説明

内燃機関の排気ガス浄化装置

【課題】本発明は、内燃機関の排気ガス浄化装置に関し、吸蔵還元型のNOx触媒の上流側に活性酸素を供給することにより、NOx触媒をより有効に活用することを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の排気ガス浄化装置は、内燃機関10の排気通路15に配置された吸蔵還元型のNOx触媒21と、NOx触媒21の上流側に活性酸素を供給する活性酸素供給装置27と、NOx触媒21の状態に基づいて、活性酸素供給装置27による活性酸素の供給を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、NOx触媒21に吸蔵されたNOxの還元が実行される前に、活性酸素供給装置27により活性酸素を供給させることにより、NOx触媒21のHC被毒を回復させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気ガス浄化装置として、吸蔵還元型のNOx触媒(以下「NSR触媒」と称する)が知られている。NSR触媒は、排気ガスの空燃比がリーンのときには、NOxを吸蔵する。一方、排気ガス中に還元剤が添加されたときには、NSR触媒は、吸蔵していたNOxを脱離させ、還元浄化する。
【0003】
特表2005−538295号公報には、NSR触媒の直前に、酸化性の助剤としてのオゾンを添加する技術が開示されている。この技術によれば、NSR触媒に流入する排気ガス中の二酸化窒素成分を高めることができる。二酸化窒素は、NSR触媒に良好に吸蔵される。
【0004】
【特許文献1】特表2005−538295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NSR触媒は、ディーゼルエンジン用、あるいはリーンバーンエンジン用の排気ガス浄化装置として有用である。しかしながら、この技術は必ずしも完成されているとは言えず、未だ改良の余地が残されている。例えば、次のような問題がある。
【0006】
一般に、NSR触媒は、貴金属触媒とNOx吸蔵材とを含んで構成されている。NOx還元時には、NOx吸蔵材から脱離したNOxと、還元剤とが、貴金属触媒の作用によって反応する。しかしながら、NOxの吸蔵時に、HC(未燃燃料成分)が貴金属触媒に吸着し、その活性を低下させている場合がある。そのような場合には、還元剤を添加した際に、NOx吸蔵材から脱離したNOxの一部が浄化されないままにNSR触媒の下流側に流れてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、吸蔵還元型のNOx触媒の上流側に活性酸素を供給することにより、NOx触媒をより有効に活用することのできる内燃機関の排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
内燃機関の排気通路に配置された吸蔵還元型のNOx触媒と、
前記NOx触媒の上流側に活性酸素を供給する活性酸素供給装置と、
前記NOx触媒の状態に基づいて、前記活性酸素供給装置による活性酸素の供給を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記NOx触媒に還元剤を供給することにより、前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元させるNOx還元手段を備え、
前記制御手段は、前記NOx触媒に吸蔵されたNOxの還元が実行される前に、前記活性酸素供給装置により活性酸素を供給させる手段を含むことを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明は、第1の発明において、
前記制御手段は、
前記NOx触媒の下流側にすり抜けるNOxの量を判定するすり抜けNOx判定手段と、
前記NOx触媒の下流側にすり抜けるNOxの量が所定値を超えたと判定された場合に、前記活性酸素供給装置による活性酸素の供給開始または供給量増量を行わせる手段と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第1の発明において、
前記制御手段は、前記NOx触媒に吸蔵されているNOxを脱離させる場合に、前記活性酸素供給装置による活性酸素供給量を減少させることにより、脱離するNOxの量を制御する手段を含むことを特徴とする。
【0012】
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記NOx触媒の下流側に配置され、NOxを浄化する機能を有する第2のNOx触媒を更に備え、
前記制御手段は、前記脱離するNOxの量が前記第2のNOx触媒により浄化可能な量となるように、活性酸素供給量の削減量を制御することを特徴とする。
【0013】
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記活性酸素供給装置は、活性酸素としてオゾンを供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、吸蔵還元型のNOx触媒の状態に基づいて、このNOx触媒の上流側への活性酸素の供給を制御することができる。これにより、活性酸素の特性を利用してNOx触媒をより有効に活用することができる。また、活性酸素の使用量を必要十分な量に適切に制御することができるので、活性酸素の生成に必要な電力を節減でき、燃費性能の改善に寄与する。
【0015】
第2の発明によれば、NOxの還元が実行される前に、NOx触媒の上流側に活性酸素を添加することができる。この活性酸素添加により、NOx触媒の活性点に吸着したHCを除去することができるので、HC被毒を確実に回復させることができる。このため、NOx触媒に還元剤を供給したときに、NOx触媒から脱離したNOxを還元剤と確実に反応させることができる。このため、未浄化のNOxがNOx触媒の下流に放出されることを確実に抑制することができる。
【0016】
第3の発明によれば、NOx触媒の下流側にすり抜けるNOxの量が所定値を超えたと判定された場合に、NOx触媒の上流側への活性酸素の供給開始または供給量増量を行うことができる。NOx触媒の上流側に活性酸素を添加することにより、NOx吸蔵能力を拡大することができる。このため、第3の発明によれば、多量のNOxをNOx触媒に吸蔵させることができる。また、第3の発明によれば、すり抜けるNOxの量に基づいて活性酸素の供給開始または供給量増量を制御することができるので、活性酸素の使用量を節減することができる。このため、活性酸素の生成に必要な電力を低減でき、燃費性能を改善することができる。
【0017】
第4の発明によれば、NOx触媒に吸蔵されているNOxを脱離させる場合に、NOx触媒の上流側への活性酸素供給量を減少させることにより、脱離するNOxの量を制御することができる。第4の発明によれば、浄化処理し切れないほど大量のNOxがNOx触媒から一気に脱離するような事態を確実に回避することができる。このため、未浄化のNOxが大気中に放出されることを確実に抑制することができる。
【0018】
第5の発明によれば、NOx触媒に吸蔵されているNOxを脱離させる場合に、脱離するNOxの量が、NOx触媒の下流側に配置された第2のNOx触媒で浄化可能な量となるように、活性酸素供給量の削減量を制御することができる。よって、第2のNOx触媒で浄化処理し切れないほど大量のNOxがNOx触媒から一気に脱離するような事態を確実に回避することができる。このため、未浄化のNOxが大気中に放出されることを確実に抑制することができる。
【0019】
第6の発明によれば、活性酸素としてオゾンを用いることにより、上記効果をより顕著に発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両等の動力源として使用される内燃機関10を備えている。本実施形態において、内燃機関10は、4つの気筒13を備えた4気筒型の圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)である。本実施形態の内燃機関10は、ターボチャージャ19を備えている。ターボチャージャ19のコンプレッサにより圧縮された吸入空気は、吸気マニホールド11を介して各気筒13に流入する。各気筒13には、それぞれ、筒内に直接に燃料を噴射する燃料インジェクタ14が設けられている。各燃料インジェクタ14には、コモンレール18に蓄えられた高圧の燃料が供給される。図示しない燃料タンク内の燃料は、サプライポンプ17により加圧され、コモンレール18に供給される。各気筒13から排出される排気ガスは、排気マニホールド12で合流し、ターボチャージャ19のタービンに流入する。タービンを通過した排気ガスは、排気通路15を流れる。
【0021】
排気通路15には、吸蔵還元型(NOx Storage Reduction)のNOx触媒(以下、「NSR触媒」と呼ぶ)21が設置されている。このNSR触媒21については、後述する。NSR触媒21の上流側には、オゾン供給ノズル22が設置されている。オゾン供給ノズル22には、複数のオゾン供給口23が設けられている。オゾン供給ノズル22には、オゾン供給通路24を介して、オゾン発生器25が接続されている。図示の構成では、オゾン供給ノズル22は、NSR触媒21を収容するケーシング26の内部であって、NSR触媒21の前方側(上流側)に配置されている。本実施形態では、上述したオゾン発生器25、オゾン供給通路24およびオゾン供給ノズル22により、オゾン供給装置27が構成されている。
【0022】
オゾン発生器25としては、高電圧を印加可能な放電管内に、原料となる乾燥した空気または酸素を流しつつオゾンを発生させる形態や、他の任意の形式のものを用いることができる。ここで原料となる乾燥した空気または酸素は、排気通路15外から取り込まれる気体、例えば外気に含まれる気体である。
【0023】
上述したようなオゾン供給装置27によれば、オゾン発生器25によってオゾン(O3)を生成させ、このオゾンをオゾン供給ノズル22のオゾン供給口23から噴射することができる。これにより、NSR触媒21の上流側において、排気ガス中にオゾンを添加することができる。
【0024】
排気通路15には、NSR触媒21の温度(床温)を検出する温度センサ28と、NSR触媒21を出た排気ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサ29とが更に設置されている。
【0025】
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、前述した燃料インジェクタ14、オゾン発生器25、温度センサ28、NOxセンサ29のほか、クランク角センサ46、エアフローメータ47、アクセルポジションセンサ48等の、内燃機関10を制御するための各種のセンサおよびアクチュエータが電気的に接続されている。
【0026】
図2は、NSR触媒21にNOxが吸蔵される様子を示す図である。図2に示すように、NSR触媒21は、例えば、アルミナ(Al23)の表面に、白金Pt等の貴金属と、NOxを吸蔵可能な吸蔵材とが担持された触媒成分を有している。吸蔵材としては、例えば、カリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれる少なくとも一つを用いることができる。なお、本明細書において、「吸蔵」という用語には、「保持」、「吸着」、「吸収」等に類似するすべての概念が含まれるものとする。
【0027】
NSR触媒21の吸蔵材は、例えばBa(NO32のような硝酸塩を形成することにより、NOxを吸収する。吸蔵材は、NOxのうち、NO2,NO3あるいはN25を良好に吸収することができる。一方、排気ガス中に元々含まれるNOxの多くは、NO(一酸化窒素)である。NOは、そのままでは、吸蔵材に吸収させることができない。そこで、NSR触媒21では、Pt等の貴金属触媒により、排気ガス中のNOと酸素O2とを反応させてNO2に転換させ、このNO2を吸蔵材に吸収させるようにしている(図2参照)。
【0028】
NSR触媒21に吸蔵可能なNOxの量には限界がある。そこで、本システムでは、NSR触媒21のNOx吸蔵量が限界に達する前に、NSR触媒21に還元剤を供給することにより、吸蔵されたNOxを還元浄化して放出させるためNOx還元制御を実行する。
【0029】
NSR触媒21に還元剤を供給する方法としては、特に限定されないが、例えば次の何れかの方法を採用することができる。
(1)膨張行程または排気行程において燃料インジェクタ14から還元剤としての燃料を噴射する方法(ポスト噴射)。
(2)排気通路15に設けた燃料添加弁(図示せず)から還元剤としての燃料を噴射する方法(排気系燃料添加)。
(3)大量EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことにより、筒内の空燃比を通常時より大幅にリッチ化させ、煤が生成しないような低温で燃焼させる方法(低温リッチ燃焼)。
【0030】
NSR触媒21に還元剤が供給されると、NSR触媒21内の酸素濃度が低下するため、吸蔵材からNOxが脱離する。そして、その脱離したNOxと、還元剤とが、貴金属触媒の作用によって反応する。これにより、NOxをN2へ還元浄化することができる。
【0031】
しかしながら、NSR触媒21に還元剤を供給した際に、吸蔵されていたNOxの一部が未浄化のままでNSR触媒21の下流側に流出してしまう場合がある。これは、以下に説明するHC被毒が原因であると考えられる。NSR触媒21の温度が十分に高くなっていない場合などには、NSR触媒21がNOxを吸収している最中に、浄化し切れなかったHC(未燃燃料成分)が、活性点である貴金属に吸着することがある。貴金属にHCが吸着すると、貴金属の活性が阻害される。このため、還元剤が供給されたときに、吸蔵材から脱離したNOxを還元剤と十分に反応させることができなくなる。その結果、一部のNOxが還元されないままに放出されてしまうと考えられる。
【0032】
そこで、本実施形態では、NSR触媒21に還元剤を供給する際には、それに先立って、オゾン供給装置27によってNSR触媒21の上流側にオゾンを添加することにより、貴金属のHC被毒の回復を図ることとした。図3は、NSR触媒21の貴金属のHC被毒をオゾン添加によって回復させるメカニズムを説明するための図である。図3中の左側の図は、貴金属のHC被毒が生じている状態を示している。NSR触媒21への還元剤の供給に先立ち、オゾン供給装置27によってオゾンが添加されると、図3中の中央の図に示すように、NSR触媒21内にオゾンが流入する。オゾンは、強い酸化力を有している。このため、このオゾンは、貴金属に吸着しているHCと容易に反応する。この反応により、HCは、CO,CO2あるいはH2Oとなって貴金属触媒から除去され、HC被毒は回復される。その結果、図3中の右側の図に示すように、NSR触媒21に還元剤が添加されたとき、貴金属の触媒活性が十分に発揮されるので、吸蔵材から脱離したNOxを還元剤と確実に反応させて浄化することができる。
【0033】
本発明者らは、上述したようなNOx還元前のオゾン添加による効果を確認するため、次のような試験を行った。この試験では、触媒として、100グラムのγAl23と、1グラムのPtと、0.2モルのBaとの割合で構成された1mm角ペレット3グラムを使用した。この触媒に対し、200℃の下で、モデルガスを流し、触媒後流のNOx濃度を測定した。開始後30分間は、リーン組成のモデルガスを流すことにより、触媒にNOxを吸蔵させ、その後、リッチ組成のモデルガスに切り替えることにより、NOxの還元浄化を行った。リーンガスの組成は、NOが400ppm、O2が10%、H2Oが3%、残りがN2であった。リッチガスの組成は、NOが400ppm、COが1%、H2Oが3%、残りがN2であった。リッチガスに切り替える前(つまりNOx還元前)の1分間、オゾンの添加を実施した。比較例として、このオゾンの添加を実施せずに、同様の試験を行った。
【0034】
図4は、NOx還元前のオゾン添加を実施しなかった場合(比較例)の試験結果を示す図である。この図に示すように、NOx還元前のオゾン添加を実施しなかった場合には、NOx還元の開始直後に、触媒後流のNOx濃度が一時的に大幅に上昇している。これは、吸蔵されていたNOxの一部が未浄化のままに排出されたことを示している。
【0035】
一方、図5は、NOx還元前のオゾン添加を実施した場合の試験結果を示す図である。この図に示すように、NOx還元前のオゾン添加を実施した場合には、NOx還元の開始後、触媒後流のNOx濃度は、上昇することなく速やかに低下する。これは、吸蔵されていたNOxが、触媒の下流にすり抜けることなく、確実に浄化されていることを示している。
【0036】
上述したような試験の結果からも、NOx還元前にオゾン添加を実施することにより、貴金属のHC被毒を確実に回復させることができ、NOx還元時に未浄化のNOxが大気中に放出されることを確実に抑制することができることが明らかとなった。
【0037】
図6は、NOx還元前のオゾン添加を実施するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図6に示すルーチンによれば、まず、NOx還元の実行が必要か否かが判別される(ステップ100)。このステップ100では、例えば次のようにして判断を行うことができる。ECU50には、内燃機関10の運転状態(エンジン回転数、負荷等)と、内燃機関10から排出されるNOx量との関係を予め調べて作成されたマップが記憶されている。ECU50は、そのマップに基づいて算出されるNOx排出量を逐次積算することにより、前回のNOx還元以降のNSR触媒21へのNOx総流入量を算出する。そのNOx総流入量が所定の基準値に到達した場合に、NOx還元の実行が必要であると判定する。あるいは、NOxセンサ29で検出されるNOx濃度、つまりNSR触媒21の後流のNOx濃度が所定濃度を超えた場合に、NOx還元の実行が必要であると判定してもよい。
【0038】
上記ステップ100で、NOx還元の実行が必要でないと判定された場合には、以下の処理を行う必要はないので、本ルーチンの処理はそのまま終了される。一方、NOx還元の実行が必要であると判定された場合には、まず、オゾン供給装置27により、NSR触媒21の上流側にオゾンが添加される(ステップ102)。ここでは、オゾンが所定時間あるいは所定量添加されるように、オゾン供給装置27が駆動される。ここで添加されたオゾンがNSR触媒21に流入し、貴金属に吸着したHCを酸化して除去することにより、HC被毒を回復させることができる。
【0039】
上記ステップ102のオゾン添加が終了すると、NOx還元が実行される(ステップ104)。すなわち、前述したポスト噴射、排気系燃料添加、低温リッチ燃焼等の所定の手法によって還元剤がNSR触媒21に供給される。この際、本実施形態によれば、NOx還元開始前のオゾン添加により、貴金属のHC被毒が確実に回復されている。よって、NOx還元の開始当初から貴金属の活性が十分に発揮される。このため、吸蔵材から脱離したNOxを還元剤と確実に反応させることができ、NOxが未浄化のままNSR触媒21の下流にすり抜けることを確実に抑制することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、内燃機関10が圧縮着火式であるものとして説明したが、本発明は、火花点火式の内燃機関にも適用可能である。また、本実施形態のオゾン供給装置27では、オゾン発生器25により生成されたオゾンをそのまま排気通路15内に供給するように構成されているが、本発明では、オゾンを予め生成、貯留しておき、その貯留されたオゾンを必要時に排気通路15内に供給するようにしてもよい。また、本実施形態では、活性酸素としてオゾンを排気ガス中に添加しているが、本発明では、オゾンに代えて、他の種類の活性酸素(例えば、O-,O2-,O2-,O3-,On-等で表される酸素マイナスイオン)を排気ガス中に添加するようにしてもよい。以上の事項については、後述する実施の形態においても同様である。
【0041】
上述した実施の形態1においては、オゾン供給装置27が前記第1の発明における「活性酸素供給装置」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ100および102の処理を実行することにより前記第1および第2の発明における「制御手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第2の発明における「NOx還元手段」が、それぞれ実現されている。
【0042】
実施の形態2.
次に、図7および図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態は、前述した実施の形態1と同様のハードウェア構成(図1)を用いて、ECU50に後述する図8に示すルーチンを実行させることにより、実現することができる。
【0043】
本発明者らは、NSR触媒21の性能を向上させるべく鋭意研究を行った結果、NSR触媒21の上流側にオゾンを添加しながらNOxを吸蔵させることにより、吸蔵可能なNOxの量を増大させることができることを見出した。この知見に関して、本発明者らは、次のような試験を行った。この試験では、触媒として、100グラムのγAl23と、1グラムのPtと、0.2モルのBaとの割合で構成された1mm角ペレット3グラムを使用した。この触媒に対し、200℃の下で、リーン組成のモデルガスを流し、触媒後流のNOx濃度を測定した。このモデルガスの組成は、NOが400ppm、O2が10%、H2Oが3%、残りがN2であった。開始30分後からは、モデルガス中のO2の一部を放電によってオゾンに転換させることにより、オゾンを添加した。オゾン添加開始後のモデルガスの組成は、NOが400ppm、オゾンが1000ppm、O2が8.5%、H2Oが3%、残りがN2であった。
【0044】
図7は、上記試験の結果を示す図であり、実線は触媒後流のNOx濃度、破線は触媒に流入するモデルガス中のオゾン濃度である。図7に示すように、試験開始後、触媒後流のNOx濃度は、上昇していく。この原因は、触媒に吸蔵されたNOxの量が限界に近づくにつれて、NOxを硝酸塩に転換させる平衡反応が進みにくくなるために、NOxが吸収されにくくなるからである。しかしながら、オゾンの添加が開始されると、触媒後流のNOx濃度はゼロ近くまで一気に低下している。これは、オゾンの添加によって触媒のNOx吸蔵能力が拡大し、NOxが再び触媒に良好に吸収され始めたことを示している。
【0045】
オゾンの添加によってNSR触媒21の吸蔵能力が拡大するメカニズムは必ずしも明らかではないが、次のようなものであると推定される。オゾンは強い酸化力を有しているため、NOとの反応性が高く、気相でNOと容易に反応し、酸化させてNO2に変化させる。更に、そのNO2の一部がオゾンと反応することによってNO3が生成したり、NO2とNO3とが反応することによってN25が生成したりする。NO3やN25は、硝酸塩を形成する方向に平衡反応を進める作用がNO2よりも更に強いため、吸蔵材へのNOxの吸収が更に促進される。その結果、NSR触媒21の吸蔵能力が拡大するものと考えられる。
【0046】
上述したように、NSR触媒21の上流側にオゾンを添加することにより、吸蔵能力が拡大し、より多量のNOxをNSR触媒21に吸蔵することができる。従って、NSR触媒21の下流にすり抜けるNOxの量をできるだけ少なくするためには、オゾン供給装置27によるオゾンの供給を継続しながらNSR触媒21にNOxを吸蔵させることが望ましい。しかしながら、オゾンの使用量が多くなると、オゾンを発生させるための電力が多く必要になるので、燃費性能の悪化を招来する場合がある。
【0047】
そこで、本実施形態では、当初はオゾン添加を行うことなしにNOxをNSR触媒21に吸収させ、NSR触媒21をすり抜けるNOxの量が所定の許容値を超えた時点から、オゾン添加を開始することとした。これにより、オゾンの使用量をなるべく節約しつつ、NSR触媒21に多量のNOxを吸収させることができる。
【0048】
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、オゾン添加を伴わずにNSR触媒21にNOxを吸収させている状態のときに実行されるものとする。図8に示すルーチンによれば、まず、NSR触媒21をすり抜けるNOxの量(以下「すり抜けNOx量」と称する)が所定の許容限界を超えているか否かが判別される(ステップ110)。具体的には、NOxセンサ29で検出される、NSR触媒21の後流のNOx濃度が所定値を超えたか否かが判別される。
【0049】
NSR触媒21にNOxを吸収させ続けていくと、すり抜けNOx量は次第に増加する。上記ステップ110で、NSR触媒21の出口のNOx濃度が上記所定値を超えていないと判別された場合には、すり抜けNOx量は、未だ許容限界より下に収まっていると判断できる。この場合には、オゾン添加を開始する必要はまだないので、本ルーチンの今回の実行はそのまま終了される。
【0050】
一方、上記ステップ110で、NSR触媒21の出口のNOx濃度が上記所定値を超えていると判別された場合には、すり抜けNOx量が許容限界に達したと判断できる。そこで、この場合には、オゾン供給装置27を作動させることにより、NSR触媒21の上流側へのオゾン添加が開始される(ステップ112)。オゾン添加が開始されると、NSR触媒21の吸蔵能力が拡大するので、図7の試験結果のように、すり抜けNOx量を低下させることができる。このため、NSR触媒21へのNOxの吸収を更に続行することができる。
【0051】
その後、オゾン添加を伴いながらNSR触媒21へのNOxの吸収を継続していくと、やがて、吸蔵量が限界に近づき、すり抜けNOx量が再び増加していく。その結果、すり抜けNOx量が再び許容限界に達した場合には、図8に示すルーチンでは省略しているが、オゾン供給装置27によるオゾン添加量を増量するように制御してもよい。本発明者の知見によれば、オゾン添加量を多くするほど、NSR触媒21の吸蔵能力をより拡大することができる。このため、オゾン添加量を増量することにより、すり抜けNOx量を再び低下させることができる。よって、NSR触媒21へのNOxの吸収を更に続行することができる。
【0052】
なお、上述した図8に示すルーチンでは、すり抜けNOx量の判定をNOxセンサ29の出力に基づいて行うようにしたが、本発明では、すり抜けNOx量の判定方法はこれに限定されるものではなく、例えば次のような方法によって判定してもよい。NSR触媒21にNOxを吸収させ続けていくにつれて、すり抜けNOx量は次第に増加する。すなわち、すり抜けNOx量は、NSR触媒21へのNOx総流入量と相関する。そこで、NSR触媒21へのNOx総流入量を、実施の形態1で述べたように内燃機関10の運転状態とNOx排出量マップとに基づいて算出し、その算出値からすり抜けNOx量を推定するようにしてもよい。
【0053】
なお、上述した実施の形態2においては、ECU50が、図8に示すルーチンの処理を実行することにより前記第3の発明における「制御手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第3の発明における「すり抜けNOx判定手段」が、上記ステップ112の処理を実行することにより前記第3の発明における「供給開始または供給量増量を行わせる手段」が、それぞれ実現されている。
【0054】
実施の形態3.
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
【0055】
実施の形態2で述べたように、NSR触媒21の上流側にオゾンを添加することにより、NSR触媒21の吸蔵能力が拡大し、大量のNOxをNSR触媒21に吸蔵することができる。大量のNOxをNSR触媒21に吸蔵させた場合に、その吸蔵されたNOxを還元浄化するべく、そのNOxを一気に脱離させたとすると、脱離したNOxの量が多すぎて、還元処理し切れないおそれがある。このため、大量のNOxを吸蔵させたNSR触媒21からNOxを脱離させる場合には、NOxを一気に脱離させるのではなく、何回かに分けてNOxを脱離させることが望ましい。
【0056】
本発明者らは、上記の事項に鑑みて鋭意研究を続けた結果、NSR触媒21の上流側へのオゾン添加量を減少させることにより、NSR触媒21に吸蔵されたNOxを部分的に脱離させることができることを見出した。本発明者らは、この知見に関して、次のような試験を行った。この試験では、触媒として、100グラムのγAl23と、1グラムのPtと、0.2モルのBaとの割合で構成された1mm角ペレット3グラムを使用した。この触媒をモデルガスの気流中に置き、その後流のNOx濃度を測定した。触媒およびモデルガスの温度は200℃、モデルガスの流量は毎分15リットルであった。モデルガスの組成は、NOが200ppm、O2が10%、H2Oが3%、残りがN2であり、O2の一部を放電によってオゾンに転換させた。このモデルガスの気流中で触媒に十分にNOxを吸蔵させた後、オゾン濃度を低下させ、NOx濃度の変化を記録した。
【0057】
図9は、上記試験における、触媒後流のNOx濃度および触媒前のオゾン濃度の測定結果を示す図である。図9に示す測定データの左端の開始点において、触媒はNOxを十分に吸蔵した状態になっている。図9に示すように、この状態から、2度に渡って、オゾン濃度を低下させた。すると、オゾン濃度の低下後、触媒後流のNOx濃度が急激に増大した。これは、触媒に流入するオゾン量が減少すると、オゾンによって高められていた硝酸塩の安定性が低下するため、硝酸塩の一部が分解してNOxが脱離するものと考えられる。
【0058】
本実施形態では、上記のような知見に鑑み、NSR触媒21からNOxを脱離させる際に、オゾン添加量を減少させることによって、NOxの脱離量を制御することとした。図10は、本実施形態のシステム構成を示す図である。図10に示すように、本実施形態のシステムでは、NSR触媒21の下流側に、選択還元型(Selective Catalytic Reduction)のNOx触媒(以下、「SCR触媒」と呼ぶ)30が設置されている。このSCR触媒30の触媒成分としては、例えば、ゼオライトの表面にFeを担持したものなどを好ましく用いることができる。SCR触媒30の上流側には、例えば尿素水等の還元剤を添加する還元剤添加器31が設置されている。SCR触媒30では、還元剤添加器31によって添加される還元剤とNOxとを反応させることにより、NOxを還元浄化することができる。また、SCR触媒30には、その床温を検出する温度センサ32が取り付けられている。
【0059】
本実施形態では、例えば内燃機関10の始動直後のように、NSR触媒21やSCR触媒30の温度がまだ十分に上昇していない状態においてNOxが大気中に放出されることを抑制するため、次のような制御を行う。NSR触媒21やSCR触媒30の温度が低い場合には、オゾン供給装置27によってNSR触媒21の上流側にオゾンを添加しながら、NOxをNSR触媒21に吸収させる。このとき、オゾン添加によってNSR触媒21の吸蔵能力を拡大できるので、長時間に渡ってNOxをNSR触媒21に吸収させることができる。このため、この間に、SCR触媒30の温度を十分に(活性温度以上にまで)上昇させることが可能である。SCR触媒30が活性温度以上になったら、オゾン添加量を減少させることにより、NSR触媒21からNOxを脱離させる。脱離したNOxは、SCR触媒30によって浄化することができる。この場合において、NSR触媒21から脱離するNOxの量が多すぎると、SCR触媒30がそのNOxを浄化し切れなくなる。そこで、オゾン添加量を減少させる場合には、NSR触媒21から脱離するNOxの量が、SCR触媒30で浄化可能な量となるように、オゾン削減量を調整する。
【0060】
図11は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、オゾン供給装置27によってNSR触媒21の上流側にオゾンを添加しながらNOxをNSR触媒21に吸収させている状態のときに実行されるものとする。本ルーチンによれば、まず、NSR触媒21からNOxを脱離させ始める条件(以下、「NOx脱離開始条件」と呼ぶ)が成立したか否かが判別される(ステップ120)。
【0061】
本実施形態では、上記ステップ120において、温度センサ30によって検出されるSCR触媒30の温度に基づいてNOx脱離開始条件の成否を判定するものとする。すなわち、SCR触媒30の温度が所定の活性温度以上になった場合には、NSR触媒21から脱離したNOxをSCR触媒30で浄化可能となるので、NOx脱離開始条件が成立したと判定される。一方、SCR触媒30の温度が未だ活性温度に達していない場合には、SCR触媒30でNOxを浄化することができないため、NOx脱離開始条件は不成立であると判定される。
【0062】
上記ステップ120においてNOx脱離開始条件が成立したと判定された場合には、次に、NOx脱離量の目標値が算出される(ステップ122)。このNOx脱離量の目標値は、SCR触媒30で浄化可能なNOxの量に対応している。本実施形態では、SCR触媒30の温度等に基づいて、NOx脱離量の目標値を算出するものとする。
【0063】
続いて、上記ステップ122で算出された目標値に相当する量のNOxがNSR触媒21から脱離するように、オゾン供給装置27によるオゾン添加量を減少させる制御が実行される(ステップ124)。本実施形態において、ECU50には、オゾン添加量の削減量と、NSR触媒21からのNOx脱離量との関係を予め調べて作成されたマップが記憶されている。このステップ124では、そのマップに基づいて、オゾン添加量の削減量が算出され、その削減量が実現されるように、オゾン供給装置27が制御される。
【0064】
上記ステップ124の処理に続いて、現在のオゾン添加量がゼロであるか否かが判別される(ステップ126)。このステップ126において、オゾン添加量がゼロでない場合には、上記ステップ122以下の処理が再度実行される。以上のような制御により、本実施形態では、オゾン添加量を段階的に削減する。これに伴い、NSR触媒21に吸蔵されていたNOxを段階的に脱離させることができる。すなわち、SCR触媒30が処理し切れないような大量のNOxが一気に脱離することを確実に防止することができる。このため、NOxが未浄化のまま大気中へ放出されることを確実に抑制することができる。
【0065】
上述した実施の形態3においては、SCR触媒30が前記第5の発明における「第2のNOx触媒」に相当している。また、ECU50が、図11に示すルーチンの処理を実行することにより前記第4および第5の発明における「制御手段」が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。
【図2】NSR触媒にNOxが吸蔵される様子を示す図である。
【図3】NSR触媒の貴金属のHC被毒をオゾン添加によって回復させるメカニズムを説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1において実施した試験の結果を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1において実施した試験の結果を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2において実施した試験の結果を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3において実施した試験の結果を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3のシステム構成を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
10 内燃機関
11 吸気マニホールド
12 排気マニホールド
13 気筒
14 燃料インジェクタ
15 排気通路
17 サプライポンプ
18 コモンレール
19 ターボチャージャ
21 NSR触媒
22 オゾン供給ノズル
23 オゾン供給口
24 オゾン供給通路
25 オゾン発生器
26 ケーシング
27 オゾン供給装置
28 温度センサ
29 NOxセンサ
30 SCR触媒
31 還元剤添加器
32 温度センサ
50 ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に配置された吸蔵還元型のNOx触媒と、
前記NOx触媒の上流側に活性酸素を供給する活性酸素供給装置と、
前記NOx触媒の状態に基づいて、前記活性酸素供給装置による活性酸素の供給を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化装置。
【請求項2】
前記NOx触媒に還元剤を供給することにより、前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元させるNOx還元手段を備え、
前記制御手段は、前記NOx触媒に吸蔵されたNOxの還元が実行される前に、前記活性酸素供給装置により活性酸素を供給させる手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記NOx触媒の下流側にすり抜けるNOxの量を判定するすり抜けNOx判定手段と、
前記NOx触媒の下流側にすり抜けるNOxの量が所定値を超えたと判定された場合に、前記活性酸素供給装置による活性酸素の供給開始または供給量増量を行わせる手段と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記NOx触媒に吸蔵されているNOxを脱離させる場合に、前記活性酸素供給装置による活性酸素供給量を減少させることにより、脱離するNOxの量を制御する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
【請求項5】
前記NOx触媒の下流側に配置され、NOxを浄化する機能を有する第2のNOx触媒を更に備え、
前記制御手段は、前記脱離するNOxの量が前記第2のNOx触媒により浄化可能な量となるように、活性酸素供給量の削減量を制御することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
【請求項6】
前記活性酸素供給装置は、活性酸素としてオゾンを供給することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−281290(P2009−281290A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134360(P2008−134360)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】