説明

加速度センサを用いて歩行者の進行向きを決定する携帯端末、プログラム及び方法

【課題】歩行者が、携帯端末を手持ちで歩行している場合に、その携帯端末の加速度センサを用いて歩行者の進行向きを決定する携帯端末等を提供する。
【解決手段】加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する歩行タイミング決定手段と、加速度データから当該携帯端末の姿勢を決定する姿勢決定手段とを有する。姿勢決定手段は、加速度データから重力方向軸向きを決定する重力方向軸向き決定手段と、複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する回転軸決定手段と、重力方向軸向き及び回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する進行方向軸向き決定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサを用いて歩行者の進行向きを決定する携帯端末、プログラム及び方法に関する。特に、現在位置における進行向きをリアルタイムに導出する自律航法技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度センサ及び方位センサを用いて、進行方向及び現在位置をリアルタイムに導出する自律航法技術がある。自律航法技術は、GPS(Global Positioning System)技術と組み合わされて、主にカーナビゲーションシステム(Car Navigation System)に利用されている。カーナビゲーションシステムは、自動車の運転者に対して、正確な進行方向及び現在位置と、目的地への走行経路案内とを、ディスプレイに表示する。
【0003】
カーナビゲーションシステムは、GPSによって測位した現在位置情報を、車速パルス又はジャイロのような自律航法技術によって補正する。また、道路地図情報を必要に応じて読み出し、現在の走行経路が道路上と一致するように、進行方向及び現在位置を補正する(投影法によるマップマッチング技術、例えば特許文献1参照)。これにより、センサの誤差によって、現在位置が、道路上でない位置になることを防ぐことができる。
【0004】
これに対し、このようなナビゲーション技術を、歩行者の所持する携帯端末に適応したシステムもある。具体的には、検出した歩行者の「歩数」と、その歩行者の「歩幅」とを用いて、始点からの累積的な現在位置を導出する(例えば特許文献2参照)。自律航法技術を歩行者に適応した場合、水平方向の移動以外の加速度成分も検出される。従って、測定される距離は、単純に加速度センサの出力を積分するのではなく、歩数及び歩幅から導出される。
【0005】
「歩数」は、携帯端末内の加速度センサによって検出された軸毎の加速度を二乗和の平方根とし(√(x2+y2+z2))、そのピーク−ピーク間を1歩として検出する(例えば特許文献3参照)。「歩幅」は、利用者が予め設定するか、若しくは利用者の身長から推定する。又は、他の技術によれば、歩行者に規定距離を歩行させることによって、その歩幅をキャリブレーションする技術もある(例えば非特許文献1参照)。
【0006】
「進行方向」は、「方位センサ」によって検出される。方位センサとしては、一般に地磁気センサが利用される。地磁気センサを用いて検出した端末の姿勢及び方向を、ディスプレイに3次元表示する技術もある(例えば特許文献4参照)。また、進行方向に交差点を介して複数の道路が存在する場合、その交差点を、現在位置とする技術もある(例えば特許文献5参照)。
【0007】
自律航法技術を用いた現在位置の決定について、センサデータの累積的誤差の影響を防ぐために、交差点での右折左折を検出した際に、その交差点を、現在位置の特定のための始点とする技術もある(例えば特許文献6参照)。即ち、方向転換が検出される毎に、センサデータの累積的誤差がリセットされることなり、その後の現在位置の特定に、先の累積的誤差が影響しない。
【0008】
また、端末の鉛直方向を決定した後に、鉛直方向加速度と進行方向加速度との関係を用いて進行向きを決定する、自律航法技術もある(例えば特許文献7参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平5−061408号公報
【特許文献2】特開平9−089584号公報
【特許文献3】特開2005−038018号公報
【特許文献4】特開2004−046006号公報
【特許文献5】特開平3−099399号公報
【特許文献6】特開昭63−011813号公報
【特許文献7】特開2008−039619号公報
【非特許文献1】「Nike+iPodユーザーズガイド」、第27頁、「online」、[平成20年4月12日検索]、インターネット<URL:http://manuals.info.apple.com/ja/nikeipod_users_guide.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献4に記載された技術によれば、加速度センサ及び地磁気センサを用いて静止状態における端末の姿勢を導出することができる。静止状態では、加速度センサによって検出される加速度ベクトルは、重力のみを表す。従って、その重力ベクトルとその地磁気ベクトルとを用いて導出される世界座標系から、端末の姿勢を導出することができる。
【0011】
しかしながら、実際に、携帯端末を所持した歩行者の進行方向を導出する場合、端末の姿勢を求めるだけでなく、端末のどちらの向きが歩行者の進行方向であるのかを決定することが必要となる。
【0012】
特許文献7に記載された技術によれば、端末の姿勢を導出した後、歩行者の進行向きを決定することができる。しかし、進行向きを決定する期間について、端末の姿勢が変わらないことを前提としており、歩行者が携帯端末を手持ちにしている場合には、端末姿勢が変化するために、正しい進行方向を求めることができない。
【0013】
そこで、本発明は、歩行者が、携帯端末を手持ちで歩行している場合に、その携帯端末に搭載された加速度センサを用いて歩行者の進行向きを決定することができる携帯端末、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、3軸の加速度データを出力する加速度センサを備え、歩行者によって所持される携帯端末であって、
加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する歩行タイミング決定手段と、
加速度データから当該携帯端末の姿勢を決定する姿勢決定手段と
を有し、
姿勢決定手段は、
加速度データから重力方向軸向きを決定する重力方向軸向き決定手段と、
複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する回転軸決定手段と、
重力方向軸向き及び回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する進行方向軸向き決定手段と
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、進行方向軸向き決定手段は、
複数のピーク点について、当該合成加速度の大きさの「大」/「小」が交互に現れ、
合成加速度の大きさが「小」となる時における進行方向軸方向の加速度が、合成加速度の大きさが「大」となる時における進行方向軸方向の加速度よりも大きい時、進行方向軸の「正」の向きを進行向きとして決定し、
合成加速度の大きさが「小」となる時における進行方向軸方向の加速度が、合成加速度の大きさが「大」となる時における進行方向軸方向の加速度よりも小さい時、進行方向軸の「負」の向きを進行向きとして決定する
ことも好ましい。
【0016】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、
3軸の地磁気データを出力する地磁気センサと、
重力方向軸を判定基準y軸に割り当て、進行方向軸を判定基準x軸に割り当て、判定基準z軸を判定基準y軸の上から見たときに、判定基準x軸の向きを90度時計回り(右回り)に回転させた向きが、判定基準z軸の向きになるように決定し、該判定基準x軸及び判定基準z軸に基づいて90度単位で概略方位を決定する概略方位決定手段と
を更に有することも好ましい。
【0017】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、
概略方位決定手段は、
進行向きが進行方向軸の「負」の向きであるとき、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、北と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、南と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、南と西との間にあると判定し、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、北と西との間にあると判定し、
進行向きが進行方向軸の「正」の向きであるとき、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、北と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、南と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、南と西との間にあると判定し、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、北と西との間にあると判定する
ことも好ましい。
【0018】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、重力方向軸向き決定手段は、複数の加速度データにおける平均値の絶対値が最も大きい軸を、上下方向の重力方向軸と決定し、平均値が「正」ならば、下向きを「正」として、又は、平均値が「負」ならば、上向きを「正」として決定することも好ましい。
【0019】
本発明によれば、3軸の加速度データを出力する加速度センサを備え、歩行者によって所持される携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する歩行タイミング決定手段と、
加速度データから当該携帯端末の姿勢を決定する姿勢決定手段と
してコンピュータを機能させ、
姿勢決定手段は、
加速度データから重力方向軸向きを決定する重力方向軸向き決定手段と、
複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する回転軸決定手段と、
重力方向軸向き及び回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する進行方向軸向き決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、3軸の加速度データを出力する加速度センサを備え、歩行者によって所持される携帯端末を用いて進行向きを決定する進行向き決定方法であって、
加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する第1のステップと、
加速度データから重力方向軸向きを決定する第2のステップと、
複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する第3のステップと、
重力方向軸向き及び回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する第4のステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の携帯端末、プログラム及び方法によれば、歩行者が、携帯端末を手持ちで歩行している場合に、その携帯端末に搭載された加速度センサを用いて歩行者に把持された端末姿勢を決定することができる。本発明によれば、携帯端末の姿勢が特定できるので、地磁気センサを用いることにより、歩行者の進行向きの概略的な方位も決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、歩行者の歩行態様と、加速度変動方向及び地磁気変動方向とを表す説明図である。
【0024】
図1によれば、歩行者は、携帯端末を手持ちにし、その手を前後に振りながら歩行している。このような一般的な歩行態様を横方向から見れば、携帯端末の位置は、円弧を描きながら振り子状に前後に変動している。また、進行方向から見れば、携帯端末の位置は、上下に変動している。
【0025】
携帯端末を手持ちした腕における肩部分は、携帯端末の位置変動が描く円弧の回転軸となる。この曲線の変動は、携帯端末に搭載された加速度センサ又は地磁気センサによって検出される。即ち、その回転軸とその円弧とからなる平面(扇形)は、加速度面(加速度ベクトル群の成す面)として表される。携帯端末が手持ちで振られる限り、この加速度面は、進行方向と平行になる。
【0026】
また、加速度センサから出力された加速度データの二乗和の平方根(√(x2+y2+z2))を求めることによって、合成加速度の大きさが得られる。図1によれば、歩行者に把持された携帯端末の位置として、位置A、位置B及び位置Cが表されている。位置Bは、歩行者の手が真下にある時(最下点)であり、本発明では位置Bにおける端末の向きを決定する。
【0027】
位置Bにおける手持ちされた携帯端末の合成加速度の大きさは、極大となる。逆に、位置A及び位置Cは、歩行者の手が最も高い位置にある時(最上点)であり、その合成加速度の大きさは、極小となる。位置A、位置B及び位置Cのいずれにおいても重力が検出される。また、位置Aと位置Cでは、左右交互に歩を進めることから合成加速度の大きさに差が生じる。これによって、加速度データによって、腕振り方向に基づく加速度面と、重力方向と、前後を導出することができる。
【0028】
更に、歩行者及び携帯端末に対しては、地磁気が到来している。歩行者が、端末を一定の姿勢で保持し、一方向に真っ直ぐ進行している限り、その地磁気のセンサ座標系における到来方向は同じである。しかしながら、歩行者は、手持ちにした携帯端末を前後に振るために、その腕振りに応じて、地磁気の到来方向が、曲線を描いて変動する。この曲線の変動は、携帯端末に搭載された地磁気センサによって検出される。
【0029】
携帯端末には加速度センサ及び地磁気センサが搭載されている。センサは、端末に対して固定されており、端末の向きが決まれば、センサの軸の向きも決まる。
【0030】
図2は、歩行者の把持する携帯端末におけるセンサx軸、y軸及びz軸を表す説明図である。
【0031】
図2(a)によれば、携帯端末の姿勢に対応したセンサx軸、y軸及びz軸が表されている。ここで、歩行者によって把持された携帯端末は、手振りによって常に姿勢が変化している状態にある。携帯端末の姿勢が決定されない限り、地磁気に基づいて方位を決定することもできない。
【0032】
図2(b)によれば、携帯端末の姿勢が不明であっても、重力方向軸向きが特定されている。携帯端末が、歩行者の手が真下にある時(位置B、最下点)、その位置Bにおける重力方向軸向きを決定する。
【0033】
この重力方向軸向きは、加速度センサによって検出される加速度データを用いる。所定時間範囲に検出された加速度x軸、y軸及びz軸の加速度データについて、各軸の加速度の平均の絶対値が最も大きな軸が、重力方向軸となる。また、重力は、下向きに検出されるため、重力方向軸の加速度の平均値が「正」の場合には、下向きが「正」となり、加速度の平均値が「負」の場合には、下向きが「負」(上向きが「正」)となる。
【0034】
ここで、重力方向軸向きが、センサのy軸で、そのy軸の上向きが「正」であったとする。このときセンサのy軸を判定基準y軸に割り当てる。
【0035】
判定基準y軸の上から見たときに、判定基準x軸及び判定基準z軸は、判定基準x軸の向きを90度時計回り(右回り)に回転させた向きが、判定基準z軸の向きになるように決定される。
【0036】
前述の例では、重力方向軸向きが、携帯端末のセンサy軸(上向きが「正」)に対応するものとして説明した。しかしながら、携帯端末の姿勢によっては、重力方向軸向きが、下向きが「正」となる場合もあるし、センサx軸になる場合もあるし、センサz軸になる場合もある。
【0037】
尚、ここでは、携帯端末内部に搭載された加速度センサと地磁気センサとの配置構成について、加速度センサのx軸と地磁気センサのx軸は同じ向きであるとする。同様に、加速度センサのy軸と地磁気センサのy軸とは同じ向きであり、加速度センサのz軸と地磁気センサのz軸とは同じ向きである。
【0038】
図3は、加速度センサ及び地磁気センサの数値例と、歩行タイミングを表すグラフである。
【0039】
図3によれば、加速度センサ及び地磁気センサが、1秒間に16個のデータを出力した数値例であって、携帯端末を把持した歩行者の進行向きが、北東となっている時間範囲のものである。図3に基づいて、加速度センサx軸、y軸及びz軸の平均値を算出する。
加速度センサx軸:−169.5
加速度センサy軸:−786.94
加速度センサz軸:75.69
このとき、加速度の平均の絶対値が最も大きい軸は、y軸である。即ち、y軸は、重力方向軸となる。また、y軸の平均値は「負」となっているので、y軸は、上向き、即ち重力と反対向きであることが判定できる。重力方向軸を判定基準y軸に割り当てる。
【0040】
図3には、更に、歩行タイミングを表すグラフが表されている。歩行タイミングは、歩毎の最下点ピークとして決定される。このタイミングは、端末を所持している側の足の歩なら、図1の位置Cであり、反対側の足なら、図1の位置Aである。その歩行タイミングt1〜t5が、数値例に対応付けられている。以下では、歩行タイミングt4の時点を例に、端末姿勢と進行向きの決定手順を説明する。尚、センサx軸、y軸及びz軸の関係は、図2(a)に示したものと同じである。
【0041】
図4は、重力方向軸向き、回転軸及び進行方向軸を表すベクトル図である。簡単化のために、重力方向軸にセンサy軸、回転軸にセンサz軸、進行方向軸にセンサx軸を割り当てているが、加速度と地磁気とが、センサ座標系に対してどの向きに検出されるかは、端末の姿勢に依存する。
【0042】
図4によれば、加速度センサから得られた3軸の加速度データ(x、y、z)と、地磁気センサから得られた3軸の地磁気データ(x、y、z)とが、3次元座標系にプロットされたものである。携帯端末を手持ちした歩行者による腕振り動作に応じて、進行方向と平行に、加速度データをプロットした加速度面が検出できる。
【0043】
複数の加速度データをプロットした加速度面を平面に近似することによって、その加速度面の法線ベクトルを導出することができる。加速度面の法線ベクトルの成分が最も大きな軸が、回転軸となる。
【0044】
加速度面を近似的に算出する方法としては、例えば、最小二乗法がある。最小二乗法は、残差の2乗の和が最小になるように、その現象に対し、予測関数f(x)のそれぞれの係数を決定する方法である。残差とは、i番目のデータnに対して予測された関数値f(n)と、測定されたデータmとの差、即ちm−f(n)である。
【0045】
一般に原点を通る平面は、以下の式(1)によって表される。
ax+by+cz=0 式(1)
このとき、(a,b,c)は、平面に対する法線ベクトルとなる。
【0046】
ここで、計算を単純化するために、式(1)を、式(2)のように変形する。
z=αx+βy 式(2)
尚、(a,b,c)は法線ベクトルであるため、c=−1として問題無い。
【0047】
n個の点群x,y,z(i=1〜n)が与えられたとき、以下の式(3)が最小となるα及びβを算出すればよい。
S=Σi=1n(z−αx−βy) 式(3)
【0048】
ここで、以下のように規定したとする。
A=Σi=1n(x)
B=Σi=1n(y)
C=Σi=1n(z)
D=Σi=1n(x×y)
E=Σi=1n(x×z)
F=Σi=1n(y×z)
【0049】
このとき、式(3)は、以下のような式(4)になる。
S=Aα+Bβ+C+2αβD−2αE−2βF 式(4)
【0050】
式(4)をαの関数とみたとき、凹型の2次関数となり、極小値が最小となる。これは、βにおいても同様である。即ち、Sをα、βに関して偏微分し、0となる点が求める解となる。
【数1】

【0051】
式(5)及び式(6)を解くと、以下の式(7)及び式(8)のように算出できる。
α=(BE−DF)/(AB−D) 式(7)
β=(AF−DE)/(AB−D) 式(8)
前述したように、法線ベクトルは(α,β,−1)である。
【0052】
図3の数値例によれば、加速度面の法線ベクトルは、以下のように算出される。
法線ベクトル(−0.0508,−0.0865,−1)
従って、センサz軸が、回転軸、即ち左右方向の軸となる。センサy軸が重力方向軸であり、センサz軸が左右方向の軸であるので、センサx軸が、進行方向軸、即ち前後方向の軸であることが判明する。また、センサx軸(進行方向軸)の向きは判定基準x軸と同じ向きになるように割り当てる。判定基準x軸と判定基準z軸の関係から、センサz軸の向きは判定基準z軸の向きと同じになる。
【0053】
次に、前向きの軸を決定する。そのために、歩毎の最下点ピークを利用する。歩毎の最下点ピークは、端末を所持している側の足の歩と、反対側の足の歩とが、交互に現れるので、合成加速度の大きさも「大」と「小」とが交互に現れる。このとき、合成加速度の大きさが「小」の方が、端末を所持している側の足の歩であり、図1によれば、端末の位置は、位置Cとなる。
【0054】
図5は、合成加速度の大きさ「大」及び「小」における判定基準x軸加速度を比較して、進行向きを特定する説明図である。
【0055】
合成加速度の大きさにおける複数のピーク点について、当該合成加速度の大きさの「大」/「小」が交互に現れる。そして、合成加速度の大きさが「小」となる時における判定基準x軸加速度が、合成加速度の大きさが「大」となる時における判定基準x軸加速度よりも大きい時、判定基準x軸の「正」の向きを進行向きとして決定する。また、合成加速度の大きさが「小」となる時における判定基準x軸加速度が、合成加速度の大きさが「大」となる時における判定基準x軸加速度よりも小さい時、判定基準x軸の「負」の向きを進行向きとして決定する。
【0056】
例えば、図3における歩行タイミングについて、合成加速度は、以下のように算出される。
t1: 合成加速度717.70 「大」(端末を所持していない側の足の歩)
t2: 合成加速度642.59 「小」(端末を所持している側の足の歩)
t3: 合成加速度740.43 「大」(端末を所持していない側の足の歩)
t4: 合成加速度607.24 「小」(端末を所持している側の足の歩)
【0057】
t1の合成加速度(717.70)よりもt2の合成加速度(642.59)が小さく、t2の合成加速度(642.59)よりもt3の合成加速度(740.43)が大きく、t3の合成加速度(740.43)よりもt4の合成加速度(607.24)が小さい。従って、t2及びt4が「端末を所持している側の足の歩」であり、t1及びt3が「反対側の足の歩」であることが判明する。
【0058】
ここで、進行向きを決定する歩(t4)における判定基準x軸の加速度と、直前の歩(t3)における判定基準x軸の加速度とを、比較する。「端末を所持している側の足の歩」の判定基準x軸加速度の方が大きいときに、判定基準x軸の「正」の向きが前(進行向き)、「端末を所持していない側の足の歩」の判定基準x軸加速度の方が大きいときに、判定基準x軸の「負」の向きが前(進行向き)と決定することができる。
【0059】
t3及びt4の加速度x軸(判定基準x軸に割り当てられている)の値は、以下のようになる。
t3:−33
t4:−247
従って、前向きは、加速度x軸の「負」となる。
【0060】
図6は、本発明によって決定された携帯端末の姿勢を表す説明図である。図6によれば、携帯端末が位置Bにあるときの姿勢が特定されている。
【0061】
図7は、地磁気に対する判定基準x軸及び判定基準z軸を表す説明図である。
【0062】
本発明によれば、携帯端末の姿勢が特定できているので、判定基準x軸及び判定基準z軸における移動平均値の変化に応じて、90度単位で進行方位を概略的に特定することができる。地磁気は、南から北に向かって検出される。従って、判定基準の軸(x軸又はz軸)が北に向いている場合、地磁気は「正」の値として検出され、南に向いている場合、地磁気は「負」の値として検出される。図3によれば、以下のように、概略的に方位を特定することができる。
【0063】
進行向きが判定基準x軸の「負」の向きであるとき、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、北と東との間にあると判定する。
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、南と東との間にあると判定する。
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、南と西との間にあると判定する。
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、北と西との間にあると判定する。
進行向きが判定基準x軸の「正」の向きであるとき、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、北と東との間にあると判定する。
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、南と東との間にあると判定する。
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、南と西との間にあると判定する。
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、北と西との間にあると判定する。
【0064】
北向きに移動している場合は、前後方向の軸は、前向きの軸の符号(正負)と同じ符号の値の地磁気を検出し、西向きに移動している場合は、左右方向の軸は、右向きの軸の符号(正負)と同じ符号の値の地磁気を検出する。また、南向き、東向きに移動している場合はそれぞれ反対の符号となる。
【0065】
地磁気の一時的な変動による影響を抑えるため、移動している向きを決定する際には、所定範囲時間に検出された地磁気センサの値の合計値又は平均値を用いることが好ましい。図3の数値例を用いて1秒間に検出された地磁気の合計値は、以下のようになる。
判定基準x軸 −4708
判定基準z軸 3172
このとき、x軸に関しては、前向きの符号と同じ「負」の符号であり、z軸に関しては、右向きの符号と反対の「正」の符号である。従って、進行方向は、北東であると特定できる。
【0066】
図8は、本発明における携帯端末の機能構成図である。
【0067】
図8によれば、携帯端末1は、マイクロプロセッサ部10と、地磁気センサ11と、加速度センサ12と、GPS部13と、地図情報記憶部14と、ディスプレイ部15とを有する。
【0068】
地磁気センサ11は、3軸方向(前後方向、左右方向及び上下方向)の地磁気の方向を測定する。地磁気センサ11は、ホール素子を分離し、分離したホール素子からそれぞれ検出された値を出力する。
【0069】
加速度センサ12は、加速度、即ち単位時間当たりの速度の変化を検出する。携帯端末の傾きを検出することができる3軸タイプの場合、3次元の加速度を検出でき、地球の重力(静的加速度)の計測にも対応できる。
【0070】
GPS部13は、基準の現在位置となる緯度経度情報を測位する。測位された現在位置を基準点として、歩行者の現在位置を、歩数、歩幅及び進行方向によって積算することができる。
【0071】
地図情報記憶部14は、例えば道路地図のような走行経路を表す地図情報を記憶する。また、ディスプレイ部15は、マイクロプロセッサ部10から出力された進行方向及び現在位置を、地図情報と共に表示する。これにより、歩行者に対してナビゲーション機能を提供する。
【0072】
マイクロプロセッサ部10は、歩行タイミング決定部101と、姿勢決定部102と、概略方位決定部103と、歩幅決定部104と、移動量積算部105と、現在位置決定部106として機能させるプログラムを実行する。
【0073】
歩行タイミング決定部101は、加速度センサ12から出力された加速度データ列を、所定時間毎、例えば歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎の、加速度データに分割する。例えば、合成加速度の変化、即ち移動時の揺れ具合から歩数を算出することもできる。
【0074】
姿勢決定部102は、歩行者に把持された携帯端末について、重力方向軸向きが下向きとなっている時の姿勢を決定する。
【0075】
概略方位決定部103は、姿勢決定部102によって決定された携帯端末の姿勢に対する地磁気データに基づいて、90度単位で概略的な方位を決定する。
【0076】
歩幅決定部104は、歩行タイミング決定部102から1歩分の加速度データを受け取り、1歩毎の歩幅を決定する。決定された歩幅は、移動量積算部105へ出力される。歩幅は、合成加速度の変化、即ち移動時の揺れ具合と、歩行者の体型とによって決定される。
【0077】
移動量積算部105は、歩幅決定部104から1歩分の歩幅の情報を受け取り、それら1歩分の歩幅を積算して、移動量を決定する。移動量は、現在位置決定部106へ出力される。
【0078】
現在位置決定部106は、地図情報記憶部14から地図情報を取得し、積算された移動量から現在位置を特定する。現在位置決定部106は、移動量積算部105から出力された移動量と、概略方位決定部103から出力された方位とに基づいて、地図情報にマップマッチングをして現在位置を決定する。
【0079】
本発明の特徴となる姿勢決定部102は、重力方向軸向き決定部1021と、回転軸決定部1022と、進行方向軸向き決定部1023とを有する。
【0080】
重力方向軸向き決定部1021は、加速度データから重力方向軸向きを決定する。重力方向軸向き決定部1021は、所定時間範囲について、複数の加速度センサのセンサx軸、y軸及びz軸の平均値を算出する。加速度の平均の絶対値が最も大きい軸が、重力方向軸とする。また、その重力方向軸の平均値が「正」又は「負」によって、重力方向軸向きが決定される。
【0081】
回転軸決定部1022は、複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、その法線ベクトルから回転軸を決定する。
【0082】
進行方向軸向き決定部1023は、重力方向軸向き及び回転軸に基づいて進行方向軸が特定され、加速度データの合成加速度の大きさにおける連続する複数のピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する。
【0083】
以上、詳細に説明したように、本発明の携帯端末、プログラム及び方法によれば、歩行者が、携帯端末を手持ちで歩行している場合に、その携帯端末に搭載された加速度センサを用いて歩行者の進行向きを決定することができる。本発明によれば、携帯端末の姿勢が特定できるので、地磁気センサを用いることにより、歩行者の進行向きの概略的な方位も決定することができる。
【0084】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】歩行者の歩行態様と、地磁気変動方向とを表す説明図である。
【図2】歩行者の把持する携帯端末におけるセンサx軸、y軸及びz軸を表す説明図である。
【図3】加速度センサ及び地磁気センサの数値例と、歩行タイミングを表すグラフである。
【図4】重力方向軸向き、回転軸及び進行方向軸を表すベクトル図である。
【図5】合成加速度の大きさ「大」及び「小」におけるx軸加速度を比較して、進行向きを特定する説明図である。
【図6】本発明によって決定された携帯端末の姿勢を表す説明図である。
【図7】地磁気に対する判定基準x軸及び判定基準z軸を表す説明図である。
【図8】本発明における携帯端末の機能構成図である。
【符号の説明】
【0086】
1 携帯端末
10 マイクロプロセッサ部
101 歩行タイミング決定部
102 姿勢決定部
1021 重力方向軸向き決定部
1022 回転軸決定部
1023 進行方向軸向き決定部
103 概略方位決定部
104 歩幅決定部
105 移動量積算部
106 現在位置決定部
11 地磁気センサ
12 加速度センサ
13 GPS部
14 地図情報記憶部
15 ディスプレイ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3軸の加速度データを出力する加速度センサを備え、歩行者によって所持される携帯端末であって、
前記加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する歩行タイミング決定手段と、
前記加速度データから当該携帯端末の姿勢を決定する姿勢決定手段と
を有し、
前記姿勢決定手段は、
前記加速度データから重力方向軸向きを決定する重力方向軸向き決定手段と、
複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する回転軸決定手段と、
前記重力方向軸向き及び前記回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、前記加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する進行方向軸向き決定手段と
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記進行方向軸向き決定手段は、
前記複数のピーク点について、当該合成加速度の大きさの「大」/「小」が交互に現れ、
前記合成加速度の大きさが「小」となる時における前記進行方向軸方向の加速度が、前記合成加速度の大きさが「大」となる時における前記進行方向軸方向の加速度よりも大きい時、前記進行方向軸の「正」の向きを進行向きとして決定し、
前記合成加速度の大きさが「小」となる時における前記進行方向軸方向の加速度が、前記合成加速度の大きさが「大」となる時における前記進行方向軸方向の加速度よりも小さい時、前記進行方向軸の「負」の向きを進行向きとして決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
3軸の地磁気データを出力する地磁気センサと、
前記重力方向軸を判定基準y軸に割り当て、前記進行方向軸を判定基準x軸に割り当て、判定基準z軸を判定基準y軸の上から見たときに、判定基準x軸の向きを90度時計回り(右回り)に回転させた向きが、判定基準z軸の向きになるように決定し、該判定基準x軸及び判定基準z軸に基づいて90度単位で概略方位を決定する概略方位決定手段と
を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記概略方位決定手段は、
進行向きが前記進行方向軸の「負」の向きであるとき、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、北と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、南と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、南と西との間にあると判定し、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、北と西との間にあると判定し、
進行向きが前記進行方向軸の「正」の向きであるとき、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、北と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「負」である場合、進行向きが、南と東との間にあると判定し、
判定基準x軸が「負」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、南と西との間にあると判定し、
判定基準x軸が「正」であり且つ判定基準z軸が「正」である場合、進行向きが、北と西との間にあると判定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記重力方向軸向き決定手段は、複数の加速度データにおける平均値の絶対値が最も大きい軸を、上下方向の重力方向軸と決定し、前記平均値が「正」ならば、下向きを「正」として、又は、前記平均値が「負」ならば、上向きを「正」として決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
3軸の加速度データを出力する加速度センサを備え、歩行者によって所持される携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する歩行タイミング決定手段と、
前記加速度データから当該携帯端末の姿勢を決定する姿勢決定手段と
してコンピュータを機能させ、
前記姿勢決定手段は、
前記加速度データから重力方向軸向きを決定する重力方向軸向き決定手段と、
複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する回転軸決定手段と、
前記重力方向軸向き及び前記回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、前記加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する進行方向軸向き決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする携帯端末用のプログラム。
【請求項7】
3軸の加速度データを出力する加速度センサを備え、歩行者によって所持される携帯端末を用いて進行向きを決定する進行向き決定方法であって、
前記加速度データを、歩数毎、又は歩数に基づく時間単位毎に出力する第1のステップと、
前記加速度データから重力方向軸向きを決定する第2のステップと、
複数の加速度データからなる加速度面の法線ベクトルを近似的に算出し、該法線ベクトルから回転軸を決定する第3のステップと、
前記重力方向軸向き及び前記回転軸に基づいて進行方向軸を特定し、前記加速度データの合成加速度の大きさに基づいて連続する複数のピーク点を特定し、該ピーク点における進行方向軸方向の加速度に基づいて進行方向軸向きを決定する第4のステップと
を有することを特徴とする進行向き決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−264918(P2009−264918A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114661(P2008−114661)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】