説明

制御可能な空間的変化を有する層を形成する方法及びシステム

【課題】 基板表面を処理する方法及び処理システム。
【解決手段】 表面は、少なくとも2つのラジカル源からの少なくとも2種類のラジカルに曝露される。ラジカル源からの各対応するラジカルは基板表面の異なる領域と相互作用する。本発明は酸化、窒化又はその両方の均一性を適切に改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、エレクトロニクス素子及びエレクトロニクス素子で使用される材料の製造に適した方法及びシステムに関する。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1453083号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1361605号明細書
【特許文献3】特開2001-012917号公報
【特許文献4】特開2001-374631号公報
【特許文献5】特開2001-374632号公報
【特許文献6】特開2001-374633号公報
【特許文献7】特開2001-401210号公報
【特許文献8】特開2002-118477号公報
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0142577号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2003/0170945号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は酸化、窒化又はその両方の均一性を適切に改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は一般に、基板上の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は他の膜を成膜する方法及び処理システムに関する。基板表面は、少なくとも2つのラジカル源から発生する少なくとも2種類のラジカルに曝露される。ラジカル源からの各対応するラジカルは基板表面の異なる領域と相互作用する。
【実施例】
【0004】
[処理システム]
図1は基板上に1層以上の層の形成、又は基板処理用システムを図示している。処理システム1は、酸素ラジカル又は酸素含有分子組成物を基板へ導入するための酸化システム10及び、引き続いて酸化、窒化又は酸化窒化を行う場合には酸素ラジカル及び/又は窒素ラジカル、又は酸素含有分子組成物及び/又は窒素含有分子組成物を基板へ導入するための酸化及び/又は窒化システム20を有する。それに加えて、処理システム1は酸化システム10並びに酸化及び/又は窒化システム20と結合し、酸化システム10並びに酸化及び/又は窒化システム20内で実行されるプロセスの監視、調節又は制御のうちの少なくとも1つを実行するコントローラ30をさらに有する。たとえ酸化システム10並びに酸化及び/又は窒化システム20が図1において分離したモジュールとして図示されていても、これらは同一のモジュールを有して良い。
【0005】
図2は基板上への層形成用又は基板処理用システムの1つの実施例の上面図を概略的に図示している。処理システムは、基板125の酸化、窒化、酸化窒化又は他の処理を行うことが可能である。処理システムは、プロセスチャンバ110、基板125を支持する基板ホルダ120、基板125の実質的中心部に1つ以上のラジカルの第1流を導入する第1ラジカル源130、基板125の実質的端部に1つ以上のラジカルの第2流を導入する第2ラジカル源140、真空ポンプ装置150及びコントローラ160を有する。第1ラジカル源130はたとえば、第1プロセスガスのプラズマ支援分解によって第1プロセスガスからラジカルの第1流を生成するリモートプラズマ源、又はプロセスチャンバ110内で第1プロセスガスを分解してラジカルの第1流を生成する紫外(UV)放射光源を含んで良い。第2ラジカル源140はたとえば、第2プロセスガスのプラズマ支援分解によって第2プロセスガスからラジカルの第2流を生成するリモートプラズマ源、又はプロセスチャンバ110内で第2プロセスガスを分解してラジカルの第2流を生成する紫外(UV)放射光源を含んで良い。第1プロセスガス及び第2プロセスガスはたとえば、酸化プロセスで使用されるO2、窒化プロセスで使用されるN2又は、酸化及び窒化プロセスの両方で使用されるN2及びO2、NO、NO2若しくはN2Oを含んで良い。複数のプロセスガスを如何なる組み合わせで使用しても良い。
【0006】
基板125は基板ホルダ120上部に乗っている。基板は固定されていても良いし、固定されていなくても良い。基板ホルダは温度制御可能である。全方向での均一性を向上させるために基板125を回転させることが可能である。
【0007】
酸化又は窒化プロセスの均一性変化に影響を与えるため、コントローラ160はたとえば、第1プロセスガスの流量、第1ラジカル源130の強度(又はパワー)(たとえば、UV光源からのUV強度又は、プラズマ源へのパワー入力)、第2プロセスガスの流量、第2ラジカル源140の強度(又はパワー)のうちの1つ以上の制御が可能である。その代わりに、又はそれに加えて、コントローラ160はプロセスチャンバ110の他すべてのパラメータを制御することが可能である。コントローラ160はまた、各第2ラジカル源140をそれぞれ独立に制御することが可能である。複数の第1ラジカル源130を使用して良い。複数の第1ラジカル源は、2、3、4、5及び6つの第1ラジカル源130を含む。同様に、2から6個の第2ラジカル源140を使用しても良い。各ラジカル源はコントローラ160で独立に制御することが可能である。コントローラ160はまた、真空ポンプ装置150をも制御することが可能である。2つ以上のコントローラ160を使用して良い。
【0008】
図3は層形成用又は基板処理用システムの1つの実施例の上面を概略的に図示している。処理システムは基板225の酸化、窒化、酸化窒化又は他の処理を実行することが可能である。処理システムは、プロセスチャンバ210、基板225を支持する基板ホルダ220、基板225の実質的中心部に1つ以上のラジカルの第1流を導入する第1ラジカル源230、基板225の実質的端部に1つ以上のラジカルの第2流を導入する第2ラジカル源240、真空ポンプ装置250及びコントローラ260を有する。第1ガス供給システム232は第1ガス注入システム234(たとえばガス注入レーキ(rake))を介してプロセスチャンバ210へ第1プロセスガスを供給する。第1ラジカル源230は、UVランプの第1アレイ(たとえばUVランプのアレイは1つ以上のランプを有して良い。アレイは2から8個のランプを含む。)を有して良い。2から8個のアレイを含む複数のUVランプアレイは可能である。1つの実施例では、処理システムは、UVランプによる第1プロセスガスのUV放射光誘起分解によってラジカルの第1流が生成されるように備えられている。その代わりに、又はそれに加えて、第1ラジカル源230は、1つ以上のリモート若しくはローカルプラズマ誘起分解源、又はここで説明した他のラジカル源のような1つ以上の非UVラジカル源を有して良い。
【0009】
第2ガス供給システム242は第2ガス注入システム244(たとえばガス注入レーキ)を介してプロセスチャンバ210へ第2プロセスガスを供給する。第2ラジカル源240は、UVランプの第2アレイを有して良い。その代わりに、又はそれに加えて、第2ラジカル源240は、1つ以上のリモート若しくはローカルプラズマ誘起分解源、又はここで説明した他のラジカル源のような1つ以上の非UVラジカル源を有して良い。
【0010】
複数の第1ガス供給システム232及び第2ガス供給システム242は独立して使用して良い。複数のガス供給システムは、2から6個の第1ガス供給システム232、及び2から6個の第2ガス供給システム242を有して良い。複数の第1ガス注入システム234及び第2ガス注入システム244は独立して使用して良い。複数のガス注入システムは、2から6個の第1ガス注入システム234、及び2から6個の第2ガス注入システム244を有して良い。
【0011】
酸化、窒化、酸化窒化、他の処理又はこれらの如何なる組み合わせによる効果を実現するため、第1ラジカル流及び第2ラジカル流は各独立して、酸素ラジカル、窒素ラジカル、酸素及び窒素分子ラジカル又はこれらの如何なる組み合わせからなるラジカルのような如何なるラジカルをも有しても良い。
【0012】
第1ガス供給システム232、第2ガス供給システム242、ガス注入システム234及びガス注入システム244は1種類以上のプロセスガスを導入するためにそれぞれ独立していて良い。プロセスガスの例としてはたとえば、酸化プロセス用O2、窒化プロセス用N2又は酸化と窒化の両方で使用される、N2、O2、NO、NO2、N2O又はこれらの組み合わせからなる気体の如何なるものが含まれる。
【0013】
酸化又は窒化プロセスの均一性変化に影響を与えるため、コントローラ260はたとえば、第1プロセスガスの流量、第1ラジカル源230及び第2ラジカル源240(たとえばUV強度など)、第1ガス供給システム232及び第2ガス供給システム242の流量、及び、第1ガス注入システム234及び第2ガス注入システム244の流量の制御が可能である。コントローラ260は、各第2ラジカル源240をそれぞれ独立に制御することが可能である。コントローラ260は、各第2ガス注入システム244をそれぞれ独立に制御することが可能である。その代わりに、又はそれに加えて、コントローラ260はプロセスチャンバ210の他すべてのパラメータを制御することが可能である。たとえば、コントローラ260は真空ポンプ装置250を制御することが可能である。
【0014】
複数の第1ラジカル源230を使用して良い。複数の第1ラジカル源は、2から6個の第1ラジカル源230を含む。同様に、2つ以上の第2ラジカル源240を使用しても良い。2つ以上の第2ラジカル源は、2から7個の第2ラジカル源240を含む。各ラジカル源はコントローラ260で独立に制御することが可能である。2つ以上のコントローラ160を使用して良い。
【0015】
基板225は基板ホルダ220上部に乗っている。基板は固定されていても良いし、固定されていなくても良い。基板ホルダは温度制御可能である。全方向での均一性を向上させるために基板225を回転させることが可能である。
【0016】
図4は層形成用又は基板処理用システムの1つの実施例の上面を概略的に図示している。処理システムは基板325の酸化、窒化、酸化窒化又は他の処理を実行することが可能である。処理システムは、プロセスチャンバ310、基板325を支持する基板ホルダ320、基板225の実質的中心部に1つ以上のラジカルの第1流を導入する第1ラジカル源330、基板325の実質的端部に1つ以上のラジカルの第2流を導入する第2ラジカル源340、真空ポンプ装置350及びコントローラ360を有する。第1ラジカル源330は第1リモートプラズマ源を有する。第1ガス供給システム332は第1リモートプラズマ源へ第1プロセスガスを供給し、ラジカルの第1流は第1ガス注入システム(たとえばガス注入レーキ)を介してプロセスチャンバ310へ導入される。第2ラジカル源340は第2リモートプラズマ源を有する。第2ガス供給システム342は第2リモートプラズマ源へ第2プロセスガスを供給し、ラジカルの第2流は第2ガス注入システム(たとえばガス注入レーキ)を介してプロセスチャンバ310へ導入される。
【0017】
基板325は基板ホルダ320上部に乗っている。基板は固定されていても良いし、固定されていなくても良い。基板ホルダは温度制御可能である。全方向での均一性を向上させるために基板325を回転させることが可能である。
【0018】
酸化又は窒化プロセスの均一性変化に影響を与えるため、コントローラ360はたとえば、第1ラジカル源330の強度(又はパワー)、第2ラジカル源340の強度又はパワーのうちの1つ以上の制御が可能である。その代わりに、又はそれに加えて、コントローラ360はプロセスチャンバ310の他すべてのパラメータを制御することが可能である。コントローラ360はまた、各第2ラジカル源340をそれぞれ独立に制御することが可能である。複数の第1ラジカル源330を使用して良い。複数の第1ラジカル源は、2から6個の第1ラジカル源330を含む。同様に、2つ以上の第2ラジカル源340を使用しても良い。2つ以上の第2ラジカル源は、2から7個の第2ラジカル源340を含む。各ラジカル源はコントローラ360で独立に制御することが可能である。コントローラ360はまた、真空ポンプ装置350をも制御することが可能である。2つ以上のコントローラ360を使用して良い。
【0019】
酸化、窒化、酸化窒化、他の処理又はこれらの如何なる組み合わせによる効果を実現するため、第1ラジカル流源330からの第1ラジカル流及び第2ラジカル流源340からの第2ラジカル流は各独立して、酸素ラジカル、窒素ラジカル、酸素及び窒素分子ラジカル又はこれらの如何なる組み合わせからなるラジカルのような如何なるラジカルをも有しても良い。
【0020】
第1ガス供給システム332及び第2ガス供給システム342は1種類以上のプロセスガスを導入するためにそれぞれ独立していて良い。プロセスガスの例としてはたとえば、酸化プロセス用O2、窒化プロセス用N2又は酸化と窒化の両方で使用される、N2、O2、NO、NO2、N2O又はこれらの組み合わせからなる気体の如何なるものが含まれる。複数の第1ガス供給システム332及び第2ガス供給システム342を使用して良い。これは、2、3、4、5又は6の第1ガス供給システム232、及び2から6個の第2ガス供給システム242を有する。
【0021】
図5は層形成用又は基板処理用システムの1つの実施例の上面を概略的に図示している。処理システムは基板425の酸化、窒化、酸化窒化又は他の処理を実行することが可能である。処理システムは、プロセスチャンバ410、基板425を支持する基板ホルダ420、基板425の実質的端部に1つ以上のラジカルの第1流を導入する第1ラジカル源430、基板425の実質的中心部に1つ以上のラジカルの第2流を導入する第2ラジカル源440、真空ポンプ装置450及びコントローラ460を有する。第1ガス供給システム444は、第1ガス注入システム442(たとえばガス注入レーキ)を介して第1プロセスガスをプロセスチャンバ410へ供給する。加えて第2ガス供給システム434は、第2ガス注入システム432(たとえばガス注入レーキ)を介して第2プロセスガスをプロセスチャンバ410へ供給する。
【0022】
第1ラジカル源430は、UVランプの第1アレイ(たとえばUVランプのアレイは1つ以上のランプを有して良い。アレイは2から8個のランプを含む。)を有して良い。複数のUVランプアレイは可能である。複数のUVランプアレイは2から8個のアレイが含まれる。1つの実施例では、処理システムは、ラジカルの第1流が、UVランプによる、第1プロセスガス、第2プロセスガス又は両方のガスのUV放射光誘起の分解によって生成されるように備えられている。その代わりに、又はそれに加えて、第1ラジカル源430は、1つ以上のリモート若しくはローカルプラズマ誘起分解源、又はここで説明した他のラジカル源のような1つ以上の非UVラジカル源を有して良い。
【0023】
第2ラジカル源440は、UVランプの第2アレイ(たとえばUVランプのアレイは1つ以上のランプを有して良い。アレイは2から8個のランプを含む。)を有して良い。複数のUVランプアレイは可能である。複数のUVランプアレイは2から8個のアレイが含まれる。1つの実施例では、処理システムは、ラジカルの第2流が、UVランプによる、第1プロセスガス、第2プロセスガス又は両方のガスのUV放射光誘起の分解によって生成されるように備えられている。その代わりに、又はそれに加えて、第2ラジカル源440は、1つ以上のリモート若しくはローカルプラズマ誘起分解源、又はここで説明した他のラジカル源のような1つ以上の非UVラジカル源を有して良い。
【0024】
あるいはその代わりに、第2ガス供給システム444は、ラジカルの第3流を基板425へ導入する第3ラジカル源をさらに有する。たとえば第3ラジカル源は、1つ以上のリモート若しくはローカルプラズマ誘起分解源、又はここで説明した他のラジカル源のような1つ以上の非UVラジカル源を有して良い。
【0025】
複数の第1ガス供給システム444及び第2ガス供給システム434は独立して使用して良い。複数のガス供給システムは、2から6個の第1ガス供給システム444、及び2から6個の第2ガス供給システム434を有して良い。複数の第1ガス注入システム442及び第2ガス注入システム432は独立して使用して良い。複数のガス注入システムは、2から6個の第1ガス注入システム442、及び2から6個の第2ガス注入システム432を有して良い。
【0026】
酸化、窒化、酸化窒化、他の処理又はこれらの如何なる組み合わせによる効果を実現するため、第1ラジカル流、第2ラジカル流及び任意の第3ラジカル流は各独立して、酸素ラジカル、窒素ラジカル、酸素及び窒素分子ラジカル又はこれらの如何なる組み合わせからなるラジカルのような如何なるラジカルをも有しても良い。
【0027】
第1ガス供給システム444、第2ガス供給システム434、ガス注入システム432及びガス注入システム442は1種類以上のプロセスガスを導入するためにそれぞれ独立していて良い。プロセスガスの例としてはたとえば、酸化プロセス用O2、窒化プロセス用N2又は酸化と窒化の両方で使用される、N2、O2、NO、NO2、N2O又はこれらの組み合わせからなる気体の如何なるものが含まれる。
【0028】
酸化又は窒化プロセスの均一性変化に影響を与えるため、コントローラ460はたとえば、第1プロセスガスの流量、第1ラジカル源430及び第2ラジカル源440(たとえばUV強度など)、第1ガス供給システム444及び第2ガス供給システム434の流量、及び、第1ガス注入システム442及び第2ガス注入システム432の流量の制御が可能である。コントローラ460は、各第2ラジカル源440をそれぞれ独立に制御することが可能である。コントローラ460は、各第2ガス注入システム432をそれぞれ独立に制御することが可能である。その代わりに、又はそれに加えて、コントローラ460はプロセスチャンバ410の他すべてのパラメータを制御することが可能である。たとえば、コントローラ460は真空ポンプ装置450を制御することが可能である。
【0029】
複数の第1ラジカル源430を使用して良い。複数の第1ラジカル源は、2から6個の第1ラジカル源430を含む。同様に、2つ以上の第2ラジカル源440を使用しても良い。2つ以上の第2ラジカル源は、2から7個の第2ラジカル源440を含む。各ラジカル源はコントローラ460で独立に制御することが可能である。2つ以上のコントローラ460を使用して良い。
【0030】
基板425は基板ホルダ420上部に乗っている。基板は固定されていても良いし、固定されていなくても良い。基板ホルダは温度制御可能である。全方向での均一性を向上させるために基板425を回転させることが可能である。
【0031】
第1ラジカル流及び第2ラジカル流は、第1ラジカル源130、第1ラジカル源230、第1ラジカル源330、第1ラジカル源430及び、第2ラジカル源140、第2ラジカル源240、第2ラジカル源340、第2ラジカル源440によって、基板(125、225、325又は425)から離れた場所すなわちラジカル流の生成地点近く(以降、上流と略記)に発生させることが可能である。プロセスガスのUV放射光誘起分解及び/又はプロセスガスのプラズマ誘起分解によって、如何なるラジカル源をラジカル発生に使用して良い。適切なリモートラジカル源及び/又は上流ラジカル源には、高周波(RF)プラズマ、誘導結合プラズマ、プラズマトーチ、容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、容量マイクロ波、マイクロ波誘導プラズマ、スロット平面アンテナプラズマ、マイクロ波スロット平面アンテナプラズマ、UVランプ、表面波プラズマ若しくはヘリコン波プラズマ又はこれらの組み合わせ若しくはそれと同等のものが含まれる。1種類以上のプラズマ源が使用されて良い。商用リモートプラズマ源には、MKSインスツルメンツ社、ASTeX(登録商標)プロダクツから販売されているASTRON(登録商標)源、及び東京エレクトロン株式会社から販売されているTRIAS(商標)SPA処理システムが含まれる。
【0032】
あるいはその代わりに、第1ラジカル流及び第2ラジカル流は、基板125、基板225、基板325又は基板425の全体に第1プロセスガス及び第2プロセスガスを流し、プロセスガスのUV放射光誘起分解及び/又は、プロセスガスのプラズマ誘起分解によって局所的に第1ラジカル及び第2ラジカルを発生させることで、第1ラジカル流及び第2ラジカル流を発生させることが可能となる。適切なリモートラジカル源及び/又は上流ラジカル源には、高周波(RF)プラズマ、誘導結合プラズマ、プラズマトーチ、容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、容量マイクロ波、マイクロ波誘導プラズマ、スロット平面アンテナプラズマ、マイクロ波スロット平面アンテナプラズマ、UVランプ、表面波プラズマ若しくはヘリコン波プラズマ又はこれらの組み合わせ若しくはそれと同等のものが含まれる。
【0033】
プロセスチャンバ(110、210、310及び410)は、ラジカル及び/又はプロセスガスが、基板(125、225、325及び425)の各対応する中心部及び端部を流れるように備えられていて良い。流れは基板表面に平行又は実質的に平行な流れ、たとえば層流、の範囲内である。これは、ラジカル源(130、140、230、240、330、340、430及び440)、及び/又は、ガス供給システム(234、244、434及び444)を真空ポンプ装置(150、250、350及び450)の反対側に設置することで実現することができる。ラジカル及び/又はプロセスガスは、プロセスチャンバ(110、210、310及び410)内で基板(125、225、325及び425)を流れる。流れは基板表面に平行又は実質的に平行な流れ、たとえば層流、の範囲内である。そしてラジカル及び/又はプロセスガスは、真空ポンプ装置(150、250、350及び450)によってプロセスチャンバ(110、210、310及び410)から真空引きされる。
【0034】
基板(125、225、325及び425)はシリコン基板又は他の基板を有して良い。酸化物層は基板の酸化を介したシリコン酸化物層、基板の窒化を介したシリコン窒化物層、基板の酸化窒化を介したシリコン酸化窒化物層又は上記の組み合わせの如何なるものを有して良い。基板表面はシリコン表面、酸化物表面、シリコン酸化物表面又はこれらの組み合わせの如何なる表面であって良い。
【0035】
たとえば、酸化、窒化又は酸化窒化処理は未処理のシリコン表面を有する基板上で実行されて良い。それにより、シリコン酸化物、シリコン窒化物又はシリコン酸化窒化物膜がシリコン表面上に形成される。図2、図3、図4及び図5の処理システムは、シリコン表面上に形成された各対応する膜の空間的均一性を監視、調節又は制御するのに利用できる。あるいはその代わりに、図2、図3、図4及び図5の処理システムを使用して各対応する膜の均一性を補正又は改善するため、たとえば酸化、窒化又は酸化窒化処理をシリコン酸化物膜上、シリコン窒化物膜上又はシリコン酸化窒化物膜上で実行することが可能である。加熱処理システムでは、シリコン酸化物膜は酸素雰囲気中での加熱酸化処理を使用することで形成可能で、シリコン窒化物膜はアンモニア雰囲気のような窒素雰囲気中での加熱窒化処理を使用することで形成可能で、シリコン酸化窒化物膜は酸素及び窒素雰囲気中で形成可能である。
【0036】
基板(125、225、325及び425)は、約1rpmから約60rpmの回転速度で面内回転させて良い。回転速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50若しくは60rpm又はそれらを組み合わせた値を有する。
【0037】
ラジカルの第1流の少なくとも1つの特性及び、ラジカルの第2流の少なくとも1つの特性を基板表面処理の空間的変化を制御するために設定することが可能である。実際、処理を均一にすることは可能である。基板(125、225、325及び425)の中心部と端部の両方はラジカルの第1流に曝露して良く、その一方で中心部はラジカルの第2流には曝露されない。
【0038】
処理システムは、200mm基板、300mm基板又はそれよりも大きさサイズの基板を処理することが可能である。当業者には明らかなように、処理システムは、基板、ウエハ又はLCDをそのサイズに関係なく処理できるように意図されている。従って、本発明の態様は半導体基板処理に関連して説明されているが、本発明は単にそれだけに限定されるものではない。
【0039】
基板(125、225、325及び425)の温度は昇温、降温及びそれとは違い、加熱システムのような適切な温度制御素子を介することでコントローラ(160、260、360及び460)による制御が可能である。加熱システムは、抵抗加熱素子、熱電加熱/冷却器、基板ホルダ(120、220、320及び420)から熱を受け取り、熱を熱交換システムへ移し、又は、加熱の際は熱を熱交換システムから基板(125、225、325及び425)へ移す再循環冷却流を有することが可能である。さらに、基板温度はプロセスチャンバの壁に設けられている温度制御素子、及び/又は、処理システム内部の他の構成要素で制御することが可能である。
【0040】
基板(125、225、325及び425)と基板ホルダ(120、220、320及び420)との間の熱輸送を改善するため、基板ホルダ(120、220、320及び420)は、基板(125、225、325及び425)を基板ホルダ(120、220、320及び420)上面に貼り付けるための機械的固定システム又は、静電力による固定システムのような電気的固定システムを有して良い。さらに、基板(125、225、325及び425)と基板ホルダ(120、220、320及び420)との間の熱伝導の気体に起因するギャップ(gas-gap thermal conductance)を改善するため、基板ホルダ(120、220、320及び420)は、気体を基板(125、225、325及び425)背面に導入する基板背面ガス供給システムをさらに有して良い。そのようなシステムは、昇温又は降温において基板の温度制御が必要なときに利用することが可能である。たとえば、基板背面ガスシステムは、2領域ガス分配システムを有する。ここで、ヘリウムガスギャップの圧力は独立に、基板(125、225、325及び425)の中心と基板端部との間で変化させて良い。
【0041】
真空ポンプ装置(150、250、350及び450)は、圧力制御システム、真空ポンプ、バルブ、排気口(図示していない)のうちの1つ以上を有して良い。真空ポンプ装置(150、250、350及び450)は、プロセスチャンバ(110、210、310及び410)を、基板(125、225、325及び425)上に薄膜を形成するのに適切な圧力になるように制御しながら真空引きすることが可能である。真空ポンプ装置(150、250、350及び450)は、最大で毎秒約5000リットルの速度(及びそれよりも高速で)での排気が可能なターボ分子ポンプ(TMP)を有して良い。バルブはチャンバ圧力を抑圧するゲートバルブを有して良い。従来のプラズマプロセス装置では、TMPの排気速度は毎秒約500リットルから3000リットルが一般に採用されてきた。しかも、チャンバ圧力の監視装置(図示されていない)をプロセスチャンバ(110、210、310及び410)に結合させて良い。圧力測定装置はたとえば、MKSインスツルメンツ社から販売されている628B型バラトロン(登録商標)絶対圧キャパシタンスマノメータであって良い。
【0042】
加えて、コントローラ(160、260、360及び460)は、プロセスチャンバ(110、210、310及び410)、基板ホルダ(120、220、320及び420)、第1ラジカル源及び第2ラジカル源(130、140、230、240、330、340、430及び440)、第1気体注入システム及び第2気体注入システム(234、244、334、344、434及び444)、及び/又は真空ポンプ装置(150、250、350及び450)のうちの1つ以上と独立して結合して良い。その代わりに、又はそれに加えて、コントローラ(160、260、360及び460)は1つ以上の付加的コントローラ/コンピュータ(図示していない)と結合して良く、付加的コントローラ/コンピュータから設定及び/又は機器構成情報を取得して良い。
【0043】
システム中に1つしかない構成要素(160、260、360、460、110、210、310、410、120、220、320、420、130、140、230、240、330、340、430、440、234、244、232、242、332、342、432、434、442、444、150、250、350及び450)が図示されているが、本発明に必要というわけではない。処理システムは、独立した処理用構成要素に加え、関連するコントローラを有する処理用構成要素を有して良い。
【0044】
コントローラ(160、260、360及び460)は、任意の数の処理用構成要素(160、260、360、460、110、210、310、410、120、220、320、420、130、140、230、240、330、340、430、440、234、244、232、242、332、342、432、434、442、444、150、250、350及び450)を構築するのに使用されて良い。そしてコントローラ(160、260、360及び460)は、処理用構成要素からのデータを収集、提供、処理、保存及び表示することが可能である。コントローラ(160、260、360及び460)は1つ以上の処理用構成要素を制御する多数の用途を有して良い。たとえば、コントローラ(160、260、360及び460)はグラフィックユーザーインターフェース(GUI)コンポーネント(図示していない)を有して良い。GUIは、ユーザーが1つ以上の処理用構成要素を監視及び/又は制御できるようにする容易に使用できるインターフェースを提供することが可能である。コントローラ(160、260、360及び460)はマイクロプロセッサ、処理システムへの入力と通信及び実行に十分な、及び、処理システムからの出力の監視に十分なメモリ及び、制御電圧を発生させる能力を有するデジタルI/Oポートを有して良い。たとえば、メモリに保存されているプログラムは、処理を実行するためのプロセスレシピに従って、処理システムの上記構成要素への入力を実行するのに利用することが可能である。コントローラ(160、260、360及び460)はUNIX(登録商標)ベースのワークステーションで実装することが可能である。あるいはその代わりに、コントローラ(160、260、360及び460)は汎用コンピュータ、デジタル信号処理システムなどで実装することも可能である。コントローラ(160、260、360及び460)の一例は、デルから販売されているWORKSTATION610(商標)である。
【0045】
コントローラ(160、260、360及び460)は処理システムの近くに設置されても良いし、又は、処理システムに対して離れた場所に設置されても良い。たとえば、コントローラ(160、260、360及び460)は、直接的接続、イントラネット、インターネット及びワイアレス接続のうちの少なくとも1つを使用して処理システムとデータ交換することが可能である。コントローラ(160、260、360及び460)はイントラネットたとえばカスタマーサイト(つまりデバイスメーカー)と接続可能、又は、イントラネットたとえばベンダーサイト(つまり装置メーカー)と接続可能である。加えて、たとえばコントローラ(160、260、360及び460)はインターネットと接続可能である。さらに、別なコンピュータ(つまりコントローラ、サーバなど)は、たとえばコントローラ(160、260、360及び460)とアクセスし、直接的接続、イントラネット、インターネット及びワイアレス接続のうちの少なくとも1つを介してデータ交換することが可能である。当業者に明らかなように、コントローラ(160、260、360及び460)はワイアレス接続を介し、処理システムによってデータ交換することが可能である。
【0046】
基板(125、225、325及び425)の中心部及び端部に対する第1ラジカル源及び第2ラジカル源(130、140、230、240、330、340、430及び440)の位置は、主としてラジカル源によって生成される各対応するラジカルと相互作用する基板部分を考慮することで決定されて良い。たとえば、基板(125、225、325及び425)の端部近くに設置されているラジカル源から生じるラジカルは主として基板(125、225、325及び425)の端部と接触する。基板(125、225、325及び425)の中心部近くに設置されているラジカル源から生じるラジカルは主として基板(125、225、325及び425)の中心部と接触する。しかし、これらは端部とも接触するかもしれない。基板(125、225、325及び425)の端部及び中心部は、基板(125、225、325及び425)の平坦面又は実質的平坦面に対して画定されて良い。
【0047】
基板(125、225、325及び425)の中心部及び端部への第1ラジカル流及び第2ラジカル流の曝露量は変化させて良い。1つの実施例では、最初に中心部を第1ラジカル流に曝露し、続いて端部が第2ラジカル流に曝露されて良い。1つの実施例では、最初に端部が第1ラジカル流に曝露され、続いて中心部が第2ラジカル流に曝露されて良い。別な実施例では、中心部及び端部は各対応する第1ラジカル流及び第2ラジカル流にほぼ同時又は連続して曝露される。
【0048】
処理前、処理中又は処理後の如何なる点においても、第1ラジカルパラメータ及び第2ラジカルパラメータ、たとえば流、は時間的に、互いに対し、連続的に、ランダムに、周期的に、ステップ状に、滑らかに、反比例して(inversely)、1つ又は両方が停止、両方が増加、又は、両方が減少、又は、それらの組み合わせで変化して良い。
【0049】
図1、図2、図3、図4及び図5の実施例に関してここで述べられている構成要素又はプロセス条件又は特性のうちの如何なるものは、他の如何なるものとも組み合わせて良い。たとえば、第1ラジカル源及び第2ラジカル源(130、140、330、340、430及び440)並びに/又は、離れた場所で使用される第1ガス供給システム及び第2ガス供給システム(234、244、434及び444)は、近くで使用される第1ラジカル源230及び第2ラジカル源240と組み合わせて使用されることを意図されている。第1ラジカル源と第2ラジカル源、及び/又は、第1ガス供給システムと第2ガス供給システムは、個別的な使用又は組み合わせた使用のいずれでも良い。
【0050】
[酸化及び/又は窒化]
酸化、窒化、酸化窒化又は他の処理を行う前に、基板表面を清浄にする、又は基板表面から自然酸化膜を除去するのが望ましいだろう。これは、湿式化学洗浄を含む1以上の洗浄工程の使用又は、洗浄後に基板表面をHFに浸けることで基板表面上にむき出しのシリコン表面を出す、又は両方の行うことで実現可能である。
【0051】
基板(125、225、325及び425)は基板ホルダ(120、220、320及び420)上に設けられている。プロセスチャンバ(110、210、310及び410)の条件(たとえば圧力、温度、基板回転など)は所望の値に設定される。チャンバは浄化されて良い。ラジカル種は離れたところで発生させて良く(たとえばプロセスチャンバ(110、210、310及び410)外部、又はプロセスチャンバ(110、210、310及び410)に取り付けられているラジカル源によって)、続いてプロセスチャンバ(110、210、310及び410)に導入されて良い。その代わりに、又はそれに加えて、ラジカル種は、プロセスチャンバ(110、210、310及び410)内部を流れる、及び/又は、基板(125、225、325及び425)を通り抜けるプロセスガスの局所的分解(たとえば)によって局所的に発生して良い。リモートラジカル及びローカルラジカルを組み合わせて使用しても良い。1つの実施例では、ラジカルの分布は、分解していないプロセスガス分子を含む分子組成物をプロセスチャンバ(110、210、310及び410)に供給することで大きくさせることが可能である。如何なるラジカル源を使用しても良い。ラジカル源の例としては、高周波(RF)プラズマ、誘導結合プラズマ、プラズマトーチ、容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、容量マイクロ波プラズマ、マイクロ波誘導プラズマ、スロット平面アンテナプラズマ、マイクロ波スロット平面アンテナプラズマ、UVランプ、表面波プラズマ若しくはヘリコン波プラズマ又はこれらを組み合わせたもの又はそれと同等のものが含まれる。
【0052】
UV放射光誘起分解及びプラズマ誘起分解は、同一又は異なるプロセスガスからのラジカル種を発生させて良い。UV放射光誘起分解及びプラズマ誘起分解は、ラジカル種を同時又は、UV放射光誘起分解及びプラズマ誘起分解の順で発生させて良い。
【0053】
酸化、窒化又は酸化窒化過程では、プロセスガスは、たとえば、O2、N2、NO、NO2若しくはN2O又はこれらを組み合わせた気体のような酸素及び/又は窒素含有気体を有して良い。プロセスガスは、約30sccmから約5slmまでの流量で導入されて良い。流量には、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4若しくは5(slm)又はこれらの値を組み合わせた速度が含まれる。それに加えて(図示していないが)、清浄気体又はキャリアガスをプロセスチャンバ(110、210、310及び410)に導入して良い。清浄気体又はキャリアガスは、窒素ガス又は希ガス(つまりヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン)のような不活性ガスを有して良い。プロセスガスは、約0slmから約5slmまでの流量であって良い。流量には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4若しくは5(slm)又はこれらの値を組み合わせた速度が含まれる。
【0054】
UV放射光源は単色又は多色で良い。それに加えてUV光源は、たとえばO2のようなプロセスガスを分解するのに十分な波長の放射線を生成ことが可能である。1つの実施例では、紫外放射線は、分解される分子の結合エネルギーに相当する約145nmから約192nmの波長を有して良い。この波長には、145、147、150、155、171、172、173、175、180、185、190及び192nmが含まれる。UV放射光源は、約5mW/cm2から約100mW/cm2の出力で動作可能である。その出力には、5、6、7、8、9、10、11、13、15、17、19、20、30、40、45、50、60、70、80、90若しくは100
mW/cm2又はこれらの値を組み合わせた出力が含まれる。2、3、4、5、6又はそれ以上の種類の放射光源を使用して良い。光源はランプ、レーザー又はこれらを組み合わせたものを有して良い。
【0055】
処理される基板(125、225、325及び425)の金属汚染を抑制するため、プロセスチャンバ(110、210、310及び410)内面は、石英又は使い捨て材料のような他の材料で敷き詰められて良い。
【0056】
1つの例では、基板(125、225、325及び425)の選択された領域は、石英窓(図示していない)を通ってプロセスチャンバ(110、210、310及び410)に入射するUV放射光を放出するUV光源からのUV放射光で照射されて良い。あるいはその代わりに、UV放射光源及び石英窓は基板(125、225、325及び425)全体をカバーするだけの多さを有しても良い。
【0057】
酸化は約5秒から約25分間実行されて良い。実行時間の範囲には、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60(秒)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20又は25(分)が含まれる。
【0058】
酸化膜は約0.1nmから約3nmの厚さを有して良い。厚さの範囲には、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9又は3.0nmが含まれる。酸化膜は、約0.7%から約4%の厚さ変化σを有して良い。変化には、0.7、0.9、1、2、3又は4%が含まれる。
【0059】
上述の条件の代替として、以下のように設定される条件を使用しても良い。UV誘起酸化(UVO2)の処理条件における1つの実施例は以下で与えられる。
[UVO2]
【0060】
【表1】

UV放射光源を含む他の適した処理システム及びそれを使用する方法については特許文献1で説明されている。
【0061】
窒化又は酸化はまた、スロット平面アンテナマイクロ波(SPA)源を介したマイクロ波誘起プラズマの使用によっても実現可能である。この実施例では、窒素又は酸素含有分子組成物はマイクロ波誘起プラズマによって分解される。このプラズマは低電子温度及び高プラズマ密度を有する。
【0062】
SPAラジカルは低電子温度及び高プラズマ密度で特徴づけることが可能である、1つの実施例に従ったゲートスタックをダメージフリーで処理するための。プラズマ処理システム400にはたとえば、東京エレクトロン株式会社のTRIAS(商標)SPA処理システムが含まれて良い。
【0063】
別なSPA酸化条件は以下のように設定される。
[SPA]
【0064】
【表2】

窒素又は酸素含有組成物の如何なるものも適している。そのような組成物にはたとえば、N2、NO、N2O、NO2、若しくはO2単独、又はこれらを組み合わせたものがある。1つの実施例では、酸化、窒化又は酸化窒化プロセスガス中の分子組成物は、O2若しくはN2、及び任意でH2、Ar、He、Ne、Xe若しくはKrから構成される群から選ばれる少なくとも1種類の気体、又はこれらの気体の混合気体の如何なるものを含んで良い。1つの実施例では、プロセスガス中の分子組成物は、O2若しくはN2、及びH2、及び任意でAr、He、Ne、Xe若しくはKrから構成される群から選ばれる少なくとも1種類の気体、又はこれらの気体の混合気体の如何なるものを含んで良い。プロセスガス中の酸素又は窒素含有分子組成物は、適切にO2又はN2を有して良く、酸素ラジカル又は窒素ラジカルはO2及び/又はN2のプラズマ誘起分解によって生成される。
【0065】
酸化層の窒化によって得られる酸化窒化膜は、約0.1nmから約5nmの厚さを有して良い。厚さの範囲には、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.5若しくは5nm又はこれらの値を組み合わせた値が含まれる。酸化窒化膜は、約0.7%から約4%の厚さ変化σを有して良い。変化には、0.7、0.9、1、2、3又は4%が含まれる。
【0066】
酸化、窒化又は酸化窒化は、基板温度約0℃から約1000℃で実行されて良い。温度範囲には、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950若しくは1000℃又はこれらの値を組み合わせた温度が含まれる。
【0067】
酸化、窒化又は酸化窒化は、圧力約1mTorrから30000mTorrで実行されて良い。温度範囲には、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950若しくは1000℃又はこれらの値を組み合わせた圧力が含まれる。
【0068】
窒素含有分子組成物又は酸素含有分子組成物の流量は、2sccmから5slmの範囲を有して良い。流量範囲には、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4若しくは5(slm)又はこれらの値を組み合わせた流量が含まれる。
【0069】
窒化又は酸化は約5秒から約25分間実行されて良い。実行時間の範囲には、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60(秒)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20若しくは25(分)又はこれらの値を組み合わせた時間が含まれる。
【0070】
酸化窒化物膜は約20%以下の表面窒素濃度を有して良い。表面窒素濃度の範囲には、4、6、8、10、12、14、16、18及び20%、又はそれより小さな値が含まれる。
【0071】
窒化プラズマ又は酸化プラズマは、約0.5mW/cm2から約5mW/cm2のマイクロ波出力で生成可能である。その出力には、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2、3、4若しくは5
mW/cm2又はこれらの値を組み合わせた出力が含まれる。
【0072】
マイクロ波照射は、約300MHzから約10GHzの範囲のマイクロ波周波数を有して良い。マイクロ波周波数には、300、400、500、600、700、800、900又は1000(MHz)、1.5、2、2.45、3、4、5、6、7、8、9又は10(GHz)が含まれる。
【0073】
1つの実施例では、プラズマは約3eV未満の電子温度を有して良い。電子温度には、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1、1.5、2、2.5若しくは3.0eV又はこれらの値を組み合わせた電子温度の如何なるものが含まれる。プラズマは約1×1011/cm3から約1×1013/cm3又はそれよりも大きな値の密度、及び約±3%以下の密度均一性を有して良い。均一性には、±1、±2及び±3%が含まれる。
【0074】
プラズマアンテナ部は、成膜される基板表面よりも大きな表面領域を有して良い。
【0075】
酸化窒化膜は適切にSiONの化学式を有して良い。酸化膜はSiO2の化学式を有して良い。
【0076】
上述の窒化プロセスパラメータの代替として、マイクロ波スロット平面アンテナ窒化(SPAN)では以下のパラメータを使用しても良い。
[SPAN]
【0077】
【表3】

スロット平面アンテナプラズマ源を含む他の適したプラズマ処理システム及びそれを使用する方法については特許文献2で説明されている。
【0078】
ラジカル流窒化(RFN)又はラジカル流酸化(RFO)は、UVO2酸化、SPA酸化又はSPA窒化の前、これらの処理と同時又はこれらの処理後に行って良い。RFNでは、酸化膜(又は酸化窒化膜)は、窒素を有する分子組成物を有するプロセスガスのリモート(“上流”)プラズマ誘起分解又はローカルプラズマ誘起分解によって生成される窒素ラジカルに曝露されて良い。上流又はローカルプラズマ誘起分解は、高周波出力とプロセスガスとが結合することで発生可能となる。
【0079】
RFN及びRFO用のプロセスパラメータの例は以下で与えられる。
[RFN(ラジカル流窒化)]
【0080】
【表4】

[RFO(ラジカル流酸化)]
【0081】
【表5】

ここで論じているプラズマの酸化及び/又は窒化条件はUVO2酸化と組み合わせて使用されて良い。プラズマの酸化及び/又は窒化プロセスは単独又は組み合わせのうちのいずれを有しても良い。
【0082】
酸素及び/又は窒素を有する少なくとも1種類の分子組成物を有するプロセスガスのプラズマ誘起分解によって生成される酸素及び/又は窒素ラジカルに表面を曝露する、及び/又は、
酸素及び/又は窒素を有する少なくとも1種類の分子組成物を有するプロセスガスのプラズマ誘起分解によって生成される酸素及び/又は窒素ラジカルに表面を曝露し、プロセスガスのプラズマ誘起分解は、複数のスロットを有する平面アンテナ部を介したマイクロ波照射に基づくプラズマの使用を有することを特徴とする。
【0083】
図1、図2、図3、図4又は図5のいずれかの実施例に関してここで述べてきたプロセス条件はまた、他の実施例に適用しても良い。
【0084】
[単純アニーリング]
たとえば酸化物、窒化物又は酸化窒化物膜のような従属膜の成膜後、アニーリングして良い。アニーリングによって膜は適切に硬くなる。
【0085】
アニーリングは約5mTorrから800Torrの圧力で実行されて良い。圧力には、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、750、1000、10000、20000、30000、50000、100000、200000、400000若しくは800000mTorr、又はこれらの値を組み合わせた圧力が含まれる。
【0086】
アニーリングは約500℃から約1200℃の温度で実行されて良い。温度には、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100若しくは1200℃又はこれらの値を組み合わせた温度が含まれる。
【0087】
アニーリングは、0から20slmの流量で、酸素、窒素、H2、Ar、He、Ne、Xe若しくはKr又はこれらの混合気体を有する少なくとも1種類の分子組成物を有するアニーリングガスの環境下で実行されて良い。1つの実施例では、アニーリングは、約0slmから約20slmのN2流量で実行される。流量には、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4、5、10、15若しくは20(slm)又はこれらの値を組み合わせた流量が含まれる。
【0088】
アニーリングは約1秒間から約10分間実行して良い。アニーリング時間の範囲には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60(秒)、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10(分)又はこれらの値を組み合わせた時間が含まれる。
【0089】
処理後及びアニーリング前に清浄工程を実行できる場合には、アニーリング及び処理は同一のプロセスチャンバ内で実行されて良い。もちろん、処理とアニーリングを別なプロセスチャンバで実行することも可能である。この実施例では、膜を支持する基板を周辺大気、空気などに触れさせることなく1つのチャンバから別のチャンバへ搬送することが可能である。
【0090】
あるいはその代わりに、以下の条件を使用してアニーリングを実行しても良い。
[単純アニーリング]
【0091】
【表6】

[UVO2/N2アニーリング]
成膜後の別なアニーリングとして、酸素及び窒素を有する少なくとも1種類の分子組成物を有するアニーリングガスのUV照射誘起分解によって生成された酸素ラジカル及び窒素ラジカルに、酸化物、窒化物又は酸化窒化物膜を曝露することでUVO2/N2アニーリングを実行して良い。酸素ラジカル及び窒素ラジカルは、O2、N2、NO、NO2及びN2O又はこれらの混合気体から構成される群から選択される酸素及び窒素を有する少なくとも1種類の分子組成物を有するアニーリングガスによって分解される。他の気体たとえば、H2、Ar、He、Ne、Xe若しくはKr又はこれらの混合気体のうちの1種類以上が存在しても良い。
【0092】
このアニーリングにおける1つの実施例では、アニーリングガスは、酸素及び窒素ラジカルが、表面を流れる層流のアニーリングガスに含まれるように、酸化物又は酸化窒化物表面を流れる。
【0093】
アニーリングは約1mTorrから80000mTorrの圧力で実行されて良い。圧力には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、750、1000、10000、20000、30000、50000、100000、200000、400000若しくは800000mTorr、又はこれらの値を組み合わせた圧力が含まれる。
【0094】
アニーリングは約400℃から約1200℃の温度で実行されて良い。温度には、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100若しくは1200℃又はこれらの値を組み合わせた温度が含まれる。
【0095】
アニーリングは、約0から約20slmの流量で実行されて良い。1つの実施例では、アニーリングは、約0slmから約20slmのN2流量で実行される。流量には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4、5、10、15若しくは20(slm)又はこれらの値を組み合わせた流量が含まれる。
【0096】
アニーリングは約1秒間から約10分間実行して良い。アニーリング時間の範囲には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60(秒)、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10(分)又はこれらの値を組み合わせた時間が含まれる。
【0097】
このアニーリング中のUV放射光は、約145nmから約192nmの波長を有して良い。この波長には、分解される分子の結合エネルギーに相当する、145、147、150、155、171、172、173、175、180、185、190若しくは192nm、又はこれらの値を組み合わせた波長が含まれる。UV放射光源は単色又は多色で良い。
【0098】
UV放射光は、約5mW/cm2から約100mW/cm2の出力で動作可能なUV放射光源から放出されていて良い。その出力には、5、6、7、8、9、10、11、13、15、17、19、20、30、40、45、50、60、70、80、90若しくは100
mW/cm2又はこれらの値を組み合わせた出力が含まれる。2以上の種類の放射光源を使用して良い。
【0099】
処理後及びアニーリング前に清浄工程を実行できる場合には、アニーリング及び処理は同一のプロセスチャンバ内で実行されて良い。もちろん、処理とアニーリングを別なプロセスチャンバで実行することも可能である。この実施例では、膜を支持する基板を周辺大気、空気などに触れさせることなく1つのチャンバから別のチャンバへ搬送することが可能である。
【0100】
[RFNアニーリング]
成膜後の別なアニーリングとして、窒素を有する上流分子組成物を有する上流アニーリングガスの上流プラズマ誘起分解によって生成される窒素ラジカルに膜を曝露することで酸化物、窒化物又は酸化窒化物を硬くするRFNアニーリングを実行しても良い。上流プラズマ誘起分解は、高周波出力と上流アニーリングガスとが結合することで発生させることができる。窒素ラジカルは表面を、たとえば層流のように表面に平行又は実質的に平行に流れていて良い。
【0101】
アニーリングは約1mTorrから20000mTorrの圧力で適切に実行されて良い。圧力には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、750、1000、10000、20000、30000、50000、100000、200000又はこれらの値を組み合わせた圧力が含まれる。
【0102】
アニーリングは約20℃から約1200℃の温度で実行されて良い。温度には、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100若しくは1200℃又はこれらの値を組み合わせた温度が含まれる。
【0103】
アニーリングは約1秒間から約25分間実行して良い。アニーリング時間の範囲には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60(秒)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20若しくは25(分)が含まれる。
【0104】
アニーリングは、約2sccmから約20slmのN2流量下で実行されて良い。流量には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4、5、10、15若しくは20(slm)又はこれらの値を組み合わせた流量が含まれる。
【0105】
アニーリングはまたたとえば、酸素、窒素、H2、Ar、He、Ne、Xe若しくはKr又はこれらの混合気体のような他の気体の存在下で実行されても良い。これら他の気体の流量は、約100sccmから約20slmであって良い。流量には、100、250、275、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(sccm)、2、3、4、5、10、15若しくは20(slm)又はこれらの値を組み合わせた流量が含まれる。
【0106】
アニーリングは、約40kHzから約4MHzの範囲の周波数を有する高周波(RF)出力と上流アニーリングガスとの結合により、離れたところで生成されるプラズマを使用して実行されて良い。マイクロ波周波数には、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900若しくは1000(kHz)、1.5、2、3若しくは4
(MHz)又は、これらの値を組み合わせた周波数が含まれる。
【0107】
[素子製造]
1つの実施例は、酸化膜、窒化膜、酸化窒化膜又はこれらを組み合わせた層の上に多結晶シリコン、アモルファスシリコン若しくはSiGe層又はこれらを組み合わせた層を有する半導体素子の作製工程を含む。
【0108】
別な実施例は、現在の方法及びシステムで半導体又はエレクトロニクス素子を作製する工程を含む。
【0109】
プロセスは化学的酸化物のような湿式化学洗浄中に生成された薄い酸化膜上、又は最終工程がHF浸漬による全酸化膜除去である洗浄によって生成されたむき出しのSi表面上で実行されて良い。
【0110】
他の適するシステム及び方法は特許文献3から特許文献10で説明されている。
【0111】
本発明は上述の実施例に限定されないし、本発明の技術的範囲及び技術的思想から離れることなく他の方法での実行すなわち実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】基板上に層を形成する処理システムの1つの実施例を図示している。
【図2】基板上に層を形成する処理システムの1つの実施例を概略的に図示している。
【図3】処理システムの別な実施例を概略的に図示している。
【図4】処理システムのさらに別な実施例を概略的に図示している。
【図5】処理システムのさらに別な実施例を概略的に図示している。
【符号の説明】
【0113】
1 処理システム
10 酸化システム
20 酸化及び/又は窒化システム
30 コントローラ
110 プロセスチャンバ
120 基板ホルダ
125 基板
130 第1ラジカル源
140 第2ラジカル源
150 真空ポンプ装置
160 コントローラ
210 プロセスチャンバ
220 基板ホルダ
225 基板
230 第1ラジカル源
232 第1気体供給システム
234 第1気体注入システム
240 第2ラジカル源
242 第2気体供給システム
244 第2気体注入システム
250 真空ポンプ装置
260 コントローラ
310 プロセスチャンバ
320 基板ホルダ
325 基板
330 第1ラジカル源
332 第1気体供給システム
340 第2ラジカル源
342 第2気体供給システム
350 真空ポンプ装置
360 コントローラ
410 プロセスチャンバ
420 基板ホルダ
425 基板
230 第1ラジカル源
432 第2気体供給システム
434 第2気体注入システム
440 第2ラジカル源
442 第1気体供給システム
444 第1気体注入システム
450 真空ポンプ装置
460 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部及び端部を有する基板表面の処理方法であって:
前記中心部を、第1ラジカル源によって生成される第1ラジカルに曝露する工程;及び、
前記端部を、第2ラジカル源によって生成される第2ラジカルに曝露する工程;
を有し、
前記第1ラジカルと前記第2ラジカルとは前記基板に対して実質的に平行に流れ、
前記端部曝露における少なくとも1つの特性及び前記中心部曝露における少なくとも1つの特性は前記基板表面処理に関する空間的変化を制御するように設定される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記の端部曝露における少なくとも1つの特性及び前記の中心部曝露における少なくとも1つの特性は、前記処理が均一になるように設定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端部が前記第2ラジカルに曝露される前に、前記中心部が前記第1ラジカルに曝露されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記中心部が前記第1ラジカルに曝露される前に、前記端部が前記第2ラジカルに曝露されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中心部及び前記端部が同時に曝露されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の中心部曝露における少なくとも1つの特性は、前記第1ラジカル流量、前記第1ラジカルの電子温度、前記第1ラジカルの組成、前記第1ラジカル源のパワー入力、前記第1ラジカル源のUV強度、前記第1ラジカル源のUV波長、前記第1ラジカル源の周波数若しくは前記第1ラジカル密度又はこれらの組み合わせを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記の端部曝露における少なくとも1つの特性は、前記第2ラジカル流量、前記第2ラジカルの電子温度、前記第2ラジカルの組成、前記第2ラジカル源のパワー入力、前記第2ラジカル源のUV強度、前記第2ラジカル源のUV波長、前記第2ラジカル源の周波数若しくは前記第2ラジカル密度又はこれらの組み合わせを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処理は、前記基板の少なくとも一部の上に膜を形成する工程又は、前記基板の少なくとも一部から膜を除去する工程又は、両工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記処理は、前記基板の少なくとも一部の上に膜を形成する工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板の少なくとも一部の上に膜を形成する工程を有し、
前記中心部曝露及び前記端部曝露は、膜厚、膜の均一性若しくは膜の組成又はこれらの組み合わせを前記表面で空間的に変化させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の少なくとも一部の上に膜を形成する工程を有し、
前記中心部曝露及び前記端部曝露は、前記酸化膜中の酸素濃度の均一性、前記酸化膜の深さ若しくは前記酸化膜の厚さ又はこれらの組み合わせを前記表面で空間的に変化させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板表面はシリコン表面、酸化物表面、シリコン酸化物表面、酸化窒化物表面、窒化物表面若しくはシリコン窒化物表面又はこれらを組み合わせた表面であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1ラジカル、前記第2ラジカル又は両ラジカルは酸素ラジカルを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1ラジカル、前記第2ラジカル又は両ラジカルは窒素ラジカルを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1ラジカル、前記第2ラジカル又は両ラジカルは前記基板表面を層流で流れることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記基板を前記基板表面内で約1rpmから約60rpmの速度で回転させる工程をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記処理は約25℃から約1200℃の範囲の基板温度で実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記処理は約1mTから約800Tの範囲の圧力で実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解、少なくとも1種類のプロセスガスのUV誘起分解又は両分解によってラジカルを発生させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解よってラジカルを発生させ、
前記の少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解は、高周波(RF)プラズマ、誘導結合プラズマ、プラズマトーチ、容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、容量マイクロ波プラズマ、マイクロ波誘導プラズマ、スロット平面アンテナプラズマ、表面波プラズマ若しくはヘリコン波プラズマ又はこれらの組み合わせたプラズマを含む少なくとも1種類のローカルプラズマ発生、リモートプラズマ発生又はラジカル流の上流でのプラズマ発生を有すること特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記プラズマ誘起分解は、少なくとも1種類の、ローカル高周波(RF)プラズマ、リモート高周波(RF)プラズマ又はラジカル流の上流での高周波(RF)プラズマを発生させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記プラズマ誘起分解は、複数のスロットを有する平面アンテナ部を介した少なくとも1種類のプロセスガスのマイクロ波照射によって、少なくとも1種類のローカルプラズマ発生又はリモートすなわち上流プラズマ発生を生じさせる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、
前記プロセスガスは、O2、N2、NO、NO2若しくはN2O又はこれらを組み合わせた気体、及び任意でH2、Ar、He、Ne、Xe若しくはKr又はこれらを組み合わせた気体を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記のプラズマ誘起分解によって発生したプラズマは、3eV未満の電子温度を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記のプラズマ誘起分解によって発生したプラズマは、1×1011cm-3から1×1013cm-3の密度及び、±3%以下の密度均一性を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記プラズマ誘起分解は、複数のスロットを有する平面アンテナ部を介した少なくとも1種類のプロセスガスによるマイクロ波照射によって、少なくとも1種類のローカルプラズマ発生、リモートプラズマ発生又はラジカル流の上流でのプラズマ発生を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのUV放射光誘起分解によってラジカルを発生させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのUV放射光誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記UV放射光は172nmの放射線を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのUV放射光誘起分解によってラジカルを発生させ、かつ、
前記UV放射光は2つ以上の紫外光源から発生する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記第1ラジカル源若しくは前記第2ラジカル源又は両ラジカルは、少なくとも1種類のプロセスガスのプラズマ誘起分解によってラジカルを発生させ、
前記プロセスガスは、O2、N2、NO、NO2若しくはN2O又はこれらを組み合わせた気体、及び任意でH2、Ar、He、Ne、Xe若しくはKr又はこれらを組み合わせた気体を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
2つ以上の第1ラジカル源をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
2つ以上の第2ラジカル源をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記端部は前記第1ラジカルにも曝露されるが、前記中心部は前記第2ラジカルに曝露されないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記処理は、酸化膜、シリコン酸化膜、酸化窒化膜、シリコン窒化膜、窒化膜、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、SiGe又はこれらを組み合わせたものから構成される群から選択される膜を形成する工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記処理前に、
湿式化学洗浄を含む少なくとも1つの洗浄工程を実行する工程;若しくは、
前記洗浄に引き続き、前記基板表面をHFに浸漬することで前記基板表面上にむき出しのシリコン表面を形成する工程;若しくは、
前記基板表面から自然酸化膜を除去する工程;若しくは、
前記基板表面からSiO2を除去する工程;又は、
上記工程を組み合わせた工程;
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
請求項1に記載の方法を有する半導体素子又はエレクトロニクス素子の作製方法。
【請求項37】
前記基板表面に対して実質的に平行に流れる第1ラジカルに前記基板表面の中心部を曝露する手段;及び、
前記基板表面に対して実質的に平行に流れる第2ラジカルに前記基板表面の端部を曝露する手段;
を有し、
前記端部曝露における少なくとも1つの特性及び前記中心部曝露における少なくとも1つの特性は前記基板表面処理に関する空間的変化を制御するように設定されることを特徴とする、基板表面処理用の処理システム。
【請求項38】
第1ラジカルと第2ラジカルとは実質的に互いに平行に流れることを特徴とする、請求項37に記載の処理システム。
【請求項39】
中心部及び端部を有する基板表面処理用の処理システムであって:
前記表面に対して実質的に平行に流れる第1ラジカルに前記中心部を曝露するために備えられている第1ラジカル源;
前記表面に対して実質的に平行に流れる第2ラジカルに前記端部を曝露するために備えられている第2ラジカル源;
を有し、
前記端部曝露における少なくとも1つの特性及び前記中心部曝露における少なくとも1つの特性は前記基板表面処理に関する空間的変化を制御するように設定されることを特徴とする、基板表面処理用の処理システム。
【請求項40】
第1ラジカルと第2ラジカルとは実質的に互いに平行に流れることを特徴とする、請求項39に記載の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−88454(P2007−88454A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236164(P2006−236164)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】