光源装置
【課題】正確かつ安定性が高い品質の光を照射することができ、しかも構成が簡単で効率もよいカラー撮像素子検査用の光源装置を提供する。
【解決手段】 互いに異なる色の光を発する複数のLED1と、各LED1に接続され、混合される前の各色の光を光混合部3に伝達する多数の第1メイン光ファイバ2と、各LED1に前記第1メイン光ファイバ2とともに接続され、混合される前の各色の光をそれぞれ導入される複数のサブ光ファイバ6と、前記各サブ光ファイバ6から導出される光の強度をそれぞれ検出する受光素子7と、前記受光素子7で検出された各LED1に対応する光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LED1への供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部8とを備えるようにした。
【解決手段】 互いに異なる色の光を発する複数のLED1と、各LED1に接続され、混合される前の各色の光を光混合部3に伝達する多数の第1メイン光ファイバ2と、各LED1に前記第1メイン光ファイバ2とともに接続され、混合される前の各色の光をそれぞれ導入される複数のサブ光ファイバ6と、前記各サブ光ファイバ6から導出される光の強度をそれぞれ検出する受光素子7と、前記受光素子7で検出された各LED1に対応する光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LED1への供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部8とを備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCDやCMOS等の光電変換素子に複数の異なるフィルタを設けてなる撮像素子が所定感度を有しているかどうかを検査するための基準となる光を照射する光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等の光電変換素子を用いたカラー撮像素子(エリアイメージセンサ)の需要は、デジタルカメラやカメラ付携帯電話の普及で近時大幅な伸びをみせている。この種の撮像素子は、通常、撮像素子本体である光電変換素子の上に原色フィルタ乃至補色フィルタを設けてなるもので、単板式や3板式のものが知られている。
【0003】
そしてこのような撮像素子の品質管理においては、一定の強度及びホワイトバランスを有した基準となる検査光を照射して、出力信号値が所定範囲内に入っているか否かを判断し、光電変換素子の感度不良やフィルタに異常があるといった撮像素子を排除することが行われており、そのような検査光を発生する光源装置には、従来特許文献1に示すように、例えば連続スペクトルを有した白色光を発生するハロゲンランプが用いられている。
【特許文献1】特開平2−90645公報
【特許文献2】特開2002−181659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハロゲンランプは経年変化が顕著で温度の影響も受けやすく、さらにホワイトバランスを定める光のスペクトルが駆動電流の変化の影響をも受けるという性質を有するため、検査光として用いるべく、光強度及びスペクトルを一定に担保するには、極めて複雑かつ高価な機構が必要になる。
【0005】
一方、特許文献2には、そのようなハロゲンランプの不具合を解決すべく、緑、赤、青の光をそれぞれ発する3種類のLEDをドーム状に内向きに配置し、ドーム中央部位に配置した撮像素子に周囲から照射するようにした構成が記載されている。
【0006】
しかしながら、実際には同種のLEDでも、各個に特性が異なり、LEDを多数用いるこの構成では、常に同一品質の光源装置を製造するには、各LEDの厳しいセレクトが必要になる。さらに、LEDといえども、温度や駆動電流等の変動でピーク波長や光強度が変化するうえ、経年変化も、ハロゲンに比べれば極めて小さいとはいいながらも生じるため、この特許文献2に示す光源を、近時特に品質の向上が図られている撮像素子の検査用基準光源として用いることは難しい。
【0007】
そこで本発明は、撮像素子の検査用として十分用いることが可能な正確かつ安定性が高い品質の検査光を照射することができ、しかも構成が簡単で効率も良い光源装置を提供することをその主たる所期課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る光源装置は、互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、前記各LEDから射出された光の一部であって混合される前の光を伝達するサブ光経路と、前記サブ光経路から導出される光を受光して、各LEDからの光の一部をそれぞれ検出する受光素子と、前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、各LEDから射出される光の一部を利用してFBループを形成し、各LEDから射出される光の強度を所定目標値となるように制御しているので、LEDの発光強度に関して言えば、LED個々のばらつきや経年変化等の変動要因に拘わらず、撮像素子のチェックに必要な強度及びバランスを有した安定性の高い光を得ることができる。
【0010】
また、LEDの波長に関して言えば、図14に示すように、撮像素子の透過帯域特性がフラットな領域においてLEDの発光ピーク波長が規定値と少々異なっても透過率は変動しないため、撮像素子の検査を問題なく行うことができる。すなわち、LEDの個体差による発光波長の相違をあまり気にすることなく、厳密なセレクトなしにLEDを使用することができ、また温度変化や経年変化等でLEDの波長が多少ずれても検査に問題が生じることがない。
【0011】
さらに、ハロゲンランプのように光の連続スペクトルを管理するための複雑な機構も必要なく、LEDを利用することによる小型化も図れる。
【0012】
ここで「互いに異なる波長帯域の光」とは、波長帯域の一部が重なり合っている場合も含む。また、「前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光」とは、それぞれの光のピーク波長がいずれかのフィルタの主要透過波長帯域に含まれ、なおかつそれぞれのフィルタの主要透過波長帯域に少なくとも1つの光のピーク波長が含まれる光のことをいう。さらに「LED」には、複数のLED素子(いわゆるベアチップ)を直列接続するなどして一体に設けたものも含む。
【0013】
なお、LEDの波長が何らかの原因でずれると、前述したようにフィルタの透過帯域特性が比較的フラットな場合は大きな問題にはならないが、図15に示すように、ピーキーである場合には、たとえ各LEDからの出力光量が変動しなくても、その波長のずれによってフィルタでの透過率が変化し、撮像素子本体に入射する光量が変動して撮像素子の出力値が変わる恐れが生じる。その結果、LED側の問題であるにも拘わらず、撮像素子が不良であると判断されるといった品質誤認の問題が生じる。この波長のずれの原因としてはLEDの温度や駆動電圧、電流値の変動が考えられるため、これを防止するには、温度管理や電圧、電流管理を行えばよい。
【0014】
各LEDを並列で制御できるようにするには、1つの受光素子に1つのLEDが対応するように受光素子をLEDの数と同数設け、各受光素子にサブ光経路を介してそれぞれ対応する1つのLEDからの光を導くようにしているものが好ましい。
【0015】
受光素子の個数を減らして構成の簡単化を図るには、1つの受光素子に複数のLEDからの光がサブ光経路を介して照射されるように構成するとともに、各LEDの点灯タイミングを異ならせ、各LEDからの光の強度を前記受光素子で時系列的にそれぞれ検出するようにしているものが好ましい。
【0016】
各サブ光ファイバからの光を混合して受光素子に照射するようにしてもよい。その場合は、サブ光経路から導出される光を、前記各フィルタを通過する帯域の光又は各LEDから射出された光にそれぞれ分離する光分離部を設け、その光分離部から出た光の強度を前記受光素子でそれぞれ検出するようにしておけばよい。
【0017】
また、本発明に係る光源装置は、互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、前記サブ光経路から導出される光を、前記LEDと同数の光であってそれぞれが各LEDの光を異なる比率で含む光に分離する光分離部と、その光分離部から出た光の強度をそれぞれ検出する受光素子と、前記受光素子で検出された各光の強度又はそれらから算出される各演算値が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えているものであってもよい。
【0018】
光分離部の具体例としてはフィルタを挙げることができるが、この光分離部は、混合した光を元のLEDの光に分離するもののみに限られず、LEDと同数の光であってそれぞれが各LEDの光を異なる比率で含む光に分離するものであればよい。このように分離された各光の強度から演算することで各LEDの光の実強度(又はこれの関連値)を算出することができるからである。
【0019】
また、このように混合後の光の一部をフィードバック用に利用する構成の場合、前記光分離部及び受光素子に、検査対象となる撮像素子と同種でなおかつ正常な動作を行う基準撮像素子を用いることにより、フィルタの透過帯域特性がピーキーであっても、前述したようなLEDの波長のずれを防止する温度管理機構等を省略できる。LEDの波長が環境や経年変化でずれたり、個体差で光源装置毎に相違があったとしても、受光素子(基準撮像素子)側の出力が撮像素子側の出力と同様に変動して、ずれの影響を相殺するからである。具体的には、例えばLEDの波長がずれた場合、LEDの光強度が変化しなければ、前述したように検査対象側の撮像素子本体に入る光量が減少し(図15に示す)、その出力値が変動する結果、正常な撮像素子であるにも拘わらず、異常なものとして誤検査してしまう。ところがこのようなものであれば、受光素子(基準撮像素子)側の出力が同様に減少するため、供給電力制御部がこれを引き上げようとLEDへの供給電力を増加させて光強度を大きくし、この結果、検査対象側の撮像素子本体に入る光量も見かけ上減少することなく維持されるため、正常な撮像素子であると判断される。
【0020】
検査対象となる撮像素子は、種々変わるため、これに柔軟に対応できるようにするには、前記基準撮像素子を交換可能に保持する素子保持部を設けておくことが望ましい。
【0021】
また、本発明に係る光源装置は、互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、前記各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、前記サブ光経路から導出される光の強度を検出する受光素子と、各LEDの点灯タイミングを異ならせ、前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えているものでもよい。
【0022】
しかして前述したメイン光経路及びサブ光経路の具体的態様としては、前記メイン光経路を多数の光ファイバであるメイン光ファイバで形成し、前記サブ光経路を1又は複数の光ファイバであるサブ光ファイバで形成しているものを挙げることができる。このようなものであればFB用の光は、各LEDに接続された多数のメイン光ファイバに比べて非常に少ない少数(1本又は複数本)のサブ光ファイバから得ているため、このことによる効率の低下はほとんど無視できるものとなる。もちろんその他、反射鏡や屈折レンズ等の光学素子でこれを形成しても構わない。
【0023】
各LEDから射出される光をさらに均一に混合させるには、前記メイン光経路のうち、各LEDと光混合部との間を接続する部位に配置されるメイン光ファイバを、各LEDからの光が略一様に分布するように光導出端部で束ねるようにしているものが望ましい。
【0024】
このようにして撮像素子に照射される光は、できるだけ広い面積のものがよい。面積が広ければ広いほど、例えばアレイ状に形成した多くの撮像素子を同時に検査することができ、タクトタイムを短縮できるからである。ただし、面積が広くとも、撮像素子に入射する光の強度分布が少なくとも撮像素子単位で一様である必要がある。この要求をコンパクトな構成で無理なく実現するための具体的実施態様としては、前記メイン光ファイバの最終出力端を、撮像素子側を略向くように並び設けた状態で保持するファイバ保持体と、それら光ファイバの出力端に対向する位置に設けられ、各出力端から射出される光を反射する反射面を有した反射体と、前記反射面の反撮像素子側に設けられ、その反射面で反射した光を受光してさらに反射するとともに拡散させ、前記撮像素子に照射する光拡散面を有した拡散体とを備えているものが好適である。
【0025】
さらに、例えば面状に拡がる複数の撮像素子を周囲から取り囲んで光照射する場合には、前記ファイバ保持体がメイン光ファイバの最終出力端を環状に並び設けて保持するものであり、前記反射面が、環状に並ぶメイン光ファイバの最終出力端に対応する大きさを有した環状をなすものであり、前記拡散体が凹面状をなすものであることが望ましい。
【0026】
光混合部の具体的実施態様としては、前記光混合部が、側周面に内向きの反射面を形成するとともに、内部を中空又は透明な素材で形成した柱状部材であり、一端である入力端から内部に入射した光を前記反射面で反射させつつ軸方向に進行させて他端である出力端から出射するものを挙げることができる。
【0027】
また、前記光混合部が、所定範囲の波長光を透過し、その他の光を反射する色分解フィルタを利用してなるものであり、異なる特性の色分解フィルタを各LEDからの光に対し所定角度をつけて配置し、各LEDの光を同軸線上に進行させて混合するものであってもよい。
【0028】
前述したように温度の変動は、LEDに波長のずれ等の影響を与えるため好ましいものではない。LEDへの電力供給をできるだけ少なくして、発熱による悪影響を可及的に防止するには、前記供給電力制御部が、LEDを1又は複数回ストロボ発光させ、ストロボ発光時に前記受光素子で検出された光の強度に基づいて前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御するようにしているものが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
このように構成した本発明によれば、各LEDから射出される光の一部を利用してFBループを形成し、各LEDから射出される光の強度を所定目標値となるように制御しているので、LED個々のばらつきや経年変化等の変動要因に拘わらず、撮像素子のチェックに必要な所定の強度でなおかつ所定の色バランスを有した正確かつ安定性が高い品質の光を得ることができる。しかも、FB用の光は、LEDからの光を伝達する多数のメイン光ファイバに比べて非常に少ない少数(1本又は複数本)のサブ光ファイバから得ているため、このことによる効率の低下はほとんど無視できるものとなる。また、ハロゲンランプのように光の連続スペクトルを管理するための複雑な機構も必要なく、LEDを利用することによる小型化も図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態に係る光源装置100は、複数色フィルタ付きの撮像素子Wに照射する品質検査用の光を生成するものであり、図1に模式的に示すように、互いに異なる色の光を発する複数のLED1から、多数の第1メイン光ファイバ2、光混合部3、多数の第2メイン光ファイバ4及び光照射機構5を介して撮像素子Wに品質検査用の光を照射するものである。これら各部はケーシングCAに取り付けられている。なお、LED1やこれに関係する部材について、図及び以後の説明で種類の区別が必要な時には、かっこを付して、LED1(a)、1(b)、1(c)、光ファイバ2(a)、2(b)、2(c)などと表記する。
【0032】
詳述すると、LED1には、例えば前記撮像素子Wのフィルタが3原色カラーフィルタであることから、各フィルタをそれぞれ通過し得る3つの色(青、緑、赤)の光を射出する3種類(3個)を使用している。LEDの種類は、前記フィルタの色数によって定めればよく、補色フィルタ(シアン、マゼンダ、黄、緑)であれば、4種類のLEDになるし、その他、フィルタに応じて赤外光、紫外光などを射出するLEDを用いても構わない。
【0033】
本実施形態のLED1は、例えば連続して約200mA以上の電流を流すことができるパワーLEDと称されるもので、それぞれが、図2に示すように、フィン付きの円筒状をなす筐体11に収容してある。この筐体11は、大径部111及び小径部112を同一軸線上に一体に並び設けた形状をなし、前記大径部111にはLED1と、そのLED1からの光を集光するレンズ機構12とを内蔵させている。小径部112にはファイバ束挿入孔113を設けており、そのファイバ束挿入孔113に、第1メイン光ファイバ2の光導入端部を束ねて挿入保持させている。そして第1メイン光ファイバ2の各光導入端面にLED1から射出された光が略均一に照射されるように構成している。
【0034】
第1メイン光ファイバ2は、例えばプラスティック製のもので、前述のように光導入端部で多数が束ねられて前記筐体11のファイバ束挿入孔113に挿入保持されている。このようにして各LED1にそれぞれ接続された第1メイン光ファイバ2は、それらのるするが光導出端部において各色の光を伝達するものが略一様に分布するようにさらに束ねられる。そして1つに束ねられた第1メイン光ファイバ2の光導出端部は、光混合部であるロッドレンズ3の入力端に接続される。
【0035】
ロッドレンズ3は、例えば透明な中実の透明円柱状をなす樹脂製のもので、その一端を入力端とし、他端を出力端とするものである。外側面は、外気との屈折率差で、前記入力端から導入された光を全反射しつつ軸方向に進行させて出力端から出射する内向きの反射面として役割を担う。しかして、かかるロッドレンズ3内を光が進行すると、前記外側面で光が内方に向かって反射して混じり合い、混合される。
【0036】
このロッドレンズ3の出力端には、第2メイン光ファイバ4の光入力端部が多数束ねられて接続してある。この第2メイン光ファイバ4は、第1メイン光ファイバ2と同様に例えばプラスティック製のもので、その光導出端を光照射機構5に接続させている。
【0037】
光照射機構5は、図3に詳細図を示すように、例えば前記第2メイン光ファイバ4の出力端を、撮像素子W側を略向くように円周上に並び設けた状態で保持するリング状のファイバ保持体51と、前記光ファイバ4の出力端に対向する位置に設けられ、それら各出力端から射出される光を反射する反射面52aを有したリング状の反射体52と、前記反射面52aの反撮像素子W側に設けられ、当該反射面52aで反射した光を受光してさらに反射するとともに拡散させ、前記撮像素子Wに照射する略半球凹面状の光拡散面53aを有した拡散体53とを備えている。
【0038】
ファイバ保持体51はリング状をなすもので、若干斜めを向きながらもほぼ中心軸C方向に沿って貫通する複数のファイバ保持孔51aが周回するように等間隔に設けてある。そしてそれら各ファイバ保持孔51aに光ファイバ4の出力端部を1本ずつ挿入保持させている。なおファイバ保持孔51aは隣接するものがつながって連続した溝形状になっているものでも構わない。
【0039】
反射体52は、やはりリング状をなすもので、例えば前記ファイバ保持体51の一端部外周に装着される取付部521と、その取付部521の一端部から内方(中心軸線C)に向かって延出させた反射体本体522とからなる。そしてその反射体本体522におけるファイバ保持体51の一端面に対向する面に、凹面状をなす反射面52aを形成している。
【0040】
拡散体53は、前記ファイバ保持体51の一端部内周に嵌め込んだ円柱状をなすもので、その撮像素子Wを向く側の面に半球状に凹ませた凹部を形成している。そして、その凹部の内面に艶消白塗装を施すことにより、光拡散面53aを形成している。
【0041】
このような構成によって、各LED1から第1メイン光ファイバ2、光混合部3、第2メイン光ファイバ4を通って伝達された光が、前記反射面52a及び光拡散面53aで反射されるとともにさらに混合され、強度ムラのより少ない状態で、複数の撮像素子Wに照射されるようにしている。
【0042】
しかして、この実施形態では、図1に示すように、各LED1に、多数の第1メイン光ファイバ2とともに1又は複数本のサブ光ファイバ6を接続するとともに、サブ光ファイバ6から導出される光の強度をそれぞれ検出する受光素子7と、受光素子7で検出された各LED1に対応する光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LED1への供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部8とを設けるようにしている。
【0043】
詳述すると、サブ光ファイバ6は第1メイン光ファイバ2と同種のもので、その光導入端部を第1メイン光ファイバ2の光導入端部とともに束ね、LED1を収容する筐体11のファイバ束挿入孔113に挿入するようにしている。そして各第1メイン光ファイバ2の束からサブ光ファイバ6を途中で分岐させ、その光導出端からケーシングCA内に設けた受光素子7に光を照射するようにしている。
【0044】
受光素子7は、光電変換素子であり、受光した光の強度に応じた電気信号(光強度信号)を出力するものである。この実施形態では、各LED1からの光をそれぞれ受光すべく、LED1と同数(3個)の受光素子7(a)、7(b)、7(c)を設けている。
【0045】
供給電力制御部8は、図1に示すように、前記ケーシングCAとは別体で設けたものであり、図4に内部ブロック図を示すように、前記受光素子7からの光強度信号を受信する受信回路81と、目標信号を生成する目標信号生成回路82と、前記光強度信号の値及び目標信号の値を比較し、その差分に応じた値の電流制御信号を生成する電流制御回路83と、前記電流制御信号の値に応じた電流で前記LED1を駆動する電流供給回路84と、これら各回路を収容する第2ケーシングCA2とを備えたものである。前記各回路81〜84はそれぞれLED1と同数(a)、(b)、(c)が設けてあるが、これら回路81〜84を、バッファや増幅器、比較器等を用いたディスクリートアナログ回路で構成してもよいし、AD変換器やDA変換器を用いてデジタル化し、CPUやメモリを用いてソフトウェア処理することで同等の機能を発揮するようにしても構わない。
【0046】
そして前記目標信号の値(目標値)を各LED1(a)、1(b)、1(c)毎に定めることにより、これらLED1(a)、1(b)、1(c)から射出され、混合して撮像素子Wに照射される検査光の光強度及びホワイトバランスを、当該撮像素子Wの検査に適したものとするようにしている。なお、目標値は、外部からの操作信号または操作ボリューム等(図示しない)で変更できるように構成している。
【0047】
また、図示しないが、供給電力制御部8は、温調機構を備えており、第2ケーシングCA2内の温度を、ある一定温度範囲内に管理するようにしている。これは、LED1から発される光の波長が、温度や駆動電圧値の変動で変化するためである。光の波長がずれると、撮像素子Wのフィルタ特性がピーキーである場合に、そのずれによって撮像素子本体に入射する光量が変動し、撮像素子Wの出力値が変わって品質を誤認するおそれが生じる。そこで、かかるずれを防止すべく温度管理を行い、かつ前述したようにLED1を一定電圧の条件で電流駆動しているわけである。
【0048】
このように構成した本実施形態に係る光源装置100によれば、各LED1から射出される光の一部を利用してFBループを形成し、各LED1から射出される光の強度を所定目標値となるように制御しているので、LED個々のばらつきや経年変化等の変動要因に拘わらず、撮像素子Wのチェックに必要な所定の光強度でなおかつ所定の色バランスを有した正確かつ安定性が高い品質の光を得ることができる。
【0049】
しかも、FB用の光は、LED1からの光を伝達する多数の第1メイン光ファイバ2に比べて非常に少ない少数(1本又は複数本)のサブ光ファイバ6から得ているため、このことによる効率の低下はほとんど無視できるものとなる。
【0050】
また、ハロゲンランプのように光の連続スペクトルを管理するための複雑な機構も必要なく、LED1を利用することによる小型化も図れる。
【0051】
さらに、受光素子7をLED1の種類数と同数設け、各LED1を並列制御できるようにしているため、リアルタイム処理を行うことができる。
【0052】
また、光照射機構5において、概略半球凹面状の光拡散面53aを撮像素子Wを全天から覆うように配置し、その光拡散面53aで反射拡散させた光をあらゆる方向、角度から撮像素子Wに照射するようにしているので、従来のものに比して広面積に亘ってムラのない、安定した品質の検査光を得ることができる。そしてこのことにより、多数の撮像素子Wを同時に検査することが可能になり、撮像素子W製造のタクトタイムを低減させて、大量生産やコストダウンを促進することが可能になる。さらに、光ファイバ4からでた光を一旦反射面52aで反射させて光拡散面53aに導くようにしているので、光ファイバ4の出力端部の取付姿勢に自由度があり、光ファイバ4をケーシングCA内部で大きく曲げることなく飛躍的なコンパクト化や組み立て容易化を図れる。特にこの実施形態では、光ファイバ4の出力端部が中心軸Cと略平行になるため、径方向のコンパクト性を向上させることができるうえ、反射体52が、ラジアル方向に延びる薄い板状のものであり、前記光ファイバ4の出力端から射出された光を撮像素子Wとは逆側に反射し、前記光拡散面53aに到達させるように構成しているため、中心軸C方向のコンパクト性をも向上させることができる。加えて、拡散反射方式の利点である高効率という点をも活かすことができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。なお以下の説明又は図において、前記実施形態に対応する部材には原則的に同一の符号を付すこととする。
【0054】
例えば、図5に示すように、各LED1から光照射機構5に第1メイン光ファイバ2のみを介して光を導くようにしてもよい。光混合部は、この光照射機構5全体(特に光拡散面53a)がその役割を担うこととなる。また、光強度むらのさらに少ない検査光を得るために、同図に想像線で示すように、光照射機構5に拡散板9をさらに備えさせてもよい。
【0055】
また、図6に示すように、前記ロッドレンズ3の代わりに、例えばダイクロイックミラー3’を用いた構成にしてもよい。このダイクロイックミラー3’は、図10(a)に機能詳細を示すように、所定範囲の波長光を透過しその他の光を反射する色分解フィルタ31’(a)、31’(b)を利用してなるものであり、異なる特性の色分解フィルタを、各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光に対し所定角度をつけて配置し、各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光を同軸線上に進行させて混合するものである。もちろん同図(b)に示すようなものでも構わない。
【0056】
この図示例では、ダイクロイックミラー3’に設けた3つの入力端32’、33’、34’に光ファイバを介さず直接LED1(a)、1(b)、1(c)をそれぞれ装着し、唯一の出力端35’に多数の第1メイン光ファイバ2(前記実施形態では第2メイン光ファイバ4に相当する)を接続するようにしている。そのため、各LED1から別個にFB制御用の光を得ることができない。そこで、1又は複数本のサブ光ファイバ6を前記第1メイン光ファイバ2とともに光導入端部で束ね、サブ光ファイバ6にダイクロイックミラー3’の出力端35’からの光、すなわち混合後の光を導入するようにしている。そして、この混合光を撮像素子Wのフィルタに対応する各色(LED1(a)、1(b)、1(c)に対応する各色)に分離する光分離部を設け、分離された光の強度をそれぞれ受光素子で検出するようにしている。
【0057】
このような構成においては、光分離部には、撮像素子Wと同一特性のフィルタを用いることが好ましく、この例では、前記光分離部及び受光素子に、検査対象となるフィルタ付き撮像素子Wと同種でなおかつ正常な動作を行う基準撮像素子7’を用いるようにしている。このようにすれば、LED1の波長がずれても、受光素子7側の出力が撮像素子W側の出力と同様に変動して、ずれの影響を相殺するため、検査精度の向上が図れる。さらに前記実施形態のような、LED1の波長のずれを防止するための厳密な温度管理や電圧を一定に保つ必要性を低減することができ、結果として構造の大幅に簡単化することができる。また撮像素子Wは、種々変わるため、前記基準撮像素子7’を交換可能に保持する素子保持部(図示しない)を設けている。
【0058】
もちろん、前記実施形態のロッドレンズを単純にダイクロイックミラーに置き換え、各LEDからの光を、光ファイバを介してダイクロイックミラー導くようにした構成でもかまわない。
【0059】
また、前記実施形態の構成において、混合後の光をサブ光ファイバ6を介して受光素子7に導くようにしてもよい(図7参照)。この場合、やはり受光素子7の前に、混合光を分離する光分離部を設けた構成を採用することができる。もちろんその好ましい態様として前述同様の基準撮像素子7’を用いるようにしても構わない。
【0060】
さらに、図8に示すように、1つの受光素子7に各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光がサブ光ファイバ6を介して照射されるように構成するとともに、各LED1(a)、1(b)、1(c)の点灯タイミングを異ならせ、時系列的に各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光の強度を時系列的にそれぞれ検出するようにしてもよい。この場合の供給電力制御部8の構成例としては、図9に示すようなものが挙げられる。
【0061】
この供給電力制御部8は、駆動電流の供給先をいずれか1つ(1種類)のLED1に選択的に切り替える第1セレクタ85と、電流制御回路83への目標信号の供給元をいずれか1つの目標信号生成回路82に切り替える第2セレクタ86と、対応するLED1及び目標信号生成回路82が選択されるように、それら各セレクタ85、86を同期制御するセレクタ制御回路87を備えている。
【0062】
そして、第1セレクタ85をセレクタ制御回路87によって切り替え、例えばある一つのLED1(a)を発光させている際には、そのLED1(a)に対応する目標信号生成回路82(a)を、セレクタ制御回路87が第2セレクタ86を切り替えることによって選択し、その目標信号生成回路82(a)からの目標信号値をアクティブにするようにしている。
【0063】
このような構成によれば、受光素子7の個数を減らして、構成の簡単化を図ることができる。
【0064】
また、前記実施形態では、LED1が種類毎に1つずつであったが、複数個ずつ設けるようにしてもよい。この場合、種類毎に制御を行えばよい。
【0065】
さらにLED1を電流制御していたが、条件によってはPWM制御や電圧制御の方がよい場合もあり得るので、これらの制御方式を採用してももちろん構わない。
【0066】
加えて、撮像素子Wの検査時に、LED1を連続発光させる必要はなく、ストロボ発光させるとともに、その発光タイミングで撮像素子Wからの出力を得て検査するようにしてもよい。このストロボ発光のように間欠的にLED1を発光させることで、LED1の温度上昇を防ぎ、より安定した波長で発光させることが可能になる。また、その際のLED1に対する制御は、1回のストロボ発光で間に合わない場合、複数回ストロボ発光させるとともにその都度ラッチさせた光強度信号の値が目標値になるように制御すればよい。
【0067】
さらにまた、撮像素子におけるフィルタの各透過帯域特性と、LEDのピーク波長とは必ずしも1対1に対応していなくともよい。少なくとも、それぞれのLEDの光のピーク波長がいずれかのフィルタの主要透過波長帯域に含まれ、なおかつそれぞれのフィルタの主要透過波長帯域に少なくとも1つの光のピーク波長が含まれれば構わない。
【0068】
この具体例を、図6、図7に示したように混合後の光をフィードバックする場合であって、受光素子及び光分離部に基準撮像素子を用い、フィルタの各透過帯域特性と、LEDのピーク波長とが1対1に対応していない場合について、LEDがR、G、Bのピーク波長をそれぞれ有するものであり、前記フィルタが補色型、すなわちシアン、マゼンダ、イエローのときを例にとって説明する。
【0069】
このような場合、フィルタ通過後の受光素子(光電変換素子)でそれぞれ検出した光の強度は、複数のLEDの光の強度の合計に相関する値であるため、これを直接目標値と比較してFB制御することはできない。
【0070】
すなわち、シアンフィルタ、マゼンダフィルタ、イエロフィルタにそれぞれ対応する受光素子7(a)、7(b)、7(c)の出力値Oc、Om、Oyは、赤色LED、緑色LED、青色LEDから出る光の実強度に対応する値をそれぞれPr、Pg、Pbとして
【0071】
Oc=α1・Pb+β1・Pg
【0072】
Om=α2・Pr+β2・Pb
【0073】
Oy=α3・Pr+β3・Pg、
【0074】
のように表される。ここでα1〜α3、β1〜β3は、フィルタの透過率等から予め定まる係数である。
【0075】
しかして、この3式からPr、Pb、Pgを求めることは容易であるため、図11に示すように、このα1〜α3、β1〜β3を予め供給電力制御部8のメモリ所定領域に設定した係数格納部89に格納しておき、演算回路88で前記3式からPr、Pb、Pgを求め、あとはそれら各値Pr、Pb、Pgを各LEDの光強度信号値として目標値とそれぞれ比較し、LEDをFB制御すればよい。
【0076】
また、光照射機構における光拡散面は凹面に限られず、平面等でも構わない。ファイバ保持体や反射体は円弧状に限られず、正方形状や多角形状をなすものでも構わないし、それに応じて光拡散面53aも、例えば図12の底面側から見た模式的斜視図に示すように、底辺は反射体に沿うような多角形であり、頂上部にいくに連れて丸みを帯びて頂上では半球状になるような形状のものにすることも考えられる。また、図13に示すように、直線状のファイバ保持体51及び反射体52を各一対平行に設け、光ファイバ4の出力端を2列に保持するような構成でもよい。このとき光拡散面53aは半円筒内面状にすればよい。
【0077】
また、図2においてサブ光ファイバ11の光導入端部を、LED1を収容する筐体11の側面から当該筐体11内部に貫通孔(図示しない)を設けることによって挿入し、LED1から第1メイン光ファイバ2に至るまでに筐体11内部で漏れる光をサブ光ファイバ11に導入するようにしてもよい。このようにすれば、本来筐体11の内部でロスになる光を有効活用できる。
【0078】
加えて言えば、さらに各撮像素子に入射する光の強度の一定化を図るために、拡散板を多重に設けてもよいし、各撮像素子の直前又は近傍に光制限素子を設けるようにしてもよい。この光制限素子は、例えば透明板(シート)に濃淡(グレースケール)の印刷を施したものである。具体的には、まず光量検出器で各撮像素子の配置位置での光強度を検出しておき、その検出データにばらつきがある場合には、それを打ち消して各撮像素子に入射する光量が一定となるように前記透明板(シート)に濃淡(グレースケール)の印刷する。拡散板に直接印刷を施しても構わないし、フィルタを用いてもよい。
【0079】
その他、本発明は、前述した各構成の一部又は全部を適宜組み合わせてもよいし、その他、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図2】同実施形態における筐体内に収容されたLEDを主として示す縦断面図。
【図3】同実施形態における光照射機構を示す縦端面図。
【図4】同実施形態における供給電力制御部を示す機能ブロック図。
【図5】本発明の他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図6】本発明のさらに他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図8】本発明のさらに他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図9】同実施形態における供給電力制御部を示す機能ブロック図。
【図10】ダイクロイックミラーの模式的構成図。
【図11】本発明のさらに他の実施形態における供給電力制御部を示す機能ブロック図。
【図12】本発明のさらに他の実施形態における光拡散面を示す模式的斜視図。
【図13】本発明のさらに他の実施形態における光照射機構を示す途中で破断させた斜視図。
【図14】フィルタ特性がフラットな場合におけるLEDの波長のずれの許容範囲を示す模式的グラフ。
【図15】フィルタ特性がピーキーな場合にLEDの波長がずれたときの光電変換素子の出力値の変動を示す模式的グラフ。
【符号の説明】
【0081】
100 光源装置
1 LED
3、3’ 光混合部(ロッドレンズ、ダイクロイックミラー)
2、4 メイン光ファイバ
51 ファイバ保持体
52 反射体
52a 反射面
53 拡散体
53a 光拡散面
6 サブ光ファイバ
7 受光素子
8 供給電力制御部
7’ 基準撮像素子
W 撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCDやCMOS等の光電変換素子に複数の異なるフィルタを設けてなる撮像素子が所定感度を有しているかどうかを検査するための基準となる光を照射する光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等の光電変換素子を用いたカラー撮像素子(エリアイメージセンサ)の需要は、デジタルカメラやカメラ付携帯電話の普及で近時大幅な伸びをみせている。この種の撮像素子は、通常、撮像素子本体である光電変換素子の上に原色フィルタ乃至補色フィルタを設けてなるもので、単板式や3板式のものが知られている。
【0003】
そしてこのような撮像素子の品質管理においては、一定の強度及びホワイトバランスを有した基準となる検査光を照射して、出力信号値が所定範囲内に入っているか否かを判断し、光電変換素子の感度不良やフィルタに異常があるといった撮像素子を排除することが行われており、そのような検査光を発生する光源装置には、従来特許文献1に示すように、例えば連続スペクトルを有した白色光を発生するハロゲンランプが用いられている。
【特許文献1】特開平2−90645公報
【特許文献2】特開2002−181659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハロゲンランプは経年変化が顕著で温度の影響も受けやすく、さらにホワイトバランスを定める光のスペクトルが駆動電流の変化の影響をも受けるという性質を有するため、検査光として用いるべく、光強度及びスペクトルを一定に担保するには、極めて複雑かつ高価な機構が必要になる。
【0005】
一方、特許文献2には、そのようなハロゲンランプの不具合を解決すべく、緑、赤、青の光をそれぞれ発する3種類のLEDをドーム状に内向きに配置し、ドーム中央部位に配置した撮像素子に周囲から照射するようにした構成が記載されている。
【0006】
しかしながら、実際には同種のLEDでも、各個に特性が異なり、LEDを多数用いるこの構成では、常に同一品質の光源装置を製造するには、各LEDの厳しいセレクトが必要になる。さらに、LEDといえども、温度や駆動電流等の変動でピーク波長や光強度が変化するうえ、経年変化も、ハロゲンに比べれば極めて小さいとはいいながらも生じるため、この特許文献2に示す光源を、近時特に品質の向上が図られている撮像素子の検査用基準光源として用いることは難しい。
【0007】
そこで本発明は、撮像素子の検査用として十分用いることが可能な正確かつ安定性が高い品質の検査光を照射することができ、しかも構成が簡単で効率も良い光源装置を提供することをその主たる所期課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る光源装置は、互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、前記各LEDから射出された光の一部であって混合される前の光を伝達するサブ光経路と、前記サブ光経路から導出される光を受光して、各LEDからの光の一部をそれぞれ検出する受光素子と、前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、各LEDから射出される光の一部を利用してFBループを形成し、各LEDから射出される光の強度を所定目標値となるように制御しているので、LEDの発光強度に関して言えば、LED個々のばらつきや経年変化等の変動要因に拘わらず、撮像素子のチェックに必要な強度及びバランスを有した安定性の高い光を得ることができる。
【0010】
また、LEDの波長に関して言えば、図14に示すように、撮像素子の透過帯域特性がフラットな領域においてLEDの発光ピーク波長が規定値と少々異なっても透過率は変動しないため、撮像素子の検査を問題なく行うことができる。すなわち、LEDの個体差による発光波長の相違をあまり気にすることなく、厳密なセレクトなしにLEDを使用することができ、また温度変化や経年変化等でLEDの波長が多少ずれても検査に問題が生じることがない。
【0011】
さらに、ハロゲンランプのように光の連続スペクトルを管理するための複雑な機構も必要なく、LEDを利用することによる小型化も図れる。
【0012】
ここで「互いに異なる波長帯域の光」とは、波長帯域の一部が重なり合っている場合も含む。また、「前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光」とは、それぞれの光のピーク波長がいずれかのフィルタの主要透過波長帯域に含まれ、なおかつそれぞれのフィルタの主要透過波長帯域に少なくとも1つの光のピーク波長が含まれる光のことをいう。さらに「LED」には、複数のLED素子(いわゆるベアチップ)を直列接続するなどして一体に設けたものも含む。
【0013】
なお、LEDの波長が何らかの原因でずれると、前述したようにフィルタの透過帯域特性が比較的フラットな場合は大きな問題にはならないが、図15に示すように、ピーキーである場合には、たとえ各LEDからの出力光量が変動しなくても、その波長のずれによってフィルタでの透過率が変化し、撮像素子本体に入射する光量が変動して撮像素子の出力値が変わる恐れが生じる。その結果、LED側の問題であるにも拘わらず、撮像素子が不良であると判断されるといった品質誤認の問題が生じる。この波長のずれの原因としてはLEDの温度や駆動電圧、電流値の変動が考えられるため、これを防止するには、温度管理や電圧、電流管理を行えばよい。
【0014】
各LEDを並列で制御できるようにするには、1つの受光素子に1つのLEDが対応するように受光素子をLEDの数と同数設け、各受光素子にサブ光経路を介してそれぞれ対応する1つのLEDからの光を導くようにしているものが好ましい。
【0015】
受光素子の個数を減らして構成の簡単化を図るには、1つの受光素子に複数のLEDからの光がサブ光経路を介して照射されるように構成するとともに、各LEDの点灯タイミングを異ならせ、各LEDからの光の強度を前記受光素子で時系列的にそれぞれ検出するようにしているものが好ましい。
【0016】
各サブ光ファイバからの光を混合して受光素子に照射するようにしてもよい。その場合は、サブ光経路から導出される光を、前記各フィルタを通過する帯域の光又は各LEDから射出された光にそれぞれ分離する光分離部を設け、その光分離部から出た光の強度を前記受光素子でそれぞれ検出するようにしておけばよい。
【0017】
また、本発明に係る光源装置は、互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、前記サブ光経路から導出される光を、前記LEDと同数の光であってそれぞれが各LEDの光を異なる比率で含む光に分離する光分離部と、その光分離部から出た光の強度をそれぞれ検出する受光素子と、前記受光素子で検出された各光の強度又はそれらから算出される各演算値が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えているものであってもよい。
【0018】
光分離部の具体例としてはフィルタを挙げることができるが、この光分離部は、混合した光を元のLEDの光に分離するもののみに限られず、LEDと同数の光であってそれぞれが各LEDの光を異なる比率で含む光に分離するものであればよい。このように分離された各光の強度から演算することで各LEDの光の実強度(又はこれの関連値)を算出することができるからである。
【0019】
また、このように混合後の光の一部をフィードバック用に利用する構成の場合、前記光分離部及び受光素子に、検査対象となる撮像素子と同種でなおかつ正常な動作を行う基準撮像素子を用いることにより、フィルタの透過帯域特性がピーキーであっても、前述したようなLEDの波長のずれを防止する温度管理機構等を省略できる。LEDの波長が環境や経年変化でずれたり、個体差で光源装置毎に相違があったとしても、受光素子(基準撮像素子)側の出力が撮像素子側の出力と同様に変動して、ずれの影響を相殺するからである。具体的には、例えばLEDの波長がずれた場合、LEDの光強度が変化しなければ、前述したように検査対象側の撮像素子本体に入る光量が減少し(図15に示す)、その出力値が変動する結果、正常な撮像素子であるにも拘わらず、異常なものとして誤検査してしまう。ところがこのようなものであれば、受光素子(基準撮像素子)側の出力が同様に減少するため、供給電力制御部がこれを引き上げようとLEDへの供給電力を増加させて光強度を大きくし、この結果、検査対象側の撮像素子本体に入る光量も見かけ上減少することなく維持されるため、正常な撮像素子であると判断される。
【0020】
検査対象となる撮像素子は、種々変わるため、これに柔軟に対応できるようにするには、前記基準撮像素子を交換可能に保持する素子保持部を設けておくことが望ましい。
【0021】
また、本発明に係る光源装置は、互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、前記各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、前記サブ光経路から導出される光の強度を検出する受光素子と、各LEDの点灯タイミングを異ならせ、前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えているものでもよい。
【0022】
しかして前述したメイン光経路及びサブ光経路の具体的態様としては、前記メイン光経路を多数の光ファイバであるメイン光ファイバで形成し、前記サブ光経路を1又は複数の光ファイバであるサブ光ファイバで形成しているものを挙げることができる。このようなものであればFB用の光は、各LEDに接続された多数のメイン光ファイバに比べて非常に少ない少数(1本又は複数本)のサブ光ファイバから得ているため、このことによる効率の低下はほとんど無視できるものとなる。もちろんその他、反射鏡や屈折レンズ等の光学素子でこれを形成しても構わない。
【0023】
各LEDから射出される光をさらに均一に混合させるには、前記メイン光経路のうち、各LEDと光混合部との間を接続する部位に配置されるメイン光ファイバを、各LEDからの光が略一様に分布するように光導出端部で束ねるようにしているものが望ましい。
【0024】
このようにして撮像素子に照射される光は、できるだけ広い面積のものがよい。面積が広ければ広いほど、例えばアレイ状に形成した多くの撮像素子を同時に検査することができ、タクトタイムを短縮できるからである。ただし、面積が広くとも、撮像素子に入射する光の強度分布が少なくとも撮像素子単位で一様である必要がある。この要求をコンパクトな構成で無理なく実現するための具体的実施態様としては、前記メイン光ファイバの最終出力端を、撮像素子側を略向くように並び設けた状態で保持するファイバ保持体と、それら光ファイバの出力端に対向する位置に設けられ、各出力端から射出される光を反射する反射面を有した反射体と、前記反射面の反撮像素子側に設けられ、その反射面で反射した光を受光してさらに反射するとともに拡散させ、前記撮像素子に照射する光拡散面を有した拡散体とを備えているものが好適である。
【0025】
さらに、例えば面状に拡がる複数の撮像素子を周囲から取り囲んで光照射する場合には、前記ファイバ保持体がメイン光ファイバの最終出力端を環状に並び設けて保持するものであり、前記反射面が、環状に並ぶメイン光ファイバの最終出力端に対応する大きさを有した環状をなすものであり、前記拡散体が凹面状をなすものであることが望ましい。
【0026】
光混合部の具体的実施態様としては、前記光混合部が、側周面に内向きの反射面を形成するとともに、内部を中空又は透明な素材で形成した柱状部材であり、一端である入力端から内部に入射した光を前記反射面で反射させつつ軸方向に進行させて他端である出力端から出射するものを挙げることができる。
【0027】
また、前記光混合部が、所定範囲の波長光を透過し、その他の光を反射する色分解フィルタを利用してなるものであり、異なる特性の色分解フィルタを各LEDからの光に対し所定角度をつけて配置し、各LEDの光を同軸線上に進行させて混合するものであってもよい。
【0028】
前述したように温度の変動は、LEDに波長のずれ等の影響を与えるため好ましいものではない。LEDへの電力供給をできるだけ少なくして、発熱による悪影響を可及的に防止するには、前記供給電力制御部が、LEDを1又は複数回ストロボ発光させ、ストロボ発光時に前記受光素子で検出された光の強度に基づいて前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御するようにしているものが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
このように構成した本発明によれば、各LEDから射出される光の一部を利用してFBループを形成し、各LEDから射出される光の強度を所定目標値となるように制御しているので、LED個々のばらつきや経年変化等の変動要因に拘わらず、撮像素子のチェックに必要な所定の強度でなおかつ所定の色バランスを有した正確かつ安定性が高い品質の光を得ることができる。しかも、FB用の光は、LEDからの光を伝達する多数のメイン光ファイバに比べて非常に少ない少数(1本又は複数本)のサブ光ファイバから得ているため、このことによる効率の低下はほとんど無視できるものとなる。また、ハロゲンランプのように光の連続スペクトルを管理するための複雑な機構も必要なく、LEDを利用することによる小型化も図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態に係る光源装置100は、複数色フィルタ付きの撮像素子Wに照射する品質検査用の光を生成するものであり、図1に模式的に示すように、互いに異なる色の光を発する複数のLED1から、多数の第1メイン光ファイバ2、光混合部3、多数の第2メイン光ファイバ4及び光照射機構5を介して撮像素子Wに品質検査用の光を照射するものである。これら各部はケーシングCAに取り付けられている。なお、LED1やこれに関係する部材について、図及び以後の説明で種類の区別が必要な時には、かっこを付して、LED1(a)、1(b)、1(c)、光ファイバ2(a)、2(b)、2(c)などと表記する。
【0032】
詳述すると、LED1には、例えば前記撮像素子Wのフィルタが3原色カラーフィルタであることから、各フィルタをそれぞれ通過し得る3つの色(青、緑、赤)の光を射出する3種類(3個)を使用している。LEDの種類は、前記フィルタの色数によって定めればよく、補色フィルタ(シアン、マゼンダ、黄、緑)であれば、4種類のLEDになるし、その他、フィルタに応じて赤外光、紫外光などを射出するLEDを用いても構わない。
【0033】
本実施形態のLED1は、例えば連続して約200mA以上の電流を流すことができるパワーLEDと称されるもので、それぞれが、図2に示すように、フィン付きの円筒状をなす筐体11に収容してある。この筐体11は、大径部111及び小径部112を同一軸線上に一体に並び設けた形状をなし、前記大径部111にはLED1と、そのLED1からの光を集光するレンズ機構12とを内蔵させている。小径部112にはファイバ束挿入孔113を設けており、そのファイバ束挿入孔113に、第1メイン光ファイバ2の光導入端部を束ねて挿入保持させている。そして第1メイン光ファイバ2の各光導入端面にLED1から射出された光が略均一に照射されるように構成している。
【0034】
第1メイン光ファイバ2は、例えばプラスティック製のもので、前述のように光導入端部で多数が束ねられて前記筐体11のファイバ束挿入孔113に挿入保持されている。このようにして各LED1にそれぞれ接続された第1メイン光ファイバ2は、それらのるするが光導出端部において各色の光を伝達するものが略一様に分布するようにさらに束ねられる。そして1つに束ねられた第1メイン光ファイバ2の光導出端部は、光混合部であるロッドレンズ3の入力端に接続される。
【0035】
ロッドレンズ3は、例えば透明な中実の透明円柱状をなす樹脂製のもので、その一端を入力端とし、他端を出力端とするものである。外側面は、外気との屈折率差で、前記入力端から導入された光を全反射しつつ軸方向に進行させて出力端から出射する内向きの反射面として役割を担う。しかして、かかるロッドレンズ3内を光が進行すると、前記外側面で光が内方に向かって反射して混じり合い、混合される。
【0036】
このロッドレンズ3の出力端には、第2メイン光ファイバ4の光入力端部が多数束ねられて接続してある。この第2メイン光ファイバ4は、第1メイン光ファイバ2と同様に例えばプラスティック製のもので、その光導出端を光照射機構5に接続させている。
【0037】
光照射機構5は、図3に詳細図を示すように、例えば前記第2メイン光ファイバ4の出力端を、撮像素子W側を略向くように円周上に並び設けた状態で保持するリング状のファイバ保持体51と、前記光ファイバ4の出力端に対向する位置に設けられ、それら各出力端から射出される光を反射する反射面52aを有したリング状の反射体52と、前記反射面52aの反撮像素子W側に設けられ、当該反射面52aで反射した光を受光してさらに反射するとともに拡散させ、前記撮像素子Wに照射する略半球凹面状の光拡散面53aを有した拡散体53とを備えている。
【0038】
ファイバ保持体51はリング状をなすもので、若干斜めを向きながらもほぼ中心軸C方向に沿って貫通する複数のファイバ保持孔51aが周回するように等間隔に設けてある。そしてそれら各ファイバ保持孔51aに光ファイバ4の出力端部を1本ずつ挿入保持させている。なおファイバ保持孔51aは隣接するものがつながって連続した溝形状になっているものでも構わない。
【0039】
反射体52は、やはりリング状をなすもので、例えば前記ファイバ保持体51の一端部外周に装着される取付部521と、その取付部521の一端部から内方(中心軸線C)に向かって延出させた反射体本体522とからなる。そしてその反射体本体522におけるファイバ保持体51の一端面に対向する面に、凹面状をなす反射面52aを形成している。
【0040】
拡散体53は、前記ファイバ保持体51の一端部内周に嵌め込んだ円柱状をなすもので、その撮像素子Wを向く側の面に半球状に凹ませた凹部を形成している。そして、その凹部の内面に艶消白塗装を施すことにより、光拡散面53aを形成している。
【0041】
このような構成によって、各LED1から第1メイン光ファイバ2、光混合部3、第2メイン光ファイバ4を通って伝達された光が、前記反射面52a及び光拡散面53aで反射されるとともにさらに混合され、強度ムラのより少ない状態で、複数の撮像素子Wに照射されるようにしている。
【0042】
しかして、この実施形態では、図1に示すように、各LED1に、多数の第1メイン光ファイバ2とともに1又は複数本のサブ光ファイバ6を接続するとともに、サブ光ファイバ6から導出される光の強度をそれぞれ検出する受光素子7と、受光素子7で検出された各LED1に対応する光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LED1への供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部8とを設けるようにしている。
【0043】
詳述すると、サブ光ファイバ6は第1メイン光ファイバ2と同種のもので、その光導入端部を第1メイン光ファイバ2の光導入端部とともに束ね、LED1を収容する筐体11のファイバ束挿入孔113に挿入するようにしている。そして各第1メイン光ファイバ2の束からサブ光ファイバ6を途中で分岐させ、その光導出端からケーシングCA内に設けた受光素子7に光を照射するようにしている。
【0044】
受光素子7は、光電変換素子であり、受光した光の強度に応じた電気信号(光強度信号)を出力するものである。この実施形態では、各LED1からの光をそれぞれ受光すべく、LED1と同数(3個)の受光素子7(a)、7(b)、7(c)を設けている。
【0045】
供給電力制御部8は、図1に示すように、前記ケーシングCAとは別体で設けたものであり、図4に内部ブロック図を示すように、前記受光素子7からの光強度信号を受信する受信回路81と、目標信号を生成する目標信号生成回路82と、前記光強度信号の値及び目標信号の値を比較し、その差分に応じた値の電流制御信号を生成する電流制御回路83と、前記電流制御信号の値に応じた電流で前記LED1を駆動する電流供給回路84と、これら各回路を収容する第2ケーシングCA2とを備えたものである。前記各回路81〜84はそれぞれLED1と同数(a)、(b)、(c)が設けてあるが、これら回路81〜84を、バッファや増幅器、比較器等を用いたディスクリートアナログ回路で構成してもよいし、AD変換器やDA変換器を用いてデジタル化し、CPUやメモリを用いてソフトウェア処理することで同等の機能を発揮するようにしても構わない。
【0046】
そして前記目標信号の値(目標値)を各LED1(a)、1(b)、1(c)毎に定めることにより、これらLED1(a)、1(b)、1(c)から射出され、混合して撮像素子Wに照射される検査光の光強度及びホワイトバランスを、当該撮像素子Wの検査に適したものとするようにしている。なお、目標値は、外部からの操作信号または操作ボリューム等(図示しない)で変更できるように構成している。
【0047】
また、図示しないが、供給電力制御部8は、温調機構を備えており、第2ケーシングCA2内の温度を、ある一定温度範囲内に管理するようにしている。これは、LED1から発される光の波長が、温度や駆動電圧値の変動で変化するためである。光の波長がずれると、撮像素子Wのフィルタ特性がピーキーである場合に、そのずれによって撮像素子本体に入射する光量が変動し、撮像素子Wの出力値が変わって品質を誤認するおそれが生じる。そこで、かかるずれを防止すべく温度管理を行い、かつ前述したようにLED1を一定電圧の条件で電流駆動しているわけである。
【0048】
このように構成した本実施形態に係る光源装置100によれば、各LED1から射出される光の一部を利用してFBループを形成し、各LED1から射出される光の強度を所定目標値となるように制御しているので、LED個々のばらつきや経年変化等の変動要因に拘わらず、撮像素子Wのチェックに必要な所定の光強度でなおかつ所定の色バランスを有した正確かつ安定性が高い品質の光を得ることができる。
【0049】
しかも、FB用の光は、LED1からの光を伝達する多数の第1メイン光ファイバ2に比べて非常に少ない少数(1本又は複数本)のサブ光ファイバ6から得ているため、このことによる効率の低下はほとんど無視できるものとなる。
【0050】
また、ハロゲンランプのように光の連続スペクトルを管理するための複雑な機構も必要なく、LED1を利用することによる小型化も図れる。
【0051】
さらに、受光素子7をLED1の種類数と同数設け、各LED1を並列制御できるようにしているため、リアルタイム処理を行うことができる。
【0052】
また、光照射機構5において、概略半球凹面状の光拡散面53aを撮像素子Wを全天から覆うように配置し、その光拡散面53aで反射拡散させた光をあらゆる方向、角度から撮像素子Wに照射するようにしているので、従来のものに比して広面積に亘ってムラのない、安定した品質の検査光を得ることができる。そしてこのことにより、多数の撮像素子Wを同時に検査することが可能になり、撮像素子W製造のタクトタイムを低減させて、大量生産やコストダウンを促進することが可能になる。さらに、光ファイバ4からでた光を一旦反射面52aで反射させて光拡散面53aに導くようにしているので、光ファイバ4の出力端部の取付姿勢に自由度があり、光ファイバ4をケーシングCA内部で大きく曲げることなく飛躍的なコンパクト化や組み立て容易化を図れる。特にこの実施形態では、光ファイバ4の出力端部が中心軸Cと略平行になるため、径方向のコンパクト性を向上させることができるうえ、反射体52が、ラジアル方向に延びる薄い板状のものであり、前記光ファイバ4の出力端から射出された光を撮像素子Wとは逆側に反射し、前記光拡散面53aに到達させるように構成しているため、中心軸C方向のコンパクト性をも向上させることができる。加えて、拡散反射方式の利点である高効率という点をも活かすことができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。なお以下の説明又は図において、前記実施形態に対応する部材には原則的に同一の符号を付すこととする。
【0054】
例えば、図5に示すように、各LED1から光照射機構5に第1メイン光ファイバ2のみを介して光を導くようにしてもよい。光混合部は、この光照射機構5全体(特に光拡散面53a)がその役割を担うこととなる。また、光強度むらのさらに少ない検査光を得るために、同図に想像線で示すように、光照射機構5に拡散板9をさらに備えさせてもよい。
【0055】
また、図6に示すように、前記ロッドレンズ3の代わりに、例えばダイクロイックミラー3’を用いた構成にしてもよい。このダイクロイックミラー3’は、図10(a)に機能詳細を示すように、所定範囲の波長光を透過しその他の光を反射する色分解フィルタ31’(a)、31’(b)を利用してなるものであり、異なる特性の色分解フィルタを、各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光に対し所定角度をつけて配置し、各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光を同軸線上に進行させて混合するものである。もちろん同図(b)に示すようなものでも構わない。
【0056】
この図示例では、ダイクロイックミラー3’に設けた3つの入力端32’、33’、34’に光ファイバを介さず直接LED1(a)、1(b)、1(c)をそれぞれ装着し、唯一の出力端35’に多数の第1メイン光ファイバ2(前記実施形態では第2メイン光ファイバ4に相当する)を接続するようにしている。そのため、各LED1から別個にFB制御用の光を得ることができない。そこで、1又は複数本のサブ光ファイバ6を前記第1メイン光ファイバ2とともに光導入端部で束ね、サブ光ファイバ6にダイクロイックミラー3’の出力端35’からの光、すなわち混合後の光を導入するようにしている。そして、この混合光を撮像素子Wのフィルタに対応する各色(LED1(a)、1(b)、1(c)に対応する各色)に分離する光分離部を設け、分離された光の強度をそれぞれ受光素子で検出するようにしている。
【0057】
このような構成においては、光分離部には、撮像素子Wと同一特性のフィルタを用いることが好ましく、この例では、前記光分離部及び受光素子に、検査対象となるフィルタ付き撮像素子Wと同種でなおかつ正常な動作を行う基準撮像素子7’を用いるようにしている。このようにすれば、LED1の波長がずれても、受光素子7側の出力が撮像素子W側の出力と同様に変動して、ずれの影響を相殺するため、検査精度の向上が図れる。さらに前記実施形態のような、LED1の波長のずれを防止するための厳密な温度管理や電圧を一定に保つ必要性を低減することができ、結果として構造の大幅に簡単化することができる。また撮像素子Wは、種々変わるため、前記基準撮像素子7’を交換可能に保持する素子保持部(図示しない)を設けている。
【0058】
もちろん、前記実施形態のロッドレンズを単純にダイクロイックミラーに置き換え、各LEDからの光を、光ファイバを介してダイクロイックミラー導くようにした構成でもかまわない。
【0059】
また、前記実施形態の構成において、混合後の光をサブ光ファイバ6を介して受光素子7に導くようにしてもよい(図7参照)。この場合、やはり受光素子7の前に、混合光を分離する光分離部を設けた構成を採用することができる。もちろんその好ましい態様として前述同様の基準撮像素子7’を用いるようにしても構わない。
【0060】
さらに、図8に示すように、1つの受光素子7に各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光がサブ光ファイバ6を介して照射されるように構成するとともに、各LED1(a)、1(b)、1(c)の点灯タイミングを異ならせ、時系列的に各LED1(a)、1(b)、1(c)からの光の強度を時系列的にそれぞれ検出するようにしてもよい。この場合の供給電力制御部8の構成例としては、図9に示すようなものが挙げられる。
【0061】
この供給電力制御部8は、駆動電流の供給先をいずれか1つ(1種類)のLED1に選択的に切り替える第1セレクタ85と、電流制御回路83への目標信号の供給元をいずれか1つの目標信号生成回路82に切り替える第2セレクタ86と、対応するLED1及び目標信号生成回路82が選択されるように、それら各セレクタ85、86を同期制御するセレクタ制御回路87を備えている。
【0062】
そして、第1セレクタ85をセレクタ制御回路87によって切り替え、例えばある一つのLED1(a)を発光させている際には、そのLED1(a)に対応する目標信号生成回路82(a)を、セレクタ制御回路87が第2セレクタ86を切り替えることによって選択し、その目標信号生成回路82(a)からの目標信号値をアクティブにするようにしている。
【0063】
このような構成によれば、受光素子7の個数を減らして、構成の簡単化を図ることができる。
【0064】
また、前記実施形態では、LED1が種類毎に1つずつであったが、複数個ずつ設けるようにしてもよい。この場合、種類毎に制御を行えばよい。
【0065】
さらにLED1を電流制御していたが、条件によってはPWM制御や電圧制御の方がよい場合もあり得るので、これらの制御方式を採用してももちろん構わない。
【0066】
加えて、撮像素子Wの検査時に、LED1を連続発光させる必要はなく、ストロボ発光させるとともに、その発光タイミングで撮像素子Wからの出力を得て検査するようにしてもよい。このストロボ発光のように間欠的にLED1を発光させることで、LED1の温度上昇を防ぎ、より安定した波長で発光させることが可能になる。また、その際のLED1に対する制御は、1回のストロボ発光で間に合わない場合、複数回ストロボ発光させるとともにその都度ラッチさせた光強度信号の値が目標値になるように制御すればよい。
【0067】
さらにまた、撮像素子におけるフィルタの各透過帯域特性と、LEDのピーク波長とは必ずしも1対1に対応していなくともよい。少なくとも、それぞれのLEDの光のピーク波長がいずれかのフィルタの主要透過波長帯域に含まれ、なおかつそれぞれのフィルタの主要透過波長帯域に少なくとも1つの光のピーク波長が含まれれば構わない。
【0068】
この具体例を、図6、図7に示したように混合後の光をフィードバックする場合であって、受光素子及び光分離部に基準撮像素子を用い、フィルタの各透過帯域特性と、LEDのピーク波長とが1対1に対応していない場合について、LEDがR、G、Bのピーク波長をそれぞれ有するものであり、前記フィルタが補色型、すなわちシアン、マゼンダ、イエローのときを例にとって説明する。
【0069】
このような場合、フィルタ通過後の受光素子(光電変換素子)でそれぞれ検出した光の強度は、複数のLEDの光の強度の合計に相関する値であるため、これを直接目標値と比較してFB制御することはできない。
【0070】
すなわち、シアンフィルタ、マゼンダフィルタ、イエロフィルタにそれぞれ対応する受光素子7(a)、7(b)、7(c)の出力値Oc、Om、Oyは、赤色LED、緑色LED、青色LEDから出る光の実強度に対応する値をそれぞれPr、Pg、Pbとして
【0071】
Oc=α1・Pb+β1・Pg
【0072】
Om=α2・Pr+β2・Pb
【0073】
Oy=α3・Pr+β3・Pg、
【0074】
のように表される。ここでα1〜α3、β1〜β3は、フィルタの透過率等から予め定まる係数である。
【0075】
しかして、この3式からPr、Pb、Pgを求めることは容易であるため、図11に示すように、このα1〜α3、β1〜β3を予め供給電力制御部8のメモリ所定領域に設定した係数格納部89に格納しておき、演算回路88で前記3式からPr、Pb、Pgを求め、あとはそれら各値Pr、Pb、Pgを各LEDの光強度信号値として目標値とそれぞれ比較し、LEDをFB制御すればよい。
【0076】
また、光照射機構における光拡散面は凹面に限られず、平面等でも構わない。ファイバ保持体や反射体は円弧状に限られず、正方形状や多角形状をなすものでも構わないし、それに応じて光拡散面53aも、例えば図12の底面側から見た模式的斜視図に示すように、底辺は反射体に沿うような多角形であり、頂上部にいくに連れて丸みを帯びて頂上では半球状になるような形状のものにすることも考えられる。また、図13に示すように、直線状のファイバ保持体51及び反射体52を各一対平行に設け、光ファイバ4の出力端を2列に保持するような構成でもよい。このとき光拡散面53aは半円筒内面状にすればよい。
【0077】
また、図2においてサブ光ファイバ11の光導入端部を、LED1を収容する筐体11の側面から当該筐体11内部に貫通孔(図示しない)を設けることによって挿入し、LED1から第1メイン光ファイバ2に至るまでに筐体11内部で漏れる光をサブ光ファイバ11に導入するようにしてもよい。このようにすれば、本来筐体11の内部でロスになる光を有効活用できる。
【0078】
加えて言えば、さらに各撮像素子に入射する光の強度の一定化を図るために、拡散板を多重に設けてもよいし、各撮像素子の直前又は近傍に光制限素子を設けるようにしてもよい。この光制限素子は、例えば透明板(シート)に濃淡(グレースケール)の印刷を施したものである。具体的には、まず光量検出器で各撮像素子の配置位置での光強度を検出しておき、その検出データにばらつきがある場合には、それを打ち消して各撮像素子に入射する光量が一定となるように前記透明板(シート)に濃淡(グレースケール)の印刷する。拡散板に直接印刷を施しても構わないし、フィルタを用いてもよい。
【0079】
その他、本発明は、前述した各構成の一部又は全部を適宜組み合わせてもよいし、その他、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図2】同実施形態における筐体内に収容されたLEDを主として示す縦断面図。
【図3】同実施形態における光照射機構を示す縦端面図。
【図4】同実施形態における供給電力制御部を示す機能ブロック図。
【図5】本発明の他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図6】本発明のさらに他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図8】本発明のさらに他の実施形態における光源装置の内部構造を示す模式図。
【図9】同実施形態における供給電力制御部を示す機能ブロック図。
【図10】ダイクロイックミラーの模式的構成図。
【図11】本発明のさらに他の実施形態における供給電力制御部を示す機能ブロック図。
【図12】本発明のさらに他の実施形態における光拡散面を示す模式的斜視図。
【図13】本発明のさらに他の実施形態における光照射機構を示す途中で破断させた斜視図。
【図14】フィルタ特性がフラットな場合におけるLEDの波長のずれの許容範囲を示す模式的グラフ。
【図15】フィルタ特性がピーキーな場合にLEDの波長がずれたときの光電変換素子の出力値の変動を示す模式的グラフ。
【符号の説明】
【0081】
100 光源装置
1 LED
3、3’ 光混合部(ロッドレンズ、ダイクロイックミラー)
2、4 メイン光ファイバ
51 ファイバ保持体
52 反射体
52a 反射面
53 拡散体
53a 光拡散面
6 サブ光ファイバ
7 受光素子
8 供給電力制御部
7’ 基準撮像素子
W 撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、
前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、
各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、
各LEDから射出された光を、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、
前記各LEDから射出された光の一部であって混合される前の光を伝達するサブ光経路と、
前記サブ光経路から導出される光を受光して、各LEDからの光の一部をそれぞれ検出する受光素子と、
前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
1つの受光素子に1つのLEDが対応するように受光素子をLEDの数と同数設け、各受光素子にサブ光経路を介してそれぞれ対応する1つのLEDからの光を導くようにしている請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
1つの受光素子に複数のLEDからの光がサブ光経路を介して照射されるように構成するとともに、各LEDの点灯タイミングを異ならせ、各LEDからの光の強度を前記受光素子で時系列的にそれぞれ検出するようにしている請求項1記載の光源装置。
【請求項4】
複数のLEDからの光がサブ光経路を介して混合されて照射されるように構成するとともに、サブ光経路から導出される光を、前記各フィルタを通過する帯域の光又は各LEDから射出された光にそれぞれ分離する光分離部を設け、その光分離部から出た光の強度を前記受光素子でそれぞれ検出するようにしている請求項1記載の光源装置。
【請求項5】
互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、
前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、
各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、
各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、
前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、
前記サブ光経路から導出される光を、前記LEDと同数の光であってそれぞれが各LEDの光を異なる比率で含む光に分離する光分離部と、
その光分離部から出た光の強度をそれぞれ検出する受光素子と、
前記受光素子で検出された各光の強度又はそれらから算出される各演算値が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする光源装置。
【請求項6】
前記光分離部及び受光素子が、検査対象となるフィルタを有した撮像素子と同種でなおかつ正常な動作を行う基準撮像素子である請求項4又は5記載の光源装置。
【請求項7】
前記基準撮像素子を交換可能に保持する素子保持部を備えている請求項6記載の光源装置。
【請求項8】
互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、
前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、
各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、
前記各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、
前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、
前記サブ光経路から導出される光の強度を検出する受光素子と、
各LEDの点灯タイミングを異ならせ、前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする光源装置。
【請求項9】
前記メイン光経路を多数の光ファイバであるメイン光ファイバで形成し、前記サブ光経路を1又は複数の光ファイバであるサブ光ファイバで形成している請求項1乃至8いずれかに記載の光源装置。
【請求項10】
前記メイン光経路のうち、各LEDと光混合部との間を接続する部位に配置されるメイン光ファイバを、各LEDからの光が略一様に分布するように光導出端部で束ねるようにしている請求項9記載の光源装置。
【請求項11】
前記メイン光ファイバの最終出力端を、撮像素子側を略向くように並び設けた状態で保持するファイバ保持体と、
それら光ファイバの出力端に対向する位置に設けられ、各出力端から射出される光を反射する反射面を有した反射体と、
前記反射面の反撮像素子側に設けられ、その反射面で反射した光を受光してさらに反射するとともに拡散させ、前記撮像素子に照射する光拡散面を有した拡散体とを備えている請求項9又は10いずれかに記載の光源装置。
【請求項12】
前記ファイバ保持体がメイン光ファイバの最終出力端を環状に並び設けて保持するものであり、
前記反射面が、環状に並ぶメイン光ファイバの最終出力端に対応する大きさを有した環状をなすものであり、
前記拡散体が凹面状をなすものである請求項11記載の光源装置。
【請求項13】
前記光混合部が、外側面に内向きの反射面を形成するとともに、内部を中空又は透明な素材で形成した柱状部材であり、一端である入力端から内部に入射した光を前記反射面で反射させつつ軸方向に進行させて他端である出力端から出射するものである1乃至12いずれかに記載の光源装置。
【請求項14】
前記光混合部が、所定範囲の波長光を透過し、その他の光を反射する色分解フィルタを利用してなるものであり、異なる特性の色分解フィルタを各LEDからの光に対し所定角度をつけて配置し、各LEDの光を同軸線上に進行させて混合するものである1乃至12いずれかに記載の光源装置。
【請求項15】
前記供給電力制御部が、LEDを1又は複数回ストロボ発光させ、ストロボ発光時に前記受光素子で検出された光の強度に基づいて前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御するようにしている請求項1乃至14いずれかに記載の光源装置。
【請求項1】
互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、
前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、
各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、
各LEDから射出された光を、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、
前記各LEDから射出された光の一部であって混合される前の光を伝達するサブ光経路と、
前記サブ光経路から導出される光を受光して、各LEDからの光の一部をそれぞれ検出する受光素子と、
前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
1つの受光素子に1つのLEDが対応するように受光素子をLEDの数と同数設け、各受光素子にサブ光経路を介してそれぞれ対応する1つのLEDからの光を導くようにしている請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
1つの受光素子に複数のLEDからの光がサブ光経路を介して照射されるように構成するとともに、各LEDの点灯タイミングを異ならせ、各LEDからの光の強度を前記受光素子で時系列的にそれぞれ検出するようにしている請求項1記載の光源装置。
【請求項4】
複数のLEDからの光がサブ光経路を介して混合されて照射されるように構成するとともに、サブ光経路から導出される光を、前記各フィルタを通過する帯域の光又は各LEDから射出された光にそれぞれ分離する光分離部を設け、その光分離部から出た光の強度を前記受光素子でそれぞれ検出するようにしている請求項1記載の光源装置。
【請求項5】
互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、
前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、
各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、
各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、
前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、
前記サブ光経路から導出される光を、前記LEDと同数の光であってそれぞれが各LEDの光を異なる比率で含む光に分離する光分離部と、
その光分離部から出た光の強度をそれぞれ検出する受光素子と、
前記受光素子で検出された各光の強度又はそれらから算出される各演算値が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする光源装置。
【請求項6】
前記光分離部及び受光素子が、検査対象となるフィルタを有した撮像素子と同種でなおかつ正常な動作を行う基準撮像素子である請求項4又は5記載の光源装置。
【請求項7】
前記基準撮像素子を交換可能に保持する素子保持部を備えている請求項6記載の光源装置。
【請求項8】
互いに異なる波長帯域の光を透過させる複数のフィルタを有した撮像素子に品質検査用の光である検査光を照射するものであって、
前記各フィルタの透過波長帯域に対応付けられた互いに異なるピーク波長の光を射出する複数のLEDと、
各LEDから射出された光を混合し前記検査光を生成する光混合部と、
前記各LEDから射出された光の略全てを、前記混合部を介して撮像素子に導くメイン光経路と、
前記光混合部の出力端に連通して混合後の光の一部を伝達するサブ光経路と、
前記サブ光経路から導出される光の強度を検出する受光素子と、
各LEDの点灯タイミングを異ならせ、前記受光素子で検出された各光の強度が、予め定めたそれぞれの目標値となるように、前記各LEDへの供給電力を制御する供給電力制御部とを備えていることを特徴とする光源装置。
【請求項9】
前記メイン光経路を多数の光ファイバであるメイン光ファイバで形成し、前記サブ光経路を1又は複数の光ファイバであるサブ光ファイバで形成している請求項1乃至8いずれかに記載の光源装置。
【請求項10】
前記メイン光経路のうち、各LEDと光混合部との間を接続する部位に配置されるメイン光ファイバを、各LEDからの光が略一様に分布するように光導出端部で束ねるようにしている請求項9記載の光源装置。
【請求項11】
前記メイン光ファイバの最終出力端を、撮像素子側を略向くように並び設けた状態で保持するファイバ保持体と、
それら光ファイバの出力端に対向する位置に設けられ、各出力端から射出される光を反射する反射面を有した反射体と、
前記反射面の反撮像素子側に設けられ、その反射面で反射した光を受光してさらに反射するとともに拡散させ、前記撮像素子に照射する光拡散面を有した拡散体とを備えている請求項9又は10いずれかに記載の光源装置。
【請求項12】
前記ファイバ保持体がメイン光ファイバの最終出力端を環状に並び設けて保持するものであり、
前記反射面が、環状に並ぶメイン光ファイバの最終出力端に対応する大きさを有した環状をなすものであり、
前記拡散体が凹面状をなすものである請求項11記載の光源装置。
【請求項13】
前記光混合部が、外側面に内向きの反射面を形成するとともに、内部を中空又は透明な素材で形成した柱状部材であり、一端である入力端から内部に入射した光を前記反射面で反射させつつ軸方向に進行させて他端である出力端から出射するものである1乃至12いずれかに記載の光源装置。
【請求項14】
前記光混合部が、所定範囲の波長光を透過し、その他の光を反射する色分解フィルタを利用してなるものであり、異なる特性の色分解フィルタを各LEDからの光に対し所定角度をつけて配置し、各LEDの光を同軸線上に進行させて混合するものである1乃至12いずれかに記載の光源装置。
【請求項15】
前記供給電力制御部が、LEDを1又は複数回ストロボ発光させ、ストロボ発光時に前記受光素子で検出された光の強度に基づいて前記各LEDへの供給電力をそれぞれ制御するようにしている請求項1乃至14いずれかに記載の光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−17689(P2006−17689A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226183(P2004−226183)
【出願日】平成16年7月4日(2004.7.4)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月4日(2004.7.4)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]