説明

内燃機関の潤滑装置

【課題】潤滑油に空気が混入することを抑制して内燃機関に潤滑不良が生じることを抑制することができる内燃機関の潤滑装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関に設けられ、潤滑油を貯留する第1オイル溜まり室と、第1オイル溜まり室と区画されて潤滑油を貯留する第2オイル溜まり室と、第1オイル溜まり室に貯留された潤滑油を吸入して、内燃機関の潤滑部位に圧送する第1オイルポンプ30と、第2オイル溜まり室に貯留された潤滑油を吸入して潤滑部位に圧送する第2オイルポンプ40と、第1オイルポンプ30の吸入側と第2オイルポンプ40の吐出側とを連結し、第2オイルポンプ40から吐出した潤滑油が流通する連結通路50と、連結通路50に設けられ、第2オイルポンプ40における吐出側の所定の油圧が作用することによって開放され且つ所定の油圧が作用しなくなることによって閉鎖する切換え弁60と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関(以下、適宜、「エンジン」ともいう。)の潤滑部位に潤滑油を供給する内燃機関の潤滑装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンの下部のオイルパンに貯留された潤滑油を吸入して、エンジン各部に供給するメインポンプと、上記オイルパンと別個に設けられたオイル溜まり室(前部小室)に貯留された潤滑油を吸入してオイルパンの上方に位置する変速機に吐出するサブポンプと、を備え、エンジン各部の潤滑に用いられた潤滑油をオイルパンに回収する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3739644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術は、サブポンプが吐出する潤滑油を変速機の潤滑に積極的に利用しているが、車両によっては、変速機に対して高い潤滑性能が要求されないものがある。そのような場合には、サブポンプで回収した潤滑油を変速機に吐出せずに、メインポンプの吸入側に吐出し、このメインポンプによって潤滑油をエンジン各部に供給した方がポンプ効率上好ましい。
【0005】
しかしながら、オイル溜まり室に貯留される潤滑油の量は、オイルパンに貯留される潤滑油の量に比べて少ない。そのため、オイル溜まり室に貯留される潤滑油をサブポンプで吸入しているときに、オイル溜まり室に潤滑油がなくなり、サブポンプによって吸入された空気が、メインポンプによって吸入される潤滑油に混入する場合がある。従って、潤滑油に混入した空気が、メインポンプによってエンジン各部に圧送され、エンジンに潤滑不良が生じる虞があった。
【0006】
本発明は、潤滑油に空気が混入することを抑制して内燃機関に潤滑不良が生じることを抑制することができる内燃機関の潤滑装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、内燃機関に設けられ、潤滑油を貯留する第1オイル溜まり室と、前記第1オイル溜まり室と区画されて前記内燃機関に設けられ、前記潤滑油を貯留する第2オイル溜まり室と、前記第1オイル溜まり室に貯留された前記潤滑油を吸入して、該潤滑油によって潤滑される前記内燃機関の潤滑部位に圧送する第1オイルポンプと、前記第2オイル溜まり室に貯留された前記潤滑油を吸入して前記潤滑部位に圧送する第2オイルポンプと、前記潤滑油が流通するように前記第1オイルポンプにおける前記潤滑油の吸入側と前記第2オイルポンプにおける前記潤滑油の吐出側とを連結し、前記第2オイルポンプから吐出した前記潤滑油が流通する連結通路と、前記連結通路を開閉可能に設けられ、前記第2オイルポンプにおける前記潤滑油の吐出側の所定の油圧が作用することによって開放され且つ該所定の油圧が作用しなくなることによって閉鎖する切換え弁と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記第1オイルポンプ及び/又は前記第2オイルポンプは、その筐体を形成する複数のポンプボディを備え、前記切換え弁は、前記複数のポンプボディによって挟まれて保持されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記第1オイルポンプ及び/又は前記第2オイルポンプは、その筐体を形成するポンプボディを備え、前記連結通路は、前記ポンプボディの内部に一体的に設けられ、前記切換え弁は、前記連結通路の内部に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記第1オイルポンプ及び/又は前記第2オイルポンプは、その筐体を形成するポンプボディを備え、前記連結通路の一部は、前記ポンプボディの外部を通る配管により形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記連結通路の途中に鉛直方向上側に延びるように設けられ、空気を貯留可能な空気溜まり室と、前記空気溜まり室の内部と外部とを連通するように該空気溜まり室の上部に設けられ、該空気溜まり室の内部に貯留した空気を外部に排出する空気抜き孔と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明においては、請求項1から5のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記連結通路の途中に配置され、前記潤滑油に含まれる空気を除去する気液分離装置を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明においては、請求項1から6のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記潤滑油に含まれる空気を除去する気液分離装置と、前記連結通路の途中に上方が開口するように設けられ、前記気液分離装置を収納する収納凹部と、貫通孔を有し前記収納凹部の開口を塞ぐ蓋部材と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明においては、請求項1から7のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記内燃機関は、クランク部材を収容するクランク室と変速機を収容する変速機室とに区画され、前記変速機室の下部には、前記第1オイル溜まり室としてのオイルパンが設けられ、前記クランク室の下部であって前記オイルパンの上方には、前記第2オイル溜まり室が設けられると共に、前記第1オイルポンプ及び前記第2オイルポンプが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、第2オイル溜まり室に所定量の潤滑油が貯留されている場合には、その潤滑油は、第2オイルポンプにおける吸入側から吸入され、第2オイルポンプにおける吐出側から所定の油圧で吐出される。この所定の油圧が、連結通路に設けられる切換え弁に作用するため、切換え弁が開放されて連結通路が開放される。第2オイルポンプから吐出された潤滑油は、この連結通路を流通して第1オイルポンプにおける吸入側から吸入され、内燃機関の潤滑部位に圧送される。そのため、第2オイルポンプによって第2オイル溜まり室から回収された潤滑油を、第1オイルポンプによる潤滑に利用することができ、ポンプ効率を高めることができる。
また、第2オイル溜まり室に所定量の潤滑油が貯留されていない場合において、第2オイルポンプの吸入側に空気が吸入されると、所定の油圧が、第2オイルポンプの吐出側に作用しなくなり、連結通路の切換え弁にも作用しなくなる。そのため、切換え弁が閉鎖されて連結通路が閉鎖される。これにより、第2オイルポンプによって吸入されて吐出された空気が、連結通路を流通して第1オイルポンプによって吸入され、内燃機関の潤滑部位に圧送されることを抑制することができる。従って、内燃機関に潤滑不良が生じることを抑制することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、切換え弁は、複数のポンプボディによって挟まれて保持される。そのため、簡易な構成にて切換え弁を保持することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、連結通路は、ポンプボディの内部に一体的に設けられ、切換え弁は、連結通路の内部に配置される。そのため、連結通路を簡易に構成することができる共に、内燃機関の小型化を図ることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、連結通路の一部は、ポンプボディの外部を通る配管により形成される。そのため、連結通路のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、内燃機関の初期始動時に連結通路に溜まった空気を空気溜まり室に導いて、空気抜き孔から外部に排出することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、切換え弁を通過した潤滑油に微量の空気が混入している場合に、潤滑油からこの空気を気液分離装置によって除去することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、気液分離装置を簡易な構造の収納凹部に収納して保持することができると共に、気液分離装置によって潤滑油から除去した空気を、蓋部材の貫通孔から外部に容易に排出することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、第2オイル溜まり室に貯留された潤滑油を下方のオイルパンに落下させることなく第2オイルポンプによって回収し、この回収した潤滑油を第1オイルポンプによって内燃機関の潤滑部位に直接圧送することができる。そのため、第1オイルポンプの仕事量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態の内燃機関の潤滑装置100が適用されるエンジンEの一部を破断して示す側面図である。
【図2】図1に示すA−A線で切断したエンジンEの潤滑装置100の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の内燃機関の潤滑装置100Aが適用されるエンジンE1の一部を破断して示す側面図である。
【図4】エンジンE1の潤滑装置100Aの要部を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態のエンジンの潤滑装置100Bの要部を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cの要部を示す断面図である。
【図7】潤滑装置100Cにおける第2オイル溜まり室18近傍の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第5実施形態のエンジンの潤滑装置100Dの要部を示す断面図である。
【図9】図8に示す連結通路162をB方向から視た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の内燃機関の潤滑装置100が適用されるエンジンEの一部を破断して示す側面図である。図2は、図1に示すA−A線で切断したエンジンEの潤滑装置100の要部を示す断面図である。図1及び図2においては、第1オイルポンプ30による潤滑油の流れを太い矢印で模式的に示し、第2オイルポンプ40による潤滑油の流れを細い矢印で模式的に示してある。
【0025】
図1に示すように、エンジンEは、いわゆるV型エンジンであり、例えば、自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載される。エンジンEは、第1気筒1と、第2気筒2と、クランク部材としてのクランク軸7と、変速機Tと、クランクケース16と、エンジンEの各部に潤滑油(図示せず。以下、同様。)を供給して回収する潤滑装置100と、を備える。第1気筒1及び第2気筒2は、それぞれピストン3,4及びコンロッド5,6を有する。
変速機Tは、プライマリギヤ8、中間軸9、中間軸従動ギヤ10、中間軸駆動ギヤ11、変速入力軸であるメイン軸12、メインギヤ列13、カウンタ軸14及びカウンタギヤ列15等の変速機構成部材111を備える。
【0026】
クランクケース16は、クランク軸7及び変速機Tを収容する。クランクケース16は、その下部(底部)における角部に、垂直方向及び水平方向の肉厚を周囲の肉厚よりも厚く形成された肉厚部16aを有する。この肉厚部16aの垂直な接合面16b(図2参照)には、後述する潤滑装置100のポンプ装置27が取り付けられる。
ポンプ装置27は、筐体を形成するポンプ筐体28と、ロータ回転軸29と、第1オイルポンプ30と、第2オイルポンプ40と、連結通路50と、切換え弁60と、を備える。ポンプ装置27の詳細については、後述する。
肉厚部16aは、その内部に、連絡通路101と、リリーフ弁102と、第1リリーフ通路103と、第2リリーフ通路104とを備える。
【0027】
連絡通路101は、後述するポンプ装置27から吐出された潤滑油が、エンジンEの潤滑部位(後述)に向かって流通する通路である。連絡通路101の上流側は、クランクケース16における肉厚部16aの接合面16b側に開口されている。連絡通路101の途中には、流通する潤滑油を濾過するオイルフィルタ25や潤滑油を冷却するオイルクーラ(図示せず)が配置される。連絡通路101の下流側は、クランクケース16の内壁に沿って上方に延びている。
【0028】
リリーフ弁102は、連通路102aと、弁機構部102bとを有する。連通路102aは、リリーフ弁102の内部と外部とを連通するように形成される。弁機構部102bは、連絡通路101を流通する潤滑油の圧力が、所定値以上の場合に連通路102aを開放し、所定値未満の場合に連通路102aを閉鎖するように構成される。
第1リリーフ通路103は、連絡通路101とリリーフ弁102とを連通する。第2リリーフ通路104は、リリーフ弁102とポンプ装置27の吸入側(後述の吸入ポート83)とを連通する。
【0029】
以上に説明したように、リリーフ弁102は、連絡通路101を流通する潤滑油の圧力が所定値以上となった場合に、第1リリーフ通路103と第2リリーフ通路104とを連通し、連絡通路101を流通する潤滑油を、ポンプ装置27の吸入側に戻して上記圧力を低減するように構成される。
【0030】
次に、第1実施形態のエンジンEの潤滑装置100について、図1及び図2を参照しながら説明する。潤滑装置100は、エンジンE(図1参照)の潤滑部位を潤滑する。ここで、「エンジンEの潤滑部位」とは、潤滑油によって潤滑すべきエンジンEの回転部分や摺動部分等の部位をいう。エンジンEの潤滑部位として、例えば、ピストン3,4、コンロッド5,6、第1気筒1及び第2気筒2の上部に設けられ、動弁装置を構成するカムシャフトやロッカーアームシャフト(共に図示せず)、変速機Tを構成する上記各種ギヤ8,10,11,13,15や各種軸7,9,12,14等を挙げることができる。
【0031】
潤滑装置100は、潤滑油(図示せず)を貯留する第1オイル溜まり室としてのオイルパン17と、潤滑油を貯留する第2オイル溜まり室18と、ポンプ装置27と、を主体に備える。
オイルパン17は、上方が開口された有底箱状の容器であり、変速機Tにおける潤滑部位を潤滑した後に流下する潤滑油又は落下する潤滑油を主として貯留する。オイルパン17の底部19には、ポンプ装置27から延び潤滑油を濾過するストレーナ20が配置されている。また、オイルパン17の底部19には、ドレンボルト17aが取り付けられている。また、オイルパン17の側部には、上記オイルフィルタ25が設けられている。
【0032】
第2オイル溜まり室18は、オイルパン17と区画されて、クランクケース16の下部(クランク軸7の下方)に設けられている。第2オイル溜まり室18は、クランク軸7に臨むように開口された有底の容器である。第2オイル溜まり室18は、クランク軸7、ピストン3,4及び上記動弁装置等における潤滑部位を潤滑した後に流下する潤滑油又は落下する潤滑油を主として貯留する。
【0033】
第2オイル溜まり室18は、オイルパン17が貯留する潤滑油よりも少ない潤滑油を貯留する。この第2オイル溜まり室18には、第2オイル溜まり室18の潤滑油を吸入するサクションチューブ21がポンプ装置27から延びている。サクションチューブ21の先端には、潤滑油を濾過するオイルフィルタ(図示せず)が設けられている。また、第2オイル溜まり室18の下部の側部には、ドレンボルト18aが取り付けられている。
【0034】
次に、ポンプ装置27について、図2を参照しながら説明する。ポンプ装置27は、変速機Tのメイン軸12(図1参照)の下方に配置される。ポンプ装置27は、クランクケース16の下部に設けられた肉厚部16aの垂直な接合面16bに、ボルト(図示せず)によって固定されている。
ポンプ装置27は、前述の通り、筐体を形成するポンプ筐体28と、ロータ回転軸29と、第1オイルポンプ30と、第2オイルポンプ40と、連結通路50と、切換え弁60と、を備える。
【0035】
ポンプ筐体28は、ポンプボディとしての、第1ポンプボディ70、第2ポンプボディ90及び第3ポンプボディ80から構成される。
第1ポンプボディ70は、その両側部を第3ポンプボディ80及び第2ポンプボディ90に挟まれるように配置される。第1ポンプボディ70は、第3ポンプボディ80と共に第1オイルポンプ30を収容する。第1ポンプボディ70は、第2オイルポンプ40によって吸入される潤滑油が流通する吸入ポート71と、第2オイルポンプ40によって吐出される潤滑油が流通する吐出ポート74と、ロータ回転軸29を挿通する挿通孔72と、後述する連結通路50及び小径通路部50aとを有する。
【0036】
吸入ポート71の一端側は、サクションチューブ21が接続される。吸入ポート71の他端側は、第2オイルポンプ40の吸入空間部43と連通している。吐出ポート74の一端側は、第2オイルポンプ40の吐出空間部44と連通している。吐出ポート74の他端側は、第2ポンプボディ90の連絡通路91と連通している。
【0037】
第3ポンプボディ80は、第1ポンプボディ70の一方の側部側に配置され、第1ポンプボディ70と共に第1オイルポンプ30を収容する。第3ポンプボディ80は、吸入ポート83と、主吐出通路84と、ロータ回転軸29を挿通する挿通孔85とを有する。
【0038】
吸入ポート83は、第1オイルポンプ30によって吸入される潤滑油が流通する。吸入ポート83は、オイルパン17に配置されたストレーナ20と接続(連通)されている。また、吸入ポート83の一端側は、後述の第1オイルポンプ30の吸入空間部33と連通している。吸入ポート83の他端側は、第1ポンプボディ70に設けられた連結通路50の内部通路62(後述)と連通している。
【0039】
主吐出通路84には、第1オイルポンプ30によって吐出された潤滑油が流通する。主吐出通路84の一端側は、第1オイルポンプ30の吐出空間部34と連通している。主吐出通路84の他端側は、クランクケース16における肉厚部16aの接合面16b側に開口され、肉厚部16aの連絡通路101と連通している。主吐出通路84の下端部は、キャップシール84aによって閉塞されている。
【0040】
第2ポンプボディ90は、第1ポンプボディ70の他方の側部側に配置され、第1ポンプボディ70と共に第2オイルポンプ40を収容する。第2ポンプボディ90は、第2オイルポンプ40によって吐出された潤滑油が流通する連絡通路91と、ロータ回転軸29を挿通する挿通孔92とを有する。
連絡通路91は、その一端側において第1ポンプボディ70の吐出ポート74と連通し、その他端側において第1ポンプボディ70の小径通路部50aと連通する。
【0041】
ロータ回転軸29は、ポンプ筐体28(第3ポンプボディ80,第1ポンプボディ70,第2ポンプボディ90)を貫通し、ポンプ筐体28によって回転自在に支持される。ロータ回転軸29の一端には、スプロケット29aが取り付けられている。このスプロケット29aは、チェーン(図示せず)を介して、変速機Tのメイン軸12(図1参照)に設けられたスプロケット(図示せず)と巻き掛けられている。つまり、ロータ回転軸29は、変速機Tのメイン軸12によって駆動され、第1オイルポンプ30及び第2オイルポンプ40を駆動する。
【0042】
第1オイルポンプ30及び第2オイルポンプ40は、公知のトロコイド式ポンプである。第1オイルポンプ30は、ロータ回転軸29の回転によって互いに噛み合うインナーロータ31及びアウターロータ32を有する。インナーロータ31とアウターロータ32との間には、ロータ回転軸29の回転によって容積が変化する吸入空間部33及び吐出空間部34が形成される。
【0043】
吸入空間部33は、第3ポンプボディ80の吸入ポート83を介して、第1ポンプボディ70に設けられた切換え弁60の内部通路62と連通する。吸入空間部33は、ロータ回転軸29の回転によって容積が大きくなったときに負圧となる。この負圧となった吸入空間部33に、第3ポンプボディ80の吸入ポート83から潤滑油が流入する。
吐出空間部34は、第3ポンプボディ80の主吐出通路84と連通する。吐出空間部34の容積は、ロータ回転軸29の回転によって小さくなる。これにより、吐出空間部34の内部の潤滑油が加圧される。加圧された潤滑油は、第3ポンプボディ80の主吐出通路84へ吐出される。
【0044】
第2オイルポンプ40は、上記第1オイルポンプ30とほぼ同様に構成される。第2オイルポンプ40は、ロータ回転軸29によって回転して互いに噛み合うインナーロータ41及びアウターロータ42を有する。
【0045】
インナーロータ41とアウターロータ42との間には、ロータ回転軸29の回転によって容積が変化する吸入空間部43及び吐出空間部44が形成される。吸入空間部43は、第1ポンプボディ70の吸入ポート71と連通する。吸入空間部43は、ロータ回転軸29の回転によって容積が大きくなったときに負圧となる。この負圧となった吸入空間部43に、第1ポンプボディ70の吸入ポート71から潤滑油が流入する。
【0046】
吐出空間部44は、第1ポンプボディ70の吐出ポート74を介して、第2ポンプボディ90の連絡通路91と連通する。吐出空間部44の容積は、ロータ回転軸29の回転によって小さくなる。これにより、吐出空間部44の内部の潤滑油が加圧される。加圧された潤滑油は、第1ポンプボディ70の吐出ポート74を介して、第2ポンプボディ90の連絡通路91へ吐出される。
【0047】
連結通路50は、第1ポンプボディ70の内部に一体的に設けられ、切換え弁60を収容する。具体的には、連結通路50は、第1ポンプボディ70の一端側(第3ポンプボディ80側)から他端側(第2ポンプボディ90側)に貫通して形成されている。連結通路50の第3ポンプボディ80側は、第3ポンプボディ80の吸入ポート83と連通している。連結通路50の第2ポンプボディ90側には、連結通路50の第3ポンプボディ80側よりも小径に形成された小径通路部50aが設けられている。この小径通路部50aは、第2ポンプボディ90の連絡通路91と連通している。
このように構成された連結通路50によって、第1オイルポンプ30の吸入側と第2オイルポンプ40の吐出側とが連結され、第2オイルポンプ40から吐出した潤滑油が、第1オイルポンプ30の吸入側に流通する。
【0048】
切換え弁60は、例えば、公知のリリーフ弁により構成されている。切換え弁60は、その筐体を形成する筐体部61と、内部通路62と、弁機構部63とを有する。内部通路62は、筐体部61を貫通して形成され、第1ポンプボディ70の小径通路部50aと連通している。弁機構部63は、内部通路62(連結通路50)を開閉可能に設けられる。具体的には、弁機構部63は、第2オイルポンプ40の吐出側から所定の油圧が作用することによって、内部通路62を開放するように構成される。
【0049】
また、弁機構部63は、上記所定の油圧が作用しなくなることによって、内部通路62を閉鎖するように構成される。ここで、所定の油圧とは、第2オイル溜まり室18に貯留される潤滑油の量が少なくなり、第2オイルポンプが空気を吸入するようになるときの油圧をいう。
【0050】
以上のように構成される切換え弁60は、第2オイルポンプ40の吐出側に所定の油圧が作用することによって開放され、所定の油圧が作用しなくなることによって閉鎖する。切換え弁60は、第1ポンプボディ70の連結通路50の内部に配置され、第1ポンプボディ70と第3ポンプボディ80とによって挟まれて保持される。
【0051】
次に、本実施形態のエンジンEの潤滑装置100の作用について説明する。図1及び図2に示すように、オイルパン17に貯留された潤滑油は、第1オイルポンプ30の吸入作用によって、ストレーナ20(図1参照)、第3ポンプボディ80の吸入ポート83(図2参照)を介して、第1オイルポンプ30の吸入空間部33に吸入される。
【0052】
吸入空間部33に吸入された潤滑油は、第1オイルポンプ30のインナーロータ31及びアウターロータ32の噛み合いにより加圧されて、吐出空間部34から第3ポンプボディ80の主吐出通路84に吐出される。主吐出通路84に吐出された潤滑油は、クランクケース16における肉厚部16aの連絡通路101に流入する。連絡通路101に流入した潤滑油は、オイルフィルタ25及びオイルクーラ(図示せず)を通過することにより濾過され、冷却されて、エンジンEの潤滑部位に圧送される。エンジンEの潤滑部位において潤滑に使用された潤滑油は、オイルパン17及び第2オイル溜まり室18に流下し又は落下する。これにより、潤滑に使用された潤滑油が、回収されてオイルパン17及び第2オイル溜まり室18に貯留される。
【0053】
また、第2オイル溜まり室18に十分な量の潤滑油が貯留されている場合には、その潤滑油は、第2オイルポンプ40の吸入作用によって、オイルフィルタ(図示せず)、サクションチューブ21及び第1ポンプボディ70の吸入ポート71を介して、第2オイルポンプ40の吸入空間部43に吸入される。
【0054】
吸入空間部43に吸入された潤滑油は、第2オイルポンプ40のインナーロータ41及びアウターロータ42の噛み合いにより加圧されて、吐出空間部44から第1ポンプボディ70の吐出ポート74に吐出される。吐出ポート74に吐出された潤滑油は、第2ポンプボディ90の連絡通路91を介して、第1ポンプボディ70に設けられた小径通路部50aに、所定の油圧で吐出される。
【0055】
この小径通路部50aに吐出された潤滑油は、上記所定の油圧を有している。そのため、この所定の油圧が、切換え弁60の弁機構部63に作用することによって、切換え弁60の内部通路62が開放されて、連結通路50が開放される。これにより、第2オイルポンプ40から吐出された潤滑油は、切換え弁60の内部通路62を流通して、第3ポンプボディ80の吸入ポート83に流通する。
【0056】
吸入ポート83に流通した潤滑油は、上述したように、第1オイルポンプ30によって吸入されると共に加圧され、エンジンEの潤滑部位に圧送される。従って、第2オイルポンプ40によって第2オイル溜まり室18から回収された潤滑油は、第1オイルポンプ30による潤滑に利用されるため、ポンプ効率を高めることができる。
【0057】
一方、第2オイル溜まり室18に所定量の潤滑油が貯留されていない場合において、第2オイルポンプ40によって空気が吸入されると、上記所定の油圧が、第2オイルポンプ40の吐出側に作用しなくなり、連結通路50に設けられた切換え弁60(弁機構部63)にも作用しなくなる。そのため、切換え弁60の内部通路62が閉鎖されて、連結通路50が閉鎖される。
【0058】
これにより、第2オイルポンプ40から吐出された空気が連結通路50に流通して第1オイルポンプ30によって吸入されることが抑制される。従って、第2オイルポンプ40から吐出された空気が、エンジンEの潤滑部位に圧送されることを抑制することができ、エンジンEの潤滑部位における潤滑不良を抑制することができる。
【0059】
以上に説明した第1実施形態のエンジンEの潤滑装置100によれば、以下に示す各効果が奏される。
第1実施形態のエンジンEの潤滑装置100は、第1オイル溜まり室(オイルパン)17と、オイルパン17と区画されて設けられる第2オイル溜まり室18と、オイルパン17に貯留された潤滑油を吸入して、エンジンEの潤滑部位に圧送する第1オイルポンプ30と、第2オイル溜まり室18に貯留された潤滑油を吸入して上記潤滑部位に圧送する第2オイルポンプ40と、第1オイルポンプ30における潤滑油の吸入側と第2オイルポンプ40における吐出側とを連結する連結通路50と、連結通路50に設けられる切換え弁60と、を備える。
【0060】
そのため、第2オイル溜まり室18に所定量の潤滑油が貯留されている場合には、その潤滑油は、第2オイルポンプ40の吸入側から吸入され、第2オイルポンプ40の吐出側から所定の油圧で吐出される。この所定の油圧が、連結通路50に設けられる切換え弁60に作用するため、切換え弁60が開放されて連結通路50が開放される。
【0061】
第2オイルポンプ40から吐出された潤滑油は、この連結通路50を介して、第1オイルポンプ30の吸入側から吸入される。この吸入された潤滑油は、第1オイルポンプ30によって加圧され、エンジンEの潤滑部位に圧送される。従って、第2オイルポンプ40によって第2オイル溜まり室18から回収された潤滑油を、第1オイルポンプ30による潤滑に直接利用することができ、ポンプ効率を高めることができる。
【0062】
また、第2オイル溜まり室18に所定量の潤滑油が貯留されていない場合において、第2オイルポンプ40の吸入側に空気が吸入されると、所定の油圧が、第2オイルポンプ40の吐出側に作用しなくなり、連結通路50に設けられた切換え弁60にも作用しなくなる。そのため、切換え弁60の内部通路62が閉鎖されて、連結通路50が閉鎖される。
【0063】
これにより、第2オイルポンプ40から吐出された空気が連結通路50に流通して第1オイルポンプ30によって吸入されることが抑制される。従って、第2オイルポンプ40から吐出された空気が、エンジンEの潤滑部位に圧送されることを抑制することができ、エンジンEの潤滑部位における潤滑不良を抑制することができる。
【0064】
また、第1実施形態のエンジンEの潤滑装置100によれば、切換え弁60は、第1ポンプボディ70及び第3ポンプボディ80によって挟まれて保持される。そのため、簡易な構成にて切換え弁60を保持することができる。
【0065】
また、第1実施形態のエンジンEの潤滑装置100によれば、連結通路50は、第1ポンプボディ70の内部に一体的に設けられ、切換え弁60は、連結通路50の内部に配置される。そのため、連結通路50を簡易に構成することができる共に、エンジンEの小型化を図ることができる。
【0066】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。他の実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
【0067】
〔第2実施形態〕
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本発明の第2実施形態の内燃機関の潤滑装置100Aが適用されるエンジンE1の一部を破断して示す側面図である。図4は、エンジンE1の潤滑装置100Aの要部を示す断面図である。
【0068】
図3に示すように、第2実施形態のエンジンE1は、前記第1実施形態のエンジンE(図1参照)と、クランクケース16の構成が主として異なる。具体的には、エンジンE1のクランクケース16は、クランク室110と、変速機室112と、区画壁115と、流出口116と、オイル収集パン117と、ポンプ装置27Aと、を備える。
【0069】
クランク室110は、クランク軸7等のクランク部材を収容する。変速機室112は、変速機構成部材111を有する変速機Tを収容する。
区画壁115は、クランクケース16の内部において上下方向に延び、クランク室110と変速機室112とを区画する。区画壁115の下部には、下方にやや傾斜して延びる底壁部115aが設けられている。クランク室110(第2オイル溜まり室18)の流出口116は、底壁部115aの下縁部に設けられ、下方に向かって開口している。底壁部115aは、クランク室110内を流下する潤滑油を流出口116に導く。
【0070】
このように構成されるクランク室110及び変速機室112(クランクケース16)の下部には、第1オイル溜まり室としてのオイルパン17が設けられている。クランク室110の下部であって、このオイルパン17の上方には、第2オイル溜まり室18が設けられている。
【0071】
第2オイル溜まり室18の下部は、流出口116によって開口されている。流出口116は、第2オイル溜まり室18に貯留された潤滑油を下方に流出させる。
オイル収集パン117は、排出口117aを有し、第2オイル溜まり室18の下部に設けられる。オイル収集パン117は、第2オイル溜まり室18の流出口116から流出する潤滑油を収集する。つまり、オイル収集パン117も第2オイル溜まり室の一部として機能する。排出口117aは、流出口116に連通する。
【0072】
ポンプ装置27Aは、図3に示すように、その吸入ポート151(後述)がオイル収集パン117の排出口117aに連通するように、第2オイル溜まり室18の下部に設けられる。なお、ポンプ装置27Aは、オイルパン17から吸入した潤滑油の一部を変速機室112の変速機構成部材111に向けて吐出する吐出通路125を有する。吐出通路125は、後述する吐出ポート134と連通する。
【0073】
ポンプ装置27Aは、前記第1実施形態のポンプ装置27(図2参照)とほぼ同様に構成される。ポンプ装置27Aの構成において、前記第1実施形態のポンプ装置27と異なる点を中心に、図4を参照しながら説明する。
ポンプ装置27Aのポンプ筐体28は、ポンプボディとしての、第1ポンプボディ70、第2ポンプボディ90、第3ポンプボディ80及び第4ポンプボディ140から構成される。
【0074】
第1ポンプボディ70は、吸入ポート131と、吐出ポート134とを備える。吸入ポート131の一端は、第1オイルポンプ30の吸入空間部33と連通する。また、この吸入ポート131の他端は、第4ポンプボディ140側に開口され、第4ポンプボディ140の吸入ポート141(後述)と連通する。
吐出ポート134は、第1オイルポンプ30の吐出空間部34と連通する。また、この吐出ポート134は、エンジンEの潤滑部位(後述)に向かって流通する連絡通路(図示せず)と連通する。
【0075】
第3ポンプボディ80は、吸入ポート151と、吐出ポート154と、連結通路161と、を備える。吸入ポート151は、第2オイルポンプ40の吸入空間部43と連通する。また、この吸入ポート151は、オイル収集パン117の排出口117aと連通する。吐出ポート154は、第2オイルポンプ40の吐出空間部44と連通する。また、この吐出ポート154は、後述の連結通路161と連通する。
【0076】
連結通路161は、第3ポンプボディ80の内部に設けられる。連結通路161の一端側は、吐出ポート154に連通する。連結通路161の他端側は、第3ポンプボディ80における第1ポンプボディ70側に開口し、第1ポンプボディ70に設けられた連結通路50と連通する。つまり、連結通路161は、第1ポンプボディ70に設けられた連結通路50の上流側に配置される。
【0077】
第4ポンプボディ140は、吸入ポート141と、ロータ回転軸29を挿通する挿通孔142と、連結通路162と、を備える。吸入ポート141の一端は、第1ポンプボディ70側に開口し、第1ポンプボディ70の吸入ポート131と連通する。また、この吸入ポート141の他端は、オイルパン17に配置されたストレーナ20(図3参照)と接続(連通)されている。
【0078】
連結通路162は、第4ポンプボディ140において、第1ポンプボディ70側に臨む面に沿って開口している。連結通路162の一端は、第1ポンプボディ70の小径通路部50aと連通する。連結通路162の他端は、吸入ポート141と連通する。つまり、連結通路162の他端は、第1オイルポンプ30の吸入側(吸入ポート131)と連通する。
従って、ポンプ装置27Aにおける連結通路161、連結通路50及び連結通路162は、第1オイルポンプ30の吸入側と第2オイルポンプ40の吐出側とを連結する連結通路として機能する。
【0079】
このように構成されるポンプ筐体28(第2ポンプボディ90,第3ポンプボディ80,第1ポンプボディ70,第4ポンプボディ140)は、複数のボルト122(1本のみを図示)によって共締めされ、一体となっている。そのため、切換え弁60は、第1ポンプボディ70の連結通路50の内部に配置され、第1ポンプボディ70と第3ポンプボディ80とによって挟まれて保持される。
【0080】
次に、本実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aの作用について説明する。図3及び図4に示すように、オイルパン17に貯留された潤滑油は、第1オイルポンプ30の吸入作用によって、ストレーナ20(図3参照)、第4ポンプボディ140の吸入ポート141(図4参照)及び第1ポンプボディ70の吸入ポート131を介して、第1オイルポンプ30の吸入空間部33に吸入される。
【0081】
吸入空間部33に吸入された潤滑油は、第1オイルポンプ30のインナーロータ31及びアウターロータ32の噛み合いにより加圧されて、吐出空間部34から吐出ポート134に吐出される。吐出ポート134に吐出された潤滑油は、吐出通路125に圧送されると共に、オイルフィルタ(図示せず)及びオイルクーラ26が設けられた連絡通路101を介して、濾過され、冷却されて、エンジンE1の潤滑部位に圧送される。
【0082】
エンジンE1の変速機室112において潤滑に使用された潤滑油は、オイルパン17に流下し又は落下する。これにより、変速機室112において潤滑に使用された潤滑油が、回収されてオイルパン17に貯留される。また、エンジンE1のクランク室110において潤滑に使用された潤滑油は、クランク室110における区画壁115や底壁部115a等に沿って流下し、又は直接落下して、流出口116を介してオイル収集パン117に収集(回収)される(図3参照)。つまり、第2オイル溜まり室18の下部には、所定量の潤滑油が貯留される。オイル収集パン117に収集された潤滑油は、オイル収集パン117の排出口117aを介して、ポンプ装置27A(第2オイルポンプ40)の吸入ポート151から吸入される。
【0083】
第2オイル溜まり室18(オイル収集パン117)に十分な量の潤滑油が貯留されている場合には、その潤滑油は、第2オイルポンプ40の吸入作用によって、第3ポンプボディ80の吸入ポート151を介して、第2オイルポンプ40の吸入空間部43に吸入される。
【0084】
吸入空間部43に吸入された潤滑油は、第2オイルポンプ40のインナーロータ41及びアウターロータ42の噛み合いにより加圧されて、吐出空間部44から、第3ポンプボディ80の吐出ポート154に吐出される。吐出ポート154に吐出された潤滑油は、第3ポンプボディ80の連結通路161を介して、第1ポンプボディ70の連結通路50に設けられた切換え弁60に、所定の油圧で吐出される。
【0085】
この切換え弁60に吐出された潤滑油は、上記所定の油圧を有している。そのため、この所定の油圧が、切換え弁60の弁機構部63に作用することによって、切換え弁60の内部通路62が開放されて、連結通路50が開放される。これにより、第2オイルポンプ40から吐出された潤滑油は、切換え弁60の内部通路62を流通し、小径通路部50aを介して、第4ポンプボディ140の連結通路162に流通する。この連結通路162を流通する潤滑油は、更に第4ポンプボディ140の吸入ポート141に流入する。
【0086】
吸入ポート141に流通した潤滑油は、上述したように、第1オイルポンプ30によって吸入されると共に加圧され、エンジンE1の潤滑部位に圧送される。従って、第2オイルポンプ40によって第2オイル溜まり室18から回収された潤滑油は、第1オイルポンプ30による潤滑に利用されるため、ポンプ効率を高めることができる。
【0087】
一方、第2オイル溜まり室18(オイル収集パン117)に所定量の潤滑油が貯留されていない場合において、第2オイルポンプ40によって空気が吸入されると、上記所定の油圧が、第2オイルポンプ40の吐出側に作用しなくなり、連結通路50に設けられた切換え弁60(弁機構部63)にも作用しなくなる。そのため、切換え弁60の内部通路62が閉鎖されて、連結通路50が閉鎖される。
【0088】
これにより、第2オイルポンプ40から吐出された空気が連結通路50に流通して第1オイルポンプ30によって吸入されることが抑制される。従って、第2オイルポンプ40から吐出された空気が、エンジンE1の潤滑部位に圧送されることを抑制することができ、エンジンE1の潤滑部位における潤滑不良を抑制することができる。
【0089】
以上に説明した第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aによれば、前記第1実施形態のエンジンEの潤滑装置100と同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。
第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aにおいては、エンジンE1は、クランク室110と変速機室112とに区画され、変速機室112の下部には、オイルパン17が設けられ、このオイルパン17の上方には、第2オイル溜まり室18が設けられると共に、第1オイルポンプ30及び第2オイルポンプ40が設けられる。
そのため、第2オイル溜まり室18に貯留された潤滑油を下方のオイルパン17に落下させることなく第2オイルポンプ40によって回収し、この回収した潤滑油を第1オイルポンプ30によってエンジンE1の潤滑部位に直接圧送することができる。従って、第1オイルポンプ30の仕事量を低減することができる。
【0090】
〔第3実施形態〕
次に、図5を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図5は、本発明の第3実施形態のエンジンの潤滑装置100Bの要部を示す断面図である。
第3実施形態のエンジン(図示せず)の潤滑装置100Bは、前記第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100A(図4参照)とほぼ同様の構成を備える。
【0091】
異なる点は、以下の通りである。図4に示すように、前記第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aにおいては、切換え弁60の下流側の連結通路の一部は、第1ポンプボディ70及び第4ポンプボディ140によって形成される連結通路162として構成される。
【0092】
これに対し、図5に示すように、第3実施形態のエンジン(図示せず)の潤滑装置100Bは、前記第2実施形態における第4ポンプボディ140を備えていない。第3実施形態における吸入ポート131は、前記第2実施形態における吸入ポート131,141に相当する。
また、切換え弁60の下流側の連結通路の一部は、連結通路170として構成される。この連結通路170は、第1ポンプボディ70の外部を通るL字状の配管により形成される。
【0093】
具体的には、図5に示すように、連結通路170の一端は、シール部材172を介して、第1ポンプボディ70における連結通路50の小径通路部50aに接続される。連結通路170の他端は、第1ポンプボディ70における吸入ポート131に接続される。
従って、ポンプ装置27Bにおける連結通路161、連結通路50及び連結通路170は、第1オイルポンプ30の吸入側と第2オイルポンプ40の吐出側とを連結する連結通路として機能する。
その他の構成及び作用は、前記第2実施形態の場合とほぼ同様であるので、重複説明を省略する。
【0094】
以上に説明した第3実施形態のエンジンの潤滑装置100Bによれば、前記第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aと同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。
第3実施形態のエンジンの潤滑装置100Bにおいては、連結通路170の一部は、第1ポンプボディ70の外部を通る配管により形成される。そのため、連結通路170のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0095】
〔第4実施形態〕
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。図6は、本発明の第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cの要部を示す断面図である。図7は、潤滑装置100Cにおける第2オイル溜まり室18近傍の構成を示す断面図である。
第4実施形態のエンジン(図示せず)の潤滑装置100Cは、前記第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100A(図4参照)とほぼ同様の構成を備える。
【0096】
異なる点は、以下の通りである。図4に示すように、前記第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aにおいては、切換え弁60の下流側の連結通路の一部は、第1ポンプボディ70及び第4ポンプボディ140に挟まれることによって形成される連結通路162として構成される。
【0097】
これに対し、図6に示すように、第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cの第4ポンプボディ140においては、ほぼT字状の管路として設けられる連結通路162aを備える。また、第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cは、更に、空気溜まり室180と、蓋部材182と、空気抜き孔184と、を備える。
【0098】
連結通路162aは、上述したように、第4ポンプボディ140において、ほぼT字状に延びる管路として設けられている。連結通路162aの一端は、第1ポンプボディ70の小径通路部50aと連通する。連結通路162aの他端は、吸入ポート141と連通する。つまり、連結通路162aの他端は、第1オイルポンプ30の吸入側(吸入ポート131)と連通する。
従って、ポンプ装置27Cにおける連結通路161、連結通路50及び連結通路162aは、連結通路として機能する。
【0099】
空気溜まり室180は、連結通路162aにおいてほぼ直角に屈曲する部分の上部に、鉛直方向上側に延びるように設けられる。空気溜まり室180の上部は、開口されている。蓋部材182は、空気溜まり室180の上部の開口を閉塞する。つまり、空気溜まり室180は、空気を貯留可能な空間として形成される。
【0100】
空気抜き孔184は、空気溜まり室180の内部と外部とを連通するように、蓋部材182(空気溜まり室180の上部)に設けられる。つまり、空気抜き孔184は、空気溜まり室180の内部に貯留した空気を外部に排出することができる。
【0101】
また、図7に示すように、第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cは、第1ポンプボディ70に設けられる吸入ポート156と、第2ポンプボディ90に設けられる吸入ポート157と、第4ポンプボディ140に設けられる吸入ポート158と、を備える。これらの吸入ポート156,157,158は、互いに連通している。
【0102】
第2ポンプボディ90の吸入ポート157は、第3ポンプボディ80の吸入ポート151に連通する。第4ポンプボディ140の吸入ポート158は、ストレーナ22を有するサクションチューブ21と接続される。第1ポンプボディ70の吸入ポート156は、吸入ポート157と吸入ポート158との間に配置される。つまり、これらの吸入ポート156,157,158には、第2オイル溜まり室18から吸入される潤滑油が流通する。
その他の構成及び作用は、前記第2実施形態の場合とほぼ同様であるので、重複説明を省略する。
【0103】
以上に説明した第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cによれば、前記第2実施形態のエンジンE1の潤滑装置100Aと同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。
第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cにおいては、連結通路162aと、空気溜まり室180と、蓋部材182と、空気抜き孔184と、を備える。
そのため、第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cによれば、エンジンの初期始動時に連結通路162aに溜まった空気を、空気溜まり室180に導いて、蓋部材182の空気抜き孔184から外部に排出することができる。
【0104】
〔第5実施形態〕
次に、図8及び図9を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。図8は、本発明の第5実施形態のエンジンの潤滑装置100Dの要部を示す断面図である。図9は、図8に示す連結通路162をB方向から視た断面図である。
第5実施形態のエンジン(図示せず)の潤滑装置100Dは、前記第4実施形態のエンジンの潤滑装置100C(図6参照)とほぼ同様の構成を備える。
【0105】
異なる点は、以下の通りである。図8及び図9に示すように、第5実施形態のエンジン(図示せず)の潤滑装置100Dは、前記第4実施形態のエンジンの潤滑装置100C(図6参照)における空気溜まり室180に気液分離装置190を備える。
【0106】
具体的には、第5実施形態のエンジン(図示せず)の潤滑装置100Dは、気液分離装置190を収納する収納凹部186と、蓋部材182とを備える。
気液分離装置190は、潤滑油に含まれる空気を除去する。気液分離装置190には、公知の技術、例えば、実公平6−14007号公報に記載された気液分離装置を用いることができる。気液分離装置190の詳細については、後述する。
【0107】
収納凹部186は、図8及び図9に示すように、連結通路162aのほぼ直角に屈曲する部分において、上方が開口するように設けられ、後述の気液分離装置190を収納する。
また、収納凹部186は、入口通路181と、側部通路181aとを有する。入口通路181は、連結通路162aと連通するように収納凹部186の底部の内壁に設けられ、気液分離装置190に流入する潤滑油が流通する。側部通路181aは、連結通路162aと連通するように収納凹部186の側部の内壁に設けられ、気液分離装置190から排出された潤滑油が流通する。蓋部材182は、貫通孔としての空気抜き孔184を有し、収納凹部186の開口を塞ぐ。
【0108】
気液分離装置190は、図9に示すように、底面190a及び上面190bを有する円筒状に構成される。気液分離装置190は、底面190aに設けられた潤滑油入口部191と、上面190bに設けられた潤滑油出口部192と、円筒の中心軸に対して螺旋状に区画された複数段の潤滑油通路193と、各潤滑油通路193の中心部を中心軸方向に連通させる中心穴部194と、上面190bの中心に貫通して設けられた脱気穴195と、を備える。潤滑油入口部191は、入口通路181と連通する。潤滑油出口部192は、側部通路181aと連通する。
【0109】
潤滑油は、入口通路181を介して潤滑油入口部191から潤滑油通路193に流入し、各潤滑油通路193の内部を螺旋状に上昇しながら通過する。その過程において、潤滑油に含まれる空気(気泡)が、潤滑油から分離される。空気が分離された潤滑油は、潤滑油出口部192から側部通路181aに流出して連結通路162aを流通する。潤滑油から分離された空気は、脱気穴195から空気溜まり室180に排出され、空気抜き孔184から空気溜まり室180の外部に排出される。
その他の構成及び作用は、前記第4実施形態の場合とほぼ同様であるので、重複説明を省略する。
【0110】
以上に説明した第5実施形態のエンジンの潤滑装置100Dによれば、前記第4実施形態のエンジンの潤滑装置100Cと同様の効果が奏されると共に、以下に示す各効果が奏される。
第5実施形態のエンジンの潤滑装置100Dにおいては、気液分離装置190と、気液分離装置190を収納する収納凹部186と、貫通孔としの空気抜き孔184を有し収納凹部186の開口を塞ぐ蓋部材182と、を備える。
そのため、第5実施形態のエンジンの潤滑装置100Dによれば、切換え弁60を通過した潤滑油に微量の空気が混入している場合に、潤滑油からこの空気を気液分離装置190によって除去することができる。
【0111】
また、第5実施形態のエンジンの潤滑装置100Dによれば、気液分離装置190を簡易な構造の収納凹部186に収納して保持することができると共に、気液分離装置190によって潤滑油から除去した空気を、蓋部材182の空気抜き孔184から外部に容易に排出することができる。
【0112】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記各実施形態においては、エンジンE,E1の潤滑装置100,100A,100B,100C,100Dは、鞍乗型車両におけるV型エンジンのクランクケース16に設けられるものとして説明したが、これに制限されない。前記各実施形態のエンジンE,E1の潤滑装置100,100A,100B,100C,100Dは、鞍乗り型車両以外のエンジンのクランクケースに、又はV型エンジン以外のエンジンのクランクケースに設けられてもよい。
【0113】
また、前記各実施形態においては、切換え弁60は、複数のポンプボディ70,80等によって挟まれて保持されるものとして説明したが、これに制限されない。連結通路50を所定の油圧に応じて開閉できれば、切換え弁60を保持するための形態や位置は、任意である。
【0114】
また、前記各実施形態においては、第1オイルポンプ30及び第2オイルポンプ40の両方が、複数のポンプボディ70,80,90,140を備えるものとして説明したが、これに制限されない。第1オイルポンプ30又は第2オイルポンプ40のいずれか一方のみが、複数のポンプボディを備えてもよい。
【符号の説明】
【0115】
E,E1 エンジン(内燃機関)
T 変速機
7 クランク軸(クランク部材)
16 クランクケース(クランク室)
17 オイルパン(第1オイル溜まり室)
18 第2オイル溜まり室
27,27A,27B,27C オイルポンプ
28 ポンプ筐体(筐体)
30 第1オイルポンプ
40 第2オイルポンプ
50 連結通路
50a 小径通路部(連結通路)
60 切換え弁
70 第1ポンプボディ(ポンプボディ)
80 第3ポンプボディ(ポンプボディ)
90 第2ポンプボディ(ポンプボディ)
100,100A,100B,100C,100D 潤滑装置
110 クランク室
112 変速機室
140 第4ポンプボディ(ポンプボディ)
161,162,162a 連結通路
170 連結通路
180 空気溜まり室
182 蓋部材
184 空気抜き孔
186 収納凹部
190 気液分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(E,E1)に設けられ、潤滑油を貯留する第1オイル溜まり室(17)と、
前記第1オイル溜まり室(17)と区画されて前記内燃機関(E,E1)に設けられ、前記潤滑油を貯留する第2オイル溜まり室(18)と、
前記第1オイル溜まり室(17)に貯留された前記潤滑油を吸入して、該潤滑油によって潤滑される前記内燃機関(E,E1)の潤滑部位(3〜15)に圧送する第1オイルポンプ(30)と、
前記第2オイル溜まり室(18)に貯留された前記潤滑油を吸入して前記潤滑部位(3〜15)に圧送する第2オイルポンプ(40)と、
前記潤滑油が流通するように前記第1オイルポンプ(30)における前記潤滑油の吸入側と前記第2オイルポンプ(40)における前記潤滑油の吐出側とを連結し、前記第2オイルポンプ(40)から吐出した前記潤滑油が流通する連結通路(50,161,162,162a,170)と、
前記連結通路(50,161,162,162a,170)を開閉可能に設けられ、前記第2オイルポンプ(40)における前記潤滑油の吐出側の所定の油圧が作用することによって開放され且つ該所定の油圧が作用しなくなることによって閉鎖する切換え弁(60)と、
を備える内燃機関の潤滑装置(100,100A,100B,100C,100D)。
【請求項2】
前記第1オイルポンプ(30)及び/又は前記第2オイルポンプ(40)は、その筐体(28)を形成する複数のポンプボディ(70,80,90,140)を備え、
前記切換え弁(60)は、前記複数のポンプボディ(70,80,90)によって挟まれて保持される請求項1に記載の内燃機関の潤滑装置(100,100A,100B,100C,100D)。
【請求項3】
前記第1オイルポンプ(30)及び/又は前記第2オイルポンプ(40)は、その筐体を形成するポンプボディ(28)を備え、
前記連結通路(50,161,162,162a)は、前記ポンプボディ(70,80,90,140)の内部に一体的に設けられ、
前記切換え弁(60)は、前記連結通路(50)の内部に配置される請求項1又は2に記載の内燃機関の潤滑装置(100,100A,100C,100D)。
【請求項4】
前記第1オイルポンプ(30)及び/又は前記第2オイルポンプ(40)は、その筐体(28)を形成するポンプボディ(70,80,90)を備え、
前記連結通路(170)の一部は、前記ポンプボディ(70,80,90)の外部を通る配管により形成される請求項1又は2に記載の内燃機関の潤滑装置(100B)。
【請求項5】
前記連結通路(162a)の途中に鉛直方向上側に延びるように設けられ、空気を貯留可能な空気溜まり室(180)と、
前記空気溜まり室(180)の内部と外部とを連通するように該空気溜まり室(180)の上部に設けられ、該空気溜まり室(180)の内部に貯留した空気を外部に排出する空気抜き孔(184)と、
を備える請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の潤滑装置(100C)。
【請求項6】
前記連結通路(162a)の途中に配置され、前記潤滑油に含まれる空気を除去する気液分離装置(190)を備える請求項1から5のいずれか一つに記載の内燃機関の潤滑装置(100D)。
【請求項7】
前記潤滑油に含まれる空気を除去する気液分離装置(190)と、
前記連結通路(162a)の途中に上方が開口するように設けられ、前記気液分離装置(190)を収納する収納凹部(186)と、
貫通孔(184)を有し前記収納凹部(186)の開口を塞ぐ蓋部材(182)と、
を備える請求項1から6のいずれか一つに記載の内燃機関の潤滑装置(100D)。
【請求項8】
前記内燃機関(E1)は、クランク部材(7)を収容するクランク室(110)と変速機(T)を収容する変速機室(112)とに区画され、
前記変速機室(112)の下部には、前記第1オイル溜まり室(17)としてのオイルパン(17)が設けられ、
前記クランク室(110)の下部であって前記オイルパン(17)の上方には、前記第2オイル溜まり室(18)が設けられると共に、前記第1オイルポンプ(30)及び前記第2オイルポンプ(40)が設けられる請求項1から7のいずれか一つに記載の内燃機関の潤滑装置(100A)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−193711(P2012−193711A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59614(P2011−59614)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】