の光検出器は、フローストリーム50中の選択された粒子によって生成される小さな角度の散乱(SALS)と交差するように、インライン検出器から十分間隔をおくことができる。
【0054】
光源および光検出器の第2アレイ302のインライン検出器は、コアストリーム中の粒子によって大きく散乱されない光を検出するのに使用することができる。したがって、第2アレイ302の光検出器のインライン線形アレイは、必要に応じて、第1のアレイ300の検出器のインラインアレイと同じ測定を行うのに使用することができる。両方の検出器のインラインアレイの測定は、比較または組み合わせて、より正確な結果を提供することができる。代わりに、または追加で、第2のアレイ302のインライン検出器は、測定の信頼性を向上するために冗長の組の検出器として使用することができる。
【0055】
また、第2のアレイ302のインライン検出器は、第1のアレイ300のインライン検出器と共に使用して、フローストリーム中の粒子の飛行時間または速度をより正確に求めることができる。検出器の間の距離がより大きいので、測定をより正確にすることができる。上で示したように、粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって生じた小さな流速の変動を、制御装置によって最小化または除去することができる。
【0056】
また、光源および光検出器の第3のアレイ350が示されている。光源および光検出器の第3のアレイ350は、例えば、フローストリーム中の選択された粒子によって生成された前傾角度の散乱(FALS)を測定するのに使用することができる。例示的な実施形態では、光源はフローストリーム50のフロー軸に対して第3の光源軸に沿って線形アレイで配置される。各光源は対応する光検出器を有することが好ましく、各光検出器は、非感受性の領域または中央に位置する分離したインライン検出器を有する、環状の形状であることが好ましい。環状の光検出器は、フローストリーム中の選択された粒子によって生成された前傾角度の散乱(FALS)と交差し、検出するようなサイズにすることができる。
【0057】
分離したインライン検出器が提供されると、それは第1のアレイ300および/または第2のアレイ302のインライン検出器と同じ測定を行うために使用することができる。測定が行われるとき、第1のアレイ300、第2のアレイ302、第3のアレイ350の検出器の3つのインラインアレイ全てからの測定を比較し、または組み合わせて、さらにより正確な結果を提供することができる。また、第3のアレイ302のインライン検出器は、サイトメーターの信頼性を向上するために他のレベルまたは冗長性として使用することができる。
【0058】
また、第3のアレイ350のインライン検出器は、第1アレイ300および/または第2のアレイ302のインライン検出器と共に使用して、フローストリーム中の粒子の飛行時間または速度をより正確に求めることができる。検出器の間の距離がより大きいので、測定をより正確にすることができる。上で示したように、粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって生じた小さな流速の変動を、制御装置によって最小化または除去することができる。
【0059】
ある実施形態では、光源および検出器の3種の分離したアレイを使用することによって、各アレイに付随する光学系は所望の応用に合わせて最適化することができる。ある実施形態では、例えば、第1のアレイ300に付随する光学系は、コアフローの面上に良く焦点を合わせたレーザ光を提供するように設計することができる。これは、第1のアレイ300によって行われる位置合せ、サイズ、粒子速度測定に解像度を提供することを助ける。同様に、第2のアレイ302に付随する光学系は、コアフローの面上に良く焦点を合わせたレーザ光を提供するように設計することができる。フローストリーム中の選択された粒子によって生成される小さな角度の散乱(SALS)を測定するとき、しばしば良く焦点の合った光が望ましい。最終的に、第3アレイ350に付随する光学系は、コアフローに平行光を提供するように設計することができる。フローストリーム中の選択された粒子によって生成される前傾角度の散乱(FALS)を測定するとき、平行光はしばしば望ましい。
【0060】
レーザのアレイを使用することは単一光源の形態よりも多くの重要な利点を提供する。例えば、レーザの線形アレイは、コアストリーム160中の粒子の通路の横方向の位置合せを求めるのに使用することができる。粒子流の位置合せの不確実性の一要因は、コアストリームの幅であり、粒子通路位置に統計的な変動を招く。これらの変動は、検出器のデータ解析から求めることができ、制御装置または処理装置40に使用して、サンプル流体および支持流体に加えられた相対圧力を変化させて、フローストリーム中の選択された粒子の位置合せを変化させるために、流体駆動装置の弁を調節することができる。
【0061】
流体ストリーム50中の細胞の横方向の位置合せを求めるために、細胞は光源(例えば、VCSEL)のアレイによって形成されたいくつかの焦点を通過することができる。細胞は対応するインライン参照検出器における信号を降下させる。信号の相対強度は、制御装置または処理装置40に使用して、粒子通路の中心を求め、粒子幅を測定することができる。
【0062】
単一のレーザ形態よりも光源のアレイを使用する他の利点は、各細胞の速度を決定することができることである。粒子速度は光散乱信号から粒子サイズを評価する上で重要なパラメータであり得る。従来のサイトメーターでは、粒子サイズはポンプの流速から外挿される。この手法の制約は、ポンプが非常に正確でなければならず、サイトメーターのフローチャンバの公差を厳密に制御しなければならず、漏れなどの流体の欠陥が起きず、微小気泡などの障害物が導入されてフローまたはコア形成を妨害してはならないことである。
【0063】
各細胞の速度を決定するために、装置は各細胞が2つの継続する点の間を通過するのに必要な時間を測定することができる。例えば、図9を参照すれば、細胞は検出器208を通過し、次いで検出器210を通過することができる。細胞が検出器208から検出器210の間を通過するのに必要な時間を測定することによって、また、検出器208から検出器210の間の距離を知ることによって、制御装置または処理装置40は細胞の速度を計算することができる。これは、概略の速度測定であろう。これはしばしば飛行時間測定と呼ばれる。速度が判ると、粒子が点のほぼ中心にいる間の通過時間(数マイクロ秒)は粒子の長さとサイズの測定値を与えることができる。
【0064】
また、粒子の速度を用いて、流体駆動装置の制御を支援できることが意図されている。サイトメーターのサイズ、コストおよび複雑さを減少するために、図2の交換可能なカートリッジ14はプラスチック積層体または成形部品から製造することができる。それらの製造技術は安価な部品を提供することができるが、それらは一般に寸法が不正確で再現性が無く、非対称的な寸法およびより広い公差の断面を有する。より広い公差は、特にカートリッジ毎に粒子速度の変動を生じる。これらの広い公差の補償を助けるために、上で論じた飛行時間を制御装置または処理装置40に使用して、コアストリーム中の粒子が比較的一定の速度を有するように、血液、溶血剤、およびシース流体ストリームに加えられた圧力を調節することができる。また、これらの広い公差のために、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せを求めることがしばしば望ましい。位置合せ位置が求まると、適切な光源および光検出器を選択して、フローストリームの選択されたパラメータまたは特性を解析することができる。
【0065】
さらに細胞サイズを評価するために、細胞通路に沿って、および細胞通路を横切ってレーザビームの焦点を合わせることができることが意図されている。さらに、細胞を横切る複数のサンプルを組織の特徴について解析して、形態学的特徴を他の種類の細胞に相関させることができる。これは、細胞サイズについて複数のパラメータを提供することができ、細胞の種類を互いに分離することを助ける。
【0066】
単一レーザ源の形態ではなくレーザのアレイを使用することのさらに他の利点は、フローチャネルを横切って比較的一定の光照明を提供できることである。これは、図12に示すように、隣接するVCSELの提供するガウス分布のビームを重ね合わせることによって行うことができる。単一レーザ系では、フローチャネルを横切る光照明は一般にチャネルを横切って変化する。したがって、粒子がフローチャネルの中心に無い時、後続の測定精度は低くなる。
【0067】
図10は、第1の対象物を第2の対象物に対して整列するために機械的アクチュエータを使用する、本発明の他の例示の実施形態を示す概要図である。例示の実施形態は第1の対象物352および第2の対象物353を含み、第2の対象物352は第1の対象物352を受容するためのスロット354を含む。この実施形態ではスロット354が使用されるが、これは必要ではなく、ある実施形態はスロットを含まなくてもよい。図1に示した第2の対象物353は、光源355などの1つまたは複数の光源、および光検出器356などの1つまたは複数の光検出器を含む。
【0068】
示した実施形態では、光源355は第2の対象物353のスロット354の一方の側(例えば上側)に搭載され、検出器356は第2の対象物353のスロット354の反対側(例えば下側)に搭載される。上のように、第1の対象物352は、示したように、伸張された光散乱素子357を含むことができる。
【0069】
制御装置359を使用して、機械的アクチュエータ361を制御することができ、作動されるとき、第1の対象物352を第2の対象物353に対して動かすことができる。示した実施形態において、機械的アクチュエータ361は第1の対象物を第2の対象物353に対して上方向および/または下方向に動かす。アクチュエータ361は、例えば、ステップモーター、静電気駆動マイクロアクチュエータなどのマイクロアクチュエータ、または必要に応じて任意の他の適切なアクチュエータを含む任意の種類のアクチュエータとすることができる。
【0070】
使用の間に、制御装置359は、光源355が光散乱素子357と交差する光ビームを生成し、次いで光検出器356で検出することのできる光散乱プロファイルを生成するまで、第1の対象物352を第2の対象物353に対して動かすようアクチュエータ361に指示することができる。これが発生すると、第1の対象物352は、第2の対象物353と適切に位置合せされているとみなすことができる。例示の実施形態では、第1の対象物352の元の位置は点線で示され、これは第1の対象物352の光散乱素子357が光源355と位置合せされるまで下方向に動かされる。ある実施形態では、光散乱素子357は、例えば、さらにもう1つのレンズ、縁部または段差、回折格子、吸収フィルター、反射器、フローチャネル、または任意の他の種類の光散乱素子とすることができる。
【0071】
第1の対象物352を第2の対象物353に対して動かすのではなく、光源355自体を第2の対象物353に対して動かせることが意図されている。これは図11に示されている。図11において、アクチュエータ363は光源355を第2の対象物353に対して動かし、当然、光源355を第1の対象物352に対しても動かす。示した実施形態では、制御装置359は、光源355が第1の対象物352上の光散乱素子357と交差する光ビームを生成し、次いで光検出器356で検出することのできる光散乱プロファイルを生成するまで光源355を動かすよう、アクチュエータ363に指示する。例示の実施形態では、光源355の元の位置は370に点線で示され、これは駆動の後、光源355が第1の対象物352の光散乱素子357と位置合せされるまで下方向に動かされる。ある実施形態では、光検出器の静止アレイを使用して、ある範囲の位置を横切る光を検出することができる。他の実施形態では、1つまたは複数のより大きな静止検出器を使用して、ある範囲の位置を横切る光を検出することができる。さらに他の実施形態では、図11に示すように、1つまたは複数の可動光検出器を使用し、および光源355と一緒にアクチュエータ363によって動かすことができる。
【0072】
ここで図12を参照すれば、ある実施形態において、全てのまたは選択された光源からの光ビームは、ビーム形成器等を通過することができる。光源がアレイ軸に沿って拡張するアレイであるとき、ビーム形成器は、例えば、各光源のビームスポットサイズを軸方向に拡大することができ、ある場合にはビームスポットサイズを軸に垂直な方向に縮小することができる。ある実施形態において、ビーム形成器は、各光源の光の出力が隣接する光源の光出力と少なくとも部分的に重なり合うように、ビームスポットサイズを軸方向に拡大することができる。例えば、図12は、ビームスポットの各々が光源アレイ軸方向に拡大され、光源アレイ軸に垂直の方向に縮小された、ビーム形成器によって形成された多数のビームスポット400a〜400fを示している。さらに、ビームスポット400a〜400fの各々は、隣接する光源のビームスポットと少なくとも部分的に重なり合う。これは、ビームスポット400a〜400fが集まって広がることのできる距離を拡大し、照明面を横切る光照明の均一性を高める。
【0073】
図13は、2つの間隔をおくレーザ源の光照明強度を示す。各光源は、ガウス分布のピーク光強度を有するビームスポットを生成する。光強度の低下が光源の間に示される。図14は、光が上述のビーム形成器によって提供された後に、2つの間隔をおくレーザ源の光照明強度を示す。ビームスポットの各々は光源アレイ軸方向に拡大され、光源アレイ軸に垂直な方向に縮小されている。また、ビームスポットの各々は、隣接する光源のビームスポットと少なくとも部分的に重なり合う。見ることができるように、これは照明面積を横切る光照明の均一性を高めることができる。
【0074】
図15は1つまたは複数の光源に使用することのできる例示的ビーム形成器を示す。光源は410で示され、全体的に412で示されるビーム形成器にビームスポットを提供することができる。光源は、例えば、VCSEL、縁部発光ダイオード、または任意の他の適切な光源とすることができる。ビーム形成器412は、ビームスポットサイズを集合的に垂直方向に縮小することのできる第1のレンズ414および第2のレンズ416、およびビームスポットサイズを水平方向に拡大することのできる第3のレンズ418を含む。示したように、第1のレンズ414、第2のレンズ416、第3のレンズ418は、カートリッジ14中のフローチャネル50のコアフロー160の面上に、伸張されたビームスポット420の焦点を集合的に合わせることができる。見ることができるように、ビーム形成器412は、ビームスポット420が広がることのできる距離を拡大することができ、フローチャネル50を横切る光照明の均一性を高めることができる。光がコアフロー160を通過すると、光は回折光学要素(DOE)などの他のレンズ(図示せず)で受けて、検出および解析のために1つまたは複数の検出器へ導くことができる。
【0075】
図16は光源の線形アレイで使用する例示のビーム形成器を示している。光源の線形アレイは全体的に450で示され、示したように水平方向(X方向)に拡張するアレイ軸を有するVCSELの線形アレイを含むことができる。フローチャネルは50で示される。フローチャネルは縦方向(Y方向)に拡張する。1つまたは複数の検出器は452で示される。VCSELのアレイ450中の各VCSELはビーム形成器456にビームスポットを提供することが好ましい。ビーム形成器456は、図12に示したものなど、重なり合う伸張されたビームスポットを集合的に形成する、多数のレンズまたは他の光学要素を含むことができる。例示的ビーム形成器456は、第1レンズ460、ビームスポットサイズを集合的に縦方向(Y方向)に縮小する第2レンズ462および第3レンズ464、ビームスポットサイズを水平方向に拡大する第4レンズ466を含むことができる。第4レンズ466は、例えば、縦方向(Y方向)に凹面の円筒レンズとすることができる。第1レンズ460、第2レンズ462、第3レンズ464、および第4レンズ466は、カートリッジ14中のフローチャネルの面上に、重なり合う伸張されたビームスポットを集合的に焦点合わせすることができる。図12で詳細に示すように、ビーム形成器456は、光源450によって提供されたビームスポットがカートリッジ14を横切って集合的に広がることのできる距離を拡大することができ、照明面を横切る光照明の均一性を高めることができる。光がコアフロー160を通過すると、光は回折光学要素(DOE)などの他のレンズ470によって集められ、検出および解析のために1つまたは複数の検出器452へ導くことができる。
【0076】
図17は、ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せを検出するための多数の例示的モデルを示している。ベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の相対位置合せ位置を識別するために、光源のアレイは、図12に示した少なくとも1つの伸張されたビームスポットがカートリッジ14の少なくとも1つの光散乱素子と交差するように、十分な範囲に拡張することが好ましい。図17に示した例示の実施形態において、カートリッジ14は、カートリッジ縁部210および2つのフローチャネル縁部212aおよび212bを含んで、多数の光散乱素子を含む。光散乱素子の各々は散乱された光プロファイルを生成することが好ましい。
【0077】
1つまたは複数の検出器を、少なくとも1つの検出器が少なくとも1つの光散乱素子の散乱された光プロファイルを検出するように配置することができる。制御装置を使用して、どの光源が実際に検出された散乱光プロファイルを生成したかを識別し、および識別した光源をベース16および/またはカバー18に対するカートリッジ14の位置合せ位置に相関させることができる。
【0078】
第1のシナリオにおいて、ビーム形成器によって生成された、伸張されたビームスポット領域は470で集合的に示されている。一実施形態では、集合的な伸張されたビームスポット領域470は、25ミクロンのピッチを有する10個のVCSELの線形アレイによって形成される。ビーム形成器は、10個のVCSELデバイスの個々のビームスポットを伸張および重ね合わせ、長さ約720ミクロンの、集合的な伸張されたビームスポット領域470をカートリッジ14に生成する。
【0079】
第1のシナリオにおいて、カートリッジ14は集合的な伸張されたビームスポット領域470が1つの光散乱素子、すなわちカートリッジの縁部210だけに重ね合わさるように、位置合せされる。フローチャネル50が720ミクロンの集合的伸張されたビームスポット領域470の範囲内にあれば、カートリッジの縁部210の位置は、フローチャネル50に隣接して位置する個々のVCSELを識別するのに使用することができよう。しかし、示した実施形態では、フローチャネル50は720ミクロンの集合的伸張されたビームスポット領域470の範囲内にない。そのような場合、処理装置または制御装置は、カートリッジ14がフローチャネル50の解析を行うにはあまりにも大きく位置がずれていることを示すであろう。集合的な伸張されたビームスポット領域470に含まれる範囲は、単に追加の光源、光検出器、および付随する光学系を加えることによって拡大することができる。
【0080】
第2のシナリオにおいて、カートリッジ14は、集合的な伸張されたビームスポット領域472が2つの光散乱素子、すなわちカートリッジの縁部210およびフローチャネルの縁部212aに重ね合わさるように、位置合せされる。再び、フローチャネル50全体が720ミクロンの集合的伸張されたビームスポット領域472の範囲内にあれば、カートリッジの縁部210および/またはフローチャネルの縁部212aの位置は、フローチャネル50に隣接して位置する個々のVCSELを識別するのに使用することができよう。しかし、例示した実施形態では、フローチャネル50全体は720ミクロンの集合的な伸張されたビームスポット領域472の範囲内にない。そのような場合、処理装置または制御装置は、カートリッジ14がフローチャネル50の解析を行うにはあまりにも大きく位置がずれていることを示すであろう。集合的な伸張されたビームスポット領域472に含まれる範囲は、単に追加の光源および付随する光学系を加えることによって拡大することができる。
【0081】
第3のシナリオにおいて、カートリッジ14は集合的な伸張されたビームスポット領域474が1つの光散乱素子、すなわちフローチャネルの縁部212aだけに重ね合わさるように、位置合せされる。再び、フローチャネル50全体が720ミクロンの集合的伸張されたビームスポット領域474の範囲内にあれば、フローチャネルの縁部212aの位置は、フローチャネル50に隣接して位置する個々のVCSELを識別するのに使用することができよう。しかし、例示の実施形態では、フローチャネル50全体は720ミクロンの集合的な伸張されたビームスポット領域474の範囲内にない。そのような場合、処理装置または制御装置は、カートリッジ14がフローチャネル50の解析を行うにはあまりにも大きく位置がずれていることを示すであろう。集合的な伸張されたビームスポット領域474に含まれる範囲は、単に追加の光源および付随する光学系を加えることによって拡大することができる。
【0082】
第4のシナリオにおいて、カートリッジ14は、集合的な伸張されたビームスポット領域476が2つの光散乱素子、すなわちフローチャネルの縁部212aおよびフローチャネルの縁部212bに重ね合わさるように、位置合せされる。このモデルでは、フローチャネル50全体は720ミクロンの集合的な伸張されたビームスポット領域476の範囲内にある。そのような場合、フローチャネルの縁部212aおよびフローチャネルの縁部212bは、フローチャネル50に隣接して位置する個々のVCSELを識別するのに使用することができる。識別されると、個々のVCSELはフローストリーム50の選択されたパラメータまたは特性を求めるのに使用することができる。
【0083】
図18はフローチャネル50中のコアフローの位置合せを検出し、散乱測定を行う例示的方法を示す概要図である。例示の実施形態において、VCSELがフローチャネル50に隣接して位置することが識別されると、これらのVCSELの各々は、480a、480b、480cで示すように、逐次的に作動させてフローチャネル50中のコアの位置を識別し、および/または散乱測定を行うことができる。代わりに、または追加で、識別されたVCSELの全てを482で示すように同時に作動し、対応する検出器の出力を監視して、フローチャネル中のコアの場所を決定し、および/または散乱測定を行うことができる。
【0084】
図19はフローチャネル502を有する積層カートリッジ500の概要図である。図20は図19のカートリッジ500の断面側面図である。カートリッジ500は、ベース積層体504、上部積層体506、および1つまたは複数の中間積層体508を含んで、多数の積層体を含む。フローチャネル502は、1つまたは複数の中間積層体508中のエッチングされたチャネルによって形成することができる。カートリッジの縁部510の検出を助けるために、チャネル縁部512、またはいくつかの他の形態、1つまたは複数の光遮断層もしくは領域を1つまたは複数の積層体層に含むことができる。例えば、光遮断層もしくは領域514は示したように上部積層体506の上部に提供することができる。光遮断層もしくは領域514は、例えば、カートリッジ500の上部および/またはベース面に取り付けられたステッカーまたは他のフィルターとすることができる。代わりに、必要に応じて、光遮断層は中間積層体の1つの中に組み込むことができる。
【0085】
光遮断層もしくは領域は、例えば、カートリッジ縁部510とチャネル縁部512の間に拡張することができる。光遮断層もしくは領域は、カートリッジ縁部510とチャネル縁部512の間に位置する光源により放射される光が対応する検出器に到達することを防止する。これは、詳細な散乱プロファイルを解析する必要がなくなるので、カートリッジ縁部510および/またはチャネル縁部512の検出を簡単にする。代わりに、より単純な光あり/光なしのアルゴリズムを用いることができる。光遮断層もしくは領域は、カートリッジ縁部510とチャネル縁部512の間に拡張する必要はないことが理解される。むしろ、カートリッジ500の相対位置を検出するための任意の適切な配置を使用できることが意図されている。
【0086】
図21は、光散乱素子602を有する例示の対象物600の概要図である。図22は図21の光散乱素子602の断面側面図である。光源604(図21中に「+」の記号で示される)は光散乱素子602の上方に位置して示され、検出器のアレイ606(図21に箱で示される)は光散乱素子602の下方に位置して示される。光源604は光ビームを光散乱素子602に向けて導くことが好ましく、光散乱素子602は、光源604に対する光散乱素子602の相対位置合せに応じて、光ビームを1つまたは複数の検出器606へ導くことができる。一実施形態では、図22を参照すれば、光源が光散乱素子602に対して604aの位置に位置すれば、光散乱素子602は光ビームを検出器606aへ導くことができる。光源が光散乱素子602に対して604bの位置に位置すれば、光散乱素子602は光ビームを検出器606bへ導くことができる。光源が光散乱素子602に対して604cの位置に位置すれば、光散乱素子602は光ビームを検出器606cへ導くことができる。このように、検出器606のいずれが光ビームを検出するかを監視することによって、光源604および光散乱素子602の相対位置、したがって対象物600の相対位置を求めることができる。一実施形態では、光散乱素子602はレンズである。しかし、任意の適切な光散乱素子を使用することができる。光散乱素子602は、対象物600の相対位置合せを一次元または二次元いずれでも求めるのに使用できることが意図されている。
【0087】
本発明の好ましい実施形態をこのように説明したが、当業者であれば、本明細書に見出される教示は、ここに付属する請求項の範囲内でさらに他の実施形態に適用できることを容易に理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを検出するための光学位置合せ検出装置であって、
前記第1の対象物に対して固定された1つまたは複数の光散乱素子と、
前記第2の対象物に沿って異なる位置に前記第2の対象物に対してそれぞれ固定され、全光源より少ない光源からの光ビームが1つまたは複数の光散乱素子と交差して散乱された光プロファイルを生成し、前記光源からの少なくともひとつの光ビームは前記1つまたは複数の光散乱素子のいずれにも交差しないように光ビームを提供するようにそれぞれが適合されている、複数の光源と、
散乱された光プロファイルを検出するための1つまたは複数の検出器と、
前記光源のいずれが、前記1つまたは複数の光散乱素子と交差する光ビームを提供し、そして前記1つまたは複数の光散乱素子のいずれとも交差しない光ビームを提供したかを識別するために前記1つまたは複数の検出器に結合された制御装置と、を備え、
前記制御器は、前記識別に基づいて、前記識別された光源の位置を現在の位置合せ位置に相関させることによって、第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを決定する、
光学位置合せ検出装置。
【請求項2】
第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを検出する方法であって、第1の対象物は1つまたは複数の光散乱素子を有し、第2の対象物は第2の対象物に沿って異なる位置に第2の対象物に対してそれぞれ固定された2つ以上の光源を有し、2つ以上の光源は全光源より少ない光源が少なくとも1つの光散乱素子と交差する光ビームを生成し、そして少なくともひとつの光源は前記1つまたは複数の光散乱素子のいずれにも交差しないように配置され、
2つ以上の光源を逐次的に作動するステップと、
2つ以上の光源のいずれが、少なくとも1つの前記光散乱素子と交差する光ビームを生成するかを識別するステップと、
2つ以上の光源のいずれが、前記光散乱素子のいずれとも交差しない光ビームを生成するかを識別するステップと、
第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを、前記識別された光源の位置と現在の位置合せ位置に相関させることによって決定するステップと、
を含む方法。
【請求項3】
前記識別するステップによって識別されない少なくとも1つの光源を使用し、前記第1の対象物の1つまたは複数の特性を検出するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の対象物の前記1つまたは複数の特性を検出するために使用される前記少なくとも1つの光源は、前記第2の対象物に対する前記第1の対象物の決定された位置合せに基づいて選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
両方とも第1の対象物に固定された、1つまたは複数の光遮断領域および1つまたは複数の光非遮断領域と、
前記第2の対象物に対して固定され、少なくとも1つの光源からの光ビームが1つまたは複数の光遮断領域の少なくとも1つと交差し、少なくとも1つの他の光源からの光ビームが1つまたは複数の光非遮断領域の少なくとも1つと交差するように光を提供するように適合された、2つ以上の光源と、
1つまたは複数の光非遮断領域の少なくともひとつを通過する前記2つ以上の光源から提供された前記光ビームを検出するための1つまたは複数の検出器と、
前記2つ以上の光源のいずれが前記1つまたは複数の光遮断領域と交差する光ビームを提供するかを識別し、および/または前記2つ以上の光源のいずれが前記1つまたは複数の光非遮断領域と交差する光ビームを提供するかを識別する識別手段と、
前記識別された光源から前記第2の対象物に対する前記第1の対象物の位置合せを決定する手段とを含む、
第2の対象物に対する第1の対象物の位置合せを検出する光学位置合せ検出装置。
【請求項6】
前記2つ以上の光源は軸に沿って線形アレイに配置され、各光源が断面にビームスポットサイズを有する光出力を生成し、
前記2つ以上の光源の各々のビームスポットサイズを軸の方向に拡大するビーム形成手段をさらに含む、請求項1に記載の光学位置合せ検出装置。
【請求項7】
前記ビーム形成手段は、前記2つ以上の光源の各々のビームスポットサイズを軸に垂直な方向に縮小する、請求項6に記載の光学位置合せ検出装置。
【請求項8】
各光源の光出力は光源に隣接する光出力と少なくとも部分的に重なり合うように、前記光ビーム形成手段は、前記2つ以上の光源の各々のビームスポットサイズを軸の方向に拡大する、請求項6に記載の光学位置合せ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−164573(P2010−164573A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36079(P2010−36079)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【分割の表示】特願2004−531021(P2004−531021)の分割
【原出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】