説明

医薬製剤

液化噴射ガス、固形微粒子状の医薬的活性成分および医薬的活性成分の粒子の表面に融合した分散剤を含む、エアゾールまたはスプレーの形態にある送達用医薬製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾールの形態での送達用製剤、特に肺、鼻腔、口腔または局所投与のための医薬的なエアゾール製剤、そのような製剤を製造する方法、およびそのような製剤を含む製品、好ましくは医薬製品に関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーおよびエアゾール製剤は、局所的におよび全身的な吸収のための両方に対して、医薬的活性成分を投与するために長年の間用いられている。例えば、肺に医薬的活性成分のエアゾールの計測された量を投与することができる、加圧型計量式吸入器(pMDI)は、特に喘息症状の局所治療において数十年間使用されている。そのような装置は公知であり、その例がWO92/11190、US-A-4,819,834およびUS-A-4,407,481に開示されている。
【0003】
pMDIならびにエアゾールおよびスプレー装置のようなその他に使用される製剤は、一般的に、液化噴射ガスに溶解または懸濁した医薬的活性成分を含む。そのような製剤中の噴射剤として伝統的に使用されていたクロロフルオロカーボン(CFC)は、15年以上前にオゾン層の破壊に関係があるとされ、それゆえ、それらの使用は停止された。若干10年以上前に、低い毒性とエアゾール噴射剤としての使用に対して適当な蒸気圧との両方を有するある種のヒドロフルオロカーボン(HFA)が、CFCよりオゾン層に極めて害を及ぼさないことが確認された。これらのHFAの中で、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)および1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)が、医薬エアゾール製剤における使用に適した噴射剤として提案されている。例えば、EP 0 372 777、EP 0 499 344およびEP 0 553 298を参照。
【0004】
しかしながら、これら後者の提案は10年以上前に最初になされた事実にも拘わらず、噴射剤としてHFA-134aまたはHFA-227のいずれかを用いる医薬エアゾール製品は市場にほとんど現れていない。
【0005】
上記のように、pMDIおよび噴射剤駆動装置(propellant driven device)のようなその他のものの中で使用される製剤に存在する医薬的活性成分は、液化噴射ガスに溶解されるかまたは懸濁されるかのどちらかである。ほとんどの医薬的活性成分は、活性成分と噴射剤との単純な二成分製剤が実用的であるためには、純粋な噴射剤のHFAまたはCFCのどちらにも十分に溶解性でない。エタノールのような補助溶剤の混和により、多くの活性成分は得られる製剤中に溶解できるが、活性成分が噴射剤中に微粉または微粒子の形態で懸濁される製剤が一般的に好ましく、より一般的である。
【0006】
このことに対するいくつかの理由がある。pMDIまたは類似の装置により作られるエアゾールスプレー中の粒子または飛沫のサイズを制御することは重要である。例えば、粒子または飛沫を肺中に深く浸透させたいなら、それらは10μm未満の空気動力学的粒径(MMAD)を有すべきである。逆に、スプレーが口腔または鼻腔送達のためには、その粒子または飛沫は、それらが肺に入ることを防ぐために、10μmよりも著しく大きなMMADを有さなければならない。完全に液体の製剤から作られるエアゾールスプレー中の粒子径を制御することは、懸濁された固形微粒子状の医薬的活性成分を含む製剤を用いる場合に比べてより困難である。前者の場合、溶剤蒸発速度のような環境的に影響を受ける多くの因子が、粒子径に影響を及ぼすだろう。一方、懸濁製剤により作られる粒子径は、その製造に使用される活性成分の粒径により主として決定され、これは効果的に制御され得るパラメータである。
【0007】
二番目だが重要な、懸濁製剤が好ましい理由は、多くの医薬的活性成分は、それらが溶液状態にあるよりも固体として化学的に安定であることである。例えば、たいていの医薬的に活性な化合物は、固体のときよりも溶液状態のときに酸またはアルカリによる分解をずっと受けやすい。溶液製剤がそれらの現実的な選択肢であるために、医薬的に許容される噴射剤系中に医薬的活性成分の多くが十分溶けるようにすることは、単純に不可能でもある。
【0008】
医薬的活性成分の粒子を、過度の撹拌を用いずに噴射剤系内に分散でき、pMDIの効果的な作動のために十分に長い間分散状態にあることを保証するために、一般に、界面活性剤のような分散剤が、懸濁エアゾール製剤に用いられる。界面活性剤は、計量バルブの構造に有益な潤滑も供給し得る。しかしながら、pMDIおよび類似の装置においての使用のためのHFAベースの懸濁製剤の開発において生じている問題の一つは、CFCベースの製剤において分散剤として一般的に用いられる多くの界面活性剤が、HFA-134aおよびHFA-227に実質的に不溶であり、したがって、これら後者の二つの噴射剤またはその他のHFA噴射剤ベースの単純な製剤において実質的に役に立たないことである。
【0009】
EP 0 372 777で提唱されたこの問題の一つの解決法は、界面活性剤またはその他の分散剤を溶解するために、その製剤中にHFA噴射剤より大きな極性を有する、エタノールのような補助溶剤を加えることである。そのような補助溶剤の存在は、ほとんどの分散剤がHFAベースの製剤に溶けることを可能にするが、それは、ある種の医薬的活性成分が、補助溶剤/噴射剤の系に少なくとも部分的に溶解する原因にもなるであろう。この現象は、製剤中の活性成分の粒子が、時間が経つともしかしたら吸入に対して一般的に許容できると見なされるサイズを超えて大きくなる、すなわち10 μmよりも大きなMMADを有する原因になるので、肺への送達用製剤において特に不利である。さらに、補助溶剤としてエタノールの使用に関連する不利な点は、その潜在的毒性、水を吸収する製剤の傾向を増加する能力および多くの患者がその存在により製剤に与えられる味を好まない事実を含む。
【0010】
文献で提唱されている、界面活性剤または分散剤を組み込むもう一つの方法は、医薬的活性成分の粒子を界面活性剤または分散剤で被覆した後にそれらを噴射剤と混合し、いかなる補助用剤を用いることなく被覆された粒子をHFA噴射剤中に懸濁することである。詳細には、医薬的活性成分が実質的に溶解しない溶剤中に界面活性剤を溶解する工程、微粉形態の医薬的活性成分のある一定量を界面活性剤溶液に混合する工程、および濾過および乾燥あるいは蒸発による溶媒の除去のどちらかにより界面活性剤で被覆された活性成分の粒子を単離する工程を含む方法を用いて、活性成分を被覆することが提唱された。
【0011】
文献(WO 92/08447およびWO 91/04011を参照)は、このようにして製造された製剤は、粉末化された活性成分の安定的な分散がHFA噴射剤中に形成されることを可能にする点で、効果的であること提案するけれども、このようにして有用な製剤を実際に製造することは、これまでのところ可能であると立証されていない。例えば、蒸発する溶剤から分散剤が沈殿する様式は予測できないので、この種の方法を用いて均一な被覆を達成することは困難である。
【0012】
最近提唱されているさらなる方法は、パルミチン酸またはステアリン酸のカルシウム、マグネシウムもしくは亜鉛塩の粒子と医薬的活性成分の粒子とからなる粉末化された混合物を噴射剤中に懸濁させることである。再度、文献はこのようにして製造された製剤は効果的であることを提案する(US 2004/0101483を参照)けれど、市販されているものはまだ存在しない。
【0013】
今回、固形分散剤を活性成分の固形粒子と接触させ、接触している分散剤と活性成分の粒子に機械的エネルギーを与えることを含む被覆方法により、分散剤が医薬的活性成分の固形粒子の表面に融合されれば、そのような分散体がエタノールのような補助溶剤を含まない市販可能な製剤のための基礎を提供するために、得られる複合体またはハイブリッド粒子は、HFA噴射剤系内で非常に容易に分散できることを、驚嘆すべきことに見出した。融合を引き起こすのに要求されるエネルギーを与え得る被覆方法の例は、R. Pfefferら、"Synthesis of engineered particulates with tailored properties using dry particle coating", Powder Technology 117 (2001) 40-67に記載された乾式方法を含む。それらは、MechanoFusion(登録商標)マシンを使用する方法に加えて、Hybidizer(登録商標)マシン、Theta Composer(登録商標)、磁気的に補助された密着方法および回転流動床コーターを使用する方法を含む。使用され得るその他の方法は、乾燥ボールミル粉砕および類似の方法を含む。
【0014】
それゆえ、本発明の第一の観点によれば、液化噴射ガス、固形微粒子状の医薬的活性成分、および医薬的活性成分の粒子の表面に融合された分散剤を含む、エアゾールまたはスプレーの形態にある送達用医薬製剤が提供される。分散剤および医薬的活性成分は、固形複合粒子の形態にあるのが好ましい。該粒子は、液化噴射ガス中に懸濁しているかまたは懸濁され得、好ましくは、そのような各粒子は、少なくとも部分的に分散剤で被覆された医薬的活性成分の粒子を含み、そして液化噴射ガス中に懸濁しているかまたは懸濁され得る。
【0015】
好ましくは、分散剤は、医薬的活性成分の粒子の表面を被覆する形態にある。この被覆は不連続な被覆であり得、そして医薬的活性成分の粒子の表面に融合した分散剤の粒子の形態であり得る。
【0016】
さらなる態様において、分散剤は、活性成分の複数の粒子の回りに、少なくとも部分被覆または殻を形成する。好ましくは、活性成分の表面積の少なくとも50、70、80、90または95%が分散剤で被覆されるかまたは覆われている。
【0017】
第二の観点において、本発明は、固形微粒子状の医薬的活性成分の粒子の表面に分散剤を融合することならびに固形微粒子状の医薬的活性成分および分散剤を液化噴射ガスと混合することを含む、本発明の第一の観点に従う医薬製剤を製造する方法を提供することである。液化噴射ガスは、分散剤を微粒子状の医薬的活性成分に融合させる前、その間および/またはその後に、分散剤および微粒子状の医薬的活性成分と混合され得る。しかしながら、分散剤を医薬的活性成分に融合させた後に、噴射剤の少なくともいくらか、好ましくは大部分そしてより好ましくは実質的に全てが加えられることが好ましい。
【0018】
好ましくは、分散剤は、固形分散剤を医薬的活性成分に接触させること、および接触している分散剤と医薬的活性成分の粒子に、それらの間で融合が生じるのに十分な機械的エネルギーを与えることを含む方法により、医薬的活性成分の固形粒子の表面に融合される。
【0019】
本発明の第二の観点の好ましい態様において、機械的エネルギーは分散剤と活性成分の粒子との混合物、好ましくは乾燥混合物に与えられる。本発明の第二の観点の多くの好ましい態様において、機械的エネルギーは、接触している分散剤と活性成分の粒子に与えられる同時圧縮応力と剪断力の形で供給される。
【0020】
分散剤は、より好ましくは、本発明の第二の観点に従った方法が行なわれる温度範囲内で、医薬的活性成分より軟性および/またはより展性である。分散剤は、20〜80℃の範囲の温度で、医薬的活性成分より軟性および/またはより展性であり得る。接触している分散剤と医薬的活性成分の粒子とに機械的エネルギーを与えることにより、分散剤が変形され、塗り付けられるかまたは医薬的活性成分の粒子の表面に広げられて融合できるように、分散剤は、医薬的活性成分と比較して十分に軟性でかつ展性であることが好ましい。分散剤は本質的に層状であり得、そして十分な機械的エネルギーに曝されるとき、それらが積み重ねられた平面に沿って剪断する、疎水成分と親水成分とを交互に含み得る。
【0021】
本発明の第二の観点の好ましい態様において、分散剤が医薬的活性成分の粒子の表面に広がって少なくとも部分的に被覆するように、分散剤粒子を軟らかくしそして/または変形することを引き起こすために、十分な機械的エネルギーが、接触している分散剤と医薬的活性成分の粒子に与えられる。
【0022】
好ましくは、そしていくつかの以前に公知の態様と異なって、分散剤の粒子は医薬的活性成分の粒子より小さく、そして各複合粒子は、医薬的活性成分の一つの粒子の表面に融合した複数の分散剤を含むか、または医薬的活性成分の一つの粒子の表面に融合した複数の分散剤からなるかもしくは本質的に医薬的活性成分の一つの粒子の表面に融合した複数の分散剤からなり得る。
【0023】
本発明の第二の観点に従った方法で用いられる医薬的活性成分の粒子は、その方法により作られる複合粒子と実質的に同じサイズ(MMAD)であるのが好ましい。この点に関して、本発明の第二の観点に従った方法は、活性成分の粒子のサイズに、いくからの度合で減少を引き起こし得る。しかしながら、本発明の方法で用いられる活性成分と分散剤粒子の相対的なサイズは、活性成分の粒子への分散剤の粒子の融合によって、その活性成分のサイズまたはMMADが本質的に変えられないようなものである。例えば、活性成分の粒子は0.1〜100μmの範囲のサイズであり得るが、分散剤粒子のMMADは、典型的には1μmを超えないであろう。典型的には、本発明の第二の観点に従った方法に用いられる医薬的活性成分の粒子のMMADに対する分散剤粒子のMMADの比は、1:10より小さく、好ましくは1:20以下、そしてより好ましくは1:100以下であろう。
【0024】
実施態様において、分散剤粒子は、機械的エネルギーがそれらに与えられる前は、より大きいものであり得る。これらの状況下、機械的エネルギーは、活性成分の粒子のサイズに対する分散剤粒子のサイズの比が、これらの活性成分の少なくとも一つの好ましい範囲以内になるように、分散剤粒子のサイズを減少させるのに十分である。与えられる機械的エネルギーが、医薬的活性成分の粒子のサイズにいかなる顕著な変化を起こさせないことがまた好ましい。
【0025】
上記の性質を有する物質の中から分散剤または複数の分散剤を注意深く選択することにより、肺に活性成分の制御されたまたは遅延された放出を与えることができる、本発明の第一の観点に従った固形複合粒子および/または湿気の進入に対する抵抗性が改善された固形複合粒子を提供することが可能である。同様に、異なる活性成分の粒子間または粒子とpMDI装置の構成成分との間の化学的相互作用の傾向を防ぐかまたは減少させることも可能である。
【0026】
本発明の第一の観点の好ましい態様において、本製剤は、本発明の第二の観点に従った方法により製造されているか、または製造され得る。
【0027】
好ましい態様において、分散剤と活性成分との結合は、物理的であり、好ましくは、医薬的活性成分による分散剤の物理的吸着および/またはその逆を含む。
【0028】
その全ての観点における本発明のさらなる利点は、CFCベースの製剤に用いられている多くの界面活性剤、そしてそれらの全てが長年の使用で安全であることが示されている界面活性剤が、ノン(non)-CFCベースの噴射剤系での分散剤として用いることできることである。本発明の好ましい態様において、分散剤はそのような界面活性剤を含む。
【0029】
好ましくは、分散剤は液化噴射ガスに実質的に不溶性である。実施態様において、分散剤は医薬的活性成分の粒子の表面自由エネルギーを減少する。
さらに好ましい態様において、分散剤は少なくとも約5500または6000の分子量を有する。
【0030】
好ましい態様において、複合粒子中の分散剤の量は、60重量%以下であろう。好ましくは、複合粒子は40〜0.25重量%、より好ましくは30〜0.5重量%およびさらに好ましくは20〜2重量%の分散剤を含むべきである。さらなる態様において、複合粒子は2〜10重量%または3〜8重量%の分散剤を含むことができる。
【0031】
有利には、分散剤は、付着防止物質であり、複合粒子間およびその製剤がpMDI装置のような中に入れられるときに、複合粒子とpMDI装置の構成成分との間の凝集を減少させるだろう。分散剤は減摩剤(グリダント(glidant))でもあり得る。分散剤は一以上の物質(例えば、界面活性剤)の組み合わせを含み得るし、分散剤が天然由来の動物または植物性物質であるか、またはそれらを含むのが好ましい。粒子が互いにまたは装置自身のいずれかと強く結合する傾向を減少させることは、それが、各投与量に対して計量された複合粒子を含む活性成分の量の変動を減少させるので、用量整合性に対する投与量の改善に導く。
【0032】
好ましくは、分散剤は、一以上のアミノ酸、アミノ酸誘導体、ペプチドおよび/またはペプチド誘導体を含むか、またはこれらからなるかもしくは本質的にこれらからなる。それらの中で、アミノ酸が好ましい。したがって、特に、分散剤は一以上の次のアミノ酸:ロイシン、イソロイシン、リジン、バリン、メチオニンおよびフェニルアラニンを含み得る。分散剤はアミノ酸の塩または誘導体であり得、例えば、それはアスパルテームまたはアセスルファムKであるか、またはそれらを含み得る。分散剤は、本質的にアミノ酸、好ましくはロイシン、より好ましくはL-ロイシンからなり得る。しかしながら、D-およびDL-体を用いることができる。
【0033】
分散剤は、水溶性物質が肺の下部に達すれば一般的に容易に体に吸収されるので、一以上の水溶性物質を含むか、または一以上の水溶性物質からなるかもしくは本質的に一以上の水溶性物質からなり得る。分散剤は両性イオンであり得る双極性イオンを含み得る。分散剤として展着剤を含むことは、肺での組成物の分散を補助するために有利でもあり得る。好適な展着剤は、例えば、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)とPG(ホスファチジルグリセロール)との混合物のようなリン脂質を含む、公知の肺表面活性剤(例えば、ALEC(商標))のような界面活性剤を含む。その他の好適な界面活性剤は、例えばジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)を含む。
【0034】
分散剤は、ステアリン酸またはパルミチン酸の金属塩を含むか、またはステアリン酸またはパルミチン酸の金属塩からなるかもしくは本質的にステアリン酸またはパルミチン酸の金属塩からなり得る。それは、そのような塩または酸の誘導体、例えばナトリウムステアリルフマレートまたはナトリウムステアリルラクチレートも含み得る。好ましいステアリン酸およびパルミチン酸の金属塩は、ステアリン酸およびパルミチン酸の亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ナトリウムおよびリチウム塩を含み、ステアリン酸塩がより好ましい。後者の中でステアリン酸マグネシウムが最も好ましい。用いられるとき、ステアリン酸マグネシウムは植物性マグネシウム(vegetable magnesium)のステアリン酸塩の形態が好ましいが、それは、植物または動物起源のものであり得るいかなる市販の形態でもあり得、パルミテートまたはオレエートのようなその他の脂肪酸成分をも含み得る。
【0035】
分散剤は、一以上の界面活性剤、とりわけレシチン、特に大豆レシチンのような水に可溶性でもあり得るか、または例えばオレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ベヘン酸のような固体状態の脂肪酸、およびグリセリルベヘネートのようなそれらの(エステルおよび塩のような)誘導体のような実質的に水に不溶性でもあり得る、界面活性な固体状態の物質を含むか、またはこれらからなるかもしくは本質的にこれらからなり得る。そのような物質の具体的な例は、ホフファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロールならびに天然および合成肺表面活性剤のその他の例、ラウリン酸およびその塩、例えばナトリウムラウリルサルフェート、マグネシウムラウリルサルフェート、Dynsan 118およびCutina HRのようなトリグリセリドならびに一般的な糖エステルを含む。あるいは、分散剤はコレステロールであり得る。
【0036】
分散剤として用いることができる物質のさらなる例は、安息香酸ナトリウム、室温で固体の硬化油、タルク、二酸化チタン、二酸化アルミニウム、二酸化ケイ素および澱粉を含む。さらなる有用な分散剤は、造膜剤、脂肪酸およびそれらの誘導体、ならびに脂質および脂質様物質を含む。
【0037】
分散剤は、一以上の次の:アミノ酸、レシチン、リン脂質、ナトリウムステアリルフマレート、グリセリルベヘネートおよびステアリン酸金属塩(特に、ステアリン酸マグネシウム)を含むか、またはこれらからなるかもしくは本質的にこれらからなることが好ましい。しかしながら、分散剤が、リン脂質、好ましくはレシチン、またはステアリン酸金属塩、好ましくはステアリン酸マグネシウムを含むか、またはこれらからなるかもしくは本質的にこれらからなることが非常に好ましい。
【0038】
医薬的活性成分の粒子は、好ましくは、一以上の医薬的に活性な化合物を含み、一以上の医薬的に活性な化合物からなるかまたは本質的にこれらからなり得る。医薬的活性成分は、治療的および/または予防的使用に適し得る。医薬的活性成分は、局所的にあるいは全身吸収用のどちらかのスプレーもしくはエアゾール製剤として投与可能であるようなあらゆる成分を含み得る。本発明に従った製剤中に含まれるのに適した医薬的活性成分は、肺、鼻腔または口腔ルートにより投与され得るものを含む。そのよう成分の中に、呼吸器病状の治療に典型的に用いられるものを含む。それらはテルブタリン、サルブタモール、サルメテロールおよびホルモテロールのようなβ2-アゴニスト、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウムのような抗ムスカリン剤、ベクロメタゾンおよびフルチカゾンのようなステロイド剤、クロモグリク酸ナトリウムおよびネドクロミルのようなクロモン(cromones)ならびに硫酸サルブタモールおよびジプロピオン酸ベクロメタゾンのようなそれらの生理学的に許容される塩およびエステルを含む。用いることができるその他の成分は、ヘパリンのような炭水化物を含む。
【0039】
活性成分は全身吸収用にすることができ、そして肺、口腔粘膜および/または鼻腔を経て投与できる。例として、Dnase、ロイコトリエンおよびインスリンのようなペプチドおよびポリペプチド、フェンタニールおよびジヒドロエルゴタミンのような鎮痛剤、抗癌剤、抗ウイルス剤および抗生物質を含む。さらに、そのような活性成分はアポモルフィンを含む。
【0040】
本発明は、あらゆる医薬的活性成分と一緒に行なわれ得る。好ましい活性成分は次のものを含む:
1)アルコメタゾン、ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、デフラザコート、ジフルコルトロン、デゾキシメタゾン、デキサメタゾン、フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオメトロン、フルチカゾン、フルチカゾン プロプリオネート、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、ナンドロロン デカノエート、硫酸ネオマシン、リメキソロン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンのようなステロイド剤;
【0041】
2)サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、フェノテロール、バンブテロール、ビトルテロール、シベナデット、メタプロテレノール、エピネフリン、イソプロテレノール、ピルブテロール、プロカテロール、テルブタリンおよびイソエタリンを含むβ2-アゴニスト、イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗ムスカリン剤、およびアミノフィリンおよびテオフィリンを含むキサンチンのような気管支拡張剤;
【0042】
3)イソソルビド モノニトレート、イソソルビド ジニトレートおよびグリセリル トリニトレートのようなニトレート剤;
【0043】
4)アゼラスチン、クロルフェニラミン、アステミゾール、セチリジン、シンナリジン、デスロラタジン、ロラタジン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、フェキソフェナジン、ケトチフェン、プロメタジン、トリメプラジンおよびテルフェナジンのような抗ヒスタミン剤;
【0044】
5)ピロキシカム、ネドクロミル、ベンジダミン、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、ヘパリノイド、クロモグリケート、ファサフンギン、ヨードキサミドおよびp38 MAPキナーゼ阻害剤のような抗炎症剤;
【0045】
6)アトロピン、ベンズアトロピン、ビペリデン、シクロペントレート、オキシブチニン、オルフェナジン、グリコピロニウム、グリコピロレート、プロシクリジン、プロパンテリン、プロピベリン、チオトロピウム、トリヘキシフェニジル、トロピカミド、トロスピウム、臭化イプラトロピウムおよび臭化オキシトロプリウムのような抗コリン作動剤;
【0046】
7)モンテルカストおよびザフィルルカストのようなロイコトリエン受容体拮抗剤;
8)ケトチフェンのような抗アレルギー剤;
【0047】
9)ベスタヒスチン、ドラセトロン、ナビロン、プロクロルペラジン、オンダンセトロン、トリフルオペラジン、トロピセトロン、ドンペリドン、ヒヨスチン、シンナリジン、メトクロプラミド、シクリジン、ジメンヒドリネートおよびプロメタジンのような制吐剤;
【0048】
10)ランレオチド、オクトレオチド、インスリン、ペグビソマント、プロチレリン、チロキシン、サルコトニン、ソマトロピン、テトラコサクチド、バソプレシンおよびデスモプレシンのような(ホルモン類縁物質を含む)ホルモン薬;
【0049】
11)アドレナリン、ノルアドレナリン、デキサムフェタミン、ジピレフィン、ドブタミン、ドペキサミン、フェニルエフリン、イソプレナリン、ドーパミン、プソイドエフェドリン、トラマゾリンおよびキシロメタゾリンのような交感神経様作用薬;
【0050】
12)ブプレノルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシペン、ジアモルフィン、コデイン、デキストロプロポシキフェン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、パパベレタム、フォルコデイン、ロペラミド、フェンタニル、メタドン、モルフィン、オキシコドン、フェナゾシン、ペチジン、トラマドールおよびそれらと制吐剤との組み合わせのようなオピオイド、好ましくは疼痛の管理のためのオピオイド;
【0051】
13)アスピリンおよびその他のサリチレート、パラセタモール、クロニジン、コジン(codine)、コプロキサモール、エルゴタミン、ガバペンチン、プレガバリン、スマトリプタンのような鎮痛剤、ならびにセレコキシブ、エトドラック、エトリコキシブおよびメロキシカムを含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs);
【0052】
14)ドネペジル、ガランタミンおよびリバスチグミンのようなアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;
15)インターフェロン(例えば、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b)およびグラチラマーのような免疫調節剤;
16)メメンチンのようなNMDA受容体拮抗剤;
【0053】
17)グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジドおよびグリキドンを含むスルホニルウレア剤、メトフォルミンを含むビグアナイド剤、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ナテグリニド、レパグリニドおよびアカルボースを含むチアゾリジンジオン剤のような血糖低下剤;
18)ナロキソンおよびペンタゾシンのような麻酔のアゴニストおよびアヘン解毒剤;
【0054】
19)テオフィリン、テオブロミン、IBMX、ペントキシフィリンおよびパパベリンを含む非特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤;ミルリノン、アムリノンおよびオルプリノンのようなビピリジン;ピロキシモンおよびエノキシモンのようなイミダゾロン;イマゾダンおよび5-メチル-イマゾダンのようなイミダゾリン;イミダゾキノキサリン;ならびにインドリダンおよびLY181512(5-(6-オキソ-1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリダジン-3-イル)-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン)のようなジヒドロピリダジノン;シロスタミド、シロスタゾールおよびベスナリノンのようなジヒドロキノリノン化合物を含むホスホジエステラーゼ3型阻害剤;シロミラスト、エタゾレート、ロリプラム、ロフルミラストおよびザルダベリンのような、およびニトラクアゾンおよびニトラクアゾン類縁物質のようなキナゾリンジオン;デンブフィリンおよびアロフィリンのようなキサンチン誘導体;アチゾラムのようなテトラヒドロピリミドン;フィラミナストのようなオキシム カーバメートを含むホスホジエステラーゼ4型阻害剤;ならびにシルデナフィル、ザプリナスト、バルデナフィル、タダラフィル、ジピリダモール、およびWO 01/19802に記載の化合物、特に(S)-2-(2-ヒドロキシメチル-1-ピロリジニル)-4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジルアミノ)-5-[N-(2-ピリミジニルメチル)カルバモイル]ピリミジン、2-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-イル)-4-(3-クロロ-4-メトキシベンジルアミミノ)-5-[N-(2-モルホリノエチル)カルバモイル]-ピリミジン、および(S)-2-(2-ヒドロキシメチル-1-ピロリジニル)-4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジルアミノ)-5-[N-(1,3,5-トリメチル-4-ピラゾリル)カルバモイル]-ピリミジンを含むホスホジエステラーゼ5型阻害剤;のようなホスホジエステラーゼ阻害剤;
【0055】
20)アミネプチン、アミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、シアノプラミン、クロミプラミン、ドスレピン、ドキセピン、トリミプラミン、クロミプラミン、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、3環系もしくは4環系のアミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、イミプラミン、イプリンドール、レボプロチリン、ロフェプラミン、マプロチリン、メリトラセン、メタプラミン、ミアンセリン、ミルタザピン、ノルトリプチリン、オピプラモール、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、セチプチリン、チアネプチンおよびトリミプラミンを含む3環系もしくは4環系抗うつ剤;クロボキサミン、デュロキセチン、ミルナシプランおよびベンラファキンを含む選択的セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRIs);シタロプラム、エスシタロプラム、フェモキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、イフォキセチン、ミルナシプラン、ノミフェンシン、オキサプロチリン、パロキセチン、セルトラリン、シブトラミン、ベンラファキシン、ビクアリンおよびジメルジンを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs);デメキシプチリン、デシプラミン、オキサプロチリンおよびレボキセチンを含む選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(NARIs);ミルタザピンを含むノルアドレナリンおよび選択的セロトニン再取り込み阻害剤(NASSAs);アミフラミン、ブロファロミン、クロルギリン、α-エチルトリプタミン、エトペリドン、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、メベナジン、メジフォキサミン、モクロベミド、ニアラミド、パルギリン、フェネルジン、フェニプラジン、ピルリンドール、プロカルバジン、ラサギリン、サフラジン、セレギリン、トロキサトンおよびトラニルシプロミンを含むモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOIs);ベナクチジンおよびジベンゼピンを含むムスカリン性拮抗剤;ブスピロン、ゲピロン、イプサピロン、タンドスピロンおよびチアスピロンを含むアザスピロンム;ならびにアメセルギド、アミネプチン、ベナクチジン、ブプロピオン、カルバマゼピン、フェゾラミン、フルペンチキソール、レボプロチリン、マプロチリン、メジフォキサミン、メチルフェニデート、ミナプリン、ネファゾドン、ノミフェンシン、オキサフロザン、オキシトリプタン、ロリプラム、シブトラミン、テニロキサジン、チアネプチン、トフェナシン、トラザドン、トリプトファン、ビロキサジン、およびリチウム塩を含むその他の抗うつ剤;のような抗うつ剤;
【0056】
21)2-メチルセロトニン、ブスピロン、イプサペロン、チアスピロン、ゲピロン、リセルグ酸ジエチルアミド、麦角アルカロイド、8-ヒドロキシ-(2-N,N-ジプロピルアミノ)-テトラリン、1-(4-ブロモ-2,5-ジメトキフェニル)-2-アミノプロパン、シサプリド、スマトリプタン、m-クロロフェニルピペラジン、トラゾドン、ザコプリドおよびメザコプリドのようなセロトニンアゴニスト;
【0057】
22)オンダンセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミド、トロピセトロン、ドラセトロン、トリメトベンズアミド、メチセルギド、リスペリドン、ケタンセリン、リタンセリン、クロザピン、アミトリプチリン、R(+)-α-(2,3-ジメトキフェニル)-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-4-ピペリジン-メタノール、アザタジン、シプロヘプタジン、フェンクロニン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、クロルプロマジンおよびミアンセリンを含むセロトニン拮抗剤;
【0058】
23)メトキサミン、メトペンテルミン、メタラミノール、ミトドリン、クロニジン、アプラクロニジン、グアンファシン、グアナベンズ、メチルドーパ、アンフェタミン、メタアンフェタミン、エピネフリン、ノルエピネフリン、エチルノルエピネフリン、フェニルエフリン、エフェドリン、プソイド-エフェドリン、メチルフェニデート、ペモリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニルエチルアミン、ドーパミン、ドブタミン、コルテロール、イソプロテレノール、イソタリン、メタプロテレノール、テルブタリン、メタラミノール、チラミン、ヒドロキシアンフェタミン、リトドリン、プレナルテロール、アルブテロール、イソエタリン、ピルブテロール、ビトルテロール、フェノテロール、フォルモテロール、プロカテロール、サルメテロール、メフェンテリンおよびプロピルヘキセドリンを含むアドレナリンアゴニスト;
【0059】
24)フェノキシベンズアミン、フェントールアミン、トラゾリン、プラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシン、トリマゾシン、ヨヒンビン、麦角アルカロイド、ラベタロール、ケタンセリン、ウラピジル、アルフゾシン、ブナゾシン、タムソロシン、クロルプロマジン、ハロペリドール、フェノチアジン、ブチロフェノン、プロプラノロール、ナンドロール、チモロール、ピンドロール、メトプロロール、アテノロール、エスモロール、アセブトロール、ボピンドロール、カルテオロール、オキシプレノロール、ペンブトロール、カルベンジロール、メドロキキサロール、ナフトピジル、ブシンドロール、レボブノロール、メチプラノノール、ビソプロロール、ネビボロール、ベタキソロール、カルテオロール、セリプロロール、ソタロール、プロパフェノンおよびインドラミンのようなアドレナリン拮抗薬;
【0060】
25)ベタニジン、デブリソキン、グアベンキサン、グアナドレル、グアナゾジン、グアネチジン、グアノクロルおよびグアノキサンのようなアドレナリン作用性ニューロン遮断薬;
【0061】
26)アルプラゾラム、ブロマゼパム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼペート、デモキセパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ハラゼパム、ケタゾラム、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパムおよびトリアゾラムのようなベンゾジアゼピン;
【0062】
27)N-アセチルシステイン、組み換えヒトDNA分解酵素、アミロライド、デキストラン、ヘパリン、脱硫酸化されたヘパリンおよび低分子量ヘパリンのような粘液溶解剤;
【0063】
28)メトロニダゾール、スルファジアジン、トリクロサン、ネオマイシン、アモキシシリン、アンホテリシン、クリンダマイシン、アクラルビシン、ダクチノマイシン、ニスタチン、ムピロシンおよびクロルヘキシジンのような抗生物質または抗菌剤;
【0064】
29)カスポファンギン、ボリコナゾール、アンホテリシンおよびニスタチンを含むポリエン抗生物質、クロトリマゾール、エコナゾール ニトレート、フルコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィンおよびミコナゾールを含むイミダゾールおよびトリアゾールのような抗真菌薬;
【0065】
30)オセルタミビル、ザナミビル、アマンタジン、イノシン プラノベクスおよびパリビズマブ、アシクロビル、アデフォビルおよびバラシクロビルを含むDNAポリメラーゼ阻害剤、ファミシクロビル、ペンシクロビルおよびイドクスウリジンを含むヌクレオシド類縁物質およびインターフェロンのような抗ウイルス剤;
【0066】
31)ワクチン;
32)免疫グロブリン;
【0067】
33)アメトカイン、ブピバカイン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プリロカイン、プロキシメタカイン、ロピバカイン、チロトリシン、ベンゾカインおよびリグノカインのような局所麻酔薬;
【0068】
34)バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン、ジアゼパム、ロラゼパム、クロナゼパム、クロバザム、プリミドン、ラモトリギン、レベチラセタム、トピラメート、ガバペンチン、プレガバリン、ビガバトリン、チアガビン、アセタゾルアミド、エトスキシミドおよびピラセタムのような抗痙攣剤;
【0069】
35)カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、ホシノプリル、イミダプリル塩酸塩、リシノプリル、モエキシプリル塩酸塩、ペリンドプリル、クイナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンジオテンシン変換酵素阻害剤;
【0070】
36)カンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン メドキソミル、テルミサルタンおよびバルサルタンのようなアンジオテンシンII受容体遮断剤;
【0071】
37)アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、フルナリジン、イスラジピン、ラシジピン、レラカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断剤;
【0072】
38)インドラミン、ドキサゾシン、プラゾシン、テラゾシンおよびモキシシレートのようなα遮断剤;
39)アデノシン、プロパフェノン、アミドダロン、酢酸フレカイニド、キニジン、リドカイン塩酸塩、メキシレチン、プロカインアミドおよびジソピラミドのような抗不整脈剤;
【0073】
40)アスピリン、ヘパリンおよび低分子量ヘパリン、エポプロステノール、ジピリダモール、クロピドグレル、アルテプラーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、セルトパリン、ヘパリン カルシウム、エノキサパリン、ダルテパリン、ダナパロイド、ホンダパリン、レピルジン、ビバリルジン、アブシキマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、チンザパリン、ワルファリン、レピルジン、フェンインジオンおよびアセノクマロールのような抗凝血剤;
【0074】
41)ニコランジル、クロマカリム、ジアゾキシド、グリベンクラミド、レブクロマカリム、ミノキシジルおよびピナシジルのようなカリウムチャネル調節剤;
【0075】
42)コレスチポール、コレスチラミン、ベザフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、シプロフィブレート、ロスバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、エゼチミベ、イスパグフラ、ニコチン酸、アシピモックスおよびオメガ-3 トリグリセリドのようなコレステロール低下剤;
【0076】
43)ブメタニド、フロセミド、トラセミド、スピロノラクトン、アミロライド、ベンドロフルメチアジド、クロルタリドン、メトラゾン、インダパミドおよびシクロペンチアジドのような利尿剤;
【0077】
44)ニコチンおよびブプロピオンのような禁煙薬;
45)アレンドロ酸ナトリウム、ナトリウム クロドロネート、エチドロネート二ナトリウム、イバンドロン酸、パミドロネート二ナトリウム、イセドロネートナトリウム、チルドロン酸およびゾレドロン酸のようなビスホスホネート剤;
【0078】
46)アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン、リスリド、ロピネロール、プラミペクソールおよびアポモルフィンのようなドーパミンアゴニスト;
【0079】
47)オリゴヌクレオチド、デコイヌクレオチド、アンチセンスヌクレオチドおよびその他の遺伝子ベースの医薬分子のような核酸医薬;
【0080】
48)クロルプロマジン、プロクロルペラジン、フルフェナジン、トリフルオペラジンおよびチオリダジンを含むドーパミン拮抗剤;脂肪族化合物、ピペリジンおよびピペラジンを含むフェノチアジン;チオキサンテン、ブチロフェノンおよび置換されたベンズアミド;クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、ゾテピン、アミスルプリドおよびアリピプラゾールを含む非定型の抗精神病薬のような抗精神病薬;および
49)あらゆる前記の医薬的に許容される塩または誘導体。
【0081】
本発明の好ましい態様において、活性成分は、(分別されたまたは未分別の)ヘパリン、アポモルフィン、クロバザム、クロミプラミンまたはグリコピロレートである。
【0082】
さらに、本発明に用いられる活性成分は、小分子、蛋白質、炭水化物またはそれらの混合物であり得る。
【0083】
活性成分の粒子は、化合物が化学的に共存できるかぎり、複数の医薬的に活性な化合物を含むか、これらからなるかまたは本質的にこれらからなり得る。
【0084】
本発明に従った製剤は、第一の医薬的活性成分を含む第一の複合粒子と第二の医薬的活性成分を含む第二の複合粒子との混合物を含み得る。製剤が複数の医薬的活性成分を含む本発明の好ましい態様において、そのよう成分の少なくとも一つはβ2-アゴニストで、もう一つはステロイドである。その他の好適な混合物は、サルメテロールとの組み合わせのサルブタモールのような異なる二つのβ2-アゴニスト、または異なる二つのステロイドを含むものを含む。
【0085】
好ましくは、噴射剤は、HFAまたはHFAの混合物を含むか、またはHFAまたはHFAの混合物からなるかもしくは本質的にHFAまたはHFAの混合物からなる。好ましいHFAは、HFA-134aおよびHFA-227であり、前者が最も好ましい。製剤は実質的にCFCを含まないのが好ましい。製剤は、二酸化炭素または窒素の酸化物のようなさらなる気体を含み得る。
【0086】
製剤は、エタノールのような補助溶剤を含み得るが、製剤が3、2、1、0.5、0.1、0.01または0.001%より少ないいかなる補助溶剤、特に極性補助溶剤およびとりわけエタノールを含むのが好ましい。特に、製剤が、そのようないかなる補助溶剤、とりわけエタノールを実質的または本質的に含まないのが好ましい。
【0087】
さらに好ましい態様において、本発明に従った製剤は、溶解した分散剤を3、2、1、0.5、0.1、0.01または0.001%より少なく含むか、または溶解した分散剤を実質的もしくは本質的に含まず、特に、PVP(ポリビニルピロリドン)を実質的にまたは本質的に含まない。
【0088】
なおさらに好ましい態様において、本発明に従った製剤は、液化噴射ガスと、医薬的活性成分と分散剤を含むかまたはこれらからなるかもしくは本質的にこれらからなる複合粒子とからなるか、または本質的にこれらからなる。
【0089】
好ましくは、活性成分の粒子の回りに形成された分散剤の被覆または殻は、1、0.5もしくは0.2μmまたはそれより小さい平均の厚さを有する。
【0090】
本発明に従った製剤は、HFA 134aと、アポモルフィンとレシチンからなる複合粒子とからなることができないのがさらに好ましい。本発明に従った製剤は、アポモルフィンとレシチンを含む複合粒子を含まないのがまた好ましい。
【0091】
融合された活性成分と分散剤の粒子は、好ましくは0.1〜100μmの間のMMADを有する。製剤が肺の下部への送達用である場合、融合された活性成分と分散剤の粒子は、約10μmまでのMMADを有する。製剤が肺の下部以外のその他の場所への送達用である場合、融合された活性成分と分散剤は、約10μmよりも大きなMMADを有する。
【0092】
製剤が肺への送達用である場合の好ましい態様において、融合された活性成分と分散剤との複合粒子のMMADは5、3または1μmにすぎない。有利には、複合粒子の少なくとも90重量%が10、5、3、2.5、2、1.5または1μm以下の直径を有する。詳細には、粒子は、肺の下部での吸収のためには3〜0.1または0.05μm、呼吸器の細気管支における吸収のためには5〜2または0.5μm、呼吸器系の上部への送達のためには10〜2μmおよび肺胞への送達のためには2〜0.05μmの範囲のMMADを有すべきである。したがって、有利には、複合粒子の少なくとも90重量%が、3〜0.1または0.05μm、好ましくは5〜2または0.5μm、有利には10〜2μmそして特に有利には2〜0.05μmの範囲の空気動力学的直径を有し得る。複合粒子のMMADは、通常、0.01μmより小さくならないであろう。
【0093】
複合粒子の粒度分布ができる限り狭い場合の製剤を有することが望まれ得る。例えば、複合粒子の空気動力学的または容積サイズ分布の幾何学的標準偏差(σg)は、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、またはさらに1.2以下である。これは用量効率および再現性を改善するだろう。
【0094】
本発明に従った方法の実施において、分散剤を医薬的活性成分の粒子の表面に融合するために要求される機械的エネルギーは、適当な粉砕装置中で行なわれる粉砕工程により供給され得る。粉砕条件、例えば粉砕強度および時間は、要求されるエネルギーの度合を供給するように選択されるべきである。ボールミル粉砕が一つの好ましい方法であり、遠心遊星形ボールミルが好ましい例である。粉砕は、高エネルギーメディアミルまたは撹拌器ビーズミル、例えばNetzch高エネルギーメディアミルまたはDYNO-ミル(Willy A. Bachofen AG, Switzerland)中で行われ得る。しかしながら、最も好ましい粉砕方法は、R. Pfefferら "Synthesis of engineered particulates with tailored properties using dry particle coating", Powder Technology 117 (2001) 40-67に記載されたものを含む。これらはMechanoFusion(登録商標)マシン、Hybidizer(登録商標)マシン、Theta Composer(登録商標)、磁気的補助装置を使った密着方法および回転流動床コーターを使用する方法を含む。Cyclomix法も使用され得る。
【0095】
好ましくは、要求される機械的エネルギーを与えるために用いられる方法は、分散剤粒子と医薬的活性成分の粒子との混合物を、MechanoFusion(登録商標)およびCyclomix装置の場合のように、粉砕マシンの二つの部分の間に形成されるニップ(nip)中で圧縮することを含む。
【0096】
以下に、いくつかの好ましい粉砕方法をより詳細に記載する。
MechanoFusion(登録商標):
名前が示すように、この乾燥被膜方法は、第一の物質を第二の物質上に機械的に融合するように設計されている。一般的に、第一の物質は第二の物質より小さくかつ/または軟らかい。MechanoFusionおよびCyclomix作業原理は、内部の部品(element)と容器の壁の間に特別な相互作用を有する点で、代わりの粉砕方法と異なっており、それは、制御されかつ実質的な圧縮力によってエネルギーを供給することに基づいている。
【0097】
細かい活性な粒子および分散剤の粒子が、MechanoFusion駆動容器に供給され、そこで、遠心力にさらされ、容器の内壁に押し付けられる。粉末は、ドラムと部品間の高い相対速度で、ドラム壁の固定されたクリアランスと曲げられた内部の部品との間に圧縮される。内壁と曲げられた部品は一緒になって、粒子が一緒に押し付けられる間隙またはニップを形成する。その結果、粒子は、内部ドラム壁および(内部ドラム壁より大きな曲率を有する)内部部品の間に補足されるように、非常に大きな剪断力および非常に強い圧縮応力を受ける。粒子は、コア粒子の回りで分散剤の粒子を局部的に暖めかつ軟らかくし、壊し、曲げ、平たくしそして巻きつけるのに十分なエネルギーで、激しく互いに衝突し被覆を形成する。そのエネルギーは、一般的に、凝集物を粉砕するのに十分であり、両成分のある度合でのサイズ減少を起こし得る。活性な粒子上に分散剤の付加粒子の組み込みおよび融合が起こり得る、そしてそれは二つの成分の硬さ(および場合によってはサイズ)における相対的差異により容易になり得る。容器の外側かあるいは内部の部品のどちらかが、相対運動を与えるために回転し得る。これらの表面間の間隙は比較的小さく、それは典型的には10 mm未満で、好ましくは5 mm未満で、さらに好ましくは3 mm未満である。この間隙は一定であり、その結果、ミルのいくつかの他の形態、例えばボールやメディアミルで与えられるより、圧縮エネルギーをうまく制御できる。また、一般的に、粉砕メディア表面の埋伏は存在しないので、摩耗およびその結果の汚染が最小限に抑えられる。回転速度は、200〜10,000 rpmの範囲にあるのがよい。スクレーパは容器表面に形成されるあらゆるケーク物質を粉砕するために存在してもよい。これは細かい粘着性の出発物質を用いるときに、特に有利である。局部温度は、ドラム容器の壁に切り刻まれた加熱/冷却の構造(heating/cooling hacked built)の使用により制御され得る。粉末は導管により再循環され得る。
【0098】
Cyclomix法(Hosokawa Microm):
Cyclomixは、壁に近接して動くパドルを備えた高速シャフトを有する固定された円錐状の容器を含む。パドルの高速回転速度により、粉末は壁のほうへ飛ばされ、その結果、混合物は、壁とパドル間で非常に大きな剪断力および圧縮応力を受ける。そのような効果は、前記のようなMechanoFusionにおけるものと同様であり、活性な粒子の回りで分散剤の粒子を局部的に暖めかつ軟らかくし、壊し、曲げ、平たくしそして巻きつけるのに十分であり、被覆を形成し得る。そのエネルギーは凝集物を粉砕するのに十分であり、条件および粒子のサイズおよび性質に依存して、両成分のある程度のサイズ減少を起こし得る。
【0099】
Hybridiser(登録商標)法:
これは、ある粉末をもう一つのものに組み込むかまたは被膜する製品として記載され得る乾燥方法である。規則正しい混合物を形成するために、細かい活性な作用物および分散剤の細かいかまたは超細かい粒子が、慣用の高剪断混合機の予備混合系中に供給される。次に、この粉末がHybridiserに供給される。その粉末は、ステーター容器内の高速回転子上の翼板により強い衝撃が与えられるので、超高速衝突、圧縮および剪断を受け、そして容器内を再循環させられる。活性な粒子および付加的な粒子は互いに衝突する。典型的な回転速度は、5,000〜20,000 rpmの範囲である。分散剤の比較的軟らかく細かい粒子は、活性な粒子の回りで軟らかくなり、壊れ、曲がり、平たくなりそして巻きつくのに十分な衝撃力を受け、被覆を形成する。活性な粒子の表面への幾分の埋め込みもあり得る。
【0100】
言及したように、その他の好ましい方法は、表面間に所望の高剪断力および圧縮応力を与えることもできるボールおよび高エネルギーメディアミルを含む。しかしながら、クリアランス間隙が制御されないので、被覆工程が、MechanoFusionにおけるよりうまく制御できず、望まないある程度の再凝集のようないくつかの問題が起こり得る。これらのメディアミルは、本質的に、回転性、振動性、撹拌性、遠心性または遊星性であり得る。
【0101】
第三の観点において、本発明は、本発明の第一の観点に従った医薬製剤を含み、エアゾールまたはスプレーの形態で医薬製剤を送達するための医薬装置を提供する。好ましくは、その装置は慣用のpMDI、例えばWO92/11190、US-A-4,819,834およびUS-A-4,407,481に開示されているような装置である。この装置は、製剤の肺、鼻腔、口腔または皮膚への送達のために適応され得る。好ましくは、その装置は製剤の肺への送達のために適応される。
【0102】
実在物が、一つの特定の処方成分もしくは成分、または複数の処方成分もしくは成分を含む(including)かまたは構成される(comprising)として記載される場合、それは、実施態様において、その同一の処方成分または成分からなる(consist)かまたは本質的からなり得る。
【実施例】
【0103】
実施例1
Andersonカスケードインパクター(Cascade Impactor)研究
インパクター研究は、CCL被覆缶の50μlバルブを用いて行なわれた。各缶は50μl中に100μg分量を与えるように作成された。最終pMDI中の成分は、メカノフューズされた(MechanoFused)製剤とHFA 134a噴射剤だけであった。製剤および充填された缶の調製の詳細は以下を参照。
【0104】
浪費のために試験前に5ショットが噴射され、試験当たり10ショットが行なわれた。たった一回の試験が各製剤に対して行われた。流速28.3 l/分。結果を次に要約する。
【0105】
【表1】

*細粒分量および細粒画分は5μmより小さい量を言う。
【0106】
20ショットから寿命までの研究
ショット重量が、UFP030902SBA缶中のVPR030818HHAに対して、アクチュエータオリフィスが閉塞する傾向にある問題に取り組むために、0.30 mmアクチュエータおよび0.42 mmアクチュエータを用いて試験した。
0.30 mmアクチュエータ:
21〜40ショット、平均ショット重量0.0637g、標準偏差0.001437、RSD 2.25%
0.42 mmアクチュエータ
46〜65ショット、平均ショット重量0.0646g、標準偏差0.000976、RSD 1.51%
【0107】
密度測定
物質の約5gを計量シリンダーに入れ、容積を記録した。盛込密度を計算した。計量シリンダーは100回トラップされ、容積を記録した。トラップは一定容積になるまで繰り返され、盛込密度を計算した。用いられた装置はStampf Volumeter STA V2003であった。
【0108】
【表2】

【0109】
粉末製剤の調製
使用された物質
硫酸サルブタモール(Micron Technologies バッチ019744)
レシチン S PC-3(3000rpmで1分間、Grindomix中で調製されたLipoid バッチ256113-1/14)
レシチン S 100-3(3000rpmで1分間、Grindomix中で調製されたLipoid バッチ2540565-1)
【0110】
使用された装置
1mmの間隙ローターを有するHosokawa AMS-MINI(MechanoFusion(登録商標))
Retsch Grindomix GM200
【0111】
VPR030818HHA
粉末調製:
硫酸サルブタモール(12.0 g)およびレシチン S PC-3(4.0 g)をビーカー中に計量した。その粉末を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINIに移した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間50%で運転した。装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。回収率は91重量%であった。
【0112】
VPR030819HHA
粉末調製:
硫酸サルブタモール(14.4 g)およびレシチン S 100-3(1.6 g)をビーカー中に計量した。その粉末を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINIに移した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間50%で運転した。装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。回収率は88重量%であった。
【0113】
VPR030819HHB
粉末調製:
硫酸サルブタモール(14.0 g)およびレシチン S 100-3(4.0 g)をビーカー中に計量した。その粉末を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINIに移した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間50%で運転した。装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。回収率は92重量%であった。
【0114】
缶の調製
VPR030818HHA
缶に粉末(0.0265 g)を計量し、
缶に50μlバルブを圧着し、
HFA 134a(12.2710 g)を缶に計量した。
【0115】
VPR030819HHA
缶に粉末(0.0222 g)を計量し、
缶に50μlバルブを圧着し、
HFA 134a(12.2040 g)を缶に計量した。
【0116】
VPR030819HHB
缶に粉末(0.0268 g)を計量し、
缶に50μlバルブを圧着し、
HFA 134a(12.2121 g)を缶に計量した。
【0117】
実施例2
安定性のためのメカノフューズされたサルブタモールpMDI製剤における安定性試験
懸濁pMDI製剤の調製
VPR030818HHA
懸濁剤:
粉末(0.0267 g)をガラスキャニスターに計量し、連続フローBespakバルブをキャニスターに圧着し、加圧下にHFA 134a(12.2 g)を注入した。キャニスターを超音波浴中に置き、10分間超音波処理した。
【0118】
VPR030819HHA
懸濁剤:
粉末(0.0222 g)をガラスキャニスターに計量し、連続フローBespakバルブをキャニスターに圧着し、加圧下にHFA 134a(12.2 g)を注入した。キャニスターを超音波浴中に置き、10分間超音波処理した。
【0119】
VPR030819HHB
懸濁剤:
粉末(0.0267 g)をガラスキャニスターに計量し、連続フローBespakバルブをキャニスターに圧着し、加圧下にHFA 134a(12.2 g)を注入した。キャニスターを超音波浴中に置き、10分間超音波処理した。
【0120】
方法論
ガラスキャニスターは軽く振られ、0、30、60、120分後に写真が撮られた。次いで、それらは40℃で1週間保管され、軽く振られ、0、30、60、120分後に写真が撮られた。その写真を図1に示す。
図1から判るように、40℃で1週間の保管後、製剤における顕著な変化は観察されなかった。
【0121】
実施例3
Malvern Mastersizerを用いた分散度試験
各粉末をMalvern Scirocco分散器中、2、1、0.5および0.1バールで別々に分散し、Malvern Mastersizer 2000を用いて分析した。各圧力に対応する分散グラフが重ねられ、製剤に対する一つの分散度グラフが得られた。d50およびd97バルブもまた、分散圧力に対してプロットされた。図2に示す。
全ての製剤は、出発物質(硫酸サルブタモール)と比較したとき、すべての圧力でd50およびd97に対してより小さな値を有し、すべての圧力でより良い分散を示した。
【0122】
実施例4
物質
硫酸サルブタモールは微粉の形態で得られた。分散剤(DAs)は次のとおりである:L-ロイシンは味の素(株)から、レシチン(SPC-3)はLipoid GmbHから、そしてステアリン酸マグネシウムはAvocadoから供給された。全て供給されたままで用いられた。
【0123】
粉末製剤の調製
薬物とDAs(5重量%FCA)のブレンドが、1mmのローター間隙を有するMini Kit(Hosokawa-Alpine, Augsburg, ドイツ)を用いるMechanofusion系を用いて調製された。加工される粉末は、Mechanofusion系コア中にシールされた。組み込まれたウォーター・ジャケットを用いる冷水の循環が、容器内の温度の制御を保証する。試料は、DAを微粉の薬物に機械的に融合するために、10分間、80%の全速力(〜5000 rpm)でブレンドされた。
【0124】
pMDIsの調製
純粋な微粉の硫酸サルブタモール薬物またはロイシン、レシチンもしくはステアリン酸マグネシウムと一緒にメカノフューズされた薬物を含む粉末をpMDI缶に計量した。計量バルブを缶に圧着し、缶をHFA 134a噴射剤で埋め戻した。各缶は分散を生じるために激しく振られた。
【0125】
pMDIsのインビトロでの測定
Andersonカスケードインパクターが、四つの異なる懸濁pMDIsから生じるエアゾール柱状噴流を特徴付けるために用いられた。1分間に28.3リッターの気流がインパクターを通して引き出され、10回の反復ショットが噴射された。各pMDIは振られ、各作動の間で重量が計られた。インパクターの各段階で堆積された薬物ならびに装置、スロート(throat)およびゴム製マウスピースアダプター上の薬物が、溶媒中に集められ、HPLCで定量化された。測定は各四つの懸濁に対して3回繰り返された。
【0126】
計量分量(MD)、噴出分量(ED)、細粒分量(FPD)および噴出分量の細粒画分(FPF)の値が測定された。FPDは3段階以下で集められた蓄積分量が採用され、FPFはFPDをEDで割ったパーセントで表わされた。
【0127】
【表3】

【0128】
実施例5
この実施例は、本発明に従った製剤に用いられるのに最適な種々の複合粒子粉末の調製を記載する。これらの粉末は、実施例1、2および4のいずれにおいて記載されたようにpMDIsを製造するために用いることができる。
【0129】
実施例5.1:ステアリン酸マグネシウムとメカノフューズされたブデソニド
ステアリン酸マグネシウムおよびブデソニドのブレンドは、約4000 rpmで60分間行なわれるブレンドにより、Hosokawa AMS-MINIを用いるMechanofusionにより調製された。用いられたステアリン酸マグネシウムは、Avocado Research Chemicals Ltd.より供給された標準グレードであった。ブデソニドは微粉にされた。
【0130】
ブデソニドおよびステアリン酸マグネシウムのブレンドは、ステアリン酸マグネシウムの異なる重量パーセントで調製された。5重量%および10重量%のブレンドが調整された。
【0131】
実施例5.2:ステアリン酸マグネシウムとメカノフューズされたクロミプラミンの調製
微粉にされたクロミプラミンおよびステアリン酸マグネシウム2%を含む混合物(20 g)を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINI Mechanofusion系中に計量した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間80%で運転した。装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。
【0132】
実施例5.3:メカノフーズされたアポモルフィンとロイシン
微粉にされたアポモルフィン(15 g)およびロイシン(0.75 g)を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINI Mechanofusion系中に計量した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間80%で運転した。次いで、装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。
【0133】
実施例5.4:メカノフーズされたクロミプラミンおよびステアリン酸マグネシウム
微粉にされたクロミプラミン95%およびステアリン酸マグネシウム5%を含む混合物(20 g)を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINI Mechanofusion系中に計量した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間80%で運転した。次いで、装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。
【0134】
実施例5.5:メカノフューズされたテオフィリンおよびステアリン酸マグネシウム
微粉にされたテオフィリン95%およびステアリン酸マグネシウム5%を含む混合物(20 g)を、蓋の大きな口に取り付けられたロートから、3.5%で運転する装置を有するHosokawa AMS-MINI Mechanofusion系中に計量した。口をシールし、冷却水のスイッチが入れられた。装置を5分間20%、次いで10分間80%で運転した。次いで、装置のスイッチを切り、解体し、生じた製剤を機械的に回収した。
【0135】
この実施例で用いられた活性成分、テオフィリンは、ホスホジエステラーゼ3型、4型もしくは5型阻害剤を含むその他のホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにその他の非特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤と置き換え得る。
【0136】
実施例5.6:ジェットミルされたクロミプラミンおよびステアリン酸マグネシウム
微粉にされたクロミプラミン95%およびステアリン酸マグネシウム5%を含む混合物(20 g)がHosokawa AS50ジェットミル中でコジェットミル(co-jet milled)される。
【0137】
この実施例のクロミプラミンと置き換えることを目的として、多くの微粉にされた薬物がステアリン酸マグネシウムとコジェットミルされる。これらの微粉にされた薬物は、ブデソニド、ホルモテロール、サルブタモール、グリコピロレート、ヘパリン、インスリンおよびクロバザムを含む。前記の活性成分のクラスおよび具体的な例を含むさらなる化合物が適当と考えられる。
【0138】
実施例5.7:ジェットミルされた気管支拡張薬およびステアリン酸マグネシウム
微粉にされた気管支拡張薬95%およびステアリン酸マグネシウム5%を含む混合物(20 g)がHosokawa AS50ジェットミル中でコジェットミルされる。
【0139】
実施例6
粉末表面の化学的分析
この分析の目的は、共微粉にされた(co-micronised)活性成分のモデルの表面にステアリン酸マグネシウムが存在することを確認することである。モデル粉末は、一つは慣用な医薬のブレンド方法を表わし、もう一つは本発明の主題である強力なMechanofusion法である二つの異なる方法で加工された。この目的は、表面被覆効率の対比を示すことであった。微粉にされた活性成分の粒子を代表するモデル物質は、微粉にされた乳糖であった。
【0140】
粉末は、TOF-SIMSおよびXPSの両方を用いて分析された。TOF-SIMSは表面の最も外側1 nmのマススペクトルを与え、乳糖のステアリン酸マグネシウム被覆が完全かまたは部分的であるかを評価するためにここで用いられる。XPSは試料の表面の最も外側10 nmを表わすスペクトルを与え、TOF-SIMSデータと対照的に、乳糖表面のステアリン酸マグネシウムの被覆の深さを評価するためにここで用いられる。
【0141】
さらに、粉末は、Zetasizer 3000HS機器(Malvern Instruments Ltd, UK.)を用いて研究された。各試料はシクロヘキサン中で試験され、ゼータ電位の測定が得られた。
【0142】
次の粉末試料が試験のために調製された:
乳糖;
Turbula混合機により混合された乳糖/ステアリン酸マグネシウム19/1;および
Mechanofusionにより混合された乳糖/ステアリン酸マグネシウム19/1。
【0143】
TOF-SIMS
SIMSは表面の最も外側1 nmの高解像度分解能マススペクトルを生じることができる定性的な表面分析方法である。
【0144】
簡単に言えば、SIMS法は、一次イオンビーム(例えば、セシウムまたはガリウム)を試料表面に衝突させること含む。これらのイオンの表面の原子および分子との衝突は、それらへのエネルギーの移動を招き、表面からそれらの放出を引き起こす。表面から放出された粒子のタイプは、陽イオンおよび陰イオン(二次イオンと呼ばれる)、中性種および電子を含む。二次イオンのみSIMSで測定される。試料に適用されるバイアスのタイプにより、陽イオンまたは陰イオンのどちらかがマス分析計の方へ導かれる。次に、これらのイオンが、電荷に対する質量の比(m/z)に関して分析され、m/zに対して検知された計数の陽イオンまたは陰イオンマススペクトルを生じる。異なるフラグメントは、表面の異なる成分の診断になるだろう。TOF-SIMSは、慣用のSIMS法に比較して、感度(<<100万分の1(ppm)の感度)、マス分解能およびマスの範囲が増加した先進の方法である。静的モードで運転するSIMSは、表面の一番上の単層の化学的組成を測定するために用いられた。静的SIMS条件下、一次イオン線量は限定されるので、ラスタード(rastered)イオンビームで分析される試料の領域は統計的に一度だけビームに曝され、生じたスペクトルは初期の表面を表わす。
【0145】
Turbulaで混合された試料(Turbulaで混合された乳糖/ステアリン酸マグネシウム 19/1)のTOF-SIMS分析は、陽イオンおよび陰イオンマススペクトルの両方において、以下の表に示したように乳糖およびステアリン酸マグネシウムの両方の存在を示した。スペクトルにおける乳糖の存在は、ステアリン酸マグネシウムの表面被覆が不完全であることを示している。
【0146】
Mechnofusionで混合された試料(Mechanofusionでコミルされた(co-milled)乳糖/ステアリン酸マグネシウム 19/1)のTOF-SIMS分析も、陽イオンおよび陰イオンマススペクトルの両方で乳糖およびステアリン酸マグネシウムの両方の存在示した(次の表を参照)。スペクトルにおける乳糖の存在は、ステアリン酸マグネシウムの表面被覆が不完全であることを示している。
【0147】
【表4】

【0148】
SIMSスペクトルは定量的ではなく、それゆえに、ピークの強度は表面被覆の度合を示すと解釈できないことに注意することが重要である。
【0149】
XPS
XPSは、表面の最も外側10 nmにおける異なる化学種の量を計ることができる表面分析方法である。分析の最も単純な形態において、XPSは、存在する各元素の相対量を測定する。定量的元素識別は、1000分の1原子に至るまで行なうことができる。存在する全ての元素は、水素以外は検出することができる。元素分析は、表面汚染物質の量を測定することにおいてか、または特異なタイプの元素を有するあらゆる表面種を定量するために必須であり得る。
【0150】
Turbulaで混合された乳糖/ステアリン酸マグネシウム 19/1試料のXPS分析は、乳糖の表面上のマグネシウムの存在を明らかにし、ステアリン酸マグネシウムの存在を示した。表面のマグネシウムの存在パーセントを用いて、ステアリン酸マグネシウムは、試料表面の最も外側10 nmからの全シグナルの20%に寄与することが計算される。炭素1s包被に適合するピークは、表面に存在する官能性の確認と定量を可能にする。表面でのC-H/C-C炭素中心における明らかな増加は、ステアリン酸マグネシウムの被覆であるとされ、マグネシウムの存在度から予測されるそれと同じようなシグナル強度を示す。
【0151】
乳糖/ステアリン酸マグネシウム 19/1のMechanofusionで混合された試料のXPS分析もまた、マグネシウムの存在度および純粋な乳糖で見られる以上のC-C/C-H官能性の増加の両方により、乳糖表面のステアリン酸マグネシウムの存在を示す。スペクトルにおけるマグネシウムのパーセントを用いて、ステアリン酸マグネシウムは試料表面の最も外側10 nmからのシグナルの61.5%に寄与することが計算される。同じような度合の増加が、C-C/C-H被覆に対して観察される。
【0152】
乳糖の表面に存在するカルボキシ官能性は、表面汚染物質に帰する可能性が最も高く、したがって、カルボキシ基は、ステアリン酸マグネシウム被覆の度合を評価するために使用されない。しかしながら、二つの混合試料に対して、カルボキシ官能性の程度は、マグネシウムと同じ傾向を示し、C-C/C-Hが増加する。
【0153】
Mechanofusionで混合された試料は、Turbulaで混合された試料より、表面でのステアリン酸マグネシウムの量の顕著な増加を示した。この違いは、ステアリン酸マグネシウムの被覆の厚さまたはTOF-SIMS分析により実証されるように不完全な被覆を与える表面被覆の増加のどちらかを反映しているのであろう。
【0154】
【表5】

【0155】
結論として、混合された二つの試料は、ステアリン酸マグネシウムの不完全な被覆だが、表面の最上層10 nmにおいて、Turbula試料よりMechanofusionで混合された試料のほうが約3倍多く存在するステアリン酸マグネシウムで被覆されていることを示している。
【0156】
ゼータ電位
Zetasizerはゼータ電位を測定する。これは、剪断機の流体力学的平面における、懸濁液中粒子の電位の測定である。その結果を次に要約する:
【0157】
【表6】

【0158】
各結果は、10回測定の平均である。そのデータは図7にある。この方法は、表面被覆工程の関数として、ステアリン酸マグネシウムの改良された被覆が、増えていく負のゼータ電位によって示される、ゼータ電位測定における明らかな差異を示す。
【0159】
これらの結果は、例えばTurbula混合機のような低剪断混合機を用いて、慣用の混合またはブレンドすることにより、細かいか極めて細かい担体または活性な粒子に付加的物質を適用することは、粉末の性能において、本発明によるコミル(co-milling)方法の使用と同じ改善を提供しないことを示す。後者の方法は、活性または担体粒子の表面に付加的物質を事実上融合するようである。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】メカノフューズされたサルブタモールpMDI製剤における安定性試験の結果を示した写真である。
【図2】Malvern Mastersizerを用いた分散度試験の結果を示したグラフである。
【図2−1】

【図2−2】

【図1−1】

【図1−2】

【図2−3】

【図2−4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化噴射ガス、固形微粒子状の医薬的活性成分、および医薬的活性成分の粒子表面に融合した分散剤を含む、エアゾールまたはスプレーの形態にある送達用医薬製剤。
【請求項2】
融合した分散剤と医薬的活性成分とが固形複合粒子を形成する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記粒子が、液化噴射ガス中に懸濁しているかまたは懸濁され得る、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
各粒子が、少なくとも部分的に分散剤で被覆された医薬的活性成分の粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項5】
分散剤が、前記の医薬的活性成分の各粒子の回りに少なくとも部分的な被覆または殻を形成し、該殻または被覆が医薬的活性成分の表面積の少なくとも50、70、80、90または95%を覆う、請求項4に記載の医薬製剤。
【請求項6】
医薬的活性成分の粒子の回りに形成される分散剤の被覆または殻が、1、0.5もしくは0.2μmまたはそれらより小さい平均厚さを有する、請求項5に記載の医薬製剤。
【請求項7】
実質的にCFCを含まない、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項8】
極性補助溶剤を3、2、1、0.5、0.1、0.01もしくは0.001%未満含むか、または極性補助溶剤を実質的に含まない、請求項1〜7のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項9】
補助溶剤を3、2、1、0.5、0.1、0.01もしくは0.001%未満含むか、または補助溶剤を実質的に含まない、請求項1〜8のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項10】
溶解した分散剤を3、2、1、0.5、0.1、0.01もしくは0.001%未満含むか、または溶解した分散剤を実質的に含まない、請求項1〜9のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項11】
液化噴射ガスと、医薬的活性成分および分散剤を含むか、またはこれらからなるか、もしくは本質的にこれらからなる複合粒子とからなるか、または本質的にこれらからなる、請求項1〜10のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項12】
融合した医薬的活性成分と分散剤との粒子が0.1〜100μmのMMADを有する、請求項1〜11のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項13】
融合した医薬的活性成分と分散剤との粒子が約10μmまでのMMADを有する、請求項1〜12のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項14】
融合した医薬的活性成分と分散剤との粒子が約10μmより大きいMMADを有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項15】
固形微粒子状の医薬的活性成分の粒子の表面に分散剤を融合すること、ならびに固形微粒子状の医薬的活性成分および分散剤を液化噴射ガスと混合することを含む、請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬製剤の製造方法。
【請求項16】
分散剤を微粒子状の医薬的活性成分に融合させる前、その間および/またはその後に、液化噴射ガスを分散剤および微粒子状の医薬的活性成分と混合する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
固形分散剤を医薬的活性成分の粒子と接触させ、接触している分散剤と医薬的活性成分の粒子に、それらの間で融合が生じるのに十分な機械的エネルギーを適用することを含む方法により、分散剤を医薬的活性成分の固形粒子の表面に融合させる、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
分散剤を医薬的活性成分の粒子の表面に融合させて、固形複合粒子を形成する、請求項15〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
各複合粒子が、液化噴射ガス中に懸濁され得る分散剤で少なくとも部分的に被覆された医薬的活性成分の粒子を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
機械的エネルギーが分散剤と活性成分の粒子との混合物に適用される、請求項15〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】
機械的エネルギーが分散剤と活性成分の粒子との乾燥混合物に適用される、請求項15〜20のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
機械的エネルギーが、接触している分散剤と活性成分の粒子とに適用される同時圧縮応力と剪断力の形で供給される、請求項15〜21のいずれか一つに記載の方法。
【請求項23】
分散剤が、請求項15〜22のいずれか一つに記載の方法が行なわれる温度範囲内で医薬的活性成分よりも軟性および/または展性である、請求項15〜22のいずれか一つに記載の方法、または請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項24】
分散剤が、20〜80℃の範囲の温度で医薬的活性成分よりも軟性および/または展性である、請求項15〜23のいずれか一つに記載の方法、または請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項25】
接触している分散剤と医薬的活性成分の粒子とに機械的エネルギーを適用することにより、分散剤が変形され、医薬的活性成分の粒子の表面に広げられて融合できるように、分散剤が医薬的活性成分と比較して十分に軟性でかつ展性である、請求項15〜24のいずれか一つに記載の方法、または請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項26】
分散剤が医薬的活性成分の粒子の表面に広がって少なくとも部分的に被覆するように、分散剤粒子を軟らかくしそして/または変形させるのに十分な機械的エネルギーが、接触している分散剤と医薬的活性成分の粒子に適用される、請求項20〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項27】
分散剤の粒子が医薬的活性成分の粒子より小さく、各複合粒子が、医薬的活性成分の一つの粒子表面に融合した複数個の分散剤粒子を含む、請求項15〜26のいずれか一つに記載の方法。
【請求項28】
活性成分の粒子のMMADが0.1〜100μmの間であり、分散剤粒子のMMADが1μmを超えない、請求項15〜27のいずれか一つに記載の方法。
【請求項29】
医薬的活性成分の粒子のMMADに対する分散剤粒子のMMADの比が1:10以上、好ましくは1:20以上、より好ましくは1:100以上である、請求項15〜28のいずれか一つに記載の方法。
【請求項30】
請求項15〜29のいずれか一つに記載の方法により製造された、または製造され得る、請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項31】
分散剤と活性成分との間の結合が物理的である、請求項1〜14および30のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項32】
分散剤と活性成分との間の結合が、医薬的活性成分による分散剤の物理的吸着および/またはその逆を含む、請求項31に記載の医薬製剤。
【請求項33】
分散剤が液化噴射ガスに実質的に溶解しない、請求項1〜32のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項34】
分散剤が医薬的活性成分の粒子の表面自由エネルギーを減少させる、請求項1〜33のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項35】
分散剤が少なくとも約5500または6000の分子量を有する、請求項1〜34のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項36】
複合粒子が60重量%未満の分散剤を含む、請求項1〜35のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項37】
複合粒子が40〜0.25、30〜0.5、20〜2、10〜2または8〜3重量%の分散剤を含む、請求項1〜36のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項38】
分散剤が付着防止物質である、請求項1〜37のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項39】
分散剤が一以上のアミノ酸、アミノ酸誘導体、ペプチド、ペプチド誘導体、ステアリン酸金属塩、パルミチン酸金属塩、界面活性剤、造膜剤、脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂質、脂質様物質、レシチンまたはリン脂質を含む、請求項1〜38のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項40】
分散剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1〜39のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項41】
噴射剤がHFAもしくはHFAの混合物を含むか、またはHFAもしくはHFAの混合物からなるか、あるいは本質的にHFAまたはHFAの混合物からなる、請求項1〜40に記載の製剤または方法。
【請求項42】
HFAがHFA-134aおよび/またはHFA-227である、請求項41に記載の製剤または方法。
【請求項43】
医薬的活性成分が、一以上の:ステロイド剤、β2-アゴニスト、抗ムスカリン薬またはキサンチンのような気管支拡張剤;ナイトレート;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗コリン作動剤;ロイコトリエン受容体拮抗剤;抗アレルギー剤;制吐剤;(ホルモン類縁物質を含む)ホルモン剤;交感神経作用薬;オピオイド;サリチレートような鎮痛剤または非ステロイド系抗炎症薬;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;免疫調節剤;NMDA受容体拮抗剤;スルホニルウレア剤、ビグアナイド剤またはチアゾリジンジオン剤のような血糖低下剤;麻酔のアゴニストまたはアヘン解毒剤;非特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤またはホスホジエステラーゼ3型、4型もしくは5型阻害剤のようなホスホジエステラーゼ阻害剤;3環系もしくは4環系抗うつ剤、選択的セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリンおよび選択的セロトニン再取り込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、ムスカリン性拮抗剤またはアザスピロンのような抗うつ剤;セロトニンアゴニスト;セロトニン拮抗剤;アドレナリンアゴニスト;アドレナリン拮抗薬;アドレナリン作用性ニューロン遮断薬;ベンゾジアゼピン;粘液溶解剤;抗生物質または抗菌剤;抗真菌薬;抗ウイルス剤;ワクチン;免疫グロブリン;局所麻酔薬;抗痙攣薬;アンジオテンシン変換酵素阻害剤;アンジオテンシンII受容体遮断剤;カルシウムチャネル遮断剤;α遮断剤;抗不整脈剤;抗凝血剤;カリウムチャネル調節剤;コレステロール低下剤;利尿剤;禁煙薬;ビスホスホネート剤;ドーパミンアゴニスト;核酸医薬;抗精神病薬;および医薬的に許容されるそれらの塩または誘導体である、請求項1〜42のいずれか一つに記載の製剤または方法。
【請求項44】
請求項1〜14、23〜25および30〜43のいずれか一つに記載の医薬製剤を含む、エアゾールまたはスプレーの形態にある医薬製剤を送達するための医療装置。
【請求項45】
請求項1〜14、23〜25および30〜43のいずれか一つに記載の製剤の治療的または予防的に有効な量を、請求項44に記載の装置を任意に用いて、患者に投与することを含む、患者の治療方法。
【請求項46】
請求項1〜14、23〜25および30〜43のいずれか一つに記載の医薬製剤を含む、pMDI装置の使用に適した缶。
【請求項47】
計量バルブをさらに含む、請求項46に記載の缶。

【公表番号】特表2008−521788(P2008−521788A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542134(P2007−542134)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/GB2005/050220
【国際公開番号】WO2006/059152
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(502357880)ヴェクトゥラ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】