説明

光学式曲がり測定装置

【課題】複数本の光ファイバーを設置し難い測定対象に対しても適用でき、測定対象の複数個所の特定方向の曲がり量を独立に測定し得る光学式曲がり測定装置を提供する。
【解決手段】光学式曲がり測定装置は、測定光を供給する光源ユニット110と、測定光を伝達する光ファイバー120と、光ファイバー120の異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材150A,150B,150Cと、光ファイバー120から出力される光を検出する光検出ユニット140を備えている。各光学特性変化部材150A,150B,150Cは、これが設けられた光ファイバー120の部分の特定方向の曲がり量に応じてこれに入射した光に光学特性の変化を与える。光検出ユニット140は、光学特性の変化を受けた光を分離して検出し、その検出光強度に基づいて光ファイバー120の複数の部分の特定方向の曲がり量を独立に測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式曲がり測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図16〜図18は、特開昭57−141604号に開示されている光ファイバーを使用した曲率測定装置を示している。図16は、この曲率測定装置の屈曲前の光学ファイバーの状態を示している。図17は、この曲率測定装置の屈曲時の光学ファイバーの状態を示している。
【0003】
光ファイバーは、ガラスや透明プラスチックなどから成るコア部501を有している。コア部501の外周の一部は光吸収部503によって覆われており、残りの部分はクラッド部502によって覆われている。コア部501とクラッド部502の境界面に全反射角よりも大きい角度で入射する光はそこで全反射される。
【0004】
このような光ファイバーを伝搬する光は、次のような状況と成る。すなわち、図16に示される屈曲前の状態では、内壁に平行に入射した光線504はすべて伝達される。内壁に非平行に入射した光のうち、光吸収部503に入射した光線505はそこで吸収されて伝達されない。また光線506の様に緩い角度で入射して光吸収部503を避けた光は、吸収されずに伝達される。
【0005】
図17に示される屈曲時の状態では、光は直進するため、光線504,505,506はいずれも光吸収部503に入射し、そこで吸収されて伝達されない。
【0006】
図18は、このような曲率測定装置が鉄道のレールの曲がり測定に適用された例を示している。光ファイバー束509は、鉄道のレール508に沿って配置され、その一方の端部はレーザー光源510に接続され、他方の端部は光電変換装置511に接続される。
【0007】
光ファイバー束509は、レール508の測定すべき三個所に対応して、光吸収部503を備えた三本の光ファイバーからなり、光ファイバーの光吸収部503はそれぞれ測定個所に配置される。三本の光ファイバーを介した伝達された光の減衰量をそれぞれ測定して、三個所の測定個所の曲率をそれぞれ求めている。
【0008】
また三本の光ファイバーを使用せずに、一本の光ファイバーを使用して測定してもよく、この場合、光吸収部503をレール508に沿ってずらせて三度測定することにより同様の結果を得ている。さらに一本の光ファイバーの三個所に光吸収部503を設けてもよく、この場合、光の減衰量は、三個所の光減衰が乗算された値として得ている。
【0009】
以上のように、従来の曲率測定装置は、光の減衰量の測定から、レールの曲率や列車の通過中のレールの沈み具合を測定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭57−141604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の従来の装置では、一本の光ファイバーを介して得られる曲率は一個所の値か複数個所の乗算値である。複数個所の独立した値を得るためには、一本の光ファイバーの設置と測定を繰り返しおこなうか、複数の光ファイバーを設置して測定する必要がある。
【0012】
このような手法は、測定対象がレールのように複数本の光ファイバーを設置することに体積的に問題が生じない場合であればよいが、複数本の光ファイバーを測定対象に設置することが体積的に困難な場合や、設置状況を変更することが容易でない場合には採用できない。また従来の装置では、一本の光ファイバーによって、複数個所の曲率をそれぞれ独立した値として得ることはできない。
【0013】
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、複数本の光ファイバーを設置し難い測定対象に対しても適用でき、測定対象の複数個所の特定方向の曲がり量を独立に測定し得る光学式曲がり測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による光学式曲がり測定装置は、測定光を供給する光源ユニットと、前記測定光を伝達する光伝達体と、前記光伝達体の異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材と、前記光伝達体から出力される光を検出する光検出ユニットを備えている。各光学特性変化部材は、これが設けられた前記光伝達体の部分の特定方向の曲がり量に応じてこれに入射した光に光学特性の変化を与える。前記光検出ユニットは、光学特性の変化を受けた光を分離して検出し、その検出光強度に基づいて前記光伝達体の複数の部分の特定方向の曲がり量を独立に測定する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数本の光ファイバーを設置し難い測定対象に対しても適用可でき、測定対象の複数個所の特定方向の曲がり量を独立に測定し得る光学式曲がり測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第一の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。
【図2】第二の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。
【図3】図2の光検出ユニットが検出する各光成分の強度の変化を示している。
【図4】図2の光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの部分の断面構造を示している。
【図5】図4の光学特性変化部材に代えて別の光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの断面構造を示している。
【図6】長さ寸法が異なる光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの断面構造を示している。
【図7】複数の要素から成る光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの断面構造を示している。
【図8】光学特性変化部材の好適な吸収特性を示している。
【図9】光学特性変化部材の不適切な吸収特性を示している。
【図10】図4の光学特性変化部材に代えて別の配置形態で光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの断面構造を示している。
【図11】図4の光学特性変化部材に代えてまた別の配置形態で光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの断面構造を示している。
【図12】図4の光学特性変化部材に代えてさらに別の配置形態で光学特性変化部材が設けられた光ファイバーの断面構造を示している。
【図13】第三の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。
【図14】第四の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。
【図15】時刻t0において供給される測定光の強度と、各時刻t1,t2,t3において検出される光の強度を示している。
【図16】従来例の曲率測定装置の屈曲前の光学ファイバーの状態を示している。
【図17】従来例の曲率測定装置の屈曲時の光学ファイバーの状態を示している。
【図18】従来例の曲率測定装置の使用例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。図1に示されるように、光学式曲がり測定装置は、測定光を供給する光源ユニット110と、測定光を伝達する光伝達体たとえば光ファイバー120と、光ファイバー120の異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材150A,150B,…,150Nと、光ファイバー120から出力される光を検出する光検出ユニット140を有している。
【0019】
各光学特性変化部材150A,150B,…,150Nは、これが設けられた光ファイバー120の部分の特定方向の曲がり量に応じて、これに入射した光に光学特性の変化を与える。さらに、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nが光学特性の変化を与える光成分はそれぞれ異なっている。たとえば、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nは、それぞれ、波長λa,λb,…,λnの光成分に対して光学特性の変化を与える。つまり、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nが与える光学特性変化は互いに独立している。
【0020】
光検出ユニット140は、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nによって光学特性の変化を受けた光成分ごとに分離して検出し、各光成分の強度に基づいて光学特性変化部材150A,150B,…,150Nが設けられた光ファイバー120の複数の部分の特定方向の曲がり量を独立に測定する。
【0021】
一例では、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nは、たとえば、光ファイバー120の延在方向または長手方向の異なる位置に設けられている。ここで、光ファイバー120の延在方向または長手方向とは、光ファイバー120内を伝搬する光の経路に沿った方向をいう。この延在方向または長手方向との用語は、後述する実施形態の説明においても同様の意味である。この場合、光検出ユニット140は、光ファイバー120の延在方向または長手方向の異なる各位置における特定方向の曲がり量を測定し得る。各位置における特定方向は同じであっても異なっていてもよい。
【0022】
別の例では、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nは、光ファイバー120の延在方向または長手方向の同じ位置において周方向の異なる位置に設けられている。ここで、光ファイバー120の周方向とは、光の伝搬経路を(たとえば垂直に)横切る断面において、光ファイバー120の外周に沿った方向をいう。この周方向との用語は、後述する実施形態の説明においても同様の意味である。この場合、光検出ユニット140は、光ファイバー120の延在方向または長手方向の同じ位置における曲がりの方向と曲がり量を測定し得る。
【0023】
もちろん、前述の二つの例は組み合わされてもよい。つまり、光学特性変化部材150A,150B,…,150Nは、いくつかが光ファイバー120の延在方向または長手方向の異なる位置に設けられ、いくつかが光ファイバー120の周方向の異なる位置に設けられていてもよい。
【0024】
このような構成をしているため、本実施形態の光学式曲がり測定装置は、たとえば光ファイバーを一本しか設置できないような細い管や狭い場所に対しても、測定対象の複数の個所の特定方向の曲がり量、たとえば、特定の個所の曲がりの方向や複数の個所の曲がり量を測定することができる。
【0025】
<第二の実施形態>
図2は、第二の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。図2に示されるように、光学式曲がり測定装置は、測定光を供給する光源ユニット210と、測定光を伝達する光伝達体たとえば光ファイバー220と、光ファイバー220から出る光を反射して光ファイバー220内に戻す反射部材230と、光ファイバー220の異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材250A,250B,250Cと、光ファイバー220から出力される光を検出する光検出ユニット240を有している。
【0026】
光源ユニット210は、LED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイオード)などの光源212と、光ファイバーに入射させる光の効率を向上させるための凸レンズなどの光学部材214を有している。
【0027】
光ファイバー220は、一方の側に二つの端部220a,220bを有し、反対側に一つの端部220cを有している二分岐構造体で構成されている。光ファイバー220は、たとえば光量の比率を1:1に分岐する二分岐ファイバーで構成される。端部220aは、光源ユニット210と光学的に結合されており、光源ユニット210から供給される光が端部220aに入力される。端部220aは、光検出ユニット240と光学的に結合されており、端部220bから出力される光が光検出ユニット240に入力される。端部220cは、反射部材230と光学的に結合されており、反射部材230は、端部220cから出力される光を反射して端部220c内へ戻す。
【0028】
光学特性変化部材250A,250Bは、光ファイバー220の延在方向または長手方向に関して同じ位置に配置されている。光学特性変化部材250A,250Bはまた、周方向に関して異なる位置に配置されている。たとえば、光学特性変化部材250A,250Bは、中心軸の周りに90度異なる位置に配置されている。ここで、中心軸とは、光の伝搬経路の中心に沿って延びる仮想的な線を意味している。
【0029】
光学特性変化部材250A,250Cは、光ファイバー220の延在方向または長手方向に関して異なる位置に配置され、周方向に関して異なる位置に配置されている。
【0030】
図2には、三つの光学特性変化部材250A,250B,250Cが設けられた例が示されているが、光学特性変化部材の個数は二つ以上いくつであってもよい。
【0031】
各光学特性変化部材250A,250B,250Cは、光ファイバー220の延在方向または長手方向に延びており、これが設けられた光ファイバー220の部分の特定方向の曲がり量に応じて、これに入射した光に光学特性の変化を与える。たとえば、光学特性変化部材250A,250Cは、それぞれ、これらが設けられた光ファイバー220の部分の上下向の曲がり量に応じて、これらに入射した光に光学特性の変化を与える。また光学特性変化部材250Bは、これが設けられた光ファイバー220の部分の左右方向の曲がり量に応じて、これに入射した光に光学特性の変化を与える。
【0032】
さらに、光学特性変化部材250A,250B,250Cが光学特性の変化を与える光成分はそれぞれ異なっている。たとえば、光学特性変化部材250A,250B,250Cは、それぞれ、波長λa,λb,λcの光成分に対して光学特性の変化を与える。
【0033】
前記光検出ユニット240は、光ファイバー220の端部220bから出力される光を、光学特性変化部材250A,250B,250Cによってそれぞれ光学特性の変化を受けた光成分に分離する分離光学素子242と、分離光学素子242によって分離されたそれぞれの光成分の強度を検出する光検出器244を有している。
【0034】
本構成では、光ファイバー220を二分岐ファイバーとしたが、反射部材230の位置に光検出器ユニット240を配置した構成でも同様の効果を得ることができる。
【0035】
図3は、光検出ユニット240が検出する各光成分の強度の変化を示している。A1,B1,C1は、それぞれ、光学特性変化部材250A,250Bが設けられた光ファイバー220の部分が上下方向(上1下1方向)に曲げられたときの、光学特性変化部材250A,250B,250Cによって光学特性の変化を受けた光の強度の変化を示している。また、A2,B2,C2は、それぞれ、光学特性変化部材250A,250Bが設けられた光ファイバー220の部分が左右方向に曲げられたときの、光学特性変化部材250A,250B,250Cによって光学特性の変化を受けた光の強度の変化を示している。A3,B3,C3は、それぞれ、光学特性変化部材250Cが設けられた光ファイバー220の部分が上下方向(上2下2方向)に曲げられたときの、光学特性変化部材250A,250B,250Cによって光学特性の変化を受けた光の強度の変化を示している。
【0036】
図3からわかるように、たとえば、光学特性変化部材250A,250Bが設けられた光ファイバー220の部分が上下方向に曲げられたとき、光学特性変化部材250Aによって光学特性の変化を受けた光だけが強度の変化を示し、他の光学特性変化部材250B,250Cによって光学特性の変化を受け得る光は強度の変化を示さない。光検出ユニット240は、光学特性変化部材250A,250B,250Cによって光学特性の変化を受けた光成分ごとに分離して検出する。この場合であれば、光検出ユニット240は、光学特性変化部材250Aによって光学特性の変化を受けた光の強度だけが変化していることから、光学特性変化部材250Aが設けられた光ファイバー220の部分が上下方向に曲げられたことを検知し、さらに、その光の強度の変化量に基づいてその曲がり量を測定する。
【0037】
つまり、光検出ユニット240は、光学特性変化部材250A,250B,250Cによって光学特性の変化を受けた光成分ごとに分離して検出し、その検出光強度に基づいて光学特性変化部材250A,250B,250Cが設けられた光ファイバー220の複数の部分の特定方向の曲がり量を独立に測定する。たとえば、光学特性変化部材250A,250Bによって光学特性の変化を受けた光成分が共に強度変化を示す場合、光検出ユニット240は、両者の比に基づいて曲がりの方向と曲がり量を測定する。
【0038】
光学特性変化部材250A,250B,250Cが与える光学特性の変化としては以下の例があげられる。
【0039】
第一の例は、光学特性変化部材250A,250B,250Cが光を吸収することによる光強度の低下である。この場合、光学特性変化部材250A,250B,250Cは、それぞれ、互いに異なる波長の光を吸収する光吸収部材で構成される。光学特性変化部材250A,250B,250Cは、それぞれ、それらが設けられた光ファイバーの部分の特定方向の曲がり量に応じて、互いに異なる特定の波長λa,λb,λcの光だけを吸収する。その結果、光学特性変化部材250A,250B,250Cを経由した光は、その分、各波長の光成分の強度が低下する。
【0040】
この場合、光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光を含む波長帯域の広い光たとえば白色光を供給する。または光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光が合成された光を供給する。または光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光を時分割で供給する。たとえば、光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光をそれぞれ時間間隔ta,tb,tcで繰り返し供給する。
【0041】
また、光検出ユニット240の分離光学素子242は、光ファイバー220から出力される光を複数の波長λa,λb,λcの光に分離し、光検出器244は、分離光学素子242によって分離された複数の波長λa,λb,λcの光の強度をそれぞれ検知する。このような光検出器244は、たとえば、PDを集積したチップであるラインセンサーやCCDといったエリアセンサーなどで構成され得るが、これらに特に限定されるものではない。光の集光や反射防止などの効果を有する光学コートが施してあると、より好適である。また分離光学素子242は、たとえば、ブレーズミラーなどの分光特性を有する素子で構成され得る。また、光源ユニット210が時分割で光を供給する構成であれば、ミラーの角度を変えて複数の波長λa,λb,λcの光をそれぞれ別の光電変換素子に方向付ける素子で構成されてもよい。
【0042】
図4に示されるように、たとえば、光ファイバー220は、中心に延びるコア222と、その周囲に配置されたクラッド224とで構成されている。光学特性変化部材250A,250Bは、光ファイバー220のコア222に接するようにクラッド224の中に配置されている。図4には、光学特性変化部材250A,250Bだけが図示され、光学特性変化部材250Cは図示されていないが、光学特性変化部材250Cの配置形態も同様である。
【0043】
光学特性変化部材の構成はさまざまな形態で最適化が図られてもよい。たとえば、光ファイバー220の中心軸の周りに90度異なる位置に二つの光学特性変化部材を配置する構成では、図4の光学特性変化部材250A,250Bに代えて、図5に示されるように、それらよりも周方向の寸法が短い光学特性変化部材252A,252Bが設けられてもよい。この場合、曲がり量の検出感度は低下するが、曲がりの方向の検出感度は向上する。
【0044】
また、供給される各波長の光の強度の違いや各光学特性変化部材の材質の光吸収度の違いなどを考慮して、図6に示されるように、光ファイバー220の長手方向の寸法が異なる光学特性変化部材262,264,266が光ファイバー220に設けられてもよい。また、各光学特性変化部材は、単一の部材で構成される必要はなく、図7に示されるように、複数の要素から成る光学特性変化部材272,274が光ファイバー220に設けられてもよい。
【0045】
そのほか、特定の二方向の曲がり量だけを測定できさえすればよいのであれば、偏光を利用して検出することも可能である。この場合、二つの曲がり方向を横切る光ファイバー220の周方向の異なる位置に光吸収部材を配置し、二つの曲がり方向の両方に非平行な直線偏光を光源ユニット210から供給する。直線偏光は、二つの曲がり方向成分がそれぞれの光吸収部材によって、光ファイバー220のその部分の曲がり量に応じて吸収される。光検出ユニット240は、直線偏光の二つの曲がり方向成分を分離して検出することにより、光ファイバー220の二方向の曲がり量を独立に測定する。
【0046】
光学特性変化部材250A,250B,250Cが与える光学特性の変化の第二の例は波長変換である。この場合、光学特性変化部材250A,250B,250Cは、それぞれ、入射光を互いに異なる別の波長の光に変換する波長変換部材たとえば蛍光体で構成される。光学特性変化部材250A,250B,250Cは、測定光を受光して、測定光の波長とそれぞれ異なる波長の光を発生する。光学特性変化部材250A,250B,250Cは、異なる波長の光を受光して異なる波長の光をそれぞれ発生しても、同じ波長の光を受光して異なる波長の光をそれぞれ発生してもよい。つまり、光学特性変化部材250A,250B,250Cは、波長λa,λb,λcの光を受光して、それぞれ、波長λa’,λb’,λc’の光を発生してもよいし、あるいは、波長λ0の光を受光して、それぞれ、波長λa’,λb’,λc’の光を発生してもよい。
【0047】
この場合、光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光を含む波長帯域が広い光たとえば白色光を供給する。または光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光が合成された光を供給する。または光源ユニット210は、複数の波長λa,λb,λcの光を時分割で供給する。あるいは、光源ユニット210は、単一の波長λ0の光またはそれを含む光を供給する。
【0048】
ここで、波長λa,λb,λc,λa’,λb’,λc’,λ0の光とは、それらの単一波長の光を意味しているわけでなく、それらの波長を中心波長として波長の広がりを有する光を意味している。
【0049】
光学特性変化部材250A,250B,250Cはいずれも、変換された波長λa’,λb’,λc’の光(特に中心波長付近の光)を吸収しない吸収特性を有している。
【0050】
一例として、光学特性変化部材250Bの好適な吸収特性と不適切な吸収特性を、それぞれ、波長λ0,λa’,λb’の光と一緒に図8と図9に示す。
【0051】
図8に示される光学特性変化部材250Bの好適な吸収特性282は、光学特性変化部材250Aから発生される波長λa’の光La’と重なっていないので、光学特性変化部材250Bは、波長λ0の光L0を吸収して波長λb’の光Lb’を発生するが、波長λa’の光La’を吸収して波長λb’の光Lb’を発生することはない。
【0052】
一方、図9に示される光学特性変化部材250Bの不適切な吸収特性284は、波長λa’を超えて延びており、光学特性変化部材250Aから発生される波長λa’の光La’と相当に重なっている。このため、光学特性変化部材250Bは、波長λ0の光L0を吸収して波長λb’の光Lb’を発生するほかに、波長λa’の光La’を吸収して波長λb’の光Lb’を発生してしまう。その結果、光学特性変化部材250Aの曲がり量を正確に求めることが困難になってしまう。
【0053】
ここでは、光学特性変化部材250Bの吸収特性についてだけ述べたが、他の光学特性変化部材250A,250Cの吸収特性についても同様である。すなわち、光学特性変化部材250A,250B,250Cの吸収特性はいずれも、実質的に波長λa’,λb’,λc’の光と重なっていない。
【0054】
また、光検出ユニット240は、検出する光の波長がλa,λb,λcからλa’,λb’,λc’に変わる設計変更を除いては、光吸収部材の光学特性変化部材250A,250B,250Cに適用された構成が採用され得る。
【0055】
波長変換部材の光学特性変化部材250A,250B,250Cもまた、光吸収部材の光学特性変化部材250A,250B,250Cと同様に、図5〜図7を参照して説明した前述の手法によって最適化が図られてもよい。
【0056】
光学特性変化部材250A,250B,250Cが与える光学特性の変化の別の例は位相情報の変化であってもよい。この場合、光学特性変化部材250A,250B,250Cは、それぞれ、それらが設けられた光ファイバーの部分の特定方向の曲がり量に応じて、互いに異なる波長の光の位相情報を変化させる。
【0057】
光学特性変化部材250A,250B,250Cは、図4において、光ファイバー220のクラッド224の中に配置されている例を示したが、光学特性変化部材250A,250B,250Cの配置形態は、これに限定されるものではなく、同等の構造体を構成しさえすればよく、さまざまな他の配置形態が適用されてもよい。図10〜図12は、そのような他の配置形態を示している。図10に示される例では、光学特性変化部材254Aがクラッド224と同じまたはそれ以上の厚さを有し、その外側にクラッド224の補助層226が設けられていてもよい。また、補助層226の機能を空気に任せて補助層226が省かれてもよい。図11に示される例では、光学特性変化部材256A,256Bが、光ファイバー220のクラッド224に接するようにコア222の中に配置されている。図12に示される例では、光学特性変化部材258A,258Bが、光ファイバー220のコア222とクラッド224の両方にまたがるように配置されている。
【0058】
このような構成をしているため、本実施形態の光学式曲がり測定装置は、たとえば光ファイバーを一本しか設置できないような細い管や狭い場所に対しても、測定対象の複数の個所の特定方向の曲がり量、たとえば、特定の個所の曲がりの方向や複数の個所の曲がり量を測定することができる。
【0059】
<第三の実施形態>
図13は、第三の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。図13に示されるように、光学式曲がり測定装置は、測定光を供給する光源ユニット310と、測定光を伝達する光伝達体たとえば光ファイバー320A,320Bと、光ファイバー320A,320Bから出る光を反射して光ファイバー320A,320B内に戻す反射部材330と、光ファイバー320A,320Bの異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材350A,350Bと、光ファイバー320A,320Bから出力される光を検出する光検出ユニット340を有している。
【0060】
光ファイバー320A,320Bは、二分岐構造の光ファイバー320Aと、非分岐構造の光ファイバー320Bとを有している。光学特性変化部材350Aは、二分岐構造体の光ファイバー320Aと非分岐構造体の光ファイバー320Bの間に配置され、光学特性変化部材350Bは、非分岐構造体の光ファイバー320Bと反射部材330の間に配置されている。
【0061】
さらに光学式曲がり測定装置は、非分岐構造体の光ファイバー320Bと、それの二分岐構造体の光ファイバー320Aの側に位置する光学特性変化部材350Aとの間に配置された反射伝達部材360をさらに備えている。反射伝達部材360は、それよりも二分岐構造体の光ファイバー320Aの側に位置する光学特性変化部材350Aによって光学特性の変化を受けた光を反射し、それよりも反射部材330の側に位置する光学特性変化部材350Bによって光学特性の変化を受け得る光を透過する。
【0062】
二分岐構造の光ファイバー320Aと非分岐構造の光ファイバー320Bは光学特性変化部材350Aと反射伝達部材360を介して接続されている。また、非分岐構造の光ファイバー320Bと反射部材330は光学特性変化部材350Bを介して接続されている。
【0063】
二分岐構造の光ファイバー320Aの構成は、第二の実施形態の光ファイバー220と同様である。また、光源ユニット310の構成と光検出ユニット340の構成は、それぞれ、第二の実施形態の光源ユニット210の構成と光検出ユニット240と同様である。さらに、二分岐構造の光ファイバー320Aと光源ユニット310の構成と光検出ユニット340の相互間の関係も同様である。つまり、二分岐構造の光ファイバー320Aの一つの端部は光源ユニット310と光学的に結合され、別の一つの端部は光検出ユニット340と光学的に結合されている。また、残る一つの端部は、光学特性変化部材350Aと反射伝達部材360と非分岐構造の光ファイバー320Bと光学特性変化部材350Bを介して、反射部材330と光学的に結合されている。
【0064】
たとえば、光学特性変化部材350A,350Bは光吸収部材で構成される。光源ユニット310は、それぞれ、波長λa,λbの光またはそれらを含む光を供給する。光学特性変化部材350A,350Bは、それぞれ、それらの曲がり量に応じて波長λa,λbの光を吸収する。その結果、波長λa,λbの光の強度が減少する。波長λaの光は、反射伝達部材360によって反射されて光検出ユニット340へ向かう。また波長λbの光は、反射部材330によって反射されて光検出ユニット340へ向かう。光検出ユニット340は、第二の実施形態で説明した手法によって、波長λa,λbの光を分離して検出して、光学特性変化部材350A,350Bの曲がり量を独立に測定する。
【0065】
あるいは、光学特性変化部材350A,350Bは波長変換部材で構成されてもよい。その場合、たとえば、光源ユニット310は、波長λa,λbの光またはそれらを含む光を供給し、光学特性変化部材350A,350Bは、それぞれ、それらの曲がり量に応じて波長λa’,λb’の光を発生する。あるいは、光源ユニット310は、λ0の光またはそれを含む光を供給し、光学特性変化部材350A,350Bは、それぞれ、それらの曲がり量に応じて波長λa’,λb’の光を発生してもよい。波長λa’の光は、反射伝達部材360によって反射されて光検出ユニット340へ向かう。また波長λb’の光は、反射部材330によって反射されて光検出ユニット340へ向かう。光検出ユニット340は、第二の実施形態で説明した手法によって、波長λa’,λb’の光を分離して検出して、光学特性変化部材350A,350Bの曲がり量を独立に測定する。光学特性変化部材350A,350Bが波長変換部材で構成されるこの例では、反射伝達部材360は省略されてもよい。
【0066】
このような構成をしているため、本実施形態の光学式曲がり測定装置は、たとえば光ファイバーを一本しか設置できないような細い管や狭い場所に対しても、測定対象の複数の個所の特定方向の曲がり量、たとえば、特定の個所の曲がりの方向や複数の個所の曲がり量を測定することができる。
【0067】
<第四の実施形態>
図14は、第四の実施形態による光学式曲がり測定装置の概略構成を示している。図14に示されるように、光学式曲がり測定装置は、測定光を供給する光源ユニット410と、測定光を伝達する光伝達体たとえば光ファイバー420A,420B,420Cと、光ファイバー420A,420B,420Cから出る光を反射して光ファイバー420A,420B,420C内に戻す反射部材430と、光ファイバー420A,420B,420Cの異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材450A,450B,450Cと、光ファイバー420A,420B,420Cから出力される光を検出する光検出ユニット440を有している。
【0068】
光ファイバー420A,420B,420Cは、二分岐構造の光ファイバー420Aと、非分岐構造の光ファイバー420B,420Cとを有している。光学特性変化部材450Aは、二分岐構造体の光ファイバー420Aと非分岐構造体の光ファイバー420Bの間に配置され、光学特性変化部材450Bは、非分岐構造体の光ファイバー420B,420Cの間に配置され、光学特性変化部材450Cは、非分岐構造体の光ファイバー420Cと反射部材430の間に配置されている。
【0069】
さらに光学式曲がり測定装置は、各非分岐構造体の光ファイバー420B,420Cと、それの二分岐構造体の光ファイバー420Aの側に位置する光学特性変化部材450A,450Bとの間に配置された反射伝達部材460A,460Bをさらに備えている。各反射伝達部材460A,460Bは、入射光を部分的に反射し部分的に透過する。
【0070】
二分岐構造の光ファイバー420Aと非分岐構造の光ファイバー420Bは光学特性変化部材450Aと反射伝達部材460Aを介して接続され、非分岐構造の光ファイバー420B,420Cは光学特性変化部材450Bと反射伝達部材460Bを介して接続されている。また、非分岐構造の光ファイバー420Cと反射部材430は光学特性変化部材450Cを介して接続されている。
【0071】
二分岐構造の光ファイバー420Aの構成は、第二の実施形態の光ファイバー220と同様である。二分岐構造の光ファイバー420Aの一つの端部は光源ユニット410と光学的に結合され、別の一つの端部は光検出ユニット440と光学的に結合されている。また、残る一つの端部は、光学特性変化部材450A,450B,450Cと反射伝達部材460A,460Bと光ファイバー420B,420Cを介して、反射部材430と光学的に結合されている。
【0072】
たとえば、光源ユニット410は、単一の波長のパルス状の測定光を供給する。光学特性変化部材450A,450B,450Cは、測定光を吸収する光吸収部材で構成され、それぞれ、それらの曲がり量に応じて測定光を吸収する。その結果、測定光の強度が減少する。光源ユニット410から供給された測定光の一部L1は、反射伝達部材460Aによって反射されて光検出ユニット440へ向かう。測定光の別の一部L2は、反射伝達部材460Aを通過した後、反射伝達部材460Bによって反射されて光検出ユニット440へ向かう。測定光のまた別の一部L3は、反射伝達部材460A,460Bを通過した後、反射部材430によって反射されて光検出ユニット440へ向かう。
【0073】
反射伝達部材460A,460Bと反射部材430によって反射された光が光検出ユニット440に到達する時刻はそれぞれ異なる。光検出ユニット440は、反射伝達部材460A,460Bと反射部材430によって反射された光を、時間に基づいて分離して検出して、光学特性変化部材450A,450B,450Cの曲がり量を独立に測定する。
【0074】
図15は、時刻t0において光源ユニット410から供給される測定光の強度と、各時刻t1,t2,t3において光検出ユニット440によって検出される光の強度を示している。光検出ユニット440は、時刻t1において反射伝達部材460Aによって反射された光を検出し、時刻t2において反射伝達部材460Bによって反射された光を検出し、時刻t3において反射部材430によって反射された光を検出する。
【0075】
光検出ユニット440は、時刻t1における検出光の強度に基づいて、光学特性変化部材450Aの曲がり量を算出する。また、時刻t2における検出光の強度に基づいて、光学特性変化部材450Bの曲がり量を算出する。その際には、光学特性変化部材450Aの曲がり量の影響を減算する。さらに、時刻t3における検出光の強度に基づいて、光学特性変化部材450Cの曲がり量を算出する。その際には、光学特性変化部材450A,450Bの曲がり量の影響を減算する。
【0076】
光学特性変化部材450A,450B,450Cは波長変換部材で構成されてもよい。その場合、反射伝達部材460A,460Bは省略されてもよい。
【0077】
このような構成をしているため、本実施形態の光学式曲がり測定装置は、たとえば光ファイバーを一本しか設置できないような細い管や狭い場所に対しても、測定対象の複数の個所の特定方向の曲がり量、たとえば、特定の個所の曲がりの方向や複数の個所の曲がり量を測定することができる。また、光検出ユニット440は、光学特性変化部材450A,450B,450Cによって光学特性の変化を受けた光を時間に基づいて分離して検出しており、分離光学素子を必要としないので安価に構成され得る。
【0078】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。ここにいう様々な変形や変更は、上述した実施形態を適当に組み合わせた実施も含む。
【符号の説明】
【0079】
110…光源ユニット、120…光ファイバー、140…光検出ユニット、150A,150B,150C…光学特性変化部材、210…光源ユニット、212…光源、214…光学部材、220…光ファイバー、222…コア、224…クラッド、226…補助層、230…反射部材、240…光検出ユニット、242…分離光学素子、244…光検出器、250A,250B,250C,252A,252B,254A,256A,256B,258A,258B,262,264,266,272,274…光学特性変化部材、282…好適な吸収特性、282…不適切な吸収特性、310…光源ユニット、320A,320B…光ファイバー、330…反射部材、340…光検出ユニット、350A,350B…光学特性変化部材、360…反射伝達部材、410…光源ユニット、420A,420B,420C…光ファイバー、430…反射部材、440…光検出ユニット、450A,450B,450C…光学特性変化部材、460A,460B…反射伝達部材、501…コア部、502…クラッド部、503…光吸収部、504…光線、505…光線、506…光線、508…レール、509…光ファイバー束、510…レーザー光源、511…光電変換装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定光を供給する光源ユニットと、
前記測定光を伝達する光伝達体と、
前記光伝達体の異なる複数の部分に設けられた複数の光学特性変化部材と、
前記光伝達体から出力される光を検出する光検出ユニットを備え、
各光学特性変化部材は、これが設けられた前記光伝達体の部分の特定方向の曲がり量に応じてこれに入射した光に光学特性の変化を与え、
前記光検出ユニットは、光学特性の変化を受けた光を分離して検出し、その検出光強度に基づいて前記光伝達体の複数の部分の特定方向の曲がり量を独立に測定する光学式曲がり測定装置。
【請求項2】
前記複数の光学特性変化部材は、前記光伝達体の延在方向の異なる位置および/または前記光伝達体の周方向の異なる位置に設けられている、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項3】
前記複数の光学特性変化部材は、それぞれ、互いに異なる波長の光を吸収する、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項4】
前記複数の光学特性変化部材は、それぞれ、入射光を互いに異なる別の波長の光に変換し、かつ、いずれも、変換された波長の光を吸収しない、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項5】
前記光源ユニットは、前記複数の光学特性変化部材がそれぞれ光学特性の変化を与える複数の波長の光成分を含む波長帯域の広い光を供給する、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項6】
前記光源ユニットは、前記複数の光学特性変化部材がそれぞれ光学特性の変化を与える複数の波長の光が合成された光を供給する、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項7】
前記光源ユニットは、前記複数の光学特性変化部材がそれぞれ光学特性の変化を与える複数の波長の光を時分割で供給する、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項8】
前記光検出ユニットは、前記光伝達体から出力される光を複数の波長の光に分離する分離光学素子と、前記分離光学素子によって分離された前記複数の波長の光の強度をそれぞれ検知する光検出器とを備えている、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項9】
前記光伝達体は、一方の側に第一と第二の端部を有し、反対側に第三の端部を有している二分岐構造体を有し、前記第一の端部は、前記光源ユニットと光学的に結合され、前記第二の端部は、前記光検出ユニットと光学的に結合されており、
前記光学式曲がり測定装置は、前記第三の端部と光学的に結合された、前記光伝達体から出る光を反射して前記光伝達体内へ戻す反射部材をさらに備えている、請求項1に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項10】
前記光伝達体は、前記二分岐構造体と前記反射部材の間に配置された非分岐構造体をさらに有し、前記光学特性変化部材は、前記二分岐構造体と前記非分岐構造体の間と、前記非分岐構造体と前記反射部材の間に配置されている、請求項9に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項11】
前記光伝達体は、前記二分岐構造体と前記反射部材の間に配置された複数の非分岐構造体をさらに有し、前記光学特性変化部材は、前記二分岐構造体と前記非分岐構造体の一つの間と、前記非分岐構造体の相互間と、前記非分岐構造体の一つと前記反射部材の間に配置されている、請求項9に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項12】
各非分岐構造体と、それの前記二分岐構造体の側に位置する光学特性変化部材との間に配置された少なくとも一つの反射伝達部材をさらに備え、
各反射伝達部材は、それよりも前記二分岐構造体の側に位置する光学特性変化部材によって光学特性の変化を受けた光を反射し、それよりも前記反射部材の側に位置する光学特性変化部材によって光学特性の変化を受け得る光を透過する、請求項10または11に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項13】
前記光源ユニットは、パルス状の測定光を供給し、前記光検出ユニットは、時間に基づいて光学特性の変化を受けた光を分離して検出し、前記光伝達体の複数の部分の曲がり量を独立に検出する、請求項10または11に記載の光学式曲がり測定装置。
【請求項14】
各非分岐構造体と、それの前記二分岐構造体の側に位置する光学特性変化部材との間に配置された、入射光を部分的に反射し部分的に透過する少なくとも一つの反射伝達部材をさらに備えている、請求項13に記載の光学式曲がり測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−220241(P2012−220241A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83583(P2011−83583)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】