説明

出荷設備

【課題】出荷ラインからケースを取り出し移載する作業者の作業性を向上でき、トラックブースの幅を狭くすることを可能とした仕分け出荷設備を提供する。
【解決手段】物品Rが搬送される搬送ライン11から出荷先別に仕分けられた物品Rを搬送する出荷ライン13を備え、出荷ライン13は、物品Rの搬送方向とは直角方向Bの作業通路15側端部から、前記直角方向Bの物品Rの作業通路15側端部を突出させて搬送する構成とされている。この構成によれば、作業者Eは、出荷ライン13の端部から物品Rの端部が突出されていることにより、物品Rを取り出すとき、物品Rの端部を下から手で支えることができ、物品Rを出荷ライン13より取り出しやすくでき、作業性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出荷設備、特に出荷先別に仕分けられた物品を搬送する出荷ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の出荷ラインは、例えば特許文献1に開示されているように、ローラ駆動コンベヤにより構成され、出荷エリアに平行に配列されており、それぞれ搬送ラインより出荷先別に分岐されたケースを出荷ヤードまで搬送している。出荷ヤードに到達したケースは、順に作業者により取り出され、各出荷ラインに対応して出荷ヤードに入ってくるトラックに出荷先別に積み付けられる。
【0003】
また出荷ラインに、分岐されてきたケースを一時保留する機能を付加した構成が、例えば特許文献2に開示されている。この出荷ラインは、搬送ラインから分岐されたケースを一時保留可能なアキュムレーションコンベヤからなる保留コンベヤと、ケースが自重で滑り移動するスライダと、ケースを前記保留コンベヤから前記スライダへ移動させる移動装置から構成されている。この出荷ラインの構成により、分岐された最初の出荷先のグループのケースは、保留コンベヤからそのままスライダに移動され、作業者によりスライダの終端から取り出されて、最初の出荷先別への積み付けが行われ、この間、分岐された次の出荷先のグループのケースは、保留コンベヤへ一時的に保留され、これによって分岐の効率が向上され、最初の出荷先のグループのケースの積み付けが終了されると、移動装置により、次の出荷先のグループのケースはスライダに移動され、作業者によりスライダの終端から積み付けが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−75636号公報
【特許文献2】特開2005−47663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これら従来の仕分け出荷設備では、ケースは、出荷ラインの終端まで搬送されて作業者により取り出されるが、段ボールのように手がかりのないケースでは、取り出しが容易ではなく、特に重量が重いケースでは、取り出しの作業性が悪く、作業者に負担がかかるという問題があった。
【0006】
また特許文献1に開示されているように、出荷ラインが並列に配置され、出荷ヤードまでケースが搬送される場合、各出荷ラインに対応して出荷ヤードに入ってくる複数のトラックが同時に駐車した場合を想定して出荷ラインの間隔が設定される。この間隔、すなわちトラックが駐車するトラックブースの幅は、出荷ラインを形成するコンベヤの幅(ケースの搬送方向とは直角方向の長さ)と、作業者が作業する作業通路の幅により設定されるが、このトラックブースの幅が狭いほど、同時に多くのトラックを駐車して各出荷ラインからケースの積み込みを行うことができ、短時間で出荷作業を終了することができる。しかし、コンベヤの幅は、搬送されてくるケースの幅により制約され、また作業性・安全性の観点から作業通路の幅を狭くすることが困難であることから、トラックブースの幅を狭くすることが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、出荷ラインから物品(ケース)を取り出す移載する作業者の作業性を向上できる出荷設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品が搬送される搬送ラインと、この搬送ラインから出荷先別に仕分けられた物品を搬送する出荷ラインを備えた出荷設備であって、前記出荷ラインは、前記物品の搬送方向とは直角方向の一方の端部から、前記直角方向の物品の一方の端部を突出させて搬送する構成とされていることを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、作業者は、出荷ラインの端部から突出されている物品の端部を下から手で支えることができ、物品を出荷ラインより取り出しやすくなり、作業性が向上する。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記出荷ラインは、前記搬送ラインから前記出荷先別に物品を分岐する分岐装置と、前記分岐装置から分岐された物品を順次蓄積・搬送する上段コンベヤと、前記上段コンベヤの下方に位置し、前記直角方向の上段コンベヤの横幅より、その横幅が狭く形成された下段コンベヤと、前記上段コンベヤから搬出された物品を受け入れ、下降して前記下段コンベヤへ搬出する移載装置を備え、前記移載装置から前記下段コンベヤへ物品が搬出されたとき、前記物品の一方の端部が前記下段コンベヤの一方の端部から突出され、搬送されることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、分岐装置により分岐された物品は、上段コンベヤにおいて順送りされ、上段コンベヤより搬出されると、移載装置により下方の下段コンベヤに搬入される。このとき、下段コンベヤの横幅は上段コンベヤの横幅より狭いことにより、下段コンベヤに搬入されると、物品の一方の端部が下段コンベヤの一方の端部から突出する。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記直角方向の物品の横幅を検出する横幅検出装置と、前記物品を前記直角方向へ移動させる移動装置を備え、前記移動装置は、前記横幅検出装置により検出された物品の横幅に応じて、前記物品を前記直角方向へ移動し、前記移載装置から前記下段コンベヤへ物品が搬出されたとき、前記物品の一方の端部は前記下段コンベヤの一方の端部から突出されることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、前記直角方向の物品の横幅が下段コンベヤの横幅より狭いときでも、横幅検出装置により検出された物品の横幅に応じて移動装置により物品が直角方向に移動されることにより、下段コンベヤに搬入されると、物品の一方の端部が下段コンベヤの一方の端部から突出する。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明であって、前記上段コンベヤに、前記物品の搬送方向の物品の長さを検出する長さ検出装置を備え、前記長さ検出装置により2個連続して前記物品の長さが所定長さ以下であることが検出されたとき、これら2個の物品は同時に前記移載装置へ搬出され、2個同時に前記下段コンベヤへ移載されることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、2個連続して物品の長さが所定長さ以下のとき、これら物品は一纏めとして上段コンベヤから下段コンベヤへ移載されることにより、移載の効率が向上される。
【0016】
また請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記下段コンベヤは、前記移載装置から物品を移載する優先順位が予め設定された、前記物品が自重で滑り移動する複数のフリーコンベヤから形成され、前記移載装置は、優先順位の高いフリーコンベヤへ優先して物品を移載することを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、上段コンベヤから移載装置へ搬出された物品は、移載装置により、優先順位の高いフリーコンベヤへ搬出され、物品は自重によりフリーコンベヤの下流側へ移動し、下流側より作業者により取り出される。優先順位は、例えば作業者が物品を取り出しやすさの度合いにより設定される。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、前記各フリーコンベヤにそれぞれ、前記物品で満量となっていることを検出する満量検出装置を配置し、前記移載装置は、前記優先順位の高いフリーコンベヤが前記満量検出装置により満量が検出されているとき、このフリーコンベヤへの物品の搬出を一定時間待ち、一定時間が経過しても満量が解消されないとき、次の優先順位のフリーコンベヤへ物品を移載することを特徴とするものである。
【0019】
上記構成によれば、例えば一定時間は、作業者がフリーコンベヤから物品を取り出して運搬車両に搬送する出荷作業時間により設定され、移載装置は、満量のとき前記一定時間待機して下流端の物品が取り出され、満量が解消されることを待つ。一定時間が経過しても満量が解消されないとき、次の優先順位のフリーコンベヤへ物品は移載される。
【0020】
また請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の発明であって、前記搬送ラインには、前記出荷ラインが複数備えられ、前記各出荷ラインにはそれぞれ、前記直角方向に、作業者の作業通路が設けられ、前記各出荷ラインに対応して、前記物品を出荷先へ運搬する運搬車両のブースが形成され、前記運搬車両のブースの幅は、前記直角方向の下段コンベヤの横幅に、前記直角方向の作業者の作業通路の横幅を加えて設定されていることを特徴とするものである。
【0021】
上記構成によれば、各出荷ラインから取り出された物品は、対応するブースに入ってきている運搬車両に積み込まれる。運搬車両のブースの幅は、ブースに対向するコンベヤの横幅と作業者の作業通路の幅により設定されるが、下段コンベヤの横幅が、物品を搬送する上段コンベヤの横幅より狭いことから、通常の作業者の作業通路の幅を確保しても、通常の運搬車両のブースの幅より狭くできる。よって、同じ出荷ヤードでも運搬車両のブースの数を増すことができ、同時に多くのトラックを駐車して各出荷ラインからケースの積み込みを行うことができ、短時間で出荷作業を終了することができる。
【0022】
また請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明であって、各出荷ラインは、2つ出荷ライン毎に背中合わせに、かつ次の出荷ラインとは前記作業者の作業通路が対向するように配置され、背中合わせに配置された各出荷ラインの上段コンベヤ、移載装置および下段コンベヤは共に、これら出荷ラインの境に一列に配置された複数の支柱に支持されていることを特徴とするものである。
【0023】
上記構成によれば、背中合わせに配置された各出荷ラインの上段コンベヤ、移載装置および下段コンベヤは、これら出荷ラインの境に一列に配置された複数の支柱を共有しており、複数の支柱の両側に配置される。これにより、各出荷ラインの作業通路側には支柱が無く、下段コンベヤの作業通路側の端部は開放され、下段コンベヤの端部から物品の端部を突出させて搬送することが可能となる。
【0024】
また請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の発明であって、各物品には、出荷先を特定できる情報が記載されたラベルが取り付けられ、各出荷ラインの前記下段コンベヤに移載された物品の前記ラベルが、前記作業通路を向くように、前記搬送ラインにおいて物品の向きが変更されることを特徴とするものである。
【0025】
上記構成によれば、物品のラベルが作業通路を向くことで、作業者は、物品を取り出すとき、物品の出荷先を確認でき、出荷先を間違うミスが事前に防止される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の出荷設備は、出荷ラインの端部から物品の端部が突出されていることにより、出荷ラインから物品を取り出すとき、作業者は物品の端部を下から手で支えることができ、よって物品を出荷ラインより取り出しやすくでき、作業性を向上できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態における出荷設備の全体構成図である。
【図2】同出荷設備の要部側面図である。
【図3】同出荷設備の出荷ラインの側面図である。
【図4】同出荷設備の出荷ラインの平面図である。
【図5】同出荷設備の出荷ラインの下段コンベヤ部分の平面図である。
【図6】同出荷設備の出荷ラインの上段コンベヤと下段コンベヤの位置関係を示す図である。
【図7】同出荷設備の出荷ラインの移載装置の構成図である。
【図8】同出荷設備の制御構成図である。
【図9】同出荷設備の出荷ラインの上段コンベヤの動作を説明する図であり、(a)は駆動部およびセンサの配置を示す図であり、(b)は取出部搭載制御を示す動作図、(c)は取出部のプレッシャーによる物品押込制御を示す動作図である。
【図10】同出荷設備の出荷ラインの上段コンベヤと下段コンベヤにおける物品の位置関係を示す図であり、(a)はプッシャーを動作しないときの位置配置を示す図であり、(b)はプッシャーを動作したときの位置配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における出荷設備の全体構成図、図2は同出荷設備の要部側面図であり、図1および図2に示すように、段ボールやケース等の物品R(図3等参照)を搬送するローラコンベヤからなる搬送ライン11が、建屋の1階の内周天井部に敷設され、搬送ライン11から出荷先別に仕分けられた物品Rをそれぞれトラック(運搬車両の一例)14のブース(トラックブース)12へ搬送する複数の出荷ライン13が、搬送ライン11の敷設方向(搬送ライン11における物品Rの搬送方向)Xとは直角な方向Yに設けられている。
【0029】
これら出荷ライン13にはそれぞれ、出荷ライン13から取り出した物品Rをトラックブース12へ入ってきたトラック14へ積み付ける作業者E(図4、図6参照)の作業通路15が、方向Xに出荷ライン13と並列して設けられており、これら出荷ライン13は、2つ出荷ライン13毎に背中合わせに(作業通路15に面していない側を接近させて)配置され、かつ次の出荷ライン13とは前記作業通路15が対向するように配置されている。背中合わせに(作業通路15に面していない側を接近させて)配置された2つの出荷ライン13は共に、図6に示すように、その境に(方向Yに)立設された複数の支柱16に支持されている。
【0030】
また対向して配置された作業通路15の中央には、図4および図5に示すように、網状のしきり17が配置されており、このしきり17により各出荷ライン13から物品Rを取り出して運ぶときに、トラック14を間違えるミスが防止され、また網状とすることで、空調の効きを改善している。
【0031】
また図4に示すように、搬送ライン11から分岐される物品Rには予め出荷先を特定できる情報が記載された出荷先ラベル18が取り付けられており、また出荷先毎に出荷ライン13が予め割り付けられている。また出荷ライン13においては、物品Rは交互に作業通路15に面する側が逆になることから、物品Rの出荷先に応じて(出荷ライン13に応じて)前記出荷先ラベル18が作業通路15側を向くように、物品Rは予めターンテーブルなどの旋回装置(図示せず)でその向きが変更されて各出荷ライン13へ搬送されてくる。また物品Rには予め、出荷先を特定する情報を示すバーコードが記載されたバーコードラベル19が取り付けられている。
【0032】
また各トラックブース12の方向X向きの幅は、方向X向きの出荷ライン13の幅と作業通路15の幅により設定される(詳細は後述する)。
[出荷ライン13]
各出荷ライン13は、図3〜図7に示すように、搬送ライン11から出荷先別に物品Rを分岐する分岐装置21と、分岐装置21から分岐された物品Rを順次蓄積・搬送する上段コンベヤ22と、上段コンベヤ22の下方に位置し、上段コンベヤ22における物品Rの搬送方向Aとは直角方向Bの上段コンベヤ22の横幅W(例えば、760mm)より、例えば、560mmにその横幅Wが狭く形成された下段コンベヤ23と、上段コンベヤ22から搬出された物品Rを受け入れ、下降して下段コンベヤ23へ搬出する移載装置24から構成されている。分岐装置21と上段コンベヤ22は、複数の支柱16の上部に支持枠25(図6参照)を組んで支持され、また下段コンベヤ23は複数の支柱16の側面に支持されている。上述したように、支持枠25と支柱16は隣接する2つの出荷ライン13で共有され、下段コンベヤ23は、支柱16の方向Xの両側部に、作業通路15側端部が支柱に支持されることなく開放されて、配置されている。
【0033】
「分岐装置21」
分岐装置21は、昇降自在で、上昇位置で搬送ライン11により搬送されてきた物品Rをそのまま下流へ搬送するチェーンコンベヤ31と、チェーンコンベヤ31の下降位置で物品Rを支持し、上段コンベヤ22へ搬送するローラコンベヤ32から構成されている。分岐装置21の方向Xの下流位置には、光軸が方向Yの光電センサからなる物品Rの検出装置(物品検出装置)33が設けられ、上流位置には、物品Rのバーコードラベル19からバーコードを読み込むバーコードリーダ34が設けられている。
【0034】
また図8に示すように、物品検出装置33の物品検出信号とバーコードリーダ34により読み取られたバーコードのデータを入力し、チェーンコンベヤ31およびローラコンベヤ32を駆動して、分岐装置21の動作を制御する、コンピュータからなる分岐装置コントローラ35が設けられている。この分岐装置コントローラ35には、分岐する出荷ライン13に割り当てられた出荷先のデータが予め設定される。
【0035】
分岐装置コントローラ35は、バーコードリーダ34により読み取られるバーコードにより出荷先を特定し、この出荷先が設定された出荷先と一致しているとき分岐動作を実行し、一致していないとき分岐動作を実行しない。
【0036】
分岐動作を実行しないとき、チェーンコンベヤ31を上昇位置に位置し、駆動する。
また分岐動作を実行するとき、物品検出装置33により物品Rが検出されると、上昇位置に位置して駆動しているチェーンコンベヤ31を停止し、下降して物品Rをローラコンベヤ32に支持させ、上段コンベヤ22へ投入指令信号を出力し、応答して上段コンベヤ22から受け入れ許可信号(後述する)を入力すると、ローラコンベヤ32を駆動して、上段コンベヤ22へ搬出する。
【0037】
「上段コンベヤ22」
上段コンベヤ22は、アキュムレーションコンベヤから構成されており、図3および図9に示すように、独立して物品Rを搬送可能なローラコンベヤからなる駆動部として、上流端に位置し分岐装置21から分岐された物品Rが投入される投入部41と、投入部41から搬出された物品Rを順次蓄積・搬送する複数(図では5台)のストレージ部42(42−1〜42−5)と、下流端に位置して物品Rを搬出する取出部43を備えている。
【0038】
また作業通路15側とは逆の端部に、投入部41と各ストレージ部42に渡って方向Aへ物品Rを案内するガイド44が設けられ、分岐装置21から投入された物品Rはこのガイド44に沿って案内される。
【0039】
また取出部43は2つのゾーン43a,43bに形成され、また取出部43の終端位置に物品Rの移動(搬出)を阻止する昇降自在なストッパ45が配置され、さらに取出部43に位置する物品Rを、ガイド44の位置から、作業通路15側への方向Bへ移動させるプッシャー(移動装置の一例)46が設けられている。
【0040】
また投入部41、各ストレージ部42、および取出部43の各ゾーン43a,43bにはそれぞれ、その下流端に光軸が方向Bの光電センサからなる在荷検出器48が配置されている。
【0041】
また最も下流に位置するストレージ部42−5には、このストレージ部42−5の在荷検出器48より距離M上流側に、光軸が方向Bの光電センサからなる荷長検出器(長さ検出装置の一例)49が設けられ、また方向Bの物品Rの横幅Wを検出する横幅検出器(横幅検出装置の一例)50が設けられている。この横幅検出器50は、垂直方向に光軸を有する、ローラ間に(方向B)に一列に配した複数の光電センサから構成され、これら光電センサがOFFしているところには物品Rが存在し、光電センサがONしているところには物品Rが存在しないことから、OFFしている光電センサの数をカウントすることにより、方向Bの物品Rの横幅Wが検出される。
【0042】
また図8に示すように、各在荷検出器48の在荷検出信号、荷長検出器49の荷長検出信号、および横幅検出器50の横幅検出信号を入力し、投入部41、各ストレージ部42、取出部43、ストッパ45およびプッシャー46を駆動して、上段コンベヤ22の動作を制御する、コンピュータからなる上段コンベヤコントローラ51が設けられている。
【0043】
この上段コンベヤコントローラ51は、ストレージ部42−5の在荷検出器48がONしたとき(光軸が物品Rにより遮断されたとき)に、荷長検出器49が同時にONしているかどうかによって、搬送方向Aの物品Rの長さLの大小を判別している。すなわちL≧Mのとき、在荷検出器48と荷長検出器49は同時にONすることから物品Rの長さLを大と判別し、L<Mのとき、在荷検出器48がONのとき荷長検出器49はOFFであることから物品Rの長さLを小と判別する。また距離Mは、取出部43の各ゾーン43a,43bの搬送方向Aの長さより短く設定されており、物品長さLが小(L<M)の物品Rは、取出部43に2個搭載できる。
【0044】
また上段コンベヤコントローラ51は、ストレージ部42−5の在荷検出器48がONしたときに、横幅検出器50により方向Bの物品Rの横幅Wを判定している。
「上段コンベヤコントローラ51による取出部43への物品Rの搭載制御および取出部43からの物品Rの搬出制御」
上段コンベヤコントローラ51は、図9(b)に示すように、上記物品Rの長さLの大小の荷長さ判別結果と、判別時の取出部43の各ゾーン43a,43bの物品Rの有無(在荷)により、取出部43への物品Rの搭載を制御している。
【0045】
すなわち、物品Rの長さLが小で、かつ各ゾーン43a,43bに在荷無しのとき、取出部43を駆動してゾーン43bの在荷検出器48により物品Rが検出されるまで、物品Rを移動する。
【0046】
次に、物品Rの長さLが小で、かつゾーン43aは在荷なし,ゾーン43bに物品Rの長さLが小の物品Rが有るとき、取出部43を駆動してゾーン43aの在荷検出器48により物品Rが検出されるまで、物品Rを移動する。
【0047】
次に、物品Rの長さLが小で、かつゾーン43aは在荷なし,ゾーン43bに物品Rの長さLが大の物品Rが有るとき、取出部43へ物品Rを移動しない。
次に、物品Rの長さLが大で、かつ各ゾーン43a,43bに在荷無しのとき、取出部43を駆動してゾーン43bの在荷検出器48により物品Rが検出されるまで、物品Rを移動する。
【0048】
次に、物品Rの長さLが大で、かつゾーン43aは在荷なし,ゾーン43bに物品Rの長さLが小の物品Rが有るとき、取出部43へ物品Rを移動しない。
次に、物品Rの長さLが大で、かつゾーン43aは在荷なし,ゾーン43bに物品Rの長さLが大の物品Rが有るとき、取出部43へ物品Rを移動しない。
【0049】
また各ゾーン43a,43bがともに在荷ありのとき、取出部43へ物品Rを移動しない。
このように上段コンベヤコントローラ51は、取出部43への物品Rの搭載制御を実行し、2個連続して物品Rの長さLが小(所定長さ以下)であることを検出したとき、これら2個の物品Rを同時に取出部43に搭載する。
【0050】
そして、取出部43へ物品Rを移動できない状態となると、物品Rの搬出指令信号を移載装置24へ出力し、移載装置24から移載許可信号(後述する)を入力すると、ストッパ45を下降して取出部43を駆動し、物品Rを移載装置24へ搬出する。
【0051】
「上段コンベヤコントローラ51による物品Rの押し出し制御」
上段コンベヤコントローラ51は、物品Rが取出部43に搭載されると、プッシャー46による物品Rの押し出し制御を実行する。
【0052】
図9(c)に示すように、ストレージ部42−5の在荷検出器48がONしたときに、横幅検出器50により検出される物品Rの横幅Wが、略下段コンベヤ23の横幅Wと同じ所定幅Ws(例えば、580mm)以下のときに、プッシャー46により所定幅の位置まで物品Rを押し出す。すなわち(Ws−W)だけ方向Bへ物品Rを移動する。また物品Rの横幅Wが所定幅Wsを超えると、物品Rの押し出しは実行しない。
【0053】
この物品Rの押し出し制御により、後述するオーバーハング量は、例えば、物品Rの横幅Wが所定幅Ws以下の物品Rのとき60mm、物品Rの横幅Wが所定幅Wsを超えた物品Rのとき61〜130mmとなる。
【0054】
「上段コンベヤ22の構成による作用」
上段コンベヤコントローラ51は、分岐装置21の分岐装置コントローラ35より投入指令信号を入力すると、投入部41の在荷検出器48により物品Rが検出されていないとき、分岐装置21の分岐装置コントローラ35へ前記受け入れ許可信号を出力し、投入部41を駆動し、投入部41へ物品Rを受け入れる。次に分岐装置21から投入部41に物品Rが投入されてくると、各ストレージ部42の在荷検出器48による在荷の確認により各ストレージ部42を駆動して物品Rを順送りする(アキュムレーションコンベヤとしての機能)。
【0055】
そして、上記“取出部43からの物品Rの搬出制御”により、取出部43から物品Rを搬出すると、あるいは取出部43に物品Rが存在しないときに(各ゾーン43a,43bの在荷検出器48がともに在荷を検出しないとき)、各ストレージ部42の在荷検出器48による在荷の確認により複数のストレージ部42を駆動して物品Rを順送りするとともに、上記“取出部43への物品Rの搭載制御”により物品Rを取出部43まで搬送する。また取出部43では、上記“物品Rの押し出し制御”を実行する。そして、上述したように、取出部43へ物品Rを移動できない状態となると、上記“取出部43からの物品Rの搬出制御”により物品Rを移載装置24へ搬出する。
【0056】
このように物品Rは、搬送ライン11より分岐装置21により分岐された物品Rは、奥の方向(方向A)へ順次蓄積・搬送され、移載装置24へ搬出される。
「下段コンベヤ23」
下段コンベヤ23は、図3に示すように、移載装置24から物品Rを移載する優先順位が予め設定された、物品Rが自重でトラックブース12側へ滑り移動する3段(複数の一例)のフリーコンベヤ56から形成され、上述したように、その横幅Wが上段コンベヤ22の横幅Wより狭く形成され、また上述したように、方向Yに立設された複数の支柱16に、これらフリーコンベヤ56の方向Xの側端が支持され、これにより、図6に示すように、フリーコンベヤ56の作業通路15側には柱(支柱)がなく開放されている。
【0057】
したがって、上段コンベヤ22の作業通路15の側端に対して、下段コンベヤ23(フリーコンベヤ56)の作業通路15の側端は、(横幅W−横幅W)の長さだけ、支柱16側に引き込んだ状態となっている。これにより、図5に示すように、トラックブース12の方向Xの幅は、通常のコンベヤの横幅(上段コンベヤ22の横幅Wが一般的)より狭い下段コンベヤ23の横幅Wに、X方向の作業者Eの作業通路15の横幅Wを加えて設定されることにより、通常の作業通路15の横幅Wを確保しても、通常より狭くなり、同じ出荷ヤードでもトラックブース12の数を増すことができ、同時に多くのトラック14を駐車して各出荷ライン13から物品Rの積み込みを行うことができ、短時間で出荷作業を終了することが可能となる。
【0058】
また各フリーコンベヤ56の上流には、下流から物品Rが連続して貯留され、移載装置24からの物品Rの移載ができないことを検出する、光軸が方向Bの光電センサからなる満量検出器57が設けられている。
【0059】
また3段のフリーコンベヤ56は、下より2段目が最も作業しやすい高さ、3段目が次に作業しやすい高さ、1段目が作業しにくい高さとされており、例えば、下流端の高さは、2段目が740mm、3段目が1290mm、1段目が190mmとされており、上述した優先順位は、2段目が1位、3段目が2位、1段目が3位と予め設定されている。
【0060】
なお、搬送ライン11の下流端に配置された出荷ライン(特殊な出荷ラインの一例)13においては、優先順位は、1段目が1位、2段目が2位、3段目が3位と予め設定されている。この下流端の出荷ライン13は、上流の出荷ライン13で分岐されなかった物品Rが集められ、トラックブース12とは無関係な位置(例えば上の階)に配置される。
【0061】
フリーコンベヤ56の下流端に移動してきた物品Rは、作業通路15に配置された作業者Eにより取り出されてトラックブース12に入ってきたトラック14に運んで積み付けられる。このとき、物品Rの出荷先ラベル18が作業通路15側を向いていることにより、作業者Eは、物品Rを取り出すとき、物品Rの出荷先を確認でき、出荷先を間違うミスが事前に防止される。
【0062】
「移載装置24」
移載装置24は、図7に示すように、昇降台61とこの昇降台61を水平に支持して上下方向に昇降させる昇降装置62から構成されている。
【0063】
昇降台61は、上段コンベヤ22の横幅Wと同じ横幅を有し、上部には物品Rをそのままの姿勢で上段コンベヤ22の取出部43より受け取り、フリーコンベヤ56へ搬出するための可逆駆動可能なローラコンベヤ65と、このローラコンベヤ65上の物品Rの有無を検出する光軸が方向Bの光電センサからなる在荷検出器66が設けられている。
【0064】
また昇降装置62は、上段コンベヤ22とは反対側の昇降台61の側端側に配置された本体67と、上段コンベヤ22とは反対側の昇降台61の側端に固定された取付板68と、本体67内に配置され取付板68を上下方向に案内するガイドプレート69と、本体67の上部に配置された可逆モータ70A(図8)により駆動される駆動スプロケット70と、本体67内の上下位置に対向して回転自在に支持された従動スプロケット71a,71bと、本体67内のカウンターウェイト72と、一端が取付板68の上端に固定され、駆動スプロケット70、下位置の従動スプロケット71b、上位置の従動スプロケット71aと引き回され、他端がカウンターウェイト72の上端に固定されたチェーン73から構成されている。
【0065】
この昇降装置62の構成により、可逆モータ70Aにより駆動スプロケット70を介してチェーン73が回動されると、チェーン73の一端が固定された取付板68が、ガイドプレート69に案内されて上下方向に移動し、それに伴い昇降台61が上下方向に移動する。
【0066】
また図8に示すように、在荷検出器66の在荷信号、および上記3台のフリーコンベヤ56の満量検出器57の満量検出信号を入力し、ローラコンベヤ65および可逆モータ70Aを駆動して、移載装置24の動作を制御する、コンピュータからなる移載装置コントローラ74が設けられている。この移載装置コントローラ74に、上記フリーコンベヤ56の優先順位が予め設定され、一定時間が予め設定されている。この一定時間は、1個の物品Rの出荷作業にかかる時間、すなわち作業者Eがフリーコンベヤ56から1個の物品Rを取り出してトラック14へ搬送して積み付け、フリーコンベヤ56まで戻ってくるまでの時間に設定されている。
【0067】
移載装置コントローラ74は、上段コンベヤ22の取出部43に物品Rが載置されて、上段コンベヤコントローラ51より上記搬出指令信号を入力すると、在荷検出器66の在荷信号により昇降台61上に物品Rが無いことを確認し、可逆モータ70Aを駆動して昇降装置62により昇降台61を上段コンベヤ22の高さに移動する。移動が終了すると、上記移載許可信号を上段コンベヤコントローラ51へ出力し、ローラコンベヤ65を受け入れ方向へ駆動し、物品Rを昇降台61上へ搬入する。次に在荷検出器66により物品Rが検出されるとローラコンベヤ65を停止する。次に優先順位が1位のフリーコンベヤ56が満量かどうか(満量検出器57が動作しているかどうか)を確認し、満量ではないとき、可逆モータ70Aを駆動して昇降装置62により昇降台61を優先順位が1位のフリーコンベヤ56の高さに移動し、移動が終了すると、ローラコンベヤ65を搬出方向へ駆動し、物品Rをフリーコンベヤ56上へ搬出する。在荷検出器66により物品Rが検出されなくなると、物品Rが完全に搬出される時間を待ってローラコンベヤ65を停止する。
【0068】
また満量が検出されているとき、この優先順位が1位のフリーコンベヤ56の位置への下降を一定時間待ち(物品Rの搬出を一定時間待ち)、一定時間が経過しても満量が解消されないとき、次の2位の優先順位のフリーコンベヤ56が満量かどうか(満量検出器57が動作しているかどうか)を確認し、満量ではないとき、この優先順位が2位のフリーコンベヤ56へ同様な物品Rを搬出する。この優先順位が2位のフリーコンベヤ56の満量が検出されているとき、この優先順位が2位のフリーコンベヤ56の位置への下降を一定時間待ち(物品Rの搬出を一定時間待ち)、一定時間が経過しても満量が解消されないとき、次の3位の優先順位のフリーコンベヤ56が満量かどうか(満量検出器57が動作しているかどうか)を確認し、満量ではないとき、この優先順位が3位のフリーコンベヤ56へ同様な物品Rを搬出する。また優先順位が3位のフリーコンベヤ56において、一定時間が経過しても満量が解消されないとき、物品Rの移載を中止して待機する。
【0069】
また移載装置24により物品Rは昇降台61へ搭載されるとそのままの姿勢でフリーコンベヤ56へ搬送される。
「移載装置24による上段コンベヤ22よりフリーコンベヤ56への移載による物品Rのオーバーハンギング」
図10に示すように、フリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)の横幅Wは、上段コンベヤ22の横幅Wより狭く、かつ上段コンベヤ22において横幅検出器50により検出された物品Rの横幅Wに応じてプッシャー46により物品Rが作業通路15側方向Bに移動されることにより、移載装置24により物品Rが上段コンベヤ22よりフリーコンベヤ56へ移載されると、物品Rの一方の端部(作業通路15側の端部)が下段コンベヤ23の一方の端部(作業通路15側の端部)から突出する(オーバーハングする)。
【0070】
このとき、物品Rの重心がフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)の中に位置し、落下する恐れはないようにオーバーハング量Hが設定されることはいうまでもない。
今、上述したように上段コンベヤ22の横幅Wを760mm、下段コンベヤ23の横幅Wを560mm、図9(c)に示すように、物品Rの横幅Wを225mm〜650mm、取出部43の作業通路15側とは逆の端部からプッシャー46までの方向Bの距離を40mm、所定幅Wsを580mmとすると、物品Rの横幅Wが所定幅Ws以下のときに、プッシャー46により所定幅の位置まで物品Rは押し出され、(Ws−W)だけ方向Bへ移動されることにより、この物品Rのオーバーハング量Hは、
H=580(=Ws)+40−560(=W)=60mm
となる。このとき、最小の物品Rの横幅Wは225mmであることにより、60mmオーバーハングしても、物品Rの165mmの部分は下段コンベヤ23の中にあり、重心は下段コンベヤ23の中にあることにより、物品Rが下段コンベヤ23より落下する恐れはない。
【0071】
またプッシャー46による押し出し制御が実行されない、物品Rの横幅Wが所定幅Wsを超えた物品Rのオーバーハング量Hは、
H=581〜650(=Ws)+40−560(=W)=61mm〜130mm
となる。このとき、これら物品Rの520mmの部分は下段コンベヤ23の中にあり、重心は下段コンベヤ23の中にあることにより、物品Rが下段コンベヤ23より落下する恐れはない。
【0072】
このように、出荷ライン13を構成するフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)は、作業通路15側の方向Bの端部から、物品Rの作業通路15側方向Bの端部を突出させ、落下させることなく搬送する構成とされている。
【0073】
「全体の作用」
上記出荷設備における全体の作用について説明する。
分岐装置21では、バーコードリーダ34により読み取られるバーコードにより出荷先を特定し、この出荷先がこの分岐装置21の出荷ライン13に設定されているとき、分岐動作を実行し、上段コンベヤ22へ搬出する。
【0074】
上段コンベヤ22では、分岐装置21から投入された物品Rを、投入部41の在荷検出器48、各ストレージ部42の在荷検出器48、取出部43の各ゾーン43a,43bの在荷検出器48による在荷の確認に基づいて、投入部41より複数のストレージ部42へ物品Rを順送りし、上記“取出部43への物品Rの搭載制御”により物品Rを取出部43まで搬送する。また取出部43では、上記“物品Rの押し出し制御”が実行される。そして、上述したように、取出部43へ物品Rを移動できない状態となると、搬出指令信号を移載装置24へ出力し、移載装置24から移載許可信号(後述する)を入力するとストッパ45を下降して、取出部43を駆動し物品Rを移載装置24へ搬出する。
【0075】
移載装置24では、各フリーコンベヤ56が満量かどうかを確認し、満量ではないフリーコンベヤ56へ、上段コンベヤ22から移載された物品Rを優先順位に基づいて移載する。また優先順位が高いフリーコンベヤ56が満量のとき、上記一定時間、待機する制御が実行される。そして、移載装置24により物品Rが上段コンベヤ22よりフリーコンベヤ56へ移載されると、物品Rの一方の端部(作業通路15側の端部)がフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)の一方の端部(作業通路15側の端部)から突出し(オーバーハングし)、フリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)は、一方の端部(作業通路15側の方向Bの端部)から、物品Rの一方の端部(作業通路15側方向Bの端部)を突出させて搬送する。なお、このとき物品Rの重心はフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)の中に位置し、落下する恐れはない。
【0076】
フリーコンベヤ56の下流端に移動してきた物品Rは、作業通路15に配置された作業者Eにより取り出されてトラックブース12に入ってきたトラック14に運んで積み付けられる。このとき、物品Rの一方の端部(作業通路15側の端部)がオーバーハングしていることにより、作業者Eは物品Rを取り出すとき、物品Rを下から支えて持ち上げることができ、作業性がよく負担が少なくなる。また物品Rの出荷先ラベル18が作業通路15側を向いていることにより、作業者Eは、物品Rを取り出すとき、物品Rの出荷先を確認でき、出荷先を間違うミスが事前に防止される。
【0077】
「実施の形態の効果」
以上のように本実施の形態によれば、分岐装置21により分岐された物品Rは、上段コンベヤ22において順送りされ、上段コンベヤ22より搬出されると、移載装置24により下方のフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)に搬入されるが、このとき、フリーコンベヤ56の横幅Wは、上段コンベヤ22の横幅Wより狭く、加えて物品Rの横幅Wが、ほぼフリーコンベヤ56の横幅W(上記所定の横幅;例えば、580mm)より狭いとき、横幅検出器50により検出された物品Rの横幅Wに応じてプッシャー46により物品Rが作業通路15側方向Bに移動されることにより、上段コンベヤ22よりフリーコンベヤ56へ物品Rが移載されたとき、物品Rの作業通路15側の端部を、フリーコンベヤ56の作業通路15側の端部から突出させることができる。
【0078】
このように、出荷ライン13を構成するフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)は、一方の端部(作業通路15側の方向Bの端部)から、物品Rの一方の端部(作業通路15側方向Bの端部)を突出させて搬送する構成とされ、フリーコンベヤ56(出荷ライン13)の端部から物品Rの端部が突出されていることにより、作業者Eは、物品Rを取り出すとき、物品Rを下から手で支えることができ、よって物品Rを出荷ライン13より取り出しやすくなり、作業性を向上することができる。また出荷ライン13から物品Rの端部が、作業通路15側ヘ突出していることにより、作業者Eは、物品Rの端部が突出されている側に移動しなくても、物品Rの取り出しができ、作業性を向上することができる。また物品Rの出荷先ラベル18が作業通路15を向くことにより、作業者Eは、物品Rを取り出すとき、物品Rの出荷先を確認でき、出荷先を間違うミスを事前に防止することができる。
【0079】
また本実施の形態によれば、各出荷ライン13は、2つ出荷ライン13毎に背中合わせに、かつ次の出荷ライン13とは作業通路15が対向するように配置され、背中合わせに配置された各出荷ライン13の上段コンベヤ22、移載装置24および下段コンベヤ23は共に、これら出荷ライン13の境に一列に配置された複数の支柱16に支持されていることにより、すなわち2つ出荷ライン13毎に境の複数の支柱16を共有し、複数の支柱16の方向Xの両側に配置されることにより、各出荷ライン13の作業通路15側の支柱を無くすことができ、下段コンベヤ23の作業通路15側の端部を開放でき、よって下段コンベヤ13の端部から物品Rの端部を突出させて搬送することができる。
【0080】
また本実施の形態によれば、フリーコンベヤ56の横幅Wを、上段コンベヤ22の横幅Wより狭くしていることにより、通常の作業者Eの作業通路15の幅Wを確保しても、トラックブース12の幅を通常より狭くでき、同じ出荷ヤードでもトラック14を停めるトラックブース12の数を増すことができ、同時に多くのトラック14を駐車して各出荷ライン13から物品Rの積み込みを行うことができ、短時間で出荷作業を終了することができる。
【0081】
また本実施の形態によれば、上段コンベヤ22では、2個連続して物品Rの長さが所定長さ以下のとき、これら物品Rは一纏めとして上段コンベヤ22から下段コンベヤ23へ移載されることにより、移載の効率を向上させることができる。
【0082】
また本実施の形態によれば、上段コンベヤ22から移載装置24へ搬出された物品Rは、移載装置24により、優先順位の高いフリーコンベヤ56へ搬出され、かつ優先順位は、作業者Eが物品Rを取り出しやすさの度合いにより設定されることにより、作業者Eは物品Rを取り出しやすくでき、作業効率を向上することができる。
【0083】
また本実施の形態によれば、物品Rを搬出する優先順位の高いフリーコンベヤ56が満量のとき、一定時間、待機し、かつ一定時間は、1個の物品Rの出荷作業にかかる時間により設定されていることにより、極力、優先順位の高いフリーコンベヤ56へ物品Rを移載することができ、作業効率を向上することができる。またフリーコンベヤ56が3段設けられて、一定時間が経過しても満量が解消されないとき、次の優先順位のフリーコンベヤ56へ物品Rを移載することにより、上段コンベヤ22が物品Rで満杯となってしまい滞留し、分岐装置21から物品Rを分岐できなくなる恐れを解消できる。
【0084】
また本実施の形態によれば、搬送ライン11の終端に設けた出荷ライン13は、上流の各出荷ライン13において分岐できなかった物品Rを保留する特定の出荷ライン13とされ、この出荷ライン13では、最下段のフリーコンベヤ56から順に貯留されることにより、搬送ライン11により搬送されてきた順に物品Rを保留できる。これにより、搬送された順に、分岐できなった物品Rの出荷先の特定することが容易となる。
【0085】
また本実施の形態によれば、しきり17により各フリーコンベヤ56(出荷ライン13)から物品Rを取り出して運ぶときに、トラック14を間違えるミスを防止でき、またしきり17を網状とすることで、空調の効きを改善することができる。
【0086】
「他の実施の形態」
なお、本実施の形態では、出荷設備は複数の出荷ライン13を備えているが、単独(単数)の出荷ライン13を備えた出荷設備でも、出荷ライン13を構成するフリーコンベヤ56(下段コンベヤ23)を、作業通路15側方向Bの端部から、物品Rの作業通路15側方向Bの端部を突出させて搬送する構成とすることにより、作業者Eは、物品Rを取り出すとき、物品Rを下から手で支えることができ、よって物品Rを出荷ライン13より取り出しやすくなり、作業性を向上することができる。
【0087】
また本実施の形態では、出荷ライン13は、分岐装置21、上段コンベヤ22、移載装置24、および下段コンベヤ23により構成されているが、分岐装置21、および下段コンベヤ23のみで構成することも可能であり、分岐装置21により物品Rが分岐されると、分岐された物品Rは、その作業通路15側端部(一方の端部の一例)が、下段コンベヤ23(フリーコンベヤ56;出荷ライン13)の作業通路15側端部(一方の端部の一例)から突出され、下段コンベヤ23により搬送される構成とすることも可能である。このとき、分岐装置21により、フリーコンベヤ56の作業通路15側端部から物品Rの作業通路15側端部が突出するように制御する。
【0088】
また本実施の形態では、建屋の内周にトラックブース12が設けられているが、例えば平面的にコ字状に形成される建屋では、建屋凹部の内方にトラックブース12を設けるようにしてもよい。このとき、搬送ライン11は前記内方に配置され、外周側に移載装置24が配置される。
【0089】
また本実施の形態では、移動装置としてプッシャー46を設けているが、物品Rの横幅Wが常に、所定幅W(例えば、上記580mm)を超えるとき、プッシャー46は必要がないことはいうまでもない。
【0090】
また本実施の形態では、移動装置としてプッシャー46を設けているが、プッシャー46に限ることはなく、取出部43を構成するローラコンベヤのローラ間に配置される昇降自在なチェーンコンベヤなどにより移動させることも可能である。また移動装置を上段コンベヤ22に設けているが、上段コンベヤ22に限ることはなく、移載装置24に設けてもよい。このとき横幅検出器50を移載装置24に設けてもよい。
【0091】
また本実施の形態では、上段コンベヤ22の横幅Wと移載装置24の昇降台61の横幅Wを同一としているが、必ずしも同一とする必要はなく、昇降台61の作業通路15側端部(一方の端部の一例)を開放した構造とし、フリーコンベヤ56の横幅Wと同一となるように狭くすることもできる。
【0092】
また本実施の形態では、下段コンベヤ23を3段のフリーコンベヤ56により構成しているが、1段のみのフリーコンベヤ56により構成することも可能である。
【符号の説明】
【0093】
R 物品
E 作業者
H オーバーハング量
11 搬送ライン
12 トラックブース
13 出荷ライン
14 トラック
15 作業通路
16 支柱
17 しきり
18 出荷先ラベル
21 分岐装置
22 上段コンベヤ
23 下段コンベヤ
24 移載装置
31 チェーンコンベヤ
32 ローラコンベヤ
33 物品検出装置
34 バーコードリーダ
35 分岐装置コントローラ
41 投入部
42,42−1〜42−5 ストレージ部
43 取出部
43a,43b ゾーン
44 ガイド
45 ストッパ
46 プッシャー
48 在荷検出器
49,66 荷長検出器
50 横幅検出器
51 上段コンベヤコントローラ
56 フリーコンベヤ
57 満量検出器
61 昇降台
62 昇降装置
65 ローラコンベヤ
70A 可逆モータ
74 移載装置コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が搬送される搬送ラインと、この搬送ラインから出荷先別に仕分けられた物品を搬送する出荷ラインを備えた出荷設備であって、
前記出荷ラインは、前記物品の搬送方向とは直角方向の一方の端部から、前記直角方向の物品の一方の端部を突出させて搬送する構成とされていること
を特徴とする出荷設備。
【請求項2】
前記出荷ラインは、
前記搬送ラインから前記出荷先別に物品を分岐する分岐装置と、
前記分岐装置から分岐された物品を順次蓄積・搬送する上段コンベヤと、
前記上段コンベヤの下方に位置し、前記直角方向の上段コンベヤの横幅より、その横幅が狭く形成された下段コンベヤと、
前記上段コンベヤから搬出された物品を受け入れ、下降して前記下段コンベヤへ搬出する移載装置
を備え、
前記移載装置から前記下段コンベヤへ物品が搬出されたとき、前記物品の一方の端部が前記下段コンベヤの一方の端部から突出され、搬送されること
を特徴とする請求項1に記載の出荷設備。
【請求項3】
前記直角方向の物品の横幅を検出する横幅検出装置と、
前記物品を前記直角方向へ移動させる移動装置
を備え、
前記移動装置は、前記横幅検出装置により検出された物品の横幅に応じて、前記物品を前記直角方向へ移動し、前記移載装置から前記下段コンベヤへ物品が搬出されたとき、前記物品の一方の端部は前記下段コンベヤの一方の端部から突出されること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の出荷設備。
【請求項4】
前記上段コンベヤに、前記物品の搬送方向の物品の長さを検出する長さ検出装置を備え、
前記長さ検出装置により2個連続して前記物品の長さが所定長さ以下であることが検出されたとき、これら2個の物品は同時に前記移載装置へ搬出され、2個同時に前記下段コンベヤへ移載されること
を特徴とする請求項2または請求項3に記載の出荷設備。
【請求項5】
前記下段コンベヤは、前記移載装置から物品を移載する優先順位が予め設定された、前記物品が自重で滑り移動する複数のフリーコンベヤから形成され、
前記移載装置は、優先順位の高いフリーコンベヤへ優先して物品を移載すること
を特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の出荷設備。
【請求項6】
前記各フリーコンベヤにそれぞれ、前記物品で満量となっていることを検出する満量検出装置を配置し、
前記移載装置は、前記優先順位の高いフリーコンベヤが前記満量検出装置により満量が検出されているとき、このフリーコンベヤへの物品の搬出を一定時間待ち、一定時間が経過しても満量が解消されないとき、次の優先順位のフリーコンベヤへ物品を移載すること
を特徴とする請求項5に記載の出荷設備。
【請求項7】
前記搬送ラインには、前記出荷ラインが複数備えられ、
前記各出荷ラインにはそれぞれ、前記直角方向に、作業者の作業通路が設けられ、
前記各出荷ラインに対応して、前記物品を出荷先へ運搬する運搬車両のブースが形成され、前記運搬車両のブースの幅は、前記直角方向の下段コンベヤの横幅に、前記直角方向の作業者の作業通路の横幅を加えて設定されていること
を特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の出荷設備。
【請求項8】
各出荷ラインは、2つ出荷ライン毎に背中合わせに、かつ次の出荷ラインとは前記作業者の作業通路が対向するように配置され、
背中合わせに配置された各出荷ラインの上段コンベヤ、移載装置および下段コンベヤは共に、これら出荷ラインの境に一列に配置された複数の支柱に支持されていること
を特徴とする請求項7に記載の出荷設備。
【請求項9】
各物品には、出荷先を特定できる情報が記載されたラベルが取り付けられ、
各出荷ラインの前記下段コンベヤに移載された物品の前記ラベルが、前記作業通路を向くように、前記搬送ラインにおいて物品の向きが変更されること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載の出荷設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−269907(P2010−269907A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123836(P2009−123836)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(500290710)株式会社メディセオ・パルタックホールディングス (3)
【Fターム(参考)】