説明

冷却装置及び画像形成装置

【課題】トナー付着によって保護部材が劣化することを抑制し、保護部材による熱伝導性部材の保護機能を維持できる冷却装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】冷却対象物に対して接離可能に設けられ冷却対象物から熱を受ける受熱部20と、受熱部20が受熱した熱を放出する放熱部54と、受熱部20の冷却対象物30に対向する側の面と冷却対象物30の受熱部20に対向する側の面との少なくとも一方に設けられた熱伝導性部材22と、熱伝導性部材22上に設けられ熱伝導性部材22を保護する保護部材23とを有する、画像形成装置に用いられる冷却装置50において、保護部材23は、画像形成装置で用いられるトナーのバインダー樹脂に対して非相溶性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、画像形成装置内に設けられた光書き込み装置、定着装置及び現像装置などの装置が発熱し、装置内を温度上昇させることが知られている。
【0003】
例えば、現像装置においては、現像装置内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。
【0004】
温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、像担持体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。さらに、トナーが溶融まで至らなくても、温度上昇したトナーが圧力や摩擦などのストレスを受けることで、トナー表面の外添剤が内部に埋没あるいは表面から離脱し、キャリア表面にトナー成分が固着してしまうなどの不具合が生じる。この不具合により、長期的には現像能力に安定性を欠いてしまう虞がある。特に、近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。
【0005】
そのため、従来から空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで現像装置の周辺に搬送し、気流を発生させ現像装置を空冷して、現像装置の温度が過度に上昇するのを抑える空冷方式の冷却装置を備えた画像形成装置が知られている。しかし、近年、画像形成装置の小型化のため、画像形成装置内が高密度化して現像装置の周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、現像装置周辺に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、現像装置を強制空冷することが困難となっている。
【0006】
特許文献1には、液体を循環させて現像装置を冷却する液冷方式の冷却装置を用いた画像形成装置が記載されている。液冷方式の冷却装置は、現像装置壁面に接触して冷却液が現像装置の熱を受ける受熱部と、冷却液の熱を放熱するための放熱手段と、冷却液が受熱部と放熱手段とを循環するように配管された循環パイプと、循環パイプ内の冷却液を搬送するための搬送手段とを備えている。液冷方式の冷却装置は、空冷方式の冷却装置よりも効率良く冷却できるため、現像装置を効率よく冷却することができる。また、冷却液を循環させるための循環パイプの断面は、ダクトの断面よりも小さいため、現像装置の周囲の空間が狭くても、現像装置の周囲に循環パイプを配置することができる。よって、画像形成装置内が高密度化しても現像装置を冷却することができる。
【0007】
特許文献1に記載の画像形成装置では、現像装置から受熱部への熱の伝達性を向上させるために熱伝導性部材が設けられており、熱伝導性部材を介して現像装置から受熱部に熱が伝達される。現像装置は画像形成装置に対して着脱可能であり、現像装置を画像形成装置から取り外す際に受熱部を現像装置から離間させ、現像装置を画像形成装置本体に装着した際に受熱部を現像装置に接触させる。そのため、現像装置に対する受熱部の繰り返しの接離によって熱伝導性部材の剥れや破れが生じるのを抑制するために、熱伝導性部材を保護する保護部材を熱伝導性部材上に設けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像形成装置内で飛散しているトナーが、冷却対象物から受熱部を離間させることで外部に露出した保護部材の表面に付着する場合がある。この場合、トナーのバインダー樹脂と保護部材とが相溶して保護部材が劣化し、保護部材による熱伝導性部材の保護機能が低下するといった問題が生じる。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、トナー付着によって保護部材が劣化することを抑制し、保護部材による熱伝導性部材の保護機能を維持できる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、冷却対象物に対して接離可能に設けられ冷却対象物から熱を受ける受熱部と、前記受熱部が受熱した熱を放出する放熱部と、前記受熱部の前記冷却対象物に対向する側の面と前記冷却対象物の前記受熱部に対向する側の面との少なくとも一方に設けられた熱伝導性部材と、前記熱伝導性部材上に設けられ該熱伝導性部材を保護する保護部材とを有する、画像形成装置に用いられる冷却装置において、前記保護部材は、画像形成装置で用いられるトナーのバインダー樹脂に対して非相溶性を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の冷却装置において、上記保護部材として、ポリエステル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂に対して非相溶性を有する部材を用いることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の冷却装置において、上記保護部材は上記熱伝導性部材を覆い隠すように上記受熱部に設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の冷却装置において、上記熱伝導性部材の端面を保護する端面保護部材を上記受熱部に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の冷却装置において、上記保護部材は、PET部材であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3または4の冷却装置において、上記保護部材は、自身の厚み方向に熱伝導性繊維が配向された熱異方性伝熱層であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の冷却装置において、上記受熱部と上記放熱部の間を冷却液が循環可能なように該受熱部と該放熱部とを連通する冷却液循環路形成部材と、冷却液を循環させる送液部とを、有することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、像担持体と、前記像担持体上に画像信号に応じて選択的に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像をトナーによって現像する現像手段と、少なくとも前記潜像形成手段または現像手段を冷却する冷却手段と、を備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7の冷却装置を用いることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、保護部材にトナーが付着しても保護部材とトナーのバインダー樹脂とが相溶しないので、保護部材とトナーのバインダー樹脂とが相溶することで保護部材が劣化することを抑制できる。よって、保護部材の劣化が抑えられるので、保護部材による熱伝導性部材の保護機能を維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、トナー付着によって保護部材が劣化することを抑制し、保護部材による熱伝導性部材の保護機能を維持できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)構成例1に係る冷却装置の受熱部の概略構成図。(b)表面保護シート層と冷却対象物とを離間させた場合の受熱部の概略構成図。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の構成概略図。
【図3】液冷方式の冷却装置の模式図。
【図4】構成例2に係る冷却装置の受熱部の概略構成図。
【図5】構成例3に係る冷却装置の受熱部の概略構成図。
【図6】構成例4に係る冷却装置の受熱部の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置について適用した実施形態について説明する。図2は、本実施形態に係るタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図である。
【0015】
複数のローラによって中間転写媒体としての中間転写ベルト61を展張し、中間転写ベルト61はこれらのローラにより回転するように構成すると共に、中間転写ベルト61のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。
【0016】
中間転写ベルト61の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト61の上方であってローラ62とローラ63との間には、中間転写ベルト61の回転方向の上流側から順に画像形成用のプロセス手段として、第1画像ステーション64Y、第2画像ステーション64C、第3画像ステーション64M、第5画像ステーション64Bkが配置されている。例えば第1画像ステーション64Yは、ドラム状の感光体71Yの周囲に帯電手段70Y、光書き込み装置72Y、現像装置73Y、クリーニング手段74Yが配置され、さらに中間転写ベルト61を挟んで感光体71の対向位置に中間転写ベルト61への転写手段としての一次転写ローラ75Yが設けられており、他の3つの画像ステーションも同一構成となっている。そしてそれら4つの画像ステーションが互いに所定のピッチ間隔となるように左右並列に配置されている。
【0017】
本実施形態では光書き込み装置72をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体71に対して画像情報に応じた露光を行う。
【0018】
中間転写ベルト61の下方には、シート状部材である用紙Pの用紙収納部76および給紙コロ77、レジストローラ対78、中間転写ベルト61を張架するローラ65に中間転写ベルト61を介して対向するように設けられた中間転写ベルト61から用紙Pへの転写手段としての二次転写ローラ66、中間転写ベルト61の裏面に接するローラ68の対向位置に中間転写ベルト61のおもて面に接するように設けられたクリーニング手段69、定着装置7、用紙Pを冷却する冷却ローラ10を有する冷却装置100、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙収容部8などが配置されている。そして、用紙収納部76から排紙収容部8へ至る用紙搬送路79が延びている。両面画像形成時に裏面の画像形成を行わせるため、冷却装置100を一度通過した用紙Pを反転させ、再度、レジストローラ対78へ搬送する両面画像形成用の用紙搬送路80も備えている。
【0019】
画像の形成プロセスは、第1画像ステーション64Yに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電手段70Yにより一様に帯電された感光体71Y上に光書き込み装置72Yにより露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置73Yによりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ75Yにより感光体71Y上から中間転写ベルト61に転写される。転写後の感光体71Yの表面はクリーニング手段74によりクリーニングされる。他の画像ステーション64も第1画像ステーション64Yと同構成であり、同様の画像形成プロセスが行われる。
【0020】
画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkにおける各現像装置73は、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有している。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーや、バインダー樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を主成分とするトナーを用いる。そして、各画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。よって、中間転写ベルト61の同一画像形成領域が4つの画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkを順次通過する間に、中間転写ベルト61を挟むようにして各感光体71とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ75により与えられる転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト61上に重ね転写されるようにすれば、上記同一画像形成領域が各画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkを1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
【0021】
ここで、冷却装置50の受熱部20は現像装置73Yの熱を受熱するものであり、冷却ファン53を装着したラジエータ54、ポンプ52、タンク51と共に送液チューブ55で連通するように連結され、冷却液1が封入されている。冷却液1の循環経路は送液チューブ55の矢印で示すように、ラジエータ54で冷やされた冷却液1を、受熱部20へ供給し、そして受熱部20内を廻ってから排出し、その後にタンク51、ポンプ52へ送り、再び、ラジエータ54に戻す順序であり、ポンプ52の回転圧力により冷却液1を循環させ、ラジエータ54で放熱することで冷却液1、如いては受熱部20を冷やす。ポンプ52のパワーやラジエータ54の大きさなどは、熱設計条件(受熱部20が冷却すべき熱量と温度の条件)によって決定される流量、圧力、冷却効率などを元に選定される。
【0022】
図2では省略して受熱部20を現像装置73Yのみに設けたが、すべての現像装置73Y,73C,73M,73Bkにそれぞれ設け、ポンプ52で送り出された冷却液1はこの順で4つの受熱部20を循環させてタンク51に送られる循環経路とする。
【0023】
このようにして、冷却装置50により現像装置73Y,73C,73M,73Bkの温度上昇を制御して、トナーの溶融および固着を防止して画質の劣化が起こらないようにしている。
【0024】
また、冷却装置50の受熱部20を接触させて冷却させる冷却対象物としては現像装置73に限られるものではなく、発熱することで画像形成装置内の温度上昇に起因する光書き込み装置72や定着装置7などに冷却装置50の受熱部20を接触させて、それら装置を冷却することにより、画像形成装置内の温度上昇を抑制することができる。
【0025】
そして、中間転写ベルト61上に形成されたフルカラートナー画像は、用紙Pに転写される。転写後の中間転写ベルト61はクリーニング手段69によりクリーニングされる。用紙Pへの転写は転写時においてローラ65上で中間転写ベルト61を介して二次転写ローラ66に転写バイアスを印加し、二次転写ローラ66と中間転写ベルト61とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。用紙Pへの転写後、用紙P上に担持されたフルカラートナー像を定着装置7で定着することにより、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成され、排紙収容部8に積載される。
【0026】
次に、図3を用いて液冷方式の冷却装置50について説明する。図3に示す冷却装置50は、タンク51内の冷却液1をポンプ52で送り出し、放熱手段であるラジエータ54を通るときに、冷却ファン53から送風を受けて外部に熱を放熱して、冷却液1と外部との熱交換が行なわれることにより冷却液1の温度を下げる。
【0027】
ラジエータ54で冷却された冷却液1は、送液チューブ55により冷却部21の一端に取り付けられた給水口から冷却部21内に供給され冷却部21内を流れる。このとき、高温となった冷却対象物30の熱を熱伝導性層22及び表面保護シート層23を介して冷却部21が奪い、冷却液1と冷却対象物30との熱交換が行なわれることで冷却部21内の冷却液1の温度が上昇する。
【0028】
冷却部21内で温度が上昇した冷却液1は冷却部21の排水口から排出され、タンク51を経由して再びポンプ52で送り出される。これらの冷却液1の循環を通して、冷却対象物30の熱を冷却装置50の外部に放出することを繰り返す。
【0029】
[構成例1]
図1を用いて、構成例1に係る冷却装置について説明する。図1は本発明の構成例1に係る冷却装置の受熱部の構成を示す概略断面図である。
【0030】
図1(a)において、受熱部20は冷却部21の受熱面に冷却対象物30からの熱を伝えるための熱伝導率の高い熱伝導性層22が設けられ、更に、熱伝導性層22の上にはトナーのバインダー樹脂と非相溶である表面保護シート層23が設けられている。受熱部20は、熱を受熱し易いようにアルミニウムや銅などの金属で構成されている。このような金属は硬度が高いため、冷却対象物との密着性が悪い。そこで低硬度の熱伝導性層22を設けることで、密着性を向上させて効率的に熱を伝えるようにしている。
【0031】
熱伝導性層22としては、効率的に熱を伝えるために熱伝導率が1[W/mK]以上であることが好ましい。
【0032】
表面保護シート層23としては、トナーのバインダー樹脂と非相溶である厚さ30[μm]のポリイミドフィルムが用いられ、この表面保護シート層23を設けることにより、冷却対象物30に対する受熱部20の着脱時における離形成を良くし、更に粘着性のある熱伝導性層22の剥がれや破れを防止して耐久性を向上させている。表面保護シート層23に用いられるポリイミドフィルムは、可塑効果のある添加剤等の含有でトナーのバインダー樹脂が相溶しないものである必要がある。
【0033】
表面保護シート層23の厚さが厚くなると熱伝導率が悪く、冷却効率が低下する。反対に表面保護シート層23の厚さが薄くなると耐久性が悪く、冷却対象物30に対して受熱部20を繰り返し着脱することによって剥がれや破れが起こる。また、表面保護シート層23を熱伝導性層22へ貼り付けるときや、冷却対象物30に対して受熱部20を繰り返し着脱したときに、表面保護シート層23にしわや折れが生じることもある。そのため、表面保護シート層23の厚さとしては、耐久性や熱伝導率を考慮して10[μm]から50[μm]程度が好ましい。
【0034】
受熱部20と冷却対象物30とは、図1(b)に示すように表面保護シート層23と冷却対象物30との間で離間する。図1(a)では受熱部20側の冷却対象物30に対向する面に熱伝導性層22と表面保護シート層23とを設けたが、冷却対象物30側の受熱部20に対向する面、あるいは、受熱部20側の冷却対象物30に対向する面と冷却対象物30側の受熱部20に対向する面との両方に設けてもよい。
【0035】
冷却対象物30から受熱部20を離間させることで外部に露出した表面保護シート層23の表面に、ごみや飛散したトナーが付着する可能性がある。表面保護シート層23の表面上にごみやトナーなどが付着したのみであれば、ブラシクリーニング、吸引クリーニング、または、クリーニング液を用いた拭き取り等の清掃方法で、表面保護シート層23の表面上からごみやトナーなどを除去することができる。ところが、表面保護シート層23に可塑効果のある成分が含有していると、トナーのバインダー樹脂と表面保護シート層23とが相溶して除去することができなくなる。このような状態になると表面保護シート層23が劣化し、更に熱伝導性層22にもトナーが付着してトナーのバインダー樹脂と熱伝導性層22とが相溶して、冷却効率の低下を引き起こす。更に、表面保護シート層23や熱伝導性層22が劣化して破損する可能性もある。
【0036】
本願発明者らは、表1に示すように、表面保護シート層23の条件を変えて受熱部20の最表面層にトナーを付着させ保存後の状態を確認した。
【0037】
【表1】

【0038】
条件1の受熱部20は、冷却部21の上に熱伝導性層22を貼り付け、表面保護シート層23は設けない構成である。熱伝導性層22には、アクリル系の放熱材を用いた。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーを用いた。そして、条件1における受熱部20の最表面層である熱伝導性層22上にトナーを付着させて放置後、トナーの状態を観察した。その結果、トナーの粒子はほとんど確認することができず、トナーのバインダー樹脂と熱伝導性層22とが相溶状態であった。
【0039】
次に、条件2の受熱部20は、冷却部21の上に熱伝導性層22を貼り付け、更に熱伝導性層22の上に表面保護シート層23を設けた構成である。熱伝導性層22にはアクリル系の放熱材を用い、表面保護シート層23にはオレフィン系のテープを用いて、表面保護シート層23をアクリル系粘着材により熱伝導性層22に貼り付けた。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーを用いた。そして、条件2における受熱部20の最表面層である表面保護シート層23上にトナーを付着させて放置後、トナーの状態を観察した。その結果、条件1と同様にトナーの粒子はほとんど確認することができず、トナーのバインダー樹脂と表面保護シート層23とが相溶状態であった。また、ブラシクリーニング、吸引クリーニング、または、クリーニング液を用いた拭き取りの清掃方法で表面保護シート層23からトナーの除去を行ったが、表面保護シート層23にトナーが固着していて取り除くことはできなかった。
【0040】
最後に、条件3の受熱部20は、条件2と同様に冷却部21の上に熱伝導性層22を貼り付け、更に熱伝導性層22の上に表面保護シート層23を設けた構成である。熱伝導性層22にはアクリル系の放熱材を用い、表面保護シート層23には厚さ30[μm]のポリイミドフィルムを用いて、表面保護シート層23をアクリル系接着材により熱伝導性層22に貼り付けた。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーを用いた。そして、条件3における受熱部20の最表面層である表面保護シート層23上にトナーを付着させて放置後、トナーの状態を観察した。その結果、放置前と同様にトナーは粒子状態で存在していた。また、ブラシクリーニング、吸引クリーニング、または、クリーニング液を用いた拭き取りの清掃方法で表面保護シート層23からトナーの除去を行ったところ、いずれの方法においても容易に表面保護シート層23からトナーを取り除くことができた。
【0041】
本構成例においては、熱伝導性層22としてアクリル系の放熱材を用いたが、シリコーン系材料など他の材料も用いることができる。
【0042】
[構成例2]
図1及び図4を用いて、構成例2に係る冷却装置について説明する。図4は本発明の構成例2に係る冷却装置の受熱部20の構成を示す概略断面図である。
【0043】
図4において、受熱部20は冷却部21の受熱面に冷却対象物30からの熱を伝えるための熱伝導率の高い熱伝導性層22が設けられ、更に、熱伝導性層22の上にはトナーのバインダー樹脂と非相溶である表面保護シート層23が設けられている。表面保護シート層23としては、トナーのバインダー樹脂と非相溶である厚さ30[μm]のポリイミドフィルムが用いられている。
【0044】
図4からわかるように、表面保護シート層23の表面積は熱伝導性層22の表面積より大きく、熱伝導性層22を覆い隠すように表面保護シート層23が熱伝導性層22の上に設けられるとともに、表面保護シート層23の端部周りの面が直接、冷却部21の受熱面に貼り付けられている。これより、熱伝導性層22の端面は表面保護シート層23により保護され外部に露出せず、トナーが飛散しても熱伝導性層22の端面にトナーが付着しない構成になっている。
【0045】
なお、その他の受熱部20の構成及び機能については、構成例1と同様であるので説明を省略する。
【0046】
ここで、本願発明者らは、図1に示す構成において、熱伝導性層22の端面付近にトナーを付着させ保存後の状態を確認した。この際に用いた受熱部20は、冷却部21の上に熱伝導性層22を貼り付け、更に熱伝導性層22の上に表面保護シート層23を設けた構成である。熱伝導性層22にはアクリル系の放熱材を用い、表面保護シート層23には厚さ30[μm]のポリイミドフィルムを用いて、表面保護シート層23をアクリル系接着材により熱伝導性層22に貼り付けた。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーを用いた。そして、熱伝導性層22の端面付近にトナーを付着させて放置後、トナーの状態を観察した。その結果、熱伝導性層22の端面にはトナーのバインダー樹脂が相溶した状態で付着していた。このような状態で受熱部20と冷却対象物30との着脱を繰り返し行ったところ、熱伝導性層22の端面が欠け、更には、その周囲の熱伝導性層22や表面保護シート層23の一部が剥がれた。
【0047】
これに対し、図4に示す構成においては、熱伝導性層22の端面にトナーが付着することはないので、上述したような熱伝導性層22の端面にトナーのバインダー樹脂が相溶することで生じ得る熱伝導性層22や表面保護シート層23の劣化を抑制することができる。ただし、長期間使用した場合、冷却部21に貼られた表面保護シート層23の周囲部が剥がれる可能性があるため、この箇所を押圧して保持する方法を取ることが好ましい。
【0048】
[構成例3]
図1及び図5を用いて、構成例3に係る冷却装置について説明する。図5は本発明の構成例3に係る冷却装置の受熱部20の構成を示す概略断面図である。
【0049】
図5において、受熱部20は冷却部21の受熱面に冷却対象物30からの熱を伝えるための熱伝導率の高い熱伝導性層22が設けられ、更に、熱伝導性層22の上にはトナーのバインダー樹脂と非相溶である表面保護シート層23が設けられている。表面保護シート層23としては、トナーのバインダー樹脂と非相溶である厚さ30[μm]のポリイミドフィルムが用いられており、表面保護シート層23をアクリル系接着材により熱伝導性層22に貼り付けられている。
【0050】
更に、熱伝導性層22及び表面保護シート層23の周囲には、熱伝導性層22の端面や表面保護シート層23の端面と接しつつ取り囲むように、端面保護部材24が冷却部21の受熱面上に設けられている。これにより、トナーが飛散しても端面保護部材24によって外部に露出がなされない熱伝導性層22の端面や表面保護シート層23の端面にトナーが付着しない構成になっている。
【0051】
なお、その他の受熱部20の構成及び機能については、構成例1と同様であるので説明を省略する。
【0052】
[構成例4]
図1及び図6を用いて、構成例4に係る冷却装置について説明する。図6は本発明の構成例4に係る冷却装置の受熱部20の構成を示す概略断面図である。
【0053】
図1において、受熱部20は冷却部21の受熱面に冷却対象物30からの熱を伝えるための熱伝導率の高い熱伝導性層22が設けられ、更に、熱伝導性層22の上にはトナーのバインダー樹脂と非相溶である表面保護シート層23が設けられている。
【0054】
表面保護シート層23としては、トナーのバインダー樹脂と非相溶である厚さ50[μm]のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが用いられ、この表面保護シート層23を設けることにより、冷却対象物30に対する受熱部20の着脱時における離形成を良くし、更に粘着性のある熱伝導性層22の剥がれや破れを防止して耐久性を向上させている。表面保護シート層23に用いられるPETフィルムは、可塑効果のある添加剤等の含有でトナーのバインダー樹脂が相溶しないものである必要がある。また、表面保護シート層23にPETフィルムを用いることにより低コスト化を図ることができる。
【0055】
表面保護シート層23の厚さが厚くなると熱伝導率が悪く、冷却効率が低下する。反対に表面保護シート層23の厚さが薄くなると耐久性が悪く、冷却対象物30に対して受熱部20を繰り返し着脱することによって剥がれや破れが起こる。また、表面保護シート層23を熱伝導性層22へ貼り付けたときや、冷却対象物30に対して受熱部20を繰り返し着脱したときに、表面保護シート層23にしわや折れが生じることもある。そのため、表面保護シート層23の厚さとしては、耐久性や熱伝導率を考慮して10[μm]から50[μm]程度が好ましい。
【0056】
なお、その他の構成及び機能については、構成例1と同様であるので説明を省略する。
【0057】
本願発明者らは、表2に示すように、表面保護シート層23やトナーのバインダー樹脂の条件を変えて受熱部20の最表面層にトナーを付着させ保存後の状態を確認した。
【0058】
【表2】

【0059】
条件4の受熱部20は、冷却部21の上に熱伝導性層22を貼り付け、更に熱伝導性層22の上に表面保護シート層23を設けた構成である。熱伝導性層22にはアクリル系の放熱材を用い、表面保護シート層23には厚さ30[μm]のポリイミドフィルムを用いて、表面保護シート層23をアクリル系接着材により熱伝導性層22に貼り付けた。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーを用いた。そして、条件4における受熱部20の最表面層である表面保護シート層23上にトナーを付着させて放置後、トナーの状態を観察した。その結果、放置前と同様にトナーは粒子状態で存在していた。また、ブラシクリーニング、吸引クリーニング、または、クリーニング液を用いた拭き取りの清掃方法で表面保護シート層23からトナーの除去を行ったところ、いずれの方法においても容易に表面保護シート層23からトナーを取り除くことができた。
【0060】
また、条件5は、条件4に対してトナーのバインダー樹脂の条件だけを変化させ、具体的には、バインダー樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を主成分とするトナーを用いて同様の確認を行った。その結果、条件4と同様の結果が得られた。
【0061】
次に、条件6の受熱部20は、条件4と同様に冷却部21の上に熱伝導性層22を貼り付け、更に熱伝導性層22の上に表面保護シート層23を設けた構成である。熱伝導性層22にはアクリル系の放熱材を用い、表面保護シート層23には厚さ50[μm]のPETフィルムを用いて、表面保護シート層23をアクリル系接着材により熱伝導性層22に貼り付けた。トナーには、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーを用いた。そして、条件5における受熱部20の最表面層である表面保護シート層23上にトナーを付着させて放置後、トナーの状態を観察した。その結果、放置前と同様にトナーは粒子状態で存在していた。また、ブラシクリーニング、吸引クリーニング、または、クリーニング液を用いた拭き取りの清掃方法で表面保護シート層23からトナーの除去を行ったところ、いずれの方法においても表面保護シート層23からトナーを容易に取り除くことができた。
【0062】
また、条件7は、条件6に対してトナーのバインダー樹脂の条件だけを変化させ、具体的には、バインダー樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を主成分とするトナーを用いて同様の確認を行った。その結果、条件6と同様の結果が得られた。
【0063】
本実施形態においては、表面保護シート層23としてトナーのバインダー樹脂と非相溶であるポリイミドフィルムやPETフィルムを用いたが、これに限るものではない。すなわち、可塑効果のある添加剤等を含有しないトナーのバインダー樹脂と非相溶であり熱伝導性が高く、冷却対象物30に対する受熱部20の繰り返しの着脱に耐えるものであれば用いることができる。更に、表面保護シート層23に熱異方性のあるシートを用い、面方向の熱伝導率よりも厚み方向の熱伝導率のほうを高くすることにより、表面保護シート層23の面方向への熱拡散を抑え、受熱部20と冷却対象物30との熱交換を効率良く行うことができる。
【0064】
以上、本実施形態によれば、冷却対象物30に対して接離可能に設けられ冷却対象物から熱を受ける受熱部20と、受熱部20が受熱した熱を放出する放熱部であるラジエータ54と、受熱部20の冷却対象物30に対向する側の面と冷却対象物30の受熱部20に対向する側の面との少なくとも一方に設けられた熱伝導性部材である熱伝導性層22と、熱伝導性層22上に設けられ熱伝導性層22を保護する保護部材である表面保護シート層23とを有する、画像形成装置に用いられる冷却装置50において、表面保護シート層23は、画像形成装置で用いられるトナーのバインダー樹脂に対して非相溶性を有する。これにより、表面保護シート層23にトナーが付着しても表面保護シート層23とトナーのバインダー樹脂とが相溶しないので、表面保護シート層23とトナーのバインダー樹脂とが相溶することで表面保護シート層23が劣化することを抑制できる。よって、表面保護シート層23の劣化が抑えられる分、表面保護シート層23による熱伝導性層22の保護機能を維持することができる。したがって、熱伝導性層22の劣化を抑制することができ、長期間にわたって冷却装置の受熱部20の冷却性能を維持できると共に、熱伝導性層22を長期間にわたって交換することなく使用することができる。
また、本実施形態によれば、表面保護シート層23として、ポリエステル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂に対して非相溶性を有する部材を用いることで、画像形成装置で用いられるトナーに、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を主成分とするトナーや、バインダー樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を主成分とするトナーを用いた場合に、表面保護シート層23にトナーが付着しても表面保護シート層23とトナーのバインダー樹脂とが相溶しないので、表面保護シート層23とトナーのバインダー樹脂とが相溶することで表面保護シート層23が劣化することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、表面保護シート層23は熱伝導性層22を覆い隠すように受熱部20に設けられていることで、熱伝導性層22の端面にトナーが付着するのを抑え、熱伝導性層22の端部の劣化を抑制することができる。よって、より長期間にわたって冷却装置の受熱部20の冷却性能を維持できると共に、熱伝導性層をより長期間にわたって交換することなく使用することができる。
また、本実施形態によれば、熱伝導性層22の端面を保護する端面保護部材24を、冷却対象物30または受熱部20に設けたことで、端面保護部材24により熱伝導性層22の端面にトナーが付着するのが抑えられ、熱伝導性層22の端部の劣化を抑制することができる。よって、より長期間にわたって冷却装置の受熱部20の冷却性能を維持できると共に、熱伝導性層をより長期間にわたって交換することなく使用することができる。
また、本実施形態によれば、表面保護シート層23としてPET部材であるPETシートを用いることで、低コストのシートを用いることができるので、装置のコストを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、表面保護シート層23は、自身の厚み方向に熱伝導性繊維が配向された熱異方性伝熱層であることで、冷却対象物30の熱を受熱部20に効率良く伝えることができるので、受熱部20による冷却対象物30の冷却性能を高めることができる。
また、本実施形態によれば、受熱部20とラジエータ54との間を冷却液1が循環可能なように受熱部20とラジエータ54とを連通する冷却液循環路形成部材である送液チューブ55と、冷却液1を循環させる送液部であるポンプ52と、を有する液冷方式の冷却装置であることで、装置内の冷却対象物30の熱を内部に冷却液1が流れる受熱部20で受熱して、その熱をラジエータ54から装置外に放出するので、装置内の局所冷却を行なうことができる。また、冷却箇所に冷却ファンを用いないので、トナー飛散の低減や静音化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、像担持体である感光体71と、感光体71上に画像信号に応じて選択的に潜像を形成する潜像形成手段である光書き込み装置72と、感光体71上に形成された潜像をトナーによって現像する現像手段である現像装置73と、少なくとも光書き込み装置72または現像装置73を冷却する冷却手段と、を備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、本発明の冷却装置を用いることにより、長期間にわたって冷却装置の受熱部20の冷却性能を維持できると共に、熱伝導性層を長期間にわたって交換することなく使用することができる。特に、液冷方式の冷却装置を用いることで装置内の冷却対象物30の熱を内部に冷却液1が流れる受熱部20で受熱して、その熱をラジエータ54から装置外に放出するので、装置内の局所冷却を行なうことができる。また、冷却箇所に冷却ファンを用いないので、画像形成装置内でのトナー飛散の低減や静音化を図ることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 冷却液
7 定着装置
8 排紙収容部
10 冷却ローラ
20 受熱部
21 冷却部
22 熱伝導性層
23 表面保護シート層
24 端面保護部材
30 冷却対象物
50 冷却装置
51 タンク
52 ポンプ
53 冷却ファン
54 ラジエータ
55 送液チューブ
61 中間転写ベルト
62 ローラ
63 ローラ
64 画像ステーション
65 ローラ
66 二次転写ローラ
68 ローラ
69 クリーニング手段
70 帯電手段
71 感光体
72 光書き込み装置
73 現像装置
74 クリーニング手段
75 一次転写ローラ
76 用紙収納部
77 給紙コロ
78 レジストローラ対
79 用紙搬送路
80 用紙搬送路
100 冷却装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開2008−277684号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却対象物に対して接離可能に設けられ冷却対象物から熱を受ける受熱部と、
前記受熱部が受熱した熱を放出する放熱部と、
前記受熱部の前記冷却対象物に対向する側の面と前記冷却対象物の前記受熱部に対向する側の面との少なくとも一方に設けられた熱伝導性部材と、
前記熱伝導性部材上に設けられ該熱伝導性部材を保護する保護部材とを有する、画像形成装置に用いられる冷却装置において、
前記保護部材は、画像形成装置で用いられるトナーのバインダー樹脂に対して非相溶性を有することを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
請求項1の冷却装置において、
上記保護部材として、ポリエステル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂に対して非相溶性を有する部材を用いることを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
請求項1または2の冷却装置において、
上記保護部材は上記熱伝導性部材を覆い隠すように上記受熱部に設けられていることを特徴とする冷却装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の冷却装置において、
上記熱伝導性部材の端面を保護する端面保護部材を上記受熱部に設けたことを特徴とする冷却装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の冷却装置において、
上記保護部材は、PET部材であることを特徴とする冷却装置。
【請求項6】
請求項1、2、3または4の冷却装置において、
上記保護部材は、自身の厚み方向に熱伝導性繊維が配向された熱異方性伝熱層であることを特徴とする冷却装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の冷却装置において、
上記受熱部と上記放熱部の間を冷却液が循環可能なように該受熱部と該放熱部とを連通する冷却液循環路形成部材と、
冷却液を循環させる送液部とを、有することを特徴とする冷却装置。
【請求項8】
像担持体と、
前記像担持体上に画像信号に応じて選択的に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体上に形成された潜像をトナーによって現像する現像手段と、
少なくとも前記潜像形成手段または現像手段を冷却する冷却手段と、
を備えた画像形成装置において、
前記冷却手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7の冷却装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−180573(P2011−180573A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227212(P2010−227212)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】