説明

出来たて風味の惣菜およびこの惣菜を含む弁当

【課題】 電子レンジによって加熱したときに、香気豊かな、より出来立てに近い風味を有する惣菜や、こうした惣菜を含む弁当を経済的に提供しようとする。
【解決手段】 調理済みまたは半調理した食品11を、内面が耐水性、耐油性であって、自立性があり、かつ折り癖を付けることができるような容器袋1に収納し、その開口部を折り畳んで包み12、シールラベル13で封をする。こうした容器袋入りの惣菜16を、喫食時に電子レンジで加熱又は半調理することにより、出来立てに近い風味とジューシー感のある惣菜を得る。また、こうした惣菜をごはん等と共に弁当容器に収納して弁当を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジで加熱することによって得られる出来立て状態の風味を有する惣菜に関する。さらに、出来立て状態の香気を有する惣菜に関する。また、こうした惣菜を含む弁当に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアーが提供している惣菜や弁当は、焼肉、鮭の塩焼き、魚フライ、ポテトサラダ、野菜サラダなどの惣菜と、これらをおかずとする弁当が主体であり、顧客の様々な好みに必ずしも応えられるものではなかった。
また、コンビニエンスストアーで販売される弁当は、保存性と衛生を考えて消費者が購入するまでは、低温ないし冷凍保存されており、購入時に電子レンジで加熱して提供するようにしている。
【0003】
こうした従来の弁当では、通常、電子レンジによって加熱したときにも変形しないようなトレイと蓋を組合せた容器に、上記のような惣菜とごはんを一緒に詰めて提供されている。
また、おしんこ、生野菜のような加熱に適しない食品については、容器の一部に電子レンジの電磁波をシールドするシールド材を装着し、収納食品に応じて選択的に加熱するようなことも提案されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開2000−355376
【0004】
しかしながら、生活習慣、特に食生活習慣の多様化に伴い、コンビニエンスストアーの利用が急速に拡大し、また、利用者としても従来の若年層だけでなく中高年者や一人者の高齢者も増加したこともあって、上記したような従来の惣菜や弁当だけでなく、汁気の多い、しかも香気豊かなあたかも出来立ての惣菜に近い風味を有する惣菜や、こうした惣菜を含む弁当も求められるようになってきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電子レンジによって加熱したときに、香気豊かな、より出来立てに近い風味を有する惣菜や、こうした惣菜を含む弁当を経済的に提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、調理済みまたは半調理した食品を、内面が耐水性、耐油性であって、自立性があり、かつ折り癖を付けることができるような容器袋に収納して包み、喫食時には上記容器袋の内外を通気可能な状態において電子レンジで加熱又は半調理することにより、上記した所望の惣菜や、こうした惣菜を含む弁当を得ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より出来立てに近い風味を有する惣菜や、こうした惣菜を含む弁当を経済的に得ることができる。また、電子レンジで加熱することによって、出来立てに近い風味が得られ、更に香り立ちの良い、香気豊かな惣菜や、こうした惣菜を含む弁当を簡便に得ることができる。さらに、弁当の場合は、他のおかずの匂いや汁気と混じり合わず、各惣菜独自の美味しさを夫々に保つことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
容器袋1の内面は、耐水性、耐油性とされており、通常、延伸ポリプロピレンフイルム(0PP)、ポリエステルフイルム(PET)、ポリブチレンテレフタレートフイルム(PBT)、ポリエチレンフイルム(PE)その他のプラスチックフイルム2などを用いるとよい。また、ヒートシールなどの可能なものを使用すると容器袋が一層作り易いし、使用し易いものとなる。さらに、上記PBTを用いると約260〜280℃程度の耐熱性の高いものを得ることができるが、一般には、0PPが使用し易い。
【0009】
この容器袋1は、自立性があって、折り癖を付けることができる性質を有している。こうした性質は、上記内面を形成するプラスチックフイルム2だけで得られることもあるが、通常、上記プラスチックフィルム2の外面に紙・布類3をラミネートすることによって、一層得易くなる。こうした紙・布類3には、薄葉紙、硫酸紙等の洋紙、和紙、布、不織布、薄経木などの紙様の素材を用いることができる。
【0010】
上記紙・布類3の外面は、更にプラスチックフイルム4で覆うようにすると好ましい。こうしたプラスチックフイルムは、上記した容器袋1の内面を形成するプラスチックフイルムを使用することができるが、内面のプラスチックフイルムと同じものの組合せでもよいし、違ったものの組合せでもよい。また、この外面のプラスチックフイルム4は、基本的に耐水性、耐油性の材料でなくても足りるので、各種のプラスチックフイルムを用いることができる。
この外面のプラスチックフイルム4の表面はマット加工を施したものなどにすると、外観と手触りの良いものがえられる。
【0011】
上記した内面側のプラスチックフイルム2は、約5〜40μ程度の厚味に、好ましくは約15〜30μ程度にするとよく、上記紙・布類3は、紙の場合はその目付量が約7g/m〜50g/m、好ましくは約14g/m〜30g/m程度にするとよい。また、外面のプラスチックフイルム4は、上記内側のプラスチックフイルムと同範囲の厚味にするとよいが、容器袋の自立性と折り癖付けを可能とするような適宜の厚味にすることができる。
【0012】
図示するものは、内面2を20μの延伸ポリプロピレンフイルム(OPP)とし、紙・布類3に目付量21g/mの薄葉紙を使用し、外面4を25μの表面をマット加工した延伸ポリプロピレンフイルム(OPP)としたものを使用している。これを使用して、一側に折り込みひだ5を作り、他側を開放6し、両端をヒートシール7しており、上記折り込みひだ5を広げる様にして容器袋1の底部8とすると、この容器袋は自立性があり、折り癖を付けることができるようなものであるからこの状態を保ち、また、上記開放部6を上部開口9として広げた状態を維持することができる。
【0013】
上記容器袋1の上部開口9から、調理済みまたは半調理した食品11を収納する。
上記調理済みまたは半調理した食品としては、鶏肉,豚肉,牛肉,羊肉その他の肉類、魚,貝,海草,練り物その他の魚類、野菜,きのこその他の野菜類、うどん,そば,マカロニ,スパゲティー,ビーフンその他の穀物の加工品類、チーズ,ヨーグルトその他の乳製品類、卵や卵の加工類など各種の材料を使用した種々の食品がある。
例えば、鶏肉を主体とする食品として鶏の香草焼ワイン風味、豚肉や牛肉を主体とする食品として豚肉の梅生姜焼き、豚肉・牛肉・鶏肉等の煮込みハンバーグ、魚肉を主体とする食品として鮭のチャンチャン焼き、鯛とアサリのワイン蒸し、スズキのバルサミコソースかけ、野菜と豚肉・牛肉を主体とする食品としてロールキャベツなどがあり、この中には汁気の多い各種の食品もある。
【0014】
上記食品を容器袋1に収納したあとで、両端のヒートシール7を摘んで両側に引張るようにすると、上部開口9が狭くなるので、この上部開口9側を底部8側に向って2回折り曲げるようにして折り畳む12と、その状態に癖付けされて封をすることができる。この封をしたものには、その中央部にシールラベル13を貼付して、上記折り畳みによって封をした状態を維持できる。
【0015】
こうして容器袋1に収納した食品からは、液が流れ出たり、滲み出したりすることがないし、この容器袋1は自立性があるので上記癖付けされた状態を維持することができるから、容器袋の上部14が、中に収納されている食品11の上に垂れ下がってくるようなことは無く、食品11の上面と容器袋の上部14との間に適当なスペース15が存在するように保ち、容器袋の上部に中の食品が付着するようなことがない。
こうした、容器袋1入りの惣菜16は、その状態で冷蔵または冷凍して販売することができる。
【0016】
上記容器袋1入りの惣菜16を、冷蔵または冷凍の状態に応じて電子レンジによって加熱時間を変えて加熱すると、加熱に伴って収納されている食品が暖められると共に、中の食品から水蒸気が発生するようになり、それに伴って袋の上部が膨らむが、シールラベル13によってそれ以上は膨らまないので、上昇した水分は容器袋の上部内面を伝わって自然に下方の底部に落ちるようになり、収納されている食品の上にボタボタと滴が落ちてくるようなことがない。
【0017】
そして、上記加熱によって容器袋内で過剰となった水蒸気は、容器袋の上部折り畳み部12を通って自然に外方に逃げて行くので、容器袋が破裂することもなく、食品の水分が容器袋から浸出したり、容器袋の外に漏れ出すこともない。
【0018】
こうして加熱された惣菜の中身は、上記のものでは容器袋に紙を使用していることもあって、直接には見ることができず、あたかも奉書包みの料理を食べるときのように、どんな惣菜であろうかと、シールラベル13を剥がして容器袋1を開ける楽しみがあり、容器袋の上部の折り畳み部12を延ばせば上部開口9が大きく開き、その時の食品の香りが一層のこと食欲をそそるようになって、中身の食品を見ながら汁気が多く、調理の出来立て状態の風味を有する惣菜を味わうことができる。
【0019】
この場合、上記ヒートシール7の部分に切欠き17を設けたりして、容器袋の上部14を切除くことができるようにしておくと、加熱、開封後にこの上部を切り除けば、中の食品までの距離が近くなって容器袋が邪魔にならず、収納されている食品が一層食べ易くなる。
また、半調理された食品については、半調理の程度に応じて過熱時間を変えて加熱すれば、最終的な調理が終り、同様に出来立て状態の風味を有する食品として味わうことができる。
【0020】
図5に示すものは、上記容器袋1の一部に帯状の透視部18を設けたもので、容器袋に収納した食品を外から透視できるようにしたものである。こうした容器袋は、積極的に中身の食品を見せた方が良いような、例えば、彩りの鮮やかな見た目にも美しい食品を収納する場合に好適に用いることができる。上記透視部は、食品等に応じて適宜の形状に形成することができる。
【0021】
また、こうした容器袋1は、上部開口9をヒートシールによって封をすることもできる。こうした場合には、上記上部開口部分にヒートシールをしない部分を設けて、電子レンジで加熱するときに、容器袋内の膨張した水蒸気などが外に出て行くように、容器袋の内外を通気可能な状態になるようにしておくとよい。また、上部開口9の全部をヒートシールした場合には、電子レンジで加熱する際に一部を切除くこと等ができるようにしてやるとよい。
上記ヒートシールした容器袋の上部が長かったり、大きかった場合には、上記と同様に適宜に折り畳むようにすればよい。
【0022】
上記した容器袋に収納する食品には、上記加熱によって揮発し易い材料を併せて使用すると更に好ましい。こうした揮発し易い材料としては、例えば、ワイン、日本酒などの酒類、バター、マーガリン、ごま油などの油脂類、酢、味噌、醤油などの調味料、香辛料、香料その他の材料がある。これらの材料は、食品の種類によって単独または複合して用いることができる。
【0023】
こうした材料を使用しているものでは、電子レンジでの加熱により、封をされた容器袋の中でこれらの材料が食品全体に広がると共に、その香気成分が香り立って、容器袋を開けたときにその香りが先ず消費者の食欲を刺激し、出来立ての惣菜としての風味を一層向上させることができる。
また、バター19、マーガリンなどの食材では、固形状のものを食品の上に載せた状態で提供すると、加熱によってこれらのものが溶けて食品の全体に広がるとともに、フレッシュな香気、風味を更に感じさせることができる。
【0024】
上記容器袋1に包んだ惣菜16は、ごはん21やその他の副食品22と共にトレイ20の中に詰め合わせ、蓋23をし、ラップフイルム24で包んで弁当25とし、冷蔵または冷凍して提供されるが、こうした場合には、一緒に詰め合わせられているごはん21やその他の副食品22が電子レンジによって丁度食べ頃に温められたときに、上記容器袋に包んだ惣菜16も出来立て状態に加熱されるようにするとよい。
【0025】
図6〜図9に示す弁当25では、3つに仕切られた収納部を持つトレイ20の大きな収納部に上記容器袋1に包んだ惣菜16を納め、中位の収納部にごはん21を入れ、小さな収納部にコーンドレッシング和え、ニンジン、ポテトに味付けした副食品22を納め、ごはん21の上には紅葉形のビニール製ハラン27をおいて、漬物28を載せ、その上から透明な蓋23を被せ、更にラップフイルム24で覆っており、別封の醤油29を添付している。
上記容器袋1に包んだ惣菜16は、鮭ときのこのバター風味焼きであるが、上記惣菜は容器袋に包まれていて中身が判らないので、上記蓋23側のラップフイルム24の上に、容器袋に包まれている中身の惣菜の様子を示し説明を加えた表示ラベル30を貼付して表示している。
【実施例】
【0026】
(例1)
〔鶏の香草焼ワイン風味惣菜〕
1.鶏モモ肉100gを、水100ml、香草0.5g、塩0.5g、コショウ0.2g、PH調整剤0.8gの溶液に3時間漬込み、次いで鉄板に油を塗り240℃で7分間焼きあげる。
2.水100mlの中に砂糖10g、塩0.5g、バター10g、コショウ0.2g、PH調整剤0.8gを溶かし、クリンクルキャロットを入れ、10分間ボイルする。
3.水100mlに塩1g、コショウ2g、PH調整剤0.8gを溶かし、コーンを入れて7分間ボイルする。
4.内面を20μのOPPフイルムとし、その外側に21g/mの薄葉紙をラミネートし、更にその上を25μの表面をマット加工したOPPフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記焼いた鶏モモ肉、ボイルしたクリンクルキャロット2ケ、コーン20gを入れ、さらに固形バター20g、ワインタイプの料理酒10ml、バジル0.5gを入れ、容器袋の上部を折り畳み中央部にシールラベルを貼付して封をした。
5.この容器袋で包んだ惣菜を20℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで25秒間加熱した。
6.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人中4人が、通常の調理直後に近い風味と香気とジューシー感を示していると評価した。
【0027】
(例2)
〔鶏の香草焼ワイン風味弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例1の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて蓋をし、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を20℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで40秒間加熱したところ、暖かいごはんと上記例1の暖かな惣菜のある弁当が得られた。
【0028】
(例3)
〔豚肉の梅生姜焼風惣菜〕
1.水70mlにショウガ1g、ニンニク0.5g、PH調整剤0.6gを入れ、豚ロース肉スライス35gを3枚、1時間漬け込む。
2.鉄板に油を塗り、漬け込んだ豚ロース肉を焼く。
3.玉ねぎ50g、キャベツ40gを油10g、塩0.5g、コショウ0.3g、PH調整剤0.8gを入れ6分間炒める。
4.内面を20μのOPPフイルムとし、その外側に17g/mの薄葉紙をラミネートし、更にその上を20μのPEフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記玉ねぎとキャベツ炒めを50g、焼いた豚ロース肉3枚を入れ、肉の上に日本酒タイプの料理酒10ml、きざみショウガ3gを入れ、袋の上部を折り畳み中央部にシールラベルを貼付して封をした。
5.この容器袋で包んだ惣菜を冷凍して48時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジにより90秒で解凍、加熱した。
6.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人中3人が、通常の調理直後に近い風味と香気を示していると評価した。
【0029】
(例4)
〔豚肉の梅生姜焼風弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例3の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて蓋をし、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を冷凍して48時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで解凍、加熱したところ、暖かいごはんと上記例3の暖かな惣菜のある弁当が得られた。
【0030】
(例5)
〔煮込みハンバーク惣菜〕
1.玉ねぎ100gを釜で炒め、デミグラスソース50g、PH調整剤0.8gを入れ5分間煮込む。
2.ハンバーグ50gを釜のデミグラスソースの中に入れ10分間煮込む。
3.煮込んだハンバーグを網で掬い取り、バットに入れて冷却する。
4.デミグラスソースをバットに取り、冷却する。
5.内面を15μのOPPフイルムとし、その外側に27g/mの硫酸紙をラミネートし、更にその上を20μの表面をマット加工したOPPフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記ハンバーグ、デミグラスソース80g、赤ワイン風料理酒10ml、カットバター5g、粉チーズ5gを入れ、袋の上部を折り畳み中央部にシールラベルを貼付して封をした。
6.この容器袋で包んだ惣菜を7℃に冷蔵し24時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジにより30秒で加熱した。
7.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人中4人が、通常の調理直後に近い惣菜の風味と香気とジューシー感を示していると評価した。
【0031】
(例6)
〔煮込みハンバーグ弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例5の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて透明な蓋をし、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を7℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジによって45秒で加熱したところ、暖かいごはんと上記例5の暖かな惣菜のある弁当が得られた。
【0032】
(例7)
〔鮭のチャンチャン焼風惣菜〕
1.水50mlに塩0.5g、コショウ0.1g、PH調整剤0.4gを入れ、秋鮭50gを2時間漬け込む。
2.鉄板に油を塗り、漬け込んだ秋鮭を250℃で、5分間焼く。
3.玉ねぎ60gを油と、塩0.3g、PH調整剤0.5gで5分間炒める。
4.キャベツ40gを油と、塩0.2g、PH調整剤0.3gで4分間炒める。
5.冷凍のベジタブルミックス30gを水100ml、PH調整剤0.8g、塩1gで7分間ボイルする。
6.内面を14μのPETフイルムとし、その外側に15g/mの薄葉紙をラミネートし、更にその上を20μのPEフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記焼いた秋鮭を入れ、玉ねぎ炒め30g、キャベツ炒め20gを載せ、ベジタブルミックス10gを散らす。
7.更に、日本酒タイプの調理酒10ml、味噌ソース15gをかけ、固形バター10gを載せ、袋の上部を折り畳み中央部にシールラベルを貼付して封をした。
8.この容器袋で包んだ惣菜を20℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで25秒間加熱した。
9.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人全員が、通常の調理直後に近い風味と香気とジューシー感を示していると評価した。
【0033】
(例8)
〔鮭のチャンチャン焼風弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例7の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて蓋をし、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を20℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで40秒間加熱したところ、暖かいごはんと上記例7の暖かな出来立て風味の惣菜のある弁当が得られた。
【0034】
(例9)
〔鯛とアサリのワイン蒸し惣菜〕
1.水30mlに塩0.3g、コショウ0.1g、PH調整剤0.3gを入れ、これに鯛30gを2時間漬け込む。
2.鉄板に油を塗り、漬け込んだ鯛を230℃で4分焼く。
3.玉ねぎ60gを油と、塩0.3g、PH調整剤0.5gで5分間炒める。
4.内面を10μのPBTフイルムとし、その外側に30g/mの薄葉紙をラミネートし、更にその上を10μのPBTフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記炒めた玉ねぎ30g、焼いた鯛、アサリ20gを入れ、更に白ワイン風料理酒10g、カットバター5gを入れて、袋の上部を折り畳みシールラベルを貼って封をした。
5.この容器袋で包んだ惣菜を冷凍して48時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジによって90秒で解凍、加熱した。
6.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人中3人が、通常の調理直後に近い風味と香気とジューシー感を示していると評価した。
【0035】
(例10)
〔鯛とアサリのワイン蒸し風弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例9の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて蓋をして、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を冷凍して48時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで解凍、加熱したところ、暖かいごはんと上記例9の暖かな惣菜のある弁当が得られた。
【0036】
(例11)
〔スズキのバルサミコソソースかけ風惣菜〕
1.水40mlに塩0.4g、コショウ0.1g、PH調整剤0.3gを入れ、スズキ40gを2時間漬け込む。
2.鉄板に油を塗り、漬け込んだスズキを240℃で4分間焼く。
3.アスパラガス20gを水60ml、塩0.2g、PH調整剤0.1gで4分間ボイルする。
4.かぼちゃスライス15gを2分間、油で揚げる。
5.内面を20μのOPPフイルムとし、その外側に27g/mの薄葉紙をラミネートし、更にその上を20μの表面をマット加工したOPPフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記焼いたスズキ、ボイルしたアスパラガス20g、かぼちゃスライス15g、オリ−ブオイル10g、バルサミコ酢5gを入れ、袋の上部を折り畳み中央部にシールラベルを貼付して封をした。
6.この容器袋で包んだ惣菜を7℃に冷蔵し24時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで30秒加熱した。
7.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人中4人が、通常の調理直後に近い惣菜の風味と香気とジューシー感を示していると評価した。
【0037】
(例12)
〔スズキのバルサミコソソースかけ風弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例11の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて透明な蓋をし、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を7℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで45秒間加熱したところ、暖かいごはんと上記例11の暖かな惣菜のある弁当が得られた。
【0038】
(例13)
〔ロールキャベツ惣菜〕
1.冷凍のロールキャベツ40gをトマトソース80gで煮る。
2.ロールキャベツを取り出し冷却する。
3.煮込んだソースを冷却する。
4.水100mlに砂糖10g、塩0.5g、バター10g、コショウ0.2g、PH調整剤0.8gを入れ、クリンクルキャロットを入れ、7分間ボイルする。
5.内面を14μのOPPフイルムとし、その外側に35g/mの薄葉紙をラミネートし、更にその上を15μの表面をPEフイルムで覆った図4と同様の容器袋に、上記ロールキャベツ40g、クリンクルキャロット2個、ソース70g、白ワイン風調理酒10ml、固形バター5gを入れ、袋の上部を折り畳みシールを貼付して封をした。
6.この容器袋で包んだ惣菜を20℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで25秒間加熱した。
7.上記加熱後の惣菜について、専門パネル5人による官能検査により評価を行った。その結果、5人全員が、通常の調理直後に近い風味と香気とジューシー感を示していると評価した。
【0039】
(例14)
〔ロールキャベツ弁当〕
1.図示する弁当トレイに200gの白飯を盛り、例13の容器袋包み込み惣菜を入れ、他の副食品を添えて蓋をし、更にラップフイルムで包み、弁当とした。
2.この弁当を20℃で20時間保存した。その後で、1.6KWの電子レンジで40秒間加熱したところ、暖かいごはんと上記例13の暖かな出来立て風味の惣菜のある弁当が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例を示す惣菜の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】容器袋の断面構造を示す一部省略断面図である。
【図4】図1惣菜を包んでいる容器袋の正面図である。
【図5】容器袋の変形例を示す正面図である。
【図6】本発明の実施例を示す弁当の斜視図である。
【図7】図6の断面図である。
【図8】図6の弁当の蓋を除いた状態の斜視図である。
【図9】図8の惣菜の容器袋を開いた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 容器袋
2 容器袋内面のプラスチックフイルム
3 容器袋の紙・布類
4 容器袋外面のプラスチックフイルム
5 折り込みひだ部
6 開放部
7 ヒートシール部
8 底部
9 上部開口
11 食品
12 折り畳み部
13 シールラベル
15 容器袋の上部のスペース
16 容器袋入り惣菜
18 容器袋の透視部
20 弁当用トレイ
21 ごはん
23 弁当の蓋
25 弁当
30 表示ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理済みまたは半調理した食品を、内面が耐水性、耐油性であって、自立性があり、折り癖を付けることができ容器袋に入れて包み、喫食時に上記容器袋の内外を通気可能状態において電子レンジで加熱又は半調理することを特徴とする出来立て風味の惣菜。
【請求項2】
上記容器袋は、内面を耐水性、耐油性のプラスチックフイルムとし、該プラスチックフイルムに紙・布類を積層したものである請求項1記載の出来立て風味の惣菜。
【請求項3】
上記容器袋は、内面を耐水性、耐油性のヒートシール可能なプラスチックフイルムとし、該プラスチックフイルムに紙・布類を積層し、該紙・布類の上を更にプラスチックフイルムで覆った請求項2記載の出来立て風味の惣菜。
【請求項4】
上記調理済みまたは半調理した食品が、肉類、魚類、野菜類、穀物の加工品類、乳製品類、卵・卵加工品類を材料とした、汁気が多い若しくは加熱によって汁気が出るものである請求項1〜3のいずれかに記載の出来立て風味の惣菜。
【請求項5】
上記調理済みまたは半調理した食品が、加熱により香気を揮発し易い材料を含んでいる請求項1〜4のいずれかに記載の出来立て風味の惣菜。
【請求項6】
上記加熱により香気を揮発し易い材料がワイン、日本酒などの酒類、バター、マーガリンなどの油脂類、酢、味噌、醤油などの調味料、香辛料、香料から選ばれた1種以上である請求項5記載の出来立て風味の惣菜。
【請求項7】
上記請求項1〜6のいずれかに記載の出来立て風味の惣菜を、弁当の惣菜として含むことを特徴とする弁当。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−94815(P2006−94815A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286780(P2004−286780)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(597096286)株式会社ファミリーマート (3)
【Fターム(参考)】