説明

光学式走査装置

その焦点距離が走査されている光記録担体に依存して変えられる、対物レンズシステムを提供すること。第1のカバー層厚さを有する第1の光記録担体の情報層および第2の、異なるカバー層厚さを有する第2の光記録担体の情報層を走査するための光学式走査装置。装置は、情報層上に放射ビームを集束させるための対物レンズシステムを含む。対物レンズシステムは、第1のレンズ素子および光軸に沿って間隔をおいて配置された第2のレンズ素子を含む。対物レンズシステムは、第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されるチャンバーをさらに有する。対物レンズシステムは、対物レンズシステムが第1の光記録担体の情報層を走査するための第1の焦点距離を有するような、第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有する第1の構成、および対物レンズシステムが第2の光記録担体の情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するような、第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有しない第2の構成間で、切り替え可能である。対物レンズシステムが、以下の条件:Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、(ここで、T1は、第1のカバー層厚さであり、T2は、第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、第2のカバー層の屈折率であり、Focal1は、第1の焦点距離であり、およびFocal2は、第2の焦点距離である)を満足させるように配列される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるカバー層厚さを有する光記録担体を走査するための光学式走査装置用の対物レンズと、このような対物レンズを組み込んだ光学式走査装置と、このような走査装置を製造する方法とに関する。本発明は、特に、限定されるわけではないが、2つ以上のタイプの光記録担体を走査するためのプラスチックの複合対物レンズを提供することに適している。
【背景技術】
【0002】
データは、光記録担体の情報層の形態で格納することが可能である。コンパクトディスク(CD)、従来の多用途ディジタルディスク(DVD)、およびいわゆるブルーレイディスクのような様々のタイプの光記録担体が、存在する。
【0003】
従来のDVDからデータを読み取る、または従来のDVDにデータを書き込むために使用される赤色レーザーダイオードより、著しく短い波長で光を放出する青色レーザーダイオードを利用する、ブルーレイディスクが、近年、提案された。青色レーザーダイオードの波長が、より一般に使用される赤色レーザーダイオードの波長より短いので、青色レーザーダイオードは、ディスク上に、より小さいスポットを形成することができ、故に、ブルーレイディスクの情報層トラックは、これら従来のDVDより、より密な間隔にできる。従って、ブルーレイディスクは、従来のDVDより、より大きな記憶容量を有することができる-典型的に、記憶容量の少なくとも2倍の増加を得ることができる。
【0004】
単一の光学式走査装置が、異なるフォーマットの多くの光記録担体を走査する(例えば、そこからデータを読み取る、またはそこにデータを書き込む)ことができることが望ましい。しかしながら、異なる記録担体フォーマットおよび関連する走査装置は、異なる特性を必要とすることが多い。例えば、CDは、約785nmのビーム波長と0.45の開口数で、走査されるように設計されている。DVDは、650nmの領域のビーム波長で走査されるように、設計され、一方、ブルーレイディスクは、405nm前後の波長で走査されるように、設計されている。0.6の開口数は、一般に、DVDを読み取るために、利用され、一方、0.65の開口数は、一般に、DVDに書き込むために使用される。
【0005】
或る波長で読み取られるように設計されたディスクは、他の波長で、例えば、形成層における色素の波長感度に起因して、読み取り可能でない場合が多い。その結果、マルチフォーマット光学式走査装置(1つ以上のタイプの光記録担体を走査するために使用される装置)は、必要とされる波長で関連した放射ビームを提供するために、1つ以上の放射源を含むことが多い。
【0006】
異なるタイプの記録担体は、また、それらの透明な基板の厚さが異なる。透明な基板は、典型的に、記録担体の情報層(データ担持層)に対する保護層としての役割を果たす。この結果、記録担体の入射面から情報層の深さ(カバー層厚さ)は、記録担体のタイプによって変化する。例えば、ブルーレイディスクは、0.1mmのカバー層厚さを有し、DVDディスクは、0.6mmのカバー層厚さを有し、およびCDは、1.2mmのカバー層厚さを有する場合がある。
【0007】
製造コストを減らすために、対物レンズを、ガラスではなくプラスチックから形成することは、望ましい。プラスチックのより小さい屈折率に起因して、対物レンズは、典型的に、2つの屈折素子から、すなわち複合レンズとして形成される。このような2つの素子レンズは、一般に、対応する単一の対物レンズより、より小さいフリー作動距離(free working distance)を有する。
【0008】
従来技術の1つ以上の問題に対処することは、本明細書に参照されるかそうでないかにかかわらず、本発明の実施例の目的である。
【特許文献1】米国特許第2003/006140号明細書
【特許文献2】国際公開第WO2004/027490号明細書
【非特許文献1】G.Bouwhuis、J. Braat、A. Huijiser他、「光ディスク・システムの原理(Principles of Optical Disc Systems)」pp. 75-80 (Adam Hilger 1985, ISBN 0-85274-785-3)
【非特許文献2】G.Bouwhuis、J. Braat、A. Huijiser他、「光ディスク・システムの原理(Principles of Optical Disc Systems)」pp.70-73 (Adam Hilger 1985, ISBN 0-85274-785-3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の観点に従って、第1のカバー層厚さを有する第1の光記録担体の情報層、および第2の、異なるカバー層厚さを有する第2の光記録担体の情報層を走査するための光学式走査装置であって;装置が、放射ビームを当該情報層上に集束させる対物レンズシステムを有し、対物レンズシステムが、第1のレンズ素子、および光軸に沿って間隔をおいて配置された第2のレンズ素子を有し;対物レンズシステムが、第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されたチャンバーをさらに有し;対物レンズシステムは、当該構成の1つにおいて、対物レンズシステムが第1の光記録担体の情報層を走査するための第1の焦点距離を有し、および他方の構成において、対物レンズシステムが第2の光記録担体の情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するような、第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有する第1の構成、および第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有しない第2の構成間で切り替え可能であり、かつ対物レンズシステムが、以下の条件:Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、(ここで、T1は、第1のカバー層厚さであり、T2は、第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、第2のカバー層の屈折率であり、Focal1は、第1の焦点距離であり、およびFocal2は、第2の焦点距離である)を満足させるように配列される、光学式走査装置が提供される。
【0010】
従って、このような切り替え可能な光学素子を利用することにより、対物レンズの焦点距離は、走査されている光記録担体の外側の表面および対物レンズシステムの隣接する表面間の適切なフリー作動距離を維持するように、流体の動きにより容易に調節可能である。このような切り替え可能な光学素子を利用することにより、走査される記録担体に接触することによるレンズのダメージは、防止される。いくつかの例において、フリー作動距離は、例えば、当該構成の1つ以上において、対物レンズシステムが近接場において光記録担体の情報層を走査するために利用される場合、相対的に小さいことも可能である。
【0011】
対物レンズシステムは、以下の条件:F2>F1、(ここで、F2は、第2の構成における対物レンズシステムおよび第2の光学的担体間のフリー作動距離であり、およびF1は、第1の構成の対物レンズシステムおよび第1の光記録担体間のフリー作動距離である)を満足させるように配列されることが好ましい。
【0012】
当該焦点距離の少なくとも1つは、対物レンズシステムおよび走査されている光記録担体間のフリー作動距離が予め決められた最小より大きいことを保証するために、十分な大きさであることが好ましい。
【0013】
当該焦点距離の各々は、対物レンズシステムおよび走査されている光記録担体間のフリー作動距離が、予め決められた最小より大きいことを保証するために十分な大きさであることが好ましい。
【0014】
当該最小のフリー作動距離は、50 μmとすることが可能である。
【0015】
第1の流体は、電気的に影響を受けやすい流体であることが好ましく、チャンバーには、電極構成が設けられており、電圧制御システムから電極への電圧の印加は、流体の動きを引き起こし、かつ電極構成は、電圧が当該第1の電極および第3の電極間に印加される時、光学素子が、第1の構成内にあり、電圧が当該第2の電極および第3の電極間に印加される時、第2の構成内にあるように、光学的活性部分の位置で、チャンバーの内側壁に隣接する、少なくとも1つの第1の、中央の、電極と、光学的活性部分の外側の位置でチャンバーの内側壁に隣接する、少なくとも1つの第2の電極と、電気的に影響を受けやすい流体と接触している第3の電極とを有する。
【0016】
チャンバーの内側の壁は、絶縁疎水性層で覆うことができる。
【0017】
チャンバーは、第1の流体の蒸気、および導電性流体の屈折率と異なる屈折率を有する第2の流体の1つをさらに有することができる。
【0018】
光学的活性部分に位置している少なくとも1つのチャンバー壁は、屈折レンズ表面を形成することができる。
【0019】
光学的活性部分に位置している少なくとも1つのチャンバー表面は、回折格子構造を形成することができる。
【0020】
光学式走査装置は、第1の波長を有する第1の放射ビームを使って第1の情報層を、第2の波長を有する第2の放射ビームを使って第2の情報層を、および第3の波長を有する第3の放射ビームを使って第3の光記録担体の第3の情報層を走査するように配列可能であり、当該第1、第2および第3の波長は、互いに異なり、かつ回折格子構造は、当該構成の少なくとも1つにおいて、当該波長の少なくとも1つに対して2πの整数倍である位相変化を導入するために、一連の予め決められた高さのステップを有する。
【0021】
第1の構成および第2の構成間の焦点距離の変化は、それぞれの光記録担体を走査するための開口数の必要とされる変化を提供することが好ましい。
【0022】
本発明の第2の観点に従って、光学式走査装置用対物レンズシステムであって、光学式走査装置は、第1のカバー層厚さを有する第1の光記録担体の情報層、および第2の、異なるカバー層厚さを有する第2の光記録担体の情報層を走査するように配列され、対物レンズシステムは、当該情報層上に放射ビームを集束させることに適しており、対物レンズシステムは、第1のレンズ、および光軸に沿って間隔をおいて配置された第2のレンズを有し;対物レンズシステムは、第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されるチャンバーをさらに有し;対物レンズシステムは、当該構成の一方において、対物レンズシステムが第1の光記録担体の情報層を走査するための第1の焦点距離を有し、および他方の構成において、対物レンズシステムが第2の光記録担体の情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するように、第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有する第1の構成、および第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有しない第2の構成間で切り替え可能であり、かつ対物レンズシステムが、以下の条件:Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、(ここで、T1は、第1のカバー層厚さであり、T2は、第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、第2のカバー層の屈折率であり、Focal1は、第1の焦点距離であり、およびFocal2は、第2の焦点距離である。)を満足させるように配列される、光学式走査装置用対物レンズシステムが提供される。
【0023】
本発明の第3の観点に従って、第1のカバー層厚さを有する第1の光記録担体の情報層および第2の、異なるカバー層厚さを有する第2の光記録担体の情報層を走査するための光学式走査装置を製造する方法であって;この方法は、当該情報層上に放射ビームを集束させるための対物レンズシステムを提供することを有し、対物レンズシステムは、第1のレンズ素子および光軸に沿って間隔をおいて配置された第2のレンズ素子を有し;第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されるチャンバーをさらに有し;対物レンズシステムは、当該構成の一方において、対物レンズシステムが第1の光記録担体の情報層を走査するための第1の焦点距離を有し、および他方の構成において、対物レンズシステムが第2の光記録担体の情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するような、第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有する第1の構成、および第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有しない第2の構成間で切り替え可能であり、かつ対物レンズシステムが、以下の条件:Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、(ここで、T1は、第1のカバー層厚さであり、T2は、第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、第2のカバー層の屈折率であり、Focal1は、第1の焦点距離であり、およびFocal2は、第2の焦点距離である。)を満足させるように配列される、方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[実施例1]
本発明の実施例が、以下、一具体例として、添付図面に基づいて説明される。
【0025】
相対的に小さいフリー作動距離を有するレンズを使用することは、装置の光学式走査ヘッドを相対的にコンパクトとすることができるので、望ましい。しかしながら、本発明者等は、相対的に小さいフリー作動距離を使用する対物レンズシステムを有することが、光学式走査装置が、異なるタイプの光記録担体を走査するために配列される場合、問題をはらむ可能性があることを認識した。
【0026】
例えば、図1Aおよび1Bは、第1のレンズ102および光軸104に沿って間隔をおいて配置される第2のレンズ103を有する対物レンズシステムを示す。図1Aは、カバー層厚さT1の第1のタイプの光記録担体101を、第1の放射ビーム105を使用して走査するために利用される対物レンズシステム102、103を示す。図1Bは、カバー層厚さT2の第2のタイプの記録担体101'を、第2の、異なる波長の放射105'を使用して走査するために使用される同じ対物レンズシステム102、103を示す。第1の光記録担体101が、第2の光記録担体101'より、より薄いカバー層厚さを有することが理解される。対物レンズシステムおよび光記録担体101の隣接する外側(入射)面間のフリー作動距離F1は、従って、第2の光記録担体101'に対して対応するフリー作動距離F2より、ずっと大きい。
【0027】
従って、記録担体のカバー層厚さが増すにつれて、典型的には、フリー作動距離が対応して減少することが、理解される。このことは、それが、光記録担体の表面が対物レンズに接触し、潜在的にレンズまたは表面の何れかのダメージに至る場合をまねく可能性がある時、特に、光学式走査装置がノックされる場合、望ましくない。
【0028】
本発明者等は、この問題が、対物レンズの2つの固定されたレンズ素子間に流体を含むチャンバーを挿入することにより克服可能であることを認識した。流体は、一方の構成において、流体がチャンバーの光学的活性部分を占有し、かつ他方の構成において、流体がチャンバーの光学的活性部分を占有しないように、移動可能である。チャンバーの光学的活性部分は、(それぞれの光記録担体の情報層を走査するために使用される)放射ビームが通過するチャンバーのその容積である。流体は、流れる任意のマテリアル、例えば、液体、気体または液晶であることが可能である。
【0029】
チャンバーおよび関連する流体は、従って、可変屈折素子すなわち、その性能が、第1の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有するか否かに依存して変わる、屈折素子を提供するように、働く。2つの位置の間で流体を動かすことにより、対物レンズ素子の焦点レンズは、フリー作動距離が、対物レンズシステムおよび走査されているディスクの入射面間で、走査されている特定の記録担体に適切であることを保証するように、容易に変更可能である。このことは、レンズが走査されるディスクの表面に接触する可能性を減少させ、従って、ディスクまたはレンズに対するダメージの可能性もまた減少させる。
【0030】
対物レンズシステムは、以下の式:Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、(ここで、T1は、第1のカバー層厚さであり、T2は、第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、第2のカバー層の屈折率であり、Focal1は、第1の焦点距離であり、およびFocal2は、レンズ系の第2の焦点距離である)を満足させるように構成される。この条件は、F2がF1より大きい、すなわち、(第2の光記録担体が、より大きいカバー層厚さを有するという事実にもかかわらず)レンズおよび第2の光学的担体間のフリー作動距離が、レンズおよび第1の光記録担体間のフリー作動距離より大きい場合でさえ、あらゆる状況に当てはまる。
【0031】
この条件は、対物レンズシステムが、近接場において、例えば、走査している放射ビームの一波長のオーダーのフリー作動距離で、動作させられている時でさえ、なお当てはまる。例えば、フリー作動距離は、走査している放射ビームの波長(?)の4分の1と同じくらい小さくすることが可能である、すなわち、最小のフリー作動距離は、?/4である。
【0032】
チャンバーおよび関連する流体を含む、可変屈折率素子は、第1の流体および異なる屈折率を有する第2の流体を組み込むシステムを利用して、形成することが可能である。ポンピングシステムは、チャンバーの光学的活性部分を占有するように、およびチャンバーの光学的活性部分を占有しないように(すなわち、第2の流体がチャンバーの光学的活性部分を占有する時)、第1の流体を動かすために使用可能である。好適なポンピングシステムは、例えば、特許文献1および特許文献2に示される。特許文献1において、2つの流体は、異種の誘電率を有しており、誘電ポンピングおよび可変誘電ポンピングが、流体をチャンネルに沿って動かすために使用されている。1つ以上のチャンネルをチャンバーに適切に結合することにより、チャンバー内の第1の流体の位置は、調整可能である。
【0033】
特許文献2において、導電性の第1の流体および電気絶縁性の第2の流体を組み込む、切り替え可能な光学素子が、記載されている。2つの端を有する、コンジットが、提供され、各端が離れた位置にあるチャンバーに流動的に接続されている。チャンバー内の第1の流体の位置は、エレクトロウェッティング力の適用により、変更される。
【0034】
しかしながら、このような循環システムを使用することは、不利益を有する。このような循環システムは、相対的に複雑であり、かつ追加のスペースを必要とする。
【0035】
図3A、3B、4Aおよび4Bを参照に以下に記載される、好適な実施例は、追加のコンジットの無い単一のチャンバーを利用する。第1の流体は、チャンバー内で、液体の形をとる。チャンバーの残りの部分は、実質上真空の可能性がある、または、第1の液体と比べて異なる屈折率を有する第2の流体(例えば、液体)で満たされる可能性がある。第2の流体は、絶縁体(すなわち絶縁性)、または無極性であることが好ましい。実際には、通常、実質上真空であるチャンバーの任意の液体の無い部分が、実際、第1の液体の蒸気を含むであろうことは、理解されるであろう。
【0036】
第1の流体は、電気的に影響を受けやすい、すなわち、それは、電場に反応する流体である。例えば、それは、導電性または有極性液体である可能性がある。その結果、電圧の適切な印加により、液体は、それがチャンバーの光学的活性部分を占有する第1の位置、およびそれがチャンバーの光学的活性部分を占有しない第2の位置の間で、動かすことが可能である。それは、チャンバーの残りの部分が、実質上、真空または気体で満たされている場合、好ましい-液体および気体(または、真空)間の屈折率の差は、一般に、2つの液体間の屈折率の差よりずっと大きい。
【0037】
好適な光学式走査装置が、ここで、さらに詳細に説明され、続いて、次に、好適な実施例の対物レンズシステムのさらなる詳細が、説明されるであろう。
【0038】
図2は、第1の放射ビーム4を使って第1の光記録担体3の第1の情報層2を走査するための装置1であって、装置が対物レンズシステム8を含む装置を示す。
【0039】
光記録担体3は、その一方側に、情報層2が配列される透明層5を有する。その透明層5から離れて面している情報層2の側は、周囲条件の影響から保護層6によって保護される。装置に面している透明層の側は、入射面と呼ばれる。透明層5は、情報層2に対して機械的サポートを提供することにより、光記録担体3の基板としての役割を果たす。これに代えて、透明層5は、情報層を保護するというただ1つの機能を有することができ、一方、機械的サポートは、情報層2の他方の側の層、例えば、保護層6により、または追加の情報層およびその一番上の情報層に接続された透明層により、提供される。その情報層が、図2に示されるような本実施例において、透明層5の厚さに対応する、第1の情報層深さ27 (information layer depth)を有することに留意されたい。情報層2は、担体3の表面である。
【0040】
情報は、図に示されていない、実質上平行の、同心の、またはらせん状のトラックに配列された、光学的に検出可能なマークの形態で、記録担体の情報層2上に格納される。トラックは、焦点に集められた放射ビームのスポットにより追従可能な経路である。マークは、任意光学的に読み取利可能な形態、例えば、ピット、またはまわりと異なる反射率または磁化の方向を有するエリアの形態で、またはこれらの形態の組み合わせとすることが可能である。この場合、光記録担体3は、ディスク状である。
【0041】
図2に示されるように、光学式走査装置1は、放射源7、コリメータレンズ18、ビームスプリッタ9、光軸19を有する対物レンズシステム8、および検出システム10を含む。さらに、光学式走査装置1は、サーボ回路11、焦点アクチュエータ12、径方向のアクチュエータ13、およびエラー修正のための情報処理ユニット14を含む。
【0042】
本特定の実施例において、放射源7は、第1の放射ビーム4、第2の放射ビーム4'、および第3の放射ビーム4''を連続的に、または同時に供給するように、配列される。例えば、放射源7は、放射ビーム4、4'および4''を連続的に供給するために、可調半導体レーザを、またはこれらの放射ビームを別々に供給するために、3つの半導体レーザを有することができる。
【0043】
放射ビーム4は、波長?1および分極p1を有し、放射ビーム4'は、波長?2および分極p2を有し、および放射ビーム4''は、波長?3および分極p3を有する。波長?1、?2、および?3は、全て異なる。任意の2つの波長間の差は、20nmに等しい、あるいはそれより大きいことが好ましく、および50nmに等しい、あるいはそれより大きいことがさらに好ましい。分極p1、p2、およびp3の2つ以上は、互いに異なっていても良い。
【0044】
コリメータレンズ18は、放射ビーム4を実質上平行ビーム20に変換するために光軸19上に配列される。同様に、それは、放射ビーム4'および4''を、2つのそれぞれの実質上平行ビーム20'および20''に変換する(図1には図示されない)。
【0045】
ビームスプリッタ9は、放射ビームを対物レンズシステム8の方へ通過させるために、配列される。ビームスプリッタ9は、好ましくは、光軸に対して角度?で傾く面平行のプレートで作られ、より好ましくは角度?=45?で傾く面平行のプレートで形成される。
【0046】
対物レンズシステム8は、情報層2の位置において第1の走査スポット16を形成するために、平行放射ビーム20を第1の焦点に集められた放射ビーム15に変換するように配列される。
【0047】
走査中に、記録担体3は、(図1には図示されない)スピンドル上を回転し、次に、情報層2は、透明層5を通して走査される。焦点に集められた放射ビーム15は、情報層2上で反射され、このことにより、前方に集束させるビーム15の光路上に戻る、反射されたビーム21を形成する。対物レンズシステム8は、反射された放射ビーム21を反射された平行放射ビーム22に変換する。ビームスプリッタ9は、反射された放射22の少なくとも一部を検出システム10の方へ通過させることにより、前方の放射ビーム20を反射された放射ビーム22から分離する。示された特定の実施例において、ビームスプリッタ9は、偏光ビームスプリッタである。4分の1波長板9'は、ビームスプリッタ9および対物レンズシステム8間に光軸19に沿って配置される。4分の1波長板9'および偏光ビームスプリッタ9の組み合わせは、反射された放射ビーム22の大部分が、検出システム10の方へ通過させられることを保証する。
【0048】
検出システム10は、反射された放射ビーム22の当該部分を取り込み、かつそれを1つ以上の電気的信号に変換するように配列される、集束レンズおよび四象限光検出器を含む。
【0049】
信号の1つは、情報信号であり、その値が、情報層2上で走査された情報を表す。情報信号は、エラー修正のための情報処理ユニット14により処理される。
【0050】
検出システム10からの他の信号は、焦点エラー信号および径方向のトラッキングエラー信号である。焦点エラー信号は、走査スポット16および情報層2の位置間のZ軸に沿った高さの軸方向の差を表す。この信号は、とりわけ、非特許文献1による書籍により公知である、「非点収差法 (astigmatic method)」により形成されることが好ましい。径方向のトラッキングエラー信号は、走査スポット16および走査スポット16により追従されるべき情報層2におけるトラックの中心間の、情報層2のXY-面内の距離を表す。この信号は、これもまた非特許文献2による前述の書籍から公知の、「径方向プッシュプル方式 (radial push-pull method)」により形成可能である。
【0051】
サーボ回路11は、焦点および径方向のトラッキングエラー信号に応じて、焦点アクチュエータ12および径方向のアクチュエータ13を、それぞれ制御するためのサーボ制御信号を提供するように、配列される。焦点アクチュエータ12は、Z軸に沿って対物レンズ8の位置を制御し、このことにより、走査スポット16の位置を、それが実質上情報層2の面と一致するように制御する。径方向のアクチュエータ13は、対物レンズ8の位置を変更することにより、走査スポット16の径方向の位置を、それが情報層2における追従されるべきトラックの中心線に実質上一致するように、制御する。
【0052】
対物レンズ8は、走査スポット16を形成するために、平行放射ビーム20を、第1の開口数NA1を有する、焦点放射ビーム15に変換するように配列される。言い換えると、光学式走査装置1は、波長?1、分極p1および開口数NA1を有する放射ビーム15を使って、第1の情報層2を走査することができる。
【0053】
さらに、図示されていないが、本実施例における光学式走査装置は、また、放射ビーム4'を使って、第2の光記録担体3'の第2の情報層2'を、および放射ビーム4''を使って、第3の光記録担体3''の第3の情報層2''を走査することもできる。従って、対物レンズシステム8は、情報層2'の位置に第2の走査スポット16'を形成するために、平行放射ビーム20'を、第2の開口数NA2を有する、第2の焦点に集められた放射ビーム15'に変換する。対物レンズ8は、また、第3の走査スポット16''を情報層2''の位置に形成するために、平行放射ビーム20''を、第3の開口数NA3を有する、第3の焦点に集められた放射ビーム15''に変換する。
【0054】
走査スポット16、16'、16''の任意の1つ以上は、エラー信号の提供用に、2つの追加のスポットで形成可能である。これらの関連する追加のスポットは、光ビーム20の経路に、適切な回折素子を提供することにより、形成することができる。
【0055】
光記録担体3と同様に、光記録担体3'は、その一方側に情報層2'が第2の情報層深さ27'で配列される第2の透明層5'を含み、および光記録担体3''は、その一方側に情報層2''が第3の情報層深さ27''で配列される第3の透明層5''を含む。
【0056】
本実施例において、光記録担体3、3'および3''は、例えば、それぞれ、"ブルーレイディスク"-フォーマットディスク、"Red-DVD"-フォーマットディスクおよびCD-フォーマットディスクである。従って、波長?1は、365および445nm間の範囲に含まれ、好ましくは、405nmである。開口数NA1は、読み取りモードおよび書き込みモード両方において、約0.85に等しい。波長?2は、620および700 nm間の範囲に含まれ、好ましくは、650 nmである。開口数NA2は、読み取りモードにおいて、約0.6に等しく、および書き込みモードにおいて、0.6以上、好ましくは、0.65である。波長?3は、740および820 nm間の範囲に含まれ、好ましくは、約785 nmである。開口数NA3は、0.5以下であり、好ましくは、0.45である。
【0057】
図3Aおよび3Bは、光学レンズ系8の実施例の断面を示す。レンズ系8は、それらの境界部分86で一緒に接合されている、2つの固体レンズ素子82および84から構成される。レンズ素子は、ガラスまたは透明なプラスチックから作られている。液体チャンバー90は、レンズ素子82、84間の光軸19上に設置されている。本実施例において、光軸を横断するチャンバー90の内側壁の両方とも、屈折面である。特に、第1の内側壁は、レンズ素子82の屈折面92により定義され、および第2の内側表面は、レンズ素子84の屈折面94により定義される。レンズ素子の共通の内側壁96は、表面92、94と一緒に、チャンバーのボリュームを定義する。
【0058】
チャンバー90は、部分的に、以下、第1の液体または第1の流体とも呼ばれる、導電性または有極性液体98、例えば、食塩水で満たされている。チャンバー90内の残りのスペース99は、液体、例えば、油、または気体のような、別の、非導電流体で満たされても良い。これに代えて、チャンバーの残りのスペース99は、それが第1の液体の蒸気98を有することを実際には意味するであろう、真空でも良い。チャンバーのこのような残りのボリューム(例えば、第2の媒体または真空)は、有極性液体98の屈折率と異なる屈折率を有する。
【0059】
第1の電極91、93は、屈折面92および94の中央の部分(すなわち、光軸を横断する部分)に隣接して配列される。これらの電極91、93は、レンズ系8の光学的活性部分を、すなわち、その波面がレンズ系8により修正される、入射の放射ビーム20、20'を通過させ部分を定義する。第1の対の電極91、93は、導電性の、光学的に透明なマテリアル、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)から作られる。電極は、関連した光記録担体3、3'を走査するために使用される、ビーム20、20'の波長で、光学的に透明である。
【0060】
第2の電極手段95は、光軸19から離れて、チャンバーのエッジ部分、すなわち、光学的活性部分の外側の部分に配列される。この電極手段95の端は、第1の電極91、93の端から、ギャップ78だけ分離される。電極手段95は、透明である必要は無く、かつ金属のマテリアルから作ることが可能である。レンズ系8が、一般に、光軸19の周りに円形に対称であるので、ギャップ78が典型的には環状であろうことは、理解されるであろう。第3の電極97は、有極性液体98と電気的に接触している。電極97は、有極性液体98と直接電気的接触をしても良い。これに代えて、電極97は、絶縁され、かつ容量的に液体98に結合されても良い。この電極97は、恒久的に、電圧源50の第1の出力52に接続される。この電源50の第2の出力54は、第1の電極91、93、または第2の電極手段95の何れかに、スイッチ60を介して接続可能である。
【0061】
電極の内側サイド、すなわち、液体チャンバー90に面しているサイドは、例えば、パリレンから形成された透明な電気的絶縁層で覆われる。この層と、第1の電極91、93の端および第2の電極95の端間のギャップ78の内側サイドは、疎水性層で覆われている。この層は、透明であり、かつDuPontTMにより製造されるTeflonTMAF1600から形成可能である。これに代えて、絶縁性かつ疎水性である単一の層を、利用することも可能である。
【0062】
第1の電極91、93、第2の電極手段95および第3の電極97は、電圧制御システム50、52、54、60とともに流体系スイッチを形成するエレクトロウェッティング電極の構成を、ともに形成する。この流体系スイッチは流体が(図3Aに示されるように)光学的活性部分を占有する第1のディスクリートな状態(または構成)、および第1の流体98が光学的活性部分を占有しない第2のディスクリートな状態(図3B)間で切り替えるように、有極性の流体98を含む、チャンバー90に作用する。
【0063】
図3Aに示されるレンズ系に第1のディスクリートな構成において、スイッチ60は、適切な値の電圧Vが、第1の電極91、93の各々および共通の、第3の電極97の両端に加わるように、電圧源50の第2の出力54を第1の電極91、93のパワーに接続する。印加された電圧Vは、切り替え可能なユニットが第1の状態を採用するように、エレクトロウェッティング力を提供する。印加された電圧Vの結果として、第1の電極91、93の上にある疎水性層は、性質上、少なくとも、相対的に親水性になり、従って、第1の電極間のチャンバースペース、すなわち、光学的活性部分を満たすために、有極性液体98の優先を助成する。第2の媒体が、光学的活性部分の範囲内に予め設置される場合、有極性液体98は、この第2の媒体と入れ替わるであろう。
【0064】
図3Bに示される第2のディスクリートな状態において、第1の液体98は、この電極手段95に印加された電圧により提供されるエレクトロウェッティング力の結果として、第2の電極手段に隣接するチャンバースペースを満たす。レンズ8は、スイッチ60の動作により、状態間で切り替え可能である。第2の状態において、電極97および95間に印加された電圧に起因して、疎水性層の上にある電極95は、今、少なくとも相対的に親水性であり、および第1の有極性液体98を引き付ける傾向がある。この構成において、液体98は、レンズ系8の光学的活性部分の範囲内に設置される。
【0065】
レンズ系8の光学的活性部分内および範囲外への有極性液体の動きは、2つの屈折面92および94間のスペースの屈折率が、2つの値間で切り替えられることを意味する。この屈折率が、(固定されたレンズ素子82、84およびチャンバー90により提供されるように)屈折面の曲率とともに、レンズ系8の光パワーを決定するので、このレンズの光パワーは、従って、2つの離散した値間で切り替えることができる、すなわち、レンズ8は、2つの異なる焦点距離間で切り替えることができる。
【0066】
図3Aに示される第1の構成において、対物レンズシステム8は、第1の放射ビーム20、15を使用して、第1の光記録担体3の情報層2を走査するように配列される。第1の光記録担体は、厚さ27aのカバー層5を有する。光学レンズ系8は、レンズ系8の焦点距離が、第1の構成における時、放射ビーム20を情報層2上に焦点に集めるように配列される、結果として、レンズ系8および光記録担体3の入射面間のフリー作動距離F3になるように、構成される。
【0067】
図3Bで示される第2の構成において、レンズ系8は、第2の放射ビーム20'、15'を使用して、第2の光記録担体3'の情報層2'を走査するために、利用される。第2の光記録担体3'は、厚さ27'の透明層5'を有する。第2のカバー層の厚さが、第1のカバー層の厚さと異なることが、確認されるであろう。レンズ系8の焦点距離は、第2の構成において、レンズ系8および第2の光記録担体3'の入射面間にフリー作動距離F4を提供するように、選択される。
【0068】
両構成におけるレンズ系の焦点距離は、最小のフリー作動距離が、レンズ系8および走査されている光記録担体間で、維持されるように選択される。このフリー作動距離は、典型的には、50?mより大きく、より好ましくは、100?mより大きく、およびさらに好ましくは150?mより大きい。
【0069】
第1の液体98の量およびチャンバー90のボリュームは、液体98が第1の電極91、93および第2の電極95の両方といつも接触しているであろうように、選択されることが好ましい。例えば、図3Aに示される第1の構成における時、液体98の最も外側の部分は、第2の電極95のエッジに隣接して位置するであろうことが好ましい。それに応じて、図3Bに示される第2の構成における時、流体の最も内側の部分(すなわち、光軸90に最も近い流体の部分)は、電極91、93の少なくとも1つの表面に隣接して位置するであろう。このように、レンズ系8の第1のおよび第2の構成間の各移行中に、有極性液体98は、常に、新しく活性化された電極のエレクトロウェッティング力の影響の下にあるであろう。このことは、2つの状態間で液体の動きを容易にするであろう。
【0070】
2つ状態間で切り替えることをさらに容易にするために、第1の電極91および93は、同時に、活性化すること(または不活性化すること)ができないが、電極91、93の1つは、印加された(または取り除かれた)電圧を、その電圧が他の電極93、91から印加された(または取り除かれた)後予め決められた期間、有することができる。
【0071】
電極の上記配列が、一具体例としてのみ提供されていることは理解されるであろう。チャンバー範囲内の流体の動きに適している、電極の様々な他の構成が、利用可能である。例えば、電極91は、複数の離散したリングに分割されることも可能であろう。各リングは、別々に、制御可能であろう、すなわち、各リングに印加された電圧は、流体の動きを容易にするように、別々に、制御可能であろう。このような場合、電極97は、その電極により提供される機能(すなわち、流体の部分間の電位差を提供すること)が、それらのリングにより提供可能であるので、省くことが可能であろう。
【0072】
レンズ系の1つ以上の屈折面は、非球面とすることが可能である。非球面の表面は、いかなる追加のレンズ素子もこのような修正のために必要とされないように、球面の表面を有するレンズ表面により導入された球面収差の修正を可能にする。図3Aおよび3Bに示されるレンズ系において、内側レンズ表面92、94の1つまたは両方、および/または、外側レンズ表面83、85の1つまたは両方は、非球面とすることが可能である。レンズ系8の特定の設計は、その系の何れのおよびどのくらい多くの屈折面が非球面であるべきかを決定する。
【0073】
このようなレンズ系8は、光記録担体の異なるタイプ(フォーマット)間の互換性を提供するために使用可能である。例えば、レンズ系8は、第1の構成において、ブルーレイディスクを走査するための相対的に短い焦点距離、およびDVDを走査するための第2の、より長い焦点距離を提供するように、配列可能である。対物レンズの入射ひとみ径は、典型的には、ブルーレイディスク走査のために必要とされる開口数を提供するように、選択される。焦点距離の増加は、開口数の対応する減少が伴うであろう。レンズ構成は、DVD走査のために必要とされるNAを、ブルーレイディスクのために必要とされる同じ入射ひとみ径に対して提供するために、焦点距離の増加が開口数の予め決められた変化に至るように設計されることが好ましい。故に、如何なる追加の入射ひとみ減少手段も、ブルーレイディスクおよびDVDモード間で交換する時、系内に必要とされない。
【0074】
レンズ系の異なる構成が、異なる流体および形の表面とともに、利用可能であることは、理解されるであろう。1つの特定の実施例において、レンズ系は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)製の2つの素子をベースとする。第1の流体は、水、すなわち、有極性液体であり、および第2の流体は、空気である。図3の対物レンズは、さらに詳細に説明されるであろう。ブルーレイディスク用のフリー作動距離は、本実施例において、0.1mmであり、およびDVD走査モード用は、0.325mmである。ブルーレイディスクおよびDVD走査モード両方に対して対物レンズシステム8用の入射ひとみ径は、3.0mmであり、一方、対応する開口数は、ブルーレイディスクに対して、0.85であり、DVDに対して、0.6である。さらに、ブルーレイディスクに使用される波長は、405nmであり、DVDに対しては、650nmである。ブルーレイディスクを読み取る時、第2の流体は、光軸に沿っており、一方、DVDディスクを読み取る時、第1の流体は、光軸に沿っている。レンズ素子82は、双非球面レンズである。レンズ素子82は、波長405nmで屈折率1.506、650nmで1.489のPMMAから作られる。光軸に沿ったレンズ素子82の厚さは、1.7mmである。放射源に面したレンズ表面の回転対称な形状は、次式で与えられる。
【数1】

【0075】
ここで、zは、光軸の方向の表面の位置(ミリメートル)、rは、光軸からの距離(ミリメートル)、およびBkは、rのk乗の係数である。
【0076】
本実施例において、B2からB16の係数は、それぞれ、0.22479804、0.011737518、-0.0011272775、-0.0043806488、0.0030649439、0.00071979291、-0.00098418213および0.00019606689である。ディスクに面する(隣接する)表面の非球面の形も、また、式(1)により与えられ、本実施例において、係数B2からB16が、それぞれ、0.021586261、0.016776859、0.0060300899、-0.10186709、0.18624983、-0.1429133、0.049056447、および-0.0058902642である。2つのレンズ素子82および84間の光軸に沿ったチャンバーの厚さは、1.714mmである。
【0077】
第2のレンズ素子84は、双非球面である。レンズ素子84は、PMMAから作られる。レンズ素子84は、光軸に沿って厚さ0.8mmを有する。放射源に面する表面の非球面の形は、式(1)により与えられ、係数B2からB16がそれぞれ、0.86386843、0.60648623、-1.5327551、38.214572、-343.49687、1668.8654、-4046.122および3826.0365により与えられる。ディスクに面する表面の非球面の形は、式(1)により与えられ、係数B2からB16が、本実施例において、それぞれ、-0.23078012、1.7523731、-20.860817、190.89565、-1049.4858、2991.2125、-3329.9621および0である。ディスクのカバー層は、波長405nmで屈折率1.622および650nmで1.580を有する、ポリカーボネートから作られる。カバー層厚さは、ブルーレイディスクに対して、0.1mmおよびDVDに対して、厚さ0.6mmである。
【0078】
本実施例において、第1の構成の焦点距離は、Focal1=1.767mmであり、一方、カバー層厚さは、T1=0.1mmである。第2の構成において、焦点距離は、Focal2=2.445mm、カバー層厚さは、T2=0.6mmおよびカバー層の屈折率は、N=1.580である。この結果、要件(Focal2-Focal1)>(T2-T1)/Nは、満たされる。
【0079】
上記実施例において、チャンバーおよび隣接するレンズ間の光学的活性部分のインタフェースは、屈折面として、記載される。しかしながら、これらの表面の1つ以上が屈折性でないかもしれない、または単に屈折性のみではないかもしれないことは、理解されるであろう。例えば、表面の1つ以上は、回折性かもしれない。例えば、形作られた1つは、第1の回折格子構造を提供するように、形作られるかもしれない。
【0080】
図4Aおよび4Bは、本発明の実施例に従う、代替の対物レンズシステムにおいて使用されるように、チャンバー90'を示す。図3Aおよび3Bを参照して記載された実施例におけるように、チャンバー90'は、第1の有極性液体98を含む。この有極性液体98は、液体98がチャンバーの光学的活性部分を占有する(図4Aに図示される)第1の構成、および液体98がチャンバーの光学的活性部分を占有しない第2の構成間で、切り替え可能である。この切り替えは、図3Aおよび3Bを参照して記載されるように、エレクトロウェッティング電極系により提供される。
【0081】
本特定の実施例において、チャンバーの光学的活性部分の範囲内で、チャンバーを定義する表面の1つは、回折格子構造を提供する。回折格子構造は、有極性液体98と同じ屈折率を有しても良いし、または、それは、第2の媒体99'と同じ屈折率を有しても良いし、または、有極性液体98および第2の媒体99'のどちらとも異なる屈折率を有しても良い。
【0082】
図4Aおよび4Bは、チャンバーおよび回折格子構造93'が光軸19のまわりに円形に対称である、本実施例の径方向の断面を示す。言い換えると、回折格子構造は、一連のリングにより、光軸19と同心に、提供される。リングにより定義される、回折格子構造は、入射の放射ビームの1つ以上の波面の位相を変更するために、使用可能である。
【0083】
例えば、2つの固定された対物レンズ素子82、84間にチャンバー90'を組み込む対物レンズシステム8は、各々異なる波長の放射で走査される、3つの異なるタイプの光記録担体を走査するための光学式走査装置内で、利用可能であろう。
【0084】
例えば、回折格子のステップ高さ(すなわち、光軸に沿った回折ステップの長さ)は、2つの波長に対して2πの整数倍である位相変化を導入するために選択可能である。チャンバーを横切るそれぞれの放射ビームの波長は、チャンバーの光学的活性部分の範囲内の媒体(または第1の流体の蒸気)の屈折率に依存するであろう。この光学的活性部分の範囲内の媒体を変えることができるので、光路長系が第1の構成である、または第2の構成(すなわち、第1の流体の位置)であるかに依存して、このステップ高さの様々な置き換えが可能である。
【0085】
例えば、ステップ高さは、回折格子構造が、チャンバー90'が第1の構成である場合、第1の波長に対して2πの整数倍であり、かつチャンバー90'が異なる構成である場合、第2の、異なる波長に対して2πの整数倍であるように、変えることができる。
【0086】
これに代えて、ステップ高さは、チャンバー90'が、一方の(すなわち第1または第2の)構成である時、2つの異なる波長に対して2πの整数倍である位相変化を導入するために、選択可能である。
【0087】
各々異なるタイプの光記録担体を走査する3つのビームを使用する系用の、この系の実施の具体例は、簡単に、記載されるであろう。(図4Aに示される)第1の構成において、回折格子構造は、第1の放射ビームに対して見えない(すなわち、それは、放射ビームの波長の2πの整数倍である位相変化を導入するように配列される)。第1のタイプの光記録担体は、レンズ系8の焦点距離がレンズの屈折面によってのみ提供される、第1の放射ビームにより走査される。
【0088】
第2の構成は、第2および第3のタイプの光記録担体を走査するために利用される。(図4Bに示される)第2の構成において、回折格子構造は、第2の放射ビームに見えない(すなわち、それは、放射ビームの波長の2πの整数倍である位相変化を導入するために配列される)。従って、対物レンズの焦点距離は、再び、屈折面によりのみ決定される。この第2の構成の焦点距離は、もちろん、異なる位置にある有極性の流体98に起因し、第1の構成のそれと異なるであろう。
【0089】
第3のタイプの光記録担体は、放射ビームの第3の波長を使用して走査される。回折格子構造は、従って、第3の放射ビームの波面の位相変化を導入するであろう。従って、対物レンズシステム8の焦点距離は、関連した屈折面によってばかりでなく、回折位相構造によっても定義されるであろう。従って、対物レンズシステムは、放射の3つの異なる波長に対して3つの異なる焦点距離を提供するために、利用可能である。各焦点距離は、対物レンズシステムおよび走査されているディスク間の好適なフリー作動距離を保証するように、配列される。
【0090】
回折位相構造は、カバー層厚さから発生する球面収差を補償するように、球面収差を提供するためにも、また利用されることが好ましい。上述のように、レンズ系の1つ以上の屈折面は、非球面とすることが可能である。回折格子構造は、回折格子構造および屈折面により提供されるトータルの球面収差が、対物レンズシステムが、その記録担体を走査するために適切な構成である時、第3のタイプの光記録担体の特定の厚さの層に対して発生する球面収差を補償するのに適しているように、球面収差を第3の放射ビームに提供するために、配列されるであろう。
【0091】
上記が、一具体例としてのみ記載され、かつ様々な他の実施が可能であることは、理解されるであろう。例えば、光学的活性部分範囲内のチャンバーの対向する表面の両方は、回折性であることが可能であり、各々、1つ以上の異なる回折格子を組み込んでいる。
【0092】
上記記載されたように、最小の予め決められたフリー作動距離を提供するために、その焦点距離が走査されている光記録担体に依存して変えられる、対物レンズシステムを提供することにより、レンズまたは記録担体へのダメージの可能性は、減少する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1A】第1の光記録担体、およびより大きなカバー層厚さを有する第2の光記録担体を、それぞれ走査する従来の対物レンズシステムの線図的断面図である。
【図1B】第1の光記録担体、およびより大きなカバー層厚さを有する第2の光記録担体を、それぞれ走査する従来の対物レンズシステムの線図的断面図である。
【図2】本発明の実施例に従う光学式走査装置の線図である。
【図3A】第1の構成において、第1のカバー層厚さを有するディスクを走査するための、および第2の構成において、第2の、より大きなカバー層厚さを有するディスクを走査するための、本発明の実施例に従う対物レンズシステムの線図的断面図を示す。
【図3B】第1の構成において、第1のカバー層厚さを有するディスクを走査するための、および第2の構成において、第2の、より大きなカバー層厚さを有するディスクを走査するための、本発明の実施例に従う対物レンズシステムの線図的断面図を示す。
【図4A】本発明のさらなる実施例に従う、対物レンズシステム用の切り替え可能な光学素子の線図的径方向断面図を示す。
【図4B】本発明のさらなる実施例に従う、対物レンズシステム用の切り替え可能な光学素子の線図的径方向断面図を示す。
【符号の説明】
【0094】
8 光学レンズ系
2 情報層
3 光記録担体
5 透明層
15 焦点に集められた放射ビーム
19 光軸
20 入射の放射ビーム
27 情報層深さ
50 電圧源
78 ギャップ
82、84 固体レンズ素子
86 境界部分
90 液体チャンバー
91、93 第1の電極
92、94 屈折面
95 第2の電極手段
97 第3の電極
98 導電性または有極性液体
99 チャンバー90内の残りのスペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカバー層厚さを有する、第1の光記録担体の情報層、および第2の、異なるカバー層厚さを有する、第2の光記録担体の情報層を走査するための光学式走査装置であって;
前記装置が、当該情報層上に放射ビームを集束させるための対物レンズシステムを有し、
前記対物レンズシステムが、第1のレンズ素子および光軸に沿って間隔をおいて配置された第2のレンズ素子を有し;
前記対物レンズシステムが、第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されたチャンバーを、さらに有し;
前記対物レンズシステムは、当該構成の1つにおいて、前記対物レンズシステムが、前記第1の光記録担体の前記情報層を走査するための第1の焦点距離を有し、および前記他方の構成において、前記対物レンズシステムが、前記第2の光記録担体の前記情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するような、前記第1の流体が前記チャンバーの光学的活性部分を占有する、第1の構成、および前記第1の流体が前記チャンバーの前記光学的活性部分を占有しない第2の構成間で、切り替え可能であり、かつ
前記対物レンズシステムが、以下の条件:
Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、
(ここで、T1は、前記第1のカバー層厚さであり、T2は、前記第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、前記第2のカバー層の前記屈折率であり、Focal1は、前記第1の焦点距離であり、およびFocal2は、前記第2の焦点距離である)を満足させるように配列される、装置。
【請求項2】
前記対物レンズシステムが、以下の条件:
F2>F1
(ここで、F2は、前記第2の構成における前記対物レンズシステムおよび前記第2の光学的担体間の、前記フリー作動距離であり、およびF1は、前記第1の構成の前記対物レンズシステムおよび前記第1の光記録担体間の前記フリー作動距離である)を満足させるように配列される請求項1に記載の光学式走査装置。
【請求項3】
当該焦点距離の少なくとも1つが、前記対物レンズシステムおよび走査されている前記光記録担体間の前記フリー作動距離が予め決められた最小より大きいことを保証するために、十分な大きさである、請求項1に記載の光学式走査装置。
【請求項4】
当該焦点距離の各々が、前記対物レンズシステムおよび走査されている前記光記録担体間のフリー作動距離が予め決められた最小より大きいことを保証するために、十分な大きさである請求項3に記載の光学式走査装置。
【請求項5】
当該最小のフリー作動距離が、50μmである、請求項3または4に記載の光学式走査装置。
【請求項6】
前記第1の流体が、電気的に影響を受けやすい流体であり、前記チャンバーには、電極構成が設けられており、
電圧制御システムから電極への、電圧の印加は、前記流体の動きを引き起こし、かつ
前記電極構成は、電圧が当該第1の電極および前記第3の電極間に印加された時、前記光学素子が前記第1の構成内にあり、かつ電圧が当該第2の電極および前記第3の電極間に印加された時、前記第2の構成内にあるように、前記光学的活性部分の前記位置で、前記チャンバーの前記内側壁に隣接する、少なくとも1つの第1の、中央の、電極と、前記光学的活性部分の外側の位置で、前記チャンバーの前記内側壁に隣接する、少なくとも1つの第2の電極と、前記電気的に影響を受けやすい流体と接触する第3の電極とを有する、前記請求項の何れかに記載の光学式走査装置。
【請求項7】
前記チャンバーの前記内側の壁が、絶縁疎水性層で覆われる請求項6に記載の光学式走査装置。
【請求項8】
前記チャンバーが、前記第1の流体の蒸気、および前記第1の流体の屈折率とは異なる屈折率を有する第2の流体の1つを、さらに有する、前記請求項の何れかに記載の光学式走査装置。
【請求項9】
前記光学的活性部分に位置している少なくとも1つのチャンバー壁が屈折レンズ表面を形成する、前記請求項の何れかに記載の光学式走査装置。
【請求項10】
前記光学的活性部分に位置している少なくとも1つのチャンバー表面が、回折格子構造を形成する、前記請求項の何れかに記載の光学式走査装置。
【請求項11】
第1の波長を有する第1の放射ビームを使って前記第1の情報層と、第2の波長を有する第2の放射ビームを使って前記第2の情報層と、第3の波長を有する第3の放射ビームを使って第3の光記録担体の第3の情報層とを走査するための装置であって、
当該第1、第2および第3の波長は、互いに異なり、かつ
前記回折格子構造が、当該構成の少なくとも1つにおいて、当該波長の少なくとも1つに対して2πの整数倍である位相変化を導入するために、一連の予め決められた高さのステップを有する請求項10に記載の光学式走査装置。
【請求項12】
前記第1の構成および前記第2の構成間の焦点距離の前記変化が、前記それぞれの光記録担体を走査するための開口数の前記必要とされる変化を提供する前記請求項の何れかに記載の光学式走査装置。
【請求項13】
光学式走査装置用の対物レンズシステムであって、
前記光学式走査装置が、第1のカバー層厚さを有する第1の光記録担体の情報層および第2の、異なるカバー層厚さを有する第2の光記録担体の情報層を走査するように配列され、
前記対物レンズシステムが、当該情報層上に放射ビームを集束させることに適しており、
前記対物レンズシステムが、第1のレンズおよび光軸に沿って間隔をおいて配置される第2のレンズを有し;
前記対物レンズシステムが、第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されたチャンバーを、さらに有し;
前記対物レンズシステムは、当該構成の1つにおいて、前記対物レンズシステムが、前記第1の光記録担体の前記情報層を走査するために第1の焦点距離を有し、および前記他方の構成において、前記対物レンズシステムが、前記第2の光記録担体の前記情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するような、前記第1の流体が前記チャンバーの光学的活性部分を占有する第1の構成、および前記第1の流体が前記チャンバーの前記光学的活性部分を占有しない第2の構成間で、切り替え可能であり、かつ
前記対物レンズシステムが、以下の条件:
Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、
(ここで、T1は、前記第1のカバー層厚さであり、T2は、前記第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、前記第2のカバー層の前記屈折率であり、Focal1は、前記第1の焦点距離であり、およびFocal2は、前記第2の焦点距離である)を満足させるように配列される、対物レンズシステム。
【請求項14】
第1のカバー層厚さを有する第1の光記録担体の情報層および第2の、異なるカバー層厚さを有する第2の光記録担体の情報層を走査するための光学式走査装置を製造する方法であって;
前記方法が、当該情報層上に放射ビームを集束させるための対物レンズシステムを提供することを有し、
前記対物レンズシステムが、第1のレンズおよび光軸に沿って間隔をおいて配置される第2のレンズを有し;
前記対物レンズシステムが、第1の流体を有する切り替え可能な光学素子、および当該第1のレンズおよび当該第2のレンズ間に配置されたチャンバーを、さらに有し;
前記対物レンズシステムは、当該構成の1つにおいて、前記対物レンズシステムが、前記第1の光記録担体の前記情報層を走査するために第1の焦点距離を有し、および前記他方の構成において、前記対物レンズシステムが、前記第2の光記録担体の前記情報層を走査するための第2の、異なる焦点距離を有するような、前記第1の流体が前記チャンバーの光学的活性部分を占有する第1の構成、および前記第1の流体が前記チャンバーの前記光学的活性部分を占有しない第2の構成間で、切り替え可能であり、かつ
前記対物レンズシステムが、以下の条件:
Focal2-Focal1>0.9(T2-T1)/N、
(ここで、T1は、前記第1のカバー層厚さであり、T2は、前記第2のカバー層厚さであり、T2>T1、Nは、前記第2のカバー層の前記屈折率であり、Focal1は、前記第1の焦点距離であり、およびFocal2は、前記第2の焦点距離である)を満足させるように配列される、光学式走査装置を製造する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2008−534997(P2008−534997A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502532(P2008−502532)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050799
【国際公開番号】WO2006/100624
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】