説明

半導体ウェーハ処理システムのシャワーヘッドのための上下続きの2つのガスのフェースプレート

【課題】処理領域に達する前にガスを混合することなく、シャワーヘッドへのガスを密閉するためOリングを使用することなく、処理ガスに少なくとも2つのガスを供給するシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】シャワーヘッドのための上下続きのガス分配フェースプレートは、第1表面、第2表面、及び第3表面を含み、第1表面と第2表面の間で上下続きのガス分配フェースプレートを通って延びる複数の第1ガス孔を備えている。上下続きのガス分配フェースプレートは複数の相互連結溝により規定された内部ガスの分配空洞部を有している。複数の第2ガス孔は第1表面の間で上下続きのガス分配フェースプレートを通って複数の相互連結溝に延びている。相互連結溝は少なくとも1つのガス導管に順番に接続されるプレナムに滑らかに結合されている。ガス導管は第3表面に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、1998年6月16日に出願された従来の共有特許出願 No.09/098,969の一部継続出願である。
【0002】
本出願は半導体ウェーハ処理システム、特に、半導体ウェーハ処理システムの反応チャンバーに少なくとも2つの処理ガスを供給するためのガスの分配シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、半導体ウェーハ処理システムは処理チャンバーを含み、処理領域の近くのチャンバー内に半導体ウェーハを支持するための台を有している。チャンバーは部分的に処理領域を規定する真空の囲いを形成する。ガスの分配体又はシャワーヘッドは処理領域に1以上の処理ガスを供給する。その後、ガスは加熱され、及び又はプラズマを形成するためにエネルギーを供給され、ウェーハに一定の処理を行う。これらの処理は化学気相成長法(CVD)を含んでいてもよく、ウェーハに膜を堆積し、又はエッチング反応し、ウェーハから材料を除去する。
【0004】
複数のガスを必要とする処理において、一般に、ガスは混合チャンバー内で結合され、その後、導管を介してシャワーヘッドに結合される。例えば、処理ガスとして四塩化チタン(TiCl4)及びアンモニア(NH3)を使用する窒化チタンの堆積において、2つの処理ガスはヘリウム及び水素の搬送ガスと共に混合チャンバーに供給され、それらは結合され、ガス混合物を形成する。その後、ガス混合物は導管を通って分配プレートに結合され、プレートはガス混合物が処理ガスに均一に分配されるように複数の孔を含んでいる。ガス混合物が処理領域に入り、エネルギーを注がれると、四塩化チタンがアンモニアと化学的に反応し(すなわち、TiCl4がNH3により減少され)、窒化チタンを作り出すように四塩化チタンとアンモニアの間に化学反応が起こる。窒化チタンは化学気相成長反応でウェーハに堆積される。
【0005】
他の2つのガスの化学気相成長反応はアンモニアと結合してテトラジエチルアミノチタニウム(TDEAT)を熱分解し、窒化チタンを作り出し、アンモニア又は窒素と水素の混合物と結合してテトラジメチルアミノチタニウム(TDMAT)を熱分解し、又は水素(H2)を使用して六フッ化タングステン(WF6)を還元し、タングステンを作り出す。これらのいずれかの場合及びウェーハを作るために2以上のガスを必要とする他の場合において、複数のガスが処理領域の均一に供給される必要がある。
【0006】
一般に、処理領域に放出する前にガスを混合し、ガスが処理領域に均一に分配されることを保証するのが好都合であるが、ガスは、混合チャンバー内で還元を開始、又はそうでなければ反応する傾向がある。その結果として、混合チャンバー、導管及び他のチャンバー構成部品の堆積又はエッチングはガス混合物が処理領域に達する前に起こってもよい。さらに、生成物による反応はチャンバーガスの搬送部品で蓄積されてもよい。
【0007】
ガスが分配プレートを出て、処理領域に入るまで、別々の通路にガスを維持する努力において、1997年1月21日に発行された米国特許 No.5,595,606(’606特許)は、ガスが分配プレートを出て、処理領域に入るまで、表面上は別々の通路に2つのガスを維持するシャワーヘッドを形成する複数のブロックの積み重ねを開示している。そのように、ガスはウェーハ近くの処理に達するまでお互いに混合又は反応しない。
【0008】
図14は、’606特許の従来のシャワーヘッドの断面図を示し、’606特許は、通路とは関係なく維持する方法で、上部ブロックから下部ブロックへ分岐する第1セットのガス通路54a,54b,54c(集合的に、通路54)及び第2セットのガス通路(集合的に、通路52)を有する上部、中部及び下部ブロック58,60、及び62を含んでいる。ガスは出入口64を通って通路52に供給されると共に出入口72を通って通路54に供給される。通路52及び54は中部ブロック60で形成されたマニホールド80及び82を使用して分岐される。特に、通路52はマニホールド80を通って分岐され、通路54はマニホールド82を通って分岐される。
【0009】
冷却剤の導管84は、ガス出口を冷却するためガス出口78の近くの下部ブロック62に供給され、処理ガスの融解温度以下の温度、例えば、TDEATのため40℃以下にシャワーヘッドを維持する。
【0010】
ブロック58,60及び62はお互いに積重ねられ、Oリング90はシャワーヘッド内にガスを密閉しようとしてブロック58,60、及び62の間に配設される。そのようなOリング90はガスがシャワーヘッドから漏れないことを保証するのに有効であるが、ガスがいろいろなブロックの界面でガス通路52と54の間で漏れることによりシャワーヘッド内で混合しないことを保証するのに有効である。そのような混合は2つのガス通路部品の目的をくつがえし、すなわち、ガスが下部ブロック62を出て、処理領域に入るまで、ガスは完全に分離されない。さらに、処理チャンバー内のOリングの存在は、Oリング材料が破損し、チャンバー及び又はウェーハ表面を汚染する可能性に導く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5595606号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そのため、当技術分野において、処理領域に達する前にガスを混合することなく、シャワーヘッドへのガスを密閉するためOリングを使用することなく、処理ガスに少なくとも2つのガスを供給するシャワーヘッドのための必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従来技術に伴う不利益は、シャワーヘッドで使用される上下続きのガス分配フェースプレートの本発明により克服される。上下続きのガス分配フェースプレートは、第1表面、第2表面、及び第3表面を含んでいる。上下続きのガス分配フェースプレートは、第1表面と第2表面の間で上下続きのガス分配フェースプレートを通って延びる複数の第1ガス孔を備えている。上下続きのガス分配フェースプレートは、複数の相互連結溝により規定された内部ガスの分配空洞部を有している。複数の第2ガス孔は第1表面の間の上下続きのガス分配フェースプレートを通って複数の相互連結溝に延びる。相互連結溝は少なくとも1つのガス導管に順番に接続されるプレナムに滑らかに結合されている。ガス導管は第3表面に延びている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のシャワーヘッドを含む半導体ウェーハ処理反応炉を概略的に示す断面図である。
【図2】下部のガス分配プレートの平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って切断した下部ガス分配プレートの部分断面図である。
【図4】下部ガス分配プレートの一部分の詳細平面図である。
【図5】図4の線5−5に沿って切断された下部ガス分配プレートの詳細部分の断面図である。
【図6】上部ガス分配プレートの平面図である。
【図7】図6の線7−7に沿って切断された上部ガス分配プレートの部分断面図である。
【図8】図7の線8−8に沿って切断された上部ガス分配プレートの一部分の詳細断面図である。
【図9】本発明のシャワーヘッドのためのフェースプレートを形成する下部及び上部のガス分配プレートの組立部分の詳細断面図である。
【図10】ガス分配マニホールドの平面図である。
【図11】図10の線11−11に沿って切断されたガス分配マニホールド体の断面図である。
【図12】ガス分配マニホールド体の底面図である。
【図13】シャワーヘッドの代わりの実施例の一部分の断面図である。
【図14】従来の2つのガスのシャワーヘッドの分解断面図である。
【図15】ガス分配マニホールド体の別の実施例を概略的に示す断面図である。
【図16】図15に示された上下続きのガス分配フェースプレートの一実施例の部分破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の教示は添付した図面と関連させて以下の詳細な説明を考慮することにより容易に理解できる。
【0016】
理解の容易のため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すためには同一の参照符号が使用される。
【0017】
図1は、半導体ウェーハ処理チャンバー、例えば、化学気相成長反応炉100の概略断面図を示している。反応炉100は処理領域104を規定する囲い102(通常、チャンバーとも呼ばれる)を含んでいる。半導体ウェーハのような基板106は台108上の処理領域104の最も近くに保持されている。台108は囲い102内を(矢印110により示されているように)垂直に移動し、スリットバルブ112を通って基板106を移動させる位置まで台を降下させる。降下位置にある間、新しい基板106は台108に置かれる。その後、台108は、図示されているように、処理位置に上昇され、処理領域104の最も近くにウェーハ106を置く。処理ガスはシャワーヘッド114を通って供給される。本発明の好適な実施例では、ウェーハを処理するために複数のガス、例示的には、2つのガス、処理ガス1(例えば、四塩化チタンTiCl4)及び処理ガス2(例えば、アンモニアNH3)が使用される。これらのガスはウェーハを処理するために要求されるガス混合物を形成し、すなわち、ウェーハへの堆積又はウェーハの化学的エッチングを形成する。各源116及び118からの処理ガスはそれぞれバルブ120及び122を通って導管124及び126に供給され、導管は囲い102の壁128を貫通し、シャワーヘッド114に至る。シャワーヘッド114は反応炉100の蓋を形成する。
【0018】
シャワーヘッド114は2つの主な構成部品、フェースプレート130とガス分配マニホールド132を有している。ガス分配マニホールド132は2本の導管134及び136を有し、それらの導管はそれぞれ、チャンバー壁128を通ってガスを搬送する導管124及び126に結合している。シャワーヘッド114と処理チャンバー102の壁128の間の界面138での導管は、それぞれの導管124及び126に外接するOリング140及び142を使用して有効に密閉される。第1処理ガスは導管134を介して円筒チャンバー144に供給され、第1処理ガスをフェースプレート130に分配する。第2処理ガスは導管136を介して環状チャンバー146に供給され、第2処理ガスをフェースプレート130に分配する。
【0019】
フェースプレート130は2つの構成部品、下部ガス分配プレート148と上部ガス分配プレート150とを含んでいる。これらの2つのプレートは、処理領域104に入る2つの処理ガスのための2つの別個の通路を規定する各種溝及び孔を含む。溝及び孔の特定の配列は、下部ガス分配プレート148のため図3,4及び5、そして上部ガス分配プレート150のため図6,7及び8に関して詳細に説明されている。溝と孔の間のシールとしてOリングを使用することなく溝を規定するため、下部及び上部ガス分配プレートがお互いに融合され、単一のフェースプレート130を形成する。フェースプレートはガス分配マニホールド132に(複数のボルト152を使用して)締付けられている。フェースプレート130及びマニホールド132の一致面は、そのように、1〜3mmの平面度を有し、Oリングを使用することなくボルトで締付け可能であり、十分なシールが作られ、ガスの混合を防止する。フェースプレートおよびマニホールド体は、一般に、アルミニウム又はニッケルのような金属から作られている。
【0020】
図2は下部ガス分配プレート148の平面図を示し、図3は図2の線3−3に沿って切断された下部ガス分配プレート148の部分断面図を示し、図4は図2に示された下部ガス分配プレート148の一部分の詳細平面図を示し、図5は図4の線5−5に沿って切断された詳細断面図を示している。下部ガス分配プレートの囲いを最もよく理解するため、読者は図2,3,4及び5を同時に参照すべきである。
【0021】
より詳細には、下部ガス分配プレート148は平面形状が円形又はディスク状で、中央入口領域200及び周辺フランジ202を有し、フランジ202は約2.5mmの厚さを有し、中央入口領域200は約1.21cmの厚さを有している。中央領域200は約2.54cmのフランジ幅により規定されている。中央入口領域200は2セットの孔204及び206を含み、各孔は隣接する孔との中心間の間隔は6.35mm有している。一般に、第1ガスのための孔(例えば、TiCl4のための孔は0.025インチ)は、第2ガスのための孔204(NH3のための孔)とほぼ同一サイズである。しかし、各ガスのための孔サイズの選択は単に処理条件である。そのように、孔サイズはガス流量、ガス圧力、ガスタイプ、チャンバー圧力等により変わるだろう。孔サイズはまた、孔を通るガス流量がフェースプレートの孔の位置と相関するようにフェースプレート表面に亘り変化してもよい。
【0022】
中央入口領域200は、幅が3.173mmで深さが9.525mmの溝又は導管208により切欠されている。それらは、(線210により示されているように)水平から60°の角度で切欠されている。そのように、複数の相互連結溝208は第2ガスのための孔204上に形成されている。第1ガスのための孔206は入口領域200を通って延び、穴210をくり広げられている。穴210と孔206の接合点は、例えば、120°の角度を成している。溝208は十字形パターンで相互連結し、その開放頂部で囲われている時、第2ガスのためガスマニホールドを形成する。それぞれのガスのため、下部ガス分配プレート148を出る約700の孔204及び206がある。
【0023】
図6,7及び8はそれぞれ、上部ガス分配プレート150の平面図、図6の線7−7に沿って切断されたプレート150の断面図、及び図7の線8−8に沿って切断されたプレートの一部分の詳細断面図である。上部ガス分配プレート150は、組立てる時、調整し、下部ガス分配プレート148のフランジにある外側端部(フランジ支持600)を有している。上部ガス分配プレート150の中央には、第2及び下部ガス分配プレートが内部適合するように下部ガス分配プレート148の上昇された中央入口領域200と実質的に一致する凹部602がある。上部ガス分配プレート150は、約1.6mmの直径を有する中央に配置された複数の孔604を含み、これらの孔は下部ガス分配プレート148の第1ガスのため穴210と整列している。さらに、上部ガス分配プレート150の端部の最も近くであるが、フランジ支持600の内側には、下部ガス分配プレート148の溝208への分配ガスに使用される複数の孔606がある。組立により、ガス分配孔604の間の上部ガス分配プレート150の平坦部分は下部ガス分配プレート148の溝208の頂部を形成する。上部ガス分配プレート150に約700の孔があり、第1ガス孔206及び下部ガス分配プレート148のそれらに伴うカウンターボア210の配列と同一に調和している。下部ガス分配プレート148の溝208にガスを供給するガス分配孔606は、8つの孔がそれぞれ約6.35mmの直径を有するように、上部ガス分配プレート150の周囲の回りにお互いに対して45°度の角度を成している。
【0024】
図9は下部及び上部ガス分配プレート148及び150の一部分の組立図を示している。フェースプレート130を組立てるため、下部及び上部ガスの分配プレート148,150は、1〜3mm以内で一様でなければならない。アルミニウム分配プレートに融合するため、その後、一致面は高シリコンアルミニウムで被覆され、下部及び上部分配プレート148,150はお互いに締付けられ、その後、部品は炉に置かれ、下部及び上部ガス分配プレートはお互いに融合され、1つの単一要素、フェースプレート130を形成する。そのように、Oリングはフェースプレート内にガスを保有し、又はガスの分離を保持するために必要ではない。プレート148及び150は、フランジ202とフランジ支持600の接合点及びダイヤモンド形状の島の頂部の表面に融合されている。特に、フランジ202及びフランジ支持600は外側端部902に融合され、フェースプレート内部にすべてのガスを維持するのに十分なシールを形成する。さらに、上部ガス分配プレート150及び下部ガス分配プレート148のフランジ202は、下部ガス分配プレート148に形成されたガス溝208にガスを供給する周囲のプレナム900を形成する。孔606はこの周囲のプレナム900にガスを供給する。上部ガス分配プレート150は溝208の頂部に形成され、一様な方形断面の溝208が形成され、下部ガス分配プレート148の孔204に第2処理ガスを分配する。上部ガス分配プレート150の孔604は下部ガス分配プレート148の孔210と整列され、第1処理ガスを両方の分配プレート148及び150に通過させ、反応チャンバーの処理領域に達するのを妨げられない。一度、融合されると、(さら穴にされ、ボルト頭部(図示せず)がフェースプレートの表面と平らになるようにさせられた)複数の取付穴904が周辺端部領域902に形成され、フェースプレート130をガス分配マニホールド132に添付しやすくしている。
【0025】
フェースプレートがチャンバー処理ガスと反応する材料から製造された場合には、フェースプレートは、一般に、保護材料でめっきされ、フェースプレートの腐食を防止する。塩素に晒されると思われるアルミニウム製フェースプレートにとって、フェースプレートは0.2から0.4ミルの厚さかでニッケルでめっきされている。最大保護のため、フェースプレートは内側及び外側の表面にめっきされるべきである。
【0026】
図10,11及び12はそれぞれ、ガス分配マニホールド132の平面図、図10の線11−11に沿って切断されたガス分配マニホールド132の断面図、及びガス分配マニホールドの底面図である。ガス分配マニホールド132は、図1に示された導管124及び126からフェースプレート130にそれぞれの処理ガスを供給する。マニホールド132は3つの構成要素、下部プレート1000、中部プレート1002及び上部プレート1004を備えている。底部プレート1000はフェースプレート130の直径と実質的に同一の直径を有する第1円筒空洞部を含んでいる。空洞部1006はフェースプレート130と内部適合するように形成されている。第2空洞部1008は第1空洞部と同軸上にあるが、より小さい直径を有し、フェースプレート130が空洞部1006に取付けられることによりマニホールド132と接する時にチャンバーが形成されるようになっている。このチャンバーは上部ガス分配プレート150の孔604に第1処理ガスを分配するために使用される。中央に配置された穴1010はチャンバー144を導管134に結合し、この導管は中央の穴から上部プレート1004の端部近くの位置に延びている。その位置で、導管134はチャンバー壁の導管124に結合している。導管134を形成するため、上部プレート1004はガスが流れるその底面に刻まれた溝を有している。溝は中部プレート1002に上部プレート1004を取付けることにより完成され、中部プレートの最上面が溝134の底部を形成するようになっている。
【0027】
導管126及びチャンバーの壁からフェースプレートへの第2処理ガスを結合するため、環状溝146はマニホールド132で形成される。環状チャンバーは下部プレート1000の最上面に環状溝146を刻むことにより形成されている。放射状に導かれた溝1012は、各溝1012の遠位端部で環状溝146を穴1014に接続する。さらに、導管136を形成する溝は、環状溝146から界面138の導管結合位置まで延びる下部プレート1000に形成されている。環状溝146の頂部は中部プレート1002により閉塞され、閉塞された環状溝146がフェースプレート130の分配プレナム900へ第2処理ガスを結合する溝1012及び穴1014を放射状に延ばすことにより形成されている。
【0028】
ガス分配マニホールド体132を製作するため、下部、中部及び上部プレート1000,1002及び1004は高シリコンアルミニウム膜で被覆されたそれらの一致面を有し、全体の部品は約550℃の温度で炉内で締付けられ、置かれ、お互いに接触面に融合し、単一のマニホールド体132を形成する。そのように、Oリングは処理ガスの間に分離を維持するために必要ではない。
【0029】
シャワーヘッドを形成するマニホールド体及びフェースプレートは、アルミニウム製、又はニッケル等の他の熱伝導材料製である。そのようにシャワーヘッドは冷却プレート又は他の冷却装置に結合され、シャワーヘッド全体を均一で一定の温度に保持するであろう。そのような冷却プレートは、切欠又はそうでなければ形成された冷却溝を有するアルミニウム本体を使用して容易に形成可能であり、冷却プレートがマニホールド132の頂部に取付けられている間、冷却剤が冷却プレートを通って循環可能なようになっている。マニホールド体の頂部に取付けられた冷却プレート1100の配置例が図11に示されている。
【0030】
本発明の前述した実施例のシャワーヘッドは10〜5トルの真空テストで試験され、ガス供給導管134及び136のそれぞれに供給されるガスの間でクロストークは起こらない。
【0031】
図13はフェースプレート1300の代わりの実施例の一部分の断面図を示している。この実施例は、上部ガス分配プレート1302及び下部ガス分配プレート1304を含んでいる。下部ガス分配プレート1304は前述した下部ガス分配プレート(図9の148)と同様であり、プレート1304は複数のガス分配孔を規定する(1セットの孔1306は第1ガスを分配するためであり、1セットの孔1308は第2ガスを分配するためである)。すべての他の孔は上側からくり広げられている。それぞれのカウンターボアには、垂直方向に管状の導管(管)1312の1端部が配置されている。各管1312の他端部は上部ガス分配プレート1302の孔1320を通過する。上部及び下部ガス分配プレート1302及び1304及び管1312は、ニッケル又はアルミニウム等の金属製である。一度組立てられると、フェースプレートは炉に置かれ、前述した実施例が製作されたのと同様の方法で、接触面をお互いに蝋付ける(融合する)ために加熱される。
【0032】
前記実施例では、フェースプレートがチャンバー処理ガスと反応する材料製である場合、一般に、フェースプレートは保護材料でめっきされ、フェースプレートの腐食を防止する。塩素に晒されると思われるアルミニウム製フェースプレートのため、フェースプレートは0.2〜0.4ミルの厚みまでニッケルでめっきされる。最大の保護のため、フェースプレートは内側及び外側表面にめっきされるべきである。
【0033】
それぞれの管1312は、第2ガスがガス分配孔1308に達するためのガス通路を規定する。上部ガス分配プレート1302の下部表面1314及び下部ガス分配プレート1304の上部表面1310は第1ガスをガス分配孔1306に分配する空洞部1316を規定する。第1ガスは1以上の入口1318を介して空洞部1316に供給される。ガスマニホールド(図示しないが、図1のマニホールド132と同一)はフェースプレート1300に結合され、第1ガスを管1312に供給すると共に第2ガスをフェースプレート1300の入口1318に供給する。フェースプレートのこの実施例を含むシャワーヘッドの取付及び操作は前記実施例と同一である。
【0034】
本発明のいずれかの実施例のための代わりの製造処理は、フェースプレート構造を補強するため積重ね打抜き層(各層は約5ミルの厚みである)を含んでいる。その後、層の積重ね又は重ね合せは炉に置かれ、単一のフェースプレートに融合される。フェースプレートの材料はニッケル又はアルミニウム等の金属である。
【0035】
図15及び16はシャワーヘッド1602の別の実施例を示し、上下続きのガス分配フェースプレート1502及び周辺リング1503を備えている。この部分では、図15は図16と関連させて読まれるべきである。後述される幾らかの孔は上下続きのガス分配フェースプレート1502を形成する必要性を複数のプレートから制限する上下続きのガス分配フェースプレート1502で機械加工される。上下続きのガス分配フェースプレート1502は、アルミニウム、窒化アルミニウム、ステンレス鋼、モリブデン、又は上下続きのガス分配フェースプレート1502に注入される特定の化学薬品と反応しない材料のブロックから機械加工される。上下続きのガス分配フェースプレート1502は、下部表面1504、上部表面1506、周辺取付部分1507、内部ガス分配空洞部1509、及び垂直周縁面1508を備えている。上下続きのガス分配フェースプレート1502の破断部分だけが図16に示されている。周辺リング1503の一部分だけが図16に示されている。上部表面の一部分は内部ガス分配空洞部1509の構造を示すために取り除かれている。周辺取付部分1507は周縁面1508の外側放射状に延びている。垂直周縁面1508は上下続きのガス分配フェースプレート1502の上部表面の周辺回りで円周状に延びている。
【0036】
上下続きのガス分配フェースプレートは、第1孔1510、第2孔1520、及び相互連結溝1512A及び1512Bの穿設された3つのタイプの孔を有している。電気放電穿孔、機械穿孔、加圧反応穿孔、及びウォータジェット切断等の処理が、孔又は溝1510,1520,1512A、又は1512B(図15には溝1512Bだけが示されている)を穿設するための使用される穿孔技術である。穿孔技術の公知の適用可能なタイプが孔1510,1520,1512A、又は1512Bのいずれかを穿設するために使用されてもよい。
【0037】
第1孔1510の配列は上部表面1506及び下部表面1504の間に延びている。相互溝は1512A及び1512Bとして示されたそれらにさらに分けられる。各相互溝1512Aが1つの相互溝1512Bと交差する位置は接合空間1516を規定すると共に内部ガス分配空洞部1509を規定する。相互連結溝1512Aはすべてお互いに平行で、同一平面上にあり、垂直周縁面1508の間に延びている。相互連結溝1512Bはまたお互いに平行で、同一平面上にあり、垂直周縁面1508の間に延びている。相互連結溝1512Bはまた、接合空間1516で相互連結溝1512Bに垂直に交差している。
【0038】
第1孔1510は整列して配列され、及び上下続きのガス分配フェースプレート1502内に規定されているそれぞれの孔1510は、上部表面1506と下部表面1504の間に延びている。整列して配列された第2孔1520、及び各第2孔1520は上下続きのガス分配フェースプレート1502内に規定され、下部表面1504から接合空間1516に延びている。接合空間1516は滑らかに通じており、部分的に内部分配空洞部1509を規定する。第2孔1520の配列は第1孔1510の配列からずれている。第2孔1520は、図16に示されているように、内部ガス分配空洞部1509の上方には延びていない(それらは第2表面1506に続いていない)。ガスは内部ガス分配空洞部1509を通って接合空間1516の第2孔1520に自由に流れる。したがって、内部ガス分配空洞部1509は導管136から第2孔1520のそれぞれにガスを供給する導管を供給する。
【0039】
周辺リング1503は、第1蝋付けジョイント1620及び第2蝋付けジョイント1622により上下続きのガス分配フェースプレートの回りに延び、そしてそれに取付けられている。周辺プレナム1606は、周辺リング1503、上下続きのガス分配フェースプレート、第1蝋付けジョイント1620及び第2蝋付けジョイント1622の間に規定されている。周辺プレナム1606は内部ガス分配空洞部1509と滑らかに連通している。したがって、ガス導管1630を介して周辺プレナム1606に加えられるガスは、(相互連結溝1512A及び1512Bを備えた)内部ガス分配空洞部1509を介して第2孔1520に渡る。
【0040】
第1蝋付けジョイント1620は周辺リング1503の第1周辺端部1668を垂直周縁面1508に接続する。第2蝋付けジョイント1622は周辺リング1503の第2周縁端部1670を周辺取付部分1507の周縁端部1672に接続する。第1蝋付けジョイント1620及び第2蝋付けジョイント1622は、周辺プレナム1606とシャワーヘッド1602の外側の間でガスの通過を制限する。蝋付け処理は上述した蝋付け処理と同様の方法で行われ、周辺リング1503を上下続きのガス分配フェースプレート1502に一体化する。複数の整列された穿孔1640は上下続きのガス分配フェースプレート1502を通って延びる。それぞれの穿孔1640は周辺リング1503を通って延びる穿孔1642に整列される。ボルト、ネジ等の留め金具は、上下続きのガス分配フェースプレート1502及び周辺リング1503を備えたシャワーヘッドを取付け要素1646に固定する。代わりに、シャワーヘッド1602は、留め金具が取り除かれた時、別の公知な置換可能な方法で取付け要素1646に固定してもよく、上下続きのガス分配フェースプレート1507は除去可能であり、人は洗浄のため導管134及び136へのアクセスを得ることができる。
【0041】
ガス導管1630は周辺プレナム1606から導管136へ延びている。導管134は上部表面1506を介して複数の第1項510のそれぞれと滑らかに連通している。導管134及び136の構造及び操作は説明したものと同様である。被覆蝋付け技術及び材料に関する上記説明は、上下続きのガス分配フェースプレート1502に同様に適用する。
【0042】
本発明の教示を組込んだ各種実施例が詳細に示され、説明されているが、当業者であればこれらの教示を組込んだ他の多数の変更実施例を容易に発明することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面、第2表面、及び第3表面を含む、シャワーヘッドのための上下続きのガス分配フェースプレートであって、
前記第1表面と前記第2表面の間で上下続きのガス分配フェースプレートを通って延び、前記上下続きのガス分配フェースプレートが複数の相互連結溝により形成された内部ガスの分配空洞部を有する複数の第1ガス孔と、
前記第1表面の間で前記上下続きのガス分配フェースプレートを通って、複数の相互連結溝に延びる複数の第2ガス孔とを備え、
前記相互連結溝は少なくとも1つのガス導管に順番に接続されるプレナムに滑らかに結合され、前記ガス導管は前記第3表面に延びていることを特徴とする上下続きのガス分配フェースプレート。
【請求項2】
前記上下続きのガス分配フェースプレートの前記複数の相互連結溝は、十字形パターンで形成されている請求項1に記載のフェースプレート。
【請求項3】
前記フェースプレートは、前記上下続きのガス分配フェースプレートを通る孔を穿設することにより形成されている請求項1に記載のフェースプレート。
【請求項4】
前記孔は、電気放電穿孔、機械穿孔、加圧反応穿孔、及びウォータジェット穿孔を含む処理の1つにより穿設される請求項3に記載のフェースプレート。
【請求項5】
半導体ウェーハ処理システムのためのシャワーヘッドであって、
第1表面、第2表面、及び第3表面を含む上下続きのガス分配フェースプレートであって、前記第1表面と前記第2表面の間で前記上下続きのガス分配フェースプレートを通って延び、前記上下続きのガス分配フェースプレートが複数の相互連結溝により形成された内部ガスの分配空洞部を有する複数の第1ガス孔と、前記第1表面の間で前記上下続きのガス分配フェースプレートを通って複数の相互連結溝に延びる複数の第2ガス孔とを備え、前記相互連結溝は少なくとも1つのガス導管に順番に接続されるプレナムに結合され、前記ガス導管は前記第3表面に延びる上下続きのガス分配フェースプレートと、
前記上下続きのガス分配フェースプレートに結合され、前記上下続きのガス分配フェースプレートの前記第1ガス孔に第1ガスを供給すると共に前記上下続きのガス分配フェースプレートの前記第3ガス孔に第2ガスを供給するためのガスの分配マニホールド体と、
を備えていることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項6】
冷却プレートは前記ガスの分配マニホールド体に添付されている請求項5に記載のシャワーヘッド。
【請求項7】
前記上下続きのガス分配フェースプレートの相互連結溝は、十文字パターンで形成されている請求項5に記載のシャワーヘッド。
【請求項8】
前記第1ガス孔のそれぞれは、少なくとも管により部分的に形成されている請求項5に記載のシャワーヘッド。
【請求項9】
前記フェースプレートは、前記上下続きのガス分配フェースプレートを通る孔を穿設することにより形成されている請求項5に記載のフェースプレート。
【請求項10】
前記第1孔、第2孔、又は第3孔の少なくとも1つは、電気放電穿孔、機械穿孔、加圧反応穿孔、及びウォータジェット穿孔を含む処理の1つにより前記上下続きのガス分配フェースプレートに穿設されている請求項9に記載のフェースプレート。
【請求項11】
前記ガスの分配マニホールドは、前記上下続きのガス分配プレートの前記複数の第1ガス孔に前記第1ガスを供給する第1ガス溝をさらに備えている請求項5に記載のシャワーヘッド。
【請求項12】
前記ガスの分配マニホールドは、環状の空洞部を有する第2ガス溝と、前記第2ガスを前記プレナムに供給する環状空洞部から延びる放射状の溝とをさらに備えている請求項5に記載のシャワーヘッド。
【請求項13】
堆積領域を規定する真空チャンバーと、
前記真空チャンバー内で、前記堆積領域の近くに配置されたウェーハ支持台と、
前記真空チャンバー内で、前記堆積領域の近くに配置されたシャワーヘッドであって、第1表面、第2表面、及び第3表面を含む上下続きのガス分配フェースプレートを備え、前記上下続きのガス分配フェースプレートは、前記第1表面と前記第2表面の間で前記上下続きのガス分配フェースプレートを通って延びる複数の第1ガス孔を備え、複数の相互連結溝により形成された内部ガスの分配空洞部を有し、複数の第2孔は前記第1表面の間で前記上下続きのガス分配フェースプレートを通って複数の相互連結溝に延び、前記相互連結溝は順番に少なくとも1つのガス導管に滑らかに結合されるプレナムに結合され、前記ガス導管が前記第3に延びるシャワーヘッドと、
前記上下続きのガス分配フェースプレートに結合され、前記上下続きのガス分配フェースプレートの前記第1ガス孔に第1ガスを供給すると共に前記上下続きのガス分配フェースプレートの前記第3ガス孔に第2ガスを供給するガスの分配マニホールド体と、
を備えていることを特徴とする化学気相成長反応炉。
【請求項14】
前記第1ガスは四塩化チタンであり、前記第2ガスはアンモニアである請求項13に記載の化学気相成長反応炉。
【請求項15】
前記第1孔、第2孔、又は第3孔の少なくとも1つは、電気放電穿孔、機械穿孔、加圧反応穿孔、及びウォータジェット穿孔を含む処理の1つにより前記上下続きのガス分配フェースプレートに穿設されている請求項13に記載のフェースプレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−102409(P2012−102409A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28544(P2012−28544)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2001−123574(P2001−123574)の分割
【原出願日】平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】