説明

切削工具及びかかる切削工具を作る方法

モノリシック構造を有する切削工具(62)は、射出成形されたシャンク(60)及びシャンク(60)から前方に延在する押出されたフルート付けられた部分(64)を含み、当該シャンク(60)及び当該フルート付けられた部分(64)はモノリシック構造を有している。切削工具(62)を形成する方法は、シャンク(60)及びフルート付けられた部分(64)がモノリシック構造を有するように、未焼結本体のシャンク(60)を射出成形し、そして当該未焼結本体のフルート付けられた部分(64)を押出すことによって、切削工具未焼結本体を形成すること、そしてその後に、当該切削工具未焼結本体を焼結することを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的で中断なしの射出及び押出プロセスにより作られる切削工具の技術分野、より詳しくは、かかる射出及び押出プロセスによって作られるドリルの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
超硬合金から作られる切削工具の製作のために押出プロセスを用いることは知られている。かかるプロセスによって作り出され得る幾らかのタイプの切削工具、例えば、ドリル、エンドミル、リーマー、タップ、そのほかに皿穴形成用の工具が存在する。所要の切削工具は所望の径及び長さに押出され、そしてその後、必要なチップ排出溝(フルート)が生成される。
【0003】
場合によっては、チップ排出フルートは必要に応じ、例えば、リーマーのある種におけるように、切削工具の長手方向軸線に平行であってもよい。別の場合では、チップ排出フルートは必要に応じ、例えば、リーマーの他の種類、そしてエンドミル及びドリルにおけるように、長手方向軸線の回りに螺旋状に延在してもよい。
【0004】
切削工具の各々には、切削領域に冷却液を供給するために、その後端部分からその前端部分にまで延在する冷却用チャネルが設けられてもよい。切削工具にヘリカルなチップ排出フルートが設けられるときは、典型的にまた、冷却用チャネルが長手方向軸線の回りに螺旋状に延在し、フルートの螺旋に従っている。
【0005】
上述の切削工具の各々は、それの後端部分のシャンク部分と、当該シャンク部分から前方に延在するフルート付けられた部分とを備えている。シャンク部分は、典型的には、丸棒の形であり、切削機械によって又はアダプターによって切削工具を保持するために役立つ。
【0006】
ヘリカルなフルートの作成のため、及び螺旋状の冷却用チャネルの作成のための種々の方法が知られている。
【0007】
Puideへの特許文献1は、ブランクを押出し、その後ブランクを焼結することによって如何にしてらせんのドリルを製造するかを教示している。押出しの間、混合体の外周表面に円柱形をもたらすダイの中を混合体は通過される。複数のジョーがダイの下流に混合体を案内するために配置されている。各ジョーは、工具のチップフルートを構成するヘリカルな溝が形成されるのを生じさせるために、押出された材料の外表面に係合するヘリカルな突起(リッジ)を含んでいる。押出しの間、ジョーはチップ溝の形成を終了するために混合体から離れて移動され、それによって工具のシャンク部分が形成される。スピンドルからドリルの先端へフラッシング媒体を移送させるために、2つのフラッシュチャンネルがドリルの全体に亘って延在している。
【0008】
かかる構造の不都合なことは、冷却液供給源を薄いフラッシュチャンネルに連結する困難性である。さらに、シャンク部分の巨大な構造は超硬合金の不必要な浪費に遭遇することになる。
【0009】
ドリルブランクを作り出すもう一つの方法が、Kugelberg et alへの特許文献2に開示されている。当該方法は、自由端及び外側フルートを有する第1のブランク部分(B1)を押出すこと、当該押出しがさらなる押出し質量をキャビティ(6)に供給すべく継続するのを許容すること、当該供給は、第1のブランク部分(B1)と一体の第2のブランク部分(B2)を生み出すべく第1のブランク部分(B1)の外側フルートを完全に満たすこと、当該押出しが第1のブランク部分(B1)の所望の長さを生み出すべく継続するのを許容すること、及び第1のブランク部分(B1)を第2のブランク部分(B2)から離れて面している端部で切り離すことを含んでいる。
【0010】
かかる方法は、上述と同様な不都合に悩まされている。
【0011】
ドリルブランクを作り出すもう一つの方法がKugelberg et alへの特許文献3に開示されている。当該方法は、混合体本体の直径を形成すべくダイによって混合体を送り方向に押出すことを含んでいる。当該混合体本体は、チップ除去加工によって当該混合体本体の外周にチップフルートを形成するのみに対抗して通過する。当該のみが当該混合体本体から離れて変位されるとき、フルート付けられないシャフト部分が形成される。当該のみにより接触されつつ当該混合体本体が回転されることにより、ヘリカルなチップフルートが形成され得る。代わりに、真直ぐなフルートが形成された後に本体がねじられると、すぐにフルートはヘリカルになる。
【0012】
またこの場合、当該方法は上述のと同様の不都合に悩まされる。
【0013】
場合によっては、異なる構造を有する区域から切削工具を作り出すのも有益である。異なる構造を有する区域とは、それらがその性質で異なる、例えば、一つの区域は、典型的には周囲的な区域であるが、より耐摩耗性がある一方、もう一つの区域は、典型的には内側の区域であるが、より頑丈でより非脆弱であってもよいことを意味する。
【0014】
超硬合金材料の特性(性質)は、例えば、セラミック成分の化学組成、セラミック成分の粒子の大きさ、バインダーの化学組成、及びバインダーとセラミック成分の比によって決定される。異なる区域の異なる特性は、弾性係数、硬度、耐摩耗性、破壊靱性、引張強度、耐腐食性、熱膨張係数、及び熱伝導率における相違であってもよい。
【0015】
異なる構造の区域を有する切削工具を作り出す方法は、当該技術分野において知られている。かかる方法は、例えば、Mirchandani et al.への特許文献4、Puide et al.への特許文献5、及びNagahora et al.への特許文献6に開示されている。しかしながら、溶融金属材料のための複合技術である同時押出し方法においては、第1の材料の全表面が第2の材料によって覆われてしまう。それ故に、不必要な部分まで覆われてしまい、第1の材料の特性が十分には提示され得ない。これは費用の観点からすれば不都合なことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,669,414号明細書
【特許文献2】米国特許第7,296,497号明細書
【特許文献3】米国特許第7,340,978号明細書
【特許文献4】米国特許第6,511,265号明細書
【特許文献5】米国特許第6,450,739号明細書
【特許文献6】米国特許第6,274,082号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、前述の不都合なことを低減ないしは克服する切削工具、及びかかる切削工具を作り出す方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、連続的で中断なしの射出及び押出プロセスによって作られる切削工具を提供することである。
【0019】
本発明のまたさらなる目的は、かかる組み合わされた射出及び押出プロセスによって作られるドリルを提供することである。
【0020】
本発明のその上のさらなる目的は、切削工具に、そのフルート付けられた部分に冷却用チャネルが設けられると共に、そのシャンク部分に大きな冷却用ボアと経済的なシャンク構造が設けられている切削工具、及びかかる切削工具を作る方法を提供することである。
【0021】
本発明のまたその上のさらなる目的は、切削工具が異なる構造を有する区域から作られ、そして内側の材料が外側の材料によって部分的にのみ覆われている切削工具、及びかかる切削工具を作る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、射出成形されたシャンク、及び射出成形されたシャンクから延在する押出されてフルート付けられた部分、を備え、当該射出成形されたシャンクおよび当該押出されフルート付けられた部分がモノリシック構造を有していることを特徴とする切削工具が提供される。
【0023】
好ましい実施形態に従えば、当該シャンクは当該シャンクの後端部から前方に延在するボアを備える。
【0024】
ある実施形態従えば、当該ボアは円柱状であり、そして切削工具の長手方向軸線に関して対称である。
【0025】
他の実施形態に従えば、当該ボアは切削工具の長手方向軸線に直交する平面で採って非丸形の断面を有している。
【0026】
ある実施形態に従えば、当該シャンクはシャンク径D3を有し、当該ボアはボア径D4を有し、そしてボア径D4とシャンク径D3との径比率が0.6から0.9の範囲内にある。
【0027】
所望であれば、当該フルート付けられた部分は当該ボアの前端部から前方に延在する少なくとも1つの内部の冷却用チャネルを備える。
【0028】
ある実施形態において、当該ボアは直線状であり、そして少なくとも1つの内部冷却用チャネルが当該ボアの前端部から前方に延在している。
【0029】
ある実施形態において、当該ボアはねじれており、そして少なくとも1つの内部冷却用チャネルが当該ボアの前端部から前方に延在している。
【0030】
ある実施形態において、当該フルート付けられた部分は、切削工具の長手方向軸線Cと直交する平面で採って非丸形の断面を有している少なくとも1つの内部冷却用チャネルを備える。
【0031】
有利なことには、当該フルート付けられた部分は、フルート状周辺部分のリーディング端部にフルートリーディングエッジを、及びフルート状周辺部分のトレーリング端部にフルートトレーリングエッジを有する少なくとも1つのフルート状周辺部分を備え、そして当該フルート付けられた部分は、切削工具の長手方向軸線Cに直交する平面で採った断面に見られるように、フルートトレーリングエッジよりもフルートリーディングエッジにより近い少なくとも1つの内部冷却用チャネルを備える。
【0032】
さらに有利なことに、当該フルート付けられた部分は、フルート状周辺部分のリーディング端部にフルートリーディングエッジを、及びフルート状周辺部分のトレーリング端部にフルートトレーリングエッジを有する少なくとも1つのフルート状周辺部分を備え、そして当該フルート部周辺部分に隣接する当該フルート付けられた部分の工具材料は、当該フルート部周辺部分から離れた当該フルート付けられた部分の工具材料に関して異なる特性を有する。
【0033】
さらにまた有利なことに、当該フルート付けられた部分は、フルート状周辺部分のリーディング端部にフルートリーディングエッジを、及びフルート状周辺部分のトレーリング端部にフルートトレーリングエッジを有する少なくとも1つのフルート状周辺部分を備え、そして当該フルートリーディングエッジに隣接する当該フルート付けられた部分の工具材料は、当該フルートリーディングエッジから離れた当該フルート付けられた部分の工具材料に関して異なる特性を有する。
【0034】
所望であれば、当該シャンクは第1の材料特性を有する第1の材料で作られ、そして当該フルート付けられた部分の少なくとも一部分は、第1の材料特性と異なる第2の材料特性を有する第2の材料で作られる。
【0035】
ある実施形態において、当該フルート付けられた部分は切削ヘッドを備え、少なくとも当該切削ヘッドが第2の材料で作られている。
【0036】
ある実施形態において、当該フルート付けられた部分の長さの少なくとも一部分は当該フルート付けられた部分の長さの残存部分よりもより硬い材料で作られている。
【0037】
所望であれば、当該シャンクはシャンク径D3を有し、当該フルート付けられた部分はフルート付けられた部分径D5を有し、そしてシャンク径D3は当該フルート付けられた部分径D5と異なっている。
【0038】
ある実施形態において、当該切削工具は当該切削工具の前端部分に切削部分を備え、そして当該切削部分が当該フルート付けられた部分から半径方向外方に延在している。
【0039】
本発明による、シャンク及びフルート付けられた部分を有する切削工具を作る方法もまた提供され、当該方法は、未焼結本体のシャンクを射出成形し、そして当該シャンクと当該フルート付けられた部分とがモノリシック構造を有するように当該未焼結本体のフルート付けられた部分を押出すことによって、切削工具の未焼結本体を形成するステップ、及び当該未焼結本体を焼結するステップ、を備えることを特徴とする。
【0040】
当該方法は、切削工具の未焼結本体を形成する前に、固定部分、及び、当該固定部分に接触し、当該固定部分から双方向の運動方向に沿って離れて移動可能である可動部分を備え、当該固定及び可動部分の一方が、長手方向軸線を備えるダイボアを有するダイであって、当該ダイボアが運動方向に沿って面するダイを備え、そして当該固定及び可動部分の他方が、長手方向軸線を有するキャビティ挿入部及び当該ダイボアに面する挿入部ボアを備える射出及び押出システム(10)をもたらし、ここで、当該切削工具の未焼結本体を形成することは、
(i) 当該ダイボアを介して当該挿入部ボア内に溶融工具材料を射出し、かくて、当該切削工具未焼結本体のシャンクを形成すること、
(ii) 当該可動部分を当該固定部分から離して移動させること、そして同時に、当該ダイボアを介して溶融工具材料を押出し、かくて、当該シャンクとフルート付けられた部分とがモノリシック構造を有するように、切削工具未焼結本体の所望の長さのフルート付けられた部分を形成すること、及び
(iii) 当該フルート付けられた部分をブレードで切断すること、
を備える、ことを含んでもよい。
【0041】
当該ブレードは、運動方向と直交する方向に切断してもよい。
【0042】
当該方法は、当該切削工具の未焼結本体を焼結する前に、当該挿入ボアから当該シャンクをエジェクトするステップをさらに備えてもよい。
【0043】
典型的には、当該挿入ボアは挿入ボアの低部から後方に延在するコアを備えている。
【0044】
一般に、当該コアはコア径D1を有し、当該挿入ボアはキャビティ径D2を有し、そして当該コア径D1と当該キャビティ径D2との径比率Eは0.6から0.9の範囲である。
【0045】
ある実施形態において、当該ダイボアは、当該ダイボアに沿ってねじられたダイボア部分を備え、そして当該キャビティ挿入部は、それが属する当該固定部分及び当該可動部分のいずれかに関して、その長手方向軸線Bの回りに回転可能である。
【0046】
所望であれば、当該キャビティ挿入部は強制的に回転可能である。
【0047】
ある実施形態において、当該ダイボアは、当該ダイボアの前方部分から後方に延在する少なくとも1つのピンを備える。
【0048】
所望であれば、当該少なくとも1つのピンはその前端部分に少なくとも沿ってねじられている。
【0049】
有利なことには、当該ダイボアの当該長手方向軸線Aに直交する平面で採った当該少なくとも1つのピンの断面は丸形ではない。
【0050】
ある実施形態において、当該ダイボアは、当該少なくとも1つのピンに関連するダイボア周囲部分を備え、当該ダイボア周囲部分は、第1のボア縁部において第1のダイボア凸状部分に、そして第2のボア縁部において第2のダイボア凸状部分に合流し、そして当該少なくとも1つのピンは第2のボア縁部よりも第1のボア縁部により近い。
【0051】
有利なことには、当該ダイボアは当該少なくとも1つのピンに関連するダイボア周囲部分を備え、当該ダイボア周囲部分は第1のボア縁部において第1のダイボア凸状部分に、かつ第2のボア縁部において第2のダイボア凸状部分に合流し、第1のチャンバーが当該ダイボア周囲部分と分離プレートとの間に画成され、第2のチャンバーが当該分離プレートと当該ダイボアの長手方向軸線Aとの間に画成され、そして、当該第1のチャンバーは第1の工具材料の取入口に連結され、かつ当該第2のチャンバーは第2の工具材料の取入口に連結されている。
【0052】
所望であれば、当該第1の工具材料は当該第2の工具材料とは異なっている。
【0053】
さらに所望であれば、当該第1の工具材料は当該第2の工具材料よりも硬く、そして当該第2の工具材料は当該第1の工具材料よりもより頑丈である。
【0054】
ある実施形態において、当該フルート付けられた部分の長さの少なくとも一部分は当該第1の工具材料から作られ、そして当該フルート付けられた部分の長さの残存部分は当該第2の工具材料から作られている。
【0055】
有利なことには、当該分離プレートは当該少なくとも1つのピンに連結されている。
【0056】
ある実施形態において、当該第1のチャンバーは第1のボア縁部と第2のボア縁部とを備えている。
【0057】
ある実施形態において、当該第1のチャンバーは当該第1のボア縁部を備え、そして当該第2のチャンバーは当該第2のボア縁部を備えている。
【0058】
所望であれば、当該第1のチャンバーは当該少なくとも1つのピンを備える。
【0059】
さらに所望であれば、当該第2のチャンバーは当該少なくとも1つのピンを備える。
【0060】
典型的には、当該挿入ボアはキャビティボア径D2を有し、当該ダイボアはダイボア径D6を有し、そして当該キャビティボア径D2は当該ダイボア径D6に等しい。
【0061】
ある実施形態において、当該挿入ボアはキャビティボア径D2を有し、当該ダイボアはダイボア径D6を有し、そして当該キャビティボア径D2は当該ダイボア径D6と異なっている。
【0062】
ある実施形態において、当該固定部分は当該ダイを備え、そして当該可動部分が当該キャビティ挿入部を備える。他の実施形態において、当該固定部分は当該キャビティ挿入部を備え、そして当該可動部分が当該ダイを備えている。
【0063】
本発明により、シャンク及びフルート付けられた部分を有する切削工具の未焼結本体を作る方法が提供され、当該方法は、当該未焼結本体のシャンクを射出成形するステップ、及び当該シャンクとフルート付けられた部分がモノリシック構造を有するように、当該未焼結本体の当該フルート付けられた部分を押出すステップ、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明のより良き理解のため、及び本発明が如何に実際に実施されるかを示すため、今や、添付図面が参照される。
【図1】本発明による射出及び押出システムの射出プロセス中の図式的断面図である。
【図2】本発明による射出及び押出システムの押出プロセス中の図式的断面図である。
【図3】本発明による射出及び押出システムの冷却用チャネル及びシャンクボアを有する切削工具を作り出す射出プロセス中の図式的断面図である。
【図4】本発明による射出及び押出システムの冷却用チャネル及びシャンクボアを有する切削工具を作り出す押出プロセス中の図式的断面図である。
【図5】本発明による射出及び押出システムによって作り出された切削工具の側面図である。
【図6】図5の切削工具の長手方向断面図である。
【図7】フルート状周辺部分に隣接して異なる材料特性を有する切削工具を形成可能な本発明によるダイの断面図である。
【図8】フルート状周辺部分のリーディングエッジに隣接して異なる材料特性を有する切削工具を形成可能な本発明によるダイの断面図である。
【図9】非丸形のピンを有するダイの断面図である。
【図10】ダイボアの凸状部分に関して対称でないピンを有するダイの断面図である。
【図11】図5の線XI-XIに沿って取った切削工具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明による射出及び押出システム10を示している図1に最初に注目が向けられる。射出及び押出システム10(以下において、「システム」と称される)は、当該分野で知られているように、射出機12の基本的構成部品を備えている。しかしながら、システム10は、後で説明されるように、射出成形プロセス及び押出プロセスの両方を組合せる製品を製造するプロセスを提供する。明瞭化のために、用語、「射出機」はまた、溶融物質が型のキャビティ内に射出される「射出成形機」として知られていることが理解されるべきである。
【0066】
システム10は、連携棒18によって可動板16に連結されている固定板14を備えている。典型的には、システム10は、互いに平行であり、固定板14に直交する双方向の運動方向Mに沿った可動板16の摺動を可能にしている4つの連携棒18を備えている。
【0067】
システム10は4つの連携棒18を備えることに限定されず、他の数の連携棒が用いられてもよい。したがって、ある実施形態において、システム10は2つの連携棒を備え得る。さらに、他の実施形態によれば、射出機12は異なる方式で、かつ、連携棒無しで作動し得る。
【0068】
当該固定板14は、システム10の固定部分20を形成する種々の部品のためのベースとして役立つ。同様に、当該可動板16は、システム10の可動部分22を形成する種々の部品のためのベースとして役立つ。当該可動部分22が当該固定部分20に結合するとき、それらは分割線PLにおいて結合する。当該分割線PLは運動方向Mに直交する平面内に存する。当該固定板14から当該可動板16に向かう方向がシステム10の前方方向Fを形成する一方、反対方向がシステム10の後方方向Rを形成する。
【0069】
当該固定板14には、中央に位置付けられた固定板ボア24が設けられている。固定部分20の一部を形成するモールド固定部分26が当該固定板14連結され、そこから前方に延在している。当該モールド固定部分26には、固定板ボア24と同軸に延在する、中央に位置付けられた固定モールドボア28が設けられている。
【0070】
ダイ30は固定モールドボア28及び固定板ボア24内に位置され、かつ、滑り接触してもよい。当該ダイ30は、ダイ本体32及び長手方向軸線Aを有しダイ前端部36から後方に延在する、中央に位置付けられたダイボア34を有している。当該ダイ30は、当該分割線PLに到達しているダイ前端部36から当該固定板14を越えて後方に延在する。射出機12がシリンダー(不図示)を有する射出ユニットを備えるとき、当該ダイ30は射出機12の当該射出ユニットのシリンダーに連結されてもよいことが当業者により理解されよう。代わりに、当該ダイ30は当該モールド固定部分26の一部を形成してもよい。
【0071】
当該ダイ30には複数の加熱素子(不図示)が設けられている。当該加熱素子は当該ダイ本体32内、又はその外部に位置されてもよい。当該加熱素子は当該ダイボア34内に位置された工具材料38を押出し温度T1まで加熱する。
【0072】
本発明によれば、工具材料38は、当該分野で知られているようにバインダーを添加した超硬合金を備えている。しかしながら、本発明は超硬合金のみの使用に限定されず、他の工具材料が切削工具を作り出すために用いられてもよい。かかる材料は、例えば、セラミック、鋼、高速度鋼(HSS)等であってもよい。
【0073】
当業者には知られているように、工具材料はホッパー(不図示)に送給され、そして電気又は油圧モータ(不図示)によって動力付けられた単列又は双列のスクリュウオーガ(不図示)、又は油圧又は電気的手段によって駆動されるラム(不図示)により、当該ダイボア34に向けて押圧される。
【0074】
可動部分22の一部を形成するモールド可動部分40は、可動板16に連結され、そしてそれから後方に延在している。図1に示される位置において、モールド可動部分40は分割線PLまで後方に延在し、そして可動部分後端部42がダイ前端部36及び当該モールド固定部分26の固定モールド前端部44に当接している。
【0075】
長手方向軸線Bを有するキャビティ挿入部46は、モールド可動部分40の可動部分後区分48内に位置されている。キャビティ挿入部46は、挿入部本体50及び挿入部ボア底部54を有し中央に位置付けられた挿入部ボア52を有している。当該挿入部ボア52は、挿入部ボア底部54から後方に延在し、そして、図1に示される位置において、分割線PLでダイ前端部36に当接する挿入部後端面56に開口している。キャビティ挿入部46の長手方向軸線Bはダイボア34の長手方向軸線Aと同軸である。キャビティ挿入部46はキャビティ温度T2に保持され、そして長手方向軸線Cを有する切削工具62のシャンク60が射出され形成される型(モールド)58として役立つ。
【0076】
キャビティ挿入部46は、モールド可動部分40に関して、キャビティ挿入部46の長手方向軸線Bの回りに回転可能である。キャビティ挿入部46は自由に回転されるか、又は電動モータ、油圧モータ等(図には示されていない)によって強制的に回転されてもよい。
【0077】
1つの実施形態において、本発明による連続的かつ中断なしの切削工具を形成する方法は、射出段階及び押出段階の両者を包含している。切削工具を形成する方法は、以下のステップを備え得る。
【0078】
第1のステップにおいて、溶融工具材料38がダイ30を介してキャビティ挿入部46内に当該分野で知られているような射出方法(ときに、「射出成形」と称される)で射出される。この段階においては、図1に示されるように、モールド可動部分40が、ダイ30及びモールド固定部分26に対抗して分割線PLに沿って強制的に保持されている。キャビティ挿入部46は、工具材料38がダイボア34内に保持されているまで、押出温度T1よりも低いキャビティ温度T2に維持される。
【0079】
高圧及び高温で押されている溶融工具材料38が当該挿入部ボア52を満たし、かくて切削工具62の所望のシャンク60の形状に形成される。この段階において、シャンク60はキャビティ温度T2にまで冷却し、そしてシステム10が次のステップ、すなわち、フルート付けられた部分64の押出しのための準備が整うように固化を開始する。
【0080】
この段階において、図2に示されるように、2つの同時動作が行われる。第一に、可動部分22が分割線PLにおいて固定部分20から分離され、そしてダイ30から離れるように、可動板16が前方に移動される。第二に、溶融工具材料38がダイ30を介して押出される。
【0081】
フルート付けられた部分64の所望の長さLが達成されたとき、ダイ30を介しての溶融工具材料38の押出しは停止され、可動板16の前方への移動は停止され、そしてブレード66が切削工具62の未焼結本体68を分割線PLに沿ってダイボア34の長手方向軸線Aに直交する方向に切断する。
【0082】
ある実施形態に従えば、当該フルート付けられた部分64は直線状である。他の実施形態に従えば、当該フルート付けられた部分64は、図2に示されるように、ねじられている。
【0083】
真直ぐなフルート部が所要のときは、当該ダイボア34が、当該ダイボア34の少なくとも前方部分70に沿って、当該フルート付けられた部分64の断面の形状を有する。この形状は当該ダイボア34の所与の長さに沿って一定であってもよい。
【0084】
ねじられたフルート部が所要のときは、例えば、図2に示されるように、当該ダイボア34は当該フルート付けられた部分の断面形状を有している。この形状はダイボア34の所与の長さに沿って、当該ダイボア34の少なくとも前方部分70に沿ってねじられている。
【0085】
このようにして、図2に示された実施例では、当該フルート付けられた部分64がねじられる方式でダイ30から押出される。当該可動部分22は、溶融工具材料38のダイ30を介しての押出し速度に対応する速さで前方に移動される。
【0086】
当該フルート付けられた部分がねじられる方式で押出されるので、シャンク60もまた、切削工具62の未焼結本体68を破損しないために回転されねばならない。それ故に、キャビティ挿入部46は、自由に回転されるか、又は電動モータ、油圧手段等によって所望の速度で回転すべく拘束されている。
【0087】
明らかに、切削工具62が真直ぐなフルート部を備えて作り出されるのなら、シャンク60は当該フルート付けられた部分と共に回転される必要はなく、それ故に、キャビティ挿入部46もまたモールド可動部分40に関して回転される必要はない。
【0088】
未焼結本体を作成する方法の最終ステップにおいて、切削工具62の当該未焼結本体68がキャビティ挿入部46から放出され、そして切削工具62のもう一つの未焼結本体68を作り出す射出及び押出の次のサイクルのために用意されるべく、可動部分22は固定部分20に対抗して存するように後方に移動される。
【0089】
切削工具62の最後の作成段階として、未焼結本体68が焼結され、そしてシャンク60、当該フルート付けられた部分64、及び切削工具62の前端部分74における切削ヘッド72の最終形状及び大きさが、例えば、研磨プロセスにより作り出されてもよい。
【0090】
このようにして、結果としての切削工具62は、モノリシック構造を有する射出成形されたシャンク60及び押出されフルート付けられた部分64を備えている。この用語、「モノリシック」とは、当該切削工具のシャンク及びフルート付けられた部分が単一でワンピースの構造を有し、そして後で結合される個別部材として形成されていないという事実を意味している。同様に、未焼結本体において、シャンク及びフルート付けられた部分はまたモノリシック構造を有し、当該未焼結本体は単一の連続的かつ中断なしの作成方法においてワンピースとして形成されている。
【0091】
明細書及び請求項の全体に亘り、未焼結本体に関連して、「焼結する」という語句が言及されている。しかしながら、典型的に軟らかく脆弱である未焼結本体を固体で硬い本体に形成するプロセスは、例えば、化学的再結合及び熱的再結合のような他の段階を含み得ることが当業者には理解されよう。
【0092】
説明される実施形態において、水平方向において行われるプロセスに関連する、「前方に」及び「後方に」として、方向が言及されている。しかしながら、本発明による切削工具を形成する方法は水平方向のみには限定されず、他の空間的な方向が選ばれてもよい。例えば、射出及び押出は垂直方向、すなわち、地面に直交する方向で行われてもよい。
【0093】
さらに、切削工具(図5及び6)に関連して逆向きに定義されているプロセス(図1ないし4)について定義されている、前方及び後方の方向に関して、注意が払われねばならない。したがって、射出及び押出システム10において、シャンク60を作り出すためのキャビティ挿入部46は、フルート付けられた部分64を作り出すためのダイ30の前方に位置される一方、切削工具62では、当該フルート付けられた部分64はシャンク60から前方に延在している。
【0094】
シャンク60の射出の後、当該フルート付けられた部分64は、実際に、機械の長さ、すなわち、可動部分22が固定部分20から離れることができる長さによってのみ制限されるまで、所望の長さにまで押出され得る。
【0095】
ダイ30は、切削工具62のフルート付けられた部分64の断面形状に対応する形状に形成されている。押出しによって得られるときの未焼結本体のフルート付けられた部分64の大きさは、当該未焼結本体の焼結の後にそれが切削工具62のフルート付けられた部分64の最終の大きさと同じ、又は所望であれば、正確に所望の形状及び大きさにフルート部76を研削することができるように、僅かに大きくてもよい。このように、フルート部76を焼結段階後の最終形状及び大きさ、又は九分通りに作ることによって、相当な量の時間と金銭がこの方法により節約される。
【0096】
上述のような切削工具を形成する方法は、真直ぐなフルート部を有する、例えば、リーマー又は深穴ドリルのある種類の切削工具、又はねじられたフルート部を有する、ドリル及びエンドミルのような切削工具に実施され得る。
【0097】
場合によっては、切削工具62に内部の冷却用チャネル78(図5及び6を見よ)が設けられねばならないとき、当該ダイ30には、ダイボア34に沿いその前方部分70から後方に延在するピン80がさらに設けられている(図3及び4を見よ)。ピン80は当該ダイボア34内に固定され、分割線PLにまで到達している。
【0098】
冷却用チャネルが直線状であるべきときは、ピン80もまた直線状である。冷却用チャネルがヘリカルにねじられているべきときは、ピン80の前端部分が、図3に示されるように、当該ダイボア34内でヘリカルにねじられている。ピン80はダイ本体32に、典型的には、ピン80の後端部分において当該技術分野において知られている方法によって、連結されている。
【0099】
シャンク60の後端部84に開口するボア82を有するシャンク60を作り出すことが望まれる場合には、キャビティ挿入部46に挿入部ボア底部54に連結された適切なコア86がさらに設けられる。
【0100】
本発明による射出及び押出プロセスの利点は、後端部84に大きなボア82を有し、かくて相当な量の工具材料38を節約する経済的なシャンク構造を形成することが望まれるときに、特に、実現される。大きなボア82はまた、当該ボア82の前端部112から前方に延在する内部の冷却用チャネル78によって、切削工具62の切削部分124に向けての冷却媒体の通路のために用いられ得る。大きなボア82のさらなる利点は、冷却の供給源をより細い内部冷却用チャネル78に連結しなければならないのに代えて、冷却媒体の供給源との連結がより容易になるという事実から生じている。
【0101】
かかる場合、キャビティ挿入部46にコア86が設けられるときは(図3及び4を見よ)、当該コア86が挿入部ボア底部54から後方に延在している。当該コアは、キャビティ挿入部46のキャビティ径D2よりも小さなコア径D1を有している。このように、射出プロセス中に、工具材料38は当該コア86とキャビティ挿入部46及び挿入部ボア底部54の壁部88との間の空間を満たす。
【0102】
このようにして、そして先行技術に対して有利なことに、シャンク60が形成され、そこでこの場合、シャンク60は大きなボア82及び比較的薄い壁厚L1を有している。シャンク60の未焼結本体は、シャンク径D3を有し、当該ボア82はボア径D4を有している。シャンク径D3はキャビティ径D2に等しくてもよく、そしてボア径D4はコア径D1に等しくてもよい。当該ボア82に関して、用語、「大きい」の意味するところは、ボア径D4とシャンク径D3との間での径の比率Eが比較的大きいことを意味している。典型的には、径比率Eが0.6から0.9の範囲内であってもよい。例えば、3mmのシャンク径D3を有するドリルには2mmのボア径D4を有するボア82が設けられ、一方、20mmのシャンク径D3を有するドリルには、2mm又は1mmの壁厚L1に対応して、16又は18mmのボア径D4を有するボア82が設けられてもよい。
【0103】
当該径比率Eは切削工具のみに関して定められるのではなく、キャビティ挿入部に関しても等しく定められてもよい。よって、当該径比率Eはまた、コア径D1とキャビティ径D2との間の比率でもある。
【0104】
上の実施例にかかわらず、本発明による切削工具又はかかる切削工具を形成する方法は、上述の寸法に限定されず、他の寸法が選ばれてもよいことが理解されよう。例えば、当該切削工具のシャンク径D3はまた、3mmより小さいか又は20mmより大きくてもよい。さらに、径比率Eは0.6から0.9の範囲に限定されず、そしてより大きな又はより小さな比率が選ばれてもよい。
【0105】
大きなボア82は幾つかの利点をもたらす。第一に、シャンク60の後端部84において冷却供給源とのより容易な連結を可能にする。第二に、先行技術の切削工具に比べて、大量の超硬合金、よって金銭を節約することを可能にする。さらに、これらの利点は、例えば、当該シャンクの後端部に大きなボアを作り出すために、超硬合金のワイヤー切断のようなさらなる作成処置を必要とせずに、連続的かつ中断なしの方法によって得られる。
【0106】
当該フルート付けられた部分64に(単数又は複数の)内部の冷却用チャネル78が設けられている実施形態においては、当該ダイ30に、上述のように、当該ダイボア34の前方部分70から後方に延在する(単数又は複数の)ピン80が設けられている。かかる実施形態では、プロセスの第1のステップにおいて、可動板16が分割線PLに沿って固定板14に対抗して強制的に保持され、(単数又は複数の)ピン80の前方端部90がコア86の後端部92に接触して保持される。これは、射出及び押出プロセスの最後に、シャンク60の後端部84から切削工具62の前端部分74まで冷却媒体のための連続的な経路(図5を見よ)が形成されることを保証するためになされる。
【0107】
図5及び6に示された実施形態において、切削工具62のシャンク60はシャンク径D3を有し、そしてフルート付けられた部分64はシャンク径D3よりも僅かに小さいフルート付けられた部分の径D5を有している。しかしながら、当該フルート付けられた部分の径D5はシャンク径D3より小さい必要はなく、シャンク径D3と等しいか又はより大きくてもよい。
【0108】
フルート付けられた部分の径D5よりも大きいシャンク径D3を作り出すことが望まれるときは、キャビティ径D2がダイボア径D6よりも大きい。代わりに、フルート付けられた部分の径D5より小さいシャンク径D3を作り出すことが望まれるときは、当該キャビティ径D2がダイボア径D6よりも小さい。
【0109】
本発明による射出及び押出プロセスは、典型的に2つのヘリカルなフルート76及び内部冷却用チャネル78を有する超硬合金ドリルを作成するのに特に有益である。かかる場合、当該ダイには2つの螺旋状のピン80が設けられであろう。しかしながら、本発明によれば、射出及び押出プロセスに従って作り出される切削工具は、ダイボア34の断面を変更することによって、例えば、3つ又は4つの他の数のヘリカルなフルート部を等しく有している。かかる場合、切削工具にフルート部の数に対応する内部冷却用チャネルが設けられるなら、ダイには内部の冷却用チャネルの数に対応する数のピンが設けられる。
【0110】
本発明による切削工具を形成する方法は、異なる構造を有する区域を備える切削工具を作ることが要求されるときに有益であろう。特に、本発明は、内側区域が外側区域によって部分的にのみ覆われている、2つの異なる区域を備える切削工具を如何にして作るかを教示する。
【0111】
図7は、本発明によるダイ30の一実施形態の断面を示している。当該ダイ30は、ダイ本体32内に形成されたダイボア34を備える。2つのピン80が当該ダイボア34の前方部分70までダイボア34に沿って延在している。
【0112】
当該ダイ30は、図5に示されるように、内部の冷却用チャネル78を有するねじれドリル94を形成するのに用いられてもよい。当該ダイボア34は、2つの対向するダイボア周囲部分96及びそれらの間の2つのダイボア凸状部分98を有している。明らかに、当該ダイボア34の形状は、作られている切削工具62の形状に対応し、そして本発明はここに説明された形状に限定されない。このように、例えば、ダイボア周囲部分及びダイボアの凸状部分の数は、例えば、1つ、3つ、又はそれ以上と如何なる数でもよい。内部の冷却用チャネルの数は、当該ダイボア周囲部分の数に等しいか又はそれと異なってもよい。当該ダイボアの凸状部分は、凸以外の異なる形状を有してもよい。
【0113】
分離プレート100が、ピン80の各々とダイボア凸状部分98との間に延在している。当該分離プレート100は、ピン80の後端部分から延び、そしてそれらは当該ダイボア34の前方部分70まで延びてもよい。しかしながら、当該分離プレート100はダイボア34の前方部分70まで延びる必要はなく、それらは当該ダイボア34の前方部分70に対し後方である点で終了してもよい。分離プレート100は、一般に、ピン80の経路に従う、すなわち、ピン80が直線状に延びるなら、当該分離プレート100もまた直線状に延びる一方、ピン80が螺旋状に延びるなら、当該分離プレート100はまた螺旋状に延びる。
【0114】
ピン80と分離プレート100との間を連結すると、ピン80に剛性を付加し、それらの位置の精度を増大させ、そしてそれによりまた冷却用チャネル78及び本発明により作り出される全体の切削工具72の精度を増大させる。当該分離プレート100は図7に示されるように、ピン80の中心に連結される必要はない。このように、ある実施形態において、当該分離プレート100はダイボア34の長手方向軸線Aに最も近いピン80の側部で連結されている。他の実施形態において、当該分離プレート100は当該ダイボア34の長手方向軸線Aから離れているピン80の側部で連結されている。
【0115】
さらに、分離プレート100はピン80に連結される必要がない。このように、ある実施形態において、当該分離プレート100の各々は当該ダイボア34のピン80と長手方向軸線Aとの間に位置されている。他の実施形態において、ピン80の各々は当該ダイボア34の分離プレート100と長手方向軸線Aとの間に位置されている。
【0116】
押出し段階の間に、2つの異なる混合体が当該ダイボア34内に挿置される。第1の混合体は分離プレート100の各々と対応するダイボア周囲部分96との間に形成された第1のチャンバー102内に挿置される。第2の混合体は当該分離プレート100の間に形成された第2のチャンバー104内に挿置される。
【0117】
2つの異なる混合体がダイ前端部36を越えて押出されたとき、それらは互いに結合し、それらの異なる部分に異なる特性を有する未焼結本体を形成する。典型的には、当該第1のチャンバー102の混合体が当該第2のチャンバー104の混合体よりもより硬く、より耐摩耗性があり、そこで当該第2のチャンバー104の混合体は典型的に当該第1のチャンバー102の混合体よりもより頑丈である。このように有利なことに、内側の材料が外側の材料で部分的にのみ覆われている、それの異なる部分で異なる特性を有する切削工具が形成され得る。
【0118】
本発明の一実施形態によれば、射出段階の間には、第2のチャンバー104に見出せる第2の混合体のみが型(モールド)58内に射出される。その後、押出し段階の間に2つの混合体が同時に押出され、このようにしてその異なる部分で異なる特性を有するフルート付けられた部分64を形成する。このようにして、シャンク60を含む切削工具62の主要部分が丈夫な材料から形成され、そして切削工具62の切削部分が、切削工具62の長手方向軸線Cから離れた区域に、硬くて耐摩耗性の材料から形成される。
【0119】
ある実施形態において、切削工具62のランド106の近くの部分のみが、硬くて耐摩耗性の材料から形成されるべく要求される。例えば、エンドミルの場合には、この要求は切削工具62の前端部分74から後方に螺旋状に延在する切り刃の近くに適用される。
【0120】
かかる場合、図8に示されるように、分離プレート100の各々はダイボア周囲部分96から隣接するダイボア凸状部分98まで延在し、かくて、ダイボア周囲部分96とダイボア凸状部分98との間に形成されている当該ダイボア34の一つのボア縁部108のみの近くに、囲まれた第1のチャンバー102を形成する。
【0121】
このようにして、図8に示されたダイ30によって切削工具62が作り出されたとき、当該第1のチャンバー102を介して押出された硬くて耐摩耗性の材料が切削工具62の残りの部分よりも硬い切り刃及びその近傍を作る。図8からさらに分かるように、ピン80はダイボア凸状部分98に関して対称に位置されておらず、むしろ、切削工具の切り刃に対応するボア縁部108により近くに位置されている。この方法により、内部の冷却用チャネル78が切り刃により近くなり、かくて機械加工中にワークピースに接触する切削ゾーンをより効果的に冷却する。このことは、より容易な切削、よりよい冷却、工具寿命の延長及びより経済的な冷却方法に帰す。
【0122】
例えば、図9に示されるようなある実施形態においては、ピン80が図7及び8に示されるような円形断面を有していない。むしろ、ピン30は、当該ダイボア34の隣り合う壁、すなわち、所与のダイボア周囲部分96及びダイボア凸状部分98に概ね平行である境界線110を有する断面を有している。
【0123】
ピン80のかかる構造は、当該切削工具の周囲に沿って均等に広げられ、かくて冷却をより効果的にし、工具の寿命が長引かされ得るように、内部の冷却用チャネルが形成されるのを可能にする。
【0124】
図10は、ピン80が当該ダイボア凸状部分98に関して対称でないもう一つの実施形態を示している。この場合、ピン80はボア縁部108により近く位置されている。結果として、図11に示されるように、切削工具62は、当該切削工具の長手方向軸線Cに直交する平面で採った断面に示されるように、当該フルート部周辺部分116のフルートのトレーリングエッジ118によりもフルート部周辺部分116のフルートのリーディングエッジ114により近い内部の冷却用チャネル78を有するであろう。当該フルートのリーディングエッジ114は、回転方向Gに関して、当該フルート部周辺部分116のリーディング端部120に、当該フルート部周辺部分116とフルート76との交差点に形成されている。フルートのトレーリングエッジ118は、当該フルート部周辺部分116のトレーリング端部122に、当該フルート部周辺部分116と反対のフルート76との交差点に形成されている。
【0125】
このようにして、切削工具の内部の冷却用チャネルを流れるであろう冷却剤は、
大半の熱が発生される切り刃の区域内に存する。この方法により、冷却がより効果的かつ経済的である。というのも、切削工具の不必要な部分の冷却が有利なことに防止されるからである。このように、工具の寿命を引き伸ばしつつ冷却費用が低減される。
【0126】
本発明がある程度まで詳細に説明されたが、後にクレームされるように、種々の変更及び修正が本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなくなされ得ることが理解されるべきである。
【0127】
例えば、本発明による射出及び押出システムは、射出機の構成部品を備える必要はなく、そして他の実施形態によれば、当該システムはシャンク部分の適切な射出を可能にしつつ、押出し機械の構成部品でもって作動すべく修正されてもよい。
【0128】
当該シャンクは大きな冷却用ボアを備えずに作り出されてもよく、代わりに、フルート付けられた区分の内部冷却用チャネルがまた、シャンクを通って当該シャンクの後端部まで延在してもよい。その場合、当該キャビティ挿入部に、挿入部ボア底部からダイ内に形成されたピンまで後方に延びるキャビティピンが設けられてもよい。
【0129】
当該シャンクの内部冷却用チャネルが直線状であるなら、当該キャビティピンもまた直線状であり、そして当該シャンクは、キャビティピンに平行する直線状運動で当該キャビティ挿入部から放出される。当該シャンクの内部の冷却用チャネルがねじられているべきなら、当該キャビティピンもまたねじられており、そして当該シャンクは、キャビティピンのねじれに従うねじられる方式で当該キャビティ挿入部から放出される。
【0130】
本発明による切削工具を形成する方法は、モノリシックの工具の作成のみには限定されない。用語、「モノリシック」とは、本発明によって開示されたように、単一の連続的かつ中断なしの作成方法で、切削工具のシャンクのみならずフルート付けられた部分がワンピースとして形成される事実を言及している。
【0131】
切削工具のシャンク及びフルート付けられた部分はモノリシック構造を有するが、当該切削工具の前端部分が別に作り出され、そして当該フルート付けられた部分に連結されてもよいことは、当業者に理解されよう。このようにして、例えば、切削工具の前端部分は切削インサートをその内に保持するホルダーであってもよい。当該ホルダーは、当該フルート付けられた部分にバヨネット連結又はろう付けのような当該技術分野において知られている方法によって連結されてもよい。さらに、切削工具の前端部分は、当該分野で知られているように、例えば、プレス成形又は射出成形のような異なる方法によって作り出された、例えば、リーマーの切削ヘッドであってもよい。その後、当該切削ヘッドは当該技術分野で知られている方法によって、当該フルート付けられた部分の前端部分に連結されてもよい。
【0132】
当該切削工具の切削部分は、当該フルート付けられた部分と共に軸方向に延在する必要はない。むしろ、当該切削部分は、例えば、内部の旋削又は内部の溝切りのためのある種の工具においての必要に応じて、当該フルート付けられた部分から半径方向外方に延びてもよい。かかる場合、当該切削部分は射出段階によって形成され、そして当該フルート付けられた部分は押出段階によって形成され得る。
【0133】
シャンクの後端部から前方に延在するボアは、円柱状で、かつ切削工具の長手方向軸線Cに関して対称である必要はない。かくて、他の実施形態において、当該ボアは当該切削工具の長手方向軸線Cに直交する平面で採って非丸形の断面を有している。
【0134】
本発明による方法は、超硬合金、セラミック、高速度鋼(HSS)又は他の全ての適切な材料から作られる切削工具に適用可能である。
【0135】
固定部分はダイに代えてキャビティ挿入部を備えてもよく、そして、従って、可動部分は当該キャビティ挿入部の代わりにダイを備えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形されたシャンク(60) 及び当該シャンクから延びる押出されたフルート付けられた部分(64)を備え、
当該シャンク及びフルート付けられた部分はモノリシック構造を有することを特徴とする切削工具(62)。
【請求項2】
当該シャンク(60) は、当該シャンクの後端部(84)から前方に延在するボア(82)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項3】
当該ボア(82)は、円柱状であり切削工具の長手方向軸線(C) に関して対称であることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
【請求項4】
当該ボア(82)は、切削工具の長手方向軸線(C) に直交する平面で採って非丸形の断面を有することを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
【請求項5】
当該シャンク(60) はシャンク径(D3)を有し、
当該ボア(82)はボア径(D4)を有し、そして
ボア径(D4)とシャンク径(D3)との径比率(E)が0.6から0.9の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
【請求項6】
当該フルート付けられた部分(64)は、ボア(82)の前端部(112)から前方に延在する少なくとも1つの内部の冷却用チャネル(78) を備えることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
【請求項7】
当該ボア(82)は直線状であり、そして
少なくとも1つの内部の冷却用チャネル(78)が当該ボアの前端部(112)から前方に延在していることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
【請求項8】
当該ボア(82)はねじられており、そして
少なくとも1つのねじられた冷却用チャネル(78)が当該ボアの前端部(112)から前方に延在していることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
【請求項9】
当該フルート付けられた部分(64)は、当該切削工具の長手方向軸線(C)に直交する平面で採って非丸形の断面を有する少なくとも1つの内部の冷却用チャネル(78)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項10】
当該フルート付けられた部分(64)は、当該フルート部周辺部分のリーディング端部(120)にフルートのリーディングエッジ(114)を、当該フルート部周辺部分のトレーリング端部(122)にフルートのトレーリングエッジ(118)を有する少なくとも1つのフルート部周辺部分(116)を備え、そして
当該フルート付けられた部分は、当該切削工具の長手方向軸線(C)に直交する平面で採った断面で見るとき、フルートのトレーリングエッジ(118)によりもフルートのリーディングエッジ(114)により近い少なくとも1つの内部の冷却用チャネル(78)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項11】
当該フルート付けられた部分(64)は、当該フルート部周辺部分のリーディング端部(120)にフルートのリーディングエッジ(114)を、当該フルート部周辺部分のトレーリング端部(122)にフルートのトレーリングエッジ(118)を有する少なくとも1つのフルート部周辺部分(116)を備え、そして
当該フルート部周辺部分に隣接する当該フルート付けられた部分の工具材料(38)は、当該フルート部周辺部分から離れた当該フルート付けられた部分の工具材料に関して異なる特性を有していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項12】
当該フルート付けられた部分(64)は、当該フルート部周辺部分のリーディング端部(120)にフルートのリーディングエッジ(114)を、当該フルート部周辺部分のトレーリング端部(122)にフルートのトレーリングエッジ(118)を有する少なくとも1つのフルート部周辺部分(116)を備え、そして
当該フルートのリーディングエッジに隣接する当該フルート付けられた部分の工具材料(38)は当該フルートのリーディングエッジから離れた当該フルート付けられた部分の工具材料にに関して異なる特性を有していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項13】
当該シャンク(60)は、第1の材料特性を有する第1の材料から作られており、そして
当該フルート付けられた部分(64)の少なくとも一部分は、第1の材料特性とは異なる第2の材料特性を有する第2の材料から作られていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項14】
当該フルート付けられた部分(64)は、切削ヘッド(72)を備え、そして
少なくとも当該切削ヘッドは第2の材料から作られていることを特徴とする請求項13に記載の切削工具。
【請求項15】
当該フルート付けられた部分(64)の長さの少なくとも一部分は、当該フルート付けられた部分の長さの残存部分よりもより硬い材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項16】
当該シャンク(60)はシャンク径(D3)を有し、
当該フルート付けられた部分(64)はフルート付けられた部分の径(D5)を有し、そして
当該シャンク径(D3)は当該フルート付けられた部分の径(D5)とは異なることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項17】
切削工具は、当該切削工具の前端部分(74)に切削部分を備え、そして
当該切削部分は、当該フルート付けられた部分(64)から半径方向外方に延在している
ことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項18】
シャンク(60)及びフルート付けられた部分(64)を有する切削工具を作る方法であって、
切削工具の未焼結本体を、当該未焼結本体のシャンクを射出成形し、そして当該未焼結本体のフルート付けられた部分を、当該シャンク及び当該フルート付けられた部分がモノリシック構造を有するように押出すことにより形成し、そして
当該切削工具の未焼結本体を焼結する
ことを備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
切削工具の未焼結本体を形成する前に、
固定部分(20)、及び、当該固定部分(20)に接触し、当該固定部分(20)から双方向の運動方向(M)に沿って離れて移動可能である可動部分(22)を備え、
当該固定及び可動部分の一方が、長手方向軸線(A)を備えるダイボア(34)を有するダイ(30)であって、当該ダイボアが運動方向(M)に沿って面するダイ(30)を備え、そして
当該固定及び可動部分の他方が、長手方向軸線(B)を有するキャビティ挿入部(46)及び当該ダイボア(34)に面する挿入部ボア(52)を備える射出及び押出システム(10)をもたらし、
ここで、当該切削工具の未焼結本体を形成することは、
(a)当該ダイボアを介して当該挿入部ボア内に溶融工具材料(38)を射出し、かくて、当該切削工具未焼結本体のシャンク(60)を形成すること、
(b) 当該可動部分を当該固定部分から離して移動させること、そして同時に、当該ダイボアを介して溶融工具材料を押出し、かくて、当該シャンクとフルート付けられた部分とがモノリシック構造を有するように、切削工具未焼結本体の所望の長さ(L)のフルート付けられた部分(64)を形成すること、及び
(c) 当該フルート付けられた部分を切断すること、
を備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
当該未焼結本体を焼結する前に、当該シャンク(60)を挿入部ボア(52)からエジェクトするステップをさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
当該挿入部ボア(52)は、挿入部ボア底部(54)から後方に延在するコア(86)を備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
当該コア(86)は、コア径(D1)を有し、
当該挿入部ボア(52)は、キャビティ径(D2)を有し、そして
当該コア径(D1)と当該キャビティ径(D2)と間の径比率(E)は0.6から0.9の範囲内にある
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
当該ダイボア(34)は、当該ダイボアに沿ってねじられているダイボア部分を備え、そして
当該キャビティ挿入部(46)は、それが属する当該固定部分(20)及び当該可動部分(22)のいずれかに関して、その長手方向軸線(B)の回りに回転可能である
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
当該キャビティ挿入部(46)は強制的に回転可能である、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
当該ダイボア(34)は、当該ダイボアの前方部分(70)から後方に延在する少なくとも1つのピン(80)を備える、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項26】
当該少なくとも1つのピン(80)は、少なくともその前端部分に沿ってねじられている、
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
当該少なくとも1つのピン(80)の断面は、当該ダイボア(34)の長手方向軸線(A)に直交する平面で採って、丸形ではない、
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
当該ダイボア(34)は当該少なくとも1つのピン(80)に関連するダイボア周囲部分(96)を備え、
当該ダイボア周囲部分は、第1のボア縁部(108)において第1のダイボア凸状部分(98)に、第2のボア縁部において第2のダイボア凸状部分に合流し、そして
当該少なくとも1つのピンは、第2のボア縁部よりも第1のボア縁部により近い、
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
当該ダイボア(34)は当該少なくとも1つのピン(80)に関連するダイボア周囲部分(96)を備え、
当該ダイボア周囲部分は、第1のボア縁部(108)において第1のダイボア凸状部分(98)に、第2のボア縁部において第2のダイボア凸状部分に合流し、
第1のチャンバー(102)が、当該ダイボア周囲部分と分離プレート(100)との間に画成され、
第2のチャンバー(104)が、当該分離プレートと当該ダイボアの長手方向軸線(A)との間に画成され、そして
当該第1のチャンバーは第1の工具材料(38)の取入口に連結され、かつ当該第2のチャンバーは第2の工具材料の取入口に連結されている、
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
当該第1の工具材料(38)は当該第2の工具材料とは異なる、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
当該第1の工具材料(38)は、当該第2の工具材料よりもより硬く、そして
当該第2の工具材料は、当該第1の工具材料よりもより頑丈である、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
当該フルート付けられた部分の長さの少なくとも一部分は、当該第1の工具材料から作られ、そして当該フルート付けられた部分の長さの残存部分は当該第2の工具材料から作られている、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
当該分離プレート(100)は当該少なくとも1つのピン(80)に連結されている、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
当該第1のチャンバー(102)は、第1のボア縁部(108)及び第2のボア縁部を備える、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項35】
当該第1のチャンバー(102)は第1のボア縁部(108)を備え、そして
当該第2のチャンバー(104)は第2のボア縁部を備える、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項36】
当該第1のチャンバー(102)は当該少なくとも1つのピン(80)を備える、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項37】
当該第2のチャンバー(104)は当該少なくとも1つのピン(80)を備える、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項38】
当該挿入部ボア(52)はキャビティボア径(D2)を有し、
当該ダイボア(34)はダイボア径(D6)を有し、そして
当該キャビティボア径(D2)は当該ダイボア径(D6)に等しい、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項39】
当該挿入部ボア(52)はキャビティボア径(D2)を有し、
当該ダイボア(34)はダイボア径(D6)を有、そして
当該キャビティボア径(D2)は当該ダイボア径(D6)と異なる、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項40】
当該固定部分が当該ダイを備え、そして
当該可動部分が当該キャビティ挿入部を備える、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項41】
当該固定部分が当該キャビティ挿入部を備え、そして
当該可動部分が当該ダイを備える、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項42】
シャンク及びフルート付けられた部分を有する切削工具未焼結本体を形成する方法であって、
当該未焼結本体のシャンクを射出成形すること、及び
当該シャンク及び当該フルート付けられた部分がモノリシック構造を有するように、当該未焼結本体のフルート付けられた部分を押出すこと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項43】
切削工具の射出及び押出しシステムであって、
固定部分(20)、及び
当該固定部分に対向し、双方向の運動方向(M)に沿って、当該固定部分(20)に向け、又は離れて選択的に移動可能である可動部分(22)、を備え、
当該固定及び可動部分の一方は、長手方向軸線(A)を備えるダイボア(34)を有するダイ(30)を備え、当該ダイボアは当該運動方向(M)に沿って面しており、そして
当該固定及び可動部分の他方は、長手方向軸線(B)及び当該ダイボア(34)に面する挿入部ボア(52)を有するキャビティ挿入部(46)を備えている、
ことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−524667(P2012−524667A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506643(P2012−506643)
【出願日】平成22年4月11日(2010.4.11)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000296
【国際公開番号】WO2010/125555
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(306037920)イスカーリミテッド (93)
【Fターム(参考)】