説明

分光蛍光光度計

【課題】ユーザによる煩雑な操作を行うことなく、キセノンランプの電極消耗による発光点像の位置変動を容易に補正することのできる分光蛍光光度計を提供する。
【解決手段】キセノンランプから成る光源11と、光源11の光を反射する反射鏡12と、反射鏡12によって反射された光から所定波長の光を励起光として分離する第1の分光系13〜15と、前記励起光を受けて試料が発する光を分光する第2の分光系21〜23と、該第2の分光系で分光された光を検出する検出器25と、反射鏡12の角度を変更する反射鏡駆動手段30と、検出器25からの出力信号が最大となるように反射鏡駆動手段30を制御する制御手段41、42とを設ける。制御手段41、42が検出器25からの出力信号に基づいて反射鏡駆動手段30を制御することにより、反射鏡12の角度が最大励起光量が得られる最適角度へと自動的に調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光蛍光光度計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な分光蛍光光度計における光学系の概略構成を図5に示す。光源11から発せられた光は、該光源11の後方に配置された楕円面鏡12で反射・集光され、光源11の前方に配置された凹面鏡13に照射される。凹面鏡13で反射された光はスリット板14に設けられた励起側入口スリット14aを通過した後、励起側凹面回折格子15に入射して波長方向に分散され、波長分散された光の一部は励起側出口スリット14bを通過する(ここで、励起側出口スリット14bを通過した光を励起光と呼ぶ)。なお、励起側凹面回折格子15には回転軸15aを中心として該回折格子15を回転駆動させるための励起側格子駆動機構(図示略)が設けられており、該格子駆動機構で回折格子15の向きを変えることにより、励起光の波長を所定波長範囲内で任意に設定することができる。
【0003】
こうして励起側出口スリット14bを通過した光(励起光)は、光路上に設けられたビームスプリッタ16によって二方向に分離される。即ち、励起光の一部はビームスプリッタ16を通過し、2枚組の集光レンズ18を介して試料室19内の試料セル20に到達する。一方、励起光の他の部分はビームスプリッタ16により反射され、光源モニタ用検出器17により検出される。
【0004】
試料セル20に励起光が到達すると、その中の試料が蛍光を発する。この蛍光の一部は、集光レンズ21によって集光され、スリット板22に設けられた蛍光側入口スリット22aを通過して蛍光側凹面回折格子23に到達する。蛍光側凹面回折格子23に入射した光は該回折格子23によって波長方向に分散され、その一部が蛍光側出口スリット22bを通過し、凹面鏡24を介して検出器(例えば光電子増倍管)25により検出される。なお、蛍光側凹面回折格子23には回転軸23aを中心として回折格子23を回転駆動するための蛍光側格子駆動機構(図示略)が備えられており、検出器25により検出される光の波長は、前記格子駆動機構で回折格子23の向きを変えることにより、所定波長範囲内で任意に設定することができる。
【0005】
上記のような分光蛍光光度計では、一般に、光源11としてキセノンアークランプ(以下、単にキセノンランプと呼ぶ)が使用される。キセノンランプは、キセノンガス中でのアーク放電による発光を利用したランプであり、広い波長範囲に亘って強い連続スペクトルの光が得られるという利点を有している。しかしながら、その反面、キセノンランプは、フィラメントを使用するハロゲンランプ等と比較すると輝度安定性が低いという問題がある。
【0006】
そこで、従来の分光蛍光光度計には上記のような光源モニタ用検出器17が設けられ、該光源モニタ用検出器17の出力信号に基づいて、例えば、蛍光検出用の検出器25を構成する光電子増倍管に印加する負電圧にフィードバックを掛けるなどして光源光強度の変動を補償するようになっていた(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平3-274427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
キセノンランプの内部には、図6に示すように陽極51と陰極52がその先端部を離間させて配置されており、両電極間に高電圧を印加することにより電極ギャップ間でアーク放電を生じさせる。しかしながら、キセノンランプの陰極52はその先端部が点灯時間の経過と共に徐々に消耗するため、これに伴って電極ギャップ間の発光点53の位置が変動する。その結果、図6に示すように、楕円面鏡12等の光学要素によって前記発光点の像が結ばれる位置54が変化して励起側入口スリット14aの位置から外れてしまい、上記のようなフィードバック補正では補償しきれない励起光強度の変動を生じる可能性があった。
【0009】
ところで、従来の分光蛍光光度計では、一般に、装置設置時やランプを交換した際などに、楕円面鏡の角度を手動で変更できるようになっている。そこで、これを利用して楕円面鏡の角度を適切に調整すれば、上記のような発光点の変動を補正することも可能である。しかしながら、このような角度調整を行う際には、ユーザが所定の工具を用いて手作業で楕円面鏡の向きを少しずつ動かしつつ、該楕円面鏡で反射された光源からの光が励起側入口スリットで像を結ぶように調節を行う必要があり、非常に煩雑であった。
【0010】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ユーザによる煩雑な操作を行うことなく、キセノンランプの電極消耗による発光点像の位置変動を補正し、長期間に亘って安定した測定感度を得ることのできる分光蛍光光度計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために成された本発明に係る分光蛍光光度計は、
a)キセノンアークランプから成る光源と、
b)前記光源の光を反射する反射鏡と、
c)前記反射鏡によって反射された光から所定波長の光を励起光として分離する第1の分光系と、
d)前記励起光を受けて試料が発する光を分光する第2の分光系と、
e)前記第2の分光系で分光された光を検出する検出器と、
f)前記反射鏡の角度を変更する反射鏡駆動手段と、
g)前記検出器からの出力信号が最大となるように前記反射鏡駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴としている。
【0012】
また、上記本発明に係る分光蛍光光度計は、
h)前記制御手段による反射鏡駆動手段の制御を行った後、前記検出器からの出力信号が所定の値となるように該検出器の感度を調節する感度調節手段
を更に有するものとすることが望ましい。
【0013】
ここで、前記検出器としては、例えば光電子増倍管を用いることができ、その場合、前記感度調節手段によって、該光電子増倍管への印加電圧の大きさを変化させることで前記検出器の感度(即ち、入射光量に対する出力信号の大きさ)を調整することができる。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた本発明に係る分光蛍光光度計は、
a)キセノンアークランプから成る光源と、
b)前記光源の光を反射する反射鏡と、
c)前記反射鏡によって反射された光から所定波長の光を励起光として分離する第1の分光系と、
d)前記励起光を受けて試料が発する光を分光する第2の分光系と、
e)前記第2の分光系で分光された光を検出する第1の検出器と、
f)前記励起光の一部を受けるように配置された第2の検出器と、
g)前記反射鏡の角度を変更する反射鏡駆動手段と、
h)前記第2の検出器からの出力信号が最大となるように前記反射鏡駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
上記のような構成から成る本発明の分光蛍光光度計によれば、前記制御手段が蛍光検出用の検出器(又は前記第2の検出器)からの出力信号に基づいて反射鏡駆動手段を制御することにより、前記反射鏡の角度が最大励起光量が得られる最適角度へと自動的に調整される。このため、上記のようなキセノンランプの発光点変動による励起光強度の低下を、ユーザによる煩雑な操作を行うことなく容易に補正することができ、長期間に亘って安定した測定感度を得ることができる。
【0016】
また、本発明の分光蛍光光度計は、既存の検出器(蛍光検出用又は光源モニタ用の検出器)からの出力信号を利用して反射鏡の角度調整を行うものであるため、反射鏡調整のために新たな検出器を設ける必要がなく、大幅なコスト増加を招来することなしに実現することが可能である。
【0017】
更に、上記のような感度調節手段を備えた構成とすれば、反射鏡の角度調節と併せて、前記検出器の経時劣化等による検出感度の変動を補正することも可能となり、より安定した測定感度を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例に係る分光蛍光光度計の概略構成を示す図である。この分光蛍光光度計は、光学系及び該光学系の各光学要素を駆動するための駆動系を収容した本体100と、前記駆動系の制御及び前記光学系の検出器17、25からの出力信号の処理を行うための制御/処理ユニット200とに大別される。なお、この分光蛍光光度計の光学系の構成は図5に示した従来装置と同様であるため、各構成要素には同一符号を付し、特に必要の無い限り説明を省略する。また、図1に示した光学系の配置はあくまで一例であり、反射鏡12は必ずしも光源11の後方に配置されていなくてもよい。
【0019】
本実施例に係る分光蛍光光度計の特徴は、光源11であるキセノンランプの光を集光反射するための楕円面鏡11(本発明における反射鏡に相当する)の角度調節(あふりアライメント)を自動的に実行するための反射鏡駆動部30及びアライメント制御部42を備えた点にある。
【0020】
図2(a)は本実施例の分光蛍光光度計における楕円面鏡12及び反射鏡駆動部30周辺の構造を示した縦断図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿った断面を模式的に表した図である。
【0021】
本実施例の分光蛍光光度計では、楕円面鏡12はホルダ31に収容されており、ホルダ31はボールジョイントを介して本体100内部の所定の取り付け面32に取り付けられている。取り付け面32にはボールジョイントを構成する支点ボール33を先端に備えたロッドが固定されており、ホルダ31に設けられたボール受け部34によって支点ボール33が回動自在に内包される。当然ながら、ホルダ31側に支点ボールを設け、取り付け面32側にボール受け部を設けた構成としてもよい。また、楕円面鏡12をホルダ31に収容せず、楕円面鏡12の背面に直接ボール受け部34又は支点ボール31を設けるようにしてもよい。
【0022】
ホルダ31の背面には、図2(b)に示すように、第1アライメントバー35と第1スプリング37とが支点ボール33を挟んで上下に配設されると共に、第2アライメントバー36と第2スプリング38とが支点ボール33を挟んで左右に配設されている。各スプリング37、38は圧縮バネから成り、それぞれホルダ31を図2(a)中の左方向に付勢している。
【0023】
こうした構造をとることにより、ホルダ31及びこれに収容された楕円面鏡12は、楕円面鏡12の左右軸と平行且つ支点ボール33の中心を通るX軸と、楕円面鏡12の上下軸と平行且つ支点ボール33の中心を通る軸をY軸との互いに直交する2軸周りに回動可能となっている。すなわち、第1アライメントバー35を押し引きすることにより、ホルダ31をX軸周りに回動させて楕円面鏡12を前後方向に傾けることができ、第2アライメントバー36を押し引きすることにより、ホルダ31をY軸周りに回動させて楕円面鏡12を左右方向へひねるように動かすことができる。
【0024】
ここで、第1アライメントバー35及び第2アライメントバー36は、それぞれ小型モータを内蔵した電動マイクロメータヘッドのスピンドル(棒状部材)であり、後述するアライメント制御部42によって各電動マイクロメータヘッドのモータの回転方向及び回転量を個別に制御することで、各アライメントバー35、36を楕円面鏡12に向かって所定の距離だけ進退させることができる。
【0025】
本実施例の分光蛍光光度計における制御/処理ユニット200は、主制御部41とアライメント制御部42、信号処理部43、及び記憶部44を含んでおり、主制御部41には、更に、ユーザが各種命令や設定データを入力するための操作部45とモニタ等を備えた表示部46が接続されている。主制御部41は、上記のアライメント制御部42の動作を制御する他、本体100の各光学要素を駆動するための駆動系(例えば、回折格子15、23の駆動機構やスリット板14、22の駆動機構)の制御や、蛍光用検出器25に印加する電圧の制御等を行う。なお、本実施例では主制御部41及びアライメント制御部42が協同することにより本発明における制御手段として機能する。また、主制御部41は本発明における感度調節手段としての機能も果たす。
【0026】
信号処理部43は、蛍光用検出器25及び、光源モニタ用検出器17から出力される検出信号に基づいて所定のデータ処理を行う。記憶部44は各種測定データや設定データ等を記憶する。なお、制御/処理ユニット200は、分光蛍光光度計本体に内蔵された専用コンピュータによって具現化してもよいが、典型的にはパーソナルコンピュータによって具現化され、該パーソナルコンピュータに所定のソフトウエアを搭載することで各種の制御・処理が実行される。
【0027】
以下、本実施例に係る分光蛍光光度計の動作について図3及び図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0028】
まず、ユーザが分光蛍光光度計本体の電源をONにすると(ステップS100)、光源11であるキセノンランプが点灯する(ステップS200)。続いて、ユーザが操作部45で所定の操作を行うことにより、制御/処理ユニット200において所定のソフトウエアを起動させる。これにより、制御/処理ユニット200と本体100との通信が開始され、更に本体100の初期化が実行される(ステップS300)。
【0029】
その後、主制御部41により「自動アライメントモード」を実行するか否かが自動的に判断される(ステップS400)、自動アライメントモードを行わないと判断された場合には、ステップS600に進んで通常測定モードが実行される。この自動アライメントモードの実行タイミングは、ユーザが自由に設定して記憶部44に記憶させておくことができる。従って、例えば、所定の曜日や所定の日時に自動アライメントモードを実行させるよう予めスケジュールを設定しておくことにより、前記のステップS400において、該スケジュールに照らして自動アライメントモードの実行要否が判断される。なお、このようなスケジュールの設定を行わず、本体100を起動させる度に自動アライメントモードを実行するようにしてもよい。
【0030】
一方、ステップS400において自動アライメントモードを実行すると判断された場合には、ステップS500に進んで自動アライメントモードが実行される。自動アライメントモードでは、まず、表示部46のモニタ上に「試料室に蒸留水入り10mmキュベットセルを装着して下さい」等のメッセージが表示される(ステップS501)。ユーザが該メッセージに従って蒸留水を収容した試料セルを試料室19内にセットした後、操作部45で所定の操作を行うと、以下に説明する楕円面鏡12の角度補正及び蛍光用検出器25の感度補正が自動的に実行される。なお、ここでは水のラマンピークを利用して前記角度補正及び感度補正を行う場合を例に挙げるが、他の試料を用いて補正を行うものとしてもよい。
【0031】
まず、スリットが光路上から外れるようにスリット板14、22を回転させて蛍光用検出器25への入射光を遮断し(シャッタークローズ:ステップS502)、ゼロ点補正を実行してダークノイズを除去する(ステップS503)。その後、スリット板14、22を回転させて再びスリットを光路上に位置させる(シャッターオープン:ステップS504)。続いて、励起側凹面回折格子15を駆動して励起波長を350nmにセットし、励起光を試料に照射する(ステップS505)。その状態で蛍光側凹面回折格子23を所定の速度且つ所定の角度範囲で回動させることにより蛍光波長を350nm〜450nmまで走査する(ステップS506)。このときの蛍光用検出器25の出力信号に基づいて信号処理部43にて水のラマンスペクトルデータが生成され、主制御部41が該スペクトルデータを参照することにより、蛍光波長397nm付近にスペクトルピークが観測されることを確認する(ステップS507)。ここで、ピークが確認されない場合には、装置故障と認識して所定のエラー処理を行う(ステップS512)。ステップS507において397nm付近にピークが観測された場合は、正常状態と認識し、蛍光側凹面回折格子23を駆動して蛍光波長をそのピーク位置に移動させ、該ピーク位置における蛍光強度が連続的にモニターできる状態とする(ステップS508)。
【0032】
この状態のまま、アライメント制御部42により各アライメントバー35、36を含む電動マイクロメータを個別に制御することにより、楕円面鏡12の角度調整を行う。まず、蛍光用検出器25からの出力信号(即ち、水のラマンピーク値)をモニタしながら第1アライメントバー35を現在位置から押し/引きし、前記出力信号が最大になる位置を探して該位置に第1アライメントバー35をセットする(ステップS509)。続いて、第2アライメントバー36を同様に押し/引きすることにより、蛍光用検出器25の出力信号が最大になる位置を探してその位置に第2アライメントバーをセットする(ステップS510)。以上の動作により、楕円面鏡12の角度調整が完了し、光源11の発光点のずれが補正される。
【0033】
次に、この状態(即ち、楕円面鏡12の角度を最適化した状態)における蛍光用検出器25の出力信号の大きさ(蛍光強度)が、予め設定され記憶部44に記憶されていた所定の値(基準値)となるように蛍光用検出器25への印加電圧を調整する(ステップS511)。具体的には、蛍光強度が前記基準値よりも低ければ印加電圧を上げる調整を行い、逆に基準値よりも高ければ印加電圧を下げる調整を行う。
【0034】
以上の調整が完了したら自動アライメントモードが終了して通常測定モードに移行する(ステップS600)ので、ユーザは測定対象とする試料を収容した試料セルを試料室19にセットして通常の測定を開始する。
【0035】
以上のように、本実施例に係る分光蛍光光度計によれば、光源ランプの電極消耗による発光点の位置ずれを容易に補正することができ、装置の検出感度を長期間に亘って一定に維持することができる。更に、楕円面鏡角度を最適化した状態における蛍光用検出器の出力信号を一定の値に調整することにより、検出器の経時劣化による感度の変動を補正することもできるため、装置の検出感度をより安定させ、定量性の良い蛍光測定を行うことが可能となる。
【0036】
以上、実施例を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明を行ったが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。例えば、本発明における反射鏡駆動手段は、上記のような電動マイクロメータを利用するものの他、長ストローク型のピエゾ素子をアクチュエータとして利用するものとしてもよい。また、上記実施例では蛍光用検出器25からの出力信号に基づいて反射鏡12の角度調整及び検出器25の感度補正を行うものとしたが、これに代わり、光源モニタ用検出器17からの出力信号に基づいて反射鏡12の角度補正のみを行うようものとしてもよい。この場合、蛍光用検出器25が本発明における第1の検出器に相当し、光源モニタ用検出器17が本発明における第2の検出器に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例に係る分光蛍光光度計の概略構成図。
【図2】同実施例の分光蛍光光度計における反射鏡及び反射鏡駆動部周辺の構造を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)はA−A線に沿った断面を模式的に表した図である。
【図3】同実施例に係る分光蛍光光度計の動作を示すフローチャート。
【図4】同実施例の分光蛍光光度計における自動アライメントモード実行時の動作を示すフローチャート。
【図5】従来の分光蛍光光度計の光学系の概略構成を示す図。
【図6】光源の電極消耗による発光点像の位置変動を説明する図。
【符号の説明】
【0038】
11…光源
12…楕円面鏡(反射鏡)
14、22…スリット板
15、23…回折格子
17…光源モニタ用検出器
20…試料セル
25…蛍光用検出器
30…反射鏡駆動部
35…第1アライメントバー
36…第2アライメントバー
37…第1スプリング
38…第2スプリング
41…主制御部
42…アライメント制御部
43…信号処理部
44…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)キセノンアークランプから成る光源と、
b)前記光源の光を反射する反射鏡と、
c)前記反射鏡によって反射された光から所定波長の光を励起光として分離する第1の分光系と、
d)前記励起光を受けて試料が発する光を分光する第2の分光系と、
e)前記第2の分光系で分光された光を検出する検出器と、
f)前記反射鏡の角度を変更する反射鏡駆動手段と、
g)前記検出器からの出力信号が最大となるように前記反射鏡駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする分光蛍光光度計。
【請求項2】
更に、
h)前記制御手段による反射鏡駆動手段の制御を行った後、前記検出器からの出力信号が所定の値となるように該検出器の感度を調節する感度調節手段
を有することを特徴とする請求項1に記載の分光蛍光光度計。
【請求項3】
前記検出器が光電子増倍管であり、前記感度調節手段が、該光電子増倍管に印加する電圧を変化させることで前記検出器の感度を調節するものであることを特徴とする請求項2に記載の分光蛍光光度計。
【請求項4】
a)キセノンアークランプから成る光源と、
b)前記光源の光を反射する反射鏡と、
c)前記反射鏡によって反射された光から所定波長の光を励起光として分離する第1の分光系と、
d)前記励起光を受けて試料が発する光を分光する第2の分光系と、
e)前記第2の分光系で分光された光を検出する第1の検出器と、
f)前記励起光の一部を受けるように配置された第2の検出器と、
g)前記反射鏡の角度を変更する反射鏡駆動手段と、
h)前記第2の検出器からの出力信号が最大となるように前記反射鏡駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする分光蛍光光度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−112809(P2010−112809A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284967(P2008−284967)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】