説明

光学素子及びこれを用いた投影露光装置

【課題】
極端紫外線下での使用において長期間にわたって良好な反射特性を示す光学素子を提供すること。
【解決手段】
上部層32は、耐酸化性金属又はこれを含む金属材料で形成される。より具体的には、この上部層32は、ルテニウム、ロジウム、及び白金からなる群に金、銀、銅等を加えたものから選ばれる少なくとも1種を主成分として含む。これにより、上部層32は、酸化防止膜としての役割を果たす。上部層32と多層膜20との間に挿入された下部層31は、2層以上の拡散防止膜からなる2重構造を有しており、上部層32を構成する成分金属が多層膜20側に拡散することを防止している。これにより、光学素子40の最表面である上部層32の耐酸化性の劣化を防ぐことができ、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極端紫外線等等に対して用いられる反射型の光学素子及びこれを用いた投影露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって達成される光学系の解像度を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11〜14nm)となる極端紫外線を用いた露光技術が開発されている。これにより約5〜70nmのパターンサイズの露光が可能になるものと期待されているが、この領域の物質の屈折率は1に近いため、従来のように透過屈折型の光学素子を使用できず、反射型の光学素子が使用される。投影露光装置に用いられるマスクもまた、透過率確保の観点から、通常反射型の光学素子となる。この際、上記光学素子において高い反射率を達成するために、使用波長域において屈折率の高い物質と屈折率の低い物質とを基板上に交互に積層させて反射面を形成することが一般的である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−14893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
投影露光装置内において、極端紫外線下で上述のような光学素子が使用される場合、環境は真空であるが、光学素子の周囲から酸素・水分、有機物を完全に排除することができない。一方、極端紫外線は非常に大きなエネルギーをもつ。この際、酸素・水分などと光学素子表面の物質とが極端紫外線に照射されることで酸化反応を起こしてしまう。また、有機物と光学素子表面の物質とが極端紫外線に照射されることで光化学気相堆積(光CVD)を起こし、光学素子表面にカーボン膜が生成してしまう。このような現象により、光学素子の反射特性が劣化してしまい、光学素子延いては投影露光装置の寿命が短くなるという問題が生じる。
【0004】
そこで、本発明は、極端紫外線等での使用において長期間にわたって良好な反射特性を示す光学素子を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、上記のような光学素子を極端紫外線用の投影光学系等として組み込んだ投影露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明に係る光学素子は、(a)支持用の基板と、(b)基板上に支持されるとともに、極端紫外線を反射する多層膜と、(c−1)多層膜の最表層上に設けられ、2層以上の拡散防止層を含む下部層と、(c−2)当該下部層上に設けられる上部層とを有する、(c)複合保護層とを備える。以上の光学素子において、多層膜は、例えば、極端紫外線領域における真空の屈折率に対する屈折率差が小さい物質からなる第1層と、屈折率差が大きい物質からなる第2層とを基板上に交互に積層してなる。
【0007】
本発明においては、光学素子が、多層膜を有する反射型の素子であり、極端紫外線等に対して良好な反射特性を有する。また、本発明においては、2層以上の拡散防止層を含む下部層と、当該下部層上に設けられる上部層とを有する複合保護層が多層膜の最表層上に設けられる。この場合、上部層は、光学素子の周囲に存在する物質すなわち投影露光装置内において真空中に残留する化学物質から多層膜を保護する役割を有し、2層以上の拡散防止層を含む下部層は、上部層の組成物等(例えば、上部層中の金属等)が多層膜側に拡散することを防止する役割を有する。特に本光学素子では、下部層が2層以上の拡散防止層を含むことから、拡散防止層間にエネルギー障壁が生じるなどの現象により、上部層の組成物が多層膜側に拡散することを単一層の場合よりも効果的に阻止でき、結果的に上部層の機能を長く維持することができる。これにより、光学素子の表面及びその近傍における酸化、組成変化等に起因して生じる多層膜の劣化すなわち反射率低下を防止でき、結果として、光学素子全体の反射特性を長期間良好に保つことができる。なお、以上の「複合保護層」は、極端紫外線を所望の程度に透過させるべく十分に薄いか光吸収性が低いものとする。
【0008】
また、第2の発明に係る光学素子では、第1の発明に係る光学素子において、上部層が、耐酸化性物質及び触媒作用性物質のうち少なくとも一方を含有する。ここで、「耐酸化性物質」とは、水分や酸素などによる酸化反応を抑制する性質を有する物質を意味する。また、「触媒作用性物質」とは、有機物中の炭素が二酸化炭素等に変換される反応速度を増加させる正触媒作用を有する物質を意味する。例えば、上部層が耐酸化性物質(金属、化合物等)を含有する場合、光学素子の周囲に存在する水分や酸素により光学素子が表面から侵食される酸化作用を抑制することが可能となる。一方、上部層が触媒作用性物質(金属、化合物等)を含有する場合、光学素子の周囲に存在する有機物中に含まれる炭素を、正触媒作用によって二酸化炭素等のガスに効率的に変換することができるので、光学素子表面にカーボン膜が生成されることを抑制できる。
【0009】
また、第3の発明に係る光学素子では、第1,2の発明に係る光学素子において、拡散防止層が、二酸化珪素、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、酸化クロム、三酸化二クロム、三酸化クロム、四ホウ化炭素、アルミナ、炭素、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、珪化モリブデン、及びクロムからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む。この場合、上部層中の上部層の組成物等、すなわち耐酸化性物質や触媒作用性物質等が多層膜側に拡散することを確実に抑えることができる。なお、拡散防止層が酸化物である場合、拡散防止層が化学的にも構造的にも安定したものとなりやすい。
【0010】
上記上部層が、ルテニウム、ロジウム、白金、金、銀、ニオブ、パラジウム等からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む場合、これらは、耐酸化性金属であり、拡散防止層のブロックによって表面に保持されて水分や酸素などから多層膜を保護する。また、上記上部層が、ニッケル、パラジウム、白金、銀、ルテニウム、ロジウム等からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む場合、これらは、触媒作用性金属であり、拡散防止層のブロックによって表面に保持されて光学素子表面にカーボン膜が生成されることを抑制する。
【0011】
また、上記上部層が、二酸化珪素、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、アルミナ、酸化クロム、三酸化二クロム、三酸化クロム、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム、二酸化ロジウム、炭素、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、珪化モリブデン等からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む場合、これらは、耐酸化性材料であり、拡散防止層のブロックによって表面に保持されて水分や酸素などから多層膜を保護する。一方、上部層が、酸化チタン等を主成分として含む場合、これらは、触媒作用性材料であり、拡散防止層のブロックによって表面に保持されて光学素子表面にカーボン膜が生成されることを抑制する。
【0012】
また、第4の発明に係る投影露光装置は、(a)極端紫外光を発生させる光源と、(b)光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、(c)マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備える。そして、本投影露光装置において、マスク、照明光学系及び投影光学系のうち少なくともいずれか1つが上記第1〜3の発明に係る光学素子を含む。
【0013】
上記投影露光装置では、上述のいずれかの光学素子を用いることにより、装置内において、当該光学素子の表面及びその近傍における酸化、カーボン膜生成、組成変化等によって光学素子の反射率が低下することを抑制できるので、光学素子の反射特性を長期間にわたって維持することができ、光学素子延いては投影露光装置が長寿命となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る光学素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光学素子40は、例えば凹面反射鏡であり、多層膜構造を支持する基板10と、反射用の多層膜20と、表層となる複合保護層30とを有する。このうち、複合保護層30は、後述するように、多層構造の下部層31と単層構造の上部層32とを積層した被膜である。
【0015】
基板10は、例えば合成石英ガラスや低膨張ガラスを加工することによって形成されたものであり、その上面10aは、所定精度の鏡面に研磨されている。上面10aは、図示のような凹面とすることもできるが、光学素子40の用途に応じて凸面、平面、多面その他の形状とすることができる。
【0016】
多層膜20は、屈折率が異なる2種類の物質を基板10上に例えば交互に積層することによって形成した数層から数百層の薄膜からなる反射膜である。この多層膜20は、反射鏡である光学素子40の反射率を高めるために、吸収の少ない物質を多数積層したものであるとともに、それぞれの反射波の位相が合うように光干渉理論に基づいて各層の膜厚を調整したものである。つまり、投影露光装置内で使用される極端紫外線の波長領域に対して、比較的屈折率の小さい薄膜層L1と、比較的屈折率の大きい薄膜層L2とを、基板10上に、反射波の位相が合うよう所定の膜厚で交互もしくは任意順序に積層させることで多層膜20が形成されている。この多層膜20を構成する2種類の薄膜層L1、L2は、それぞれモリブデン層及びシリコン層とすることができる。なお、薄膜層L1、L2の積層の順序、最上層をいずれの薄膜層とするかといった条件は、光学素子40の用途に応じて適宜変更することができる。また、薄膜層L1、L2の材料は、モリブデンとシリコンとの組み合わせに限るものではない。例えば、モリブデン、ルテニウム、ロジウム等の物質と、シリコン、ベリリウム、四ホウ化炭素(BC)等の物質とを適宜組み合わせることによって多層膜20を作製することもできる。
【0017】
なお、多層膜20において、薄膜層L1と薄膜層L2との間にさらに境界膜(不図示)を設けることもできる。多層膜20を形成する薄膜層L1、L2として、特に金属やシリコン等を用いた場合には、薄膜層L1と薄膜層L2との境界付近においておのおのを形成する材料同士が混ざり合い、界面が曖昧になりやすい。これにより、反射特性が影響を受け、光学素子40の反射率が下がってしまうことがある。そこで、界面を明瞭化するために、多層膜20の形成にあたって、薄膜層L1と薄膜層L2との間にさらに境界膜を設ける。材料としては、例えばBCやC、炭化モリブデン(MoC)、二酸化モリブデン(MoO)等が用いられる。このように界面を明確化することにより、光学素子40の反射特性が向上する。
【0018】
複合保護層30は、多層膜20全面を覆うことによって多層膜20を周囲の環境(一般的には、極端紫外線を効率よく透過させるような減圧又は真空環境)から保護するものであり、多層膜20の最表層上に設けられる下部層31と、下部層31上に設けられて光学素子40の最表面とされる上部層32とを有する。
【0019】
このうち、下部層31は、2層以上の拡散防止層を含んでおり、各拡散防止層は、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(NbO)、二酸化ニオブ(NbO)、五酸化二ニオブ(Nb)、二酸化モリブデン(MoO)、酸化クロム(CrO)、三酸化二クロム(Cr)、三酸化クロム(CrO)、四ホウ化炭素(BC)、アルミナ(Al)、炭素、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(SiN,Si,Si)、窒化ホウ素(BN)、及び珪化モリブデン(MoSi,MoSi)、及びクロムのいずれか、又は、これらを含む材料で形成される。この下部層31は、以上のような比較的緻密で遮蔽性の高い素材で形成されており、上部層32を構成する成分が多層膜20へ拡散することを防止する性質がある。ここで、下部層31は、単に拡散防止能を有するだけでなく、2層以上の拡散防止層を含んで構成されており、以下に説明する理由により、単一の成分で単一の拡散防止層を形成する場合よりも拡散防止能を高めたものとなっている。
【0020】
すなわち、光学素子40は、極端紫外線下で使用するものであるから、多層膜20と上部層32との間に挿入される拡散防止層の材料として使用できるものは限られたものとなる。また、拡散防止層として拡散防止能を重視した場合、吸収係数がある程度大きな材料を使用せざるを得ず、このような材料については膜厚を厚くすることができない。さらに、拡散防止層の緻密さは、成膜方法にもよるがスパッタ等の一般的な手法では、バルク材以下のものとなってしまう。一方、拡散防止層の拡散防止能は、使用する材料、層の厚さ緻密さだけでなく、拡散防止層の積層数にも依存する。つまり、本実施形態の光学素子40では、下部層31を2層以上の拡散防止層で構成することにより、複数の拡散防止層間に形成されるエネルギー障壁等を利用して、上部層32を構成する成分が多層膜20へ拡散することを一定範囲で阻止する。これにより、外界環境に対する保護膜である上部層32の組成を長期間にわたって安定した状態に保持することができ、極端紫外線下で水分や酸素により光学素子40が表面から侵食される現象や、有機物中に含まれる炭素を二酸化炭素等のガスに変換して光学素子表面40にカーボン膜が生成される現象を、確実に抑制することができる。
【0021】
なお、多層構造を有する下部層31の形成に際しては、複数の異なる材料を順次積層することによって、不連続な界面を層内に形成することができる。また、同一の材料について段階的に成膜条件を変更したり中間工程を設けること等によっても、下部層31中に不連続な界面を形成することができ、多層構造とすることができる。
【0022】
図2(a)、(b)は、下部層31の構造の具体例を概念的に説明する拡大断面図である。図2(a)に示すように、下部層31を2層構造とする場合、下側の第1拡散防止層31aを例えばBC等で形成して、その膜厚を2nm程度とし、上側の第2拡散防止層31bを例えばSiO等で形成して、その膜厚を1nm程度とする。第1拡散防止層31aや第2拡散防止層31bの製造方法は、表面荒さを悪くせず緻密な膜ができれば蒸着、スパッタ法など成膜手法を問わない。各層31a,31bの具体的な厚みは、光学素子40に対して望まれる反射特性に応じて適宜決定される。なお、表面荒さを悪くせず緻密な膜を形成するのを助けるため、下部層31すなわち第1拡散防止層31aと多層膜20の表面層との間に、拡散防止機能を特に有しない別の材料を成膜しても構わない。
【0023】
また、図2(b)に示すように、下部層31を3層構造とする場合、下側の第1拡散防止層131aを例えばAl等で形成して、膜厚を1nm程度とし、中央の第2拡散防止層131bを例えばMoSi等で形成して、膜厚を2nm程度とし、上側の第3拡散防止層131cを例えばBN等で形成して、膜厚を1nm程度とする。各拡散防止層131a,131b,131cの製造方法は、表面荒さを悪くせず緻密な膜ができれば蒸着、スパッタ法など成膜手法を問わない。各層131a,131b,131cの具体的な厚みは、光学素子40に対して望まれる反射特性に応じて適宜決定される。なお、表面荒さを悪くせず緻密な膜を形成するのを助けるため、下部層31すなわち第1拡散防止層131aと多層膜20の表面層との間に、拡散防止機能を特に有しない別の材料を成膜しても構わない。
【0024】
なお、下部層31を構成する拡散防止材料として、上述の二酸化珪素等の他に、シリコン、ホウ素等の非金属元素の酸化物、ホウ化物、珪化物、炭化物、窒化物、フッ化物、及びベリリウム化合物や、Sr,Ba,Sc,Y,La,Ca,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Ti,Zr,V,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Al,Cr,Be,Ga,Dy,Hf,Re,Fe,Th,Rb等の各種金属の酸化物、ホウ化物、珪化物、炭化物、窒化物、フッ化物、及びベリリウム化合物を用いることができる。
【0025】
具体的には、下部層31を構成する拡散防止材料として、SiO,B等の非金属酸化物が使用可能である。また、Sc,Tb,PdO,Pd,PdO,RuO,RuO,RuO,Rh,RhO,TiO,Ti,TiO,MoO,Mo,Mo,VO,V,VO,V等の金属酸化物が使用可能である。さらに、BaO,BeO,BeO,CaO,Eu,Gd,La,Mo11,Mo23,MoO,Mo24,NdO,Nd,PrO1.778,PrO1.833,PrO1.8,PrO1.818,Sm,SrO,Ti,TiO,TiO,Ti1−xO,Ti2n−1(n=2−9),VO1.76,VO1.57,VO1.80,VO1.84,VO1.86,V13,VO,VO,VO,V,V,V,V13,V13,Y,ZrO2−x等の金属酸化物も使用可能である。
【0026】
下部層31を構成する拡散防止材料として、SiBSiB,SiB等の非金属ホウ化物が使用可能である。また、BeB,CaB,ScB,ScB12,GdB,TiB,ZrB,TaB,CrB,CrB,Cr,CrB,Mo,W,W,ZrB12,GaB,SrB,NbB,Nb,NbB等の金属ホウ化物が使用可能である。さらに、BeB12,BeB,BeB,BeB,BeB,BeB,EuB,GdB,Gd,GdB,GdB66,MoB,MoB,Mo,MoB,MoB,Nb,Nd,NdB,NdB,NdB66,Pr,PrB,PrB,RhB1.1,Rh,RuB,Ru,Ru,RuB,Sm,SmB,SmB,SmB66,TbB,TbB,TbB,TbB12,TbB66,TiB,Ti,V,VB,V,V,V,VB等の金属ホウ化物も使用可能である。
【0027】
下部層31を構成する拡散防止材料として、BaSi,LaSi,DySi,ZrSi,ZrSi,HfSi,CrSi,MnSi,ReSi,FeSi,PdSi,ThSi,CaSi,CaSi,CaSi,VSi,VSi,RuSi,RhSi,TbSi等の金属珪化物が使用可能である。さらに、BaSi,NbSi,NbSi,PdSi,PdSi,PdSi,RuSi,RuSi,SrSi,SrSi,SrSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,VSi,VSi,VSi,YSi,YSi,YSi,YSi,ZrSi,ZrSi,ZrSi,ZrSi,ZrSi等の金属珪化物も使用可能である。
【0028】
下部層31を構成する拡散防止材料として、LaC,BeC,MoC,MoC,VC,V,VC,TiC,ZrC等の金属炭化物が使用可能である。さらに、Eu,Eu,EuC,EuC,GdC,Gd,Gd,GdC,La,MoC1−x,NbC,NbC,Nd,NdC,ScC,Sc,Sc1310,Sc1519,SmC,Sm,SmC,Tb,TbC,Tb,TbC,TiC,VC,V3−x,V,V,YC,Y,Y1519,Y,YC等の金属炭化物も使用可能である。
【0029】
下部層31を構成する拡散防止材料として、BN等の非金属窒化物が使用可能である。さらに、YN,Ca,ScN,ZrN,Zr,Sr,TiN,Ti,NbN,NdN,Be,Ba,VN,MoN,MoN,LaN,AlN等の金属窒化物が使用可能である。さらに、NbN,TiN,V1−x,VN1−x,V3228等の金属窒化物も使用可能である。
【0030】
下部層31を構成する拡散防止材料として、SrF,NiF,YF等のフッ化物が使用可能である。
【0031】
下部層31を構成する拡散防止材料として、BaBe13,CaBe13,EuBe13,GdBe13,LaBe13,MoBe,MoBe,MoBe12,NbBe12,NbBe17,NbBe,NbBe,NbBe,NdBe13,PdBe12,PdBe,PdBe,PdBe,PdBe,PdBe,PdBe,PrBe13,RuBe17,RuBe10,RuBe,RuBe,ScBe,ScBe17,ScBe13,SmBe13,SrBe13,TbBe13,TiBe,TiBe,TiBe17,TiBe12,VBe12,VBe,YBe13,ZrBe13,ZrBe17,ZrBe,ZrBe等のベリリウム化合物が使用可能である。
【0032】
図1に戻って、上部層32は、光学素子40の用途や使用条件に応じて、(1)耐酸化性金属、(2)ニオブ等の反応安定化物質、(3)触媒作用性金属、(4)耐酸化性非金属(耐酸化性化合物)、及び(5)触媒作用性材料(触媒作用性化合物)のいずれかで形成される。
【0033】
(1)耐酸化性金属の場合
第1の場合、上部層32は、耐酸化性金属又はこれを含む金属材料で形成される。より具体的には、この上部層32は、ルテニウム、ロジウム、白金、金、銀等からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む。これにより、上部層32は、酸化防止膜としての役割を果たす。つまり、これらの耐酸化性金属を含有する上部層32を光学素子40の最表面に形成することで、光学素子40の表面やその近傍に供給される水分や酸素により光学素子40(特に多層膜20)が侵食されることを防止でき、光学素子40の反射率がこのような侵食に伴って徐々に低下することを防止できる。既に説明したように、上部層32と多層膜20との間に挿入された下部層31は、上部層32を構成する成分金属等が多層膜20側に拡散することを防止する機能を有する。これにより、光学素子40の最表面である上部層32の耐酸化性の劣化を防ぐことができ、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。
なお、以上の場合において、上部層32は、ルテニウム、ロジウム、白金、金、銀等の耐酸化性金属によって形成されるとしたが、当該耐酸化性金属は、これらに限られない。この他にも、例えば、ニオブ、パラジウム、オスミウム、イリジウム等を主成分として含む金属材料で上部層32を形成しても、耐酸化性に関して同様の効果が期待される。
【0034】
(2)反応安定化物質の場合
第2の場合、上部層32は、ニオブ、又はこれを主成分として含む金属材料で形成される。ニオブを含有する上部層32を光学素子40の最表面に形成した場合、ニオブの酸化物が表面に形成されて安定化する傾向がある。つまり、上部層32の表面がニオブの酸化物に被覆されて緻密で安定したバリアとして機能すると考えられるので、複合保護層30内部に水分や酸素が侵入することを防止し、光学素子40の極端紫外線照射下における耐酸化性を向上させることができる。なお、上部層32と多層膜20との間に挿入された下部層31は、上部層32を構成するニオブ等が多層膜20側に拡散することを防止する機能を有する。これにより、上部層32の耐酸化性の劣化を防止して、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。
【0035】
(3)触媒作用性金属の場合
第3の場合、上部層32は、触媒作用性金属又はこれを含む金属材料で形成される。より具体的には、この上部層32は、ニッケル、パラジウム、白金、銀、ルテニウム、及びロジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む。これにより、上部層32は、カーボン抑制膜としての役割を果たす。つまり、これらの触媒作用性金属を含有する上部層32を光学素子40の最表面に形成することで、光学素子40の表面やその近傍に供給される有機物中の炭素を二酸化炭素に変換することができる。よって、光学素子40表面にカーボン膜が徐々に堆積される光CVD現象の発生を抑制でき、光学素子40の反射率がカーボン膜の堆積に伴って徐々に低下することを防止できる。既に説明したように、上部層32と多層膜20との間に挿入された下部層31は、上部層32を構成する成分金属等が多層膜20側へ拡散することを防止する機能を有する。これにより、光学素子40の最表面である上部層32の触媒作用性の劣化を防ぐことができ、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。
なお、以上の触媒作用性金属のうち白金、ルテニウム、ロジウム、及びパラジウムは、耐酸化性金属と見ることもでき、複合保護層30内部に水分や酸素が侵入することも防止しており、上部層32の耐酸化性を高めている。
【0036】
(4)耐酸化性材料の場合
第4の場合、上部層32は、耐酸化性材料又はこれを含む材料で形成される。より具体的には、この上部層32は、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(NbO)、二酸化ニオブ(NbO)、五酸化二ニオブ(Nb)、二酸化モリブデン、アルミナ(Al)、酸化クロム(CrO)、三酸化二クロム(CrO3)、三酸化クロム(CrO)、二酸化ルテニウム(RuO)、三酸化ルテニウム(RuO)、四酸化ルテニウム(RuO)、三酸化二ロジウム(Rh)、二酸化ロジウム(RhO)、及び炭素からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む。これにより、上部層32は、酸化防止膜としての役割を果たす。上部層32と多層膜20との間に挿入された下部層31は、上部層32を構成する成分金属、酸素等が多層膜20へ拡散することを防止する機能を有する。下部層31の存在により、光学素子40の最表面である上部層32の耐酸化性の劣化を防ぐことができ、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。
【0037】
なお、上部層32を構成する耐酸化性物質として、上述の二酸化珪素等の他に、単体のホウ素を用いることができる。
【0038】
また、シリコン、ホウ素等の非金属元素の酸化物、ホウ化物、珪化物、炭化物、窒化物、フッ化物、及びベリリウム化合物や、Be,Ca,Sc,Gd,Ti,Zr,Ta,Cr,Mo,W,Zr,Ga,Sr,Nb,Ba,La,Dy,Hf,Mn,Re,Fe,Pd,Th,V,Ru,Rh,Tb,Y,Nd,Al,Ni,Eu,Pr,Sm,Rb等の各種金属の酸化物、ホウ化物、珪化物、炭化物、窒化物、フッ化物、及びベリリウム化合物を用いることができる。
【0039】
具体的には、上部層32を構成する耐酸化性物質として、SiO,B等の非金属酸化物が使用可能である。また、Sc,Tb,PdO,Pd,PdO,TiO,Ti,TiO,MoO,Mo,Mo,VO,V,VO,V等の金属酸化物が使用可能である。さらに、BaO,BeO,BeO,CaO,Eu,Gd,La,Mo11,Mo23,MoO,Mo24,NdO,Nd,PrO1.778,PrO1.833,PrO1.8,PrO1.818,Sm,SrO,Ti,TiO,TiO,Ti1−xO,Ti2n−1(n=2−9),VO1.76,VO1.57,VO1.80,VO1.84,VO1.86,V13,VO,VO,VO,V,V,V,V13,V13,Y,ZrO2−x等の金属酸化物も使用可能である。
【0040】
上部層32を構成する耐酸化性物質として、SiB,SiB,SiB等の非金属ホウ化物が使用可能である。また、BeB,CaB,ScB,ScB12,GdB,TiB,ZrB,TaB,CrB,CrB,Cr,CrB,Mo,W,W,ZrB12,GaB,SrB,NbB,Nb,NbB等の金属ホウ化物が使用可能である。また、BeB12,BeB,BeB,BeB,BeB,BeB,EuB,GdB,Gd,GdB,GdB66,MoB,MoB,Mo,MoB,MoB,Nb,Nd,NdB,NdB,NdB66,Pr,PrB,PrB,RhB1.1,Rh,RuB,Ru,Ru,RuB,Sm,SmB,SmB,SmB66,TbB,TbB,TbB,TbB12,TbB66,TiB,Ti,V,VB,V,V,V,VB等の金属ホウ化物も使用可能である。
【0041】
上部層32を構成する耐酸化性物質として、BaSi,LaSi,DySi,ZrSi,ZrSi,HfSi,CrSi,MoSi,MnSi,ReSi,FeSi,PdSi,ThSi,CaSi,CaSi,CaSi,VSi,VSi,RuSi,RhSi,TbSi等の金属珪化物が使用可能である。また、BaSi,MoSi,MoSi,NbSi,NbSi,PdSi,PdSi,PdSi,RuSi,RuSi,SrSi,SrSi,SrSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,TiSi,VSi,VSi,VSi,YSi,YSi,YSi,YSi,ZrSi,ZrSi,ZrSi,ZrSi,ZrSi等の金属珪化物も使用可能である。
【0042】
上部層32を構成する耐酸化性物質として、SiC,BC等の非金属炭化物が使用可能である。また、LaC,BeC,MoC,MoC,VC,V,VC,TiC,ZrC等の金属炭化物が使用可能である。さらに、Eu,Eu,EuC,EuC,GdC,Gd,Gd,GdC,La,MoC1−x,NbC,NbC,Nd,NdC,ScC,Sc,Sc1310,Sc1519,SmC,Sm,SmC,Tb,TbC,Tb,TbC,TiC,VC,V3−x,V,V,YC,Y,Y1519,Y,YC等の金属炭化物も使用可能である。
【0043】
上部層32を構成する耐酸化性物質として、SiN,Si,Si,BN,BN等の非金属窒化物が使用可能である。また、YN,Ca,ScN,ZrN,Zr,Sr,TiN,Ti,NbN,NdN,Be,Ba,VN,MoN,MoN,LaN,AlN等の金属窒化物が使用可能である。さらに、NbN,TiN,V1−x,VN1−x,V3228等の非金属窒化物も使用可能である。
【0044】
上部層32を構成する耐酸化性物質として、SrF,NiF,YF等の金属フッ化物が使用可能である。
【0045】
上部層32を構成する耐酸化性物質として、BaBe13,CaBe13,EuBe13,GdBe13,LaBe13,MoBe,MoBe,MoBe12,NbBe12,NbBe17,NbBe,NbBe,NbBe,NdBe13,PdBe12,PdBe,PdBe,PdBe,PdBe,PdBe,PdBe,PrBe13,RuBe17,RuBe10,RuBe,RuBe,ScBe,ScBe17,ScBe13,SmBe13,SrBe13,TbBe13,TiBe,TiBe,TiBe17,TiBe12,VBe12,VBe,YBe13,ZrBe13,ZrBe17,ZrBe,ZrBe等の金属ベリリウム化合物が使用可能である。
【0046】
(5)触媒作用性材料の場合
第5の場合、上部層32は、触媒作用性材料又はこれを含む金属材料で形成される。より具体的には、この上部層32は、酸化チタン、又はこれを主成分として含む金属材料で形成される。これにより、上部層32は、カーボン抑制膜としての役割を果たす。上部層32と多層膜20との間に挿入された下部層31は、上部層32を構成する成分金属、酸素等が多層膜20へ拡散することを防止する機能を有する。これにより、光学素子40の最表面である上部層32の触媒作用性の劣化を防ぐことができ、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。
【0047】
以上説明した各種タイプの上部層32については、表面荒さを悪くせず緻密な膜ができれば蒸着、スパッタ法など、各種成膜方法で作製することができる。また、上部層32の形成において、耐酸化性や触媒作用性を最大限に利用するためには大きな膜厚が望まれる。しかし、極端紫外線は上部層32により少なからず吸収される場合が多く、上部層32の厚みは例えば4nm以下とする。具体的な厚みは、光学素子40に対して望まれるの反射特性に応じて適宜決定される。
【0048】
〔第2実施形態〕
図3は、第1実施形態の光学素子40を光学部品として組み込んだ、第2実施形態に係る投影露光装置の構造を説明するための図である。
【0049】
図3に示すように、この投影露光装置100は、光学系として、極端紫外線(波長11〜14nm)を発生する光源装置50と、極端紫外線の照明光によってマスクMAを照明する照明光学系60と、マスクMAのパターン像を感応基板であるウエハWAに転写する投影光学系70とを備え、機械機構として、マスクMAを支持するマスクステージ81と、ウエハWAを支持するウエハステージ82とを備える。
【0050】
光源装置50は、プラズマ励起用のレーザ光を発生するレーザ光源51と、ターゲット材料であるキセノン等のガスを筐体SC中に供給するチューブ52とを備える。また、この光源装置50には、コンデンサ54やコリメータミラー55が付設されている。チューブ52の先端から出射されるキセノンに対しレーザ光源51からのレーザ光を集光させることにより、その部分のターゲット材がプラズマ化して極端紫外線を発生する。コンデンサ54は、チューブ52の先端Sで発生した極端紫外線を集光する。コンデンサ54を経た極端紫外線は、収束されつつ筐体SC外に射出し、コリメータミラー55に入射する。なお、以上のようなレーザプラズマタイプの光源装置50からの光源光に代えて、放電プラズマ光源、SOR光源からの放射光等を使用することができる。
【0051】
照明光学系60は、反射型のオプティカルインテグレータ61,62、コンデンサミラー63、偏向ミラー64等により構成される。光源装置50からの光源光を、オプティカルインテグレータ61,62によって照明光として均一化しつつコンデンサミラー63によって集光し、偏向ミラー64を介してマスクMA上の所定領域(例えば帯状領域)に入射させる。これにより、マスクMA上の所定領域を適当な波長の極端紫外線によって均一に照明することができる。
【0052】
なお、極端紫外線の波長域で十分な透過率を有する物質は存在せず、マスクMAには透過型のマスクではなく反射型のマスクが使用されている。
【0053】
投影光学系70は、多数のミラー71,72,73,74で構成される縮小投影系である。マスクMA上に形成されたパターン像である回路パターンは、投影光学系70によってレジストが塗布されたウエハWA上に結像してこのレジストに転写される。この場合、回路パターンが一度に投影される領域は、直線状又は円弧状のスリット領域であり、マスクMAとウエハWAとを同期して移動させる走査露光によって、例えばマスクMA上に形成された矩形の回路パターンをウエハWA上の矩形領域に無駄なく転写することができる。
【0054】
以上の光源装置50のうち極端紫外線の光路上に配置される部分と、照明光学系60と、投影光学系70とは、真空容器84中に配置されており、露光光の減衰が防止されている。つまり、極端紫外線は大気に吸収されて減衰するが、装置全体を真空容器84によって外部から遮断するとともに、極端紫外線の光路を所定の真空度(例えば、1.3×10−3Pa以下)に維持することで、極端紫外線の減衰すなわち転写像の輝度低下やコントラスト低下を防止している。
【0055】
以上の投影露光装置において、極端紫外線の光路上に配置される光学素子54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMAとして、図1等に例示される光学素子40を用いる。この際、光学素子40の光学面の形状は、凹面に限らず、平面、凸面、多面等組み込む場所によって適宜調整する。
【0056】
以下、図3に示す投影露光装置の動作について説明する。この投影露光装置では、照明光学系60からの照明光によってマスクMAが照明され、マスクMAのパターン像が投影光学系70によってウエハWA上に投影される。これにより、マスクMAのパターン像がウエハWAに転写される。
【0057】
以上説明した投影露光装置では、高反射率で高精度に制御された光学素子54,55,61,62,63,64,71,72,73,74,MAが用いられており、高精度の露光が可能になる。さらに、この投影露光装置では、光学素子54,55,61,62,63,64,71,72,73,74,MAの表面すなわち光学面において酸化反応が抑制され、カーボン膜生成が抑制されているので、これら光学素子の反射特性が劣化するのを防ぎ、延いては投影露光装置の寿命を長くすることができる。
【0058】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、露光光として極端紫外線を用いる投影露光装置について説明したが、露光光として極端紫外線以外の紫外線を用いる投影露光装置においても、図1等に示すような光学素子40を組み込むことができ、光学素子の反射特性の劣化を抑制することができる。
【0059】
また、投影露光装置以外にも、例えば、軟X線顕微鏡や、軟X線分析装置といった軟X線光学機器を含む様々な光学機器についても同様に図1等に示すような光学素子40を組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態に係る光学素子を説明する断面図である。
【図2】(a),(b)は、下部層の構造の具体例を説明する拡大断面図である。
【図3】第2実施形態に係る投影露光装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
10…基板、 20…多層膜、 30…複合保護層、 31…下部層、 32…上部層、 40…光学素子、 50…光源装置、 60…照明光学系、 70…投影光学系、 81…マスクステージ、 82…ウエハステージ、 L1,L2…薄膜層、 WA…ウエハ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持用の基板と、
前記基板上に支持されるとともに、極端紫外線を反射する多層膜と、
前記多層膜の最表層上に設けられ、2層以上の拡散防止層を含む下部層と、当該下部層上に設けられる上部層とを有する複合保護層と、
を備える光学素子。
【請求項2】
前記上部層は、耐酸化性物質及び触媒作用性物質のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1記載の光学素子。
【請求項3】
前記拡散防止層は、二酸化珪素、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、酸化クロム、三酸化二クロム、三酸化クロム、四ホウ化炭素、アルミナ、炭素、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、珪化モリブデン、及びクロムからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含むことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の光学素子。
【請求項4】
極端紫外光を発生させる光源と、
前記光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、
前記マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備え、
前記マスク、前記照明光学系及び前記投影光学系のうち少なくともいずれか1つが請求項1から請求項3のいずれか一項記載の光学素子を含むことを特徴とする投影露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−170916(P2006−170916A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366664(P2004−366664)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成15年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「極端紫外線(EUV)露光システムの開発」に関する委託研究)産業活力再生特別措置法第30条の規定を受ける特許出願
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】