説明

制御・監視ターミナル

【課題】 伝送制御システムの制御・監視ターミナル9,11,39,40のアドレス設定や初期設定をオイルミストや多湿環境で行うための耐油・耐水性の制御・監視ターミナルのアドレス設定や初期データ設定に関する。
【解決手段】 データ設定回路を含むコンソールを用いて、制御・監視ターミナルに設けた光透過窓33を介して光通信または、電磁誘導によって制御・監視ターミナルのアドレス設定や、初期設定を行うことを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐油・耐水を要する作業環境で用いる伝送制御システムにおいて、伝送線路に接続された親局や複数の子局のアドレスを設定する場合や、制御ユニットの初期設定を行う場合の耐油・耐水電子機器設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伝送線路に親局や子局が分散して存在する伝送制御システムにおいて、それぞれのアドレスの設定方法は、それぞれの親局や子局内部にアドレス設定スイッチなどで行われてきた。
【0003】
子局のアドレス設定を行う場合の環境は清浄度の高い環境である必要があり、また、設定作業を考え、設定部の間隔を必要とし、更に設置工事後の作業が煩雑であった。
【0004】
たとえば、特許文献1において、耐油性ラバースイッチ及びそれを用いた電子機器が記載されている。しかしながら、このような耐油性ラバースイッチを用いてアドレス設定を行うと、スイッチの設置場所として多大な面積を要し、設備の小型化が行うことができない。
【特許文献1】特開2003−086055耐油性ラバースイッチ及びそれを用いた電子機器
特許文献1の応用システムでは、設置調整を行う広い空間を必要とし、小面積で設定作業を行うことができなかった。
【特許文献2】特開2003−272754公報
特許文献2の方法では、耐油構造とするシール構造を要し、製品のコスト増要因であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、機器の電気的設定を密閉し、光通信方法で設定を行うことで、設定部の耐油シール構造を無くし、電子回路の保護を行ったものである。
本発明では、耐油シール構造を無くし、省スペース、小型化、低コストで制御ユニットのアドレス設定や初期設定を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、耐油対策のシール構造をやめ、光または電磁誘導によって制御ユニットのアドレスや、初期設定を行えるようにしたものである。
【0007】
本発明の請求項1には、
各々が被制御部および被制御部を監視するセンサ部を含む複数の被制御装置からなり、
前記複数の被制御装置に共通のデータ信号線を介して、制御信号を前記被制御部に伝送信号として伝送し、かつ前記センサ部からの監視信号を伝送信号として伝送する制御・監視信号伝送システムであって、
前記データ信号線に接続され、所定の被制御装置から伝送された監視信号を予め対応させられた被制御装置への制御信号として伝送する親局と、
前記複数の被制御装置に対応して設けられ、前記データ信号線および対応する被制御装置に接続される複数の子局を備えた伝送線路に接続した伝送制御システムにおいて、
前記子局のアドレス設定や初期値設定を、
前記子局の光透過窓を介してデータ設定回路を含むコンソールと光学的に通信し、アドレス設定または初期値設定を行うための投光素子と受光素子を具備する前記子局と、同じく投光素子と受光素子を具備したデータ設定回路を含むコンソールであることを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルが記載されている。この構造により、アドレス設定のスイッチ構造が不要となり、スイッチ部の劣化故障や、接点不良などの故障要因を低減することができる。また、光透過窓を介して投光信号によって、アドレス設定や、初期データ書込みを行うため、制御・監視ターミナルは、外界から密封し、機密性を保つことが可能であり、耐油、耐水構造とすることができる。
【0008】
また、本発明の請求項2には、
請求項1において、
前記共通のデータ信号線を介して、制御信号を前記被制御部に伝送し、かつ前記センサ部からの監視信号をデータ信号線に伝送する制御・監視信号伝送システムであって、それぞれ子局である受光部ユニットと投光部ユニットをそれぞれ同一アドレスに設定し、前記伝送信号の同一アドレスの同一クロックサイクルの中で、制御信号を投光信号として投光部ユニットから送出し、当該投光信号の投光期間に受光部ユニットで監視信号として受光し、伝送信号として共通のデータ信号線に送出することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。監視信号である受光器の受光信号を電流信号である入力信号として、伝送線に送出し、その監視信号である入力信号が被検出体有りを示すものとして、親局が当該アドレスの監視信号で被検出体有りを認識することができる。投光器側のアドレスと受光器側のアドレスが同一であるので、投光タイミングと受光タイミングは同期して作動するため、他の投光信号を誤って受光することがなく、信頼度の高い被検出体の検出が行える。
この構造によって、入力情報が即出力に反映できるため、個々のセンサの応答速度を高速化できる特徴となっている。ここでは、前半の低電圧レベル部分に電流信号として入力信号を得ているが、前半のパルス幅を入力信号として、後半の低電圧レベルに電流信号として出力信号を載せることも可能である。
【0009】
さらに、本発明の請求項3には、
請求項2において、
一対をなす投光部ユニットと受光部ユニットを前記伝送信号の同一アドレスとして設定し、透過型センサを構成し、前記透過型センサを複数合わせて特定領域内の被検出体を検出するエリアセンサを構成することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルが記載されている。対を成す投光器と受光器を複数使用し、センサ領域を構成し、その内の一部または全部の監視信号が被検出体の有無を検出する構造として、領域センサであるエリアセンサが得られる。
【0010】
また、本発明の請求項4には、
請求項1から3において、
カスケード接続した子局の先頭に設けた管理子局のみがデータ設定回路を含むコンソールと光学的に光透過窓を介して、通信する投光素子と受光素子を具備し、データ設定回路を含むコンソールによって前記管理子局のアドレスまたは初期設定値が設定されると、前記管理子局にカスケード接続された前記従属子局は、前記管理子局によって生成されたアドレスに設定され、順次加算されたアドレス値がカスケード線によって受け継がれ、前記従属子局のアドレスまたは初期設定値設定がそれぞれ順次設定されることを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。この場合、複数のカスケード接続されている制御・監視ターミナルシステムは、アドレス設定をする必要がなく、システム立上げ時や、システム変更時のアドレス設定作業や初期データ設定作業が簡素化される利点がある。
【0011】
そして、本発明の請求項5には、
請求項1から4において、
データ設定回路を含むコンソールと投光素子と受光素子を具備する先端部との間を自在に変形できる配線または支持構造を有することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。当該の配線を減ずる方式所謂省配線技術を利用した制御・監視ターミナルシステムは、配線を減ずるのみではなく、設置場所の低減、システムの小型化ができるが、人間の手で設定作業をする場合の作業面積を必要とせず、投光部・受光部を光透過窓に密着するのみで設定操作が行える。すなわち、投光部・受光部とデータ設定回路を含むコンソールは、変形が自在の配線または支持構造であり、配線または支持構造を通過させられるだけの空間があれば、容易にアドレス設定や、初期データ設定が行うことができる。従って、小型化、省スペース化が容易に実現できる。
【0012】
またさらに、本発明の請求項6には、
請求項1から5において、
光学的にデータ設定回路を含むコンソールと通信する通信部を具備する制御・監視ターミナルは、密封構造をなした制御・監視ターミナルの回路を保護することを特徴としたコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。すなわち、油が飛散する環境や、多湿環境または反応性ガス環境において使用するコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムとして適している。
【0013】
また、本発明の請求項7には、
請求項1から6において、データ設定回路を含むコンソールから自在に変形できる配線または腕木構造で接続された投光素子と受光素子を具備する先端部と、制御・監視ターミナルの光通信を行う通信部に具備した光透過窓部に磁性材料固定・嵌め合い・噛み合い・フックを用いて半固定し、光通信設定時に、光送受信部が固定できる構造としたことを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。この固定方法によって、アドレスまたは初期データの設定作業時に振動または揺らぎによって通信精度を害することなく安定した設定作業が行える。また、前記の狭い場所で設置・調整ができるため、システム全体の小型化、軽量化、原価低減が実現できる。
【0014】
さらに、本発明の請求項8には、請求項1から7において、
コンソールを構成するデータ設定回路を含むコンソールは、電池や2次電池で作動し、2次電池の場合は充電回路を有することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。
【0015】
またさらに、本発明の請求項9には、
【請求項9】
請求項1から8において、
データ設定回路を含むコンソールの電源を信号伝送線または電源線に接続し、電力供給を受けることを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。これによって、コンソール内部の電池や、2次電池の省略あるいは小型化ができるため、コンソールの小型化、軽量化が実現できる。
【0016】
また、本発明の請求項10には、
請求項1から9において、
光通信に代えて非磁性体である密封構造ケースを介して電磁誘導通信を行うことを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。
すなわち、システムの設置後の調整待ちの状態において、制御・監視ターミナルシステムの親局動作を非動作状態にしておき、コンソールから伝送線に送出されるライトコマンドとこれに続くアドレス信号を子局が受け、子局の反射テープを剥がしたことによって、前記アドレスを子局が自局のアドレスとして記憶する動作によって、反射テープを剥がした子局のアドレスが設定される。コンソールは、前記子局のアドレス設定が完了すると、アドレス番号をインクリメントして伝送線に送出する。次に子局の反射テープを剥がすことによって、次の子局アドレスの設定ができる。初期にコンソールに打ち込んだアドレス数に達するまで、前記の繰り返しを行い、アドレス設定が完了する。
【0017】
さらに、本発明の請求項11には、
請求項1から10において、
コンソールを構成するデータ設定回路を含むコンソールを信号伝送線に接続し、被設定対象の制御・監視ターミナルのセンサ窓を全て光学的に封で内側に反射させ、アドレス未設定状態を認識し、アドレス設定時に前記封を剥す順番でアドレスを設定することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステムが記載されている。
【0018】
本発明の制御ユニットと設定装置によれば、耐油構造が容易に行い得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低コスト、省スペース、機器の小型化することができるとともに、油汚染、多湿環境で確実に制御・監視ターミナルのアドレス設定や、初期設定が行えた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の制御ユニットと設定装置について、図面を参照し、実施するための形態を実施例に基づき説明する。
【0021】
本発明の耐油性の制御ユニットと設定装置について、実施例を図1から図19によって説明する。
図1に本発明の実施形態に係る通信制御システムブロック図の例を示す。
図1において、制御部1は、親局6との間でパラレル信号の授受を行い、伝送線DP信号線7、DN信号線8に接続されている各種複数の子局の監視信号5を入力ユニット3に受け取るとともに、各種複数の子局に対する制御信号4を出力ユニット2から受け渡す。子局の例として、反射型センサターミナルや透過型センサターミナルであるセンサシステム11が図示されており、また多数の子局入出力部が接続されている。これら多数の子局入出力部は、設置時において、システム全体の中で位置付けをアドレス設定という作業で行い、また、初期設定のデータを子局内部で電源投入時に行うかまたは外部から設定する必要がある。本発明においては、これらのアドレス設定作業や初期設定データの書込みを油汚染の有る環境下でまたは多湿環境下で、システム機器の劣化、故障を引き起こすことがない密封構造の制御ユニットに対し、光透過窓33からアドレス設定や初期データの設定を行うものである。
【0022】
従来、アドレス設定や初期データの設定を行う場合、制御・監視ターミナルに取り付けられたアドレススイッチ部分のプラスチックカバーを開き、ロータリースイッチやDipスイッチによって当該通信制御システムにおける制御・監視ターミナルの固有のアドレスを設定していた。この場合、簡易的にプラスチックカバーが周辺のゴミや汚れの付着からスイッチや電子回路の保護を図っていた。しかし、機械の組立工場や食品工場の自動化においては、オイルミストや多湿環境である場合に油分や水滴がスイッチ部分や電子回路に回りこみ、接触不良や回路の絶縁不良などの故障要因となっていた。そこで、本発明では、制御・監視ターミナルのスイッチや電子回路を完全に密封構造とし、オイルミストや多湿環境に耐える構造とし、当該制御・監視ターミナルのアドレス設定や初期データの設定を光透過窓33から光通信し、設定を行うようにしたものである。この場合、ここに用いたデータ設定回路を含むコンソールや光透過窓33の構造、シール方法、通信設定部が安価であること、操作性が良いこと、小型であること、信頼性が高いことが同時に満足される必要がある。
【0023】
図1の最下段に管理子局43と管理子局にカスケード接続された従属子局46を示す。この管理子局43と従属子局46の関係では、管理子局43のみの光通信窓からアドレス設定や初期データの設定を行えば、管理子局43にカスケード接続した従属子局46は順次アドレス設定や初期データの設定が行えるため、複数の制御・監視ターミナル機器のアドレス設定や初期データの設定が自動的に行えることとなる。これによって、システムの設置時に行うアドレス設定や初期データの設定が著しく簡便に行うことが出来るとともに従属子局は光通信窓も満たないため、小型化、シール性、安価であること、操作簡便性において極めて優れている。
【0024】
図1において、カスケード接続した子局の先頭に設けた管理子局43のみがデータ設定回路を含むコンソール26と光学的に光透過窓を介して、通信する投光素子と受光素子を具備している。
データ設定回路を含むコンソール26によって前記管理子局43のアドレスまたは初期設定値が設定されると、前記管理子局にカスケード接続された前記従属子局46は、前記管理子局によって生成されたアドレスに設定され、順次加算されたアドレス値がカスケード線によって受け継がれ、前記従属子局46のアドレスまたは初期設定値設定がそれぞれ順次設定することができる。
【0025】
図2に本発明の実施形態に係る反射型センサターミナルブロックを示す。
図2において、センサ部9は中心的機能を果たすMCU27と、CK信号抽出回路21と、出力回路22と、通信設定部24と、投光・受光部23と受光信号をアナログ信号からデジタル信号にするA/D変換器14からなり、反射型センサターミナルを構成する。センサ部9は伝送線DP信号線7、DN信号線8に接続されており、センサ部9の中心的機能を果たすMCU27にCK信号抽出回路21を介してCK信号15を伝える。
通信設定部24は、MCU27の出力であるLEDA信号16が後述するデータ設定回路を含むコンソール26と光透過窓33を介して光通信するための投光器である発光ダイオードを駆動し、投光する。データ設定回路を含むコンソール26から光透過窓33を介して受光した受光信号は、フォトトランジスタで電気信号に変換し、INA信号17としてMCU27内部で信号を解析し、通信を確立する。
【0026】
すなわち、初期設定後、データ設定回路を含むコンソール26からの投光信号を受けるべく受光用フォトトランジスタが待機状態にある。コンソール26からの信号が図13のアドレス書込みフローチャート図のコンソール側LEDC信号として送り込まれて来る。例えば、アドレスの被設定側である図5の透過型センサターミナル(受光)11や同じく図5の透過型センサターミナル(投光)11の通信設定部24は、コンソール側LEDC信号を受けて、センサターミナル側にINA信号17として、StartBitから始まり、ライトコマンドとアドレスデータnを受け取り、MCU27に取込み、書込み命令であるライトコマンドを得て、アドレスデータnを自局のアドレスとして記憶領域RAM12のアドレス記憶領域に記憶する。
【0027】
その後、センサターミナル側からデータ設定回路を含むコンソール26に向けて、LEDA信号16を送出する。LEDA信号16は、図13に示すように、StartBitから始まり、続いて自局のアドレスとして認識したアドレスデータnを添付して送出する。このLEDA信号16を受け取ったデータ設定回路を含むコンソール26は、図13に示すように、StartBitから始まり、続いてセンサターミナルに書込みを行ったアドレスデータnを受けてコンソール上に表示するとともに、正常な書込みが完了したことを同時にLED表示する。
【0028】
図2において、当該センサ部9は、反射型センサターミナルであり、その検出部である投光・受光部23は、MCU27の出力であるLEDS信号18によって投光用発光ダイオードから被検出体を検出するための投光を行う。前記投光用発光ダイオードから投光された投光信号が被検出体によって反射された反射光はフォトトランジスタPHTSによって受光し、受光信号をA/D変換器14でアナログ信号からデジタル信号に変換した後、MCU27にDATAS信号19として取り込み、被検出体の有無を判定する。MCU27は、被検出体の有無を検出した結果をIout信号20である電流信号として伝送線DP信号線7、DN信号線8から親局6または仲介局に送出する。
【0029】
図2において、MCU27とA/D変換器14の初期設定や、A/D変換器14のデータ取込みのフェッチタイミングやアナログ信号からデジタル信号に変換タイミングについての図示はしていないが、MCU27の中にA/D変換器14を含むチップが販売されており、実際は内部にA/D変換器14を内部に持つチップを使用するため、ROM13内部に書き込まれたプログラムPRG1によって実行可能にしている。
【0030】
図3に本発明の実施形態に係るMCUのブロック図を示す。
図3は、図2のMCU27部のブロック図である。演算、信号処理、判断、制御を行うCPU10とデータの読み書き自由な記憶素子RAM12とプログラムや固定データを記憶保持するROM13は、内部バスで接続されている。また、CPU10は内部バスを介してI/Oバス25が接続され、入出力インターフェイスデバイスと接続されており、入力信号として、CK信号15とINA信号17と、DATAS信号19を取込む一方、LEDA信号16と、LEDS信号18と、Iout信号20を出力する。CPU10は、電源ONと同時にROM13内部に保持された初期化プログラムPRG1によって、初期化をする一方、通信設定部24を作動させ、データ設定回路を含むコンソール26からのアドレス設定信号を待ち、待機する。後述する図12、図13の通信手順で当該センサ部9のアドレス設定を完了する。アドレス設定が完了すると次にセンサ用の投光を開始し、被検出体の有無監視を開始する。
【0031】
図4本発明の実施形態に係るシステムのタイムチャート図を示す。
図の最上部に、入出力アドレスタイムインターバルを示す。“0”から“3”の各アドレスに割り当てられたタイムインターバルは、それぞれt0時間であり、そのタイムインターバルの先頭側のt0/4に入力信号である電流Isが検出された場合、入出力アドレス“2”や入出力アドレス“3”のようにその検出信号を受けて残り3t0/4である出力信号を“High”にして同一アドレス信号内部で入力信号を出力に反映することができる。この技術を用いた場合、同一アドレス信号の前半t0/4に入力信号である電流Isを受け、後半3t0/4を“High”にすることによって、1パルスサイクルの中で入力と出力が行える。この1パルスサイクルの中で入力を即出力に反映することを全2重通信と定義する。この全2重通信技術を用いた場合、図5に示す透過型センサターミナル11の投光側と透過型センサターミナル11の受光側を同一アドレスにしておくことによって、一対の投光・受光センサを構成できる。
【0032】
図5に本発明の実施形態に係る透過型センサターミナルブロック図を示す。
図において、図の左部分の破線枠で囲まれたセンサシステム11が透過型センサターミナルの受光部であり、図の右部分の破線枠で囲まれたセンサシステム11が透過型センサターミナルの投光部ユニットである。伝送線DP信号線7、DN信号線8に接続されている透過型センサターミナルの投光部ユニットと受光部ユニットは、同一のアドレスに設定されるようにプログラムされ、また、アドレスの設定も同一のアドレスに設定にするようになっており、これによって、一対の透過型センサターミナルを構成することを特徴とする。
【0033】
図において、データ設定回路を含むコンソール26が制御・監視ターミナルのアドレス設定や初期データの設定を行うユニットである。このように、反射型センサターミナルの投光部と受光部を分離し、それぞれのMCU27で制御することによって、透過型センサターミナルを構成することが出来る。このように、子局である制御・監視ターミナルの光透過窓33を介してデータ設定回路を含むコンソール26と光学的に通信し、アドレス設定または初期値設定を行い、このときの光通信を行う投光素子と受光素子を具備する前記子局である制御・監視ターミナルと、同じく投光素子と受光素子を具備したデータ設定回路を含むコンソール26が耐油構造下でのアドレス設定または初期値設定を可能にしている。
また、光透過窓33を通して光通信を行うまたは、光に代えて非磁性体である密封構造ケースを介して電磁誘導通信を行うこともできる(図示せず)。
【0034】
図5は、共通のデータ信号線を介して、制御信号を被制御部に伝送し、かつセンサ部からの監視信号をデータ信号線に伝送する制御・監視信号伝送システムの事例である。それぞれ子局である受光部ユニットと投光部ユニットをそれぞれ同一アドレスに設定し、前記伝送信号の同一アドレスの同一クロックサイクルの中で、制御信号を投光信号として投光部ユニットから送出し、当該投光信号の投光期間に受光部ユニットで監視信号として受光し、伝送信号として共通のデータ信号線に送出することによって、透過型制御・監視ターミナルシステムが実現できる。
【0035】
図6に本発明の実施形態に係るMCUのブロック図を示す。
図6は、図5の透過型センサターミナルの受光部のMCU27のブロック図である。演算、信号処理、判断、制御を行うCPU10とデータの読み書き自由な記憶素子RAM12とプログラムや固定データを記憶保持するROM13は、内部バスで接続されている。また、CPU10は内部バスを介してI/Oバス25が接続され、入出力インターフェイスデバイスと接続されており、入力信号として、CK信号15とINA信号17と、DATAS信号19を取込む一方、LEDA信号16と、Iout信号20を出力する。CPU10は、電源ONと同時にROM13内部に保持された初期化プログラムPRG2によって、初期化をする一方、通信設定部24を作動させ、データ設定回路を含むコンソール26からのアドレス設定信号を待ち、待機する。後述する図12、図13の通信手順で当該センサ部9のアドレス設定を完了する。アドレス設定が完了すると次にセンサ用の受光を開始し、被検出体の有無監視を開始する。
【0036】
図7に本発明の実施形態に係るMCUのブロック図を示す。
図7は、図5の透過型センサターミナルの投光部ユニットのMCU27のブロック図である。演算、信号処理、判断、制御を行うCPU10とデータの読み書き自由な記憶素子RAM12とプログラムや固定データを記憶保持するROM13は、内部バスで接続されている。この構成は図7と同じである。また、CPU10は内部バスを介してI/Oバス25が接続され、入出力インターフェイスデバイスと接続されており、入力信号として、CK信号15とINA信号17を取込む一方、LEDA信号16と、LEDS信号18と、Iout信号20を出力する。CPU10は、電源ONと同時にROM13内部に保持された初期化プログラムPRG3によって、初期化をする一方、通信設定部24を作動させ、データ設定回路を含むコンソール26からのアドレス設定信号を待ち、待機する。
【0037】
後述する図12、図13の通信手順で当該センサ部9のアドレス設定を完了する。アドレス設定が完了すると次にセンサ用の投光を開始し、被検出体の有無監視のための投光を開始する。
すなわち、コンソール側から発するLEDC信号31には、信号の開始を示すStart Bitとアドレス書き込みを指示するライトコマンドとアドレスデータnが含まれており、これら一連のコンソール側からのLEDC信号31を受け取ったセンサターミナル側は、INA信号17として、受信し、照合信号としてLEDA信号16をコンソール側に返す。コンソール側は前記LEDA信号16をINA信号17として取込み、その結果をコンソール側の設定完了表示および設定アドレス表示を行うことができる。
【0038】
図8に本発明の実施形態に係るデータ設定回路を含むコンソール26と、投光・受光部30と、信号線部34と、制御・監視ターミナル機器の光透過窓33を示す。
データ設定回路を含むコンソール26は、CPU10と、RAM12と、ROM13と入出力インターフェイス回路からなるMCU27と、アドレスや初期設定データを入力するKEY入力部28と、入力データおよび設定後のアドレスデータやデータ設定回路を含むコンソール26の状態表示や制御・監視ターミナル機器の状態表示を行う表示部29と、電源部、信号線部34と、投光・受光部30からなり、制御・監視ターミナル機器の光透過窓33を介して、制御・監視ターミナル機器であるセンサ部9の通信設定部24と交信する様子を模式的に示す。
【0039】
通信制御システムの設置または制御・監視ターミナル機器の更新時において、前記制御・監視ターミナル機器のアドレス設定や初期データ設定を行うに当たり、当該設定作業を行う者は、データ設定回路を含むコンソール26に必要なアドレスデータや初期設定データをKEY入力部28から打ち込み、表示部29はそのデータを表示すると共に、表示部29はデータ入力の指示や、入力モード状態や制御・監視ターミナル機器のモニタ状態を表示する。KEY入力部28は、データ入力キーとモード切替えを行う機能キーがあり、表示部29と合わせてコンソールを構成する。図8において、当該コンソールの電源は、電池を内蔵しており、この電池によってコンソールの動作を賄っているが、充電型電池を用い、伝送信号線DP信号線7、DN信号線8から充電電源とするか、伝送信号線以外に電源線を有する方式では、+24Vと0Vラインから充電電源とすることもできる。接続方法としては、図18で後述するように、BUS−LineにT分岐コネクタで接続する方法の例を示す。
コンソールを構成するデータ設定回路を含むコンソール26は、電池や2次電池でも作動し、2次電池の場合は充電回路を有する。
【0040】
図9に本発明の実施形態に係るMCUのブロック図を示す。
図9は、図8のMCU27部のブロック図である。演算、信号処理、判断、制御を行うCPU10とデータの読み書き自由な記憶素子RAM12とプログラムや固定データを記憶保持するROM13は、内部バスで接続されている。また、CPU10は内部バスを介してI/Oバス25が接続され、入出力インターフェイスデバイスと接続されており、入力信号として、INC信号32とKEY入力部28からのKEY入力信号を取込む一方、LEDC信号31と、表示部29へのDISPLAY信号を出力する。
【0041】
CPU10は、電源ONと同時にROM13内部に保持された初期化プログラムPRG4によって、初期化をする一方、アドレス設定データのKEY入力が完了すると、転送キーを押すことによって、LEDC信号31が信号線部34を経由し、投光・受光部30の投光器から制御・監視ターミナル機器に向かって送出される。当該LEDC信号31が制御・監視ターミナル機器の光透過窓33から通信設定部24に達すると、制御・監視ターミナル機器のアドレス設定や初期データ設定が書き込まれる。当該書込み・読み込みの通信手順は、後述する図12、図13で行われる。アドレス設定が完了すると次に制御・監視ターミナル機器のアドレス設定状態の表示と制御・監視ターミナル機器の作動状態を、一旦データ設定回路を含むコンソール26内に取込み、表示部29で表示を行う。
【0042】
図10に本発明の実施形態に係るデータ設定回路を含むコンソールの外形図を示す。
図において、データ設定回路を含むコンソール26は、KEY入力部28と表示部29と電源スイッチ36からなり、コネクタ35から信号線部34を介して投光・受光部30に接続されている。
前記制御・監視ターミナル機器のアドレス設定や初期データ設定を行うに当たり、当該設定作業を行う者は、通信制御システムの設置または制御・監視ターミナル機器の更新時において、前記表示部29の表示内容を見ながら所定のアドレス設定や初期データ設定をKEY入力部28のKEYを操作し入力し、KEY入力部28の転送キーを押すことによって、データ信号が投光器から投光される。
電源スイッチ36を投入すると、MCUの初期化と共にROM13内部の初期設定プログラム、アドレス設定プログラムPRG4を実施する。表示部に、アドレス設定を行うか、初期データの転送を行うか、設定アドレスを確認するかを機能設定キーで選択し、コンソールからセンサターミナルへの通信を開始する。図において、信号線部34は自在に変形できるように設計されており、被設定制御・監視ターミナル機器の光透過窓に投光・受光部30を接触させ、狭い空間でもアドレス設定操作が容易にできる構造としている。
【0043】
図11に本発明の実施形態に係る投光・受光器接続部の図を示す。
図において、コネクタ35から信号線部34を介して投光・受光部30への接続は、図10の信号線部34のように自在式のものに限らず、簡単なケーブルでも良く、より狭い箇所での設定作業も容易に出来るようにしたものである。
この場合、投光・受光部30の周辺に永久磁石を装着し、電磁的に制御・監視ターミナル機器の光透過窓33に固定しても良く、また、嵌め合い構造やフックを使って通信中の安定を図っても良い(図示せず)。
データ設定回路を含むコンソール26から自在に変形できる配線または腕木構造で接続された投光素子と受光素子を具備する先端部と、制御・監視ターミナルの光通信を行う通信部に具備した光透過窓部に、磁石と磁性材料固定による吸引力で固定する方法や、機械的に嵌め合い・噛み合い構造として、またはフックを用いて半固定し、光通信設定時に、光送受信部が固定することによって、光通信を安定的に行わせる構造とした制御・監視ターミナルシステムであり、投光・受光部30である。
【0044】
図12に本発明の実施形態に係るタイムチャート図を示す。
図において、伝送線DP信号線7、DN信号線8には、0Vに対し、DN信号線8のピークパルス電圧+24V、DN信号線8には、+24Vより信号パルスの波高値分低い信号が載っている。信号は、StartBitで始まり、続いてADRS0データ、ADRS1データが伝送線に接続されている制御・監視ターミナル機器の数続き、再びStartBitに戻る。StartBitは、データ信号よりも例えば5倍の長さがあり、スタート信号として識別できるようにしている。
制御・監視ターミナル機器は、前記伝送線DP信号線7、DN信号線8の信号の一部を整流し、コンデンサーにチャージすることによって電源を得る。
この電源を得る方法によって、配線の省略ができる所謂省配線の構造となっている。
【0045】
MCU27は、CK信号抽出回路21によって得られたCK信号15を基本入力信号として受け取り、親局およびそれぞれの子局が通信制御システムとして動作する。ADRS0に位置する第一のセンサ部9の投光信号は、StartBit後の第一のパルスの立ち上り部分で投光し、被検出体の検出信号を反射光としてフォトトランジスタで受光した受光信号PHTS1を得る。同様に第二のパルスの立ち上り部分で投光し、被検出体の検出信号を反射光としてフォトトランジスタで受光した受光信号PHTS2を得る。このようにn個のセンサ部9の投光信号LEDSnと受光信号PHTSnを得る。最終n番目のセンサ部9の信号を得ると、再びStartBit信号に戻り、サイクルを繰り返す。
【0046】
図13に本発明の実施形態に係るアドレス書込み時のタイムチャート図を示す。
アドレス書込みは、図のようにコンソールから送信されるLEDC信号31によって書込みが行われる。このアドレス書込み信号はStartBitであるSTB1の直後に書込み命令であるライトコマンドに続き、アドレスデータnが送信される。アドレス書込み信号を受け取ったセンサターミナル側は、INA信号としてStartBitであるSTB1の直後に書込み命令であるライトコマンドに続き、アドレスデータnを受信し、当該センサターミナルのアドレス値をアドレスデータnとして認識する。続いてセンサターミナル側からStartBitであるSTB1の直後自己のアドレス値であるアドレスデータnをLEDAとして投光し、これをコンソール側がStartBitであるSTB1の直後のセンサターミナルのアドレス値であるアドレスデータnを認識し、アドレス書込みの確認を行う。
【0047】
図14に本発明の実施形態に係るアドレス読込み時のタイムチャート図を示す。
図において、コンソールから送信されるLEDC信号31によってアドレスの読込みが出来る。コンソールは、アドレスの読込みを行う時にはStartBitであるSTB1の直後にリードコマンドを送信する。センサターミナル側は、StartBitであるSTB1の直後にリードコマンドを受信すると、LEDA信号としてStartBitであるSTB1の直後に当該センサターミナルのアドレスデータnを送信する。コンソールは、このLEDA信号をINC信号として受信し、アドレスデータnを読込むことが出来る。
【0048】
図15に本発明の実施形態に係るデータ信号タイムチャート図を示す。
図15は伝送線路上の伝送信号の例を示す。図において、StartBitであるSTB1の直後パルス信号は、LOWとHighのパルス幅が等しく、この場合のデータは、データ“0”であることを示している。続く第二のパルスもデータ“0”であることを示す。しかし第三のパルスは、LOWの期間が短く、データ“1”であることを示している。このような信号形態により当該伝送制御システムが作動している。
【0049】
図16に本発明の実施形態に係る透過型センサターミナルの設置例図を示す。
透過型センサターミナルの例では、図のように被検出体42を跨いで投光部ユニット39と受光部ユニット40を配置し、この例では、それぞれをパイプラック37に固定している。パイプラック37は接続部38を用いることによって三次元構造のラックを組立てることができる。伝送線路上にT分岐コネクタなどを用いて複数のセンサターミナルを設置することが出来る。伝送線路は適宜間隔を置いて配線固定具41にて配線を固定している。透過型センサターミナルの場合の信号は反射型センサが反射光有りで被検出体有りを示したのに対し、被検出体有りでは、受光信号がLOW、被検出体無しでHighとなる。
【0050】
この場合、共通のデータ信号線DP信号線7、DN信号線8に接続した複数の制御・監視ターミナルシステムである投光部ユニット39と受光部ユニット40は、一対の透過型センサターミナルシステムを複数組込んだ構造を持つ。すなわち、投光部ユニット39と受光部ユニット40のそれぞれのアドレスは、本発明によるコンソール26によって、同一のアドレスに設定しており、そのアドレス値をカスケード接続で投光部ユニット39または、受光部ユニット40の中の管理子局に続く投光回路または受光回路のアドレスとしている。このように、投光部ユニット39と受光部ユニット40の複数の投光回路または受光回路のアドレスは対をなし、設定することができる。複数の対をなす投光回路と受光回路によって検出された被検出体の検出結果は、先の共通のデータ信号線DP信号線7、DN信号線8に接続した親局に送られる。親局は、その直列信号として受信した検出結果信号を並列信号に変換し、被検出体が単一の対を成す検出回路または複数の対を成す検出回路によって被検出体が検出されたかを制御部の入力ユニットを介して伝達する。
このような領域センサを構成する場合、複数の投光側の各アドレスと複数の受光側の各アドレスは、それぞれ先頭アドレスを設定する管理子局のアドレスのみを設定すれば、カスケード接続により、次々従属子局のアドレスがインクリメントされながら設定できるため、アドレス設定が短時間で行うことができる利点がある。
【0051】
従来複数の投光器と受光器を用いた被検出体の検知システムでは、しばしば隣や他のセンサ用の投光信号を受光器が信号を検出してしまう問題もあった。一つのアドレスを構成するパルスサイクルのパルス前半低電圧レベル部分に電流信号として入力信号を得て、パルス後半のパルス幅に入力信号結果を反映し出力する信号処理システムを用いることによって、隣や他のセンサ用の投光信号を受光器が誤って受信することがなく、信頼性の高いエリアセンサを構成することが出来る。また、前述の管理子局のアドレス設定方式を用いることにより、制御・監視ターミナル機器の設置や、ユニットの交換時のアドレス設定操作が容易に行える。
【0052】
図17に本発明の実施形態に係るエリアセンサターミナルの投光側を示す。
図の投光部ユニット39において、アドレスを書き込む光透過窓33と、投光部44を有し、受光部40にも投光部44からの投光を受光する受光窓(図示せず)を有し、対向して配置される。投光部ユニット39は受光部ユニット40と光学的に光軸を合わせて配置する。この場合、投光部ユニット39と受光部ユニット40のアドレス同一にしておくことで、反射型の信号と同じく1パルス内で被検出体の有り無しセンサ信号として処理できる特徴を有する。
【0053】
投光部ユニット39と受光部ユニット40のアドレス同一にしておき、投光部の投光タイミングで受光部を作動させる仕組みは、図4に示すタイムチャート図によって説明する。図の最上部に、入出力アドレスタイムインターバルを示す。ここには例としてアドレス“0”から“3”の各アドレスに割り当てられたタイムインターバルが示されている。それぞれの入出力アドレスタイムインターバルは、それぞれt0時間であり、そのタイムインターバルの先頭側のt0/4に入力信号の期間である。この入力信号の期間は、データ信号線の電圧信号図で示されるように、19Vレベルで24Vレベルより5V低電圧レベルである。この5V低電圧レベル期間に入力信号“有り”を示す電流Isを送出することができる。すると、電流Isが検出された場合、入出力アドレス“2”や入出力アドレス“3”のようにその検出信号を受けて残り3t0/4である出力信号を“High”にして同一アドレス信号内部で入力信号を出力に反映することができる。
【0054】
この技術を用いた場合、同一アドレス信号の前半t0/4に入力信号である電流Isを受け、後半3t0/4を“High”にすることによって、1パルスサイクルの中で入力と出力が行える。この1パルスサイクルの中で入力を即出力に反映することが前述の全2重通信であり、同一パルスの期間内に入力信号と出力信号を載せることが出来る技術である。この全2重通信技術を用いた場合、図5に示す透過型センサターミナル11の投光側と透過型センサターミナル11の受光側を同一アドレスにしておくことによって、一対の投光・受光センサを構成できる。
【0055】
図18に本発明の実施形態に係るデータ設定回路を含むコンソール接続部の図を示す。
図において、投光・受光部30と信号線部34を繋ぐコネクタ35にバスラインの電源線にT分岐コネクタ45用いて接続し、データ設定回路を含むコンソール26の電源を得る例を示す。このようにすることで、コンソール26は電池電源などの電源を必要とせず、電池の管理や形状の小型軽量化が図れる。
データ設定回路を含むコンソール26の電源を信号伝送線または電源線に接続し、電力供給を受ける場合には、2次電池の必要が無くなり、コンソール26を一層軽く、小型化できる。
【0056】
図20に本発明の実施形態に係るデータ設定回路含むコンソールの接続部の図を示す。反射テープを使用し、制御・監視ターミナル機器の光透過窓33を反射テープで封をし、常に投光信号の反射を受けるようにしておき、反射テープが剥がされたことを認識することでアドレス設定を行う方法は、アドレス設定作業の簡素化が行える。
図の例では、データ設定回路含むコンソール26から信号線部34を介して分岐コネクタ45とコンソール側のコネクタ35で接続する。次に、コンソールに、あらかじめアドレス設定を行う制御・監視ターミナル機器の数を入力しておく。制御・監視ターミナル機器のアドレスを設定する毎に前記制御・監視ターミナル機器の数の入力値のカウンタ数を減ずる。カウンタ数が“0”でアドレス設定完了を認識し、アドレス書込み動作を終了するようにプログラムが作動する。
【0057】
反射テープを使用し、制御・監視ターミナル機器の光透過窓33を反射テープで封をし、常に投光信号の反射を受けるようにしてある当該制御・監視ターミナル機器は、初期設定時に当該アドレスを特定のアドレス値にしておく。
例えばアドレスが未設定の制御・監視ターミナル機器のアドレスは、アドレス値が4ビットアドレスであるとするとき、アドレスを1111としておき、アドレスが1111である制御・監視ターミナル機器は、アドレスが未設定であることを認識するようにしておく。
【0058】
次に光透過窓33の状態を読み込み、反射テープによって常に自己の投光信号が受光される状態であれば、アドレス書込み状態にないと判断する。次に反射テープの封をアドレス設定時に剥がすと、コンソールから伝送信号線送出しているアドレス設定信号を検出し、アドレス設定信号の次に続くアドレス値を自局のアドレスとしてアドレス記憶領域に書き込む。自局のアドレスをアドレス記憶領域に書き込み完了した制御・監視ターミナル機器は、コンソールに対し、書込み完了信号を送出する。書込み完了信号を得たコンソールは、次のアドレス値設定信号を伝送信号線に送出し、未設定の制御・監視ターミナル機器の光透過窓33の反射テープの封が剥がされるタイミングを待つ。この一連の動作によって、制御・監視ターミナル機器のアドレス設定をコンソールのカウンタ値が“0”になるまで行う。(図示せず)
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の利用は、機械組立工場などの耐油性を必要とする環境に設置する電子制御機器のアドレス設定部の耐油構造を容易にかつ低コストで効果的に行うことができ、油汚れや、オイルミスト雰囲気において広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る通信制御システムブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る反射型センサターミナルブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るMCUのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るシステムのタイムチャート図である。
【図5】本発明の実施形態に係る透過型センサターミナルブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るMCUのブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係るMCUのブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に係るコンソールのブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に係るMCUのブロック図である。
【図10】本発明の実施形態に係るコンソールの外形図である。
【図11】本発明の実施形態に係る投光・受光器接続部の図である。
【図12】本発明の実施形態に係るタイムチャート図である。
【図13】本発明の実施形態に係るアドレス書込み時のタイムチャート図である。
【図14】本発明の実施形態に係るアドレス読込み時のタイムチャート図である。
【図15】本発明の実施形態に係るデータ信号タイムチャート図である。
【図16】本発明の実施形態に係る透過型センサターミナルの設置例図である。
【図17】本発明の実施形態に係るエリアセンサターミナルの投光側である。
【図18】本発明の実施形態に係るコンソール接続部の図である。
【図19】本発明の実施形態に係るコンソール接続部の図である。
【図20】本発明の実施形態に係るコンソール接続部の図である。
【符号の説明】
【0061】
1 制御部 2 出力ユニット 3 入力ユニット
4 制御信号 5 監視信号 6 親局
7 DP信号線 8 DN信号線 9 センサ部
10 CPU 11 センサシステム 12 RAM
13 ROM 14 A/D変換器 15 CK信号
16 LEDA信号 17 INA信号 18 LEDS信号
19 DATAS信号 20 Iout信号 21 CK信号抽出回路
22 出力回路 23 投光・受光部 24 通信設定部
25 I/Oバス 26 コンソール 27 MCU
28 KEY入力部 29 表示部 30 投光・受光部
31 LEDC信号 32 INC信号 33 光透過窓
34 信号線部 35 コネクタ 36 電源スイッチ
37 パイプラック 38 接続部 39 投光部ユニット
40 受光部ユニット 41 配線固定具 42 被検出体
43 管理子局 44 投光部・受光部 45 分岐コネクタ
46 従属子局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が被制御部および被制御部を監視するセンサ部を含む複数の被制御装置からなり、
前記複数の被制御装置に共通のデータ信号線を介して、制御信号を前記被制御部に伝送信号として伝送し、かつ前記センサ部からの監視信号を伝送信号として伝送する制御・監視信号伝送システムであって、
前記データ信号線に接続され、所定の被制御装置から伝送された監視信号を予め対応させられた被制御装置への制御信号として伝送する親局と、
前記複数の被制御装置に対応して設けられ、前記データ信号線および対応する被制御装置に接続される複数の子局を備えた伝送線路に接続した伝送制御システムにおいて、
前記子局のアドレス設定や初期値設定を、
前記子局の光透過窓を介してデータ設定回路を含むコンソールと光学的に通信し、アドレス設定または初期値設定を行うための投光素子と受光素子を具備する前記子局と、同じく投光素子と受光素子を具備したデータ設定回路を含むコンソールであることを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナル。
【請求項2】
請求項1において、
前記共通のデータ信号線を介して、制御信号を前記被制御部に伝送し、かつ前記センサ部からの監視信号をデータ信号線に伝送する制御・監視信号伝送システムであって、それぞれ子局である受光部ユニットと投光部ユニットをそれぞれ同一アドレスに設定し、前記伝送信号の同一アドレスの同一クロックサイクルの中で、制御信号を投光信号として投光部ユニットから送出し、当該投光信号の投光期間に受光部ユニットで監視信号として受光し、伝送信号として共通のデータ信号線に送出することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項3】
請求項2において、
一対をなす投光部ユニットと受光部ユニットを前記伝送信号の同一アドレスとして設定し、透過型センサを構成し、前記透過型センサを複数合わせて特定領域内の被検出体を検出するエリアセンサを構成することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナル。
【請求項4】
請求項1から3において、
カスケード接続した子局の先頭に設けた管理子局のみがデータ設定回路を含むコンソールと光学的に光透過窓を介して、通信する投光素子と受光素子を具備し、データ設定回路を含むコンソールによって前記管理子局のアドレスまたは初期設定値が設定されると、前記管理子局にカスケード接続された前記従属子局は、前記管理子局によって生成されたアドレスに設定され、順次加算されたアドレス値がカスケード線によって受け継がれ、前記従属子局のアドレスまたは初期設定値設定がそれぞれ順次設定されることを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項5】
請求項1から4において、
データ設定回路を含むコンソールと投光素子と受光素子を具備する先端部との間を自在に変形できる配線または支持構造を有することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項6】
請求項1から5において、
光学的にデータ設定回路を含むコンソールと通信する通信部を具備する制御・監視ターミナルは、密封構造をなした制御・監視ターミナルの回路を保護することを特徴としたコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項7】
請求項1から6において、
データ設定回路を含むコンソールから自在に変形できる配線または腕木構造で接続された投光素子と受光素子を具備する先端部と、制御・監視ターミナルの光通信を行う通信部に具備した光透過窓部に磁性材料固定・嵌め合い・噛み合い・フックを用いて半固定し、光通信設定時に、光送受信部が固定できる構造としたことを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項8】
請求項1から7において、
コンソールを構成するデータ設定回路を含むコンソールは、電池や2次電池で作動し、2次電池の場合は充電回路を有することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項9】
請求項1から8において、
データ設定回路を含むコンソールの電源を信号伝送線または電源線に接続し、電力供給を受けることを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項10】
請求項1から9において、
光通信に代えて非磁性体である密封構造ケースを介して電磁誘導通信を行うことを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。
【請求項11】
請求項1から10において、
コンソールを構成するデータ設定回路を含むコンソールを信号伝送線に接続し、被設定対象の制御・監視ターミナルのセンサ窓を全て光学的に封で内側に反射させ、アドレス未設定状態を認識し、アドレス設定時に前記封を剥す順番でアドレスを設定することを特徴とするコンソールおよび制御・監視ターミナルシステム。

【図1】
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【図11】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図15】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−295135(P2009−295135A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173976(P2008−173976)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(501194514)株式会社 エニイワイヤ (37)
【Fターム(参考)】