説明

光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法

【課題】光素子および駆動素子を保護することができ、小型化に有利な光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】光電気混載基板1は、可撓性を有する板状の部材で構成され、その途中の折り曲げ部104にて折り曲げられ、折り曲げ部104よりも一端側に形成された第1の平坦部106と、折り曲げ部104よりも他端側に、間隙103を介して第1の平坦部106と対向するように形成された第2の平坦部105とを有する可撓性基板10と、第1の平坦部106の間隙103に臨む部分に配置された光素子50と、第2の平坦部105の間隙103に臨む部分に配置され、光素子50と電気的に接続された、光素子50を駆動する電気素子60とを備え、間隙103内が充填材3で満たされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化の波とともに、大容量の情報を高速でやりとりできる広帯域回線(ブロードバンド)の普及が進んでいる。また、これらの広帯域回線に情報を伝送する装置として、ルータ装置、WDM(Wavelength Division Multiplexing)装置等の伝送装置が用いられている。これらの伝送装置内には、LSIのような演算素子、メモリーのような記憶素子等が組み合わされた信号処理基板が多数設置されており、各回線の相互接続を担っている。
【0003】
各信号処理基板には、演算素子や記憶素子等が電気配線で接続された回路が構築されているが、近年、処理する情報量の増大に伴って、各基板では、極めて高いスループットで情報を伝送することが要求されている。しかしながら、情報伝送の高速化に伴い、クロストークや高周波ノイズの発生、電気信号の劣化、特性インピーダンスの不整合等の問題が顕在化しつつある。このため、電気配線がボトルネックとなって、信号処理基板のスループットの向上が困難になっている。
【0004】
一方、光信号を使用してデータを移送する光通信技術が開発され、近年、この光信号を、一地点から他地点に導くための手段として、光導波路を有する光電気混載基板が普及しつつある。この光電気混載基板では、光導波路の入射側に、半導体レーザ等の発光素子を有する光送信用ICが配置され、出射側には、フォトダイオード等の受光素子を有する光受信用ICが配置される(例えば、特許文献1)。発光素子から入射された光は、光導波路を伝搬し、受光素子により受光され、この受光した光の明滅パターンに基づいて通信が行われる。
【0005】
最近では、信号処理基板内の電気配線を光導波路で置き換える動きが進んでいる。電気配線を光導波路で置き換えることにより、前述したような電気配線の問題が解消され、信号処理基板のさらなる高スループット化が可能になると期待されている。
【0006】
ところで、特許文献1に記載の光電気混載基板では、光送信用ICおよび光受信用ICがそれぞれ露出している。このため、各ICが損傷を受け易くなり、損傷を受けた場合に光電気混載基板が故障してしまうことがあった。また、各ICの損傷を防止するために、例えば単にICを覆うカバー部材を設けても、そのカバー部材分、光電気混載基板が大きくなってしまい、当該光電気混載基板を例えば装置に載置する際のスペースを十分に確保することができないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−294407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、光素子および駆動素子を保護することができ、小型化に有利な光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(18)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有する板状の部材で構成され、その途中の折り曲げ部にて折り曲げられ、該折り曲げ部よりも一端側に形成された第1の平坦部と、前記折り曲げ部よりも他端側に、間隙を介して前記第1の平坦部と対向するように形成された第2の平坦部とを有する可撓性基板と、
前記第1の平坦部の前記間隙に臨む部分に配置された光素子と、
前記第2の平坦部の前記間隙に臨む部分に配置され、前記光素子と電気的に接続された、該光素子を駆動する駆動素子とを備え、
前記間隙内が充填材で満たされていることを特徴とする光電気混載基板。
【0010】
(2) 前記充填材は、樹脂材料で構成されている上記(1)に記載の光電気混載基板。
【0011】
(3) 前記充填材は、前記間隙の間隙距離を規制する機能を有する上記(1)または(2)に記載の光電気混載基板。
【0012】
(4) 前記間隙は、その間隙距離が100〜1000μmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0013】
(5) 前記可撓性基板は、ポリイミド系樹脂を主材料として構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0014】
(6) 前記可撓性基板の厚さは、5〜100μmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0015】
(7) 前記光素子と前記駆動素子とは、前記可撓性基板の面方向にズレて配置されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0016】
(8) 前記可撓性基板には、前記折り曲げ部をまたぐように、前記光素子と前記駆動素子とを接続する導体回路が設けられている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0017】
(9) 前記可撓性基板には、前記光素子に対する光路上に形成された貫通孔が形成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0018】
(10) 前記可撓性基板に配置され、前記貫通孔を介して、前記光素子との間で光の授受を行なう光導波路を有する上記(9)に記載の光電気混載基板。
【0019】
(11) 前記可撓性基板を介して前記光導波路と対向配置され、前記可撓性基板よりも剛性が高い剛性基板を有する上記(10)に記載の光電気混載基板。
【0020】
(12) 前記可撓性基板に配置され、該可撓性基板よりも剛性が高い剛性基板を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0021】
(13) 前記剛性基板は、その一方の面が前記可撓性基板に接しており、他方の面に突出形成された複数のバンプを有する上記(11)または(12)に記載の光電気混載基板。
【0022】
(14) 前記複数のバンプには、前記光素子および前記駆動素子のうちの少なくとも一方と電気的に接続されたバンプが含まれる上記(13)に記載の光電気混載基板。
【0023】
(15) 前記複数のバンプは、それぞれ、その頂部が平坦なまたは丸みを帯びたものである上記(13)または(14)に記載の光電気混載基板。
【0024】
(16) 前記複数のバンプは、それぞれ、半田、アルミニウム、金または銅を主材料として構成されている上記(13)ないし(15)のいずれかに記載の光電気混載基板。
【0025】
(17) 上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の光電気混載基板を製造する方法であって、
未だ折り曲げられていない状態で、前記光素子と前記駆動素子とが配置された前記可撓性基板を用意する基板用意工程と、
前記間隙を形成するとともに、該間隙内で前記光素子と前記駆動素子とが衝突しないように、前記可撓性基板を前記折り曲げ部にて折り曲げる基板折り曲げ工程と、
前記間隙内に前記充填材を付与する充填材付与工程とを有することを特徴とする光電気混載基板の製造方法。
【0026】
(18) 上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の光電気混載基板を製造する方法であって、
未だ折り曲げられていない状態で、前記光素子と前記駆動素子とが配置された前記可撓性基板を用意する基板用意工程と、
前記可撓性基板の前記光素子および前記駆動素子が配置された側の面に、前記充填材を付与する充填材付与工程と、
前記充填材が内側に位置するとともに、前記光素子と前記駆動素子とが衝突しないように、前記可撓性基板を前記折り曲げ部にて折り曲げる基板折り曲げ工程とを有することを特徴とする光電気混載基板の製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、例えば光電気混載基板1にその厚さ方向に力が加わった場合に、間隙内に位置する光素子および駆動素子が押し潰されて、破損するのが防止される。このように、本発明では、光素子および駆動素子を保護する(覆う)ための例えばカバー部材を別途設けることなく、簡単な構成で、光素子および駆動素子を確実に保護することができる。
【0028】
また、前記カバー部材を別途設けた場合、そのカバー部材分だけ、大きさが大きくなってしまうが、本発明は、このような前記カバー部材が設けられていないため、小型化となる(小型化に有利である)。
【0029】
また、前述したように光素子および駆動素子が間隙内に位置することと相まって、これら素子をより確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の光電気混載基板の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す光電気混載基板を製造する方法(本発明の光電気混載基板の製造方法)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。
【図3】図1に示す光電気混載基板を製造する方法(本発明の光電気混載基板の製造方法)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。
【図4】図1に示す光電気混載基板を製造する方法(本発明の光電気混載基板の製造方法)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。
【図5】図1に示す光電気混載基板を製造する方法(本発明の光電気混載基板の製造方法)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。
【図6】図1に示す光電気混載基板を製造する方法(本発明の光電気混載基板の製造方法)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。
【図7】本発明の光電気混載基板の製造方法(第2実施形態)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図)である。
【図8】本発明の光電気混載基板の製造方法(第2実施形態)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図)である。
【図9】本発明の光電気混載基板(第3実施形態)を示す縦断面図である。
【図10】本発明の光電気混載基板(第4実施形態)を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】
<第1実施形態>
図1は、本発明の光電気混載基板の実施形態を示す縦断面図、図2〜図6は、それぞれ、図1に示す光電気混載基板を製造する方法(本発明の光電気混載基板の製造方法)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図2(b)〜図6(b)中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
【0033】
図1に示す光電気混載基板1は、回路基板組立体2と、回路基板組立体2の下方に配置されたリジッド基板接合体11と、回路基板組立体2の上方に配置された(回路基板組立体2を介してリジッド基板接合体11と対向配置された)光導波路20とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0034】
回路基板組立体2は、途中が折り曲げられたフレキシブル基板(可撓性基板)10と、フレキシブル基板10の内側に配置された光素子50と、フレキシブル基板の内側に光素子と異なる位置に配置された電気素子(駆動素子)60とを備えている。
【0035】
フレキシブル基板10は、可撓性を有するとともに絶縁性を有する材料で構成された長尺な板状の部材(基板)である。かかる材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられるが、なかでもポリイミド系樹脂を主材料とするものが好ましく用いられる。ポリイミド系樹脂は、耐熱性が高く、優れた可撓性を有していることから、折り曲げられるフレキシブル基板10の構成材料として特に好適である。
【0036】
また、フレキシブル基板10としては、折り曲げた際に内側となる面(内面102)にあらかじめ導電膜が形成された基板(銅張りフィルム等)が好適に用いられる。この場合、導電膜をフォトリソグラフィ法およびエッチング法により、所望の形状にパターニングすることにより、後述する配線パターン(導体回路)40を容易に形成することができる。
【0037】
また、フレキシブル基板10の厚さt1は、フレキシブル基板10が折り曲げられる程度に十分な可撓性を有することと、光電気混載基板1の薄型化(小型化)を図ること等の観点から、5〜100μm程度であるのが好ましく、10〜40μm程度であるのがより好ましい。このような厚さのフレキシブル基板10であれば、前述した十分な可撓性を有するとともに、自重や搭載する各種素子の重量によって意図せず変形してしまうことが防止される。また、光電気混載基板1の薄型化が確実に図られるとともに、後述する光導波路20のミラー23と光素子50との間の距離を十分に短縮することができる。その結果、例えば光導波路20を伝搬してきた後、ミラー23により下方に反射された光が、広く発散する前に光素子50に到達することができるため、光通信における光損失を抑制することができ、光通信のS/N比を高めることができる。また、光素子50が発光素子である場合には、発光した光を発散させてしまう前にミラー23に到達させることができるので、同様に光通信のS/N比を高めることができる。
【0038】
前述したようにフレキシブル基板10は、その途中(長手方向の中央部付近)が折り曲げられている。これにより、フレキシブル基板10は、折り曲げ部(湾曲部)104と、折り曲げ部104よりも一端側に形成された第1の平坦部106と、折り曲げ部104よりも他端側に形成された第2の平坦部105とに分けることができる(図1参照)。フレキシブル基板10では、第1の平坦部106と第2の平坦部105とが互いに対向しており、これらの平坦部と折り曲げ部104とで囲まれた間隙103が形成されている。
【0039】
図1に示すように、間隙103には、光素子50と電気素子60とが位置しており、これらの素子同士は、互いに配線パターン40を介して電気的に接続されている。この配線パターン40は、光電気混載基板1内で電気回路を構築しており、フレキシブル基板10の内面102に沿って、光素子50と電気素子60との間に設けられている。これにより、光電気混載基板1は、配線パターン40で構成された電気回路と光導波路20とを混載しており、電気回路において電気信号を、光導波路20において光信号を、それぞれ伝送するとともに、これらの信号を光電気混載基板1に搭載された光素子50や電気素子60によって処理することができる。なお、配線パターン40の構成材料としては、導電性を有する材料であれば、特に限定されず、例えば、Ni、Al、Au、Pt等が挙げられる。また、光電気混載基板1では、配線パターン40は、フレキシブル基板10にのみ設けられているため、当該光電気混載基板1を製造する際の製造コストを抑えることができる。
【0040】
図1に示すように、フレキシブル基板10の内面102の図1中上側の第1の平坦部106には、ブロック状または板状の光素子50が配置されている。光路は、この光素子50の受光部または発光部に導かれるよう構成されている。すなわち、光導波路20と光素子50の受光部または発光部との間は、ミラー23を介して光学的に接続されている。なお、光素子50としては、特に限定されず、例えば、面発光レーザー(VCSEL)のような発光素子、フォトダイオード(PD、APD)のような受光素子等が挙げられる。
【0041】
また、フレキシブル基板10のうち、光素子50とミラー23との間の光路が通過する部分には、フレキシブル基板10をその厚さ方向に貫通する光スルーホール(貫通孔)13が形成されている。この光スルーホール13が形成されていることにより、フレキシブル基板10が光透過性を有する必要がなくなるため、フレキシブル基板10の構成材料の選択の幅を広げることができる。換言すれば、フレキシブル基板10が光透過性を有している場合には、光スルーホール13を省略することもできる。この光スルーホール13は、フレキシブル基板10にレーザ加工等を用いて簡単に形成可能である。
【0042】
図1に示すように、フレキシブル基板10の内面102の図1中下側の第2の平坦部105には、ブロック状または板状の電気素子60が配置されている。この電気素子60は、光素子50を駆動するものである。本実施形態では、電気素子60は、ドライバICと、トランスインピーダンスアンプ(TIA)とリミッティングアンプ(LA)とのコンビネーションICとで構成されている。
【0043】
ドライバICは、光素子50が発光素子である場合、発光素子の動作を制御している。また、コンビネーションICは、光素子50が受光素子である場合、受光素子による検出信号を増幅するよう動作する。すなわち、光電気混載基板1では、これらの光素子50や電気素子60が協調して動作することにより、光信号と電気信号の相互変換が確実に行われ、高速かつ低ノイズでの信号処理を容易に行うことができる。
【0044】
また、電気素子60は、光素子50に対してフレキシブル基板10の面方向にズレて配置されている、すなわち、平面視で光素子50と重なっていない。
【0045】
例えば電気素子60と光素子50とがフレキシブル基板10の面方向にズレていない場合、すなわち、電気素子60と光素子50とが平面視で重なっている場合、電気素子60と光素子50との干渉を防止するために、間隙103の間隙距離(ギャップ長)h1は、電気素子60の厚さと光素子50の厚さとの総和よりも大きく設定される必要がある。しかしながら、光電気混載基板1(回路基板組立体2)では、電気素子60と光素子50とがフレキシブル基板10の面方向にズレて配置されているため、間隙距離(ギャップ長)h1を、電気素子60の厚さと光素子50の厚さとの総和よりも小さく設定しても、電気素子60と光素子50との干渉が防止される。従って、このような素子同士の配置により、光電気混載基板1の厚さを可能な限り小さくすることができ、よって、光電気混載基板1の小型化を図ることができる。
【0046】
また、電気素子60と光素子50とが収納されている間隙103は、そのほぼ全体が充填材3で満たされている。充填材3の主材料としては、フレキシブル基板10の構成材料に応じて適宜選択されるものの、例えば、各種アクリル系樹脂、各種ポリカーボネート系樹脂、各種エポキシ系樹脂、各種シリコーン系樹脂、各種ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。なお、充填材3は、光透過性(透明性)を有するのが好ましい。また、間隙103に満たされる充填材3の充填量としては、少なくとも間隙103内の電気素子60と光素子50とが保護され、かつ、フレキシブル基板10の折り曲げ状態を維持することができる程度とすることができる。
【0047】
間隙103に充填材3が充填されていることにより、例えば光電気混載基板1にその厚さ方向に力が加わった場合に光素子50および電気素子60が押し潰されて、破損するのが防止される。このように、光電気混載基板1は、光素子50および電気素子60を保護する(覆う)ための例えばカバー部材を別途設けることなく、簡単な構成で、光素子50および電気素子60を確実に保護することができる。このように、充填材3は、光電気混載基板1に剛性を付与する機能を有するものであると言うこともできる。
【0048】
なお、光素子50および電気素子60と同様に配線パターン40も間隙103内に位置しているため、当該配線パターン40についても確実に保護することができる。また、配線パターン40に対する絶縁性も維持することができる。
【0049】
また、前記カバー部材を別途設けた場合、そのカバー部材分だけ、大きさが大きくなってしまうが、光電気混載基板1では、小型化となっている(小型化に有利なものとなっている)。
【0050】
また、前述した光素子50および電気素子60が間隙103内に位置することと相まって、これら素子をより確実に保護することができる。
【0051】
また、充填材3により、折り曲げられたフレキシブル基板10が開く(展開する)のが防止される、すなわち、間隙103の間隙距離h1が規制される。これにより、光電気混載基板1の形状(小型化された形状)が維持される。なお、間隙距離h1は、光素子50および電気素子60の大きさにもよるが、例えば、100〜1000μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましい。これにより、光電気混載基板1が小型化のものとなる。また、フレキシブル基板10では、折り曲げ部104の内側の半径(曲率半径)を間隙距離h1の半分とすることができる。
【0052】
フレキシブル基板10の外側の面(外面107)には、第2の平坦部105に接着剤(図示せず)を介して、リジッド基板接合体11が固定されている。リジッド基板接合体11は、リジッド基板(剛性基板)111とリジッド基板(剛性基板)112とが重ねられて例えば接着剤により接合されたものである。
【0053】
リジッド基板111およびリジッド基板112は、それぞれ、フレキシブル基板10よりも高い剛性を有するとともに絶縁性を有する材料で構成された基板である。かかる材料としては、例えば、紙、ガラス布、樹脂フィルム等の基材とし、この基材に、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂材料を含浸させたものが挙げられる。
【0054】
かかる各リジッド基板111、112の厚さt2は、特に限定されないが、光電気混載基板1の薄型化の観点から、好ましくは50μm〜3mm程度、より好ましくは100μm〜2.5mm程度とされる。なお、リジッド基板111の厚さt2とリジッド基板112の厚さt2とは、図1に示す構成では同じであるが、異なっていてもよい。
【0055】
このような構成のリジッド基板接合体11が設置されていることにより、フレキシブル基板10が補強されることとなり、十分な剛性が確保される。
【0056】
フレキシブル基板10の外面107には、第1の平坦部106の光素子50に対応する位置に接着剤(図示せず)を介して、光導波路20が固定されている。光導波路20は、光スルーホール13を介して、光素子50との間で光の授受を行なうものである。
【0057】
光導波路20には、その途中を斜め45°に横切るミラー23が形成されており、このミラー23は、光導波路20のコア部21を通過する光路の方向を下方に向けて直角に変換する光路変換、または、光導波路20の下方から入射された光がコア部21に向けて反射されるよう光路を直角に変換する光路変換を担う。
【0058】
光導波路20は、線状のコア部21と、コア部21の周囲を囲むように設けられた筒状のクラッド部22とを有しており、コア部21の一端に入射された光をコア部21とクラッド部22との界面で全反射させ、他端に伝搬することができる。
【0059】
光導波路20の横断面形状は、好ましくは正方形または矩形(長方形)のような四角形とされる。なお、光導波路20の厚さt3は、15〜200μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。
【0060】
また、コア部21の幅および高さは、特に限定されないが、1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、10〜60μm程度であるのがさらに好ましい。コア部21の厚さは、5〜100μm程度であるのが好ましく、25〜80μm程度であるのがより好ましい。一方、クラッド部22の厚さは、3〜50μm程度であるのが好ましく、5〜30μm程度であるのがより好ましい。
【0061】
また、コア部21とクラッド部22とは、互いに光の屈折率が異なり、その屈折率の差は、0.5%以上であるのが好ましく、0.8%以上であるのがより好ましい。一方、上限値は、特に設定されなくてもよいが、好ましくは5.5%程度とされる。屈折率の差が前記下限値未満であると光を伝達する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えても、光の伝送効率のそれ以上の増大は期待できない。
【0062】
なお、前記屈折率差とは、コア部21の屈折率をA、クラッド部22の屈折率をBとしたとき、次式で表される。
屈折率差(%)=|A/B−1|×100
【0063】
コア部21、クラッド部22の各構成材料は、それぞれ上記の屈折率差が生じる材料であれば特に限定されないが、具体的には、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料の他、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料等を用いることができる。
【0064】
また、光導波路20に設けられたミラー23は、光導波路20にレーザ加工、研削加工等を施すことにより形成される。なお、ミラー23の表面(ミラー面)には、必要に応じて反射膜を成膜するようにしてもよい。この反射膜としては、Au、Ag、Al等の金属膜が好ましく用いられる。
【0065】
このような光導波路20は、その構造上、通常、フレキシブル基板10程には折り曲げられないものである。
【0066】
次に、光電気混載基板1を製造する方法について説明する。
この光電気混載基板1の製造方法は、フレキシブル基板用意工程(基板用意工程)と、リジッド基板接合工程と、基板折り曲げ工程と、充填材付与工程(充填材充填工程)と、光導波路接合工程と、切断工程とを有し、これらの工程をこの順に行なう方法である。
【0067】
[フレキシブル基板用意工程]
まず、図2(a)、(b)に示すように、フレキシブル基板10となる母材としての帯状のフレキシブル基板用部材10’を用意する。このフレキシブル基板用部材10’は、未だ折り曲げられていない状態、すなわち、平坦な状態となっている。
【0068】
また、フレキシブル基板用部材10’上には、光素子50と電気素子60とが互いにフレキシブル基板用部材10’の幅方向(図2中の左右方向)に離間して配置されて(接合されて)いる。そして、このような光素子50と電気素子60との組が複数フレキシブル基板用部材10’の長手方向(図2(a)中の上下方向)に沿って等間隔に配置されている。
【0069】
[リジッド基板接合工程]
次に、図2(a)、(b)に示すように、複数組の光素子50と電気素子60とが配置されたフレキシブル基板用部材10’の下面の電気素子60に対応する(電気素子60の下側)部分に、リジッド基板接合体11となるリジッド基板用部材11’を接着剤を用いて接合する。
【0070】
リジッド基板用部材11’は、帯状なすものであり、その長手方向の各端部とフレキシブル基板用部材10’の各端部とが一致するように接合する(図2(a)参照)。また、リジッド基板用部材11’の電気素子60側(図2(b)中左側)の縁部と、フレキシブル基板用部材10’の電気素子60側の縁部とが一致するようにも接合する(図2(b)参照)。
【0071】
[基板折り曲げ工程]
次に、フレキシブル基板用部材10’の光素子50側の部分を支持し(抑え)、電気素子60側の部分を把持する。そして、この状態で、図3(b)に示すように、フレキシブル基板用部材10’の電気素子60側の部分を時計回りに変位させ、光素子50および電気素子60が内側に位置するように、フレキシブル基板用部材10’の光素子50と電気素子60との間の部分(折り曲げ部104)、すなわち、その幅方向の中央部を折り曲げる。この際、フレキシブル基板用部材10’の前記中央部(折り曲げ部104)が屈曲せずに、湾曲するように折り曲げる。
【0072】
また、このとき、フレキシブル基板用部材10’の内側には、間隙103が形成される。なお、フレキシブル基板用部材10’を折り曲げて、間隙103を形成する際に、第1の平坦部106と第2の平坦部105との間に、スペーサ(具治具)を介挿してもよい。これにより、間隙103を確実に形成することができる。
【0073】
また、フレキシブル基板用部材10’を折り曲げる際には、間隙103内で光素子50と電気素子60とが衝突しないように、その折り曲げを行なう。
【0074】
[充填材付与工程]
次に、図4(b)に示すように、ノズル700を有する充填装置を用いて、当該ノズル700から間隙103内に液状の充填材3’を供給する(充填する)。また、図4(a)に示すように、ノズル700は、フレキシブル基板用部材10’の長手方向に移動しつつ、液状の充填材3’の充填(付与)を行なう。なお、液状の充填材3’の充填量としては、間隙103のほぼ全体が液状の充填材3’で満たされる程度とされる。
【0075】
液状の充填材3’の充填後、当該液状の充填材3’を硬化する(固化する)。例えば、液状の充填材3’が光硬化型のものである場合には、紫外線を液状の充填材3’に向けて照射することにより、液状の充填材3’硬化を行なう。また、液状の充填材3’が熱硬化型のものである場合には、液状の充填材3’をフレキシブル基板用部材10’ごと加熱することにより、液状の充填材3’硬化を行なう。
【0076】
そして、液状の充填材3’が硬化することにより、充填材3で間隙103内が満たされる(図5(b)参照)。
【0077】
[光導波路接合工程]
次に、図5(a)、(b)に示すように、フレキシブル基板用部材10’の外面107の光素子50に対応する部分(第1の平坦部106)に、光導波路20となる光導波路用部材20’を接着剤を用いて接合する。
【0078】
光導波路用部材20’は、帯状なすものであり、その長手方向に沿って複数のミラー23が配設されている。そして、本工程では、光導波路用部材20’を、各ミラー23がそれぞれ光素子50(光スルーホール13)に臨むように配置する。
【0079】
[切断工程]
次に、図6(a)に示すように、フレキシブル基板用部材10’を、リジッド基板用部材11’と光導波路用部材20’ごと、ダイシングブレード(図示せず)を用いて切断する。フレキシブル基板用部材10’の切断する部分としては、隣接する光素子50(電気素子60)同士の間の部分(図6(a)中の一点鎖線で示す部分)である。これにより、光電気混載基板1が得られる(図6(a)、(b)参照)。
【0080】
以上のような工程を経ることにより、複数の光電気混載基板1が得られ、これらの光電気混載基板1は、それぞれ、前述したように、光素子50および電気素子60を保護することができ、小型化に有利なものとなっている。
【0081】
<第2実施形態>
図7および図8は、それぞれ、本発明の光電気混載基板の製造方法(第2実施形態)を説明するための図((a)は平面図、(b)は(a)中の矢印A側から見た図(側面図))である。なお、以下では、説明の都合上、図7(b)および図8(b)中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
【0082】
以下、これらの図を参照して本発明の光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0083】
本実施形態は、光電気混載基板の製造方法において、充填材を付与するタイミングが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0084】
前記第1実施形態では、基板折り曲げ工程、充填材付与工程の順番となっている、すなわち、基板折り曲げ工程の後に充填材付与工程がきて(位置して)いるが、本実施形態では、充填材付与工程、基板折り曲げ工程の順番となっている、すなわち、基板折り曲げ工程の前に充填材付与工程(充填材塗布工程)がきて(位置して)いる。
【0085】
[充填材付与工程]
図7(a)、(b)に示すように、未だ折り曲げられていない状態のフレキシブル基板用部材10’に対し、その光素子50および電気素子60が配置された側の面(図7(b)中の上側の面)に、液状の充填材3’を塗布する(付与する)。この液状の充填材3’の塗布は、ノズル700によって行われる。また、液状の充填材3’の塗布量としては、例えば、光素子50や電気素子60が液状の充填材3’で覆われる程度とされる。
【0086】
[基板折り曲げ工程]
次に、フレキシブル基板用部材10’の光素子50側の部分を支持し、電気素子60側の部分を把持する。そして、この状態で、図8(b)に示すように、フレキシブル基板用部材10’の電気素子60側の部分を時計回りに変位させ、光素子50および電気素子60が内側に位置するように、フレキシブル基板用部材10’の光素子50と電気素子60との間の部分(折り曲げ部104)、すなわち、その幅方向の中央部を折り曲げる。この際、フレキシブル基板用部材10’の前記中央部(折り曲げ部104)が屈曲せずに、湾曲するように折り曲げる。このとき、液状の充填材3’が内側に位置する。
【0087】
また、フレキシブル基板用部材10’を折り曲げる際には、光素子50と電気素子60とが衝突しないように、その折り曲げを行なう。
【0088】
その後、前記第1実施形態の充填材付与工程と同様に、当該液状の充填材3’を硬化する。この液状の充填材3’が硬化することにより、充填材3で間隙103内が満たされる。
【0089】
そして、光導波路接合工程、切断工程を順に経て、光電気混載基板1を得る。この得られた光電気混載基板1は、前述したように、光素子50および電気素子60を保護することができ、小型化に有利なものとなっている。
【0090】
<第3実施形態>
図9は、本発明の光電気混載基板(第3実施形態)を示す縦断面図である。
【0091】
以下、この図を参照して本発明の光電気混載基板および光電混載基板の製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、リジッド基板接合体の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0093】
図9に示す光電気混載基板1では、フレキシブル基板10の第2の平坦部105の外面107に、リジッド基板接合体11Aの上面113が接合されたものとなっている。このリジッド基板接合体11Aは、図示の構成ではリジッド基板111、112が交互に積層されたものである。
【0094】
また、リジッド基板接合体11Aは、複数のバンプ115を有している。各バンプ115は、それぞれ、下面114に突出形成されている。各バンプ115は、それぞれ、後述する電子機器に光電気混載基板1が内蔵された際に、当該電子機器に予め内蔵されている電気回路等と電気的に接続される部分である。
【0095】
各バンプ115は、それぞれ、リジッド基板111、112を厚さ方向に貫通する中継部116と、フレキシブル基板10の第2の平坦部105を厚さ方向に貫通する中継部108とを介して、光素子50や電気素子60と電気的に接続されている。これにより、光電気混載基板1が電子機器に内蔵された際に、光素子50や電気素子60に電子機器から電力を供給することができる。
【0096】
また、各バンプ115の頂部115aは、それぞれ、丸みを帯びている。また、各バンプ115は、主として半田で構成されているのが好ましい。これにより、例えば、導電性ペースト転写法により、複数のバンプ115を容易に形成することができる。また、導電性ペースト転写法で複数のバンプ115を形成する際、光導波路20に過剰な熱が伝わるのを防止することができ、よって、熱で光導波路20の特性が損なわれるのを防止することができる。
【0097】
なお、バンプ115の構成材料としては、半田の他、例えば、アルミニウム、金または銅を用いることもできる。このような構成材料は、中継部108、116の構成材料としても用いることができる。
【0098】
また、リジッド基板接合体11Aに形成された複数のバンプ115には、光素子50や電気素子60と電気的に接続されてないものがあってもよい。
【0099】
<第4実施形態>
図10は、本発明の光電気混載基板(第4実施形態)を示す縦断面図である。
【0100】
以下、この図を参照して本発明の光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0101】
本実施形態は、リジッド基板接合体の各バンプの構成(形状)が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
【0102】
図10に示す光電気混載基板1では、リジッド基板接合体11Bが設置されている。このリジッド基板接合体11Bは、各バンプ115の頂部115aがそれぞれ平坦なものである。各バンプ115の頂部115aがそれぞれ平坦であることにより、当該各バンプ115が接続される相手体との接触面積を比較的大きく確保することができ、よって、不本意な接触不良を確実に防止することができる。また、異方性導電ペーストや異方性導電シートを使用した場合、その樹脂中に配合さたの導電粒子と確実に接触することが可能となり、接続不良を改善することができる。
【0103】
<電子機器>
光電気混載基板1は、電子機器に内蔵可能である。光電気混載基板1が内蔵された電子機器は、光信号と電気信号の双方の信号処理を行うことができる。このような電子機器としては、例えば、ルータ装置、WDM装置、携帯電話、ゲーム機、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等が挙げられる。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が光電気混載基板1を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消されるため、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
【0104】
さらに、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、基板内の集積度が高められるとともに、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
【0105】
以上、本発明の光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、光電気混載基板を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0106】
また、本発明の光電気混載基板および光電気混載基板の製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0107】
また、光電気混載基板は、回路基板組立体とリジッド基板接合体と光導波路とを備えるものであるが、これに限定されず、これらの構成要素からリジッド基板接合体および光導波路のうちの一方または双方が省略されたものであってもよい。例えば、リジッド基板接合体および光導波路が省略されたもの、すなわち、回路基板組立体のみで構成されたものである場合、当該光電気混載基板がより小型化されたものとなる。
【0108】
また、回路基板組立体には、複数枚のリジッド基板で構成されたリジッド基板接合体が設置されているのに限定されず、1枚のリジッド基板が設置されていてもよい。
【0109】
また、光電気混載基板では、光導波路の端部に、コネクタが設置さていてもよい。
また、光電気混載基板では、光導波路を保護するカバーフィルムが設置されていてもよい。
【0110】
また、光電気混載基板の製造方法は、フレキシブル基板用意工程の前に、折り曲げられていない状態のフレキシブル基板に光素子および電気素子を接合する素子接合工程を有していてもよい。
【0111】
また、光電気混載基板の製造方法では、フレキシブル基板を折り曲げた後に、光導波路を当該フレキシブル基板に接合しているが、これに限定されず、例えば、フレキシブル基板を折り曲げる以前に、光導波路を当該フレキシブル基板に接合して、その後、フレキシブル基板を折り曲げてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 光電気混載基板
2 回路基板組立体
3 充填材
3’ 液状の充填材
10 フレキシブル基板
10’ フレキシブル基板用部材
102 内面
103 間隙
104 折り曲げ部(湾曲部)
105 第2の平坦部
106 第1の平坦部
107 外面
108 中継部
11、11A、11B リジッド基板接合体
11’ リジッド基板用部材
111、112 リジッド基板(剛性基板)
113 上面
114 下面
115 バンプ
115a 頂部
116 中継部
13 光スルーホール(貫通孔)
20 光導波路
20’ 光導波路用部材
21 コア部
22 クラッド部
23 ミラー
40 配線パターン(導体回路)
50 光素子
60 電気素子
700 ノズル
t1、t2、t3 厚さ
h1 間隙距離(ギャップ長)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する板状の部材で構成され、その途中の折り曲げ部にて折り曲げられ、該折り曲げ部よりも一端側に形成された第1の平坦部と、前記折り曲げ部よりも他端側に、間隙を介して前記第1の平坦部と対向するように形成された第2の平坦部とを有する可撓性基板と、
前記第1の平坦部の前記間隙に臨む部分に配置された光素子と、
前記第2の平坦部の前記間隙に臨む部分に配置され、前記光素子と電気的に接続された、該光素子を駆動する駆動素子とを備え、
前記間隙内が充填材で満たされていることを特徴とする光電気混載基板。
【請求項2】
前記充填材は、樹脂材料で構成されている請求項1に記載の光電気混載基板。
【請求項3】
前記充填材は、前記間隙の間隙距離を規制する機能を有する請求項1または2に記載の光電気混載基板。
【請求項4】
前記間隙は、その間隙距離が100〜1000μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項5】
前記可撓性基板は、ポリイミド系樹脂を主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項6】
前記可撓性基板の厚さは、5〜100μmである請求項1ないし5のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項7】
前記光素子と前記駆動素子とは、前記可撓性基板の面方向にズレて配置されている請求項1ないし6のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項8】
前記可撓性基板には、前記折り曲げ部をまたぐように、前記光素子と前記駆動素子とを接続する導体回路が設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項9】
前記可撓性基板には、前記光素子に対する光路上に形成された貫通孔が形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項10】
前記可撓性基板に配置され、前記貫通孔を介して、前記光素子との間で光の授受を行なう光導波路を有する請求項9に記載の光電気混載基板。
【請求項11】
前記可撓性基板を介して前記光導波路と対向配置され、前記可撓性基板よりも剛性が高い剛性基板を有する請求項10に記載の光電気混載基板。
【請求項12】
前記可撓性基板に配置され、該可撓性基板よりも剛性が高い剛性基板を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項13】
前記剛性基板は、その一方の面が前記可撓性基板に接しており、他方の面に突出形成された複数のバンプを有する請求項11または12に記載の光電気混載基板。
【請求項14】
前記複数のバンプには、前記光素子および前記駆動素子のうちの少なくとも一方と電気的に接続されたバンプが含まれる請求項13に記載の光電気混載基板。
【請求項15】
前記複数のバンプは、それぞれ、その頂部が平坦なまたは丸みを帯びたものである請求項13または14に記載の光電気混載基板。
【請求項16】
前記複数のバンプは、それぞれ、半田、アルミニウム、金または銅を主材料として構成されている請求項13ないし15のいずれかに記載の光電気混載基板。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の光電気混載基板を製造する方法であって、
未だ折り曲げられていない状態で、前記光素子と前記駆動素子とが配置された前記可撓性基板を用意する基板用意工程と、
前記間隙を形成するとともに、該間隙内で前記光素子と前記駆動素子とが衝突しないように、前記可撓性基板を前記折り曲げ部にて折り曲げる基板折り曲げ工程と、
前記間隙内に前記充填材を付与する充填材付与工程とを有することを特徴とする光電気混載基板の製造方法。
【請求項18】
請求項1ないし16のいずれかに記載の光電気混載基板を製造する方法であって、
未だ折り曲げられていない状態で、前記光素子と前記駆動素子とが配置された前記可撓性基板を用意する基板用意工程と、
前記可撓性基板の前記光素子および前記駆動素子が配置された側の面に、前記充填材を付与する充填材付与工程と、
前記充填材が内側に位置するとともに、前記光素子と前記駆動素子とが衝突しないように、前記可撓性基板を前記折り曲げ部にて折り曲げる基板折り曲げ工程とを有することを特徴とする光電気混載基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−192883(P2010−192883A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8426(P2010−8426)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】