説明

入退室システム

【課題】応答器における消費電力を抑え内蔵電池の長寿命化を図ることが可能であるとともに、再度の認証操作を容易に行うことができ、利便性が良好である入退室システムを提供する。
【解決手段】固有の識別情報を有する応答器と、入退室制限区画の出入口近傍に設けられ、識別情報に基づき応答器の認証を行うための質問器と、を具備し、質問器が、第1の無線通信方式で起動信号を送信し、起動信号を受信した応答器が、第2の無線通信方式で識別情報を含む応答信号を質問器へと送信する入退室システムにおいて、応答器は、応答信号送信後、起動信号を受信している場合に、第2の無線通信方式での信号の送受信を停止するスリープ状態へと移行し、応答器に設けられ、応答器のスリープ状態移行後所定の一定時間が経過した場合に、応答器の、第2の無線通信方式での信号の送受信を再開させるタイマー監視手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入退室システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、無線通信による個体識別いわゆるRFID(Radio Frequency Identification)に係る無線通信システムとして、例えば、壁面やゲート等に設置される質問器と、利用者が直接に携行し又は利用者が携行する物品に装着される非接触ICタグ等の応答器と、を有するものが知られている。この無線通信システムにおいては、応答器は質問器が備える起動装置から無線通信により非接触で起動される。起動された応答器は、質問器が備える認証装置へと認証情報を無線送信する。
【0003】
そして、このような従来のRFIDに係る無線通信システムにおいては、第1及び第2の2つの無線通信方式を用いて、応答器の起動と認証情報の送信を行うものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これらにおいては、質問器は、第1の無線通信方式としてLF(Low Frequency)帯(長波帯:30〜300kHz)の信号を用いて、起動信号を発生する。そして、この起動信号に応答した応答器は、第2の無線通信方式としてUHF(Ultra High Frequency)帯(極超短波帯:300MHz〜3GHz)の信号を用いて、質問器へと認証情報を含む応答信号を返信する。
【0004】
このような無線通信システムを建物内の入退室管理に用いた、従来における入退室システムの典型例を図1、図8及び図9を参照して説明する。
図1において、1は仕切られて入退室制限が課された区画の1つである部屋、3はこの部屋1の出入口に開閉自在に設けられ、図示しない電気錠により施解錠可能であるドアである。このドア3には質問器4が設置されている。また、このドア3を通過して部屋1に対して入退室しようとする利用者2は、応答器5を携行している。この応答器5は、非接触ICタグやICカードからなるIDタグである。質問器4からは、起動信号が所定の周期で間欠的に送信されている。こうして、この起動信号の送信範囲に認証エリア6が形成される。
【0005】
この認証エリア6内に利用者2が携行する応答器5が入ると、応答器5は質問器4からの起動信号を受信して起動される。そして、起動された応答器5は質問器4へと識別(ID)情報を含む応答信号を返信する。この識別情報は、一意に識別可能である固有のID情報であって、予め応答器5に設定されている。応答器5からの応答信号を受信した質問器4は、この応答信号に含まれる識別情報に基づいて認証を行う。この認証に成功した場合には、ドア3の電気錠は解錠され、ドア3を開くことができる。そして、当該応答器5を携行する利用者2は、このドア3を通過して部屋1に対する入退室が可能となる。一度、解錠されてドア3が開かれた後、当該ドア3が閉じられると、ドア3の電気錠は自動的に施錠される。
【0006】
図8は、これら質問器4及び応答器5の構成の詳細を示すものである。
4aは質問器4の動作を制御する質問器側制御部、4bは質問器側制御部4aで生成された起動信号を増幅する質問器側LF帯送受信部、4cは質問器側LF帯送受信部4bにおいて増幅された起動信号を、第1の無線通信方式(LF)で送信する質問器側LFアンテナである。この起動信号は、所定の周期で間欠的に送信されている。4d及び4eは、応答器5から第2の無線通信方式(UHF)により返信された応答信号を受信するための質問器側RF送受信部及び質問器側RFアンテナ、4hは質問器4の上位装置である図示しないコントロールユニットと応答信号等をやりとりするためのI/F部である。コントロールユニットにおいては、質問器4から転送された応答信号に基づいて、応答器5の認証が行われる。
【0007】
応答器5の認証が完了すると、質問器4は、質問器側RF送受信部4d及び質問器側RFアンテナ4eを介して、第2の無線通信方式(UHF)により応答器5へとACK信号を送信する。このACK信号は、質問器側RF送受信部4dを介して質問器側RFアンテナ4eから、第2の無線通信方式(UHF)で送信される。また、4fは質問器4の動作状況を利用者2に対して表示するための質問器側表示部、4gはブザー部である。応答器5の認証が完了すると、質問器側表示部4f及びブザー部4gによりその旨が利用者2に通知されるとともに、ドア3の解錠動作が行われる。
【0008】
5aは応答器5の動作を制御する応答器側制御部、5b及び5cは、第1の無線通信方式によるLF帯の信号を受信する応答器側LF帯受信部及び応答器側LFアンテナである。応答器5が認証エリア6内に入ると、応答器5は質問器4からの起動信号を応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cにより受信する。起動信号を受信すると応答器側LF帯受信部5bにより応答器側制御部5aが起動される。応答器5は、応答器5の備える電池5gから電力の供給を受けて動作する。
【0009】
応答器側制御部5aは、起動されると、自身に予め設定されている固有の識別(ID)情報を含む応答信号を生成する。この応答信号は応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eから第2の無線通信方式(UHF)により質問器4へと返信される。5fは応答器5の動作状況を利用者2に対して表示するための応答器側表示部である。質問器4への応答信号の返信が完了すると、その旨がこの応答器側表示部5fに表示される。また、質問器4から送信されたACK信号は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eにより受信される。ACK信号を受信した応答器5は、応答信号の送信を終了する。
【0010】
応答器5には、起動状態とスリープ状態の2つの状態がある。起動状態は第2の無線通信方式(UHF)による信号の送受信が可能であり、スリープ状態は第2の無線通信方式(UHF)での信号の送受信はできない。スリープ状態においては、応答器5は、応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cを用いて、第1の無線通信方式(LF)による信号の受信のみ可能である。応答器5が認証エリア6内に入り、質問器4からの第1の無線通信方式(LF)による起動信号を受信すると、応答器5はスリープ状態から起動状態に移行する。そして、応答器5が、起動信号を受信してから、所定の一定時間(受信エリア外検知時間)以内に、続けて起動信号を受信している場合には、応答器5はスリープ状態へと移行する。この所定の受信エリア外検知時間は、応答器側制御部5aにおいて受信エリア外検知タイマーにより計測される。
【0011】
応答器5が所定の受信エリア外検知時間以内に続けて起動信号を受信している(認証エリア6内に入り続けている)場合、質問器4により応答器5が認識された後には何度も認証動作を行う必要はない。そこで、応答器5は一度起動信号を受信して応答信号の返信やACK信号の受信を行った後も認証エリア6内に入り続けている場合には、スリープ状態に移行することで不要な第2の無線通信方式(UHF)による通信を行わないようにして電池5gの無用な消耗を抑えている。そして、こうしてスリープ状態になった応答器5においては、質問器4からの起動信号を受信しなくなると受信エリア外検知タイマーがリセットされる。そして、受信エリア外検知タイマーがリセットされた後に再び起動信号を受信すると、スリープ状態から起動状態へと移行する。すなわち、こうしてスリープ状態になった応答器5は、一度、認証エリア6外に出た後、再び認証エリア6内に入ることにより、スリープ状態から起動する。
【0012】
図9は、従来の入退室システムの動作の流れを示すフロー図である。
まず、図の左側の質問器4の動作について説明する。質問器4は、質問器側LF帯送受信部4b及び質問器側LFアンテナ4cから、第1の無線通信方式(LF)により、所定の周期で間欠的に起動信号を送信しており、この起動信号の到達範囲により質問器4の周囲に認証エリア6を形成している(ステップS11)。そして、続くステップS12において、質問器4は、認証エリア6内に入った応答器5からの応答信号を、質問器側RF送受信部4d及び質問器側RFアンテナ4eを介して、第2の無線通信方式(UHF)により、受信したか否かについて確認を行う。
【0013】
この確認において、応答信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS11へと戻る。一方、このステップS12の確認において、応答器5からの応答信号を受信したことが確認された場合には、ステップS13へと進む。このステップS13においては、質問器4は、質問器側RF送受信部4d及び質問器側RFアンテナ4eから、第2の無線通信方式(UHF)で、ACK信号を送信する。そして、ステップS14へと移行して、I/F部4hを介してコントロールユニットへとACK信号送信完了の旨を通知する。ステップS14の後はステップS11へと戻り、以上のステップの動作を繰り返す。
【0014】
次に、図の右側の応答器5の動作について説明する。まず、ステップS21において、応答器側制御部5aは、受信エリア外検知タイマーをリセットする。そして、続くステップS22において、応答器5は、質問器4から送信された起動信号(ステップS11)を受信したか否かについて確認を行う。起動信号の受信は、応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cを介して第1の無線通信方式(LF)で行われる。この確認は、応答器5が質問器4の形成する認証エリア6内に入っているか否かを確認していることになる。
【0015】
このステップS22において、応答器5が起動信号を受信したことが確認された場合には、ステップS23へと移行する。ステップS23においては、応答器側制御部5aは、受信エリア外検知タイマーをセットする。ここで、この受信エリア外検知タイマーにセットされるタイマー時間は、所定の受信エリア外検知時間である。そして、このステップS23の後はステップS24へと移行する。ステップS24においては、応答器5は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eを介して、第2の無線通信方式(UHF)で、応答信号を質問器4へと送信する。
【0016】
そして、続くステップS25において、応答器5は、質問器4から送信されたACK信号(ステップS13)を受信したか否かについて確認を行う。ACK信号の受信は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eを介して第2の無線通信方式(UHF)で行われる。このステップS25において、応答器5がACK信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS22へと戻る。一方、ステップS25において、応答器5がACK信号を受信していることが確認された場合には、ステップS22へと戻る。
【0017】
一方、ステップS22において、応答器5が起動信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS26へと移行する。このステップS26においては、応答器側制御部5aは、受信エリア外検知タイマーが停止中であるか否か(受信エリア外検知時間が経過したことが検知されタイムアウトしたか否か)について確認を行う。このステップS26において、受信エリア外検知タイマーが停止中であることが確認された場合には、ステップS21へと戻る。一方、S26において、受信エリア外検知タイマーが停止中でないことが確認された場合には、ステップS22へと戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−352703号公報
【特許文献2】特開2008−177774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
このように、従来における入退室システムは、第1の無線通信方式(LF)及び第2の無線通信方式(UHF)の2つの無線通信方式を併用して、応答器5の認証を行う。第2の無線通信方式(UHF)による信号を送受信する応答器側RF送受信部5dの消費電力は10〜20mAと比較的大きい。これに対し、第1の無線通信方式(LF)による信号を受信する応答器側LF帯受信部5bの消費電力は数μA程度と、微弱な電力で動作させることができる。そこで、応答器5が認証エリア6内に継続して存在する場合、応答器5に内蔵される電池5gの無駄な消耗を防ぐため、スリープ状態へと移行して応答器側RF送受信部5dにおける不要な電力消費を防止する。
【0020】
しかしながら、このような従来における入退室システムにおいては、一度、認証が完了してスリープ状態となった応答器5は、認証エリア6内に入り続けた状態では、スリープ状態から復帰させることができず、再び認証させることができないという課題がある。従って、何らかの事情により再度の認証操作(再操作)が必要となった場合には、利用者2は、視覚により認識できない認証エリア6の外へと一旦出なければならず、この再操作が非常に煩雑かつ困難であって、利便性が著しく低下してしまうという課題がある。なお、この再度の認証操作(再操作)が必要な場合とは、例えば、連続通行時に、認証を終えた利用者2がドア3を通過する前にドア3が開閉して施錠されてしまった場合等がある。
【0021】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、応答器における消費電力を抑え応答器に内蔵された電池の長寿命化を図ることが可能であるとともに、再度の認証操作を容易に行うことができ、利便性が良好である入退室システムを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明に係る入退室システムにおいては、固有の識別情報を有する応答器と、入退室が制限された区画の出入口近傍に設けられ、前記識別情報に基づき前記応答器の認証を行うための質問器と、を具備し、前記質問器が、第1の無線通信方式で起動信号を送信し、前記起動信号を受信した前記応答器が、第2の無線通信方式で前記識別情報を含む応答信号を前記質問器へと送信する入退室システムであって、前記応答器は、前記応答信号を送信した後、前記起動信号を受信している場合に、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を停止するスリープ状態へと移行するとともに、前記応答器に設けられ、前記応答器が前記スリープ状態へと移行した後、所定の一定時間が経過した場合に、前記応答器の、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を再開させるタイマー監視手段を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係る入退室システムにおいては、応答器における消費電力を抑え応答器に内蔵された電池の長寿命化を図ることが可能であるとともに、再度の認証操作を容易に行うことができ、利便性が良好であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施の形態1に係る入退室システムの全体構成を模式的に示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る入退室システムの構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る入退室システムの動作の流れを示すフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る入退室システムの構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る入退室システムの動作の流れを示すフロー図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る入退室システムの構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係る入退室システムの動作の流れを示すフロー図である。
【図8】従来の入退室システムの構成を示すブロック図である。
【図9】従来の入退室システムの動作の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
【0026】
実施の形態1.
図1から図3は、この発明の実施の形態1に係るものであり、図1は入退室システムの全体構成を模式的に示す図である。この図1において、1は、当該入退室システムが設置された施設内において仕切られて入退室制限が課された区画の1つである部屋である。この部屋1には、利用者2がこの部屋1内に出入りするための出入口が設けられている。この出入口には、ドア3が開閉自在に設けられている。このドア3は図示しない電気錠により施解錠可能である。
【0027】
このドア3又はこのドア3の近傍の壁面には、質問器4が設置されている。また、このドア3を通過して部屋1へと入(退)室しようとする利用者2は、応答器5を携行している。この応答器5は、非接触ICタグやICカードからなるIDタグである。この応答器5は、利用者に直接携行され、又は、利用者が携行する物品に装着されている。質問器4からは、起動信号が所定の周期で間欠的に送信されている。こうして、この起動信号の送信範囲に認証エリア6が形成される。
【0028】
この認証エリア6内に利用者2が携行する応答器5が入ると、応答器5は質問器4からの起動信号を受信して起動される。そして、起動された応答器5は質問器4へと識別(ID)情報を含む応答信号を返信する。この識別情報は、一意に識別可能である固有のID情報であって、予め応答器5に設定されている。応答器5からの応答信号を受信した質問器4は、この応答信号に含まれる識別情報に基づいて認証を行う。
【0029】
この認証に成功した場合には、ドア3の電気錠は解錠され、ドア3を開くことができる。そして、当該応答器5を携行する利用者2は、このドア3を通過して部屋1に対する入退室が可能となる。一度、解錠されてドア3が開かれた後、当該ドア3が閉じられると、ドア3の電気錠は自動的に施錠される。一方、認証に失敗した場合には、ドア3の電気錠は施錠された状態が維持され、利用者2は部屋1に対して入退室することができない。
【0030】
図2は、これら質問器4及び応答器5の構成の詳細を示すものである。
質問器4の動作は、質問器側制御部4aにより制御されている。質問器側制御部4aは、起動信号を生成する。質問器側LF帯送受信部4bは、質問器側制御部4aで生成された起動信号を、誘導磁界の信号成分に重畳して、増幅する。質問器側LF帯送受信部4bにおいて増幅された起動信号は、質問器側LFアンテナ4cから送信される。ここで、この起動信号の送信に用いられる無線通信方式は、LF帯(長波帯)の信号を用いる無線通信方式(第1の無線通信方式)である。この起動信号は、所定の周期で間欠的に送信されている。
【0031】
応答器5の動作は、応答器側制御部5aにより制御されている。応答器5は、第1の無線通信方式によるLF帯の信号を受信する応答器側LFアンテナ5cを備えている。応答器5が認証エリア6内に入ると、応答器5は質問器4からの起動信号をこの応答器側LFアンテナ5cにより受信する。応答器側LFアンテナ5cにより起動信号を受信すると、応答器5の備える応答器側LF帯受信部5bにより、応答器側制御部5aが起動される。応答器側制御部5aは、起動されると、自身に予め設定されている固有の識別(ID)情報を含む応答信号を生成する。応答器5は、応答器5の備える電池5gから電力の供給を受けて動作する。
【0032】
応答器側制御部5aで生成された応答信号は、応答器側RF送受信部5dを介して、応答器側RFアンテナ5eから質問器4へと返信される。ここで、この応答信号の返信に用いられる無線通信方式は、UHF帯(極超短波帯)の信号を用いる第2の無線通信方式である。また、応答器5には、応答器5の動作状況を利用者2に対して表示するための応答器側表示部5fが設けられている。この応答器側表示部5fは、例えば、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)からなっている。応答器側制御部5aは、質問器4への応答信号の返信が完了すると、その旨を応答器側表示部5fに表示する。
【0033】
応答器5から第2の無線通信方式(UHF)により返信された応答信号は、質問器4の備える質問器側RFアンテナ4eを介して質問器側RF送受信部4dにより受信される。質問器側RF送受信部4dにより受信された応答信号は、質問器側制御部4aへと入力される。そして、質問器側制御部4aに入力された応答信号は、質問器4の備えるI/F部4hから、この質問器4の上位装置である図示しないコントロールユニットへと転送される。このコントロールユニットにおいては、質問器4から転送された応答信号に基づいて、応答器5の認証が行われる。コントロールユニットは、この応答信号に含まれる識別情報から当該応答信号を送信した応答器5を識別する。そして、識別した応答器5が予め登録された識別情報を有するものである場合には、認証完了の旨の信号を質問器4へと出力する。
【0034】
コントロールユニットからの認証完了の旨の信号は、I/F部4hを介して質問器側制御部4aへと入力される。この認証完了の旨の信号を受けた質問器側制御部4aは、認証完了した識別情報をACK信号(Acknowledge信号)として送信する。このACK信号は、質問器側RF送受信部4dを介して質問器側RFアンテナ4eから、第2の無線通信方式(UHF)で送信される。質問器4から送信されたACK信号は、応答器側RFアンテナ5eを介して応答器側RF送受信部5dにより受信される。応答器側RF送受信部5dにより受信されたACK信号は、応答器側制御部5aへと入力される。応答器側制御部5aは、ACK信号の受信を確認すると、応答信号の送信を終了する。
【0035】
また、質問器4には、応答器5と同様、質問器4の動作状況を利用者2に対して表示するための質問器側表示部4fが設けられている。さらに、質問器4にはブザー部4gも設けられている。質問器側制御部4aは、認証完了の旨の信号を受けると、その旨を質問器側表示部4fに表示し、ブザー部4gでブザーを鳴動させて、認証完了の旨を利用者2に通知する。また、これとともに、質問器側制御部4aは、ドア3の解錠動作を行う。
【0036】
応答器5には、起動状態とスリープ状態の2つの状態がある。起動状態は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eを有効化して、第2の無線通信方式(UHF)による信号の送受信が可能である状態である。スリープ状態は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eは一時的に無効化され、第2の無線通信方式(UHF)での信号の送受信が停止された状態である。スリープ状態においては、応答器5は、応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cを用いて、第1の無線通信方式(LF)による信号の受信のみ可能である。
【0037】
応答器5の初期状態は、スリープ状態である。そして、応答器5が認証エリア6内に入り、質問器4からの第1の無線通信方式(LF)による起動信号を受信すると、応答器5は起動状態に移行する。また、質問器4からの起動信号は、前述のように所定の周期で間欠的に送信されている。そして、応答器5が、起動信号を受信してから、所定の一定時間(受信エリア外検知時間)以内に、続けて起動信号を受信している場合には、応答器5はスリープ状態へと移行する。この所定の受信エリア外検知時間は、応答器側制御部5aにおいて受信エリア外検知タイマーにより計測される。
【0038】
応答器5が所定の受信エリア外検知時間以内に続けて起動信号を受信している場合には、応答器5が、認証エリア6内に入り続けている状態であるということになる。一度、質問器4により応答器5が認識された後には、認証エリア6内にある応答器5に対して、その後何度も認証動作を行う必要はない。そこで、応答器5は一度起動信号を受信して応答信号の返信やACK信号の受信を行った後も認証エリア6内に入り続けている場合には、スリープ状態に移行することで不要な第2の無線通信方式(UHF)による通信を行わないようにして電池5gの無用な消耗を抑えている。
【0039】
そして、こうしてスリープ状態になった応答器5においては、質問器4からの起動信号を受信しなくなると受信エリア外検知タイマーがリセットされる。そして、受信エリア外検知タイマーがリセットされた後に再び起動信号を受信すると、スリープ状態から起動状態へと移行する。すなわち、こうしてスリープ状態になった応答器5は、一度、認証エリア6外に出た後、再び認証エリア6内に入ることにより、スリープ状態から起動する。
【0040】
また、応答器側制御部5aには、タイマー監視機能5hが備えられている。このタイマー監視機能5hは、応答器5がスリープ状態へと移行した後、(換言すれば、応答器5が質問器4からのACK信号を正常に受信した後)、スリープ状態継続検知タイマーをセットする。ここでセットされるタイマー時間は、所定の一定時間であるスリープ状態継続検知時間である。この所定のスリープ状態継続検知時間は、利用者2が、通常、認証エリア6内を通過して部屋1に対して入退室するのに必要な時間より長い時間とする。また、この所定のスリープ状態継続検知時間を、利用者2が、通常、認証エリア6内を通過して部屋1に対して入退室するのに必要な時間になるべく近い時間とすることが、より好ましい。
【0041】
応答器側制御部5aは、質問器4からの起動信号を受信している場合に、タイマー監視機能5hにおいて、先程セットしたスリープ状態継続検知タイマーが停止中であるか(スリープ状態継続検知時間が経過したことが検知されタイムアウトしたか)否かを確認する。そして、スリープ状態継続検知時間が経過しておらず、スリープ状態継続検知タイマーが停止中でない場合には、起動信号を受信していても応答信号の返信は行わず、すなわち、認証のための処理を行わない。一方、スリープ状態継続検知時間が経過し、スリープ状態継続検知タイマーが停止中である場合には、起動信号受信に伴い応答信号を返信し、認証のための処理を行う。従って、応答器5が認証エリア6内に入りスリープ状態に移行したとしても、所定の一定時間(スリープ状態継続検知時間)だけ、認証エリア6内に入り続けることにより、再び、第2の無線通信方式(UHF)による応答信号の返信等の認証処理が行われるようになる。
【0042】
一度、認証エリア6内に入った後、何らかの事情により再度認証を行う必要が生じた場合に、通常であればスリープ状態にある応答器5を起動させるため、一旦、認証エリア6外へと出てから、再度、認証エリア6に入る(これを「再操作」という)ことが必要である。この本願に係る入退室システムでは、再操作が必要な状況において、認証エリア6外に出ることなく、認証エリア6内で所定の一定時間(スリープ状態継続検知時間)だけ待機することにより、自律的に再操作を行ったのと同様の動作を実現することができる。
【0043】
この実施の形態にあっては、入退室システムは、図3に示す一連のフローに従って動作する。
まず、図の左側の質問器4の動作について説明する。質問器4は、質問器側LF帯送受信部4b及び質問器側LFアンテナ4cから、第1の無線通信方式(LF)により、所定の周期で間欠的に起動信号を送信しており、この起動信号の到達範囲により質問器4の周囲に認証エリア6を形成している(ステップS11)。そして、続くステップS12において、質問器4は、認証エリア6内に入った応答器5からの応答信号を、質問器側RF送受信部4d及び質問器側RFアンテナ4eを介して、第2の無線通信方式(UHF)により、受信したか否かについて確認を行う。
【0044】
この確認において、応答信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS11へと戻る。一方、このステップS12の確認において、応答器5からの応答信号を受信したことが確認された場合には、ステップS13へと進む。このステップS13においては、質問器4は、質問器側RF送受信部4d及び質問器側RFアンテナ4eから、第2の無線通信方式(UHF)で、ACK信号を送信する。そして、ステップS14へと移行して、I/F部4hを介してコントロールユニットへとACK信号送信完了の旨を通知する。ステップS14の後はステップS11へと戻り、以上のステップの動作を繰り返す。
【0045】
次に、図の右側の応答器5の動作について説明する。まず、ステップS21において、応答器側制御部5aは、受信エリア外検知タイマーをリセットする。そして、ステップS201において、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hは、スリープ状態継続検知タイマーをリセットする。続くステップS22において、応答器5は、質問器4から送信された起動信号(ステップS11)を受信したか否かについて確認を行う。起動信号の受信は、応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cを介して第1の無線通信方式(LF)で行われる。この確認は、応答器5が質問器4の形成する認証エリア6内に入っているか否かを確認していることになる。
【0046】
このステップS22において、応答器5が起動信号を受信したことが確認された場合には、ステップS23へと移行する。ステップS23においては、応答器側制御部5aは、受信エリア外検知タイマーをセットする。ここで、この受信エリア外検知タイマーにセットされるタイマー時間は、所定の受信エリア外検知時間である。そして、このステップS23の後はステップS202へと進む。このステップS202においては、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hは、スリープ状態継続検知タイマーが停止中であるか否かについて確認を行う。
【0047】
このステップS202において、スリープ状態継続検知タイマーが停止中でない(タイマーカウントが進行中である)ことが確認された場合には、ステップS22へと戻る。一方、ステップS202で、スリープ状態継続検知タイマーが停止中であることが確認された場合には、ステップS24へと移行する。ステップS24においては、応答器5は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eを介して、第2の無線通信方式(UHF)で、応答信号を質問器4へと送信する。そして、続くステップS25において、応答器5は、質問器4から送信されたACK信号(ステップS13)を受信したか否かについて確認を行う。ACK信号の受信は、応答器側RF送受信部5d及び応答器側RFアンテナ5eを介して第2の無線通信方式(UHF)で行われる。
【0048】
このステップS25において、応答器5がACK信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS22へと戻る。一方、ステップS25において、応答器5がACK信号を受信していることが確認された場合には、ステップS203へと移る。このステップS203においては、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hは、スリープ状態継続検知タイマーをセットする。ここで、このスリープ状態継続検知タイマーにセットされるタイマー時間は、所定のスリープ状態継続検知時間である。そして、このステップS203の後はステップS22へと戻る。
【0049】
一方、ステップS22において、応答器5が起動信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS26へと移行する。このステップS26においては、応答器側制御部5aは、受信エリア外検知タイマーが停止中であるか否か(受信エリア外検知時間が経過したことが検知されタイムアウトしたか否か)について確認を行う。このステップS26において、受信エリア外検知タイマーが停止中であることが確認された場合には、ステップS21へと戻る。一方、S26において、受信エリア外検知タイマーが停止中でないことが確認された場合には、ステップS22へと戻る。
【0050】
以上のように構成された入退室システムにおいては、タイマー監視機能により、応答器がスリープ状態へと移行した後、所定の一定時間(スリープ状態継続検知時間)が経過した場合に、応答器の、第2の無線通信方式(UHF)での信号の送受信を再開させることで、応答器における消費電力を抑え内蔵電池の長寿命化を図ることが可能であるとともに、再度の認証操作を容易に行うことができ、利便性が良好である。
【0051】
実施の形態2.
図4及び図5は、この発明の実施の形態2に係るものである。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成に加えて、応答器にボタン等の応答器側操作部を設けたものである。利用者がこの応答器側操作部を操作すると、受信エリア外検知タイマー及びスリープ状態継続検知タイマーのリセットが行われる。従って、利用者がこの応答器側操作部を操作することにより、応答器のスリープ状態が解除され、起動信号を受信した応答器は起動状態へと移行する。換言すれば、利用者がこの応答器側操作部を操作することにより、一度、応答器が認証エリアから出て再操作を行ったのと同様の動作を強制的に行うことができるものである。
【0052】
図4は、質問器4及び応答器5の構成の詳細を示すものである。応答器5には、ボタン等からなる応答器側操作部5iが設けられている。利用者2がこの応答器側操作部5iを操作すると、応答器側制御部5aは受信エリア外検知タイマーをリセットするとともに、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hはスリープ状態継続検知タイマーをリセットする。従って、この後、応答器5が質問器4からの起動信号を受信すると、応答器5は起動状態になり、第2の無線通信方式(UHF)での信号の送受信が再開される。
なお、他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
【0053】
この実施の形態にあっては、入退室システムは、図5に示す一連のフローに従って動作する。図の左側の質問器4の動作については、実施の形態1(図3)と全く同様であって、その詳細説明は省略する。図の右側の応答器5の動作については、ステップS21からS26及びステップS201からS203は、実施の形態1(図3)と全く同様である(詳細説明は省略する)。そして、ステップS201とステップS22との間に、ステップS204の動作が追加されている点が、実施の形態1(図3)と異なる。
【0054】
すなわち、ステップS201において、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hがスリープ状態継続検知タイマーをリセットした後は、ステップS204へと移行する。このステップS204においては、応答器側制御部5aは、応答器側操作部5iへの操作がないか否かについて確認を行う。このステップS204において、応答器側操作部5iへの操作がないことが確認された場合には、ステップS22へと進み、起動信号受信の有無が確認される。一方、ステップS204において、応答器側操作部5iが操作されたことが確認された場合には、ステップS21へと戻り、受信エリア外検知タイマーのリセット(ステップS21)及びスリープ状態継続検知タイマーのリセット(ステップS201)が行われる。
【0055】
以上のように構成された入退室システムにおいては、再度の認証操作が必要になった場合には、利用者が応答器側操作部を操作することにより、意識的に再操作と同様の動作を応答器に行わせることができる。従って、認証エリア外に一旦出たり、一定時間待ったりすることなく第2の無線通信方式(UHF)による信号の送受信を再開させることができ、利便性を向上させることが可能である。
【0056】
実施の形態3.
図6及び図7は、この発明の実施の形態3に係るものである。
ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成に加えて、質問器にボタン等の質問器側操作部を設けたものである。利用者がこの質問器側操作部を操作すると、質問器から応答器へとボタン等操作信号が第1の無線通信方式(LF)により送信される。そして、このボタン等操作信号を受信した応答器において、受信エリア外検知タイマー及びスリープ状態継続検知タイマーのリセットが行われる。従って、利用者がこの質問器側操作部を操作することにより、応答器のスリープ状態が解除され、起動信号を受信した応答器は起動状態へと移行する。換言すれば、利用者がこの質問器側操作部を操作することにより、一度、応答器が認証エリアから出て再操作を行ったのと同様の動作を強制的に行うことができるものである。
【0057】
図6は、質問器4及び応答器5の構成の詳細を示すものである。ここでは実施の形態1の構成に、質問器側操作部を追加して設けた場合について説明する。質問器4には、ボタン等からなる質問器側操作部4iが設けられている。利用者2がこの質問器側操作部4iを操作すると、質問器側LF帯送受信部4b及び質問器側LFアンテナ4cを介して、第1の無線通信方式(LF)により、ボタン等操作信号が応答器5へと送信される。
【0058】
このボタン等操作信号は、応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cを介して応答器5により受信される。応答器5がボタン等操作信号を受信すると、応答器側制御部5aは受信エリア外検知タイマーをリセットするとともに、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hはスリープ状態継続検知タイマーをリセットする。従って、この後、応答器5が質問器4からの起動信号を受信すると、応答器5は起動状態となり、第2の無線通信方式(UHF)での信号の送受信が再開される。
なお、他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
【0059】
この実施の形態にあっては、入退室システムは、図7に示す一連のフローに従って動作する。
図の左側の質問器4の動作については、ステップS11からS14は実施の形態1(図3)と全く同様であって、その詳細説明は省略する。そして、ステップS11の前に、ステップS101及びS102の動作が追加されている点が、実施の形態1と異なる。
【0060】
すなわち、まず、ステップS101において、質問器側制御部4aは、質問器側操作部4iへの操作があるか否かについて確認を行う。このステップS101において、質問器側操作部4iへの操作があることが確認された場合には、ステップS102へと進む。このステップS102においては、質問器4は、質問器側LF帯送受信部4b及び質問器側LFアンテナ4cを介して、第1の無線通信方式(LF)により、ボタン等操作信号を応答器5へと送信する。その後、ステップS11へと進み、起動信号を送信する。一方、ステップS101において質問器側操作部4iへの操作がないことが確認された場合には、ステップS102を飛ばしてステップS11へと移り、起動信号を送信する。
【0061】
図の右側の応答器5の動作については、ステップS21からS26及びステップS201からS203は、実施の形態1(図3)と全く同様である(詳細説明は省略する)。そして、ステップS201とステップS22との間に、ステップS205の動作が追加されている点が、実施の形態1(図3)と異なる。
【0062】
すなわち、ステップS201において、応答器側制御部5aのタイマー監視機能5hがスリープ状態継続検知タイマーをリセットした後は、ステップS205へと移行する。このステップS205においては、応答器5は、質問器4から送信されたボタン等操作信号(ステップS102)を受信したか否かについて確認を行う。ボタン等操作信号の受信は、応答器側LF帯受信部5b及び応答器側LFアンテナ5cを介して第1の無線通信方式(LF)で行われる。
【0063】
このステップS205において、ボタン等操作信号を受信したことが確認された場合には、ステップS22へと進み、起動信号受信の有無が確認される。一方、ステップS205において、ボタン等操作信号を受信していないことが確認された場合には、ステップS21へと戻り、受信エリア外検知タイマーのリセット(ステップS21)及びスリープ状態継続検知タイマーのリセット(ステップS201)が行われる。
【0064】
以上のように構成された入退室システムにおいては、再度の認証操作が必要になった場合には、利用者が質問器側操作部を操作することにより、意識的に再操作と同様の動作を応答器に行わせることができる。従って、認証エリア外に一旦出たり、一定時間待ったりすることなく第2の無線通信方式(UHF)による信号の送受信を再開させることができ、利便性を向上させることが可能である。また、この際、利用者が応答器を携行する鞄等の中にしまっていた場合に、一々応答器を取り出して操作する必要がないため、便宜である。
【符号の説明】
【0065】
1 部屋
2 利用者
3 ドア
4 質問器
4a 質問器側制御部
4b 質問器側LF帯送受信部
4c 質問器側LFアンテナ
4d 質問器側RF送受信部
4e 質問器側RFアンテナ
4f 質問器側表示部
4g ブザー部
4h I/F部
4i 質問器側操作部
5 応答器
5a 応答器側制御部
5b 応答器側LF帯受信部
5c 応答器側LFアンテナ
5d 応答器側RF送受信部
5e 応答器側RFアンテナ
5f 応答器側表示部
5g 電池
5h タイマー監視機能
5i 応答器側操作部
6 認証エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の識別情報を有する応答器と、
入退室が制限された区画の出入口近傍に設けられ、前記識別情報に基づき前記応答器の認証を行うための質問器と、を具備し、
前記質問器が、第1の無線通信方式で起動信号を送信し、
前記起動信号を受信した前記応答器が、第2の無線通信方式で前記識別情報を含む応答信号を前記質問器へと送信する入退室システムであって、
前記応答器は、前記応答信号を送信した後、前記起動信号を受信している場合に、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を停止するスリープ状態へと移行するとともに、
前記応答器に設けられ、前記応答器が前記スリープ状態へと移行した後、所定の一定時間が経過した場合に、前記応答器の、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を再開させるタイマー監視手段を備えたことを特徴とする入退室システム。
【請求項2】
前記所定の一定時間は、前記応答器を携行する利用者が、前記質問器の認証エリア内を通過して前記区画に対して入退室するのに通常要する時間より長いことを特徴とする請求項1に記載の入退室システム。
【請求項3】
前記応答器に設けられ、操作されることにより、前記スリープ状態にある前記応答器の、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を再開させる応答器側操作手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の入退室システム。
【請求項4】
前記質問器に設けられ、操作されることにより、前記スリープ状態にある前記応答器の、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を再開させる質問器側操作手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の入退室システム。
【請求項5】
前記質問器側操作手段が操作されると、前記質問器から前記第1の無線信通方式で操作信号を送信することにより、前記スリープ状態にある前記応答器の、前記第2の無線通信方式での信号の送受信を再開させることを特徴とする請求項4に記載の入退室システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−227658(P2011−227658A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96081(P2010−96081)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】