説明

包装充填装置の改良を特徴とする、注ぎ可能な食品の密封包装をつくる包装機械

【課題】包装材の引き裂きや、食品の汚損なしに包装の高速かつ正確な製造を可能とする、シート状包装材料のチューブから注ぎ可能な食品の密封包装を製造する包装機械を提供する。
【解決手段】チューブをしっかりと掴持し、シールする包装形成組立体と、チューブの中へ延在し食品をチューブへ送入する充填パイプと、前記チューブ内へ延在し、充填パイプと共に包装形成作業の間前記食品の上方向の流れを緩衝する空気室を画成する緩衝部材とを含み、緩衝部材と充填パイプとは包装形成組立体と干渉しない範囲で可及的近接するよう延在し包装時食品の乱流を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注ぎ可能な食品の密封包装をつくるもので、包装充填装置を改良した包装機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、果汁や、殺菌あるいはUHT(超高温処理)した牛乳、ワイン、トマトソースなどのような多くの注ぎ可能な食品は殺菌した包装材料でつくられた包装で販売されている。
【0003】
このタイプの包装の典型的な例は、積層帯片からなる包装材料を折り畳み、密封することによってつくられるTetra Brik Aseptic(商標)として知られている、液状すなわち注ぎ可能な食品用の平行六面体形の包装である。
【0004】
前記包装材料は、例えばポリエチレンである熱シールプラスチック材料の層で両側が被覆された紙材料の層からなる多層構造を有している。例えばUHT牛乳のように長期貯蔵の防腐処理包装の場合、包装材料は、例えばアルミニュームフォイルのような酸素遮断材料の層を含み、該層は熱シールプラスチック材料の層の上に重ねられ、次いで最終的に食品と接触する包装の内面を形成する熱シールプラスチック材料の別の層で被覆される。
【0005】
周知のように、この種の包装は全自動包装機械で製造され、該包装機械においては、ウエッブで送られてくる包装材料から連続したチューブが形成される。詳しくは、包装材料のウエッブはリールから巻き戻され、包装機械において防腐処理室を通して送られ、そこで包装材料は、例えば、後で加熱することによって蒸発する例えば過酸化水素のような殺菌剤を付与され、および(または)包装材料に適当な波長と強度の放射線を当てることによって殺菌され、殺菌されたウエッブは閉鎖した殺菌環境内に保持され、円筒体に折り曲げられ、長さ方向にシールされて周知の要領で連続したチューブを形成する。
【0006】
実際には防腐処理室の延長部分を形成している包装材料のチューブは垂直方向に連続的に送られ、殺菌した、あるいは殺菌処理した食品で充填され、包装形成装置を通して送られて、個々の包装を形成する。すなわち、前記形成装置の内部において、前記チューブは、それぞれの横方向のシール帯によって相互に接続された、すなわちチューブの移動方向に対して垂直に延在する枕状包装の連続した帯片を形成するように多数の等間隔に離隔された横断面部においてシールされる。枕状包装は関連の横方向シール帯を切断することによって分離され、折り畳みステーションまで搬送され、そこで機械的に折り畳まれてそれぞれ仕上りの平行六面体形の包装を形成する。
【0007】
それぞれの無端軌道を画成しており、かつそれぞれ多数のジョーを装嵌している2個のチェインを含む包装形成装置が、例えば欧州特許第EP−B−0887265号に記載されているように既知である。2個の軌道は相互に対面し、かつ平行であるそれぞれの分岐部を有しており、その間に包装材料のチューブが送られ、それぞれの軌道の前記分岐部に沿って一方のコンベヤにあるジョーが他方のコンベヤにある対応するジョーと協働して多数の一連の横断面部においてチューブを掴持し、包装をシールし、かつ切断する。
【0008】
換言すれば、一方のコンベヤにある各ジョーと他方のコンベヤにある対応するジョーとが包装材料のチューブに対して周期的に相互作用する包装形成組立体を画成する。
【0009】
各対のジョーの間で掴持されているチューブの部分は一方のジョーに担持され、前記ジョーの間でしっかりと掴持されている熱シールプラスチック材料の層を局所的に溶融する加熱手段によって直角方向にシールされる。
【0010】
包装材料のチューブに対して周期的かつ順次作用して該チューブを掴持し、多数の等間隔に離隔された横断面部に沿ってシール、例えば熱シールする二対のみのジョーを含む包装形成装置もまた知られている。このタイプの包装形成装置はルンド(スエーデン)のルーベンラウシングスガータのテトラ パック カートン アンビエント株式会社(Tetra Pak Carton Ambient AB、Ruben Rausingsgata,LUND(Sweden))および41100モデナ(イタリア)のデルフィニ通り1のテトラ パック カートン アンビエント株式会社(Tetra Pak Carton Ambient S.p.A.,Via Delfini 1,41100 Modena(Italy))によって製造されている包装機、TB/21、TBA/19、TBA/21およびTetra Pak A3によって代表される。
【0011】
各対のジョーがシール作業を完了すると、関連の対のジョーの一方によって担持されているカッタが作動し、包装材料のチューブに対して作用し、シールされたばかりの横断面部の中心線に沿って該チューブを切断し、従って包装材料のチューブの底端から枕状の包装を切り離す。チューブの底端が横方向にシールされると、関連するジョーは下死点に達すると、チューブの頂部分に対する干渉をさけるため開放することができる。同時に、正しく同じように作動している他方の対のジョーがチューブ頂部のど真中の位置から下降し、前述した掴持/包装形成、シール、そして切断工程を繰り返す。
【0012】
前述のタイプの機械は多くの点において優れてはいるものの、特に食品を包装材料のチューブ中へ注入することに関して、依然として更なる改良の余地を残している。
【0013】
詳しくは、本発明の出願人は、包装材料のチューブ内での食品の振動を大きく低減し、従ってたとえ毎時包装18,000個までの比較的高速の製造速度においてさへも、そして例えば粘度、泡立ちなどのような異なる特性を有する広範囲の食品に対してさへも包装の正確な形成を保証することのできる充填装置を最近開発した。
【0014】
本装置は米国特許第6,035,614号に記載されており、実質的に、食品を送入するために包装材料のチューブの内部で共軸線関係に端部が延在している充填パイプと、これも包装材料のチューブの内部に位置し、倒立した円筒状カップの形態、すなわち端開口部が包装形成装置に対面している形態であり、横方向のシール帯を形成するとき包装材料のチューブの内部での食品の上方の流れを緩衝するように充填パイプと共に空気室を画成するように前記充填パイプの端部分の少なくとも一部に固定され、かつそれを囲繞している剛性の緩衝部材とを含む。
【0015】
詳しくは、充填パイプと緩衝部材とは、包装材料のチューブが包装形成装置に入る前に支持され、かつ案内される包装機械における最終の点まで包装材料のチューブ内を延在している。
【0016】
緩衝部材は充填パイプの外面からの所定の半径方向の距離に位置した円筒状の横壁と、好ましくは充填パイプから半径方向に、かつ前記横壁に対して垂直方向に突出している、端開口部とは反対側にある環状でディスク状の端壁とを有している。
【0017】
前記緩衝部材の横壁の外面は使用時包装材料のチューブと該緩衝部材との間の相対的な滑りを阻止する最小量だけ包装材料のチューブの内面から半径方向に分離されている。
【0018】
各包装の形成サイクルの間、関連の対のジョーがチューブを関連の横断面部において平たくするために衝突し、徐々にチューブの周りで閉鎖することによって包装材料のチューブ内の食品は、先ず上方に押し上げられ、次いで包装材料のチューブを垂直の軌道に沿って下方運動することによって下方へ押し下げられる。
【0019】
換言すれば、食品は交互に上下に圧送され、緩衝部材の内側および緩衝部材の外面と包装材料のチューブの内面との間の空隙を通してその周りとの双方において運動し、従って緩衝部材の上方および下方の双方にも来る。
【0020】
緩衝部材の内部での食品の上方への流れは、緩衝部材と充填パイプとの間で画成された室内の空気によって反作用を受け、従ってジョーが包装材料のチューブに衝突しているとき形成されつつある各包装の割り当てられた容積が「空に」なるのを遅らせる。
【0021】
更に、緩衝部材と包装材料のチューブとの間の空隙の内部を食品が流れることによって起因する何らかの上方への跳ね上がり作用は緩衝部材の上方にある液柱までに抑制される。
【0022】
要約すれば、緩衝部材は包装材料のチューブ内での食品のレベルの変動を大きく低減させ、そのために包装の正確な形成と適度な充填とを保証する。
【0023】
それにもかかわらず、製造速度の増大に伴い、例えば毎時包装18,000―24,000個の速度においては、包装材料は引き裂きが発生し、その結果製造の停止が余儀なくされることが判明した。慎重に検討した後、そのような引き裂きの理由は、包装材料が包装形成装置に入り、従ってジョーによって挟まれる際、高速において変形し、特に萎む傾向のある包装材料にあることが判明した。すなわち、ジョーが包装材料のチューブの周りで閉鎖するとき、次の包装のための食品の容積中に乱流と真空とが発生し、その結果包装材料がチューブの内方に変形し、従ってジョーによってよりつねられ易くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は前述の欠点を簡単に低コストな仕方で排除し、特にどのような製造速度であっても包装の正確な形成を保証するようにされた注ぎ可能な食品の密封包装を製造するための包装機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載のような注ぎ可能な食品の密封包装を製造する包装機械が提供される。
【0026】
本発明の好適で、非限定的な実施例について添付図面を参照して例を通して以下説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1における参照数字1は、包装材料のチューブ3から、殺菌処理した牛乳すなわちUHT牛乳、果汁、ワインなどのような注ぎ可能な食品の密封包装を連続的に製造するための包装機械を全体的に指示する。
【0028】
チューブ3は熱シールシートの包装材料のウエッブ4(図7)を長さ方向に折り畳み、かつシールすることによって既知の要領で形成され、垂直軌道Aに沿って図示していない既知の装置によって前記機械1まで送られる。
【0029】
包装材料のウエッブ4は多層構造(図示せず)を有しており、例えばポリエチレンのような熱シールプラスチック材料の層で両側が被覆された紙材料の層から都合よく構成される。例えばUHT牛乳のような長期貯蔵の食品のための防腐処理包装の場合、包装材料は、例えばアルミニュームフォイルのような酸素遮断材料の層を含み、該フォイルは熱シールプラスチック材料の層の上に重ねられ、次いで最終的に食品と接触する包装2の内面を形成する熱シールプラスチック材料の別の層で被覆される。
【0030】
前記機械1は実質的に、包装するために殺菌した、あるいは殺菌処理した食品を連続的にチューブ3へ送る充填装置5と、一連の包装2を形成するために等間隔で離隔した横断面部においてチューブ3を掴持し、シールするためのジョー式の包装形成装置6とを含む。
【0031】
例えばローラによって画成される既知の支持および案内組立体によって、チューブ3は軌道Aと共軸線関係で、該チューブ3が包装形成装置6によって関連の横断面部に沿って最初に掴持される高さからの所定の最大距離Dまで送られる。図示を簡略化するために、形成装置6の方向に最も下流側に遠くに位置し、前記距離Dを画成している支持および案内組立体を単に部分的に図示し、全体としては数字18で指示している。換言すれば、前記組立体18はチューブ3が包装形成装置6へ入る前での包装材料のチューブ3に対する最後の支持および案内ステーションを画成したものである。
【0032】
図1から図6までを参照すれば、包装形成装置6は、2個の側壁8a,8bと、該側壁8a,8bとの間でしっかりと固定され、該側壁8a,8bと共に空洞10を画成している2個の平行の横壁9a,9bとによって画成されているフレーム7と、前記フレーム7によって支持され、それぞれのジョー13,14であって、相互に、かつ空洞10を通して軌道Aに沿って送られている包装材料のチューブ3と協働するジョー13,14とを有する2個のチェインコンベヤ11,12とを含む。
【0033】
コンベヤ11,12は、ジョー13,14が沿って送られるそれぞれ無端の軌道Pであって、フレーム7のそれぞれの壁9a,9bの周りを延在し、前記軌道Aの両側で対称的に位置された無端軌道Pを画成する。
【0034】
コンベヤ11は軌道Pに沿って延在している関節接続のチェイン15と、軌道Pの底端においてチェイン15の両側と噛合っている2個の駆動輪16とを含む。ジョー13はチェイン16の一体部分であって、該チェインの交互のリンクを画成しており、一対のロッド17(図1,2,5,および6)によって関節接続の要領で相互に接続されている。
【0035】
詳しくは、各ジョー13(図1,2,3,5,および6)は主体部20を含み、該主体部は軌道Aに対して垂直の方向で、かつ壁9aに対して平行の方向に細長く、それぞれの端部21,22は大きくされ、その各々から、離隔され、前記主体部20の主要寸法方向に対して平行に軸線B,Cを有する第一と第二のピン23,24が突出している。ロッド17がジョー13のピン23,24において枢動し、一方のジョー13のピン23を隣接するジョー13のピン24に接続する。
【0036】
同様に、コンベヤ12は軌道Qに沿って延在する関節接続のチェイン25と、軌道Qの底端においてチェイン25と噛合っている2個の駆動輪26とを含む。チェイン25は関節接続して相互に接続されている多数のジョー14によって画成されており、ジョー13と相違するところのみ詳細に説明する。ジョー13の部材と同一あるいは対応するジョー14の部材は同じ参照番号を使用して指示している。要約すれば、各ジョー14は、隣接する対のジョー14を接続しているピン17が枢動する対の端ピン23,24を有する主体部20を含む。
【0037】
各ジョー13は主体部20に装嵌されチューブ3の軌道Aに対して横方向の誘導加熱部材29を含む。加熱部材29は2個の真直で平行の作用面30(図5)を含み、フレーム7に装嵌され、使用時空洞10の内部で軌道Pの一部に沿って延在する給電バー(図示せず)に沿って摺動する2個の接触ブラシ31によって給電される。
【0038】
加熱部材29の代わりに、各ジョー14(図1および図2)は、チューブ3の横断面部をしっかりと掴持するよう対応するジョー13の加熱部材29と協働する圧力バー32を含んでもよい。使用時、対応するジョー13と面する正面において、前記バー32は加熱部材29の作用面30に対向して包装材料に作用する、比較的可撓性の弾性材料からなる2個の帯片33を既知の要領で装着している。
【0039】
換言すれば、コンベヤ11上の各ジョー13とコンベヤ12上の対応するジョー14とは包装材料のチューブ3と周期的に相互作用するそれぞれのジョー組立体35を画成する。
【0040】
ジョー13および14(図3,5,6)はまた、包装を形成するときに包装の容積を制御するためのそれぞれの装置36を含む。例えば欧州特許第EP−B−0887265号から知られており、従って詳細に説明しない各装置36は実質的に軸線B,Cの周りで主体部20にヒンジ接続されている殻状半体37からなる。
【0041】
図3に示すように、各殻状半体37はその正面において相手側の殻状半体37と協働して、形成されつつある包装2を受け入れるための概ね平行六面体形の空洞を形成する。各装置36はまた、関連の殻状半体37の裏側に一体的に装嵌されている支持ブラケットに遊びをつけて装嵌されているカムフォロワローラ38を含む。
【0042】
ジョー13および14のカムフォロワローラ38はフレーム7の壁9aおよび9bに装嵌されたそれぞれのカム39と協働する。カムはコンベヤ11に関連したもののみが図3において見られる。
【0043】
ジョー13および14の運動は、フレーム7の壁9a,9bに装嵌され、ジョー13および14の大きくされた端21,22に装嵌されたそれぞれの対のカムフォロワローラ42,43と協働するそれぞれの対のカム40,41によって制御される。各対のローラ42,43はピン24,23に対して共軸線関係であり、相互に対して軸線方向に偏位していてそれぞれのカム40,41と協働する。
【0044】
詳しくは、壁9a(図3および図4)にはジョー13におけるそれぞれの対のローラ42,43と協働する二対のカム40,41が装着されており、同様に壁9bにジョー14におけるそれぞれの対のローラ42,43と協働する二対のカム40,41が装着されている。
【0045】
カム40,41(図1および図4)は、コンベヤ11,12の各チェイン15,25のための戻り部分をそれぞれの駆動輪16および26とは反対側で画成するようにそれぞれの壁9a、9bの頂縁部の周りを延在する概ねU字形の部分40a,41aと、それぞれの壁9a,9bに沿って空洞10の内部を延在するそれぞれの部分40b、41bとを有している。前記部分40a,41aはジョー13および14がそれに沿って相互に向かって運動し、包装材料のチューブ3と衝突する2個の軌道P,Qの部分P1,Q1を画成し、前記部分40b、41bはそれぞれの概ね平坦なシール帯44において包装2の境界を画するシールを形成するようジョー13および14がそれに沿って加圧されて接触した状態に保たれるれる2個の軌道P,Qの対面する概ね平行の部分P2,Q2を画成する。このようにして、横方向の帯44によって相互に接続されている多数の平行六面体形の容器からなる連続した帯片が形成され、前記横方向の帯44は軌道Aに沿って、あるいは包装形成装置6の下流側において、ジョー13または14に組み込まれた既知のカッタ(図示せず)によって切断され包装2を形成する。
【0046】
軌道P,Qの部分P2,Q2の上流側の終りにおいて、各ジョー組立体35は、図1に示すように包装材料のチューブ3が最初に掴持される高さを画定する。
【0047】
カム40,41はそれぞれの駆動輪16,26の出力側において軌道P,Qのそれぞれの部分P3,Q3において関連のチェイン15,25を解放する。
【0048】
前記部分P3,Q3に沿って、チェイン15,25はそれぞれの対のテンショナ46と協働してジョー13,14のローラ42,43と関連のカム40,41との間の接触を保証するようにチェイン15,25を十分緊張した状態に保つ。
【0049】
図1,2,7および8を参照すれば、充填装置5は食品を送入するように包装材料のチューブ3の内部を共軸線関係で延在する端部分51を有する充填パイプ50と、これも包装材料のチューブ3の内部に位置され、倒立した円筒形のカップの形態、すなわち端開口部53が包装形成装置6と面している形態であり、充填パイプ50の端部分51の少なくとも一部に固定され、かつそれを囲繞し、横方向のシール帯44を形成するようチューブ3がジョー13,14によって平たくされるとき包装材料のチューブ3の内部での食品の上方への流れを緩衝する空気室を充填パイプ50と共に画成する剛性の緩衝部材52とを含む。
【0050】
詳しくは、緩衝部材52は充填パイプ50の外面から所定の距離に位置した円筒形の横壁55と、開口53の反対側にあって、充填パイプ50の端部分51から半径方向に、軌道Aに対して垂直に突出している環状でディスク状の端壁56とを含む。
【0051】
前記横壁55は、軌道Aに対して共軸線関係で、緩衝部材52の外径よりも大きく、好ましくは少なくともその2倍である長さだけ端壁56から延在する。
【0052】
緩衝部材52の横壁55の外面は、使用時包装材料のチューブ3と緩衝部材との間の相対的な滑りを阻止し、従って相互に対して滑る前記部材が磨耗したり、徐々に劣化することによって発生する問題を排除し、その結果摩擦で剥がれた材料が食品を汚損する危険性を阻止する最小量だけ包装材料のチューブ3の内面から半径方向に離されている。
【0053】
充填パイプ50は包装形成装置6のジョー13,14に向かって緩衝部材52から突出している食品用出口57を有利に有している。
【0054】
充填装置5はまた、充填パイプ50からの食品の流量を調整するための既知の制御組立体60を含む。詳しくは、前記制御組立体60は実質的に、充填パイプ50の上流側部分62と直列に位置する流量調整弁61と、包装材料のチューブ3の内部での食品のレベルに関連した信号Sを発生させ、それに基づいて前記弁61を通る食品の流量が調整されるレベルセンサ63とを含む。
【0055】
すなわち、信号Sは包装材料のチューブ3内での所定の食品のレベルLが存在する場合の第一の、例えば高い論理レベルと、レベルL以下の食品のレベルが存在する場合の第二の、例えば低い論理レベルとを指示する。
【0056】
レベルセンサ63(図7)は、包装材料のチューブ3の内部において、緩衝部材52に対して0.03から0.3バール、好ましくは0.1バールの圧力を加える食品の柱を形成するような軌道Aに沿った位置において充填パイプ50に隣接して有利に位置している。
【0057】
本発明の重要な局面によると、充填パイプ50の出口57は、チューブ3が各ジョー組立体35によって最初に掴持される高さからその最初の掴持高さと軌道PおよびQの最大高さとの間の距離D1(図2)の45%以下である距離のところにおいて軌道Aに沿って位置しており、緩衝部材52は前記の最初の掴持高さから軌道PおよびQの最大高さ以下である距離のところまで延在している。
【0058】
支持および案内組立体18を参照すれば、充填パイプ50の出口57はチューブ3が各ジョー組立体によって最初に支持される高さから前記最大距離Dの30%以下の距離をおいたところで軌道Aに沿って位置されることが有利であり、従って充填パイプ50の出口57は支持および案内組立体18から包装形成装置6に向かって前記最大距離Dの70%以上を突出している。
【0059】
更に、緩衝部材52は支持および案内組立体18から包装形成装置6に向かって前記最大距離Dの30%から60%突出している。
【0060】
充填パイプ50と緩衝部材52とはそれらが包装形成装置6のジョー13,14と干渉することなく動きうる限り遠くまで延在し、そのため充填パイプ50の出口57と緩衝部材52の端の開口53とは包装形成装置6内でチューブ3が最初に掴持される高さに可及的近接しており、従って以下更に詳細に説明するように、形成されつつある包装2において発生する乱流を低減させる。
【0061】
図1に示すように、充填パイプ50の出口57はそれぞれのジョー13,14の軌道P,Qの部分P1,Q1の下流端の間に面し、かつその間に来るところまで延在する。
【0062】
本包装機械1は以下のように作動する。
【0063】
2個のコンベヤ11,12は図1において矢印で指示するように反対方向に回転し、そのためそれぞれのジョー13および14はカム40,41のプロフィルによって規定される運動法則によりそれぞれの軌道P,Qの部分P1,Q1の終りからそれぞれの部分P2,Q2に沿って包装材料のチューブ3に対して作用する。
【0064】
作動サイクルを一方のジョー組立体35を参照して、すなわちコンベヤ11の1個のジョー13とコンベヤ12の対応するジョー14とを参照して以下詳細に説明する。全てのジョー13および14は製造速度に応じて決まる時間間隔において同じサイクルを実行することは明らかである。
【0065】
軌道の部分P1およびQ1に沿って、ジョー13および14は相互に合わされ、横方向帯44においてチューブ3を徐々に変形させ、最終的に「平たく」する。
【0066】
前記軌道部分P1およびQ1の終りにおいて、包装2の容積を制御する装置36が起動し、ジョー13および14の殻状半体37が正面で相互に合わされて、形成されつつある包装2の容器部分45の容積を画成する平行六面体形の空洞を画成する。
【0067】
それぞれの軌道P,Qの部分P2,Q2に沿って、ジョー13および14はチューブに対してしっかりと掴持され、関連の横方向帯44を完全に平らにし、加熱部材28が作動し包装材料の重ねられた二つの部分をシールして横方向帯44を形成する。
【0068】
包装材料のチューブ3が関連する対のジョー13,14の間で掴持されると、食品のレベルがチューブ3内でレベルLまで上昇し、信号Sが第二の論理値から第一の論理値に切り替えられ、既知の要領で弁61の形態を変更し、充填パイプ50からの食品の流量を減少させる。
【0069】
包装材料のチューブ3が連続して下方へ運動すると食品のレベルをレベルL以下まで低下させ、そのため信号Sは第一の論理値から第二の論理値に切り替わり、弁61が自動的に開放して充填パイプ50からの食品の流量を増す。
【0070】
換言すれば、食品は交互に上下に圧送され、緩衝部材52の外面と包装材料のチューブ3の内面との間の空隙を通して緩衝部材52の内部およびその周りの双方を流れ、従って緩衝部材52の上方および下方に来る。
【0071】
緩衝部材52内での食品の上方への流れは室54内の空気による反作用を受け、そのため、ジョー13および14が包装材料のチューブ3に衝突するときに典型的に発生することであるが、形成されつつある各包装2の割り当てられた容積を「空に」するのを遅くする。
【0072】
更に、緩衝部材52と包装材料のチューブ3との間の空隙の内部を食品が流れることによって生じる上方への何らかの跳ね上がり作用も緩衝部材52の上方での液体柱にまで抑制される。
【0073】
包装材料のチューブ3が各対のジョー13,14によって最初に掴持される高さに対して充填パイプ50と緩衝部材52とが近接位置することによって食品の出口における乱流を大きく低減させ、それは食品の上方への流れに対して緩衝部材52の室54内の空気が有する緩衝作用と併せて、ジョー13,14を閉鎖することによってジョー13,14の直ぐ上流側のチューブ3の部分内で発生しうる真空による影響を排除する。
【0074】
換言すれば、各対のジョー13および14が閉鎖している間形成されつつある関連の包装2を充填するための食品の容積は概ね一定のままであり、そのため包装材料の変形および萎みを阻止し、従ってジョー13および14の相互作用によって包装材料がつねられ、従って引き裂かれる危険性なしに包装機械1は極めて高速の製造速度、例えば毎時包装18,000から24,000個の速度で作動できるようにする。
【0075】
検査したところでも包装機械1において製造された包装2の重量差も目立って低減したことを示した。
【0076】
特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなく本明細書で説明した包装機械1に対して変更が可能であることは明らかである。
【0077】
特に、本機械1は包装材料のチューブ3に対して周期的に、かつ交互に作用する二対のジョーを備えるように特徴化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】注ぎ可能な食品の密封包装を製造するための本発明による包装機械のわかり易くするために一部を除いた概略側面図である。
【図2】図1に示す包装機械の細部の増尺した側面図である。
【図3】図1に示す包装機械のジョー式包装形成装置の、わかり易くするために一部を除いた斜視図である。
【図4】図3に示す包装形成装置のフレームの斜視図である。
【図5】図3に示す包装形成装置のジョーの両側から見た増尺斜視図である。
【図6】図3に示す包装形成装置のジョーの両側から見た増尺斜視図である。
【図7】図1に示す包装機械の包装充填装置の斜視図である。
【図8】図7に示す包装機械の細部の増尺した断面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 包装機械
2 包装
3 包装材料のチューブ
5 充填装置
11 コンベヤ
12 コンベヤ
13,14 ジョー
18 支持および案内手段
35 包装形成組立体
44 シール帯
50 充填パイプ
51 充填パイプの部分
52 緩衝部材
54 空気室
57 食品の出口
A 軌道
D 距離
P,Q 軌道
P1,P2,Q1,Q2 軌道の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直の軌道(A)に沿って送られているシート状包装材料のチューブ(3)から注ぎ可能な食品の密封包装(2)を製造する包装機械(1)において、
― 形成されつつある包装(2)の両側のシール帯(44)を画成する等間隔に離隔された横断面部において前記包装材料のチューブ(3)をしっかりと掴持し、かつシールするよう周期的、かつ順次運動可能である少なくとも一対の包装形成組立体(35)であって、各包装形成組立体(35)は、前記垂直の軌道(A)の両側に延在し、該垂直の軌道(A)に隣接してそれぞれの作業部分(P1,Q2,P2,Q2)を画成し、かつそれに沿って前記包装材料のチューブ(3)に前記シール帯(44)が形成される第一と、第二の無端軌道(P,Q)にそれぞれ沿って運動する第一と第二のジョー(13,14)を含んでいる少なくとも一対の包装形成組立体(35)と、
― 食品を前記チューブ中へ送入するよう包装材料の前記チューブ(3)の内部へ少なくとも部分的に延在する充填パイプ(50)と、これも包装材料の前記チューブ(3)の内部へ延在し、前記充填パイプ(50)の少なくとも一部(51)に固定され、かつそれを囲繞し、前記シール帯(44)を形成するとき包装材料の前記チューブ(3)内での食品の垂直方向の流れを緩衝する空気室(54)を前記充填パイプと共に画成する剛性の緩衝部材(52)とを含む充填装置(5)とを含み、
少なくとも前記充填パイプ(50)が、前記チューブが最初に掴持される高さからのその最初の掴持位置と前記第一と第二の軌道(P,Q)の最大高さとの間の距離(D1)の45%以下の距離のところで前記垂直の軌道(A)に沿って位置している食品用出口(57)を有していることを特徴とする包装機械(1)。
【請求項2】
前記緩衝部材(52)が、前記の最初の掴持高さから前記第一と第二の軌道(P,Q)の最大高さ以下の距離のところまで延在していることを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記包装材料のチューブ(3)を前記の垂直の軌道(A)と共軸線関係で、前記ジョー(13,14)に向かって前記の最初の掴持高さからの所定の最大距離(D)のところまで送るための支持および案内手段(18)を含み、前記充填パイプ(50)の前記出口(57)が前記最初の掴持高さからの前記最大距離(D)の30%以下の距離のところで前記垂直の軌道(A)に沿って位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記緩衝部材(52)が前記最大距離(D)の30%から60%までだけ前記ジョー(13,14)に向かって前記支持および案内手段(18)から突出していることを特徴とする請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記充填パイプ(50)の前記出口(57)と前記緩衝部材(52)とが前記ジョー(13,14)と緩衝することなく延在しうる範囲で延在していることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の機械。
【請求項6】
前記充填パイプ(50)の前記出口(57)が前記ジョー(13,14)に向かって前記緩衝部材(52)から突出していることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の機械。
【請求項7】
前記充填パイプ(50)の前記出口(57)が前記ジョー(13,14)の前記第一および第二の軌道(P,Q)のそれぞれの上流端に面し、かつその間に位置して延在していることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の機械。
【請求項8】
多数の第一のジョー(13)を有し、前記第一のジョー(13)が沿って移動する第一の無端軌道(P)を画成している第一のチェインコンベヤ(11)と、多数の第二のジョー(14)を有し、前記第二のジョー(14)が沿って移動する第二の無端軌道(Q)を画成している第二のチェインコンベヤ(12)とを含み、前記第一と第二の軌道(P,Q)が、包装材料のチューブ(3)の前記垂直方向の軌道(A)に隣接し、前記垂直の軌道(A)の両側を概ね対称的に延在するそれぞれの作業部分(P1,P2,Q1,Q2)を含み、そのためそれぞれ等間隔に離隔した横断面部において前記チューブ(3)をしっかりと掴持し、かつシールするように前記第一のジョー(13)がそれぞれの前記第二のジョー(14)と協働し、前記第一のコンベヤ(11)の前記第一のジョー(13)の各々が前記第二のコンベヤ(12)の対応する前記第二のジョー(14)と共に関連の前記包装形成組立体(35)を画成することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−1648(P2006−1648A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112979(P2005−112979)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】