説明

半導体ウェーハ収納容器

【課題】高度な回路の微細化要求を満たすとともに、半導体ウェーハの汚染を抑制し、パーティクルの発生をも有効に抑制できる半導体ウェーハ収納容器を提供する。
【解決手段】複数枚の半導体ウェーハWを整列収納するフロントオープンボックスタイプの容器本体1と、容器本体1の開口正面部を密封閉鎖用のシールガスケットを介して開閉する蓋体とを備え、容器本体1の半導体ウェーハWとの接触領域20にダイヤモンドライクカーボンを被覆して耐汚染性と導電性とを付与する。容器本体1の半導体ウェーハWとの接触領域20をダイヤモンドライクカーボンにより被覆して表面改質し、耐汚染性、導電性、耐磨耗性等を付与するので、最近の回路の微細化要求を満たしながら半導体ウェーハWの汚染を有効に抑制することができる。また、導電化による帯電防止により、静電気破壊やスパークを防止したり、パーティクルの発生を有効に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハの収納、搬送、輸送、保管等に使用される半導体ウェーハ収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体ウェーハ収納容器は、図示しないが、シリコンウェーハからなる複数枚の半導体ウェーハを所定のピッチで整列収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する着脱自在の蓋体とを備え、容器本体の相対向する対向壁の内面には、半導体ウェーハを整列させたり、支持する複数の支持片が並設されており、これら容器本体と複数の支持片とが単一の成形材料により成形されている。
【0003】
ところで、近年の半導体ウェーハ収納容器の容器本体と複数の支持片とには、同一の材料特性ではなく、異なる材料特性が要求されてきている。具体的には、容器本体には、剛性、低コスト、軽量性が求められ、複数の支持片には、半導体ウェーハの汚染を最小限にする耐汚染性が要望されてきている。
そこで、近年においては、容器本体と各支持片とを、異なる材料特性の成形材料により別々に成形し、各支持片に耐汚染性を付与する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2002−347061号公報
【特許文献2】特開平06−112304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来における半導体ウェーハ収納容器は、以上のように容器本体と各支持片とを異なる材料特性の成形材料により別々に成形し、半導体ウェーハの汚染を最小限にしているが、単に別々に成形するだけでは、最近の回路の微細化要求(例えば、回路幅90nm、65nm、35nm等の微細化要求)を満たしながら半導体ウェーハの汚染を抑制することができないおそれが考えられ、しかも、パーティクルの発生防止にも問題がある。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、高度な回路の微細化要求を満たすとともに、半導体ウェーハの汚染を抑制し、パーティクルの発生をも有効に抑制することのできる半導体ウェーハ収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては上記課題を解決するため、半導体ウェーハを収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体とを備えたものであって、
容器本体と蓋体のうち、少なくとも容器本体の半導体ウェーハとの接触領域をダイヤモンドライクカーボンにより被覆して耐汚染性と導電性とを付与するようにしたことを特徴としている。
【0007】
なお、容器本体の半導体ウェーハとの接触領域を、容器本体の内面全体とすることができる。
また、容器本体を正面の開口したフロントオープンボックスに形成してその両側壁の内面には、半導体ウェーハを略水平に支持するティースをそれぞれ形成し、各ティースを半導体ウェーハとの接触領域とすることができる。
【0008】
また、容器本体を正面の開口したフロントオープンボックスに形成してその背面壁の内面には、半導体ウェーハの後部を略水平に支持するリヤリテーナを設けるとともに、容器本体の両側壁の内面には、半導体ウェーハの側部を略水平に支持するティースをそれぞれ形成し、リヤリテーナと各ティースとを半導体ウェーハとの接触領域とすることもできる。
【0009】
また、半導体ウェーハを収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体とを備え、容器本体をフロントオープンボックスに成形してその内部両側には半導体ウェーハを略水平に支持する複数のティースをそれぞれ設け、これら容器本体と各ティースとを異なる特性の成形材料により成形したものであって、
容器本体と蓋体のうち、少なくとも容器本体の半導体ウェーハとの接触領域をダイヤモンドライクカーボンにより被覆して耐汚染性と導電性とを付与するようにしたことを特徴としても良い。
【0010】
また、各ティースを、半導体ウェーハの側部周縁を略水平に支持する薄肉領域と、この薄肉領域の前方に形成される前部中肉領域と、この前部中肉領域の側方に形成されて容器本体の側壁に接近し、半導体ウェーハの側部周面に接触する前部厚肉領域と、薄肉領域の後方に形成される後部中肉領域と、この後部中肉領域の前方に形成されて容器本体の側壁に接近し、半導体ウェーハの側部周面に接触する後部厚肉領域とから形成することもできる。
【0011】
また、容器本体と蓋体とに施錠機構を設け、この施錠機構を、容器本体の開口部内周に形成される係止穴と、蓋体に支持されて外部から操作される操作プレートと、蓋体に支持されて操作プレートに連結され、この操作プレートの回転に伴い蓋体の内外方向にスライドする複数の往復プレートと、蓋体の周壁の貫通口付近に支持されて各往復プレートに連結され、往復プレートの進出時には蓋体の貫通口から露出して容器本体の係止穴に干渉し、往復プレートの後退時には容器本体の係止穴から離れる複数の係止爪とから形成しても良い。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における半導体ウェーハは、口径200mm、300mm、450mmのタイプでも良いし、シリコンウェーハや再生ウェーハを特に問うものではない。容器本体は、単数複数の半導体ウェーハを収納するフロントオープンボックスタイプ、トップオープンボックスタイプ、ボトムオープンボックスタイプ、透明タイプ、半透明タイプ、不透明タイプ等を問うものではなく、半導体ウェーハを直接収納するものでも良いし、着脱自在の内箱を介して半導体ウェーハを間接的に収納するものでも良い。
【0013】
蓋体には、容器本体の開口部に嵌め入れられた蓋体を施錠、開錠する施錠機構を選択的に設けることができる。この蓋体の半導体ウェーハとの接触領域には、ダイヤモンドライクカーボンを被覆して導電化を図ることもできる。また、半導体ウェーハとの接触領域には、半導体ウェーハと必ず接触する領域の他、半導体ウェーハとの接触が予想される領域が含まれる。ティースは、直線の板形、く字形等に屈曲した板形、半円弧形の板形等に形成することができる。さらに、半導体ウェーハ収納容器は、FOSB、FOUP、ウェーハトレイ等と呼ばれる容器でも良い。
【0014】
本発明によれば、容器本体と蓋体のうち、少なくとも容器本体の半導体ウェーハとの接触領域にダイヤモンドライクカーボンを被覆して改質し、少なくとも容器本体の耐汚染化と導電化とを図るので、最近の回路の微細化要求を満たしながら半導体ウェーハの汚染を抑制することができる。また、導電化による帯電防止により、パーティクルの発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高度な回路の微細化要求を満たすとともに、半導体ウェーハの汚染を抑制し、パーティクルの発生を抑制することができるという効果がある。
また、容器本体の半導体ウェーハとの接触領域を、容器本体の内面全体とすれば、半導体ウェーハと必ず接触する部分のみならず、半導体ウェーハとの接触が考えられる部分をも改質し、半導体ウェーハ収納容器の耐汚染性、導電性、耐磨耗性等を高めることができる。
【0016】
さらに、半導体ウェーハを略水平に支持するティースを半導体ウェーハとの接触領域とすれば、半導体ウェーハと必ず接触する部分のみを改質し、耐汚染性、導電性、耐磨耗性等を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における半導体ウェーハ収納容器は、図1ないし図3に示すように、半導体ウェーハWを水平に収納するボックスタイプで樹脂製の容器本体1と、この容器本体1の開口正面部を密封用のシールガスケット11を介して開閉する樹脂製の蓋体10とを備え、容器本体1の半導体ウェーハWとの接触領域20に薄膜のダイヤモンドライクカーボンを被覆して少なくとも耐汚染化と導電化とを図るようにしている。
【0018】
半導体ウェーハWは、例えば薄く丸くスライスされた口径300mmタイプのシリコンウェーハからなり、周縁部には、結晶方位の判別や位置合わせを容易にするノッチが選択的に形成される。
【0019】
容器本体1は、図1に示すように、所定の成形材料を使用して正面が横長に開口したフロントオープンボックスタイプに射出成形され、複数枚(25枚あるいは26枚)の半導体ウェーハWを上下方向に所定のピッチで整列収納するよう機能する。この容器本体1の成形材料としては、例えば十分な強度や剛性を有するポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂があげられる。
【0020】
容器本体1の内部両側、換言すれば、左右両側壁の内面には図1や図2に示すように、半導体ウェーハWを水平に支持する左右一対のティース2が接続補助片3を介してインサート成形され、この一対のティース2が上下方向に所定のピッチで複数並設されており、容器本体1の内部背面、換言すれば、背面壁の内面には、上下方向に並んだ複数の半導体ウェーハWの後部周縁を略水平に支持するリヤリテーナ4が上下方向に装着される。
【0021】
各ティース2は、図3に示すように、容器本体1の成形材料とは異なる特性の材料、具体的には耐汚染性のポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルイミドに所定のフィラーが選択的に添加された成形材料により、半導体ウェーハWの側部周縁を水平に支持する先細りの薄板に成形された後、容器本体1の成形時に肉厚の末端部が側壁の内面に接続補助片3を介して一体化される。
なお、容器本体1の両側壁の内面には、容器本体1と同質の成形材料により成形したティース2を接続補助片3を介することなく一体化することもできる。
【0022】
容器本体1の底部には図1に示すように、基本形状が略Y字形のボトムプレート5が着脱自在に装着され、このボトムプレート5の前部両側と後部とには、図示しない半導体用の加工装置上の位置決めピンに嵌合する平面略小判形の位置決め具6がそれぞれ取付けられる。また、容器本体1の天井中央部には、図示しない搬送ロボットに把持される平面略矩形のフランジ7が着脱自在に装着される。
【0023】
容器本体1の背面壁には、収納された半導体ウェーハWやその枚数等を外部から視認するための縦長で矩形の観察窓が必要に応じ選択的に一体形成され、容器本体1の開口正面部は蓋体10の大きさに応じ幅方向外側に膨出形成される。また、容器本体1の左右両側壁の外面前方には、蓋体10用の係止部8がそれぞれ配設され、両側壁の外面後方には、手動操作用のハンドル9がそれぞれ着脱自在に斜めに装着される。
【0024】
蓋体10は、図1に示すように、容器本体1と同様の成形材料を使用して容器本体1の開口正面部に対応する横長の板に成形され、容器本体1の開口正面部にエンドレスで枠形のシールガスケット11を介し着脱自在に嵌入される。
【0025】
蓋体10の裏面両側部には、半導体ウェーハWの前部周縁を略水平に支持する弾性のフロントリテーナ12がそれぞれ装着され、蓋体10の両側部には、容器本体1の係止部8に係止する弾性の係止片13が半導体ウェーハ収納容器の前後方向にそれぞれ回転可能に軸支されており、各係止片13が容器本体1の係止部8に嵌合係止することにより、容器本体1を覆う蓋体10が強固に固定される。
【0026】
ダイヤモンドライクカーボン(DLCともいう)は、高硬度、電気絶縁性、赤外線透過性等を有し、ダイヤモンドに類似するカーボン薄膜の総称である。このダイヤモンドライクカーボンは、容器本体1の半導体ウェーハWとの接触領域20、例えば、容器本体1のティース2やリヤリテーナ4の表面を含む内面全体にイオンプレーティング法により滑らかに硬く(ビッカース硬さでHv=2500以上)成膜され、容器本体1の全内面を改質して導電化するとともに、容器本体1の全内面に平坦性(鏡面性)、耐熱性、難燃性、耐食性、耐磨耗性、撥水性等を付与するよう機能する。
【0027】
なお、容器本体1のティース2やリヤリテーナ4については、ティース2やリヤリテーナ4の表面にダイヤモンドライクカーボンを予め成膜し、その後、ティース2やリヤリテーナ4をインサート成形するようにしても良い。
【0028】
上記構成によれば、容器本体1と各ティース2とを異なる材料特性の成形材料により別々に成形するだけでなく、容器本体1の半導体ウェーハWとの接触領域20にダイヤモンドライクカーボンを皮膜として生成し、耐汚染性、耐磨耗性、導電性等を付与するので、最近の回路の微細化要求(例えば、回路幅90nm、65nm、35nm等の微細化要求)を満たしながら半導体ウェーハWの汚染を極めて有効に抑制することができる。
【0029】
また、導電化による帯電防止により、静電気破壊やスパークを防止したり、パーティクルの発生を有効に防止することができる。また、低摩擦係数のダイヤモンドライクカーボンによる表面改質により、半導体ウェーハWとティース2との摺動性を向上させたり、アウトガスや低分子不純物の移行を低減したり、容器本体1の全部あるいは一部が透明な場合には、透視性を維持することができる。
【0030】
次に、図4や図5は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の内部両側、換言すれば、左右両側壁の内面に、平面略円弧形に湾曲した複数のティース2を支持板35を介しそれぞれ一体化するようにしている。
複数のティース2と屈曲した支持板35とは、耐汚染性の成形材料により一体成形され、半導体ウェーハWとの接触領域20としてそれぞれ薄膜のダイヤモンドライクカーボンが生成される。
【0031】
各ティース2は、平面略円弧形に湾曲形成されて支持板35から突出し、半導体ウェーハWの側部周縁を下方から略水平に支持する薄肉領域30と、この薄肉領域30の表面前方に形成される前部中肉領域31と、この前部中肉領域31の側方に形成されて容器本体1の側壁や支持板35に近接し、半導体ウェーハWの側部周面に接触する前部厚肉領域32と、薄肉領域30の表面後方に形成される後部中肉領域33と、この後部中肉領域33の前方に形成されて容器本体1の側壁湾曲部や支持板35の湾曲部に近接し、半導体ウェーハWの側部周面に接触する後部厚肉領域34とを備えて形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0032】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、ティース2の前部厚肉領域32と後部厚肉領域34とが半導体ウェーハWの側部に接触して位置決めするので、半導体ウェーハWの前後左右方向への位置ずれや脱落を簡易な構成で防止することができるのは明らかである。
【0033】
次に、図6は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、複数の係止部8と係止片13とをそれぞれ省略し、容器本体1と蓋体10とに施錠機構40を設けるようにしている。
【0034】
施錠機構40は、容器本体1の開口正面部の内周上下にそれぞれ凹み形成される複数の係止穴と、蓋体10の表面両側部の中央にそれぞれ軸支されて外部から回転操作される一対の操作プレート41と、蓋体10の表面両側部にそれぞれ支持されて操作プレート41にピンや円弧溝孔を介し係合し、操作プレート41の回転に伴い蓋体10の上下方向にスライドする複数の往復プレート42と、蓋体10の周壁に形成された貫通口43付近に揺動作可能に支持されて各往復プレート42の先端部に揺動作可能に連結され、各往復プレート42の進出時には蓋体10の貫通口43から露出して容器本体1の係止穴に嵌入係止し、各往復プレート42の後退時には蓋体10の貫通口43内に埋没して容器本体1の係止穴から離隔する複数の係止爪44とを備えて形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0035】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、施錠機構40が容器本体1を覆う蓋体10を施錠するので、蓋体10の脱落や半導体ウェーハWの汚染をきわめて有効に防止することができるのは明らかである。
【0036】
次に、図7は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、半導体ウェーハ収納容器を、複数枚の半導体ウェーハWを水平に積層収納する樹脂製の容器本体1Aと、この容器本体1Aの開口上部を開閉する樹脂製の蓋体10Aとからプロセスキャリアとして構成し、これら容器本体1Aと蓋体10Aのうち、容器本体1Aの半導体ウェーハWとの接触領域20に、ダイヤモンドライクカーボンを皮膜として生成し、耐汚染化と導電化とを図るようにしている。
【0037】
複数枚の半導体ウェーハWは、例えば半導体ウェーハWと半導体ウェーハWとの間に、半導体ウェーハWと略同じ大きさのスペーサやシートが介在される。また、容器本体1は、平面略矩形のベース板50と、このベース板50上の中央部に立設されて複数枚の半導体ウェーハWを包囲する円筒壁51とを備え、ベース板50の円筒壁立設部と円筒壁51の内周面とには、硬く滑らかなダイヤモンドライクカーボンにより耐汚染性と導電性とが付与されており、円筒壁51には、半導体ウェーハW取り外し用の切り欠き溝52が高さ方向に切り欠かれる。
【0038】
蓋体10Aは、下方のベース板50に上方から対向する平面略矩形で肉厚のベース板50Aと、このベース板50Aの中央部に設けられて容器本体1Aの円筒壁51に着脱自在に嵌合される円筒壁51Aとを備えて形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、半導体ウェーハ収納容器の構成の多様化を図ることができるのは明白である。
【0039】
なお、上記実施形態では容器本体1を単に示したが、透明、半透明、不透明の容器本体1でも良い。また、容器本体1の内部両側に半導体ウェーハWを支持する一対のティース2を接続補助片3を介して配設するのではなく、容器本体1の内部両側に一対のティース2を直接的に配設しても良い。また、容器本体1の底部にボトムプレート5を着脱自在に装着してその両側部を容器本体1の両側部から露出させ、このボトムプレート5の両側部に起立板をそれぞれ立て設けてその外面には手動操作用のハンドル9を取付けても良い。
【0040】
また、容器本体1の両側壁の下部に、搬送用のボトムレールをそれぞれ選択的に装着することができる。また、容器本体1の両側壁内面とティース2とを半導体ウェーハWとの接触領域20としたり、あるいはティース2とリヤリテーナ4とを半導体ウェーハWとの接触領域20とし、耐汚染性、導電性、耐磨耗性等を付与することもできる。さらに、蓋体10の裏面やその弾性のフロントリテーナ12を半導体ウェーハWとの接触領域20とし、この接触領域20にダイヤモンドライクカーボンを被覆することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の実施形態を模式的に示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の実施形態におけるティースを模式的に示す要部断面説明図である。
【図4】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の第2の実施形態を模式的に示す断面平面説明図である。
【図5】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の第2の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の第3の実施形態における蓋体を模式的に示す正面説明図である。
【図7】本発明に係る半導体ウェーハ収納容器の第4の実施形態を模式的に示す全体斜視説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 容器本体
1A 容器本体
2 ティース
4 リヤリテーナ
10 蓋体
10A 蓋体
12 フロントリテーナ
20 接触領域
30 薄肉領域
31 前部中肉領域
32 前部厚肉領域
33 後部中肉領域
34 後部厚肉領域
35 支持板
40 施錠機構
41 操作プレート
42 往復プレート
43 貫通口
44 係止爪
W 半導体ウェーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハを収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体とを備えた半導体ウェーハ収納容器であって、
容器本体と蓋体のうち、少なくとも容器本体の半導体ウェーハとの接触領域をダイヤモンドライクカーボンにより被覆して耐汚染性と導電性とを付与するようにしたことを特徴とする半導体ウェーハ収納容器。
【請求項2】
容器本体の半導体ウェーハとの接触領域を、容器本体の内面全体とした請求項1記載の半導体ウェーハ収納容器。
【請求項3】
容器本体を正面の開口したフロントオープンボックスに形成してその両側壁の内面には、半導体ウェーハを略水平に支持するティースをそれぞれ形成し、各ティースを半導体ウェーハとの接触領域とした請求項1記載の半導体ウェーハ収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−21743(P2008−21743A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190760(P2006−190760)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】