説明

制御弁式鉛蓄電池

【課題】セル間接続をオーバーパーティション方式で形成した制御弁式鉛蓄電池に振動衝撃を加えた際に、端子用極柱の破断を制御し、耐振動性を顕著に改善することを目的とする。
【解決手段】端子極柱を形成したストラップに、当該ストラップより突出するセル固定用突起を形成する。このセル固定用突起の先端を、蓋の内側に設けたセル固定用充填剤ポットに収納した状態で、セル固定用充填剤ポット中でエポキシ樹脂等の充填剤で固定する。これにより、セルが、端子極柱とセル間接続用極柱に加えて、セル固定用突起の3点で蓋に固定されるため、振動衝撃時の端子極柱の破断が抑制され、耐振動性において顕著に優れた制御弁式鉛蓄電池を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御弁式鉛蓄電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉛蓄電池は、バックアップ用、エンジン始動用や電動車用といった様々な用途に用いられている。中でも、二輪車のエンジン始動用や、電動カート、電動二輪車用としては、補水を必要とせず、また設置方向の自由度が高い、制御弁式鉛蓄電池が用いられている。
【0003】
図4は、従来の制御弁式鉛蓄電池の構造の一例を示す図である。なお、図4では、構造の理解を容易にするために、電槽401に蓋501を装着するより以前の状態を示している。正極板とガラス繊維や構成樹脂繊維マットからなる、セパレータと負極板とを積層して、同極性の極板耳405、405´同士を接続するストラップ406、406´とからなるセル407、407´をセル室408に収納する。なお、セル室408は、電槽401内を隔壁409によって区画形成されたものである。
【0004】
20Ahを超えるような、所謂、中容量の制御弁式鉛蓄電池では、セル間接続を隔壁に設けた貫通孔を介して行なう、 スルーパーティション方式が主流である。このような接続は、抵抗溶接やプラズマ溶接によって行なわれる。これは、セル室内の、セル上方の空間(デットスペース)が、隔壁を介したセル間接続を可能とする程度に確保可能であるからである。
【0005】
一方、容量が20Ahを下回るような、小形の制御弁式鉛蓄電池では、セル上方のデッドスペースも中容量の電池に比較して小さいため、スルーパーティション方式のセル間接続に替えて、図4に示したような、セル間接続用の接続体410を隔壁409を超えて配置する、オーバーパーティション方式のセル間接続が行われる。
【0006】
オーバーパーティション方式では、ストラップ406、406´から突出して形成したセル間接続用の極柱411、411´間を接続体410で接続する。図4は、U字状に配置された6個のセル407、407´が直列接続した例を示しているが、直列接続の両端に位置する端のセル407´には、電池端子の外部導出に用いる、端子極柱412がストラップ406、406´に突出形成されている。
【0007】
図5は、図4で示した電槽401の開口部に蓋501を装着して組み立てた状態を示す断面図である。蓋501の電池内側面には、接続体410と極柱411、411´を収納する封止剤ポット502が形成されており、この封止剤ポット502に、エポキシ樹脂等の耐酸性の封止剤503を充填固化することによって、極柱411、411´と接続体410で構成されたセル接続部504が封止剤503によって封止される。
【0008】
また、隔壁409の上部が封止剤503中に浸漬されることによって。隣接するセル室408との間が液密、気密に封止される。
【0009】
端子極柱412は、蓋501の外面に設けた端子封口の陥没部505の底に形成した貫通孔506を通してセル室408の外に導出される。端子極柱412の先端には端子板507が接続される。陥没部505には封止剤充填ポット502に充填したものと同様の封止剤503が充填され、端子極柱412が封口される。
【0010】
図4及び図5に示したような、オーバーパーティション方式のセル間接続を施した制御
弁式鉛蓄電池を、電池使用中に振動衝撃が加わる用途にて用いた場合、制御弁式鉛蓄電池が受ける振動衝撃によって、電池内部のセル407、407´へ加速度が与えられる。この加速度とセル407、407´の質量に応じた応力がセル407、407´に加えられることになる。このような応力は、端のセル407´では、セル間接続用の極柱411もしくは極柱411´と、端子極柱412に加わり、それ以外の中間のセル407では、セル間接続用の2本の極柱411、411´に加えられる。
【0011】
端に位置するセル407´と中間に位置するセル407とでは、セル室408内での固定状態が異なる。端に位置するセル407´では、端子極柱412の封止深さが、セル間接続用の極柱411、411´の封止深さより浅くならざるを得ないため、電池に振動衝撃が加わった場合、端のセル407では、セル間接続用の極柱411、411´に比べて、封止深さがより浅い端子極柱412が変形を開始し、更に振動衝撃が継続して加えられると、端子極柱412とストラップ406もしくはストラップ406´との接続部付近で、端子極柱412が破断するという課題が見られる。
【0012】
しかしながら、図4及び図5に示したような、従来の制御弁式鉛蓄電池は、端子極柱412の封止深さを、セル間接続用の極柱411、411´と同等に確保し、端子極柱412の破断を制御しようとすると、陥没部505をより深く設定し、陥没部505のセル室408側の面である下面505aがストラップ406もしくはストラップ406´の上面と接続する位置まで下げる必要が生じる。このような設計では、セル407´の高さの製造ばらつきによっては、陥没部505の下面505aとストラップ406及び/もしくはストラップ406´とが干渉し、電槽401に蓋501が装着不能となってしまう。
【0013】
また、端子極柱412を形成したストラップ406、406´を極柱111、111´を形成したストラップ406、406´よりも低い位置に形成する手法もあるが、ストラップ406、406´の下面と、このストラップ406、406´と異なる極柱の極板の肩との間のクリアランス量が少なくなり、極板の振動や腐食等による変形によって、内部ショートが発生しやすいという課題があるため、不適切である。
【0014】
一方、鉛蓄電池に振動衝撃が加わった際の、耐久性を高める手法として、特許文献1には、蓋から垂下する支持片でストラップの圧接保持する構成が示されている。このような構成は、前記したように、ストラップの寸法公差が高い方にばらつきを生じた場合には、支持片が、過大な力でストラップに圧接されることとなり、振動衝撃によって、支持片やストラップが破断することになる。また、蓋の電槽への装着が不可能となる場合もある。
【0015】
逆に、ストラップの寸法公差が低い方へばらつきを生じた場合には、支持片とストラップとが接触しないため、支持片でセルを保持する効果自体が損なわれてしまう。
【0016】
また、特許文献2には、セルの両肩付近をPP樹脂等の補強用の梁を形成することが示されており、梁を電槽の内壁や隔壁とで都合することによって、セルの電槽内における移動を制御することが示されている。
【0017】
しかしながら、このような方式は、ポリエチレンセパレータを用いた自動車用の鉛蓄電池では、セパレータと補強用の梁とが溶着されるために、耐振動性を高めることができるものの、制御弁式鉛蓄電池のような、ガラス繊維マットやPP樹脂等の合成樹脂繊維マットのセパレータを用いたものでは、セパレータと補強用の梁とを溶着することは困難であり、仮に溶着したとしても、電池に振動が加わった際に、梁とセパレータの溶着部付近でセパレータが破断するため、耐振動性を高めることは困難であった。
【特許文献1】特開昭58−166632号公報
【特許文献2】特開平7−201356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、セル間接続を、前記したような、オーバーパーティション方式で形成した制御弁式鉛蓄電池の、振動衝撃時の端子用の極柱の破断を制御し、耐振動性を顕著に改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記した課題を解決するために、本発明は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間に配置したセパレータと、同極性の極板耳を集合溶接するストラップを備えたセルを複数有し、前記セルは、電槽内を隔壁で区画形成してなるセル室に収納され、かつ前記隔壁を介して隣接しあう前記セルを直列接続するセル間接続部を有し、前記セル間接続部は、前記セルのストラップに設けた極柱間を前記隔壁を越えて配置した接続体で接続してなり、前記電槽の開口部を閉じる蓋を有し、前記蓋の内側には前記セル間接続部と前記白壁の先端部を収納する封止剤充填ポットと、前記封止剤充填ポットに充填され、前記セル間接続部と前記セル室間を封止する封止剤を有し、前記セルの直列接続において両端に位置する端セルの一方の極性のストラップから突出する端子極柱を有し、前記蓋の外面に陥没部を有し、前記陥没部の底に前記端子極柱を挿通する貫通孔を有し、前記陥没部に充填され、前記端子極柱を封止する充填剤を有し、前記端子極柱を有した前記ストラップより突出するセル固定用突起を有し、前記蓋の内側面に前記セル固定用突起の少なくとも先端部を収納するセル固定用充填剤ポットと、前期セル固定用充填剤ポットに充填した充填剤内に、前記セル固定用突起の少なくとも先端部を配置した制御弁式鉛蓄電池を示すものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、単子用の極柱を形成したストラップに、新たにセル固定用突起を形成し、その先端部をセル固定用充填剤ポット中の充填剤中に配置することによって、セルと蓋とを2点で強固に固定するため、端子用の極柱の破断が抑制できるという、顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態による、制御弁式鉛蓄電池101の構成を説明する。図1は、本発明の制御弁式鉛蓄電池の構造を示す図である。なお、図1では、構造の理解を容易にするために、電槽102に蓋201を装着する以前の状態を示している。図2及び図3は、電槽102に蓋201を装着した状態での断面を示す図であり、特に図2は端短セルにおける断面図である。正極板103とガラス繊維マットからなるセパレータ104と負極板105とを積層し、同極性の極板耳106、106´同士を接続するストラップ107、107´を形成したセル108、108´をセル室109に収納する。なお、セル室109は、電槽102内を隔壁110によって区画形成したものである。
【0022】
本発明の制御弁式鉛蓄電池101では、ストラップ107、107´から突出して形成したセル間接続用の極柱111、111´間を接続体112で接続する。接続体112は隔壁110の上方を越えて配置される。
【0023】
図1は、U字状に配置された6個のセル108、108´が直列接続した例を示しているが、直列接続の両端に位置する端のセル108´には、電池端子の外部導出に用いる、端子極柱113がストラップ107,107´に突出形成されている。
【0024】
本発明では、端セル108´の、ストラップ107,107´の、端子極柱113を形成するとともに、セル固定用突起114もあわせて形成する。
【0025】
図2は、図1で示した電槽102の開口部に蓋201を装着して、本発明の制御弁式鉛蓄電池101を組み立てた状態を示す断面図である。なお、図2は、端子極柱113とセル固定用突起114の断面が表れる位置における断面である。
【0026】
端子極柱113は、蓋201の外面に設けた端子形成用の陥没部202の底に形成した貫通孔203を通じてセル室109の外に導出される。端子極柱113の先端には、必要に応じて端子板116が接続される。なお、端子構造によっては、端子板116は必ずしも必要でなく、例えば、端子極柱113の頂面にボルトもしくはナット(いずれも図示せず)をインサート成型し、これらのボルトもしくはナットを電池外面に露出させた構造としてもよい。
【0027】
陥没部202には耐酸性を有する。エポキシ樹脂等の封止剤204が充填され、端子極柱113が封口される。なお、エポキシ樹脂等の封止剤204を未硬化の状態で、陥没部202に充填する際、端子極柱113と貫通孔203との間隙を、封止剤204がセル室109に流入し、陥没部202内の封止剤204の量が、端子極柱113の封口に必要な量を下回る場合があるため、この封止剤204のセル室109への流入を抑制するため、端子極柱113にゴム製のOリング205を装着することができる。
【0028】
本発明では、セル固定用突起114が蓋201の内側に設けたセル固定用充填剤ポット206内に配置され、このセル固定用充填剤ポット206内に充填された充填剤208で固定される。
【0029】
充填剤208は、セツ固定用突起114を介してセル108´を固定するものであることから、それにふさわしい強度と耐酸性を有したものを用いるが、封止剤204と同様、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0030】
セル固定用突起114を介してセル108´をセル室109内に固定できるため、従来の制御弁式鉛蓄電池で生じていた、振動衝撃時の端子極柱113の破断を顕著に抑制することができる。
【0031】
図3は、本発明の制御弁式鉛蓄電池101の他の断面を示す図であり、図3では、端子極柱113と極柱111,111´の断面が表れる位置での断面図である。
【0032】
蓋201の内側には、接続体112と極柱111、111´とからなるセル間接続部115を収納する封止剤充填ポット207が形成されており、この封止剤充填ポット207に、エポキシ樹脂等の耐酸性の封止剤204を充填固化することによって、セル間接続部115が封止剤204によって封止される。
【0033】
また、隔壁110の上部が封止剤204中に浸漬されることによって、隣接するセル室109間が液密、気密に封止される。
【0034】
図2に示したように、本発明の制御弁式鉛蓄電池101では、新たに設けたセル固定用突起114をセル固定用充填剤ポット206内で充填剤208により固定する。また、その固定深さも極柱111,111´と同等レベルに確保できる。また、端のセル108´では、極柱111もしくは極柱111´、端子極柱113及びセル固定用突起114で蓋201に固定されるため、振動衝撃時にセル108´に加わる応力がこれらの3点に分散される。その結果、振動衝撃による端子極柱113の破断が抑制され、耐振動性に優れた制御弁式鉛蓄電池を得ることができる。
【0035】
図2では、2つのセル固定用充填剤ポット206を独立して配置した例を示したが、これらを連続したものとしてもよい。また、封止剤充填ポット207とセル固定用充填剤ポット206とを独立して設けた例を示しているが、例えば、蓋201と電槽102とを封止剤204で接合する場合、蓋201に電槽102と嵌合する溝部(図示せず)を形成し、この溝部に封止剤204を配置し、この溝部を介して封止剤充填ポット207とセル固定用充填剤ポット206を連続して設けてもよい。このような構成においては、封止剤204と充填剤208とする。
【0036】
本発明では、ストラップ107,107´の高さばらつきがあったとしても、セル固定用突起114の先端位置にばらつきが生じても、その先端位置がセル固定用充填剤ポット206の底と干渉しない範囲でそのばらつきを吸収することができる。このような構成は、前記した特許文献1における支持片を用いた構成で生じる問題を発生させることがない。
【0037】
また、特許文献2とは異なり、ストラップ107,107´を直接固定することができるため、特許文献2で生じるようなセパレータ破損も発生させることがない。また、PP樹脂等の固定用の材料を新たに準備する必要がなく、セル間接続部115を封止する封止剤204を、充填剤208としてそのまま使用可能である。
【0038】
また、セル固定用突起114と、極柱111,111´とを共通部品とすることにより、制御弁式鉛蓄電池101を構成する部品種を増加させることがないため、生産性の面でも好ましい。なお、セル固定用突起114は、極柱耳106,106´に櫛歯状の鋳型を装着し、セル固定用突起114用、端子極柱113用及び極柱111,111´用の鉛部品を鋳型に載置し、極柱耳106,106´上に足し鉛(図示せず)を配置し、この足し鉛をバーナー炎で溶融凝固させる、バーニング法によってストラップ107,107´を形成すると同時に、ストラップ107,107´にセル固定用突起114、端子極柱113及び極柱111,111´を一体に形成することができる。
【0039】
なお、バーニング法による溶接でなくとも、キャストオン法によって、溶融鉛から一括して、ストラップ107,107´、セル固定用突起114、端子極柱113及び極柱111,111´を一体に鋳造して形成してもよい。
【実施例】
【0040】
以下、実施例により、本発明の効果を説明する。図1、図2及び図3に示した、本発明の実施形態による制御弁式鉛蓄電池101(本発明例)と、図4及び図5に示した、従来例の制御弁式鉛蓄電池を、二輪車用電池に求められる上下単振動による振動試験を行い、これら各電池の耐振動性を比較した。
【0041】
供試電池として、本発明例及び従来例の制御弁式鉛蓄電池12V12Ahを各6個づつ作成した。振動試験の条件は、加速度68.6m/sec2とし、振動数50〜500Hzで2時間、上下方向に振動を加えた。その結果を表1に示した。
【0042】
【表1】

【0043】
振動終了後、各電池の開路電圧を計測したところ、本発明例の電池では、約12.6Vであり、正常値を示していた。一方、比較例の電池では、電圧が測定できず、異常な状態を示していた。なお、本発明例の電池については放電試験を行なったところ、10時間率放電において、規定容量である12Ahを超える14Ahが確保されており、特性上の問題を生じていなかった。
【0044】
さらに、各電池を分解し、内部を調査したところ、従来例の電池では、両極の端子極柱412が破断していた。なお、セル間接続部504には何らの異常も認められなかった。
【0045】
本発明の電池では、両極の端子極柱113、セル間接続部115及びセル固定用突起114の変形や破断はなく、形状的にも初期状態を維持しており、何ら異常は発生していなかった。本発明例の電池では、セル固定用突起114によって、セル108´の振動が抑制され、従来例の電池に比較して、顕著に耐振動性が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、制御弁式鉛蓄電池の耐振動性を顕著に向上できることから、本発明は、二輪車等の振動衝撃が加わる環境下で使用される電池に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の制御弁式鉛蓄電池の構成を示す図
【図2】本発明の制御弁式鉛蓄電池を示す断面図
【図3】本発明の制御弁式鉛蓄電池の他の断面を示す図
【図4】従来の制御弁式鉛蓄電池の構成を示す図
【図5】従来の制御弁式鉛蓄電池を示す断面図
【符号の説明】
【0048】
101 制御弁式鉛蓄電池
102 電槽
103 正極板
104 セパレータ
105 負極板
106、106´ 極板耳
107、107´ ストラップ
108、108´ セル
109 セル室
110 隔壁
111、111´ 極柱
112 接続体
113 端子極柱
114 セル固定用突起
115 セル間接続部
116 端子板
201 蓋
202 陥没部
203 貫通孔
204 封止剤
205 Oリング
206 セル固定用充填剤ポット
207 封止剤充填ポット
208 充填剤
401 電槽
405、405´ 極柱耳
406、406´ ストラップ
407、407´ セル
408 セル室
409 隔壁
410 接続体
411、411´ 極柱
412 端子極柱
501 蓋
502 封止剤充填ポット
503 封止剤
504 セル間接続部
505 陥没部
505a 下面
506 貫通孔
507 端子板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と、負極板と、前記正極板と前期負極板の間に配置したセパレータと、同極性の極板耳を集合溶接するストラップを備えたセルを複数有し、
前記セルは、電槽内を隔壁で区画形成してなるセル室に収納され、かつ前記隔壁を介して隣接しあう前記セルを直列接続するセル間接続部を有し、
前記セル間接続部は、前記セルのストラップに設けた極柱間を前記隔壁を越えて配置した接続体で接続してなり、
前記電槽の開口部を閉じる蓋の内側には前記セル間接続部と前記隔壁の先端部を収納する封止剤充填ポットと、前記封止剤充填ポットに充填され、前記セル間接続部と前記セル室間を封止する封止剤を有し、
前記セルの直列接続において両端に位置する端セルの一方の極性のストラップから突出する端子極柱を有し、
前記蓋の外面に陥没部を有し、
前記陥没部の底に前記端子極柱を挿通する貫通孔を有し、前記陥没部に充填され、前記端子極柱を封止する充填剤を有し、
前記端子極柱を有した前記ストラップから突出するセル固定用突起を有し、
前記蓋の内側面に前記セル固定用突起の少なくとも先端部を収納するセル固定用充填剤ポットと、前期セル固定用充填剤ポットに充填した充填剤内に、前記セル固定用突起の少なくとも先端部を配置した制御弁式鉛蓄電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−54301(P2009−54301A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217043(P2007−217043)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】